説明

複合体粉末、その製造および使用

【課題】本発明は、複合体粉末、その製造および使用に関する。
【解決手段】本発明による複合体粉末は、照射済みまたは未照射のゴムラテックスを無機粒子のスラリーと、本発明による複合体粉末中のゴム粒子対無機粒子の比に対応する比で混和し、得られた混合物を乾燥することにより製造される。本発明による複合体粉末は、粉状ゴム粒子と無機粒子とから構成される凝集体を含み、無機粒子は、凝集体の内側か、前記凝集体の内側とその表面の両方かのいずれかに均一に分配されている。本発明による複合体粉末は、プラスチックマトリックス中に容易に分散するため、プラスチックスに配合されて、強化プラスチックおよび熱可塑性エラストマーを作成することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、粉末、特に、ゴム粒子と無機粒子とを含む複合体粉末、その製造および使用に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1[国際公開第01/40356A1号(1999年12月3日に本出願人により出願された中国特許出願第99125530.5号に基づく優先権を主張して2000年9月18日に出願)]は、完全に加硫した粉状ゴム、すなわち、ゲル含量が60重量パーセント以上で、分配剤なしで乾燥後に自由に流動する離散した細ゴム粉末を開示している。かかる粉状ゴムは、架橋剤を存在させずに、または存在させてゴムラテックスに照射して、それらを架橋し、ゴム粒子の粒子サイズを固定し、照射したラテックスを沈降またはスプレー乾燥させることにより得られる。このようにして得られた完全に加硫した粉状ゴムは、粒子サイズが20〜2000nmの範囲であり、プラスチックスの強化剤として用いることができ、良好な強化効果が得られる。しかしながら、かかる粉状ゴムをプラスチックスの強化に用いると、プラスチックス固有の強度、モジュラスおよび熱的特性が減じることが多い。
【0003】
1980年代以来、無機粒子がプラスチックスの変性に提案されてきた。しかしながら、無機粒子の表面エネルギーが非常に高く、特別な処理を実施しないと、プラスチックスとブレンドするときに凝集しがちであり、これによって、プラスチックスに対する変性の効果が大幅に減少してしまう。例えば、ナノクレイ材料は、ポリアミドの剛性を増大させるのに現在用いられており、ポリアミド/クレイナノ複合体が得られている(例えば、非特許文献1:「ポリマー−無機ナノ複合体」ナノ材料および応用技術シリーズ、化学工業プレス(“Polymers−Inorganics Nano−composites”,Series of Nano−materials and Application Technologies, the Chemical and Industrial Press)、2002年12月を参照のこと)。ポリアミド/クレイナノ複合体の製造に用いるクレイは、従来、シートクレイであり、ナノメートル規模の層状構造を有しており、天然のナノ材料であり、ナノ複合体を製造するのに非常に好適である。しかしながら、シートクレイの層の間にあるギャップが非常に小さいため、有機ポリマーがそのギャップに入って、ナノメートル規模でシートクレイを剥がすことができない。従って、かかるポリマー/クレイナノ複合体を製造するのに用いる前に、クレイには特別な処理、すなわち、様々な有機物質で置き換えて、有機官能基を含有するナノ前駆体材料を得るようにして、これをポリマーと配合してナノ複合体を形成しなければならない。かかるナノ前駆体材料を製造するプロセスはまた、クレイの有機変性とも呼ばれる。かかる有機変性後、有機カチオン等のような有機官能基を、シートクレイのギャップに導入して、モノマーまたはポリマーの挿入を促す(例えば、「ポリマー−無機ナノ複合体(Polymer−Inorganics Nano−composites)、21〜22頁」を参照のこと)。挿入配合により、有機変性がなされたシートクレイ層はナノメートル規模でポリマーマトリックス中に分散でき、これによって、高い強度、モジュラス、加熱歪み温度を有するポリマー/クレイナノ複合体が得られる。モンモリロナイトの有機変性だと挿入配合が促されるが、複合体の製造が複雑になる。
【特許文献1】国際公開第01/40356A1号パンフレット
【非特許文献1】「ポリマー−無機ナノ複合体」ナノ材料および応用技術シリーズ、化学工業プレス(“Polymers−Inorganics Nano−composites”,Series of Nano−materials and Application Technologies, the Chemical and Industrial Press)、2002年12月
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記を鑑みて、本発明者らは、プラスチックス強化分野において、プラスチックスを強化するのに用いることができ、一方で、プラスチックス固有の強度、モジュラスおよび熱的特性を保持する新規な強化剤を開発する目的で、多岐にわたる徹底的な調査を行った。多くの実験の結果として、本発明者らは、粉状ゴムを無機粒子と配合することにより、有機弾性粒子および無機剛性粒子を含む複合体粉末が得られ、プラスチックスとブレンドすると、かかる複合体粉末に含有される有機弾性粒子が無機粒子の凝集を防ぎ、かかる複合体粉末でプラスチックスを強化することにより、弾性粒子や無機粒子のみを用いるのに比べて、このように良好な強化効果が得られ、一方、弾性粒子の導入により生じる樹脂の剛性や熱抵抗に対する悪影響が減じることを見出した。さらに、かかる複合体粉末は、熱可塑性エラストマーの製造に有利に用いることができる。
【0005】
従って、本発明の目的は、プラスチックスの強化および熱可塑性エラストマーの製造に用いることのできる複合体粉末を提供することである。
【0006】
本発明の他の目的は、本発明による複合体粉末の製造方法を提供することである。
【0007】
本発明のさらに他の目的は、強化プラスチックスおよび熱可塑性エラストマーを製造するために本発明による複合体粉末の使用を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、第1の態様において、架橋構造を有する粉状ゴム粒子と、前記ゴム粒子間に分配された無機粒子とを含む複合体粉末を提供する。
【0009】
本発明は、第2の態様において、照射済みまたは未照射のゴムラテックスを無機粒子のスラリーと、本発明による複合体粉末中のゴム粒子対無機粒子の比に対応する比で混和し、得られた混合物を乾燥することを含む本発明による複合体粉末の製造方法を提供する。
【0010】
本発明は、第3の態様において、本発明による複合体粉末により強化されたプラスチックスを提供する。
【0011】
本発明は、第4の態様において、本発明による複合体粉末を含む熱可塑性エラストマーを提供する。
【0012】
本発明のこれらおよびその他の目的、特徴および利点は、図面と組み合わせて、全体の説明を読むと明らかとなるであろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
本発明による複合体粉末は、架橋構造を有する粉状ゴム粒子と、前記ゴム粒子間に分配された無機粒子とを含み、前記ゴム粒子対前記無機粒子の重量比は99.5:0.5〜20:80、好ましくは99:1〜50:50である。
【0014】
本発明による複合体粉末において、無機粒子は従来技術において市販されているものである。無機粒子の種類については、本発明の範囲内のサイズであれば特に制限はない。しかしながら、水と接触すると不安定になる無機粒子は除外する。無機粒子は、球、楕円、シート、針または不規則形状等任意の形状とすることができる。三次元の点から、個々の粒子の平均サイズは少なくとも1つの寸法において、0.2〜500nm、好ましくは0.5〜100nmである。
【0015】
本発明による複合体粉末に用いる無機粒子は、金、銀、銅、鉄またはその合金のような元素金属またはその合金;酸化アルミニウム(Al)、酸化マグネシウム(MgO)、二酸化チタン(TiO)、三二酸化鉄(Fe)、四三酸化鉄(Fe)、酸化銀(AgO)、酸化亜鉛(ZnO)等のような金属酸化物;窒化アルミニウム(AlN)、窒化ケイ素(SiN)等のような金属または非金属窒化物;炭化ケイ素(SiC)のような非金属炭化物;二酸化ケイ素(SiO)等のような非金属酸化物;水酸化アルミニウム(Al(OH))、水酸化マグネシウム(Mg(OH))等のような金属水酸化物、炭酸カルシウム(CaCO)、硫酸バリウム(BaSO)、硫酸カルシウム(CaSO)、塩化銀(AgCl)等のような金属炭酸塩、ケイ酸塩、硫酸塩等をはじめとする金属塩;アスベスト、タルク、カオリン、マイカ、長石、珪灰石、モンモリロナイト等のような鉱物;およびそれらの2種類以上の混合物から選択することができる。
【0016】
本発明による複合体粉末に用いる架橋構造を有する粉状ゴム粒子は、均一な構造、すなわち、個々の粒子が組成物中で均一で、偏析、相分離等のような不均一な現象が、現在の顕微鏡技術により粒子中に観察できないものである。さらに、粉状ゴム粒子のゲル含量は60重量パーセント以上、好ましくは75重量パーセント以上、より好ましくは80重量パーセント以上である。
【0017】
本発明による複合体粉末は、照射済みラテックスを乾燥の前に無機粒子のスラリーと混合する以外は、2000年9月18日に本願出願人により出願された国際公開第01/40356A1号(その全文がここに参考文献として援用される)に開示された完全に加硫した粉状ゴムの製造方法により製造することができる。
【0018】
さらに、架橋ゴムラテックスを乾燥の前に無機粒子のスラリーと混合する以外は、2000年11月3日に本出願人により出願された中国特許出願第00130386.4号(CN1353131A号、その全文がここに参考文献として援用される)明細書に開示された粉状架橋ゴムの製造方法により製造することもできる。
【0019】
本発明による複合体粉末は、任意に、プラスチックス用の水溶性核生成剤を含むことができ、かかる物質が存在する場合には、その量は、本発明による複合体粉末中のゴム粒子対核生成剤の重量比が99:1〜50:50、好ましくは97:3〜70:30となるようにする。核生成剤は、従来から当技術分野で用いられているものとすることができ、好ましくは安息香酸ナトリウムである。
【0020】
本発明による複合体粉末は、粉状ゴム粒子と無機粒子とから構成される凝集体を含み、無機粒子は凝集体の内側か、凝集体の内側とその表面の両方かのいずれかに均一に分配されており、ゴム粒子自身のゲル含量は60重量パーセント以上、好ましくは75重量パーセント以上、より好ましくは80重量パーセント以上である。粉状ゴム粒子と無機粒子とから構成される凝集体に加えて、本発明による複合体粉末は離散した無機粒子を含有していてもよい。無機粒子の含量が多い時は特に、無機粒子は凝集体の外側に存在しやすい。
【0021】
本発明による複合体粉末の持つ凝集状態は、複合体粉末を非極性プラスチックス(ポリプロピレンやポリエチレン等)で溶融ブレンドすることにより得られた組成物中に保持することができる。組成物をミクロトームして、透過型電子顕微鏡で観察すると、凝集状態等の反映された写真を得ることができる(図1参照)。
【0022】
本発明による複合体粉末は、照射済みまたは未照射のゴムラテックスを無機粒子のスラリーと、本発明による複合体粉末中のゴム粒子対無機粒子の比に対応する比で混和し、得られた混合物を乾燥することにより製造される。
【0023】
より具体的には、本発明による複合体粉末は、
a.無機粒子のスラリーを架橋合成ゴムラテックスと混和させて、混合ラテックスとし、混合ラテックスを乾燥するか、または
b.架橋剤を存在させずに、または存在させて、高エネルギー照射によりゴムラテックスを加硫させ、無機粒子のスラリーを照射済みのゴムラテックスと混和させて、混合ラテックスとし、混合ラテックスを乾燥することにより製造することができる。
【0024】
本発明による複合体粉末の製造方法において、無機粒子のスラリーは無機粒子の水性懸濁液であり、市販のスラリーとすることができる。しかしながら、ゴムラテックスと混合する前に、市販のスラリーは、通常、従来の分散装置(高剪断分散および乳化機、コロイドミル等のような)により分散して、スラリー中の固体粒子が水中に確実に均一に分散されるようにする。無機粒子のスラリーが市販されていない場合には、従来の分散装置により好適な量の水中に無機粒子を分散して、安定した懸濁液を形成し、これをゴムラテックスと混合することにより製造することができる。
【0025】
本発明による複合体粉末の製造方法において、無機粒子は業界において市販されているものである。無機粒子の種類については、本発明の範囲内のサイズであれば特に制限はない。しかしながら、水と接触すると不安定になる無機粒子は除外する。無機粒子は、球、楕円、シート、針または不規則形状等任意の形状とすることができる。三次元の点から、個々の粒子の平均サイズは少なくとも1つの寸法において、0.2〜500nm、好ましくは0.5〜100nmである。
【0026】
本発明による方法に用いる無機粒子は、金、銀、銅、鉄またはその合金のような元素金属またはその合金;酸化アルミニウム(Al)、酸化マグネシウム(MgO)、二酸化チタン(TiO)、三二酸化鉄(Fe)、四三酸化鉄(Fe)、酸化銀(AgO)、酸化亜鉛(ZnO)等のような金属酸化物;窒化アルミニウム(AlN)、窒化ケイ素(SiN)等のような金属または非金属窒化物;炭化ケイ素(SiC)のような非金属炭化物;二酸化ケイ素(SiO)等のような非金属酸化物;水酸化アルミニウム(Al(OH))、水酸化マグネシウム(Mg(OH))等のような金属水酸化物、炭酸カルシウム(CaCO)、硫酸バリウム(BaSO)、硫酸カルシウム(CaSO)、塩化銀(AgCl)等のような金属炭酸塩、ケイ酸塩、硫酸塩等をはじめとする金属塩;アスベスト、タルク、カオリン、マイカ、長石、珪灰石、モンモリロナイト等のような鉱物;およびそれらの2種類以上の混合物から選択することができる。
【0027】
本発明による複合体粉末を製造する方法において、ゴムラテックス中に含有されるゴムの重量(すなわち、ゴムラテックスの乾燥重量または固体含量)対無機粒子のスラリーに含有される無機粒子の重量(すなわち、無機粒子のスラリーの乾燥重量)の比は、99.5:0.5〜20:80、好ましくは99:1〜50:50である。
【0028】
本発明による複合体粉末の製造における選択プロセスaまたはbにおいて、混合ラテックスは、無機粒子のスラリー、プラスチックス用の水溶性核生成剤の水溶液および照射済みゴムラテックス(選択プロセスb)または架橋ゴムラテックス(選択プロセスa)を混和することにより得ることができる。照射済みゴムラテックスまたは架橋ゴムラテックスの乾燥重量対水性核生成剤溶液中に含有される核生成剤の重量の比は、99:1〜50:50、好ましくは97:3〜70:30である。このようにして得られた複合体粉末は、プラスチックスの靭性を改善することができ、同時に、結晶性プラスチックスの結晶化も促進し、その結果、プラスチックスの剛性もさらに改善される。本発明による方法において、プラスチックス用の水溶性核生成剤については、水溶性で、プラスチックスの核形成を促進する限りは特に制限はない。安息香酸ナトリウムが好ましく用いられる。
【0029】
本発明による複合体粉末の製造方法において、無機粒子のスラリーと、所望により、プラスチックス用の水溶性核生成剤の水溶液とを照射済みゴムラテックスまたは架橋ゴムラテックスに、それらが混和するよう攪拌しながら添加することができる。ゴムラテックス、無機粒子のスラリーおよび水性核生成剤溶液の濃度に特に制限はない。乾燥は、国際公開第01/40356A1号および国際公開第01/98395号(2000年6月15日に本出願人により出願された中国特許出願第00109217.0号に基づく優先権を主張して2001年6月15日出願)に開示された完全に加硫した粉状ゴムの製造のための乾燥方法を用いて実施することができる。すなわち、乾燥は、入口温度および出口温度が100〜200℃と20〜80℃にそれぞれ制御されたスプレー乾燥機により実施することができる。上記の選択プロセスaおよびbを用いることにより得られる複合体粉末に含有されるゴムのゲル含量は、選択プロセスaの架橋合成ゴムラテックスのものと、選択プロセスbの照射済みゴムラテックスのものとそれぞれ等しい。
【0030】
一連の実験後、本発明者らは、あるゴムラテックスは、それらの合成中に、ゴム分子間にある程度の架橋がなされ、この結果、ある程度の架橋がなされたゴムラテックスが得られるということを見出した。かかるゴムラテックスは、架橋ゴムラテックスと呼ばれる。2000年11月3日に本出願人により出願された中国特許出願第00130386.4号(CN1353131A号)明細書は、かかる架橋合成ゴムラテックスに言及しており、そのゲル含量は80重量パーセント以上、好ましくは85重量パーセント以上である。かかるゴムラテックスは、それ自体が高度に架橋し、直接スプレー乾燥して、さらに照射架橋を行うことなく、粉状ゴムが得られる。本発明による複合体粉末を製造するための選択プロセスaにおいては、かかる架橋合成ゴムラテックスは出発材料として用いられる。架橋合成ゴムラテックスは、架橋スチレン−ブタジエンラテックス、架橋カルボキシル化スチレン−ブタジエンラテックス、架橋ポリブタジエンラテックス、架橋アクリロニトリル−ブタジエンラテックス、架橋カルボキシル化アクリロニトリル−ブタジエンラテックス、架橋ネオプレンラテックスおよび架橋アクリルラテックスからなる群より選択することができる。
【0031】
本発明による複合体粉末を製造する選択プロセスbにおいて、出発材料としてのゴムラテックスに制限はない。例えば、天然ゴムラテックス、スチレン−ブタジエンゴムラテックス、カルボキシル化スチレン−ブタジエンゴムラテックス、アクリロニトリル−ブタジエンゴムラテックス、カルボキシル化アクリロニトリル−ブタジエンゴムラテックス、ポリブタジエンゴムラテックス、ネオプレンゴムラテックス、シリコーンゴムラテックス、アクリルゴムラテックス、ブタジエン−スチレン−ビニルピリジンゴムラテックス、イソプレンゴムラテックス、ブチルゴムラテックス、エチレン−プロピレンゴムラテックス、ポリスルフィドゴムラテックス、アクリレート−ブタジエンゴムラテックス、ウレタンゴムラテックスおよびフッ素ゴムラテックスのような、国際公開第01/40356A1号および国際公開第01/98395号に記載の完全に加硫した粉状ゴムの製造に用いるゴムラテックスとすることができる。
【0032】
本発明による複合体粉末の製造の選択プロセスbに用いるゴムラテックスとしてはまた、選択プロセスaに用いる架橋合成ゴムラテックスも含まれる。すなわち、架橋合成ゴムラテックスを用いて、照射なし(選択プロセスa)または照射あり(選択プロセスb)で、本発明による複合体粉末を製造することができ、選択プロセスbにより得られる複合体粉末におけるゴムのゲル含量は選択プロセスaよりも高い。
【0033】
上記の2つの選択プロセスに用いるゴムラテックスの固体含量(すなわち乾燥重量)には特に制限はなく、通常20〜70重量パーセント、好ましくは30〜60重量パーセント、より好ましくは40〜50重量パーセントである。これらのゴムラテックス中のゴム粒子の平均粒子サイズは20〜2000nm、好ましくは30〜1500nm、より好ましくは50〜500nmである。ゴムラテックス照射後、含有されるゴム粒子は比較的高いゲル含量(60重量パーセント以上)となる。または、架橋合成ゴムラテックスの場合には、ゴム粒子の粒子サイズは、高ゲル含量のために固定され、ゴムラテックスと無機粒子のスラリーに同時にスプレーした後、個々のゴム粒子の粒子サイズは、出発材料としてゴムラテックスに含有されるゴム粒子のサイズと一致しており、すなわち、ゴム粒子が凝集体の形態にあるか自由な状態にあるかにかかわらず、20〜2000nm、好ましくは30〜1500nm、より好ましくは50〜500nmである。
【0034】
本発明による複合体粉末を製造する選択プロセスbにおいて、架橋剤、放射線量、高エネルギー照射源等、ゴムラテックスを照射する条件は、国際公開第01/40356A1号および国際公開第01/98395号に開示された完全に加硫した粉状ゴムの製造方法にあるのと同様である。ゴムラテックスの照射中、架橋剤を任意で用いる。用いる架橋剤は、単−、二−、三−、四−または多官能性架橋剤およびこれらの組み合わせからなる群より選択することができる。単官能性架橋剤としては、オクチル(メタ)アクリレート、イソ−オクチル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレートが例示されるがこれらに限られるものではない。二官能性架橋剤としては、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ジビニルベンゼンが挙げられるがこれらに限られるものではない。三官能性架橋剤としては、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレートが挙げられるがこれらに限られるものではない。四官能性架橋剤としては、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、エトキシル化ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレートが挙げられるがこれらに限られるものではない。多官能性架橋剤としては、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレートが挙げられるがこれに限られるものではない。本出願において、「(メタ)アクリレート」という用語は、アクリレートまたはメタクリレートのことを意味する。これらの架橋剤は、照射中加硫を促す限りは、単独または組み合わせて用いることができる。
【0035】
添加する架橋剤の量は、ゴムラテックスの種類や処方に応じて異なり、通常、ラテックスの乾燥重量に基づいて、0.1〜10重量パーセント、好ましくは0.5〜9重量パーセント、より好ましくは0.7〜7重量パーセントである。
【0036】
本発明による複合体粉末を製造する選択プロセスbにおいて、用いることのできる高エネルギー照射は、コバルト源(Co−60等)、UV線源および高エネルギー電子加速器からなる群より選択され、好ましくはコバルト源である。照射線量は0.1〜30Mrad、好ましくは0.5〜20Mradとすることができる。照射はゴムラテックスの種類および処方に応じて異なる。通常、照射線量は、照射加硫後、ゴムラテックスのゲル含量が60重量パーセント以上、好ましくは75重量パーセント以上、より好ましくは80重量パーセント以上となるようなものとする。
【0037】
ゴムラテックス、無機粒子のスラリー等を同時スプレーすることにより製造された本発明による複合体粉末は、粉末ゴム粒子および無機粒子から構成される凝集体を含んでおり、無機粒子は凝集体の内側か、凝集体の内側とその表面の両方かのいずれかに均一に分配されており、ゴム粒子自身のゲル含量は60重量パーセント以上、好ましくは75重量パーセント以上、より好ましくは80重量パーセント以上である。粉状ゴム粒子および無機粒子から構成される凝集体に加えて、本発明による複合体粉末は離散した無機粒子を含有していてもよい。無機粒子の含量が多いときは特に、無機粒子は凝集体外の外側に存在しがちである。
【0038】
本発明による複合体粉末の凝集状態は、非極性プラスチックス(ポリプロピレンやポリエチレン等)と複合体粉末を溶融ブレンドすることにより得られた組成物中に保持できる。組成物をミクロトームして、透過型電子顕微鏡で観察すると、凝集状態等を反映した写真を得ることができる(図1参照)。
【0039】
本発明による複合体粉末は、従来のブレンドプロセスによりプラスチックマトリックス中に分散することができ、ゴム粒子がマトリックス中の無機粒子の均一な分散を促すことによって、無機粒子の凝集が実質的に排除される。非極性樹脂マトリックス(ポリプロピレンやポリエチレン等)において、無機粒子は無機粒子とゴム粒子から構成される凝集体中に均一に分配され、その結果、良好な変性効果が得られる。界面でゴム粒子と化学的に反応したり、界面のゴム粒子と大きな相互作用を有する樹脂マトリックスの場合には、本発明による複合体粉末に含有されるゴム粒子は、溶融ブレンド後、個々の粒子の形態で樹脂マトリックス中に分散することができ、複合体粉末に含有される無機粒子がゴム粒子間に均一に分散されているという事実により、樹脂中のゴム粒子の理想的な分散によって、無機粒子の分散が促される。例えば、モンモリロナイトのような層状無機粒子の場合には、モンモリロナイト粒子とゴム粒子とを含む複合体粉末を製造することにより、モンモリロナイトを複雑なオルガノ変性なしで、ゴム粒子の作用により(図3に図示)剥がれた状態でナイロンのような極性樹脂マトリックス中に分散することができる。
【0040】
本発明による複合体粉末を製造するプロセスは、単純で、簡便かつ実施しやすい。本発明による複合体粉末をプラスチックスを強化するのに用いるときは、ゴム弾性粒子のみを用いるのに比べて、良好な強化効果を得ることができ、一方、弾性粒子の導入が原因の樹脂の剛性および耐熱性に対する悪影響が減じる。さらに、本発明による複合体粉末は、熱可塑性エラストマーの製造に有利に用いることができる。
【0041】
本発明による複合体粉末は、非常に容易にプラスチックス中に分散できるため、様々なプラスチックスと混合して、数多くの強化プラスチックスおよび熱可塑性エラストマーを製造することができる。強化プラスチックスまたは熱可塑性エラストマーの製造は、必要に応じて、従来の処理助剤および相容剤を存在させて、従来の処理条件下で従来のブレンド装置において特定の比率で本発明による複合体粉末とプラスチックスの単純な混合により行うことができる。
【0042】
強化プラスチックスの製造において、本発明による複合体粉末対プラスチックスの重量比は0.5:99.5〜50:50、好ましくは1:99〜30:70である。強化されるプラスチックスとしては、ナイロン、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリ塩化ビニル、ポリウレタン、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリオキシメチレン、ポリスチレン、ポリフェニレンオキシド(PPO)、ポリフェニレンスルフィド(PPS)、ポリイミド、ポリスルホン、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル、フェノール樹脂、アミノ樹脂、アルキド樹脂、ジアリルフタレート樹脂、シリコーン樹脂またはこれらのブレンドまたは混合物とすることができる。
【0043】
熱可塑性エラストマーの製造において、本発明による複合体粉末対プラスチックスの重量比は30:70〜75:25、好ましくは50:50〜70:30である。用いることのできるプラスチックスは、ナイロン、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリ塩化ビニル、ポリウレタン、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリオキシメチレン、ポリスチレン、ポリフェニレンオキシド(PPO)、ポリフェニレンスルフィド(PPS)、ポリイミド、ポリスルホン、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル、フェノール樹脂、アミノ樹脂、アルキド樹脂、ジアリルフタレート樹脂、シリコーン樹脂またはこれらのブレンドまたは混合物である。
【実施例】
【0044】
本発明を、以下の実施例を参照してさらに説明するが、本発明はこれらに限定されると解釈されるべきではない。本発明の範囲は、添付の請求項において定義される。
【0045】
複合体粉末のモルホロジーの試験および特定方法
複合体粉末、プロピレンホモポリマー粉末またはペレット(メルトインデックス:<5g/10分)および酸化防止剤(イルガノックス(Irganox)1010、チバガイギー(Ciba−Geigy))を、複合体粉末:ポリプロピレン:1010の重量比100:10:0.5で、高速攪拌機において1分間配合する。ブレンドおよびペレット化は、ZSK−25二軸押出し機(ヴェルナー&プライデラー社、ドイツ(Werner & Pfleiderer Co.,Germany))で実施し、押出し機の各部の温度はそれぞれ165℃、190℃、195℃、195℃、195℃および195℃(ダイ温度)である。押出されたストリップに、−100℃でミクロトームを施し、OsOでステイニングして、透過型電子顕微鏡で観察する。
【0046】
実施例1
固体含量が50重量パーセントの5kgのカルボキシル化ブタジエン−スチレンゴムラテックス(北京燕山石油化工公司(Beijing Yanshan Petrochemical Company)、商品名XSBRL−54B1、ラテックス中のゴム粒子の平均粒子サイズ:150nm)を容器に入れ、攪拌しながら、75gのイソ−オクチルアクリレートを滴下して加え、添加終了後まで攪拌を1時間続ける。その後、ゴムラテックスをCo−60により、照射線量2.5Mrad、照射線量レート50Gy/分で照射する。照射済みラテックス中のゴム粒子のゲル含量は92.6%である。炭酸カルシウムのスラリー(北京化工大学の精製化工工場(Fine Chemical Factory of Beijing University of Chemical Technology)、固体含量47.3%、1つの寸法における平均サイズが40〜60nm)を、照射済みラテックスと、1時間攪拌しながら、重量比50:50(乾燥基準)で配合する。混合したラテックスを、入口温度および出口温度がそれぞれ140〜160℃および40〜60℃のスプレー乾燥機によりスプレー乾燥する。乾燥したカルボキシル化ブタジエン−スチレンゴム/炭酸カルシウム複合体粉末1をサイクロンで集める。
【0047】
実施例2
炭酸カルシウム粉末(北京化工大学の精製化工工場(Fine Chemical Factory of Beijing University of Chemical Technology)、1つの寸法における平均サイズが40〜60nm)500kgを容器の中で1kgの水と混合する。得られた混合物を高剪断分散および乳化機により分散して懸濁液を得る。これを照射済みカルボキシル化ブタジエン−スチレンゴムラテックス(実施例1のようにして製造したもの)と、1時間攪拌しながら、重量比50:50(乾燥基準)で配合する。混合したラテックスを、入口温度および出口温度がそれぞれ140〜160℃および40〜60℃のスプレー乾燥機によりスプレー乾燥する。乾燥したカルボキシル化ブタジエン−スチレンゴム/炭酸カルシウム複合体粉末2をサイクロンで集める。
【0048】
実施例3
固体含量が45重量パーセントの5kgのブタジエン−スチレンゴムラテックス(蘭州石油化工公司(Lanzhou Petrochemical Company)、商品名DINGBEN−50、ゲル含量88.9%、ラテックス中のゴム粒子の平均粒子サイズ:100nm)を容器に入れ、攪拌しながら、67.5gのイソ−オクチルアクリレートを滴下して加え、添加終了後まで攪拌を1時間続ける。その後、ゴムラテックスをCo−60により、照射線量2.5Mrad、照射線量レート50Gy/分で照射する。照射済みラテックス中のゴム粒子のゲル含量は90.0%である。炭酸カルシウムのスラリー(実施例1と同様)を、1時間攪拌しながら、重量比90:10(乾燥基準)で照射済みラテックスと配合する。混合したラテックスを、入口温度および出口温度がそれぞれ140〜160℃および40〜60℃のスプレー乾燥機によりスプレー乾燥する。乾燥したブタジエン−スチレンゴム/炭酸カルシウム複合体粉末1をサイクロンで集める。
【0049】
実施例4
ブタジエン−スチレンゴムラテックスを、照射なしで、1時間攪拌しながら、重量比80:20(乾燥基準)で炭酸カルシウムのスラリーと直接配合する以外は、実施例3と同じ手順を行う。混合したラテックスを、入口温度および出口温度がそれぞれ140〜160℃および40〜60℃のスプレー乾燥機によりスプレー乾燥する。乾燥したブタジエン−スチレンゴム/炭酸カルシウム複合体粉末2をサイクロンで集める。
【0050】
実施例5
ブタジエン−スチレンゴムラテックスを、照射なしで、1時間攪拌しながら、重量比80:20:10(乾燥基準)で炭酸カルシウムのスラリーと安息香酸ナトリウム(武漢有机事業(Wuhan Youjishiye Corporation))の水溶液と直接配合する以外は、実施例3と同じ手順を行う。混合したラテックスを、入口温度および出口温度がそれぞれ140〜160℃および40〜60℃のスプレー乾燥機によりスプレー乾燥する。核生成剤を含有する乾燥したブタジエン−スチレンゴム/炭酸カルシウム複合体粉末をサイクロンで集める。
【0051】
実施例6
ナトリウム系モンモリロナイト(河北省張家口の清河工場(Quinghe,Zhangjiakou,Hebei)より入手可能、粒子はフレークとして1〜20nmの厚さおよび200〜1000nmの長さで分散させることができる)を5重量パーセントの濃度で水と混合し、高剪断分散機により分散し、1週間より長く置く。その期間の後、高剪断分散機により混合物を再び分散させて、安定した懸濁液を得る。シートモンモリロナイトの層が十分に剥がれている。照射済みブタジエン−スチレンゴムラテックス(実施例3のようにして製造したもの)を上記のモンモリロナイトのスラリーと、1時間攪拌しながら重量比90:10(乾燥基準)で配合する。混合したラテックスを、入口温度および出口温度がそれぞれ140〜160℃および40〜60℃のスプレー乾燥機によりスプレー乾燥する。乾燥したブタジエン−スチレンゴム/モンモリロナイト複合体粉末1をサイクロンで集める。
【0052】
実施例7
照射済みブタジエン−スチレンゴムラテックス対ナトリウム系モンモリロナイトのスラリーの重量比を99:1(乾燥基準)に変える以外は、実施例6と同じ手順を行って、乾燥したブタジエン−スチレンゴム/モンモリロナイト複合体粉末2を得る。
【0053】
実施例8
二酸化ケイ素粉末(瀋陽化学公司(Shenyang Chemical Corporation)より入手可能、粒子の一寸法における平均サイズ:7〜30nm)を5重量パーセントの濃度で水と混合し、高剪断分散機により分散して、安定した懸濁液を得る。固体含量が45重量パーセントの5kgのカルボキシル化アクリロニトリル−ブタジエンゴムラテックス(蘭州石油化工公司(Lanzhou Petrochemical Company)より入手可能、商品名XNBRL、ラテックス中のゴム粒子の平均サイズ:50nm)を容器に入れ、67.5gのイソ−オクチルアクリレートを攪拌しながら滴下して加え、添加終了後まで攪拌を1時間続ける。その後、ゴムラテックスをCo−60により、照射線量2.5Mrad、照射線量レート50Gy/分で照射する。照射済みラテックス中のゴム粒子のゲル含量は96.1%である。照射したアクリロニトリル−ブタジエンゴムラテックスを、上記の二酸化ケイ素のスラリーと重量比90:10(乾燥基準)で1時間攪拌しながら配合する。混合したラテックスを、入口温度および出口温度がそれぞれ140〜160℃および40〜60℃のスプレー乾燥機によりスプレー乾燥する。乾燥したカルボキシル化アクリロニトリル−ブタジエンゴム/二酸化ケイ素複合体粉末をサイクロンで集める。
【0054】
実施例9
二酸化ケイ素のスラリーを炭酸カルシウムのスラリー(実施例1同様)に変える以外は実施例8と同じ手順を行って、乾燥したカルボキシル化アクリロニトリル/炭酸カルシウム複合体粉末を得る。
【0055】
実施例10
二酸化チタン粉末(北京化工大学(Beijing University of Chemical Technology)より入手可能、粒子の一方向における平均サイズ:40〜60nm)を20重量パーセントの濃度で水と混合し、高剪断分散機により分散し、安定した懸濁液を得る。照射済みブタジエン−スチレンゴムラテックス(実施例3のようにして製造したもの)を上記の二酸化チタンのスラリーと、1時間攪拌しながら重量比95:5(乾燥基準)で配合する。混合したラテックスを、入口温度および出口温度がそれぞれ140〜160℃および40〜60℃のスプレー乾燥機によりスプレー乾燥する。乾燥したブタジエン−スチレンゴム/二酸化チタン複合体粉末をサイクロンで集める。
【0056】
実施例11
水酸化マグネシウム粉末(北京化工大学(Beijing University of Chemical Technology)より入手可能、粒子の一方向における平均サイズ:20〜40nm)を20重量パーセントの濃度で水と混合し、高剪断分散機により分散し、安定した懸濁液を得る。固体含量が45重量パーセントの5kgのアクリロニトリル−ブタジエンゴムラテックス(ラテックスリサーチセンター(Latex Reseach Center)、蘭州石油化工公司(Lanzhou Petrochemical Company)、商品名DINGJING−26、ラテックス中のゴム粒子の平均粒子サイズ:100nm)を容器に入れ、攪拌しながら、112.5gのトリメチロールプロパントリアクリレートを滴下して加え、添加終了後まで攪拌を1時間続ける。その後、ゴムラテックスをCo−60により、照射線量1.0Mrad、照射線量レート50Gy/分で照射する。照射済みラテックス中のゴム粒子のゲル含量は90.0%である。照射済みアクリロニトリル−ブタジエンゴムラテックスを上記の水酸化マグネシウムのスラリーと、1時間攪拌しながら重量比40:60(乾燥基準)で配合する。混合したラテックスを、入口温度および出口温度がそれぞれ140〜160℃および40〜60℃のスプレー乾燥機によりスプレー乾燥する。乾燥したアクリロニトリル−ブタジエンゴム/水酸化マグネシウム複合体粉末をサイクロンで集める。
【0057】
実施例12
固体含量が40重量パーセントの5kgのブタジエン−スチレン−ビニルピリジンゴムラテックス(浙江省慈溪のChangzhihai Latex Company)、商品名55555、ラテックス中のゴム粒子の平均粒子サイズ:100nm)を、容器に入れ、攪拌しながら、100gのトリメチロールプロパントリアクリレートを滴下して加え、添加終了後まで攪拌を1時間続ける。その後、ゴムラテックスをCo−60により、照射線量2.5Mrad、照射線量レート50Gy/分で照射する。照射済みラテックス中のゴム粒子のゲル含量は87.0%である。照射済みゴムラテックスをモンモリロナイトのスラリー(実施例6のようにして製造したもの)と、1時間攪拌しながら重量比95:5(乾燥基準)で配合する。混合したラテックスを、入口温度および出口温度がそれぞれ140〜160℃および40〜60℃のスプレー乾燥機によりスプレー乾燥する。乾燥したブタジエン−スチレン−ビニルピリジンゴム/モンモリロナイト複合体粉末をサイクロンで集める。
実施例13
【0058】
50gの金属銀粉末(山東省のZhengyuan Nanomaterial Engineering Company)平均サイズ:20〜80nm)を容器中で1kgの水と混合し、高剪断分散乳化機で分散して懸濁液を得る。得られた懸濁液を、照射済みカルボキシル化ブタジエン−スチレンゴムラテックス(実施例1のようにして製造したもの)と、1時間攪拌しながら、重量比1:99(乾燥基準)で配合する。混合したラテックスを、入口温度および出口温度がそれぞれ140〜160℃および40〜60℃のスプレー乾燥機によりスプレー乾燥する。乾燥したカルボキシル化ブタジエン−スチレンゴム/金属銀複合体粉末をサイクロンで集める。
【0059】
実施例14
実施例12のようにして製造したブタジエン−スチレン−ビニルピリジンゴム/モンモリロナイト複合体粉末を、ナイロン6(日本、宇部(UBE、Japan)より入手可能、商品名:1013B)および酸化防止剤イルガノックス(Irganox)1010(スイスのチバガイギー(Ciba−Geigy、Switzerland)より入手可能)とを、ナイロン6:複合体粉末:1010の重量比100:15:0.3で配合する。ブレンドおよびペレット化は、ZSK−25二軸押出し機(ヴェルナー&プライデラー社、ドイツ(Werner & Pfleiderer Co.,Germany))で実施し、押出し機の各部の温度はそれぞれ220℃、235℃、235℃、235℃、235℃および235℃(ダイ温度)である。押出されたペレットを標準試験バーへと射出成形し、機械的特性の様々な試験を行う。結果を表1に示す。図3は試料の顕微鏡写真である。
【0060】
比較例1
実施例14と同様のナイロンペレットと、粉状ブタジエン−スチレン−ビニルピリジンゴム(モンモリロナイトのスラリーを混合せずに、実施例12と同様の照射済みブタジエン−スチレン−ビニルピリジンゴムラテックスを直接スプレー乾燥することにより得たもの)と、酸化防止剤イルガノックス(Irganox)1010とを、ナイロン:粉状ブタジエン−スチレン−ビニルピリジンゴム:1010が100:15:0.3の重量比で配合する。実施例14と同様にして押出しおよび射出成形により標準試験バーを得、これに機械特性の様々な試験を行う。結果を表1に示す。
【0061】
比較例2
複合体粉末を用いない以外は実施例14と同じ手順を行う。実施例14と同様にして押出しおよび射出成形により標準試験バーを得、これに機械特性の様々な試験を行う。結果を表1に示す。
【0062】
実施例15
実施例5のようにして製造した核生成剤を含有するブタジエン−スチレンゴム/炭酸カルシウム複合体粉末を、ポリプロピレンペレット(洛陽石油化工公司(Luoyang Petrochmical Company)より入手可能、商品名B−200、メルトインデックス:0.35g/10分)と、酸化防止剤イルガノックス(Irganox)1010(チバガイギー、スイス(Ciba−Geigy,Switzerland)より入手可能)とを、ポリプロピレン:複合体粉末100:10の重量比で配合し、酸化防止剤の量はポリプロピレンと複合体粉末の総重量100重量部当たり0.25重量部とし、得られた混合物を高剪断攪拌器にて1分間混合する。ブレンドおよびペレット化は、ZSK−25二軸押出し機(ヴェルナー&プライデラー社、ドイツ(Werner & Pfleiderer Co.,Germany))で実施し、押出し機の各部の温度はそれぞれ165℃、190℃、195℃、195℃、195℃および195℃(ダイ温度)である。押出されたペレットを標準試験バーへと射出成形して、機械特性の様々な試験を行う。結果を表1に示す。図1は試料の顕微鏡写真である。
【0063】
比較例3
複合体粉末を用いず、ポリプロピレンを重量比100:0.25で酸化防止剤と配合する以外は、実施例15と同じ手順を行う。押出されたペレットを標準試験バーへと射出成形して、機械特性の様々な試験を行う。結果を表1に示す。
【0064】
比較例4
核生成剤を含有するブタジエン−スチレンゴム/炭酸カルシウム複合体粉末を粉状ブタジエン−スチレンゴム含有安息香酸ナトリウム(45gの安息香酸ナトリウムを、実施例3と同様のブタジエン−スチレンゴムラテックス1kgに攪拌しながら加え、攪拌を1時間続け、得られた混合ラテックスを、入口温度および出口温度がそれぞれ125〜145℃および45〜60℃のスプレー乾燥機によりスプレー乾燥し、乾燥したブタジエン−スチレンゴム/安息香酸ナトリウム複合体粉末をサイクロンで集めることによって製造したもの、粉末中のブタジエン−スチレンゴム対安息香酸ナトリウムの重量比は100:10である)に変える以外は実施例15と同じ手順を行う。押出されたペレットを標準試験バーへと射出成形し、機械特性の様々な試験を行う。結果を表1に示す。
【0065】
【表1】

【0066】
実施例16
ポリプロピレン(大慶華科有限公司(Daqing Huake Corporation,プロピレンホモポリマーペレット、メルトインデックス:0.4g/10分)を実施例4のようにして製造したブタジエン−スチレンゴム/炭酸カルシウム複合体粉末2と50:50の重量比で高速ミキサーにて混和する。ブレンドおよびペレット化は、ZSK−25二軸押出し機(ヴェルナー&プライデラー社、ドイツ(Werner & Pfleiderer Co.,Germany))で実施し、押出し機の各部の温度はそれぞれ170℃、190℃、200℃、210℃、220℃および210℃(ダイ温度)である。完全に加硫した熱可塑性エラストマーの押出されたペレットを標準試験バーへと射出成形し、機械的特性の様々な試験を行う。結果を表2に示す。
【0067】
比較例5
ブタジエン−スチレンゴム/炭酸カルシウム複合体粉末2を、粉状ブタジエン−スチレンゴム(炭酸カルシウムのスラリーを混合することなく、実施例3と同様の照射済みブタジエン−スチレンゴムラテックスを直接スプレー乾燥することにより得られたもの)に変える以外は実施例16と同じ手順を行う。完全に加硫した熱可塑性エラストマーの押出されたペレットを標準試験バーへと射出成形し、機械的特性の様々な試験を行う。結果を表2に示す。
【0068】
【表2】

【0069】
実施例17
28.8gのエポキシ樹脂プレポリマー(Wuxi Resin Factory、商品名:E−44)、51.84gのプレミックス(以下の通りにして製造した)、54gの無水メチル−テトラヒドロフタル酸(浙江省嘉興のOriental Chemical Factory)を三つ口フラスコへ量り入れ、90℃のサーモスタット水浴で加熱し、攪拌しながら30分間混合する。得られた混合物に、0.36gのトリエタノールアミン(分析上純粋、Beijing Yili Fine Chemicalsより入手可能)を加え、混合物を攪拌しながら5分間真空排気して、130℃まで予熱したポリテトラフルオロエチレン鋳型に鋳造する。混合物を130℃で1時間予備硬化し、鋳型を外すために冷却し、110℃で16時間後硬化させて、硬化生成物を得、様々な特性を求めるために小片へと切断する。結果を表3に示す。図2は試料の顕微鏡写真である。
【0070】
プレミックス1の製造:
20重量部のカルボキシル化アクリロニトリル−ブタジエンゴム/炭酸カルシウム複合体粉末(以下の通りにして製造)を100重量部のエポキシ樹脂プレポリマー(上記と同じ)と混合し、得られた混合物を3本ロールミルにより3回ミリングして、プレミックス1を得る。
【0071】
カルボキシル化アクリロニトリル−ブタジエンゴム/炭酸カルシウム複合体粉末の製造:
照射済みカルボキシル化アクリロニトリル−ブタジエンゴムラテックス(実施例8と同様にしてカルボキシル化アクリロニトリル−ブタジエンゴムラテックスを、カルボキシル化アクリロニトリル−ブタジエンゴムラテックスの乾燥重量に基づいてトリメチロールプロパントリアクリレート5重量パーセントを存在させて1Mradの照射線量で照射することにより製造したもの、照射済みラテックス中のゴム粒子のゲル含量は90.0%)を、ナノ−炭酸カルシウムの懸濁液(100重量部のナノ−炭酸カルシウムケーキ(Beijing Nanuotaike Nanotech Company、商品名:113−SH、固体含量:50重量パーセント、粒子の一つの寸法における平均サイズ:40〜60nm)を400重量部の水に高剪断分散乳化機に分散させることにより製造したもの)と攪拌しながら、80:20の重量比(乾燥重量)で配合する。混合したラテックスをスプレー乾燥して、カルボキシル化アクリロニトリル−ブタジエンゴム/炭酸カルシウム複合体粉末を得る。入口温度と出口温度はそれぞれ140〜160℃および40〜60℃である。
【0072】
比較例6
72gのエポキシ樹脂プレポリマー(実施例17と同様)および54gの無水メチル−テトラヒドロフタル酸(実施例17と同様)を3つ口フラスコに量り入れ、90℃のサーモスタット水浴で加熱し、攪拌しながら30分間混合する。得られた混合物に、0.36gのトリエタノールアミン(実施例17と同様)を加え、混合物を攪拌しながら5分間真空排気して、130℃まで予熱したポリテトラフルオロエチレン鋳型に鋳造する。混合物を130℃で1時間予備硬化し、鋳型を外すために冷却し、110℃で16時間、後硬化させて、硬化生成物を得、様々な特性を求めるために小片へと切断する。結果を表3に示す。
【0073】
比較例7
プレミックス1をプレミックス2(以下の通りにして製造)に変える以外は実施例17と同じ手順を行う。様々な特性を求め、結果を表3に示してある。
【0074】
プレミックス2の製造:
照射済みカルボキシル化アクリロニトリル−ブタジエンゴムラテックス(実施例8と同様のカルボキシル化アクリロニトリル−ブタジエンゴムラテックスを、カルボキシル化アクリロニトリル−ブタジエンゴムラテックスの乾燥重量に基づいてトリメチロールプロパントリアクリレート5重量パーセントを存在させて1Mradの照射線量で照射することにより製造したもの)を、スプレー乾燥して、ゲル含量が90.0%、平均粒子サイズが90nmの粉状カルボキシル化アクリロニトリル−ブタジエンゴムを得る。入口温度と出口温度はそれぞれ140〜160℃および40〜60℃である。20重量部の粉状カルボキシル化アクリロニトリル−ブタジエンゴムを100重量部のエポキシ樹脂プレポリマー(実施例17と同様)と混合し、得られた混合物を3本ロールミルにより3回ミリングして、プレミックス2を得る。
【0075】
比較例8
エポキシ樹脂プレポリマー(実施例17と同様)の量を50.4gに変える以外は実施例17と同じ手順を行う。プレミックス1を30.24gのプレミックス3(以下の通りにして製造)に変える。様々な特性を求め、結果を表3に示してある。
【0076】
プレミックス3の製造:
40重量部のナノ−炭酸カルシウム(北京化工大学の精製化工工場(Fine Chemical Factory of Beijing University of Chemical Technology)、1つの寸法における平均サイズが40〜60nm)を100重量部のエポキシ樹脂プレポリマー(実施例17と同様)と混合し、得られた混合物を3本ロールミルにより3回ミリングして、プレミックス3を得る。
【0077】
比較例9
33.12gのエポキシ樹脂プレポリマー(実施例17と同様)、41.5gのプレミックス2(比較例7と同様)および6.02gのプレミックス3(比較例8と同様)を混合する以外は実施例17と同じ手順を行う。様々な特性を求め、結果を表3に記してある。
【0078】
【表3】

【図面の簡単な説明】
【0079】
【図1】実施例15で得られた試料の透過型電子顕微鏡写真であり、影は、プラスチックマトリックス中に分散されたゴム粒子と無機粒子から構成された凝集体を表しており、影の中にある黒いスポットは、凝集したゴム粒子に分散された無機粒子である。
【図2】実施例17で得られた試料の透過型電子顕微鏡写真であり、影は、プラスチックマトリックス中に分散されたゴム粒子と無機粒子から構成された凝集体を表しており、影の中にある黒いスポットは、凝集したゴム粒子に分散された無機粒子である。
【図3】実施例14で得られた試料の透過型電子顕微鏡写真であり、円形の影は、ブタジエン−スチレン−ビニルピリジンゴム粒子を表しており、ストライプ形の影は、ナトリウム系モンモリロナイトを表しており、ゴム粒子とモンモリロナイトはポリアミドマトリックス中に均一に分散されており、同時に、シートモンモリロナイトはマトリックス中で完全に剥がれている。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
架橋構造を有する粉状ゴム粒子と、前記ゴム粒子間に分配された無機粒子とを含む複合体粉末。
【請求項2】
前記無機粒子の少なくとも1つの寸法における平均サイズが0.2〜500nmであり、元素金属またはその合金、金属酸化物、金属または非金属窒化物、非金属炭化物、非金属酸化物、金属水酸化物、金属塩、鉱物およびそれらの2種類以上の混合物から選択され、前記粉状ゴム粒子対前記無機粒子の重量比が99.5:0.5〜20:80である請求項1に記載の複合体粉末。
【請求項3】
前記粉状ゴム粒子対前記無機粒子の重量比が99:1〜50:50である請求項2に記載の複合体粉末。
【請求項4】
前記無機粒子の少なくとも1つの寸法における平均サイズが0.5〜100nmである請求項2に記載の複合体粉末。
【請求項5】
前記無機粒子が、金、銀、銅、鉄、金合金、銀合金、銅合金、鉄合金、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、二酸化チタン、三二酸化鉄、四三酸化鉄、酸化銀、酸化亜鉛、窒化アルミニウム、窒化ケイ素、炭化ケイ素、二酸化ケイ素、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、硫酸カルシウム、塩化銀、アスベスト、タルク、カオリン、マイカ、長石、珪灰石、モンモリロナイトおよびそれらの2種類以上の混合物から選択される請求項1に記載の複合体粉末。
【請求項6】
前記粉状ゴム粒子のゲル含量が60重量パーセント以上である請求項1に記載の複合体粉末。
【請求項7】
粉状ゴム粒子と無機粒子とから構成される凝集体を含み、無機粒子は前記凝集体の内側か、前記凝集体の内側とその表面の両方かのいずれかに均一に分配されており、前記ゴム粒子自身のゲル含量が60重量パーセント以上である請求項1に記載の複合体粉末。
【請求項8】
前記ゴム粒子のゲル含量が75重量パーセント以上である請求項1に記載の複合体粉末。
【請求項9】
a.無機粒子のスラリーを架橋合成ゴムラテックスと混和させて、混合ラテックスとし、前記混合ラテックスを乾燥する、または
b.架橋剤を存在させずに、または存在させて、高エネルギー照射によりゴムラテックスを加硫させ、無機粒子のスラリーを照射済みのゴムラテックスと混和させて、混合ラテックスとし、前記混合ラテックスを乾燥すること
を含む請求項1に記載の複合体粉末を製造する方法。
【請求項10】
前記無機粒子のスラリーが無機粒子の水性懸濁液である請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記無機粒子の少なくとも1つの寸法における平均サイズが0.2〜500nmであり、元素金属またはその合金、金属酸化物、金属または非金属窒化物、非金属炭化物、非金属酸化物、金属水酸化物、金属塩、鉱物およびそれらの2種類以上の混合物から選択され、前記ゴムラテックスに含有される前記粉状ゴム粒子対前記スラリーに含有される前記無機粒子の重量比が99.5:0.5〜20:80である請求項9に記載の方法。
【請求項12】
前記ゴムラテックスに含有される前記粉状ゴム粒子対前記スラリーに含有される前記無機粒子の重量比が99:1〜50:50である請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記混合ラテックスの製造中、プラスチックス用の水溶性核生成剤の水溶液を前記ラテックスに含有される前記ゴム粒子対前記水溶液に含有される前記核生成剤の重量比99:1〜50:50で加える請求項9に記載の方法。
【請求項14】
前記核生成剤が安息香酸ナトリウムである請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記ラテックスに含有される前記ゴム粒子対前記水溶液に含有される前記核生成剤の重量比が97:3〜70:30である請求項13に記載の方法。
【請求項16】
前記無機粒子の少なくとも1つの寸法における平均サイズが0.5〜100nmである請求項11に記載の方法。
【請求項17】
前記無機粒子が、金、銀、銅、鉄、金合金、銀合金、銅合金、鉄合金、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、二酸化チタン、三二酸化鉄、四三酸化鉄、酸化銀、酸化亜鉛、窒化アルミニウム、窒化ケイ素、炭化ケイ素、二酸化ケイ素、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、硫酸カルシウム、塩化銀、アスベスト、タルク、カオリン、マイカ、長石、珪灰石、モンモリロナイトおよびそれらの2種類以上の混合物から選択される請求項11に記載の方法。
【請求項18】
aで用いた前記架橋合成ゴムラテックスのゲル含量が80重量パーセント以上である請求項9に記載の方法。
【請求項19】
aで用いた前記架橋合成ゴムラテックスが、架橋スチレン−ブタジエンラテックス、架橋カルボキシル化スチレン−ブタジエンラテックス、架橋ポリブタジエンラテックス、架橋アクリロニトリル−ブタジエンラテックス、架橋カルボキシル化アクリロニトリル−ブタジエンラテックス、架橋ネオプレンラテックスおよび架橋アクリルラテックスからなる群より選択される請求項9に記載の方法。
【請求項20】
bで用いた前記ゴムラテックスが、天然ゴムラテックス、スチレン−ブタジエンゴムラテックス、カルボキシル化スチレン−ブタジエンゴムラテックス、アクリロニトリル−ブタジエンゴムラテックス、カルボキシル化アクリロニトリル−ブタジエンゴムラテックス、ポリブタジエンゴムラテックス、ネオプレンゴムラテックス、シリコーンゴムラテックス、アクリルゴムラテックス、ブタジエン−スチレン−ビニルピリジンゴムラテックス、イソプレンゴムラテックス、ブチルゴムラテックス、エチレン−プロピレンゴムラテックス、ポリスルフィドゴムラテックス、アクリレート−ブタジエンゴムラテックス、ウレタンゴムラテックスおよびフッ素ゴムラテックスからなる群より選択される請求項9に記載の方法。
【請求項21】
プラスチックスと請求項1〜8のいずれか一項に記載の複合体粉末とを含む強化プラスチックスまたは熱可塑性エラストマーの製造に有用な組成物。
【請求項22】
強化プラスチックスまたは熱可塑性エラストマーの製造における請求項1〜8のいずれか一項に記載の複合体粉末の使用。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公表番号】特表2006−522175(P2006−522175A)
【公表日】平成18年9月28日(2006.9.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−504208(P2006−504208)
【出願日】平成16年4月5日(2004.4.5)
【国際出願番号】PCT/CN2004/000309
【国際公開番号】WO2004/087794
【国際公開日】平成16年10月14日(2004.10.14)
【出願人】(504144932)中国石油化工股▲分▼有限公司 (5)
【出願人】(504144921)中国石油化工股▲分▼有限公司北京化工研究院 (1)
【Fターム(参考)】