説明

複合偏光板および液晶表示装置

【課題】本発明の目的は、明環境下での視認性に優れ、視差を低減することができ、さらに液晶表示装置の薄型化が可能な複合偏光板およびそれを用いた液晶表示装置を提供することである。
【解決手段】液晶セル、フロント基板および平行光光源装置を含む液晶表示装置に用いられる複合偏光板であって、偏光子と該偏光子の片側に配置される光拡散粘着層とを有し、該液晶表示装置に用いる際に、該光拡散粘着層と該フロント基板が接するように配置された、複合偏光板を用いる。このような複合偏光板を用いることにより、光拡散粘着層によりフロント基板を接合することができるため、偏光子とフロント基板の間に空気層が形成されない。したがって、本発明によれば、明環境下での視認性に優れ、視差を低減し、さらに液晶表示装置の薄型化が可能となり、平行光光源装置による正面コントラスト比の向上効果を格段に向上させることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、明環境下での視認性に優れ、視差を低減し、液晶表示装置の薄型化が可能な複合偏光板および液晶表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、携帯電話では、耐久性および意匠性を付与するために、液晶表示部の上にプラスチック基板(一般に、アクリル板)が配置される。また、カーナビゲーションなどの車載用ディスプレイや、工業用に多く用いられるタブレットPC、パブリックディスプレイ、および多機能携帯電話においては、表示部の表面にタッチパネルが配置されている(例えば、特許文献1)。
【0003】
プラスチック基板やタッチパネルといったフロント基板と偏光板は、通常、偏光板の縁部に貼られた両面テープにより固定化される。両面テープの厚みは、一般に120μm程度であるため、液晶表示装置全体の厚みが増加するという問題がある。タッチパネルに用いる場合には、できるだけ衝撃を防ぐために、両面テープとともに、約1000μmのスポンジも使用されるので、厚みがさらに増加する。また、両面テープで接着されるのは、縁部のみであるため、偏光板とフロント基板との間には、空気層が形成される。空気の屈折率をおよそ1.0とすると、ポリマーやガラスといったフロント基板を形成する部材の屈折率は、1.4〜1.7程度である。したがって、空気層とフロント基板の間の屈折率差が大きくなるため、外光の界面反射により、明環境下での視認性が低下するという問題がある。
【0004】
さらに、通常、液晶セルのカラーフィルタ層が、スクリーンとして機能する。フロント基板としてタッチパネルを用いる場合には、その入力打点はフロント基板の表面であるが、スクリーンとなる液晶セルの表面との間に距離があるため、視差が生じるという問題がある。
【0005】
絶縁基板としてプラスチックフィルムを用いたタッチパネルが有する課題として、ニュートン環の発生がある。これを防止する方法として、梨地面を上部絶縁基板と下部絶縁基板の対向面の少なくとも一方に設け、さらに拡散粘着剤層を組み合わせる技術が知られている(例えば、特許文献2)。しかしながら、特許文献2に記載のタッチパネルを用いた場合であっても、視差を低減することはできない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2001−201741号公報
【特許文献2】特開2004−127243号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の目的は、明環境下での視認性に優れ、視差を低減することができ、さらに液晶表示装置の薄型化が可能な複合偏光板およびそれを用いた液晶表示装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者らは、鋭意検討した結果、以下に示す複合偏光板により上記目的を達成できることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0009】
本発明の複合偏光板は、液晶セル、フロント基板および平行光光源装置を含む液晶表示装置に用いられる複合偏光板であって、偏光子と該偏光子の片側に配置される光拡散粘着層とを有し、該液晶表示装置に用いる際に、該光拡散粘着層と該フロント基板が接するように配置される。
好ましい実施形態においては、上記光拡散粘着層が粘着剤および粒子を含む。
好ましい実施形態においては、上記光拡散粘着層のヘイズが90%以上である。
本発明の別の局面によれば、液晶表示装置が提供される。この液晶表示装置は、液晶セルと、該液晶セルの視認側に配置された上記複合偏光板と、該液晶セルの視認側と反対側に配置された偏光板と、該複合偏光板のさらに視認側に、該複合偏光板の光拡散粘着層に密着して配置されたフロント基板と、該液晶セルの視認側と反対側に配置された偏光板の外側に平行光光源装置とを備える。
好ましい実施形態においては、上記フロント基板が透明保護板またはタッチパネルである。
【発明の効果】
【0010】
本発明の複合偏光板は、光拡散粘着層によりフロント基板を接合することができるため、偏光子とフロント基板の間に空気層が形成されない。したがって、外光などの界面反射が小さくなるため、明環境下での視認性を向上させることができる。特に、平行光光源装置を含む液晶表示装置に本発明の複合偏光板を用いることにより、平行光光源装置により奏される正面コントラスト比の向上効果をさらに向上させることができる。しかも、光拡散粘着層は、偏光板とフロント基板の接合時に用いる両面テープより格段に薄いため、液晶表示装置の薄型化が可能である。さらに、平行光光源装置を含む液晶表示装置に用いられる光拡散粘着層はヘイズが高く、スクリーンとして機能するため、フロント基板としてタッチパネルを用いた場合には、スクリーンと入力打点が近くなり、視差を低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の好ましい実施形態における複合偏光板の概略断面図である。
【図2】本発明の好ましい実施形態における液晶表示装置の概略断面図である。
【図3A】本発明で用いる平行光光源装置の概略図である。
【図3B】本発明で用いる平行光光源装置の別の形態の概略図である。
【図4】本発明での半値角を算出する方法を説明するための模式図である。
【図5】本発明での光拡散半値角を算出する方法を説明するための模式図である。
【図6】本発明の実施例2、比較例2および比較例5の液晶表示装置の黒表示、白表示、およびコントラストの視野角依存性を示すコントラスト等高線図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
<A.複合偏光板の概要>
図1は、本発明の好ましい実施形態による複合偏光板の概略断面図である。この複合偏光板100は、偏光子10と、該偏光子10の片側に配置された光拡散粘着層20とを有する。図示例においては、該偏光子の両側に保護フィルム30および31が配置されている。偏光子10と保護フィルム30,31とは、任意の適切な接着剤層または粘着剤層を介して貼り合わせられている。目的や用途に応じて、保護層30,31の少なくとも一方は省略され得る。
【0013】
<A−1.偏光子>
上記偏光子10としては、目的に応じて任意の適切な偏光子が採用され得る。例えば、ポリビニルアルコール系フィルム、部分ホルマール化ポリビニルアルコール系フィルム、エチレン・酢酸ビニル共重合体系部分ケン化フィルム等の親水性高分子フィルムに、ヨウ素や二色性染料等の二色性物質を吸着させて一軸延伸したもの、ポリビニルアルコールの脱水処理物やポリ塩化ビニルの脱塩酸処理物等ポリエン系配向フィルム等が挙げられる。これらのなかでも、ポリビニルアルコール系フィルムにヨウ素などの二色性物質を吸着させて一軸延伸した偏光子が、偏光二色比が高く特に好ましい。これら偏光子の厚さは特に制限されないが、一般的に、1μm〜80μm程度である。
【0014】
ポリビニルアルコール系フィルムにヨウ素を吸着させて一軸延伸した偏光子は、例えば、ポリビニルアルコールをヨウ素の水溶液に浸漬することによって染色し、元長の3〜7倍に延伸することで作製することができる。必要に応じてホウ酸や硫酸亜鉛、塩化亜鉛等を含んでいてもよいし、ヨウ化カリウムなどの水溶液に浸漬することもできる。さらに必要に応じて染色の前にポリビニルアルコール系フィルムを水に浸漬して水洗してもよい。
【0015】
ポリビニルアルコール系フィルムを水洗することでポリビニルアルコール系フィルム表面の汚れやブロッキング防止剤を洗浄することができるだけでなく、ポリビニルアルコール系フィルムを膨潤させることで染色のムラなどの不均一を防止する効果もある。延伸はヨウ素で染色した後に行ってもよいし、染色しながら延伸してもよいし、また延伸してからヨウ素で染色してもよい。ホウ酸やヨウ化カリウムなどの水溶液中や水浴中でも延伸することができる。
【0016】
<A−2.光拡散粘着層>
上記光拡散粘着層20は、液晶表示装置の光源から出射されて、液晶セルを通過した光を透過させて拡散させる機能を有する。該光拡散粘着層は、本発明の複合偏光板が液晶表示装置に用いられた場合に、視認側に配置されるように、保護フィルム30に密着して貼付られる。該光拡散粘着層は、好ましくは粘着剤および粒子を含む。粘着剤は、粘度が高いことに加え、粒子分散性に優れるため、広視野角特性と低グレア(眩しさ)性とを両立し得る光拡散粘着層を得るのに好適である。
【0017】
上記光拡散粘着層の厚みは、用途と拡散性能に応じて適宜調整することができる。例えば、衝撃吸収機能を付与する場合には、厚みを100μm〜1000μmにすればよい。また、薄型化の要求に対しては、粘着性が付与できる範囲内で厚みを調整することができ、粒子のサイズや配合量を調整することで、10μm程度まで薄型にすることもできる。光拡散粘着層の厚みは、好ましくは、10μm〜100μmであり、より好ましくは15μm〜90μmであり、さらに好ましくは20μm〜80μmである。光拡散粘着層の厚みを上記範囲にすることで、液晶表示装置の薄型化と拡散性能を両立させることができる。広視野角特性と低グレア(眩しさ)性との両立が要求される場合には、光拡散粘着層の厚みが、以下に説明する光拡散粘着層に含まれる粒子の体積平均粒子径の7倍以上であることが好ましい。
【0018】
上記光拡散粘着層の光拡散性能は、粒子の構成材料、平均体積粒子径、配合量等を調整することにより制御することができる。上記光拡散粘着層の光拡散半値角(すなわち、光拡散粘着層を通過および拡散した光の半値角)は、バックライトの半値角などにより一概には言えないが、好ましくは5°以上であり、より好ましくは10°〜90°である。
【0019】
上記光拡散粘着層のヘイズは、好ましくは90%以上であり、より好ましくは95%以上である。ヘイズを上記範囲にすることで、所望の拡散性能が得られ、さらに光拡散粘着層がスクリーンとして十分に機能するので、視差を低減し得る。特に平行光光源装置を用いる液晶表示装置においては、正面コントラスト比の向上と視差の低減を両立できるという点で好適である。
【0020】
上記光拡散粘着層の全光線透過率は、好ましくは75%以上であり、より好ましくは80%以上であり、さらに好ましくは85%以上である。
【0021】
上記粘着剤としては、任意の適切なものを用いることができ、例えば、ゴム系粘着剤、アクリル系粘着剤、シリコーン系粘着剤、エポキシ系粘着剤、セルロース系粘着剤等が挙げられ、好ましくは、アクリル系粘着剤である。アクリル系粘着剤を用いることにより、耐熱性や透明性に優れた光拡散粘着層が得られる。粘着剤は、単独で用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0022】
上記アクリル系粘着剤としては、任意の適切なものを用いることができる。好ましくはアクリル系粘着剤は、以下の特性を有する。アクリル系粘着剤のガラス転移温度は、好ましくは−60℃〜−10℃であり、より好ましくは−55℃〜−15℃である。アクリル系粘着剤の重量平均分子量は、好ましくは20万〜200万であり、より好ましくは25万〜180万である。このような特性を有するアクリル系粘着剤を用いることにより、適切な粘着性を得ることができる。
【0023】
上記アクリル系粘着剤の屈折率は、好ましくは1.40〜1.65であり、より好ましくは1.45〜1.60である。このような屈折率を有するアクリル系粘着剤を用いることにより、視差をより低減させることができる。
【0024】
上記アクリル系粘着剤は、通常、粘着性を与える主モノマー、凝集性を与えるコモノマー、粘着性を与えつつ架橋点となる官能基含有モノマーを重合させて得られる。上記特性を有するアクリル系粘着剤は、任意の適切な方法で合成することができ、例えば、大日本図書(株)発行 中前勝彦著「接着・粘着の化学と応用」を参考に合成できる。
【0025】
上記粘着剤の光拡散粘着層中における含有量は、好ましくは50重量%〜99.7重量%であり、より好ましくは52重量%〜97重量%である。粘着剤の配合量を上記範囲にすることで、優れた広視野角特性および低グレア性とを有する光拡散粘着層が得ることができる。
【0026】
上記粒子としては、任意の適切なものを用いることができる。例えば、無機微粒子や高分子微粒子などが挙げられる。上記粒子は、好ましくは高分子微粒子である。該高分子微粒子の材質としては、シリコーン樹脂、ポリメタクリル酸メチル樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリウレタン樹脂、メラミン樹脂などが挙げられる。好ましくは、上記粒子はシリコーン樹脂、ポリメタクリル酸メチル樹脂である。これらの樹脂は、粘着剤に対する優れた分散性および粘着剤との適切な屈折率差を有するため、拡散性能に優れた光拡散粘着層が得られる。該粒子の形状は、特に限定はなく、例えば、真球状、扁平状、不定形状などが挙げられる。該粒子は、単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせてもよい。
【0027】
上記粒子の体積平均粒径は、好ましくは1μm〜10μmであり、より好ましくは1.5μm〜5μmである。体積平均粒径を上記範囲にすることにより、優れた光拡散性能を得ることができる。なお、体積平均粒径は、例えば、超遠心式自動粒度分布測定装置を用いて測定することができる。
【0028】
上記粒子の屈折率は、好ましくは1.40〜1.70であり、より好ましくは1.42〜1.65である。2種以上の粒子を組み合わせて用いる場合には、体積平均屈折率が上記の範囲にあればよい。上記の範囲の屈折率を有する粒子を用いることにより、より視差を低減することができる。
【0029】
上記粒子と粘着剤との屈折率差の絶対値は、好ましくは0.0〜0.1であり、より好ましくは0.0〜0.06であり、さらに好ましくは0.01〜0.06である。粒子と粘着剤との屈折率差の絶対値が0.1を超えると、外光の界面反射により、明環境下での視認性が低下するおそれがある。なお、上記の屈折率差の絶対値が0.0、つまり、上記粒子と粘着剤の屈折率が、同じであってもよい。
【0030】
上記粒子の光拡散粘着層中における含有量は、好ましくは0.3重量%〜50重量%であり、より好ましくは3重量%〜48重量%である。粒子の配合量を上記の範囲にすることにより、優れた光拡散性能を有する光拡散粘着層が得られる。
【0031】
上記光拡散粘着層は、粘着剤および粒子以外の任意の適切な添加剤を含んでいてもよい。添加剤としては、例えば、帯電防止剤、酸化防止剤などが挙げられる。
【0032】
上記光拡散粘着層の形成方法は、任意の適切な方法を用いることができる。例えば、粘着剤に溶媒を加えて調製した溶液を攪拌しながら粒子を少量ずつ加える方法より得られた塗工液を支持体上に塗布し、乾燥させることで得る方法が挙げられる。当該方法により、光拡散粘着層を形成する場合、溶媒、塗布方法、および乾燥方法としては、任意の適切なものを用いることができる。
【0033】
<A−3.保護フィルム>
上記保護フィルム30,31は、偏光板の保護フィルムとして使用できる任意の適切なフィルムで形成される。当該フィルムの主成分となる材料の具体例としては、トリアセチルセルロース(TAC)等のセルロース系樹脂や、ポリエステル系、ポリビニルアルコール系、ポリカーボネート系、ポリアミド系、ポリイミド系、ポリエーテルスルホン系、ポリスルホン系、ポリスチレン系、ポリノルボルネン系、ポリオレフィン系、(メタ)アクリル系、アセテート系等の透明樹脂等が挙げられる。また、(メタ)アクリル系、ウレタン系、(メタ)アクリルウレタン系、エポキシ系、シリコーン系等の熱硬化型樹脂または紫外線硬化型樹脂等も挙げられる。この他にも、例えば、シロキサン系ポリマー等のガラス質系ポリマーも挙げられる。また、特開2001−343529号公報(WO01/37007)に記載のポリマーフィルムも使用できる。このフィルムの材料としては、例えば、側鎖に置換または非置換のイミド基を有する熱可塑性樹脂と、側鎖に置換または非置換のフェニル基ならびにニトリル基を有する熱可塑性樹脂を含有する樹脂組成物が使用でき、例えば、イソブテンとN−メチルマレイミドからなる交互共重合体と、アクリロニトリル・スチレン共重合体とを有する樹脂組成物が挙げられる。当該ポリマーフィルムは、例えば、上記樹脂組成物の押出成形物であり得る。
【0034】
上記保護フィルム(内側保護フィルム)31は、光学的に等方性を有することが好ましい。具体的には、内側保護層の厚み方向の位相差Rth(550)は、好ましくは−20nm〜+20nm、さらに好ましくは−10nm〜+10nm、特に好ましくは−6nm〜+6nm、最も好ましくは−3nm〜+3nmである。内側保護フィルムの面内位相差Re(550)は、好ましくは0nm以上10nm以下、さらに好ましくは0nm以上6nm以下、特に好ましくは0nm以上3nm以下である。このような光学的に等方性を有する保護層を形成し得るフィルムの詳細は、特開2008−180961号公報に記載されており、その記載は本明細書に参考として援用される。
【0035】
<B.液晶表示装置>
本発明の液晶表示装置は、液晶セルと、液晶セルの視認側に配置された上記複合偏光板と、該液晶セルの視認側と反対側に配置された偏光板と、該複合偏光板のさらに視認側に、該複合偏光板の光拡散粘着層に密着して配置されたフロント基板と、該視認側と反対側に配置された偏光板の外側に配置された平行光光源装置を備える。図2は、本発明の好ましい実施形態による液晶表示装置の概略断面図である。液晶表示装置200は、フロント基板120、複合偏光板100、液晶セル110、偏光板130、および平行光光源装置140を視認側からこの順に備える。液晶セル110は、一対の基板112,113と、該基板間に配された表示媒体としての液晶層111とを有する。液晶表示装置200では、複合偏光板100を液晶セル110の視認側に配置する。複合偏光板100は、光拡散粘着層20がフロント基板120と接するように配置される。したがって、液晶表示装置200では、複合偏光板100とフロント基板120との間の全体に光拡散粘着層20が配されるので、複合偏光板100とフロント基板120との間に空気層は形成されない。また、図示しないが、液晶表示装置200が、さらに、他の偏光子、保護フィルム、光学補償層等の他の構成要素を備えていてもよい。また、複合偏光板100および/または偏光板130と液晶セル110との間には、接着剤層または粘着剤層(図示しない)が備えられていてもよい。
【0036】
平行光光源装置140は、液晶セル110の複合偏光板100が配置されない側に備えられる。平行光光源装置140をこのように配置することにより、優れた視野角特性を有し、かつ階調反転を抑制することができる液晶表示装置が得られる。さらに、平行光光源装置を空気層が形成されない本発明の複合偏光板と共に液晶表示装置に用いることにより、平行光光源装置による正面コントラスト比の向上効果が格段に向上する。
【0037】
本発明の液晶表示装置は、本発明の複合偏光板および平行光光源装置を備え、好ましくは、さらに液晶セルおよびフロント基板を備えるものであれば、特に制限されない。具体的には、透過型、反射型、半透過型のいずれであってもよいが、好ましくは、バックライトを用いて表示を行う透過型の液晶表示装置である。
【0038】
<B−1.フロント基板>
上記フロント基板120は、液晶表示装置の視認側表面に設けられる基板である限り、任意の適切なものを用いることができる。好ましくは、フロント基板は、液晶セルを保護する透明保護板、または、タッチパネルである。該透明保護板としては、任意の適切なものを用いることができる。具体的には、ガラス板やプラスチック基板等が挙げられ、好ましくはアクリル板などのプラスチック基板である。該タッチパネルとしては特に制限はなく、例えば、抵抗膜方式、静電容量方式、光学式など種々のものを用いることができる。本発明のタッチパネルは偏光板の上に配置するため、好ましくは抵抗膜方式のものである。
【0039】
上記抵抗膜方式のタッチパネルは、可動電極部、固定電極部および、該可動電極部と固定電極部との間に配置されるスペーサーを有する。該可動電極部および固定電極部は、透明導電膜とガラス板や透明樹脂フィルム等の透明支持体との積層体である。抵抗膜方式のタッチパネルでは、可動電極部の透明電導膜と、固定電極部の透明電導膜がスペーサーを介して対向するように配置される。抵抗膜式タッチパネルは、可動電極部が視認側になるように配置される。可動電極部は、入力時には指やペン等により押圧を受けることにより、固定電極部と接触して通電し、それにより接触部の位置が検出される。
【0040】
<B−2.液晶セル>
液晶セルの駆動モードとしては、好ましくは、バーティカル・アライメント(VA)モード、ツイスティッド・ネマチック(TN)モード、インプレーンスイッチング(IPS)モード、垂直配向型電界制御複屈折(ECB)モード、光学補償複屈折(OCB)モード等が挙げられる。
【0041】
<B−3.平行光光源装置>
上記平行光光源装置140は、液晶セル110に向かってコリメート光を出射する平行光光源装置である。平行光光源装置は、コリメート光を出射し得る任意の適切な構成を有し得る。例えば、平行光光源装置は、光源と、光源から出射された光をコリメートする集光素子とを有する(いずれも図示せず)。この場合、集光素子としては、光源から出射された光をコリメートし得る任意の適切な集光素子が採用され得る。光源自体がコリメート光を出射し得る場合には、集光素子は省略され得る。平行光光源装置の具体的構成としては、例えば、以下のようなものが挙げられる:(1)レンチキュラーレンズまたは砲弾型レンズの平坦面側のレンズの焦点以外の部分に遮光層または反射層を設けた集光素子を、光源(例えば、冷陰極蛍光ランプ)の液晶セル側に配置した構成(例えば、特開2008-262012号公報);(2)サイドライト型LED光源と、その導光板と、導光板側に凸面が形成され、該導光板の液晶セル側に配置された変角プリズムとを有する構成(本構成においては、必要に応じて異方性拡散素子がさらに用いられ得る;例えば、特許第3442247号);(3)光吸収性樹脂と透明性樹脂が交互にストライプ状に形成されたルーバー層をバックライトとバックライト側偏光板との間に配置した構成(例えば、特開2007-279424号公報);(4)光源として砲弾型LEDを用いた構成(例えば、特開平6-130255号公報);(5)フレネルレンズと必要に応じて拡散板とを用いた構成(例えば、特開平1-126627号公報);(6)フレネル型の反射ミラーとその中央にLED光源を配置した構成(例えば、特開2004-186092号公報)。これらの詳細な構成を記載した上記公報は、本明細書に参考として援用される。以下、一例として、(5)の構成について説明する。
【0042】
図3Aは、上記(5)の平行光光源装置の概略図である。該平行光光源装置7は、光源1、プロジェクションレンズ2、レンチキュラーレンズ3、反射板4、およびフレネルレンズ5とを備える。光源1から照射された光線は、プロジェクションレンズ2およびレンチキュラレンズ3を透過し、反射板4の鏡面で反射される。反射された光線は、フレネルレンズ5を透過し、平行光として照射される。
【0043】
上記(5)の形態の平行光光源装置は、投影型バックライトユニットのフレネルレンズの光源側もしくは液晶セル側に所望の拡散性を付与する拡散素子を配置するのが好ましい。図3Bは、拡散素子6がフレネルレンズ5の液晶セル側に配置された形態を示す。光源1から照射された光線は、プロジェクションレンズ2およびレンチキュラレンズ3を透過し、反射板4の鏡面で反射される。反射された光線は、フレネルレンズ5を透過し、平行光として照射される。照射された平行光は、さらに拡散素子6を透過し、拡散照射される。
【0044】
上記拡散素子の拡散性は、ヘイズとしては、好ましくは2%〜92%であり、より好ましくは30%〜80%である。また、該拡散素子の拡散性は、光拡散半値角としては、好ましくは1°〜30°であり、より好ましくは5°〜20°である。ただし、拡散素子は、直進透過成分があってもよく、その場合の光拡散半値角は、直進透過成分を除いた拡散光について半値角が1°〜30°であることが好ましい。
【0045】
上記の性質を有する拡散素子としては、任意の適切なものを用いることができる。具体的には、透明基板フィルム上に微粒子を含むバインダーを塗工した表面凹凸型拡散フィルムもしくは内部拡散フィルム、非相溶の樹脂を配合し押成形した相分離押出シート、エンボスロールにて、表面に凹凸パターンを形成したエンボスシートなど、また、フレネルレンズの片面または両面に、微粒子を含むバインダーを塗工するなどして微細凹凸形状を付与した、レンズと拡散素子との一体構造などを用いることができる。
【0046】
上記平行光光源装置の拡散性能は、半値角が好ましくは1°〜40°であり、より好ましくは2°〜30°であり、さらに好ましくは2.5°〜20°である。半値角が1°未満であると、光拡散粘着層の拡散性能を向上させても、グレア(眩しさ)を低減することができないおそれがある。半値角が40°を超えると、黒表示で、完全に補償されない斜め光が発生し、それが光拡散粘着層により正面にも拡散するため、黒輝度が上昇し、正面コントラスト比を低下させるおそれがある。なお、本発明において、半値角とは、図4に示すように、輝度が極大となる方向から、角度を振ったときの輝度が1/2となる角度の半値全幅のことをいう。ただし、半値角が1°未満であっても、拡散の裾が広がっているようであれば、1°以上であるのと同じ効果が得られる場合がある。例えば、以下の式で示される平均拡散角度θが1°以上であれば、多重拡散する光拡散粘着層との組み合わせにより、グレア(眩しさ)を低減することができる。
【数1】

【実施例】
【0047】
本発明について、以上の実施例および比較例を用いてさらに説明する。なお、本発明は、これらの実施例のみに限定されるものではない。なお、実施例で用いた各分析方法は、以下の通りである。
(1)半値角の測定方法:
平行光光源装置の半値角は、図4に示すように、出射プロファイルに対して、輝度の最大値(通常は出射角度0°の輝度)の半分の輝度に当たる出射角度の半値全幅を半値角とした。
(2)ヘイズおよび全光線透過率の測定方法:
ヘイズメーター(村上色彩科学研究所製、商品名「HN−150」)を用いてJIS7136に準拠する方法で測定した。
(3)光拡散半値角の測定方法:
光拡散粘着層の正面からレーザー光を照射し、拡散した光の拡散角度に対する拡散輝度を、ゴニオフォトメーターで1°おきに測定し、図5に示すように、レーザーの直進透過光を除く光拡散輝度の最大値から半分の輝度となる拡散角度を拡散の両側で測定し、当該両側の角度を足したもの(図5の角度A+角度A’)を光拡散半値角とした。
(4)正面白輝度および正面黒輝度の測定方法:
出射光が液晶表示装置の鉛直方向となす角度が30°で入射するように、蛍光ランプ(200lx:照度計IM−5での測定値)を配置し、照射した。測定装置として、輝度計(トプコン社製、商品名「SR−UL1」、測定距離:500mm、測定角:1°)を配置し、正面白輝度および正面黒輝度を測定した。
(5)視差の測定方法:
明室環境下で、距離300mm、タッチペンでポイントした際の表示部とのズレを液晶表示装置の画面鉛直方向に対して20°の位置より目視観察した。表示部とのズレがないものは○、表示部とのズレがあるものは×とした。
(6)視野角特性の測定方法:
暗環境下において、コノスコープ(AUTRONIC−MELCHERS社製、商品名「Conoscope」)を用いて測定した。
【0048】
平行光光源装置の作製
[参考例1]
以下のようにして、図3Aに示す構成の平行光光源装置を作製した。100Wのメタルハライドランプ光源の前面に、プロジェクションレンズ、レンチキュラレンズ(スポット状スリット)、アルミ鏡面反射板、アクリル製フレネルレンズ(サイズ:対角20インチ、焦点距離:f=40cm)を配置し、平行光光源装置1を作製した。平行光光源装置1の半値角は2.5°であった。
【0049】
[参考例2]
以下のようにして、図3Bに示す構成の平行光光源装置を作製した。バックライトユニットのフレネルレンズの液晶セル側に、表面凹凸型光拡散シート(ヘイズ:60%、光拡散半値角:10°)を設けた以外は参考例1と同様にして、平行光光源装置2を作製した。平行光光源装置2の半値角は9.0°であった。
【0050】
[参考例3]
ヘイズが70%、光拡散半値角が15°の表面凹凸光拡散シートを用いた以外は参考例2と同様にして、平行光光源装置3を作製した。平行光光源装置3の半値角は15°であった。
【0051】
複合偏光板の作製
[参考例4]
アクリル粘着剤の塗工液(固形分:12重量%)100重量部に、シリコーン微粒子(モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン社製、商品名「トスパール140」、粒子径4.2μm)を3.8重量部を加えて、1時間攪拌し、光拡散粘着層形成用塗工液を得た。軽剥離処理が施されたPETフィルム(セパレータ)上に該光拡散粘着層形成用塗工液を塗工して、120℃で乾燥し、厚み25μmの塗工層を得た。塗工および乾燥工程を3回繰り返し、塗工層が3層積層した光拡散粘着層(厚み:75μm)を作製した。この光拡散粘着層は、ヘイズが97%、全光線透過率が89%、光拡散半値角が31°であった。
次いで、光拡散粘着層が形成されたセパレーターと偏光板(日東電工社製、商品名「NWF−LNSEG」)とをそれぞれA4サイズに切り出し、光拡散粘着層と偏光板とが密着するように貼り合せて、複合偏光板1を作製した。
【0052】
[参考例5]
参考例4において、シリコーン微粒子(モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン社製、商品名「トスパール140」、粒子径4.2μm)の添加量を、1.9重量部にした以外は、参考例4と同様にして、複合偏光板2を作製した。複合偏光板2の光拡散粘着層は、ヘイズが60%、光拡散半値角は測定不可であった。
【0053】
液晶表示装置の作製
[実施例1]
参考例4で作製した複合偏光板の偏光子側の面をツイステッド・ネマチック(TN)型の液晶セルに貼り合せた後、セパレータを剥離し、露出した光拡散粘着層にフロント基板としてアクリル板(日立社製携帯電話、商品名「W43H」に使用された透明アクリル板、厚み:485μm)を密着させて貼り合せた。次いで、液晶セルの複合偏光板を貼り合わせていない面に偏光板(日東電工社製、商品名「NWF−LNSEG」)を貼り合せた。当該偏光板の外側に平行光光源装置1を配置して、表1に示す構成の液晶表示装置を作製した。得られた液晶表示装置の特性を表2に示す。
【0054】
【表1】

【0055】
【表2】

【0056】
[実施例2]
平行光光源装置1の代わりに、平行光光源装置2を用いた以外は、実施例1と同様にして液晶表示装置を作製した。得られた液晶表示装置の特性を表2に示す。
【0057】
[実施例3]
平行光光源装置1の代わりに、平行光光源装置3を用いた以外は、実施例1と同様にして液晶表示装置を作製した。得られた液晶表示装置の特性を表2に示す。
【0058】
[比較例1]
露出した光拡散粘着層に透光性フィルム(富士フィルム社製、商品名「フジタック」、厚み:40μm)を貼り合わせ、透光性フィルムの縁部に両面テープ(日東電工社製、商品名「No.5102」、厚み:120μm)を配置して、アクリル板を貼り合わせた以外は実施例1と同様にして、表1に示す構成の液晶表示装置を作製した。得られた液晶表示装置の特性を表2に示す。
【0059】
[比較例2]
平行光光源装置1の代わりに、平行光光源装置2を用いた以外は、比較例1と同様にして液晶表示装置を得た。得られた液晶表示装置の特性を表2に示す。
【0060】
[比較例3]
平行光光源装置1の代わりに、平行光光源装置3を用いた以外は、比較例1と同様にして液晶表示装置を得た。得られた液晶表示装置の特性を表2に示す。
【0061】
[実施例4]
フロント基板として、アクリル板の代わりにタッチパネル(NEC社製NOTE−PC、商品名「ShieldPRO」に使用されていた抵抗膜方式タッチパネル、厚み:945μm)を用いた以外は実施例1と同様にして、表3に示す構成の液晶表示装置を作製した。得られた液晶表示装置の特性を表2に示す。
【0062】
【表3】

【0063】
[比較例4]
フロント基板として、アクリル板の代わりに実施例4で用いたタッチパネルを用いた以外は比較例1と同様にして、表3に示す構成の液晶表示装置を作製した。得られた液晶表示装置の特性を表2に示す。
【0064】
[比較例5]
偏光板(日東電工社製、商品名「NWF−LNSEG」)をTN型の液晶セルの視認側に貼り合せ、偏光板の縁部に両面テープ(日東電工社製、商品名「No.5102」、厚み:120μm)を配置し、実施例1と同じアクリル板を貼り合わせ、積層した。液晶セルのバックライト側にも、偏光板(日東電工社製、商品名「NWF−LNSEG」)を貼り合せた。次いで、液晶セルのバックライト側に拡散光光源装置(日立社製携帯電話、商品名「W43H」に使用されていたバックライトユニット)を配置して、表4に示す構成の液晶表示装置を作製した。表4には、構成を比較するために、実施例1の液晶表示装置の構成も示す。得られた液晶表示の特性を表2に示す。
【0065】
【表4】

【0066】
[比較例6]
平行光光源装置1の代わりに、比較例5で用いた拡散光光源装置を用いた以外は、実施例1と同様にして、表5に示す構成の液晶表示装置を製造した。表5には、構成を比較するために、実施例1の液晶表示装置の構成も示す。得られた液晶表示装置の特性を表2に示す。
【0067】
【表5】

【0068】
[比較例7]
複合偏光板1の代わりに、参考例5で得られた複合偏光板2を、平行光光源装置1の代わりに、比較例5で用いた拡散光光源装置を用いた以外は、実施例1と同様にして、液晶表示装置を製造した。得られた液晶表示装置の特性を表2に示す。
【0069】
[評価]
表2から明らかなように、実施例1〜3は、従来の構成である比較例5に比べて、視認側の厚みを減少させることができた。さらに、実施例1〜4は、比較例5に比べて、明環境において、白輝度が向上し、かつ黒輝度を抑えることができ、正面コントラスト比も格段に向上した。実施例1〜3では、光拡散粘着層がスクリーンとして機能するため、スクリーン位置(光拡散粘着層の中間部)が比較例5のスクリーン位置(液晶セル内のカラーフィルタの中間部)の半分以下となり、視差が低減された。フロント基板として、タッチパネルを用いた実施例4においても、光拡散粘着層がスクリーンとして機能するので、視認側の厚みにも関わらず、比較例5よりもスクリーン位置が近くなり、視差が低減された。
【0070】
また、実施例1〜4は、比較例1〜4に比べ、視認側の厚みを減少させることができた。さらに、実施例1〜4は、比較例1〜4よりも、明環境において白輝度が向上し、かつ、黒輝度が抑えられ、約10%の正面コントラスト比(CR)の向上が認められた。さらに、実施例1〜4は、比較例1〜4よりも、視差が低減された。
【0071】
平行光光源装置を用いた実施例1は拡散光光源装置を用いた比較例6に比べ、明環境において白輝度が向上し、かつ、黒輝度が抑えられ、約25%の正面コントラスト比(CR)の向上が認められた。実施例1は、正面コントラスト比(CR)が向上し、かつ、視差も低減されており、これらを両立するものであった。しかし、拡散光光源装置を用いた比較例7は、正面コントラスト比は向上するものの、拡散粘着層のヘイズが低いため、スクリーンとして十分に機能を果たすものではなく、視差が大きかった。
【0072】
実施例2、比較例2および比較例5の視野角特性を図6に示す。黒表示の輝度等高線図は、白が輝度の低いところを表し、黒が輝度の高いところを表す。白表示の輝度等高線図は、白が輝度の高いところを表し、黒が輝度の低いところを表す。コントラスト等高線図は、白がコントラストの高いところを表し、黒がコントラストの低いところを表す。図6から明らかなように、光拡散粘着層により、平行光光源装置から照射された光が良好に拡散された、実施例2および比較例2は、明環境下での白表示および黒表示、正面コントラスト比のいずれにおいても、従来の構成である比較例5に比べて、明環境下での視認性が向上した。
【産業上の利用可能性】
【0073】
本発明の液晶表示装置は、任意の適切な用途に使用される。その用途は、例えば、パソコンモニター,ノートパソコン,コピー機などのOA機器、携帯電話,時計,デジタルカメラ,携帯情報端末(PDA),携帯ゲーム機などの携帯機器、ビデオカメラ,テレビ,電子レンジなどの家庭用電気機器、バックモニター,カーナビゲーションシステム用モニター,カーオーディオなどの車載用機器、商業店舗用インフォメーション用モニターなどの展示機器、監視用モニターなどの警備機器、介護用モニター,医療用モニターなどの介護・医療機器等である。
【0074】
本発明の液晶表示装置は、明環境下での視認性に優れ、視差を低減し、液晶表示装置の薄型化が可能であるので、例えば、携帯電話やタッチパネルを用いた製品に特に有用である。
【符号の説明】
【0075】
10 偏光子
20 光拡散粘着層
30,31 保護フィルム
100 複合偏光板
110 液晶セル
111 液晶層
112,113 基板
120 フロント基板
130 偏光板
140 平行光光源装置
200 液晶表示装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
液晶セル、フロント基板および平行光光源装置を含む液晶表示装置に用いられる複合偏光板であって、
偏光子と該偏光子の片側に配置される光拡散粘着層とを有し、
該液晶表示装置に用いる際に、該光拡散粘着層と該フロント基板が接するように配置される、複合偏光板。
【請求項2】
前記光拡散粘着層が粘着剤および粒子を含む、請求項1に記載の複合偏光板。
【請求項3】
前記光拡散粘着層のヘイズが90%以上である、請求項1または2に記載の複合偏光板。
【請求項4】
液晶セルと、
該液晶セルの視認側に配置された請求項1から3のいずれかに記載の複合偏光板と、
該液晶セルの視認側と反対側に配置された偏光板と、
該複合偏光板のさらに視認側に、該複合偏光板の光拡散粘着層に密着して配置されたフロント基板と、
該視認側と反対に配置された偏光板の外側に平行光光源装置とを備える、液晶表示装置。
【請求項5】
前記フロント基板が透明保護板またはタッチパネルである、請求項4に記載の液晶表示装置。

【図1】
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【図2】
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【図3A】
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【図3B】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2010−250297(P2010−250297A)
【公開日】平成22年11月4日(2010.11.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−59182(P2010−59182)
【出願日】平成22年3月16日(2010.3.16)
【出願人】(000003964)日東電工株式会社 (5,557)
【Fターム(参考)】