説明

複合操作検出装置

【課題】分解能と精度を損なうことなく耐久性を向上させ、小型化し、多様化するクリック感に対応できる複合操作検出装置を提供すること。
【解決手段】ハウジングに遊嵌された操作軸の回転運動とスラスト運動を検出するための複合操作検出装置であって、前記ハウジング内部における前記操作軸の略先端部分に、円盤状に形成された外周面に当該操作軸と平行に略同一間隔で分極する多極着磁部を有する第一磁石を設け、前記ハウジング内部の前記第一磁石の磁極面と一定の空隙を隔てて対向した位置に、前記多極着磁部の極間距離と略同じ極間距離である第二磁石と、回転運動に伴う信号を得るためのホール素子とをそれぞれ設け、かつ、前記ハウジング内部における前記操作軸の軸方向の延長部分に、スラスト運動を検出するためのスイッチを設けた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は操作軸の回転運動の検出とスラスト運動の検出を兼ね備えた複合操作検出装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、各種電子機器に回転運動の検出とスラスト運動の検出を兼ね備えた複合操作検出装置が用いられている。特に、携帯型の電子機器では、選択するアイテムが増えたことにより、回転運動の検出の高分解能化と多様なクリック感が要求されている。また、この種の複合操作検出装置は、小型化の要求は無論のこと耐久性の要求も強い。
【0003】
例えば、特許文献1は、良好なクリック感が得られるようにしたスイッチ付きロータリエンコーダを提供することを目的としたものであり、クリック感に工夫がなされており、また、回転運動の検出が無接点式で高分解能化が考慮されている。
【0004】
また、特許文献2は、部品点数を削減できて高さ寸法も低減させやすい複合操作型電気部品を提供することを目的としたものであり、回転運動の検出とスラスト運動の検出の構成部品が集約された構造で、小型化を考慮した構造となっている。
【特許文献1】特開2003−331693号公報
【特許文献2】特開2003−303532号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、前記特許文献1記載のスイッチ付きロータリエンコーダは、各機能が独立した構造で部品が集約されていないため部品点数の必要性から小型が難しいという問題点がある。
また、前記特許文献2記載の複合操作型電気部品は、構造が摺動式であるため、耐久性の問題点と回転運動の検出の分解能及び精度に制限あるという問題点がある。
【0006】
本発明は、上記問題点に鑑みなされたものであり、分解能と精度を損なうことなく耐久性を向上させ、小型化し、多様化するクリック感に対応できる複合操作検出装置を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の請求項1は、ハウジングに遊嵌された操作軸の回転運動とスラスト運動を検出するための複合操作検出装置であって、前記ハウジング内部における前記操作軸の略先端部分に、円盤状に形成された外周面に当該操作軸と平行に略同一間隔で分極する多極着磁部を有する第一磁石を設け、前記ハウジング内部の前記第一磁石の磁極面と一定の空隙を隔てて対向した位置に、前記多極着磁部の極間距離と略同じ極間距離である第二磁石と、回転運動に伴う信号を得るためのホール素子とをそれぞれ設け、かつ、前記ハウジング内部における前記操作軸の軸方向の延長部分に、スラスト運動を検出するためのスイッチを設けたことを特徴とする複合操作検出装置である。
【0008】
本発明の請求項2は、ハウジングに遊嵌された操作軸の回転運動とスラスト運動を検出するための複合操作検出装置であって、前記ハウジング内部における前記操作軸の略先端部分に、円盤状に形成された外周面に当該操作軸と平行に略同一間隔で分極する多極着磁部を有し、かつ円盤状の底面部分に前記操作軸の中心で2極に分極して着磁された底面着磁部を有する第一磁石を前記操作軸と中心軸を揃えて設け、前記ハウジング内部の前記第一磁石の多極着磁部の磁極面と一定の空隙を隔てて対向した位置に、前記多極着磁部の極間距離と略同じ極間距離である第二磁石を設け、さらに、前記ハウジング内部における前記操作軸の軸方向の延長部分に、前記底面着磁部の回転を検出し、かつスラスト運動によって変化する前記底面着磁部からの磁力変化を検出するための磁気センサを設けたことを特徴とする複合操作検出装置である。
【0009】
本発明の請求項3は、ハウジングに遊嵌された操作軸の回転運動とスラスト運動を検出するための複合操作検出装置であって、前記ハウジング内部における前記操作軸の略先端部分に、底面部分に前記操作軸の中心で2極に分極して着磁された底面着磁部を有する第一磁石を前記操作軸と中心軸を揃えて設け、前記ハウジング内部における前記操作軸の軸方向の延長部分に、前記底面着磁部の回転を検出し、かつスラスト運動によって変化する前記底面着磁部からの磁力変化を検出するための磁気センサを設けたことを特徴とする複合操作検出装置である。
【0010】
本発明の請求項4は、請求項2又は3に加えて、前記磁気センサは、前記第一磁石の回転運動に伴って、互いに90°位相の異なる2相の正弦波信号を出力し、かつ、前記第一磁石のスラスト運動に伴って、前記2相の正弦波信号の出力の大小変化を信号として得られるものであることを特徴とする複合操作検出装置である。
【0011】
本発明の請求項5は、請求項2乃至4に加えて、前記複合操作検出装置は、前記磁気センサが検知した互いに90°位相の異なる2相の正弦波信号の出力を内挿演算処理して回転位置を生成する回路と、任意の状態における前記2相の正弦波信号の出力(これらをそれぞれA,Bとする)を用いて(A2+B20.5の演算処理を行うことでスラスト位置を生成する回路とを持つ制御部を備えてなることを特徴する磁気複合検出装置である。
【発明の効果】
【0012】
請求項1記載の発明によれば、操作軸の回転運動に伴うクリック感機能構造は、第一磁石と第二磁石の吸引反発力によって成され、回転検出は、第一磁石の磁界変化をホール素子が検出することで成される。よって、この構造は無接点式になり耐久性の向上が図られ、構成部品が集約され部品点数が削減でき小型化が図られる。また、回転運度の検出精度と分解能の向上も図られる。さらに多様化するクリック感にも対応できる。
【0013】
請求項2記載の発明によれば、操作軸の回転運動に伴うクリック感機能構造は、第一磁石と第二磁石の吸引反発力によって成され、回転検出は、第一磁石の磁界変化を磁気センサが検出することで成される。さらに、スラスト運動の検出についても同一の磁気センサによって検出可能であり、無接点式構造となる。よって、請求項1の発明よりもさらに無接点式が広がり耐久性の向上が図られる。さらに構成部品を集約でき小型化になる。
【0014】
請求項3記載の発明によれば、多様化するクリック感の中にはクリック感を不要とする要請もあり、回転運動及びスラスト運動の検出は行いつつクリック感を排除しという要請にも対応できる。
【0015】
請求項4記載の発明によれば、磁気センサを、前記第一磁石の回転運動に伴って、互いに90°位相の異なる2相の正弦波信号を出力し、かつ、前記第一磁石のスラスト運動に伴って、前記2相の正弦波信号の出力の大小変化を信号として得られるものとしたので、回転運動及びスラスト運動を1つの磁気センサを兼用して検出することが可能となる。
【0016】
請求項5記載の発明によれば、前記磁気センサが検知した互いに90°位相の異なる2相の正弦波信号の出力を内挿演算処理して回転位置を生成する回路と、任意の状態における前記2相の正弦波信号の出力(これらをそれぞれA,Bとする)を用いて(A2+B20.5の演算処理を行うことでスラスト位置を生成する回路とを持つ制御部を備えさせて構成することで、回転位置及びスラスト位置を信号として生成することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
本発明による複合操作検出装置は、ハウジングに遊嵌された操作軸の回転運動とスラスト運動を検出するための複合操作検出装置であって、前記ハウジング内部における前記操作軸の略先端部分に、円盤状に形成された外周面に当該操作軸と平行に略同一間隔で分極する多極着磁部を有する第一磁石を設け、前記ハウジング内部の前記第一磁石の磁極面と一定の空隙を隔てて対向した位置に、前記多極着磁部の極間距離と略同じ極間距離である第二磁石と、回転運動に伴う信号を得るためのホール素子とをそれぞれ設け、かつ、前記ハウジング内部における前記操作軸の軸方向の延長部分に、スラスト運動を検出するためのスイッチを設けたことを特徴とするものである。
すなわち、本発明は、回転運動の検出構造、回転運動に伴うクリック感構造、スラスト運動に伴う戻り構造及びとスラスト運動の検出構造の構成部品を集約しかつ無接点式構造としたことを特徴とするものであり、以下、詳細に説明を行う。
【実施例1】
【0018】
本発明の実施例1について、図面を参照しながら詳細に説明する。図1に示すのは、実施例1の複合操作検出装置10の構成を表した側方断面図である。この図1において、11は、回転運動とスラスト運動を兼ねた操作軸である。12は、前記操作軸11に固定された第一磁石である。13は、一定の空隙を隔て前記第一磁石12の磁極面に対向して設置された第二磁石である。14は、前記第一磁石12の磁極面に対向して設置されたホール素子である。15は、スラスト運動を検出するためのスイッチである。16は、前記操作軸11を支持し、第二磁石13、ホール素子14及びスイッチ15をそれぞれ保持するハウジングである。本発明による複合操作検出装置10はこれらの部品で概略構成されている。
【0019】
図2に示すのは、本発明による複合操作検出装置10のハウジング内部の各部品の詳細を表したものであり、(a)は斜視図、(b)は上面図(図1の矢印A方向)である。この図2(a)及び(b)に示すように、前記第一磁石12は、円盤状の外周に操作軸と平行に分極するように多極着磁部121が形成されている。前記第二磁石13は、第一磁石12のNS極間とほぼ一致する極間を持つように構成されている。また、前記ホール素子14は、2つのホール素子14a、14bからなり、前記第一磁石12の外周部分における1極間の距離をλとしたとき、この2つのホール素子14a、14bは、n×λ/2(n:奇数)で離間して設置されており、かつ、第二磁石13の磁界が影響しない位置に配置されている。
【0020】
このように構成された複合操作検出装置10において、回転操作をする場合の動作について説明する。第一磁石12の外周面にはN極とS極が交互に着磁されているが、非動作時には、第一磁石12の何れかのN極とS極に対して第二磁石13のS極とN極がそれぞれ対峙して吸引力によって静止した状態となっている。この状態で回転操作を行うと、1λ移動した段階で同極同士が対峙する位置関係になり反発力が生じるが、もう1λ移動すると異極同士が対峙した状態に戻り吸引力が生じる。すなわち、回転運動においては、2λ毎に反発力と吸引力が生じることになり、これによって回転動作にクリック感が生じる。また、第一磁石12の回転による磁界変化をホール素子14aと14bによって検出し、お互いに1/4周期位相の異なる2相の正弦波信号が1周期分出力され、回転検出が可能となる。すなわちクリック感と同期した回転信号が発生する。
【0021】
次に、図3に示すようなスラスト方向の押圧操作をする場合の動作について説明する。
この複合操作検出装置10で操作軸11をスラスト方向(図1の矢印A方向)に押圧操作した場合、図3に示すように、押圧時に操作軸11の先端がスイッチ15に接触することで信号が得られる。同時に、第一磁石12と第二磁石13の位置関係が変化し、第一磁石12と第二磁石13の磁力による吸引力がスラスト運動の戻り機能として作用する。この場合スイッチ15はコンタクトスイッチでも、操作軸11で短絡する構造でもよい。戻り機能として磁石の吸引力で足りない場合は、弾性部材を用いたコンタクトスイッチの弾性力や、図10に示すバネ部材33の構造を併用してもよい。
【0022】
なお、第二磁石13の設置位置については図2の実施例に限られるものではなく、例えば、図4(a)に示すように複数個の第二磁石13を配置しても良いし、また、第一磁石12の極間が比較的広い場合には、図4(b)に示すように第二磁石13を配置することもできる。このように、形状、磁力、数量を変えることでクリック感を調整することが可能となる。
【0023】
また、図2ではホール素子14としてホール素子14a、14bで説明したが、出力制御回路を組み込んだ2つのホールICでも回転検出が可能である。また、予めn×λ/2(n:奇数)で離間した位置に2つのホール感磁部を基板上に形成し、ワンパッケージ化したホール素子若しくはこれに出力制御回路を組み込んだホールICでも、同様に回転検出が可能となる。
【実施例2】
【0024】
本発明の実施例2について、図面を参照しながら詳細に説明する。図5に示すのは、実施例2の複合操作検出装置20の構成を表した側方断面図である。この図5において、21は、回転運動とスラスト運動を兼ねた操作軸である。22は、前記操作軸21に固定された第一磁石である。23は、一定の空隙を隔て前記第一磁石22の磁極面に対向して設置された第二磁石である。24は、操作軸21の延長線上の位置で第一磁石22と一定の空隙を隔て対向した部分に設置された磁気センサである。25は、前記操作軸21を支持し、第二磁石23及び磁気センサ24を保持するハウジングである。本発明による複合操作検出装置20はこれらの部品で概略構成されている。
【0025】
図6に示すのは、本発明による複合操作検出装置20のハウジング内部の各部品の詳細を表したものであり、(a)は斜視図、(b)は下面図(図5の矢印B方向)である。この図6(a)及び(b)に示すように、第一磁石22は、円盤状の外周に操作軸と平行に分極するように多極着磁部221が形成されており、かつ、磁気センサ24に対向する面に、操作軸21の中心で分極するNSの2極からなる底面着磁部222が形成されたものである。第二磁石23は、第一磁石のNS極間の距離とほぼ一致する極間を持つ。
【0026】
また、磁気センサ24は、前記第一磁石22の回転運動に伴って、互いに90°位相の異なる2相の正弦波信号を出力可能なものであり、前記第一磁石22のスラスト運動に伴って、それら2つの正弦波信号のピークトゥピーク出力が変化した信号を得ることができるものである。
なお、本出願人は特開2006−208025号公報に開示された磁気センサを既に提案しており、当該公報に開示された磁気センサを利用することも可能である。
【0027】
このように構成された装置において、操作軸21を1回転(360°)回転操作すると、第一磁石22が回転することによってNSの2極からなる底面着磁部222の磁界変化を磁気センサ24が検出し、お互いに90°位相の異なる2相の正弦波信号が1周期分出力される。同時に、第一磁石22と第二磁石23の吸引反発力によりクリック感が生じる。
次に、この複合操作検出装置20において、操作軸21をスラスト方向に押圧操作した場合の様子を図7に示す。押圧時に第一磁石22が磁気センサ24に近づき磁気センサ24に印加される磁界強度が増加し、2つの正弦波信号のピークトゥピーク出力が増加する。同時に第一磁石22と第二磁石23の位置関係が変化し、第一磁石22と第二磁石23の磁力による吸引力がスラスト運動の戻り機能として作用する。
【0028】
図8で磁気センサ24の回転時、押圧時出力と検出方法との関係を詳しく説明する。図8(a)の実線(A,B)が、図5で示す押圧しない状態での回転出力であり、点線(A’,B’)が、図7で示す押圧時の出力である。図8(b)はこれら出力のリサージュ波形である。回転時の出力A(sin)と出力B(cos)を内挿演算処理、例えばARCTAN(A/B)で処理すれば回転検出が可能となる。また、押圧時に変化するリサージュ波形を(A2+B20.5によって演算し、これに対して任意の閾値を設けることでスラスト運動の検出(スイッチ機能)を果たすことが可能となる。また閾値を複数設けることで、スラスト運動の検出も単一ではなく、複数の検出を行うことが可能となる。
【0029】
また磁気センサ24は、出願人の先行出願の特開2006−208025号公報に開示された磁気センサ以外でも、図9に示すように、4つのホール感磁部(241、242、243、244)を角度間隔90°となすように基板(245)上に形成してワンパッケージ化されたホール素子(246)であってもよい。
【実施例3】
【0030】
本発明の実施例3について、図面を参照しながら詳細に説明する。図10に示すのは、実施例3の複合操作検出装置30の構成を表した側方断面図である。この複合操作検出装置30は、クリック感を不要とする操作者に対応したものである。この複合操作検出装置30の構造と前記実施例2の構造の違いは、図6における第一磁石22の円盤状の外周に操作軸と平行に分極する多極着磁部221を形成しない構造で、クリック感を生じさせる機能及びスラスト運動の戻り機能を担っていた第二磁石23をバネ部材33に置き換えた構造である。この構造により、クリック感機能が排除される。しかしクリック感機能を排除したからといって、その他の検出機能や効果が損なわれるわけではなく、回転動作検出、スラスト動作検出は、実施例2と同様の方法により可能である。
【0031】
前記実施例1においてはホール素子14及びスイッチ15を用い、前記実施例2及び3においては磁気センサ24を用いて、回転運動及びスラスト運動に伴う信号を得られるものとして説明を行った。しかし、本発明はこれのみに限られない。
例えば、実施例1においては、ホール素子14で得た1/4周期位相の異なる2相の正弦波信号の出力を内挿演算処理して回転位置を生成する回路を設けた制御部を具備するようにしてもよい。
また、実施例2又は3においては、前記磁気センサ24が検知した互いに90°位相の異なる2相の正弦波信号の出力を内挿演算処理して回転位置を生成する回路と、任意の状態における前記2相の正弦波信号の出力(これらをそれぞれA,Bとする)を用いて(A2+B20.5の演算処理を行うことでスラスト位置を生成する回路とを持つ制御部を具備するようにしてもよい。
【0032】
前記実施例1及び2においては、第一磁石(12又は22)の外周面に多極着磁部(121又は221)を形成しており、図2(b)、図6(b)に示すように、30°毎に極を変える例と、図4(b)に示すように、60°毎に極を変える例を実施例として示した。しかし、本発明はこれに限定されるものではなく、着磁可能な範囲であれば、要求される製品の機能に応じて適宜変更して実施可能であり、その際のクリック感の調整は、第二磁石(13又は23)の形状、磁力、数量を変えることで適宜設定可能である。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】本発明による複合操作検出装置10の構成を表した側方断面図である。
【図2】本発明による複合操作検出装置10のハウジング内部の各部品の詳細を表したものであり、(a)は斜視図、(b)は上面図(図1の矢印A方向)である。
【図3】複合操作検出装置10において、操作軸11をスラスト方向に押圧操作した場合を表した側方断面図である。
【図4】(a)及び(b)は、それぞれ第二磁石13の他の設置方法を表した上面図である。
【図5】本発明による複合操作検出装置20の構成を表した側方断面図である。
【図6】本発明による複合操作検出装置20のハウジング内部の各部品の詳細を表したものであり、(a)は斜視図、(b)は下面図(図5の矢印B方向)である。
【図7】複合操作検出装置20において、操作軸21をスラスト方向に押圧操作した場合を表した側方断面図である。
【図8】(a)は、磁気センサ24で検出した回転動作時の出力波形であり、(b)は、これら出力のリサージュ波形である。
【図9】磁気センサ24の他の構成を表した上面図である。
【図10】本発明による複合操作検出装置30の構成を表した側方断面図である。
【符号の説明】
【0034】
10…複合操作検出装置、11…操作軸、12…第一磁石、121…多極着磁部、13…第二磁石、14…ホール素子、15…スイッチ、16…ハウジング、20…複合操作検出装置、21…操作軸、22…第一磁石、221…多極着磁部、222…底面着磁部、23…第二磁石、24…磁気センサ、241〜244…ホール感磁部、245…基板、246…(ワンパッケージ化された)ホール素子、25…ハウジング、30…複合操作検出装置、33…バネ部材。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ハウジングに遊嵌された操作軸の回転運動とスラスト運動を検出するための複合操作検出装置であって、前記ハウジング内部における前記操作軸の略先端部分に、円盤状に形成された外周面に当該操作軸と平行に略同一間隔で分極する多極着磁部を有する第一磁石を前記操作軸と中心軸を揃えて設け、前記ハウジング内部の前記第一磁石の磁極面と一定の空隙を隔てて対向した位置に、前記多極着磁部の極間距離と略同じ極間距離である第二磁石と、回転運動に伴う信号を得るためのホール素子とをそれぞれ設け、かつ、前記ハウジング内部における前記操作軸の軸方向の延長部分に、スラスト運動を検出するためのスイッチを設けたことを特徴とする複合操作検出装置。
【請求項2】
ハウジングに遊嵌された操作軸の回転運動とスラスト運動を検出するための複合操作検出装置であって、前記ハウジング内部における前記操作軸の略先端部分に、円盤状に形成された外周面に当該操作軸と平行に略同一間隔で分極する多極着磁部を有し、かつ円盤状の底面部分に前記操作軸の中心で2極に分極して着磁された底面着磁部を有する第一磁石を前記操作軸と中心軸を揃えて設け、前記ハウジング内部の前記第一磁石の多極着磁部の磁極面と一定の空隙を隔てて対向した位置に、前記多極着磁部の極間距離と略同じ極間距離である第二磁石を設け、さらに、前記ハウジング内部における前記操作軸の軸方向の延長部分に、前記底面着磁部の回転を検出し、かつスラスト運動によって変化する前記底面着磁部からの磁力変化を検出するための磁気センサを設けたことを特徴とする複合操作検出装置。
【請求項3】
ハウジングに遊嵌された操作軸の回転運動とスラスト運動を検出するための複合操作検出装置であって、前記ハウジング内部における前記操作軸の略先端部分に、底面部分に前記操作軸の中心で2極に分極して着磁された底面着磁部を有する第一磁石を前記操作軸と中心軸を揃えて設け、前記ハウジング内部における前記操作軸の軸方向の延長部分に、前記底面着磁部の回転を検出し、かつスラスト運動によって変化する前記底面着磁部からの磁力変化を検出するための磁気センサを設けたことを特徴とする複合操作検出装置。
【請求項4】
前記磁気センサは、前記第一磁石の回転運動に伴って、互いに90°位相の異なる2相の正弦波信号を出力し、かつ、前記第一磁石のスラスト運動に伴って、前記2相の正弦波信号の出力の大小変化を信号として得られるものであることを特徴とする請求項2又は3記載の複合操作検出装置。
【請求項5】
前記複合操作検出装置は、前記磁気センサが検知した互いに90°位相の異なる2相の正弦波信号の出力を内挿演算処理して回転位置を生成する回路と、任意の状態における前記2相の正弦波信号の出力(これらをそれぞれA,Bとする)を用いて(A2+B20.5の演算処理を行うことでスラスト位置を生成する回路とを持つ制御部を備えてなることを特徴する請求項2乃至4記載の磁気複合検出装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2008−218199(P2008−218199A)
【公開日】平成20年9月18日(2008.9.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−54050(P2007−54050)
【出願日】平成19年3月5日(2007.3.5)
【出願人】(000236447)浜松光電株式会社 (20)
【Fターム(参考)】