説明

複合曲線を有する複合梁及び製造方法

一方向カーボンファイバー複合材料を長軸に沿った複合曲線プロファイル複合材料層(152,153,156,157)のしわを発生させずに、長軸に対する多様な方向を向く構造部材が開示される。積層、シークエンス、及び適用材料層部材の製造方法も又開示される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、概して複合ファイバー積層プロセスを用いた構造部材の製造、及びさらに詳細には曲線プロファイルを有する複合ファイバー積層構造の形成に関する。
【背景技術】
【0002】
2〜3例を挙げると、カーボンファイバー・エポキシ及びグラファイト・ビスマレイミド(BMI)材料といった複合材の構造性能の利点が航空工業において広く知られている。航空機デザイナーは例えば、これらの特異な剛性、強度、及びレーダー吸収能に興味がある。さらに材料の利点が向上し材料形成のより広い多様性が顕著になったため、複合材の航空用途が増加した。自動テープレイヤー技術が、羽、限定されないが、機体及び尾部アッセンブル等の、大きな複合構造の製造のための自動プロセスに広く用いられるようになった。最近の複合ファイバー配置及びテープ積層技術は、航空部材の多様性の要求に応じたプロセス特性における柔軟性に応じるため改良された。複合積層プロセスがオートメーションにおいて有利に改良されることにより、新しく新規な適用が見出される。
【0003】
複合材料からのいくつかの部材の製造、航空機又は車両のためのサポート梁、フレーム及び剛性は、減量及び改良された耐腐食及び疲労性能のために望まれる。このような部材は、典型的に一方向カーボンファイバー複合材料の積層により、望まれる構造の機能に依存して他の層とは異なる方向の層が積層される。
【0004】
しかしながら、部分の長さに沿った非均一断面を有する部材の製造において、いくつかの層にしわが発生するということが見られる。これにより部材がバラツキ、及び非連続的、その長さに沿った外の曲線又はプロファイルを有することとなる。このようなしわは好ましくなく、材料のしわが発生する傾向にある部材の製造のための複合材料の広い使用及び適用において避けられてきた。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
開示される例示的な具体例のように、部材及び製造方法が、部材を製造するために使用される材料層の望まれないしわを避けるよう、複合材料層用いる外曲線が非連続的である構造部材の製造のために提供される。
【0006】
ある具体例では、構造部材が開示される。該部材は、一方向カーボンファイバー複合層からなるボディーを備え、ボディーは長軸及び長軸に垂直な断面を有する。少なくとも一つの均一曲線及び少なくとも一つの複合曲線をボディーに提供するために、断面は長軸のポーションで異なる。均一曲線を形成する複合層は、長軸に沿って非連続的である。
【0007】
また、断面はウェブ及びウェブから延長される少なくとも一つのフランジを備える。ファイバー複合層は一方向テープ浸透済み材料を備えてもよい。ボディーはウェブ及びウェブから延長される対向するフランジを有する梁、互いに平行に延長する対向するフランジのポーション、及び複合曲線を規定するために互いに傾斜して延長されるフランジポーションを備えていてもよい。一つの対向するウェブは実質的に直線及び連続的であり、一つのフランジは部分的に平行、及び部分的に傾斜していてもよい。複合曲線を形成する少なくともいくつかの複合層は、長軸に沿った一方向ファイバーのしわを発生せずに複合曲線プロファイルを形成するため、長軸に沿って連続的であってもよい。ボディーは線形プロファイル及び非線形プロファイルを規定するために配置された複数の一方向カーボンファイバー複合層を備え、非線形、曲線プロファイルを形成する複数の層は、部材の長軸に沿った線形プロファイルを形成する複数の層と異なり配置される。非線形曲線プロファイルに近接した長軸に平行なファイバーを形成する複合層は非連続的である。部材は長い梁を備える。
【0008】
複合材料から製造される構造部材の具体例が開示される。部材は一方向カーボンファイバー複合層から形成される長いボディー、長軸及び軸長を有するボディー、軸長に沿って部分的に線形及び部分的に非線形なボディーの外表面、及び少なくともいくつかの長軸に平行なファイバーを備える。長軸の一方向ファイバーのしわを避けるため長軸に平行なファイバーは非線形外表面に沿って非連続的である。
【0009】
また、ボディーは、ウェブ及び少なくとも一つのフランジ、ボディーの非線形部分を規定するフランジを備えてもよい。層は一方向テープ前浸透材料、及び非線形ポーションは傾斜している長軸に対して傾斜する直線ポーション及び少なくとも一つの半径ポーションを備えてもよい。非線形曲線プロファイルを形成する複数の層は部材の長軸に沿った線形プロファイルとは異なる方向に配置されてもよい。
【0010】
部分的な均一曲線及び部分的な複合曲線を有する複合構造エレメントの製造方法もまた開示される。部材は一方向カーボンファイバー複合材料の層の平面チャージから形成され、該方法は、平面チャージを、0度ファイバーを有する離散した層のスタック及び非0度ファイバーの層に分類する;離散した層を作るため均一及び複合曲線部材のポーションを並べる、0度ファイバーを有する少なくともいくつかの層を曲線及び非曲線部材のポーションに適用する。
【0011】
また、平面チャージの非0度層の離散したスタックへの分類は、平面チャージの0度ファイバーに対する+45度及び−45度方向のファイバーを有する層への分類を含む。部材は、一つの直線フランジ、ウェブ及び一つの非直線フランジを有するC型チャンネルとして形成されてよい。該方法はさらに+45度の方向に向くファイバーを有する少なくとも一つの層及び−45度の方向を向くファイバーを有する少なくとも一つの層の、C型チャンネルの直線フランジ、ウェブ及び非直線フランジを包括する第1のドレープチャージを準備し;非直線フランジを覆う0度の方向を向くファイバーを有する層を含む第2のドレープチャージを準備し;+45度の方向を向くファイバーを有する少なくとも一つの層及び−45度の方向を向くファイバーを有する少なくとも一つの層の、C型チャンネルの直線フランジ、ウェブ及び非直線フランジを包括する第3のドレープチャージを準備する;及び非直線フランジに適用される0度の方向を向くファイバーを有する層を含む第4のドレープを準備することを含む。
【図面の簡単な説明】
【0012】
非限定的な具体例が、以下の図を参照して示され、特記されない限り、これらの図を通じて同様の参照番号は同様の部分を参照する。
【図1】航空機製品及びサービス手順の略図。
【図2】航空機のブロック略図。
【図3】複合材料で製造された構造部材の例示的適用を示す航空機の断面図。
【図4】図3の部分の拡大図。
【図5】図3及び4に示されるコンポーネントの部分の斜視図。
【図6】図に示される部材の製造のための例示的なチャージ・レイアップ及びシークエンス方法。
【図7】コンポーネントの部材の分解図。
【0013】
好ましくないファイバーのしわが形成されることなく、曲線を有する部材の形成を容易にする複合材料を用いた部材及び部材の製造方法の例示的な具体例が以下に開示される。この例示的な部材及び方法は、例えば、一方向カーボンファイバー材料例えば、以下に述べる複合曲線、を有する部材の製造における、より拡張的かつ効率的な使用を容易にする。このような複合部材の形成特性は、曲線形状で重要な利点を与え、要求される有効な形状及び部材のプロファイルでの湾曲、軽量材料に拠る部材製造の重量の抑制サポート構造、及び特別な使用のための高パフォーマンス部材の発展を提供する。
【0014】
特に、部材の形成に使用される軽量な複合材料は、例えば、航空機又は他の車両のサポート構造又はフレームの組み立ての組み合わせに利用された場合、重要な重量の抑制を達成する。特に多くのサポート部材を有する航空機構造の場合、潜在的な重量の抑制は、実質的に燃料の抑制及び航空機操作のコスト減少となる。複合材料部材はまたメンテナンスコストの減少を容易にする。
【0015】
さらに図面に言及すると、本開示の具体例は、図1及び図2の航空機52における航空機の製造及びサービス方法50である。プレプロダクションにおいて、例示的な方法50は特別な航空機52のデザイン54及び材料の入手56を含んでもよい。製造の間、部材及びサブアッセイの製造58及び航空機52のシステムインテグレーション60が実施される。従って、航空機52は、認証及びサービス64を実施するためのデリバリー62を経る。顧客によるサービスの間、航空機52は日常的なメンテナンス及びサービス66が予定される(変形例、再配置、改修等を含む)。
【0016】
方法50のそれぞれのプロセスは、システム・インテグレーター、サードパーティー、及び/又はオペレーター(例えばカスタマー)システム・インテグレーターによって実行されてもよい。当記載の目的のため、システム・インテグレーターは制限なしに如何なる数の航空機製造業者及びメジャーシステム下請け業者を含んでもよい;サードパーティーは、制限無く如何なる数のベンダー、下請け業者、及びサプライヤー;及びオペレーターはエアライン、賃貸業者、軍事団体、サービス組織等であってよい。
【0017】
図2のように、例示的な方法50による航空機52は複数のシステム70及びインテリア72を伴うエアフレーム68を含む。高レベルシステム70の例は、1又は複数の推進システム74、電気システム76、水力システム78、及び環境システム80を含む。いくつでも他のシステムが含まれてもよい。航空の例が示されているが、本発明の原理は、自動車工業などの、他の工業に適用できる。
【0018】
ここで例示される装置及び方法は如何なる一つ又は複数提供及びサービス方法50のステージで実施されてもよい。例えば、航空機52がサービス中に提供される部材又はサブアセンブル同様に、部材又は製造プロセス58に対応するサブアセンブルが製造される。また、1又は複数の装置例、方法具体例、又はこれらの組み合わせは製造ステージ58及び60の間に利用され、例えば、実質的に航空機52の迅速化又はコストの低減となる。同様に、1又は複数の装置例、方法例、又はこれらの組み合わせが航空機52のサービス中、例えば、限定されないが、メンテナンス及びサービス66において実施される。
【0019】
図3は例示的な航空機100の断面図であり、例示的な部材及び方法で説明される図1の方法図2の航空機52に対応する。考えられるのは、しかしながら、利益及び以下に示される新規な部材の具体例及び形成方法の利点、車両環境、自動車、トラック、及びレクリエーション車、並びに航海車及び非車両の適用、ビル、タワー、及び他のサポート構造である。一般的に、部材及び方法は複合材料構造の利益が望まれる如何なる構造の適用に適用される。以下の議論は、即ち、限定されず、ここで開示される部材及び方法は特別なものに制限されず、航空機100への適用に限定されず、特許請求の範囲に規定されるとおりである。
【0020】
図3のように、航空機100は航空機100の外ボディーを規定する機体102含む。高パフォーマンス、複合床梁104は、機体102の内部及び機体102の内部を横断して水平に延びる。床梁104は航空機100の構造部材として提供され、床パネル106上の乗客コンパートメント108を提供するために、床パネル106は延長されて床梁104に接続される。公知の航空機に関し、乗客コンパートメント108は座席及び安全性、快適性、及び旅の利便性ための最近の航空機の他のアメニティーと共に提供される。他の具体例では、コンパートメント108は、替えて荷物コンパートメント又は乗客コンパートメント以外の他の使用として提供することができる。
【0021】
支柱110は床梁104の下に延び、床梁104の直下に少なくとも部分的に荷物コンパートメント112を規定する。公知の航空機のように、荷物コンパートメント112は、例えば、旅行鞄、旅行道具、鞄又は航空機の乗客の持ち物の収容に適合されていてもよい。一方、又はこのようなアイテムに加え、荷物コンパートメント112は、荷物を航空機の乗客から独立して、保存、包括及び保護する。航空機100は、主に一般人を受け入れる輸送のため、乗客及び個人的な持ち物、軍事用途、輸送及び装置、コマーシャルシッピング及び異なるロケーションへの物品の移送。
【0022】
航空機の長さに沿って、図3のページ平面を超えて、多くの床梁104が提供されることが理解されるべきである。大きな航空機100は小さい航空機100より大きく長い梁104及び多くの梁104を要求するかもしれない。総じて、梁104航空機100のためのサポート及びフレームワークを提供する。
【0023】
図4のように、例示的な具体例では、床梁104は、上フランジ120を有する長いI型であり、下フランジ122、及び上及び下フランジ120及び122を繋ぐウェブ124に形成される。下フランジ122が梁の全長にわたって直線又は連続的でないのに対し、上フランジ120は概して直線及び連続的である。
【0024】
図4のように、下のフランジ122は第1のポーション126、第2のポーション128及び第1及び第2のポーション126及び128の間に延びる遷移部分130を含む。第1のポーション126は概して第1のフランジ120に平行であり、第1のフランジ120から計測される第1の横断距離H1に配置される。第2のポーション128もまた概して第1のフランジ120に平行に延び、第1のフランジ120から垂直方向に計測される、H1より小さい、H2の距離を介して配置される。一例において、H1は約7.5インチ、及びH2は約5.6インチである。H2以下のディメンションは下延焼するクリアランス下のフランジ122伸したに適合させ、例えば、及び限定されないが、ケーブル又は導管131が床梁104伸したには位置される。例示的なH1のディメンション及びH2では、H1及びH2の値は他の具体的な数値であってもよい。
【0025】
下のフランジ122をさらに詳細に考慮すると、遷移部分130は、概して直線及び第1のフランジ120に対して平行な第1及び第2のポーション126及び128を接続され、第1及び第2のポーション126及び128のそれぞれに対して角度付きで延長される。示される具体例では、遷移部分130は第1のフランジ120及びそれぞれ第1及び第2のポーション126及び128特別な距離第2のフランジ122に対して傾斜して延長される。遷移部分130に沿った如何なるポイントにおいて、遷移部分の端部は第1のフランジ120から離れる、第1のフランジ120から垂直方向に計測される、距離H1及びH2の間の第3及び多様な距離H3。即ち、H3はほぼH1である、遷移部分130が第1のポーション122に隣接し、及びH2程度に徐々に減少する遷移部分130が第2のポーション128に隣接する。
【0026】
遷移部分130を第1の及び第2のポーション126及び128に接続する湾曲ポイント132及び134は第2のフランジ122及び梁104の外表面曲線全てにおいて非連続性を示す。実際、湾曲ポイント132及び134は半径遷移部分130の終端を第2のフランジ第1の及び第2のポーション126及び128に相互接続する。一つの湾曲ポイントは132凸状半径であり、他の湾曲ポイント134凹半径である。
【0027】
図4において右から左の下のフランジ122の曲線、第1のポーション126は概して直線、スムース及び水平その外形、曲線は凸状半径ポイント132に繋がる。凸状半径132、遷移部分130のフランジ122は直線及び概してスムースだが第1のポーション126に対して傾斜し、遷移部分130が凹状半径間で到達してポイント134へ結合する。半径ポイント134、ポーション128内の下のフランジ122は、概して直線、スムース、及び水平になる。総じて、ポーション126、128及び遷移部分130下のフランジ122の曲線は、直線ではなく、湾曲ポイント132及び134における直線及び曲がったポーションの間の非連続制のためスムースでもない。
【0028】
具体例に示される遷移部分130は、下のフランジ122が湾曲内部に梁104プロファイルをつくるために、ケーブル又は導管131のために、拡張されたクリアランス、又はより高いウェブ124が必要となる。ジョッグルは導管131の設置を可能にし、梁104の上部又は下部梁104でのさらにコンパクトな配置とつる。床梁では、この配置は“ジョッグル”とされ、複合材料を用いた梁104の挑戦的な形成となる。図3に戻ると、梁104は、梁の長さに沿って一つ以上のジョッグルジョッグルを形成する一つ以上の遷移部分130、梁のケーブル及び導管を通すため、又は航空機の他の機械的及び電気的部材に適合するための拡張されたクリアランスを有する大きいスパン、を有していてもよい。
【0029】
一方向カーボンファイバー複合材料の層からの梁104の構築に際し、遷移部分130で、いくつかの材料の層が下のフランジ122に沿ってしわを発生することが見られる。先述のように、このようなしわは好ましくなく、梁を構築する努力は、複合材料においてコスト的に有効な新規な梁及びその製造方法が追求され、開発された。
【0030】
図5は梁104の製造に用いられるC-型チャンネルチャージ142のポーションを示す。図4から明確なように、2つのC型チャンネルチャージ142は背合わせで組み立てられ、フランジ120及び122は概してウェブ124から垂直に延長される。先述のように、例示的な具体例での第1のフランジ120は概して直線及び連続的であり、長軸140に平行に延びる。第1及び第2のポーション126及び128は概して第1のフランジ120に平行に延長され、互いに、第1のフランジ120からの異なる距離だけ隔てられる。ウェブ124は概して平面で、長軸140に平行に延びる。図5から明確なように、しかしながら、遷移部分130及び湾曲ポイント132及び134の半径は長軸140に平行でない。
【0031】
第2のフランジ122では、直線ポーション126及び128の組み合わせ、半径ポーション132及び134の凸状及び凹状、及びスムースだが傾斜している延長ポーションは遷移部分130の間にあり、複合曲線として言及される。具体例における遷移部分130は異なる曲面の中心を有する湾曲ポイント132及び134及び潜在的に異なる凸状の半径であり、部分的に傾斜して外側の梁のプロファイルを減少させる。
【0032】
複合曲線の特別な例が図に示されるが、複合曲線の形状が、複合構造部材を構築する際、材料のしわを避ける以下に説明する技術からの利益だが、床梁に限定されない。他の具体例で、複合曲線は梁104の全ての特徴を有する必要がない。即ち、曲線は複合曲線かつ凸状及び凹状半径の双方を有さず、及び複合曲線さらに、互いに傾斜した、角度つきの、異なる直線ポーションが要求されない。
【0033】
ここで用いられるように、“複合曲線”は広く如何なる形状又は外表面プロファイルに言及する。1又は複数の重要な変化及び外形及びプロファイル、表面の開口、及び部材、又は部材の構造を含む。即ち、ここで用いられるように“プロファイル”は全ての部材の形状、概して開口には依存せず、部材の特別な配置に言及する。複合曲線を形成する部材の外形及びプロファイルは、散した組み合わせにより特徴づけられてもよい。
【0034】
具体例に示される梁104複合曲線の結果、長軸140に対して垂直に配置される梁104の断面は、梁の長さに沿って均一でない。梁の遷移部分がしばし梁104の非線形ポーション又は多様な断面及び梁104の長さに沿った外形として言及されるが、コンスタント又は連続的である断面を有する梁のポーションはしばし梁104の線形ポーションとして言及される。
【0035】
梁104をもちいたこのような曲線構造部材の構築における、従来の複合製造プロセスによる積層複合材料の異なる層での複合材料層のしわの発生は、梁104の長さに沿った長軸140に向けられて配置された構造ファイバーを有する複合材料層に積層される。特に、遷移部分130を有する下のフランジ122の形状のため、概して長軸140に平行であるファイバー、直線ポーション126及び128は曲がった状態で遷移部分130に配置され、いくつかのファイバーはしわを発生させる。このようなファイバーの湾曲は、また、複合材料層のしわとなり、構造ファイバーは長軸140に沿わない、このような層、構造ファイバーが長軸140に対して、例えば、45°及び90°角度の方向に向く。例えば、複合材料層の積層により図5のようなチャンネルチャージ142の形状を構成するとき、0°層のない下のフランジ122又は長軸140に対して平行を有する層においても、長軸140から計測して+45°、90°及び-45°を向くファイバーの層はしわを形成しない傾向にある。
【0036】
この問題について、長軸140から0°角度に延びるファイバー(例えば、長軸に平行)、梁104、公知の製造技術はしわを発生させ、異なる層は多様な梁104のポーション、及び長軸に沿ったファイバーは複合曲線を提供する。長軸に沿ったファイバーを有する層は非連続的であり、例えば、曲線ウェブ124の端部及びフランジ122。曲線フランジを形成するため、長140に沿った方向のファイバーは、部材構造及びこれらの層から離される。非連続の結果、長軸140に平行なファイバー、及びこれらファイバーの隔たりは、梁104の曲線ポーション、ファイバー梁104の製造の間、形成された部材内のしわを避ける。
【0037】
さらに、ユニークなアプローチが、平面チャージの積層の間に、梁104を形成するために用いられる。一具体例では、例えば、平面チャージは、長軸140に平行なファイバー離散したスタック0度層、又は、長軸に対して+45°、90°及び-45°のファイバーの層。離散した層をつくる積層シークエンスは、0°層及び+45°、90°及び-45°層の分類から成り立つ。0°層は、離散したウェブ及びチャンネルチャージ142の曲線ポーションに沿ったフランジエレメントに分類される。特に、曲線フランジエレメントの形成に用いられる0°層は、層に沿ってドレープされていない。
【0038】
層の積層に適した例示的な機械がU.S.Patent No.7,188,370に開示されている。この機械及び又は機械は複合材料を使用するこれらの部材の製造技術においてよく知られ機械の詳細な議論は概して本開示の範囲にある。当業者であればこれ以上の詳細な説明は必要ないと考えられる。他の具体例では、チャージは手動で重ねられてもよい。
【0039】
図6及び7はチャージ142のさらなる詳細及び例示的なチャージ積層、及びシークエンス方法C型チャンネル製造の複合チャージチャージ142、例えば、一方向テープ浸透済み材料、及び、“スタイル108”はファイバーグラス材料層を示す。方法は、ファイバーを有する多様な異なる方向を向いた層のスタック及びシークエンス、及びいくつかの層の線形及び非線形ポーションを含む。後述の層の角度は、層のファイバーの方向に関して、C型チャンネルチャージ142の方向に向く。0度層は長軸に平行な方向のファイバーを有してもよい。図5のように、チャージドレープは積層され、積層製造される部材の望まれる形状を有する軸158を利用して組み立てられる。
【0040】
例えば、図5に示されるC型チャンネルチャージ142を考慮すると、図6及び7において、第1のドレープチャージ150は、第1のドレープオペレーションで、+45度方向を向き、90度、及び−45度は、第1のフランジ120の一部を形成する軸158上の平面及びドレープ、第2のフランジ122及びウェブ124である。
【0041】
第2のドレープオペレーションにおいて、2つの0度層152及び153は離れてウェブ124及び湾曲フランジ122上に積層される。一つの0度層152はウェブ124及び直線フランジ120を覆う。他の0度層153は曲線フランジ122を覆う。
【0042】
図6ではウェブ124を覆う0度層152及び直線フランジ120が第2のドレープオペレーションの部分として示されているが、0度層152は第1のドレープオペレーションのドレープチャージ150に組み合わされ形成されることが理解されるべきである。このような具体例では、しかしながら、0度層153ドレープオペレーションと隔てて配置される。
【0043】
第3のドレープオペレーションでは、一つの+45度層及び一つの−45度層154が第1の及び第2のドレープオペレーションの平面及びドレープ層上に積層される。即ち、第3のドレープオペレーションは、第1のフランジ120、第2のフランジ122及びウェブ124の部分を形成する。
【0044】
第4のドレープオペレーションでは、0度層156及び0度層157はウェブ124、直線フランジ122及び曲線フランジ122上で離されて積層される。層156はウェブ124及び直線フランジ120を覆い、層157は曲線フランジ122を覆う。
【0045】
図6では、0度層156は、ウェブ124及び直線フランジ120を覆う第4のドレープオペレーションの部分として示されているが、0度層156は第3のドレープオペレーションのドレープチャージ154でもよいことが理解されるべきである。このような具体例では、しかしながら、0度層157はドレープオペレーションから隔てられて積層される。
【0046】
チャンネルチャージドレープオペレーションが完了した後、チャージ142は組み立てられ、例えば図3及び4に記載される床梁104が提供される。
【0047】
+及び−45度及び90度方向を向くファイバーを有するシークエンス層のチャージ積層及び方法、さらには0度層、非0層+又は−45度及び/又は90度方向を向く他の具体例。他のファイバーの角度が、部材の形成及び目的に沿うよう、必要性及び所望により同様に利用されてもよい。いくつかの層の具体例では、上記のような90度層、も考えられる。
【0048】
上記の方法を用い、梁104のような構造部材、又は梁、剛性又は重要な複合曲線を有する構造部材及び表面非連続性、一方向カーボンファイバー複合材料から効率的に製造されてもよい。さらなる拡張的及び効率的な、複合層の許容されないしわがない、曲線形状を有する部材製造のための一方向カーボンファイバー材料の使用は容易であり、梁104のような部材が大きな構造において組み立てられた場合、重量の抑制が実現される。
【0049】
例示的な形状を有する例示的な梁104及びC型チャージ142が記載されているが、他の形状及び断面を有する部材であっても同様に、層のしわに伴う問題を避けるように形成されることが理解されるべきである。如何なる形状において配置されたウェブ及び1又は複数のフランジを有する如何なる部材が上記方法論からの利益を受けてもよい。例えば、制限無く、上記I型梁104に加え、似たような技術が、複合曲線を有するJ型部材、ウェブから延長される単一な曲線フランジを有するL型部材、少なくとも一つの複合曲線を伴うポーションを有するT型部材、及び少なくとも複合曲線を伴うポーションZ型部材において、曲線を形成するために用いられてもよい。さらなる非限定的な例示では、番号に類似する断面形状を有する部材、例えば番号“7”が形成される。
【0050】
同様に、しわが発生する複合材料に、このような技術はチューブ状のエレメント(長方形及び正方形)を形成するために利用されてもよい。ここで示される例示的な具体例は、ここでは一つの直線フランジ及び一つの曲線フランジを含み、さらなる及び/又は異なる具体例、一つ以上の曲線フランジが同様の方法及び上記技術で製造されてもよい。
【0051】
また、床梁の文脈において、部材の具体例及びこれらの製造方法が開示されているが、他の構造的部材もまた同様の問題を回避し、同様の利点を得るために製造されてもよい。即ち、他の目的のための梁もここで開示される技術の利益を享受する。
【0052】
開示された部材及び方法は多様な具体例に拠って記載されたが、当業者は部材及び方法が特許請求の範囲の精神及び範囲内において変形可能であることが分かる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一方向カーボンファイバー複合層(152,153,156,157)から形成されるボディーを備え留構造部材であって、
該ボディーが長軸及び長軸に垂直な断面を有し、該断面が少なくとも一つの均一な曲線及び少なくとも一つの複合曲線をボディーに提供するために長軸のポーションに沿って変化し、
均一な曲線を形成する複合層が長軸に沿って非連続的である構造部材。
【請求項2】
断面がウェブ(124)及びウェブから延長される少なくとも一つのフランジ(120,122)を備える請求項1の部材。
【請求項3】
ファイバー複合層(152,153,156,157)が一方向浸透済みテープ材料を備える請求項1の部材。
【請求項4】
ボディーがウェブ(124)及び該ウェブから延長された対向するフランジ(120,122)を有する梁(104)、互いに平行に延びた対向するフランジのポーション、及び複合曲線を規定する互いに傾斜して延びるフランジのポーションを備える請求項1の部材。
【請求項5】
対向するウェブ(124)の一つは実質的に直線及び連続的である請求項4の部材。
【請求項6】
フランジ(120,122)が部分的に平行であり、他のフランジに対して部分的に傾斜している請求項4の部材。
【請求項7】
複合曲線を形成する少なくともいくつかの複合層(152,153,156,157)が長軸に沿って連続的であり、長軸に沿った一方向ファイバーのしわがなく複合曲線プロファイルが形成される請求項1の部材。
【請求項8】
複合曲線が:
第1の及び長軸に沿った均一な断面を有する第1の直線ポーション(126);
第2の及び長軸に沿った均一な断面を有する第2の直線ポーション(128)、第1の断面と異なる第2の断面;及び
第1及び第2の直線ポーションの間に延び、第3の長軸に沿って均一ではない断面を有する遷移部分(130)を備える請求項1の部材。
【請求項9】
ボディーが複数の一方向カーボンファイバー複合層(152,153,156,157)を備え、層内の複数のファイバーが互いに異なる方向を向いている請求項1の部材。
【請求項10】
ボディーは、線形プロファイル及び非線形プロファイルを規定するように配置された複数の一方向カーボンファイバー複合層(152,153,156,157)を備え、非線形曲線プロファイルを形成する複数の層が部材の長軸に沿った線形プロファイルを形成する複数の層とは異なり配置される請求項1の部材。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公表番号】特表2010−535653(P2010−535653A)
【公表日】平成22年11月25日(2010.11.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−520261(P2010−520261)
【出願日】平成20年8月5日(2008.8.5)
【国際出願番号】PCT/US2008/072233
【国際公開番号】WO2009/020971
【国際公開日】平成21年2月12日(2009.2.12)
【出願人】(500520743)ザ・ボーイング・カンパニー (773)
【氏名又は名称原語表記】The Boeing Company
【Fターム(参考)】