説明

複合材骨インプラント

各種の複合骨インプラントが開示される。一例として、繊維強化ポリマーマトリクス本体と、両端が開口し、骨固定ねじを受容するように構成された本体中の通路と、通路の位置および向きのための放射線不透過マーキングとを備えた骨インプラントが開示される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願
本願は、2009年1月16日に出願したBeyarらの米国仮特許出願第61/205160号及び2009年8月6日に出願したBeyarらの米国仮特許出願第61/213991号(それらの出願はともに参照として本明細書中に援用される)の利益を主張する。
【0002】
本発明は、その一部の実施形態では、複合材骨インプラント装置およびそのような装置の製造方法に関する。
【0003】
本書で使用する場合、用語「骨インプラント装置」および「骨インプラント」は、股関節、膝関節、肩関節、骨ねじ、骨器具、骨プレート、および典型的には骨固定ねじを受容するためのねじ穴を含む大腿骨近位部釘をはじめとする髄内釘を包含するように意図されている。
【背景技術】
【0004】
髄内釘(骨釘)は、骨折、特に長管骨(例えば上腕骨、脛骨、および大腿骨)の骨折の固定のための最適な治療になってきた。典型的には、骨釘は、釘の1端または両端の横ねじのような1つ以上の係止要素を使用して、骨に固定される(連結される)ように構成かつ構築されたロッド状装置である。
【0005】
多くの場合、インプラントはチタン、ステンレス鋼、またはコバルトクロムのような金属で構成される。金属インプラントは多くの利点を提供するが、それらは少数の欠点をも有する。金属構造は通常適切な曲げ強度をもたらし、したがってインプラントの破砕および疲労に関連付けられる問題を軽減する。しかし、剛性金属インプラントは骨の特定領域に比較的高度の応力を引き起こすが、その一方で充分な荷重伝達をもたらさず、結果的に応力遮断が生じる。高応力および応力遮断は両方とも骨の劣化および再吸収を引き起こし、骨の脆弱な領域およびインプラント(例えば関節置換システムの髄内釘およびステム構成部品)の骨支持の損失を導くおそれがある。加えて、金属はCTおよびMR撮像時にアーチファクトを生じることがある。さらに、ステンレス鋼およびコバルトクロムのような金属は、腐食および(主にニッケルアレルギによる)感作反応に関連する生体適合性の問題を生じるかもしれない。
【0006】
依然として荷重支持のために充分な強度を有するより軽量かつより柔軟な材料で作られた非金属インプラントが、過去に提案されている。特に、例えば繊維で強化されたポリマーから形成された複合材インプラントが、米国特許第4750905号、第5181930号、第5397358号、第5009664号、第5064439号、第4978360号、第7419714号に記載されており、それらの開示を参照によって本書に援用する。
【0007】
米国特許第5009664号は、好ましくは縦横に編成された炭素繊維から作られ、硬化可能なプラスチックを含浸し、円錐状にテーパを付けられた遠位先端を有する、管状湾曲骨髄釘を記載している。
【0008】
米国特許5181930は、熱可塑性ポリマーに埋め込まれた連続フィラメント繊維から形成された細長いコアを含むインプラントを記載している。コアは、インプラントの所望の最終形状に近似するようにコアの周りに成形された非強化ポリマーから作られた充填材内に収容される。ポリマーに埋め込まれた強化繊維から成るシースが、インプラント軸に沿って変化するかもしれない角度で(向きに)充填材の周りを螺旋状に巻回される。
【0009】
複合材インプラントは幾つかの利点をもたらすことができるが、それらは少数の限界をも有する。金属とは対照的に、複合材インプラントは撮像装置(例えば蛍光透視)の下で見えず、したがってそれらの植設のみならず、経過観察中の追跡も困難である。米国特許第7419714号は、ポリマーまたはセラミック材と少なくとも一部分がX線吸収材から作られた強化繊維の複合材から形成された、骨ねじまたはプレートを記載している。骨釘またはプレートの場合、特に照準装置を使用しない場合には、釘/プレートの穴内にねじを正確に挿入することが手術の成功にとって非常に重要である。連結ねじの使用は、そのようなインプラントでは、ねじが導入される釘端部(またはプレート)の指定穴が蛍光透視法で見えないので、問題を引き起こす。X線を吸収する材料から作られた繊維はしばしば適切かつ正確に穴を示さないので、そのような繊維の添加は不充分であるかもしれない。また、インプラント穴の可視化を改善するために、大量のそのような繊維が必要になるかもしれない。加えて、髄内釘(または脆弱化領域を含む他のインプラント構造)に関して、複合材構造のため、連結ねじ穴の領域における釘の先端はより損傷し易くなる。
【0010】
さらに、そのような複合材は骨の特性と同様であると主張される幾つかの特性を有するかもしれないが、複合材構造はねじり荷重の下では効率が低下するかもしれない。
【0011】
加えて、金属インプラントに使用される挿入ハンドルのような器具類は通常、インプラントの近位端のねじ山を介してインプラントに接続される。しかし、複合材構造(金属のように等方性ではない)は剪断力に対する抵抗が低く、ねじ山領域に損傷(例えば破損)が生じるかもしれない。
【0012】
本発明は、上記領域および複合骨インプラント技術の他の領域の改善に取り組む。
【発明の概要】
【0013】
本発明の例示的実施形態では、
繊維強化ポリマーマトリクス本体と、
両端が開口し、骨固定ねじを受容するように構成された本体中の通路と、
通路の位置および向きのための放射線不透過マーキングと、
を備えた骨インプラントを提供する。
【0014】
任意選択的に、通路は本体の遠位端に近い。任意選択的に、または代替的に、マーキングは通路内部に配置された放射線不透過性材料の少なくとも1つの周辺環帯から構成される。任意選択的に、または代替的に、放射線不透過マーキングは、通路の外側の周りの放射線不透過性材料の複数の局在領域から構成される。任意選択的に、放射線不透過性材料は、通路の各端に位置する2つのロッドの形を取る。
【0015】
本発明の例示的実施形態では、放射線不透過マーキングは本体の長手軸に沿って延びる金属要素を含む。
【0016】
本発明の例示的実施形態では、インプラントは骨プレートであり、マーキングは、実質的な曲げ歪みを受けない平面内に延びる少なくとも1つの金属細線を含む。
【0017】
本発明の例示的実施形態では、インプラントはカニューレ状であり、放射線不透過マーキングは、インプラント本体中に走る管腔の内面に沿って延びる薄い金属層である。
【0018】
本発明の例示的実施形態では、放射線不透過マーキングは、CTまたはMRIの可視化に著しく干渉しないアーチファクトのレベルを生じる量および形状で存在する。
【0019】
本発明の例示的実施形態では、局在領域は径方向に対向し、かつそれぞれの通路の長手軸から等距離に位置し、それによって、通路の各端のロッドが蛍光透視撮像法の下で単一のドットのように見えるときに、固定ねじを通路内に挿入するための正しい向きが示される。
【0020】
本発明の例示的実施形態では、任意選択的に上述したような複合インプラントは、ガイドワイヤ用のガイドチャネルを備える。任意選択的に、そのようなチャネルは金属管から形成される。
【0021】
本発明の例示的実施形態では、
繊維強化ポリマーマトリクス複合本体と、
インプラント挿入工具に単一の向きに取り付けるように構成され、かつ挿入工具によって加えられるねじりに耐えるように適応された、本体の近位端のコネクタと、
を備えた骨インプラントを提供する。
【0022】
本発明の例示的実施形態では、上述した骨インプラントと、コネクタの相補的要素と単一の向きに係合するように適応されたアラインメント要素を有するコネクタ界面を含む挿入工具とを含む、キットを提供する。任意選択的に、コネクタは雌ねじ付き凹所を含む。任意選択的に、または代替的に、コネクタの近位端面は、近位端で外周から内向きに延びる複数の径方向スロットを含む。任意選択的に、または代替的に、コネクタは六角形の形状を有する。
【0023】
本発明の例示的実施形態では、コネクタはバヨネット形状を含む。
【0024】
本発明の例示的実施形態では、コネクタはインプラント工具を受容するように構成された金属インサートを含む。
【0025】
本発明の例示的実施形態では、骨インプラント用のエンドキャップであって、インプラントが繊維強化ポリマー本体と本体の近位端で挿入工具を受容するためのコネクタとを備え、その後のインプラントの取外しのためにコネクタにアクセスするのを組織増殖が妨げるのを阻止するようにインプラントが配置されたときに、エンドキャップがコネクタを被覆するように構成されて成る、エンドキャップを提供する。任意選択的に、コネクタは内部凹所であり、エンドキャップは凹所に嵌合するように外部に構成される。任意選択的に、または代替的に、エンドキャップは放射線不透過マーキングを含む。任意選択的に、または代替的に、エンドキャップはインプラント本体と同じ材料から形成される。
【0026】
本発明の例示的実施形態では、
強化ポリマーマトリクスから形成された本体と、
骨固定ねじを受容するように構成された本体中の通路と、
を備えた骨インプラントであって、通路がその中に受容された骨固定ねじの軸方向離脱に抵抗するように構成された骨インプラントを提供する。任意選択的に、通路は、ねじの外径より小さい直径を有する円形穴である。任意選択的に、または代替的に、インプラントは、骨ねじをその中に摺動自在に受容するように、かつ受容された骨ねじの軸方向離脱に抵抗するように構成された、本体の近位端における細長い長手方向スロットを備える。
【0027】
任意選択的に、または代替的に、軸方向離脱に対する抵抗は、円形穴および/またはスロットの内面にある隆条によって提供される。任意選択的に、または代替的に、通路は螺刻されない。
【0028】
本発明の例示的実施形態では、
強化ポリマーマトリクスから形成された本体と、
本体に組み込まれた金属要素と、
を備えた骨インプラントを提供する。任意選択的に、金属要素は、インプラント挿入工具を受容するように構成された、本体の近位端におけるインサートである。任意選択的に、または代替的に、金属要素はインプラント本体上の平滑な金属被覆である。
【0029】
本発明の例示的実施形態では、インサートは結合要素である。任意選択的に、または代替的に、インサートは構造要素である。
【0030】
本発明の例示的実施形態では、
主に曲げ力に抵抗するように構築かつ構成されたコアを有する本体と、
主にねじり力に抵抗するように構築かつ構成されたコアを包封する部分と、
を備えた骨インプラントであって、コアおよび周囲の部分がポリマーマトリクス内の実質的に直線状に延びる長い炭素およびポリマー混合フィラメントから構成され、かつ外面の少なくとも一部分が1層の金属で被覆された、骨インプラントを提供する。任意選択的に、または代替的に、包封部分は編組される。
【0031】
本発明の例示的実施形態では、インプラントは髄内釘の形を取り、包封部分は対向方向に螺旋状に巻回された2層のフィラメントから構成される。任意選択的に、インプラントは、直線状に延びるフィラメントから構成される外層を含む。
【0032】
本発明の例示的実施形態では、近位端は、
直線状に延びるフィラメントのコアと、
対向方向に螺旋状に巻回された少なくとも2層のフィラメントと、
円形螺旋状構成のフィラメントから構成される外層と、
から構成される。任意選択的に、螺旋状に巻回されるフィラメントは、釘の長手軸に対し約±45度に位置する。
【0033】
本発明の例示的実施形態では、コアは略中心の軸方向に延びる管腔を含む。
【0034】
本発明の例示的実施形態では、インプラントは骨プレートの形を取る。任意選択的に、プレートはさらに、骨固定ねじを受容するように構成された複数の通路の周りに成形された本体を含む。任意選択的に、プレートは本体に組み込まれた放射線不透過マーキングを含む。
【0035】
本発明の例示的実施形態では、
螺刻された強化ポリマー本体から形成された複合コアと、
コアの金属外面と、
を備えた骨固定ねじを提供する。任意選択的に、金属外面は、ねじが植設されたときに、周囲の骨組織との統合を促進しない平滑な表面を有するめっきである。
任意選択的に、または代替的に、金属面はチタンまたはチタン合金から構成される。任意選択的に、または代替的に、金属面は充分に薄いので、可視化に著しく干渉するアーチファクトをCTまたはMRI画像に生じない。任意選択的に、または代替的に、金属面は螺刻される。
【0036】
本発明の例示的実施形態では、ねじ山は、ねじを受容するように構成された骨インプラントのねじ穴に対して過大サイズにまたは適合しないように作られる。任意選択的に、または代替的に、複合コアの一部分は、金属ねじ山の内面を貫通する。
【0037】
本発明の例示的実施形態では、複合コアと金属面との間の界面は、相補的突起および陥凹を含む。
【0038】
本発明の例示的実施形態では、金属表面を構成する材料は、ねじの複合コアの近位端および/または遠位端の周りに圧着される。
【0039】
本発明の例示的実施形態では、
近位端を有する細長いステムと、
釘の長手軸に対して斜めに向けられた釘の近位端を貫通する通路であって、大腿骨の頚部および頭部に釘を固定するように方向付けられた通路と、
通路に受容される骨固定ねじと、
を備え、釘が強化ポリマーマトリクスから構成される複合材である、
大腿骨近位部(PF)釘組立体を提供する。任意選択的に、組立体は回転防止ピンを受容するように構成されたさらなる通路を含み、回転防止ピン通路は近位端固定ねじ通路と平行に延びる。任意選択的に、または代替的に、ねじは釘と同一複合材から構成され、螺刻された金属シェルを含む。
【0040】
本発明の例示的実施形態では、組立体は、
軸方向に延びる中ぐり穴を含む近位端の挿入工具コネクタと、
中ぐり穴における骨または他の組織の再増殖を防止するようにインプラントが配置された後、中ぐり穴に受容されるように構成された蓋と、
を含む。
【0041】
本発明の例示的実施形態では、組立体は、本体の遠位端に骨固定ねじを受容するように構成された通路と、遠位通路の位置決めのための放射線不透過マーキングとを含む。
【0042】
本発明の例示的実施形態では、回転防止ピンは金属である。
【0043】
本発明の例示的実施形態では、近位端固定ねじ用の通路はねじ用の保持器を含む。
【0044】
本発明の例示的実施形態では、骨インプラントを取り外すための工具であって、インプラントが横方向通路と連通する軸方向開口を近位端に有する本体を含み、工具が、
第1および第2アームと、
第1アームの遠位端における第1横方向先端と、
第1先端とは反対方向に延びる、第2アームの遠位端における第2横方向先端と、
先端が互いに近接する収縮位置と先端が離れる延伸位置との間で第1および第2先端を移動させるように操作可能なハンドル機構と、
を備え、
収縮位置では、工具がインプラントの軸方向開口内に挿入可能となり、かつ延伸位置では、先端がねじ通路の両側内に入り、それによって軸力を加えてインプラントを骨の開口の内側から引き出すことができるように、先端の大きさおよび形状が決定された、工具を提供する。任意選択的に、第1および第2アームは交差し、アームの遠位端と近位端との間に位置する枢支点で接続される。
【0045】
本発明の例示的実施形態では、
パワーユニットと、
パワーユニットからドリルビットにトルクを伝達するためにパワーユニットとドリルビットとの間に接続されるフレキシブルケーブルと、
を備えた骨インプラント穿孔組立体を提供する。任意選択的に、フレキシブルケーブルは角度付きハウジング内に収納され、
ケーブルの両端にパワーユニットおよびドリルビットに取り付けるための連結器
を含む。任意選択的に、または代替的に、パワーユニットはハウジング内に収納される。任意選択的に、または代替的に、組立体は1回使用後に廃棄するように構成される。
【0046】
本発明の例示的実施形態では、繊維強化熱可塑性ポリマー複合体から成る骨プレートを形成する方法であって、
平均解剖学的データに基づいて骨プレートを予備形成するステップと、
特定の患者の実際のインプラント部位に関する特定の解剖学的データを得るステップと、
予備形成された骨プレートを加熱し、かつ力を加えて、予備形成された骨プレートを所要形状になるように曲げるステップと、
曲がった骨プレートを、他のその特性を実質的に変化させることなく、その曲げ形状を維持できるように冷却するステップと
を含む方法を提供する。任意選択的に、特定の解剖学的データは、外科的処置中に患者のインプラント部位を直接測定することによって得られる。任意選択的に、特定の解剖学的データはX線により、または患者のインプラント部位のMRIまたはCTによって得られる。
【0047】
本発明の例示的実施形態では、繊維強化熱可塑性ポリマー複合体から成りかつ特定のインプラント部位に適合するように曲げを含む骨釘を形成する方法であって、
曲げの無い骨釘を予備形成するステップと、
力を加えながら予備形成された骨釘を加熱して、予備形成された骨プレートを所要形状になるまで曲げるステップと、
曲がった骨釘を、他のその特性を実質的に変化させることなく、曲げ形状を維持できるように冷却するステップと、
を含む方法を提供する。
【0048】
別途定義されない限り、本明細書で使用されるすべての技術的用語および/または科学的用語は、本発明が属する技術分野の当業者によって一般に理解されるのと同じ意味を有する。本明細書に記載される方法および材料と類似または同等である方法および材料を本発明の実施または試験において使用することができるが、例示的な方法および/または材料が下記に記載される。矛盾する場合には、定義を含めて、本特許明細書が優先する。加えて、材料、方法および実施例は例示にすぎず、限定であることは意図されない。
【図面の簡単な説明】
【0049】
本明細書では本発明のいくつかの実施形態を単に例示し添付の図面を参照して説明する。特に詳細に図面を参照して、示されている詳細が例示として本発明の実施形態を例示考察することだけを目的としていることを強調するものである。この点について、図面について行う説明によって、本発明の実施形態を実施する方法は当業者には明らかになるであろう。
【0050】
【図1】図1は、本発明の一部の実施形態に係る骨インプラントの側面図である。
【0051】
【図2A−B】図2Aは、図1の線2‐2に沿って切った断面図である。図2Bは、本発明の一部の実施形態に係るインプラントの近位端のエンドキャップの絵画図である。
【0052】
【図3A−B】図3Aは、本発明の一部の実施形態に係るねじ穴用の放射線不透過マーキングを示す、図2Aの遠位端の拡大部分斜視図である。図3Bは、本発明の一部の実施形態に係るねじ穴用の代替的放射線不透過マーキングを示す、図3Aと同様の拡大部分斜視図である。
【図3C】図3Cは、本発明の一部の実施形態に係るねじ穴および細長いスロットの内部構造の特定の詳細を示す、図1および2Aのインプラントの近位端の拡大斜視図である。
【0053】
【図4】図4は、本発明の一部の実施形態に係る挿入工具用のコネクタの詳細を示す骨釘の近位端から見た斜視図である。
【0054】
【図5】図5は、本発明の一部の実施形態に係る骨釘の近位端の変形例を示す、図4と同様の斜視図である。
【0055】
【図6A−C】図6Aは、本発明の一部の実施形態に係る骨釘の略図である。図6Bは、本発明の一部の実施形態に係る骨釘の近位端の拡大図である。図6Cは、本発明の一部の実施形態に係る骨釘の遠位端の拡大図である。
【0056】
【図7】図7は、本発明の一部の実施形態に係るカニューレ状骨インプラントの側面図である。
【0057】
【図8】図8は、図7から90度回転した図である。
【0058】
【図9A−B】図9Aは、図8の線9‐9に沿って切った断面図である。図9Bは、図8および9に示したインプラントの遠位端の拡大部分図である。
【0059】
【図10A】図10Aは、本発明の一部の実施形態に係る、インプラント間の接続に追加的強度を付与する金属ナットを含む髄内釘である。
【図10B−C】図10Bは、本発明の一部の実施形態に係る、T形ナットの側面図である。図10Cは、本発明の一部の実施形態に係る、T形ナットの斜視図である。
【0060】
【図11】図11は、骨プレートの略図である。
【0061】
【図12A−B】図12Aは、本発明の例示的実施形態に係る骨固定ねじの側面図である。図12Bは、本発明の別の例示的実施形態に係る骨固定ねじの側面図である。
【図12C−D】図12Cは、本発明のさらに別の例示的実施形態に係る骨固定ねじの側面図である。図12Dは、本発明のさらに別の例示的実施形態に係る骨固定ねじの側面図である。
【0062】
【図13A】図13Aは、本発明の一部の実施形態に係る大腿骨近位部(PF)釘の略図である。
【図13B】図13Bは、本発明の一部の実施形態に係る、図13BのPF釘と共に脚ねじとして使用することのできる骨ねじの略図である。
【図13C】図13Cは、本発明の別の実施形態に係る、図13BのPF釘と共に脚ねじとして使用することのできる骨ねじの略図である。
【0063】
【図14A−B】図14Aは、本発明の一部の実施形態に係るインプラント取外し工具を示す略図である。図14Bは、本発明の一部の実施形態に係るインプラント取外し工具を示す略図である。
【0064】
【図15A】図15Aは、本発明の一部の実施形態に係る、骨ドリルおよび蛍光透視法による可視化を可能にする放射線透過コネクタの斜視図である。
【図15B】図15Bは、本発明の一部の実施形態に係る、骨ドリルおよび蛍光透視法による可視化を可能にする放射線透過コネクタの略断面図である。
【0065】
【図16A−C】図16Aは、本発明の一部の実施形態に係る、インプラントと挿入工具との間の接続用のバヨネット連結器の略図である。図16Bは、図16Aのバヨネット連結器の断面図である。図16Cは、図16Aのバヨネット連結器の端面図である。
【図16D−E】図16Dは、本発明の別の実施形態に係る、インプラントと挿入工具との間の接続用のバヨネット連結器の略図である。図16Eは、図16Dのバヨネット連結器の端面図である。
【図16F−G】16Fは、本発明の別の実施形態に係る、インプラントと挿入工具との間の接続用のバヨネット連結器の略図である。図16Gは、図16Fのバヨネット連結器の断面図である。
【0066】
【図17A−B】図17Aは、本発明の一部の実施形態に係る、骨釘を所望の形状に曲げるための工具の略図である。図17Bは、本発明の別の実施形態に係る、骨釘を所望の形状に曲げるための工具の略図である。
【0067】
【図18】図18は、本発明の一部の実施形態に係る、インプラントと共に使用されるドリルガイドおよび挿入工具の実施例を示す略図である。
【発明を実施するための形態】
【0068】
本発明は、その一部の実施形態では、複合材骨インプラント装置およびそのような装置の製造方法に関する。さらに詳しくは、本発明は、繊維強化ポリマーマトリクスまたは自己強化ポリマーから作られたインプラント装置に適用されるそのような装置および方法に関するが、それのみに限定されない。
【0069】
本発明の一部の実施形態の態様では、インプラントは、ポリアリールエーテルケトン(PAEK)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、または他のポリケトン系ポリマーのようなポリマー材のマトリクスから形成される。本発明の一部の実施形態に係るインプラントは、ポリフェニレン、ポリフェニルサルホン、またはポリサルホンのような、しかしそれらに限らないマトリクスポリマー材からも形成することができる。全てのそのような実施形態において、強化繊維はマトリクスを含むことができる。任意選択的に、これらは炭素、超高密度ポリエチレン(UHDPE)、アラミドポリマー、またはガラスのようなセラミック繊維から形成することができる。任意選択的に、これらの2つ以上を一緒に使用してもよい。
【0070】
本発明の一部の実施形態の態様では、インプラントは、ポリフェニレンまたはUHDPEのような複合マトリクス材から製造することができる。
【0071】
本発明の一部の実施形態の態様によると、骨固定ねじを受容するための通路を有する骨インプラントでは、通路の位置を示すために、蛍光透視法により見ることのできる放射線不透過マーキングが提供される。任意選択的に、マーキングは、各通路の内側に位置する放射線不透過性材料の少なくとも1つの周辺環帯の形を取る。一部の例示的実施形態では、間隔を置いて配置された2つの環帯が存在する。他の例示的実施形態では、単一の長い環帯が存在する。任意選択的に、長い環帯は通路の長さを実質的に延長させる。
【0072】
本発明の一部の実施形態の態様によると、マーキングは、各通路の外側の周りの放射線不透過性材料の複数の局在領域の形を取る。一部の例示的実施形態では、2つのロッドまたはピンが各通路の各端に位置し、通路と平行に走る。任意選択的に、ロッドは通路の長さと比較して短い。任意選択的に、ロッドは径方向に配置され、かつそれぞれの通路の長手軸から等距離に位置され、それによって、例えばX線ビームが通路と平行であるときに、通路の各端のロッドが単一のドットのように見えるときに、固定ねじの通路内への挿入の正しい向きが示される。
【0073】
本発明の一部の実施形態の態様では、インプラントは骨釘であり、放射線不透過マーキングは、上述したマーキングに加えて、またはその代わりに、本体の長手軸に沿って延びる少なくとも1つの金属ワイヤによって形成される。ワイヤは固定ねじ通路によって中断されるので、通路の位置は中断によって示される。
【0074】
本発明の一部の実施形態の態様では、インプラントは骨プレートであり、放射線不透過マーキングは、かなりの曲げのため、使用中に長さの最小限の変化を受ける平面内に延びる少なくとも1つの金属ワイヤによって形成される。ワイヤは固定ねじ通路によって中断されるので、通路の位置は中断によって示される。
【0075】
本発明の一部の実施形態の態様では、インプラントはカニューレ状骨釘であり、放射線不透過マーキングは、インプラント本体中を走る管腔の内面に沿って延びる薄い金属層である。金属層は、固定ねじ通路が管腔を横断する場所で中断されるので、通路の位置は中断によって示される。
【0076】
本発明の一部の実施形態の態様では、放射線不透過マーキングは、重量または質量で1〜2から40%の様々な濃度でポリマーマトリクス材に事前充填し、かつインプラントに組み込むことのできる、放射線不透過性充填材、任意選択的にバリウム、硫酸バリウム、ジルコニア等である。充填材は固定ねじ通路によって中断されるので、通路の長手方向位置は中断によって示される。
【0077】
本発明の一部の実施形態の態様では、インプラントの硬度および強度を高めるために、金属またはセラミック要素もポリマーインプラントに埋め込まれる。本発明の一部の例示的実施形態では、要素は、インプラントの製造中にインプラントに埋め込まれたナットである。
【0078】
代替的に、または追加的に、本発明の一部の例示的実施形態では、金属層をインプラントの表面に例えばめっきとして被着させることができる。被覆は周囲の骨組織との統合を阻止するために、できるだけ平滑にされる。
【0079】
任意選択的に、埋め込まれた要素および被覆は、チタン、チタン合金、またはタンタルから形成される。任意選択的に、他の適切な金属または金属合金を使用することができる。
【0080】
本発明の一部の実施形態の態様では、例えば髄内釘または骨プレート用の固定ねじは、釘または骨プレート自体と同じ複合材から形成される。任意選択的に、または追加的に、固定ねじのねじ山は、剪断強度および表面硬度を改善するために、チタン、チタン合金(例えばTi6Al4V)、タンタル、金、またはいずれかの他の生体適合性金属または金属合金の薄い被膜でめっきされる。金属めっきは必要な追加強度をもたらすのに充分な厚さであるが、容認できないレベルのCTまたはMRI画像アーチファクトを生じない充分な薄さである。アーチファクトが生じた場合、それらは、金属製の同様のインプラントと比較して急速に減少する。金属被膜は、インプラントを後で取り外さなければならない場合にねじの取外しを妨げる、再生組織または骨のねじ山またはねじ本体への付着を防止するために、できるだけ平滑化される。
【0081】
通常、骨固定ねじは、骨釘またはプレートのようなインプラントを固着させるために、骨内に螺合される。しかし、例えば軟質の骨粗鬆症の骨の場合、軸方向の離脱を防止するために、ねじをインプラントにも係止することが時々望ましいか、または必要である。本発明の一部の実施形態の態様では、ねじ穴の少なくとも幾つかは、ねじの外径よりわずかに小さいか、逆に、ねじの外径はねじ穴よりわずかに大きい。任意選択的に、ねじ穴は螺刻されるか、または螺刻されない。
【0082】
ねじ穴が螺刻されない場合、挿入中に、ねじはインプラント材を押し退けるか、またはそれ自体のねじ山を切り、周囲材料に係止する。螺刻されたねじ穴を有する実施形態では、穴およびねじのねじ山は寸法の不一致のため、一体に係止される。
【0083】
代替的に、ねじおよび穴のねじピッチは異なってもよい。そのような場合、ピッチの不一致のため、ねじは穴内に係止される。
【0084】
本発明の一部の実施形態の態様では、ねじをインプラントに係止する必要がある場合、ねじ穴の少なくとも幾つかは、局在領域で穴の径を縮小する外周リングまたは隆条を含む。ねじを挿入すると、ねじは隆条の材料を変形させるか、またはねじ山を切り、それがインプラントに係止されることを可能にする。
【0085】
本発明の一部の実施形態では、本書に記載する骨ねじは、骨折した骨の2つの部分を釘またはプレート無しで付着させるスタンドアロン器具として使用することができることにも留意されたい。
【0086】
本発明の一部の実施形態の態様では、骨釘はその近位端に長手方向スロットが形成される。釘の遠位端が骨ねじによって骨折した骨に取り付けられ、骨の骨折部が位置合わせされた後、外科医は、スロットを介して骨にねじを取り付け、任意選択的にインプラント挿入工具を用いて釘をスロット内でねじに引き寄せることによって、骨折部位を圧迫することができる。釘を固定するために、近位端に1つ以上の他のねじを追加することができる。
【0087】
本発明の一部の実施形態の態様では、スロットは、上述した円形ねじ穴の場合と同様に、スロットからのねじの離脱を防止するために、隆条またはリブを含むことができる。
【0088】
本発明の一部の実施形態の態様では、骨釘インプラントは、相補的雄ねじを有する挿入工具を取り付けるために、コネクタを含み、任意選択的に、その近位端に雌ねじ付き凹所を含む。任意選択的に、凹所はその端面に複数の径方向スロット付きで構成される。代替的に端部は、ねじりに耐えることのできる六角形の外部形状を有することができる。
【0089】
任意選択的に、接続構成は、単一の接続の仕方だけを可能にし、したがって適切な向きの接続を確実にする。
【0090】
本発明の一部の実施形態の態様では、コネクタの開口端には、任意選択的に繊維無しで、任意選択的にインプラント本体と同一材料から形成された閉塞キャップが設けられ、コネクタの雌ねじと係合する雄ねじを含む。コネクタの閉鎖は、必要な場合にその後のインプラント取外しのために取外し工具によるコネクタへのアクセスを妨害するおそれのある、開口コネクタ端部内の組織増殖を阻止するのに役立つ。
【0091】
任意選択的に、記載した閉塞キャップは放射線不透過マーキングを含む。
【0092】
任意選択的に、本発明の一部の例示的実施形態では、釘はカニューレ状とすることができる。そのような構造の場合、コアは、軸方向に延びる略中心管腔を含むことができる。任意選択的に、本発明の一部の実施形態では、管腔の内面は、マーキングとして役立つ金属被膜を有する。
【0093】
本発明の一部の実施形態の態様では、髄内釘には、主に曲げ力に抵抗するように構築かつ構成されたコア(例えば遭遇する力の約75%以上が曲げ力である)、および主にねじり力に抵抗するためにコアを包封するスリーブ(例えば遭遇する力の約75%以上がねじり力である)が形成される。一部の例示的実施形態では、コアおよび外層は、ポリマーマトリクス内の実質的に直線状に延びる長い炭素およびポリマー混合フィラメントから形成される。スリーブはコアおよび外層の中間体である。一部の実施形態では、スリーブは編組される。すなわち、それは例えば±45度で対向方向に巻回された2つの螺旋層から形成される。任意選択的に、外側はチタン、チタン合金、またはタンタルのような1層の金属により被覆される。
【0094】
本発明の一部の実施形態では、近位端で、1層以上の繊維が釘の主軸を中心に非常に小さいピッチで螺旋状に、または任意選択的に環状に配向される。その配向は、釘および挿入工具の係合の強度を高める。
【0095】
任意選択的に、インプラントが設置部位で。または挿入中もしくは取外し中に、高い局所的応力を受ける可能性が高い場合、任意選択的に金属ナットの形のインサートを設けることができる。
【0096】
代替的に、または追加的に、インプラントの表面には金属被膜を設けることができる。ネット、金属インサート、および被膜は、任意選択的に、チタンもしくはチタン合金、またはいずれかの他の適切かつ望ましい金属または金属合金から形成される。
【0097】
本発明の一部の実施形態の態様では、骨プレートは、ポリマーマトリックス中の実質的に直線状に延びる長い炭素およびポリマー混合フィラメントから形成された織成体または編組体を有する。
【0098】
任意選択的に、骨固定ねじを受容するための通路は、プレートが作製されるときに成形プロセスで形成される。任意選択的に、通路は例えばプレートが作製された後に機械加工によって形成される。
【0099】
本発明の一部の実施形態の態様では、骨プレートは平均解剖学的データに基づいて強化熱可塑性ポリマーから予備形成され、次いで特定の患者の実際のインプラント部位に関する特定の解剖学的データに基づいて、植設前に最終形状に曲げられる。一部の例示的実施形態では、最終的成形は、予備形成されたインプラントを加熱し、かつ力を加えてそれを要求される形状に曲げ、次いで曲げられたインプラントを、その他の特性を実質的に変化させることなく、インプラントがその曲げ形状を維持することができるように冷却することによって行なわれる。
【0100】
任意選択的に、特定の解剖学的データは、外科的処置中に患者のインプラント部位の直接測定によって、または視覚的にさえ得られる。任意選択的に、特定の解剖学的データはX線により、または患者のインプラント部位のMRIもしくはCTによって得られる。
【0101】
本発明の一部の実施形態の態様では、骨固定ねじは、インプラント自体と同一の繊維強化または自己強化ポリマー材から形成することができる。任意選択的に、剪断強度を高めるために、ねじ山は薄層金属で、例えばチタン、チタン合金、タンタル、金、またはいずれかの他の生体適合性金属もしくは金属合金で被覆される。金属被膜は必要な追加強度をもたらすように充分厚いが、CT画像またはMRIにアーチファクトを生じないように充分薄くしなければならない。
【0102】
本発明の一部の実施形態の態様では、大腿骨近位部(PF)釘は、近位端を有する細長いステムと、大腿骨の頸部および頭部に釘を固定するための近位端骨固定ねじを受容するように、釘の長手軸に対して斜めに向けられた、近位端を貫通する少なくとも1つの通路とを含み、釘は強化ポリマーマトリクスから構成される。任意選択的に、PF釘は回転防止ピンを受容するように構成されたさらなる通路を含み、該通路は近位端固定ねじ通路と平行に延びる。任意選択的に、本発明の一部の例示的実施形態では、PF釘は少なくとも1つの通路のための放射線不透過マーキングを含む。
【0103】
任意選択的に、本発明の一部の例示的実施形態では、PF釘は、釘の近位端に軸方向に延びる中ぐり穴を備えた挿入工具コネクタと、釘が植設された後に、中ぐり穴における組織および骨の増殖を防止するために、中ぐり穴に受容されるように構成された蓋とを含む。
【0104】
任意選択的に、上述したPF釘では、強化ポリマーマトリクスは、釘本体に長手方向に延びる少なくとも1層の強化繊維を含む。
【0105】
任意選択的に、上述したPF釘では、近位端固定ねじ用の通路(脚ねじとも呼ばれる)はねじ用の保持器を受容するように構成される。
【0106】
任意選択的に、PF釘は、大腿骨近位部骨折に加えて大腿骨骨折を処置するのに充分長い。
【0107】
本発明の一部の実施形態の態様では、骨インプラントは上述したPF釘と、大腿骨の頚部および頭部にインプラントを固定するための脚ねじとを含む。任意選択的に、脚ねじは釘と同一材料から形成される。任意選択的に、ねじは金属、例えばチタン合金から形成される。任意選択的に、インプラントは脚ねじと平行に延びる回転防止ピンを含む。
【0108】
本発明の一部の実施形態の態様では、上述したPF釘用の骨ねじは、釘と同一材料のコアから形成される。任意選択的に、ねじは強化ポリマーコアを包囲する金属シェルを含む。任意選択的に、金属シェルは遠位端を螺刻される。任意選択的に、ポリマーコアの一部分は、金属ねじの内面を貫通する。任意選択的に、ポリマーコアとシェルとの間の界面は、相補的突起および凹所を含む。任意選択的に、金属シェルはねじのポリマーコアの近位端および/または遠位端の周りに圧着される。
【0109】
本発明の一部の実施形態の態様では、インプラント取外し工具は、骨固定ねじを受容するように構成された横方向通路と連通するインプラントの近位端の軸方向開口を介して、設置されたインプラントと係合するように構成される。
【0110】
一部の例示的実施形態では、工具は、各々その遠位端に横方向先端を有する第1および第2アームと、先端が互いに近接する収縮位置と先端が離れる延伸位置との間で第1および第2先端を移動させるように操作可能なレバー機構とを含む。
【0111】
一部の例示的実施形態では、先端の大きさおよび形状は、収縮位置で工具がインプラントの軸方向開口内に挿入可能となり、かつ延伸位置で先端がねじの通路の1つ、任意選択的に骨折部位を圧迫するために使用されるスロットの両側内に入り、それによって軸力を加えてインプラントを骨の開口の内側から引き出すことができるように決定される。
できる。
【0112】
一部の例示的実施形態では、第1および第2アームは1丁のはさみのように交差し、アームの遠位端と近位端との間に位置する枢支点で接続される。
【0113】
一部の例示的実施形態では、第1および第2アームは対向するが交差せず、アームの近位端に位置する枢支点で接続される。任意選択的に、枢軸は、ばねが非圧縮状態のときに先端を延伸位置に維持し、かつ圧縮時に先端を収縮位置に引き込むばねを含む。
【0114】
本発明の一部の実施形態の態様では、骨インプラントを受容するために骨に穿孔するための骨ドリルは、パワーユニットと、パワーユニットとドリルビットとの間に嵌合するように構成された実質的放射線透過性の角度付きコネクタとを含む。一部の例示的実施形態では、コネクタは角度付きハウジングと、ドリル用パワーユニットおよびドリルビットに取り付けるための連結器と、フレキシブルケーブルとを含む。任意選択的に、コネクタは1回使用後に廃棄するように構成される。
【0115】
本発明の一部の実施形態の態様では、インプラントと挿入工具との間の接続は、ねじ式ではなく、バヨネット連結である。
【0116】
本発明の一部の実施形態の態様では、その最終形状の部分として曲げを有する骨釘は、曲げを持たない状態で予備形成され、次いで金型内で熱および曲げ力を受ける。曲がった釘は次いで、その曲がった形状および他の原特性を維持することを可能にするプロトコルに従って冷却される。
【0117】
本発明の一部の実施形態の詳細な説明
本発明の実施形態の詳細な説明を進める前に、記載する装置および部品は全て、熱可塑性ポリマー材または熱硬化性ポリマー樹脂のマトリクスから形成されることが注目される。熱可塑性ポリマーとしてはポリアリールエーテルケトン(PAEK)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、他のポリケトン系ポリマー、例えばコネチカット州エンフィールドのOxford Performance Materials社によって製造されたOXPEKK(登録商標)、ポリフェニレン、ポリフェニルサルホン、ポリアミドイミド、ポリフェニレンサルファイド、またはポリサルホン等があり、熱硬化性ポリマー樹脂としてはエポキシ、ポリエステル、ポリイミド、またはビスマレイミドがある。強化は炭素および/または超高密度ポリエチレン(UHDPE)繊維、例えばバージニア州コロニアルハイツのHoneywell社製のSpectra(登録商標)、またはオランダ国へールレンのDSM Dyneema社製のDyneema(登録商標)、アラミド繊維、例えばデラウェア州ウィルミントンのKevlar(登録商標)、石英、玄武岩、ポリエチレン、ホウ素、またはガラスによって提供することができる。任意選択的に、これらのうちの2つ以上を一緒に使用することができる。任意選択的に、繊維は40ないし80体積パーセントがインプラント材から構成される。例示的実施形態では、繊維は60体積パーセントがインプラント材から構成される。
【0118】
代替的に、本発明の一部の実施形態では、インプラントはDyneemaのような自己強化複合材から製造することができる。
【0119】
今、図面に目を向けると、図1および2Aはそれぞれ、本発明の一部の実施形態に係る髄内釘の側面図、および図1の線2‐2に沿って切った断面図を示す。一般的に30で表わされる釘は、上述の通り繊維強化ポリマーマトリクスから形成された細長い本体32から構成される。
【0120】
近位端34に、本体32は、本体32を貫通して延びる1つ以上の略円形ねじ穴(例として1つが38に示されている)と、同じく本体32を貫通して延びる長手方向の細長いスロット40と、一般的に42で表わされるクラウン部分とを含む。図4および5に示す通り、近位端34は、下述の通り挿入工具と係合するように構成された、コネクタ部分42内に延びるねじ付き軸方向中ぐり穴44を含む。任意選択的に、中ぐり穴44は、スロット40の近位端と連通して全ての連結ねじの挿入前に骨に対する釘の軸方向圧迫を容易にするように、かつ同じく下述する通りインプラント取外し工具の接続のために、軸方向に充分な距離だけ延びる。
【0121】
遠位端36に、本体32は、本体32を側方に貫通して延びる1つ以上の略円形ねじ穴(その1つが46に示される)と、任意選択的に、ねじ穴46に対して例えば90度の角度に延びる1つ以上の略円形ねじ穴48とを含む。
【0122】
任意選択的に、ねじ穴の幾つか(または全部)を、穴38によって示すように螺刻するか、または穴46および48によって示すように螺刻せずにおくことができる。
【0123】
繊維強化ポリマーから形成された上述のインプラントは、一般的に熱および圧力を利用して、圧縮成形または射出成形のような幾つかの従来の方法のいずれかで作製することができる。これらは当業者に周知であるので、簡略にするためにさらなる説明は省く。Dyneemaのような自己強化ポリマーの場合、インプラントは、所望の方向に配向された熱可塑性繊維束を保持し、かつ外側の繊維が一緒に溶融してマトリクスを形成する一方、コア繊維は溶融するだけの時間が無く、こうしてそれらの非常に高い強度を維持するように、繊維束を金型内で圧力下で急速に加熱および冷却する公知の技術によって作製することができる。
【0124】
本発明の一部の実施形態では、図示しないが下述する骨固定ねじの正確な挿入のために、外科医がねじ穴46および48等、ならびにスロット40を位置決めするのを助けるために、放射線不透過マーキングが設けられる。マーキングは、図1および2、図3Aないし3C、ならびに図9Aおよび9Bにも示すように、様々な形を取ることができる。
【0125】
例として、ねじ穴46は、図2Aおよび3Aに最も良く示すように、穴46の各端に2つずつ、4つの短い金属ロッドまたはピン50によってマーキングされる。ロッド50はねじ穴46と平行に延び、穴の中心から径方向に等距離に位置する。図3Aから最もよく分かるとおり、ロッド50aおよび50cはねじ穴46の1端に配置され、ロッド50bおよび50dは反対側の端に配置される。ロッド50aおよび50bはねじ穴46の片側で位置合わせされ、ロッド50cおよび50dは反対側で位置合わせされる。
【0126】
インプラント処置中に、インプラント部位は蛍光透視法により可視化される。理解される通り、穴46およびマーキング50を固定ねじの挿入のための適切な軸方向位置から観察すると、ロッド50aおよび50bならびに50cおよび50dはそれぞれ、穴の中心から径方向に等距離に位置する単一のドットのように見える(図1参照)。このようにして示された中心にねじを挿入することによって、かつロッドが単一ドットのように見える状態で、ねじの適切な配置が達成される。
【0127】
別の形の放射線不透過マーキングを図3Aに示す。ここでは、マーキングはねじ穴54の内側に位置する2つの細い金属リング52aおよび52bを含む。リング52は、穴54の表面をめっきすることによって形成することができ、あるいは穴内に挿入して径方向に拡張させることができ、あるいは成形プロセスの一環としてインプラントの本体内に挿入することができる。当業者に理解される通り、ねじ穴54が蛍光透視法により適切な軸方位から可視化されるときに、リング52aおよび52bは単一の円形リングのように見える。
【0128】
図3Bは、ねじ穴56の内側の略全長に延びる単一の金属管58が設けられた、図3Aのマーキング構成の変形例を示す。理解される通り、そのようなマーキングを固定ねじの挿入のための適切な軸方位に見ると、それは歪みの無い円のように見える。
【0129】
マーキングは主に、釘の遠位部にあるねじ穴のために必要であることに留意されたい。近位端の場合、従来の慣行に従って挿入中に釘の近位端に取り付けられる、外部照準装置を使用することができる。
【0130】
ねじ穴46および48のための他の形の放射線不透過マーキングも可能である。例えば本体32は、アキシャルワイヤ59のような、長手方向に延びる1本以上のワイヤを含むことができる(図2参照)。骨プレートの場合、一部の例示的実施形態では、ワイヤは任意選択的に、曲げによる長さの最小限の変化にさらされる平面内に位置する。
【0131】
大腿骨および脛骨のような長管骨用のカニューレ状釘の場合、マーキングは任意選択的に、内部管腔の内側の薄肉金属管の形を取ることができる(以下の記述参照)。別の選択肢は、一定量の放射線不透過充填材を例えばバリウムをポリマーマトリクス内に含めることである。
【0132】
そのような代替例では、ねじ穴は、長手方向の位置のみを示すが穿孔方向の情報をもたらさない不連続性を生じることを理解すべきである。
【0133】
マーキングとして使用するのに適した金属としてタンタル、金、または高い原子番号を有する他の生体的剛性材料が挙げられる。例示的実施形態では、金属はタンタルである。
【0134】
全ての場合に、マーキングの大きさは、蛍光透視法により明瞭に可視化されるのに充分であるが、CT画像またはMRIに有意のアーチファクトを生じるには充分な大きさではないようにすべきであることを理解されたい。一部の例示的実施形態では、59のようなワイヤは0.05〜0.4mmの範囲、例えば0.2mmの直径を有することができる。ロッド50は0.2〜1mmの範囲、例えば0.7mmの直径を有することができる。
【0135】
前述の通り、釘30の近位端は、インプラント挿入工具を取り付けるための螺刻された中ぐり穴44を含むコネクタを含む。ここで図2Bを参照すると、釘インプラント処置の完了後に、螺刻された中ぐり穴44内に螺着されるように構成されたエンドキャップ60が示されている。
【0136】
エンドキャップ60の目的は、中ぐり穴44の閉鎖をもたらすことであり、それは、後でインプラントの取外しが必要になった場合にインプラント取外し工具の挿入を妨げる、中ぐり穴の内側における骨または他の組織の増殖を防止する。エンドキャップ60は、それ自体の挿入および取外しを容易にするスロット62を端部に含むが、当業者には認識されるように、他の構成が可能である。
【0137】
エンドキャップ60は任意選択的に、繊維無しで本体32と同一材料(例えばPEEK)から形成することができ、かつ従来の方法または所望の方法で作製することができる。エンドキャップ材は、放射線不透過マーキング、例えば離間したロッドまたはピン64を含むことができる。
【0138】
通常、骨釘またはプレートのようなインプラントは、骨インプラントの穴を介して骨内に螺入される固定ねじ(図示せず)によって、基礎を成す骨に取り付けられる。しかし、場合によっては、例えば骨粗鬆症の骨の場合、軸方向の離脱を防止するために、ねじをインプラントにも係止することが望ましく、あるいは必要でさえあるかもしれない。本発明の一部の実施形態では、これは、ねじ穴の少なくとも幾つかをねじの外径より少し小さくすることによって、または逆に、ねじの外径をねじ穴より少し大きくすることによって達成される。任意選択的に、ねじ穴は螺刻しても、螺刻しなくてもよい。ねじ穴が螺刻されない場合、挿入中に、ねじはインプラント材を押し退け、またはそれ自体のねじ山を切り、周囲の材料に係止される。螺刻されたねじ穴を有する実施形態では、直径またはピッチの不一致により穴およびねじが一体に係止されるように、ねじピッチは穴およびねじによって異なってよい。
【0139】
代替的に、ねじをインプラントに係止させるために、インプラント30の近位端の38のようなねじ穴の少なくとも幾つかは、局在領域の穴の直径を縮減させる図3Cに示したリブ154と同様の隆条またはリブを含むことができる。ねじが挿入されたときに、それはリブの材料を変形させるか、またはねじ山を切り、インプラントに係止することを可能にする。
【0140】
図3Cは、本発明の一部の実施形態に係る追加的特徴を示す。図示する通り、骨釘は、例えばその近位端34に長手方向スロット152が形成される。釘がその遠位端を例えば穴46(図2参照)内に延びる骨ねじによって骨折した骨に取り付けられ、かつ骨の骨折部位が位置合わせされた後、外科医は、スロット152を介して骨にねじを取り付け、かつ任意選択的にインプラント挿入工具を用いて釘をスロット内でねじに引き寄せることによって、骨折部位を圧迫することができる。次いで近位端に、例えば穴38を介して、1つ以上の他のねじを追加して釘を固定することができる。
【0141】
本発明の一部の実施形態では、上述した円形ねじ穴の場合のようにスロットからねじが離脱するのを防止するために、スロット152は隆条またはリブ154を含むことができる。
【0142】
ここで図4および5を参照すると、インプラント挿入工具またはハンドル用のコネクタの代替的構造が示されている。1つの例示的実施形態では、図4に示すコネクタ70は、従来のインプラント挿入慣行に従って要求される向きに従来のインプラント挿入工具(図示せず)の相補的端部と係合するように構成された、1群の径方向スロット72(例えば図示するように3つ)を含む。複合材は一般的に金属に比較して制限された剪断強度をもたらすので、2つ以上のスロット72を使用することが好ましく、複数のスロットは、挿入ハンドルによって加えられるトルクによって負わされる剪断荷重の分担を確実にするのに役立つ。代替的に挿入ハンドルに対してスロットが適切な向きに配設されることを前提として、3つ以上のスロット72を使用することができる。
【0143】
図5に示す別の例示的実施形態では、コネクタ76は、それを挿入工具に接続することのできる単一の位置を持つことができる。例証として、これは、歪みに耐えることのできる78で示される略六角形の外部形状とすることができる。
【0144】
図示する例示的実施形態では、コネクタ70および76は、インプラント本体の残部と同一強化ポリマー材料から形成される。任意選択的に、コネクタは、それが容認できないほどCTまたはMRI可視化を妨害しないことを前提として、金属端部アタッチメント(例えばチタン等)またはインプラント本体の近位端に成形されるセラミックスから形成することができる。
【0145】
本発明の一部の実施形態では、図1〜5に関連して記載した骨インプラントは、主に曲げ力、および主にねじり力に抵抗するように設計された繊維層から形成される。(前述の通り、用語「主に」とは、遭遇する力が少なくとも約75パーセントは曲げ力、または少なくとも約75パーセントはねじり力であることを意味するとみなされる。)
【0146】
図6A、6B、および6Cは、そのような実施形態に係る骨釘89の詳細を示す。
【0147】
ここで、コア90および外層92は、ポリマーマトリクス内で長手軸94と平行に実質的に直線状に延びる長い繊維から形成される。
【0148】
図6A、6B、および6Cの実施形態では、釘は例証を目的としてカニューレ状である。任意選択的に、内部管腔114は金属層130で、例えば任意選択的に釘の圧縮成形中に挿入された金属管で被覆される。
【0149】
代替的に、一部の実施形態では、釘は非カニューレ状である。そのような実施形態では、コアは中実とすることができるが、それ以外では図示するコア90と同一とすることができる。
【0150】
図6Bを参照すると、コア90上に、ポリマーマトリクス中のフィラメントの複数の層100が例えば±45度で対向方向に螺旋状に巻回されている。層100は任意選択的に、長手方向コア90の製造後に巻回または編組される。任意選択的に、これは複合材の含浸帯片を巻回することによって形成することができる。対向方向に配向された1つ以上の層は、釘に加えられる2つの回転方向のトルクに抵抗するために使用される。任意選択的に、近位端104で、層100は、複合材の含浸帯片の複数の層を例えば約+45度または−45度で対向方向に巻回することによって形成された、螺旋状に配向されたフィラメントから構成される。
【0151】
繊維の方向の多少の変動は任意であることに留意されたい。例えば巻回100は±35度ないし55度の範囲の角度に向き付けることができる。
【0152】
任意選択的に、繊維を編組して2つの隣接する層を結合させることができる。
【0153】
任意選択的に、外面は、例えばチタン、タンタル、または同様の金属の層110でめっきすることによって、少なくとも部分的に被覆することができる。
【0154】
任意選択的に、金属外面110は、複合材を金属シェルに圧縮成形することによって製造することができる。
【0155】
図6Cを参照すると、遠位端106は近位端と同一構造とすることができる。しかし、例証として、金属層無しで、2つの螺旋層112だけを持つように示されている。
【0156】
図6Aに示した構造の1例として、8.5mmの外径を有する髄内釘の場合、ポリマーマトリクス内に埋め込まれた内部直線状繊維層は、最高7.6mmまでの直径を有することができる。釘がカニューレ状である場合、内部管腔の直径は2.7mmとすることができ、金属蓋(もしあれば)は2.7ないし2.9mmの間の直径となる。螺旋状繊維の第2層は、直径7.6mmから直径8.2mmの間で0.3mmの厚さを有することができる。ポリマーマトリクスに埋め込まれた直線状に延びる繊維の第3(外側)層は、8.2mmおよび8.5mmの内径および外径の間で0.15mmの厚さを有することができる。
【0157】
最終直径が11.6mmの近位頭部を有するカニューレ状釘の1例として、内部管腔は2.7mmの直径を有することができ、金属蓋(含まれる場合)は直径が2.7ないし2.9mmとなり、直線状繊維層は2.9ないし7mmまでの直径を有することができる。−45度の第1螺旋状配向は、直径を7ないし7.4mmとすることができる。+45度の螺旋状繊維の第2層は、7.4mmから7.8mmまでの直径とすることができる。−45度のもう1つの螺旋層は7.8から8.2mmまでの直径とすることができ、+45度のもう1つの螺旋層は8.2から8.6mmまでの直径とすることができ、螺旋円形層は8.6から10.8mmの間の直径とすることができる。長手方向繊維の外層は直径を10.8mmから11.6mmの間とすることができる。
【0158】
任意選択的に、一部の例示的実施形態では、図6A〜9Bに示す通り、釘107はカニューレ状とすることができる。カニューレ状釘の1つの任意の用途として、大腿骨、脛骨、および上腕骨のような長管骨の修復がある。図7〜9Bに示す通り、釘107は、近位端110と、遠位端113と、軸方向に延びる略中心管腔114とを有する細長い本体109を含む。
【0159】
遠位端113は、釘内を同一方向に延びる長手方向スロット116および円形穴118、ならびにスロット116および穴118に対して90度の角度に延びる円形穴120aおよび120bを含む。近位端110は、円形ねじ穴122および124ならびにスロット126を含む。
【0160】
釘107の遠位端113および近位端110のねじ穴およびスロットの各々は、放射線不透過位置決めマーキングを含むことができる。図9Bに示す通り、これらは、図2Aおよび3Cに関連して記載したようにロッドまたはピン128の形、または図3Aおよび3Bに関連して記載したようにリングの形を取ることができる。加えて、または代替的に、任意の適切な方法で、管腔114の内面に薄肉金属管130を接合することができる(図9Bにその遠位端が最もよく示される)。
【0161】
図2に示すワイヤ59を使用するか、またはマトリクス中に放射線不透過充填材を使用する実施形態の場合のように、管130の連続性はねじ穴およびスロットによって中断されるので、これらの通路の長手方向位置は、蛍光透視法の下で結果的に生じる不連続性によって示される。理解される通り、管130はまた、インプラント107自体の位置および範囲を示すのにも役立つ。
【0162】
カニューレ状インプラント107はそれ以外では、図1、2に関連して前に記載したものと同じであり、図4および5に関連して記載したのと同様のコネクタをその近位端110に含むことができ、かつ図2Bに関連して記載したようにエンドキャップを含むことができる。また、それは図6Aと同一の層構成で形成することができる。したがって、簡略にするために、さらなる説明は省く。
【0163】
任意選択的に、本発明の一部の実施形態に係るインプラントは、性能、主に強度を改善するために追加的要素を含むことができる。例えばインサートは金属もしくはセラミックス、または等方性複合材部品から作ることができる。1つのそのような実施形態を、例として図10A〜10Cに示す。
【0164】
図10Aには、インプラントと挿入ハンドルとの間の接続に追加強度をもたらすために、金属ナット134を含む髄内釘132が示されている。これは任意選択的に、成形中にインプラント内に埋め込むことができる。任意選択的に、ナット134は近位スロット内に挿入し、かつ釘の近位側に押し込むことができる。
【0165】
図10Bおよび10Cには、ナットインサート134の1つの選択肢が示される。図示する通り、ナット134は略T字形であり、本体135および両側のアーム136を持つ。一体成形されない場合、ナット134は図10Bおよび10Cに示すように配向され、スロット137の遠位端138付近に配置される。次いでそれは、本体がインプラントの近位端139の軸方向中ぐり穴内にくるように、近位方向に移動される。
【0166】
代替的に、または追加的に、インプラントの表面には、金属被膜またはめっき141を施すことができる。金属インサートおよび被膜は、チタン、チタン合金、もしくはタンタル、または任意の他の適切かつ望ましい金属もしくは金属合金から形成することができる。
【0167】
図11は、本発明の一部の実施形態に係る骨プレート160の構造を示す。プレート160は、1層、2層、3層、または4層の±45度の長手方向ワイヤで被覆された長手方向繊維、1層、2層、3層、4層の±45度の織成または編組層で被覆された長手方向繊維から構成される。1例として、プレート160は、前述の通り熱可塑性ポリマーマトリクス中の実質的に直線状に延びる長い炭素およびポリマー混合フィラメントから形成された織成体または編組体162から構成される。通路170は骨固定ねじ(図示せず)を需要するように設けられる。任意選択的に、通路170は、プレート160が作製されるときに成形プロセスで形成される。代替的に、通路170は、プレートが作製された後で機械加工によって形成される。
【0168】
通路170は螺刻されるか、または螺刻されないか、または両方の組合せとすることができる。任意選択的に、一部または全部の通路の一部分だけが螺刻され、他の部分は螺刻されず、ねじ頭と係合するように設計される。
【0169】
本発明の一部の実施形態では、骨プレート160は平均解剖学的データに基づいて予備形成され、次いで特定の患者のための実際のインプラント部位に関する特定の解剖学的データに基づいて、植設前に最終形状に曲げられる。一部の例示的実施形態では、最終的成形は、適切な形状のインサートと共に成形プレス内で予備形成されたインプラントを加熱することによって行なわれる。プレートを要求される形状に曲げるために力が加えられ、次いで金型は、インプラントがその他の特性を実質的に変化させることなくその曲げ形状を維持することができるように冷却される。例として、PEEKマトリクス中の炭素繊維から形成された骨プレートは380〜400℃に加熱され、適切な曲げを生じるために必要に応じて5〜30分間温度に維持され、次いで毎分5〜30℃の率で150℃まで冷却され、次いで急速に室温まで冷却される。
【0170】
任意選択的に、プレート160を成形するための特定の解剖学的データは、外科的処置中に患者のインプラント部位の直接測定によって、または視覚的にさえ得られる。代替的に、特定の解剖学的データはX線によって、または患者のインプラント部位のMRIもしくはCTによって得られる。
【0171】
図12A〜12Dは、上述した種々のインプラント実施形態と共に、またはインプラント無しで骨折の固定のためにスタンドアロンとして、使用するのに適した骨固定ねじを示す。図示するねじは、上述と同じ繊維強化または自己強化ポリマーから形成することができる。
【0172】
図12Aに示す通り、ねじは、ねじの軸線143と平行に長手方向に延びる長い繊維がポリマーマトリクス中に埋め込まれたコア145から構成される。ねじ144は、糸が巻き付けられた長い繊維を有する複合材から作られる。任意選択的に、ねじ山ベース149の強度を高めるために、一部の繊維はコアから交差して、147に示すようにねじ山に交織される。
【0173】
任意選択的に、ねじ山144は、任意選択的にねじコア上に成形された短繊維を持つ複合材から形成することができる。
【0174】
開閉用工具と係合するためのねじコネクタ148は、任意の従来の形状、例えば雌ねじ付きまたは雄ねじ付きの六角形、プラスねじ頭、スロット付き、軸方向クラウン等とすることができる。任意選択的に、ねじの頭は金属インサートとすることができる。
【0175】
図12Bは、好ましくは軸線143に対して±45度に向けられた長繊維を含む螺旋状複合材層150を有する骨固定ねじ142aを示す。該層は、挿入または取外し中にねじに加えられるトルクに対する抵抗を増加するために含めることができる。任意選択的に、層150は1螺旋方向のみの巻回を含む。任意選択的に、±45度の2つの繊維方向は編組される。
【0176】
図12Cは、複合材コア145の外側に金属シェル152を持つことによって、剪断強度を増大したねじ142bを示す。シェル152は中実とすることができ、ねじ山全体に複合材成分が含まれない。そのような構造は、ねじ山の剪断に抵抗する金属の強度、および曲げに抵抗する複合材コアの強度をもたらす。任意選択的に、ねじの遠位端はシェル154の一部となり、任意選択的にセルフタッピングすることができる。
【0177】
図12Dは、チタンまたは他の金属、例えばチタン合金Ti6Al4V、またはいずれかの他の生体適合性金属もしくは金属合金の薄層156で被覆されたねじ山144を有する。金属被膜は必要な追加的強度をもたらすのに充分厚く、しかしCT画像またはMRIにアーチファクトを生じないように充分薄くすべきである。約0.02から0.2mmの範囲の被膜の厚さは満足のいく結果をもたらす。特定の例として、被膜は0.1mmの厚さを有することができる。
【0178】
被膜層156は、電気化学的被覆、物理的気相成長、プラズマ溶射、複合材の金属シェル内への成形等をはじめとする種々の方法で形成することができる。平滑な表面は、インプラントを後で取り外さなければならない場合に、ねじの取外しを妨げる組織または骨の増殖がねじ山に付着するのを防止することが明らかになっているので、どの技術を使用するかに関わらず、被覆はできるだけ平滑にする必要がある。
【0179】
任意選択的に、骨ねじは上述した構造部品の任意の組合せとすることができる。
【0180】
任意選択的に、骨ねじは、どのような組合せでも、内部管腔をガイドワイヤと共に使用する大きさにして、カニューレ状とすることができる。
【0181】
図13Aは、本発明の他の実施形態に関連して記載した通り、任意選択的に強化インサートを埋め込んだ強化ポリマーマトリクスから形成された大腿骨近位部(PF)釘180の構造を示す。PF釘は、大腿骨に関係する骨折を修復するために使用される。
【0182】
図示する通り、PF釘180は、近位端184を有し少なくとも1つの通路186が釘の長手軸284に対して斜めに向き付けられた、細長いステム182を含む。使用中に、通路186は釘を大腿骨の頚部188および頭部189に固定する近位端骨固定ねじ286を受容する。
【0183】
任意選択的に、PF釘180は、回転防止ピン288を受容する螺刻通路190を含む。通路190は近位端固定ねじ通路186と平行に延びる。
【0184】
任意選択的に、本発明の一部の例示的実施形態では、通路186も螺刻され、かつ脚ねじ187を摺動自在に受容する保持器192を受容する。
【0185】
通路186および190に加えて、PF釘は典型的には、遠位端292の通路290のような追加的通路を含むことを理解されたい。使用中に、通路290は、PF釘180を大腿骨の下部に固定するための骨固定ねじを受容する。任意選択的に、他の通路(図示せず)は、通路290に対し斜めに、例えば90度に延びる。
【0186】
前述の実施形態の場合と同様に、PF釘180は、通路の一部または全部に対し放射線不透過マーキングを含むことができる。
【0187】
任意選択的に、本発明の一部の例示的実施形態では、PF釘180は、上述した挿入工具コネクタ294と、PF釘180が植設された後で、骨または組織の内部増殖を防止するために、コネクタ294に受容されるように構成されたエンドキャップ296とを含む。
【0188】
脚ねじの例示的実施形態を図13Bおよび13Cに示す。任意選択的に、本発明の一部の実施形態に係る脚ねじは、同一複合材のコア、および釘から形成される。任意選択的に、ねじは金属、例えばTi‐6Al‐4Vのようなチタン合金から形成される。
【0189】
図13Bに示す通り、脚ねじ300は強化ポリマーコア302および周囲の金属シェル304を含む。任意選択的に、コア302は、インプラント処置中に外科医を支援するために、ガイドワイヤ(図示せず)を受容するように意図された内部管腔306を含むことができる。
【0190】
シェル304は、周囲の骨と連結するために、少なくともその遠位端309にねじ山308を含む。任意選択的に、ねじ山はセルフタッピングする。ねじ山308はシェル304のみに形成されるか、あるいは図13Cの310で最もよく分かるように内部が解放されてポリマーコア302がねじ山に貫入することもできる。場合によっては、これにより、CT撮像およびMRI可視化の改善のためにシェル内の金属の量を減少させることができ、かつねじコアとシェルとの間の接続の強度を高めるのに役立つことができる。コアとシェルとの間の界面は、応力分担をもたらすように種々の形状の凹所および相補的突起(図示せず)を含むこともできる。
【0191】
任意選択的に、図13Cで312および314にも示す通り、金属シェル316はポリマーコア322の近位端および遠位端318および320の周りに圧着される。
【0192】
図14A〜14Cは、本発明の一部の実施形態の態様に係るインプラント取外し工具200を示す。取外し工具200は、インプラントの近位端206で軸方向コネクタ開口204を介して、設置されたインプラント202と係合するように構成される。この目的のために、軸方向開口204は、前述の通り、横方向スロット208と連通する。
【0193】
図14Bに示す通り、工具200は、それらの遠位端にそれぞれの横方向先端214および216を有する第1および第2アーム210および212と、それらの近位端における操作を容易にするための適切なハンドル(図示せず)とを含む。アーム210および212は近位端と遠位端との中間に位置する枢支点によって接続され、こうして先端214および216を収縮位置と延伸位置との間で移動させるように操作可能な鋏機構を提供する。収縮位置で、先端は互いに接近するので、工具200の遠位端は開口204内に容易に挿入可能である。延伸位置では先端は離れ、スロット208の両側に係合する。
【0194】
理解される通り、延伸位置で、インプラント202を骨の開口の内側から離脱させるために、軸力を加えることができる。
【0195】
図15Aおよび15Bは、本発明の一部の実施形態に係る骨インプラントを受容するように、インプラント部位を準備するために使用される骨穿孔組立体230を示す。図示する構成は、外科医による穿孔部位の蛍光透視による可視化に対する妨害を最小化するように設計されている。
【0196】
穿孔組立体230は、ドリルビット234を駆動させるパワーユニット232を含む。角度付きコネクタ236は、パワーユニット232とドリルビット234との間に嵌合するように構成される。図15Bに最もよく示すように、コネクタ236は、ドリルビット234に接続するための雌継手238と、パワーユニット232に接続するための雄コネクタ240とを含む。これらは、ポリカーボネートまたは他の適切な放射線透過性材料から形成された本体246に装着される。例えばステンレス鋼または他の適切な材料のマルチフィラメントから形成されるフレキシブルケーブル242もまた本体246に装着され、カプラ240からカプラ238にトルクを伝達する。
【0197】
依然として図15Bを参照すると、コネクタ236は、カプラ238および240が例えば互いに対して90度に向き付けられるように250で曲がる。これは、パワーユニット232を蛍光透視法による撮像範囲外に維持することを可能にし、したがって外科医による穿孔部位の可視化を妨害しない。
【0198】
カプラ238および240は従来設計、または任意の他の適切かつ所望のタイプである。一部の実施形態では、カプラ238および240は、回転中に摩擦を最小化する軸受として役立つ、テフロン(登録商標)等から形成された外側スリーブ252および254を含む。ケーブル242は、本体246に対して自在に回転する大きさに作られる。任意選択的に、可撓性の電力伝達接続の代わりに、適切な直角歯車装置によって一体に接続された剛性の細長いロッドを使用してもよい。好ましくは、これらの部品も放射線透過性材料から形成される。
【0199】
一部の実施形態では、ドリルビット234は、任意選択的に上述の通り長手方向に延びる強化繊維を含み、チタンのような金属またはダイヤモンドで被覆された強化ポリマーマトリクスから作成することができる。
【0200】
パワーユニット230は標準手術室用ドリルとすることができる。任意選択的に、角度付きコネクタ234は電気モータ、歯車、およびバッテリを内蔵することができ、そうした装置では別個のパワーユニット232は不要である。
【0201】
任意選択的に、構築されたコネクタ236は無菌包装状態で提供され、1回使用後に廃棄するように意図される。
【0202】
任意選択的に、図16A〜16Gに示す通り、近位端の釘は、バイヨネット接続により挿入ハンドルに接続される。任意選択的に、近位端の釘は、釘をハンドルに接続する管またはロッド164のバイヨネット歯165を挿入するために、長手方向溝162を含む。管164は釘の径方向溝163内で回転する。ナット166は管164を固定し、釘をハンドルに締め付ける。任意選択的に、釘の近位端はバイヨネット歯の挿入用の長手方向溝を含まない。代わりに、管134は拡張可能なバイヨネット歯を含む。
【0203】
図17Aおよび図17Bは、複合材髄内釘の製造中にコストを節減する方法を示す。釘は上腕骨、脛骨、および大腿骨用に多くの長さおよび直径のものが供給され、通常、骨の解剖学的形状に従って湾曲している。しかし、全部または大部分の層を含む直線状の釘を製造し、釘を曲げる最終製造ステップを追加する方が安価である。
【0204】
図17Aは曲げ工具170を示す。図示する通り、工具170は、直線状の釘を受容するためのキャビティ171を含む。工具は、工具を内部の釘と共に適切な塑性変形温度まで加熱する電熱器172を有する。例えばPEEKから形成された釘の場合、適切な温度は380から410℃の範囲である。任意選択的に、例えば開口173を介して釘を軸方向に押圧することによって、加熱中に圧力を釘に加えることができる。工具は、プロセス温度で損傷無く曲げることのできるニチノールのような材料から作られた、金型キャビティを画定する2つの半体174および175を有する。
【0205】
高温で、工具は釘を曲げる。図17Bは曲げ後の工具を示す。釘は工具内で冷却され、結果的に生じた湾曲176が維持される。
【0206】
PEEKおよび同様の材料は、所望の加熱および冷却温度によって決定される通り、ある程度非晶質または結晶質とすることができる。曲げ工具170は、所望の加熱および冷却プロトコルを確立するために、図示しないコントローラを有する。
【0207】
冷却後に、工具は表面177に沿って開かれ、湾曲した釘が取り出される。
【0208】
図18は、上述したインプラント実施形態の一部に係るインプラント400に使用するためのドリルガイドおよび挿入工具398の実施例を示す。図示する通り、工具398は、ドリルガイド穴404およびインプラント400のカプラ部分と係合する連結部分406を有する本体402から構成される。連結部分406に含まれるのは、コネクタ410の相補的要素と係合して、図4および5に関連して言及した単一の向きの工具およびインプラントの連結を可能にするように適応された、アラインメント要素である。
【0209】
装置及び方法の様々な特徴を記載した。本発明は、上で特に示されかつ記載されたものに限定されないことが当業者によって認識されるだろう。むしろ、本発明の範囲は、上記の様々な特徴のコンビネーション及びサブコンビネーションの両方、並びに前述の記載を読んで当業者に想起される従来技術にないそれらの変形及び修正を含む。
【0210】
また、実施形態の一部は、方法としてのみ又は装置としてのみ記載されるが、本発明の範囲は、装置を使用する方法と方法に適用するための装置の両方を含むことが認識されるべきである。本発明の範囲はまた、本明細書に記載された装置を作るための機械を包含する。さらに、本発明の範囲はまた、本明細書に記載した装置を使用、構築、校正及び/又は維持する方法を含む。特許請求の範囲及び明細書で使用されるとき、用語「含む/備える(comprises、comprising、includes、including)」は、「含むが、それらに限定されない(including but not limited to)」ことを意味する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
繊維強化ポリマーマトリクス本体と、
両端が開口し、骨固定ねじを受容するように構成された本体中の通路と、
通路の位置および向きのための放射線不透過マーキングと、
を備えた骨インプラント。
【請求項2】
通路は本体の遠位端に近い、請求項1に記載の骨インプラント。
【請求項3】
マーキングは、通路内部に配置された放射線不透過性材料の少なくとも1つの周辺環帯から構成される、請求項1または2に記載の骨インプラント。
【請求項4】
放射線不透過マーキングは、通路の外側の周りの放射線不透過性材料の複数の局在領域から構成される、請求項1または2に記載の骨インプラント。
【請求項5】
放射線不透過性材料は、通路の各端に位置する2つのロッドの形である、請求項4に記載の骨インプラント。
【請求項6】
放射線不透過マーキングは、本体の長手軸に沿って延びる金属要素を含む、請求項1に記載の骨インプラント。
【請求項7】
インプラントは骨プレートであり、マーキングは、実質的な曲げ歪みを受けない平面内に延びる少なくとも1つの金属細線を含む、請求項1に記載の骨インプラント。
【請求項8】
インプラントはカニューレ状であり、放射線不透過マーキングは、インプラント本体中に走る管腔の内面に沿って延びる薄い金属層である、請求項1に記載の骨インプラント。
【請求項9】
放射線不透過マーキングは、CTまたはMRIの可視化に著しく干渉しないアーチファクトのレベルを生じる量および形状で存在する、請求項1〜8のいずれかに記載の骨インプラント。
【請求項10】
局在領域は、径方向に対向し、かつそれぞれの通路の長手軸から等距離に位置し、それによって、通路の各端のロッドが蛍光透視撮像法の下で単一のドットのように見えるときに、固定ねじを通路内に挿入するための正しい向きが示される、請求項5に記載の骨インプラント。
【請求項11】
繊維強化ポリマーマトリクス複合本体と、
インプラント挿入工具に単一の向きに取り付けるように構成され、かつ挿入工具によって加えられるねじりに耐えるように適応された、本体の近位端のコネクタと、
を備えた骨インプラント。
【請求項12】
請求項11に記載の骨インプラントと、コネクタの相補的要素と単一の向きに係合するように適応されたアラインメント要素を有するコネクタ界面を含む挿入工具とを含む、骨インプラントキット。
【請求項13】
コネクタは雌ねじ付き凹所を含む、請求項11に記載の骨インプラント。
【請求項14】
コネクタの近位端面は、近位端で外周から内向きに延びる複数の径方向スロットを含む、請求項11または13に記載の骨インプラント。
【請求項15】
コネクタは六角形の形状を有する、請求項11または13に記載の骨インプラント。
【請求項16】
コネクタはバヨネット形状を含む、請求項11に記載の骨インプラント。
【請求項17】
コネクタは、インプラント工具を受容するように構成された金属インサートを含む、請求項11〜16のいずれかに記載の骨インプラント。
【請求項18】
骨インプラント用のエンドキャップであって、インプラントが繊維強化ポリマー本体と本体の近位端で挿入工具を受容するためのコネクタとを備え、その後のインプラントの取外しのためにコネクタにアクセスするのを組織増殖が妨げるのを阻止するようにインプラントが配置されたときに、エンドキャップがコネクタを被覆するように構成されて成る、エンドキャップ。
【請求項19】
コネクタは、内部凹所であり、エンドキャップは凹所に嵌合するように外部に構成される、請求項18に記載の骨インプラント。
【請求項20】
エンドキャップは放射線不透過マーキングを含む、請求項18または19に記載の骨インプラント。
【請求項21】
エンドキャップはインプラント本体と同じ材料から形成される、請求項18〜20のいずれかに記載の骨インプラント。
【請求項22】
強化ポリマーマトリクスから形成された本体と、
骨固定ねじを受容するように構成された本体中の通路と、
を備えた骨インプラントであって、通路がその中に受容された骨固定ねじの軸方向離脱に抵抗するように構成された骨インプラント。
【請求項23】
通路は、ねじの外径より小さい直径を有する円形穴である、請求項22に記載の骨インプラント。
【請求項24】
骨ねじをその中に摺動自在に受容するように、かつ受容された骨ねじの軸方向離脱に抵抗するように構成された、本体の近位端における細長い長手方向スロットをさらに備える、請求項22または23に記載の骨インプラント。
【請求項25】
軸方向離脱に対する抵抗は、円形穴および/またはスロットの内面にある隆条によって提供される、請求項23または24に記載の骨インプラント。
【請求項26】
通路は螺刻されない、請求項22〜24のいずれかに記載の骨インプラント。
【請求項27】
強化ポリマーマトリクスから形成された本体と、
本体に組み込まれた金属要素と、
を備えた骨インプラント。
【請求項28】
金属要素は、インプラント挿入工具を受容するように構成された、本体の近位端におけるインサートである、請求項27に記載の骨インプラント。
【請求項29】
金属要素は、インプラント本体上の平滑な金属被覆である、請求項27に記載の骨インプラント。
【請求項30】
主に曲げ力に抵抗するように構築かつ構成されたコアを有する本体と、
主にねじり力に抵抗するように構築かつ構成されたコアを包封する部分と、
を備えた骨インプラントであって、コアおよび周囲の部分がポリマーマトリクス内の実質的に直線状に延びる長い炭素とポリマーの混合フィラメントから構成され、かつ外面の少なくとも一部分が1層の金属で被覆されている、骨インプラント。
【請求項31】
包封部分は編組される、請求項29または30に記載の骨インプラント。
【請求項32】
インプラントは髄内釘の形であり、包封部分は対向方向に螺旋状に巻回された2層のフィラメントから構成される、請求項30または31に記載の骨インプラント。
【請求項33】
直線状に延びるフィラメントから構成される外層をさらに含む、請求項32に記載の骨インプラント。
【請求項34】
近位端は、
直線状に延びるフィラメントのコアと、
対向方向に螺旋状に巻回された少なくとも2層のフィラメントと、
円形螺旋状構成のフィラメントから構成される外層と、
から構成される、請求項32または33に記載の骨インプラント。
【請求項35】
螺旋状に巻回されるフィラメントは、釘の長手軸に対し約±45度に位置する、請求項34に記載の骨インプラント。
【請求項36】
コアは実質的に中心の軸方向に延びる管腔を含む、請求項32〜35のいずれかに記載の骨インプラント。
【請求項37】
インプラントは骨プレートの形である、請求項30に記載の骨インプラント。
【請求項38】
骨固定ねじを受容するように構成された複数の通路の周りに成形された本体をさらに含む、請求項37に記載の骨インプラント。
【請求項39】
本体に組み込まれた放射線不透過マーキングをさらに含む、請求項38に記載の骨プレート。
【請求項40】
螺刻された強化ポリマー本体から形成された複合コアと、
コアの金属外面と、
を備えた骨固定ねじ。
【請求項41】
金属外面は、ねじが植設されたときに、周囲の骨組織との統合を促進しない平滑な表面を有するめっきである、請求項40に記載の骨固定ねじ。
【請求項42】
金属面はチタンまたはチタン合金から構成される、請求項40または41に記載の骨固定ねじ。
【請求項43】
金属面は、可視化に著しく干渉するアーチファクトをCTまたはMRI画像に生じないように充分に薄い、請求項40〜42のいずれかに記載の骨固定ねじ。
【請求項44】
金属面はねじ山を螺刻される、請求項40〜42のいずれかに記載の骨固定ねじ。
【請求項45】
ねじ山は、ねじを受容するように構成された骨インプラントのねじ穴に対して過大サイズにまたは適合しないように作られる、請求項44に記載の骨固定ねじ。
【請求項46】
複合コアの一部分は、金属ねじ山の内面を貫通する、請求項44または45に記載の骨固定ねじ。
【請求項47】
複合コアと金属面との間の界面は、相補的突起および陥凹を含む、請求項44または45に記載の骨固定ねじ。
【請求項48】
金属表面を構成する材料は、ねじの複合コアの近位端および/または遠位端の周りに圧着される、請求項40〜47のいずれかに記載の骨固定ねじ。
【請求項49】
近位端を有する細長いステムと、
釘の長手軸に対して斜めに向けられた釘の近位端を貫通する通路であって、大腿骨の頚部および頭部に釘を固定するように方向付けられた通路と、
通路に受容される骨固定ねじと、
を備え、釘が強化ポリマーマトリクスから構成される複合材である、
大腿骨近位部(PF)釘組立体。
【請求項50】
回転防止ピンを受容するように構成されたさらなる通路を含み、回転防止ピン通路は近位端固定ねじ通路と平行に延びる、請求項49に記載のPF釘組立体。
【請求項51】
ねじは、釘と同一複合材から構成され、螺刻された金属シェルを含む、請求項49または50に記載のPF釘組立体。
【請求項52】
軸方向に延びる中ぐり穴を含む近位端の挿入工具コネクタと、
中ぐり穴における骨または他の組織の再増殖を防止するようにPF釘が配置された後、中ぐり穴に受容されるように構成された蓋と、
をさらに含む、請求項49〜51のいずれかに記載のPF釘組立体。
【請求項53】
本体の遠位端に骨固定ねじを受容するように構成された通路と、遠位通路の位置決めのための放射線不透過マーキングとをさらに含む、請求項49〜52のいずれかに記載のPF釘組立体。
【請求項54】
回転防止ピンは金属である、請求項50〜53のいずれかに記載のPF釘組立体。
【請求項55】
骨固定ねじの近位端用の通路はねじ用の保持器を含む、請求項49〜54のいずれかに記載のPF釘組立体。
【請求項56】
骨インプラントを取り外すための工具であって、インプラントが横方向通路と連通する軸方向開口を近位端に有する本体を含み、工具が、
第1および第2アームと、
第1アームの遠位端における第1横方向先端と、
第1先端とは反対方向に延びる、第2アームの遠位端における第2横方向先端と、
先端が互いに近接する収縮位置と先端が離れる延伸位置との間で第1および第2先端を移動させるように操作可能なハンドル機構と、
を備え、
収縮位置では、工具がインプラントの軸方向開口内に挿入可能となり、かつ延伸位置では、先端がねじ通路の両側内に入り、それによって軸力を加えてインプラントを骨の開口の内側から引き出すことができるように、先端の大きさおよび形状が決定されている、工具。
【請求項57】
第1および第2アームは交差し、アームの遠位端と近位端との間に位置する枢支点で接続される、請求項56に記載の骨インプラントを取り外すための工具。
【請求項58】
パワーユニットと、
パワーユニットからドリルビットにトルクを伝達するためにパワーユニットとドリルビットとの間に接続されるフレキシブルケーブルと、
を備えた骨インプラント穿孔組立体。
【請求項59】
フレキシブルケーブルは、角度付きハウジング内に収納され、ケーブルの両端にパワーユニットおよびドリルビットに取り付けるための連結器
を含む、請求項58に記載の骨インプラント穿孔組立体。
【請求項60】
パワーユニットは前記角度付きハウジング内に収納される、請求項59に記載の骨インプラント穿孔組立体。
【請求項61】
1回使用後に廃棄するように構成される、請求項59または60に記載の骨インプラント穿孔組立体。
【請求項62】
繊維強化熱可塑性ポリマー複合体から成る骨プレートを形成する方法であって、
平均解剖学的データに基づいて骨プレートを予備形成するステップと、
特定の患者の実際のインプラント部位に関する特定の解剖学的データを得るステップと、
予備形成された骨プレートを加熱し、かつ力を加えて、予備形成された骨プレートを所要形状になるように曲げるステップと、
曲がった骨プレートを、他のその特性を実質的に変化させることなく、その曲げ形状を維持できるように冷却するステップと
を含む方法。
【請求項63】
特定の解剖学的データは、外科的処置中に患者のインプラント部位を直接測定することによって得られる、請求項62に記載の方法。
【請求項64】
特定の解剖学的データは、X線により、または患者のインプラント部位のMRIまたはCTによって得られる、請求項62に記載の方法。
【請求項65】
繊維強化熱可塑性ポリマー複合体から成りかつ特定のインプラント部位に適合するように曲げを含む骨釘を形成する方法であって、
曲げの無い骨釘を予備形成するステップと、
力を加えながら予備形成された骨釘を加熱して、予備形成された骨プレートを所要形状になるまで曲げるステップと、
曲がった骨釘を、他のその特性を実質的に変化させることなく、曲げ形状を維持できるように冷却するステップと、
を含む方法。

【図1】
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【図3A−B】
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【図4】
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【図5】
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【図6A−C】
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【図7】
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【図8】
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【図9A−B】
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【図10B−C】
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【図11】
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【図12A−B】
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【図12C−D】
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【図13A】
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【図13B】
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【図13C】
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【図14A−B】
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【図15A】
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【図15B】
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【図16D−E】
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【図18】
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【図2A−B】
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【図3C】
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【図10A】
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【図16A−C】
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【図16F−G】
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【図17A−B】
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【公表番号】特表2012−515038(P2012−515038A)
【公表日】平成24年7月5日(2012.7.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−545832(P2011−545832)
【出願日】平成22年1月18日(2010.1.18)
【国際出願番号】PCT/IB2010/050225
【国際公開番号】WO2010/082183
【国際公開日】平成22年7月22日(2010.7.22)
【出願人】(511174487)カーボフィックス オーソピーディックス リミテッド (1)
【Fターム(参考)】