説明

複合框のいんろう接合框組体

【課題】外観体裁の良好な、複合框で成るいんろう接合框組体を提供する。
【解決手段】横框A ,A ´の室内側框構成材6,6´の端部を縦框A の室内側框構成材2に室外側において重ね合わせて両框を互いにいんろう接合する。前記横框A ,A ´の室内側面を構成する前記室内側框構成材6,6´の主体部6A,6´Aと前記端部8との間に、前記室内側面から前記端部8に至るに従って次第に室外側へ偏位する傾斜面11を設ける。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、概し断熱効果を図るためにアルミ押出し形材で成る室外側框構成材の室内側に木材で成る室内側框構成材を配して構成した複合框のいんろう接合框組体に関するものである。
【背景技術】
【0002】
室内外の框構成材で成る複合框は具体例を挙げるまでもなく公知であるが、該複合框は横框と縦框として適用され、所謂いんろう接合して框組体を構成する。
【0003】
そして、いんろう接合に際し、横框側の端部を縦框側に形成した溝内に係合しているのが一般である。
【0004】
この従来構造の框組体は、横框の室内側框構成材の端部を室内側面切欠状にして薄肉と成し、該薄肉にした端部を縦框側に設けた溝に係合、止着して構成するものであるが、前記端部の基端縁でもある、横框(室内側框構成材)の室内側面の見付け方向の端縁を、縦框(の室内側框構成材)の内端縁に沿わせて直縁状にしてある。(例えば、特許文献1)。
【0005】
【特許文献1】特開2003−214046号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
前記従来構造のものは、横框および縦框を構成する各室内側框構成材の、いわば突き合わせ端が縦方向の直線状に当接するような構成を採るので、加工精度や経時変化により当該当接部間に隙間が生じた場合、該隙間によって外観的見栄えが損われることがある。
【0007】
本発明は、斯様な従来例の欠点に着目し、加工精度や経時変化によって想定外の隙間が生じても、該隙間を目立たせずに、従って、外観的見栄えの減少を可及的に回避した複合框のいんろう接合框組体を提供すべく創案したのである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
横框の室内側框構成材の主体部に突設した端部を縦框の室内側框構成材に室外側において重ね合わせて両框を互いにいんろう接合した、複合框の框組体において、前記横框の室内側面を構成する室内側框構成材の前記主体部と縦框の前記室内側框構成材との間に隙間を設けたことを基本的手段とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明は、前記の通りの構成であるから、横框の室内側框構成材の室内側面と縦框の室内側框構成材の室内側面との間に当初より縦溝が形成されたものであるから、外観(意匠)形態を積極的に施したものと認識させ、該形態上、縦横框の室内側框構成材で生じた隙間を形態内のものとして認識させて隙間が生じることによる外観的見栄えの低減を可及的に防ぐことができる。
【実施例】
【0010】
図面は本発明に係る複合框の框組体の実施例を示し、図1は要部の平面図、図2は框組体の斜視図、図3は第二実施例の要部の平面図、図4は第三実施例の要部の平面図である。
【0011】
実施例は、内外引違いサッシの外障子(ガラスパネルを省略してある)の框組体Aに本発明を適用したもので、框組体Aは、縦框A と召合せ框A および上下の横框A ,A ´とで成り、縦框A と召合せ框A との間に上下の横框A ,A ´を内側にして所謂いんろう接合して構成したものである。
【0012】
この框組体Aを構成する前記縦框A は、アルミ押出し形材で成る室外側框構成材1の室内側面に木材で成る室内側框構成材2を重ね合わせ、これら構成材1,2を互いに止着して構成し、室外側框構成材1の内端に突設した屋外端のひれ部片1aと前記室内側框構成材2の内端部を見込み(室内外)方向に相対向させて係合溝3を設け、該係合溝3を構成する前記室内側框構成材2の内端部の室外端に係合切欠4を設けたものである。
【0013】
前記上下の横框A ,A ´は、縦框A と同様にアルミ押出し形材で成る室外側框構成材5,5´の室内側面に、木材で成る室内側框構成材6,6´を重ね合わせてこれらを互いに組付けて構成したもので、室外側框構成材5,5´の、室内側框構成材6,6´より框組体A外端方向に突出する端部を縦框A 側の前記係合溝3に係合し、室内側框構成材6,6´の端部8を前記係合切欠4に係合して、すなわち、縦框A の室内側框構成材2の室外側において重ね合わせるようにして縦框A と互いに組付けて、縦框A 側の室内側框構成材2と横框A ,A ´の室内側框構成材6,6´との間に隙間aを設けたものである(図1、図3および図4で示すように室外側框構成材1と5,5´同士を締付けたタッピングねじ7をこの組付け手段とする)。
【0014】
第一実施例
図1と図2で示す第一実施例の上下の横框A ,A ´の室内側框構成材6,6´は、縦框A の室内側框構成材2の室内側面2aと同面上に位置する室内側面6a,6´aを備え、該室内側面6a,6´aを備えた主体部6A,6´Aの見付け方向の一端を突設して形成した前記係合切欠4に係合した前記端部8を備え、この端部8の室内側面8aと前記主体部6A,6´Aの室内側面6a,6´aとの間に、主体部6A,6´A側から端部8側に向って室外方向へ傾斜する傾斜面11と成し、前記端部8の直面状の室内側面8aに連続させたものである。
【0015】
第二実施例および第三実施例
図3、図4で示す第二、第三実施例(第一実施例と同じ部材のものは、第一実施例と同一符号で示し、説明は省略)は、主体部6A(6´A側は図示省略)の室内側面6aと端部8の室内側面8aとの間を見付け方向に対して相対する直面11A(第一実施例はこれに相当する部分を傾斜面11としてある)と成し、第二実施例は該直面11Aと主体部6Aの前記室内側面6aが交差する隅部cを角形に、第三実施例は丸く(円形に)してある。
【0016】
なお、図示12は、端部8と係合切欠4との間に介在させた圧縮性の有るパッキン材で、パッキン材12は、木材で成る端部8と係合切欠4の多少の加工誤差を吸収と共に、両者の係合状態を安定させるためのものである。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】要部の平面図。
【図2】框組体の斜視図。
【図3】第二実施例の要部の平面図。
【図4】第三実施例の要部の平面図
【符号の説明】
【0018】
2 室内側框構成材
6,6´ 室内側框構成材
6A,6´A 主体部
8 端部
11 傾斜面
縦框
,A ´ 横框

【特許請求の範囲】
【請求項1】
横框の室内側框構成材の主体部に突設した端部を縦框の室内側框構成材に室外側において重ね合わせて両框を互いにいんろう接合した、複合框の框組体において、前記横框の室内側面を構成する室内側框構成材の前記主体部と縦框の前記室内側框構成材との間に隙間を設けた、複合框のいんろう接合框組体。
【請求項2】
横框の室内側框構成材の主体部の室内側面と前記端部の室内側面との間に、前記主体部側から前記端部側に向って室外方向へ傾斜する傾斜面を設けた、請求項1記載の複合框のいんろう接合框組体。
【請求項3】
横框の室内側框構成材の主体部の室内側面と端部の室内側面との間を見付け方向に対して相対する直面と成し、該直面と主体部の前記室内側面とが交差する隅部を角形又は丸くした、請求項1記載の複合框のいんろう接合框組体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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