説明

複数のカートリッジ・メモリを有するデータ・ストレージ・カートリッジ

【課題】複数のカートリッジ・メモリを有するデータ・ストレージ・カートリッジを提供すること。
【解決手段】データ・ストレージ・カートリッジ100は、読み取り及び/書き込みアクセスのための、複数のパーティションに配列することができるデータを記憶するように構成されたデータ・ストレージ・メディア105と、複数のカートリッジ・メモリ104A〜Eとを含む。各々のカートリッジ・メモリは、通信インターフェースとメモリとを含み、このメモリの情報は、データ・ストレージ・メディアの複数のパーティションの少なくとも1つとの関連付けを可能にするようにフォーマットされる。このように、カートリッジ・メモリの各々は、別個のユーザを有して、そのユーザに、別個のパーティション又はパーティションのサブセットに対するアクセスを与えることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願と同じ日付に出願された本発明の譲受人に譲渡された米国明細書連続番号第11/367058号(TUC920050177US2)は、データ・ストレージ・カートリッジのデータ・ストレージ・メディア及びカートリッジ・メモリの管理に関する。
【0002】
本発明は、データ・ストレージ・メディアを含むデータ・ストレージ・カートリッジに関し、より特定的には、カートリッジ・メモリを有するデータ・ストレージ・カートリッジに関する。
【背景技術】
【0003】
データ・ストレージ・カートリッジは、当業者に知られるように、例えば少なくとも1つのリール上に巻かれた磁気テープ、例えばCD、DVD、HD−DVD、その他の光ディスク・メディアといった光ディスク、ハードディスクドライブ、フロッピー(登録商標)ディスク、フラッシュメモリのようなデータ・ストレージ・メディアを含む。多くの場合、データ・ストレージ・カートリッジは、さらに、カートリッジ・メモリを含む。カートリッジ・メモリは、再書き込み可能メモリ、又は追記型メモリ、又は一部が追記型であるように保護された再書き込み可能メモリを含むことができる。メモリはプロセッサによって動作させることができる。さらに、カートリッジ・メモリは、データ・ストレージ・カートリッジの外部で通信するための通信インターフェースを含むことができる。通信インターフェースは、外部通信を実現するためのアンテナを有することができる。カートリッジ・メモリは、外部インターフェース、例えばデータ・ストレージ・メディアに関してデータを読み取る及び/又は書き込むようにもされたデータ・ストレージ・ドライブのインターフェースによるアクセスを可能にするためにアンテナを方位付けるように、データ・ストレージ・カートリッジ内に位置決めすることができる。さらに、カートリッジ・メモリは、他の外部インターフェース、例えばデータ・ストレージ・カートリッジをストレージ・シェルフと1つ又は複数のデータ・ストレージ・ドライブとの間で移送するようにされた自動データ・ストレージ・ライブラリのピッカーのインターフェースによっても読み取られるように、位置決めすることができる。カートリッジ・メモリは、当業者に知られるように、バッテリのような内部電源を含んでもよいし、又は、通信インターフェース又は電力インターフェースにより電力を受け取ってもよい。
【0004】
【非特許文献1】Standard ECMA−319、2001年6月の「Data Interchange on12,7mm 384−Track Magnetic Tape Cartridges−Ultium−1 Format」、AnnexD−LTO Cartridge Memory、95−115ページ
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、データ・ストレージ・カートリッジの改良に関わる。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、データ・ストレージ・カートリッジの実施形態を含む。
【0007】
1つの実施形態においては、データ・ストレージ・カートリッジは、読み取り及び/又は書き込みアクセスのためのデータを記憶するように構成されたデータ・ストレージ・メディアであって、データを複数のパーティションに配列することができる、データ・ストレージ・メディアと、複数のカートリッジ・メモリと、を含む。各々のカートリッジ・メモリは、データ・ストレージ・カートリッジの外部で通信するように構成された通信インターフェース、及び、情報を記憶し、情報を通信インターフェースに通信するように構成されたメモリ・システムであって、情報が、データ・ストレージ・メディアの複数のパーティションの少なくとも1つとの関連付けを可能にするようにフォーマットされた、メモリ・システム、を含む。したがって、カートリッジ・メモリの各々は、別個のユーザを有することができ、そのユーザに対して別個のパーティションへのアクセスを与える。
【0008】
さらに別の実施形態においては、各々のカートリッジ・メモリは、別個にアドレス指定可能である。
【0009】
さらに別の実施形態においては、カートリッジ・メモリの各々が、別個にアドレス指定可能なインターフェースにより、メモリ・システムに対する読み取り及び/又は書き込みアクセスを取得するための別個のパスワードのための備えを含む。
【0010】
別の実施形態においては、カートリッジ・メモリの各々のメモリ・システムが、データ・ストレージ・メディアのパーティションのサブセットとの関連付けを可能にするように情報をフォーマットするように構成される。
【0011】
さらに別の実施形態においては、カートリッジ・メモリの少なくとも1つのメモリ・システムが、情報をフォーマットして、別の前記カートリッジ・メモリの情報の少なくとも一部との間で冗長性を可能にするように構成される。
【0012】
別の実施形態においては、データ・ストレージ・カートリッジは、コンテナと、コンテナによって支持され、読み取り及び/又は書き込みアクセスのためのデータを記憶するように構成されたデータ・ストレージ・メディアであって、データを複数のパーティションに配列することができる、データ・ストレージ・メディアと、を含む。カートリッジ・メモリの各々は、データ・ストレージ・カートリッジの外部で通信するように構成された通信インターフェース、及び、情報を記憶し、情報を通信インターフェースに通信するように構成されたメモリ・システムであって、情報が、データ・ストレージ・メディアの複数のパーティションの少なくとも1つとの関連付けを可能にするようにフォーマットされた、メモリ・システム、を含み、カートリッジ・メモリの各々は、通信インターフェースがデータ・ストレージ・カートリッジの外部で同時にアクセス可能になるように位置決めされたコンテナによって支持される。
【0013】
さらに別の実施形態においては、通信インターフェースがアンテナを含み、複数のカートリッジ・メモリの各々は、同時アクセスを可能にするためにアンテナが同様な方向に方位付けられるようにコンテナによって支持される。
【0014】
さらに別の実施形態においては、カートリッジ・メモリの各々の通信インターフェースは、異なる周波数において動作する無線周波インターフェースを含む。
【0015】
さらに別の実施形態においては、通信インターフェースは、誘導アンテナループ及びコンデンサを含む回路を含み、コンデンサが、異なる周波数を与えるように異なる静電容量を有する。
【0016】
別の実施形態においては、カートリッジ・メモリの各々の通信インターフェースは、別個にアドレス指定可能なデジタル・インターフェースを含む。
【0017】
別の実施形態においては、データ・ストレージ・カートリッジは、読み取り及び/又は書き込みアクセスのためのデータを記憶するように構成されたデータ・ストレージ・メディアと、データ・ストレージ・カートリッジの外部で通信するように構成された通信インターフェース、及び、情報を記憶し、情報を通信インターフェースに通信するように構成されたメモリ・システム、を各々が含む複数のカートリッジ・メモリと、を含む。
【0018】
本発明のより完全な理解のために、添付の図面に関連する以下の詳細な説明を参照されたい。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
本発明は、同様な番号が同じ又は類似した要素を表わす図に関する以下の説明における好ましい実施形態により説明される。本発明は、本発明の目的を達成するための最良の形態において説明されているが、当業者であれば、本発明の精神又は範囲から逸脱することなく、これらの教示を考慮して変形態様を実現できることを理解するであろう。
【0020】
図1及び図2を参照すると、本発明によるデータ・ストレージ・カートリッジ100の実施形態は、1つ又は複数の部品を含むことができるカートリッジ・シェルといったコンテナ101と、テープ・リール106上に取り付けられた磁気テープといったデータ・ストレージ・メディア105にアクセスするための、例えば、データ・ストレージ・ドライブにより開くことができるカートリッジ・ドア102とを含む。磁気テープの場合においては、カートリッジ100がデータ・ストレージ・ドライブに搭載されると、テープ・リール106が自由に回転することを可能にするカートリッジ・ブレーキ解除ボタン103を設けることができる。磁気テープ・カートリッジの1つの実施例は、LTO(リニア・テープ・オープン)技術に基づくカートリッジを含む。
【0021】
本発明によれば、複数のカートリッジ・メモリ104A、104B、104C、104D及び104Eが与えられている。カートリッジ・メモリの各々は、例えば、遠隔操作できるインターフェースを有するトランスポンダを含み、これは、例えば、組み立てられる時にカートリッジに密閉することによりカートリッジ100内に保持される。当業者であれば、密閉プロセスは、単一のカートリッジ・メモリにも適用されることが分かるであろう。
【0022】
図示されるデータ・ストレージ・メディアは、単一リール磁気テープ・カートリッジである。磁気テープ・カートリッジは、さらに、テープがカートリッジのリール間で給送される、二重リール・カートリッジを含むこともできる。或いは、データ・ストレージ・メディアは、携帯型カートリッジによって取り付ける又は支持することができるいずれかのメディア又はデバイスを含むことができる。実施例は、当業者に知られるように、例えば、CD、DVD、HD−DVD、その他の光ディスク・メディアといった光ディスク、ハードディスクドライブ、フロッピー(登録商標)ディスク、フラッシュメモリなどを含む。
【0023】
図3を参照すると、データ・ストレージ・カートリッジ100(概略的に示す)が搭載された磁気テープ・ドライブ115が示されている。本発明を採用することができる磁気テープ・ドライブの1つの実施例は、磁気テープ・カートリッジ100に対して望ましい動作を実行するマイクロコードなどをもつ、LTO技術に基づくIBM(IBM Corporationの商標)3580 Ultrium磁気テープ・ドライブである。当該実施例においては、磁気テープ105は、カートリッジ100内のリール106に巻きつけられ、磁気テープ・ドライブ115に搭載された時には、カートリッジリールと磁気テープ・ドライブ内の巻き取りリール116との間で給送される。
【0024】
磁気テープ・ドライブは、例えば、遠隔操作できる方法により、磁気テープ・カートリッジ100のカートリッジ・メモリ104A、104B、104C、104D及び104Eの1つ又はそれ以上から情報を読み取るため及び/又はこれに情報を書き込むためのメモリ・インターフェース117を含む。
【0025】
読み取り/書き込みシステムは、磁気テープ105といったデータ・ストレージ・メディアの情報を読み取り及びこれに情報を書き込むために与えられており、例えば、ヘッドを磁気テープ105の横方向に移動させるためのサーボ・システムをもつ読み取り/書き込みヘッド・システム118と、読み取り/書き込みサーボ制御部119と、磁気テープ105をカートリッジ・リール106と巻き取りリール116との間、及び読み取り/書き込みヘッド・システム118にわたり移動させる駆動モータ・システム120とを含むことができる。読み取り/書き込み及びサーボ制御部119は、駆動モータ・システム120の動作を制御して、磁気テープ105が所望の速度で読み取り/書き込みヘッド・システム118にわたり移動するようにし、1つの実施例においては、磁気テープ105に対する読み取り/書き込みヘッド・システムの位置を求める。1つの実施例においては、読み取り/書き込みヘッド・システム118、及び、読み取り/書き込み及びサーボ制御部119は、磁気テープ105上のサーボ信号を採用して、読み取り/書き込みヘッド・システムの位置を求め、別の実施例においては、読み取り/書き込み及びサーボ制御部119は、タコメータなどを用いてリールの少なくとも1つを採用して、磁気テープ105に対する読み取り/書き込み及びサーボ・ヘッド・システムの位置を求める。読み取り/書き込みヘッド・システム118、及び、読み取り/書き込み及びサーボ制御部119は、ハードウェア要素を含むことができ、ソフトウェア、マイクロコード、又はファームウェアにより動作するプロセッサを含むいずれかの好適なロジックの形態を含むか、ハードウェア・ロジックを含むか、又はこれらの組み合わせを含んでもよい。
【0026】
制御システム124は、メモリ・インターフェース117と通信し、例えば読み取り/書き込み及びサーボ制御部119において、読み取り/書き込みシステムと通信する。制御システム124は、ソフトウェア、マイクロコード、又はファームウェアにより動作するプロセッサを含むいずれかの好適なロジックの形態を含むか、ハードウェア・ロジックを含むか、又はこれらの組み合わせを含んでもよい。
【0027】
データ・ストレージ・メディア及び関連するドライブの図示される代替的な実施形態は、当業者に知られている。
【0028】
制御システム124は、典型的には、1つ又は複数のホスト・システム125と通信し、ホストにおいて発生するコマンドに従って、データ・ストレージ・ドライブ115を動作させる。或いは、データ・ストレージ・ドライブ115は、ライブラリといったサブシステムの一部を形成することができ、さらに、サブシステムからコマンドを受信し、これに応答することができる。
【0029】
図示のように、データ・ストレージ・ドライブ115は、磁気テープ・カートリッジ100のカートリッジ・メモリ104A、104B、104C、104D及び104Eに情報を与え、磁気テープ・カートリッジ100の磁気テープ105にデータを与える。
【0030】
図5を参照すると、磁気テープ105又はその他のデータ・ストレージ・メディアは、多くの方法で編成することができる。典型的には、磁気テープは、平行なトラックに配置され、さらに、平行なトラックのグループの幾つかの平行な蛇行するラップに配置することができる。1つの実施例においては、磁気テープは、第1方向において縦方向に移動され、ヘッド・システムは1つのラップに関するデータを読み取り及び/又は書き込み、反対方向に移動するように逆にされて、ヘッド・システムは別のラップに移る。
【0031】
図5においては、説明目的のために、情報が単一のラップとして配列されて示されている。データ・ストレージ・メディアは、データを記憶するための高レベルの容量を含むことができ、127A、127B、127Cなどの複数のパーティションに分割することができる。パーティションの各々は、磁気テープに沿って又はデータ・ストレージ・メディア内で論理的に編成されてもよいし、又は平行トラックのグループ群といった物理的に別個の領域にあってもよい。
【0032】
磁気テープに記録されたデータは、典型的には、「データ・セット」又は同様のデータ配列の形態である。1つのパーティションは、例えば、数百、数千のデータ・セットを含むことができる。磁気テープ105の前端部又はその近くの領域を与えることができ、当業者に知られるように「テープ開始点」(BOT)と呼ばれる。単一リール磁気テープ・カートリッジにおいては、これは、図3に示す磁気テープ・ドライブ115の巻き取りリール116に搭載された磁気テープ(リーダー・ブロック)の前端部近くの1つ又は複数のラップ領域である。二重リール磁気テープ・カートリッジにおいては、一方のリールと他方のリールとの間のほぼ中間である中央近くの磁気テープ領域が、典型的には、BOTと指定され、1つ又は複数のラップを含むことができる。このような二重リール磁気テープ・カートリッジは、さらに、中間点読み取りテープとも呼ばれる。このBOT領域は、典型的には、索引といった磁気テープについての情報が保持される場所であり、図5のパーティション127A、127B、127Cなどの位置及びこれらのパーティションについてのその他の情報の表示を含むことができる。
【0033】
図4を参照すると、カートリッジ・メモリ104A、104B、104C、104D及び104Eの実施形態104は、データ・ストレージ・カートリッジの外部で通信するように構成された通信インターフェース126と、情報を記憶し、通信インターフェースに情報を通信するように構成されたメモリ・システム130とを含む。
【0034】
カートリッジ通信インターフェース126は、データ・ストレージ・カートリッジ100がデータ・ストレージ・ドライブ115に取り付けられた時に、データ・ストレージ・ドライブのインターフェース117から電力及びデータを受け取り、該インターフェースにデータを送信する無線インターフェース又はトランスポンダを含むことができる。例えば、無線インターフェース126は、RF無線インターフェースである。実施例が米国特許番号第4,941,201号において説明されている。高周波誘導無線インターフェースをさらに採用することができ、これは、磁気ストレージ・メディア105が信号によって悪影響を及ぼされることのないくらい十分に高い周波数のものである。実施例が、米国特許番号第4,650,981号、米国特許番号第4,758,836号及び米国特許番号第3,859,624号において説明されている。或いは、無線インターフェースのための誘導アンテナは、磁気テープ105から遮蔽されている。
【0035】
アンテナ135は、データ・ストレージ・ドライブのRFインターフェースからRF信号を受信し、カプラー136は、受信した信号を、電力変換回路140及びデータ復調器142に供給する。電力変換回路140は、受信した信号を電流に変換して、メモリ・システム130、データ復調器142、及びデータ変調器145を含む、電力を必要とするデータ・ストレージ・カートリッジ内のデバイスの全てに、ライン144上で電流を供給する。アンテナ135から受信した信号はエンコードすることができ、データ復調器142はカプラー136から入ってくるコード化信号を受信し、その信号を復調して、メモリ・システム130にデータ信号を供給する。メモリ・システム130からのデータ信号は、データ変調器145に与えられて、該データ変調器は、カプラー136及びアンテナ135によるデータ・ストレージ・ドライブのRFインターフェースへの伝送のために信号をエンコードする。
【0036】
メモリ・システム130は、例えば、携帯型コンピュータのような低電力環境で動作するようにされたロジック又はインテル・ペンティアム(登録商標)・チップといったマイクロプロセッサ・チップのようなメモリ・プロセッサ137と、同様に低電力環境で動作するようにされた関連の不揮発性メモリ131とを含むことができる。
【0037】
プロセッサは、好適なセキュリティ及び暗号化/暗号化解除アルゴリズムと、メモリ131にアクセスし、これを動作させるためのロジックとを含むコンピュータ可読プログラム・コードを組み込むことができる。メモリ131は、当業者に知られるように、不揮発性ストレージを含むことができる。不揮発性ストレージは、ロジック又はマイクロプロセッサ137に取り付けられた別個のチップを含んでもよいし、又は、同じチップの一部を含んでもよい。コンピュータ可読プログラム・コードは、プロセッサ137の不揮発性内部メモリ内に記憶されてもよいし、又は、不揮発性メモリ131内に記憶され、プロセッサ137にロードされてもよい。或いは、カートリッジ・メモリ104は、データ・ストレージ・ドライブの制御部若しくはプロセッサ又は関連するホスト・システムによってアクセスされる不揮発性メモリ131により動作されることができる。
【0038】
図6を参照すると、図1、図2、図3及び図4の磁気テープ・カートリッジ100のカートリッジ・メモリ104の内容の例が示されている。カートリッジ・メモリ104及びその内容の1つの実施例が、非特許文献1に説明されている。1つの実施例として、カートリッジ・メモリ104は、情報が「ページ」に編成された種々のサイズの領域に配置される。カートリッジ・メモリ104は、当業者に知られるように、「スマート・カード」において用いられるメモリ及びトランスポンダと同様なものとすることができる。当業者であれば、カートリッジ・メモリの付加的な種類を認識できるであろう。
【0039】
メモリ・システム130のメモリ131は、図6に示すように、ヘッダ150と、種々の情報領域151、152とを含むようにフォーマットすることができる。ヘッダ150は、情報領域について、及び情報の用途についての情報を組み込み、かつ特定の識別及びセキュリティ情報を組み込むことができる。
【0040】
本発明の1つの実施形態によれば、メモリ・システム130は、データ・ストレージ・メディアの複数のパーティション127A、127B、127Cなどの少なくとも1つとの関連付けを可能にするようにフォーマットされる。例えば、カートリッジ・メモリ104Cのメモリ・システムの情報領域151は、図5のパーティション127Cと関連付けることができる。
【0041】
このように、図1、図2、図3及び図4の磁気テープ・カートリッジ100の各々のカートリッジ・メモリ104A、104B、104C、104D及び104Eは、図5のデータ・ストレージ・メディアの異なるパーティション127A、127B、127Cなどと関連付けることができる。この関連付けは、関連するパーティションのデータに関する情報がストレージ領域内に含まれていることを意味する。さらに、関連付けは、データのセキュリティ及び取り扱いを含む、データ・ストレージ・ドライブ又はホストによるパーティションの管理を可能にするストレージ領域内に含まれる情報を含むことができる。
【0042】
さらに、各々の論理的なパーティションは、それ自体の物理的オーナー、例えば、データ・ストレージ・ドライブ又はホストのユーザを有することができる。このように、物理的データ・ストレージ・メディア又はカートリッジの複数のオーナーが存在し、各々のオーナーは、別個のカートリッジ・メモリ104A、104B、104C、104D及び104Eの情報の組み込みを管理する。
【0043】
複数のパーティションを提供する複数のカートリッジ・メモリを用いると、テープ・カートリッジに対するアクセスが仮想化され、カートリッジは、データ・ストレージ・デバイスが取り付けられるストレージ・エリア・ネットワーク(SAN)とインターフェースできるようになる。
【0044】
さらに別の実施形態においては、カートリッジ・メモリ104A、104B、104C、104D及び104Eの各々は、別個にアドレス指定可能である。
【0045】
1つの実施形態においては、カートリッジ・メモリの各々の通信インターフェースは、異なる周波数で動作する無線周波インターフェースを含む。例えば、図4の通信インターフェース126は、誘導アンテナ・ループ及びコンデンサを含む回路135を含み、コンデンサは異なる周波数を与えるように、異なる静電容量を有している。異なる周波数は、或いは、全ての周波数における通信により、カートリッジ・メモリの1つより多いメモリ又はそのすべてに対する同時アクセスを可能にし、又は、特定の周波数において、1つのカートリッジ・メモリだけに対するアクセスを可能にする。
【0046】
或いは、カートリッジ・メモリの各々の通信インターフェース126は、別個にアドレス指定可能なデジタル・インターフェースを含む。例えば、各々のカートリッジ・メモリは、それ自体の固有の識別子を有することができる。(カートリッジ・メモリとの間で書き込み及び読み取りを行うための)入力/出力(I/O)コマンドに埋め込まれる識別子を必要とすることにより、個々のカートリッジ・メモリの読み取り及びこれに対する書き込みが実現される。
【0047】
さらに別の実施形態においては、カートリッジ・メモリの各々は、メモリ・システムに対する読み取り及び/又は書き込みアクセスを取得するための別個のパスワードの備えを含む。パスワードは、図6の不揮発性メモリ131のヘッダ150内に記憶することができる。「パスワード」という用語は、カートリッジ・メモリ及び/又は関連するパーティションの情報に対するユーザ・アクセスを可能にするためのいずれかの好適な認証アルゴリズムを指すことが意図される。
【0048】
さらに別の実施形態においては、カートリッジ・メモリの各々のメモリ・システムは、データ・ストレージ・メディアの複数のパーティション127A、127B、127Cなどのサブセットとの関連付けを可能にするように情報をフォーマットするように構成される。例えば、カートリッジ・メモリ104Cのメモリ・システムの情報領域151は、図5のパーティション127B及び127Cと関連付けられることができる。
【0049】
さらに別の実施形態においては、カートリッジ・メモリの少なくとも1つのメモリ・システムは、情報をフォーマットして、別のカートリッジ・メモリの情報の少なくとも一部との間で冗長性を可能にするように構成される。例えば、カートリッジ・メモリ104Cのメモリ・システムの情報領域151は、パーティション127Bと関連付けられることができ、情報領域152は、カートリッジ・メモリ104Bの情報領域の少なくとも一部又はヘッダの少なくとも一部を複製することができる。さらに、フェールオーバー情報をヘッダ150又は情報領域151に与えて、カートリッジ・メモリの1つの障害が別のカートリッジ・メモリにおける冗長情報にフェールオーバーを生じさせ、従って、カートリッジの障害は生じさせないようにすることができる。プロセッサ137は、フェールオーバーをユーザに意識させるのに必要なアルゴリズムを有することができ、及び/又は、ユーザ又は管理者にエラー・フラグ又はメッセージを与えることができる。
【0050】
図1を参照すると、本発明の実施形態によれば、カートリッジ・メモリ104A、104B、104C、104D及び104Eの各々が、通信インターフェースが図3のデータ・ストレージ・ドライブ115のインターフェース117により、データ・ストレージ・カートリッジ100の外部で同時にアクセス可能になるように位置決めされたコンテナ101により支持される。図4を参照すると、1つの実施形態においては、カートリッジ・メモリは、同時アクセスを可能にするためにカートリッジの各々のアンテナ135が同様な方向に方位付けられるようにコンテナにより支持される。実施例においては、カートリッジ・メモリの各々は、データ・ストレージ・ドライブ又は自動データ・ストレージ・ライブラリのピッカーのいずれかが、カートリッジに対して相対的に異なる角度のカートリッジ・メモリの全てに対して同時にアクセスできるように、図1のコンテナ100の底部及び側部に対してほぼ45度の角度に向けられる。
【0051】
本発明の好ましい実施形態が詳細に説明されたが、当業者であれば、特許請求の範囲において述べられる本発明の範囲から逸脱することなく、これらの実施形態に変更及び調整が想起され得ることが明らかである。
【図面の簡単な説明】
【0052】
【図1】コンテナの上部が除去された、本発明の実施形態による複数のカートリッジ・メモリを有するデータ・ストレージ・カートリッジの等角図である。
【図2】磁気テープ・データ・ストレージ・メディアをもつ図1のデータ・ストレージ・カートリッジの概略図である。
【図3】データ・ストレージ・カートリッジ及びデータ・ストレージ・ドライブの概略図である。
【図4】図1のカートリッジ・メモリの実施形態の概略図である。
【図5】パーティション化されたデータ・ストレージ・メディアの概略図である。
【図6】図4のカートリッジ・メモリのメモリ・システムのフォーマットの実施形態の概略図である。
【符号の説明】
【0053】
100:データ・ストレージ・カートリッジ
101:コンテナ
104:カートリッジ・メモリ
105:データ・ストレージ・メディア

【特許請求の範囲】
【請求項1】
データ・ストレージ・カートリッジであって、
読み取り及び/又は書き込みアクセスのためのデータを記憶するように構成されたデータ・ストレージ・メディアであって、前記データを複数のパーティションに配列することができる、データ・ストレージ・メディアと、
前記データ・ストレージ・カートリッジの外部で通信するように構成された通信インターフェース、及び、
情報を記憶し、前記情報を前記通信インターフェースに通信するように構成されたメモリ・システムであって、前記情報が、前記データ・ストレージ・メディアの前記複数のパーティションの少なくとも1つとの関連付けを可能にするようにフォーマットされた、メモリ・システム、
を各々が含む複数のカートリッジ・メモリと、
を含むデータ・ストレージ・カートリッジ。
【請求項2】
前記カートリッジ・メモリの各々が、別個にアドレス指定可能である、請求項1に記載のデータ・ストレージ・カートリッジ。
【請求項3】
前記カートリッジ・メモリの各々が、前記メモリ・システムに対する読み取り及び/又は書き込みアクセスを取得するための別個のパスワードのための備えを含む、請求項2に記載のデータ・ストレージ・カートリッジ。
【請求項4】
前記カートリッジ・メモリの各々の前記メモリ・システムが、前記データ・ストレージ・メディアの前記パーティションのサブセットとの関連付けを可能にするように前記情報をフォーマットするように構成される、請求項1に記載のデータ・ストレージ・カートリッジ。
【請求項5】
前記カートリッジ・メモリの少なくとも1つの前記メモリ・システムが、前記情報をフォーマットして、別の前記カートリッジ・メモリの前記情報の少なくとも一部との間で冗長性を可能にするように構成される、請求項1に記載のデータ・ストレージ・カートリッジ。
【請求項6】
データ・ストレージ・カートリッジであって、
コンテナと、
前記コンテナによって支持され、読み取り及び/又は書き込みアクセスのためのデータを記憶するように構成されたデータ・ストレージ・メディアであって、前記データを複数のパーティションに配列することができる、データ・ストレージ・メディアと、
前記データ・ストレージ・カートリッジの外部で通信するように構成された通信インターフェース、及び、
情報を記憶し、前記情報を前記通信インターフェースに通信するように構成されたメモリ・システムであって、前記情報が、前記データ・ストレージ・メディアの前記複数のパーティションの少なくとも1つとの関連付けを可能にするようにフォーマットされた、メモリ・システム、
を各々が含み、
各々が、前記通信インターフェースが前記データ・ストレージ・カートリッジの外部で同時にアクセス可能になるように位置決めされた前記コンテナによって支持される、
複数のカートリッジ・メモリと、
を含むデータ・ストレージ・カートリッジ。
【請求項7】
前記通信インターフェースがアンテナを含み、前記複数のカートリッジ・メモリの各々は、前記同時アクセスを可能にするために前記アンテナが同様な方向に方位付けられるように前記コンテナによって支持された、請求項6に記載のデータ・ストレージ・カートリッジ。
【請求項8】
前記カートリッジ・メモリの各々の前記通信インターフェースが、異なる周波数において動作する無線周波インターフェースを含む、請求項7に記載のデータ・ストレージ・カートリッジ。
【請求項9】
前記通信インターフェースが、誘導アンテナループ及びコンデンサを含む回路を含み、前記コンデンサが、前記異なる周波数を与えるように異なる静電容量を有する、請求項8に記載のデータ・ストレージ・カートリッジ。
【請求項10】
前記カートリッジ・メモリの各々の前記通信インターフェースが、別個にアドレス指定可能なデジタル・インターフェースを含む、請求項7に記載のデータ・ストレージ・カートリッジ。
【請求項11】
データ・ストレージ・カートリッジであって、
読み取り及び/又は書き込みアクセスのためのデータを記憶するように構成されたデータ・ストレージ・メディアと、
前記データ・ストレージ・カートリッジの外部で通信するように構成された通信インターフェース、及び、
情報を記憶し、前記情報を前記通信インターフェースに通信するように構成されたメモリ・システム、
を各々が含む複数のカートリッジ・メモリと、
を含むデータ・ストレージ・カートリッジ。
【請求項12】
前記カートリッジ・メモリの各々の前記通信インターフェースが、異なる周波数において動作する無線周波インターフェースを含む、請求項11に記載のデータ・ストレージ・カートリッジ。
【請求項13】
前記通信インターフェースが、誘導アンテナループ及びコンデンサを含む回路を含み、前記コンデンサが、前記異なる周波数を与えるように異なる静電容量を有する、請求項12に記載のデータ・ストレージ・カートリッジ。
【請求項14】
前記カートリッジ・メモリの各々の前記通信インターフェースが、別個にアドレス指定可能なデジタル・インターフェースを含む、請求項11に記載のデータ・ストレージ・カートリッジ。
【請求項15】
前記通信インターフェースがアンテナを含み、前記複数のカートリッジ・メモリの各々は、同時アクセスを可能にするために前記アンテナが同様の方向に方位付けられるように向けられた、請求項11に記載のデータ・ストレージ・カートリッジ。
【請求項16】
データ・ストレージ・カートリッジであって、
データ・ストレージ・メディアによって記憶されたデータに対する読み取り及び/又は書き込みアクセスのために、前記データ・ストレージ・メディアを支持するように構成されたコンテナと、
前記データ・ストレージ・カートリッジの外部で通信するように構成された通信インターフェース、及び、
情報を記憶し、前記情報を前記通信インターフェースに通信するように構成されたメモリ・システムであって、前記情報が、前記データ・ストレージ・メディアの前記データの複数のパーティションの少なくとも1つとの関連付けを可能にするようにフォーマットされた、メモリ・システム、
を各々が含み、
各々が、前記通信インターフェースが前記データ・ストレージ・カートリッジの外部で同時にアクセス可能になるように位置決めされた前記コンテナによって支持される、
複数のカートリッジ・メモリと、
を含むデータ・ストレージ・カートリッジ。
【請求項17】
前記通信インターフェースがアンテナを含み、前記複数のカートリッジ・メモリの各々は、前記同時アクセスを可能にするために前記アンテナが同様の方向に方位付けられるように前記コンテナによって支持された、請求項16に記載のデータ・ストレージ・カートリッジ。
【請求項18】
前記カートリッジ・メモリの各々の前記通信インターフェースが、異なる周波数において動作する無線周波インターフェースを含む、請求項17に記載のデータ・ストレージ・カートリッジ。
【請求項19】
前記通信インターフェースが、誘導アンテナループ及びコンデンサを含む回路を含み、前記コンデンサが、前記異なる周波数を与えるように異なる静電容量を有する、請求項18に記載のデータ・ストレージ・カートリッジ。
【請求項20】
前記カートリッジ・メモリの各々の前記通信インターフェースが、個々にアドレス指定可能なデジタル・インターフェースを含む、請求項17に記載のデータ・ストレージ・カートリッジ。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate


【公開番号】特開2007−242218(P2007−242218A)
【公開日】平成19年9月20日(2007.9.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−51435(P2007−51435)
【出願日】平成19年3月1日(2007.3.1)
【出願人】(390009531)インターナショナル・ビジネス・マシーンズ・コーポレーション (4,084)
【氏名又は名称原語表記】INTERNATIONAL BUSINESS MASCHINES CORPORATION
【Fターム(参考)】