説明

複数のディスプレイ構成を有する携帯型コンピュータ

(携帯型コンピュータが従来のラップトップ外観を有する)ラップトップモード、および、コンピュータのベース部およびそのディスプレイコンポーネントが、縦に立ち、反転「V」を形成するイーゼルモードを含む複数のディスプレイモード間で構成可能な携帯型コンピュータ。携帯型コンピュータは、ディスプレイコンポーネントをコンピュータのベース部に結合させ、かつ、閉鎖モードと、ラップトップモードと、イーゼルモードとの間で携帯型コンピュータを構成するために、ディスプレイコンポーネントとベース部との間のインタフェースに沿う軸を中心にディスプレイコンポーネントが回転することを可能にするヒンジ組立体を含む。携帯型コンピュータは、さらに、携帯型コンピュータの動作の種々の態様(音量または表示輝度など)および/またはコンピュータ上に表示されるコンテンツを、ユーザが制御するかまたは操作することを可能にするスクロールホイ−ルおよびオプションのナビゲーションボタンを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般に、携帯型コンピュータに関し、より詳細には、異なる機能モードおよび位置モードに構成可能な携帯型コンピュータに関する。
【背景技術】
【0002】
ラップトップコンピュータまたはノートブックコンピュータなどの携帯型コンピュータは、家庭および職場において益々一般的にかつユビキタスになってきた。従来の携帯型コンピュータは、最も一般的に、「クラムシェル(clam−shell)」構成を有し、ベース部は、キーボード、種々のポート、(たとえば、電力および周辺デバイス接続のための)コネクタおよび/または入力、および大部分の電気コンポーネント(たとえば、中央処理ユニットおよびメモリ)を含み、ディスプレイコンポーネントは、ヒンジによってベース部に旋回式に結合されている。ディスプレイコンポーネントは、ディスプレイスクリーンがキーボードに隣接して配置された状態の閉鎖位置と、ディスプレイスクリーンが所望の観察角度に傾斜した状態の開放位置との間で、ヒンジの周りに移動可能である。
【0003】
一部の携帯型コンピュータは、キーボードまたはマウスなどの従来のツールによるのに加えて、タッチスクリーンによってユーザ入力を受入れることができる。入力データに対するタッチスクリーンの使用は、コンピュータが紙のタブレットと同様な方法で使用されるため、「タブレットモード(tablet mode)」で動作していると呼ばれることがある。米国特許第6,771,494号は、キーボードを介してユーザ入力を受信する通常のラップトップコンピュータとして(「ラップトップモード(laptop mode)」)、または、タッチスクリーンを介してユーザ入力を受信するタブレットコンピュータとして動作することが可能なハイブリッドタブレットタイプ携帯型コンピュータを開示している。’494号特許は、さらに、コンピュータのディスプレイコンポーネントが、ヒンジによってコンピュータのベース部に取り付けられ、ヒンジによって、ディスプレイコンポーネントが、(ラップトップモードのために)ベース部に対して傾斜し、また、コンピュータをタブレットモードになるように構成するために、ベース部に接するように回転し、折り曲げることが可能になる。
【0004】
可動ディスプレイを有する携帯型コンピュータの別の変形は、米国特許第6,266,236号に開示されている。’236号特許は、ベース部、ディスプレイ部材、およびディスプレイ部材をベース部に結合する腕組立体を含むコンピュータを開示している。’236号特許によれば、腕組立体は、ノートブックモード構成、タブレットモード構成、プレゼンテーションモード構成、および閉鎖モードを含む複数の位置間でのディスプレイ部材に旋回運動を可能にする。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の態様および実施形態は、(携帯型コンピュータが従来のラップトップ外観を有する)ラップトップモードと、以下でさらに説明するように、コンピュータのベース部およびそのディスプレイコンポーネントが、直立し、反転「V」を形成するイーゼルモードとの間で構成可能な携帯型コンピュータを対象とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
ディスプレイコンポーネントは、ベース部とディスプレイコンポーネントとの間のインタフェースに沿って延びる軸を中心にディスプレイコンポーネントが回転するかまたは傾斜することを可能にするヒンジによって、携帯型コンピュータのベース部に旋回式に結合される。先の米国特許第6,266,236号および米国特許第6,771,494号に説明されるコンピュータと違って、本発明の実施形態による携帯型コンピュータは、異なるモードに構成されるために、腕組立体も、複数の異なるヒンジ組立体も必要としない。さらに、本発明の実施形態による携帯型コンピュータは、以下で説明するように、異なるディスプレイモードおよび異なる構成における異なる機能が可能である。
【0007】
さらなる態様および実施形態は、携帯型コンピュータの種々の特徴および機能をユーザが制御することを可能にするように構成されうる埋め込み型スクロールホイールを有する携帯型コンピュータを対象とする。たとえば、以下でさらに説明するように、スクロールホイールは、携帯型コンピュータのディスプレイ上に表示される情報間をナビゲートするため、かつ/または、携帯型コンピュータの動作モードを変更するため、かつ/または、音量、ディスプレイ輝度などのような特徴を制御するために使用されうる。
【0008】
一実施形態によれば、携帯型コンピュータは、閉鎖モード、ラップトップモード、イーゼルモード、フラットモード、およびフレームモードを含む種々のモード間で構成可能である。携帯型コンピュータは、ディスプレイスクリーンを含むディスプレイコンポーネントと、ベース部と、ベース部内に少なくとも部分的に収容され、かつ、ディスプレイコンポーネントをベース部に旋回式に結合するように構成されたヒンジ組立体とを備えてもよい。ディスプレイコンポーネントは、ベース部とディスプレイコンポーネントとの間のインタフェースに沿って延びる長手方向軸を中心に回転可能であってよい。閉鎖モードでは、ディスプレイスクリーンは、ベース部に実質的に接して配設されてもよく、ディスプレイコンポーネントを、閉鎖モードから長手方向軸を中心に約180度まで回転させることは、携帯型コンピュータをラップトップモードになるように構成してもよい。ディスプレイコンポーネントを、閉鎖モードから長手方向軸を中心に約180度を超えて回転させることは、携帯型コンピュータをイーゼルモードになるように構成してもよい。
【0009】
携帯型コンピュータの一例では、ディスプレイコンポーネントは、閉鎖モードから長手方向軸を中心に約320度まで回転可能である。別の例では、携帯型コンピュータは、長手方向軸に対する複数の向きのうちの1つの向きでディスプレイスクリーン上にコンテンツを表示するディスプレイ向き制御モジュールを備える。表示されるコンテンツの向きは、携帯型コンピュータの目下のディスプレイモードに依存してもよく、または、ユーザ入力に応じて構成可能であってもよい。携帯型コンピュータは、さらに、携帯型コンピュータの目下のディスプレイモードを検出するモードセンサを備えてもよく、ディスプレイ向き制御モジュールは、モードセンサによって検出された目下のディスプレイモードに依存した向きでディスプレイスクリーン上にコンテンツを表示してもよい。使用されるヒンジ組立体に応じて、長手方向軸は、複数の平行軸を含んでもよく、ヒンジ組立体は、複数のディスプレイモード間で携帯型コンピュータを構成するために、複数の平行軸の任意の平行軸を中心にディスプレイコンポーネントの回転を可能にするように構成されてもよい。
【0010】
別の実施形態は、ベース部と、ベース部に回転式に結合したディスプレイコンポーネントと、ラップトップモードとイーゼルモードとの間で携帯型コンピュータを構成するために、ベース部に対し単一方向にディスプレイコンポーネントを回転させる手段とを備える携帯型コンピュータを対象とする。
【0011】
ラップトップモードおよびイーゼルモードを含む複数のモード間で構成可能な携帯型コンピュータの別の実施形態では、携帯型コンピュータは、ディスプレイコンポーネント、ベース部、ディスプレイコンポーネントをベース部に回転式に結合するように構成されたヒンジ組立体を備える。ヒンジ組立体は、ラップトップモードとイーゼルモードとの間で携帯型コンピュータを構成するために、単一軸を中心にディスプレイコンポーネントの回転を可能にするように構成されてもよい。一例では、単一軸は、ディスプレイコンポーネントとベース部との間のインタフェースに沿って延びる長手方向軸である。携帯型コンピュータは、さらに、長手方向軸の周りに少なくとも部分的に配設されたスクロールホイールを備えてもよい。一例では、ディスプレイコンポーネントは、ディスプレイスクリーンを備え、スクロールホイールは、ディスプレイスクリーン上に表示されるコンテンツをユーザが操作することを可能にするように構成される。
【0012】
別の実施形態は、携帯型コンピュータ上に表示されるコンテンツを自動的に向き制御する方法を対象とする。方法は、携帯型コンピュータのディスプレイコンポーネントを、携帯型コンピュータのディスプレイコンポーネントとベース部との間のインタフェースに沿って延びる長手方向軸を中心に回転させること、ベース部に対するディスプレイコンポーネントの回転の程度を検出すること、ディスプレイコンポーネントの回転の程度を表す信号を提供すること、および、信号に応じて、携帯型コンピュータ上に表示されるコンテンツの、長手方向軸に対する向きを自動的に構成することを含む。
【0013】
別の実施形態によれば、携帯型コンピュータは、ベースユニットと、コンテンツを表示するように構成されたディスプレイスクリーンを含むディスプレイユニットと、ベースユニットに対するディスプレイユニットの向きを検出する向きセンサと、向きセンサによって検出された向きに応じて、ディスプレイスクリーン上に表示されるコンテンツを向き制御するディスプレイ向き制御モジュールとを備える。
【0014】
携帯型コンピュータの別の実施形態は、ベース部と、ディスプレイコンポーネントであって、ベース部に回転式に結合され、それにより、ディスプレイコンポーネントおよびベース部が、ディスプレイコンポーネントとベース部との間のインタフェースに沿って延びる長手方向軸を中心に互いに対して回転可能であり、ディスプレイスクリーンを含む、ディスプレイコンポーネントと、ベース部内に少なくとも部分的に配設され、かつ、長手方向軸を中心に回転可能なスクロールホイールであって、携帯型コンピュータの動作パラメータおよびディスプレイスクリーン上に表示されるコンテンツの少なくとも一方をユーザが制御することを可能にするように構成される、スクロールホイールとを備える。一例では、スクロールホイールは、携帯型コンピュータによって生成される音量をユーザが調整することを可能にするように構成される。別の例では、スクリーンは、コンテンツの複数のモードの少なくとも1つを表示するように構成され、スクロールホイールは、携帯型コンピュータによって表示するためにコンテンツのモードをユーザが選択することを可能にするように構成される。携帯型コンピュータは、さらに、携帯型コンピュータおよび表示されるコンテンツの態様を制御するために、スクロールホイールと共に使用されてもよい1つまたは複数のナビゲーションボタンを備えてもよい。
【0015】
別の実施形態によれば、携帯型コンピュータは、ラップトップモードとイーゼルモードを含む複数のディスプレイモード間で構成可能であり、携帯型コンピュータは、ベース部と、ベース部に回転式に結合され、かつ、コンテンツを表示するスクリーンを含むディスプレイコンポーネントと、複数のディスプレイモードのそれぞれにおいてアクセス可能でかつ、携帯型コンピュータの動作パラメータおよびスクリーン上に表示されるコンテンツの少なくとも一方をユーザが制御することを可能にするように構成されたスクロールホイールとを備える。一例では、スクロールホイールは、ベース部に対するディスプレイコンポーネントの回転軸の回りに少なくとも部分的に配設される。
【0016】
別の実施形態では、携帯型コンピュータは、ベース部と、コンテンツを表示するように構成されたスクリーンを含むディスプレイコンポーネントと、ディスプレイコンポーネントをベース部に回転式に結合し、ディスプレイコンポーネントとベース部との間のインタフェースに沿って延びる長手方向軸を中心にディスプレイコンポーネントの回転を可能にするように構成されたヒンジ組立体と、長手方向軸の周りに少なくとも部分的に配設されたスクロールホイールとを備える。
【0017】
なお他の態様、実施形態、ならびに、本例示的態様および実施形態の利点は、以下で詳細に説明される。さらに、先の情報および以下の詳細な説明は、種々の態様および実施形態の例証的な実施例に過ぎず、特許請求される態様および実施形態の特質および性格を理解するための概要または枠組みを提供することを意図することが理解される。本明細書に開示される任意の実施形態は、本明細書で開示される対象物、目的、および必要性と一貫性がある方法で、任意の他の実施形態と組合されてもよく、また、「ある実施形態(an embodiment)」、「一部の実施形態(some embodiments)」、「代替の実施形態(an alternate embodiment)」、「種々の実施形態(various embodiments)」、「一実施形態(one embodiment)」などへの言及は、必ずしも互いに排他的でなく、実施形態に関連して述べられる特定の特徴、構造、または特性が、少なくとも1つの実施形態に含まれてもよいことを示すことが意図される。本明細書におけるこうした用語の出現は、必ずしも全てが同じ実施形態を参照しているわけではない。添付図面は、種々の態様および実施形態の例証およびさらなる理解を提供するために含まれ、本仕様の一部に組み込まれるか、または、それを構成する。図面は、仕様の残りの部分と共に、述べられ請求される態様および実施形態の原理および動作を説明するのに役立つ。
【0018】
少なくとも1つの実施形態の種々の態様は、一定の比率の縮尺で描かれることを意図されない添付図を参照して以下で説明される。図、詳細な説明、または任意の特許請求項の技術的特徴が参照符合を伴う場合、参照符合は、図、詳細な説明、および特許請求項の理解可能性を高めるだけのために含まれた。したがって、参照符合が有ることも参照符合が無いことも、任意の特許請求要素の範囲に制限的な影響を及ぼすことを意図しない。図では、種々の図に示される同一のまたはほぼ同一の各コンポーネントは、同じ数字で示される。明確にするための、全てのコンポーネントが、全ての図において表示されない可能性がある。図は、例証および説明のために提供され、本発明の制限の規定として意図されない。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】「ラップトップ」構成の、本発明の態様による、携帯型コンピュータの一実施例の図である。
【図2】閉鎖位置の図1の携帯型コンピュータの図である。
【図3】図1の携帯型コンピュータの底部の外側の平面図である。
【図4】イーゼルモードの、図1の携帯型コンピュータの斜視図である。
【図5】イーゼルモードの調整可能な角度を示す、図4の携帯型コンピュータの側面図である。
【図6A】イーゼルモードの、図4の携帯型コンピュータの異なる位置を示す図である。
【図6B】イーゼルモードの、図4の携帯型コンピュータの異なる位置を示す図である。
【図6C】イーゼルモードの、図4の携帯型コンピュータの異なる位置を示す図である。
【図7A】本発明の態様によるヒンジ組立体を示す、ラップトップモードの図1の携帯型コンピュータの一部分の図である。
【図7B】本発明の態様によるヒンジ組立体を示す、イーゼルモードの図1の携帯型コンピュータの一部分の図である。
【図8】図7Aおよび7Bのヒンジ組立体の一実施例の図である。
【図9】図8のライン9−9に沿って切取った図8のヒンジ組立体の一部分の断面図である。
【図10】図8のヒンジ組立体の分解図である。
【図11】本発明の態様による、携帯型コンピュータユーザインタフェースアーキテクチャの一実施例のブロック図である。
【図12】本発明の態様による、グラフィカルユーザインタフェースの一実施例を示すスクリーンショットである。
【図13】本発明の態様による、グラフィカルユーザインタフェースの別の実施例を示すスクリーンショットである。
【図14】本発明の態様による、イーゼルモードの携帯型コンピュータ上のスクロールホイールを調整するユーザの図である。
【図15】本発明の態様による、携帯型コンピュータ上のスクロールホイールを押すユーザの図である。
【図16】本発明の態様による、携帯型コンピュータ上のナビゲーションボタンを押すユーザの図である。
【図17】本発明の態様による、ラップトップモードの携帯型コンピュータの実施例の図である。
【図18】本発明の態様による、無線信号インジケータ特徴を示す携帯型コンピュータの一部分の図である。
【図19】本発明の態様による、閉鎖位置の携帯型コンピュータの一部分の図である。
【図20】本発明の態様による、電力アダプタの一実施例の平面図である。
【図21】図20の電力アダプタの側面図である。
【図22A】本発明の態様による、コードスプールの周りに巻かれた電力コードを示す、図20の電力アダプタの別の側面図である。
【図22B】図22Aの電力アダプタの平面図である。
【図23】本発明の態様による、ドッキングステーションに結合した携帯型コンピュータの図である。
【図24】本発明の態様による、ドッキングコネクタの一実施例を示す携帯型コンピュータの図である。
【図25】本発明の態様による、コンピュータフレームに結合したヒンジ組立体の図である。
【図26】本発明の態様による、「フレーム」モードに構成された携帯型コンピュータの図である。
【図27】本発明の態様による、「フラット」モードに構成された携帯型コンピュータの図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
態様および実施形態は、(携帯型コンピュータが従来のラップトップ外観を有する)ラップトップモード、フラットモード、フレームモード、および、以下でさらに説明するように、コンピュータのベース部およびそのディスプレイコンポーネントが、縦に立ち、反転「V」を形成するイーゼルモードを含む種々のモード間で構成可能である携帯型コンピュータを対象とする。携帯型コンピュータは、異なるモードにおいて異なる表示フォーマットおよび機能が可能であり、統一された快適でホリスティックなユーザ経験を提供するために、コンピュータハードウェアとシームレスに働く可能性があるグラフィカルユーザインタフェースを含む。特に、携帯型コンピュータは、機能の広範なアレイ、コンピューティングデバイスによって従来から提供される機能および他の受動的情報デバイスによって従来から提供される機能に対するアクセスを提供する可能性がある。たとえば、携帯型コンピュータの、グラフィカルユーザインタフェースを含むハードウェアおよびソフトウェアは、最新のコンピュータ処理能力を同様に提供しながら、オーディオおよびビデオなど(たとえば、音楽の再生、ストリーミングビデオ、写真の視聴など)の娯楽メディア、電子メール、およびインターネットに対するアクセスを提供することに的を絞る可能性がある。
【0021】
本明細書で説明される方法および装置の実施形態は、以下の説明で述べられるか、または、添付図面で示されるコンポーネントの構造および配置構成の詳細に対する適用に限定されないことが理解される。方法および装置は、他の実施形態における実施が可能であり、種々の方法で実施されるか、または、実行されることが可能である。特定の実施態様の例は、例証のために本明細書に提供され、制限的であることを意図されない。特に、任意の1つまたは複数の実施形態に関連して説明される行為、要素、および特徴は、任意の他の実施形態における類似の役割から排除されることを意図されない。同様に、本明細書で使用される表現および用語は、記述するためのものであり、制限するものとして考えられるべきでない。本明細書において単数で言及される、システムおよび方法の実施形態または要素または行為に対する任意の言及はまた、複数のこれらの要素を含む実施形態を包含してもよく、本明細書における任意の実施形態または要素または行為に対する複数での任意の言及はまた、単一要素だけを含む実施形態を包含してもよい。単数形または複数形での言及は、現在開示されているシステムまたは方法、それらのコンポーネント、行為(act)、または要素を制限することを意図されない。「含む(including)」、「備える(comprising)」、「有する(having)」、「含む(containing)」、「伴う(involving)」、およびその変形の本明細書における使用は、以降で挙げる項目およびその均等物ならびにさらなる項目を包含することを意味する。「または(or)」に対する言及は、「または(or)」を使用して述べられる任意の用語が、述べられる用語の1つ、2つ以上、および全てのうちの任意のものを示すように、包含的であるとして解釈されてもよい。
【0022】
図1を参照して、本発明の態様による携帯型コンピュータの一実施例が示される。図1では、携帯型コンピュータ100は、「ラップトップ」モードで示され、ディスプレイコンポーネント102は、ベース部104から観察角度で傾斜している。ディスプレイコンポーネント102は、ヒンジ組立体(図示せず)によってベース部104に旋回式に結合され、ヒンジ組立体は、ディスプレイコンポーネント102が、ベース部104に対して回転することを可能にする。ヒンジ組立体は、単一軸ヒンジ、複数軸ヒンジ、ギアヒンジなどを含むが、それに限定されない種々のヒンジタイプの任意のヒンジタイプであってよい単一ヒンジまたは複数ヒンジを含んでもよい。一実施例では、ヒンジ組立体は、図1に示し、以下でさらに説明するように、ディスプレイコンポーネント102とベース部104との間のインタフェースに沿って延びる長手方向軸101を中心にディスプレイコンポーネント102が回転することを可能にする。ベース部104は、キーボード106、ならびに、当業者に知られているように、携帯型コンピュータを動作させるのに必要な中央処理ユニット、メモリ、および他のコンポーネントなどの内部電子コンポーネント(図示せず)を含む。一部の実施形態では、ベース部104はまた、当業者に知られているように、ユーザコマンドを受信するためのタッチパッド108またはトラックボール(図示せず)を含んでもよい。
【0023】
依然として図1を参照して、ディスプレイコンポーネント102は、ディスプレイスクリーン110を含み、また、以下でさらに説明するように、カメラ112、マイクロフォン114、および赤外線受信機116を含んでもよい。当業者によって認識されるように、カメラ112、マイクロフォン114、および赤外線受信機116の場所は、図1に示す実施例に限定されず、また、ディスプレイコンポーネント102および/またはベース部104上の他の場所に設置されてもよいことが理解される。ディスプレイコンポーネント102はまた、携帯型コンピュータ100が閉じたときに、ベース部104とディスプレイコンポーネント102との間に軟質接触点を提供するクッション118を含んでもよい。一実施例では、クッション118はゴムで作られている。しかし、本発明は、そのように限定されず、当業者によって認識されるように、クッション118は、たとえば、ポリマー、フェルト、他の適した材料を含む、ゴム以外の材料を含んでもよいことが理解される。
【0024】
図2を参照して、閉鎖位置の図1の携帯型コンピュータ100の側面図が示される。従来のクラムシェルタイプの携帯型コンピュータの場合にそうであるように、携帯型コンピュータ100が閉じると、ディスプレイスクリーンは、ベース部104のキーボードに接して「下向きで(face down)」配設される。示す実施形態では、ベース部104は、以下でさらに説明するように、ディスプレイコンポーネント102をベース部104に旋回式に結合するヒンジ(図示せず)を収容する丸い部分120を含む。丸い部分120は、丸い形状を有することに限定されるのではなく、代わりに、使用されるヒンジのタイプに依存する可能性がある別の形状を有してもよいことが理解される。一実施形態では、携帯型コンピュータを0NおよびOFFするように構成された電力ボタン122はまた、図2に示すように、丸い部分120上に設けられてもよい。しかし、本発明は、そのように限定されず、電力ボタン122は、ベース部104上の他の所に配置されてもよいことが理解される。一実施例では、電力ボタン122は、電力ボタンが偶然に押される可能性を減少させるために、ベース部104の表面に対して少し窪んでいてもよい。
【0025】
ベース部104の底部(携帯型コンピュータ100の下側)の外面図が図3に示される。図3に見られるように、一実施形態では、ベース部104は、複数の足部124を含む。一実施例では、足部124は、ゴムで作られるが、本発明は、そのように限定されず、足部は、たとえば、ポリマーまたはフェルトなどの別の材料で作られてもよいことが理解される。ベース部の内部電子コンポーネントから熱が消散することを可能にするように、換気スリット126が、示されるベース部104とディスプレイコンポーネント102との間のインタフェースの近くか、または、所望される他の所に設けられてもよい。ベース部104はまた、1つまたは複数のスピーカ128を含む。一実施例では、ベース部104は、図3に示すように、ベース部の両側に配置された、2つのステレオスピーカ128を含む。しかし、携帯型コンピュータ100は、ベース部104上の任意の場所に設置されてもよい、それより多いかまたは少ないスピーカを備えてもよいことが理解される。スクロールホイール132は、以下でさらに説明されるように、ウェブペーシをナビゲートすること、スピーカ音量を制御すること、プログラムを選択することなどのような携帯型コンピュータ100の一定の機能をユーザが制御することを可能にするために設けられてもよい。
【0026】
一実施形態によれば、ベース部104は、図3に示すように、ディスプレイコンポーネント102とベース部104との間のインタフェースに対向するベース部104のエッジに沿って配設されたクッションストリップ130を備えてもよい。ゴム、ポリマー、または別の適した材料を含んでもよいクッションストリップ130は、以下でさらに説明されるように、携帯型コンピュータ100がイーゼルモードになるように構成されると、「足部(foot)」の役をしてもよい。一実施形態では、ディスプレイコンポーネント102は、携帯型コンピュータ100がイーゼルモードになるように構成されると、第2の支持足部の役をしてもよい類似のクッションストリップを備えてもよい。
【0027】
図4を参照して、イーゼルモードになるように構成された携帯型コンピュータ100の実施例が示される。携帯型コンピュータ100を、ラップトップモード(または閉鎖位置)からイーゼルモードになるよう変換するために、図4に示すように、ベース部の底部とディスプレイコンポーネントの背面が互いに向い合った状態で、ベース部104およびディスプレイコンポーネント102が反転「V」形状を形成するように、ディスプレイコンポーネント102が、コンピュータを開放するのと同じ方向に(すなわち、コンピュータを、閉鎖位置からラップトップモードになるよう構成するように)、ベース部104から離れるように折り曲げられてもよい。イーゼルモードでは、ディスプレイスクリーン110は、携帯型コンピュータ100の一方の側で見ることができ、かつ、アクセス可能であり、キーボード106(図4には示さず)は、他方の側で見ることができ、かつ、アクセス可能である。
【0028】
図4に示すように、一実施形態では、携帯型コンピュータは、音量コントロールボタン204およびミュートボタン206を含む統合されたハードウェア音量コントロールを備えてもよい。一実施例では、音量コントロールボタン204は、スピーカ128を通して再生されるオーディオの音量をユーザが容易に上げるかまたは下げることを可能にするロッカスイッチであってよい。ユーザが音量コントロールボタン204を押すと音量が上げ下げされる量の視覚表示を提供するために、音量インジケータが、ディスプレイスクリーン110上に一時的に現れてもよい。同様に、ミュートボタン206を押すと、音量がミュートされる視覚表示がディスプレイスクリーン110上に現れてもよい。
【0029】
一実施形態によれば、携帯型コンピュータが、イーゼルモードになるように構成されると、携帯型コンピュータがラップトップモードにあるときと比較して、ディスプレイスクリーンが逆さまであっても、情報が、「正しい向きに(right−way−up)」現れるように、ディスプレイスクリーン110上の視覚表示は、自動的に180°回転する。そのため、ユーザは、携帯型コンピュータ100をイーゼルモードになるように単に「フリップさせ」、視覚表示の向きを調整するためにディスプレイスクリーンコントロールにアクセスする必要無しで、ディスプレイスクリーン110上の情報を快適に観察することができる可能性がある。一実施形態では、携帯型コンピュータ100は、携帯型コンピュータがラップトップモードにあるか、イーゼルモードにあるかを検出し、相応してディスプレイを調整するように構成されている向き(またはモード)センサを含む。向きセンサは、たとえば、キーボード106の下のベースコンポーネント104内に、または、ディスプレイコンポーネント内に組込まれてもよい。一実施例では、ベース部104ではなく、ディスプレイコンポーネント102内に向きセンサを配置することは、よりロバストな検出を提供する可能性があり、したがって、一部の実施形態では、現在のところ好ましい。向きセンサは、たとえば、デバイスが、ラップトップモードにあるか、イーゼルモードにあるか、または、2つのモードの中間のある地点にあるかを判定するために、ディスプレイコンポーネント102に対するベースコンポーネント104の精密な相対的向きを確定する、または、その逆を確定するのに使用されてもよい。一実施例では、向きセンサは、加速度計を含み、その出力は、コンピュータオペレーティングシステム(または、専用ロジック回路)に給送され、コンピュータオペレーティングシステムは、次に、適切である場合、表示反転をトリガーする。
【0030】
加速度計は、デバイスが落下した場合にハードドライブクラッシュから保護するための緊急モーションセンサまたは「落下検出器(drop detector)」として、携帯電話、メディアプレーヤ、またはコンピュータなどの携帯デバイスで使用されてきた。しかし、対照的に、本発明の実施形態による携帯型コンピュータ内の加速度計は、コンピュータ全体の動きを検出するのに使用されるのではなく、むしろ、携帯型コンピュータ100の構成(たとえば、ラップトップモードまたはイーゼルモード)を検出する、特に、ベースコンポーネント104に対するディスプレイコンポーネント102の向きを検出するのに使用される。一実施例では、加速度計からの情報は、携帯型コンピュータ内のディスプレイコントローラに提供され、一部の従来のデバイスで行われるように、ポートレートモードまたはランドスケープモードの間でディスプレイを切換えるのに使用される。
【0031】
図5を参照して、携帯型コンピュータ100がイーゼルモードにあるとき、ベース部104は、ディスプレイコンポーネント102に対してある角度134で配設される。この角度134は、たとえば、図6A、6B、および6Cに示すように、ディスプレイスクリーン110に対する快適な観察角度が、ユーザ136または携帯型コンピュータ100の異なる位置について維持されることが可能になるように調整可能である。たとえば、ユーザ136が、携帯型コンピュータから離れているとき、角度134a(図6A)は、ユーザが携帯型コンピュータに近いときの角度134bより小さくされてもよい。先に説明したように、一実施例では、向きセンサ(図示せず)は、角度134を、ほぼまたは厳密に検出するため、また、コンピュータオペレーティングシステムに情報を提供するために使用されてもよい。
【0032】
一実施形態によれば、ディスプレイコンポーネント102は、ヒンジによってベース部104に旋回式に結合され、ヒンジによって、ディスプレイコンポーネントが、ベース部に対して傾斜し、それにより、携帯型コンピュータ100が、閉鎖位置、ラップトップモード、またはイーゼルモードになるように構成されることが可能になる。先に説明したように、従来の「クラムシェル」タイプの携帯型コンピュータでは、ディスプレイコンポーネントをベース部に結合するヒンジは、一般に、ディスプレイコンポーネントの約180°より大きい回転を許容しない。そのため、これらの従来の携帯型コンピュータは、閉鎖位置または開放したラップトップモードにあることができるが、従来のヒンジがディスプレイコンポーネントの十分な移動を許容しないため、イーゼルモードになるように構成されることができない。同様に、先に説明したタブレットタイプ携帯型コンピュータは、ベース部上のキーボードに対して平坦になるように、開放され、回転し、折り曲げられうるディスプレイを有する。先に説明したように、米国特許第6,266,236号は、プレゼンテーションモードになるように構成可能なコンピュータを開示するが、これは、複雑な腕組立体を必要とする。対照的に、本発明の実施形態による携帯型コンピュータは、所望のイーゼル角度134に達するまで、「ラップトップ位置(laptop positions)」を通過してディスプレイを傾斜させるかまたは回転させ続けるだけで、イーゼルモードになるように構成されてもよい。
【0033】
図7Aおよび7Bを参照して、本発明の態様による、携帯型コンピュータが、ラップトップモード(図7A)またはイーゼルモード(図7B)になるように構成されることを可能にするヒンジ組立体138を示す携帯型コンピュータ100の一部分が示される。一実施形態によれば、ヒンジ組立体138は、0〜320°の回転に対処し、40°の最小角度134(図5を参照されたい)を可能にする。しかし、携帯型コンピュータ100をラップトップモードまたはイーゼルモードになるように構成するために十分な回転が許容されると仮定すると、ヒンジ組立体138は、回転のより大きなまたは小さな程度を可能にしてもよいことが理解される。先に説明したように、一実施形態では、携帯型コンピュータ100は、ディスプレイコンポーネント102およびベースコンポーネント104の相対的向きを検出するように構成される向きセンサ(図示せず)を含む。一実施例では、向きセンサは、先に説明したように、ベースコンポーネント104内に組込まれる加速度計であってよい。あるいは、向きセンサは、ヒンジ組立体138内に組込まれてもよく、また、ヒンジ組立体の動きを検出し、その動きを、ディスプレイコンポーネント102およびベースコンポーネント104の相対的向きに関する情報(たとえば、角度134のサイズ)に変換するのに使用されてもよい。向きセンサは、電子コンポーネントか、機械コンポーネントか、またはその組合せを含んでもよいことも理解される。たとえば、ヒンジ組立体は、携帯型コンピュータのモードの表示を提供するデテントを備えてもよい。
【0034】
先に説明し、また、図7Aおよび7Bに示すように、携帯型コンピュータはまた、携帯型コンピュータの種々の態様(たとえば、無線能力またはスピーカ音量)またはディスプレイスクリーン110上に表示される項目を、ユーザが調整し、制御し、かつ/または選択することを可能にするスクロールホイール132を備えてもよい。ハウジング160は、スクロールホイール132に結合し、かつ、スクロールホイールの物理的動きを電気信号に変換するように構成されている種々の機械コンポーネントおよび/または電子コンポーネント(図示せず)を収容するかまたは支持してもよい。これらの電気信号は、携帯型コンピュータ100の中央処理ユニットに提供されてもよく、中央処理ユニットは、電気信号を処理して、スクロールホイールの動きを、選択された特徴のコントロール、たとえば、以下でさらに説明されるように、スピーカ(複数可)の音量を調整すること、または、ディスプレイスクリーン上に表示される特定の項目を選択することに変換する。
【0035】
ヒンジ組立体138の一実施形態は図8に示される。ヒンジ組立体は、ハウジング142に回転式に結合されたブラケット140を含む。ハウジング142は、図7Aに示すように、ベース部104内の内部フレームに締結されてもよい第1のフランジ144を含んでもよい。第1のフランジ144は、たとえば、ネジ、リベット、またはボルトなどの締結具を使用してベース部104に第1のフランジが締結されることを可能にする穴146を含んでもよい。ブラケット140は、締結具150を使用してディスプレイコンポーネント102に同様に結合されてもよい第2のフランジ148を含んでもよい。一実施形態では、ディスプレイスクリーン110(図1を参照されたい)は、LCDスクリーンであってよい。当業者に知られているように、LCDスクリーンは、一般に、フレームおよびプラスチックハウジングを備える。一実施例では、第2のフランジ148は、ディスプレイスクリーンフレームおよびスクリーンのプラスチックハウンジングのいずれかまたは両方に締結されてもよい。図25を参照して、ディスプレイコンポーネントのディスプレイフレーム208およびベースコンポーネント104のベースフレーム210に結合された2つのヒンジ組立体138の実施例が示される。一実施形態によれば、ブラケット140および/またはハウジング142は、鋳造亜鉛で形成されてもよい。しかし、他の金属を含む他の材料が使用されてもよく、ブラケット140および/またはハウジング142は、たとえば、機械加工または成型などの、鋳造以外のプロシージャを使用して形成されてもよいことが理解される。
【0036】
再び図8を参照して、一実施形態では、ヒンジ組立体138はまた、以下でさらに説明するように、電力ボタン(図2、122)またはナビゲーションコントロールボタン(図4、166)を配置するための領域を組込んでもよい。
【0037】
図9を参照して、図8のライン9−9に沿って切取った図8のヒンジ組立体138の一部分の断面図が示される。図9に示すように、一実施形態では、ヒンジ組立体138は、ヒンジハウジング142内に配置された軸154を備える。軸154は、ヒンジハウジング142内の所定位置に保持され、ばね156などのねじれ要素によって、ハウジングに回転式に結合されてもよい。一実施例では、ばね156は、スタンピングによって形成されてもよい。しかし、他の製造方法が使用されてもよいことが理解される。一実施例では、ヒンジ組立体は、先に説明したように、約320°に対処してもよく、また、対称トルクで約6.5インチボンドを提供してもよい。
【0038】
図10は、図8および9のヒンジ組立体の分解図である。図10に示すように、軸154は、部材158に結合される。この部材158は、ブラケット140と一体になるかまたはブラケット140に結合されてもよく、ブラケット140は、次に、先に説明したように、ディスプレイコンポーネントに締結される。そのため、軸154およびばね156は、ヒンジ組立体の固定された要素、すなわち、ヒンジハウジング142と、携帯型コンピュータのベース部104およびディスプレイコンポーネント102に締結されるブラケット140との間に回転式結合を提供する。こうして、ヒンジ組立体は、ディスプレイコンポーネント102が、ベース部104に対して移動することを可能にし、それにより、携帯型コンピュータが、閉鎖位置、ラップトップモード、またはイーゼルモードのうちの任意のものになるように容易にかつ迅速に構成されることを可能にする。たとえば、閉鎖モードから、長手方向軸101(図1を参照されたい)を中心に約180°までディスプレイコンポーネントを回転させるかまたは傾斜させるだけで、携帯型コンピュータがラップトップモードに構成され、閉鎖モードから、長手方向軸101を中心に約180°を超えてディスプレイコンポーネントを回転させることで、携帯型コンピュータがイーゼルモードに構成される。
【0039】
一実施形態によれば、携帯型コンピュータは、ユーザが、携帯型コンピュータの種々の特徴および機能を容易にかつ快適に制御し、携帯型コンピュータ上に表示されるコンテンツを操作することを可能にする統合された「ナビゲーション」ハードウェアを含んでもよい。たとえば、先に説明したように、携帯型コンピュータ100は、携帯型コンピュータの種々の機能をユーザが制御し、調整し、かつ/または、選択することを可能にするスクロールホイール132を備えてもよい。別の実施形態によれば、スクロールホイール132は、図17を参照して以下でさらに説明されるように、ディスプレイスクリーン110上に表示される、メニュー、アイコンなどのような情報を通して「ハードウェアナビゲーション」を提供するために使用されてもよい。従来のコンピュータで使用される一般的な表示構成は、「デスクトップ」ビューであり、種々のプログラムまたはアプリケーションに対するリンクを表す複数のアイコンが、背景画像上に表示される。ナビゲーションは、従来、当業者に知られているように、マウス、タッチパッド、またはトラックボールを使用して実施される。一実施形態では、携帯型コンピュータ100は、従来のデスクトップ構成で、ディスプレイスクリーン110上に情報を表示してもよく、また、ナビゲーションは、タッチパッド108、トラックボール(図示せず)などの従来のツール、あるいは、周辺機器、たとえば、ポート164を介して携帯型コンピュータ100に接続されるマウスか、スクロールホイール132か、またはその組合せを使用して実施されてもよい。別の実施形態によれば、携帯型コンピュータ100は、「マップ」ナビゲーションをサポートする最新のグラフィカルユーザインタフェースを含む。マップユーザインタフェースは、コンピューティング環境全体、ならびに、スクロールホイール132、および任意選択で、図17に示す携帯型コンピュータ100のベース部104上に(ボタン166)、かつ/または、キーボード106内に(ボタン168)設けられてもよい1つまたは複数のナビゲーションボタン166、168を使用してアクセスされてもよい環境内の検索能力の明確な概要を提供する。一実施形態では、ナビゲーションのマップモードは、ナビゲーションの任意のステージにおいてその中から選択する項目の数を減らす階層的モードであり、それにより、スクロールホイール132、および任意選択で、ナビゲーションボタン(複数可)166、168によって、ユーザアクセスを容易にする。もちろん、マップユーザインタフェースはまた、トラックボール、タッチパッド、マウス、または矢印キーなどの従来のツールを使用してナビゲートされてもよいことが理解される。
【0040】
図11を参照して、マップユーザインタフェースを含む携帯型コンピュータのアーキテクチャの一実施例のブロック図が示される。ユーザインタフェース「home」スクリーン170は、コンテンツの複数のモード172を表示する。示す実施例では、homeスクリーン170は、コンテンツの5つのモード172を含む。しかし、homeスクリーンは、コンテンツの5つより多いかまたは少ないモードを含んでもよいこと、および、コンテンツのモードが、以下で説明する実施例と異なってもよいことが理解される。一実施例によれば、homeスクリーン170を介してアクセス可能なコンテンツのモード172は、「media」172a、「connect」172b、「web」172c、「applications」172d、および「channels」172eを含んでもよい。マップユーザインタフェースを使用して、情報、プログラム、特徴、およびアプリケーションは、コンテンツの種々のモード172にグループ化されてもよい。たとえば、コンテンツの任意のモード172を選択することによって、以下でさらに説明するように、スクロールホイール132および/またはナビゲーションボタン166、168を使用することによって、ユーザは、そのモード内で編成されたコンテンツにアクセスしてもよい。たとえば、mediaモード172aは、音楽、ビデオ、写真などのようなメディアを再生し、視聴し、検索し、編成するために、メディアプレーヤに対するアクセスを提供してもよい。connectモード172bは、たとえば、電子メール、ボイスオーバーIP(voice−over−IP)、インスタントメッセージなどのような特徴に対するアクセスを提供してもよく、webモード172cは、インターネットブラウジングおよび検索に対するアクセスを提供してもよい。applicationモード172dは、たとえば、ワードプロセッサ、スプレッドシート、計算機などのようなコンピュータアプリケーションまたはプログラムに対するアクセスを提供してもよい。一実施例では、これらのアプリケーションまたはプログラムは、携帯型コンピュータ100上に存在するプログラムまたはアプリケーションではなく、ウェブベースサービスとして提供されてもよい。channelsモード172eは、異なるチャネルとして規定された異なる機能または特徴を有する携帯型コンピュータの異なる機能に対するアクセスを提供してもよい。たとえば、チャネルは、アラームクロックチャネルを含んでもよく、携帯型コンピュータは、クロックを表示するように構成され、所定の時刻にアラーム、たとえば、音、一曲などを起動するようにプログラムされうる。チャネルの別の実施例は、「フォトフレーム」チャネルを含んでもよく、携帯型コンピュータは、予め選択された画像または画像のセットなどを表示するように構成されてもよい。チャネルの別の実施例は、「テレビジョン」チャネルであり、携帯型コンピュータは、インターネットテレビジョンをストリーミング処理するように構成される。一実施例では、ユーザは、特定のインターネットテレビジョンチャネル(たとえば、ニュースチャネル、ムービーチャネル、ホームおよびガーデンチャネルなど)を、コンテンツのchannelsモード172e内のサブチャネルになるように構成してもよい。コンテンツのモード172の一部または全ては、インターネット174上で情報にアクセスし、取出し、かつ/または、格納してもよい。
【0041】
一実施形態によれば、コンテンツの異なるモード172は、図12に示すように、ディスプレイスクリーン110上で一連のバーとして表示されてもよい。マップユーザインタフェースを通したハードウェアナビゲーションを含む種々の特徴の以下の説明は、主に図12に示す表示構成に言及する可能性がある。しかし、本発明はそのように限定されず、コンテンツのモードは、たとえば、図13に示すように、「デスクトップ」およびアイコン構成、「ダッシュボード」タイプ表示、または、当業者によって認識されることになる別の構成を含む、他の構成で表示されてもよいことが理解される。同様に、ナビゲーションは、主にスクロールホイール132およびナビゲーションボタン166、168を参照して以下で説明される。しかし、ナビゲーションはまた、先に説明した、または、当業者に知られている従来のツールのうちの任意のツールを使用して達成されてもよいことが理解される。
【0042】
先に説明したように、一実施形態によれば、スクロールホイール132、および任意選択で、ナビゲーションボタン166、168は、ユーザインタフェースをナビゲートするために使用されてもよい。再び図12を参照して、スクロールホイールをスクロールすることは、コンテンツのモード172のうちの異なるモードを順次強調してもよい。一実施例では、強調することは、選択されたモードの色を変更することによって、かつ/または、色付きバー176などの視覚インジケータを設けることによって達成されてもよい。強調されたモード172は、スクロールホイールを押すことによって選択され、それにより、選択されたモードに相当する新しい「ページ」またはスクリーンをユーザインタフェース上に提示する。コンテンツの選択されたモード172に一旦入ると、スクロールホイールは、そのモード内で、特定の機能、特徴、またはアプリケーションを選択するために同様に使用されてもよい。一実施形態では、スクロールホイール132のデフォルトアクションは、携帯型コンピュータ100が、ラップトップモードにあるか、イーゼルモードにあるかに応じて変わる可能性がある。たとえば、イーゼルモードでは、スクロールホイール用のデフォルトアクションは、channelsモード172e内のチャネル選択であってよい。
【0043】
先に説明したように、一実施形態では、スピーカ128の音量コントロールは、音量コントロールボタン204およびミュートボタン206によって提供されてもよい。あるいは、別の実施形態によれば、音量コントロールは、スクロールホイール132を使用して提供されてもよい。そのため、図14において矢印161で示すように、ユーザがスクロールホイール132をスクロールするにつれて、音量インジケータが、ディスプレイスクリーン110上に現れてもよい。一実施例では、音量インジケータは、ディスプレイスクリーン110上でスクロールホイール132の直ぐ下に現れる可能性がある音量レベルインジケータを含む透明なまたは部分的に透明なボックス162を備えてもよい。この実施例では、ユーザがスクロールホイール132をスクロールするにつれて、音量ボックス162内の異なる音量レベルが、連続して強調されて、音量が増加するかまたは減少することをユーザに示してもよい。
【0044】
一実施形態では、スクロールホイール132は、押下げ式であると共にスクロール式であってよい。そのため、図15に示すように、スクロールホイール132を押すことは、たとえば、ユーザがその上にスクロールしたチャネルを選択すること、あるいは、携帯型コンピュータ100を通して再生されるオーディオまたはビデオの「プレイ」および「ポーズ」などのさらなるコントロールを可能にしてもよい。
【0045】
先に説明したように、一実施形態によれば、1つまたは複数のナビゲーションボタンは、スクロールホイールと共に使用されてもよい。特に、一実施形態では、ナビゲーションボタン(複数可)は、スクロールホイールのアクションを変更するために使用されてもよい。先に説明したように、一実施例では、スクロールホイールのデフォルトアクションは、音量コントロールである。このアクションは、たとえば、音量コントロールからメニューナビゲーションへ、図16に示すように、ナビゲーションボタン166を押すことによって変更されてもよく、また、その逆に変更されてもよい。一実施形態によれば、ナビゲーションボタン166を押すことの効果は、携帯型コンピュータ100のコンテンツのアクティブなモードに応じて変わってもよい。たとえば、ユーザが、写真閲覧アプリケーションを使用するメディアモードにいる場合、ナビゲーションボタン166を押すことは、スクロールホイール132のアクションを、モードナビゲーションから写真用のスライドショーコントロールに変更してもよい。ナビゲーションボタン166が押されると、「プレイ」、「ネクスト」、「バック」、「スキップ」、「フルスクリーンビュー」などのような写真スライドショー用の異なるアクションを含むコントロールインジケータボックス(図14を参照して先に説明した音量インジケータボックス162と同様)が現われてもよく、スクロールホイール132をスクロールすることは、ユーザが、これらのアクションのうちの1つのアクションを選択することを可能にしてもよい。ナビゲーションボタン166を再び押すことは、スクロールホイールのアクションを、メニューナビゲーションに戻して、ユーザが、たとえば、アクティブなモード内の異なる特徴またはアプリケーションに移動するか、または、異なるモードを選択することを可能にしてもよい。
【0046】
図16に見られるように、ナビゲーションボタン166は、携帯型コンピュータ100がイーゼルモードにあると、容易にアクセスされてもよく、この構成について便利なナビゲーションツールを提供する。同様なナビゲーションボタン168は、図17に示すように、キーボード106上に設けられてもよい。一実施例では、2つのナビゲーションボタン166、168の機能は、同じであってよく、異なる場所は、携帯型コンピュータ100の異なる構成モード(すなわち、ラップトップまたはイーゼル)において容易で快適なアクセスを提供する。そのため、ユーザは、個人の好みに応じて、ナビゲーションボタン166またはナビゲーションボタン168を使用してもよい。別の実施例では、2つのナビゲーションボタンは、異なる機能を有してもよい。たとえば、ナビゲーションボタン166は、先に説明したように、スクロールホイール132のアクションを変更するために使用されてもよく、一方、ナビゲーションボタン168は、マップユーザインタフェース内で「アップ」または「ダウン」レベルをナビゲートするために使用される。たとえば、コンテンツの所与のモードにある間に、ナビゲーションボタン168を押すことは、ユーザが、ホームスクリーンに「バックアップする」ことを可能にしてもよく、または、選択されたチャネル(コンテンツのchannelモード172e)にいる間に、ナビゲーションボタン168を押すことは、ユーザが、channelモード主ペーシに「バックアップする」ことを可能にしてもよい。
【0047】
当業者によって認識されるように、ナビゲーションボタン166、168の機能に関する多数の変形が可能性であり、上記実施例が、例証のためだけに示され、制限的であることを意図されないことが理解される。さらに、1つのナビゲーションボタン(166または168)を参照して述べた任意の機能は、代わりに(または、さらに)、他のナビゲーションボタンと共に実施されてもよい。一実施例では、ナビゲーションボタン166、168の機能は、携帯型コンピュータ100がラップトップモードになるように構成されるか、イーゼルモードになるように構成されるかに応じて、変わってもよい。たとえば、イーゼルモードにおいて、ナビゲーションボタン166だけがアクティブであってよく、ラップトップモードにおいて、ナビゲーションボタン168だけがアクティブであってよい。あるいは、ナビゲーションボタン166、168は共に、ラップトップモードまたはイーゼルモードで使用可能であってよいが、それらの機能は変わってもよい。たとえば、携帯型コンピュータ100がイーゼルモードにあるとき、ナビゲーションボタン166についてのデフォルトアクションはチャネル選択であってよく、一方、ナビゲーションボタン168についてのデフォルトアクションは「home」スクリーンにアクセスすることである。さらに、携帯型コンピュータ100は、2つのナビゲーションボタンの使用に限定されず、代わりに、1つだけのナビゲーションボタンまたは3つ以上のナビゲーションボタンを備えてもよく、そのボタンのいずれもが、上述した場所に(たとえば、ベース部104の丸い部分120上にまたはキーボード106上に)、あるいは、携帯型コンピュータの他の場所に配設されてもよい。
【0048】
先に説明したように、一実施形態によれば、携帯型コンピュータの機能または表示コンテンツおよび/または表示向きは、携帯型コンピュータがラップトップモードからイーゼルモードになるように構成されると、または、その逆に構成されると、変わってもよい。たとえば、先に説明したように、携帯型コンピュータ100がイーゼルモードになるように構成されると、携帯型コンピュータがラップトップモードにあるときと比較して、ディスプレイスクリーンが逆さまであっても、情報が、「正しい向きに」現れるように、ディスプレイスクリーン110上の視覚表示は、自動的に180°回転する。別の実施形態では、コンテンツの少なくとも一部のモード内の少なくとも一部の活動(たとえば、写真またはビデオを閲覧すること)の場合、携帯型コンピュータ100がイーゼルモードになるように構成されると、快適な閲覧を可能にするために、ディスプレイは、「フルスクリーンビュー(full screen view)」に自動的に調整してもよい(すなわち、表示される画像またはビデオは、窓内にではなく、フルスクリーンサイズ上に表示される)。
【0049】
さらに、先に説明したように、携帯型コンピュータ100をラップトップモードかまたはイーゼルモードになるように構成する能力は、強化された機能を提供する。たとえば、携帯型コンピュータ100が、積極的に使用されないとき、ユーザは、携帯型コンピュータをイーゼルモードになるように構成し、また、ユーザの好みの1つまたは複数の写真を表示するデジタル写真フレームとして働くように携帯型コンピュータをプログラムしてもよい。イーゼルモードでは、携帯型コンピュータ100は、ベース部104およびディスプレイコンポーネント102が図4および5に示すように直立しているため、ラップトップモードまたは閉鎖モードにあるよりも、表面上で小さい占有面積占める可能性がある。さらに、携帯型コンピュータ100が、先に説明したように、写真フレームまたはクロックなどの受動的な情報デバイスおよび/または娯楽デバイスとして働きうるため、携帯型コンピュータは、ユーザによって積極的に使用されないときでも、有用な機能を提供する可能性があり、また、多くの表面積を占有することなく、(イーゼルモードにおいて)有用な機能を提供する可能性がある。
【0050】
別の実施形態によれば、携帯型コンピュータ100は、さらに、図18に示すように、無線信号インジケータ178を備えてもよい。無線信号インジケータ178は、携帯型コンピュータ100が接続されているか、または、接続しようと試みている無線信号の利用可能性および/または強度を示してもよい。一実施例では、無線信号インジケータ178の色は、検出された無線信号の強度に関する情報を提供してもよい。たとえば、緑色は、「良好な」信号を示してもよく、黄色は、「不足の」または「低い」信号を示してもよく、赤色は、利用可能な信号が存在しないことを示してもよい。一実施例では、無線信号インジケータ178は、携帯型コンピュータ100が電力供給されているときはいつも、ONまたはアクティブであってよい。あるいは、無線信号インジケータ178は、ユーザアクションによって、たとえば、ナビゲーションボタン166あるいは携帯型コンピュータ100上に設けられた別のボタンまたはキーを押すことによって起動されてもよく、また、所定の期間の間(たとえば、2秒、10秒、1分などの間)、アクティブのままであってよい。先に説明したように、ナビゲーションボタン166の機能は、携帯型コンピュータ100の構成モードに応じて変わってもよい。一実施例では、携帯型コンピュータ100が、閉鎖位置にあるが、依然として電力供給されているとき、ナビゲーションボタン166用のデフォルトアクションは、無線信号インジケータ178を起動させることであってよい。
【0051】
一実施形態によれば、携帯型コンピュータ100は、携帯型コンピュータが壁電源に差込まれることを可能にする電力コードおよびアダプタを備えてもよい。図19を参照して、電力アダプタが接続されうる電力ジャケット180を示す、携帯型コンピュータ100の一部分の図が示される。先に説明したように、携帯型コンピュータ100はまた、マウス、外部キーボード、携帯型フラッシュドライブ、メモリスティックなどのような周辺デバイスが接続されてもよいポート164を含んでもよい。一実施例では、ポート164は、USBポートである。しかし、ポートは、USB以外のプロトコルに対処してもよいことが理解される。さらに、1つだけのポート164が図19に示されるが、携帯型コンピュータ100は、複数のプロトコルに対処してもよい複数のポートを備えてもよい。一実施例では、携帯型コンピュータ100はまた、ヘッドホンジャケット182を備えてもよい。電力ジャケット180、ポート(複数可)164、およびヘッドホンジャケット182の任意のものまたは全ては、図19に示す実施例に限定されないが、携帯型コンピュータ100上の便利なまたは所望の任意の所にあってもよいことが理解される。
【0052】
図20を参照して、携帯型コンピュータ100と共に使用され、かつ、電力ジャケット180を介して接続されてもよい電力アダプタ184の一実施例の平面図が示される。当業者に知られているように、電力アダプタ184は、壁電力を、携帯型コンピュータ100による使用にとって許容可能なレベルに変換する変圧器(図示せず)を備える。一実施形態では、電力アダプタ184は、変圧器および他の必要なコンポーネントを収容する実質的に丸い本体186を備える。コネクタ188は、電力アダプタ184が、壁コンセントまたは延長コードに接続されることを可能にしてもよい。一実施例では、コネクタ188は、図21に示すように、格納のためにコネクタ188に接して折り曲げられ、接続のために外に折り曲げられうる折畳み式プロング190を含んでもよい。コード192は、コードが、ユーザによって本体内に格納され、かつ、柔軟に(その最大長まで)延びるように本体186内に摺動可能に収容されてもよい。
【0053】
一実施形態によれば、コード192は、電力アダプタ184の本体内に、または、部分的に本体内に配置されたコードスプール194に巻き付けられてもよい。図21に示すように、コードスプール194は、コード192が、図22Aおよび22Bに示すようにコードスプール194に巻き付けられるように、電力アダプタ184の本体から滑り出るように構成されてもよい。
【0054】
別の実施形態によれば、携帯型コンピュータ100は、図23に示すように、ドッキングステーション196に接続するように構成される。一実施形態では、ドッキングステーション196上のコネクタ198は、図23に示すように、携帯型コンピュータ100上のコネクタ200に摺動可能に接続するように構成されてもよい。一実施例では、携帯型コンピュータ100が、ドッキングステーションから電力を受信し、ドッキングステーションから/へオーディオ信号をそれぞれ受信し、かつ/または、提供するように、コネクタ200は、電力およびオーディオコネクタを含んでもよい。たとえば、ドッキングステーションは、外部スピーカに結合されてもよく、携帯型コンピュータは、外部スピーカを通して再生されるオーディオ信号をドッキングステーションに提供してもよい。別の実施例では、ドッキングステーション196はまた、MP3プレーヤなどのオーディオデバイス(図示せず)に結合されてもよく、オーディオデバイスは、たとえば、携帯型コンピュータ上のオーディオライブラリを更新するために、携帯型コンピュータ100にオーディオ信号およびデータを提供してもよい。携帯型コンピュータ100とドッキングステーション196に結合されるデバイスとの間の通信の多くの他の変形が、当業者によって認識されるように可能であり、また、こうした変形が、本開示の範囲内にあることを意図されることが理解される。さらに、ドッキングステーション196を携帯型コンピュータ100に結合するコネクタ(複数可)198、200に関する多数の変形もまた、当業者によって認識されるように可能である。たとえば、携帯型コンピュータ100は、図24に示すように、ベース部104上に配置されたマルチピンコネクタ202を含んでもよい。こうしたまた他の変形は、本開示の範囲内にあることを意図され、上述した実施例は、例証のためだけに提供され、制限的であることを意図されない。
【0055】
さらに、先の説明は、携帯型コンピュータ100がラップトップモードかまたはイーゼルモードにあることに主に言及するが、他のモードまたは構成もまた可能であることが理解される。たとえば、先に説明したように、携帯型コンピュータ100は、ディスプレイコンポーネント102を回転させることによって、閉鎖位置から、ラップトップモードを通してイーゼルモードになるように構成されうるため、いくつかの構成が、「真の」ラップトップモードと「真の」イーゼルモードとの中間に可能である。別の実施例では、携帯型コンピュータ100は、図26に示すように、「フレーム」モードになるように構成されてもよく、携帯型コンピュータは、キーボード106が表面212上に「下向き」で、かつ、ディスプレイ110が上向きの状態で表面212上に設置される。フレームモードでは、ディスプレイコンポーネント102は、イーゼルモードの場合と同様に、ベースコンポーネント104に対して同じ向きおよび角度134にあってもよい。しかし、イーゼルモード(携帯型コンピュータが、先に説明したように、反転「V」を形成する)の場合と同様に、ベースコンポーネント104およびディスプレイコンポーネント102が表面212に対して垂直に向くのではなく、フレームモードでは、ベースコンポーネント104は、図26に示すように、表面212上にフラットに横たわってもよい。一実施例では、携帯型コンピュータがフレームモードにあるときに、キーが押されることを防止するために(または、携帯型コンピュータが押されたキーに応答することを防止するために)、キーボード用のソフトウェアおよび/またはハードウェア保護が設けられてもよい。
【0056】
同様に、図27を参照して、「フラット」モードと呼ぶ携帯型コンピュータ100の別の構成が示される。フラットモードでは、図27に示すように、キーボード106およびディスプレイスクリーン110が露出した状態で、ベースコンポーネントおよびディスプレイコンポーネントが表面上にフラットに横たわるように、ディスプレイコンポーネント102が、ベースコンポーネント104に対して約180°まで回転(または、開放)されてもよい。キーボードが隠され、容易にアクセスできないイーゼルモードおよびフレームモードと違って、フラットモードでは、キーボードは、アクセス可能でかつ使用可能である。さらに、先に説明したように、ディスプレイスクリーン110上の視覚表示は、ベースコンポーネント104およびディスプレイコンポーネント102に対して異なる位置に位置する人による情報の快適な閲覧に対処するために、自動的に回転してもよい。ディスプレイスクリーン110上の視覚表示はまた、ユーザが、たとえば、キーボード106、タッチパッド108またはマウス(図示せず)、スクロールホイール132、またはナビゲーションボタン(図示せず)を使用することによって、手作業で調整されてもよい。たとえば、(位置Aに位置する)ユーザが、ユーザに対向して(位置Bに)位置する人のために情報を表示したいと思う場合、ディスプレイスクリーン110がその人にとって逆さまであっても、場所Bの人に対して、情報が、「正しい向きに」現れるように、視覚表示は、(自動的にまたは手作業で)180°回転してもよい。同様に、別の実施例では、場所Cの人にとって、情報が、「正しい向きに」現れるように、視覚表示は、(自動的にまたは手作業で)90°回転してもよい。一実施例では、ユーザは、種々の向きの中で視覚表示を「切換え(toggle)」うる。たとえば、場所Aのユーザは、自分自身に向く視覚表示を有してもよく、一方、ディスプレイ上の情報を変更するかまたは情報にアクセスするためのキーボード106または他のコントロールを使用して、場所BまたはCの人のために情報を表示するために、表示向きを180°または90°切換えてもよい。
【0057】
要約すると、種々の態様および実施形態は、ラップトップモードおよびイーゼルモードを含む異なる動作モード間で構成可能で、かつ、異なるモードにおいて異なる表示フォーマットおよび機能が可能な携帯型コンピュータを提供する。異なるラップトップモードおよびイーゼルモードで携帯型コンピュータを閲覧し、動作させ、かつ、アラームクロック、デジタル写真フレーム、ボイスオーバーIPなどのような特徴および機能を組み込む能力は、強化された柔軟性および有用性を提供する可能性がある。さらに、携帯型コンピュータは、楽しくホリスティックなユーザ経験を提供するために、コンピュータハードウェアとシームレスに働く可能性があるグラフィカルユーザインタフェースを含んでもよい。
【0058】
少なくとも1つの実施形態のいくつかの態様をこうして述べたが、種々の代替、変更、および改善が当業者に容易に思い浮かぶことが理解される。たとえば、ハードウェアに関連して本明細書で述べられた機能または特徴は、代わりに、ソフトウェアで実施されてもよく、または、その逆が実施されてもよい。たとえば、先に説明した無線信号インジケータは、代わりに(または、さらに)、ソフトウェアアプリケーションとして提供されてもよい。こうした代替、変更、および改良は、本開示の一部であることを意図され、また、本発明の範囲内にあることを意図される。したがって、先の説明および図面は、実施例のためだけのものである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ラップトップモードとイーゼルモードを含む複数のディスプレイモード間で構成可能な携帯型コンピュータであって、
コンテンツを表示するように構成されたディスプレイスクリーンを含むディスプレイコンポーネントと、
ベース部と、
前記ディスプレイコンポーネントを前記ベース部に回転式に結合するように構成されたヒンジ組立体とを備え、
前記ヒンジ組立体は、前記ラップトップモードと前記イーゼルモードとの間で携帯型コンピュータを構成するために、単一軸を中心に前記ディスプレイコンポーネントの回転を可能にするように構成される携帯型コンピュータ。
【請求項2】
前記単一軸は、前記ディスプレイコンポーネントと前記ベース部との間のインタフェースに沿って延びる長手方向軸であり、前記ディスプレイコンポーネントは、前記長手方向軸を中心に回転可能である請求項1に記載の携帯型コンピュータ。
【請求項3】
前記ディスプレイスクリーン上に表示される前記コンテンツの向きを制御するように構成されたディスプレイ向き制御モジュールをさらに備え、
前記ディスプレイスクリーン上に表示される前記コンテンツの向きは、前記長手方向軸に対する複数の向きの中から構成可能である請求項2に記載の携帯型コンピュータ。
【請求項4】
前記複数の向きは、前記長手方向軸に対する第1の向きおよび前記長手方向軸に対する第2の向きを含み、
前記ディスプレイ向き制御モジュールは、携帯型コンピュータが前記ラップトップモードになるように構成されるとき、前記第1の向きに、また、携帯型コンピュータが前記イーゼルトップモードになるように構成されるとき、前記第2の向きに前記コンテンツを自動的に表示するように構成される請求項3に記載の携帯型コンピュータ。
【請求項5】
前記複数のディスプレイモードは、前記ディスプレイコンポーネントが、前記ベース部に対して、前記長手方向軸を中心に測定された約180°の角度で配設されるフラットモードをさらに備える請求項3に記載の携帯型コンピュータ。
【請求項6】
前記複数の向きは、前記長手方向軸に対する第1の向き、前記長手方向軸に対する第2の向き、および前記長手方向軸に対する第3の向きを含み、
前記フラットモードでは、前記ディスプレイスクリーン上に表示される前記コンテンツの前記向きは、ユーザ入力に応じて、前記第1、第2、および第3の向きの中から構成可能である請求項5に記載の携帯型コンピュータ。
【請求項7】
前記第2の向きは、前記第1の向きに対して90°であり、
前記第3の向きは、前記第1の向きに対して180°である請求項6に記載の携帯型コンピュータ。
【請求項8】
前記ベース部に対して前記ディスプレイコンポーネントの回転角度を検出し、前記回転角度を表す情報を提供するように構成されたモードセンサをさらに備え、
前記ディスプレイ向き制御モジュールは、前記モードセンサからの前記情報に応じて、前記ディスプレイスクリーン上に表示される前記コンテンツの前記向きを自動的に調整するように構成される請求項3に記載の携帯型コンピュータ。
【請求項9】
前記ディスプレイ向き制御モジュールは、
前記ディスプレイコンポーネントの前記回転角度が前記ベース部に対して約180°より小さいことを前記情報が示すことに応じて、前記長手方向軸に対する第1の向きに前記コンテンツを自動的に表示し、
前記ディスプレイコンポーネントの前記回転角度が前記ベース部に対して約180°より大きいことを前記情報が示すことに応じて、前記長手方向軸に対する第2の向きに前記コンテンツを自動的に表示するように構成され、
前記第2の向きは、前記第1の向きに対して約180°にある請求項8に記載の携帯型コンピュータ。
【請求項10】
携帯型コンピュータの目下のディスプレイモードを検出するように構成されたモードセンサをさらに備え、
前記ディスプレイ向き制御モジュールは、前記モードセンサによって検出される前記目下のディスプレイモードに応じて、前記長手方向軸に対する前記複数の向きのうちの1つの向きから前記ディスプレイスクリーン上に表示される前記コンテンツの前記向きを選択する請求項3に記載の携帯型コンピュータ。
【請求項11】
複数のディスプレイモードは、閉鎖モードをさらに含み、
前記閉鎖モードでは、前記ディスプレイスクリーンは、前記ベース部に実質的に接して配設される請求項2に記載の携帯型コンピュータ。
【請求項12】
前記ディスプレイコンポーネントを、前記閉鎖モードから前記長手方向軸を中心に約180度まで回転させることは、携帯型コンピュータを前記ラップトップモードになるように構成し、
前記ディスプレイコンポーネントを、前記閉鎖モードから前記長手方向軸を中心に約180度を超えて回転させることは、携帯型コンピュータを前記イーゼルモードになるように構成する請求項11に記載の携帯型コンピュータ。
【請求項13】
前記ディスプレイコンポーネントは、前記閉鎖モードから前記長手方向軸を中心に約320度まで回転可能である請求項12に記載の携帯型コンピュータ。
【請求項14】
前記長手方向軸は、複数の平行軸を含み、
前記ヒンジ組立体は、携帯型コンピュータを前記複数のディスプレイモード間で構成するために、前記複数の平行軸の任意の平行軸を中心に前記ディスプレイコンポーネントの回転を可能にするように構成される請求項2に記載の携帯型コンピュータ。
【請求項15】
前記ベース部内に少なくとも部分的に配設され、かつ、前記長手方向軸を中心に回転可能であるスクロールホイールをさらに備え、前記スクロールホイールは、携帯型コンピュータの動作パラメータおよび前記ディスプレイスクリーン上に表示される前記コンテンツの少なくとも一方をユーザが制御することを可能にするように構成される請求項2に記載の携帯型コンピュータ。
【請求項16】
前記ベース部および前記ディスプレイコンポーネントの一方の上に配設され、かつ、前記ディスプレイスクリーン上に表示される選択されたコンテンツを前記ユーザが操作することを可能にするように構成された第1のナビゲーションボタンをさらに備える請求項15に記載の携帯型コンピュータ。
【請求項17】
前記ディスプレイスクリーンは、コンテンツの複数のモードの少なくとも1つを表示するように構成され、
前記ナビゲーションボタンは、コンテンツの前記複数のモードの少なくとも1つを表示のためにユーザが選択することを可能にするように構成される請求項16に記載の携帯型コンピュータ。
【請求項18】
前記第1のナビゲーションボタンは、前記ラップトップモードおよび前記イーゼルモードのそれぞれにおいてユーザアクセス可能である請求項16に記載の携帯型コンピュータ。
【請求項19】
第2のナビゲーションボタンをさらに備え、
前記第1のナビゲーションボタンは、前記ベース部の主表面上に配設され、
前記第2のナビゲーションボタンは、前記ベース部の副表面上に配設される請求項16に記載の携帯型コンピュータ。
【請求項20】
前記スクロールホイールは、前記ディスプレイスクリーン上での表示のために、コンテンツのモードをユーザが選択することを可能にするように構成される請求項15に記載の携帯型コンピュータ。
【請求項21】
前記スクロールホイールは、携帯型コンピュータによって再生される音量をユーザが制御することを可能にするように構成される請求項15に記載の携帯型コンピュータ。
【請求項22】
前記ベース部内に少なくとも部分的に収容され、かつ、前記ディスプレイコンポーネントを前記ベース部に回転式に結合するように構成されたヒンジ組立体をさらに備える請求項15に記載の携帯型コンピュータ。
【請求項23】
前記スクロールホイールは、前記ヒンジ組立体内に少なくとも部分的に配設される請求項22に記載の携帯型コンピュータ。
【請求項24】
前記ベース部の少なくとも一部分に沿って配設され、かつ、前記イーゼルモードにあるときに、携帯型コンピュータを支持するように構成された足部をさらに備える請求項1に記載の携帯型コンピュータ。
【請求項25】
携帯型コンピュータであって、
ベース部と、
前記ベース部に回転式に結合したディスプレイコンポーネントと、
ラップトップモードとイーゼルモードとの間で携帯型コンピュータを構成するために、前記ベース部に対し単一方向に前記ディスプレイコンポーネントを回転させる手段とを備える携帯型コンピュータ。
【請求項26】
前記ディスプレイコンポーネントを回転させる前記手段は、前記ベース部内に少なくとも部分的に収容され、かつ、前記ディスプレイコンポーネントを前記ベース部に回転式に結合するように構成されたヒンジ組立体を備える請求項25に記載の携帯型コンピュータ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6A】
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【図6B】
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【図6C】
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【図7A】
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【図7B】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22A】
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【図22B】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【公表番号】特表2011−516974(P2011−516974A)
【公表日】平成23年5月26日(2011.5.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−503058(P2011−503058)
【出願日】平成21年3月27日(2009.3.27)
【国際出願番号】PCT/US2009/038599
【国際公開番号】WO2009/123931
【国際公開日】平成21年10月8日(2009.10.8)
【出願人】(510261496)エル・アイ・ティー・エル・リミテッド・ライアビリティ・カンパニー (1)
【氏名又は名称原語表記】LITL LLC
【Fターム(参考)】