複数のネットワークとの通信をサポートするハイブリッドプロトコル
【課題】複数のネットワークとの通信をサポートするハイブリッドプロトコル
【解決手段】無線通信に関するシステム及び技術が開示される。このシステム及び技術は第1のエアインタフェースにしたがって第1のネットワークを監視し、前記第1のエアインタフェースを介して第2のネットワークからメッセージを受信し、前記第2のネットワークが、前記第1のエアインタフェースとは異なる第2のエアインタフェースと関連していることを含んでいる。無線通信デバイスが異なる地理的対象領域に進むにつれて前記両ネットワークとの接続性を維持するための種々の登録及び関連する技術もまた検討されている。
【解決手段】無線通信に関するシステム及び技術が開示される。このシステム及び技術は第1のエアインタフェースにしたがって第1のネットワークを監視し、前記第1のエアインタフェースを介して第2のネットワークからメッセージを受信し、前記第2のネットワークが、前記第1のエアインタフェースとは異なる第2のエアインタフェースと関連していることを含んでいる。無線通信デバイスが異なる地理的対象領域に進むにつれて前記両ネットワークとの接続性を維持するための種々の登録及び関連する技術もまた検討されている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(米国特許法119条に基づく優先権の主張)
本出願は、2002年12月18日に出願され、譲受人に譲渡され、また参照してここに組み込まれる、「高速パケットデータ通信システムにおける通信の方向付け(DIRECTING COMMUNICATIONS IN A HIGH RATE PACKET DATA COMMUNICATION SYSTEM)」という名称の仮出願第60/434,772号に基づく優先権を主張するものである。
【0002】
本出願は、2003年3月12日に出願され、譲受人に譲渡され、また参照してここに組み込まれる、「高速パケットデータ通信システムにおける通信の方向付け(DIRECTING COMMUNICATIONS IN A HIGH RATE PACKET DATA COMMUNICATION SYSTEM)」という名称の仮出願第60/454,385号に基づく優先権を主張するものである。
【0003】
本開示は一般的には無線通信に関し、詳しくは、複数のネットワークとの通信をサポートするハイブリッドプロトコルを実施するさまざまなシステムと技術とに関する。
【背景技術】
【0004】
無線ネットワークが広く展開され、さまざまなタイプの無線通信サービスが提供されている。周波数分割多元接続(FDMA)、時分割多元接続(TDMA)、符号分割多元接続(CDMA)、さらに他の無線通信をサポートするため、過去多年にわたって多くのエアインタフェースが開発されてきた。このようなインタフェースは、さまざまな企業によって製造された装置同士間での相互運用を容易にするために標準化されている。たとえば、CDMA技術を用いた音声サービスは、米国では、「デュアルモード広帯域スペクトル拡散セルラーシステムのためのモバイル局ベースの局コンパティビリティ」という題名を持ち、ここでは「IS−95」と呼ばれる米国電気通信産業協会のTIA/EIA/IS−95−B中で標準化されている。さらに最近では、CDMA技術を展開して、米国では、米国電気通信産業協会(TIA)内で、「cdma2000スペクトル拡散システムの上層(層3)の信号通知基準リリースA−付録1」という題名の、2000年10月27日に提出され、ここでは「IS−2000」と呼ばれる音声サービスとデータサービスの双方が提供されている。高速データサービスに対する需要の増大を満たすため、「cdma2000高速パケットデータエアインタフェース仕様」という題名で、ここでは「IS−856」と呼ばれる追加の基準がTIAで提案されている。
【0005】
通信サービスとそれをサポートするさまざまな基準との急速な拡大に伴って、複数のエアインタフェース基準と適合する技術の開発が極めて望まれている。この技術によって、無線通信デバイスはIS−2000を用いて音声と低速データとをサポートするが、高速のインターネットアプリケーションをサポートするには主としてIS−856に拠っている。設計者が直面している課題は、このような基準は各々が、それが有しているプロトコル、サービス、データレート及び動作周波数の集合がそれ固有のものであるという点である。したがって、技術上、複数のエアインタフェース基準を持つ無線通信デバイスをサポートする新規なアプローチが必要である。このアプローチは、IS−2000とIS−856のアプリケーションをサポートするデバイスに限られるべきではなく、他のさまざまなエアインタフェース基準をサポートしているデバイスにも適応可能なブロードベースのソリューションであるべきである。
【発明の概要】
【0006】
ここではアクセス端末(AT)と呼ばれるHDR加入者局は、移動式又は固定式であってもよく、また、ここではモデムプールトランシーバ(MPT)と呼ばれる1つ以上のHDR基地局と通信する。アクセス端末は、ここではモデムプールコントローラ(MPC)と呼ばれるHDR基地局コントローラと、データパケットを1つ以上のモデムプールトランシーバを介して送受信する。モデムプールトランシーバとモデムプールコントローラとは、アクセスネットワークと呼ばれるネットワークの一部である。アクセスネットワークは、データパケットを複数のアクセス端末同士間で輸送する。アクセスネットワークはさらに、アクセスネットワークの外部の、企業イントラネットやインターネットなどの追加のネットワークに接続され、また、データパケットを各アクセス端末とこのような外部のネットワーク間で輸送する。1つ以上のモデムプールトランシーバとのアクティブなトラフィックチャネル接続を確立しているアクセス端末はアクティブアクセス端末と呼ばれ、また、トラフィック状態にあると言われる。1つ以上のモデムプールトランシーバとのアクティブなトラフィックチャネル接続を確立する過程にあるアクセス端末は接続セットアップ状態にあると言われる。アクセス端末は、有線チャネルを介して又は無線チャネルを介して、たとえば光ファイバ又は同軸ケーブルを用いて通信するいかなるデバイスであってもよい。アクセス端末はさらに、これに限られないが、PCカード、コンパクトフラッシュ(登録商標)、外部モデムもしくは内部モデム又は無線電話もしくは有線電話を含む多くのタイプのデバイスの内のどれでもよい。アクセス端末が信号をモデムプールトランシーバに送る際に経由する通信リンクは逆方向リンクと呼ばれる。モデムプールトランシーバが信号をアクセス端末に送る際に経由する通信リンクは順方向リンクと呼ばれる。
【0007】
添付図面と関連して以下に記載された詳細な説明は、本発明のさまざまな実施形態を説明することを意図するものであり、本発明を実施する実施態様だけを表すことを意図するものではない。本開示に記載された実施形態は各々が、本発明の単なる例又は解説として提供されるものであり、他の実施形態より必ずしも好ましい又は有利なものと解釈すべきではない。この詳細な説明には、本発明を完全に理解することを目的とする具体的な詳細が含まれる。しかしながら、本発明はこのような具体的な詳細ななくても実施されることが当業者には明らかである。一部の例では、公知の構造体とデバイスとをブロック図形態で示されており、本発明の概念が曖昧となることを回避するようにしている。頭字語や他の説明用の用語は単に、便宜上そして分かり易いように用いられているものであって、本発明の範囲を制限することを意図するものではない。加えて、本開示の目的上、「接続された」という用語は、直接的な接続を意味するか又は、文脈上適宜、例えば、介在することによって又は中間デバイスや他の手段を用いて間接的な接続をすることを意味する。
【0008】
以下の詳細な説明では、本発明のさまざまな態様を、IS−2000エアインタフェース基準とIS−856エアインタフェース基準の双方をサポートする無線通信デバイスの文脈で説明する。このような新規な態様はこの応用分野で用いるのに良く適しているとはいえ、これらの発明の態様は他のさまざまなエアインタフェース基準をサポートするデバイスにおいて用いるのにも同様に適用可能であることを当業者は容易に理解する。したがって、特定のエアインタフェース基準を持つ通信デバイスに対するいかなる言及もこれら発明の態様を解説することを意図するだけであり、このような発明の態様が広い応用分野を有することが理解される。国際電気通信連合は最近、高速データサービスと高品質音声サービスとを無線通信チャネルで提供する提案方法を提出することを要求した。このような提案の最初のものは、「IS−2000 ITU−R RTT候補提出」という題名で電気通信産業協会によって発行された。このような提案の二番目のものは、「広帯域CDMA」として知られ本書では「W−CDMA」と呼ばれる「ETSI UMTS地上無線アクセス(UTRA)ITU−R RTT候補提出」という題名で欧州通信規格協会(ETSI)によって発行された。第3の提案は、ここでは「EDGE」と呼ばれる「UWC−136候補提出」という題名でU.S.TG8/1によって提出された。これら提出の内容は公記録であり、技術上公知である。IS−95は元来、可変速音声フレームの伝達用に最適化されたものである。この後に続く基準は、パケットデータサービスを含む追加のさまざまな非音声サービスをサポートするようにこの規格上に構築されたものである。このようなパケットデータサービスの1つが、参照してここに組み込まれ、ここでは「IS−707」と呼ばれる「スペクトル拡散システムのためのデータサービスオプション」という題名で、米国では通信産業協会内で標準化されている。パケットデータ可能無線モバイル局(MS)に接続されたパソコン又はラップトップコンピュータ(PC)などの遠隔ネットワークノードは、IS−707基格に従って無線ネットワークを介してインターネットにアクセスする。以下の説明全体にわたって用いられるMS、アクセスノード(AN)、モバイルノード(MN)、遠隔局という用語はすべて、無線通信におけるモバイル関係者物ことである。代替例では、ウエブブラウザなどの遠隔ネットワークノードはMSに内蔵されて、PCをオプションとする。MSは、これに限られないが、PCカード、パーソナルディジタルアシスタント(PDA)、外部モデムもしくは内部モデム又は無線電話もしくは端末を含む多くのタイプのデバイスの内のどれでもよい。MSは、データを無線ネットワーク上で送出し、このネットワークを解して、データはパケットデータサービングノード(PDSN)によって処理される。MSと無線ネットワーク間の接続のPPP状態は一般的にはPDSN内で維持される。PDSNはインターネットなどのIPネットワークに接続され、無線ネットワークとIPネットワークに接続された他のエンティティ及びエージェントとの間でデータを輸送する。このようにして、MSは、無線データ接続によってIPネットワーク上の他のエンティティとの間でデータを送受信することが可能である。IPネットワーク上の対象となるエンティティはまた対応ノードと呼ばれる。
【0009】
本発明の態様を、以下の添付図面に、これに限られるものとしてではなく例として示す。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】図1は、無線通信システムのブロック概念図である。
【図2】図2は、地理的包括領域全体に及ぶ無線通信システムのブロック概念図である。
【図3】図3は、地理的包括領域全体に及ぶ無線通信システムの別の実施形態のブロック概念図である。
【図4】図4は、無線通信システムで用いられる加入者局のブロック概念図である。
【図5】図5は、無線通信システム中でモバイル局の移動と、それに対応する構成とを示す図である。
【図6】図6は、無線システム構成の図である。
【図7】図7は、高速パケットデータ(HRPD)通信をサポートするシステム中で音声コールを処理する図である。
【図8】図8は、リフレクタを用いる高速パケットデータ(HRPD)通信をサポートするシステム中で音声コールを処理する図である。
【図9】図9は、さまざまなプロトコルをサポートするセルラーネットワーク内におけるモバイル局(MS)の移動を示す図である。
【図10】図10は、さまざまなプロトコルをサポートするセルラーネットワーク内におけるMSの移動のコールの流れである。
【図11】図11はさまざまなプロトコルをサポートするセルラーネットワーク内におけるモバイル局(MS)の移動を示す図である。
【図12】図12は、さまざまなプロトコルをサポートするセルラーネットワーク内におけるMSの移動のコールの流れである。
【図13】図13はアクセス端末(AT)のブロック図である。
【図14】図14は、アクセスネットワーク(AN)の構成要素のブロック図である。
【図15】図15は、一実施形態によるコールの流れである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
図1は、パケット交換方式の通信をサポートするように構成された無線通信システムのブロック概念図である。加入者局104に接続されたパソコンやラップトップコンピュータ(PC)などの遠隔ネットワークノード102は、アクセスネットワーク107を介してパケットデータネットワーク106にアクセスする。代替例では、遠隔ネットワークノード102は、ウエブブラウザの場合のように、加入者局104に一体化される。加入者局104は、これに限られないがPCカード、パーソナルディジタルアシスタント(PDA)、外部モデムもしくは内部モデム、無線電話もしくは端末又は他の類似のデバイスを含む多くのタイプのデバイスの内のどれでもよい。パケット交換ネットワーク106は、インターネットであったり、企業内イントラネットであったり、他のなんらかのパケットデータネットワークであったりする。
【0012】
アクセスネットワーク107は、ある地理的領域全体にわたって分散された任意の数の基地局で実現される。この地理的領域はセルとして知られているより小さい領域に分割されるが、各基地局がこのセルに対してサービスを提供する。1つのセル領域にサービスを提供する1つの基地局108を図1に簡単に示す。パケット交換方式通信用に構成された基地局コントローラ(BSC)110を用いて、複数の基地局の活動を調整する。パケット制御機能(PCF)をBSC110に一体化して、パケットデータサービスノード(PDSN)112とのインタフェースを制御する。PDSN112を用いて、遠隔ネットワークノード102とのネットワーク接続を維持したり切断させたりする。アクセスネットワーク107の影響が及ぶ地理的範囲を、複数のBSCをPDSN112に接続することによって拡大させるが、ここで各々BSCが任意の数の基地局をサポートする。
【0013】
無線通信システムはまた、回線交換方式の通信をサポートするように構成される。基地局108のところにある別個の無線リソースを用いて、加入者局104を、回線交換ネットワーク114に対してアクセスネットワーク115を介して接続する。回線交換ネットワーク114は、公衆交換電話網(PSTN)またはこの類似物である。アクセスネットワーク115はBSC116で実現されるが、このアクセスネットワーク自体は基地局108をモバイル交換センター(MSC)118とインタフェースさせる。MSC118は、回線交換ネットワーク114に対するゲートウエイとなる。アクセスネットワーク115の影響が及ぶ地理的範囲をMSC118を用いて拡大して、任意の数のBSCを回線交換ネットワーク114とインタフェースさせるが、ここで各々のBSCが1つ以上の基地局をサポートする。
【0014】
加入者局104は、電源が最初に所定のアクセス手順を用いて投入される際に回線交換ネットワーク114を監視するように構成されている。このアクセス手順には、加入者局104を回線交換方式通信に割り当てられた動作周波数にチューニングすることと、この基地局108から送信されたパイロット信号を獲得することと、逆方向リンクアクセスチャネルを用いてMSC118に登録することとが伴う。逆方向リンクとは、加入者局104から基地局108への送信のことである。加入者局104は、一旦登録されれば、順方向リンクの呼び出しチャネルを監視する。この呼び出しチャネルを基地局108によって用いられ、音声コールが届いたら加入者局104を呼び出す。この呼び出しに反応して、加入者局104は制御メッセージを基地局108に対して逆方向リンクアクセスチャネルを介して送出して、コールを受信する用意ができていることを示す。加入者局104がコールを開始する場合、逆方向リンクアクセスチャネルを用いて、制御メッセージを基地局108に送って、加入者局104がコールする用意ができていることを示す。いずれの場合も、逆方向リンクアクセスチャネルを介しての通信に反応して、加入者局104と基地局108間にエアリンクを確立してコールをサポートする。以下の説明全体にわたって用いられるが、「エアリンク」という用語は音声および/またはデータの通信をサポートするように構成された無線トラフィックチャネルのことである。パイロットチャネル、呼び出しチャネル、アクセスチャネル及び他のオーバヘッドチャネルは、エアリンクが存在してもしなくても、常にアクティブである。
【0015】
加入者局104は、音声コールをサポートするために使用されていないときには、遠隔ネットワークノード102のパケット交換ネットワーク106に対する高速接続を提供する。遠隔ネットワークノード102は、最初に基地局108とエアリンクを確立することによってパケット交換方式ネットワーク106にアクセスする。これは、加入者局104をパケット交換方式通信に対して割り当てられている動作周波数にチューニングして、この基地局108から送信されたパイロット信号を獲得することによって遂行される。パケット交換方式通信用のパイロット信号は、回線交換方式通信用のパイロット信号とは異なった搬送周波数で送信される。一旦エアリンクが確立されると、遠隔ネットワークノード102とPDSN112との間に、ポイントツーポイント(PPP)リンク層プロトコルにしたがってデータリンクが設定される。次に、PPPリンク層プロトコルを用いて、遠隔ネットワークノード102に割り当てるべきインターネットプロトコル(IP)アドレスを交渉する。一旦IPアドレスが割り当てられると、遠隔ネットワークノード102はネットワーク接続を介してパケット交換ネットワーク106と通信する。
【0016】
IS−856対応のパケット交換方式通信では、ネットワーク接続は、自身が通信をサポートするために使用中であるかどうかとは無関係に無傷のままである。例として、遠隔ネットワークノード102は、ウエブページをダウンロードするためにパケット交換ネットワーク106にアクセスする。ユーザがコンテンツを読んでいる最中にウエブページがダウンロードされるとその後で、ネットワーク接続上でアクセスできない時間期間が存在する。このような不活動期間では、価値ある無線リソースを保存するために加入者局104と基地局108間のエアリンクが分解される。エアリンクが存在しない状態における遠隔ネットワークノード102とPDSN112間に存在するネットワーク接続は、「休止状態」接続を呼ばれる。ネットワーク通信の再開の準備ができると、IPアドレスやPPP状態について再交渉する必要なく、「アクティブな」ネットワーク接続が、加入者局104と基地局108間の新しいエアリンクで確立される。ネットワーク接続を維持することによって、IPアドレスやPPP状態の再交渉で消耗されるであろう帯域幅を確保し、これにより、ネットワーク通信の待ち時間を減少させることが可能である。
【0017】
ネットワーク通信が休止状態にあると、加入者局104は、回線交換方式通信に割り当てられている動作周波数に戻り、関連する順方向リンクパイロット信号を獲得するように構成されている。高速パケット交換ネットワーク通信が存在しているときに上記の2つの搬送周波数間を行ったり来たりしてチューニングすることを回避するため、加入者局104は、回線交換方式通信に対して割り当てられている動作周波数に切り替える前にネットワーク接続が休止状態になったあとの短い時間期間にわたって、パケット交換方式通信に割り当てられた動作周波数にチューニングされたままの状態に留まる。いずれにせよ、加入者局104は、回線交換方式通信に割り当てられた動作周波数に一旦チューニングすると、このような通信と関連した逆方向リンク呼び出しチャネルを監視して、コールを聞き逃すことを回避する。
【0018】
基地局108はスロット呼び出し手順を用いて、音声交換方式通信をサポートする。スロット呼び出しモードでは、加入者局k104と基地局108の双方が、スロットで加入者局104が呼び出される時間について同意する。次に、加入者局104は未割り当ての時間スロット中でこの処理リソースの一部をパワーダウンして、バッテリの電力を節約する。
【0019】
加入者局104はまた、ネットワーク接続が休止状態にあるときに、パケット交換方式通信に対して割り当てられる動作周波数に周期的にチューニングし、関連の逆方向リンクパイロット信号を獲得し、呼び出しチャネルをチェックするように構成されている。このアプローチは全PPPセッションにわたってパケット交換ネットワーク106に対する継続的高速アクセスをサポートするとはいえ、それはまた、スタンドバイ時間(すなわち、加入者局104中の処理リソースをパワーダウンすることが可能な時間のパーセンテージ)を減少させる傾向がある。スタンドバイ時間が減少すると、バッテリ電力に対する需要が増す。
【0020】
休止状態にあるネットワーク接続をサポートする代替のアプローチとして、パケット交換ネットワーク106からの呼び出しを、回線交換方式通信用のエアインタフェース、この例ではIS−2000エアインタフェースを介して加入者局104に送り届ける方式がある。BSC110中のPCFを用いて、このエアリンクが停止している時、また、このリソースがPDSN112からのパケットの流れをサポートするに不十分な時、ネットワーク接続が休止状態であり、PDSN112からのバッファデータパケットであるかどうかを判断する。パケット交換ネットワーク106に接続されるBSC110は、ネットワーク接続が休止中にPDSN112からパケットが到着したとPCFが判定すると、回線交換ネットワークに接続されたBSC116に対して加入者局104を呼び出すように命令するように構成されている。BSC同士間の接続120を用いて、この機能を実施する。パケット交換ネットワーク106に接続されたBSC110からの加入者局104呼び出し命令に反応して、回線交換ネットワーク114に接続されたBSC116は基地局108にコマンドを送り、この基地局は代わってIS−2000エアインタフェースを介して加入者局104を呼び出す。
【0021】
データパケットがPCFに到達したという呼び出しが一旦加入者局104によって受信されると、加入者局104は、パケット交換方式通信に割り当てられた動作周波数に戻って切り替えて、関連した逆方向リンクパイロット信号を獲得する。次に、加入者局104は、オーバヘッドチャネルで基地局108に信号を送り返して、自身がデータパケットを受信する準備が整っていることを示す。すると、基地局108は、パケット交換ネットワーク106に接続されたBSC110に対してこの信号を転送し、これで、加入者局104とPDSN112間のネットワーク接続が起動する。
【0022】
類似の方法を実施して、ネットワーク接続がアクティブであるときに音声呼び出しを見逃すことを回避する。より具体的にいうと、回線交換ネットワーク114からの呼び出しは、加入者局104に至るパケット交換方式通信用のエアインタフェース、この例では、IS−856エアインタフェースを介して加入者局104まで送り届けられる。この動作は、音声コールが回線交換ネットワーク114から受信されたときに、パケット交換ネットワーク106に接続されたBSC110に対して、加入者局104を呼び出すように命令することによって遂行される。BSC同士間の接続120を用いて、この機能を実施する。加入者局104への呼出し命令に反応して、パケット交換ネットワーク106に接続されたBSC110は基地局108にコマンドを送り、この基地局は、パケット交換方式通信用のエアインタフェース、この例ではIS−856エアインタフェースを介して加入者局104を呼び出す。加入者局104は、回線交換サービスに関連するあるタイプの呼び出ししかIS−856エアインタフェースを介して送られることを許容しないフィルタリングメカニズムを構成する。例えば、加入者局104は、パケット交換方式通信に割り当てられた動作周波数にチューニングされている間は、ショートメッセージサービス(SMS)と関連した呼び出しではなく音声呼び出しを受信することを要求する。
【0023】
音声コールが到達したことを示す呼び出しが一旦加入者局104によって受信されると、加入者局104はデータパケットの送信を一時中断して、回線交換方式通信に割り当てられた動作周波数に切り替えて戻り、関連の逆方向リンクパイロット信号を獲得する。次に、加入者局104は、音声コールを受信する用意ができていることを示す信号を、アクセスチャネルを介して基地局108に送る。それに反応して、加入者局b104と基地局108間でエアリンクが確立されて、そのコールをサポートする。
【0024】
今まで説明した無線通信システムのさまざまな実施形態を用いて、回線交換方式の適用物とパケット交換方式の適用物の双方をサポートする。加入者局104を用いて、音声交換方式の通信をサポートしながら高速ネットワーク接続を維持したり、また、パケット交換方式通信をサポートしながら音声接続性を維持したりする。このタイプの動作は、加入者局104がサブネットワーク境界を横切って移動する際にも維持される。説明し易くするために、このサブネットワーク境界はパケット交換方式通信と回線交換方式通信の場合と同様であり、各々のサブネットワークは1つのMSCでカバーされる地理的領域全体であると定義される。しかしながら、当業者は、サブネットワーク境界が互いに異なっていてもそれに対応するように、上記の実施形態に対してはさまざまな修正がされることを理解する。
【0025】
図2は、無線通信システムの例を示すブロック概念図である。1つのBSCを用いて、パケット交換方式通信と回線交換方式通信の双方をサポートするが、それはサブネットワーク境界が共有されているからである。前に説明したように、PDSN112を用いて、パケット交換方式通信の間に遠隔ネットワークノード102とのPPPセッションを確立し、維持し、終了させる。図2に示す実施形態では、サービスBSC202aを用いてサービス基地局108aをPDSN112に接続し、また、対象BSC202bを用いて対象基地局108bをPDSN112に接続する。
【0026】
加入者局104は、図2中では1連の破線で示すようにさまざまなサブネットワーク上を移動する。加入者局104は、最初はサービス領域204a中を移動しているところが示されており、また、サービス基地局108aを用いて、パケット交換ネットワーク106にアクセスする。このネットワーク接続が休止状態になると、加入者局104は構成交換方式に割り当てられている動作周波数にチューニングし、関連の逆方向リンクパイロット信号を獲得し、音声コールがないかどうか逆方向リンク呼び出しチャネルを監視する。加入者局104がアクティブな音声コールに関与しているか又は単に回線交換ネットワーク114からの呼び出しを聞くだけなのかとは無関係に、加入者局104がサブネットワーク境界を横断する際にもパケット交換ネットワーク106とのネットワーク接続を維持するのが望ましい。
【0027】
このネットワーク接続は、さまざまな手順を任意の数だけ用いることによって維持される。1例を以下に提示する。加入者局104は、対象領域202bに向かって移動する際に、サービス基地局108aと対象基地局108bの双方からのパイロット信号の強度の変化を検出する。対象基地局108bからのパイロット信号の強度が閾値を超えると、対象基地局108bは加入者局104のアクティブ集合に追加される。アクティブ集合とは、加入者局104と通信している基地局のリストである。加入者局104は、対象領域204b中でパケット交換方式通信をサポートするための固有のアドレス識別子を求める要求を、対象基地局108bを介して対象BSC202Bに対して送る。この要求は、一般には、IS−856基準では「UATI要求」と呼ばれる。この要求は、対象基地局108bと加入者局104間の音声交換方式通信用のエアインタフェースを介して送り届けられる。この要求には、加入者局104の固有アドレス識別子が含まれるが、この識別子は元来、サービス領域204a中でパケット交換方式通信をサポートするためにサービスBSC202bによって割り当てられたものである。対象BSC202bは、この要求中に含まれている固有アドレス識別子を用いて、サービスBSC202aからPPPセッションを検索する。対象BSC202bは、一旦PPPセッションの検索に成功すると、PDSN112とのロジックリソース接続を確立して、新しい固有アドレス識別子割り当てを、音声交換方式通信用のエアインタフェースを介して加入者局104に送り届ける。この固有アドレス識別子割り当ては、一般に、IS−856基準では「UATI割り当て」と呼ばれる。サービスBSC200aとPDSN112間のロジックリソース接続もまた開放される。サービスBSC202aと対象BSC202b間のハンドオフは、遠隔ネットワークノード102のPPP状態には影響せず、これで、PDSN112とのネットワーク接続を維持する。
【0028】
ネットワーク接続がアクティブであれば、加入者局104がサブネットワーク境界を横切る際にも回線交換ネットワーク114との音声接続性を維持することがまた望ましい。音声接続性は、任意の数の手順によって維持される。一例を以下に提示する。この例の目的上、加入者局104を、最初は、遠隔ネットワークノード102とパケット交換ネットワーク106間のアクティブなネットワーク接続をサポートしながらサービス側領域204a中を移動しているものとして説明する。加入者局104は、対象基地局204bに向かって移動する際に、サービス基地局108aと対象基地局108b双方からのパイロット信号の強度の変化を検出する。この情報は、サービス基地局108aを介してサービスBSC202aに戻って報告される。それに反応して、アンカーBSCとも呼ばれるサービスBSC202aを用いて、加入者局104を対象MSC118aに登録する。
【0029】
具体的には、対象基地局108bからのパイロット信号の強度が閾値を超えると、対象基地局108bは基地局104のアクティブ集合に追加される。このアクティブ集合は一般に、この場合はアンカーBSC202aであるBSCで維持される。加入者局104が入ろうとしている領域をカバーしている対象基地局108bに関する知識を有しているこのアンカーBSC202aは、メッセージを加入者局104に送って、これに対して対象MSC118bに登録するように命令する。この登録要求はIS−2000規格に規定されたものと又は他のいずれかの適当なフォーマットと同じであって、対象基地局108aと加入者局104間のパケット交換方式通信用のエアインタフェースを介して送り届けられる。この登録要求は加入者局104によって用いられて、登録メッセージを生成する。アンカーBSC202aによって生成された登録要求中の乱数を用いて、この登録メッセージにディジタル式にサインする。この登録メッセージは、パケット交換方式通信用エアインタフェースを介して対象基地局108bから送り戻され、ここからアンカーBSC202aにルーティングされたりする。
【0030】
この登録メッセージがアンカーBSC202aによって受信されると、署名が検証され、登録メッセージ中の情報が用いられて、ロケーション更新要求が作成される。このロケーション更新要求は対象MSC118bに送られ、これで登録手順(プロセス)が完了する。アンカーBSC202aは、対象基地局108bの識別子(ID)を介してロケーション更新要求を送る適当なMSCを判定する。この対象基地局IDは対象基地局108bのところで登録メッセージに添付されるか、又は、信号通知メッセージを交換することによってアンカーBSC202aによって別個にアクセスされる。
【0031】
アンカーBSC202aは、対象MSC118bまで直接的には到達することが不可能であれば、図3に示すように、リフレクタ302を介してロケーション更新要求を対象MSC118bにルーティングする。また、リフレクタ302を用いて、回線交換ネットワーク114からの呼び出しを対象MSC118bとアンカーBSC202a間でルーティングする。回線交換ネットワーク114からの呼び出しを確実に伝達するために、リフレクタ302は、セルラー識別子をリフレクタ302宛ての仮想セルのロケーション更新要求に添付するように構成される。対象MSC118bの観点から、リフレクタ302はBSCのように見える。したがって、対象MSC118bは、アクセス可能なネットワーク接続中に音声の接続性を維持するために修正する必要はない。
【0032】
ある代替の実施形態では、対象BSC202bをリフレクタとして用いる。この構成によると、ロケーション更新要求は、対象BSC202bから対象MSC118bに対してアンカーBSC202aによってルーティングされる。回線交換ネットワーク114からの呼び出しは、加入者局104に伝達されるように対象BSC202bを介してアンカーBSC202aに対して対象MSC118bによってルーティングされる。
【0033】
図4は、加入者局104の考えられる1つの構成を示すブロック概念図である。当業者には理解されるように、加入者局104の正確な構成は具体的な応用分野と全体的な設計上の制限とによって異なる。分かり易いように、また、完全を期すために、さまざまな新規な概念をCDMA加入者局の文脈で説明する、しかしながら、このような新規な概念は、他のさまざまな通信デバイスに対しても同様に適応されるものである。したがって、CDMA加入者局に対するいかなる言及も、本発明のさまざまな態様を解説することを意図するだけであり、このような態様は広い範囲の応用分野を有することを理解すべきである。
【0034】
加入者局104はソフトウエアベースのプロセッサ又は当技術分野内の他のいかなる構成で実現される。ソフトウエアベースのプロセッサのハードウエア構成の例を図4に示す。プロセッサは、そのコアに存在する、メモリ404付きのマイクロプロセッサ402を有している。マイクロプロセッサ402は、とりわけ、回線交換ネットワークとパケット交換ネットワークとに対するアクセスを管理するソフトウエアプログラムを実行するプラットフォームとなる。
【0035】
加入者局104はまた、スピーカ、マイクロフォン、キーパッド、ディスプレイ等のさまざまなユーザインタフェース406を含んでいる。このようなユーザインタフェース406は、一般に、回線交換ネットワーク全体にわたって音声と低速データとの通信をサポートするために用いられる。一部の実施形態では、ユーザインタフェース406はまた、統合ウエブブラウザの場合のように、パケット交換ネットワークに対する高速接続をサポートするために用いられる。記載の実施形態では、ローカルインタフェース408が、遠隔ネットワークノードとパケット交換ネットワーク間の高速接続をサポートするために備えられている。
【0036】
ディジタル信号プロセッサ(DSP)410は、マイクロプロセッサ402に対するソフトウエアデマンドを軽減させるために特定のアルゴリズムを実行する埋め込み通信ソフトウエア層で実現される。たとえば、逆方向リンク通信では、ユーザインタフェース406又はローカルインタフェース408からの通信をエンコーディングしたり変調したりするためにDSP410が用いられる。CDMAアプリケーションでは、DSP410はまた、適当な擬似ランダムノイズ(PRN)やウォルシュ符号での通信の拡散や、拡散通信とさまざまな制御チャネルやオーバヘッドチャネルとの組み合わせなどの追加の機能を提供する。ソフトウエア層はまた、DSPハードウエアをマイクロプロセッサ402に対してインタフェースさせ、また、より高いレベルのソフトウエアプログラムを実行させるためのリソースの割り当てなどの低レベルのサービスを提供する。
【0037】
通信が処理される厳密な仕方は具体的な通信のタイプに対するエアインタフェースによって異なる。例えば、エンコーディングと変調方式及び制御メッセージとオーバヘッドメッセージとを組み合わせる方法は、通信が音声交換ネットワーク宛てであるかパケット交換ネットワーク宛てであるかによって異なる。いずれにせよ、DSP410によって処理された通信はアナログ回路412に出力され、ここでディジタルからアナログに変換され、増幅され、フィルタリングされ、逆方向リンクで送信するのに適す搬送周波数にアップコンバージョンされる。
【0038】
アナログ回路412によって生成された搬送周波数はチューナ414によって制御される。チューナ414は図4に示すようにスタンドアロン型デバイスであったり、または、代替例では、アナログ回路412中に一体化されたりする。マイクロプロセッサ402は、特定の逆方向リンク送信用のエアインタフェースにしたがってチューナ414を設定するために用いられる。たとえば、回線交換方式通信用のエアインタフェースは、パケット交換方式通信用のエアインタフェースとは異なった搬送周波数を必要とする。
【0039】
順方向では、アナログ回路412は、送信を増幅し、フィルタリングし、ベースバンド信号にダウンコンバージョンするために用いられる。ベースバンド信号のアナログからディジタルへの変換もまた、アナログ回路412で実行される。順方向リンク通信が音声交換ネットワークから発信されるかパケット交換ネットワークから発信されるかによって、マイクロプロセッサ402は適当なエアインタフェースにしたがってチューナ414を設定して、アナログ回路412のダウンコンバージョン機能がベースバンド信号を確実に生成するようにする。
【0040】
アナログ回路412からのベースバンド信号はDSP410に提供され、このDSPを用いて、通信内容から制御メッセージとオーバヘッドメッセージとを分離する。次に、これらの制御メッセージとオーバヘッドメッセージとはマイクロプロセッサ402に提供される。DSP410はまた、復調とデコーディングの機能を含む追加の信号処理機能を通信に対して提供する。CDMAアプリケーションでは、DSP410はまた、適当なPN符号とウオルシュ符号とを用いる逆拡散を実行する。この処理された通信は次に、マイクロプロセッサ402に提供され、このマイクロプロセッサは、さまざまなユーザインタフェース406やローカルインタフェース408に対するこの通信の伝達を管理する。
【0041】
加入者局104は、最初に電源が投入されると、回線交換方式通信用のエアインタフェースにしたがって順方向パイロット信号を獲得しようとする。マイクロプロセッサ402は、回線交換方式通信用の動作周波数にチューナ414を設定することによってこの獲得プロセスを開始するように構成されている。マイクロプロセッサ402は次に、未知の時間領域と周波数領域に対するDSP410による探索を含むさまざまな信号処理機能を発動して、順方向パイロット信号を獲得する。DSP410は、一旦この順方向リンクパイロット信号を獲得すると、マイクロプロセッサ402に対して、信号の送信元である基地局をそのアクティブなリストに追加するように促す。すると、加入者局104は、さまざまな制御チャネル、オーバヘッドチャネル及びトラフィックチャネルを介してこの基地局と通信する。
【0042】
上に検討したように、制御メッセージとオーバヘッドメッセージはDSP410中で通信から分離されてマイクロプロセッサ402に提供される。マイクロプロセッサ402は、回路交換方式通信用のエアインタフェースを介してパケット交換ネットワークからの呼び出し(又は他の何らかのメッセージ)が送り届けられていないかどうか制御メッセージとオーバヘッドメッセージを監視するように構成されている。パケット交換ネットワークからの呼び出しがマイクロプロセッサ402によって検出され、また、加入者局104が音声コールに従事していない場合、チューナ414はパケット交換方式通信用の動作周波数に設定される。一方、加入者局104が音声コールをサポートしている場合、マイクロプロセさ402は、チューナ414を切り替える前にそのコールを完了させる。いずれにせよ、マイクロプロセッサ402は、次に、信号通知メッセージを交換することによって基地局とのエアリンクを確立する。一旦エアリンクが確立されると、データリンクとネットワーク接続とが、ローカルインタフェース408に接続された遠隔ネットワークノードとPDSNとの間で確立される。
【0043】
アクティブなネットワーク接続の間、マイクロプロセッサ402を用いて、パケット交換方式通信用のエアインタフェースを介して送り届けられた回線交換ネットワークからの呼び出しがないかどうか制御メッセージとオーバヘッドメッセージとを監視する。回線交換ネットワークからの呼び出しが検出されたら、マイクロプロセッサ402を用いて、加入者局がこのコールを取っている間にデータパケットの送信を一時中断するように基地局に対して信号通知する。基地局に対するこの信号通知はBSCに対して提供され、ここでPCFを用いて、パケット交換ネットワークから到達するデータパケットをバッファリングする。マイクロプロセッサ402は、データパケットの送信が一時中断されたことを示す指示が一旦基地局から受信すると、回線交換方式通信用の動作周波数にチューナ414を設定し、関連するパイロット信号を獲得し、音声コールをサポートするためのエアリンクを確立する。この音声コールが一旦完了すると、マイクロプロセッサ402はチューナ414をパケット交換方式通信用の動作周波数に切り替えて戻し、これでデータパケット送信を完了する。
【0044】
マイクロプロセッサ402はまた、アクティブなネットワーク接続が休止状態になるとトリガーされるタイマー(図示せず)を含んでいる。本実施形態では、マイクロプロセッサ402は、ネットワークが再度アクティブになる場合に備えて、タイマーが刻時中にパケット交換方式通信用の動作周波数にチューナ414を保つように構成されている。一旦タイマーがタイムアウトすると、マイクロプロセッサ402を用いて、チューナ414を回線交換方式通信用の動作周波数に切り替え、関連のパイロット信号を獲得し、音声コールがないかどうかさまざまな制御チャネルとオーバヘッドチャネルを監視する。
【0045】
図5に、一実施形態によるパケットデータネットワーク150を図示する。代替の実施形態は、類似の機能ユニットに対して異なった用語を有しており、また、構成要素と機能ユニットのさまざまな構成を一体化してもよいことに注意されたい。この説明の場合、図5のネットワーク150と他の詳細な図とを用いて経路を定義するが、しかしながら、代替の実施形態では、ここで用いられる具体的な構成と機能とにしたがって経路を定義している。パケットデータシステム150は、2つのシステム識別(SID)ゾーン160と170を含んでおり、この各々が複数のネットワーク識別(NID)ゾーン162、164、166、172、174及び176を有している。SID/NIDは音声システムで用いられ、一般的に、サービスエリアを識別する。例えば、MSCサービスエリアは1対の(SID、NID)値と関連している。加えていくつかのパケットゾーン識別表示(PZID)がまた、SID160と170内に含まれている。具体的には、SID160はPZID180、182及び184を含み、SID170はPZID180、182及び184を含んでいる。
【0046】
図6に、回線交換方式通信とパケット交換方式通信とをサポートするように構成された無線システム250を示す。本システム第1の部分260は、MSC_1の262と識別され、基地局コントローラ(BSC)BSC_aの264に結合されたモバイル切り替えセンター(MSC)と、モバイル局(MS)268と通信するように適応された基地局トランシーバ(BTS)BTS_の266とを含んでいる。本システムの第1の部分260中で、MS268は高速パケットデータ(HRPD)通信を確立する。HRPD通信は高データレート通信や、放送通信、または他のパケット切り替えタイプの通信であったりする。
【0047】
システム250はまた、MSC_2の272と、BSC_bの274と、部分270内のモバイル局との通信用に適応されたBTS_yの276とを含む第2の部分270を含んでいる。部分260と270は各々が地理的エリアをカバーしている。
【0048】
図6のように、MSは、移動してある部分に入ると、対応するMSCに登録する。音声コールなどの回線交換方式通信の場合、MSCは呼び出しをMSに対してBSCとBTSを介して送る。MSは、その呼び出しに答えることによって応答して、そのコールは確立される。図6に示されるように、MS268は最初に、部分260のMSC_1の262に登録する。本シナリオでは、MS268はデータサービスを要求し、したがって、HRPDデータサービスを確立する。言い換えれば、MS262はパケット交換方式通信を部分260を介して確立する。MS268は、その後で、HRPDデータサービスを部分270で維持しながらも、部分270によってサービス地理的エリア中に移動する。MS268は、BSC_aの264を介してパケットデータの受信及び/又は送信を継続する。部分260と270は各々が図6に示すようなサブネットである。
【0049】
MS268は現時点ではMSC_1の262に登録しているため、MS268宛てに指定された新しい音声コールはMSC_1の262を介して処理される。MS268が部分270の地理的エリア内に位置しており、部分260を介して音声コールの呼び出しを受信すると問題がある。MS268はMSC_2の272に応答するが、このMSCはMS268のコンテクスト、すなわち登録情報を有していない。回線交換方式通信とパケット交換方式通信の双方をサポートするシステム内でのMSの移動に関連するこの問題と他の問題を回避するために、ハイブリッドプロトコルが提示される。このハイブリッドプロトコルは、回線交換ネットワークとパケット交換ネットワークの双方を介しての通信を処理する手段となる。例えば、モバイル局は、音声コール用の接続性を維持しながらもデータサービスを用いることを望み得る。
【0050】
このハイブリッドプロトコルによって、MS268が回路交換システム中に登録されたまま留まることが保証されるが、このシステムは本例ではIS−2000システムである。ハイブリッドプロトコルにしたがって、BSC_aの264は「アンカー」BSCと呼ばれる。このアンカーBSC、すなわちBSC_aの264は、MS268がMSC_2の272のカバー範囲に入るにつれて、MS268をMSC_2の272に登録する。MS268が別のMSCからサービスを提供される地理的エリア又はカバー範囲中に移動すると、これがトリガーとなって、アンカーBSCはMSをそのMSCに登録する。
【0051】
図7と8を参照すると、具体的には、MS268がサブネットの境界を横切ると、新しいBTSが通信目的のアクティブ集合(AS)に記入される。たとえば、MS268が部分270に進入するにつれて、BTS_yの276がMS268のASに入る。BSC_aの264(アンカー基地局)はMS268の登録プロセスを開始して、MSC_2の272に登録する。BSC_aの264は、MS268がMSC_2の272のカバー範囲すなわち地理的エリアに進入したことを、BTS_yの276のセクターIS(SID)を検査することによって判定する。MS268が別のMSCのカバー範囲に移動するときにMS268から通知を受信するには、MSC境界はHRPDサブネット境界であることに注意すべきである。
【0052】
BSC_aの264は、送り届けられた登録要求メッセージをMS268に送って、MS268に対して新しいMSCに登録させる。1つの実施形態では、このメッセージは32ビットの乱数RANDを包含しているが、MS268はAUTHRを生成する必要がある。
【0053】
MS268は、IS−2000などの「登録要求命令」を受信したかのようにこのメッセージを処理して、トンネル方式の(tunneled)登録要求メッセージを生成する。この登録を実行する際は、モバイルは、IS−2000中に指定されている、RANDとしてトンネル方式の登録要求メッセージ中に与えられているRANDを用いなければならない。トンネル方式の登録メッセージの内容はIS−2000の登録メッセージと同じである。NUM_ADD_PILOTフィールドはこのメッセージ中ではゼロに設定されている。
【0054】
BSC_aの264はトンネル方式の登録メッセージ中に与えられている情報を用いて、(IOS中で指定されているような)「ロケーション更新要求」を構築して、MS268をMSC_2の272に登録する。BSC_aの264は、どのMSCに「ロケーション更新要求」を送るべきであるかを、BTS_yのセクターIDのMSBと内部マッピングテーブルとに基づいて、又は、BTS_yのセクターID中のビットを直接的に用いることによって決定する。その通信経路を図7に示す。
【0055】
登録が実行された後、PSTNの呼び出しがMSC_2の272とBSC_aの264とに伝達され、次にHRPDのFTC上のMS268に伝達される。すると、モバイルはIS−2000などの回路交換周波数にチューニングして、その呼び出しに応答する。図8にこれと呼応した信号フローチャートを示す。
【0056】
図9と図10に別のシナリオを示すが、ここで、BSC_aの264はBTS_xの266を介してのMS268に対する登録手続を開始し、また、トンネル方式の登録手続が提供される。MS268は、BSC_aの264、BSC_bの274、MSC_1の262、MSC_2の272へと続くロケーション更新要求を持つトンネル方式の登録メッセージをBTS_x266を介して送る。次に、MSC_2の272はPSDN呼び出しをMS268に対してBSC_bの274、BSC_aの264及びBTS_xの266を介して提供する。
【0057】
アンカーBSCが隣接するMSCに直接に到達することが不可能であれば、図11と12に示すようにアンカーBSCはリフレクタを介して「A1:ロケーション更新要求」を隣接するMSCに転送すればよい。
【0058】
リフレクタ440は、「A1:ロケーション更新要求」をアンカーMSCから自身の接続先であるMSCに転送する。リフレクタ440は、「A1呼び出し要求」をMSCからアンカーBSCに転送する。リフレクタ440は、IMSIと関連のアンカーBSC間の結合を維持する。
【0059】
MSCの観点から、リフレクタ440はBSCのように見える。したがって、A1インタフェースは、相互呼び出し機構を収納するために修正する必要はない。このシナリオでは、BSC_aの404はリフレクタ440とは通信するがMSC_2の422とは通信しない。
【0060】
セル識別子が呼び出しの伝達のためのBSCを決定するために用いられると、これによって、たとえば、MSC_2の422は呼び出しを、BTS_yの426と関連しているBSC_bの424に伝達する。このような問題を避けるために、リフレクタ440は、MSC_2の422に登録しているときにはリフレクタ440宛ての仮想セルのセルIDを与える。このようにして、MSC_2の422は呼び出しをリフレクタ440に対して(BSC_B424に対してではない)伝達し、リフレクタ440は呼び出しをBSC_aの404に通達する。
【0061】
別の実施形態によれば、本方法はモバイルの無線セッションをBSC_bにコピーする。この無線セッションは、アンカーBSC(すなわち、BSC_a)に関する情報を含み、また、BSC_bが「A1:呼び出し要求」をBSC_aに転送することを許容する。「A1:ロケーション更新要求」の経路は、BSC_aからBSC_bにさらにMSC_2に至る経路である。「A1:呼び出し要求メッセージ」の経路は、MSC_2からBSC_bにさらにBSC_a(これは次に呼び出しをモバイルに対してBRS_y経由で送る)に至る経路である。この代替例では、MSCやA1インタフェースになんら変更を加える必要はない。
【0062】
モバイル局が休止中のパケットデータアプリケーションと関連した周波数に切り替わり、次にモバイル局がパケットゾーンの境界を横切ると1つの問題が発生する。パケットデータアプリケーション呼び出しがモバイルまで伝達されることを保証することが必要である。1つのソリューションは、PDSNネットワークからの呼び出しが適切に方向付けされることをBSCが保証することである。例えば、モバイル局がパケットデータ周波数を監視してBSCを横切ると、対象BSCは、PDSNがいつでも正しいBSCを指し示していることを、ソースBSCからの無線セッションを検索することによって保証しなければならない。
【0063】
モバイル局はサービスオプション(SO)を選択するが、ここでは境界の横断が指定されている。たとえば、1xEVDOタイプのシステムでは、SOはモバイル局がパケットゾーン境界を横切る際に取るべき工程を指定するのが理想的である。このような工程はSO33に指定されている工程に類似している、すなわち、モバイル局はモバイル局が境界を横断したことを示す表示付きの発信メッセージを送る。モバイル局はUATIを対象BSCに送る。これには、特定のメッセージをパケットデータ周波数で送ることが必要とされることに注意されたい。
【0064】
1つの実施形態によれば、モバイル局が回線交換方式エアインタフェースだけを監視している場合、無線アクセスネットワーク(RAN)は、モバイル局宛てのパケットがパケット交換ネットワーク上に到達すると、SO59を指定している呼び出しをモバイル局に対して送る。プッシュサービスが、このパケットデータエアインタフェースによって提供される。回線交換方式エアインタフェースに切り替えた後、モバイル局はもっぱら回線交換周波数を監視する。
【0065】
パケット交換サービスの性質上、モバイル局は、短期間の間アイドリングした後にアクティブになる。したがって、2つのエアインタフェース間をあまりに急速に行ったり来たりしてチューニングすることを避けるために、モバイルは、回線交換方式エアインタフェースにチューニングされる前の「T」秒間はパケットデータエアインタフェースにチューニングされた状態に留まる。「T」はハイブリッドプロトコルの構成可能な属性である。
【0066】
ネットワーク側からは、対象BSCは無線セッションをソースBSCから検索して、PDSNとのR−Pインタフェースを確立する。一実施形態で提示されるように、「1x:」は1xのエアインタフェースと周波数を用いて送られるメッセージを示し、「SO59」はSO59によって定義されるメッセージを示す。本実施形態では、モバイル局はSO59を選択するが、これは、1xネットワーク上での高速パケットデータサービスを識別するサービスオプションである。基地局はモバイル局を呼び出して、SO59識別子を含み、高データレート通信が保留されていることをモバイル局に通知する。
【0067】
図13に、上記詳述した1つ以上のハイブリッドプロトコル方法をサポートするアクセス端末(AT)750を示す。AT750は、受信回路752を結合している通信バス760と、制御プロセッサ754と、送信回路756と、メモリ記憶デバイス758とを含んでいる。ハイブリッドプロトコル方法を実施するコンピュータ読み取り可能命令はメモリ記憶デバイス758中にストアされる。
【0068】
図14に、上記詳述した1つ以上のハイブリッドプロトコル方法をサポートするアクセスネットワーク(AN)800を示す。AN800は送信経路と受信経路とに結合されたアンテナ814を含んでいる。アンテナ814は共通アンテナを表していたり又はアンテナのグループであったりする。受信経路では、信号は受信機(RCVR)816と復調器(DEMOD)818を通ってルーティングされるが、この復調器は制御プロセッサ804に結合されている。制御プロセッサ804はさらに、ローカルインタフェース812とメモリ802とに結合されている。送信経路上では、制御プロセッサ804は変調器(MOD)806と送信機(TRTR)808に結合されている。ハイブリッドプロトコルを実施するコンピュータ読み取り可能命令は、メモリ記憶デバイス802中にストアされる。
【0069】
図15に、1つのシナリオによるコールの流れを示す。このシナリオでは、対象BSCは、モバイル局が境界を横切ると、ソースBSCからセッション情報を検索する。PDSN対象BSCとのインタフェースを確立する。すると、ソースBSCとのインタフェースは対象BSCを優先して解除される。モバイル局宛てのデータパケットデータが到着すると、対象BSCとの接続が確立されて、データが対象BSCを介してモバイル局に流れる。
【0070】
ここに記載する実施形態は、回線交換方式送信とパケット交換方式送信の双方をサポートするシステムでは、プッシュサービスがANによって提供されることを許容している。モバイル局は周期的に、データパケットの呼び出しがないかどうかパケットデータネットワークを監視している。スロットモードで2つのエアインタフェースを周期的に監視することによって、スタンドバイ時間が減少する。1つの実施形態によれば、モバイル局は、パケット交換ネットワークが時間閾値Tにわたってアイドリングするまで双方のシステムを監視する。このとき、モバイル局は回線交換ネットワークを監視するだけである。次に、サービスオプションは、呼び出しのタイプが受信されている間に、回線交換方式通信の場合であるかパケット交換方式通信の場合であるか識別する。モバイル局は、パケットデータ呼び出しの通知を受信すると、パケットデータ周波数を監視する。また、一旦アイドリング期間が閾値時間を過ぎると、モバイル局は回線交換ネットワークだけを監視し始める。
【0071】
モバイル局が1xエアインタフェースだけを監視している間に、RANは、パケット交換ネットワーク上でモバイル局宛のパケットを受信すると、SO59などの特定のサービスオプション付きの呼び出しをモバイル局に対して送る。このシナリオでは、プッシュサービスは、パケット交換ネットワークによって提供される。回線交換方式エアインタフェースに切り替わった後では、モバイル局は関連の周波数だけを監視する。
【0072】
パケット交換サービスの性質上、モバイル局は、短期間にわたってアイドリングした後でアクティブになる可能性が高い。したがって、2つのエアインタフェース間をあまりに急速に行ったり来たりしてチューニングすることを避けるために、モバイル局は、回線交換方式エアインタフェースをチューニングする前の「T」秒間はパケットデータエアインタフェースにチューニングされた状態に留まる。「T」はハイブリッドプロトコルの構成可能な属性である。
【0073】
パケットデータエアインタフェースだけを監視している間に(たとえば、接続状態にある場合又はモバイル局が回線交換方式インタフェースに戻ってチューニングしてそのまま留まる以前に)、回線交換サービスの通知がパケットデータエアインタフェースを介して送られる。
【0074】
モバイル局は、モバイル局に通知が伝達されたためにパケットデータ周波数と回線交換周波数間を周期的に切り替える必要は必ずしもないが、この通知はモバイル局が現時点で監視しているエアインタフェースとは独立に受信される。
【0075】
一実施形態によるハイブリッドプロトコルは、回線交換サービス(例えば、音声呼び出し)の通知を、パケットデータエアインタフェースを介して送信することを許容する新しいエアインタフェースプロトコルとなる。このようなハイブリッドプロトコルは、モバイル局がフィルタリングメカニズムを構成し、これで、回路交換サービスに関連した特定のタイプの呼び出しだけがパケットデータエアインタフェースを介して送られるようにすることを許容する。例えば、モバイルは、パケットデータインタフェースにチューニングされている間は、ショートメッセージングサービス(SMS)ではなく音声に対するこれらのような通知だけを受信することを要求する。
【0076】
ここに開示された実施形態と関連して説明するさまざまな解説的な論理ブロック、モジュール及び回路は、汎用プロセッサ、ディジタル信号プロセッサ(DSP)、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレー(FPGA)もしくは他のプログラム可能論理デバイス、個別ゲートもしくはトランジスタロジック、個別ハードウエアコンポーネント又は、ここに記載する機能を実行するように設計されたこれらのいずれかの組み合わせによって実現又は実行される。汎用プロセッサはマイクロプロセッサであったりするが、代替例では、このプロセッサはいずれかの従来型のプロセッサや、コントローラや、マイクロコントローラや、状態機械であったりする。プロセッサはまた、計算用デバイスの組み合わせとして、例えば、DSPと、マイクロプロセッサ、複数のマイクロプロセッサ、DSPコアと結合された1つ以上のマイクロプロセッサ又は他のいずれかのこのような構成との組み合わせとして実現される。
【0077】
ここに開示する実施形態と関連して説明した方法とアルゴリズムは直接的に、ハードウエアとして、プロセッサによって実行されるソフトウエアモジュールとして、又はこれら二者の組み合わせとして実施される。ソフトウエアモジュールはRAMメモリ、フラッシュメモリ、ROMメモリ、EPROMメモリ、EEPROMメモリ、レジスタ、ハードディスク、リムーバブルディスク、CD−ROM又は技術上周知の他の形態の記憶媒体中に備わっていてもよい。記憶媒体はプロセッサに結合され、これで、プロセッサがこの記憶媒体から情報を読み取ったり、これに情報を書き込んだりすることが可能となるようにする。代替例では、記憶媒体はプロセッサと一体化している。プロセッサと記憶媒体はASIC中に備わっている。このASICは加入者局又は他のどこかに備わっている。代替例では、プロセッサと記憶媒体は個別コンポーネントとして加入者局又はアクセスネットワーク上の他のどこかに備わっている。
【0078】
開示の実施形態に関する以上の説明は、当業者なら誰でも、本発明を作成又は利用することができるようにするためである。これらの実施形態に対するさまざまな修正は当業者には容易に明らかであろうし、また、ここに記載する一般的な原理は、本発明の精神や範囲から逸脱することなく他の実施形態に応用される。したがって、本発明はここに示す実施形態に限られることはなく、ここで開示された原理と新規な特徴とに矛盾しない限りで最も広い範囲を与えられることを意図するものである。
【0079】
当業者は、情報と信号が互いに異なるさまざまな技術や技法の内のいずれかを用いて表されることが理解される。たとえば、上の説明全体にわたって参照されたデータ、命令、コマンド、情報、信号、ビット、記号及びチップは電圧、電流、電磁波、磁場もしくは磁性粒子、光場もしくは光粒子又はこれらの何らかの組み合わせによって表される。
【0080】
当業者は、ここで開示された実施形態に関連して説明した実例となるさまざまな論理ブロック、モジュール、回路及びアルゴリズムの工程は、電子式ハードウエア、コンピュータソフトウエア又はこれら双方の組み合わせとして実現されることをさらに理解されよう。ハードウエアとソフトウエアのこの互換性を明瞭に解説するため、さまざまな実例となるコンポーネント、ブロック、モジュール、回路及び工程を、一般にその機能性という点で上述した。このような機能性がハードウエアとして実現されるかソフトウエアとして実現されるかは、特定の用途とシステム全体に課せられた設計上の制限とによって決まる。熟練した技能者は、既述の機能性を特定の用途毎に異なった方法で実現するであろうが、どのようにして実現するかの判断は、本発明の範囲から逸脱するものと解釈すべきではない。
【0081】
ここに開示する実施形態に関連させて説明した実例となるさまざまな論理ブロック、モジュール及び回路は、汎用プロセッサ、ディジタル信号プロセッサ(DSP)、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレー(FPGA)もしくは他のプログラム可能論理デバイス、個別ゲートもしくはトランジスタロジック、個別ハードウエアコンポーネント又は、ここに記載する機能を実行するように設計されたこれらのいずれかの組み合わせによって実現又は実行される。汎用プロセッサはマイクロプロセッサであってもよいが、代替例では、このプロセッサはいずれかの従来型のプロセッサや、コントローラや、マイクロコントローラや、状態機械であったりする。プロセッサはまた、計算用デバイスの組み合わせとして、たとえば、DSPと、マイクロプロセッサ、複数のマイクロプロセッサ、DSPコアと結合された1つ以上のマイクロプロセッサ又は他のいずれかのこのような構成との組み合わせとして実現される。
【0082】
ここに開示する実施形態と関連して説明した方法とアルゴリズムとの工程は直接的に、ハードウエアとして、プロセッサによって実行されるソフトウエアモジュールとして、又はこれら二者の組わせて実施される。ソフトウエアモジュールはRAMメモリ、フラッシュメモリ、ROMメモリ、EPROMメモリ、EEPROMメモリ、レジスタ、ハードディスク、リムーバブルディスク、CD−ROM又は技術上周知の他の形態の記憶媒体中に備わっている。例示の記憶媒体はプロセッサに結合され、これで、プロセッサがこの記憶媒体から情報を読み取ったり、これに情報を書き込んだりすることが可能となるようにする。代替例では、記憶媒体はプロセッサと一体化している。プロセッサと記憶媒体はASIC中に備わっている。このASICはユーザ端末中に備わっている。代替例では、プロセッサと記憶媒体は個別コンポーネントとしてユーザ端末中に備わっている。
【0083】
開示の実施形態に関する以上の説明は、当業者なら誰でも、本発明を作成又は利用することができるようにするためである。これらの実施形態に対するさまざまな修正は当業者には容易に明らかであるし、また、ここに記載する一般的な原理は、本発明の精神や範囲から逸脱することなく他の実施形態に応用される。したがって、本発明はここに示す実施形態に限られることはなく、ここに開示する原理と新規な特徴とに矛盾しない限りで最も広い範囲を与えられることを意図するものである。
【技術分野】
【0001】
(米国特許法119条に基づく優先権の主張)
本出願は、2002年12月18日に出願され、譲受人に譲渡され、また参照してここに組み込まれる、「高速パケットデータ通信システムにおける通信の方向付け(DIRECTING COMMUNICATIONS IN A HIGH RATE PACKET DATA COMMUNICATION SYSTEM)」という名称の仮出願第60/434,772号に基づく優先権を主張するものである。
【0002】
本出願は、2003年3月12日に出願され、譲受人に譲渡され、また参照してここに組み込まれる、「高速パケットデータ通信システムにおける通信の方向付け(DIRECTING COMMUNICATIONS IN A HIGH RATE PACKET DATA COMMUNICATION SYSTEM)」という名称の仮出願第60/454,385号に基づく優先権を主張するものである。
【0003】
本開示は一般的には無線通信に関し、詳しくは、複数のネットワークとの通信をサポートするハイブリッドプロトコルを実施するさまざまなシステムと技術とに関する。
【背景技術】
【0004】
無線ネットワークが広く展開され、さまざまなタイプの無線通信サービスが提供されている。周波数分割多元接続(FDMA)、時分割多元接続(TDMA)、符号分割多元接続(CDMA)、さらに他の無線通信をサポートするため、過去多年にわたって多くのエアインタフェースが開発されてきた。このようなインタフェースは、さまざまな企業によって製造された装置同士間での相互運用を容易にするために標準化されている。たとえば、CDMA技術を用いた音声サービスは、米国では、「デュアルモード広帯域スペクトル拡散セルラーシステムのためのモバイル局ベースの局コンパティビリティ」という題名を持ち、ここでは「IS−95」と呼ばれる米国電気通信産業協会のTIA/EIA/IS−95−B中で標準化されている。さらに最近では、CDMA技術を展開して、米国では、米国電気通信産業協会(TIA)内で、「cdma2000スペクトル拡散システムの上層(層3)の信号通知基準リリースA−付録1」という題名の、2000年10月27日に提出され、ここでは「IS−2000」と呼ばれる音声サービスとデータサービスの双方が提供されている。高速データサービスに対する需要の増大を満たすため、「cdma2000高速パケットデータエアインタフェース仕様」という題名で、ここでは「IS−856」と呼ばれる追加の基準がTIAで提案されている。
【0005】
通信サービスとそれをサポートするさまざまな基準との急速な拡大に伴って、複数のエアインタフェース基準と適合する技術の開発が極めて望まれている。この技術によって、無線通信デバイスはIS−2000を用いて音声と低速データとをサポートするが、高速のインターネットアプリケーションをサポートするには主としてIS−856に拠っている。設計者が直面している課題は、このような基準は各々が、それが有しているプロトコル、サービス、データレート及び動作周波数の集合がそれ固有のものであるという点である。したがって、技術上、複数のエアインタフェース基準を持つ無線通信デバイスをサポートする新規なアプローチが必要である。このアプローチは、IS−2000とIS−856のアプリケーションをサポートするデバイスに限られるべきではなく、他のさまざまなエアインタフェース基準をサポートしているデバイスにも適応可能なブロードベースのソリューションであるべきである。
【発明の概要】
【0006】
ここではアクセス端末(AT)と呼ばれるHDR加入者局は、移動式又は固定式であってもよく、また、ここではモデムプールトランシーバ(MPT)と呼ばれる1つ以上のHDR基地局と通信する。アクセス端末は、ここではモデムプールコントローラ(MPC)と呼ばれるHDR基地局コントローラと、データパケットを1つ以上のモデムプールトランシーバを介して送受信する。モデムプールトランシーバとモデムプールコントローラとは、アクセスネットワークと呼ばれるネットワークの一部である。アクセスネットワークは、データパケットを複数のアクセス端末同士間で輸送する。アクセスネットワークはさらに、アクセスネットワークの外部の、企業イントラネットやインターネットなどの追加のネットワークに接続され、また、データパケットを各アクセス端末とこのような外部のネットワーク間で輸送する。1つ以上のモデムプールトランシーバとのアクティブなトラフィックチャネル接続を確立しているアクセス端末はアクティブアクセス端末と呼ばれ、また、トラフィック状態にあると言われる。1つ以上のモデムプールトランシーバとのアクティブなトラフィックチャネル接続を確立する過程にあるアクセス端末は接続セットアップ状態にあると言われる。アクセス端末は、有線チャネルを介して又は無線チャネルを介して、たとえば光ファイバ又は同軸ケーブルを用いて通信するいかなるデバイスであってもよい。アクセス端末はさらに、これに限られないが、PCカード、コンパクトフラッシュ(登録商標)、外部モデムもしくは内部モデム又は無線電話もしくは有線電話を含む多くのタイプのデバイスの内のどれでもよい。アクセス端末が信号をモデムプールトランシーバに送る際に経由する通信リンクは逆方向リンクと呼ばれる。モデムプールトランシーバが信号をアクセス端末に送る際に経由する通信リンクは順方向リンクと呼ばれる。
【0007】
添付図面と関連して以下に記載された詳細な説明は、本発明のさまざまな実施形態を説明することを意図するものであり、本発明を実施する実施態様だけを表すことを意図するものではない。本開示に記載された実施形態は各々が、本発明の単なる例又は解説として提供されるものであり、他の実施形態より必ずしも好ましい又は有利なものと解釈すべきではない。この詳細な説明には、本発明を完全に理解することを目的とする具体的な詳細が含まれる。しかしながら、本発明はこのような具体的な詳細ななくても実施されることが当業者には明らかである。一部の例では、公知の構造体とデバイスとをブロック図形態で示されており、本発明の概念が曖昧となることを回避するようにしている。頭字語や他の説明用の用語は単に、便宜上そして分かり易いように用いられているものであって、本発明の範囲を制限することを意図するものではない。加えて、本開示の目的上、「接続された」という用語は、直接的な接続を意味するか又は、文脈上適宜、例えば、介在することによって又は中間デバイスや他の手段を用いて間接的な接続をすることを意味する。
【0008】
以下の詳細な説明では、本発明のさまざまな態様を、IS−2000エアインタフェース基準とIS−856エアインタフェース基準の双方をサポートする無線通信デバイスの文脈で説明する。このような新規な態様はこの応用分野で用いるのに良く適しているとはいえ、これらの発明の態様は他のさまざまなエアインタフェース基準をサポートするデバイスにおいて用いるのにも同様に適用可能であることを当業者は容易に理解する。したがって、特定のエアインタフェース基準を持つ通信デバイスに対するいかなる言及もこれら発明の態様を解説することを意図するだけであり、このような発明の態様が広い応用分野を有することが理解される。国際電気通信連合は最近、高速データサービスと高品質音声サービスとを無線通信チャネルで提供する提案方法を提出することを要求した。このような提案の最初のものは、「IS−2000 ITU−R RTT候補提出」という題名で電気通信産業協会によって発行された。このような提案の二番目のものは、「広帯域CDMA」として知られ本書では「W−CDMA」と呼ばれる「ETSI UMTS地上無線アクセス(UTRA)ITU−R RTT候補提出」という題名で欧州通信規格協会(ETSI)によって発行された。第3の提案は、ここでは「EDGE」と呼ばれる「UWC−136候補提出」という題名でU.S.TG8/1によって提出された。これら提出の内容は公記録であり、技術上公知である。IS−95は元来、可変速音声フレームの伝達用に最適化されたものである。この後に続く基準は、パケットデータサービスを含む追加のさまざまな非音声サービスをサポートするようにこの規格上に構築されたものである。このようなパケットデータサービスの1つが、参照してここに組み込まれ、ここでは「IS−707」と呼ばれる「スペクトル拡散システムのためのデータサービスオプション」という題名で、米国では通信産業協会内で標準化されている。パケットデータ可能無線モバイル局(MS)に接続されたパソコン又はラップトップコンピュータ(PC)などの遠隔ネットワークノードは、IS−707基格に従って無線ネットワークを介してインターネットにアクセスする。以下の説明全体にわたって用いられるMS、アクセスノード(AN)、モバイルノード(MN)、遠隔局という用語はすべて、無線通信におけるモバイル関係者物ことである。代替例では、ウエブブラウザなどの遠隔ネットワークノードはMSに内蔵されて、PCをオプションとする。MSは、これに限られないが、PCカード、パーソナルディジタルアシスタント(PDA)、外部モデムもしくは内部モデム又は無線電話もしくは端末を含む多くのタイプのデバイスの内のどれでもよい。MSは、データを無線ネットワーク上で送出し、このネットワークを解して、データはパケットデータサービングノード(PDSN)によって処理される。MSと無線ネットワーク間の接続のPPP状態は一般的にはPDSN内で維持される。PDSNはインターネットなどのIPネットワークに接続され、無線ネットワークとIPネットワークに接続された他のエンティティ及びエージェントとの間でデータを輸送する。このようにして、MSは、無線データ接続によってIPネットワーク上の他のエンティティとの間でデータを送受信することが可能である。IPネットワーク上の対象となるエンティティはまた対応ノードと呼ばれる。
【0009】
本発明の態様を、以下の添付図面に、これに限られるものとしてではなく例として示す。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】図1は、無線通信システムのブロック概念図である。
【図2】図2は、地理的包括領域全体に及ぶ無線通信システムのブロック概念図である。
【図3】図3は、地理的包括領域全体に及ぶ無線通信システムの別の実施形態のブロック概念図である。
【図4】図4は、無線通信システムで用いられる加入者局のブロック概念図である。
【図5】図5は、無線通信システム中でモバイル局の移動と、それに対応する構成とを示す図である。
【図6】図6は、無線システム構成の図である。
【図7】図7は、高速パケットデータ(HRPD)通信をサポートするシステム中で音声コールを処理する図である。
【図8】図8は、リフレクタを用いる高速パケットデータ(HRPD)通信をサポートするシステム中で音声コールを処理する図である。
【図9】図9は、さまざまなプロトコルをサポートするセルラーネットワーク内におけるモバイル局(MS)の移動を示す図である。
【図10】図10は、さまざまなプロトコルをサポートするセルラーネットワーク内におけるMSの移動のコールの流れである。
【図11】図11はさまざまなプロトコルをサポートするセルラーネットワーク内におけるモバイル局(MS)の移動を示す図である。
【図12】図12は、さまざまなプロトコルをサポートするセルラーネットワーク内におけるMSの移動のコールの流れである。
【図13】図13はアクセス端末(AT)のブロック図である。
【図14】図14は、アクセスネットワーク(AN)の構成要素のブロック図である。
【図15】図15は、一実施形態によるコールの流れである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
図1は、パケット交換方式の通信をサポートするように構成された無線通信システムのブロック概念図である。加入者局104に接続されたパソコンやラップトップコンピュータ(PC)などの遠隔ネットワークノード102は、アクセスネットワーク107を介してパケットデータネットワーク106にアクセスする。代替例では、遠隔ネットワークノード102は、ウエブブラウザの場合のように、加入者局104に一体化される。加入者局104は、これに限られないがPCカード、パーソナルディジタルアシスタント(PDA)、外部モデムもしくは内部モデム、無線電話もしくは端末又は他の類似のデバイスを含む多くのタイプのデバイスの内のどれでもよい。パケット交換ネットワーク106は、インターネットであったり、企業内イントラネットであったり、他のなんらかのパケットデータネットワークであったりする。
【0012】
アクセスネットワーク107は、ある地理的領域全体にわたって分散された任意の数の基地局で実現される。この地理的領域はセルとして知られているより小さい領域に分割されるが、各基地局がこのセルに対してサービスを提供する。1つのセル領域にサービスを提供する1つの基地局108を図1に簡単に示す。パケット交換方式通信用に構成された基地局コントローラ(BSC)110を用いて、複数の基地局の活動を調整する。パケット制御機能(PCF)をBSC110に一体化して、パケットデータサービスノード(PDSN)112とのインタフェースを制御する。PDSN112を用いて、遠隔ネットワークノード102とのネットワーク接続を維持したり切断させたりする。アクセスネットワーク107の影響が及ぶ地理的範囲を、複数のBSCをPDSN112に接続することによって拡大させるが、ここで各々BSCが任意の数の基地局をサポートする。
【0013】
無線通信システムはまた、回線交換方式の通信をサポートするように構成される。基地局108のところにある別個の無線リソースを用いて、加入者局104を、回線交換ネットワーク114に対してアクセスネットワーク115を介して接続する。回線交換ネットワーク114は、公衆交換電話網(PSTN)またはこの類似物である。アクセスネットワーク115はBSC116で実現されるが、このアクセスネットワーク自体は基地局108をモバイル交換センター(MSC)118とインタフェースさせる。MSC118は、回線交換ネットワーク114に対するゲートウエイとなる。アクセスネットワーク115の影響が及ぶ地理的範囲をMSC118を用いて拡大して、任意の数のBSCを回線交換ネットワーク114とインタフェースさせるが、ここで各々のBSCが1つ以上の基地局をサポートする。
【0014】
加入者局104は、電源が最初に所定のアクセス手順を用いて投入される際に回線交換ネットワーク114を監視するように構成されている。このアクセス手順には、加入者局104を回線交換方式通信に割り当てられた動作周波数にチューニングすることと、この基地局108から送信されたパイロット信号を獲得することと、逆方向リンクアクセスチャネルを用いてMSC118に登録することとが伴う。逆方向リンクとは、加入者局104から基地局108への送信のことである。加入者局104は、一旦登録されれば、順方向リンクの呼び出しチャネルを監視する。この呼び出しチャネルを基地局108によって用いられ、音声コールが届いたら加入者局104を呼び出す。この呼び出しに反応して、加入者局104は制御メッセージを基地局108に対して逆方向リンクアクセスチャネルを介して送出して、コールを受信する用意ができていることを示す。加入者局104がコールを開始する場合、逆方向リンクアクセスチャネルを用いて、制御メッセージを基地局108に送って、加入者局104がコールする用意ができていることを示す。いずれの場合も、逆方向リンクアクセスチャネルを介しての通信に反応して、加入者局104と基地局108間にエアリンクを確立してコールをサポートする。以下の説明全体にわたって用いられるが、「エアリンク」という用語は音声および/またはデータの通信をサポートするように構成された無線トラフィックチャネルのことである。パイロットチャネル、呼び出しチャネル、アクセスチャネル及び他のオーバヘッドチャネルは、エアリンクが存在してもしなくても、常にアクティブである。
【0015】
加入者局104は、音声コールをサポートするために使用されていないときには、遠隔ネットワークノード102のパケット交換ネットワーク106に対する高速接続を提供する。遠隔ネットワークノード102は、最初に基地局108とエアリンクを確立することによってパケット交換方式ネットワーク106にアクセスする。これは、加入者局104をパケット交換方式通信に対して割り当てられている動作周波数にチューニングして、この基地局108から送信されたパイロット信号を獲得することによって遂行される。パケット交換方式通信用のパイロット信号は、回線交換方式通信用のパイロット信号とは異なった搬送周波数で送信される。一旦エアリンクが確立されると、遠隔ネットワークノード102とPDSN112との間に、ポイントツーポイント(PPP)リンク層プロトコルにしたがってデータリンクが設定される。次に、PPPリンク層プロトコルを用いて、遠隔ネットワークノード102に割り当てるべきインターネットプロトコル(IP)アドレスを交渉する。一旦IPアドレスが割り当てられると、遠隔ネットワークノード102はネットワーク接続を介してパケット交換ネットワーク106と通信する。
【0016】
IS−856対応のパケット交換方式通信では、ネットワーク接続は、自身が通信をサポートするために使用中であるかどうかとは無関係に無傷のままである。例として、遠隔ネットワークノード102は、ウエブページをダウンロードするためにパケット交換ネットワーク106にアクセスする。ユーザがコンテンツを読んでいる最中にウエブページがダウンロードされるとその後で、ネットワーク接続上でアクセスできない時間期間が存在する。このような不活動期間では、価値ある無線リソースを保存するために加入者局104と基地局108間のエアリンクが分解される。エアリンクが存在しない状態における遠隔ネットワークノード102とPDSN112間に存在するネットワーク接続は、「休止状態」接続を呼ばれる。ネットワーク通信の再開の準備ができると、IPアドレスやPPP状態について再交渉する必要なく、「アクティブな」ネットワーク接続が、加入者局104と基地局108間の新しいエアリンクで確立される。ネットワーク接続を維持することによって、IPアドレスやPPP状態の再交渉で消耗されるであろう帯域幅を確保し、これにより、ネットワーク通信の待ち時間を減少させることが可能である。
【0017】
ネットワーク通信が休止状態にあると、加入者局104は、回線交換方式通信に割り当てられている動作周波数に戻り、関連する順方向リンクパイロット信号を獲得するように構成されている。高速パケット交換ネットワーク通信が存在しているときに上記の2つの搬送周波数間を行ったり来たりしてチューニングすることを回避するため、加入者局104は、回線交換方式通信に対して割り当てられている動作周波数に切り替える前にネットワーク接続が休止状態になったあとの短い時間期間にわたって、パケット交換方式通信に割り当てられた動作周波数にチューニングされたままの状態に留まる。いずれにせよ、加入者局104は、回線交換方式通信に割り当てられた動作周波数に一旦チューニングすると、このような通信と関連した逆方向リンク呼び出しチャネルを監視して、コールを聞き逃すことを回避する。
【0018】
基地局108はスロット呼び出し手順を用いて、音声交換方式通信をサポートする。スロット呼び出しモードでは、加入者局k104と基地局108の双方が、スロットで加入者局104が呼び出される時間について同意する。次に、加入者局104は未割り当ての時間スロット中でこの処理リソースの一部をパワーダウンして、バッテリの電力を節約する。
【0019】
加入者局104はまた、ネットワーク接続が休止状態にあるときに、パケット交換方式通信に対して割り当てられる動作周波数に周期的にチューニングし、関連の逆方向リンクパイロット信号を獲得し、呼び出しチャネルをチェックするように構成されている。このアプローチは全PPPセッションにわたってパケット交換ネットワーク106に対する継続的高速アクセスをサポートするとはいえ、それはまた、スタンドバイ時間(すなわち、加入者局104中の処理リソースをパワーダウンすることが可能な時間のパーセンテージ)を減少させる傾向がある。スタンドバイ時間が減少すると、バッテリ電力に対する需要が増す。
【0020】
休止状態にあるネットワーク接続をサポートする代替のアプローチとして、パケット交換ネットワーク106からの呼び出しを、回線交換方式通信用のエアインタフェース、この例ではIS−2000エアインタフェースを介して加入者局104に送り届ける方式がある。BSC110中のPCFを用いて、このエアリンクが停止している時、また、このリソースがPDSN112からのパケットの流れをサポートするに不十分な時、ネットワーク接続が休止状態であり、PDSN112からのバッファデータパケットであるかどうかを判断する。パケット交換ネットワーク106に接続されるBSC110は、ネットワーク接続が休止中にPDSN112からパケットが到着したとPCFが判定すると、回線交換ネットワークに接続されたBSC116に対して加入者局104を呼び出すように命令するように構成されている。BSC同士間の接続120を用いて、この機能を実施する。パケット交換ネットワーク106に接続されたBSC110からの加入者局104呼び出し命令に反応して、回線交換ネットワーク114に接続されたBSC116は基地局108にコマンドを送り、この基地局は代わってIS−2000エアインタフェースを介して加入者局104を呼び出す。
【0021】
データパケットがPCFに到達したという呼び出しが一旦加入者局104によって受信されると、加入者局104は、パケット交換方式通信に割り当てられた動作周波数に戻って切り替えて、関連した逆方向リンクパイロット信号を獲得する。次に、加入者局104は、オーバヘッドチャネルで基地局108に信号を送り返して、自身がデータパケットを受信する準備が整っていることを示す。すると、基地局108は、パケット交換ネットワーク106に接続されたBSC110に対してこの信号を転送し、これで、加入者局104とPDSN112間のネットワーク接続が起動する。
【0022】
類似の方法を実施して、ネットワーク接続がアクティブであるときに音声呼び出しを見逃すことを回避する。より具体的にいうと、回線交換ネットワーク114からの呼び出しは、加入者局104に至るパケット交換方式通信用のエアインタフェース、この例では、IS−856エアインタフェースを介して加入者局104まで送り届けられる。この動作は、音声コールが回線交換ネットワーク114から受信されたときに、パケット交換ネットワーク106に接続されたBSC110に対して、加入者局104を呼び出すように命令することによって遂行される。BSC同士間の接続120を用いて、この機能を実施する。加入者局104への呼出し命令に反応して、パケット交換ネットワーク106に接続されたBSC110は基地局108にコマンドを送り、この基地局は、パケット交換方式通信用のエアインタフェース、この例ではIS−856エアインタフェースを介して加入者局104を呼び出す。加入者局104は、回線交換サービスに関連するあるタイプの呼び出ししかIS−856エアインタフェースを介して送られることを許容しないフィルタリングメカニズムを構成する。例えば、加入者局104は、パケット交換方式通信に割り当てられた動作周波数にチューニングされている間は、ショートメッセージサービス(SMS)と関連した呼び出しではなく音声呼び出しを受信することを要求する。
【0023】
音声コールが到達したことを示す呼び出しが一旦加入者局104によって受信されると、加入者局104はデータパケットの送信を一時中断して、回線交換方式通信に割り当てられた動作周波数に切り替えて戻り、関連の逆方向リンクパイロット信号を獲得する。次に、加入者局104は、音声コールを受信する用意ができていることを示す信号を、アクセスチャネルを介して基地局108に送る。それに反応して、加入者局b104と基地局108間でエアリンクが確立されて、そのコールをサポートする。
【0024】
今まで説明した無線通信システムのさまざまな実施形態を用いて、回線交換方式の適用物とパケット交換方式の適用物の双方をサポートする。加入者局104を用いて、音声交換方式の通信をサポートしながら高速ネットワーク接続を維持したり、また、パケット交換方式通信をサポートしながら音声接続性を維持したりする。このタイプの動作は、加入者局104がサブネットワーク境界を横切って移動する際にも維持される。説明し易くするために、このサブネットワーク境界はパケット交換方式通信と回線交換方式通信の場合と同様であり、各々のサブネットワークは1つのMSCでカバーされる地理的領域全体であると定義される。しかしながら、当業者は、サブネットワーク境界が互いに異なっていてもそれに対応するように、上記の実施形態に対してはさまざまな修正がされることを理解する。
【0025】
図2は、無線通信システムの例を示すブロック概念図である。1つのBSCを用いて、パケット交換方式通信と回線交換方式通信の双方をサポートするが、それはサブネットワーク境界が共有されているからである。前に説明したように、PDSN112を用いて、パケット交換方式通信の間に遠隔ネットワークノード102とのPPPセッションを確立し、維持し、終了させる。図2に示す実施形態では、サービスBSC202aを用いてサービス基地局108aをPDSN112に接続し、また、対象BSC202bを用いて対象基地局108bをPDSN112に接続する。
【0026】
加入者局104は、図2中では1連の破線で示すようにさまざまなサブネットワーク上を移動する。加入者局104は、最初はサービス領域204a中を移動しているところが示されており、また、サービス基地局108aを用いて、パケット交換ネットワーク106にアクセスする。このネットワーク接続が休止状態になると、加入者局104は構成交換方式に割り当てられている動作周波数にチューニングし、関連の逆方向リンクパイロット信号を獲得し、音声コールがないかどうか逆方向リンク呼び出しチャネルを監視する。加入者局104がアクティブな音声コールに関与しているか又は単に回線交換ネットワーク114からの呼び出しを聞くだけなのかとは無関係に、加入者局104がサブネットワーク境界を横断する際にもパケット交換ネットワーク106とのネットワーク接続を維持するのが望ましい。
【0027】
このネットワーク接続は、さまざまな手順を任意の数だけ用いることによって維持される。1例を以下に提示する。加入者局104は、対象領域202bに向かって移動する際に、サービス基地局108aと対象基地局108bの双方からのパイロット信号の強度の変化を検出する。対象基地局108bからのパイロット信号の強度が閾値を超えると、対象基地局108bは加入者局104のアクティブ集合に追加される。アクティブ集合とは、加入者局104と通信している基地局のリストである。加入者局104は、対象領域204b中でパケット交換方式通信をサポートするための固有のアドレス識別子を求める要求を、対象基地局108bを介して対象BSC202Bに対して送る。この要求は、一般には、IS−856基準では「UATI要求」と呼ばれる。この要求は、対象基地局108bと加入者局104間の音声交換方式通信用のエアインタフェースを介して送り届けられる。この要求には、加入者局104の固有アドレス識別子が含まれるが、この識別子は元来、サービス領域204a中でパケット交換方式通信をサポートするためにサービスBSC202bによって割り当てられたものである。対象BSC202bは、この要求中に含まれている固有アドレス識別子を用いて、サービスBSC202aからPPPセッションを検索する。対象BSC202bは、一旦PPPセッションの検索に成功すると、PDSN112とのロジックリソース接続を確立して、新しい固有アドレス識別子割り当てを、音声交換方式通信用のエアインタフェースを介して加入者局104に送り届ける。この固有アドレス識別子割り当ては、一般に、IS−856基準では「UATI割り当て」と呼ばれる。サービスBSC200aとPDSN112間のロジックリソース接続もまた開放される。サービスBSC202aと対象BSC202b間のハンドオフは、遠隔ネットワークノード102のPPP状態には影響せず、これで、PDSN112とのネットワーク接続を維持する。
【0028】
ネットワーク接続がアクティブであれば、加入者局104がサブネットワーク境界を横切る際にも回線交換ネットワーク114との音声接続性を維持することがまた望ましい。音声接続性は、任意の数の手順によって維持される。一例を以下に提示する。この例の目的上、加入者局104を、最初は、遠隔ネットワークノード102とパケット交換ネットワーク106間のアクティブなネットワーク接続をサポートしながらサービス側領域204a中を移動しているものとして説明する。加入者局104は、対象基地局204bに向かって移動する際に、サービス基地局108aと対象基地局108b双方からのパイロット信号の強度の変化を検出する。この情報は、サービス基地局108aを介してサービスBSC202aに戻って報告される。それに反応して、アンカーBSCとも呼ばれるサービスBSC202aを用いて、加入者局104を対象MSC118aに登録する。
【0029】
具体的には、対象基地局108bからのパイロット信号の強度が閾値を超えると、対象基地局108bは基地局104のアクティブ集合に追加される。このアクティブ集合は一般に、この場合はアンカーBSC202aであるBSCで維持される。加入者局104が入ろうとしている領域をカバーしている対象基地局108bに関する知識を有しているこのアンカーBSC202aは、メッセージを加入者局104に送って、これに対して対象MSC118bに登録するように命令する。この登録要求はIS−2000規格に規定されたものと又は他のいずれかの適当なフォーマットと同じであって、対象基地局108aと加入者局104間のパケット交換方式通信用のエアインタフェースを介して送り届けられる。この登録要求は加入者局104によって用いられて、登録メッセージを生成する。アンカーBSC202aによって生成された登録要求中の乱数を用いて、この登録メッセージにディジタル式にサインする。この登録メッセージは、パケット交換方式通信用エアインタフェースを介して対象基地局108bから送り戻され、ここからアンカーBSC202aにルーティングされたりする。
【0030】
この登録メッセージがアンカーBSC202aによって受信されると、署名が検証され、登録メッセージ中の情報が用いられて、ロケーション更新要求が作成される。このロケーション更新要求は対象MSC118bに送られ、これで登録手順(プロセス)が完了する。アンカーBSC202aは、対象基地局108bの識別子(ID)を介してロケーション更新要求を送る適当なMSCを判定する。この対象基地局IDは対象基地局108bのところで登録メッセージに添付されるか、又は、信号通知メッセージを交換することによってアンカーBSC202aによって別個にアクセスされる。
【0031】
アンカーBSC202aは、対象MSC118bまで直接的には到達することが不可能であれば、図3に示すように、リフレクタ302を介してロケーション更新要求を対象MSC118bにルーティングする。また、リフレクタ302を用いて、回線交換ネットワーク114からの呼び出しを対象MSC118bとアンカーBSC202a間でルーティングする。回線交換ネットワーク114からの呼び出しを確実に伝達するために、リフレクタ302は、セルラー識別子をリフレクタ302宛ての仮想セルのロケーション更新要求に添付するように構成される。対象MSC118bの観点から、リフレクタ302はBSCのように見える。したがって、対象MSC118bは、アクセス可能なネットワーク接続中に音声の接続性を維持するために修正する必要はない。
【0032】
ある代替の実施形態では、対象BSC202bをリフレクタとして用いる。この構成によると、ロケーション更新要求は、対象BSC202bから対象MSC118bに対してアンカーBSC202aによってルーティングされる。回線交換ネットワーク114からの呼び出しは、加入者局104に伝達されるように対象BSC202bを介してアンカーBSC202aに対して対象MSC118bによってルーティングされる。
【0033】
図4は、加入者局104の考えられる1つの構成を示すブロック概念図である。当業者には理解されるように、加入者局104の正確な構成は具体的な応用分野と全体的な設計上の制限とによって異なる。分かり易いように、また、完全を期すために、さまざまな新規な概念をCDMA加入者局の文脈で説明する、しかしながら、このような新規な概念は、他のさまざまな通信デバイスに対しても同様に適応されるものである。したがって、CDMA加入者局に対するいかなる言及も、本発明のさまざまな態様を解説することを意図するだけであり、このような態様は広い範囲の応用分野を有することを理解すべきである。
【0034】
加入者局104はソフトウエアベースのプロセッサ又は当技術分野内の他のいかなる構成で実現される。ソフトウエアベースのプロセッサのハードウエア構成の例を図4に示す。プロセッサは、そのコアに存在する、メモリ404付きのマイクロプロセッサ402を有している。マイクロプロセッサ402は、とりわけ、回線交換ネットワークとパケット交換ネットワークとに対するアクセスを管理するソフトウエアプログラムを実行するプラットフォームとなる。
【0035】
加入者局104はまた、スピーカ、マイクロフォン、キーパッド、ディスプレイ等のさまざまなユーザインタフェース406を含んでいる。このようなユーザインタフェース406は、一般に、回線交換ネットワーク全体にわたって音声と低速データとの通信をサポートするために用いられる。一部の実施形態では、ユーザインタフェース406はまた、統合ウエブブラウザの場合のように、パケット交換ネットワークに対する高速接続をサポートするために用いられる。記載の実施形態では、ローカルインタフェース408が、遠隔ネットワークノードとパケット交換ネットワーク間の高速接続をサポートするために備えられている。
【0036】
ディジタル信号プロセッサ(DSP)410は、マイクロプロセッサ402に対するソフトウエアデマンドを軽減させるために特定のアルゴリズムを実行する埋め込み通信ソフトウエア層で実現される。たとえば、逆方向リンク通信では、ユーザインタフェース406又はローカルインタフェース408からの通信をエンコーディングしたり変調したりするためにDSP410が用いられる。CDMAアプリケーションでは、DSP410はまた、適当な擬似ランダムノイズ(PRN)やウォルシュ符号での通信の拡散や、拡散通信とさまざまな制御チャネルやオーバヘッドチャネルとの組み合わせなどの追加の機能を提供する。ソフトウエア層はまた、DSPハードウエアをマイクロプロセッサ402に対してインタフェースさせ、また、より高いレベルのソフトウエアプログラムを実行させるためのリソースの割り当てなどの低レベルのサービスを提供する。
【0037】
通信が処理される厳密な仕方は具体的な通信のタイプに対するエアインタフェースによって異なる。例えば、エンコーディングと変調方式及び制御メッセージとオーバヘッドメッセージとを組み合わせる方法は、通信が音声交換ネットワーク宛てであるかパケット交換ネットワーク宛てであるかによって異なる。いずれにせよ、DSP410によって処理された通信はアナログ回路412に出力され、ここでディジタルからアナログに変換され、増幅され、フィルタリングされ、逆方向リンクで送信するのに適す搬送周波数にアップコンバージョンされる。
【0038】
アナログ回路412によって生成された搬送周波数はチューナ414によって制御される。チューナ414は図4に示すようにスタンドアロン型デバイスであったり、または、代替例では、アナログ回路412中に一体化されたりする。マイクロプロセッサ402は、特定の逆方向リンク送信用のエアインタフェースにしたがってチューナ414を設定するために用いられる。たとえば、回線交換方式通信用のエアインタフェースは、パケット交換方式通信用のエアインタフェースとは異なった搬送周波数を必要とする。
【0039】
順方向では、アナログ回路412は、送信を増幅し、フィルタリングし、ベースバンド信号にダウンコンバージョンするために用いられる。ベースバンド信号のアナログからディジタルへの変換もまた、アナログ回路412で実行される。順方向リンク通信が音声交換ネットワークから発信されるかパケット交換ネットワークから発信されるかによって、マイクロプロセッサ402は適当なエアインタフェースにしたがってチューナ414を設定して、アナログ回路412のダウンコンバージョン機能がベースバンド信号を確実に生成するようにする。
【0040】
アナログ回路412からのベースバンド信号はDSP410に提供され、このDSPを用いて、通信内容から制御メッセージとオーバヘッドメッセージとを分離する。次に、これらの制御メッセージとオーバヘッドメッセージとはマイクロプロセッサ402に提供される。DSP410はまた、復調とデコーディングの機能を含む追加の信号処理機能を通信に対して提供する。CDMAアプリケーションでは、DSP410はまた、適当なPN符号とウオルシュ符号とを用いる逆拡散を実行する。この処理された通信は次に、マイクロプロセッサ402に提供され、このマイクロプロセッサは、さまざまなユーザインタフェース406やローカルインタフェース408に対するこの通信の伝達を管理する。
【0041】
加入者局104は、最初に電源が投入されると、回線交換方式通信用のエアインタフェースにしたがって順方向パイロット信号を獲得しようとする。マイクロプロセッサ402は、回線交換方式通信用の動作周波数にチューナ414を設定することによってこの獲得プロセスを開始するように構成されている。マイクロプロセッサ402は次に、未知の時間領域と周波数領域に対するDSP410による探索を含むさまざまな信号処理機能を発動して、順方向パイロット信号を獲得する。DSP410は、一旦この順方向リンクパイロット信号を獲得すると、マイクロプロセッサ402に対して、信号の送信元である基地局をそのアクティブなリストに追加するように促す。すると、加入者局104は、さまざまな制御チャネル、オーバヘッドチャネル及びトラフィックチャネルを介してこの基地局と通信する。
【0042】
上に検討したように、制御メッセージとオーバヘッドメッセージはDSP410中で通信から分離されてマイクロプロセッサ402に提供される。マイクロプロセッサ402は、回路交換方式通信用のエアインタフェースを介してパケット交換ネットワークからの呼び出し(又は他の何らかのメッセージ)が送り届けられていないかどうか制御メッセージとオーバヘッドメッセージを監視するように構成されている。パケット交換ネットワークからの呼び出しがマイクロプロセッサ402によって検出され、また、加入者局104が音声コールに従事していない場合、チューナ414はパケット交換方式通信用の動作周波数に設定される。一方、加入者局104が音声コールをサポートしている場合、マイクロプロセさ402は、チューナ414を切り替える前にそのコールを完了させる。いずれにせよ、マイクロプロセッサ402は、次に、信号通知メッセージを交換することによって基地局とのエアリンクを確立する。一旦エアリンクが確立されると、データリンクとネットワーク接続とが、ローカルインタフェース408に接続された遠隔ネットワークノードとPDSNとの間で確立される。
【0043】
アクティブなネットワーク接続の間、マイクロプロセッサ402を用いて、パケット交換方式通信用のエアインタフェースを介して送り届けられた回線交換ネットワークからの呼び出しがないかどうか制御メッセージとオーバヘッドメッセージとを監視する。回線交換ネットワークからの呼び出しが検出されたら、マイクロプロセッサ402を用いて、加入者局がこのコールを取っている間にデータパケットの送信を一時中断するように基地局に対して信号通知する。基地局に対するこの信号通知はBSCに対して提供され、ここでPCFを用いて、パケット交換ネットワークから到達するデータパケットをバッファリングする。マイクロプロセッサ402は、データパケットの送信が一時中断されたことを示す指示が一旦基地局から受信すると、回線交換方式通信用の動作周波数にチューナ414を設定し、関連するパイロット信号を獲得し、音声コールをサポートするためのエアリンクを確立する。この音声コールが一旦完了すると、マイクロプロセッサ402はチューナ414をパケット交換方式通信用の動作周波数に切り替えて戻し、これでデータパケット送信を完了する。
【0044】
マイクロプロセッサ402はまた、アクティブなネットワーク接続が休止状態になるとトリガーされるタイマー(図示せず)を含んでいる。本実施形態では、マイクロプロセッサ402は、ネットワークが再度アクティブになる場合に備えて、タイマーが刻時中にパケット交換方式通信用の動作周波数にチューナ414を保つように構成されている。一旦タイマーがタイムアウトすると、マイクロプロセッサ402を用いて、チューナ414を回線交換方式通信用の動作周波数に切り替え、関連のパイロット信号を獲得し、音声コールがないかどうかさまざまな制御チャネルとオーバヘッドチャネルを監視する。
【0045】
図5に、一実施形態によるパケットデータネットワーク150を図示する。代替の実施形態は、類似の機能ユニットに対して異なった用語を有しており、また、構成要素と機能ユニットのさまざまな構成を一体化してもよいことに注意されたい。この説明の場合、図5のネットワーク150と他の詳細な図とを用いて経路を定義するが、しかしながら、代替の実施形態では、ここで用いられる具体的な構成と機能とにしたがって経路を定義している。パケットデータシステム150は、2つのシステム識別(SID)ゾーン160と170を含んでおり、この各々が複数のネットワーク識別(NID)ゾーン162、164、166、172、174及び176を有している。SID/NIDは音声システムで用いられ、一般的に、サービスエリアを識別する。例えば、MSCサービスエリアは1対の(SID、NID)値と関連している。加えていくつかのパケットゾーン識別表示(PZID)がまた、SID160と170内に含まれている。具体的には、SID160はPZID180、182及び184を含み、SID170はPZID180、182及び184を含んでいる。
【0046】
図6に、回線交換方式通信とパケット交換方式通信とをサポートするように構成された無線システム250を示す。本システム第1の部分260は、MSC_1の262と識別され、基地局コントローラ(BSC)BSC_aの264に結合されたモバイル切り替えセンター(MSC)と、モバイル局(MS)268と通信するように適応された基地局トランシーバ(BTS)BTS_の266とを含んでいる。本システムの第1の部分260中で、MS268は高速パケットデータ(HRPD)通信を確立する。HRPD通信は高データレート通信や、放送通信、または他のパケット切り替えタイプの通信であったりする。
【0047】
システム250はまた、MSC_2の272と、BSC_bの274と、部分270内のモバイル局との通信用に適応されたBTS_yの276とを含む第2の部分270を含んでいる。部分260と270は各々が地理的エリアをカバーしている。
【0048】
図6のように、MSは、移動してある部分に入ると、対応するMSCに登録する。音声コールなどの回線交換方式通信の場合、MSCは呼び出しをMSに対してBSCとBTSを介して送る。MSは、その呼び出しに答えることによって応答して、そのコールは確立される。図6に示されるように、MS268は最初に、部分260のMSC_1の262に登録する。本シナリオでは、MS268はデータサービスを要求し、したがって、HRPDデータサービスを確立する。言い換えれば、MS262はパケット交換方式通信を部分260を介して確立する。MS268は、その後で、HRPDデータサービスを部分270で維持しながらも、部分270によってサービス地理的エリア中に移動する。MS268は、BSC_aの264を介してパケットデータの受信及び/又は送信を継続する。部分260と270は各々が図6に示すようなサブネットである。
【0049】
MS268は現時点ではMSC_1の262に登録しているため、MS268宛てに指定された新しい音声コールはMSC_1の262を介して処理される。MS268が部分270の地理的エリア内に位置しており、部分260を介して音声コールの呼び出しを受信すると問題がある。MS268はMSC_2の272に応答するが、このMSCはMS268のコンテクスト、すなわち登録情報を有していない。回線交換方式通信とパケット交換方式通信の双方をサポートするシステム内でのMSの移動に関連するこの問題と他の問題を回避するために、ハイブリッドプロトコルが提示される。このハイブリッドプロトコルは、回線交換ネットワークとパケット交換ネットワークの双方を介しての通信を処理する手段となる。例えば、モバイル局は、音声コール用の接続性を維持しながらもデータサービスを用いることを望み得る。
【0050】
このハイブリッドプロトコルによって、MS268が回路交換システム中に登録されたまま留まることが保証されるが、このシステムは本例ではIS−2000システムである。ハイブリッドプロトコルにしたがって、BSC_aの264は「アンカー」BSCと呼ばれる。このアンカーBSC、すなわちBSC_aの264は、MS268がMSC_2の272のカバー範囲に入るにつれて、MS268をMSC_2の272に登録する。MS268が別のMSCからサービスを提供される地理的エリア又はカバー範囲中に移動すると、これがトリガーとなって、アンカーBSCはMSをそのMSCに登録する。
【0051】
図7と8を参照すると、具体的には、MS268がサブネットの境界を横切ると、新しいBTSが通信目的のアクティブ集合(AS)に記入される。たとえば、MS268が部分270に進入するにつれて、BTS_yの276がMS268のASに入る。BSC_aの264(アンカー基地局)はMS268の登録プロセスを開始して、MSC_2の272に登録する。BSC_aの264は、MS268がMSC_2の272のカバー範囲すなわち地理的エリアに進入したことを、BTS_yの276のセクターIS(SID)を検査することによって判定する。MS268が別のMSCのカバー範囲に移動するときにMS268から通知を受信するには、MSC境界はHRPDサブネット境界であることに注意すべきである。
【0052】
BSC_aの264は、送り届けられた登録要求メッセージをMS268に送って、MS268に対して新しいMSCに登録させる。1つの実施形態では、このメッセージは32ビットの乱数RANDを包含しているが、MS268はAUTHRを生成する必要がある。
【0053】
MS268は、IS−2000などの「登録要求命令」を受信したかのようにこのメッセージを処理して、トンネル方式の(tunneled)登録要求メッセージを生成する。この登録を実行する際は、モバイルは、IS−2000中に指定されている、RANDとしてトンネル方式の登録要求メッセージ中に与えられているRANDを用いなければならない。トンネル方式の登録メッセージの内容はIS−2000の登録メッセージと同じである。NUM_ADD_PILOTフィールドはこのメッセージ中ではゼロに設定されている。
【0054】
BSC_aの264はトンネル方式の登録メッセージ中に与えられている情報を用いて、(IOS中で指定されているような)「ロケーション更新要求」を構築して、MS268をMSC_2の272に登録する。BSC_aの264は、どのMSCに「ロケーション更新要求」を送るべきであるかを、BTS_yのセクターIDのMSBと内部マッピングテーブルとに基づいて、又は、BTS_yのセクターID中のビットを直接的に用いることによって決定する。その通信経路を図7に示す。
【0055】
登録が実行された後、PSTNの呼び出しがMSC_2の272とBSC_aの264とに伝達され、次にHRPDのFTC上のMS268に伝達される。すると、モバイルはIS−2000などの回路交換周波数にチューニングして、その呼び出しに応答する。図8にこれと呼応した信号フローチャートを示す。
【0056】
図9と図10に別のシナリオを示すが、ここで、BSC_aの264はBTS_xの266を介してのMS268に対する登録手続を開始し、また、トンネル方式の登録手続が提供される。MS268は、BSC_aの264、BSC_bの274、MSC_1の262、MSC_2の272へと続くロケーション更新要求を持つトンネル方式の登録メッセージをBTS_x266を介して送る。次に、MSC_2の272はPSDN呼び出しをMS268に対してBSC_bの274、BSC_aの264及びBTS_xの266を介して提供する。
【0057】
アンカーBSCが隣接するMSCに直接に到達することが不可能であれば、図11と12に示すようにアンカーBSCはリフレクタを介して「A1:ロケーション更新要求」を隣接するMSCに転送すればよい。
【0058】
リフレクタ440は、「A1:ロケーション更新要求」をアンカーMSCから自身の接続先であるMSCに転送する。リフレクタ440は、「A1呼び出し要求」をMSCからアンカーBSCに転送する。リフレクタ440は、IMSIと関連のアンカーBSC間の結合を維持する。
【0059】
MSCの観点から、リフレクタ440はBSCのように見える。したがって、A1インタフェースは、相互呼び出し機構を収納するために修正する必要はない。このシナリオでは、BSC_aの404はリフレクタ440とは通信するがMSC_2の422とは通信しない。
【0060】
セル識別子が呼び出しの伝達のためのBSCを決定するために用いられると、これによって、たとえば、MSC_2の422は呼び出しを、BTS_yの426と関連しているBSC_bの424に伝達する。このような問題を避けるために、リフレクタ440は、MSC_2の422に登録しているときにはリフレクタ440宛ての仮想セルのセルIDを与える。このようにして、MSC_2の422は呼び出しをリフレクタ440に対して(BSC_B424に対してではない)伝達し、リフレクタ440は呼び出しをBSC_aの404に通達する。
【0061】
別の実施形態によれば、本方法はモバイルの無線セッションをBSC_bにコピーする。この無線セッションは、アンカーBSC(すなわち、BSC_a)に関する情報を含み、また、BSC_bが「A1:呼び出し要求」をBSC_aに転送することを許容する。「A1:ロケーション更新要求」の経路は、BSC_aからBSC_bにさらにMSC_2に至る経路である。「A1:呼び出し要求メッセージ」の経路は、MSC_2からBSC_bにさらにBSC_a(これは次に呼び出しをモバイルに対してBRS_y経由で送る)に至る経路である。この代替例では、MSCやA1インタフェースになんら変更を加える必要はない。
【0062】
モバイル局が休止中のパケットデータアプリケーションと関連した周波数に切り替わり、次にモバイル局がパケットゾーンの境界を横切ると1つの問題が発生する。パケットデータアプリケーション呼び出しがモバイルまで伝達されることを保証することが必要である。1つのソリューションは、PDSNネットワークからの呼び出しが適切に方向付けされることをBSCが保証することである。例えば、モバイル局がパケットデータ周波数を監視してBSCを横切ると、対象BSCは、PDSNがいつでも正しいBSCを指し示していることを、ソースBSCからの無線セッションを検索することによって保証しなければならない。
【0063】
モバイル局はサービスオプション(SO)を選択するが、ここでは境界の横断が指定されている。たとえば、1xEVDOタイプのシステムでは、SOはモバイル局がパケットゾーン境界を横切る際に取るべき工程を指定するのが理想的である。このような工程はSO33に指定されている工程に類似している、すなわち、モバイル局はモバイル局が境界を横断したことを示す表示付きの発信メッセージを送る。モバイル局はUATIを対象BSCに送る。これには、特定のメッセージをパケットデータ周波数で送ることが必要とされることに注意されたい。
【0064】
1つの実施形態によれば、モバイル局が回線交換方式エアインタフェースだけを監視している場合、無線アクセスネットワーク(RAN)は、モバイル局宛てのパケットがパケット交換ネットワーク上に到達すると、SO59を指定している呼び出しをモバイル局に対して送る。プッシュサービスが、このパケットデータエアインタフェースによって提供される。回線交換方式エアインタフェースに切り替えた後、モバイル局はもっぱら回線交換周波数を監視する。
【0065】
パケット交換サービスの性質上、モバイル局は、短期間の間アイドリングした後にアクティブになる。したがって、2つのエアインタフェース間をあまりに急速に行ったり来たりしてチューニングすることを避けるために、モバイルは、回線交換方式エアインタフェースにチューニングされる前の「T」秒間はパケットデータエアインタフェースにチューニングされた状態に留まる。「T」はハイブリッドプロトコルの構成可能な属性である。
【0066】
ネットワーク側からは、対象BSCは無線セッションをソースBSCから検索して、PDSNとのR−Pインタフェースを確立する。一実施形態で提示されるように、「1x:」は1xのエアインタフェースと周波数を用いて送られるメッセージを示し、「SO59」はSO59によって定義されるメッセージを示す。本実施形態では、モバイル局はSO59を選択するが、これは、1xネットワーク上での高速パケットデータサービスを識別するサービスオプションである。基地局はモバイル局を呼び出して、SO59識別子を含み、高データレート通信が保留されていることをモバイル局に通知する。
【0067】
図13に、上記詳述した1つ以上のハイブリッドプロトコル方法をサポートするアクセス端末(AT)750を示す。AT750は、受信回路752を結合している通信バス760と、制御プロセッサ754と、送信回路756と、メモリ記憶デバイス758とを含んでいる。ハイブリッドプロトコル方法を実施するコンピュータ読み取り可能命令はメモリ記憶デバイス758中にストアされる。
【0068】
図14に、上記詳述した1つ以上のハイブリッドプロトコル方法をサポートするアクセスネットワーク(AN)800を示す。AN800は送信経路と受信経路とに結合されたアンテナ814を含んでいる。アンテナ814は共通アンテナを表していたり又はアンテナのグループであったりする。受信経路では、信号は受信機(RCVR)816と復調器(DEMOD)818を通ってルーティングされるが、この復調器は制御プロセッサ804に結合されている。制御プロセッサ804はさらに、ローカルインタフェース812とメモリ802とに結合されている。送信経路上では、制御プロセッサ804は変調器(MOD)806と送信機(TRTR)808に結合されている。ハイブリッドプロトコルを実施するコンピュータ読み取り可能命令は、メモリ記憶デバイス802中にストアされる。
【0069】
図15に、1つのシナリオによるコールの流れを示す。このシナリオでは、対象BSCは、モバイル局が境界を横切ると、ソースBSCからセッション情報を検索する。PDSN対象BSCとのインタフェースを確立する。すると、ソースBSCとのインタフェースは対象BSCを優先して解除される。モバイル局宛てのデータパケットデータが到着すると、対象BSCとの接続が確立されて、データが対象BSCを介してモバイル局に流れる。
【0070】
ここに記載する実施形態は、回線交換方式送信とパケット交換方式送信の双方をサポートするシステムでは、プッシュサービスがANによって提供されることを許容している。モバイル局は周期的に、データパケットの呼び出しがないかどうかパケットデータネットワークを監視している。スロットモードで2つのエアインタフェースを周期的に監視することによって、スタンドバイ時間が減少する。1つの実施形態によれば、モバイル局は、パケット交換ネットワークが時間閾値Tにわたってアイドリングするまで双方のシステムを監視する。このとき、モバイル局は回線交換ネットワークを監視するだけである。次に、サービスオプションは、呼び出しのタイプが受信されている間に、回線交換方式通信の場合であるかパケット交換方式通信の場合であるか識別する。モバイル局は、パケットデータ呼び出しの通知を受信すると、パケットデータ周波数を監視する。また、一旦アイドリング期間が閾値時間を過ぎると、モバイル局は回線交換ネットワークだけを監視し始める。
【0071】
モバイル局が1xエアインタフェースだけを監視している間に、RANは、パケット交換ネットワーク上でモバイル局宛のパケットを受信すると、SO59などの特定のサービスオプション付きの呼び出しをモバイル局に対して送る。このシナリオでは、プッシュサービスは、パケット交換ネットワークによって提供される。回線交換方式エアインタフェースに切り替わった後では、モバイル局は関連の周波数だけを監視する。
【0072】
パケット交換サービスの性質上、モバイル局は、短期間にわたってアイドリングした後でアクティブになる可能性が高い。したがって、2つのエアインタフェース間をあまりに急速に行ったり来たりしてチューニングすることを避けるために、モバイル局は、回線交換方式エアインタフェースをチューニングする前の「T」秒間はパケットデータエアインタフェースにチューニングされた状態に留まる。「T」はハイブリッドプロトコルの構成可能な属性である。
【0073】
パケットデータエアインタフェースだけを監視している間に(たとえば、接続状態にある場合又はモバイル局が回線交換方式インタフェースに戻ってチューニングしてそのまま留まる以前に)、回線交換サービスの通知がパケットデータエアインタフェースを介して送られる。
【0074】
モバイル局は、モバイル局に通知が伝達されたためにパケットデータ周波数と回線交換周波数間を周期的に切り替える必要は必ずしもないが、この通知はモバイル局が現時点で監視しているエアインタフェースとは独立に受信される。
【0075】
一実施形態によるハイブリッドプロトコルは、回線交換サービス(例えば、音声呼び出し)の通知を、パケットデータエアインタフェースを介して送信することを許容する新しいエアインタフェースプロトコルとなる。このようなハイブリッドプロトコルは、モバイル局がフィルタリングメカニズムを構成し、これで、回路交換サービスに関連した特定のタイプの呼び出しだけがパケットデータエアインタフェースを介して送られるようにすることを許容する。例えば、モバイルは、パケットデータインタフェースにチューニングされている間は、ショートメッセージングサービス(SMS)ではなく音声に対するこれらのような通知だけを受信することを要求する。
【0076】
ここに開示された実施形態と関連して説明するさまざまな解説的な論理ブロック、モジュール及び回路は、汎用プロセッサ、ディジタル信号プロセッサ(DSP)、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレー(FPGA)もしくは他のプログラム可能論理デバイス、個別ゲートもしくはトランジスタロジック、個別ハードウエアコンポーネント又は、ここに記載する機能を実行するように設計されたこれらのいずれかの組み合わせによって実現又は実行される。汎用プロセッサはマイクロプロセッサであったりするが、代替例では、このプロセッサはいずれかの従来型のプロセッサや、コントローラや、マイクロコントローラや、状態機械であったりする。プロセッサはまた、計算用デバイスの組み合わせとして、例えば、DSPと、マイクロプロセッサ、複数のマイクロプロセッサ、DSPコアと結合された1つ以上のマイクロプロセッサ又は他のいずれかのこのような構成との組み合わせとして実現される。
【0077】
ここに開示する実施形態と関連して説明した方法とアルゴリズムは直接的に、ハードウエアとして、プロセッサによって実行されるソフトウエアモジュールとして、又はこれら二者の組み合わせとして実施される。ソフトウエアモジュールはRAMメモリ、フラッシュメモリ、ROMメモリ、EPROMメモリ、EEPROMメモリ、レジスタ、ハードディスク、リムーバブルディスク、CD−ROM又は技術上周知の他の形態の記憶媒体中に備わっていてもよい。記憶媒体はプロセッサに結合され、これで、プロセッサがこの記憶媒体から情報を読み取ったり、これに情報を書き込んだりすることが可能となるようにする。代替例では、記憶媒体はプロセッサと一体化している。プロセッサと記憶媒体はASIC中に備わっている。このASICは加入者局又は他のどこかに備わっている。代替例では、プロセッサと記憶媒体は個別コンポーネントとして加入者局又はアクセスネットワーク上の他のどこかに備わっている。
【0078】
開示の実施形態に関する以上の説明は、当業者なら誰でも、本発明を作成又は利用することができるようにするためである。これらの実施形態に対するさまざまな修正は当業者には容易に明らかであろうし、また、ここに記載する一般的な原理は、本発明の精神や範囲から逸脱することなく他の実施形態に応用される。したがって、本発明はここに示す実施形態に限られることはなく、ここで開示された原理と新規な特徴とに矛盾しない限りで最も広い範囲を与えられることを意図するものである。
【0079】
当業者は、情報と信号が互いに異なるさまざまな技術や技法の内のいずれかを用いて表されることが理解される。たとえば、上の説明全体にわたって参照されたデータ、命令、コマンド、情報、信号、ビット、記号及びチップは電圧、電流、電磁波、磁場もしくは磁性粒子、光場もしくは光粒子又はこれらの何らかの組み合わせによって表される。
【0080】
当業者は、ここで開示された実施形態に関連して説明した実例となるさまざまな論理ブロック、モジュール、回路及びアルゴリズムの工程は、電子式ハードウエア、コンピュータソフトウエア又はこれら双方の組み合わせとして実現されることをさらに理解されよう。ハードウエアとソフトウエアのこの互換性を明瞭に解説するため、さまざまな実例となるコンポーネント、ブロック、モジュール、回路及び工程を、一般にその機能性という点で上述した。このような機能性がハードウエアとして実現されるかソフトウエアとして実現されるかは、特定の用途とシステム全体に課せられた設計上の制限とによって決まる。熟練した技能者は、既述の機能性を特定の用途毎に異なった方法で実現するであろうが、どのようにして実現するかの判断は、本発明の範囲から逸脱するものと解釈すべきではない。
【0081】
ここに開示する実施形態に関連させて説明した実例となるさまざまな論理ブロック、モジュール及び回路は、汎用プロセッサ、ディジタル信号プロセッサ(DSP)、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレー(FPGA)もしくは他のプログラム可能論理デバイス、個別ゲートもしくはトランジスタロジック、個別ハードウエアコンポーネント又は、ここに記載する機能を実行するように設計されたこれらのいずれかの組み合わせによって実現又は実行される。汎用プロセッサはマイクロプロセッサであってもよいが、代替例では、このプロセッサはいずれかの従来型のプロセッサや、コントローラや、マイクロコントローラや、状態機械であったりする。プロセッサはまた、計算用デバイスの組み合わせとして、たとえば、DSPと、マイクロプロセッサ、複数のマイクロプロセッサ、DSPコアと結合された1つ以上のマイクロプロセッサ又は他のいずれかのこのような構成との組み合わせとして実現される。
【0082】
ここに開示する実施形態と関連して説明した方法とアルゴリズムとの工程は直接的に、ハードウエアとして、プロセッサによって実行されるソフトウエアモジュールとして、又はこれら二者の組わせて実施される。ソフトウエアモジュールはRAMメモリ、フラッシュメモリ、ROMメモリ、EPROMメモリ、EEPROMメモリ、レジスタ、ハードディスク、リムーバブルディスク、CD−ROM又は技術上周知の他の形態の記憶媒体中に備わっている。例示の記憶媒体はプロセッサに結合され、これで、プロセッサがこの記憶媒体から情報を読み取ったり、これに情報を書き込んだりすることが可能となるようにする。代替例では、記憶媒体はプロセッサと一体化している。プロセッサと記憶媒体はASIC中に備わっている。このASICはユーザ端末中に備わっている。代替例では、プロセッサと記憶媒体は個別コンポーネントとしてユーザ端末中に備わっている。
【0083】
開示の実施形態に関する以上の説明は、当業者なら誰でも、本発明を作成又は利用することができるようにするためである。これらの実施形態に対するさまざまな修正は当業者には容易に明らかであるし、また、ここに記載する一般的な原理は、本発明の精神や範囲から逸脱することなく他の実施形態に応用される。したがって、本発明はここに示す実施形態に限られることはなく、ここに開示する原理と新規な特徴とに矛盾しない限りで最も広い範囲を与えられることを意図するものである。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1のエアインタフェースにしたがって第1のネットワークを監視し、
前記第1のエアインタフェースを介して第2のネットワークからメッセージを受信し、前記第2のネットワークが、前記第1のエアインタフェースとは異なる第2のエアインタフェースと関連していることを具備する無線通信の方法。
【請求項2】
前記第1のネットワークは回線交換ネットワークを備え、前記第2のネットワークはパケット交換ネットワークを備える請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記第1のネットワークを監視しながら前記第2のネットワークとの休止接続を維持することをさらに備える請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記第2のネットワークは第1と第2の地理的領域とを備え、前記方法は、前記第1のネットワークを監視しながら前記第2の地理的領域中に前記第1の地理的領域から進入することと、前記第2のネットワークとの通信をサポートするために、識別子の要求を前記第2の地理的領域中のアクセスネットワークに対して送ることとをさらに備え、前記要求は前記第1のエアインタフェースを介して送られる請求項2に記載の方法。
【請求項5】
前記第1のネットワークは第1と第2の地理的領域とを備え、前記方法は、前記第2のネットワークを監視しながら前記第1の地理的領域から前記第2の地理的領域中に進入することと、前記第2のネットワークとの通信をサポートするために、登録要求を前記第2の地理的領域中のアクセスネットワークに対して送ることとをさらに備え、前記登録要求は前記第1のエアインタフェースを介して送られる請求項2に記載の方法。
【請求項6】
前記第1のネットワークはパケット交換ネットワークを備え、前記第2のネットワークは回線交換ネットワークを備える請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記メッセージは前記第2のネットワークからの呼び出しを備え、前記方法は、前記第2のエアインタフェースにしたがって前記呼び出しに反応して前記第2のネットワークと通信することをさらに備える請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記第2のネットワークと通信する際に、前記第1のネットワークからメッセージを受信することをさらに備え、前記第1のネットワークからのメッセージは前記第2のエアインタフェースを介して送られる請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記第1のネットワークは回線交換ネットワークを備え、前記第2のネットワークはパケット交換ネットワークを備え、前記第1のネットワークからの前記メッセージが呼び出しを含み、前記方法は、前記第1のネットワークからの前記呼び出しに反応して前記第2のネットワークとの通信を終了し、前記第1のネットワークからの前記呼び出しに反応して前記第1のエアインタフェースにしたがって前記第1のネットワークと通信することをさらに含む請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記第1のエアインタフェースのフォーマットは第1の搬送周波数を備え、前記第2のエアインタフェースのフォーマットは前記第1の搬送周波数とは異なる第2の搬送周波数を備える請求項1に記載の方法。
【請求項11】
第1のネットワークと関連している第1のエアインタフェースにしたがって受信された信号から情報を回収するように構成されたアナログ回路と、
前記回収された情報から第2のネットワークからのメッセージを検出するように構成されたプロセッサであり、前記第2のネットワークは前記第1のエアインタフェースとは異なる第2のエアインタフェースと関連しているプロセッサと、
を具備する無線通信デバイス。
【請求項12】
前記第1のネットワークは回線交換ネットワークを備え、前記第2のネットワークはパケット交換ネットワークを備える請求項11に記載の無線通信デバイス。
【請求項13】
前記プロセッサは前記第2のネットワークとの休止接続を維持するようにさらに構成されており、前記アナログ回路は前記第1のエアインタフェースにしたがって受信された信号から情報を回収するように構成されている請求項12に記載の無線通信デバイス。
【請求項14】
前記第2のネットワークは第1と第2の地理的領域とを備え、前記プロセッサは前記無線通信デバイスが前記第1の地理的領域から前記第2の地理的領域に進入するとそれを検出するようにさらに構成されており、前記アナログ回路は前記第1のエアインタフェースにしたがって受信された信号から情報を回収するように構成されており、前記プロセッサは前記第2のネットワークとの通信をサポートするために前記第2の地理的領域中のアクセスネットワークから識別子を要求するようにさらに構成されており、前記識別子要求は前記第1のエアインタフェースを介して送られる請求項12に記載の無線通信デバイス。
【請求項15】
前記第1のネットワークは第1と第2の地理的領域とを備え、前記プロセッサは前記無線通信デバイスが前記第1の地理的領域から前記第2の地理的領域に進入するとそれを検出するようにさらに構成されており、前記アナログ回路は前記第2のエアインタフェースにしたがって受信された信号から情報を回収するように構成されており、前記プロセッサは前記第1のネットワークとの通信をサポートするために前記第2の地理的領域中のアクセスネットワークに対して登録要求を送るようにさらに構成されており、前記登録要求は前記第2のエアインタフェースを介して送られる請求項12に記載の無線通信デバイス。
【請求項16】
前記第1のネットワークはパケット交換ネットワークを備え、前記第2のネットワークは回線交換ネットワークを備える請求項11に記載の無線通信デバイス。
【請求項17】
前記メッセージは前記第2のネットワークからの呼び出しを備え、前記アナログ回路は、前記呼び出しに反応して前記第2のエアインタフェースにしたがって受信された第2の信号から情報を回収するようにさらに構成されている請求項11に記載の無線通信デバイス。
【請求項18】
前記プロセッサは、前記第2の信号から回収された前記情報から前記第1のネットワークからのメッセージを検出するようにさらに構成されている請求項17に記載の無線通信デバイス。
【請求項19】
前記第1のネットワークからの前記メッセージが呼び出しを備え、前記アナログ回路は、前記第1のネットワークからの前記呼び出しに反応して前記第1のエアインタフェースにしたがって受信された前記信号からさらなる情報を回収するようにさらに構成されている請求項18に記載の無線通信デバイス。
【請求項20】
前記第1のエアインタフェースのフォーマットは第1の搬送周波数を備え、前記第2のエアインタフェースのフォーマットは前記第1の搬送周波数とは異なる第2の搬送周波数を備える請求項11に記載の無線通信デバイス。
【請求項21】
第1のエアインタフェースにしたがって受信された信号から情報を回収する手段であり、前記第1のエアインタフェースのフォーマットは第1のネットワークと関連している手段と、
前記回収された情報から第2のネットワークからのメッセージを検出する手段であり、前記第2のネットワークは前記第1のエアインタフェースとは異なる第2のエアインタフェースのフォーマットと関連している手段と、
を具備する無線通信デバイス。
【請求項22】
前記メッセージは前記第2のネットワークからの呼び出しを備え、前記無線通信デバイスは、前記第2のエアインタフェースにしたがって前記呼び出しに反応して前記第2のネットワークと通信する手段をさらに備える請求項21に記載の無線通信デバイス。
【請求項23】
前記第2のネットワークと通信する際に前記第1のネットワークからのメッセージを受信する手段をさらに備え、前記メッセージは前記第1のエアインタフェースを介して送られる請求項22に記載の無線通信デバイス。
【請求項24】
前記第1のネットワークは回線交換ネットワークを備え、前記第2のネットワークはパケット交換ネットワークを備え、前記第1のネットワークからの前記メッセージは呼び出しを備え、前記無線通信デバイスは、前記第1のネットワークからの前記呼び出しに反応して前記第2のネットワークとの通信を終了させる手段と、前記第1のネットワークからの前記呼び出しに反応して前記第1のエアインタフェースにしたがって前記第1のネットワークとさらに通信する手段とをさらに備える請求項23に記載の無線通信デバイス。
【請求項25】
前記第1のネットワークは回線交換ネットワークを備え、前記第2のネットワークはパケット交換ネットワークを備える請求項20に記載の無線通信デバイス。
【請求項26】
前記第1のネットワークはパケット交換ネットワークを備え、前記第2のネットワークは回線交換ネットワークを備える請求項20に記載の無線通信デバイス。
【請求項27】
第1のエアインタフェースにしたがって加入者局に対してアクセスネットワークからの電波で第1のネットワークから信号を送信し、
前記第1のエアインタフェースを介して前記加入者局に対して前記アクセスネットワークからの電波で第2のネットワークからメッセージを送信し、前記第2のネットワークは前記第1のエアインタフェースとは異なる第2のエアインタフェースと関連している通信方法。
【請求項28】
前記メッセージの送信は、前記メッセージを前記第2のネットワークから第2のアクセスネットワークに対して、また、前記第2のアクセスネットワークから前記アクセスネットワークに対してルーティングすることを備える請求項27に記載の通信方法。
【請求項29】
前記メッセージは前記第2のネットワークからの呼び出しを備え、前記方法は、前記呼び出しにしたがって、前記第2のエアインタフェースに従って前記加入者局に対して前記第2のアクセスネットワークから放送で前記第2のネットワークから第2の信号を送信することをさらに具備する請求項28に記載の方法。
【請求項30】
加入者局が第1の地理的領域から第2の地理的領域に移動している間に、第1のエアインタフェースに従って加入者局に対して第1の基地局コントローラを介して回線交換ネットワークから信号を送信し、
前記加入者局が前記第2の地理的領域に進入した後で、パケット交換ネットワークとの通信をサポートするために識別子に対する要求を第2の基地局コントローラに対して前記加入者局から送信し、前記パケット交換ネットワークが前記第1のエアインタフェースとは異なる第2のエアインタフェースと関連しており、前記要求が前記第1のエアインタフェースを介して送信され、
前記パケット交換ネットワークとの通信をサポートするために前記第1の基地局コントローラから前記第2の基地局コントローラによって情報を検索することを具備する通信方法。
【請求項31】
前記加入者局は、前記加入者局が前記第1の地理的領域から前記第2の地理的領域に移動する際に前記パケット交換ネットワークとの休止接続を維持し、前記第1の基地局コントローラから前記第2の基地局コントローラによって検索された情報が、前記加入者局が前記第2の地理的領域中の前記回線交換ネットワークから前記信号を受信中に、前記第2の基地局コントローラを介して前記パケット交換ネットワークとの休止接続を維持することに関連する請求項30に記載の方法。
【請求項32】
加入者局が第1の地理的領域から第2の地理的領域に移動している間に、第1のエアインタフェースに従って前記加入者局に対して基地局コントローラを介してパケット交換ネットワークから信号を送信することであり、前記基地局コントローラは前記第1の地理的領域中に存在することと、
前記加入者局が前記第2の地理的領域に進入した後で、回線交換ネットワークとの通信をサポートするために登録要求を前記基地局コントローラに対して前記加入者局から送信することであり、前記回線交換ネットワークが前記第1のエアインタフェースとは異なる第2のエアインタフェースと関連しており、前記要求が前記第1のエアインタフェースを介して送信されることと、
前記第2の地理的領域中に位置しているモバイル切り替えセンターに前記加入者局を登録することであり、前記登録動作は前記基地局コントローラによって実行されることを具備する通信方法。
【請求項33】
前記加入者局の前記登録は、前記モバイル切り替えセンターに対してリフレクタを介して前記基地局コントローラから信号通知することをさらに具備する請求項32に記載の方法。
【請求項1】
第1のエアインタフェースにしたがって第1のネットワークを監視し、
前記第1のエアインタフェースを介して第2のネットワークからメッセージを受信し、前記第2のネットワークが、前記第1のエアインタフェースとは異なる第2のエアインタフェースと関連していることを具備する無線通信の方法。
【請求項2】
前記第1のネットワークは回線交換ネットワークを備え、前記第2のネットワークはパケット交換ネットワークを備える請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記第1のネットワークを監視しながら前記第2のネットワークとの休止接続を維持することをさらに備える請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記第2のネットワークは第1と第2の地理的領域とを備え、前記方法は、前記第1のネットワークを監視しながら前記第2の地理的領域中に前記第1の地理的領域から進入することと、前記第2のネットワークとの通信をサポートするために、識別子の要求を前記第2の地理的領域中のアクセスネットワークに対して送ることとをさらに備え、前記要求は前記第1のエアインタフェースを介して送られる請求項2に記載の方法。
【請求項5】
前記第1のネットワークは第1と第2の地理的領域とを備え、前記方法は、前記第2のネットワークを監視しながら前記第1の地理的領域から前記第2の地理的領域中に進入することと、前記第2のネットワークとの通信をサポートするために、登録要求を前記第2の地理的領域中のアクセスネットワークに対して送ることとをさらに備え、前記登録要求は前記第1のエアインタフェースを介して送られる請求項2に記載の方法。
【請求項6】
前記第1のネットワークはパケット交換ネットワークを備え、前記第2のネットワークは回線交換ネットワークを備える請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記メッセージは前記第2のネットワークからの呼び出しを備え、前記方法は、前記第2のエアインタフェースにしたがって前記呼び出しに反応して前記第2のネットワークと通信することをさらに備える請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記第2のネットワークと通信する際に、前記第1のネットワークからメッセージを受信することをさらに備え、前記第1のネットワークからのメッセージは前記第2のエアインタフェースを介して送られる請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記第1のネットワークは回線交換ネットワークを備え、前記第2のネットワークはパケット交換ネットワークを備え、前記第1のネットワークからの前記メッセージが呼び出しを含み、前記方法は、前記第1のネットワークからの前記呼び出しに反応して前記第2のネットワークとの通信を終了し、前記第1のネットワークからの前記呼び出しに反応して前記第1のエアインタフェースにしたがって前記第1のネットワークと通信することをさらに含む請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記第1のエアインタフェースのフォーマットは第1の搬送周波数を備え、前記第2のエアインタフェースのフォーマットは前記第1の搬送周波数とは異なる第2の搬送周波数を備える請求項1に記載の方法。
【請求項11】
第1のネットワークと関連している第1のエアインタフェースにしたがって受信された信号から情報を回収するように構成されたアナログ回路と、
前記回収された情報から第2のネットワークからのメッセージを検出するように構成されたプロセッサであり、前記第2のネットワークは前記第1のエアインタフェースとは異なる第2のエアインタフェースと関連しているプロセッサと、
を具備する無線通信デバイス。
【請求項12】
前記第1のネットワークは回線交換ネットワークを備え、前記第2のネットワークはパケット交換ネットワークを備える請求項11に記載の無線通信デバイス。
【請求項13】
前記プロセッサは前記第2のネットワークとの休止接続を維持するようにさらに構成されており、前記アナログ回路は前記第1のエアインタフェースにしたがって受信された信号から情報を回収するように構成されている請求項12に記載の無線通信デバイス。
【請求項14】
前記第2のネットワークは第1と第2の地理的領域とを備え、前記プロセッサは前記無線通信デバイスが前記第1の地理的領域から前記第2の地理的領域に進入するとそれを検出するようにさらに構成されており、前記アナログ回路は前記第1のエアインタフェースにしたがって受信された信号から情報を回収するように構成されており、前記プロセッサは前記第2のネットワークとの通信をサポートするために前記第2の地理的領域中のアクセスネットワークから識別子を要求するようにさらに構成されており、前記識別子要求は前記第1のエアインタフェースを介して送られる請求項12に記載の無線通信デバイス。
【請求項15】
前記第1のネットワークは第1と第2の地理的領域とを備え、前記プロセッサは前記無線通信デバイスが前記第1の地理的領域から前記第2の地理的領域に進入するとそれを検出するようにさらに構成されており、前記アナログ回路は前記第2のエアインタフェースにしたがって受信された信号から情報を回収するように構成されており、前記プロセッサは前記第1のネットワークとの通信をサポートするために前記第2の地理的領域中のアクセスネットワークに対して登録要求を送るようにさらに構成されており、前記登録要求は前記第2のエアインタフェースを介して送られる請求項12に記載の無線通信デバイス。
【請求項16】
前記第1のネットワークはパケット交換ネットワークを備え、前記第2のネットワークは回線交換ネットワークを備える請求項11に記載の無線通信デバイス。
【請求項17】
前記メッセージは前記第2のネットワークからの呼び出しを備え、前記アナログ回路は、前記呼び出しに反応して前記第2のエアインタフェースにしたがって受信された第2の信号から情報を回収するようにさらに構成されている請求項11に記載の無線通信デバイス。
【請求項18】
前記プロセッサは、前記第2の信号から回収された前記情報から前記第1のネットワークからのメッセージを検出するようにさらに構成されている請求項17に記載の無線通信デバイス。
【請求項19】
前記第1のネットワークからの前記メッセージが呼び出しを備え、前記アナログ回路は、前記第1のネットワークからの前記呼び出しに反応して前記第1のエアインタフェースにしたがって受信された前記信号からさらなる情報を回収するようにさらに構成されている請求項18に記載の無線通信デバイス。
【請求項20】
前記第1のエアインタフェースのフォーマットは第1の搬送周波数を備え、前記第2のエアインタフェースのフォーマットは前記第1の搬送周波数とは異なる第2の搬送周波数を備える請求項11に記載の無線通信デバイス。
【請求項21】
第1のエアインタフェースにしたがって受信された信号から情報を回収する手段であり、前記第1のエアインタフェースのフォーマットは第1のネットワークと関連している手段と、
前記回収された情報から第2のネットワークからのメッセージを検出する手段であり、前記第2のネットワークは前記第1のエアインタフェースとは異なる第2のエアインタフェースのフォーマットと関連している手段と、
を具備する無線通信デバイス。
【請求項22】
前記メッセージは前記第2のネットワークからの呼び出しを備え、前記無線通信デバイスは、前記第2のエアインタフェースにしたがって前記呼び出しに反応して前記第2のネットワークと通信する手段をさらに備える請求項21に記載の無線通信デバイス。
【請求項23】
前記第2のネットワークと通信する際に前記第1のネットワークからのメッセージを受信する手段をさらに備え、前記メッセージは前記第1のエアインタフェースを介して送られる請求項22に記載の無線通信デバイス。
【請求項24】
前記第1のネットワークは回線交換ネットワークを備え、前記第2のネットワークはパケット交換ネットワークを備え、前記第1のネットワークからの前記メッセージは呼び出しを備え、前記無線通信デバイスは、前記第1のネットワークからの前記呼び出しに反応して前記第2のネットワークとの通信を終了させる手段と、前記第1のネットワークからの前記呼び出しに反応して前記第1のエアインタフェースにしたがって前記第1のネットワークとさらに通信する手段とをさらに備える請求項23に記載の無線通信デバイス。
【請求項25】
前記第1のネットワークは回線交換ネットワークを備え、前記第2のネットワークはパケット交換ネットワークを備える請求項20に記載の無線通信デバイス。
【請求項26】
前記第1のネットワークはパケット交換ネットワークを備え、前記第2のネットワークは回線交換ネットワークを備える請求項20に記載の無線通信デバイス。
【請求項27】
第1のエアインタフェースにしたがって加入者局に対してアクセスネットワークからの電波で第1のネットワークから信号を送信し、
前記第1のエアインタフェースを介して前記加入者局に対して前記アクセスネットワークからの電波で第2のネットワークからメッセージを送信し、前記第2のネットワークは前記第1のエアインタフェースとは異なる第2のエアインタフェースと関連している通信方法。
【請求項28】
前記メッセージの送信は、前記メッセージを前記第2のネットワークから第2のアクセスネットワークに対して、また、前記第2のアクセスネットワークから前記アクセスネットワークに対してルーティングすることを備える請求項27に記載の通信方法。
【請求項29】
前記メッセージは前記第2のネットワークからの呼び出しを備え、前記方法は、前記呼び出しにしたがって、前記第2のエアインタフェースに従って前記加入者局に対して前記第2のアクセスネットワークから放送で前記第2のネットワークから第2の信号を送信することをさらに具備する請求項28に記載の方法。
【請求項30】
加入者局が第1の地理的領域から第2の地理的領域に移動している間に、第1のエアインタフェースに従って加入者局に対して第1の基地局コントローラを介して回線交換ネットワークから信号を送信し、
前記加入者局が前記第2の地理的領域に進入した後で、パケット交換ネットワークとの通信をサポートするために識別子に対する要求を第2の基地局コントローラに対して前記加入者局から送信し、前記パケット交換ネットワークが前記第1のエアインタフェースとは異なる第2のエアインタフェースと関連しており、前記要求が前記第1のエアインタフェースを介して送信され、
前記パケット交換ネットワークとの通信をサポートするために前記第1の基地局コントローラから前記第2の基地局コントローラによって情報を検索することを具備する通信方法。
【請求項31】
前記加入者局は、前記加入者局が前記第1の地理的領域から前記第2の地理的領域に移動する際に前記パケット交換ネットワークとの休止接続を維持し、前記第1の基地局コントローラから前記第2の基地局コントローラによって検索された情報が、前記加入者局が前記第2の地理的領域中の前記回線交換ネットワークから前記信号を受信中に、前記第2の基地局コントローラを介して前記パケット交換ネットワークとの休止接続を維持することに関連する請求項30に記載の方法。
【請求項32】
加入者局が第1の地理的領域から第2の地理的領域に移動している間に、第1のエアインタフェースに従って前記加入者局に対して基地局コントローラを介してパケット交換ネットワークから信号を送信することであり、前記基地局コントローラは前記第1の地理的領域中に存在することと、
前記加入者局が前記第2の地理的領域に進入した後で、回線交換ネットワークとの通信をサポートするために登録要求を前記基地局コントローラに対して前記加入者局から送信することであり、前記回線交換ネットワークが前記第1のエアインタフェースとは異なる第2のエアインタフェースと関連しており、前記要求が前記第1のエアインタフェースを介して送信されることと、
前記第2の地理的領域中に位置しているモバイル切り替えセンターに前記加入者局を登録することであり、前記登録動作は前記基地局コントローラによって実行されることを具備する通信方法。
【請求項33】
前記加入者局の前記登録は、前記モバイル切り替えセンターに対してリフレクタを介して前記基地局コントローラから信号通知することをさらに具備する請求項32に記載の方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【公開番号】特開2012−195958(P2012−195958A)
【公開日】平成24年10月11日(2012.10.11)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2012−134952(P2012−134952)
【出願日】平成24年6月14日(2012.6.14)
【分割の表示】特願2010−127052(P2010−127052)の分割
【原出願日】平成15年12月17日(2003.12.17)
【出願人】(595020643)クゥアルコム・インコーポレイテッド (7,166)
【氏名又は名称原語表記】QUALCOMM INCORPORATED
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年10月11日(2012.10.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−134952(P2012−134952)
【出願日】平成24年6月14日(2012.6.14)
【分割の表示】特願2010−127052(P2010−127052)の分割
【原出願日】平成15年12月17日(2003.12.17)
【出願人】(595020643)クゥアルコム・インコーポレイテッド (7,166)
【氏名又は名称原語表記】QUALCOMM INCORPORATED
【Fターム(参考)】
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