説明

複数のローラー圧縮から形成される圧縮木質物質

【課題】化石燃料の高騰に伴い、木質燃料の利用は重要視されています。木質ペレット暖房の普及は確実に増えていますが、順調とはいえません。木質燃料を使うには石油燃料のようにはいきません。灰の処理など手間を必要とすることを考慮したとしても思ったより木質ペレット価格が高い。
【解決手段】ホッパー20内の木質チップ19を、木質圧縮装置21を通過することで、圧縮された圧縮木質物質23が生成される。圧縮された木質の特徴は、チップの表面に存在する微少木質繊維が圧縮作用で少なくなることで、木質チップ同士の絡み合いを防ぐ。これを家畜敷き藁や燃料に利用する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
石油高騰は木質を燃料としたペレットストーブ普及を生み出しました。しかし、木質ペレットの価格も思ったより高く、さらなる普及の妨げになっています。本発明はこれらの課題の解消を目的に開発されたものである。
【背景技術】
【0002】
木質ペレットの形成は原料の木質の含水率と木の種類(性質)により、極めて強い影響を受けます。したがって、これらの課題解消に経費がかかり結果的に製品価格に反映され、高くなってしまいます。
木質の燃焼は一定の含水率が存在しても、燃焼に支障は起きません。しかし、木質ペレット形成では、含水率を一定(15%〜17%)の値にしなければペレット形状にならないのです。つまり、形状を確保するために多くの経費を使っていることが伺われます。
本発明は、木質燃焼とペレット形状の観点からこれらの課題解消を目指すものである。
特許文献に付きましては、調べましたが本発明に関連した同種の文献はありませんでした。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
請求項1の発明物質では、現在、和牛生産(乳牛も含む)において、牛舎の床に敷く敷き藁不足が問題になっています。敷き藁不足は稲刈り取りの際コンバインを用いて稲わらを切って圃場に撒き散らしてしまうことから稲藁不足が生じます。これらの課題解消を目的に開発されたものが請求項1の圧縮木質物質23で、比較的余っている木質を利用して課題解消を目的に開発したものである。
請求項2の発明物質26は、更なる低価格の木質燃料を目指したものである。ペレットストーブ普及はCO2削減の観点からも重要視されていますが、ここに来て普及数値は伸び悩み傾向を見せてきました。したがって、さらなる低価格を実現させることで、木質を燃料とした暖房の促進を目的に開発されたものである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
請求項1の家畜敷料(敷き藁)関係では、木質チップを図2のホッパーから複数且つ回転速度の異なったローラー11、15接触部に投入することで、大きな圧力と異なった回転の違いから発生するねじれ作用により木質が破壊されると同時に熱が発生する。発生した熱は木質に含有される水分を蒸発させる事になり、結果的に形成された圧縮木質物質23の含水率を下げる効果を得ることが出来る。さらに、1図で示すように木質が破壊されると同時に左右から圧縮されることで厚さが2ミリメートル且つ煎餅状の木質が形成されます。この圧縮木質物質23が多く生産されることで、ふわふわ状態の集合体を示し、代替稲藁の特徴を持つ木質が生成されるのである。
請求項2の小形状木質26は、圧縮木質物質23が形成された後、さらに木質チッパー装置24、25、の働きでさらに小さい小形状木質26が生成される。この物質の特徴は、含水率減少効果を得ると同時に表面の羽毛形状が少なくなることで、燃焼部に搬送される過程での絡み合い障害(ブリッジ障害)を無くし、順調に流れる搬送作用が得られる。
次に、もう一方の特徴である、製造における生産コストに関する課題の解消方法は、現在使われている木質ペレット燃料生産に伴う製造経費に対して本発明木質燃料は構造的に簡単で低コスト生産が出来ます。したがって、製造コストの少ない発明木質燃料が生産されることで、一般消費者に価格の安い木質燃料の供給が可能になります。
【発明の効果】
【0005】
低コスト木質燃料の生産が可能になることで、木質燃料の普及がさらに進むと考えられます。また、普及の促進が進むことでCO2課題の解消にも貢献する効果を得ることが出来る。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
本発明物質の機械的生産構造は木質ペレット製造に対して極めて簡単な構造を示しています。したがって、先ず、生産装置を作り、実証生産を行うと同時にペレットストーブを用いて燃焼試験を繰り返し行うことでデーターを収集する作業が最良の形態と思われる。
【実施例】
【0007】
現在は、実証実験用図2の装置と以前から使っていた木質チッパー24、25を用いて実証試験を行っています。したがって、その実施過程を、図面を用いて説明する。
木質チップ19を(10ミリメートル〜30ミリメートル)ホッパー20に投入することで、同時にローター圧縮装置内に入り、圧縮が開始される。ローター11に対してローター15は回転数が異なっており、左右からの圧縮作用と同時に引き裂く力も加わることで木質が煎餅状になり、同時に木質が破壊されることで圧縮木質物質23が生成される。
生成された物質23はコンベヤー22で運ばれ、木質チッパー25、24に投入されることでさらに小さく破壊され、請求項2に示す発明物質小形状木質26が形成される。
【産業上の利用可能性】
【0008】
本発明は複数の効果を得ることが出来ますが、最も効果的特徴は木質ペレット燃料の代替燃料を目的にしています。したがって、一般家庭の低価格な木質燃料暖房資材として普及されると考えています。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】 発明物質の製造フロー図
【図2】 木質圧縮装置の平面図
【図3】 木質圧縮装置の側面図
【符号の説明】
【0010】
1、調整ボルト 2、スプリング安定金具
3、スプリング 4、スライド盤
5、ベアリング 6、シャフト
7、プーリー 8、ベルト
9、プーリー 10、モーター
11、ローター 12、ホッパー
13、歯車 14、歯車
15、ローター 16、スライドレール
17、固定盤 18、ボルト
19、木質チップ 20、ホッパー
21、木質圧縮装置 22、コンベヤー
23、請求項1の発明物質 24、ケーシング
25、木質チッパー 26、請求項2の発明物質
A,10cm B,1,5mm C 2cm D、0.5cm

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ホッパー20内の木質チップ19を、駆動されたチップ木質圧縮装置図2を通過することで、本、発明物質である圧縮変形された圧縮木質物質23が生成する。圧縮された木質の特徴は、チップの表面に存在する微小木質繊維(羽毛のような物質)が、圧縮作用で少なくなることで、木質チップ同士の絡み合いを防ぐ作用を示す。さらに、圧縮され、木質が破壊を示すとき熱が発生することで、木質内の含有水分量が減少する効果を得た物質である。
同時に本木質は極めて薄く圧縮されるため、多くが集まることでフワフワ感のある集合体を示す。したがって、家畜育成に伴う家畜舎の床に敷く敷き藁の代替資材として活用する。など複数の特徴を持つローラー圧縮から形成される圧縮木質物質。
【請求項2】
請求項1で形成された木質物質23をベルトコンベヤー22を用いて木質チッパー装置24、25、を通過(駆動作用)させることで木質はさらに小さくなり本発明物質である小形状木質26が形成される。
本、発明物質の特徴は、現在、使われている暖房用木質ペレットの代替燃料として開発されたもので、製造経費が現在の木質ペレットに対して極めて低経費で製造できる特徴を持っている。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2010−120366(P2010−120366A)
【公開日】平成22年6月3日(2010.6.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−335876(P2008−335876)
【出願日】平成20年11月19日(2008.11.19)
【出願人】(507033451)
【Fターム(参考)】