説明

複数の共軸配置されたダイアフラムを含む音響トランスジューサ

伝統的なトランスジューサでは難しい又は不可能な応用例における使用を可能にする寸法を有する音響学上効率的なスピーカシステムを提供するために1セット又は2セット以上の複数のダイアフラムを駆動する1個又は2個以上の電磁モータを含む音響トランスジューサ。ダイアフラムは直接的又は慣性若しくは流体により駆動されうる。ダイアフラムがそれの穴を通るロッドによって駆動されると、通し穴から漏れる空気によってノイズが作り出されるかもしれない。このノイズは、空気漏れを減少させまたは排除する手段によって減少または排除されうる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はオーディオシステムと音響の分野に関し、より詳しくは、電気信号を音放射に変換する音響トランスジューサのための改良されたフォームファクタを供給することに関する。
【背景技術】
【0002】
可動コイル動電拡声器の一般原理はよく理解されている。音を作り出すトランスジューサの能力の中心はボリューム変位の概念である。単一のダイアフラムを持つトランスジューサのボリューム変位はそのダイアフラムの有効表面積に可動量(エクスカーション)を掛けたものに等しい。トランスジューサのボリューム変位が大きければ大きいほど、音を創成する能力はより大きい。大ボリューム変位の必要性は低周波数で特に求められる。トランスジューサにおけるより大きなボリューム変位を達成するための伝統的方法はダイアフラムの表面積を増すこと、ダイアフラムの可動量を増やすこと、またはその両方である。
【0003】
意味のある低周波数エネルギーを発生させるのに使用される伝統的なトランスジューサは大きい表面積の単一のダイアフラムを組み込み、ダイアフラムの適切な可動範囲を与えるモータとハウジングを使用する。このことはラウドスピーカのダイアフラムの最小寸法リクワイアメントに通じ、引いては、スピーカのエンクロジャーに最小寸法リクワイアメントを課す。フラットパネルテレビやコンピュータモニタなどの応用例において優れた低周波応答を持つ伝統的なトランスジューサを使用するのは非常に難しい。これらの応用例では、現在、解決策として、低周波音を再生させるのに別のサブウーファーボックスを使用しており、その結果、コスト増と不便さをもたらしている。自動車のステレオセット応用例においても同じであり、デザイナーは車中にサブウーファーを隠す場所を見つけるのに苦労しており、通常、トランク内か座席の下に配置している。
【発明の開示】
【0004】
伝統的なトランスジューサで満足に扱うことができない応用例において高音圧レベルでの高い信頼性を備える低周波音を再生させることができる音響トランスジューサを提供することが本発明の目的である。
【0005】
本発明の1つの実施の態様によると、音響トランスジューサの音発生面領域は、自動車のステレオセット他フラットパネルテレビやコンピュータモニタなどの応用例における使用にはるかに適したフォームファクタで複数のダイアフラムを横切るように配設される。これらの複数のダイアフラムを1つ以上のグループに分けることができ、各グループのダイアフラムは該グループのすべてのダイアフラムに接続されている少なくとも1個のモータによって同時に駆動される。電気オーディオ信号を運動に変換できるモータも使用してグループ内のダイアフラムを駆動することができる。例えば、可動ボイスコイルと非可動(固定)磁石から成るモータを使用することができる。
【0006】
ここで説明される音響トランスジューサの特定の実施例では、すべてのダイアフラム、若しくは、すべてのダイアフラムがマウントされているハウジングを駆動する単一のモータを使用するか、又は、半分のダイアフラムをそれぞれ駆動する2個のモータを使用する。原則として、モータの数はダイアフラムの数から独立している。例えば、音響トランスジューサは、2個のモータによって駆動される4個のダイアフラムの1グループと、1個のモータによって駆動される3個のダイアフラムの別のグループを有することができる。
【0007】
各駆動モータはそれが駆動するすべてのダイアフラムに直接又は間接的に連結されうる。間接的な接続は、モータをハウジングに直結してハウジングをサラウンドかサスペンションによってダイアフラムに連結させ、または、ダイアフラムとモータをガスか液体を介して連結することによって達成されうる。特定の音響トランスジューサのすべてのモータは本質的には同じオーディオ信号を受けることができ、互いに直列又は並列に連結される。
【0008】
本発明の様々な実施例の構造に使用される材料は典型的な音響トランスジューサの構造に使用される材料とすることができる。ハウジング、コネクチングロッド、およびモータは、共振、振動、またはたわみのモードが興味あるオーディオスペクトルの外にある特性振動数を有する材料で作られるかもしれない。これらの要素は、望ましくは、音発生機構の一部でないので、興味のオーディオスペクトルのモードを持つ材料の使用は、不要なオーディオアーチファクトをもたらすかもしれない。望ましくは、ダイアフラムやコネクチングロッドなどの可動部は装置の効率を高めるためにできるだけ軽い材料で作られている。例えば、ガラス又はマイカを充填したポリプロペレンポリフェニレンオキシドスチレン材料か炭素繊維材料が使用される。
【0009】
ここで説明される実施例は円筒状のハウジングと丸いダイアフラムを持つ管状のフォームファクタを利用するら、ハウジングとダイアフラムの断面は丸である必要はない。それらは、楕円形、長方形であってもよく、本質的には望まれるいかなる他の形とすることができる。
【0010】
本発明の種々の実施の形態に必要である追加的な複雑さと追加部分は、製造コストをげ、トランスジューサの信頼性を減少させるかもしれない。これらの問題を次のようなモジュールデザインを使うことによって緩和し又は避けることができる。例えば、ここでモータモジュールと呼ばれる1つのタイプのモジュール、即ち、磁石アセンブリと、コイルと、ダイアフラムかコーンを含むもの、そして、ここでダイアフラムモジュールと呼ばれる別のタイプのモジュール、即ち、ハウジング部と、ダイアフラムと、サスペンションと、前記ダイアフラムに連結された1セットのロッドとを含むものである。モータモジュールはダイアフラムモジュールと合うように設計されていて、モータモジュールのモータを隣接するダイアフラムモジュールのダイアフラムに機械的に結合する1セットのロッドを含むことができる。代替的に、モータモジュールは、隣接するダイアフラムモジュールのダイアフラムに流体連結されたダイアフラムを含むことができる。ダイアフラムモジュールはまた、別のダイアフラムモジュールと合うように設計されている。本質的にはいろいろな数のダイアフラムモジュールを線形モジュール配列に組み立てることができる。各ダイアフラムモジュールのロッドは、直に隣接するダイアフラムモジュールの開口を通り抜けて、次のダイアフラムモジュールのダイアフラムに機械的に繋がる。各ダイアフラムモジュールのハウジング部は隣接するダイアフラムモジュールのハウジング部と合ってモジュール間に室(チャンバ)を形成するように設けられている。それぞれの室内の空気はハウジングの外の空気から音響的に絶縁されるか、あるいは、ポート、通気口若しくは他の開口を介してハウジングの外の空気と音響的に結ばれる。
【0011】
本発明による音響トランスジューサは前部波と後部波を発生させる。トランスジューサは通常、適当にリスナに向けられた開口であって、その開口を介して前部波を出すことができる開口を有するハウジングによって囲まれることが理解される。音響トランスジューサにおいて後部波に対処するためのよく知られ多数の標準的な方法があり、それらの方法のいずれも本発明に使用できる。例えば、後部波を遅延をもたらす伝送路を介して送ることでき、バッフルとして作用する大きい包囲体の中に送ることこともでき、あるいは、周りの空気中に直接送ることができる。後者の方法は、一般に、低周波数におけるトランスジューサのオーディオ効率を減少させる。
【0012】
本発明による音響トランスジューサの全体サイズは低周波数におけるオーディオ効率の必要なレベルに高く依存している。高いオーディオ効率は、個々のダイアフラムの表面積を増し、個々のダイアフラムの運動範囲を大きくし、ダイアフラムの数を増し、ダイアフラムと空気の間で音響インピーダンスマッチを最適化し、あるいは、これらをいくつかを組合せることにより達成される。
【0013】
本発明の1つの教示によると、トランスジューサは、各ダイアフラムに取り付けられた単一の駆動ロッドを使用することによって複数のダイアフラムを作動させる単一のモータを含んでいる。それぞれのダイアフラムの片面はリスニング環境に向けた開口に面している。それぞれのダイアフラムの反対面はバッフルによってリスニング環境から絶縁される。駆動ロッドはバッフル及び/又はダイアフラムの開口を通ることができる。駆動ロッドが通るすべての開口において望まれない空気漏れを防ぎ又はかなり減少させるためにシールを使用することができる。
【0014】
本発明の別の教示によると、トランスジューサは、それぞれが複数のダイアフラムを作動させる2個のモータを含んでいる。ダイアフラムは2つのグループに構成され、1グループのダイアフラムは1個のモータによって駆動され、もう片方のグループのダイアフラムはもう片方のモータによって駆動される。望ましくは、ダイアフラムのグループは対向して駆動される。ダイアフラムは、駆動ロッドを使用することでモータによって駆動動される。駆動ロッドはバッフル及び/又はダイアフラムの開口を通ることができる。残念ながら、空気はこれらの開口から漏れうるので、多くの相互変調と高調波ひずみを生じさせる。この漏れはまた音出力レベルをかなり減少させる。ロッドが通るところの開口を含み、ダイアフラムのあらゆる開口において、望まれない空気漏れを防ぐためにシールを使用することができる。
【0015】
これらのシールを圧縮かつ伸長可能で開口においてロッドに取り付けることができる軽量発泡材片から形成することができる。ロッドが発泡片を開口に向かって押すとそれは圧縮され、ロッドがそれを開口から引き離そうとするとそれは伸長する。これらのシールは、また、必要に応じて伸び縮みできるベローに使用されるようなファブリックなどのプリーテッド・ファブリックで作られる。あるいはまた、駆動ロッドはどんなダイアフラムやバッフルも通らないような方法で配設され、そのため、シールを必要としない。
【0016】
駆動ロッドがダイアフラム及び/又はバッフルを通り抜ける実施例の場合にシールの使用を避けることが望ましいかもしれない。それは、シールがコストを増加させ実施例を複雑にするからである。このシールの使用を避けることは、駆動ロッドが通るダイアフラム及び/又はバッフルの開口のサイズを総合性能を最適化するように設計することによって達成される。これらの開口はここに「通し開口」と呼ばれる。ダイアフラムの通し開口を通る空気漏れは、可聴ひずみ又はノイズの形態としての望ましくないアーチファクトを作り及び/又は空気の総ボリューム変位を減少させるかもしれない。空気漏れによるこれらのアーチファクトは、開口を通る空気を拡散させることによって開口の気流への抵抗を増して可聴騒音をより少なくすることで減少される。例えば、空気が移動しなければならない経路長を大きくし、または開口のサイズを小さくすることによって抵抗を増すことができる。空気漏れ騒音を減少させるためのいくつかのテクニックが以下のパラグラフで説明される。これらのテクニックは、望ましい結果を獲得するために、個別又は組合せで使用される。
【0017】
1つのテクニックによると、気流への抵抗は、空気の運行路長を増すためにより厚いダイアフラムを使用することによって増される。これには、通常、ダイアフラムの質量を増し任意の総トランスジューサボリュームの最大可動域(エクスカーション)を減ずる効果がある。
【0018】
別のテクニックによると、2つのダイアフラムの間に粘弾性ポリマーなどの制振材料の層を挟んだ「サンドイッチ」を使用することによってダイアフラムの厚さを増す。結果として起こる合成ダイアフラムは非常に制振性が高くなり、音響アーチファクトの減少を助けるので音響トランスジューサとしてしばしば望ましい。制振材料の存在は、ダイアフラムをはるかに軽い材料から形成することを可能にし、その結果、トランスジューサの望ましくない移動質量の増加を緩和する。
【0019】
別のテクニックによると、ダイアフラムの厚みは、紙のような伸びないスキン材料と、ウレタンフォームなどの軽量離間材との「サンドイッチ構造」を使用して増される。結果の合成ダイアフラムは、通常、モノリシックのダイアフラムよりもより軽量かつより硬い。
【0020】
別のテクニックによれば、気流への抵抗は、通し開口の周りにおいてダイアフラムに筒状「スリーブ」を加えることによって増される。スリーブの使用はダイアフラム質量の増加を最小にする付加的効果を有する。ダイアフラムの両面でスリーブの形状を変えることが望ましいかもしれない。例えば、リスナによって聞かれる音の前部波を伝えるダイアフラムの外面に筒状スリーブを設け、該スリーブを漏斗状に形成して通し開口を通り抜ける空気の乱流ノイズを減少させることとしても良い。
【0021】
別のテクニックによると、気流への抵抗は、気流抵抗材料から作ったスリーブを通し開口の周りに付加することによって増強される。これらのスリーブの内径は、通し開口を通る駆動ロッドの周りにスリーブがある程度ぴったりと嵌合するくらいに小さくすることができる。これらのスリーブに使用される材料は、スリーブが駆動ロッドと接触するときに望ましくない摩擦ノイズを減少させるために柔らかくて、滑りやすく、かつ、通し開口を通り抜ける空気の量を減少させのに十分な空気流抵抗を持つものが望ましい。適当な材料の例は、絹、ポリエステル、軟質の羊毛、その他弾性織物と組み合わせた材料で作られた布地を含む。望ましくは、これらの柔らかな布地はプラスチックか金属などの硬質材料で作られたより短い筒状スリーブの周りに取り付けられる。
【0022】
空気漏れノイズを低減するための別の方法は、摩擦とノイズを最小にすると共に気流を効果的に止める材料で通し開口をシールすることである。そのような材料の例は柔らかくてフレキシブルなファブリックで作られたベロー、およびチキソトロピーゲルなどの半流動体潤滑剤を含んでいる。ロッドとスリーブの間に強磁性液体を使用することによって、同様のエフェクトを達成できる。強磁性液体はダイアフラムに取り付けられた薄いリング状の磁石によって適所で保たれる。
【0023】
空気漏れノイズの低減のための別の方法は、通し開口を通り抜ける空気を拡散させることである。これを達成するための1つのテクニックは空気の運行路の出口点に柔らかい発泡材を加えることである。特に、柔らかい発泡材のシリンダを通し開口の周りに直接加えるか、あるいは、プラスチックか金属などの硬質材料で作ったより短い筒状スリーブの周りに間接的に加えることである。発泡材は硬質スリーブを超えてその上まで延伸し、かつ、内側に湾曲して通し開口を覆い駆動ロッドにほぼ接触するように設けられる。発泡材は、それが駆動ロッドと接触するときに望まれていない摩擦ノイズを減少させると共に、空気を拡散させるという望ましい特性を持つ網状の連続気泡ポリウレタンとすることができる。使用目的によっては、リスナによって聞かれない音の後部波を伝えるダイアフラムの内面だけに発泡材を置くことが望ましい。これは、より小さい内径を持つより長い発泡材スリーブを使用することを可能にする。通し開口を通過する空気を拡散させることに加えて気流への抵抗を増強するためにこれらの発泡材スリーブを駆動ロッドによりタイトに接触させることとしても良い。駆動ロッドによりタイトに接触させることは摩擦ノイズを増すが、そのノイズは後部波に含まれているのでリスナにはそれほど気にかかるものではない。
【0024】
前記のテクニックの組合せにより、すなわち、ダイアフラムにスリーブを加えかつダイアフラム自体の厚みを増すことによって空気漏れノイズを低減することができる。
【0025】
そのような組合せ技術の実施例は、各々が外側面だけにおいて通し開口の周りに筒状スリーブを有する2つのダイアフラムと、該2つのダイアフラムの間に配設された制振材料の層のサンドイッチ構造から成る合成ダイアフラムを形成することによって、気流への抵抗を増す。制振材料層の厚み、ダイアフラム要素の厚み、およびスリーブの長さを調整することによってほとんどどんな応用例にも合うように空気漏れノイズの低減、移動質量の増加量、およびダイアフラム減衰量をカスタマイズできる。空気漏れアーチファクトの低減のための組合せ技術の別の実施例は通し開口の周りに柔らかい発泡材と柔らかい布地スリーブの両方を加えている。特に、硬質スリーブの周りに柔らかい発泡材を設け、かつ、該発泡材の周りに柔らかい布地を設けることとしても良く、それにより、気流への抵抗増加効果と、通し開口を通る空気を拡散させる効果を結合することができる。
【0026】
空気漏れアーチファクト低減のための組合せ技術の別の実施例はロッドの周りにタイトな軸受筒を使用することである。軸受筒は、望ましくは、自己潤滑性ポリマーなどの極めて低摩擦の材料で作られている。望ましくは、軸受筒をフレキシブルな気密材料を介してダイアフラムに取り付けて限定的な運動をさせるようにし、かつ、ダイアフラムを振動から絶縁する。
【0027】
空気漏れノイズ低減のために上で説明されたテクニックは、穴を有するダイアフラム又はコーンを使用するどんなトランスジューサにも適用できる。これらのテクニックは、複数のダイアフラムを使用するアレイ型トランスジューサに制限されない。
【0028】
本発明のさらに別の教示によると、トランスジューサは、各々がサラウンド、スパイダー他の形態のサスペンションによって吊される多数のダイアフラムを含む1つ以上の構造を直接作動させるモータを含んでいる。それぞれのダイアフラムの間隔波はバッフルによって隣接ダイアフラムから音響学的に絶縁される。それぞれのダイアフラムの前部波は通し開口を通ってリスニング環境に伝わることが許容される。駆動ロッドを使用せずに、代わりに、ダイアフラムは慣性により駆動される。この教示は複数のモータを使用することに広がるかもしれない。さらに、異なる構造を互いに反対方向に運動させることもできる。
【0029】
本発明のさらなる教示によると、各駆動モータは単一のダイアフラムに機械的に連結される。そのダイアフラムは流体によって別のダイアフラムに連結され、該別のダイアフラムを他のダイアフラムに機械的に連結することができる。このように、複数のダイアフラムを間接的に駆動するために1つ以上の従来技術のスピーカを使用できる。空気カップリングなどの空気流体継手が直接駆動ダイアフラムと間接駆動ダイアフラムの間で使用されるなら、間接駆動ダイアフラムは、あたかも低域通過特性を備えるフィルタを通る信号によって駆動されるように作動し、一方、直接駆動ダイアフラムはあたかも完全周波数範囲を有する信号によって駆動されるように作動する。このような実施例では、直接駆動ダイアフラムが高周波音の大部分を作り出し、間接駆動ダイアフラムは低周波音の大部分を作り出す。
【0030】
本発明のさらなる教示によると、ハウジングを備えるトランスジューサは、各々がハウジング部と、該ハウジング部から吊されたダイアフラムを有する複数のダイアフラムモジュールと、ダイアフラムに結合された1セットの1つ以上のロッドとを含む。それぞれのダイアフラムモジュールのためのハウジング部は第1表面と、その反対側の第2表面を有する。1つのダイアフラムモジュールにおけるハウジング部の第1表面は、隣接モジュールのそれぞれのダイアフラム間に室が形成されるように、別のダイアフラムモジュールにおけるハウジング部の第2裏面に合うように設計されている。モジュールのためのハウジング部は、室内の空気を室外の空気に音響学的に結合させるポート、通気口他のタイプの開口を有することができる。それぞれのダイアフラムモジュールにおけるロッドは、すぐに隣接しているダイアフラムモジュールの通し開口を通って次のダイアフラムモジュールのダイアフラムに機械的に連結される。1つの実施の態様では、1モジュールにおけるロッドのセットはダイアフラムの1表面からはみ出て、ダイアフラムの反対の表面は隣接モジュールの横で前記1モジュールのロッドの端部を受けて係合するために設けた取付手段を有する。別の実施の態様では、第1セットのロッドは対応するダイアフラムの1表面からはみ出て、第2セットのロッドは該ダイアフラムの反対の表面からはみ出る。これらの2セットにおけるロッドの端部は互いと合うように設けられている。
【0031】
本発明のさらに別の教示によると、前記のダイアフラムモジュールはダイアフラムに連結されるロッドを有していない。それぞれのダイアフラムモジュールはハウジング部と、該ハウジング部から吊されたダイアフラムとから成る。トランスジューサの中間部がこれらの複数のダイアフラムモジュールから組み立てられた後に、ロッドは適切なダイアフラムに挿入され、のり付け(接着剤による接着)や音響式溶接のような結着プロセスによってダイアフラムに取り付けられ、そして、1つ以上のモータモジュールがトランスジューサの中間部の端部に取り付けられる。
【0032】
上で説明したいずれの実施の態様においても、通し開口の周りにスリーブを付け足し、あるいは、ダイアフラムは、2個のダイアフラムと、それらの間にサンドイッチされた制振材料の層とで構成された合成ダイアフラムとすることができる。このサンドイッチ構造のダイアフラムはまた、望ましくない空気漏れノイズを減少させるために、その一方又は両方の表面に筒状スリーブを組み込むことができる。
【0033】
上で説明したいずれの実施の態様においても、ダイアフラムのサスペンションはすべて同じ特性や向きを有する必要はない。例えば、ダイアフラムを直接駆動する実施の態様では、モータの近くでは、より硬いサスペンションを使用して、駆動ロッドの作動方向以外の方向の運動を最小にすることが望ましいかもしれない。さらに、単一のモータによって作動されるダイアフラムのサスペンションのいくつが他のサスペンションに関して逆方向を向くようにサスペンションを指向させることによって、トランスジューサの歪特性を減少させるためにサスペンションの非対称的特性を取り消し又は減少させることができる。
【0034】
本発明の様々な特徴とその好適な実施例は以下の説明と添付図面を参照することによってよりよく理解されるであろう。以下の説明と図面の内容は例示的なものであり、本発明の範囲に制限を与えるものであると理解するべきでない。
【発明の実施の態様】
【0035】
A.直接駆動
図1は発明の1実施の態様を示し、電磁モータは磁石1010とボイスコイル1020を含み、駆動ロッド1040に結合された機械的カップリング1030がボイスコイル1020に取り付けられている。駆動ロッドは複数のダイアフラム1050に取り付けられ、それぞれのダイアフラムがそれぞれのサスペンション1070を介してハウジング1060に取り付けられている。オーディオ信号がボイスコイルに与えられると、ダイアフラムの一側からの音波は開口1080を通してリスニング環境まで広がることができる。ダイアフラムの反対側からの音波はもう1セットの開口1085から広がることができる。望まれない空気漏れは、バッフル1090とシール1100によってかなり防がれまたは減少させられる。望まれるならば、1個以上の軸受筒をモータ内に使用して望ましくないボイスコイル動作のを防ぐことができる。あるいはまた、シールを使用しないで駆動ロッド1040はいくつかの又はすべてのダイアフラム1050を貫通することができる。ロッドとダイアフラムの間のスペースのサイズを最適化し、ダイアフラムとロッドの間の摩擦をでできる限り少なくすると共に、空気漏れを最小にすることができる。
【0036】
図2は発明の1実施の態様を示し、電磁モータは磁石2010とボイスコイル2020を含み、駆動ロッド2040に結合された機械的カップリング2030がボイスコイル2020に取り付けられている。駆動ロッド2040は複数のダイアフラム2050に取り付けられ、各ダイアフラムがそれぞれのサスペンション2070を介してハウジング2060に取り付けられている。サスペンション2070はすべてが同じ性質を有する必要はない。例えば、ボイスコイルの近くでは、より硬いサスペンションを使用して、駆動ロッドの作動方向以外の方向のボイスコイルの移動を最小にすることが望ましいかもしれない。サスペンションの幾何学的形状と材料を制御することによってサスペンション2070の硬さを制御できるであろう。その上、単一のモータによって作動されるダイアフラムのサスペンションを反対方向に向くように配設することによって、トランスジューサの歪特性は減少するかもしれない。この特定の実施の態様では、駆動ロッド2040は、1つのダイアフラムを除いて、シール2180によって封をされたすべての開口2150を通り抜ける。1つの別のモータは磁石2110と、駆動ロッド2140に結合した機械的カップリング2130を有するボイスコイル2120を含む。駆動ロッド2140は複数の2150に取り付けられ、それぞれのダイアフラムがそれぞれのサスペンション2170を介してハウジング2060に取り付けられている。
【0037】
この特定の実施の態様では、駆動ロッド2140は、1つのダイアフラムを除いて、シール2180によって封をされるすべてのダイアフラム2050の開口を通り抜ける。ボイスコイル2020と2120は、各ダイアフラムが隣のダイアフラムと向かい合って動くように接続されている。オーディオ信号がトランスジューサに与えられと、ダイアフラムの前部からの音波は開口2090を通してリスニング環境まで広がることができる。前部波と後部波の間の漏れはダイアフラムのシールによってかなり防がれまたは減少させられる。後部波は開口2190を通して輻射できる。あるいはまた、シールを使用しないで、駆動ロッド2040と2140はダイアフラム2050と2150のいくつか又はすべてを通り抜けることができる。ロッドとダイアフラムの間でできる限り摩擦を少なくすると共に、空気漏れを最小にするためにダイアフラムとロッドの間のスペースを最適化できる。発明のこの実施の態様における機械部品の製造許容誤差による部品の変化を考慮した正味の運動量変化はゼロ又は実質的にゼロであり、したがって、トランスジューサハウジング2060には本質的に振動がない。
【0038】
図3は発明の1実施の態様を示し、電磁モータが磁石3010と、ボイスコイル3020を含み、該ボイスコイル3020は、2つの駆動ロッド3040が結合された機械的なカップリング3030に取り付けられている。駆動ロッド3040はダイアフラム3050に取り付けられ、ダイアフラムはサスペンション3070によってハウジング3060に取り付けられている。オーディオ信号がトランスジューサに適用されるとき、ダイアフラムの一側からの音波は開口3080を通してリスニング環境まで広がることができる。ダイアフラムの反対側からの音波は開口3180を通して輻射できる。個々の室の間の望まれない空気漏れはバッフル3090によってかなり防がれまたは減少させられる。
【0039】
図4は発明の1実施の態様を示すものであり、電磁モータが磁石4010とボイスコイル4020を含み、該ボイスコイルは、駆動ロッド4040と結合された機械的カップリング4030に取り付けられている。駆動ロッド4040はダイアフラム4050に取り付けられ、ダイアフラムはサスペンション4070によってハウジング4060に取り付けられている。別の1つのモータは磁石4080と、駆動ロッド4110に結合された機械的カップリング4100を有するボイスコイル4090を含む。駆動ロッド4110はダイアフラム4120に取り付けられ、ダイアフラムはサスペンション4130によってハウジング4060に取り付けられている。ボイスコイルは、各ダイアフラムはそれに隣接するダイアフラムと向かい合って動くように接続されている。オーディオ信号がトランスジューサに適用されるとき、ダイアフラムの前部からの音波は開口4160を通してリスニング環境まで広がることができる。ダイアフラムの後部からの音波は開口4180を通して輻射できる。発明のこの実施の態様における機械部品の製造許容誤差による部品の変化を考慮した正味の運動量変化はゼロであるか実質的にゼロである。したがって、トランスジューサハウジングには本質的に振動がない。
【0040】
図2に示す実施の態様と図4に示す実施の態様の主要な違いは、トランスジューサにおける半分の数のダイアフラムを駆動するそれぞれのロッドの構成である。本発明の別の実施の態様は、各グループが複数のロッドを含む2つのグループのロッドを使用する。各グループのロッドは半分の数のダイアフラムに連結され、もう半分のダイアフラムを通り抜ける。例えば、図7−10に図示された実施の態様は、ダイアフラムの中心の周りに円形パターンで対称的に配設された6つのロッドを使用する。隣接するロッドは互いに60度の角度を成す。6つのロッドは3つのロッドの2つのグループに分割される、これら2つのグループのロッドは互いに交互に置かれる。これは、各グループの3つのロッドがダイアフラムの中心からの等しい距離の円形パターンで対称的に配設されることを意味し、同じグループの隣接するロッドは120度の角度をなしている。3つのロッドを備える各グループは、半分の数のダイアフラムに取り付けられ、ロッド2040と2140に関して上で説明し図2に示したのと同様の方法でもう半分の数のダイアフラムのシールされ又はシールされていない開口を通り抜ける。この構成では、各ダイアフラムは、3つのロッドのダイアフラムへの3つの取付点が対称的に配付され3次元空間でユニークな二次元平面を画定する3つのロッドによって対称的に作動させられる。すべてのロッドが互いに平行になるようにロッドとダイアフラムが適切に整列されるならば、すべてのダイアフラムが平行であり、かつ、すべてのロッドがすべてのダイアフラムの表面に垂直であり、故に、望ましくない音響アーチファクトをもたらすかもしれないどんな望ましくない振動モードも生じさせることなく、ダイアフラムを望ましい縦方向に運動させるような対称的に分散した垂直力をダイアフラムもたらすことができる。
【0041】
本発明の別の実施の態様は同心の1つのロッドと1個のチューブを使用する。それらが同心に取り付けられたとき、ロッドがチューブに触れないようにロッドの外径はチューブの内径よりわずかに小さい。ロッドは、トランスジューサにおけるすべてのダイアフラムの半分の数から成る第1セットのダイアフラムに取り付けられ、残りの半分の数のダイアフラムから成る第2セットのダイアフラムのうちの1つ又は2以上のダイアフラムを通り抜ける。チューブは第2セットのダイアフラムに取り付けられて、第1セットのダイアフラムのうちの1又は2以上のダイアフラムを通り抜ける。ロッドはそれがチューブの中に完全に含まれているということにより第2セットのダイアフラムを通り抜ける。チューブは、第1なットのダイアフラムの開口を通るロッドによって互いに接続された複数のセクションで構成される。望ましくは、3個の接続ロッドがチューブセクションの円周に対称的に配設される。
【0042】
ここに説明されるいずれの直接駆動の態様に関し、ダイアフラムサスペンションのすべてが同じ性質や向きを有する必要はない。例えば、駆動ロッドの作動方向以外の方向における移動を最小にするためにモータの近くにおいてより硬いサスペンションを使用することが望ましいかもしれない。サスペンションの堅さはサスペンションの幾何学的形状と材料を性御すことによって制御できるであろう。その上、いくつかのサスペンションが他のサスペンションに関して逆方向に面するように、単一のモータによって作動される複数のダイアフラムのサスペンションを指向させることによって、サスペンションの非対称的な特性を取り消しまたは減少することができるであろう。典型的な実施の態様では、サスペンションは、駆動モータによって生成される力に対して非対称応答を有する。非対称応答は通常、可動ダイアフラムによって作り出される音波に歪みを生じさせる。いくつかのサスペンションの向きを逆にすることによって、総サスペンション応答の非対称を減少させることができ、その結果、結果として起こる音波の歪みを抑えることができる。
【0043】
B.間接駆動
図5は発明の1実施の態様を示し、電磁モータは磁石5010とボイスコイル5020を含み、ハウジング5040と結合された機械的カップリング5030が前記ボイスコイルに取り付けられている。ハウジングはサスペンション5060によってダイアフラム5050に連結される。個々の室はバッフル5070によって作成される。ダイアフラムの前部からの音波は、開口5080を通してリスニング環境に輻射できる。ダイアフラムの後部からの音波は開口5180を通して輻射できる。ダイアフラムの前部と後部の間のキャンセルはバッフル5070によってかなり防がれまたは抑えられる。ダイアフラム/サスペンションアセンブリの共振周波数よりもかなり下の振動数では、ダイアフラムは主にハウジングと同調して運動し、そのため、実質的に音は全く引き起こされない。ダイアフラム/サスペンションアセンブリの共振周波数よりもかなり上の振動数では、ダイアフラムはほとんど動かず、ハウジングとダイアフラムの間の相対運動は音を引き起こす。そのため、トランスジューサの必要な周波数応答を達成するためにダイアフラム/サスペンションアセンブリの共振振動数を選ぶことができる。
【0044】
サスペンションはすべて、同じ性質か向きを有する必要はない。上で議論するようにサスペンションの向きを変えることによって、サスペンションの非対称的な特性は、トランスジューサの歪特性を減少できるように取り消されまたは減少するかもしれない。
【0045】
C.モジュール構造
図6A−6C、7、および8は本発明の別の実施の態様を示し、この例では、音響トランスジューサがモジュールに組み立てられる。そのようなモジュールの態様は非モジュール形の態様と比べて、よりすばらしい生産性、柔軟性、および性能を与えるであろう。
【0046】
図6A−6Cはダイアフラムモジュールの1実施の態様を示す。図6Aはそのダイアフラムモジュールの正面図を示し、図6Bは同じダイアフラムモジュールの背面図を示す、図6Cは同じダイアフラムモジュールの断面を示す。ダイアフラムモジュールは、サスペンション6070を介してハウジング部6060に取り付けられたダイアフラム6050を含んでいる。ハウジング部6060は前部側に1つの開口6190を有し、後部側に別の開口6290を持つ。ハウジング部6060は前部側に突起6162を、後部側に突起6262を有し、それらの突起に対応するスロット6164と6264をそれぞれ前部側と後部側に有する。ダイアフラムモジュールはまた、3つのロッド6040から成るセクションを含み、各ロッドは前部側に突起6041を有し、後部側に係合開口6042を有する。改良された構造的保全のために、ロッド6040をダイアフラム6050と一体的にすることとしてもよい。そのようなダイアフラム/ロッド要素は、例えば、成形工程においてガラスかマイカで満たされたポリプロペレンポリフェニレンオキシドスチレンのような材料を使用して製造されうるだろう。ダイアフラム6050は、隣接しているダイアフラムモジュールのロッドがダイアフラム6050を通るための3つの開口6080を有する。望まれているなら、ダイアフラムモジュールは上で議論するように異なった性質か異なった向きのサスペンションを有するかもしれない。
【0047】
トランスジューサの1実施の態様を形成するために2つの隣接しているダイアフラムモジュールが一緒に組み立てられるとき、第1ダイアフラムの前部側は第2ダイアフラムの前部側に取り付けられる。第1ダイアフラムのロッド6040は第2ダイアフラム6080の穴を通り抜ける。2つのそれぞれのダイアフラムモジュールの突起6162は、他方のモジュール6164のスロット内に滑り込み、これらを互いにのり付け又は音響式溶接などの操作で接着することとしてもよい。第1及び第2のダイアフラムの前部開口6190が結合されて周りの空気に伝えられるための前部音波のための開口を作成する。この様に組み立てられる2つのダイアフラムモジュールを含むアセンブリは、後部側が第2ダイアフラムモジュールの後部側に取り付けられる3番目のダイアフラムモジュールと共に組み立てられる。2番目と3番目のダイアフラムモジュールのそれぞれの突起6262は、他のモジュールのスロット6264に滑り込み、これらをのり付け又は音響溶接などの操作で接着することとしてもよい。第1ダイアフラムのロッド突起60413番目のダイアフラムの後部開口6042に滑る込み、これらをのり付け又は音響溶接などの操作で接着することとしてもよい。2番目と3番目のダイアフラムの後部開口6290を結合して周りの空気に通気する音波のための開口を作成する。
【0048】
好適な実施の態様では、ダイアフラムモジュールのハウジング部6060は、トランスジューサが好ましくないアーチファクトを作り出さないように、ダイアフラムのための安定した支持構造を供給するために十分な強度と剛性を持った材料で作られる。しかしながら、ハウジング部がガラスかマイカで満たされたポリプロペレンポリフェニレンオキシドスチレンのような剛塑性材料で作られるなら、結果のトランスジューサの剛性は十分でないかもしれない。その場合、モジュールのアセンブリの剛性は、ハウジング部の外壁にリブを加えることによって改良されるかもしれない。
【0049】
図22Aは外面に一体化されたフランジ22160とリブ22260を備えるハウジング部22060を示す。隣接しているハウジング部は、剛性を高めるために、開口22460を介して接着剤とねじでお互いに取り付けられる。結果のモジュールトランスジューサアセンブリ22000を図22Bに示す。
【0050】
本質的には必要などのような長さのダイアフラムモジュールの直線配列を形成するために、ダイアフラムモジュールを付け加えるために上に概説されたアセンブリ手順を続けることができる。ここでモータモジュールと呼ばれる2番目のタイプのモジュールはダイアフラムモジュール後部側に取り付けるように設計された機械的カップリングを含む。
【0051】
ダイアフラムモジュールの直線配列1つ以上のモータモジュールと共にで組み立てられて完全なトランスジューサを創成できる。例えば、図と8は、2つのモータモジュール7100と12個のダイアフラムモジュールで構成される本発明によるトランスジューサの1実施の態様を図示する。それぞれのモータモジュール7100は磁石アセンブリ7110と、コイル7120と、1つのモータを第1のダイアフラムに連結し、そこから、ロッド6040を介して他のダイアフラムに連結させる機械的カップリング7130を含む。この方法で連結できるダイアフラムモジュールの数は任意の長さと任意のボリューム変位のトランスジューサを創成するために選択できる。但し、モータが該選択された数のダイアフラムモジュールの荷重を作動させることができる十分なパワーを有することが必要である。
【0052】
D.流体式駆動装置
図9と図10は本発明の別の実施の態様を示し、ここでは、モータモジュール9100は伝統的なトランスジューサで使用されるモータと同様であり、磁石アセンブリ9110、コイル9120、およびコーン(円錐)9130を含む。コーン9130は密封された室9150に入れられた流体を介して第1のダイアフラム9140に流体連結合されている。ダイアフラム9140はロッド6040を介して残りのダイアフラム6050と機械的に結合される。直接駆動されるコーン9130から出る後部波はダイアフラム6050の前波に寄付することができる。直接駆動されるコーン9130と間接的に駆動されるダイアフラム6050との間の密封された室9150で使用される流体が空気などのガスであるならば、該流体式駆動装置はローパスフィルタを含む。この場合、直接駆動されるコーン9130はそれらの全周波数に渡って意義のある音エネルギーを創成するように駆動され、一方、間接駆動のダイアフラム6050は低周波数においてのみ意義のある音エネルギーを創成する。
【0053】
E.空気漏れノイズの低減
図11A−11C、12A−12C、および13A−13Cは、ダイアフラムの通し開口を通って望ましくない空気漏れノイズを低減するために様々な組合せに使用されうる3つの異なったテクニックを示す。
【0054】
図11A−11Cは合成ダイアフラム11050を使用するテクニックを示す。図11Aは、2つのダイアフラム要素11150,11250と、それらの要素間の制振材料11350の層を備える合成ダイアフラム11050の分解図である。制振材料11350の層は、のり付け又はモールドなどのプロセスを使用することでダイアフラム要素11150と11250に取り付けられるかもしれない。図11Bは合成ダイアフラム11050の背面図であり、図11Cは断面図である。
【0055】
図12A−12Cは通し開口の周りにスリーブを備えるダイアフラム12050を使用する別のテクニックを示す。図12Aは通し開口の周りにスリーブ12450があるダイアフラム12050の背面図、図12Bは正面図、図12Cは断面図である。
【0056】
図13A−13Cは通し開口の周りにスリーブを備える合成ダイアフラム13050を使用するさらに別のテクニックを示す。図13Aは、2個のダイアフラム要素13150,13250と、それらの間に配設された制振材料13350の層とを備える合成ダイアフラム13050の分解図である。制振材料13350の層をのり付け又はモールドなどのプロセスを使用することでダイアフラム要素13150と13250に取り付けることができる。2個のダイアフラム要素13150と13250はそれぞれ、対応する通し開口の周りに複数のスリーブ13450を有する。スリーブはそれぞれのダイアフラム要素の外面(制振材料13350に背く面)に形成される。図13Bと、図13Cは、合成ダイアフラム13050の背面と、断面をそれぞれ示す図である。
【0057】
図14Aと14Bは、通し開口の周りに硬質スリーブと軟質の布地スリーブを有するダイアフラム14050を使用する別のテクニックを示す。図14Aと、図14Bは、各通し開口の周りでダイアフラム14050の両側上に設けた硬質筒状スリーブ14450を備えるダイアフラム14050を含むサブアセンブリーの側面と、断面をそれぞれ示す図である。柔らかい布地スリーブ14550が硬質スリーブ14450の外側に取り付けられ、該硬質スリーブを超えて延伸し、ダイアフラム14050の通し開口に滑り込んで延伸するロッド14040にほぼ接触する。
【0058】
図15Aと15Bは、通し開口の周りに硬質スリーブと柔らかい発泡スリーブを備えるダイアフラム15050を使用する別のテクニックを示す。図15Aと、15Bはそれぞれ、各通し開口の周りにおいてダイアフラム15050の両側部上に設けた硬質筒状スリーブ15450を備えるダイアフラム15050を含むサブアセンブリーの側面と断面を示す図である。柔らかい発泡スリーブ15650が硬質スリーブ15450の外側に取り付けられ、望ましくは、それを超えて延伸し、湾曲して、ダイアフラム15050の通し開口に滑り込んで延伸するロッド15040にほぼ接触する。
【0059】
図16Aと16Bは、通し開口の周りに硬質スリーブ、柔らかい発泡スリーブ、および柔らかい布地スリーブを備えるダイアフラム16050を使用する別のテクニックを示す。図16Aと、16Bは、通し開口の周りにおいてダイアフラム16050の両側上に設けた硬質筒状スリーブ16450を備えるダイアフラム16050を含むサブアセンブリーの側面と、断面をそれぞれ示す図である。柔らかい発泡スリーブ16650は硬質スリーブ16450の外側に取り付けられる。柔らかい布地スリーブ16550は柔らかい発泡スリーブ16650の外側に取り付けられ、それを超えて延伸し、ダイアフラム16050の通し開口に滑り込んで延伸するるロッド16040にほぼ接触する。
【0060】
図17Aと17Bは、通し開口の周りに硬質スリーブと柔らかい発泡スリーブを有するダイアフラム17050を使用するさらに別のテクニックを示す。図17Aと、図17Bは、通し開口の周りでダイアフラム17050の両側部上に設けられた硬質筒状スリーブ17450を備えるダイアフラム17050を含むサブアセンブリーの側面と、断面をそれぞれ示す図である。柔らかい発泡スリーブ17650はダイアフラム17050の内側面だけにおいて硬質スリーブ17450の外側に取り付けられ、それらは気流への抵抗をさらに抑えるためにロッド17040にきつく接触している。スリーブ17450はダイアフラム17050の外側面で漏斗形を呈し、空気漏れノイズをより大きく減少させる。
【0061】
図18Aと18Bは、通し開口の周りに柔らかいベローを備えるダイアフラム18050を使用して空気漏れを防止するテクニックを示す。図18Aと、18Bは、内面に柔らかいベロー18750を備えるダイアフラム18050を含むサブアセンブリーの側面と、断面をそれぞれ示す図である。ベロー18750の一側は各通し開口の周りにおいてダイアフラム18050に結合している。ベロー18750の反対側はロッド18040に結合している。ダイアフラム18050とロッド18040が相対運動するとき、柔らかいベロー18750は伸縮する。
【0062】
図19Aと19Bは、硬質スリーブ、リング状磁石、および強磁性液体を備えるダイアフラム19050を使用することで空気漏れを防ぐ別のテクニック示す。図19Aと、19Bは、通し開口の周りにおいてダイアフラム19050の両側上に硬質筒状スリーブ19450を備えるダイアフラム19050を含むサブアセンブリーの側面と、断面をそれぞれ示す図である。リング状磁石19950はダイアフラム19050の内面において硬質スリーブ19450の外側に取り付けられ、望ましくは、効率改善のために縦方向に分極される。強磁性液体19960は、スリーブ19450とロッド19040の間に置かれ、ロッド19040がダイアフラム19050に対して運動するとき、リング磁石19950の磁力によって適所に保たれる。
【0063】
図20Aと20Bは、硬質スリーブ、リング状磁石、および強磁性液体を備えるダイアフラム20050を使用することで空気漏れを防ぐ別のテクニックを示す。図20Aと、20Bは、通し開口の周りにおいてダイアフラムの外面上に硬質筒状スリーブ20450を備えるダイアフラム20050を含むサブアセンブリーの側面と、断面をそれぞれ示す図である。リング状磁石20950はダイアフラム20050の周りにおいてダイアフラム20050の内面に取り付けられ、望ましくは、効率改善のために縦方向で分極される。強磁性液体20960は、リング状磁石20950とロッド20040の間に置かれ、ロッド20040がダイアフラム20050に対して移動するとき、リング磁石20950の磁力によって適所に保たれる。
【0064】
図21Aと21Bは、チキソトロピーゲルなどの半流動体潤滑剤を備えるダイアフラム21050を使用することで空気漏れを防ぐ別のテクニックを示す。図21Aと、21Bは、ダイアフラムの両側において通し開口の周りを覆う半流動体潤滑剤21980を備えるダイアフラム21050を含むサブアセンブリーの側面と、断面をそれぞれ示す図である。潤滑剤21980はロッド21040が通し開口を摺動することを許容するが、一方、通し開口をシールして気流が通し開口を通過することを本質的に排除する。
【0065】
ダイアフラムの厚みと、スリーブの長さを、通し開口を通る空気路の全長が2mmと短くなり、あるいは、25mm以上と長くなるように、調整することができる。応用例のニーズと音質の必要なレベルに従って空気路程を設定することができる。多くの応用例に関して、およそ15mmの路程が好まれる。
【0066】
図は平坦又は平面のダイアフラムを有する音響トランスジューサの実施の態様を示す。ダイアフラムの形状は原則として重要でない。円錐(コーン)かドームなどの他の形状を使用することができる。
【0067】
図23A−23Cは一体化されたロッド23040とスリーブ23450を備えるドーム型ダイアフラム23050を示す。図23Aと、図23Bと、図23Cは、ダイアフラム23050の正面側面と、背面側面と、断面をそれぞれ示す図である。ダイアフラムのドーム形状のために、空気漏れ低減要素を収容し、かつ、剛性を改良するために平坦なランディングが加えられる。スリーブ23450の周囲に接する平坦なランディング23455は、例えば、図17に示す柔らかい発泡スリーブ17650又は図19に示すリング状磁石19950のような、空気漏れノイズの低減のための要素を取り付けるために使用されている。ロッド23040の周囲に接する平坦なランディング23045は、ダイアフラム23050を射出成形などのボリューム製法にとってより従順にるために加えられる。がセット(補強板)23047はまた、ロッド23040とランディング23045の間のジョイントの構造的支持のために加えられる。平坦なランディング23045,23455は、隣接しているダイアフラムの間のクリアランスを増すためにダイアフラム23050の前側に向かって押され、これはトランスジューサ全体の最大許容エクスカーションを増す。
【0068】
図24Aと、24Bはそれぞれ、モジュール組立トランスジューサ24000の斜視図と、断面図である。トランスジューサは外面に一体化されたフランジ24160とリブ24260を有し、また、一体化されたロッド24040とスリーブ24450を備えるドーム型のダイアフラム24050を有する。スリーブ24450は後部側で柔らかい発泡スリーブ24650によって囲まれている。
【図面の簡単な説明】
【0069】
【図1】バッフル、単一の内蔵型駆動ロッド、および単一のモータを使用する本発明の実施の態様の略図である。
【図2】バッフルがなく、複数の内蔵型駆動ロッド、および2個のモータを使用する本発明の実施の態様の略図である。
【図3】バッフル、複数の外付け型駆動ロッド、および単一のモータを使用する本発明の実施の態様の略図である。
【図4】バッフルがなく、複数の外付け型駆動ロッド、および2個のモータを使用する本発明の実施の態様の略図である。
【図5】駆動ロッドがなく、バッフル、および単一のモータを使用する本発明の実施の態様の略図である。
【図6】図6A−6Cは本発明による音響トランスジューサを製造するのに使用可能なダイアフラムモジュールの略図である。
【図7】図6A−6Cに示すようなダイアフラムモジュールを使用する機械的結合駆動装置を備える本発明による音響トランスジューサの実施の態様の概略斜視図である。
【図8】図7に示すトランスジューサの概略断面図である。
【図9】図6A−6Cに示すようなモジュールを使用する流体結合駆動装置を備える本発明による音響トランスジューサの実施の態様の概略斜視図である。
【図10】図9に示すトランスジューサの概略断面図である。
【図11】図11A−11Cは2個のダイアフラムの間に制振材料層がサンドイッチされた合成ダイアフラムの略図である。
【図12】図12A−12Cは、通し開口の周りに筒状のスリーブを設けたダイアフラムモジュールの略図である。
【図13】図13A−13Cは、2個のダイアフラムで構成される合成ダイアフラム略図である。各ダイアフラムの外側の一側には、通し開口の周りにおいて筒状スリーブが設けられ、2個のダイアフラムの間に制振材料層がサンドイッチされている。
【図14】図14A−14Bはダイアフラムの略図であり、通し開口の周りに筒状スリーブがあり、該筒状スリーブの周りにやわらかな布地スリーブがあるものである。
【図15】15A−15Bはダイアフラムの略図であり、通し開口の周りに筒状スリーブがあり、該筒状スリーブの周りに柔らかい発泡スリーブがあるものである。
【図16】図16A−16Bはダイアフラムの略図であり、通し開口の周りに筒状スリーブを設け、該筒状スリーブの周りに柔らかい発泡スリーブを設け、該発泡スリーブの周りに柔らかな布地スリーブを設けたものである。
【図17】図17A−17Bはダイアフラムの略図であり、通し開口の周りにおいてダイアフラムの外面上に漏斗形の筒状スリーブがあり、かつ、通し開口の周りおいてダイアフラムの内面上に筒状スリーブがあり、該筒状スリーブの周りに柔らかい発泡スリーブがあるものである。
【図18】図18A−18Bは、通し開口の周りの内側面だけに柔らかいベローがあるダイアフラムの略図である。
【図19】図19A−19Bはダイアフラムの略図であり、通し開口の周りに筒状スリーブがあり、該スリーブの周りにおいて内側面だけにリング磁石があり、該磁石と駆動ロッドの間に強磁性の液体があるものである。
【図20】図20A−20Bはダイアフラムに関する略図であり、通し開口の周りにおいて外面上だけに筒状スリーブがあり、かつ、通し開口の周りにおいて内面上にだけリング状の磁石があり、該磁石と駆動ロッドの間に強磁性液体があるものである。
【図21】図21A−21Bは、通し開口を覆う半流動体潤滑剤を備えるダイアフラムの略図である。
【図22】図22Aはリブ付ダイアフラムモジュールハウジング部の略図である。図22Bはリブ付モジュールのハウジング部を含む音響トランスジューサの略図である。
【図23】図23A−23Cは一体的なロッドとスリーブを持つドーム型のダイアフラムの略図である。
【図24】図24Aは、リブ付モジュールハウジング部と、柔らかい発泡スリーブがあるドーム型のダイアフラムを含むモジュールタイプのトランスジューサの略斜視図である。図24Bは、ドーム型ダイアフラムと柔らかい発泡スリーブがあるモジュールタイプのトランスジューサの概略断面図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ハウジングと;
1つのグループとしての、あるいは、2以上のグループに分けられた複数のダイアフラムであって、少なくとも1つのグループのダイアフラムにおけるダイアフラムがロッドによって互いに連結され、前記ロッドのいくつかは前記ダイアフラムの開口を通り、前記開口を備えるダイアフラムは空気が前記開口を通ることに抵抗し、あるいは、前記開口を通る空気を拡散させる要素を含む複数のダイアフラムと;
電気信号に応答して作動する1つ又は2以上のモータと;
を含んでなる音響トランスジューサであって、前記各グループの前記ダイアフラムは、該グループのすべてのダイアフラムが結合されている当該モータによって駆動される音響トランスジューサ。
【請求項2】
請求項1の音響トランスジューサであって、
互いに結合された複数のダイアフラムモジュールであって、それぞれのダイアフラムモジュールがハウジング部と、該ハウジング部に結合された1つ又は2以上のダイアフラムを含む複数のダイアフラムモジュールと;
前記1つ又は2以上のダイアフラムモジュールに結合された1つ又は2以上のモータモジュールと;
から形成される音響トランスジューサ。
【請求項3】
請求項2の音響トランスジューサであって、それぞれのダイアフラムモジュールは、その1つ以上のダイアフラムと結合された1つ以上のロッドを含む音響トランスジューサ。
【請求項4】
請求項3の音響トランスジューサであって、第1のダイアフラムモジュールにおける前記1つ以上のロッドは第2のダイアフラムモジュールの前記ダイアフラムに連結され、前記第1及び第2のダイアフラムモジュールの間に配設された第3のダイアフラムモジュールの前記ダイアフラムの開口を通る音響トランスジューサ。
【請求項5】
請求項4の音響トランスジューサであって、各ダイアフラムモジュールにおける前記1つ以上のロッドは対応するダイアフラムの1つの表面から突出し、前記対応するダイアフラムの反対の表面は各ダイアフラムモジュールと結合された前記ダイアフラムモジュールの前記1つ以上のロッドの端部を受けてそれに係合するように設けた1つ以上の取付部を持つ音響トランスジューサ。
【請求項6】
請求項4の音響トランスジューサであって、第1セットの1つ以上のロッドが対応するダイアフラムの1つの表面から突出し、第2セットの1つ以上のロッドが前記対応するダイアフラムの反対側の表面から突出し、前記2つのセットのロッドの端部は互いに係合するように設けられた音響トランスジューサ。
【請求項7】
請求項1の音響トランスジューサであって、前記要素は開口の周りに形成されたシールを含む音響トランスジューサ。
【請求項8】
請求項7の音響トランスジューサであって、前記シールは、
1つ以上の軽量発泡材であって、前記各発泡材は圧縮可能かつ伸長可能で各開口に配設された軽量発泡材と;
伸縮可能な1つ以上のベローであって、各開口に配設されたベローと;
各開口に配設された強磁性液体であって、各ダイアフラムに取り付けられた1つ以上の磁石によって適所に保持される強磁性液体と;
各開口に配設された潤滑剤と;
を含む音響トランスジューサ。
【請求項9】
請求項7の音響トランスジューサであって、前記シールは、
1つ以上の軽量発泡材であって、それぞれが開口の近くでロッドに取り付けられ、該ロッドが該発泡材を前記開口に向かって押すときに縮み、前記ロッドが該発泡材を前記開口から引っ張るときに伸長する発泡材と;
伸縮可能な1つ以上のベローであって、開口の近くでロッドに取り付けられ、該ロッドが該ベローを前記開口に押し付けるときに圧縮され、前記ロッドが該ベローを前記開口から引き離そうとするときに伸長するベローと;
前記開口の近くで前記ロッドに配設された潤滑剤と;
を含む音響トランスジューサ。
【請求項10】
請求項1の音響トランスジューサであって、前記要素は前記ダイアフラムの特徴である前記開口の周りに配設されたサンドイッチ状の三層の材料を含み、その三層の中間層が粘弾性ポリマーなどの制振材料である音響トランスジューサ。
【請求項11】
請求項1の音響トランスジューサであって、前記要素は前記ダイアフラムの特徴である前記開口の周りに配設されたサンドイッチ状の三層の材料を含み、その三層の外側の2層は伸長に抵抗する材料であり、中間層がウレタンフォームなどの低密度材料である音響トランスジューサ。
【請求項12】
請求項1の音響トランスジューサであって、前記要素は前記開口の周りにスリーブを含む音響トランスジューサ。
【請求項13】
請求項12の音響トランスジューサであって、前記スリーブは前記ダイアフラムの各側面で異なる形状とされた音響トランスジューサ。
【請求項14】
請求項13の音響トランスジューサであって、前記筒状スリーブは前記ダイアフラムの一面において漏斗のように形成されている音響トランスジューサ。
【請求項15】
請求項12の音響トランスジューサであって、前記スリーブの内径は、前記スリーブが前記ロッドの周りにぴったりと嵌合するように十分小さい音響トランスジューサ。
【請求項16】
請求項15の音響トランスジューサであって、前記スリーブは前記ロッドとの摩擦を減らすために柔らかくて滑りやすい第1の材料を含む音響トランスジューサ。
【請求項17】
請求項16の音響トランスジューサであって、前記スリーブはまた、前記ダイアフラム上に硬質の曲がらない第2の材料を含み、前記第1の材料が前記第2の材料の上に取り付けられる音響トランスジューサ。
【請求項18】
請求項12の音響トランスジューサであって、前記スリーブは磁石を有し、前記開口を通り抜ける前記ロッドと、前記スリーブとの間に強磁性液体が配置されている音響トランスジューサ。
【請求項19】
請求項1の音響トランスジューサであって、前記要素は前記開口の周りに配置された発泡材を含む音響トランスジューサ。
【請求項20】
請求項19の音響トランスジューサであって、前記要素は前記開口の周りにおいて前記ダイアフラムの上に取り付けたスリーブを含み、前記発泡材が前記スリーブの上に取り付けられている音響トランスジューサ。
【請求項21】
請求項20の音響トランスジューサであって、前記要素は前記発泡材の上に取り付けた柔らかい布地を含む音響トランスジューサ。
【請求項22】
請求項19の音響トランスジューサであって、前記発泡材は、リスナによって聞かれる音を伝える側とは反対側のダイアフラムの側面に取り付けられている音響トランスジューサ。
【請求項23】
請求項19の音響トランスジューサであって、前記発泡材は、リスナによって聞かれる音を伝える側のダイアフラムの側面に取り付けられている音響トランスジューサ。
【請求項24】
請求項19の音響トランスジューサであって、前記発泡材は前記ダイアフラムの両側に取り付けられている音響トランスジューサ。
【請求項25】
請求項1の音響トランスジューサであって、前記要素は前記開口の近くで前記ロッドの周りに配設された軸受筒を含む音響トランスジューサ。
【請求項26】
請求項25の音響トランスジューサであって、前記要素は前記開口の周りに配設され前記軸受筒に取り付けられた可撓性材料を含む音響トランスジューサ。
【請求項27】
ハウジングと;
1つ以上のグループとして、あるいは、2以上のグループに分けられた複数のダイアフラムであって、少なくとも1つのグループのダイアフラムにおけるダイアフラムは、該ダイアフラムを貫通しないように前記ハウジングの外に迂回したロッドによって、互いに連結された複数のダイアフラムと;
前記ハウジングに結合され電気信号に応答して作動する1つ以上のモータと;
を含んでなる音響トランスジューサであって、前記各グループの前記ダイアフラムは、該グループのすべてのダイアフラムが結合されている当該モータによって駆動され、かつ、少なくとも1つのモータはそれが駆動するダイアフラムに直接的機械的に連結されたカップリングを有する音響トランスジューサ。
【請求項28】
請求項27の音響トランスジューサであって:
互いに結合された複数のダイアフラムモジュールであって、各ダイアフラムモジュールがハウジング部と、該ハウジング部と結合された1つ以上のダイアフラムを含んでなる複数のダイアフラムモジュールと;
前記1つ以上のダイアフラムモジュールと結合された1つ以上のモータモジュールであって、各モータモジュールが1つ以上のモータを含むモータモジュールと;
から形成される音響トランスジューサ。
【請求項29】
請求項28の音響トランスジューサであって、各ダイアフラムモジュールはその1つ以上のダイアフラムに結合された1つ以上のロッドを含み、第1のダイアフラムモジュールの1つ以上のロッドが第2のダイアフラムモジュールのダイアフラムに連結され、かつ、前記第1及び第2のダイアフラムモジュールの間に配設された第3のダイアフラムモジュールを迂回するようにその経路が定められる音響トランスジューサ。
【請求項30】
請求項1、27、および7乃至26のいずれか1つに記載の音響トランスジューサであって、2つのグループのダイアフラムと、2つのモータを含んでなり、各モータは各グループのダイアフラムを作動させ、両グループのダイアフラムが互いに反対方向に駆動される音響トランスジューサ。
【請求項31】
請求項1、27、および7乃至26のいずれか1つに記載の音響トランスジューサであって、2個以上の前記ダイアフラムはそれぞれサスペンションによって前記ハウジングから吊られ、前記2個以上のダイアフラムのための前記サスペンションが異なる特性と向きを有する音響トランスジューサ。
【請求項32】
請求項31の音響トランスジューサであって、グループの2個以上の前記ダイアフラムはそれぞれサスペンションによって前記ハウジングから吊られ、該グループの前記ダイアフラムが異なるばね定数を持ったサスペンションを有し;該サスペンションの硬さは、該グループの前記ダイアフラムを駆動するモータにより近いダイアフラムの方がより高い音響トランスジューサ。
【請求項33】
請求項32の音響トランスジューサであって、2個以上の前記ダイアフラムはそれぞれサスペンションによって前記ハウジングから吊られ、グループのいくつかのダイアフラムが第1の向きのサスペンションを有し、グループの他のダイアフラムが第1の向きに反対の第2の向きのサスペンションを有する音響トランスジューサ。
【請求項34】
請求項31の音響トランスジューサであって、2個以上の前記ダイアフラムはそれぞれサスペンションによって前記ハウジングから吊られ、グループのいくつかのダイアフラムが第1の向きのサスペンションを有し、グループの他のダイアフラムが第1の向きに反対の第2の向きのサスペンションを有する音響トランスジューサ。
【請求項35】
請求項4の音響トランスジューサであって、前記要素は前記開口の周りにスリーブを含む音響トランスジューサ。
【請求項36】
請求項12又は35の音響トランスジューサであって、前記複数のダイアフラムの少なくとも1つのダイアフラムはドーム型又は円錐形の表面を持ち、かつ、それぞれの周囲が平坦なランディングによって囲まれた1つ以上の一体のロッドを含み、前記平坦なランディングが前記ドーム型又は円錐形の表面の下で凹む音響トランスジューサ。
【請求項37】
請求項36の音響トランスジューサであって、前記ハウジングの外面に設けられトランスジューサの長さに沿って前記複数のダイアフラムを横切って延伸する1つ以上のリブ又は1つ以上のフランジを含んでなる音響トランスジューサ。
【請求項38】
請求項12又は35の音響トランスジューサであって、前記複数のダイアフラムの少なくとも1つのダイアフラムはドーム型又は円錐形の表面を持ち、かつ、それぞれの周囲が平坦なランディングによって囲まれた1つ以上のスリーブを持ち、前記平坦なランディングが前記ドーム型又は円錐形の表面の下で凹む音響トランスジューサ。
【請求項39】
請求項38の音響トランスジューサであって、前記ハウジングの外面に設けられトランスジューサの長さに沿って前記複数のダイアフラムを横切って延伸する1つ以上のリブ又は1つ以上のフランジを含んでなる音響トランスジューサ。
【請求項40】
請求項1又は2の音響トランスジューサであって、前記ハウジングの外面に設けられトランスジューサの長さに沿って前記複数のダイアフラムを横切って延伸する1つ以上のリブを含んでなる音響トランスジューサ。
【請求項41】
請求項1又は2の音響トランスジューサであって、前記ハウジングの外面に設けられトランスジューサの長さに沿って前記複数のダイアフラムを横切って延伸する1つ以上のフランジを含んでなる音響トランスジューサ。
【請求項42】
請求項1又は2の音響トランスジューサであって、前記ハウジングの外面に設けられトランスジューサの長さに沿って前記複数のダイアフラムを横切って延伸する1つ以上のリブ及び1つ以上のフランジを含んでなる音響トランスジューサ。
【請求項43】
ハウジングと;
前記ハウジングから吊られ1つのグループとして、あるいは2以上のグループに分けられた複数のダイアフラムと;
前記ハウジングに結合され電気信号に応答して作動する1つ以上のモータと;
を含んでなる音響トランスジューサであって、前記各グループのダイアフラムは該グループのすべてのダイアフラムが結合された各対応モータによって作動され、かつ、少なくとも1つのモータはそれが駆動する前記ダイアフラムに対して直接的機械的結合を持たず、間接的カップリングを有する音響トランスジューサ。
【請求項44】
請求項43の音響トランスジューサであって、前記間接的カップリングは前記ハウジングに連結された対応モータを含む音響トランスジューサ。
【請求項45】
請求項43の音響トランスジューサであって、前記間接的カップリングは前記モータを前記ダイアフラムに結合するガス又は液体の流体である音響トランスジューサ。
【請求項46】
請求項45の音響トランスジューサであって、対応するモータが第1のダイアフラムに連結され、前記流体は前記第1のダイアフラムをダイアフラムのグループの第2のダイアフラムに結合する音響トランスジューサ。
【請求項47】
請求項46の音響トランスジューサであって、前記流体は前記第1及び第2のダイアフラムの間で密封された室に置かれている音響トランスジューサ。
【請求項48】
請求項43の音響トランスジューサであって:
互いに結合された複数のダイアフラムモジュールであって、前記各ダイアフラムモジュールはハウジング部と、該ハウジング部に結合された1つ以上の前記ダイアフラムを含む複数のダイアフラムモジュールと;
前記ダイアフラムモジュールの1つ以上と結合された1つ以上のモータモジュールであって、各モータモジュールが前記モータの1つ以上を含むモータモジュールと;
から形成される音響トランスジューサ。
【請求項49】
請求項48の音響トランスジューサであって、それぞれのダイアフラムモジュールが1個以上の前記ダイアフラムと結合される1つ以上のロッドを含む音響トランスジューサ。
【請求項50】
請求項49の音響トランスジューサであって、少なくともいくつかの前記ロッドが前記ダイアフラムの開口を通る音響トランスジューサ。
【請求項51】
請求項49の音響トランスジューサであって、第1のダイアフラムモジュールにおける前記1つ以上のロッドは第2のダイアフラムモジュールのダイアフラムに連結され、かつ、前記第1及び第2のダイアフラムモジュールの間に配設された第3のダイアフラムモジュールを迂回するように経路が定められている音響トランスジューサ。
【請求項52】
請求項43乃至47のいずれの1つに記載の音響トランスジューサであって、ダイアフラムの2つのグループと、2つのモータを含んでなり、各モータがそれぞれのグループのダイアフラムを作動させ、両グループのダイアフラムが互いに反対方向に駆動される音響トランスジューサ。
【請求項53】
請求項43乃至47のいずれか1つに記載の音響トランスジューサあって、2つ以上の前記ダイアフラムはそれぞれサスペンションによって前記ハウジングから吊られ、前記2個以上のダイアフラムのための前記サスペンションが異なった特性又は向きを有する音響トランスジューサ。
【請求項54】
請求項53の音響トランスジューサであって、2つ以上の前記ダイアフラムはそれぞれサスペンションによって前記ハウジングから吊られ、グループのいくつかのダイアフラムは第1の向きを持つサスペンションを有し、前記グループの他のダイアフラムが第1の向きに反対の第2の向きを持つサスペンションを有する音響トランスジューサ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6A】
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【図6B】
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【図6C】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11A】
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【図11B】
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【図11C】
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【図12A】
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【図12B】
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【図12C】
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【図13A】
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【図13B】
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【図13C】
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【図14A】
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【図14B】
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【図15A】
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【図15B】
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【図16A】
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【図16B】
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【図17A】
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【図17B】
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【図18A】
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【図18B】
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【図19A】
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【図19B】
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【図20A】
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【図20B】
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【図21A】
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【図21B】
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【図22A】
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【図22B】
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【図23A】
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【図23B】
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【図23C】
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【図24A】
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【図24B】
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【公表番号】特表2008−502219(P2008−502219A)
【公表日】平成20年1月24日(2008.1.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−515583(P2007−515583)
【出願日】平成17年6月3日(2005.6.3)
【国際出願番号】PCT/US2005/019443
【国際公開番号】WO2005/122637
【国際公開日】平成17年12月22日(2005.12.22)
【出願人】(506226050)ティンファニー・コーポレーション (1)
【Fターム(参考)】