説明

複数の照明セグメントの照明特性を制御する方法及びシステム

本発明は、複数の照明セグメントの照明特性を制御する方法及びシステムを提供する。本発明に係る照明システムは、複数の照明セグメント、それぞれの照明セグメントから放出された光の照明強度及び/又は色を検出する検出サブシステム、それぞれの照明セグメントから放出された光の照明強度及び/又は色を表す前記検出サブシステムの出力信号を受け、予め決定された照明の設定に従って、それぞれの照明セグメントから放出された光の照明強度及び/又は色を調節するように、前記出力信号に応答して、それぞれの照明セグメントの駆動電流をそれぞれ調節するコントローラを備える。駆動信号のそれぞれのセットは、他の照明セグメントに対応する駆動信号の他のセットの周期とは異なる固有の周期を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、照明の分野に関し、特に、複数の照明セグメントの照明特性を制御する方法及びシステムに関するものである。更に、本発明は、本発明の方法及びシステムで使用することができる導光手段に関するものである。
【背景技術】
【0002】
発光ダイオード(LED)に基づく照明は、特に動的表示向けの多色照明の効果を生成する効果的な手段となっている。現在、赤の光、緑の光、青の光又はベースカラーをもつ他の色から様々な色を生成する技術が開発されている。
【0003】
しかし、LED光源に存在する幾つかの問題が存在しており、たとえばLEDの性能は、温度及び時間と共に変化する場合があり、結果として、幾つかの状況における空間/色のメンテナンス又は人間の目の感知の要件を達成することができない。これらの問題を克服するために、負のフィードバックを使用した従来技術における幾つかの制御のソリューションが存在する。
【0004】
たとえば、負のフィードバックによる強度/色制御の光源において、出力光を検出するために磁束センサ又は色センサが使用され、検出された結果は、予め較正された基準と比較される。次いで、検出された結果と予め較正された基準との間の誤差が制御アルゴリズムにより更に対処され、パルス幅変調又は振幅変調の何れかによりLEDの駆動電流を決定するために使用される。このように、検出された結果は、予め較正された基準と一致するように保持することができ、出力の照明強度又は色は、これに応じて安定して維持される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、従来技術において幾つかの問題が存在する。たとえば、幾つかの状況について、異なる時間期間において異なる照明セグメントが通常検出され、これにより、検出された結果は、実時間ではないものとなる場合がある。さらに、1つのLEDアレイについて1つのセンサに適合するために複数のセンサが必要とされる場合があり、これにより、照明システムの構造の設計及びコスト制御に副作用をもたらす場合がある。異なるセンサ間の個々の違い、及び異なるセンサ間での時間と共に変動する検出性能(たとえば減衰性能)の変化の違いは、照明システムのクローズループ制御の効果における違いを招く場合があり、これは、実際の適用において除かれることが期待される。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、複数の照明セグメントの照明特性を制御する方法及びシステムを提供する。
【0007】
本発明の1態様によれば、複数の照明セグメントの照明特性を制御する方法が提供され、本方法は、駆動電流をそれぞれの照明セグメントに供給するステップ、それぞれの照明セグメントから放出される光の照明強度及び/又は色を検出するステップ、予め決定された照明の設定に従ってそれぞれの照明セグメントの照明強度及び/又は色を調節するように、駆動信号のセットで、それぞれの照明セグメントの駆動電流を調節するステップを含んでおり、駆動信号のそれぞれのセットは、他の照明セグメントに対応する駆動信号の他のセットの周期と特徴とは異なる固有の周期の特徴を有しており、駆動信号のそれぞれのセットは、それぞれ対応する照明セグメントから放出された、検出された照明強度及び/又は色に応答する。
【0008】
本発明では、それぞれの照明セグメントの駆動電流を調節するために固有の周期の特徴をもつ駆動信号が使用される。従って、それぞれの照明セグメントから放出される光は、異なる周期(周波数)の特徴を有し、これに応じて、検出された信号は、異なる周期(周波数)の特徴を有し、それぞれの照明セグメントの信号は、同じ時間で検出することができ、正確に識別することができる。
【0009】
本発明により提供される方法の1実施の形態によれば、検出ステップは、1つのセンサ、すなわち共通のセンサを使用して、それぞれの照明セグメントから放出される光の少なくとも1部の組み合わせからなる混合された照明強度及び/又は色を検出するサブステップ、混合された照明強度及び/又は色からそれぞれの照明セグメントから放出された光のそれぞれの照明強度及び又は色を識別するサブステップを含む。
【0010】
従来技術では、複数の照明セグメントの照明強度及び/又は色を検出するために複数のセンサが使用され、それぞれの照明セグメントには、1つのセンサが設けられる。しかし、異なるセンサの間で個々の性能の違いが存在し、また、異なるセンサ間での時間と共に変動する減衰特性の違いが存在するので、係る制御は、ベストエフォートを殆ど達成しない。本発明の上述された実施の形態では、全ての照明セグメントの照明強度及び/又は色を検出するために唯一の共通のセンサが使用され、これにより、上述された従来技術の制約を克服することができ、一様な検出の結果を提供することができる。共通のセンサの減衰特性は、それぞれの照明セグメントに同じ作用をもたらし、制御の作用は、安定なレベルで保持することができる。
【0011】
本発明の第二の態様によれば、光ガイド及び複数の光偏向ユニットを有する導光手段が提供され、複数の光偏向ユニットは、光ガイドの延長方向に沿って光ガイドの1つの同じ表面に配置され、それぞれの光偏向ユニットが、光ガイドの延長方向の1つの同じ方向にその反対側から到来する光の少なくとも1部を偏向可能なように構成される。
【0012】
本発明の第三の態様によれば、複数の照明セグメント、検出サブシステム及びコントローラを有する照明システムが提供され、検出サブシステムは、それぞれの照明セグメントから放出された光の照明強度及び/又は色を検出し、コントローラは、それぞれの照明セグメントから放出された光の照明強度及び/又は色を表す、検出サブシステムの出力信号受け、予め決定された照明の設定に従ってそれぞれの照明セグメントの照明強度及び/又は色を調節するように、出力信号に応答してそれぞれの照明セグメントの駆動電流をそれぞれ調節する駆動信号のセットを生成する。
【0013】
本発明の照明システムの1実施の形態では、検出サブシステムは、それぞれの照明セグメントから放出された光の少なくとも一部の組み合わせからなる混合された照明強度及び/又は色を検出する共通のセンサを有しており、検出サブシステムは、混合された照明強度及び/又は色から、それぞれの照明セグメントから放出された照明強度及び/又は色のそれぞれを識別する識別ユニットを更に有する。
【0014】
本発明の照明システムの1実施の形態では、検出サブシステムは、共通のセンサにそれぞれの照明セグメントから放出された光を少なくとも1部を誘導する共通の光誘導手段を更に有する。
【図面の簡単な説明】
【0015】
本発明の他の特徴、目的及び利点は、添付図面と共に説明される限定するものではない例示的な実施の形態に関する以下の詳細な説明から更に明らかとなるであろう。図面において、同一又は類似の参照符号は、同一又は類似のステップ、特徴又はデバイス(モジュール)を示す。
【図1】本発明の実施の形態に係る、複数の照明セグメントの照明特性を制御する方法のフローチャートである。
【図2】本発明の実施の形態に係る方法における検出ステップのフローチャートである。
【図3】本発明の実施の形態に係る方法における識別するサブステップのフローチャートである。
【図4】本発明の実施の形態に係る照明セグメントの概念図である。
【図5】本発明の実施の形態に係る光誘導手段の構造とそのLEDアレイとの位置的な関係を示す図である。
【図6】本発明の実施の形態に係る光誘導手段の部分的な断面図である。
【図7】本発明の実施の形態に係る光ガイドの立体図である。
【図8】本発明の実施の形態に係る光ガイドの側面の断面図である。
【図9】本発明の実施の形態に係る照明システムの構造的な概念図である。
【図10】本発明の実施の形態に係る照明システムの断面図である。
【図11】本発明の実施の形態に係る照明システムの断面図である。
【図12】本発明の実施の形態に係る、表面分布により照明システムにおいて使用することができる、光誘導手段の図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
図1は、本発明の1実施の形態に係る、複数の照明セグメントの照明特性を制御する方法のフローチャートである。
【0017】
ステップS1において、駆動電流は、それぞれの照明セグメントにそれぞれ供給される。
ステップS3において、それぞれの照明セグメントから放出される光の照明強度及び/又は色がそれぞれ検出される。たとえば、それぞれの照明セグメントが1つの単色LEDアレイのみを含む場合、それぞれの照明セグメントから放出された光の照明強度を検出するために強度センサが使用される。知られているように、様々な混合された色を得るために、異なるベースカラーのパーセンテージ(又は寄与)を調節することで、2以上のベースカラーを混合することができる。それぞれの照明セグメントが異なるベースカラーをもつ複数の光源を有する場合、それぞれの照明セグメントから放出された光の照明強度及び/又は色を検出するために色センサが使用される。
【0018】
ステップS5において、それぞれの照明セグメントの駆動電流は、駆動信号のセットによりそれぞれ調節され、駆動信号のそれぞれのセットは、他の照明セグメントに対応する駆動信号の他のセットの周期の特徴とは区別される固有の周期の特徴を有し、駆動信号のそれぞれのセットは、対応する照明セグメントから放出された光の検出された照明強度及び/又は色に応答して、予め決定された照明の設定に従って、それぞれの照明セグメントの照明強度及び/又は色を調節する。たとえば、第一の照明セグメントに対応する駆動信号の第一のセットの周期は、2msとして設定され、第二の照明セグメントに対応する駆動信号の第二のセットの周期は、3msとして設定され、第三の照明セグメントに対応する駆動信号の第三のセットの周期は、7msとして設定される、等である。予め決定された照明の設定は、異なる状況に応じて変えることができる。たとえば、それぞれの照明セグメントが白色光のみを放出する場合、予め決定された照明の設定は、安定且つ一様な照明を提供するように、それぞれの照明セグメントが近似的に同じ照明の強度であることを要求する。それぞれの照明セグメントが異なるベースカラーからなる複数のLEDアレイを有する場合、照明の設定は、それぞれの照明セグメントから放出される光が特定のパターンを形成することを要求し、勿論、映画の投影に類似している、それぞれの照明セグメントが変化可能なパターンを形成することができるように、照明の設定は、時間と共に変化することができる。
【0019】
クローズループ制御は、ステップS1,S3及びS5を循環的に実行することで形成される。それぞれの照明セグメントから放出される光の特性を検出することで、異なるベースカラーの寄与を調節して、照明セグメントから放出される光に関する色制御を達成することができる。本発明の1実施の形態では、それぞれの照明セグメントから放出された光の照明強度及び色を検出することで、検出された信号を達成することができ、この検出された信号は、フィードバック情報を取得するために予め決定された色設定と比較するために使用され、フィードバック情報は、それぞれの照明セグメントの駆動電流を調節するために使用される駆動信号に変換され、これにより所望の色を取得することができる。本発明の方法は、それぞれの照明セグメントの駆動電流を調節するために固有の周期の特徴をもつ駆動信号を含み、それぞれの照明セグメントから放出された光も固有の周期の特徴を有し、それぞれの照明セグメントの検出された信号は、同様に固有の周期(周波数)の特徴を有し、従って、それぞれの照明セグメントの照明強度及び/又は色は、同時に検出することができ、正確に識別することができる。
【0020】
図2は、本発明の実施の形態に係る方法における検出ステップのフローチャートである。図2に示されるように、本実施の形態における検出ステップS3は、検出サブシステムS31及び識別サブステップS33を含む。
【0021】
検出サブステップS31では、それぞれの照明セグメントから放出された光の少なくとも1つの組み合わせからなる混合された照明強度及び/又は色は、共通のセンサを使用することで検出される。識別サブステップS33では、それぞれの照明セグメントから放出される光のそれぞれの照明強度及び/又は色は、混合された照明強度及び/又は色から識別される。検出するサブステップS31では、それぞれの照明セグメントから放出された光の少なくとも1部は、共通の光誘導手段を介して共通のセンサに誘導される。それぞれの照明セグメントにそれぞれ対応する駆動信号のそれぞれのセットは異なる周期の特徴を有するので、それぞれの照明セグメントから放出された光も同様に固有の周期の特徴を有し、従って、共通のセンサの出力は、異なる周期の特徴をもつ電気信号の重ね合わせ信号である。従って、識別するサブステップS33では、それぞれの照明セグメントの照明強度及び/又は色は、アナログ信号のフィルタリング又はデジタル信号処理等により、共通のセンサの出力信号から抽出される。
【0022】
図3は、本発明の実施の形態に係る方法における識別するサブステップのフローチャートである。図3に示されるように、本実施の形態における識別するサブステップS33は、サブステップS331及びS333を含む。サブステップS331では、複数の照明セグメントの結合された照明強度及び/又は色を表すセンサの出力信号は、アナログ/デジタルコンバータ(A/D変換器)によりデジタル信号に変換される。サブステップS333では、上述されたデジタル信号は、それぞれの照明エレメントの照明強度及び/又は色にそれぞれ対応する信号を区別するために、デジタルシグナルプロセッサ(DSP)により処理される。たとえば、限定されるものではないが、デジタルシグナルプロセッサによる処理は、デジタル信号を周波数領域で処理することができるように、A/D変換器からのデジタル信号に離散コサイン変換を施すことを含む。当業者であれば、A/D変換器からデジタル信号を処理して変換領域で信号を処理するために他の公知の変換方法が使用されることも可能であることを理解されるであろう。
【0023】
本発明の方法の別の実施の形態では、検出するステップS3は、複数の光誘導手段を使用して、共通のセンサに、それぞれの照明セグメントから放出された光の少なくとも1部を誘導するサブステップを含む。たとえば、光誘導手段として、光ファイバを使用することができ、それぞれの照明セグメントから放出された光の少なくとも1部は、複数の光ファイバのうちの1つを通して共通のセンサのそれぞれ伝送される。共通のセンサは、それぞれの照明セグメントからの光の組み合わせからなる照明強度及び/又は色を検出するために使用される。
【0024】
本発明の方法の1実施の形態によれば、それぞれの照明セグメントは、1つのLEDアレイ、それぞれの照明セグメントのLEDアレイの駆動電流は、独立の駆動信号によりそれぞれ調節され、それぞれの駆動信号は、他の駆動信号の周期とは異なる周期の特徴を有する。
【0025】
本発明の方法の別の実施の形態によれば、それぞれの照明セグメントは、複数のLEDアレイを有しており、同じ照明セグメントにおけるそれぞれのLEDアレイの色は、互いに異なり、同じ照明セグメントにおけるそれぞれのLEDアレイの駆動電流は、駆動電流の同じセットにおける独立の駆動信号により調節することができ、駆動信号のそれぞれのセットは、他のセットの周期とは異なる周期の特徴を有する。
【0026】
図4は、本発明の実施の形態に係る照明セグメントの図である。本実施の形態における照明セグメント21は、3つのLEDアレイ22a,22b及び22cを有しており、係る3つのLEDアレイは、異なる色を有しており、それぞれのLEDアレイは、複数のLEDパーティクルから構成される。コントローラ29は、照明セグメント21に駆動信号のセットを供給するために使用され、駆動信号のセットは、同じ周期の特徴をもつ3つの独立な駆動信号を含み、これらの駆動信号は、それらのアレイのぞれぞれの照明強度を調節するように、LEDアレイ22a,22b及び22cの駆動電流を調節するためにそれぞれ使用される。それぞれの駆動信号は、たとえば限定されるものではないが、振幅変調信号又はデューティサイクル変調信号である。照明セグメント21において異なるベースカラーをもつLEDアレイの照明強度を調節することで、照明セグメント21から放出された光の強度及び色を調節することができる。たとえば、限定されるものではないが、LEDアレイ22a,22b及び22cの色は、赤、緑又は青から選択することができる。
【0027】
図5は、本発明の実施の形態に係る、光誘導手段の構造、及びそのLEDアレイとの位置的な関係を示す。図6は、光誘導手段の部分的な断面図を例示する。光誘導手段11は、光ガイド12、光ガイド12の延長方向12に沿って、光ガイド12の一方の表面に位置される複数の光偏向ユニット13を有する。複数の照明セグメント21は、光ガイド12の下であって、光偏向ユニット13の位置の下に位置される。それぞれの照明セグメント21は、複数のLEDアレイ22a,22b及び22cを有する。図6に示されるように、矢印は、光偏向ユニット13の反対側から到来する光を示しており、光の一部分は、光ガイド12を透過して、光ガイド12の他の側に進行し、光の別の部分は、光偏向ユニット13により光ガイド12の延長方向に偏向され、光ガイド12内の延長方向に偏向される光の透過は、内部全反射に類似している。それぞれの光偏向ユニット13は、それぞれ対応する光セグメント21の光の一部を光ガイド12に沿った延長方向と同じ方向に偏向し、同じ方向に偏向された光は、検出のために使用することができる。この方向での光ガイド13の端部は、検出エンドと呼ばれる。
【0028】
本実施の形態では、光偏向ユニット13は、プリズムの数、それぞれのサイズ及び傾斜角度の設計に基づいて、のこぎり歯のような形状をもつ、複数のVカットのプリズム構造14から構成されることが好ましく、光偏向ユニット13により偏向された光強度のパーセンテージを制御することは都合がよい。光偏向ユニット13は、図5に示されるように、不連続に、又は不完全に連続して整列される複数のV字型のプリズム構造14により構築することができ、光偏向ユニット13は、連続して整列される複数のV字型のプリズム構造14により構築することもできる。勿論、それぞれの光偏向ユニット13は、台形の形状、円弧の形状又は他の形状をもつプリズム構造により構築することができる。それぞれの光偏向ユニット13のプリズムの数及びそれぞれのプリズムのサイズは、その対応する光セグメントから到来する光の予め決定されたペーセンテージが、同じ方向に偏向されるように設計される。
【0029】
光偏向ユニットが検出の端から遠く離れると、光偏向ユニットにより偏向される光はより多くの損失を受ける。これは、更なる伝送距離及び途中にある他の光偏向ユニットの分散のためであり、従ってそれぞれの光偏向ユニットに含まれるプリズムの数は、完全に同じではない。検出の端に近い距離をもつ光偏向ユニットは、少ないプリズムを有し、検出の端に遠い距離をもつ光偏向ユニットは、多くのプリズムを有する。上述された設計により、それぞれの光検出ユニットにより偏向され、検出の端の伝送される光の強度は、ほとんど同じとなり、センサの検出範囲の要件を低くする。
【0030】
光ガイド12は、以下の材料の少なくとも1つから形成される。ポリエチレン、ポリアミド、ポリプロピレン、ポリメチル・メタクリレート(PMMA)、ポリカーボネート(PC)、ポリスチレン(PS)。光ガイド12は、二酸化ケイ素又は光ガラスを製造するために使用される任意の他の材料から構成することもできる。知られているように、全ての上述された材料は、光伝送の良好な性能を有する。
【0031】
図7に示されるように、光ガイド12の上に位置されるカバーレイヤ17が存在する。カバーレイヤ17は、PMMA又はPCから通常は構成され、保護のために使用される。カバーリングレイヤ17と光ガイド12の間のギャップ16が存在し、ギャップ16は、光ガイド12の屈折率よりも低い反射率を持つ材料から一般的に選択された材料で充填され、延長方向に沿った光ガイド12の内部全反射の作用を確実にする。
【0032】
図8は、本発明の別の実施の形態に係る、光ガイドの側断面図及び断面図を示す。本実施の形態における光ガイドは、光ファイバコア19及び光ファイバのジャケットレイヤ18を有する光ファイバから形成される。光偏向ユニット13は、光ファイバの同じ側に位置されており、光ファイバの他の側から到来する光の一部は、光ファイバに沿った延長方向と同じ方向に偏向される。実施の形態では、それぞれの光偏向ユニット13は、V字型のサイドプロファイルをもつ幾つかのプリズム構造から構成され、参照符号15は、光ファイバの側面の切開したハッチングラインを表す。光ファイバコア及び光ファイバのジャケットレイヤの屈折率がそれぞれ1.492及び1.417である場合、光ファイバコア及び光ファイバのジャケットレイヤの全反射の閾値角度は、それぞれ42°及び44°であり、プリズム構造のねじ山の角度(included angle)αは、2つの閾値角度よりも大きく設定され、たとえば46°に設定され、これにより、光ファイバの側から到来する光の一部は、偏向され、光ファイバ内で伝送される。
【0033】
通常、上述された方法を実現する照明システムは、本発明の目的を達成する対応する装置と共に構成され、それぞれの装置は、上述された方法のそれぞれのステップ又はサブステップを実現するためにそれぞれ使用される。
【0034】
図9は、本発明の実施の形態に係る、照明システムの構造を説明する図である。図示されるように、照明システムは、光誘導手段11、共通のセンサ26、A/D変換器27、デジタルシグナルプロセッサ(DSP)28、コントローラ29及び複数の照明セグメント21を有しており、図9では、2つの照明セグメント21−1及び21−2のみが示されている。
【0035】
実施の形態では、それぞれの照明セグメント21は、3つのLEDアレイ22a,22b及び22cを有する。LEDアレイ22aは、赤の光を放出し、LEDアレイ22bは、緑の光を放出し、LEDアレイ22cは、青の光を放出する。共通のセンサ26は、色センサであり、この色センサは、3つの色、すなわち赤、緑及び青の色を識別することができる。本発明の他の実施の形態では、それぞれの照明セグメントは、2以上の異なる色をもつLEDアレイを有しており、それぞれのLEDアレイの色は、限定されるものではないが、赤、緑及び青であり、色センサにより識別することができるベースカラーは、限定されるものではないが、赤、緑及び青である。
【0036】
コントローラ29は、それぞれの照明セグメントの3つのLEDアレイの駆動電流をそれぞれ調節する3つの独立な駆動信号からなるセットを生成する。駆動信号からなるそれぞれのセットは、異なる周期の特徴を有しており、たとえば第一の照明セグメント21−1の駆動信号の周期は2ms、第二の照明セグメント21−2の駆動信号の周期は3ms、等である。好ましくは、全ての駆動信号は、振幅変調された正弦波信号である。たとえば、第一の照明セグメント21−1の3つのLEDアレイの全ての駆動信号は、0.5kHzの周波数をもつ振幅変調された正弦波信号であり、第二の照明セグメント21−2の3つのLEDアレイの全ての駆動信号は、0.33kHzの周波数をもつ振幅変調された正弦波信号である。
【0037】
光誘導手段11は、図5及び図7を参照して上述された光誘導手段のうちの1つから選択される。
【0038】
全ての照明セグメント21の赤のLEDアレイ22aから放出される光の一部は、偏向手段により偏向され、光誘導手段11において伝送されて重ね合わされ、共通のセンサ26は、混合された赤の光強度を検出し、赤の光の電気信号を出力する。それぞれの赤のLEDアレイ22aは、異なる周波数をもつ正弦波信号によりそれぞれ調節することができるので、赤の光の検出された電気信号は、様々な周波数成分を含み、主要な周波数成分は、0.5kHz,0.33kHz、すなわちそれぞれの照明セグメントの駆動信号の周波数、及びそれらの周波数逓倍の周波数を含む。これら周波数逓倍信号は、発光及び検出の非線形の特性により主に生じる。
【0039】
A/D変換器27は、赤の光の検出された電気信号をデジタル信号に変換し、デジタル信号を処理のためにDSP28に送出する。DSP28での処理は、それぞれの照明セグメントの赤のLEDアレイの強度を識別するために、離散コサイン変換、デジタルフィルタリング等を含む。それぞれの照明セグメントの駆動信号の周波数は固有であるため、フィルタリング、識別の処理は簡単である。たとえば、0.5kHz及びその周波数逓倍の周波数成分をもつ信号は、第一の照明セグメント21−1の赤のLEDアレイから到来したときに識別され、0.33kHZ及びその周波数逓倍の周波数成分を持つ信号は、第二の照明セグメント21−2の赤のLEDアレイから到来したときに識別される、等である。それぞれの照明セグメントの駆動信号の周波数は、それらの周波数逓倍との相互干渉をできるだけ減少するように、特別に設定される。第一の照明セグメント21−1の赤のLEDアレイから到来するそれぞれの周波数成分のエネルギーは、その検出された照明強度に追加され、他の照明セグメントの赤のLEDアレイの照明強度は、同様のやり方で取得することができる。それぞれの緑のLEDアレイ及びそれぞれの青のLEDアレイの検出及び識別は、それぞれの赤のアレイの検出及び識別と同様である。
【0040】
コントローラ29は、それぞれのLEDアレイの検出された照明強度と予め決定された照明の設定とを比較し、比較結果に従ってそれぞれのLEDアレイの駆動信号を調節する。
【0041】
一般に、それぞれのLEDアレイから放出された光は、照明のために主に使用され、検出のために偏向された光のパーセンテージは、5%未満であり、光の分離の係るパーセンテージ(LEDアレイから放出される全体の光において検出するために使用される光のパーセンテージ)により引き起こされる人間の目により感知される照明効果への影響は、無視することができる。好ましくは、コントローラ29は、それぞれのLEDアレイの光の分離のパーセンテージに従って、それぞれのLEDアレイの駆動信号を補償することもできる。
【0042】
本発明の照明システムの他の実施の形態では、それぞれの照明セグメント21は、白色光を放出する1つのLEDアレイのような、1つのLEDアレイのみを有しており、この状況において、共通のセンサ26は、光強度を検出するためにのみ使用することができる。
【0043】
本発明の照明システムの他の実施の形態では、A/D変換器27、デジタルシグナルプロセッサ28は、アナログフィルタのような回路又は装置により置き換えることができる。
【0044】
本発明の照明システムの他の実施の形態では、照明システムは、たとえば光ファイバのような複数の光誘導手段を有しており、それぞれの照明セグメントには、光誘導手段がそれぞれ設けられている。それぞれの照明セグメントから放出された光の一部は、複数の光誘導手段のうちの1つを介して共通のセンサに伝送することができ、混合された光の照明強度及び/又は色は、共通のセンサにより感知することができる。
【0045】
図10は、本発明の実施の形態に係る、照明システムの断面図である。本実施の形態の照明システムは、ハウジング31、カバープレート32、光誘導手段11、複数のLEDアレイ等を備える、ロングストリップからなる形状をもつランプボディを有している。LEDアレイから放出された光の大部分は、照明のために使用されるために、カバープレート32を透過し、光の僅かの部分は、検出のために使用されるために、光誘導手段11により偏向される。光誘導手段11は、本実施の形態では光ファイバから構成され、この光ファイバは、LEDアレイの斜め上であって、ハウジングのエッジ近くに位置される。光誘導手段11のプリズム構造のハッチングライン15は、傾いており、それぞれのLEDアレイから直接放出される光に実質的に垂直になるように設定される。
【0046】
図11は、本発明の実施の形態に係る、照明システムの断面図である。本実施の形態における照明システムは、ハウジング31、カバープレート32、複数のLEDアレイ等を有する、ロングストリップの形状をもつランプボディを有する。光誘導手段11は、全体としてカバープレート32に組み込まれており。LEDアレイから放出された光の大部分は、照明用に使用されるために、カバープレート32を透過し、光の一部は、光偏向手段11の光偏向ユニット13によりセンサに偏向され、検出のために使用される。
【0047】
図12は、本発明の実施の形態に係る、光誘導手段を示す図である。光誘導手段は、表面分布をもつ照明システムのために使用することができる。図示されるように、光誘導手段11は、並列に配置される、複数のストリップのような光ガイド12を有する。隣接するストリップのような光ガイド12は、溝41により互いに分離され、溝41は、光ガイド12の屈折率よりも低い屈折率をもつ材料で充填することができる。それぞれの光ガイド12の一方の端は、光デバイス42に接続される。それぞれの光ガイドから到来する全ての光は、光デバイス42において拡散して反射され、共通のセンサ26により検出されるように、光デバイス42の一方の端に誘導される。係る光誘導手段を使用した照明システムは、表面分布をもつ照明を提供することができる。
【0048】
本発明の実施の形態が上述されたが、本発明はこれらの特定のシステム、装置又は材料に限定されるものではなく、当業者であれば、特許請求の範囲で記載された範囲において様々な変形又は変更を行うことができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の照明エレメントの照明特性を制御する方法であって、
当該方法は、
それぞれの照明セグメントに駆動電流を供給するステップと、
それぞれの照明セグメントから放出された光の照明強度及び/又は色を検出するステップと、
予め決定された照明の設定に従って、それぞれの照明セグメントから放出された光の照明強度及び/又は色を調節するように、それぞれの照明セグメントの駆動電流を駆動信号のセットで調節するステップとを含み、
前記駆動信号のそれぞれのセットは、他の照明セグメントに対応する駆動信号の他のセットの周期とは異なる固有の周期を有しており、前記駆動信号のセットは、それぞれの対応する照明セグメントから放出される光の検出された共鳴強度及び/又は色に応答して生成される、
ことを特徴とする方法。
【請求項2】
前記検出するステップは、
共通のセンサを使用して、それぞれの照明セグメントから放出された光の少なくとも1部の組み合わせからなる混合された照明強度及び/又は色を検出するサブステップと、
前記混合された照明強度及び/又は色から、それぞれの照明セグメントから放出された光のそれぞれの照明強度及び/又は色を識別するサブステップと、
を含む請求項1記載の方法。
【請求項3】
前記検出するサブステップは、
共通の光誘導手段を使用することで、それぞれの照明セグメントから放出された光の少なくとも1部を前記共通のセンサに誘導する、
請求項2記載の方法。
【請求項4】
前記識別するサブステップは、
アナログ/デジタル変換器を使用することで、前記混合された照明強度及び/又は色を表すセンサ出力信号をデジタル信号に変換し、プロセッサを使用して前記デジタル信号に離散コサイン変換を施して、それぞれの照明セグメントから放出された光のそれぞれの照明強度及び/又は色を取得する、
請求項2記載の方法。
【請求項5】
それぞれの照明セグメントは、同じ照明セグメントにおける他のLEDアレイの色とは異なる色の少なくとも1つの独立に制御されるLEDアレイを有し、
それぞれのLEDアレイの駆動電流は、駆動信号の同じセットにおける個々の駆動信号により調節され、
前記同じセットにおける駆動信号のそれぞれは、同じ周期を有する、
請求項1記載の方法。
【請求項6】
前記個々の駆動信号は、振幅変調信号又はデューティサイクル変調信号である、
請求項5記載の方法。
【請求項7】
光ガイドと、
前記光ガイドの一方の表面に、前記光ガイドの延長方向に沿って配置される複数の光偏向手段であって、前記光ガイドの延長方向と同じ方向に、光偏向手段が配置される側とは反対の側から到来する光の少なくとも1部を偏向する複数の光偏向手段と、
を備えることを特徴とする光ガイドユニット。
【請求項8】
前記光偏向手段のそれぞれは、複数のV字型のプリズム構造を有しており、
前記光偏向手段のそれぞれのプリズムの数及びそれぞれのプリズムのサイズは、前記反対の側から到来する光のうちの予め決定された割合の光が前記同じ方向に偏向されるように設計される、
請求項8記載の光ガイドユニット。
【請求項9】
前記光偏向手段のそれぞれのプリズムの数は、前記光偏向手段のそれぞれと前記光ガイドの一方の端との距離に応じて決定される、
請求項8記載の光ガイドユニット。
【請求項10】
前記光誘導手段は、前記光ガイドの上に位置されるカバーレイヤを更に有し、
前記カバーレイヤと前記光ガイドとの間の間隔は、前記光ガイドの屈折率よりも低い屈折率をもつ材料で充填される、
請求項7記載の光ガイドユニット。
【請求項11】
複数の照明セグメントと、
それぞれの照明セグメントから放出された光の照明強度及び/又は色を検出する検出サブシステムと、
それぞれの照明セグメントから放出された光の照明強度及び/又は色を表す前記検出サブシステムの出力信号を受け、予め決定された照明の設定に従って、それぞれの照明セグメントから放出された光の照明強度及び/又は色を調節するように、前記出力信号に応答して、それぞれの照明セグメントの駆動電流をそれぞれ調節する制御手段とを備え、
前記駆動信号のそれぞれのセットは、他の照明セグメントに対応する駆動信号の他のセットの周期とは異なる固有の周期を有する、
ことを特徴とする照明システム。
【請求項12】
前記検出サブシステムは、それぞれの照明セグメントから放出された光の少なくとも1部の組み合わせからなる混合された照明強度及び/又は色を検出する共通のセンサを有し、
前記検出サブシステムは、前記混合された照明強度及び/又は色から、それぞれの照明セグメントから放出された光のそれぞれの照明強度及び/又は色を識別する識別手段を有する、
を含む請求項11記載の照明システム。
【請求項13】
前記検出サブシステムは、それぞれの照明セグメントから放出された光の少なくとも1部を前記共通のセンサに誘導する共通の光誘導手段を更に有する、
請求項12記載の照明システム。
【請求項14】
前記共通の光誘導手段は、
光ガイドと、
前記光ガイドの一方の表面に、前記光ガイドの延長方向に沿って配置される複数の光偏向手段であって、前記光偏向手段のそれぞれは、複数のV字型のプリズム構造を有しており、前記光偏向手段のそれぞれのプリズムの数及びそれぞれのプリズムのサイズは、前記光偏向手段に対応する照明セグメントから到来する光のうちの予め決定された割合の光が前記共通のセンサの方向に偏向されるように設計される、
請求項13記載の照明システム。
【請求項15】
前記識別手段は、
前記混合された照明強度及び/又は色を表すセンサ出力信号をデジタル信号に変換するアナログ/デジタル変換器と、
前記照明セグメントのそれぞれから放出される光のそれぞれの照明強度及び/又は色を取得するために、前記デジタル信号に離散コサイン変換を施すプロセッサと、
を有する請求項12記載の照明システム。
【請求項16】
それぞれの照明セグメントは、同じ照明セグメントにおける他のLEDアレイの色とは異なる色の少なくとも1つの独立に制御されるLEDアレイを有し、
それぞれのLEDアレイの駆動電流は、駆動信号の同じセットにおける個々の駆動信号により調節され、
前記同じセットにおける駆動信号のそれぞれは、同じ周期を有する、
請求項11記載の照明システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公表番号】特表2012−511228(P2012−511228A)
【公表日】平成24年5月17日(2012.5.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−539131(P2011−539131)
【出願日】平成21年11月26日(2009.11.26)
【国際出願番号】PCT/IB2009/055346
【国際公開番号】WO2010/064168
【国際公開日】平成22年6月10日(2010.6.10)
【出願人】(590000248)コーニンクレッカ フィリップス エレクトロニクス エヌ ヴィ (12,071)
【Fターム(参考)】