説明

複数の直列接続された負荷のそれぞれの負荷電流を制御するための方法及び装置

照明装置100は、放射線503の第1のスペクトルを生成するための一つ以上の第1のLED202と、異なる第2のスペクトル放射線505を生成するための一つ以上の第2のLED204とを含む。第1及び第2のLEDは、第1のノード516Aと第2のノード516Bとの間に直列に電気的に接続され、これらノード間への動作電圧516の印加で、直列電流550がこれらノード間に流れる。制御可能な電流経路518は、第1のLEDを通る第1の電流552と第2のLEDを通る第2の電流554とが異なるように、少なくとも部分的に直列電流を変更するために、第1のLED及び第2のLEDの一方又は両方と並列に接続される。斯様な電流転換技術は、異なるタイプのLEDに対する異なる温度依存の電流−光束関係のため、熱過渡状態の間、生成された光の色のシフト又は色温度のシフトを補償するために使用される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、2007年10月9日に出願された、「一般照明のための一体型のLEDベースの照明器具」という発明の名称の米国仮出願番号No.60/978,612の利益を請求し、これは参照により完全にここに組み込まれる。
【0002】
本発明は、米国エネルギ省により与えられる研究費番号DE―DE―FC26―06NT42932の下、政府のサポートでなされた。アメリカ政府は、本発明の特定の権利を持つ。
【背景技術】
【0003】
直列接続された負荷、すなわち直列に電流を受信するように接続される複数の電気伝導デバイスは、固体照明の最近の適用可能性がわかってきた。発光ダイオード(LED)は、しばしば表示目的のため低電力器具類及び機器アプリケーションで使用される半導体ベースの光源である。LEDは、従来、これらの製作において使用される物質のタイプに基づいて、様々な色(例えば、赤、緑、黄色、青、白色)が利用できる。発光素子の光束の改良及び開発における進歩と結合して、LEDのこの色の多様性が、新規な空間照明アプリケーションのための充分な光出力を持つ新規なLEDベースの光源を作成するために、最近開拓されてきた。
【0004】
例えば、米国特許第6,777,891号は、各照明ユニットが光ストリングの個別に制御可能な「ノード」を構成する、コンピュータ制御可能な「光ストリング」として複数のLEDベースの照明ユニットを設けることを考察している。斯様な光ストリングに適するアプリケーションは、装飾的及び娯楽志向の照明アプリケーション(例えば、クリスマス・ツリーライト、ディスプレイライト、テーマ・パーク照明、ビデオ及び他のゲームセンタ照明など)を含む。コンピュータ制御を介して、一つ以上の斯様な光ストリングは、様々な複雑な時間的色変更照明効果を供給する。多くの実施態様において、照明データが、様々な異なるデータ伝送及び処理スキームによって、シリアル態様で1つ以上の所与の光ストリングのノードと通信される一方、電力は、例えば、かなりのリップル電圧を持ついくつかの例では、整流された高電圧源から、当該ストリングのそれぞれの照明ユニットに並列に供給される。
【0005】
通常、各照明ユニットにより必要とされる動作電圧は(照明ユニットの並列な電力相互接続のため、ストリングも同様)、各照明ユニットのLEDの順電圧(例えば、LEDのタイプ/色に依存して、ほぼ2から3.5Vまで)に関係し、幾つのLEDが照明ユニットの各「カラー・チャネル」のために使用されるか、これらがどのように相互接続されるか、それぞれの色チャネルが電力源から電力を受けるためにどのように構成されるかに関係する。例えば、電流をチャネルへ供給するために3Vのオーダーの順電圧を持ち、当該チャネルに電流を供給するための対応する回路を持つ1つのLEDを含む、電力を受けるためのそれぞれのカラー・チャネルの並列な配置を持つ照明ユニットの動作電圧は、4から5Vのオーダーにあり、各チャネルに当該1つのLEDと電流回路とを収容するすべてのチャネルに並列に印加される。従って、多くのアプリケーションにおいて、より多く共通に利用できるより高い電源電圧(例えば、12VDC、15VDC、24VDC、整流されたライン電圧等)から、概して低い動作電圧を一つ以上のLEDベースの照明ユニットへ供給するためのいくつかのタイプの電圧変換デバイスが所望される。
【0006】
概してより高い電源電圧が容易に利用できるアプリケーションの光源として、低電圧LED及び低電圧LEDベースの照明ユニットを広範囲にわたって採用するための1つの障害は、一方の電圧から他方の電圧までエネルギを変換する必要があることであり、これは、多くの例において、変換非効率及びエネルギ浪費となる。さらにまた、通常、エネルギ変換は、概して集積化を妨げるタイプ及びサイズの電力管理部品を含む。従来、LEDは、単一のLEDパッケージ、又は1つのパッケージ内に直列若しくは並列に接続される複数のLEDとして供給される。LED及び電力変換回路の集積化に対する1つの重要な障害は、LEDを駆動するために通常要求される比較的低い電圧レベルにエネルギを変換するために必要とされる電力管理部品のサイズ及びタイプに関する。
【0007】
前述を考慮して、例えば米国特許出願公開番号2008―0122376―A1で述べられるように、LEDを含む他の最近のアプリケーションは、典型的LED順電圧より著しく高い動作電圧の使用ができるようにするため、更に電力のソース(例えば、120VAC又は240VACのような壁面コンセント又はライン電圧)と負荷との間に変成器を必要とすることなく、複数のLED又はLEDベースの照明ユニットの動作を許容する(すなわち、複数の直列接続された負荷が、ライン電圧から「直接」動作される)ために、複数のLEDの直列相互接続に向いている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
LED光源のような複数の直列接続した負荷の制御は、可変的な色又は基本的に白色光を供給するように構成される照明器具内の光源と、効率が高く特別に調整された電源とが一体化される多数の照明アプリケーションを可能にすると、出願人は認識し理解した。出願人は、特定の制御態様、特に複数の直列接続された負荷のそれぞれの負荷への電流の制御が、斯様な照明器具のさまざまな動作特性を容易にし、特に熱過渡状態に応じて、生成された光の色又は色温度のドリフトの補償を容易にできると認識し理解した。
【課題を解決するための手段】
【0009】
従って、本発明の一態様は、第1のスペクトルを持つ第1の放射線を生成するための少なくとも一つの第1のLEDと、第1のスペクトルと異なる第2のスペクトルを持つ第2の放射線を生成するための少なくとも一つの第2のLEDとを含む、照明装置に向いている。少なくとも一つの第1のLED及び少なくとも一つの第2のLEDは、第1のノードと第2のノードとの間に電気的に直列に接続される。動作電圧が第1のノードと第2のノードとの間に印加されるとき、直列電流が第1のノードと第2のノードとの間に流れる。スイッチング電源は、力率補正及び動作電圧を供給する。スイッチング電源は、少なくとも一つの第1のLEDを流れる第1の電流と少なくとも一つの第2のLEDを流れる第2の電流とが異なるように、少なくとも一つの第1のLED及び少なくとも一つの第2のLEDのうちの一つの周りで少なくとも部分的に直列電流を変更するために、少なくとも一つの第1のLED及び少なくとも一つの第2のLEDのうちの一つと並列に接続された少なくとも一つの制御可能な電流経路を制御する。
【0010】
本発明の別の態様は、熱過渡状態の間、LEDベースの照明装置により生成される白色光の色温度を制御する方法に向いている。LEDベースの照明装置は、第1のスペクトルを持つ第1の放射線を生成するための少なくとも一つの第1のLEDと、第1のスペクトルと異なる第2のスペクトルを持つ第2の放射線を生成するための少なくとも一つの第2のLEDとを含み、第1の放射線及び第2の放射線の混合から白色光となる。少なくとも一つの第1のLEDと少なくとも一つの第2のLEDとは、第1のノードと第2のノードとの間に電気的に直列に接続され、動作電圧が第1のノードと第2のノードとの間に印加されるとき、直列電流が第1のノードと第2のノードとの間に流れる。当該方法は、少なくとも一つの第1のLED及び少なくとも一つの第2のLEDの付近の温度を表す温度信号を生成するステップと、少なくとも一つの第1のLEDを流れる第1の電流及び少なくとも一つの第2のLEDを流れる第2の電流が異なるような、少なくとも一つの第1のLED及び少なくとも一つの第2のLEDのうちの一つの周りで少なくとも部分的に直列電流を変更するために、前記温度信号に基づいて、少なくとも一つの第1のLED及び少なくとも一つの第2のLEDのうちの一つと並列に接続された少なくとも一つの制御可能な電流経路を制御するステップとを有する。
【0011】
本発明の別の態様は、熱過渡状態の間、LEDベースの光源により生成される白色光の色温度を制御するための装置に向いている。LEDベースの光源は、熱伝導性の基板にマウントされ、前記熱伝導性の基板が、LEDベースの光源付近の当該基板内に形成されるくぼみを持つ。前記装置は、熱伝導性の基板に形成されるくぼみに挿入するためのタブを持つ印刷回路基板を含む。更に前記装置は、印刷回路基板が熱伝導性の基板に形成されるくぼみに挿入されるとき、温度センサがLEDベースの光源付近の熱伝導性の基板に本質的に埋められるような、印刷回路基板のタブに配置される温度センサを有する。前記装置は、さらに、印刷回路基板に配置され、LEDベースの光源のための動作電圧及び力率補正を供給するためのスイッチング電源を構成する複数の部品を有し、前記スイッチング電源は少なくとも一つの集積回路(IC)コントローラを有する。
【0012】
本願開示のためここで使用されているように、「LED」という用語は、いかなる電子発光ダイオード、又は電気信号に応答して放射線を生成できる担体注入/接合ベースのシステムの他のタイプも含むことを理解されるべきである。よって、用語LEDは、電流に応答して光を放射するさまざまな半導体ベースの構造体、光放射ポリマー、有機発光ダイオード(OLED)、電子発光ストリップ等を含むが、これに限定されるものではない。
【0013】
特に、用語LEDは、赤外スペクトル、紫外スペクトル及び可視スペクトル(概して、ほぼ400ナノメートルからほぼ700ナノメートルまでの放射線波長を含む)のさまざまな部分の一つ以上の放射線を生成するように構成されるすべてのタイプの発光ダイオード(半導体及び有機発光ダイオードを含む)を指す。LEDのいくつかの例は、限定はされないが、様々なタイプの赤外線LED、紫外線LED、赤色LED、青色LED、緑色LED、黄色LED、琥珀LED、オレンジLED及び白色LEDが挙げられる(更に以下に説明される)。また、LEDは、所与のスペクトル(例えば狭い帯域幅、幅広い帯域幅)のためのさまざまな帯域幅(例えば、最大の半分の十分な幅、すなわちFWHM)と所与の通常のカラー分類の範囲内の様々な主波長とを持つ放射線を生成するように構成され及び/又は制御されると理解されるべきである。
【0014】
用語「スペクトル」は、一つ以上の光源により生じる放射線の一つ以上の周波数(又は波長)を指すと理解されるべきである。よって、用語「スペクトル」は、可視範囲の周波数(又は波長)だけでなく、赤外線、紫外線及び全体の電磁スペクトルの他のエリアの周波数(又は波長)を指す。また、所与のスペクトルは、比較的狭い帯域幅を持ってもよいし(例えば基本的に少ない周波数又は波長成分を持つFWHM)、又は比較的広い帯域幅(さまざまな相対強度を持つ幾つかの周波数又は波長成分)を持ってもよい。所与のスペクトルが2つ以上の他のスペクトルの混合の結果でもよいことも理解されるべきである(例えば、複数の光源からそれぞれ放射される放射線の混合)。この開示のため、用語「カラー(色)」が、用語「スペクトル」と交換可能に使われる。しかしながら、用語「カラー(色)」は、主に観察者により知覚できる放射線の特性を指すために概して用いられる(この使用がこの用語の範囲を制限することを目的としないが)。よって、用語「異なる色」は、異なる波長成分及び/又は帯域幅を持つ複数のスペクトルを暗に指す。また、用語「カラー(色)」は、白色光及び白色でない光に関連して使われてよいことも理解されるべきである。
【0015】
用語「色温度」は、白色光に関連して本願明細書に通常使われるが、この使用はこの用語の範囲を制限することを目的としない。色温度は、特定の色コンテンツ又は白色光の色合い(例えば、赤みがかった、青っぽい)を基本的に指す。所与の放射線サンプルの色温度は、問題の放射線サンプルと基本的に同じスペクトルを放射する黒体放射のケルヴィン(K)温度に従って従来特徴づけられている。黒体放射色温度は、ほぼ700度K(通常は、人間の目に最初に見えるとみなした)から10,000度Kを超えるまでの範囲内に概して入り、白色光は、1500―2000度Kより上の色温度で概して認められる。
【0016】
より低い色温度は、より重大な赤い成分又は「より暖かい感触」を持つ白色光を概して示す一方で、より高い色温度は、より重大な青い成分又は「よりクールな感触」を持つ白色光を概して示す。例えば、火はほぼ1,800度Kの色温度を持ち、従来の白熱電球はほぼ2848度Kの色温度を持ち、早朝昼光はほぼ3,000度Kの色温度を持ち、曇りの昼の空はほぼ10,000度Kの色温度を持つ。ほぼ3,000度Kの色温度を持つ白色光の下で見られる色画像は、比較的赤みがかったトーンを持つ一方、ほぼ10,000度Kの色温度を持つ白色光の下で見られる同じ色画像は比較的青っぽいトーンを持つ。
【0017】
用語「コントローラ」が、一つ以上の光源の動作に関するさまざまな装置を記述するために、本願明細書において概して用いられる。コントローラは、本願明細書に述べられるさまざまな機能を実行するために、非常に多くの態様で実行できる(例えば専用ハードウエアで)。「プロセッサ」は、本願明細書において述べられるさまざまな機能を実行するために、ソフトウェア(例えば、マイクロコード)を使用してプログラムされる一つ以上のマイクロプロセッサを使用するコントローラの1つの例である。コントローラは、プロセッサを使用して又は使用なしに実行されてもよく、いくつかの機能を実行する専用ハードウエアと、他の機能を実行するためのプロセッサ(例えば一つ以上のプログラムされたマイクロプロセッサ及び関連する回路)との組合せとして実行されてもよい。本開示の各種実施形態において使用されるコントローラ部品の例は、制限されるわけではないが、従来のマイクロプロセッサ、特定用途向け集積回路(ASIC)及びフィールドプログラム可能なゲート・アレイ(FPGA)を含む。
【0018】
さまざまな実施態様において、プロセッサ又はコントローラは、一つ以上のストレージ媒体(「メモリ」とここで概して呼ばれる、例えばRAM、PROM、EPROM及び5PROM、フレキシブルディスク、コンパクトディスク、光ディスク、磁気テープ等のような例えば、揮発性及び不揮発性コンピュータ・メモリ)と関係している。いくつかの実施態様において、ストレージ媒体は、一つ以上のプロセッサ及び/又はコントローラで実行されるとき、本願明細書において述べられる機能の少なくとも幾つかを実行する一つ以上のプログラムでエンコードされてもよい。さまざまなストレージ媒体は、プロセッサ又はコントローラ内で固定されるか、又は移動可能であり、媒体に格納された一つ以上のプログラムは、本願明細書に述べられる本開示のさまざまな態様を実行するためにプロセッサ又はコントローラにロードできる。用語「プログラム」又は「コンピュータプログラム」は、一つ以上のプロセッサ又はコントローラをプログラムするために使用できる何れかのタイプのコンピュータコード(例えばソフトウェア又はマイクロコード)を指すために本願明細書において一般的な意味で用いられる。
【0019】
以下により詳細に説明される前述の概念及び付加的な概念のすべての組合せ(ただし、斯様な概念は排他的でない)は、本願明細書において開示される発明の対象物の一部であると考察されることが理解されるべきである。参照により組み込まれる何れかの開示において現れる本願明細書において明確に使用される用語は、本願にて開示される特定の概念と最も一貫した意味が与えられることも理解されるべきである。
【0020】
図において、類似の参照符号は、これら異なる図の全体にわたって概して同じ部分を指す。また、図面は必ずしもスケール通りではなく、代わりに本発明の原理を例示する際、概して強調されている。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】図1は、本発明の一つの実施例による複数の直列接続された負荷のための電源のさまざまな電気的要素を例示する全般的なブロック図である。
【図2】図2は、本発明の一つの実施例による図1に示される電源の力率補正段を例示する回路図である。
【図3】図3は、本発明の一つの実施例による関連するコントローラと共に図1に示される電源の力率補正段を例示する回路図である。
【図4】図4は、本発明の一つの実施例による図1に示される電源の負荷制御段を例示する回路図である。
【図5】図5は、本発明の一つの実施例による関連するコントローラと共に図1に示される電源の負荷制御段を例示する回路図である。
【図6】図6は、本発明の一つの実施例による負荷制御段を制御するための図5のコントローラにより実行される温度補償方法を示すフロー図を例示する。
【図7】図7は、本発明の一つの実施例による図6の温度補償方法に基づく生成された光の色温度対時間の2本のプロット線を例示する。
【図8】図8は、本発明の一つの実施例による図1の電源が配置される印刷回路基板、及びLED負荷を担持している基板と印刷回路基板との結合の例示的な構成を例示する。
【発明を実施するための形態】
【0022】
図1は、本発明の一つの実施例による複数の直列接続された負荷のそれぞれの負荷電流を制御するための装置100のさまざまな電気的要素を例示する全般的なブロック図である。本願明細書において詳述される1つの典型的な実施態様において、装置は、様々な色及び/又は相関色温度を持つ着色した光及び/又は白色光を供給する複数の直列接続されたLED負荷を有する照明器具でもよい。さらに一般的にいえば、図1に図示されるように、本発明の一実施例による装置は、この観点で制限されず、負荷の異なるタイプ及び(必ずしも照明に関するというわけではない、いくつかの場合における)アプリケーションの異なるタイプが本開示により考察されることが理解されるべきである。また、図1に図示される電気的要素の幾つかは任意であり、すべての部品が、本開示による方法及び装置のさまざまな発明の実施例に必ずしも必要であるというわけではないことも理解されるべきである。
【0023】
図1に示されるように、複数のLED光源を使用する照明器具により例証されるように、装置100は、AC入力電圧514を受信し、LED光源のための動作電圧516を供給する電源及び制御電子部品414を含む。図1において、LED光源の2つの異なるタイプが、複数の直列接続された負荷、すなわち、第1のスペクトルを持つ第1の放射線503を生成するための一つ以上の第1のLED202、及び第1のスペクトルと異なる第2のスペクトルを持つ第2の放射線505を生成するための一つ以上の第2のLED204を構成して示される(説明を簡単にするため図1では、一つ以上の第1のLEDがL1とラベルされたブロックに示され、一つ以上の第2のLEDがL2とラベルされたブロックに示される)。
【0024】
1つの非限定的な例示的な実施態様において、第1のLED202は、基本的に単色の赤い光を含む放射線の第1のスペクトルを生成するための一つ以上の赤色LEDを含み、第2のLEDは、相対的に広帯域の白色光を含む放射線の第2のスペクトルを生成するため一つ以上の白色LED(例えば、蛍光体を照射する青色LED)を含む。両者ともあるとき、照明器具により生成される光は、第1の放射線503及び第2の放射線505の混合から生じる。1つの具体例において、比較的より小さな数の赤色LED(例えば、6個)は、白色光の特定の相関色温度(例えば、ほぼ2800〜3000K)及び比較的高い演色評価数(例えば、ほぼ85―90のCRI)を供給するために、照明器具の比較的より大きい数の白色LED(例えば、20個)と共に使用される。
【0025】
図1において、第1のLED202及び第2のLED204は、第1のノード516Aと第2のノード516Bとの間に直列に電気的に接続される。電源414が動作電圧516を供給するとき、直列電流550(IL)が第1のノードと第2のノードとの間に流れる。
【0026】
図1のブロック図に示されるように、電源及び制御電子部品414(以下「電源」)は、力率補正及び動作電圧516両方を供給するための多段形スイッチング電源でもよい。より詳しくは、電源414は、ブリッジ整流器506を介してAC入力電圧514を受信し、力率補正及び動作電圧516を供給するための力率補正段502を含んでもよい。力率補正段502により供給される高い力率補正のため、照明器具/装置100は、印加された入力電圧514に対して基本的に抵抗素子としてみえる。
【0027】
電源414は、ノード516Aと516Bとの間の直列電流550の流れを制御するために、負荷制御段504も含んでもよい。特に、図1に図示されるように、負荷制御段504は、第2のLED204周りの直流電流550を部分的に変更するために、第1のLED202と第2のLED204との間のノード520に結合され、第2のLED204と並列に接続される、(スイッチ560を含む)制御可能な電流経路518を含む。一つの態様では、電流経路518は、第1のLEDを流れる第1の電流552(I1)及び第2のLEDを流れる第2の電流554(I2)が異なるように制御されてもよい。第1のLED及び第2のLEDを流れるそれぞれの電流I1及びI2の斯様な制御は、照明器具により生成される光の色又は色温度を設定し、調整するのを容易にする。以下に詳細に述べられる例示的な実施態様の一つの態様において、第2のLEDから変更される第2の電流の一部は、「再利用され」、第1の電流に加えられる。
【0028】
図1が第2のLEDと並列に負荷制御段504の制御可能な電流経路518を特に例示する一方、それにもかかわらず、一つ以上の制御可能な電流経路が、第1のLED及び第2のLEDのどちらか又は両方の周りで直流電流550の少なくとも一部を変更するための第1のLED202及び第2のLED204の両方又は何れかと並列な負荷制御段504において使用されてもよいことが、理解されるべきである。図1にも示されるように、負荷制御段504は、更に以下に説明されるように、負荷制御段504の他の部品だけでなく制御可能な電流経路518のスイッチ560の制御を容易にするため、動作電圧516とは異なる電圧517を力率補正段502から受け取ってもよい。
【0029】
図1に図示された実施例の他の態様において、装置/照明器具100は、第1のLED202及び第2のLED204との熱伝達があり、付近に配される一つ以上の温度センサ416(TS)を更に含んでもよい。加えて、電源414は、温度センサ416により供給される温度信号526を受信するため、少なくとも負荷制御段504と関連したコントローラ510を含んでもよい。図1にも示されるように、コントローラ510は温度信号526の代わりに、又は温度信号526に加えて一つ以上の外部信号524を受信してもよい。一つの態様では、コントローラ510は、温度信号526及び/又は外部信号524に少なくとも部分的に基づいて、制御可能な電流経路518を制御する(すなわち、スイッチ560を制御する)ための負荷制御段504に制御信号522を供給する。このように、第1の電流552(第1のLED202を通る)及び第2の電流554(第2のLED204を通る)の一方又は両方にわたる制御は、(温度信号526を介して)時間に対するLED光源の付近の温度変化及び/又は(外部信号524を介して)幾つかの外部のパラメータの関数でもよい。図5に関連して以下に詳述されるように、LED温度の関数として第1及び第2の電流の1つ又は両方を変化させる能力は、(例えば、照明器具の電源投入後の熱定常状態までの時間の幾らかの期間にわたるLEDウォームアップとして)熱過渡状態の間、照明器具により供給される光の色温度又は色における望ましくない変化を著しく緩和する。
【0030】
図1に示される実施例のさらにもう一つの態様において、電源414は、力率補正段502に結合される第2制御器508を含んでもよい。コントローラ508は、様々なパラメータのいずれかに基づいて力率補正段により供給される電力及び/又は動作電圧516を制御するために、力率補正段502に制御信号532を供給する。この目的で、コントローラ508は、入力として力率補正段502と関連する少なくとも一つの電圧又は電流を表す第1の信号528、交流入力電圧514の周波数を表す第2の信号534、又は外部信号530を受信する。特に、コントローラ508の内部タイミングは、(50Hz又は60Hzの交流ライン電圧基準の使用を通じて正確なタイミング特徴を可能にする)第2の信号534を介した「ライン駆動」でなされてもよい。
【0031】
力率補正段502に関連したコントローラ508及び負荷制御段504に関連したコントローラ510両方が、図1の電源414に示される一方、コントローラ508及び510の一方又は両方が本開示による装置/照明器具100のさまざまな実施態様にある必要はない任意の特徴を構成することが理解されるべきである。加えて、いくつかの発明の実施例で、単一のコントローラが、これらそれぞれの段に関連して本願明細書に説明されるさまざまな機能を実行するために、一つ以上の制御信号を力率補正段502及び負荷制御段504に供給するために使用されてもよい。
【0032】
図2は、本発明の一つの実施例による図1に示される電源414の力率補正段502の詳細を例示する回路図である。図2に示される回路の通常の構造は集積回路力率補正コントローラ602(Ul)に基づき、この通常のアークテクチャに基づくさまざまな回路は、2008年5月1日に出願の「高力率LEDベースの照明装置及び方法」という名称の米国非仮出願番号第12/113,320号に詳述されていて、この出願は参照によりここに組み込まれる。
【0033】
より詳しくは、力率補正段502は、STマイクロエレクトロニクスL6562コントローラにより例証される力率補正コントローラ602を使用する。いくつかの従来のアプリケーションにおいて、L6562コントローラ及び関係するSTマイクロエレクトロニクスL6561コントローラは、比較的低い電力アプリケーションで力率補正のために共通に使用される「遷移モード」(TM)技術(すなわち、連続モードと不連続モードとの間の境界周辺で動作する)を利用する。L6561コントローラ及び遷移モード技術の詳細は、クラウディオ・アドラグナによる2003年3月のSTマイクロエレクトロニクスのアプリケーションノートAN966、「L6561拡張された遷移モード力率補正」で述べられ、これはhttp://www.st.comで利用でき、ここに参照により組み込まれる。L6561コントローラとL6562コントローラとの間の差は、ルーカ・サラチによる2004年4月のSTマイクロエレクトロニクスのアプリケーションノートAN1757、「L6561からL6562への切り替え」で述べられ、これもまた、http://www.st.comで利用でき、ここに参照により組み込まれる。本開示のためには、これらの2つのコントローラは、同様の機能を持つものとして、概して述べられる。
【0034】
力率補正を容易にすることに加えて、STマイクロエレクトロニクスL6561及びL6562コントローラは、フライバックDC−DCコンバータ実施態様のコントローラとして、「標準でない」構成で代替的に使用されてもよい。L6561/L6562コントローラのこのアプリケーション及び関係のある代替的なアプリケーションの詳細は、シー・アドラグナ及びジー・ガラバリックによる2003年1月のSTマイクロエレクトロニクスアプリケーションノートAN1060、「L6561PFCコントローラを持つフライバックコンバータ」、クラウディオ・アドラグナによる2003年9月のSTマイクロエレクトロニクスアプリケーションノートAN1059、「L6561に基づく高力率フライバックコンバータの設計式」、クラウディオ・アドラグナによる2003年10月のSTマイクロエレクトロニクスアプリケーションノートAN1007、「L6561ベースの切替え器がシルバーボックスのマグアンプに置き換わる」で述べられ、各々http://www.st.comで利用でき、ここに参照により組み込まれる。
【0035】
特に、アプリケーションノートAN1059及びAN1060は、遷移モードで動作し、力率補正を実行するためにL6561コントローラの適性を利用するL6561ベースのフライバック・コンバータ(高いPFフライバック構成)のための1つの例示的な構成を説明し、これによって、比較的低い負荷電力要件(例えば、ほぼ30ワットまで)のための高力率単一スイッチング段DC―DCコンバータを供給する。フライバック・コンバータ構成は、電圧レギュレーションフィードバック制御ループを必要とし、これはコンバータにより供給されるDC出力電圧のサンプルを入力として受け、フィードバックとしてL6561コントローラのINV入力に印加される誤差信号を供給する。
【0036】
http://www.st.comで利用でき、ここに参照により組み込まれるクラウディオ・アンドラグナによる2003年11月のSTマイクロエレクトロニクスアプリケーションノートAN1792、「L6562を持つ一定オフ時間制御されたPFCプレレギュレータの設計」は、遷移モード方法及び一定の周波数連続伝導モード方法に代わるものとして、力率補正プリレギュレータを制御するための他の手法を開示する。特に、「一定オフ時間」(FOT)制御方法は、例えば、L6562コントローラで使用され、ここにおいて、パルス幅変調信号のオン時間だけが変調され、オフ時間は一定に保たれる(スイッチング周波数の変調を導く)。遷移モード手法の様に、L6562コントローラを使用して従来考察される一定オフ時間(FOT)制御方法は、電圧レギュレートフィードバック制御ループを同様に必要とする。
【0037】
図2から分かるように、上記のL6561及びL6562コントローラに対する従来のアプリケーションとは異なり、力率補正段502は、何れのフィードバック制御ループも動作電圧516をレギュレートすることを必要とせず、これによって、従来の実施態様と比較して、回路設計を単純化する。特に、出願人は、基本的に一定の/安定した負荷電力要件を含む実施態様のために、電圧レギュレートフィードバック制御ループが効率的な動作を達成するのには必要でないと認識し理解した。特に、発光ダイオード(LED)自体を含む負荷は、単一のLED又はさまざまな直列、並列若しくは直列/並列構成で相互接続される複数のLEDが負荷の間に特定の電圧を指図するという点で、基本的に電圧レギュレーション・デバイスである。よって、力率補正段502は、適切に安定な動作電圧516及び電力を、フィードバック制御ループを必要とすることなくLED負荷へ供給するように確実に構成される。
【0038】
図2の回路図において、力率補正段502は、バックタイプDC−DCコンバータ構成に基づき、ここにおいて、力率補正コントローラ602は、インダクタ(変成器T1の巻線のうちの1つにより供給される)に対するエネルギ蓄積及び開放サイクルを順に指図するスイッチ604(トランジスタ01により実行される)を制御する。より詳しくは、トランジスタスイッチ604が「オン」すなわち閉である(すなわち、インダクタとして役立つ変成器の巻き線間に電圧を印加する)間隔の間に、電流は印加電圧に基づいてインダクタの中を流れ、インダクタはその磁場にエネルギを格納する。スイッチがオフ、すなわち開かれる(すなわち、電圧がインダクタから除去される)とき、インダクタに格納されるエネルギは、ダイオードD9を介してフィルタキャパシタC7に移され、当該フィルタキャパシタC7の間に動作電圧516が供給される(すなわち、キャパシタは、インダクタエネルギ格納サイクル間で基本的に連続エネルギを供給する)。
【0039】
力率補正段502は、さまざまな回路部品の適切な選択に基づいて、様々な異なる入力電圧514、動作電圧516及び負荷直列電流550(IL)のために構成される。負荷を構成する直列接続LEDのタイプ及び数がターゲット動作電圧を基本的に決定すると想定すると、特に、R10及びR11により形成される抵抗分圧回路606は、負荷を流れる直列電流550を実質的に決定する。図2に示される特定の回路例において、回路は、120VRMSの入力電圧を受け、150ミリアンペアのオーダーの直列電流550を持つ80Vのオーダーの動作電圧を供給するように構成される。図2に示される回路の一態様において、力率補正コントローラ602は、スイッチ604(Q1)を制御するために一定オフ時間(FOT)制御技術を使用するように構成される。FOT制御技術は、バック構成に対する比較的より小さな変成器T1の使用を可能にする。これは、変成器がより一定の周波数で動作できるようにし、よって所与のコアサイズに対する負荷へより高い電力を供給することになる。
【0040】
いくつかの例示的な実施態様において、AC入力電圧514は、AC調光器の出力から得られてもよい(よって入力として交流ライン電圧を受信する)。さまざまな態様において、交流調光器により供給される電圧514は、例えば、電圧振幅制御されるAC電圧、又はデューティサイクル(フェーズ)制御されるAC電圧でもよい。1つの例示的な実施態様において、交流調光器を介して電源414に印加される交流電圧514のRMS値を変化させることにより、動作電圧516(よって、直列電流550)は、同じように変化され、よって、交流調光器は、照明器具により生成される光の全体の輝度を変化させるために使用される。
【0041】
図3は、本発明の他の実施例によって、関連するコントローラ508と共に図1に示される電源414の力率補正段502を例示する回路図である。図3に示される力率補正段502は、多くの顕著な点で図2に示されるものと実質的に同様であるが、いくつかの特定の部品の値が、異なる動作パラメータ(例えば、入力電圧、動作電圧、電流)の可能性を例示するために異なる。図1に関連して説明されたように、オプションのコントローラ508が、力率補正段により供給される動作電圧516及び/又は直列電流550、よって電力を制御するために、抵抗分圧回路606に印加される制御信号532を供給するために力率補正段502に関連して使用されてもよい。コントローラ508は、コントローラ508への入力として供給される様々なパラメータの何れか一つに基づいて、制御信号532を生成してもよい。図5に関連して更に以下で述べられるように、1つの例示的な実施態様において、コントローラ508により供給される制御信号532は、パルス幅変調(PWM)制御信号でもよく、この制御信号のデューティサイクルは抵抗分圧回路606により確立される電圧に影響を及ぼし、よって、PWM制御信号532のデューティサイクルを変化させることにより、力率補正段502により供給される動作電圧516及び/又は直列電流550がコントローラ508により変化される。
【0042】
コントローラ508が制御信号532を変化させるパラメータに関して、図3に示されるように、コントローラ508は、力率補正段502と関連した少なくとも一つの電圧又は電流を表す一つ以上の入力528を受信する(例えば、ICU3のピン6はスイッチQ1を制御する信号を受信するために結合され、U3のピン2及び3は抵抗分圧回路606と関連した電圧に結合される)。このように、コントローラ508は、フィードバック制御機能に貢献し、力率補正段502と関連した多くの監視された回路パラメータの何れか一つに応答して、制御信号532を供給する。
【0043】
コントローラ508はまた、AC入力電圧514の周波数を表す信号534を受信する(R15、R18及びR19により形成される抵抗分圧回路を介して、ICU3のピン7に印加される)。特に、コントローラ508の内部タイミングは、信号534を介して「ライン駆動」され、50Hz又は60HzのACライン電圧基準の使用を通じて正確なタイミング機能を可能にする。1つの例示的なアプリケーションにおいて、コントローラ508は、負荷を構成するLED光源の「動作の時間」のための測定基準として、信号534を介して交流入力電圧514のサイクル・カウントを継続する(例えば、ゼロクロスを監視する)。次に、コントローラ508は、LEDと関連したエージング効果を補償するために動作の時間に基づいて、制御信号532を介して力率補正段の動作パラメータを調整する(例えば、古くなったLEDの低い効率/低減した光束を補償するために、動作電圧516及び/又は直列電流550を増大させる)。代わりに、又は、エージング効果を補償するために力率補正段の動作パラメータを調整することに加えて、コントローラ508は、「ランプ寿命の残り」のいくつかの指標を供給するために、LED光源の「動作の時間」と関連した情報を使用してもよい。例えば、コントローラ508は、意図的に変調光を介していくつかの条件(例えば、ランプ年数)に関係する情報を提供するために、生成された光に目にみえて影響を及ぼすために(例えば、意図的に、点滅するか又は光輝度を調整する)、LED負荷に供給される電力を調整する制御信号532を供給してもよい。
【0044】
加えて、コントローラ508は、力率補正段502の制御が多種多様な外部条件(例えば、温度条件、周囲照明条件、他の環境条件、過電圧又は負荷失敗条件、緊急条件、動き等)のいずれかに基づくように、一つ以上の外部信号530(例えば、図3の例のICU3のピン5に印加される)を受信してもよい。一つ以上の斯様な外部信号に応答して、コントローラは、力率補正段の一つ以上の動作パラメータを調整する制御信号532を供給し、及び/又は意図的に変調光を介して外部信号により表されるいくつかの条件に関係する情報を供給するためにLED負荷に供給される電力を調整してもよい。
【0045】
図4は、本発明の一つの実施例によって、図1に示される電源414の負荷制御段504の詳細を例示する回路図である。力率補正段502と同様に、図4に示される負荷制御段504に対する通常の回路アーキテクチャは、一定オフ時間(FOT)制御技術を利用して、ICU4として示される、STマイクロエレクトロニクスL6562の集積された回路コントローラに基づき、バックコンバータ構成において実行される。特に、U4により構成されるICコントローラ562は、スイッチ560(トランジスタQ6により実行される)を制御し、よって電流経路518を制御し、また当該経路内に、バックコンバータ構成のエネルギ格納/開放デバイスとしてインダクタL3が配置される。
【0046】
図1、図4に関連して上述されたように、第1のLED202及び第2のLED204は、ノード516Aと516Bとの間に直列に接続され、この間に動作電圧516が供給される。制御可能な電流経路518は、直列接続された第1のLED202と第2のLED204との間のノード520に結合される。単一のLEDだけが直列接続されたLED負荷の各々に対する図4の例示のために示される一方、上記のように、LED負荷202及び204の各々が、様々な直列、並列又は直列並列配置のいずれかにおいて接続される複数のLED光源を含み、種々異なる数の所与のタイプのLEDを持ってもよいことが理解されるべきである。本願において述べられる1つの例示的な実施態様において、第1のLED202は、6つの直列接続された赤色LEDのオーダーを含んでもよく、第2のLED204が20個の直列接続された白色LEDのオーダーを含んでもよい。白色LEDに対する順動作電圧が3Vのオーダー、赤色LEDに対する順動作電圧が3.3Vのオーダーとすると、この例でノード516Aと516Bとの間に印加される適当な動作電圧516は、80V(すなわち、[3.3Vx6]+[3Vx20)]のオーダーにあるだろう。
【0047】
スイッチ560、よって電流経路518の制御を介して、図4の負荷制御段504は、ノード516Aと516Bとの間の直列電流550の流れを制御する。特に、スイッチ560の動作を介して、直列電流550は、第2のLED204の周りで少なくとも部分的に変更されてもよく、第1のLEDを流れる第1の電流552(I1)と第2のLEDを流れる第2の電流554(I2)とは異なり、具体的には、スイッチ560が「オン」、すなわち導通するとき、インダクタL3は抵抗R38を介してグランド電位に接続され、これによって、ノード516Aと516Bとの間に交流電流経路を供給して、直列電流550の少なくとも幾らかが第2のLED204の周りで変更できる。図4の回路において、ICコントローラ562により制御されるスイッチ560のデューティサイクル、よって第1の電流552と第2の電流554との差は、R41及びR16により構成される抵抗分圧回路652によりセットされる。図4に示される特定の例において、10KオームのR41及び20KオームのR16で、ほぼ80のVの動作電圧516及びほぼ150ミリアンペアの直列電流550に基づいて、第1の電流552は180ミリアンペアのオーダーであり、第2の電流554は120ミリアンペアのオーダーである。ストレージ素子(インダクタL3)に変更されて、第1のLEDへと(サイクルの次の半分に)ダンプして戻されるという点で、最小の損失で(例えば、30ミリアンペアが第2の電流から差し引かれて、第1の電流に加えられる)、第2のLEDから変更される直列電流の部分が失われず再利用されるという前述したことを示す。
【0048】
第1の電流552及び第2の電流554は、第1のLED及び第2のLEDにより生成される第1の放射線503及び第2の放射線505のそれぞれの量(光束)を概して決定する。従って、図4の抵抗R41及びR16の値の適切な選択により、また、第1のLED202及び第2のLED204の各々に使用されるLEDのタイプ及び数に基づいて、生成された光(第1の放射線及び第2の放射線の混合に基づく)の色又は色温度がセットされる。
【0049】
上記にかかわらず、出願人は、異なるタイプのLEDに対する電流−光束関係が温度の関数として、異なって変化すると認識し理解した。この現象は、熱過渡状態が期待される複数の異なるタイプのLEDを含むいくつかのアプリケーションに対して問題である。例えば、最初に、動作のためにパワーアップされるいくつかの周囲温度でシステムは、電流がLEDを通って流れ始めてから流れ続ける間のいくらかの熱過渡期間にわたって、「ウォームアップ」する。それぞれの直列接続された負荷のための赤色LED及び白色LED両方を含む例示的実施態様に基づいて、システムがある熱定常状態までウォームアップし続けるので、赤色LEDからの光束は、温度の関数として白色LEDからの光束とは異なるレートで変化し、熱過渡期間の間に生成された光の色温度の目立つシフトを引き起こし、より詳しくは、第1及び第2の電流のための一定のそれぞれの値で、システムがウォームアップするので、赤色LEDからの光束が白色LEDからの光束より速いレートで減少する。例えば、最初の電源オン後のほぼ20分の熱過渡期間にわたって、生成された光の色温度は、白色LEDと比較して赤色LEDからの光束の減少のため、100Kと同じ程度だけシフトする(例えば、増大する)。いくつかのアプリケーションに対して、この効果は、特に低めの公称の色温度で望ましくない、この低い色温度で人間の目が色シフトにより敏感だからである。
【0050】
前述からみて、本発明の他の実施例は、異なるタイプの複数の直列接続されたLED光源を含む照明装置の熱過渡状態から生じている色及び/又は色温度シフトを補償するための方法と装置とに向いている。
【0051】
この目的で、図5は、本発明の他の実施例によって、関連するコントローラ510と共に、図1に示される電源の負荷制御段504を例示する回路図である。この実施例の一態様において、コントローラ510は、上で注記された熱補償機能を供給するために、第1のLED202及び第2のLED204との熱伝達、これらLED付近に配置される温度センサ416から受信される温度信号526に応答して、負荷制御段504を制御する。しかしながら、この熱補償機能はコントローラ510が負荷制御段504のさまざまな態様を制御するためにどのように実行されるかの1つの例だけを単に構成し、LED光源付近の温度以外のパラメータ又は条件が、負荷制御段504の制御に影響を及ぼすために入力され、コントローラ510により利用されることが理解されるべきである(例えば、図1に示される外部信号524と関連する上記の考察を参照して)。
【0052】
図5に示されるように、1つの例示的な実施態様において、コントローラ510は、集積回路電圧レギュレータU2から動作電力を受信する集積回路マイクロコントローラU3を含む。熱過渡状態の補償に関して、マイクロコントローラU3はまた、入力として温度センサ416(U5)により出力された温度信号526を受信し、出力として、負荷制御段504の抵抗ネットワーク/フィルタ652に印加される制御信号522を供給する。1つの例示的な実施態様において、温度センサ416は、低電力リニア活性サーミスタ集積回路であり、この例はマイクロチップテクノロジー社から入手可能な集積回路のMCP9700/9700A及びMCP9701/9701Aファミリを含む。
【0053】
1つの例示的な実施態様において、コントローラ510は、パルス幅変調(PWM)制御信号の形で制御信号522を負荷制御段504に供給し、当該制御信号のデューティサイクルは負荷制御段504の抵抗ネットワーク/フィルタ652により確立される電圧に影響を及ぼす。よって、PWM制御信号522のデューティサイクルを変化させることにより、コントローラ510は、第1のLED202に流れる第1の電流552と第2のLED204に流れる第2の電流554との間の差を変化させ、これにより、異なるLEDタイプにより生成されるそれぞれの光束を変える。温度信号526に応答してPWM制御信号522のデューティサイクルを制御することにより、コントローラ510は、熱過渡状態の間、生成された光の色温度又は色のシフトの補償を効果的に供給する(例えば、異なるタイプのLEDに対する異なる温度依存の電流−光束関係により)。
【0054】
図6は、本発明の一つの実施例によって、温度信号526により表される温度変化に応答して、PWM制御信号522のデューティサイクルを調整するためのコントローラ510により実行される方法700を示すフロー図を例示する。ブロック704に示すように、方法700の1つの態様において、PWM制御信号522のデューティサイクルを温度信号526により表される温度変化と関連づける関係(例えば、式)が演繹的に定められる。斯様な関係が定められると、図6に図示されるように、コントローラ510は、温度信号526により表されるように、温度センサ416から温度値を得て(ブロック702)、所定の関係/式(ブロック704)に基づいて測定された温度の関数として、デューティサイクルを計算する(ブロック706)。コントローラ510は、その後、PWM制御信号522のデューティサイクルを新しく計算された値(ブロック708)に合わせ、当該方法は反復のためブロック702に戻る。
【0055】
PWM制御信号522のための温度の関数として、デューティサイクルを特定するブロック704の関係に関して、この関係は較正手順中に、経験的に決定され、これの例が以下に詳細に述べられる。斯様な関係は、所与のアプリケーションのために要求される補償の程度に少なくとも部分的に依存して、線形、区分的線形又は非線形の関係としてモデル化される。1つの例示的なモデルにおいて、この関係は以下の線形方程式(式のさまざまなパラメータは、経験的に決定される)により表わされる。
PWMDutyCycle=[AmbientTempDutyCycle]-[(TempReading)-AmbientTemp)]*[Slope]
(式1)
式(1)において、「PWMDutyCycle」は、図6のブロック706において計算される制御信号522のデューティサイクルを指し、「AmbientTempDutyCycle」は、LED202及び204が周囲温度であるとき、第1及び第2の電流が生成された光のため所望のターゲット色温度を供給する制御信号522のデューティサイクルであり、「TempReading」は、(図6のブロック702にて得られるように)温度信号526により表される温度であり、「AmbientTemp」は、(例えば、パワーオン前の)周囲温度であり、「Slope」は、温度変化当たりのデューティサイクルの変化である。
【0056】
1つの例示的な実施態様において、式(1)で表された値の全ては、0と255との間のバイナリの値に変換される(8ビットのデータワードとして、これらの各々がコントローラ510のマイクロコントローラU3により処理される)。デューティサイクル値に関して、255のバイナリの値は、100%を表す(すなわち、128のバイナリの値は、ほぼ50%のデューティサイクルを表す)。「TempReading」及び「AmbientTemp」パラメータに関して、1つの例では、摂氏温度は、床関数floor([(Temperature[℃]*0.01+0.414)/5]*255)にしたがって変換される。
【0057】
式(1)のさまざまなパラメータの決定を容易にするために例示的な較正手順において、手順の一態様は、いくつかの例示的な範囲にわたってPWM制御信号522のデューティサイクルを変化させ、第1の電流552及び第2の電流554を測定することを含む。下記の表1が斯様な測定値の例を供給する。
表1

【0058】
較正手順の他の態様は、それぞれ第1及び第2のLEDに印加されるさまざまな第1及び第2の電流の関数として、生成された光の色温度を測定することを含む。このプロセスは、一連の「瞬時オン」光度テストを含み、2つの別々の既知の電流源が比較的短い期間第1及び第2のLEDにそれぞれ接続され、生成された光の色温度は、電流が印加される数秒以内に測定される。その後直ぐに、電流は、他の対の電流を印加する前にLEDが周囲熱定常状態に維持されるのに十分に長くオフされる。赤色LEDが第1のLEDとして使用され、白色LEDが第2のLEDとして使用される1つの例示的な実施態様において、赤い光束が白色光束より多く変化し、よって、第1の電流が変化される一方、公称の値が第2の電流に対して選択されると仮定されてもよい。下記の表2は、斯様な測定プロセスの1つの例を供給する。
表2

【0059】
表2において例示される測定プロセスに基づいて、公称のターゲット動作色温度が、生成された光に対して選択されてもよい。このターゲット色温度に基づいて、(表2から)必要とされる対応する第1及び第2の電流は、式1の「AmbientTempDutyCycle」を決定するため表1の第1及び第2の電流と同様に適合される。例えば、ターゲット色温度が3000Kである場合、表2から、これは150mAの第1の電流及び周囲温度の130mAの第2の電流に対応し、よって表1から62.5%のPWM制御信号522に対するデューティサイクルに対応する。よって、式1に対するこの例の「AmbientTempDutyCycle」は、62.5%(255)=159のバイナリの値を持つだろう。
【0060】
式(1)のさまざまなパラメータの決定を容易にする較正手順の最終的な態様は、用語「Slope」の決定を含む。また、用語「Slope」は、電源投入の後ウォームアップ期間のような熱過渡状態の間に生成された光の十分に安定な色及び/又は色温度を維持するために必要とされる温度の変化当たりのデューティサイクルの変化を表す。一つの実施例において、適当な用語「Slope」の決定は、用語「Slope」に対する最初の種値を選択し、推定された熱過渡状態期間(例えば、20〜30分)にわたって方法700を繰り返し、生成された光の色温度の周期的測定(例えば、30秒ごと)を行い、これらの色温度測定値対時間をプロットすることを含む。最も平坦な色温度対時間のプロットとなる適当な値が見つかるまで、このプロセスは用語「Slope」に対する異なる値を使用して繰り返される。
【0061】
図7は、(3000Kのターゲット色温度を表す)159の「AmbientTempDutyCycle」バイナリの値と、(摂氏25度の周囲温度を表す)38の「AmbientTemp」バイナリの値とに基づいて2つの斯様な例示的プロット線を供給する。第1のプロット線800はバイナリ値4を持つ用語「Slope」を使用して生成され、第2のプロット線802はバイナリ値6を持つ用語「Slope」を使用して生成される。図7から、この例では、バイナリ値6を持つ用語「Slope」が、熱過渡状態周期の間、著しくより平坦な色温度対時間プロットとなっている。したがって、式を使用して、
PWMDutyCycle=[159]-[(TempReading)-38)]*[6]
図6に示される方法700のブロック704において、この特定の例示的のために、方法700を実行するコントローラ510は、熱過渡状態を効果的に補償し、熱過渡状態(例えば、「ウォームアップ」)期間の全体にわたって、ほぼ3000Kの安定色温度を供給する。
【0062】
前述の較正手順の通常のアウトラインが、図5に示されるコントローラ510の温度補償機能を効果的に実行するために、対象の他のタイプのLED源及び/又は他の色温度範囲に適用されてもよいことが理解されるべきである。特に、幾つかの例において、正確に同じハードウェアを使用して、2つの同一の照明器具が上記の式1の用語「AmbientTempDutyCycle」に対する異なる値を単に選択することにより白色光の著しく異なる色及び/又は色温度を供給するように構成されることが理解されるべきである。加えて、式1の用語「AmbientTempDutyCycle」は、いくつかの実施態様において、(例えば、時間とともにLED及び光束下落の漸進的な経年を補償するため)予め定められた時間の関数でもよい。さらにまた、上記の如く、図6に示される方法700のブロック704において使用される特定の関係は、所与のアプリケーションのために所望される補償の程度に少なくとも部分的に依存して、上記の式1のような線形関係として、又は、あるいは、区分的線形又は非線形関係としてモデル化される。
【0063】
図8は、本発明の一つの実施例によって、温度センサ416と共に、電源414を構成する複数の部品180が配置される印刷回路基板175の例示的な構成を例示する。図8はまた、第1のLED202及び第2のLED204を担持する基板420(例えば、初めの図に示されるヒートシンク)を示す。図8に示される配置は、温度センサ416とLEDとの間の熱的接続、よって、(例えば、熱過渡状態の間、色及び/又は色温度安定性を供給する目的のため)LED温度の効果的な追跡を容易にする。特に、第1のLED202及び第2のLED204は、熱伝導性の基板420にマウントされ、当該基板は、LED202及び204付近に、当該基板に形成されるくぼみ457を持つ。印刷回路基板175は、くぼみ457への挿入のためタブ456を持ち、このために、図8の特定の図が主に矩形のタブ及び矩形のくぼみを例示しているが、くぼみ457がタブを収容するため補完的に形成されるように、タブ456が様々な形状及び寸法を持ってもよいことが理解されるべきである。温度センサ416は、印刷回路基板のタブに配置され、印刷回路基板175がくぼみ457に挿入されるときに、温度センサがLED付近で、熱伝導性の基板に本質的に埋められる。図1−5に関連して上述されたように、電源414は、複数の遷移モードコントローラに基づく複数の段を含み、電源414を構成する複数の回路部品は印刷回路基板175上に適切に配置される。
【0064】
さまざまな発明の実施例が本願明細書で説明され例示される一方、当業者は、本願明細書に記載されている効果の一つ以上及び/又は結果を得るため及び/又は機能を実行するために、様々な他の手段及び/又は構造を容易に構想し、斯様なバリエーション及び/又は変更態様の各々は、本願明細書に説明された発明の実施例の範囲内であるとみなされる。さらに一般的にいえば、当業者は、本願明細書で説明されたすべてのパラメータ、寸法、物質、及び構成は、例示的であることを意味し、実際のパラメータ、寸法、物質及び/又は構成が、本発明の教示が使用される特定のアプリケーション又は複数のアプリケーションに依存することを容易に理解するだろう。当業者は、本願明細書で説明された特定の発明の実施例に対する多くの等価物を認識し、又は通常の試験だけを使用して確認できるだろう。したがって、前述の実施例が例により示され、添付の請求の範囲及びその等価物の範囲内で、発明の実施例が、特に説明され請求された以外にも実施されてもよいことが理解されるべきである。本開示の発明の実施例は、本願明細書で説明された個々の特徴、システム、物品、物質、キット及び/又は方法に向いている。加えて、斯様な特徴、システム、物品、物質、キット及び/又は方法が相互に矛盾していない場合、斯様な特徴、システム、物品、物質、キット及び/又は方法の2つ以上の組合せは、本開示の発明の範囲内に含まれる。
【0065】
本願明細書において定められ、使われるすべての定義は、辞書定義、参照により組み込まれる文献内のの定義及び/又は定義済み用語の通常の意味をコントロールすると理解されるべきである。
【0066】
明細書及び請求項において用いられる「a」及び「an」という不定冠詞は、変更が明示されない限り、「少なくとも一つ」を意味すると理解されるべきである。
【0067】
明細書及び請求項において用いられる用語「及び/又は」は、結合される要素の「両方又は何れか」、すなわち、ある場合には結合して存在する要素であって、他の場合には分離して存在する要素を意味すると理解されるべきである。「及び/又は」でリストされる複数の要素は、同じ形式と解釈されるべきであり、すなわち、「一つ以上の」要素が結合される。これらの要素に関係するかしないかが特に識別されず、他の要素は、用語「及び/又は」により特に識別された要素以外に任意に存在してもよい。よって、非制限の例として、「有する」のような制約のない言語と連結して用いられるとき、「A及び/又はB」は、ある例ではAのみを指し(B以外の要素をオプションで含んで)、別の例ではBのみを指し(A以外の要素をオプションで含んで)、更に別の例ではA及びB両方を指す(他の要素をオプションで含んで)等である。
【0068】
明細書及び請求項において用いられるように、「又は」は、上記定められた「及び/又は」と同じ意味を持つと理解されるべきである。例えば、リストにおいて項目を分けるとき、「又は」又は「及び/又は」は、含む、すなわち少なくとも一つを含むが、また複数の要素又はリストの要素を一つより多く含み、オプションでリストされていない追加の要素を含むものとして解釈される。これに反して「の一つだけ」、「の正確に一つ」又は請求項で用いられるとき「から成る」のように明示される用語は、複数の要素又はリストの要素のうちの正確に一つを含むことを指すだろう。概して、ここで用いられる用語「又は」は、「何れか」、「の一つ」、「の一つだけ」、又は「の正確に一つ」のような排他的用語に続くとき、排他的代替(すなわち、「一方又は他方であって、両方ではない」)を示すものとしてのみ解釈される。請求項に用いられるとき、「から基本的に成る」は、特許法の分野で用いられるように通常の意味を持つ。
【0069】
請求項及び明細書において用いられるように、一つ以上の要素を参照して、用語「少なくとも一つ」は、要素のリスト内に特にリストされた各要素の少なくとも一つを必ずしも含む必要はなく、要素のリストのうちの要素の如何なる組み合わせを排除しないし、要素のリストのうちの一つ以上の要素から選択された少なくとも一つの要素を意味すると理解されるべきである。この規定は、これらの要素に関係するかしないかが特に識別されず、用語「少なくとも一つ」が指す要素のリスト内で特に識別された要素以外の要素がオプションで存在してもよいことを許可する。よって、非制限的例として、「A及びBの少なくとも一つ」(等価的には「A又はBの少なくとも一つ」、又は等価的には「A及び/又はBの少なくとも一つ」)は、一つの実施例ではBがなく(オプションでB以外の要素を含む)一つ以上をオプションで含む少なくとも一つのA、他の実施例ではAがなく(オプションでA以外の要素を含む)一つ以上をオプションで含む少なくとも一つのB、更に他の実施例では(オプションで他の要素を含む)一つ以上をオプションで含む少なくとも一つのA、及び一つ以上をオプションで含む少なくとも一つのB等を指す。
【0070】
逆が明示されない限り、一つより多くのステップ又は行為を含むここで請求されるいかなる方法においても、方法のステップ又は行為が引用される順番は、方法のステップ又は行為が引用される順番に必ずしも制限されないことも理解されるべきである。
【0071】
上記説明だけでなく、請求項において、「有する」、「含む(including)」、「坦持する」、「持つ」、「含む(containing)」、「含む(involving)」、「保持する」、「構成する」等のようなすべての移行句は、制約がない、すなわち含むということであるが、制限されているのではないことを意味すると理解されるべきである。「から成る」及び「から基本的に成る」という移行句だけが、米国特許庁により発行された、「the Manual of Patent Examining Procedures, Section 2111.03」に記載のそれぞれ閉じた又は準閉じた移行句である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1のスペクトルを持つ第1の放射線を生成するための少なくとも一つの第1のLEDと、第1のスペクトルと異なる第2のスペクトルを持つ第2の放射線を生成するための少なくとも一つの第2のLEDと、力率補正及び動作電圧を供給するスイッチング電源とを有し、前記少なくとも一つの第1のLED及び前記少なくとも一つの第2のLEDは、第1のノードと第2のノードとの間に電気的に直列に接続され、前記動作電圧が第1のノードと第2のノードとの間に印加されるとき、直列電流が第1のノードと第2のノードとの間に流れ、前記スイッチング電源は、前記少なくとも一つの第1のLEDを流れる第1の電流と前記少なくとも一つの第2のLEDを流れる第2の電流とが異なるように、前記少なくとも一つの第1のLED及び前記少なくとも一つの第2のLEDのうちの一つの周りで少なくとも部分的に直列電流を変更するために、前記少なくとも一つの第1のLED及び前記少なくとも一つの第2のLEDのうちの一つと並列に接続された少なくとも一つの制御可能な電流経路を制御する、照明装置。
【請求項2】
前記少なくとも一つの第1のLEDは、第1の数の直列接続された赤色LEDを含み、前記少なくとも一つの第2のLEDは、第1の数とは異なる第2の数の直列接続された白色LEDを含み、前記少なくとも一つの制御可能な電流経路は、第2の数の直列接続された白色LEDと並列に接続される、請求項1に記載の照明装置。
【請求項3】
前記スイッチング電源は、第1の放射線及び第2の放射線の混合からの結果である光の色温度を設定するために、前記少なくとも一つの制御可能な電流経路を制御する、請求項2に記載の照明装置。
【請求項4】
前記少なくとも一つの第1のLED及び前記少なくとも一つの第2のLEDと熱伝達し付近に置かれる、温度信号を生成するための少なくとも一つの温度センサを有し、前記スイッチング電源は、前記温度信号を受信し、前記温度信号に少なくとも部分的に基づいて前記少なくとも一つの制御可能な電流経路を制御するための第1の制御信号を供給する第1のコントローラを有する、請求項1、2又は3に記載の照明装置。
【請求項5】
第1の制御信号は、パルス幅変調(PWM)制御信号を含み、第1のコントローラは、前記温度信号に応答して前記PWM制御信号のデューティサイクルを変える、請求項4に記載の照明装置。
【請求項6】
第1のコントローラは、前記デューティサイクルと前記温度信号により表される温度との間の既定の関係に基づいて、前記PWM制御信号の前記デューティサイクルを決定する、請求項5に記載の照明装置。
【請求項7】
前記既定の関係は、リニアな関係である、請求項6に記載の照明装置。
【請求項8】
前記スイッチング電源は、AC入力電圧を受信し、力率補正及び動作電圧を供給するための力率補正段と、負荷制御段とを更に有し、前記負荷制御段は、前記少なくとも一つの制御可能な電流経路に配される単一のスイッチと、前記単一のスイッチに結合される集積回路コントローラとを有し、前記集積回路コントローラは、第1のコントローラからの第1の制御信号を受信し、第1の制御信号に応答して前記単一のスイッチを制御する、請求項4乃至7の何れか一項に記載の照明装置。
【請求項9】
前記スイッチング電源は、AC入力電圧を受信し、力率補正及び動作電圧を供給するための力率補正段と、負荷制御段とを有し、前記負荷制御段は、前記少なくとも一つの制御可能な電流経路に配される単一のスイッチと、前記単一のスイッチに結合される集積回路コントローラとを有し、前記集積回路コントローラは、一定オフ時間(FOT)制御技術を使用して前記単一のスイッチを制御し、前記集積回路コントローラは、前記動作電圧と関係する信号を受信する如何なる入力部も持たない、請求項1に記載の照明装置。
【請求項10】
前記スイッチング電源は、前記力率補正段と関連する少なくとも一つの電圧又は電流パラメータ、前記AC入力電圧の周波数、又は外部信号に基づいて、前記力率補正段により供給される電力及び/又は前記動作電圧を制御するために、前記力率補正段へ第2の制御信号を供給するための前記力率補正段に結合された第2のコントローラを更に有する、請求項8又は9に記載の照明装置。
【請求項11】
熱過渡状態の間、LEDベースの照明装置により生成される白色光の色温度を制御する方法であって、前記LEDベースの照明装置は、第1のスペクトルを持つ第1の放射線を生成するための少なくとも一つの第1のLEDと、第1のスペクトルと異なる第2のスペクトルを持つ第2の放射線を生成するための少なくとも一つの第2のLEDとを有し、前記白色光は第1の放射線及び第2の放射線の混合からの結果であり、前記少なくとも一つの第1のLEDと前記少なくとも一つの第2のLEDとは、第1のノードと第2のノードとの間に電気的に直列に接続され、動作電圧が第1のノードと第2のノードとの間に印加されるとき、直列電流が第1のノードと第2のノードとの間に流れる方法において、前記少なくとも一つの第1のLED及び前記少なくとも一つの第2のLED付近の温度を表す温度信号を生成するステップA)と、前記少なくとも一つの第1のLEDを流れる第1の電流及び前記少なくとも一つの第2のLEDを流れる第2の電流が異なるように、前記少なくとも一つの第1のLED及び前記少なくとも一つの第2のLEDのうちの一方の周りで少なくとも部分的に前記直列電流を変更するために、前記温度信号に基づいて、前記少なくとも一つの第1のLED及び前記少なくとも一つの第2のLEDのうちの前記一方と並列に接続された少なくとも一つの制御可能な電流経路を制御するステップB)とを有する、方法。
【請求項12】
前記ステップB)は、パルス幅変調(PWM)制御信号を生成するステップB1)と、前記温度信号に応答して前記PWM制御信号のデューティサイクルを変えるステップB2)と、前記PWM制御信号に基づいて前記少なくとも一つの制御可能な電流経路を制御するステップB3)とを有する、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記ステップB2)は、前記デューティサイクルと前記温度信号により表される温度との間の既定の関係に基づいて、前記PWM制御信号の前記デューティサイクルを決定するステップB2a)を有する、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記既定の関係は、リニアな関係である、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記ステップB2a)は、前記PWM制御信号の複数の異なるデューティサイクルで第1の電流及び第2の電流を測定するステップC)と、第1の電流及び第2の電流に対する複数の電流値の対で、前記照明装置により生成される白色光の複数の色温度を周囲温度で測定するステップD)と、前記ステップC)及びD)に基づいて白色光の所望の色温度に対する周囲温度デューティサイクルを決定するステップE)と、前記温度信号により表される温度の変化ごとのデューティサイクルの変化に対応する値を決定するステップF)と、前記ステップF)で決定された値に関係する量により前記周囲温度デューティサイクルをオフセットするステップG)とにより、前記既定の関係を得るステップを有する、請求項13に記載の方法。
【請求項16】
熱過渡状態の間、LEDベースの光源により生成される白色光の色温度を制御するための装置であって、前記LEDベースの光源は、熱伝導性の基板にマウントされ、前記熱伝導性の基板が、前記LEDベースの光源付近に、当該基板内に形成されるくぼみを持つ装置において、前記熱伝導性の基板に形成される前記くぼみに挿入するためのタブを持つ印刷回路基板と、前記印刷回路基板が前記熱伝導性の基板に形成される前記くぼみに挿入されるとき、LEDベースの光源付近に、前記熱伝導性の基板に本質的に埋められるような、前記印刷回路基板の前記タブに配置される温度センサと、前記印刷回路基板に配置され、前記LEDベースの光源のための動作電圧及び力率補正を供給するための少なくとも一つの集積回路(IC)コントローラを有するスイッチング電源を構成する複数の部品とを有する、装置。
【請求項17】
前記LEDベースの光源は、第1のスペクトルを持つ第1の放射線を生成するための少なくとも一つの第1のLEDと、第1のスペクトルとは異なる第2のスペクトルを持つ第2の放射線を生成するための少なくとも一つの第2のLEDとを有し、前記白色光は第1の放射線と第2の放射線との混合の結果であり、前記少なくとも一つの第1のLED及び前記少なくとも一つの第2のLEDは、第1のノードと第2のノードとの間で電気的に直列に接続され、第1のノードと第2のノードとの間に前記動作電圧が印加されるとき、直流電流が第1のノードと第2のノードとの間に流れ、前記スイッチング電源は、前記少なくとも一つの第1のLEDを流れる第1の電流と前記少なくとも一つの第2のLEDを流れる第2の電流とが異なるように、前記少なくとも一つの第1のLED及び前記少なくとも一つの第2のLEDの一方の周りの直列電流を少なくとも部分的に変えるために、前記少なくとも一つの第1のLED及び前記少なくとも一つの第2のLEDの前記一方と並列に接続された少なくとも一つの制御可能な電流経路を有する、請求項16に記載の装置。
【請求項18】
前記温度センサが温度信号を生成し、前記スイッチング電源は、前記温度信号を受信し、前記温度信号に少なくとも部分的に基づいて前記少なくとも一つの制御可能な電流経路を制御するための第1の制御信号を供給する第1のコントローラを更に有する、請求項17に記載の装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公表番号】特表2011−501860(P2011−501860A)
【公表日】平成23年1月13日(2011.1.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−529001(P2010−529001)
【出願日】平成20年10月8日(2008.10.8)
【国際出願番号】PCT/US2008/079202
【国際公開番号】WO2009/048951
【国際公開日】平成21年4月16日(2009.4.16)
【出願人】(500074578)フィリップス ソリッド−ステート ライティング ソリューションズ インコーポレイテッド (23)
【Fターム(参考)】