説明

複数の競争対象によるレースを実行するゲーム装置及びゲーム制御方法

【課題】 レース中に行われたBETに対するオッズを変更することが可能なゲーム装置を提供すること。
【解決手段】 複数の競争対象によるレースに出場する競争対象に対するBETを入力することが可能なBET入力装置と、下記(A)〜(F)の処理を実行するようにプログラムされたコントローラとを備えることを特徴とするゲーム装置。(A)レース前BETを受け付ける処理、(B)処理(A)の後に、レースを進行する処理、(C)レース中に、レース中BETを受け付ける処理、(D)レース中BETに対するレース中オッズを、レース前BETに基づいて決定する処理、(E)レース前BETと、レース前BETに対するレース前オッズと、レースの結果とに基づいて配当を付与する処理、及び、(F)レース中BETとレース中オッズとレースの結果とに基づいて配当を付与する処理。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の競争対象によるレースを実行するゲーム装置及びゲーム制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、競馬ゲーム装置のように、複数の競争対象が互いに順位を競い合うレースを進行するゲーム装置が知られている(例えば、特許文献1〜17参照)。一般的に、このようなゲーム装置においてプレーヤは、ゲーム装置から提供される情報や勘に基づいて、レースにおいてどの競争対象が勝利するかを予想し、その競争対象に対してメダル等の遊技媒体をBETする。そして、レースの結果とBETされた遊技媒体とに応じた配当を受けることができる。また、レースの開始前に行うBETに加えて、レース中にもBETを行うことが可能な競争ゲーム装置が存在する(例えば、特許文献17参照)。
【0003】
【特許文献1】米国特許第6210275号明細書
【特許文献2】米国特許第6358150号明細書
【特許文献3】米国特許第6450887号明細書
【特許文献4】米国特許第6634944号明細書
【特許文献5】特開2001−87461号公報
【特許文献6】米国特許第6848991号明細書
【特許文献7】特許第3291287号明細書
【特許文献8】米国特許第6905410号明細書
【特許文献9】特許第3366308号明細書
【特許文献10】米国特許第6921331号明細書
【特許文献11】米国特許第6929550号明細書
【特許文献12】特開2002−85852号公報
【特許文献13】米国特許第6962529号明細書
【特許文献14】特開2002−035429号公報
【特許文献15】米国特許第7025353号明細書
【特許文献16】米国特許第7172508号明細書
【特許文献17】米国特許第5795226号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献17に記載のゲーム装置では、レース前に行うBETに対するオッズと、レース中に行うBETに対するオッズとが常に同じであるため、レースの状況を見て自分が予想した競争対象が勝利しそうな場合にだけ高額のBETを行ったほうがプレーヤにとって有利である場合が多かった。このようなゲーム装置では、レース前には少額のBETしか行わず、レース開始後に、レースの状況をある程度把握してから高額のBETを行うようなプレーヤが多くなり、レース開始前に様々な情報等を駆使してレースの結果を予想してBETするという、競争ゲーム本来の面白みが損なわれてしまうという問題があった。
【0005】
本発明は、上述した課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、レース中に行われたBETに対するオッズを変更することが可能なゲーム装置及びゲーム制御方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
以上のような目的を達成するために、本発明は、以下のようなものを提供する。
(1) 複数の競争対象が互いに順位を競い合うレースに出場する上記競争対象に対するBETを入力することが可能なBET入力装置と、
下記(A)〜(F)の処理を実行するようにプログラムされたコントローラと
を備えることを特徴とするゲーム装置。
(A)上記BET入力装置からのレース前BETを受け付ける処理、
(B)上記処理(A)を実行した後に、上記レースを進行する処理、
(C)上記処理(B)を実行している期間中に、上記BET入力装置からのレース中BETを受け付ける処理、
(D)上記処理(C)において行われた上記レース中BETに対するオッズであるレース中オッズを、上記処理(A)において行われた上記レース前BETに基づいて決定する処理、
(E)上記処理(A)において行われた上記レース前BETと、上記レース前BETに対するオッズであるレース前オッズと、上記レースの結果とに基づいて配当を付与する処理、及び、
(F)上記処理(C)において行われた上記レース中BETと、上記処理(D)において決定されたレース中オッズと、上記レースの結果とに基づいて配当を付与する処理。
【0007】
(1)の発明によれば、複数の競争対象(例えば、競馬ゲームにおける競走馬)が順位を競い合うレースにおいて、レース前とレース中にBETを受け付け、レース中のBETに対するオッズであるレース中オッズを、レース前のBETに基づいて決定する。そして、レース前BETと、レース前BETに対するオッズであるレース前オッズと、レースの結果とに基づいて配当を付与するとともに、レース中BETと、決定されたレース中オッズと、レースの結果とに基づいて配当を付与する。
レース前のBETに応じてレース中のBETに対するオッズが変化するため、プレーヤが高配当を得るためには、レースの結果を前もって正確に予想し、レース中にどの程度のBETを行うかということまで考慮に入れて、レース前のBETを行う必要がある。従って、プレーヤは、レース開始前に様々な情報等を駆使してレースの結果を予想してBETするという、競争ゲーム本来の面白みを充分に味わうことができる。また、単にレースにおける競争対象の着順を予想するだけでなく、例えば、レース前に多めにBETを行ってレース中のBETに対するオッズを高くし、レースの状況を見ながら追加のBETによって高配当を狙うという戦略を立てたり、レース中のBETに対するオッズが低くなっても、リスクを最小限にするためにレース前のBETを少なめにするという戦略を立てたりというように、レース前及びレース中のBETの仕方についての戦略を立てるという新たなゲーム性を付加することができる。
【0008】
さらに、本発明は、以下のようなものを提供する。
(2) 上記(1)に記載のゲーム装置であって、
上記処理(D)は、
(D−1)上記レース中オッズを、上記処理(A)において上記レース前BETされた遊技媒体が多いほど高くなるように決定する処理を含むことを特徴とする。
【0009】
(2)の発明によれば、レース中オッズは、レース前にBETされる遊技媒体が多いほど高くなるように決定される。従って、リスクを冒してレース前に多くの遊技媒体をBETしたプレーヤが、レース中のBETによって多くの配当を付与される可能性を得ることとなり、ゲームに対するプレーヤの挑戦意欲を向上させることができる。
【0010】
さらに、本発明は、以下のようなものを提供する。
(3) (A)複数の競争対象が互いに順位を競い合うレースに出場する上記競争対象に対するレース前BETを行う段階、
(B)上記段階(A)を実行した後に、上記レースを進行する段階、
(C)上記段階(B)を実行している期間中に、上記競争対象に対するレース中BETを行う段階、
(D)上記段階(C)において行われた上記レース中BETに対するオッズであるレース中オッズを、上記段階(A)において行われた上記レース前BETに基づいて決定する段階、
(E)上記段階(A)において行われた上記レース前BETと、上記レース前BETに対するオッズであるレース前オッズと、上記レースの結果とに基づいて配当を付与する段階、及び、
(F)上記段階(C)において行われた上記レース中BETと、上記段階(D)において決定されたレース中オッズと、上記レースの結果とに基づいて配当を付与する段階
を含むことを特徴とするゲーム制御方法。
【0011】
(3)の発明によれば、複数の競争対象(例えば、競馬ゲームにおける競走馬)が順位を競い合うレースにおいて、レース前とレース中とにBETを行い、レース中のBETに対するオッズであるレース中オッズを、レース前のBETに基づいて決定する。そして、レース前BETと、レース前BETに対するオッズであるレース前オッズと、レースの結果とに基づいて配当を付与するとともに、レース中BETと、決定されたレース中オッズと、レースの結果とに基づいて配当を付与する。
レース前のBETに応じてレース中のBETに対するオッズが変化するため、プレーヤが高配当を得るためには、レースの結果を前もって正確に予想し、レース中にどの程度のBETを行うかということまで考慮に入れて、レース前のBETを行う必要がある。従って、プレーヤは、レース開始前に様々な情報等を駆使してレースの結果を予想してBETするという、競争ゲーム本来の面白みを充分に味わうことができる。また、単にレースにおける競争対象の着順を予想するだけでなく、例えば、レース前に多めにBETを行ってレース中のBETに対するオッズを高くし、レースの状況を見ながら追加のBETによって高配当を狙うという戦略を立てたり、レース中のBETに対するオッズが低くなっても、リスクを最小限にするためにレース前のBETを少なめにするという戦略を立てたりというように、レース前及びレース中のBETの仕方についての戦略を立てるという新たなゲーム性を付加することができる。
【0012】
さらに、本発明は、以下のようなものを提供する。
(4) 上記(3)に記載のゲーム制御方法であって、
上記段階(D)は、
(D−1)上記レース中オッズを、上記段階(A)において上記レース前BETされた遊技媒体が多いほど高くなるように決定する段階を含むことを特徴とする。
【0013】
(4)の発明によれば、レース中オッズは、レース前にBETされる遊技媒体が多いほど高くなるように決定される。従って、リスクを冒してレース前に多くの遊技媒体をBETしたプレーヤが、レース中のBETによって多くの配当を付与される可能性を得ることとなり、ゲームに対するプレーヤの挑戦意欲を向上させることができる。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、レース中に行われたBETに対するオッズを変更することが可能なゲーム装置及びゲーム制御方法を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
本発明の実施形態について図面に基づいて説明する。以下においては、本発明の好適な実施形態として、本発明を競馬ゲーム装置に適用した場合について説明することとする。
なお、本発明におけるゲームとは、プレーヤによる入力以外の全てがCPUによって処理されるゲームをいう。
【0016】
図1は、本実施形態に係る競馬ゲーム装置における特徴的な処理を示した図であり、本実施形態に係る競馬ゲーム装置が備えるメインゲーム部において行われるゲーム動作の一例を示すフローチャートである。
図2は、メインモニタに表示されるBET情報画像の一例を示す図である。
図3は、レース前BETとレース中オッズとの対応関係を示す図である。
また、図4は、本実施形態に係る競馬ゲーム装置の一例を模式的に示す斜視図であり、図5は、図4に示したステーションの一例を模式的に示す斜視図である。
図4に示すように、本実施形態に係る競馬ゲーム装置1は、メインモニタ21と、メインモニタ21と向かい合うように設置された複数のステーション101とを備えている。各ステーション101に着座したプレーヤは、レースゲームの結果を予想し、各ステーション101が備えるタッチパネル114を使用してBETの入力を行うことにより、競馬ゲームに参加する。
【0017】
本実施形態では、複数の競走馬が互いに順位を競い合うレースゲーム(以下、単にレースともいう)において、レースの開始前と、レースが行われている期間中とに、競走馬に対するBETを行うことができる。そして、レースの開始前に行われたBET(以下、レース前BETともいう)の額に応じて、レース中に行われたBET(以下、レース中BETともいう)に対するオッズ(以下、レース中オッズともいう)が決定される。
【0018】
ここで、図1の処理について説明する。メインゲーム部11(図6参照)では、ステップS100〜S109の各処理を行う。
まず、ステップS100において、メインゲーム部11が備えるCPU41(図6参照)は、乱数発生器35(図6参照)により発生する乱数に基づいて、ROM43(図6参照)にデータが記憶されている複数の競走馬のうちの所定数(例えば、6)の競走馬を選択し、選択した競走馬を今回のレースに出走する競走馬とする。この際、出走する競走馬に「1」〜「6」の出走番号を付与する。競走馬は、本発明における競争対象に相当する。
【0019】
次に、ステップS101において、CPU41は、馬券方式ごとに、レース前BETに対するオッズ(以下、レース前オッズともいう)を決定する処理を実行する。この際、CPU41は、ROM43に記憶されている各競走馬の勝率データに基づいて、オッズを設定する。従って、勝率の高い競走馬を含む着順予想のオッズは低い倍率に設定され、勝率の低い競走馬を含む着順予想のオッズは高い倍率に設定される。
【0020】
ステップS102において、CPU41は、ステップS100及びS101の処理により決定された、出走する競走馬及びオッズに関する情報をレース情報として、各ステーション101に送信する。
【0021】
次に、ステップS103において、CPU41は、ステーション101におけるBET操作の内容を示すBET情報を、ステーション101から受信する。BET情報には、少なくともBETされた競走馬のIDと、BETされた遊技媒体数と、馬券の種類に関する情報と、ステーション101の識別番号とに関する情報が含まれる。
【0022】
次に、ステップS104において、CPU41は、ステップS103において受信したBET情報に基づくBET情報画像をメインモニタ21に表示する。
BET情報画像については、後で図2を用いて詳述する。
【0023】
次に、ステップS105において、CPU41は、ステップS103において受信したBET情報に基づいて、レース中BETに対するオッズであるレース中オッズを決定する。具体的には、ROM43に記憶されている、レース前BETの額とレース中オッズとの対応関係を示すデータテーブルを参照して、レース前オッズに対するレース中オッズの倍率を決定し、決定された倍率をレース前オッズに掛けることにより、レース中オッズを算出する。
レース前BETの額とレース中オッズとの対応関係については、後で図3を用いて詳述する。
【0024】
次に、ステップS106において、CPU41は、ステップS105において算出したレース中オッズを示すレース中オッズ情報を、各ステーション101に対して送信する。
レース中オッズ情報を受信したステーション101では、レース中BETを受け付けるためのレース中BET画像が、受信したレース中オッズ情報に基づいてサブモニタ113(図5参照)に表示される(図10参照)。
【0025】
次に、ステップS107において、CPU41は、レースゲーム実行処理を実行する。
このレースゲーム実行処理では、CPU41は、乱数発生器35により発生する乱数に基づいて、レースゲームにおける各競走馬の着順等を決定する。そして、決定内容に基づいて、メインモニタ21にレース経過を示す画像を出力する。また、レースゲーム実行処理においては、レース中BETの内容を示すレース中BET情報を、ステーション101から受信する。
このレースゲーム実行処理については、後で図11を用いて詳述することにする。
【0026】
ステップS108において、CPU41は、ステップS101において決定したレース前オッズ、ステップS105において決定されたレース中オッズ、ステップS103において受信したBET情報、ステップS107のレースゲーム実行処理において受信したレース中BET情報、及び、ステップS107のレースゲーム実行処理において決定された各競走馬の着順とに基づいて、各ステーション101に対する配当額を算出する。
【0027】
次に、ステップS109において、CPU41は、レースの結果と、ステップS108の処理により算出した各配当額とを示す情報をそれぞれ該当するステーション101に結果情報として送信する。
以後、次回のレースにおいても、同様の処理が繰り返される。
【0028】
図2は、図1のステップS104においてメインモニタに表示されるBET情報画像の一例を示している。
図2に示すBET情報画像には、レースに出走する競走馬の出走番号を示す馬番を表示する馬番表示域3、競走馬の名称を表示する馬名表示域4、単勝式馬券のオッズを表示するオッズ表示域5、BETされた遊技媒体に関する情報を表示するBET状況表示域6が設けられている。
【0029】
BET情報画像の下側部分には、現在BET入力を受け付けているレースゲームのレースコースの全体図を表示するレースコース表示域7が設けられている。Sは、レースのスタート地点を示し、Gは、レースのゴール地点を示している。
【0030】
なお、本実施形態では、BET情報画像をメインモニタ21に表示することとしているが、本発明においては、ステーションが備えるサブモニタにBET情報画像を表示することとしてもよい。
【0031】
次に、レース前BETの額と、レース中オッズとの対応関係について説明する。
図3は、レース前BETの額と、レース中オッズとの対応関係を示す図である。
図3に示すように、レース前BETの額が属する範囲の夫々に、レース中オッズが、レース前オッズに対する倍率として対応付けられている。例えば、1のステーション101におけるレース前BETが150クレジットである場合には、レース前オッズに対する倍率は2.0であるから、レース前オッズに2.0を乗じた値が、当該ステーション101におけるレース中BETである。
上述した対応関係を示すデータテーブルがROM43に記憶されており、レース中オッズを決定する際に、CPU41によって参照される(図1のステップS105参照)。
なお、レース前オッズに対するレース中オッズの倍率は、競走馬ごとに異なっていてもよい。
【0032】
図4は、本実施形態に係る競馬ゲーム装置の一例を模式的に示す斜視図である。
競馬ゲーム装置1は、メインモニタ21と、メインモニタ21の左右両側に設置されたスピーカ22と、メインモニタ21の上側に設置された表示器23と、メインモニタ21と向かい合うように設置された複数のステーション101とを備えている。
メインモニタ21には、レースの進行状況を示す画像、BETに基づいた情報を示す画像等が表示される。スピーカ22からは、レースの進行状況に応じた音が出力される。表示器23には、ゲーム全般に関する情報等が表示される。
【0033】
図5は、図4に示したステーションの一例を模式的に示す斜視図である。
ステーション101は、キャビネット111と、キャビネット111内に設置された椅子112と、椅子112と向かい合うようにキャビネット111に設置されたサブモニタ113と、サブモニタ113の画面上に設けられたタッチパネル114と、椅子112の右側のキャビネット111上に設置された紙幣識別器115と、紙幣識別器115の下側に設置されたチケットプリンタ116とを備えている。
サブモニタ113には、後述するBET画像、レースの進行状況を示す画像等が表示される。タッチパネル114は、BET画像を利用したBET操作等プレーヤによる入力の際に使用される。タッチパネル114は、本発明におけるBET入力装置に相当する。
【0034】
紙幣識別器115は、紙幣の適否を識別するとともに正規の紙幣をキャビネット111内に受け入れるものである。そして、キャビネット111内に受け入れられた紙幣は、所定のレートでコイン枚数に換算され、該コイン枚数に相当するクレジット数がプレーヤの所有クレジット数として加算される。なお、紙幣識別器115は、後述するバーコード付チケット39を読み取ることができるように構成されていてもよい。
【0035】
チケットプリンタ116は、クレジット数や日時やステーション101の識別番号等のデータがコード化されたバーコードをチケットに印刷し、バーコード付チケット39として出力するものである。プレーヤは、バーコード付チケット39を他のステーションに読み取らせて該ステーション101で遊技を行ったり、バーコード付チケット39を遊技施設の所定箇所(例えばカジノ内のキャッシャ)で紙幣等に交換したりすることができる。
【0036】
図6は、図4に示した競馬ゲーム装置が備えるメインゲーム部の内部構成を示すブロック図である。
メインゲーム部11は、本実施形態における競馬ゲーム装置1の中枢部である。メインゲーム部11は、主制御部12と、メインモニタ21と、スピーカ22と、表示器23と、スイッチ24と、外部記憶装置25とを備えている。
【0037】
主制御部12は、回路基板上に配置されたマイクロコンピュータ45を主たる構成要素とするものである。マイクロコンピュータ45は、予め設定されたプログラムに従って制御動作を行うCPU41と、RAM42と、ROM43とを備えている。
RAM42は、CPU41で演算された各種データを一時的に記憶しておくメモリである。ROM43には、競馬ゲーム装置1の制御上必要な処理を行うための各種プログラム、各競走馬の勝率データ、レース前BETに基づいてレース中オッズを決定する際に参照されるデータテーブル等が記憶されている。
マイクロコンピュータ45は、本発明におけるコントローラに相当する。
【0038】
マイクロコンピュータ45には、I/Oインターフェイス46を介して、画像処理回路31が接続されている。画像処理回路31は、メインモニタ21に接続され、メインモニタ21の駆動を制御する。
【0039】
画像処理回路31は、プログラムROM311と、画像ROM312と、画像制御CPU313と、ワークRAM314と、画像データプロセッサ315(以下、VDP315ともいう)と、ビデオRAM316とを備えている。
プログラムROM311には、メインモニタ21での表示に関する画像制御用プログラムや各種選択テーブルが格納されている。
また、画像ROM312には、例えば、メインモニタ21で画像を形成するためのドットデータや背景画像データ、競走馬の画像データ等の各種画像データが格納されている。
また、画像制御CPU313は、マイクロコンピュータ45で設定されたパラメータに基づき、プログラムROM内に予め記憶された画像制御プログラムに従い、画像ROM内に予め記憶されたドットデータ及び画像データの中からメインモニタ21に表示する画像の決定を行うものである。
また、ワークRAM314は、上記画像制御プログラムを画像制御CPU313で実行するときの一時記憶手段として構成される。
また、VDP315は、画像制御CPU313で決定された表示内容に応じた画像データを生成し、メインモニタ21に出力するものである。
また、ビデオRAM316は、VDP315で画像を形成するときの一時記憶手段として構成される。
【0040】
マイクロコンピュータ45には、I/Oインターフェイス46を介して、音声回路32が接続されている。音声回路32には、スピーカ22が接続されている。スピーカ22は、メインモニタ21の左右に設けられており、CPU41からの駆動信号に基づき音声回路32により出力制御されることによって、音を出力する。
【0041】
マイクロコンピュータ45には、I/Oインターフェイス46を介して、表示器駆動回路33が接続されている。表示器駆動回路33には、表示器23が接続されている。表示器23は、メインモニタ21の上部に設けられており、CPU41からの駆動信号に基づき表示器駆動回路33により表示制御されることによって、ゲーム全般に関する情報等を表示するものである。
【0042】
マイクロコンピュータ45には、I/Oインターフェイス46を介して、スイッチ回路34が接続されている。スイッチ回路34には、スイッチ24が接続されている。スイッチ24は、メインモニタ21の下側に設けられており、オペレータの設定操作による指示をスイッチ回路34からのスイッチ信号に基づきCPU41に入力するものである。
【0043】
マイクロコンピュータ45には、I/Oインターフェイス46を介して、乱数発生器35が接続されている。乱数発生器35は、CPU41によりサンプリングされる乱数を発生する。
【0044】
マイクロコンピュータ45には、I/Oインターフェイス46を介して、タイマ37が接続されている。タイマ37は、レースゲームを開始する際等の計時に用いられるものである。
【0045】
マイクロコンピュータ45には、I/Oインターフェイス46を介して、外部記憶装置25が接続されている。外部記憶装置25は、メインモニタ21の周辺に設けられている。例えば、画像を形成するためのドットデータ等を外部記憶装置25に格納することにより、外部記憶装置25は、画像処理回路31内の画像ROM312と同様な機能を有する。従って、画像処理回路31内の画像制御CPU313は、メインモニタ21に表示する画像の決定を行う際には、外部記憶装置25内に予め記憶されたドットデータ等もその決定の対象とする。
【0046】
マイクロコンピュータ45には、I/Oインターフェイス46を介して、通信インターフェイス36が接続されている。通信インターフェイス36には、各ステーション101の副制御部102が接続されている。従って、CPU41は、通信インターフェイス36を介して、命令の送受信、要求の送受信、データの送受信等を各ステーション101との間で行う。
【0047】
図7は、図4に示した競馬ゲーム装置が備えるステーションの内部構成を示すブロック図である。
ステーション101は、副制御部102と、サブモニタ113と、タッチパネル114と、紙幣識別器115と、チケットプリンタ116とを備えている。
【0048】
副制御部102は、回路基板上に配置されたマイクロコンピュータ135を主たる構成要素とするものである。マイクロコンピュータ135は、予め設定されたプログラムに従って制御動作を行うCPU131と、RAM132と、ROM133とを備えている。
RAM132は、CPU131で演算された各種データを一時的に記憶しておくメモリである。ROM133は、競馬ゲーム装置1の制御上必要な処理を行うための各種プログラム、データテーブル等が格納されている。
マイクロコンピュータ135は、本発明におけるコントローラに相当する。
【0049】
マイクロコンピュータ135には、I/Oインターフェイス136を介して、サブモニタ駆動回路121が接続されている。サブモニタ駆動回路121には、サブモニタ113が接続されている。サブモニタ駆動回路121は、上記メインゲーム部11からの駆動信号に基づきサブモニタ113の駆動を制御する。サブモニタ駆動回路121は、上記画像処理回路31と同様の構成及び機能を有し、例えば、後述するBET画像が表示されるように、サブモニタ113の駆動を制御する。
【0050】
マイクロコンピュータ135には、I/Oインターフェイス136を介して、タッチパネル駆動回路122が接続されている。タッチパネル駆動回路122には、タッチパネル114が接続されている。タッチパネル114は、サブモニタ113の画面上に設けられており、プレーヤの接触操作による指示をタッチパネル駆動回路122からの座標信号としてCPU131に入力するものである。
【0051】
マイクロコンピュータ135には、I/Oインターフェイス136を介して、紙幣識別器駆動回路123が接続されている。紙幣識別器駆動回路123には、紙幣識別器115が接続されている。紙幣識別器115は、紙幣やバーコード付チケット39の適否を識別する。紙幣識別器115は、正規の紙幣を受け入れたとき、受け付けた紙幣の額を紙幣識別器駆動回路123からの識別信号に基づきCPU131に入力するものである。また、紙幣識別器115は、正規のバーコード付チケット39を受け入れたとき、そのバーコード付チケット39に記録されているクレジット数などを紙幣識別器駆動回路123からの識別信号に基づきCPU131に入力するものである。
【0052】
マイクロコンピュータ135には、I/Oインターフェイス136を介して、チケットプリンタ駆動回路124が接続されている。チケットプリンタ駆動回路124には、チケットプリンタ116が接続されている。チケットプリンタ116は、CPU131から出力される駆動信号に基づきチケットプリンタ駆動回路124により出力制御されることにより、RAM132に記憶された所有クレジット数等のデータをコード化したバーコードをチケットに印刷し、バーコード付チケット39として出力するものである。
【0053】
マイクロコンピュータ135には、I/Oインターフェイス136を介して、通信インターフェイス125が接続されている。通信インターフェイス125には、メインゲーム部11の主制御部12が接続されている。従って、CPU131は、通信インターフェイス125を介して、命令の送受信、要求の送受信、データの送受信等をメインゲーム部11との間で行う。
【0054】
マイクロコンピュータ135には、I/Oインターフェイス136を介して、タイマ126が接続されている。タイマ126は、BET操作の受付を終了する際等の計時に用いられるものである。
【0055】
次に、競馬ゲーム装置1において実行されるゲーム動作について説明するが、メインゲーム部11において実行される処理については、図1を用いて既に説明済みであるから、ここではステーション101において実行される処理についてのみ説明することにする。
図8は、本実施形態の競馬ゲーム装置が備えるステーションにおいて行われるゲーム動作の一例を示すフローチャートである。
なお、図8では、煩雑を避けるため、1のステーション101における処理のみを図示している。
まず、ステップS10において、競馬ゲーム装置1が備えるステーション101のCPU131は、メインゲーム部11からレース情報を受信する。レース情報には、レースに出走する競走馬に関する情報や、馬券方式ごとに決定されたオッズに関する情報が含まれる。
【0056】
次に、ステップS11において、CPU131は、タイマ126により経過時間tの計測を開始する。
【0057】
次に、ステップS12において、CPU131は、メインゲーム部11から受信したレース情報に基づいて、BET画像をサブモニタ113に表示する。BET画像については、後で図9を用いて詳述する。
【0058】
次に、ステップS13において、CPU131は、プレーヤにより行われたBET操作の内容を、タッチパネル駆動回路122からの座標信号に基づいて特定し、RAM132に記憶する。また、BET操作の内容は、CPU131がサブモニタ113のBET画像上の表示に反映させる。
【0059】
次に、ステップS14において、CPU131は、BET操作が行われたか否かを判断する。BET操作が行われたと判断した場合、CPU131は、BET操作の内容を示すBET情報を通信インターフェイス125を介して主制御部12に送信し(ステップS15)、処理をステップS17に移す。
なお、BET情報には、少なくともBETされた競走馬のIDと、BETされた遊技媒体数と、馬券の種類に関する情報と、ステーション101の識別番号とに関する情報が含まれる。
【0060】
ステップS14において、BET操作が行われなかったと判断した場合、ステップS16において、CPU131は、タイマ126により計測されている経過時間tが予め設定された規定時間T(本実施形態では、50秒)に達したか否かを判断する。経過時間tが規定時間Tに達していないと判断した場合、処理をステップS13に戻す。
【0061】
一方、経過時間tが規定時間Tに達したと判断した場合、ステップS17において、CPU131は、メインゲーム部11からレース中オッズ情報を受信する。レース中オッズ情報は、図1のステップS105において算出されたレース中オッズを示す情報である。
【0062】
次に、ステップS18において、CPU131は、ステップS17において受信したレース中オッズ情報に基づいて、レース中BETを受け付けるためのレース中BET画像をサブモニタ113に表示する。レース中BET画像については、後で図10を用いて詳述する。
【0063】
次に、ステップS19において、CPU131は、プレーヤにより行われたBET操作の内容を、タッチパネル駆動回路122からの座標信号に基づいて特定し、RAM132に記憶する。また、BET操作の内容は、CPU131がサブモニタ113のレース中BET画像上の表示に反映させる。
【0064】
次に、ステップS20において、CPU131は、BET操作が行われたか否かを判断する。BET操作が行われたと判断した場合、CPU131は、BET操作の内容を示すレース中BET情報を通信インターフェイス125を介して主制御部12に送信し(ステップS21)、処理をステップS22に移す。
なお、レース中BET情報には、上述のBET情報と同様に、少なくともBETされた競走馬のIDと、BETされた遊技媒体数と、馬券の種類に関する情報と、ステーション101の識別番号とに関する情報が含まれる。
【0065】
ステップS20において、BET操作が行われなかったと判断した場合、ステップS22において、CPU131は、メインゲーム部11からレース中BET終了信号を受信したか否かを判断する。レース中BET終了信号は、レース中BETの受付期間が終了したことを示す信号であり、レース中の所定のタイミング(本実施形態では、先頭の競走馬がレースコースのゴール手前の直線部分(図2参照)に到達したタイミング)でメインゲーム部11から送信される。
レース中BET終了信号を受信していないと判断した場合、処理をステップS19に戻す。
【0066】
一方、レース中BET終了信号を受信したと判断した場合、ステップS23において、CPU131は、レース中BETの受け付けを終了する処理を実行する。
【0067】
次に、ステップS24において、CPU131は、各競走馬の着順等のレースの結果や、当該結果とBET情報(及びレース中BET情報)とに基づいて算出された配当額等を示す結果情報を、メインゲーム部11から受信する。結果情報を受信すると、CPU131は、レースの結果や付与される配当を示す画像をサブモニタ113に表示する。
【0068】
次に、ステップS25において、CPU131は、ステップS24において受信した結果情報に基づいて、RAM132に記憶されているプレーヤの所有クレジット数を更新するとともに、サブモニタ113のBET画像上の配当額表示域220やクレジット数表示域221(図9参照)における表示を更新する。
ステップS25の処理を実行した後、本サブルーチンを終了する。
【0069】
また、図9及び10は、ステーションが備えるサブモニタに表示される画像の一例を示す図である。
図9は、図8のステップS12においてサブモニタ113に表示されるBET画像の一例を示している。タッチパネル114に覆われたサブモニタ113の画面に表示されるBET画像には、馬番表示域201、馬名表示域202、スピード・スタミナを棒グラフにより表示する基本能力表示域203、前5走での着順を表示する成績表示域204、現在の調子を矢印により表示する調子表示域205、及び、1着になる馬番を当てる単勝式の馬券購入ボタンをオッズやBET数とともに表示する馬券購入ボタン表示域206が設けられている。
【0070】
また、BET画像は、ヘルプボタン211、1BETボタン213、5BETボタン214、10BETボタン215、50BETボタン216、キャンセルボタン217、キャッシュアウトボタン218、及び、馬券方式切替ボタン222を示す画像を含む。
さらに、BET画像には、時間表示域212、BET数表示域219、配当額表示域220、及び、クレジット数表示域221が設けられている。
【0071】
ヘルプボタン211は、BET等の操作方法をサブモニタ113に表示させるためにプレーヤが触れるボタンである。時間表示域212には、BET入力が可能な残り時間が表示される。1BETボタン213は、現在のBET数に「1」を加算させるためにプレーヤが触れるボタンである。5BETボタン214は、現在のBET数に「5」を加算させるためにプレーヤが触れるボタンである。10BETボタン215は、現在のBET数に「10」を加算させるためにプレーヤが触れるボタンである。50BETボタン216は、現在のBET数に「50」を加算させるためにプレーヤが触れるボタンである。
【0072】
キャンセルボタン217は、加算されたBET数を取り消すためにプレーヤが触れるボタンである。キャッシュアウトボタン218は、プレーヤの所有クレジット数に応じた枚数のコインをバーコード付チケット39により払い出させるためにプレーヤが触れるボタンである。BET数表示域219には、今回のレースに対してプレーヤが設定しているBET数の総数が表示される。配当額表示域220には、今回のレースの配当額が表示される。クレジット数表示域221には、プレーヤの所有クレジット数が表示される。
【0073】
図9に示すBET画像は、単勝式のBET画像であるが、プレーヤが馬券方式切替ボタン222に触れるごとに、複勝(複)、馬番号二連勝単式(馬単)、馬番号三連勝単式(3連単)、馬番号二連勝複式(馬連)、枠番号二連勝複式(枠連)、馬番号三連勝複式(3連複)、拡大馬番号二連勝複式(ワイド)等のBET画像に切り替わる。
【0074】
遊技者は、1BETボタン213、5BETボタン214、10BETボタン215、50BETボタン216のいずれかに触れた後に、馬券購入ボタン表示域206内のいずれかの馬券購入ボタンに触れれば、BETを行うことができる。例えば、10BETボタン215に触れた後に、馬券購入ボタン表示域206内の、馬番「1」に対応する馬券購入ボタンに触れると、馬番「1」の競走馬に対して、現在のBET数に「10」を加算させることができる。なお、各馬番に対する現在のBET数は、各馬番に対応する馬券購入ボタンの横に表示される。
本実施形態では、1の競走馬に対するBETを行う場合について説明するが、本発明においては、複数の競走馬に対してBETを行うこととしてもよい。
【0075】
図10は、図8のステップS18においてサブモニタ113に表示されるレース中BET画像の一例を示している。
図10に示す例では、レース前のBETは150クレジット(BET数表示域219参照)であり、図3に示した対応関係により、レース中オッズのレース前オッズに対する倍率は2.0であるから、馬券購入ボタン表示域206内に表示される各オッズは、図9に示した各オッズの2倍の値となっている。そして、サブモニタ113には、オッズがレース前オッズから変更されていることを示す画像300が表示されている。
本実施形態では、レース前BETした競走馬と同一の競走馬に対してレース中BETを行う場合について説明するが、本発明においては、レース前BETした競走馬とは異なる競走馬に対してレース中BETを行ってもよい。また、複数の競走馬に対してレース中BETを行ってもよい。
【0076】
図11は、競馬ゲーム装置において行われるレースゲーム実行処理のサブルーチンを示すフローチャートである。
まず、ステップS200において、CPU41は、レースに係る各種設定を行う。この処理において、CPU41は、乱数発生器35により発生する乱数に基づいて、レースにおける各競走馬の着順を決定する。
【0077】
次に、ステップS201において、CPU41は、ステップS200の処理における設定に基づいて、画像表示用の演出パターンを設定する。すなわち、CPU41は、画像ROM312に記憶されている背景画像データ、競走馬の画像データ等に基づいて、スタートからゴールまでの各競走馬の演出画像を作製する。
【0078】
次に、ステップS202において、CPU41は、ステップS201の処理において作製された演出画像に基づいて、メインモニタ21にレース経過を示す画像を出力する。
【0079】
次に、ステップS203において、CPU41は、レース中BETの内容を示すレース中BET情報を、ステーション101から受信する。上述したように、レース中BET情報には、少なくともBETされた競走馬のIDと、BETされた遊技媒体数と、馬券の種類に関する情報と、ステーション101の識別番号とに関する情報が含まれる。
【0080】
次に、ステップS204において、CPU41は、レース中BETの受付期間が終了したことを示す信号であるレース中BET終了信号を、レース中の所定のタイミング(本実施形態では、先頭の競走馬がレースコースのゴール手前の直線部分(図2参照)に到達したタイミング)で各ステーション101に対して送信する。
【0081】
次に、ステップS205においてCPU41は、レースゲームに出走しているすべての競走馬がゴールに達したか否かを判断し、すべての競走馬がゴールに達していないと判断した場合には、処理をステップS202に移す。一方、すべての競走馬がゴールに達したと判断した場合には、本サブルーチンを終了する。
【0082】
以上、本実施形態に係る競馬ゲーム装置1によれば、複数の競走馬が順位を競い合うレースにおいて、レース前とレース中にBETを受け付け、レース中のBETに対するオッズであるレース中オッズを、レース前BETに基づいて決定する。そして、レース前BETと、レース前BETに対するオッズであるレース前オッズと、レースの結果とに基づいて配当を付与するとともに、レース中BETと、決定されたレース中オッズと、レースの結果とに基づいて配当を付与する。
レース前BETに応じてレース中BETに対するオッズが変化するため、プレーヤが高配当を得るためには、レースの結果を前もって正確に予想し、レース中にどの程度のBETを行うかということまで考慮に入れて、レース前BETを行う必要がある。従って、プレーヤは、レース開始前に様々な情報等を駆使してレースの結果を予想してBETするという、競争ゲーム本来の面白みを充分に味わうことができる。また、単にレースにおける競争対象の着順を予想するだけでなく、例えば、レース前に多めにBETを行ってレース中のBETに対するオッズを高くし、レースの状況を見ながら追加のBETによって高配当を狙うという戦略を立てたり、レース中のBETに対するオッズが低くなっても、リスクを最小限にするためにレース前のBETを少なめにするという戦略を立てたりというように、レース前及びレース中のBETの仕方についての戦略を立てるという新たなゲーム性を付加することができる。
【0083】
また、競馬ゲーム装置1によれば、レース中オッズは、レース前にBETされる遊技媒体が多いほど高くなるように決定される。従って、リスクを冒してレース前に多くの遊技媒体をBETしたプレーヤが、レース中BETによって多くの配当を付与される可能性を得ることとなり、ゲームに対するプレーヤの挑戦意欲を向上させることができる。
【0084】
本実施形態では、レース前BETに基づいてレース中オッズを決定する処理をメインゲーム部11において実行する場合について説明したが、本発明においては、レース中オッズを決定する処理を各ステーションにおいて実行することとしてもよい。
【0085】
また、本実施形態では、レース中オッズを、レース前BETに基づいてレース前オッズに対する倍率を決定することによって算出する場合について説明したが、本発明においては、予めレース前BETの額(又はレース前BETの額が属する値の範囲)とレース中オッズの値とを対応付けておき、その対応関係に基づいてレース中オッズを決定することとしてもよい。
【0086】
また、本発明においては、レース開始前に所定量以上の遊技媒体がBETされた場合には、当該BETとレースの結果とに基づく配当とは別に配当を付与する構成を採用することも可能である。
【0087】
また、本実施形態では、乱数発生器35により発生する乱数に基づいて、出走する競走馬を決定する場合について説明したが、本発明においては、競走馬を所定の順番に出走させることとしてもよい。例えば、競走馬IDの順番にレースゲームに出走させることとしてもよい。また、競走馬を所定数(例えば、6)ごとのグループに分け、グループ順にグループ単位で出走させることとしてもよい。
【0088】
また、本実施形態では、ROM43に一つのレースコースが記憶されている場合について説明したが、本発明においては、複数のレースコースがROMに記憶されていてもよい。例えば、ダートコース、芝コース、右回り、左回り、競争距離等の異なるレースコースがROMに記憶されている。
具体的には、CPU41は、乱数発生器35により発生する乱数に基づいて、ROM43に記憶されている複数のレースコースから一つのレースコースを選択し、選択したレースコースを今回のレースコースとする。さらに、CPU41は、選択したレースコースに関する情報を、ステップS100及びS101の処理により決定された出走する競走馬及びオッズに関する情報と共に、レース情報として、各ステーション101に送信する。
【0089】
また、本実施形態では、競走馬の画像をメインモニタ21に表示してレースを行うビデオ競馬ゲームを実行する場合について説明したが、本発明においては、競走馬等を示す模型を用いてレースを行うこととしてもよい。また、実際の競馬等のレースに対してBETを行うゲームを実行することとしてもよい。
【0090】
また、本実施形態では、本発明を競馬ゲーム装置1に適用した場合について説明したが、本発明においては、競輪ゲーム装置、競艇ゲーム装置、ドッグレースゲーム装置、カーレースゲーム装置、オートレースゲーム装置等に適用することとしてもよい。このような構成にした場合には、それぞれ、自転車、モーターボート、犬、車、オートバイが本発明における競争対象に相当するものとなる。
【0091】
以上、本発明の実施形態を説明したが、具体例を例示したに過ぎず、特に本発明を限定するものではなく、各手段等の具体的構成は、適宜設計変更可能である。また、本発明の実施形態に記載された効果は、本発明から生じる最も好適な効果を列挙したに過ぎず、本発明による効果は、本発明の実施形態に記載されたものに限定されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【0092】
【図1】本実施形態に係る競馬ゲーム装置が備えるメインゲーム部において行われるゲーム動作の一例を示すフローチャートである。
【図2】メインモニタに表示されるBET情報画像の一例を示す図である。
【図3】レース前BETとレース中Bオッズとの対応関係を示す図である。
【図4】本実施形態に係る競馬ゲーム装置の一例を模式的に示す斜視図である。
【図5】図4に示したステーションの一例を模式的に示す斜視図である。
【図6】図4に示した競馬ゲーム装置が備えるメインゲーム部の内部構成を示すブロック図である。
【図7】図4に示した競馬ゲーム装置が備えるステーションの内部構成を示すブロック図である。
【図8】本実施形態に係る競馬ゲーム装置が備えるステーションにおいて行われるゲーム動作の一例を示すフローチャートである。
【図9】ステーションが備えるサブモニタに表示される画像の一例を示す図である。
【図10】ステーションが備えるサブモニタに表示される画像の一例を示す図である。
【図11】競馬ゲーム装置において行われるレースゲーム実行処理のサブルーチンを示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0093】
1 競馬ゲーム装置
11 メインゲーム部
12 主制御部
21 メインモニタ
25 外部記憶装置
31 画像処理回路
35 乱数発生器
36 通信インターフェイス
37 タイマ
41 CPU
42 RAM
43 ROM
45 マイクロコンピュータ
101 ステーション
102 副制御部
113 サブモニタ
114 タッチパネル
121 サブモニタ駆動回路
122 タッチパネル駆動回路
125 通信インターフェイス
126 タイマ
131 CPU
132 RAM
133 ROM
135 マイクロコンピュータ
311 プログラムROM
312 画像ROM
313 画像制御CPU
315 画像データプロセッサ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の競争対象が互いに順位を競い合うレースに出場する前記競争対象に対するBETを入力することが可能なBET入力装置と、
下記(A)〜(F)の処理を実行するようにプログラムされたコントローラと
を備えることを特徴とするゲーム装置。
(A)前記BET入力装置からのレース前BETを受け付ける処理、
(B)前記処理(A)を実行した後に、前記レースを進行する処理、
(C)前記処理(B)を実行している期間中に、前記BET入力装置からのレース中BETを受け付ける処理、
(D)前記処理(C)において行われた前記レース中BETに対するオッズであるレース中オッズを、前記処理(A)において行われた前記レース前BETに基づいて決定する処理、
(E)前記処理(A)において行われた前記レース前BETと、前記レース前BETに対するオッズであるレース前オッズと、前記レースの結果とに基づいて配当を付与する処理、及び、
(F)前記処理(C)において行われた前記レース中BETと、前記処理(D)において決定されたレース中オッズと、前記レースの結果とに基づいて配当を付与する処理。
【請求項2】
前記処理(D)は、
(D−1)前記レース中オッズを、前記処理(A)において前記レース前BETされた遊技媒体が多いほど高くなるように決定する処理を含むことを特徴とする請求項1に記載のゲーム装置。
【請求項3】
(A)複数の競争対象が互いに順位を競い合うレースに出場する前記競争対象に対するレース前BETを行う段階、
(B)前記段階(A)を実行した後に、前記レースを進行する段階、
(C)前記段階(B)を実行している期間中に、前記競争対象に対するレース中BETを行う段階、
(D)前記段階(C)において行われた前記レース中BETに対するオッズであるレース中オッズを、前記段階(A)において行われた前記レース前BETに基づいて決定する段階、
(E)前記段階(A)において行われた前記レース前BETと、前記レース前BETに対するオッズであるレース前オッズと、前記レースの結果とに基づいて配当を付与する段階、及び、
(F)前記段階(C)において行われた前記レース中BETと、前記段階(D)において決定されたレース中オッズと、前記レースの結果とに基づいて配当を付与する段階
を含むことを特徴とするゲーム制御方法。
【請求項4】
前記段階(D)は、
(D−1)前記レース中オッズを、前記段階(A)において前記レース前BETされた遊技媒体が多いほど高くなるように決定する段階を含むことを特徴とする請求項3に記載のゲーム制御方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2009−45357(P2009−45357A)
【公開日】平成21年3月5日(2009.3.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−216236(P2007−216236)
【出願日】平成19年8月22日(2007.8.22)
【出願人】(598098526)アルゼ株式会社 (7,628)
【Fターム(参考)】