説明

複数レチクル処理のためのレチクルのアライメントおよびオーバーレイ並びに半導体

【課題】複数のレチクルレイアウトを生成するための方法を提供する。
【解決手段】レチクルが準備され(工程304)、露光・現像によりパターン化フォトレジスト層が形成される(工程308)。CDを低減するために、パターン形成されたフォトレジスト層の形状の側壁を覆うように側壁層が蒸着される(工程312)。エッチング層内に形状をエッチングされる(工程316)ことにより、1組のエッチング形状の間に、2組のエッチング形状が形成される。次いで、パターン化フォトレジスト層および蒸着層は、剥離される(工程320)。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体素子の形成に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体ウエハの処理では、周知のパターン化処理およびエッチング処理を用いて、ウエハ内に半導体素子の形状が設けられる。これらの処理では、フォトレジスト(PR)材料が、ウエハに蒸着された後に、レチクルによってフィルタリングされた光に露出される。レチクルとは、一般に、光がレチクルを通して伝わることを防ぐ幾何形状の型を有するようパターン化されたガラス板である。
【0003】
レチクルを通過した後、光は、フォトレジスト材料の表面に当たる。光は、現像剤がフォトレジスト材料の一部を除去できるように、フォトレジスト材料の化学組成を変化させる。ポジ型フォトレジスト材料の場合には、露光された領域が除去され、ネガ型フォトレジスト材料の場合には、露光されていない領域が除去される。その後、ウエハをエッチングして、もはやフォトレジスト材料によって保護されていない領域から下層の材料を除去することにより、ウエハ内の所望の形状を規定する。
【0004】
様々な世代のフォトレジストが知られている。深紫外線(DUV)フォトレジストは、248nmの光で露光される。理解を助けるために、図1Aに、積層体100の断面図を示す。積層体100は、基板104と、基板104の上のエッチングされる層108と、層108の上のARL(反射防止層)110と、ARL110の上のパターン化フォトレジスト層112とを備える。フォトレジストパターンは、限界寸法(CD)を有し、限界寸法は、最小の形状の幅116であってよい。波長によって決まる光学特性のために、波長の長い光で露光されたフォトレジストは、理論的な最小限界寸法が大きくなる。
【0005】
次いで、図1Bに示すように、形状120が、フォトレジストパターンを通してエッチングされてよい。理想的には、形状のCD(形状の幅)は、フォトレジスト112における形状のCD116に等しくなる。実際には、形状のCD116は、ファセッティング、フォトレジストの腐食、または、アンダーカットによって、フォトレジスト112のCDよりも大きくなる場合がある。形状は、先細りになる場合もあり、その場合、形状のCDが、フォトレジストのCDと少なくとも同程度の大きさであっても、形状の底部付近では、形状の幅が小さくなっている。かかる先細りによって、信頼性のない形状が形成されうる。
【0006】
より小さいCDを有する形状を提供するために、より短い波長の光を用いて形状を形成することが追求されている。193nmフォトレジストは、193nmの光で露光される。位相シフトレチクルなどの技術を用いると、193nmフォトレジストによって、90ないし100nmのCDを有するフォトレジストパターンを形成できる。これにより、90ないし100nmのCDを有する形状を提供できる。157nmフォトレジストは、157nmの光で露光される。位相シフトレチクルなどの技術を用いると、90nm以下のCDを有するフォトレジストパターンを形成できる。これにより、90nm以下のCDを有する形状を提供できる。
【0007】
短い波長用のフォトレジストを用いると、長い波長用のフォトレジストの場合に比べて、さらなる問題が生じうる。理論的な限界に近いCDを実現するためには、リソグラフィ装置は、より精密であることが好ましく、すなわち、高価なリソグラフィ機器が必要になる。現在、193nmフォトレジストおよび157nmフォトレジストは、より長い波長用のフォトレジストに比べて、選択性が高くないと共にプラズマエッチング条件下で変形しやすい。
【0008】
メモリ素子の形成など、導電層のエッチングの際には、性能を損なうことなく、素子の密度を増大させることが望ましい。
【0009】
図2Aは、従来技術において、導電線の間の間隔が非常に小さい場合に、導電線を生成するためにパターニングされたフォトレジスト層を示す断面図である。ウエハなどの基板204の上には、バリア層206が配置されてよい。バリア層206の上には、金属層またはポリシリコン層などの誘電体層208が形成される。誘電体層208の上には、DARCなどの反射防止層(ARL)210が形成される。ARL210の上には、パターン化フォトレジスト層212aが形成される。この例では、パターン化フォトレジスト線214aは、図に示すように、線幅Lとして規定された幅を有する。間隔222は、図に示すように、幅Sを有する。ピッチ長Pは、図に示すように、線幅および間隔幅の合計P=L+Sとして規定される。このピッチ長を低減することが望ましい。
【0010】
ピッチ幅を低減する方法の1つは、間隔幅を低減することである。図2Bは、従来技術において、線の間の間隔が非常に小さい場合に、導電線または誘電体トレンチ線を生成するためのパターン化フォトレジスト層を示す断面図である。ウエハなどの基板204の上には、バリア層206が配置されてよい。バリア層206の上には、金属層、ポリシリコン層、または、誘電体層など、導電層または誘電体層208が形成される。層208の上には、DARCなどの反射防止層(ARL)210が形成される。ARL210の上には、パターン化フォトレジスト層212が形成される。この例では、パターン化フォトレジスト層212bは、パターン化された線214bを形成しており、パターン化された線214bの間の空間には、フォトレジスト残留物218が形成されている。小さい空間から残留物を除去することは困難であるため、パターン化された線214bの間の空間が小さすぎると、フォトレジスト残留物218が生じる。これにより、実現できる導電線の密度が制限されうる。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0011】
上述の課題を解決するために、本発明の目的に従って、複数のレチクルレイアウトを生成するための方法が提供されている。形状レイアウトピッチを有する形状レイアウトが受信される。複数のレチクルレイアウトが形状レイアウトから生成され、それら複数のレチクルレイアウトの各レチクルレイアウトは、レチクルレイアウトピッチを有し、各レチクルレイアウトピッチは、形状レイアウトピッチの少なくとも2倍である。
【0012】
本発明の別の態様では、コンピュータ読み取り可能な媒体を備えた装置が提供されている。コンピュータ読み取り可能な媒体は、形状レイアウトピッチを有する形状レイアウトを受信するためのコンピュータ読み取り可能なコードと、形状レイアウトから複数のレチクルレイアウトを生成するためのコンピュータ読み取り可能なコードと、を備え、それら複数のレチクルレイアウトの各レチクルレイアウトは、レチクルレイアウトピッチを有し、各レチクルレイアウトピッチは、形状レイアウトピッチの少なくとも2倍である。
【0013】
添付の図面を参照しつつ行う本発明の詳細な説明において、本発明の上述の特徴およびその他の特徴を詳述する。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1A】従来技術に従ってエッチングされた積層体を示す断面図である。
【図1B】従来技術に従ってエッチングされた積層体を示す断面図である。
【図2A】従来技術に従って形成されたパターン化フォトレジスト層を示す断面図である。
【図2B】従来技術に従って形成されたパターン化フォトレジスト層を示す断面図である。
【図3】本発明の一実施形態で利用可能な処理を示す概略フローチャートである。
【図4A】本発明の一実施形態に従って処理された積層体を示す断面図である。
【図4B】本発明の一実施形態に従って処理された積層体を示す断面図である。
【図4C】本発明の一実施形態に従って処理された積層体を示す断面図である。
【図4D】本発明の一実施形態に従って処理された積層体を示す断面図である。
【図4E】本発明の一実施形態に従って処理された積層体を示す断面図である。
【図4F】本発明の一実施形態に従って処理された積層体を示す断面図である。
【図4G】本発明の一実施形態に従って処理された積層体を示す断面図である。
【図4H】本発明の一実施形態に従って処理された積層体を示す断面図である。
【図5】パターン化フォトレジスト層を覆うように側壁層を形成する処理を示すフローチャートである。
【図6A】本発明の実施形態で用いられる制御部の実施に適したコンピュータシステムを示す概略構成図である。
【図6B】本発明の実施形態で用いられる制御部の実施に適したコンピュータシステムを示すブロック図である。
【図7】パターン化フォトレジスト層を示す上面図である。
【図8】パターン化フォトレジスト層の側壁の上に側壁層を形成した後の図7のパターン化フォトレジスト層を示す上面図である。
【図9】レチクルを準備する処理を示すフローチャートである。
【図10】シュリンク補正を行った図7のパターン化フォトレジスト層を示す上面図である。
【図11】レチクルを準備する別の処理を示すフローチャートである。
【図12】レチクルを準備するためのシステムを示す説明図である。
【図13】形状レイアウトを示す上面図である。
【図14A】レチクルレイアウト処理を用いて生成されたレチクルレイアウトによって規定されるパターン化層を示す上面図である。
【図14B】レチクルレイアウト処理を用いて生成されたレチクルレイアウトによって規定されるパターン化層を示す上面図である。
【図15A】シュリンク補正後のレチクルレイアウトによって規定されるパターン化層を示す上面図である。
【図15B】シュリンク補正後のレチクルレイアウトによって規定されるパターン化層を示す上面図である。
【図16A】第1のレチクルレイアウトから形成されたパターン化フォトレジスト層を示す上面図である。
【図16B】側壁層を形成した後の図16Aのパターン化フォトレジスト層を示す上面図である。
【図17A】第2のレチクルレイアウトから形成されたパターン化フォトレジスト層を示す上面図である。
【図17B】側壁層を形成した後の図17Aのパターン化フォトレジスト層を示す上面図である。
【図18】第2組の形状がエッチングされた後の基板を示す上面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下では、添付図面に例示されたいくつかの好ましい実施形態を参照しつつ、本発明の詳細な説明を行う。以下の説明では、本発明の完全な理解を促すために、数多くの具体的な詳細事項が示されている。しかしながら、当業者にとって明らかなように、本発明は、これらの具体的な詳細事項の一部または全てがなくとも実施することが可能である。また、本発明が不必要に不明瞭となるのを避けるため、周知の処理工程および/または構造については、詳細な説明を省略した。
【0016】
本発明は、小さい限界寸法(CD)を有する形状を提供する。具体的には、本発明は、形状をエッチングするために用いるフォトレジストパターンのCDよりも小さいCDを有する形状を提供する。
【0017】
理解しやすいように、本発明の一実施形態で利用可能な処理を示す概略フローチャートを図3に示す。レチクルが準備される(工程304)。この工程については、後に詳述する。次いで、パターン化フォトレジスト層が形成される(工程308)。この工程についても、後に詳述する。図4Aは、本発明の一実施形態におけるパターン化フォトレジスト層を示す断面図である。ウエハなどの基板404の上には、バリア層406が配置されてよい。バリア層406の上には、導電金属層、ポリシリコン層、または、誘電体層など、エッチング層408が形成される。エッチング層408の上には、DARCなどの反射防止層(ARL)410が形成される。ARL410の上には、第1のパターン化フォトレジスト層412が形成される。この例では、パターン化された線414は、図に示すように、線幅Lpとして規定された幅を有する。フォトレジスト層における空間422は、図に示すように、幅Spを有する。パターン化フォトレジスト層のピッチ長Ppは、図に示すように、線幅および空間幅の合計Pp=Lp+Spとして規定される。これらの幅は、パターニングされたフォトレジスト層を形成するために用いられるリソグラフィ技術の分解能によって決定される。このピッチ長を低減することが望ましい。
【0018】
CDを低減するために、パターン化フォトレジスト層を覆うように側壁層が形成される(工程312)。図5は、CDを低減するために、パターン化フォトレジストを覆うように側壁層を形成する工程312の詳細なフローチャートであり、その工程では、複数のガスを利用する。この実施形態では、CDを低減するために、パターン化フォトレジスト層を覆うように側壁層を形成する工程312は、蒸着段階504と、プロフィル成形段階508とを含む。蒸着段階は、第1のガスを用いてプラズマを形成し、パターン化フォトレジスト層の側壁を覆うように側壁層を蒸着させる。プロフィル成形段階508は、第2のガスを用いてプラズマを形成し、ほぼ垂直な側壁を形成するように蒸着物のプロフィルを成形する。
【0019】
図4Bは、第1のパターン化フォトレジスト層412を示す断面図であり、第1のパターン化フォトレジスト層の側壁を覆うように側壁層420が蒸着されている。側壁層420は、パターン化フォトレジスト層の空間内に側壁層形状424を形成しており、側壁層形状424は、第1のパターン化フォトレジスト層の空間CDよりも小さい低減空間CDを有する。蒸着された第1のパターン化フォトレジスト層の低減空間CDは、第1のパターン化フォトレジスト層形状の空間CDの50%であることが好ましい。また、側壁層は、ほぼ垂直な側壁428を有することが望ましく、それらの側壁428は、図に示すように、非常に画一的である。ほぼ垂直の側壁の一例は、下端から上端まで形状の底部に対して88°ないし90°の角度をなす側壁である。画一的な側壁は、形状の上部から底部までほぼ同じ厚さを有する蒸着層を有する。画一的でない側壁は、ファセッティングやブレッドローフィング(bread-loafing)を形成し、ほぼ垂直な側壁にならない。(ファセッティングの形成による)先細りの側壁、または、ブレッドローフィングの生じた側壁は、蒸着層のCDを増大させて、エッチングパターン化フォトレジスト層の質を悪くする場合がある。側壁における蒸着物は、第1のパターン化フォトレジスト層の形状の底部における蒸着物よりも厚いことが好ましい。第1のパターン化フォトレジスト層形状の底部には、層が蒸着しないことが、より好ましい。
【0020】
次いで、側壁層の間の空間を通してエッチング層408内に、第1組の形状がエッチングされる(工程316)。図4Cは、エッチング層408内にエッチングされた第1組の形状432を示す図である。この例では、エッチング層408内にエッチングされた第1組の形状432は、蒸着層の形状の空間CDに等しいCD幅を有する。実際には、第1組の形状432の形状のCDは、蒸着層420の形状のCDよりもやや大きくてよい。ただし、蒸着層の形状のCDは、フォトレジスト412のCDよりも大幅に小さいため、エッチング層408の形状のCDも、フォトレジスト412のCDよりも小さい。蒸着層のCDが、フォトレジストのCDよりも少しだけ小さい場合、すなわち、蒸着層に、ファセッティングまたはブレッドローフィングが生じた場合には、エッチングされる層のCDは、フォトレジストのCDよりも小さくならない。さらに、ファセッティングまたはブレッドローフィングの生じた蒸着層により、エッチングされる層において、ファセッティングされた形状または不規則な形の形状が生じうる。フォトレジスト形状の底部における蒸着物を最小限に抑えることが望ましい。この例では、エッチング層408においてエッチングされた形状のCDは、フォトレジストの形状のCDよりも約50%小さい。
【0021】
次いで、パターニング化フォトレジスト層および蒸着層は、剥離される(工程320)。これは、1つの工程として実行されてもよし、蒸着層の除去工程とフォトレジストの剥離工程とを含む2つの別個の工程として実行されてもよい。剥離処理のために、アッシングが用いられてよい。図4Dは、蒸着層およびフォトレジスト層を除去した後の基板400を示す図である。
【0022】
さらなる形状をエッチングすべきか否か判断される(工程324)。この例では、第2組のエッチング形状がエッチングされる。したがって、第2のレチクルが準備される(工程304)。このレチクルを準備する工程については、後に詳述する。エッチング形状(この例では、第1組のエッチング形状)の上に、第2のパターン化フォトレジスト層が形成される(工程308)。図4Eは、エッチング層408の上に第2のパターン化フォトレジスト層442が形成された基板404を示す図であり、第2のパターン化フォトレジスト層442は、第1組の形状432を覆っており、第1組のエッチング形状432の間には、第2のパターン化フォトレジスト層の空間444が形成されている。
【0023】
CDを低減するために、第2のパターン化フォトレジスト層の形状の側壁を覆うように側壁層が蒸着される(工程312)。図4Fは、第2のパターン化フォトレジスト層442を示す断面図であり、第2のパターン化フォトレジスト層442の側壁を覆うように側壁層450が蒸着されている。側壁層450は、パターン化フォトレジスト層の空間内に側壁層形状454を形成しており、側壁層形状454は、第2のフォトレジスト層の空間CDよりも小さい低減空間CDを有する。側壁層の形状の低減された空間CDは、第2のパターン化フォトレジスト層の形状の空間CDの50%であることが好ましい。また、パターン化フォトレジスト層の形状422は、ほぼ垂直な側壁を有することが望ましく、それらの側壁は、図に示すように、非常に画一的である。ほぼ垂直の側壁の一例は、下端から上端まで形状の底部に対して88°ないし90°の角度をなす側壁である。側壁における蒸着物は、フォトレジストの形状の底部における蒸着物よりも厚いことが好ましい。フォトレジストの形状の底部には、層が蒸着しないことが、より好ましい。
【0024】
図4Gに示すように、エッチング層内に形状をエッチングする(工程316)ことにより、第1組のエッチング形状432の間に、第2組のエッチング形状452を形成する。次いで、図4Hに示すように、パターン化フォトレジスト層および蒸着層は、剥離される(工程320)。エッチング層の線幅は、Lfとして示されている。エッチング層内の形状の空間幅は、Sfとして示されている。形状のピッチ長は、Pfとして示されており、Pf=Lf+Sfである。形状のピッチPf、形状の線幅Lf、および、形状の空間幅Sfと比較するために、図4Aのパターン化フォトレジスト層のピッチPp、フォトレジストの線幅Lp、および、フォトレジストの間隔Spを、図4Gに示した。この実施形態では、形状間の線幅Lfは、パターン化フォトレジスト層の線幅Lpの半分であり、形状の空間幅Sfは、パターン化フォトレジスト層の空間幅Spの半分であるため、形状のピッチ長Pfは、パターン化フォトレジスト層のピッチ長Ppの半分である。したがって、この処理は、同じフォトレジストリソグラフィ処理を利用しつつ、ピッチ長、線幅、および形状幅を半分に低減することにより、2つのマスキング工程を用いて、エッチング形状の分解能を2倍にできる。この例では、図に示すように、第1のパターン化フォトレジスト層による第1組のエッチング形状は、第2のパターン化フォトレジスト層による第2組のエッチング形状と、同じ深さ、または、ほぼ同じ深さまで、エッチングされる。
【0025】
この実施形態で用いるパターン化フォトレジスト層は2つだけなので、繰り返し工程(工程324)において、処理を繰り返さないよう判断される。
【0026】
シュリンク補正プロセッサ:
図7は、パターン化フォトレジスト層704を示す上面図である。パターン化フォトレジスト層は、3つの細い長方形の開口部708と、楕円形部分716を有する大きい長方形の開口部712と、円形部分724を有する開いた形状720とを備える。図8は、パターン化フォトレジスト層804の側壁の上に側壁層を形成した後のパターン化フォトレジスト層804を示す上面図である。それらの側壁は、一様に寸法を小さくした同じ形状が得られるような均等な方法でCDを低減していないことに注意されたい。その代わり、図8に示すように、形状の幅およびレイアウトに応じて、異なるサイズおよび形の形状について、CDのシュリンクに偏りが生じている。図8からわかるように、間隔の異なる線は、シュリンクのしかたが異なる。さらに、円形部分824は、円形状を維持するが、楕円形部分816は、短軸よりも長軸に沿った方向に大きく拡大される。また。線808の角は、x軸およびy軸方向の両方に拡大されて、線の側壁よりも大きく拡大し、丸い突出部832を形成する。同様の理由で、他の角も、他の丸い突出部836を形成する。
【0027】
側壁層で覆われた時に、CDの低減された形状を生成し、シュリンク処理の形状依存を補正するパターン化フォトレジスト層を実現するレチクルを準備することが望ましい。
【0028】
図9は、レチクルを準備する工程304のフローチャートである。形状のレイアウトが準備される(工程904)。形状のレイアウトから、レチクルのレイアウトが生成される(工程908)。レチクルのレイアウトに対して、シュリンク補正が実行される(工程912)。図10は、シュリンク補正を有するパターン化フォトレジスト層1004を示す上面図である。シュリンク補正の規則により、レイアウトの各角に、拡大空間1036が設けられる。さらに、形状の相対的な大きさが変更される。例えば、楕円形部分1016の長さを増大することなく、楕円形部分1016の幅が増大される。
【0029】
通常、現在のリソグラフィおよびエッチング処理においては、線短縮と呼ばれる現象があり、リソグラフィ処理によって、パターン化フォトレジストの線が短縮される。リソグラフィは、パターン化フォトレジストの線の端部を丸めるため、光学近接効果補正(OPC)を必要とする。また、エッチングの際に、パターン化された線の端部は、より多くスパッタリングに曝されるため、より短くなる。Gモードでは、パターン化された線の上に層が形成されることで、パターン化された線は大きくなり、線の間の形状は小さくなる。したがって、シュリンク補正を用いると、OPCを用いることなく、リソグラフィによる線短縮を補正することができる。したがって、シュリンク補正を用いると、OPCを排除または最小限に抑えることが可能であり、形状が線端部の短縮の原因になることがなくなる。
【0030】
次いで、シュリンク補正を備えたレチクルのレイアウトから、レチクルが生成される(工程916)。
【0031】
複数のレチクルの生成:
図4Aないし4Fに示した例において、少なくとも2つの別個のパターン化フォトレジスト層を必要とする少なくとも2つのエッチング処理を用いた場合には、レチクルおよびアライメントの問題に対処する必要がある。この例では、レチクルをピッチの約半分だけずらせば(移動させれば)、第1のエッチング用のパターン化フォトレジスト層を形成するためのレチクルを、第2のエッチングに用いてよい。2つのパターン化フォトレジスト層のアライメント(第1および第2の露光に同じレチクルを用いた場合)は、従来のボックスインボックス・アライメントを用いると、問題が生じる。例えば、第1のマスクおよびシュリンクの後に、アライメントボックスの寸法は、線および空間がシュリンクされたのと同じ200nmだけ低減される。ここで、半分のピッチを実現するために、第2のパターン化フォトレジスト層が、元々の線および空間のピッチに対して200nmずらされる場合、第2のパターン化フォトレジスト層のアライメントは、実際には、400nmだけ調整される必要がある。通常、リソグラフィのツールは、これらのアライメントキーを整列させるよう構成されており、位置ずれさせることは、従来の方法における変更を必要とし、混乱の元であって、潜在的に大きな歩留まり損失となりうる。アライメントの調整は、xおよびy方向の両方について行う必要があるため、この問題は大きくなる。
【0032】
さらに、次の層(一般に、ホール(コンタクトまたはビア))のアライメントについては、アライメントキーが、第1のシュリンクに関連する内側端部と第2のシュリンクによる第2の端部とを含む2つの端部を有するため、さらなる問題が生じる。これが影響する場合があり、ホールを線および空間に整列させる必要のあるアライメントアルゴリズムによって読み違えられる場合もある。さらに、2つの端部は、互いに近接しているために、アライメントの感度を低減しうる。感度の問題(不明瞭な端部)は、少量のシュリンク(10分の数nm程度)を必要とする非常に小さいCDについては悪化する場合があり、端部は、互いに判別できなくなり、鋭い端部がなくなる。
【0033】
さらに、作成されるパターンが、一様な間隔で寸法の等しい複数の平行線よりも複雑なパターンである用途では、レチクルを単純にずらす以上のことを行う必要がある。
【0034】
図11は、2以上のエッチングを用いる場合のレチクルを準備する工程304のフローチャートである。形状レイアウトが準備される(工程1104)。形状レイアウトから、少なくとも2つのレチクルレイアウトが生成される(工程1108)。少なくとも2つのレチクルレイアウトの各々に対して、シュリンク補正が実行される(工程1112)。シュリンク補正を備えた少なくとも2つのレチクルレイアウトから、少なくとも2つのレチクルが生成される(工程1116)。
【0035】
実施例:
本発明の一実施形態を利用するシステムの一例として、図12に示すシステム1200が、複数マスクエッチング処理のためのレチクルの準備に用いられると共に、シュリンク制御の規則の変更についての検証を行うために用いられる。形状の配置に関する形状レイアウトが、レイアウト1204において、作成および/または提示される(工程1104)。この実施形態において、レチクルレイアウト1208は、複数エッチング処理で用いるために、形状レイアウトから少なくとも2つのレチクルレイアウトを生成する(工程1108)。レチクルレイアウトは、形状レイアウトから複数のレチクルを生成できると共に、用いられるシュリンク処理に従って形状を拡大できるコンピュータコードを必要とする。
【0036】
シュリンク補正プロセッサ1212は、少なくとも2つのレチクルレイアウトに対してシュリンク補正を実行するために用いられる(工程1112)。シュリンク補正プロセッサ1212は、シュリンク補正を備えた少なくとも2つのレチクルレイアウトのレチクルデータ1216を生成するために用いられる(工程1116)。このシステム1200の例における他の構成要素は、図3の残りの工程と、シュリンク補正プロセッサ1212に対して追加の規則を提供する検証処理とを実行するために用いられる。
【0037】
シュリンク補正プロセッサに対する追加の規則を生成する助けとなるように、試験用チップレイアウトを作成してもよいし、レチクルデータ1216を用いて試験用チップレイアウト1234を作成してもよい。試験用チップレイアウトは、ウエハ上にプリントされ1236、試験チップ上にパターン化フォトレジスト層を形成する。パターン化フォトレジスト層を覆うように側壁層を形成するために、パターン化フォトレジスト層を覆うように層が形成される1237。次いで、線幅の測定1238が実行される。一実施形態では、線幅の測定は、側壁層を備えたパターン化フォトレジスト層パターンについて実行されてよい。別の実施形態では、エッチングが実行された後に、エッチング形状に対して測定が実行される。これらの測定は、経験的モデルフィッティングエンジン1260およびパラメータ抽出エンジン1240への入力として供給される。経験的モデルフィッティングエンジンの出力は、経験的モデル1264を生成するために用いられ、経験的モデル1264は、改善された規則をシュリンク補正プロセッサ1212に供給するために用いられる。
【0038】
さらに、パラメータ抽出1240を用いて、経験的モデルフィッティングに用いたのと同じデータからプロセスパラメータを抽出して、物理的モデル1244が生成される。マスクレイアウト検証(MLV)1220は、レチクルデータ1216を物理的モデル1244と比較する。1224において、その比較が十分に近くない場合、そのデータは、経験的モデルフィッティングエンジン1260に供給される。経験的モデルフィッティングエンジンの出力は、経験的モデル1264を生成するために用いられ、経験的モデル1264は、改善された規則をシュリンク補正プロセッサ1212に供給するために用いられる。次に、シュリンク補正プロセッサ1212は、新しいレチクルデータ1216を供給する。1224において、その比較が十分に近い場合、そのレチクルデータは、レチクルの生成1280に用いられてよい(工程304)。そのレチクルは、パターン化フォトレジスト層の形成1281に用いられる(工程308)。パターン化フォトレジスト層1282を覆うように側壁層が形成される1282(工程312)。パターン化フォトレジスト層を通してエッチング層に、形状がエッチングされ(工程316)、チップが作成される1284。
【0039】
複数のレチクルを生成するのに形状レイアウトを適用するため、および、レチクルレイアウトにシュリンク補正を適用するために、様々な他の処理を用いてもよい。例えば、シュリンク補正を実行して、シュリンク補正形状およびそれらの特性のリストをユーザに提供してもよい。次いで、ユーザは、補正の指針を入力する。別の実施形態では、データレチクルテープを最初に作成してもよい。次いで、データレチクルテープのデータに、シュリンク補正を適用して、形状およびそれらの特性のリストをユーザに提供する。次いで、ユーザは、補正の指針を入力する。その後、それらの補正は、ファイルで供給される。これらの処理を、より自動的な方法に置き換えてもよい。別の変形例では、補正の指針は、事前にプログラミングされており、SCPPが、自動的に、それらの指針をレイアウトおよびレチクルファイルに適用する。
【0040】
図6Aおよび6Bは、本発明の実施形態で用いられる形状レイアウトの受信、レチクルの生成、および、シュリンク補正の実行に適したコンピュータシステム600を示す図である。図6Aは、コンピュータシステムの物理的形状の一例を示す。もちろん、コンピュータシステムは、集積回路、プリント基板、および、小型携帯デバイスから大型スーパコンピュータまで、多くの物理的形状を有してよい。コンピュータシステム600は、モニタ602と、ディスプレイ604と、筐体606と、ディスクドライブ608と、キーボード610と、マウス612とを備える。ディスク614は、コンピュータシステム600とデータをやり取りするために用いられるコンピュータ読み取り可能な媒体である。
【0041】
図6Bは、コンピュータシステム600のブロック図の一例である。システムバス620には、様々なサブシステムが取り付けられている。1または複数のプロセッサ622(中央処理装置すなわちCPUとも呼ぶ)が、メモリ624などの記憶装置に接続されている。メモリ624は、ランダムアクセスメモリ(RAM)および読み出し専用メモリ(ROM)を含む。当技術分野で周知のように、ROMは、CPUに対して単方向的にデータや命令を転送するよう機能し、RAMは、通例、双方向的にデータや命令を転送するために用いられる。これらの種類のメモリは両方とも、後に示す任意の適切なコンピュータ読み取り可能媒体を備えてよい。CPU622には、さらに、固定ディスク626が、双方向的に接続されており、さらなるデータ記憶容量を提供している。固定ディスク626は、後に示すコンピュータ読み取り可能媒体のいずれを備えてもよい。固定ディスク626は、プログラムやデータなどを格納するために用いられてよく、通例は、一次記憶装置よりも遅い二次記憶媒体(ハードディスクなど)である。固定ディスク626内に保持された情報は、必要に応じて、メモリ624内の仮想メモリとして標準的な方法で組み込まれてよいことを理解されたい。リムーバブルディスク614は、後に示すコンピュータ読み取り可能媒体のいずれの形態を取ってもよい。
【0042】
CPU622は、さらに、ディスプレイ604、キーボード610、マウス612、および、スピーカ630など、様々な入力/出力装置、および、処理の制御のためのフィードバックおよびフォワードシステムに接続されている。一般に、入力/出力装置は、ビデオディスプレイ、トラックボール、マウス、キーボード、マイク、タッチセンサ式ディスプレイ、トランスデューサ式カードリーダ、磁気または紙テープリーダ、タブレット、スタイラス、音声または手書き認識装置、バイオメトリクスリーダ、または、他のコンピュータ、のいずれであってもよい。CPU622は、必要に応じて、ネットワークインターフェース640を用いて、他のコンピュータや電気通信ネットワークに接続されてもよい。かかるネットワークインターフェースを用いて、CPUは、上述の方法の工程を実行する途中で、ネットワークから情報を受信、または、ネットワークに情報を出力してよい。さらに、本発明の方法の実施形態は、CPU622単体で実行されてもよいし、インターネットなどのネットワークを介して、処理の一部を分担する遠隔CPUと協働で実行されてもよい。
【0043】
さらに、本発明の実施形態は、様々なコンピュータによる動作を実行するためのコンピュータコードを有するコンピュータ読み取り可能な媒体を備えたコンピュータストレージ製品に関する。媒体およびコンピュータコードは、本発明のために、特別に設計および構成されてもよいし、コンピュータソフトウェア分野における当業者にとって周知および利用可能なものであってもよい。コンピュータ読み取り可能な媒体の例としては、ハードディスク、フレキシブルディスク、磁気テープなどの磁気媒体;CD−ROM、ホログラフィック素子などの光学媒体;フロプティカルディスクなどの光磁気媒体;特定用途向け集積回路(ASIC)、プログラム可能論理回路(PLD)、ROMおよびRAMなど、プログラムコードを格納および実行するよう特別に構成されたハードウェア装置、が挙げられるが、それらに限定されない。コンピュータコードの例としては、コンパイラによって生成されたコードなどのマシンコードや、インタープリタを用いてコンピュータによって実行される高級言語コードを含むファイルが挙げられる。コンピュータ読み取り可能な媒体は、搬送波で具現化されたコンピュータデータ信号によって転送されると共にプロセッサが実行可能な一連の命令を表すコンピュータコードであってもよい。
【0044】
レイアウトの例:
図12に示したシステムにおいて図11の処理を利用する具体的な例では、最初に、1204において、形状レイアウトが準備される(工程1104)。図13は、形状レイアウトを示す上面図であり、ウエハ内にエッチングされる形状1308を備えた形状パターン1304を示している。形状レイアウトのピッチPFは、図に示すように、形状レイアウトの形状間の最小ピッチである。形状レイアウトは、レチクルレイアウトプロセッサ1208に供給され、レチクルレイアウトプロセッサ1208は、形状レイアウトから少なくとも2つの(複数の)レチクルレイアウトを生成する(工程1108)。
【0045】
以下では、本発明の一実施形態の作用を説明するために、図を用いて説明する。図14Aおよび14Bは、レチクルレイアウト処理(工程1108)を用いて生成された第1のレチクルレイアウト1404および第2のレチクルレイアウト1408によって規定されたパターン化層を示す上面図である。第1のレチクルレイアウト1404によって規定されたパターン化層は、形状パターン1304の形状よりも少なくて大きい形状1424を有し、形状1424の間のパターン線が狭い。同様に、第2のレチクルレイアウト1408によって規定されたパターン化層は、形状パターン1304の形状よりも少なくて大きい形状1428を有する。さらに、第1のレチクルレイアウト1404によって規定されたパターン化層は、1つのアライメントパターン1434を有しており、第2のレチクルレイアウト1408によって規定されたパターン化層は、2つのアライメントパターン1438を有している。第2のレチクルレイアウト1408によって規定されたパターン化層のアライメントパターンの内の一方は、第1のレチクルレイアウト1404によって規定されたパターン化層のアライメントパターン1434に対応し、第2のレチクルレイアウト1404によって規定されたパターン化層のアライメントパターンの内の他方は、第1のレチクルレイアウト1404によって規定されたパターン化層のアライメントパターンと対応しない。第1のレチクルレイアウトによって規定されたパターン化層は、第1のレチクルレイアウトピッチPM1を有しており、それは、図14Aに示すように、第1のレチクルレイアウトによって規定されたパターン化層の形状間の最小ピッチである。第2のレチクルレイアウトによって規定されたパターン化層は、第2のレチクルレイアウトピッチPM2を有しており、それは、図14Aに示すように、第2のレチクルレイアウトによって規定されたパターン化層の形状間の最小ピッチである。図14Aおよび図14Bに示すように、第1のレチクルレイアウトピッチPM1および第2のレチクルレイアウトピッチPM2は、それぞれ、形状レイアウトピッチPFの少なくとも2倍である。これは、限界最小ピッチを用いたリソグラフィが、限界最小ピッチの半分以下のピッチを有する形状レイアウトを提供することを可能にするため、リソグラフィの分解能を少なくとも2倍に増大できる。
【0046】
第1のレチクルレイアウトおよび第2のレチクルレイアウトは、シュリンク補正プロセッサ1212に送られ、少なくとも2つのレチクルレイアウトに対してシュリンク補正が実行される(工程1112)。図15Aは、シュリンク補正が実行された後の第1のレチクルレイアウト1504によって規定されたパターン化層を示す上面図である。角における比較的大きいシュリンクに対処するために、レチクルの角には、角切り欠き部1544が設けられる。図15Bは、シュリンク補正が実行された後の第2のレチクルレイアウト1508によって規定されたパターン化層を示す上面図である。角における比較的大きいシュリンクに対処するために、レチクルの角には、角切り欠き部1548が設けられる。角切り欠き部を設ける際のシュリンク補正規則は、シュリンク補正プロセッサ1212によって提供された多くの規則の内の1つであってよい。
【0047】
シュリンク補正を備えた少なくとも2つのレチクルのレイアウトから、少なくとも2つのレチクルが生成される(工程1116)。この工程の一部は、レチクルデータ1216を作成することによって実現されてよい。レチクルデータに対して、マスクレイアウト検証1220が実行されてよい。マスク検証データが、レチクルデータに問題がないことを示す場合には、そのレチクルデータからレチクルが形成される。
【0048】
その第1のレチクルは、第1のパターン化フォトレジスト層の形成に用いられる(工程308)。図16Aは、シュリンク補正後の第1のレチクルレイアウト1504から形成されたレチクルによって形成された第1のパターン化フォトレジスト層1604を示す上面図である。第1のパターン化フォトレジスト層1604のピッチPP1は、第1のパターン化フォトレジスト層1604の形状間の最小ピッチである。パターン化フォトレジスト層を覆うように側壁層が形成される(工程316)。図16Bは、形状サイズをシュリンクするために側壁層が形成された後のパターン化フォトレジスト層1608を示す上面図である。形状サイズは低減されている。切り欠き部により、シュリンク処理は、丸い突出部を伴うことなく角を形成できる。次いで、基板がエッチングされて、基板内に形状がエッチングされる(工程316)。次に、パターン化フォトレジスト層が剥離される(工程320)。
【0049】
次いで、第2のレチクルを用いて、処理が繰り返される(工程324)。第2のレチクルは、シュリンク補正後の第2のレチクルレイアウト1508から得られる(工程304)。第2のレチクルは、以前にエッチングされた形状の上に第2のパターン化フォトレジスト層を形成するために用いられる(工程308)。図17Aは、点線で示された以前にエッチングされた第1組の形状1712の上に形成されたパターン化フォトレジスト層1704を示す上面図である。第2のパターン化フォトレジスト層1704のピッチPP2は、第2のパターン化フォトレジスト層1704の形状間の最小ピッチである。パターン化フォトレジスト層を覆うように側壁層が形成される(工程316)。図17Bは、形状サイズをシュリンクするために側壁が形成された後のパターン化フォトレジスト層1708を示す上面図である。形状サイズは低減されている。切り欠き部により、シュリンク処理は、丸い突出部を伴うことなく角を形成できる。次いで、基板がエッチングされて、基板内に形状がエッチングされる(工程316)。次に、パターン化フォトレジスト層が剥離される(工程320)。
【0050】
図18は、第2組の形状がエッチングされた後の基板を示す上面図である。その基板では、第1組の形状1712が、第1のレチクルから形成された第1のパターン化フォトレジスト層を用いてエッチングされ、第2組の形状1812が、第2のレチクルから形成された第2のパターン化フォトレジスト層を用いてエッチングされている。第1組の形状1712の一部が、第2組の形状1812の一部に隣接することで、ピッチおよび分解能が増大している。形状のピッチPFは、形状間の最小ピッチである。図に示すように、第2組の形状がエッチングされた後の基板のピッチPFは、第1のパターン化層および第2のパターン化層のピッチPPの半分以下である。
【0051】
第1および第2のパターン化層の間の関係は、デュアルダマシン処理におけるトレンチおよびビアのパターン化層の間の関係とは異なる。つまり、デュアルダマシンでは、トレンチ形状は、ピッチの増大のためにビア形状に隣接することはなく、デュアルダマシン構成を形成するためにビア形状の上に位置している。さらに、第1組の形状および第2組の形状は、ほぼ同じ深さまでエッチングされるが、トレンチは、ビアとほぼ同じ深さまではエッチングされない。しかしながら、本発明の処理は、増大されたピッチによってビアを形成するために、または、増大されたピッチを用いてトレンチを形成するために、第1および第2のパターン化フォトレジスト層を利用してもよい。この例の形状は、リソグラフィ処理のピッチ分解能の約2倍のピッチを有する。第2のアライメント形状1808により、次の階層の処理のためのアライメントを向上できる。
【0052】
試験および/または開発の処理において、第1のエッチングまたは第2のエッチング後の基板は、線幅の測定1238を受けてよく、そのデータは、経験的モデルフィッティング1260および/またはパラメータ抽出エンジン1240に送られてよい。経験的モデルフィッティング126は、シュリンク補正処理を向上させるために追加の規則をシュリンク補正プロセッサ1212に提供できる経験的モデルを提供する。パラメータ抽出1240は物理的モデルを提供し、物理的モデルは、マスクレイアウト検証1220のために用いられる。かかる処理は、シュリンク補正処理を向上させる。
【0053】
他の実施形態では、レチクルレイアウトの生成は、形状パターンの形状と同じサイズの形状を形成してよく、この場合、シュリンク補正規則は、形状のサイズを大きくして、パターン化された線の寸法を小さくするために用いられてよい。別の実施形態では、レチクルレイアウト1208およびシュリンク補正1212は、複数のレチクルレイアウトの生成と、シュリンク補正の実行との両方を行う1つの工程で実行されてよいが、その場合も、明確にするために、2つの工程として示されてよい。
【0054】
シュリンク補正とOPCとの違いの一部を以下に示す。OPCは、結果として形成されるパターン化フォトレジスト層が、所望の形状と同様の形になるように、レチクルに対して実行される。シュリンク補正は、結果として形成されるパターン化フォトレジスト層が、所望の形状と同様の形にならないように、レチクルに対して実行され、シュリンク補正の結果として、パターン化フォトレジスト層は、結果としての形状と異なるものになる。次に実行される側壁の形成が、パターン化フォトレジスト層を、所望の形状と同じ形にする。OPCは、高分解能のパターン化フォトレジスト層を提供するために実行される。シュリンク補正は、低分解能のパターン化フォトレジストにより、ウエハ上に高分解能の結果物を形成するために実行される。OPCは、フォトレジスト材料を追加するための規則を提供して、パターン化フォトレジスト層を形成する際の追加の材料の損失を補正する。シュリンク補正は、追加の材料を除去する規則を提供して、側壁層を形成する際の材料の追加を補正する。
【0055】
様々な実施形態において、エッチングされた形状を測定して、シュリンク制御情報を提供してもよいし、側壁層の形成が測定された後のパターン化フォトレジスト層形状を測定して、シュリンク制御情報を提供してもよい。これらの測定結果は、形状レイアウトまたはレチクルレイアウトと比較されてよい。
【0056】
一部の処理では、第1のレチクルを用いて、高密度の形状を提供し、第2のレチクルを用いて、より密度の低い形状を提供していた。かかるレチクルが必要なのは、高密度の形状は、低密度の形状と異なる露光またはフォトレジストを必要としていたからである。代わりに、シュリンク補正と、複数のレチクルの形成とを利用すると、同じリソグラフィツールおよびフォトレジストを用いて、1つのレチクル上にいくつかの高密度の形状を形成して、別のレチクル上に高密度の形状および低密度の形状の両方を形成することができる。
【0057】
本発明の別の実施形態では、3以上のレチクルを用いてもよい。例えば、形状レイアウトが、各レチクルのピッチの3分の1のピッチを有するように、3つのレチクルを用いてもよい。別の実施形態では、形状レイアウトが、各レチクルのピッチの4分の1のピッチを有するように、4つのレチクルを用いてもよい。かかる複数マスク処理については、Jeffrey MarksおよびReza Sadjadiによって2005年2月3日に出願された米国特許出願No.11/050,985、「Reduction of Feature Critical Dimensions Using Multiple Masks」で説明されており、その出願内容は、本明細書において参照される対象とする。
【0058】
以上、いくつかの好ましい実施形態を参照しつつ本発明について説明したが、本発明の範囲内で、様々な代替物、置換物、および等価物が存在する。また、本発明の方法および装置を実施する他の態様が数多く存在することにも注意されたい。したがって、添付の特許請求の範囲は、本発明の真の趣旨および範囲内に含まれる代替物、置換物、および等価物の全てを網羅するものとして解釈される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
形状レイアウトピッチを有する形状レイアウトを受信する工程と、
前記形状レイアウトから複数のレチクルレイアウトを生成する工程と
を備えた方法であって、
前記複数のレチクルレイアウトの各レチクルレイアウトは、レチクルレイアウトピッチを有し、各レチクルレイアウトピッチは、前記形状レイアウトピッチの少なくとも2倍である方法。
【請求項2】
請求項1に記載の方法であって、
前記複数のレチクルレイアウトの内の第1のレチクルレイアウトは、第1のアライメントマークを備え、
前記複数のレチクルレイアウトの内の第2のレチクルレイアウトは、前記第1のレチクルレイアウトの前記第1のアライメントマークに対応する第1のアライメントマークと、前記第1のレチクルレイアウトには対応するものがない第2のアライメントマークとを備える方法。
【請求項3】
請求項1または2に記載の方法であって、さらに、前記複数のレチクルレイアウトの各々に対して、シュリンク補正を実行する工程を備える方法。
【請求項4】
請求項1ないし3のいずれかに記載の方法であって、さらに、前記複数のレチクルレイアウトから複数のレチクルを生成する工程を備える方法。
【請求項5】
請求項4に記載の方法であって、さらに、
前記複数のレチクルの内の第1のレチクルを用いて、基板の上に第1のパターン化層を形成する工程と、
前記第1のパターン化層を覆うように側壁層を形成する工程と、
前記第1のパターン化層および側壁層を通して、前記基板内に第1組の形状をエッチングする工程と、
前記複数のレチクルの内の第2のレチクルを用いて、前記第1組の形状がエッチングされた前記基板の上に第2のパターン化層を形成する工程と、
前記第2のパターン化層を覆うように側壁層を形成する工程と、
前記第2のパターン化層および側壁層を通して、前記基板内に第2組の形状をエッチングする工程と
を備える方法。
【請求項6】
請求項5に記載の方法であって、前記第1組の形状は、前記第2組の形状と同じ深さまでエッチングされる方法。
【請求項7】
請求項4ないし6のいずれかに記載の方法であって、
前記第1のレチクルレイアウトの前記第1のアライメントマークは、前記第1のレチクルにおける第1のアライメントマークを形成するために用いられ、
前記第2のレチクルレイアウトの前記第1のアライメントマークおよび前記第2のアライメントマークは、前記第2のレチクルにおける第1のアライメントマークおよび第2のアライメントマークを形成するために用いられる方法。
【請求項8】
請求項5ないし7のいずれかに記載の方法であって、側壁層を形成する前記工程は、前記第1のパターン化層のCDを少なくとも50%低減する方法。
【請求項9】
請求項5ないし8のいずれかに記載の方法であって、側壁層を形成する前記工程は、前記第2のパターン化層のCDを少なくとも50%低減する方法。
【請求項10】
請求項5ないし9のいずれかに記載の方法であって、前記第1組の形状は、前記第2組の形状と同じ深さまでエッチングされ、前記シュリンク補正を実行する前記工程は、低密度の形状と高密度の形状とで異なる要件を排除する方法。
【請求項11】
請求項2ないし10のいずれかに記載の方法であって、前記第2のレチクルレイアウトの前記第2のアライメントマークは、別の層に対するアライメントに利用される方法。
【請求項12】
コンピュータ読み取り可能な媒体を備えた装置であって、
形状レイアウトピッチを有する形状レイアウトを受信するためのコンピュータ読み取り可能なコードと、
前記形状レイアウトから複数のレチクルレイアウトを生成するためのコンピュータ読み取り可能なコードと
を備え、
前記複数のレチクルレイアウトの各レチクルレイアウトは、レチクルレイアウトピッチを有し、各レチクルレイアウトピッチは、前記形状レイアウトピッチの少なくとも2倍である装置。
【請求項13】
請求項12に記載の装置であって、
前記複数のレチクルレイアウトの内の第1のレチクルレイアウトは、第1のアライメントマークを備え、
前記複数のレチクルレイアウトの内の第2のレチクルレイアウトは、前記第1のレチクルレイアウトの前記第1のアライメントマークに対応する第1のアライメントマークと、前記第1のレチクルレイアウトには対応するものがない第2のアライメントマークとを備える装置。
【請求項14】
請求項12または13に記載の装置であって、さらに、前記複数のレチクルレイアウトの各々に対して、シュリンク補正を実行するためのコンピュータ読み取り可能なコードを備える装置。

【図1A】
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【図1B】
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【図2A】
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【図2B】
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【図3】
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【図4A】
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【図4B】
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【図4C】
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【図4D】
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【図4E】
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【図4F】
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【図4G】
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【図4H】
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【図5】
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【図6A】
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【図6B】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14A】
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【図14B】
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【図15A】
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【図15B】
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【図16A】
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【図16B】
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【図17A】
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【図17B】
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【図18】
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【公開番号】特開2013−58772(P2013−58772A)
【公開日】平成25年3月28日(2013.3.28)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2012−236422(P2012−236422)
【出願日】平成24年10月26日(2012.10.26)
【分割の表示】特願2008−511193(P2008−511193)の分割
【原出願日】平成18年5月2日(2006.5.2)
【出願人】(592010081)ラム リサーチ コーポレーション (467)
【氏名又は名称原語表記】LAM RESEARCH CORPORATION
【Fターム(参考)】