説明

複数材料構成の溶融縫合糸及びその製造用装置

外科用縫合糸のような細長材料からなる溶融ループ及びそうした溶融ループの製造装置が提供される。細長材料の1つ以上のセグメント部分が超音波溶接プロセス下に溶融され、溶接連結部を形成する。溶融温度の夫々異なる複数の材料を使用して細長材料内の1つ以上のファイバを構成し得る。細長材料には、細長材料内のコアを保護するために使用し得るシースが含まれ得る。細長材料の1つ以上のその他の材料よりも溶融温度の低い材料が溶解することにより、溶融ループの溶融部分が形成され得る。関連する超音波溶接装置には、溶接プロセスを制御するための温度センサが含まれ得る。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、2005年3月23日付で提出した米国特許出願番号第11/087,995号に関わるものであり、該米国特許出願番号第11/087,995号は、2002年3月18日付で提出した米国特許出願番号第10/100,213号の継続出願であり、該米国特許出願番号第10/100,213号は、2000年12月8日付で提出した米国特許出願番号第09/486,760号の分割出願であり、該米国特許出願番号第09/486,760号は特許番号第6,358,271号であり、該第6,358,271号は1998年8月27日付で提出した国際出願PCT/US98/17770号であり、該国際出願PCT/US98/17770号は1998年7月17日付で提出した米国特許出願番号第09/118,395号の継続出願であり、該米国特許出願番号第09/118,395号は特許番号第6,286,746号であり、該特許番号第6,286,746号は、1997年8月28日付で提出した米国特許出願番号第08/919,297号の分割出願であり、該米国特許出願番号第08/919,297号は特許番号第5,893,880号である。
本発明は縫合糸及び縫合糸技術における改良に関し、詳しくは、外科処置において高強度の縫合糸溶融ループを作製するための材料及び装置に関する。
【背景技術】
【0002】
外科処置では、組織の縁部同士を代表的には縫合糸を使用して縫合又は固着し且つ治癒が完了するまで各縁部を接近状態に維持する。一般に、縫合糸を組織の被縫合部を貫いて配向させて単一のループ又はスティッチとし、このループ又はスティッチを結紮し又はそうでなければ固定することで、傷口の各縁部を、治癒を生じさせる適宜の相互関係状態に維持する。これにより、組織中に張力が実質的に一様な一連のスティッチを作製できる。各スティッチは独立し且つ別個のものであるので、その1つを除去するために全部を除去する必要は無く、1つを除去しても残りのスティッチが緩むこともないが、傷口の周囲に固定させるために各スティッチを個別に結紮又は閉止する何らかの装置が必要になる。
【0003】
例えば、デリケートな器官又は組織の、比較的小さい又は狭い部位を外科的に補修するような場合、縫合糸に結び目を作ったりループ閉止用装置を組み込んだりせずに傷口部分を閉じる必要があり、あるいはその方が望ましい場合がある。溶融縫合糸ループは、傷口の各縁部に適宜の張力を加えると共に、治癒が生じるに十分な時間、傷口の各縁部を十分接近した状態に維持する適宜の強度を提供するべきである。
ポリマー縫合糸は、様々な溶着又は連結処理、例えば、縫合糸のセクションの一部を部分溶融するに十分に加熱して相互溶着させる、溶接のような処置に特に適している。縫合部位では、縫合糸を直接熱すると周囲組織も加熱されてしまうので、縫合糸の被溶着部分又は被溶着セクションに非熱的エネルギーを加えて当該部分の縫合糸材料を部分加熱することが好ましい。詳しくは、縫合糸材料の被溶着セクションに超音波エネルギーを有効付加して摩擦熱を誘起させることにより、これらセクションを相互溶着又は溶接して連結することができる。
【0004】
縫合糸は、典型的にはその主軸に沿って引張すると破断するが、縫合糸溶接部は、縫合糸材料同士が重なる部分の平面内の剪断力によって破断することがある。縫合糸連結部の破断強度は、少なくともこの縫合糸連結部から縫合糸材料が分離する時の破断強度と同程度のものであることが望ましい。
米国特許出願番号第5,417,700号及び同3,515,848号には、縫合糸を超音波溶接する装置及び方法が開示される。これらの特許には、例えば、縫合糸材料の被連結セグメントに2つの異なる方向の何れかから機械的エネルギーを付加することが記載される。プラスチック製の縫合糸の場合は、被連結セグメントの軸に実質的に平行な方向から機械的エネルギーを加えて連結し、金属製縫合糸材料の場合は、縫合糸の被連結セグメントの軸に実質的に直交する方向から機械的エネルギーを加えて連結させる。これらの特許には、溶接用の球状先端部を使用して金属製縫合糸材料を連結することも記載される。
縫合糸の超音波溶接法は既知であるが、縫合糸溶接部の強度及び信頼性を、縫合糸結紮又はその他のループ閉止装置に代わる、又はそれらの強度を上回るに十分なものとするように縫合糸溶接プロセスを制御することは従来より困難又は不可能であった。
【0005】
【特許文献1】米国特許出願番号第11/087,995号
【特許文献2】米国特許出願番号第10/100,213号
【特許文献3】米国特許出願番号第09/486,760号
【特許文献4】米国特許第6,358,271号明細書
【特許文献5】国際出願PCT/US98/17770号
【特許文献6】米国特許出願番号第09/118,395号
【特許文献7】米国特許第6,286,746号明細書
【特許文献8】米国特許出願番号第08/919,297号
【特許文献9】米国特許第5,893,880号明細書
【特許文献10】米国特許出願番号第5,417,700号
【特許文献11】米国特許出願番号第3,515,848号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従って、解決しようとする課題は、従来の縫合糸ループ連結部及び連結プロセスにおける固有の欠点を解決する複数材料構成の溶融縫合糸及びその製造用装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明によれば、外科用縫合糸のような細長材料からなる溶着ループ及びそうしたループ作成用の装置が提供される。細長材料は、この材料中に個別の容積下に隔置した複数の構成材料であって、夫々融点が異なり得る異なる構成材料から構成され得、また、単一のフィラメント又はファイバからも構成され得る。あるいは細長材料は複数のフィラメントから構成され得、それらのフィラメントは単一材料から作製した、従って組成が一様な、又は、多数の材料を含み、従って組成が非一様なものであり得る。細長材料が複数のフィラメントを含む場合、各フィラメントの材料組成はフィラメント毎に異なるものであり得る。複数のフィラメントには、単一材料からなるフィラメント及び多数の材料からなるフィラメントのいずれもが含まれ得る。
【0008】
本発明の1様相によれば、主軸に沿って延在する1つ以上の材料セグメントを含む細長材料からなる溶着ループが提供される。各材料セグメント部分は連結部で相互に連結され、第1端部と第2端部との間を伸延するループを形成する。連結部には、第1端部から伸延する第1材料部分と、第2端部から伸延する第2材料部分と、第1端部及び第2端部間にあって、連結部の第1端部及び第2端部間の複数の位置で第1材料部分と第2材料部分とを連結する溶融部分又は溶融層と、が含まれる。溶融部分には、比較的薄い層及び又は第1材料部分及び第2材料部分からなる溶融材料部分が含まれ得る。
【0009】
ここで“溶融”とは、親材料を加熱して可塑状又は流体状とし、次いで冷却することで、方向性が比較的高いその分子構造を、連結部の溶融部分の特徴であるところの、方向性が比較的ランダムなものに変化させることを意味するものとする。ここで、“剪断部分”とは、連結部で連結する各材料セグメント間の且つこれらの材料セグメントと実質的に平行な部分を言うものとする。対照的に、各材料セグメント又は溶融部分の断面積とは、各材料セグメントの主軸を実質的に横断する平面内の部分を言うものとする。
【0010】
連結部では第1材料部分及び第2材料部分は主軸方向における分子の配向性が比較的高いので主軸方向での強度は比較的高いが、連結部の溶融部分の各溶融材料は分子の配向性が比較的ランダムであることから、溶融材料の主軸方向での強度は比較的低い。細長材料セグメントの、連結部にあって且つ溶融部分よりも尚外側(つまり相互に接触していない)の第1端部位置の第1材料部分及び第2端部位置の第2材料部分の各断面積は、連結部の溶融部分で突き合わされた第1材料部分及び第2材料部分の各断面積よりも大きいものであり得る。
ある実施例では、細長材料セグメントの、連結部にあって且つ溶融部分よりも尚外側(つまり相互に接触していない)の第1端部位置の第1材料部分及び第2端部位置の第2材料部分の各断面積は、連結部の外側の細長材料セグメントにおける各断面積とほぼ等しい。
【0011】
好ましい実施例では、連結部の溶融部分で突き合わされた第1材料部分及び第2材料部分の合計断面積は、溶融部分の略中間位置で最小となる。更に好ましい実施例では、溶融部分の中間位置における細長材料セグメントの第1材料部分及び第2材料部分の合計断面積は、連結部の第1端部及び第2端部位置にあって且つ溶融部分の外側の、又は溶融部分で突き合わされ又は突き合わされない第1材料部分及び第2材料部分の合計断面積のほぼ半分である。特に好ましい実施例では、細長材料セグメントの第1材料部分及び第2材料部分の単位長さ当たりの断面積変化量は、連結部の溶融部分の長さ全体に渡り実質的に一定である。
細長材料は好適な材料、例えば、ポリマーのような材料からなる単一のフィラメント又はファイバから構成され得、好ましい実施例では外科用縫合糸材料のような熱可塑性ポリマーとされる。
細長材料の各セグメントは連結部位置で溶接により連結されることが好ましい。溶接は色々のエネルギー、例えば、超音波、レーザー、アーク放電、熱エネルギーのようなエネルギーを用いて実施され得る。
【0012】
細長材料は、その単一セグメントの連結部によってループ化され得、あるいは、例えば組紐状とした縫合糸材料のような多数の材料セグメントの連結部によってループ化され得る。
細長材料自体は、多数のファイバからなる単一の撚り線を含み得、又は多数の撚り線を含み得る。多数の撚り線を含むものである場合、各撚り線は相互に捻られ、編み組され、あるいはそうでなければシース及びコア形態におけるように相互連結され得る。
細長材料は、その形態を問わず、その連結部に主軸方向での張力が加わると連結部の第1材料部分及び第2材料部分が実質的に張力負荷を受け、連結部の溶融部分が実質的に剪断力負荷を受ける。好ましい実施例では以下の式が満たされる。
Awτfw>Auσfu 式1
【0013】
式1では、Awは溶融部分の剪断面積であり、τfwは溶融部分を破壊する剪断応力であり、Auは、連結部で且つ溶融部分の外側(突き合わされていない)の第1端部及び第2端部付近における第1材料部分及び第2材料部分の合計断面積であり、σfuは、第1端部及び第2端部付近で且つ溶融部分の外側(突き合わされていない)の第1材料部分及び第2材料部分を破壊する引張応力である。
【0014】
本発明の他の様相によれば、第1縫合糸接触面を有する第1部材と、第2縫合糸接触面を有する第2部材と、第1部材を第2部材に関して移動させて第1及び第2の各縫合糸接触面間に間隙を画定させる間隙画定手段と、を含む超音波溶接装置が提供され得る。第1部材は、超音波周波数での機械的エネルギーを振動及び送達可能であり且つ第2部材に関して相対移動する。溶接作業の間、固定要素が、2つ以上の被溶接材料セグメント、例えば外科用縫合糸の細長材料の如きを、第1部材の第1縫合糸接触面と第2部材の第2縫合糸接触面との間の間隙内で所定の整列状況下に受け且つ維持するようになっている。少なくとも第1縫合糸接触面の輪郭が、被溶接材料セグメントの輪郭に実質的に合致され、かくして第1縫合糸接触面と、この第1縫合糸接触面の長さを超えるセグメント部分とが実質的に連続的に接触して溶接プロセスを促進させる。溶接装置には、溶接プロセスを監視する温度センサも含まれ得る。温度センサは動作すると温度信号を発生し、この信号を例えば制御ユニットで使用することで、溶接プロセス中に2つ以上の被溶接材料セグメントに加えるエネルギーを制限又は制御することができる。
【0015】
ある実施例では、第1縫合糸接触面及び第2縫合糸接触面の一方が実質的に凹面化され、他方が実質的に凸面化される。別の実施例では第1縫合糸接触面及び第2縫合糸接触面の一方が実質的に凹面又は実質的に凸面化され、他方が実質的に平坦化される。更に他の実施例では、第1縫合糸接触面及び第2縫合糸接触面の何れも実質的に凹面化され、また別の実施例では何れも平坦化される。
凸面状の縫合糸接触面の曲率半径は凹面状の縫合糸接触面のそれよりも大きいことが好ましい。第1縫合糸接触面及び第2縫合糸接触面を共に凸面化した場合は、各表面の曲率半径は異なるか又は実質的に同一であり得る。
【0016】
他の実施例では、第2部材は、溶接中に相互に連結して第2縫合糸接触面を形成し、溶接プロセス完了後は分離してループを釈放する複数の連結部を含む。
本発明の他の様相によれば、上述したような超音波溶接装置は、パターン化した第1縫合糸接触面及び第2縫合糸接触面を持つ第1部材及び第2部材を含み、パターン化された各第1縫合糸接触面及び第2縫合糸接触面は相補的又は非相補的なものであり得、また、第1及び第2の各部材における第1縫合糸接触面及び第2縫合糸接触面の各パターンは定期的又は不定期的に変更され得る。
【発明の効果】
【0017】
従来の縫合糸ループ連結部及び連結プロセスにおける固有の欠点を解決する複数材料構成の溶融縫合糸及びその製造用装置が提供される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
本発明によれば、外科用縫合糸のような細長材料の溶融ループが提供される。溶融ループは、以下に詳しく説明するように、ループ連結部の溶融部分の特性上、結紮又はその他手段によって閉止したループ強度に少なくとも匹敵する強度を有する。
図1に示すように、本発明に従う溶融ループ10は、熱その他形式のエネルギーを加えると接着又は溶融する、外科用縫合糸のような細長材料の1つ以上のセグメント12を含む。細長材料として好適な材料には、これに限定しないが、ポリマー、特には熱可塑性材料、例えばナイロン(ポリアミド、PA)、ポリプロピレン、ダクロン(Dacron:商標登録)(ポリエステルの好適な形式のもの)、ポリグリコール酸(PGA)、ポリグリコネート、ポリジオキサノン、が含まれる。細長材料は、単一のフィラメント又はファイバを含み得、又は複数のフィラメント(以下、マルチフィラメントとも称する)を含み得る。マルチフィラメント形態のものである場合、各フィラメントは例えば編み組みした縫合糸材料のように編んだものであることが好ましい。
【0019】
本発明の溶融ループは、被溶接材料セグメントにエネルギーを付加する溶接プロセスを使用し、各材料セグメントを部分加熱することにより相互に溶融させて形成することが好ましい。色々なタイプの溶接連結部を、例えば、超音波、熱、レーザー、アーク放電、あるいはその他によるエネルギーを被溶接材料セグメント、例えばオーバーラップさせた連結部に付加することにより形成することができる。ある構成例では超音波エネルギーを付加して各被溶接材料セグメントを溶接する。この場合、接触状態で並置した2つ以上の材料セグメントにエネルギーを付加すると各材料セグメントは振動を生じて相対移動し、各材料セグメントが相互に接触していることから摩擦熱が発生する。摩擦熱によって各材料セグメント(又は、各材料セグメントの1つの材料)温度がその溶融温度以上になると、各材料セグメントは溶けて相互に連結する。以下に詳しく説明するように、適宜の温度センサ及び制御フィードバックを使用して、超音波エネルギー付与を制限することができる。
【0020】
図2Aは図1に示す溶融ループを軸方向に沿った状況を示すようにした斜視図であり、細長材料の材料セグメント12が、材料の湾曲又は直線状の主軸Xに沿って伸延している。代表的には、1つ以上の材料セグメント12を、例えば図1及び図2Aに示すようにその各端部12A、12Bをオーバーラップ部分させてループ化して連結部14を形成する。あるいは、図2Bに示すように、材料セグメントの端部及び非端部の両方をオーバーラップさせることで、一カ所の連結部14で連結されて成る幾つかの溶融ループを形成し得る。
各材料セグメントは溶接を使用して溶融させる準備段階で予め結紮され得、又は単にオーバーラップされ得る。
【0021】
細長材料は、この細長材料内の別個の容積部分内に隔置した、夫々融点の異なる複数の材料を含み得る。隔置された各材料は1つ以上のその他の材料特性、例えば密度、弾性、等においても相異するものであり得る。細長材料は、単一又は複数のフィラメントから構成され得る。フィラメント自体は、単一材料から作製され、従って組成が一様なものであり得、あるいは複数の材料から作製した非一様組成のものであり得る。細長材料が内部に複数のフィラメントを含むものである場合、フィラメントの材料組成はフィラメント毎に変化し得、また、各フィラメントは単一材料のフィラメント及び複数材料からなるフィラメントの何れをも含むものであり得る。複数のフィラメントから成るストランドを使用し得、そうしたストランドを図2Cに示すように相互に捻り、編み組みし、あるいはそうでなければ相互に連結して、例えば、図26B、26D、26Fに示すようなシースアンドコア形態のものとすることができる。
【0022】
連結部14は第1端部14A及び第2端部14B間を伸延し、第1端部14Aから伸延する第1材料部分16と、第2端部14Bから伸延する第2材料部分18とを含む。連結部14は、厚さが実質的に一様で且つ連結部の第1材料部分16と第2材料部分18との間に配置された溶融部分20にして、第1材料部分16及び第2材料部分18の、相互に溶融した材料部分からなる溶融部分20を更に含む。好ましい実施例では溶融した材料は全てが溶融層又は溶融部分20の内部に配置されるが、溶解し且つ溶融した材料の幾分かは、溶接プロセス中に第1材料部分16及び第2材料部分18の両方に加えられる圧縮力により溶融部分20から押し出される。
【0023】
先に述べたように、外科用縫合糸として使用するタイプの細長材料は単一フィラメント又は実質的にモノフィラメント性のものであり得、好ましくは高分子性のものである。モノフィラメント性材料は材料の主軸に沿った分子構造の方向性が高く、主軸に沿った方向における材料強度が比較的高い。連結部14の外側のループセグメントのみならず第1材料部分16及び第2材料部分18における細長材料は、材料の主軸X方向における分子の方向性が比較的高いことが特徴であり、そのため、連結部の外側のループセグメント及び第1材料部分16及び第2材料部分18は主軸X方向の強度も比較的高い。
【0024】
他方、連結部14の溶融部分20を構成する材料の場合、この連結部14を構成する第1材料部分16及び第2材料部分18が、超音波エネルギーのようなエネルギーを受けて部分的に可塑状態とされるため、その分子の方向性は比較的ランダムであることが特徴である。そのため、連結部の溶融部分20の主軸方向での材料強度は比較的低い。
【0025】
溶融部分20は、図4に示すように、溶融部分20の長さL及び幅Wの積にほぼ等しい剪断面積を有する点が特徴であると言える。以下にもっと詳しく説明するように、連結部の強度を最大化するためには連結部の溶融部分20の剪断面積を比較的大きくすることが望ましい。図6には、連結部の外側の細長材料の代表的セグメントの断面積が示される。細長材料は断面が実質的に円形のストランド又はフィラメントであり得るが、本発明における断面ジオメトリはそれらに限定されることはなく、偏心断面その他の、例えば、“Y”字形又は十字状の複数ローブ(突出部)形状又は長円あるいは矩形断面の比較的平坦なリボンあるいはその他好適な断面形状が含まれ得る。図5には溶融部分20の外側における連結部の端部位置での細長材料の断面部分が示される。図3、図7、図8に示されるように、第1材料部分16と、第2材料部分18とにおける、連結部分14の溶融部分20と接する部分の合計断面積は、それら第1材料部分16及び第2材料部分18の、溶融部分20の外側で且つ溶融部分20には接していない部分の合計断面積よりも幾分小さい。図2A及び図3に明瞭に示されるように、溶接プロセス中に、溶融部分20の連結部における第1材料部分16及び第2材料部分18の幾分かは、細長く且つ比較的方向性の高い材料から、溶融された、方向性が比較的ランダムな材料へと変化する。溶接プロセス中に第1材料部分16及び第2材料部分18を制御下に圧縮することで、溶融部分20の剪断面積が比較的大きくなり且つ厚さが比較的薄くなることが保証される。
【0026】
連結部における第1材料部分16及び第2材料部分18の断面積の変化は、溶融部分20の長さ全体に渡り比較的一様且つ漸次的なものであることが好ましい。図7A、図7B、図8A、図8Bには、異なる形式の溶接連結部に関する、連結部14での細長材料の重複部分での溶融部分20の長さ全体に渡る断面積の変化の様子が例示される。連結部の、溶融部分20の外側又は溶融部分を越える部分での、各端部位置14A及び14B部分の断面積は、第1材料部分16及び第2材料部分18は可塑的変形を受けていないことから最大値となっている。図7Bに示す、連結部14の各斜線部分21a〜21eによって表されるように、第1材料部分16及び第2材料部分18の重複部分の各断面積は、溶融部分20の各端部位置で最大値となり、溶融部分の中間点位置又はその付近に向けて漸減して最小値となる。溶融部分20の中間点位置での第1材料部分16及び第2材料部分18の、溶融部分を形成しない部分の合計断面積は、連結部と、溶融部分20を越える又は溶融部分の外側の部分とにおける第1端部14A及び第2端部14B位置でのこれら第1材料部分16及び第2材料部分18の合計断面積の略半分であることが好ましい。
【0027】
図8Aに示す重ね溶接された連結部は、溶融部分20での第1材料部分16及び第2材料部分18の断面積が連続的に変化する事により特徴付けられる。図8Bに示すように、第1材料部分16における各斜線部分21a〜21eの各断面積は、第2端部14B位置での最大値から、第1端部14A位置における最小値へと漸減し、他方、第2材料部分18の断面積は第2端部14B位置における最小値から第1端部14A位置における最大値へと漸増する。溶融部分20の略中間点位置では、第1材料部分16及び第2材料部分18の各断面積は相互に略等しく且つ、連結部の第1端部14A及び第2端部14B位置と、溶融部分20を越える部分とにおける、これら第1材料部分16及び第2材料部分18の合計断面積の約半分に等しいことが好ましい。
第1材料部分16及び第2材料部分18の、連結部14における連結セグメントの断面積変化が一様であるその他の断面ジオメトリも本発明の範囲内のものとする。
【0028】
本発明の好ましい実施例では、連結部の溶融部分20における剪断面積は、連結部が破断しないことを保証するに十分、即ち、親材料である細長材料が破断しないことを保証するに十分に大きいことが好ましい。連結部の破断強度は親材料である細長材料の破断強度と少なくとも同程度のものであることが好ましく、その剪断破断強度は、親材料である細長材料の引張破断強度よりも大きい又は同じであることが最も好ましい。
【0029】
細長材料の主軸X方向において連結部14に引張力を付加すると、連結部の第1材料部分16及び第2材料部分18は実質的な引張力負荷を受け、連結部の溶融部分20は実質的な剪断力負荷を受ける。この状況は以下の式1を実質的に満たすものである。
Awτfw>Auσfu 式1
ここで、Awは溶融部分20の剪断面積(即ち、第1材料部分16及び第2材料部分18の間の溶融層であって且つこの溶融層の断面積ではない面積)であり、τfwは溶融部分を破壊する剪断応力であり、Auは、連結部14で且つ溶融部分の外側(突き合わされていない)の第1端部及び第2端部付近における第1材料部分16及び第2材料部分18の合計断面積であり、σfuは、第1端部及び第2端部付近で且つ溶融部分の外側(突き合わされていない)の第1材料部分及び第2材料部分を破壊する引張応力である。
【0030】
式1が満たされない唯一の場合は、溶融部分20の破断強度が親材料である細長材料の破断強度と略等しく且つ恐らくはそれ未満の場合であり得る。溶融部分20の破断強度は親材料の未溶融部分のそれと少なくとも同程度のものであることが好ましいことは言うまでもないが、仮に親材料のそれよりも高強度であると、図9A及び図9Bに矢印Fで示すような引張力負荷を受けた場合、材料のループは、溶融部分の外側位置で且つ恐らくは図9Aに示すような連結部の外側位置で引張モード下に破断する。もし溶融部分20が親材料よりも強度が弱いと、連結部の溶融材料は剪断モード下に破断してループは図9Bに示すように溶融部分位置で分離する。
【0031】
図10A〜図14Bには超音波溶接、詳しくは、第1部材30及び第2部材32を含む超音波溶接チップにおける振動部材及び静止部材に関する様々なジオメトリが例示される。超音波溶接装置には、温度センサ40、例えば、図10A、図10B、図11A、図11B、図15Aに示すような1つ以上の温度センサが含まれ得る。任意の好適な温度センサ、例えば、熱電対、サーミスタ、ファブリ・ペロー干渉計温度センサ、その他の如きを使用できる。第1部材30は、斯界に既知の如く、振動して超音波周波数での機械的エネルギーを伝達可能であり、また、第2部材32に関する相対位置を移動及び調整することで、第1部材及び第2部材間に所望の間隙又は空間を画定することができる。そうした間隙は、第1材料部分16及び第2材料部分18の、相互に連結する1つ以上の材料セグメントを収受するに十分な大きさのものである。超音波溶接装置には、溶接プロセスに先立ち且つプロセス中に第1材料部分16及び第2材料部分18を所定の整列及び配向状況下に整列及び維持させるための固定要素を含む。
【0032】
第1部材30及び第2部材32は、第1部材30と、第1材料部分16における被連結材料との間における音響的カップリングを促進し、また、少なくとも縫合糸接触面30Aと、被溶接セグメントの少なくとも一方とを実質的に連続的に接触させる輪郭を有する縫合糸接触面30A、32Aを夫々有している。溶融部分20の剪断面積、従って、連結部の強度は、これらの縫合糸接触面30A、32Aの長さ及び幅と、第1材料部分16及び第2材料部分18間の、特に縫合糸接触面30Aと第1材料部分16との間の接触の程度と、溶接中に矢印35の方向で第1部材30によって材料セグメントに行使される圧力と、によって決まる。
【0033】
温度センサ40は溶接中の温度測定用に、また、閉ループ制御プロセスの一部としても使用できる。そうした制御プロセスは、細長材料中におけるその他の材料以外の1つ以上の所望の材料における溶解、又は可塑状態への温度誘起性変化を保証させるべく使用することができる。温度センサ40は溶接プロセス中のエネルギー付加を制御するために使用する好適な制御ユニットに接続され得る。例えば、好適な温度センサ、例えば熱電対を溶接装置の第1部材に接続して溶接プロセスの温度を表示する温度信号42を生じさせ得る。溶接中に付加されたエネルギーによって、特定成分、例えばナイロン66(Tm〜220℃)の温度が、溶解するに十分な温度に上昇すると、温度信号42は溶接プロセスを停止すべきであることを表示し得る。このようにして、細長材料中に含まれる溶解温度の高い各成分、例えば、ポリエステル(Tm〜250℃)が溶解するのが防止され、結局、溶融又は溶接された細長材料における一体性が維持され得る。
【0034】
第1部材及び第2部材の各縫合糸接触面のジオメトリに加え、被連結材料のジオメトリを考慮すべきである。第1部材の第1縫合糸接触面30A及び第2部材の第2縫合糸接触面32Aを、これらの接触面と第1材料部分16及び第2材料部分18との接触面積が最大となることが保証されるよう、細長材料の各被連結セグメントの輪郭に相当する輪郭を持つように形態付けることにより、溶融部分の剪断面積及び連結強度を最大化させ得る。例えば、もし材料が実質的に円形断面のフィラメントである場合は、縫合糸接触面の少なくとも一方が、このフィラメントの輪郭と一致する丸み付けされた輪郭を有すべきであることが好ましく、材料が実質的に平坦なリボンである場合は、縫合糸接触面の少なくとも一方が材料セグメントと最大面積において接触することが保証されるように実質的に平坦であるべきことが好ましい。仮に、材料が多角形又は長円形の断面を有する場合、縫合糸接触面の少なくとも一方は、溝状、またはチャンネル状、あるいはそうでなければ、材料の特定の輪郭にできるだけ一致するような形状とすべきであることが好ましい。
【0035】
一般的には、超音波溶接チップである第1部材30及び第2部材32を、これら部材の第1縫合糸接触面30A及び第2縫合糸接触面32Aが、溶融部分20における剪断面積を最大化するように第1材料部分16及び第2材料部分18と係合するように形態付けすることが好ましい。第1縫合糸接触面30A及び第2縫合糸接触面32Aの色々のジオメトリが図10A〜図14Bに示される。
図10A及び図10Bに示すように、第1部材30の第1縫合糸接触面30Aはz軸及びx軸の周囲で凹状とされ、第2部材32の第2縫合糸接触面32Aはz軸の周囲で凸状とされている。例示した縫合糸の第1材料部分16及び第2材料部分18は円形断面を有しているが、そうした特定ジオメトリに限定される必要はない。第1縫合糸接触面の輪郭により、少なくとも第1縫合糸接触面30Aと第1材料部分16との間における、第1縫合糸接触面30Aの全長さ及び幅に渡る接触は実質的に連続したものとなる。溶融部分20の剪断面積は比較的大きいので、溶融部分の強度は比較的高くなると思われる。
【0036】
第2縫合糸接触面32Aに凸状湾曲部を取り入れることにより、細長材料の主軸方向での連結部14の長さが短縮され、その結果、縫合糸材料の溶融ループ部分の直径が小さくなる利益が得られる。
図10A及び図10Bに示すように、第2縫合糸接触面32Aの凸状湾曲部の半径は、第1縫合糸接触面30Aの凹状湾曲部の半径と等しいあるいはそれ未満であることが好ましい。図12A及び図12Bに示すように、その何れもが凸状湾曲部を有する縫合糸接触面を備える溶接ホーン及びアンビルを有する装置では、それら凸状湾曲部の表面の各半径は溶融部分の所望の面積に依存して、相互に異なるかまたは実質的に同じであり得る。
【0037】
図14A及び図14Bに例示した実施例の第1縫合糸接触面30A及び第2縫合糸接触面32Aの相互関係は、図10A及び図10Bの実施例におけるそれらと同じである。形成される溶融部分20は比較的大きく、強度も比較的高い。
図15A、図16、図17Aに示すように、第1部材30の第1縫合糸接触面30Aは、この第1縫合糸接触面30Aと第1材料部分16との間の接触面積を増大させるチャンネル又は溝を設けたジオメトリを有し得る。図15B、図16、図17Bにも示すように、第2部材32は、溶接プロセス中に縫合糸の第1材料部分16及び第2材料部分18を整列させたままで拘束する複数の部材を含み得る。第2部材の連結部分は溶接プロセス後に分離し、かくして、縫合糸ループを移動あるいはそうでなければ操作することなく、連結部材を溶接装置による拘束状態から釈放する。図15A、図15B、図16Aには、連結部位置で連結された材料の各セグメントの下方で第2部材32を相互に連結させた構成の超音波溶接装置が例示される。連結部材は溶接プロセス中は図15A及び16Aに示すように係合状態に維持され、溶接プロセス後はヒンジ又はピボット動作して分離することにより図15Bに示すように縫合糸ループを釈放する。
【0038】
図17A及び図17Bには、第2部材32の複数の部材を相互に摺動離間させて連結部材を釈放する他の形式の本発明が例示される。溶接プロセスの完了後に縫合糸ループを釈放可能とするその他の第2部材32の構成も本発明の範囲内のものとする。
図18、図19A及び図19Bには、縫合糸の被溶接部分である第1材料部分16及び第2材料部分18を第2部材32の壁内で相対的に拘束し、整列させ又は方向付ける更に他の構成を有する溶接装置が例示される。本実施例の装置では、水平方向ではなくむしろ垂直方向の溶融部分20を有する溶接連結部を創出させる。この装置では、第1部材30は、第1部材の各側部から垂直方向に伸延する第2部材32の2つのセクションと相補形状を成し且つこれらセクションと嵌合する。第1部材の第1縫合糸接触面30A及び第2部材の第2縫合糸接触面32Aは先に議論したように実質的に平坦であるが、キャンバ角を設けあるいは輪郭を変更しても良い。図19Aに示すように、材料の第1セグメント12において重複する第1材料部分16と第2材料部分18とは、第2部材32の複数の部材の内部で斜行整列状態で相互に連結される。溶接プロセス中、電源から送られる超音波エネルギーが機械的エネルギーに変換され、かくして第1材料部分16と第2材料部分18との間に局部的な摩擦が生じる。摩擦熱により可塑状態となった時点で第1材料部分16及び第2材料部分18を加圧し、これらの部分を流動及び溶融させて垂直方向の溶融部分20を形成する。各材料セグメントを加熱して可塑状態にするに際し、矢印35の方向から各材料セグメントに圧力が行使され、かくして、これらの材料セグメントは垂直方向の溶融部分20の内部で流動及び溶融する。
【0039】
第1部分30及び第2部分32が、重複された各材料セグメントを溶接プロセス中に整列下に拘束及び維持する構成を有することから、連結部14と溶融部分20とは比較的稠密且つコンパクトであり、溶融部分20からはみ出す溶融材料は、例えあっても僅かである。溶融部分20からはみ出る溶融材料は、縫合糸ループの連結部の強度を最大化し且つ周囲組織への干渉又はそれら組織の炎症を回避するために最小化されることが望ましい。
先に示した各実施例におけるように、第2部材32の複数の部材は、縫合糸ループを釈放するべく溶接プロセス後は分離され得る。
【0040】
図20〜図25には本発明の更に他の実施例が例示される。図20及び図21には縫合糸ループの溶融部分20が示され、相当するテクスチャ又はワッフル模様付きの、第1部分30であるホーンの第1縫合糸接触面と、第2部分32であるアンビルの第2縫合糸接触面とから、縫合糸の連結部の各材料セグメントに付与されたテクスチャ又はワッフル模様付きの表面を有している。ホーン及びアンビルの各縫合糸接触面のワッフル模様付き表面は、溶接プロセス中にこれらのホーン及びアンビルが縫合糸の各材料セグメントを押圧する際にそれらのセグメント上に付与される。ワッフル模様は、連結部における縫合糸の各材料セクションの表面積を増大させ、かくして、特に縫合糸ループの引張時の溶接強度が改善され得る。
【0041】
ホーン及びアンビルの表面模様は、図23に示すように本来相補的又は非相補的なものであり得るが、何れにせよ、それらはホーン及びアンビルの構成材料に食刻、機械加工又は鋳造され、また、連結部における縫合糸の各材料セクション上に所望のテクスチャ模様が提供されるよう定期又は不定期的に変化させることもできる。縫合糸の材料セクションの溶融部分に識別用の印が入るよう、ホーンやアンビルの縫合糸接触面に、例えば、会社のロゴ、シリアル番号その他の識別用の記号又はコードをエンボス加工したい場合があるのである。
【0042】
連結部における縫合糸の各材料セクションに図24及び図25に示すようなワッフルその他のテクスチャ模様を形成することにより、引張時の溶融縫合糸ループの伸張性が向上され得、かくして、蛇腹様式で拡大又は縮小する連結部が創出される。図24には、溶融縫合糸ループが比較的弛緩された状態にあり且つ連結部が有意の引張下に無い状態の、そうした連結部を有する溶融縫合糸ループが例示される。この溶融縫合糸ループに図25に示す矢印38の方向で引張負荷を加えると、ループは連結部がその主軸方向に拡大するに従い伸張する。この設計形状によれば、引張下における溶融縫合糸ループの可撓性が改善されることでその強度が向上され得る他に、固有の伸張量を持つことで、公称ループ径を越えて伸張した場合でも、破壊するのではなく必要に応じて拡大するので、その使用上の融通性は高くなる。
【0043】
一般に、本発明に従う溶融縫合糸ループは、縫合糸の2つの縁部が、相互に溶融した横断方向表面部分を有している。また、一般に、縫合糸材料は、比較的低融点で、少なくともその一部が材料の横断方向表面上にあることが特徴の第1材料M1と、比較的高融点であることが特徴の第2材料M2とから構成される。縫合糸材料のこれらの材料部分は超音波エネルギーが付加されると相互に溶融してループを形成する。超音波エネルギーは、被連結部間に相対移動を生じさせ、その摩擦熱で材料の隣接部分は第1材料M1及び第2材料M2の各融点間の中間の温度に上昇する。摩擦熱による上昇温度は第1材料M1及び第2材料M2の各融点間の中間温度であることから、第2材料M2は、溶融プロセス中に第1材料M1が溶けて第2材料M2の周囲を流動する際に“ループ”10を安定化させる。第1材料M1が溶融すると超音波エネルギーの付加が停止され、かくして、溶融した材料は冷却されて“溶接部”を構成する。溶解した、又は溶融した部分の材料は細長材料の主軸方向における分子の方向性が比較的低く、他方、溶融部分以外の縫合糸材料部分の前記方向性は比較的高いという特徴を持つことが好ましい。液晶ポリマーのような材料の場合、縫合糸の溶解又は溶融部分はその主軸に沿った分子方向性は比較的高いままに維持される。好適な液晶ポリマー縫合糸材料には、例えば、Honeywell社がSPECTRAの商標名で、またDSM社がDYNEEMAの商標名で夫々製造するものがある。
【0044】
図26A〜図26Fには、本発明に従う溶融縫合糸ループ10を形成するために使用できる細長材料100の1形態が例示される。図26Aに示すような細長材料100は複数のストランド、例えば10A〜10Bから形成される。ストランドは、編み組みしたアセンブリ又は、編み糸のような巻き合わせ形態、又は、所望容積(鎖線で示す箱1)内に位置付けた任意のその他の閉じたストランド形態のものであり得る。編み組みアセンブリ又は編み糸アセンブリは、細長材料(又は縫合糸材料)のみを形成し得、あるいは、図26Bに例示するような、シース10C内に配置した細長材料100を形成し得る。シース10Cは、例えば押し出し形態の、織った又は織らないものであり得る。編み組み又は編み糸アセンブリにおける各ストランド10A〜10B、またシース10Cは、単一部材型(例えばM1又はM2)の、あるいは、複数部材型(M1を最外部に配置した同中心形態M1/M2の、又は、M1を、その一部を横断方向表面に位置付ける状態で最外部に配置した非同中心形態の)材料から、又はそれらの合成形態の材料から構成され得る。
【0045】
図26Cには、編み組み又は編み糸アセンブリから成り、その少なくとも2つのストランドが複数材料(例えば、M1及びM2から成り、M1の少なくとも一部分をM2の横断方向面上に配置したようなもの)であるアセンブリ例が示される。複数材料は同中心又は非同中心的な構成を有し得る。図26Dには、図26Bに関連して先に説明した形態を有し得るシース内に配置した、図26Cの構成が例示される。
図26Eには、M1の一部をM2の横断方向面上に配置して成る、M1及びM2からなる単一のストランド構成が例示される。この実施例でもストランドは同中心又は非同中心的な構成を有し得る。
【0046】
図26Fには、シース10C内に配置したコア10Aが例示される。シース10Cは、図26Bに関連して先に説明したような形態を有し得、例えば、材料M1及びM2からなる、編み組みしたファイバを含む織ったシースであり得る。コア10Aは、例えば、モノフィラメント(例えば、単一の材料M2から作製した)又は、第1材料M1が第2材料M2を包囲して成る、図26Eに関連して先に説明した形態のものであり得る。
図27A〜図27Eには、本発明に従う、複数材料構成のフィラメント又はファイバから成る別の実施例での各断面13が例示される。先に説明したように、細長材料からなるループには、1つ以上の複数材料構成のファイバが含まれ得る。異なる材料であるM1及びM2は夫々溶融温度が異なり得、また、所望に応じてファイバの個別の容積部分中に隔置され得る。そうした個別の容積部分は、所望に応じて、例えば、ある程度平行な軸線に沿った構成のものとすることができる。例えば、低融点の材料M1を、比較的高融点の材料M2の周囲に配置し得る。この場合、溶接プロセスの周囲温度を検出及び制限することで、高融点の材料の溶融が防止されると共に、細長材料の一体性が維持され得る。
【0047】
図27Aには、第1材料M1から作製した外側部分13Aで第2材料M2から作製した内側コア13Bを包囲させた構成における断面13が示される。図27Bには、内側コア13Bを外側部分13Aの主軸からオフセットさせた類似構成が示される。また、図27Bには、外側部分13Aに接触する別の位置にあるコア13B’も示される。図27Cには、材料M2(又は複数材料)から構成した複数のコア13Bが、断面13内で別の材料M1のマトリクス13Aの内部に一様に又はほぼ一様に分散させた実施例が示される。
【0048】
図27Dには、同軸配列した3つの異なる材料M1〜M3を有する複数材料構成のファイバの断面13が示される。各材料は必ずしも同軸に整列しなくても良い。図27Eには、円弧セクタとして交互に配置した複数の材料M1〜M2から作製したファイバ構成が示される。図27Eには4つの円弧セクタ及び2つの材料M1及びM2のみが示されるが、任意数の円弧セクタ及び2つ以上の材料を使用することが可能である。図示された複数材料構成のファイバは例示目的上のものであり、その他の構成も本発明の範囲内に含まれるものとする。
【0049】
図28A〜図28Cには、本発明の他の実施例に従う別の複数材料構成のフィラメントにおける各断面15が示される。図28Aには、第1材料M1のシース15Aが第2材料M2のコア15Bを包囲するシースアンドコア構成例が示される。シース15Aは、相互に編まれ又は編み組みしてコア15Bの保護カバーとなる複数のファイバを含み得る。シース15Aを使用することにより、典構的な外科処置に際して生じ得る傷や摩耗による破断に対する細長材料の抵抗性が増大され得る。なぜなら、そうした傷の影響を受ける縫合糸部分は僅かである一方、縫合糸の本来の強度は変わらないからである。シース15Aのファイバは単一材料ファイバ又は複数材料構成のファイバ、例えば、二重構成要素であり、あるいはそれらの混成体であり得る。コア15Bは同様に単一材料又は複数材料から構成され得る。図28Bには、単一ストランドとして相互に構成した8つの二重構成要素又は二重材料構成のファイバを含む実施例が示される。各ファイバ内の異なる材料M1及びM2は、全体に平行軸に沿って配置される。図28Cには、2つの異なる構成材料M1及びM2を相互に編み組して成る二重構成材料のモノフィラメント又はファイバの別の実施例が示される。ある実施例では2つのファイバ材料としてナイロン6及びナイロン66が使用され得る。好適な材料には、これに限定しないが、ポリエステル(PET)、コポリマーポリエステル(co−PET)、ポリプロピレン(PP)、ナイロン(PA)、ポリエチレン(PE)が含まれ得るが、その他好適な材料を使用し得ることは言うまでもない。
【0050】
かくして、本発明の種々の様相及び実施例によれば、従来装置のそれを上回る利益が提供される。例えば、細長材料中の個別の容積中に隔置した複数の材料を含む細長材料を使用することにより、溶融部分及び連結強度の各特性が最適化され得る。溶融温度の異なる材料を含む1つ以上の複数材料からなる構成とした場合の細長材料の一体性が維持され又は最適化され得る。例えば、細長材料を複数のファイバを使用する構成とした場合、強度及び耐性が改善され得る。その他の実施例には、外科処置中に、例えば、外科用メス又は骨片との接触によって生じ得るような傷に対する抵抗性が増長され得る。
以上、本発明を実施例を参照して説明したが、本発明の内で種々の変更をなし得ることを理解されたい。
【図面の簡単な説明】
【0051】
【図1】細長材料の溶融ループの斜視図である。
【図2A】図1の溶融ループの連結部を示す側面図である。
【図2B】細長材料の複数のセグメントを相互に連結して形成した幾つかの溶融ループの軸方向端面図である。
【図2C】細長材料の複数のセグメントを束ねた状態を略示した斜視図である。
【図3】図2Aの溶融ループの連結部を線A−Aに沿って切断した断面図である。
【図4】図2Aの溶融ループの連結部を線B−Bに沿って切断した断面図である。
【図5】図2Aの溶融ループの連結部を線C−Cに沿って切断した断面図である。
【図6】図2Aの溶融ループの連結部を線D−Dに沿って切断した断面図である。
【図7A】超音波溶接して作製して溶融ループの連結部の側面図である。
【図7B】図7Aに示す溶融ループの連結部の一部の断面図である。
【図8A】レーザー溶接又は制御カップリング下の超音波溶接によって作製した溶融ループの連結部の側面図である。
【図8B】図8Aに示す溶融ループの連結部の一部の断面図である。
【図9A】溶融ループの、連結部における強度が細長材料の引張破断強度を上回る場合に引張負荷下を受けた場合の状況を示す斜視図である。
【図9B】溶融ループの、連結部における強度が細長材料の引張破断強度を下回る場合に引張負荷下を受けた場合の状況を示す斜視図である。
【図10A】様々なジオメトリを有する超音波溶接部材及び、各超音波溶接部材間の間隙に位置付けた被溶接細長材料セグメントの分解斜視図である。
【図10B】図10Aに相当する被溶接細長材料セグメントの分解側面図である。
【図11A】様々なジオメトリを有する超音波溶接部材及び、各超音波溶接部材間の間隙に位置付けた被溶接細長材料セグメントの分解斜視図である。
【図11B】図11Aに相当する被溶接細長材料セグメントの分解側面図である。
【図12A】様々なジオメトリを有する超音波溶接部材及び、各超音波溶接部材間の間隙に位置付けた被溶接細長材料セグメントの分解斜視図である。
【図12B】図12Aに相当する被溶接細長材料セグメントの分解側面図である。
【図13A】様々なジオメトリを有する超音波溶接部材及び、各超音波溶接部材間の間隙に位置付けた被溶接細長材料セグメントの分解斜視図である。
【図13B】図13Aに相当する被溶接細長材料セグメントの分解側面図である。
【図14A】様々なジオメトリを有する超音波溶接部材及び、各超音波溶接部材間の間隙に位置付けた被溶接細長材料セグメントの分解斜視図である。
【図14B】図14Aに相当する被溶接細長材料セグメントの分解側面図である。
【図15A】第1及び第2の、一対の被溶接細長材料セグメントの周囲に係合する種々のジオメトリを有する超音波溶接部材の側面図である。
【図15B】図15Aの第2溶接部材を開いて溶接装置から溶接ループを釈放する状況を略示した側面図である。
【図16】第1及び第2の、一対の被溶接細長材料セグメントの周囲に係合する種々のジオメトリを有する超音波溶接部材の側面図である。
【図17A】第1及び第2の、一対の被溶接細長材料セグメントの周囲に係合する種々のジオメトリを有する超音波溶接部材の側面図である。
【図17B】図17Aの第2溶接部材を開いて溶接装置から溶接ループを釈放する状況を略示した側面図である。
【図18】制御下の重ね合わせ鍛接を生じさせるように設計された超音波溶接装置内に端部を揃えて配置した細長材料セグメントを示す斜視図である。
【図19A】図18の超音波溶接装置内の細長材料セグメントの、溶接プロセス以前における断面図である。
【図19B】図18の超音波溶接装置内の細長材料セグメントの、溶接プロセス直後で且つ溶接ループ釈放以前における断面図である。
【図20】溶接ホーンによる、縫合糸接触面におけるテクスチャ又はワッフル効果を示す溶融ループの溶融縫合糸セクションの拡大斜視図である。
【図21】図20の溶融部分の断面図である。
【図22】溶接ホーン及びアンビルの縫合糸接触面上の相補的なワッフル状パターン特徴を有する溶融部分を持つ溶融ループの側面図である。
【図23】相補的なワッフル状又はテクスチャ状のパターン特徴を有する縫合糸接触面を備える溶接ホーン及びアンビルの側面図である。
【図24】ループ及び溶融部分が比較的弛緩された状態にあり且つループが公称径を有する溶融ループ部分における溶融部分の側面図である。
【図25】ループ及び溶融部分が引張下にあり且つ、ループが、ワッフル状の連結部が拡張された結果としての拡大された直径を有する溶融部分の側面図である。
【図26A】本発明に従う溶融縫合糸ループ形成に使用する細長材料の形態例の1セクションの斜視図である。
【図26B】本発明に従う溶融縫合糸ループ形成に使用する細長材料の形態例の1セクションの斜視図である。
【図26C】本発明に従う溶融縫合糸ループ形成に使用する細長材料の形態例の1セクションの斜視図である。
【図26D】本発明に従う溶融縫合糸ループ形成に使用する細長材料の形態例の1セクションの斜視図である。
【図26E】本発明に従う溶融縫合糸ループ形成に使用する細長材料の形態例の1セクションの斜視図である。
【図26F】本発明に従う溶融縫合糸ループ形成に使用する細長材料の形態例の1セクションの斜視図である。
【図27A】本発明の好ましい実施例に従う複数材料構成のフィラメントの断面図である。
【図27B】本発明の好ましい実施例に従う複数材料構成のフィラメントの断面図である。
【図27C】本発明の好ましい実施例に従う複数材料構成のフィラメントの断面図である。
【図27D】本発明の好ましい実施例に従う複数材料構成のフィラメントの断面図である。
【図27E】本発明の好ましい実施例に従う複数材料構成のフィラメントの断面図である。
【図28A】本発明の好ましい実施例に従う、複数材料構成のフィラメント及び複数構成材料を含むループセグメントの断面図である。
【図28B】本発明の好ましい実施例に従う、複数材料構成のフィラメント及び複数構成材料を含むループセグメントの断面図である。
【図28C】本発明の好ましい実施例に従う、複数材料構成のフィラメント及び複数構成材料を含むループセグメントの断面図である。
【符号の説明】
【0052】
10A、10B コア
10C シース
12A、12B 端部
12 材料セグメント
13A マトリクス
13 断面
14A 第1端部
14B 第2端部
14 連結部
15A シース
15B コア
16 第1材料部分
18 第2材料部分
20 溶融部分
30A 第1縫合糸接触面
30 第1部材
32A 第2縫合糸接触面
32 第2部材
40 温度センサ
42 温度信号
100 細長材料

【特許請求の範囲】
【請求項1】
細長材料の溶融ループであって、主軸に沿って伸延する1つ以上の材料セグメントを含み、該材料セグメントの一部が、細長材料の第1端部及び第2端部間を伸延する連結部位置で相互に連結してループを形成し、前記溶融ループが、
i)第1端部から伸延する、細長材料の第1材料部分と、
ii)第2端部から伸延する、細長材料の第2材料部分と、
iii)連結部の前記第1端部及び第2端部間の複数の位置で前記第1材料部分及び第2材料部分を連結する、連結部の第1端部及び第2端部間の溶融部分にして、第1材料部分及び第2材料部分からの溶融材料部分を含む溶融部分と、
を含み、
前記細長材料が、前記連結された第1材料部分及び第2材料部分に沿った少なくとも2つの材料(M1及びM2)から構成され、
少なくとも材料(M1)が比較的低融点であり且つ前記第1材料部分及び第2材料部分の横断方向表面の一部を形成し、少なくとも材料(M2)が比較的高融点であり、前記溶融部分における溶融材料が前記材料(M2)のみから成る溶融ループ。
【請求項2】
細長材料が、主軸に沿って伸延する2つ以上のストランドから成る請求項1の溶融ループ。
【請求項3】
ストランドの少なくとも1つが材料(M1)から成り、ストランドの他の少なくとも1つが材料(M2)から成る請求項2の溶融ループ。
【請求項4】
材料(M1)から成るストランド及び材料(M2)から成るストランドが相互に編み組みされて編み組アセンブリを構成する請求項3の溶融ループ。
【請求項5】
編み組アセンブリがシース内に配置される請求項4の溶融ループ。
【請求項6】
シースが、複数のストランドの織ったアセンブリである請求項5の溶融ループ。
【請求項7】
シース内の各ストランドが材料(M1)から構成される請求項6の溶融ループ。
【請求項8】
シースの、材料(M1)から構成される各ストランドが第1サブセットを構成し、材料(M2)から構成される各ストランドが第2サブセットを構成する請求項6の溶融ループ。
【請求項9】
シースが、編まない構成を有する請求項5の溶融ループ。
【請求項10】
材料(M1)から構成される各ストランド及び材料(M2)から構成される各ストランドが相互に巻き付けられて編み糸アセンブリを構成する請求項3の溶融ループ。
【請求項11】
編み糸アセンブリがシース内に配置される請求項10の溶融ループ。
【請求項12】
シースが複数のストランドを追って構成したアセンブリを成す請求項11の溶融ループ。
【請求項13】
シースの各ストランドが材料(M1)から構成される請求項12の溶融ループ。
【請求項14】
シースの、材料(M1)から構成される各ストランドが第1サブセットを構成し、材料(M2)から構成される各ストランドが第2サブセットを構成する請求項12の溶融ループ。
【請求項15】
シースが、編まない構成を有する請求項11の溶融ループ。
【請求項16】
ストランドの少なくとも2つが、材料(M1)及び材料(M2)を含む二重材料構成を有し、材料(M1)の少なくとも一部分が前記少なくとも2つのストランドの各々における周囲部分に配置される請求項2の溶融ループ。
【請求項17】
少なくとも2つのストランドにおける材料(M1)及び材料(M2)が、何れも同中心の状態で配置される請求項16の溶融ループ。
【請求項18】
少なくとも2つのストランドにおける材料(M1)及び材料(M2)が、何れも同中心以外の状態で配置される請求項16の溶融ループ。
【請求項19】
少なくとも2つのストランドの一方のストランドにおける材料(M1)及び材料(M2)が同中心状態で配置され、他方のストランドにおける材料(M1)及び材料(M2)が同中心以外の状態で配置される請求項16の溶融ループ。
【請求項20】
材料(M1)及び材料(M2)が相互に編み組みされて編み組アセンブリを構成する請求項16の溶融ループ。
【請求項21】
編み組アセンブリがシース内に配置される請求項20の溶融ループ。
【請求項22】
シースが複数のストランドから成る編んだアセンブリである請求項21の溶融ループ。
【請求項23】
シース内の各ストランドが材料(M1)から構成される請求項22の溶融ループ。
【請求項24】
シースにおける、材料(M1)から構成される各ストランドが第1サブセットを構成し、材料(M2)から構成される各ストランドが第2サブセットを構成する請求項22の溶融ループ。
【請求項25】
シースが、編まない構成を有する請求項21の溶融ループ。
【請求項26】
材料(M1)から構成される各ストランド及び材料(M2)から構成される各ストランドが相互に巻き付けられて編み糸アセンブリを構成する請求項16の溶融ループ。
【請求項27】
編み糸アセンブリがシース内に配置される請求項26の溶融ループ。
【請求項28】
シースが、複数のストランドから成る編んだアセンブリである請求項27の溶融ループ。
【請求項29】
シースにおける各ストランドが材料(M1)から構成される請求項28の溶融ループ。
【請求項30】
シースにおける、材料(M1)から構成される各ストランドが第1サブセットを構成し、材料(M2)から構成される各ストランドが第2サブセットを構成する請求項28の溶融ループ。
【請求項31】
シースが編まない構成を有する請求項27の溶融ループ。
【請求項32】
細長材料が単一のストランドから構成される請求項1〜30の何れかに記載の溶融ループ。
【請求項33】
材料(M1)及び材料(M2)が、何れも同中心の状態で配置される請求項32の溶融ループ。
【請求項34】
材料(M1)及び材料(M2)が、何れも同中心以外の状態で配置される請求項32の溶融ループ。
【請求項35】
細長材料が、シース内におけるコアを構成する1つのストランドを含む請求項1の溶融ループ。
【請求項36】
コアを構成する1つのストランドが材料(M2)から構成される請求項35の溶融ループ。
【請求項37】
シースが、複数のストランドを編んだアセンブリを構成する請求項36の溶融ループ。
【請求項38】
シースにおける各ストランドが材料(M1)から構成される請求項37の溶融ループ。
【請求項39】
シースにおける、材料(M1)から構成される各ストランドが第1サブセットを構成し、材料(M2)から構成される各ストランドが第2サブセットを構成する請求項37の溶融ループ。
【請求項40】
コアを構成する1つのストランドが材料(M1)及び材料(M2)から構成される請求項35の溶融ループ。
【請求項41】
シースが、複数のストランドを編んだアセンブリを構成する請求項40の溶融ループ。
【請求項42】
シースにおける各ストランドが材料(M1)から構成される請求項41の溶融ループ。
【請求項43】
シースにおける、材料(M1)から構成される各ストランドが第1サブセットを構成し、材料(M2)から構成される各ストランドが第2サブセットを構成する請求項41の溶融ループ。
【請求項44】
材料(M1)及び材料(M2)が、何れも同中心の状態で配置される請求項40の溶融ループ。
【請求項45】
材料(M1)及び材料(M2)が、何れも同中心以外の状態で配置される請求項40の溶融ループ。
【請求項46】
主軸の方向における溶融材料の分子の方向性が比較的低く、連結部における第2材料の前記主軸の方向における分子の方向性が比較的高い請求項1の溶融ループ。
【請求項47】
超音波溶接装置であって、
第1縫合糸接触面を有し且つ振動して超音波周波数での機械的エネルギーを伝達するように動作自在の第1部材と、
第2縫合糸接触面を有する第2部材と、
第1部材を第2部材に関して移動させるための移動手段にして、第1及び第2の前記縫合糸接触面間の間隙を、該第1及び第2の前記縫合糸接触面間の移動の関数として調節自在の移動手段と、
溶接作業中、被溶接材料の2つ以上の材料セグメントを、前記第1及び第2の前記縫合糸接触面間の間隙において所定の整列状態下に受け且つ維持するための固定手段と、
溶接作業における温度に相当する温度信号を発生するように動作自在の温度検出手段と、
を含む超音波溶接装置。
【請求項48】
温度検出手段が、第1部材及び第2部材に連結したサーミスタを含む請求項47の超音波溶接装置。
【請求項49】
温度検出手段が、第1部材及び第2部材に連結した熱電対を含む請求項47の超音波溶接装置。
【請求項50】
温度検出手段が、第1部材及び第2部材に連結したファブリ・ペロー干渉計温度センサを含む請求項47の超音波溶接装置。

【図1】
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【図2A】
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【図2B】
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【図2C】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7A】
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【図7B】
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【図8A】
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【図8B】
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【図9A】
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【図9B】
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【図10A】
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【図10B】
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【図11A】
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【図11B】
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【図12A】
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【図12B】
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【図13A】
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【図13B】
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【図14A】
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【図14B】
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【図15A】
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【図15B】
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【図16】
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【図17A】
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【図17B】
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【図18】
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【図19A】
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【図19B】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26A】
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【図26B】
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【図26C】
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【図26D】
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【図26E】
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【図26F】
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【図27A】
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【図27B】
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【図27C】
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【図27D】
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【図27E】
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【図28A】
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【図28B】
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【図28C】
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【公表番号】特表2009−536044(P2009−536044A)
【公表日】平成21年10月8日(2009.10.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−506561(P2009−506561)
【出願日】平成19年4月18日(2007.4.18)
【国際出願番号】PCT/US2007/009465
【国際公開番号】WO2007/123943
【国際公開日】平成19年11月1日(2007.11.1)
【出願人】(500086847)アクシーア メディカル インコーポレイテッド (4)
【Fターム(参考)】