説明

覆工コンクリート打設装置及び方法

【課題】覆工コンクリートの打設口の高さを適切に変えることにより、覆工コンクリートの品質を向上させる。
【解決手段】型枠70によりトンネルTの内面に沿って形成される覆工コンクリートの打設空間Sに覆工コンクリートを打設する覆工コンクリート打設装置10であって、型枠70に形成された開口74から打設空間Sに挿入されて垂下され、打設空間Sに覆工コンクリートを供給するコンクリートホース12、14と、コンクリートホース12、14を引き上げるホース伸縮装置20とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、トンネル用型枠における覆工コンクリート打設装置及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
トンネル用型枠における覆工コンクリート打設装置として、複数の打設口を型枠にその周方向に沿って設け、覆工コンクリートの打ち上がりに応じて下側から上側へと打設口を切り替えていくものが知られている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1に記載の覆工コンクリート打設装置では、型枠に形成された複数の開口の夫々にコンクリートホースを接続し、コンクリート分流機等のコンクリート供給切替機構により、覆工コンクリートの打設口を切り替える。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009―155819号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記の覆工コンクリート打設装置によれば、覆工コンクリートの打ち上がりに応じて打設口の高さを変えながら覆工コンクリートを打設できる。しかしながら、打設口は固定されているので、各打設口からの打設開始時には、覆工コンクリートの品質を確保するうえで望ましいとされているコンクリートの落下高さ1.5m以下を上回ってしまうケースが生じていた。このような状況を解消するには、打設口を増やす必要があり、打設装置が複雑なものになる。
【0005】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、覆工コンクリートの打設口の高さを適切に変えることにより、覆工コンクリートの品質を向上させることを課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明に係る覆工コンクリート打設装置は、型枠によりトンネル内面に沿って形成される覆工コンクリートの打設空間に覆工コンクリートを打設する覆工コンクリート打設装置であって、前記型枠に形成された開口から前記打設空間に挿入されて垂下され、前記打設空間に覆工コンクリートを供給するホースと、前記ホースを引き上げるホース引き上げ機構と、を備える。
【0007】
前記覆工コンクリート打設装置において、前記ホース引き上げ機構は、前記ホースの一部を拘束する拘束部と、前記ホースの先端と前記拘束部による拘束部分との間を、その一部が湾曲されることで折り返されるように保持し、前記ホースの湾曲部分を前記拘束部分から遠ざかる方向へ移動させる移動部と、を備えてもよい。
【0008】
前記覆工コンクリート打設装置において、前記移動部は、前記ホースの拘束部分に対して接近及び離間可能に設けられ、前記ホースの湾曲部分が載置される移動台と、前記移動台上に、前記ホースの湾曲部分に沿って配されて当該部分をガイドする複数のホースガイドと、を備えてもよい。
【0009】
前記覆工コンクリート打設装置において、前記ホースを対で備え、その一方と他方とが互いに前記打設空間の反対側に垂下され、共に前記ホース引き上げ機構により引き上げられてもよい。
【0010】
また、本発明に係る覆工コンクリート打設方法は、型枠によりトンネル内面に沿って形成される覆工コンクリートの打設空間に覆工コンクリートを打設する覆工コンクリート打設方法であって、ホースを、前記型枠に形成した開口から前記打設空間に挿入して垂下させ、前記ホースにより前記打設空間に覆工コンクリートを供給し、前記打設空間での覆工コンクリートの打ち上がりに応じて、前記ホースを引き上げることを特徴とする。
【0011】
前記覆工コンクリート打設方法において、前記ホースの一部を拘束し、前記ホースの先端と前記拘束部による拘束部分との間を、その一部が湾曲されることで折り返されるように保持し、前記ホースの湾曲部分を前記拘束部分から遠ざかる方向へ移動させることにより、前記ホースを引き上げてもよい。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、覆工コンクリートの打設口の高さを適切に変えることにより、覆工コンクリートの品質を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】一実施形態に係る打設装置を備えるスライドセントルを示す正面断面図である。
【図2】一実施形態に係る打設装置を備えるスライドセントルを示す側断面図である。
【図3】一実施形態に係る打設装置を備えるスライドセントルを示す平面図である。
【図4】一実施形態に係る打設装置を示す平面図である。
【図5】一実施形態に係る打設装置を示す側面図である。
【図6】図4の6−6断面図である。
【図7】図4の7−7断面図である。
【図8】図4の8−8断面図である。
【図9】ガイド機構を示す正面図である。
【図10】ホース伸縮装置の動作を示す平面図である。
【図11】ホース伸縮装置の動作を示す平面図である。
【図12】打設装置を使用して覆工コンクリートを打設している状態を示す正面断面図である。
【図13】他の実施形態に係る打設装置を備えるスライドセントルを示す正面断面図である。
【図14】他の実施形態に係る打設装置を備えるスライドセントルを示す側断面図である。
【図15】他の実施形態に係る打設装置を示す平面図である。
【図16】一方の打設機構を示す平面図である。
【図17】一方の打設機構を示す側面図である。
【図18】他方の打設機構を示す平面図である。
【図19】他方の打設機構を示す側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の一実施形態を、図面を参照しながら説明する。図1は、一実施形態に係る覆工コンクリート打設装置(以下、打設装置という)10を備える山岳トンネル等のトンネル用のスライドセントル1を示す正面断面図である。また、図2は、スライドセントル1を示す側断面図である。これらの図に示すように、スライドセントル1は、トンネルTの内周壁に沿って配されて該内周壁との間に円弧状の打設空間Sを形成するアーチ型のトンネル覆工用の型枠70と、トンネルT内に配されて型枠70を支持するガントリー80とを備えている。ガントリー80は下部に設けられた車輪86でトンネル軸方向に移動する。
【0015】
型枠70は、トンネル周方向に延びるアーチ型の枠体71をトンネル軸方向に連結して構成されており、また、各枠体71は、複数の円弧状のスキンプレート72をトンネル周方向に連結して構成されている。ガントリー80の上方に配されたスキンプレート72は、ガントリー80の上部に配されたジャッキ82により昇降可能に支持されている。また、ガントリー80の側方に配されたスキンプレート72は、ガンドリー80の側部に配されたジャッキ84によりトンネル径方向へ移動可能に支持されている。また、型枠70の頂部には、後述のコンクリートホース12、14を通すための開口74と、後述のコンクリートホース16を接続するためのコンクリート注入口76が形成されている。
【0016】
打設装置10は、上述の開口74を通して打設空間Sに挿入される一対のコンクリートホース(耐圧ホース)12、14と、コンクリート注入口76に接続されるコンクリートホース(耐圧ホース)16と、ガントリー80の上部に設置されたホース伸縮装置20とを備えている。コンクリートホース12は、打設空間Sの頂部から左右(トンネル周方向)の一方側(図中反時計周り方向)へ垂下され、コンクリートホース14は、打設空間Sの頂部から左右の他方側(図中時計周り方向)へ垂下される。また、ホース伸縮装置20は、一対のコンクリートホース12、14の打設空間S内に挿入された部分を、打設空間Sの底部の近傍まで押し下げたり、そこから引き上げたりすることにより、当該部分の長さを伸縮させる。
【0017】
また、コンクリートホース12、14、16は、分流装置19を介してコンクリートホース18に接続されている。このコンクリートホース18は、不図示のコンクリート供給ポンプに接続されている。ここで、コンクリートホース12、14の上流側端部が、分流装置19により拘束されている。
【0018】
図3は、スライドセントル1を示す平面図である。この図に示すように、コンクリートホース12、14の打設空間S内に挿入された部分(実線で図示)は、型枠70に沿ってトンネル周方向に延びる。一方、コンクリートホース12、14の打設空間Sの外側の部分(破線で図示)は、ホース伸縮装置20によりその一部を湾曲されることにより折り返されてから分流装置19まで延びる。
【0019】
図4は、打設装置10を示す平面図であり、図5は、打設装置10を示す側面図である。これらの図に示すように、ホース伸縮装置20は、夫々がトンネル軸方向に沿って延びるように互いに平行に配された一対のレール22と、一対のレール22上にこれらに沿ってスライド移動可能に配されたスライドベース24と、一対のレール22の軸方向一端側に配された固定ベース26と、スライドベース24をスライド移動させるチェーン駆動機構40とを備えている。ここで、一対のレール22と固定ベース26とは、トンネル軸方向に間隔を空けて配されており、これらの間の上方に開口74が配されている。また、開口74は、一対のレール22の中心線Cの延長線の真上に配されている。
【0020】
スライドベース24と固定ベース26とは、共に半円形状の板であり、互いに辺同士を対向させた状態で配されている。スライドベース24には、コンクリートホース12、14を案内するガイド機構28が設けられ、また、固定ベース26には、コンクリートホース12を案内するガイド機構30が設けられている。また、レール22と固定ベース26との間には、コンクリートホース12を案内するガイド機構36と、コンクリートホース14を案内するガイド機構38とが設けられている。
【0021】
ガイド機構28は、スライドベース24の円弧状の縁部に沿って設けられた夫々複数のガイドローラユニット27、29を備えている。複数(例えば、図示するように3個)のガイドローラユニット29が所定間隔おきに配され、これらの両側に複数(例えば、図示するように各2個)のガイドローラユニット27が設けられている。
【0022】
ガイドローラユニット27は、下段の一対のガイドローラ27Aと、その上に配された上段の一対のガイドローラ27Bとを備えている。下段の一対のガイドローラ27Aは、スライドベース24の径方向に並べて配されており、これらの間には、コンクリートホース12が挿通されている。また、上段の一対のガイドローラ27Bは、スライドベース24の径方向に並べて配されており、これらの間には、コンクリートホース14が挿通されている。
【0023】
また、ガイドローラユニット29は、下段の一対のガイドローラ29Aと、その上に配された上段の一対のガイドローラ対29Bとを備えている。下段の一対のガイドローラ29Aは、スライドベース24の径方向に並べて配されており、これらの間には、コンクリートホース12が挿通されている。また、上段の一対のガイドローラ29Bは、スライドベース24の径方向に並べて配されており、これらの間には、コンクリートホース14が挿通されている。
【0024】
これにより、コンクリートホース12、14は、スライドベース24上においてガイド機構28により、互いに上下に重なり合った状態で、スライドベース24の円弧状の縁部に沿って湾曲するように案内される。
【0025】
ガイド機構30は、固定ベース26の円弧状の縁部に沿って設けられた複数のガイドローラユニット31、32を備えている。複数(例えば、図示するように3個)のガイドローラユニット31が所定間隔おきに配され、これらの両側に複数(例えば、図示するように各2個)のガイドローラユニット32が設けられている。
【0026】
ガイドローラユニット31は、一対のガイドローラ31Aを備えている。一対のガイドローラ31Aは、固定ベース26の径方向に並べて配されており、これらの間にはコンクリートホース12が挿通されている。また、ガイドローラユニット32は、一対のガイドローラ32Aを備えている。一対のガイドローラ32Aは、固定ベース26の径方向に並べて配されており、これらの間にはコンクリートホース12が挿通されている。これにより、コンクリートホース12は、固定ベース26上において、ガイド機構30により、固定ベース26の円弧状の縁部に沿って湾曲するように案内される。
【0027】
ここで、固定ベース26は、レール22側(図4の右側)からその反対側へかけて次第に高くなると共に、チェーン駆動機構40側(図4の上側)からその反対側へかけて次第に高くなるように傾斜した傾斜板として構成されている。このため、コンクリートホース12は、固定ベース26上において、ガイド機構30及び固定ベース26により、開口74に近づくにつれて次第に上昇するように案内される。
【0028】
ガイド機構36は、ガイド機構30と開口74との間で、コンクリートホース12を案内するガイドローラ36A、36B、36Cを備えている。ガイドローラローラ36A、36B、36Cは、ガイド機構30側から開口74側へ順に配されている。ガイドローラ36Aは、コンクリートホース12の上側に配され、ガイドローラ36B、36Cは、コンクリートホース12の下側に配されている。ガイドローラ36Aは、コンクリートホース12の浮上りを防止する。また、ガイドローラ36B、36Cは、コンクリートホース12を上側に湾曲させて開口74へ向けて案内する。
【0029】
ガイド機構38は、ガイド機構28と開口74との間で、コンクリートホース14を案内するガイドローラ38A、38B、38Cを備えている。ガイドローラ38A、38B、38Cは、ガイド機構28側から開口74側へ順に配されている。ガイドローラ38Aは、コンクリートホース14の浮上りを防止する。また、ガイドローラ38B、38Cは、コンクリートホース14を上側に湾曲させて開口74へ向けて案内する。
【0030】
ここで、コンクリートホース12、14のスライドベース24より上流側の部分は、ホースクランプ等の拘束部材39により拘束されている。この拘束部材39は、コンクリートホース12、14における最も上流側のガイドローラユニット27から拘束部材39までの部分が、レール22に対して平行になるように配されている。
【0031】
チェーン駆動機構40は、トンネル軸方向に離間して配されたスプロケット42及びテンションスプロケット44と、これらに張架されたローラチェーン46と、スプロケット42を回転させる駆動モータ48とを備えている。スプロケット42とテンションスプロケット44とは、これらを結ぶ直線がレール22と平行になるように配されており、これにより、ローラチェーン46は、レール22に対して平行に配されている。
【0032】
テンションスプロケット44は、不図示のテンション付与機構によりスプロケット42側とは反対側に付勢されており、これにより、ローラチェーン46に対してテンションが付与されている。また、ローラチェーン46の一部のチェーンは、アタッチメント(ブラケット)が一体で形成されたアタッチメント付きチェーン46Aとなっている。このアタッチメント付きチェーン46Aは、スライドベース24と一体化された取付金具25に取付けられている。これにより、駆動モータ48が駆動されてローラチェーン46が回転すると、スライドベース24がレール22に沿ってスライド移動する。
【0033】
図6は、図4の6−6断面図である。この図に示すように、レール22は、断面C型の鋼材であり、上側が開口している。また、スライドベース24には、各組2個の複数組のベアリングローラ33が取付けられている。この複数組のベアリングローラ33は、レール22の長手方向に離間して配されており、各組の2個のベアリングローラ33は、レールの長手方向及び幅方向に互いにずらして配されている。また、各ベアリングローラ33は、鉛直な回転軸の周りに回転可能に構成されており、レール22の開口に配されている。このため、スライドベース24がチェーン駆動機構40によりスライド移動される際には、複数組のベアリングローラ33とレール22とが、スライドベース24のスライド移動を案内する。
【0034】
また、ガイドローラユニット27は、下段の一対のガイドローラ27Aと、上段の一対のガイドローラ27Bと、一対のシャフト27Cと、上下一対のプレート27D、27Eとを備えている。一対のシャフト27Cは、スライドベース24に一端を固定されており、各シャフト27Cには、ガイドローラ27A、27Bが回転可能に支持されている。また、上側のプレート27Dは、一対のシャフト27Cの他端(上端)に固定され、下側のプレート27Eは、一対のシャフト27Cの中央部に固定されている。ここで、下側のプレート27Eは、下段のガイドローラ27Aと上段のガイドローラ27Bとの間に配されている。また、コンクリートホース12は、スライドベース24とプレート27Eと下段の一対のガイドローラ27Aとの間に挿通されており、コンクリートホース12と下段の一対のガイドローラ27Aとは、相対移動可能に構成されている。また、コンクリートホース14は、上下のプレート27D、27Eと上段の一対のガイドローラ27Bとの間に挿通されており、コンクリートホース14と上段の一対のガイドローラ27Bとは、相対移動可能に構成されている。
【0035】
図7は、図4の7−7断面図である。この図に示すように、ガイドローラユニット29は、下段の一対のガイドローラ29Aと、上段の一対のガイドローラ29Bと、一対のシャフト29Cと、上下一対のプレート29D、29Eとを備えている。ガイドローラ29A、29Bは、中央から両端にかけて拡径する形状(即ち、中凹のクラウン形状)に形成されている。また、一対のシャフト29Cは、スライドベース24に一端を固定されており、各シャフト29Cには、ガイドローラ29A、29Bが回転可能に支持されている。また、上側のプレート29Dは、一対のシャフト29Cの他端(上端)に固定され、下側のプレート29Eは、一対のシャフト29Cの中央部に固定されている。
【0036】
下側のプレート29Eは、下段のガイドローラ29Aと上段のガイドローラ29Bとの間に配されている。また、コンクリートホース12は、スライドベース24とプレート29Eと下段の一対のガイドローラ29Aとの間に挿通されており、コンクリートホース12と下段の一対のガイドローラ29Aとは、相対移動可能に構成されている。また、コンクリートホース14は、上下のプレート29D、29Eと上段の一対のガイドローラ29Bとの間に挿通されており、コンクリートホース14と上段の一対のガイドローラ29Bとは、相対移動可能に構成されている。
【0037】
図8は、図4の8−8断面図である。この図に示すように、スライドベース24のチェーン駆動機構40側の端部には、ローラチェーン46に沿って延びるプレート34が設けられており、このプレート34上には、逆U字状の取付金具25がL字アングル35を介して固定されている。取付金具25には、コンクリートホース12、14が上下に重ねて挿通されている。ここで、取付金具25は、ローラチェーン46のアタッチメント付きチェーン46Aの近傍に配されており、取付金具25の側部には、アタッチメント付きチェーン46Aが固定されている。
【0038】
図9は、ガイド機構50を示す正面図である。この図に示すように、ガイド機構50は、開口74の近傍に配されており、一対のガイドローラ50A、50Bを備えている。ガイドローラ50A、50Bは、開口74の直下に、トンネル軸方向と平行な回転軸の周りに回転可能に配されている。また、ガイドローラ50A、50Bは、互いに平行に横に並べて配されており、ガイドローラ50Aは、コンクリートホース12を開口74へ案内し、ガイドローラ50Bは、コンクリートホース14を開口74へ案内する。
【0039】
図10及び図11は、ホース伸縮装置20の動作を示す平面図である。なお、以下の説明では、コンクリートホース12、14における分流装置19側を上流側と称し、その反対側を下流側と称する。図10に示すように、駆動モータ48が駆動されて、スライドベース24が拘束部材39から離間する方向(図中矢印A方向)にスライド移動すると、ホース12、14のスライドベース24より上流側の部分が拘束部材39により拘束されていることから、スライドベース24上のガイドローラユニット27、29が、コンクリートホース12、14のスライドベース24上の部分に対して相対的に下流側に移動し、固定ベース26上のガイドローラユニット31、32が、コンクリートホース12の固定ベース26上の部分に対して相対的に下流側に移動する。
【0040】
この際、コンクリートホース12、14のスライドベース24上でガイド機構28により湾曲されていた部分は、ガイド機構28より上流側へ移動して延びた状態に変化する。また、コンクリートホース12の固定ベース26上でガイド機構30により湾曲されていた部分は、ガイド機構30より上流側へ移動して延びた状態に変化する。また、コンクリートホース12、14のスライドベース24よりも下流側の部分は、順次、スライドベース24上に移動してガイド機構28により湾曲され、コンクリートホース12の固定ベース26よりも下流側の部分は、順次、固定ベース26上に移動してガイド機構30により湾曲される。
【0041】
従って、スライドベース24が図中矢印A方向に移動すると、コンクリートホース12、14のスライドベース24よりも下流側の部分が、上流側へ移動し、これにより、コンクリートホース12、14の打設空間S内に挿入された部分が引き上げられて、当該部分が短くなる。なお、本実施形態では、コンクリートホース12、14のスライドベース24よりも下流側の部分が上流側へ移動する距離(即ち、コンクリートホース12、14の収縮長さ)は、スライドベース24が図中矢印A方向に移動する距離の2倍に設定されている。
【0042】
また、図11に示すように、駆動モータ48が駆動されて、スライドベース24が拘束部材39に接近する方向(図中矢印B方向)にスライド移動すると、ホース12、14のスライドベース24より上流側の部分が拘束部材39により拘束されていることから、スライドベース24上のガイドローラユニット27、29が、コンクリートホース12、14のスライドベース24上の部分に対して相対的に上流側に移動し、固定ベース26上のガイドローラユニット31、32が、コンクリートホース12の固定ベース26上の部分に対して相対的に上流側に移動する。
【0043】
この際、コンクリートホース12、14のスライドベース24上でガイド機構28により湾曲されていた部分は、ガイド機構28より下流側に移動して延びた状態に変化する。また、コンクリートホース12の固定ベース26上でガイド機構30により湾曲されていた部分は、ガイド機構30より下流側に移動して延びた状態に変化する。また、コンクリートホース12、14のスライドベース24よりも下流側の部分は、順次、スライドベース24上のガイド機構28から下流側に押し出される。
【0044】
従って、スライドベース24が図中矢印B方向に移動すると、コンクリートホース12、14のスライドベース24よりも下流側の部分が下流側へ移動し、これにより、コンクリートホース12、14の打設空間S内に挿入された部分が押し下げられて、当該部分が長くなる。
【0045】
ここで、打設装置10を使用した覆工コンクリートの打設方法について説明する。まず、コンクリートホース12、14を、ホース伸縮装置20に配管し、コンクリートホース12、14の先端側を、型枠70の頂部の開口74から打設空間Sに挿入する。この際、図10に実線で示すように、スライドベース24を最も開口74側の位置に配置する。また、図1に示すように、コンクリートホース12、14を、その先端が、打設空間Sの底部の近傍に位置するように配管する。
【0046】
そして、覆工コンクリートの打設を開始し、覆工コンクリートの打ち上がりに合わせて、ホース伸縮装置20によりコンクリートホース12、14を同時に引き上げていく。即ち、覆工コンクリートが所定量(例えば、50cm)打ち上がる毎に、ホース伸縮装置20を作動させて、コンクリートホース12、14を同時に同量(例えば、50cm)ずつ引き上げていく。
【0047】
なお、覆工コンクリートの打設は、コンクリートホース12、14の一方で覆工コンクリートを圧送して打設空間Sの片側に所定量打設し、その後、コンクリートホース12、14の他方で覆工コンクリートを圧送して打設空間Sの反対側に所定量打設するという方法で実施する。また、コンクリートホース12、14を所定量引き上げる度に、不図示の覆工コンクリートの締固め装置(例えば、型枠振動型のバイブレータ)を用いて、覆工コンクリートを締固める工程を実施する。
【0048】
即ち、覆工コンクリートを所定量打設する工程、コンクリートホース12、14を同時に所定量引き上げる工程、及び覆工コンクリートを締固める工程を繰り返し実施する。そして、図12に示すように、覆工コンクリートが打設空間Sの頂部の近傍まで打ち上がると、コンクリートホース12、14を打設空間Sから引抜き、型枠70の頂部のコンクリート注入口76に接続されたコンクリートホース16から打設空間Sの頂部に覆工コンクリートを供給して、覆工コンクリートの吹上げ打設を実施する。
【0049】
以上説明したように、本実施形態に係る打設装置10では、コンクリートホース12、14を、型枠70に形成した開口74から打設空間Sに挿入して垂下させ、このコンクリートホース12、14をホース伸縮装置20により引き上げることにより、覆工コンクリートの打設口の高さを高くする。従って、覆工コンクリートの打ち上がりに応じて適切な高さから覆工コンクリートを打設することができ、覆工コンクリートの品質を向上させることができる。また、型枠70に覆工コンクリートの打設口を複数設けることを要せずに、覆工コンクリートの打設口の高さを変えることができるため、型枠70や打設装置10の構成を簡素化できる。
【0050】
また、本実施形態に係る打設装置10では、コンクリートホース12、14の一部を拘束部材39により拘束し、スライドベース24とその上に配されたガイド機構28とにより、コンクリートホース12、14の先端と拘束部分との間を、その一部が湾曲されて折り返されるように保持して、コンクリートホース12、14の湾曲部分を拘束部分から遠ざかる方向へ移動させることにより、コンクリートホース12、14を引き上げる。
【0051】
ここで、コンクリートホース12、14は、耐圧ホースであり、大きな曲率をもって湾曲させることができないことから、このコンクリートホース12、14をドラムで巻き取ろうとした場合には、大径のドラムを設置することを要する。一方で、ガントリー80の上部は型枠70の頂部に近接して配されており、打設装置のトンネルTの高さ方向及び幅方向についての設置スペースの制約は大きい。
【0052】
これに対して、本実施形態では、コンクリートホース12、14の一部のみを湾曲させて、その他の部分は真っ直ぐ延びるように構成したことにより、コンクリートホース12、14をトンネル軸方向に延ばして設置することができる。従って、打設装置10のトンネルTの高さ方向及び幅方向への大型化を抑制でき、打設装置10の設置スペースの制約に対応することができる。
【0053】
また、本実施形態に係る打設装置10では、コンクリートホース12、14の拘束部分に対して接近及び離間するスライドベース24に、コンクリートホース12、14の湾曲部分を載置し、スライドベース24上に、コンクリートホース12、14の湾曲部分に沿って複数のガイドローラユニット27、29を配して、コンクリートホース12、14をガイドしている。これによって、コンクリートホース12、14の一部を湾曲させた状態を保持して、その湾曲部分を拘束部分に対して接近及び離間させることができる。
【0054】
また、コンクリートホース12、14を、両側からガイドローラで挟む複数のガイドローラユニット27、29でガイドすることにより、コンクリートホース12、14の湾曲部分を安定した状態で保持することができる。
【0055】
また、本実施形態に係る打設装置10では、一対のコンクリートホース12、14を、その一方と他方とが互いに打設空間Sの反対側に垂下されるように設置し、これらをホース伸縮装置20により引き上げる。これにより、コンクリートホースを引き換えることなく、打設空間Sの左右両側に覆工コンクリートを打設することができる。従って、覆工コンクリートの打設作業の作業性を向上させることができる。また、コンクリートホースを引き換えることなく、打設空間Sの左右両側に均等に覆工コンクリートを打設していくことができる。
【0056】
また、本実施形態に係る打設装置10では、コンクリートホース14を、ガイド機構38によりスライドベース24上から平面的に90度かつ上方に向かって方向転換させて開口74に挿入すると共に、コンクリートホース12を、ガイド機構30、36によりスライドベース24上から平面的に270度かつ上方に向かって方向転換させて開口74に挿入するように構成した。これにより、コンクリートホース12とコンクリートホース14とを、開口74の近傍で大きな曲率で湾曲させることなく、互いに打設空間Sの反対側へ送ることができる。従って、コンクリートホース12、14の開口74の近傍の部分を安定した状態で保持することができる。
【0057】
図13は、他の実施形態に係る覆工コンクリート打設装置(以下、打設装置という)100を備えるスライドセントル2を示す正面断面図である。また、図14は、スライドセントル2を示す側断面図である。これらの図に示すように、打設装置100は、トンネル軸方向に並べて配された一対の打設機構200、300を備えている(打設機構300は図14参照)。この打設機構200、300は夫々、コンクリートホース12、14と、ポンプ伸縮装置20とを備えている。また、打設機構200は、コンクリートホース16を備えている。
【0058】
また、打設装置100は、打設機構200、300のコンクリートホース12、14及び打設機構200のコンクリートホース16が接続される分流装置119と、分流装置119と不図示のコンクリート供給ポンプとを接続するコンクリートホース18とを備えている。分流装置119は、コンクリートホース18から供給されたコンクリートを打設機構200、300のコンクリートホース12、14及び打設機構200のコンクリートホース16に分流する。ここで、打設機構200、300のコンクリートホース12、14及び打設機構200のコンクリートホース16の上流側端部が、分流装置119により拘束されている。なお、打設機構200は、打設機構300と分流装置119との間に配されている。
【0059】
型枠70の頂部には、前後一対の開口74が設けられており、分流装置119側の開口74には、打設機構200のコンクリートホース12、14が挿通され、他の開口74には、打設機構300のコンクリートホース12、14が挿通されている。また、型枠70の頂部には、コンクリート注入口76が設けられており、打設機構200のコンクリートホース16が接続されている。
【0060】
また、打設装置100は、コンクリートホース12、14の先端に取付けられた高さ検知装置110を備えている。高さ検知装置110は、コンクリートがコンクリートホース12、14の先端から所定距離の高さまで打ち上げられたことを検知するフロートセンサであり、不図示の制御盤へ検知信号を出力する。
【0061】
図15は、打設装置100を示す平面図である。この図に示すように、打設機構300のホース伸縮機構20は、上述の実施形態に係る打設装置10のホース伸縮機構20と同様に、固定ベース26が分流装置119側(図中左側)に、スライドベース24がその反対側(図中右側)に配されており、打設機構300では、スライドベース24が分流装置119から離れる方向(図中矢印A方向)へ移動すると、コンクリートホース12、14が引き上げられる。一方、打設機構200のホース伸縮機構20は、スライドベース24が分流装置119側に、固定ベース26がその反対側に配されており、打設機構200では、スライドベース24が分流装置119に接近する方向(図中矢印B方向)へ移動すると、コンクリートホース12、14が引き上げられる。
【0062】
打設機構200、300は、夫々、コンクリートホース12、14をホース伸縮装置20から分流装置119まで案内するガイド機構210、310を備えている。ガイド機構210は、ガイドローラユニット212、214、216、218を備えている。また、ガイド機構310は、ガイドローラユニット312、314、316を備えている。
【0063】
図16は、打設機構200を示す平面図であり、図17は、打設機構200を示す側面図である。これらの図に示すように、ガイド機構210は、コンクリートホース12、14を、固定ベース26の外周側で湾曲させながら持ち上げ、そして、チェーン駆動機構40の上側を通過させて分流装置119に到達させる。
【0064】
ガイドローラユニット212、214、216、218は、下段の一対のガイドローラ211Aと、その上に配された上段の一対のガイドローラ211Bと、逆U字状の支持金具211Cとを備えている。ガイドローラ211A、211Bは、不図示のシャフトを介して支持金具211Cに回転可能に支持されている。
【0065】
一対のガイドローラ211Aと一対のガイドローラ211Bとは、共に、コンクリートホース12、14の案内方向に並べて配されており、ガイドローラ211Aとガイドローラ211Bとの間には、コンクリートホース12が挿通され、ガイドローラ211Bと支持金具211Cの上部との間には、コンクリートホース14が挿通されている。
【0066】
ガイドローラユニット212、214、216、218は、下流側から順に配されており、各ユニットのガイドローラ211A、211Bの高さは、上流側へいくにつれて次第に高くなるように設定されている。
【0067】
図18は、打設機構300を示す平面図であり、図19は、打設機構300を示す側面図である。これらの図に示すように、ガイド機構310は、コンクリートホース12、14を、固定ベース16の外周側で湾曲させながら持ち上げ、そして、打設機構200のホース伸縮装置20の側方を通過させて分流装置119に到達させる。
【0068】
ガイドローラユニット312、314、316は、下段の一対のガイドローラ311Aと、その上に配された上段の一対のガイドローラ311Bと、逆U字状の支持金具311Cとを備えている。ガイドローラ311A、311Bは、不図示のシャフトを介して支持金具311Cに回転可能に支持されている。
【0069】
一対のガイドローラ311Aと一対のガイドローラ311Bとは、共に、コンクリートホース12、14の案内方向に並べて配されており、ガイドローラ311Aとガイドローラ311Bとの間には、コンクリートホース12が挿通され、ガイドローラ311Bと支持金具311Cの上部との間には、コンクリートホース14が挿通されている。
【0070】
ガイドローラユニット312、314、316は、下流側から順に配されており、各ユニットのガイドローラ311A、311Bの高さは、上流側へいくにつれて次第に高くなるように設定されている。
【0071】
ここで、打設装置100を使用した覆工コンクリートの打設方法について説明する。まず、打設機構200、300の夫々のホース伸縮装置20にコンクリートホース12、14を配管し、夫々に対応する開口74から打設空間Sにコンクリートホース12、14の先端側を挿入する。この際、図15に実線で示すように、打設機構200、300のスライドベース24を最も開口74側の位置に配置する。また、図13に示すように、コンクリートホース12、14を、その先端が、打設空間Sの底部の近傍に位置するように配管する。
【0072】
そして、覆工コンクリートの打設を開始し、覆工コンクリートの打ち上がりに合わせて、打設機構200、300のホース伸縮装置20により、打設機構200、300のコンクリートホース12、14を引き上げていく。即ち、覆工コンクリートが所定量(例えば、50cm)打ち上がる毎に、打設機構200、300のホース伸縮装置20を作動させて、打設機構200、300のコンクリートホース12、14を同量(例えば、50cm)ずつ引き上げていく。
【0073】
なお、覆工コンクリートの打設は、打設空間Sの左右の一方側に挿入されたコンクリートホース12、14で覆工コンクリートを圧送して打設空間Sの左右の一方側に所定量打設し、その後、打設空間Sの左右の他方側に挿入されたコンクリートホース12、14で覆工コンクリートを圧送して打設空間Sの左右の他方側に所定量打設するという方法で実施する。ただし、打設機構200による覆工コンクリートの打設高さと打設機構300による覆工コンクリートの打設高さとに著しい差が生じないようにすればよく、これらが同調するように、打設機構200、300による覆工コンクリートの打設を行うことは必須ではない。また、コンクリートホース12、14を所定量引き上げる度に、不図示の覆工コンクリートの締固め装置(例えば、型枠振動型のバイブレータ)を用いて、覆工コンクリートを締固める工程を実施する。
【0074】
即ち、覆工コンクリートを所定量打設する工程、打設機構200、300のコンクリートホース12、14を同時に所定量引き上げる工程、及び覆工コンクリートを締固める工程を繰り返し実施する。そして、覆工コンクリートが打設空間Sの頂部の近傍まで打ち上がると、打設機構200、300のコンクリートホース12、14を打設空間Sから引抜き、型枠70の頂部のコンクリート注入口76に接続された打設機構200のコンクリートホース16から打設空間Sの頂部に覆工コンクリートを供給して、覆工コンクリートの吹上げ打設を実施する。
【0075】
以上説明したように本実施形態に係る打設装置100では、一対の打設機構200、300をトンネル軸方向に並べて設け、トンネルTの軸方向に離れた2箇所で覆工コンクリートを打設する。これにより、覆工コンクリートの品質を向上させることができる。
【0076】
なお、上述の実施形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定するものではない。本発明はその趣旨を逸脱することなく、変更、改良され得ると共に本発明にはその等価物が含まれることは勿論である。
【0077】
例えば、上述の実施形態では、コンクリートホース12、14を同時に引き上げるようにホース伸縮装置20を構成したが、必須ではなく、別々に引き上げてもよい。また、コンクリートホース12、14をホース伸縮装置20で引き上げるように構成したが、例えば、コンクリートホース12を引き上げるホース引き上げ機構とコンクリートホース14を引き上げるホース引き上げ機構とを別々に設ける等してもよい。また、ホース伸縮装置20において、コンクリートホース12、14を180度折り返したが、コンクリートホース12、14の湾曲部分を移動させることによりコンクリートホース12、14が引き上げられるように構成されていればよく、そのためには、コンクリートホース12、14が平面視で90度以上折り返されていればよい。
【符号の説明】
【0078】
1、2 スライドセントル、10 覆工コンクリート打設装置、12、14、16、18 ホース、19 分流装置(拘束部)、20 ホース伸縮装置(ホース引き上げ機構)、22 レール、24 スライドベース、25 取付金具、26 固定ベース、27 ガイドローラユニット、27A、27B ガイドローラ、28 ガイド機構、29 ガイドローラユニット、29A、29B ガイドローラ、30 ガイド機構、31 ガイドローラユニット、31A ガイドローラ、32 ガイドローラユニット、32A ガイドローラ、34 プレート、35 L字アングル、36 ガイド機構、36A〜C ガイドローラ、38 ガイド機構、38A〜C ガイドローラ、39 拘束部材(拘束部)、40 チェーン駆動機構、42 スプロケット、44 テンションスプロケット、46 ローラチェーン、46A アタッチメント付きチェーン、48 駆動モータ、70 型枠(コンクリート打設型枠)、71 枠体、72 スキンプレート、74 開口、76 コンクリート注入口、80 ガントリー、82、84 ジャッキ、86 車輪、100 覆工コンクリート打設装置、119 分流装置(固定部)、200 打設機構、210 ガイド機構、211A、211B ガイドローラ、211C 支持金具、212、214、216、218 ガイドローラユニット、300 打設機構、310 ガイド機構、311A、311B ガイドローラ、311C 支持金具、312、314、316 ガイドローラユニット、S 打設空間、T トンネル

【特許請求の範囲】
【請求項1】
型枠によりトンネル内面に沿って形成される覆工コンクリートの打設空間に覆工コンクリートを打設する覆工コンクリート打設装置であって、
前記型枠に形成された開口から前記打設空間に挿入されて垂下され、前記打設空間に覆工コンクリートを供給するホースと、
前記ホースを引き上げるホース引き上げ機構と、
を備える覆工コンクリート打設装置。
【請求項2】
前記ホース引き上げ機構は、
前記ホースの一部を拘束する拘束部と、
前記ホースの先端と前記拘束部による拘束部分との間を、その一部が湾曲されることで折り返されるように保持し、前記ホースの湾曲部分を前記拘束部分から遠ざかる方向へ移動させる移動部と、
を備える請求項1に記載の覆工コンクリート打設装置。
【請求項3】
前記移動部は、
前記ホースの拘束部分に対して接近及び離間可能に設けられ、前記ホースの湾曲部分が載置される移動台と、
前記移動台上に、前記ホースの湾曲部分に沿って配されて当該部分をガイドする複数のホースガイドと、
を備える請求項2に記載の覆工コンクリート打設装置。
【請求項4】
前記ホースを対で備え、その一方と他方とが互いに前記打設空間の反対側に垂下され、共に前記ホース引き上げ機構により引き上げられる請求項1から請求項3までの何れか1項に記載の覆工コンクリート打設装置。
【請求項5】
型枠によりトンネル内面に沿って形成される覆工コンクリートの打設空間に覆工コンクリートを打設する覆工コンクリート打設方法であって、
ホースを、前記型枠に形成した開口から前記打設空間に挿入して垂下させ、前記ホースにより前記打設空間に覆工コンクリートを供給し、前記打設空間での覆工コンクリートの打ち上がりに応じて、前記ホースを引き上げる覆工コンクリート打設方法。
【請求項6】
前記ホースの一部を拘束し、前記ホースの先端と前記拘束部による拘束部分との間を、その一部が湾曲されることで折り返されるように保持し、前記ホースの湾曲部分を前記拘束部分から遠ざかる方向へ移動させることにより、前記ホースを引き上げる請求項5に記載の覆工コンクリート打設方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【公開番号】特開2012−255282(P2012−255282A)
【公開日】平成24年12月27日(2012.12.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−128499(P2011−128499)
【出願日】平成23年6月8日(2011.6.8)
【出願人】(000000549)株式会社大林組 (1,758)
【出願人】(310005294)北陸鋼産株式会社 (2)
【Fターム(参考)】