説明

覆蓋の接合構造

【課題】 覆蓋上の雨水や薬液が覆蓋同士の隙間から流入してしまうことを確実に阻止し得るとともに、蓋の脱着が移動が容易な覆蓋の接合構造を提供する。
【解決手段】 第1の覆蓋3の第2覆蓋側の左右側縁には前後方向ほぼ全長に亘る第1の突堤部が上方突出状に設けられ、第2の覆蓋の第1覆蓋側の左右側縁には前後方向ほぼ全長に亘る第2の突堤部31が上方突出状に設けられ、第1の突堤部31と第2の突堤部32とがカバー部材33で前後方向ほぼ全長に亘って上方から覆われて、該カバー部材33を介して第1及び第2の突堤部31,32が一体的に連結されており、さらに、第1の覆蓋3及びは第2の覆蓋4に、第1の覆蓋3に対する第2の覆蓋4の下方移動を阻止するように第2の覆蓋4を支持する支持部材35を備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、下水処理施設に設置される汚水槽や汚水路、若しくは、上水処理施設に設置される浄化槽や上水路などを覆うために架設される覆蓋の接合構造に関する。
【背景技術】
【0002】
この種従来の覆蓋の接合構造として、特開2001−311210号公報記載のものがある。この従来の接合構造では、隣接する覆蓋の左右側縁同士が付き合わされ、隣接する一方の覆蓋には、他方の覆蓋の天板の側縁を下方側から支持する支持部が設けられ、該支持部は天板の前後方向全長に亘って設けられ、支持部と他方の覆蓋の天板との間にはシール部材が設けられ、該シール部材は天板の前後方向全長に亘って設けられている。そして、かかる構成により、一方の覆蓋の支持部に設けたシール部材を隣接した覆蓋の天板の下面で密接させ、充分なシール効果が得られるとともに、隣接する覆蓋の天板同士が横方向にわずかにずれた場合でも隙間が生じず、シール効果が維持されるという作用効果を奏するものである。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところで、上水処理施設の水槽乃至水路を複数の覆蓋で覆う場合、水の汚染を防止するために覆蓋同士の間の隙間からの雨水の流入をより確実に防止する必要があり、さらに、近年、薬液を水槽内に投入しようとするいたずら行為を阻止する必要も生じている。しかし、上記従来の接合構造によれば、覆蓋が静置されている場合にはシール性は確保されているが、例えば、下側となる一方の覆蓋(支持部を有する覆蓋)の上に人が乗るなどして該覆蓋に荷重が掛かる場合には、該覆蓋が下方に湾曲変形して隣接する他の覆蓋との間で隙間が発生し、この隙間から雨水や薬液が流入するおそれがある。
【0004】
例えば図22や図23に示すように、覆蓋100の左右側縁に上方に突出する凸部101(突堤部)を設けるとともに、隣接する覆蓋100の双方の凸部101を上方から断面コ字状のカバー部材102で覆い、該カバー部材102により両覆蓋同士の間の隙間からの雨水等の流入を防止することも考えられるが、かかる構成によれば、蓋100同士が互いにカバー部材102によって連結されるものとなるので、点検等の際に必要箇所の覆蓋のみを簡単に脱着したり、覆蓋全体を移動する事等が困難となるし、一方の覆蓋上に人が載った時などにおいて、カバー部材102のみで荷重を支持できず、蓋間の隙間が生じて雨水等が流入するおそれがある。
【0005】
そこで、本発明は、覆蓋上の雨水や薬液が覆蓋同士の隙間から流入してしまうことを確実に阻止し得るとともに、蓋の脱着が移動が容易な覆蓋の接合構造を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、上記目的を達成するために、次の技術的手段を講じた。
【0007】
(第1発明:請求項1〜4)
また、本発明は、前後に離間する蓋受け部間に架設され且つ互いに左右に隣接する第1及び第2の覆蓋同士の接合構造において、第1の覆蓋の第2覆蓋側の左右側縁には前後方向ほぼ全長に亘る第1の突堤部が上方突出状に設けられ、第2の覆蓋の第1覆蓋側の左右側縁には前後方向ほぼ全長に亘る第2の突堤部が上方突出状に設けられ、第1の突堤部と第2の突堤部とがカバー部材で前後方向ほぼ全長に亘って上方から覆われて、該カバー部材を介して第1及び第2の突堤部が一体的に連結されており、さらに、第1の覆蓋及び/又は第2の覆蓋に、第1の覆蓋に対する第2の覆蓋の下方移動を阻止するように第2の覆蓋を支持する支持部を備えていることを特徴とする覆蓋の接合構造である。これによれば、第1及び第2の覆蓋共に、左右側縁に突堤部が設けられていることにより、雨水等は突
堤部により堰き止められ、覆蓋間の隙間に雨水等が流入することを防止できる。さらに、上記カバー部材を設けているので、覆蓋間の隙間は隠蔽され、より一層のシール性の向上が図られる。
【0008】
上記カバー部材は第1の覆蓋にボルト・ナット等の締結部材によって固定することができる。これによれば、該カバー部材が第2の突堤部に上方から係合することによって第2の覆蓋に対する第1の覆蓋の下方移動を阻止することができる。加えて、上記支持部を設けることによって、第1の覆蓋と第2の覆蓋のいずれの上に人が載っても蓋間に隙間が生じることがなく、両覆蓋を一体的に接合することが可能となる。
【0009】
上記第2の覆蓋を支持する支持部は、第1の覆蓋に取り付けられ且つ第2の覆蓋の下面に係合する第5のシール部材からなるものであってよい。該シール部材は、第1の覆蓋の前後方向ほぼ全長に亘る長尺状であって、第1及び第2の覆蓋間の隙間を下方から覆うものとすることができる。これによれば、第5のシール部材により覆蓋間のシール性の向上と第2の覆蓋の支持とを図ることができる。
【0010】
また、第2の突堤部を、第1の覆蓋側に向けて左右外方に突出させて、該突出部分を第1の覆蓋に上方から係合させ、該第2の突堤部を、第2の覆蓋を支持する支持部として機能させることが可能である。これによれば、構成部材数の削減を図りつつも、覆蓋間の隙間への雨水等の流入阻止と、覆蓋同士の一体的接続構造とを得ることが可能である。
【0011】
(第2発明:請求項5,6)
また、本発明は、前後に離間する蓋受け部間に架設され且つ互いに左右に隣接する第1及び第2の覆蓋同士の接合構造において、第1の覆蓋の第2覆蓋側の左右側縁には前後方向ほぼ全長に亘る第1の突堤部が上方突出状に設けられ、第2の覆蓋の第1覆蓋側の左右側縁には前後方向ほぼ全長に亘る第2の突堤部が上方突出状に設けられ、第1の突堤部の左右外側縁は、左右内方に窪む凹部と左右外方に突出する凸部とが前後方向に交互に設けられた凹凸構造を呈し、第2の突堤部の左右外側縁は、第1の突堤部の左右外側縁と相補の凹凸構造を呈し、これら第1及び第2の突堤部同士が凹凸嵌合され、第1及び第2の突堤部の凸部によって第1及び第2の覆蓋間の隙間が上方から覆われており、第1の覆蓋の凸部は第2の覆蓋に上方から係合し、第2の覆蓋の凸部は第1の覆蓋に上方から係合していることを特徴とする覆蓋の接合構造である。これによれば、第1及び第2の覆蓋共に、左右側縁に突堤部が設けられていることにより、雨水等は突堤部により堰き止められ、覆蓋間の隙間に雨水等が流入することを防止できる。さらに、各突堤部を互いに相補の凹凸構造としてこれらを嵌合させることにより覆蓋間の隙間をなくし、一層のシール性の向上を図ることができる。また、各突堤部の凸部を、他方の覆蓋の上面に係合させることで、両覆蓋を一体的に接合され、第1の覆蓋と第2の覆蓋のいずれの上に人が載っても蓋間に隙間が生じることがない。
【0012】
また、第1の突堤部と第2の突堤部とがカバー部材で前後方向ほぼ全長に亘って上方から覆われて、該カバー部材を介して第1及び第2の突堤部が一体的に連結されているものとすることができる。これによれば、覆蓋間のより一層のシール性の向上を図ることができる。
【0013】
なお、覆蓋を構成する繊維強化熱硬化性樹脂発泡体における発泡樹脂の種類としては、例えば、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、ビニルエステル樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、フェノール樹脂等の熱硬化性樹脂であって硬質のものが好適に使用される。なお、発泡樹脂中に、圧縮強度の向上や低コスト化を図るために、炭酸カルシウム、石膏、タルク、水酸化アルミニウム、クレー等の無機充填材や、シラスバルーン、パーライト、ガラスバルーン等の軽量骨材が添加されていてもよい。
【0014】
また、発泡体を補強する繊維としては、例えば、ガラス繊維、炭素繊維、金属繊維等の無機質繊維、天然繊維、合成繊維等の有機質繊維のいずれであってもよいが、強度や経済性の面からガラス繊維が適している。ガラス繊維としては、ガラスロービング、ガラスロービングクロス、ガラスマット、コンティニュアスストランドマット等の形態のものが挙げられる。この繊維は単独で使用してもよいし、二層以上積層してもよく、また、長繊維と短繊維を混ぜて使用してもよい。なお、ガラス長繊維を前後方向に引き揃えて補強繊維とした、ガラス長繊維強化硬質ウレタン発泡体(例えば、積水化学工業株式会社製、商品名「エスロンネオランバーFFU」など)を採用するのが、軽量化、耐久性および加工性の確保のために最も好ましい。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、覆蓋上の雨水や薬液が覆蓋同士の隙間から流入してしまうことを確実に阻止し得るとともに、蓋の脱着が移動が容易な覆蓋の接合構造として作業効率の向上等を図ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1並びに図4(a)は、本発明の第1実施形態に係る覆蓋の接合構造を示している。本実施形態において、上水処理施設や下水処理施設等に設けられる水槽若しくは水路1が前後に離間するコンクリート躯体2によって形成されており、前後の両躯体2が蓋受け部となる。なお、大規模な貯水池や浄水槽などにおいては、左右方向に伸びるH形鋼等を前後方向に複数並設して、この鋼材を蓋受け部として利用することも可能である。その他、蓋受け部は適宜の構成とすることができる。
【0017】
前後に離間する蓋受け部2間には、左右方向に複数の覆蓋3,4が隣接配置された状態で架設されている。本実施形態では、下側に配置される第1の覆蓋3と、この第1の覆蓋3の上に載置される第2の覆蓋4とが左右方向に交互に配置されている。各覆蓋3の前後方向幅は、前後の蓋受け部2の間隔よりも若干大きく、各覆蓋3の前後端部が蓋受け部2上に設置可能となっている。各覆蓋3の左右幅は適宜のものであってよく、第1の覆蓋3の左右幅と第2の覆蓋4の左右幅とが同一であっても異なっていてもよい。
【0018】
第1の覆蓋3は、図2(a)にも示すように、平面視長方形状で且つ前後方向中央が上方に湾曲するアーチ状の面板5によって主構成されており、この面板5の左右両側縁には、上方に突出する第1の凸部6が前後方向ほぼ全長に亘って設けられていて、これにより第1の覆蓋3の断面形状は全体として略凹形を呈している。凸部6は面板5と一体成形されていてもよいが、面板5とは別体に成形された角材を面板5に前後方向全長にわたり接着接合することもできる。この凸部6は、雨水等を堰き止める突堤(堰)として機能するのみならず、面板5の曲げ剛性を向上するための補強梁としても機能するものである。この凸部6の突出高さは、雨水等が蓋間に浸入しない程度であればよい。凸部5,6の高さが高くなると第1及び第2の覆蓋のそれぞれの面板5間の上下幅が大きくなり、特に前後側縁部におけるシール性に問題が生じ易くなるため、各凸部5,6の突出高さはシール性を最優先に考慮して決定することが好ましい。各覆蓋3,4の剛性が不足する場合には、図4(b)に示すように、前後方向全長に亘る補強梁9を面板5の左右方向中途部(例えば左右中央)に設けることができる。これらの面板5を含む覆蓋の構造は、後述する全ての実施形態にも適用可能なものである。
【0019】
第2の覆蓋4は、図2(b)にも示すように、平面視長方形状で且つ前後方向中央が上方に湾曲するアーチ状の面板5によって主構成されており、この面板5の左右両側縁には、下方に突出する第2の凸部7が前後方向ほぼ全長に亘って設けられていて、これにより第2の覆蓋4の断面形状は全体として下に向けて略凹形を呈している。凸部7は面板5に一体成形されていてもよいが、面板5とは別体に成形された角材を面板5に前後方向全長にわたり接着接合することもできる。第2の凸部7の下方への突出長さは、第1の凸部6の上方への突出長さとほぼ等しい。
尚、第2の覆蓋4の長手方向の両端部には、図2の(c)に示す凸部7’を設けておき、第1の覆蓋3にかぶさって、防臭性を確保することもできる。
【0020】
第2の凸部7は、第1の凸部6の内側方で第1の覆蓋3上に配設されており、第1の凸部6の内側面と第2の凸部7の内側面とが対向している。なお、図4(b)に示すように、第1の凸部6と第2の凸部7との間に、ゴム製等のシール部材10を設けることで、より一層のシール性の向上と防臭性の向上とを図ることができる。また、各凸部6,7は、面板5と同じ曲率でアーチ状に湾曲している。面板5の上面は、上記凸部6,7以外の突出部位が存在せず、なだらかなアーチ状の曲面となされている。したがって、第1の覆蓋3と第2の覆蓋4とは、図1に示す状態から互いの重複範囲を増大する方向に相対的に左右に移動可能である。したがって、メンテナンス時などに水路1上を開放しようとするときは、並列配置された覆蓋を一端側に引き寄せるか、中央部より両側に引き寄せるか、または、第1及び第2の覆蓋3,4の各凸部6,7の係合を1カ所取り外し、その覆蓋を左右側方へスライドさせていくことにより、容易かつ迅速に広い開口を設けることができるとともに、作業完了後はその覆蓋を元に戻す方向にスライドさせることにより水路1上を密閉することが可能である。また、上記覆蓋4の凸部7の係合部は回動可能とされていてもよい。
【0021】
また、本実施形態によれば、上に凹の第1の覆蓋3と下に凹の第2の覆蓋4とを互いに組み合わせた構造とすることにより、隣り合う蓋同士が一体化し、着脱が容易でありながら蓋間に隙間の発生がなく、雨水や薬液等の水槽1内への混入を防止することができるとともに、防臭性を向上することができる。
【0022】
面板5の前後方向の断面形状は、図3(a)に示すアーチ状の他、図3(b)に示すような山形であってもよく、また、図3(c)に示すように前後方向一方側に向けて傾斜する片流れ形状であってもよい。これらのように覆蓋の上面を前後方向に傾斜させることで、上面の雨水等を前後方向外方に円滑に排水させることができる。前後外方に排水した雨水等が水槽1内に流入しないように、図3の各図に示すように、面板5の前後端部の近傍に左右幅全長に亘る脚部8を設け、この脚部8を蓋受け部2上に液密状に設置することが好ましい。脚部8は、ゴムなどの弾性体により構成してもよく、FRP材やFFU材等によって構成することも可能である。
【0023】
なお、各覆蓋3,4は、上記のように面板5によって主構成されたものの他、箱型の上面が平坦な構造であっても構わず、その他、適宜の構造とすることができる。
【0024】
また、図4(c)の変形実施例に示すように、各凸部6,7の突出側側縁に、左右方向内方に向けて係合部11を突設しておき、第1の覆蓋3上に第2の覆蓋4を配置した後、両覆蓋3,4を左右に引き延ばすことにより両覆蓋3,4の左右側縁同士を凹凸嵌合させることもできる。この実施例においては、第1の凸部6の内側部が、上記係合部11が前後方向全長にわたって設けられることにより左右方向に沿う切断面において凹凸構造を呈しており、同様に、第2の凸部7の内側部は、第1の凸部6の内側部に対して相補の凹凸構造を呈しているものである。かかる構成によれば、第1及び第2の覆蓋3,4の接合部が一体化しており、どちらの蓋に荷重が載荷されても、蓋同士の上下方向の隙間が広がらず、雨水等の浸入をより確実に防止できる。
【0025】
また、本発明の接合構造においては、図6に示す第2実施形態のように、蓋受け部2の上面に、上方開口コ字状の枠部12(ベース鋼材など)を左右方向に沿って設けることができる。この枠部12は、水槽1の上方を覆うべき領域の左右幅全長に亘って形成することが好ましいが、一部にのみ設けることも可能である。また、枠部12の前後内側の上方突出片12aの突出高さは、前後外側の上方突出片12bの突出高さよりも低くすることが好ましい。この枠部12は、鋼材やFRP引抜材等の適宜の部材によって構成できる。
【0026】
一方、各覆蓋3,4の前後側縁には、下方に突出する脚部8を左右方向ほぼ全長に亘って設けることができる。なお、下側となる覆蓋3の脚部8の高さよりも、上側となる覆蓋4の脚部8の高さの方が高くなるように設定することが好ましい。
【0027】
そして、各覆蓋3,4の脚部を、上記枠部12内に左右方向移動可能に配置することができる。下側となる第1の覆蓋3の脚部8は、上側となる第2の覆蓋4の脚部8よりも前後方向内方に配置することができる。また、各覆蓋3,4の左右方向の摺動抵抗を低減したりシール性を確保する等のために、枠部12の底面に低摩擦シートやゴム製等のシール板等のシート状部材14を貼付することも可能である。さらに、全ての覆蓋の設置が完了した後、不慮に覆蓋が左右方向にスライドすることを防止するために、図5に示すように覆蓋3,4を上方から押さえる固定部材15を枠部12に設けることができる。この固定部材15は、上側となる第2の覆蓋4のみに設けてもよく、下側となる第1の覆蓋3のみに設けてもよい。しかし、風等で覆蓋が飛散するのを防止する為には、少なくとも上方に配置される第2の覆蓋4を固定しておけばよい。
【0028】
また、枠部12は、好ましくは左右方向外方に移行するに従って徐々に下方に傾斜させるのがよい。また、枠部12の左右外端部は、適宜の排水路に接続することが好ましい。
【0029】
本実施形態によれば、各覆蓋3,4の上面は、雨水等を枠部12内へ流出させるように傾斜面とされており、枠部12が、覆蓋3,4の上面から流出された雨水等の排水路として機能するので、より確実に雨水等を排水して、水槽1内への雨水等の流入を防止できる。また、覆蓋同士の接合部の断面形状及びシール部材の配置例は、図5の(d)乃至(g)に示したものでもよい。
【0030】
上記第1及び第2の凸部6,7の構造は、上記実施例に限定されるものではなく、図7に示す第3実施形態のように、左右方向に沿う切断面において全体として略コ字状のシール部材16,17を第1及び第2の覆蓋の面板5の左右側縁にそれぞれ取付けることによって各凸部6,7を形成しても良い。また、図8に示す第4実施形態のように、第1の覆蓋3の左右側縁の上面にシール部材を接着することにより第1の凸部6を形成し、第2の覆蓋4の左右側縁の下面にシール部材を接着することにより第2の凸部7を形成することもできる。
【0031】
これら第3及び第4実施形態では、いずれも、第1の凸部6の内側面が左右方向に沿う切断面において凹凸構造を呈し、第2の凸部7の内側面は、第1の凸部6の内側面に対して相補の凹凸構造を呈し、第1及び第2の凸部6,7の内側面同士が凹凸嵌合している。
【0032】
以上の各実施形態によれば、隣接配置される2枚の蓋が一体化し、防臭性並びに防液性を確保できるとともに、蓋の着脱も左右方向にスライドさせるのみで容易かつ迅速に行うことができる。さらに、凹凸嵌合構造とすることによって、蓋間に上下方向の隙間が発生することがなく、雨水や薬液等の槽内への混入を確実に防止できる。
【0033】
図9〜図16は、本願の請求項6〜11に対応する各実施例構造の要部を示しており、全体構成については覆蓋同士に上記実施形態のような上下関係が存在しない点を除いて上記実施形態とほぼ同様であるので詳細説明を省略し、各実施例の特徴部分について以下詳細に説明する。
【0034】
図9に示す本発明の第5実施形態においては、第1の覆蓋3の左右両側縁に、前後方向ほぼ全長に亘る長尺の接合部20が設けられている。この接合部20は、第1の覆蓋3の上面から上方に突出する基部21と、該基部21の上端から左右外方に延出されて第2の覆蓋4の左右一側縁を上方から覆う張出部22とを備えている。この張出部22の左右外側縁は下方に屈曲されており、該屈曲部22aの内部にゴム製等のシールパッキンからなるシール部材23(第2のシール部材)が設けられている。このシール部材23は、覆蓋4の前後方向ほぼ全長に亘る長尺状であって、張出部22の下面と第2覆蓋4の面板5の上面との間を前後方向全長にわたって液密状に一次シールする。
【0035】
また、張出部22の先端屈曲部22aの下端は、第2覆蓋4の面板5の上面に近接しており、第1覆蓋3が第2覆蓋4に対して下方に移動しようとすると張出部22の先端が第2覆蓋4に上方から係合して、第1覆蓋3の下方移動を阻止するように構成されている。
【0036】
さらに、第2覆蓋4には、第1覆蓋3に対する第2覆蓋4の下方移動を阻止するように第2覆蓋を支持する支持部として機能するシール部材24(第1のシール部材)が設けられている。該シール部材24は、第2覆蓋4の面板5の左右側縁の上面に接着固定された前後方向に長尺の板材からなり、該シール部材24は第2覆蓋4の面板5の左右側縁から左右外方に突出して、該突出部の下面が第1覆蓋3の面板5の左右側縁の上面に係合する。シール部材24は、第2の覆蓋4の面板5の前後方向ほぼ全長にわたる長尺状とすることが好ましく、かかるシール部材24によって、第1及び第2の覆蓋3,4の面板5間の隙間を前後方向全長にわたって上方から覆い、該隙間を二次シールすることができる。
【0037】
上記張出部22は、上記シール部材24からなる凸状シール材を左右に跨ぐ凸状カバー部として機能し、即ち、シール部材24は張出部22によって上方から覆われた構造となる。これにより、雨水等が直接シール部材24近傍に飛散することがなく、上記張出部22の先端と第2覆蓋3との間の一次シール部を透過した雨水等のみがシール部材24近傍に流入する。
【0038】
第2覆蓋4の面板5の左右側縁の下面には、第1覆蓋3の面板5の左右側縁の下面に係合するシール部材25(第3のシール部材)がさらに取付けられている。該シール部材25は、第2の覆蓋4の前後方向ほぼ全長に亘る長尺状の板材からなり、第1及び第2の覆蓋3,4の面板5間の隙間を前後方向全長にわたって下方から覆うことにより、該隙間を三次シールしている。
【0039】
なお、第2覆蓋4に取付けられた上面側のシール部材24と下面側のシール部材25とは、左右外方への張り出し長さが異なっており、下面側のシール部材25の方が、上面側のシール部材24よりも左右外方に大きく突出している。かかる構成により、蓋を設置する際には、まず第2覆蓋4を蓋受け部間に架設し、第1覆蓋3の面板5の左右側縁部が第2覆蓋4の下面側のシール部材25上に載るように第1覆蓋3を設置した後、両覆蓋3,4を近接させるように蓋を押し込むことにより、第9図に示す接合構造が容易に得られるようになっている。
【0040】
上記第5実施形態によれば、3重のシール構造によって蓋間から槽内に雨水等が流入することを確実に防止できるとともに、第1及び第2の覆蓋3,4の左右側縁同士が相互に上下に係合しているため、いずれの蓋の上に荷重が掛かっても蓋間に隙間が生じることがなく、防液性並びに防臭性を確保できる。さらに、第1の覆蓋3上の雨水等は、接合部20の基部21によって堰き止められ、蓋間に流入することが無い。なお、上記実施形態の嵌合構造は、第1及び第2覆蓋3,4間に若干の上下方向のがたつきを有していてもよい。がたつきがあっても、いずれかのシール部材によって両蓋間が密封され、雨水等の流入を防止することができる。
【0041】
図10は本発明の第6実施形態を示し、上記第5実施形態と同様の構成については同符号を付して詳細説明を省略し、異なる構成、作用効果について説明する。
【0042】
本実施形態では、断面略エ字形のシール部材によって、接合部20並びに第2の覆蓋4を支持する硬質の支持部24が構成されているとともに、接合部20の張出部22自体に弾性シール部22bを形成することで張出部22と第2の覆蓋4との間をシールし、別体のシール部材を省いた構成としている。
【0043】
即ち、本実施形態の接合部20は、断面略エ字状のシール部材からなり、左右一方(図示例では右側)の開口溝部20aが第1覆蓋3の面板5の左右側縁に嵌着されており、この嵌着部位の上部側は第1覆蓋3の面板5の上面から上方に突出する基部21を構成する。
【0044】
また、接合部の他方の開口溝部20bを形成する上部片は、基部21から左右外方に張り出す張出部22を構成し、下部片は第2覆蓋4の面板5の左右側縁の下面に係合する支持部24を構成する。張出部22の下面には、左右方向に3列のシールリップ22b(弾性シール部)が一体形成されており、張出部22と第2覆蓋4の面板5の上面との間を前後方向全長に亘って液密状にシールするようになっているとともに、張出部22を第2覆蓋4に上方から係合させることで第2覆蓋4に対する第1覆蓋3の下方移動を阻止するようになっている。
【0045】
図示実施例においては、張出部22と支持部24の左右外方への張り出し長さが異なり、張出部22の方が大きく突出されているが、支持部24の方を左右外方に大きく突出させてもよく、突出量が同じであってもよい。
【0046】
上記第6実施形態によれば、構成部材数の削減を図りつつも、両蓋3,4の一体的嵌合構造が得られ、防液性と防臭性とが得られるとともに、蓋間への雨水等の流入を防止できる。
【0047】
図11は本発明の第7実施形態を示しており、上記第6実施形態と同様の構成については同符号を付して詳細説明を省略し、異なる構成、作用効果について説明する。
【0048】
本実施形態では、断面略エ字状のシール部材20をすべて硬質に構成するとともに、張出部22の構造を上記第5実施形態のものと同様のものとして、この張出部22の下面と第2覆蓋4の面板5の上面との間の隙間を液密状にシールする別体のシール部材23(第2のシール部材)を配設したものである。なお、該シール部材23は、両蓋の接合前に予め第2覆蓋4の面板5の左右側縁の上面に接着固定されている。
【0049】
図12は本発明の第8実施形態を示しており、上記第7実施形態と同様の構成については同符号を付して詳細説明を省略し、異なる構成、作用効果について説明する。
【0050】
本実施形態においては、接合部20は、第1覆蓋3の面板5の左右側縁に嵌着される断面コ字状の取付部20Aを備えており、該取付部20Aの上部の左右内側縁から基部21並びに張出部22が連設されている。
【0051】
また、第2の覆蓋4を支持する支持部24(シール部材)は、接合部20とは別体に設けられ、第2の覆蓋4側に取付固定されている。この支持部24は、第2覆蓋4の面板5の左右側縁に嵌着される断面コ字状の取付部24Aと、該取付部24Aの左右外側縁の上端から左右外方に張り出す張出部24Bとを一体に備えており、該張出部24Bが、第1覆蓋3に取付けられた接合部20の取付部24上面に上方から係合することで、間接的に第1覆蓋3の面板5に上方から係合している。
【0052】
また、支持部24の取付部24Aの上面には、前後方向全長に亘る溝部24aが形成されており、該溝部24a内に、張出部22と第2覆蓋4との間をシールするシール部材23が取付保持されている。
【0053】
図13は本発明の第9実施形態を示しており、上記第8実施形態と同様の構成については同符号を付して詳細説明を省略し、異なる構成、作用効果について説明する。
【0054】
本実施形態では、溝部24aが張出部24Bの上部に形成され、該張出部24B上にシール部材23が取付保持されている。また、接合部20の張出部22の先端は、支持部24の取付部24Aに上方から係合するようになっており、該支持部24を介して間接的に張出部22が第2覆蓋4に上方から係合する。
【0055】
また、図14に示す第10実施形態では、接合部20の張出部22の先端屈曲部22aにも、張出部22と第2覆蓋4との間をシールするシール部材23’(第2のシール部材)が取付保持されており、該シール部材23’が第2覆蓋4側の支持部24の取付部24Aに前後方向全長にわたり密着することで、より確実な防液性と防臭性とが得られる。
【0056】
図15に示す第11実施形態は、上記第10実施形態の張出部24B上のシール部材を省いたものであり、その他の構成は同様であるので同符号を付して詳細説明を省略する。
【0057】
図16は、本発明の第12実施形態を示し、図10に示した上記第6実施形態の変形実施例である。即ち、第2覆蓋4の面板5の左右側縁にも断面コ字状の前後方向に長尺のシール部材28(第4のシール部材)を前後方向ほぼ全長に亘って取付けることで、第2覆蓋4の左右側縁にも堰乃至突堤となる凸部28aを形成してある。このシール部材28は、接合部20の張出部22と支持部24との間に嵌め込むことができ、張出部22の下面のシールリップ22b並びに先端屈曲部22aをシール部材28の上面に密着させるとともに、支持部24をシール部材28の下面に密着させることができる。
【0058】
なお、上記各シール部材、接合部並びに支持部は、ゴム製のほか、PVC材、FRP引き抜き材や、アルミニウム材等によって製作することができる。
【0059】
図17及び図18は、各実施例構造の要部を示しており、全体構成については上記実施形態とほぼ同様であるので詳細説明を省略し、各実施例の特徴部分について以下詳細に説明する。
【0060】
図17に示す本発明の第13実施形態の接合構造では、第1覆蓋3の面板5の左右両側縁の上面には前後方向ほぼ全長に亘る第1の突堤部31(凸部)が上方突出状に設けられ、同様に、第2覆蓋4の面板5の左右両側縁の上面には前後方向ほぼ全長に亘る第2の突堤部32が上方突出状に設けられている。各突堤部31,32の断面形状は台形状であって、左右内側面が斜め上方に向く傾斜面とされ、左右外側面は面板5の左右端面にほぼ面一な鉛直面となされている。
【0061】
第1の突堤部31と第2の突堤部32とは、覆蓋の前後方向全長に亘る長尺の鋼材であって断面傘状のカバー部材33によって前後方向ほぼ全長に亘って上方から覆われて、該カバー部材33を介して第1及び第2の突堤部31,32が一体的に連結されている。カバー部材33は、第1の覆蓋3にボルト・ナット等の締結金具34によって固定されている。このように第1覆蓋3側に取付固定されたカバー部材33が、第2の突堤部32に上方から係合することによって、第2の覆蓋4に対する第1の覆蓋の下方移動が阻止されている。なお、カバー部材33の下面には長尺のゴムシートなどのシールパッキン37が全体にわたって貼り付けられており、カバー部材33と、各突堤部31,32との間の防臭性並びに防液性の確実性を向上している。
【0062】
さらに、第1の覆蓋3の面板5の左右側縁の下面には、第1の覆蓋3に対する第2の覆蓋4の下方移動を阻止するように第2の覆蓋を支持する支持部材35(支持部)が接着固定されている。この支持部材35は、第2覆蓋4の前後方向ほぼ全長に亘る長尺状のシール板(第5のシール部材)からなる。支持部材35は、第1の覆蓋3の面板5の左右側縁よりも左右外方に張り出し、第2覆蓋4の面板5の下面に係合しているとともに、蓋間の隙間を下方から覆っている。なお、支持部材35の上面に、長尺のゴム板等のシールパッキン36を貼り付けて、該シールパッキン36を第2覆蓋4の下面に密着させることにで、防臭性並びに防液性を一層確実なものとすることができる。
【0063】
なお、上記締結金具34は、前後方向に所定間隔で複数設けることが好ましい。また、図17に示す実施例においては、締結金具34のボルト軸部34aは、各蓋3,4の面板5間の隙間に配置され、カバー部材33を支持部材35に対して締結することによって間接的に第1覆蓋3に取り付け固定している。なお、かかる締結部材34を設けなくてもよい。
【0064】
上記第13実施形態によれば、第1及び第2覆蓋3,4の上面の雨水等は、突堤部31,32によって堰き止められることで覆蓋間の隙間に流入することが防止されるとともに、両突堤部31,32がカバー材33により覆われて一体的に連結されているため、より確実に隙間への雨水等の流入を防止できる。さらに、両覆蓋3,4同士が相互に上下に係合して一体的に接合しているため、どの蓋の上に載っても蓋間に隙間の発生は無く、雨水等の槽内への混入を防止することができる。
【0065】
図18は本発明の第14実施形態を示しており、上記第13実施形態と同様の構成については同符号を付して詳細説明を省略すると共に、異なる構成、作用効果について説明する。
【0066】
本実施形態では、覆蓋の下側のシール板(第5のシール部材)を省き、このシール板に代わる構造として、第2の突堤部32を、前後方向全長にわたって、第1の覆蓋3側に向けて面板5の左右側縁よりも左右外方に突出させて、この突出部分を第1の覆蓋3の面板5に上方から係合させており、かかる第2突堤部32を、第1覆蓋3に対する第2覆蓋4の下方移動を阻止するように第2覆蓋4を支持する支持部として機能させているとともに、両覆蓋3,4の面板5間の隙間を上方から覆うシール部材として機能させている。また、締結部材34は、第1覆蓋3の面板5に直接取り付けているが、かかる締結部材34を設けなくともよい。
【0067】
なお、上記第13及び第14実施形態に係る接合構造において、第1の突堤部31は第1の覆蓋3の上面から上方に突出する基部を構成し、カバー部材33は基部から左右外方に延出されて第2の覆蓋の左右一側縁を上方から覆う張出部を構成し、シール板35若しくは第2突堤部32は、第1の覆蓋3に対する第2の覆蓋4の下方移動を阻止するように第2の覆蓋4を支持する支持部を構成するものである。
【0068】
図19及び図20は、本発明の第15実施形態に係る接合構造の要部を示しており、上記第14実施形態と同様の構成については同符号を付して詳細説明を省略し、異なる構成、作用効果について説明する。
【0069】
本実施形態においては、両突堤部31,32を覆うカバー部材が設けられていない。また、第1の突堤部31の左右外側縁は、左右内方に窪む凹部31aと左右外方に突出する凸部31bとが前後方向に交互に設けられた凹凸構造を呈している。凹部31aは、覆蓋3の面板5の左右側縁よりも左右内方に窪む一方、凸部31bは、覆蓋3の面板5の左右側縁よりも左右外方に張り出すように構成されている。
【0070】
一方、第2の突堤部32の左右外側縁は、第1の突堤部31の左右外側縁の上記した凹凸構造と相補の凹凸構造を呈している。即ち、第2の突堤部32の左右外側縁も、左右内方に窪む凹部32aと左右外方に突出する凸部32bとが前後方向に交互に設けられた凹凸構造を呈しており、凹部32aは、覆蓋4の面板5の左右側縁よりも左右内方に窪む一方、凸部32bは、覆蓋4の面板5の左右側縁よりも左右外方に張り出すように構成されている。
【0071】
各突堤部の凸部31b,32bは先窄まり状の台形状を呈し、第1及び第2の突堤部31,32同士は前後方向の隙間がないように左右方向から凹凸嵌合されており、第1及び第2の突堤部31,32の凸部31b,32bによって第1及び第2覆蓋3,4の面板5間の隙間が前後方向全長にわたって上方から覆われている。そして、第1の覆蓋3の凸部31bは第2の覆蓋4の面板5に、凹部32aの部位で上方から係合しており、一方、第2の覆蓋4の凸部32bは第1の覆蓋3の面板5に、凹部31aの部位で上方から係合している。このように交互に嵌合してなる第1及び第2の凸部31,32は、全体として断面台形状を呈している。また、かかる嵌合構造によって、第1及び第2の覆蓋3,4は、上下方向にも一体化されるとともに、前後方向にも一体化され、安定性の高い接合構造が得られる。
【0072】
なお、各凸部31b,32bの下面には、ほぼ全面にわたってシート状のシールパッキン39が貼り付けられており、各凸部31b,32bの下面と面板5の上面とを液密状に密着させることで、より一層のシール性の向上を図っている。また、図示していないが、各凸部31b,32bの側面や凹部31a,32aの内側面にシールパッキンを貼り付けることも可能である。
【0073】
図21は本発明の第16実施形態に係る接合構造を示しており、上記第15実施形態と同様の構成については同符号を付して詳細説明を省略し、異なる構成、作用効果について説明する。
【0074】
本実施形態では、第16実施形態の接合構造を基本とし、これに上記カバー部材33を設けて、該カバー部材33で両突堤部31,32を前後方向ほぼ全長に亘って上方から覆い、該カバー部材33を介して第1及び第2の突堤部31,32を一体的に連結したものである。
【0075】
なお、カバー部材33は、蓋の設置完了後に、各凸部31b,32bの基部近傍において、それぞれの覆蓋3,4に対してボルト等の締結部材34によって固定されている。
【0076】
本発明は、上記各実施形態に限定されるものではなく、適宜設計変更することができる。例えば、必要に応じてゴム製等のシールパッキンを所要部位に追加してもよい。また、各構成部材の材料等も特定ものに限定されるものではなく、要求される防臭性や防液性の程度や、施工性、加工性等を考慮しつつ選定することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0077】
【図1】本発明の第1実施形態に係る覆蓋の接合構造を示す簡略斜視図である。
【図2】同接合構造に用いた覆蓋の斜視図であって、(a)は第1の覆蓋を示し、(b)は第2の覆蓋を示す。
【図3】本発明に用いる覆蓋の前後方向断面構造の例を示し、(a)はアーチ蓋の断面図、(b)は山形蓋の断面図、(c)は片流れ形蓋の断面図である。
【図4】覆蓋の凸部構造の各種実施例を示す断面図である。
【図5】覆蓋の接合部の断面形状及びシール部材の配置の各種実施例を示す断面図である。
【図6】本発明の第2実施形態に係る覆蓋の接合構造を示し、(a)は覆蓋の前後端部の平面図、(b)は(a)のA−A線断面図、(c)は(a)のB−B線断面図である。
【図7】本発明の第3実施形態に係る覆蓋の接合構造の要部拡大断面図である。
【図8】本発明の第4実施形態に係る覆蓋の接合構造の要部拡大断面図である。
【図9】本発明の第5実施形態に係る覆蓋の接合構造の要部拡大断面図である。
【図10】本発明の第6実施形態に係る覆蓋の接合構造の要部拡大断面図である。
【図11】本発明の第7実施形態に係る覆蓋の接合構造の要部拡大断面図である。
【図12】本発明の第8実施形態に係る覆蓋の接合構造の要部拡大断面図である。
【図13】本発明の第9実施形態に係る覆蓋の接合構造の要部拡大断面図である。
【図14】本発明の第10実施形態に係る覆蓋の接合構造の要部拡大断面図である。
【図15】本発明の第11実施形態に係る覆蓋の接合構造の要部拡大断面図である。
【図16】本発明の第12実施形態に係る覆蓋の接合構造の要部拡大断面図である。
【図17】本発明の第13実施形態に係る覆蓋の接合構造の要部拡大断面図である。
【図18】本発明の第14実施形態に係る覆蓋の接合構造の要部拡大断面図である。
【図19】本発明の第15実施形態に係る覆蓋の接合構造の要部拡大斜視図である。
【図20】同実施形態の接合構造の下面側から見た分解斜視図である。
【図21】本発明の第16実施形態に係る覆蓋の接合構造の要部拡大斜視図である。
【図22】覆蓋の接合構造の一例を示す一部破断斜視図である。
【図23】同接合構造の要部拡大断面図である。
【符号の説明】
【0078】
1 槽
2 蓋受け部
3 第1の覆蓋
4 第2の覆蓋
6 第1の凸部
7 第2の凸部
8 脚部
12 枠部
20 接合部(シール部材)
21 基部(突堤部)
22 張出部
23,23’ 第2のシール部材
24 第1のシール部材
25 第3のシール部材
28 第4のシール部材
31 第1の突堤部
32 第2の突堤部
33 カバー部材
34 締結部材
35 支持部



【特許請求の範囲】
【請求項1】
前後に離間する蓋受け部間に架設され且つ互いに左右に隣接する第1及び第2の覆蓋同士の接合構造において、
第1の覆蓋の第2覆蓋側の左右側縁には前後方向ほぼ全長に亘る第1の突堤部が上方突出状に設けられ、第2の覆蓋の第1覆蓋側の左右側縁には前後方向ほぼ全長に亘る第2の突堤部が上方突出状に設けられ、第1の突堤部と第2の突堤部とがカバー部材で前後方向ほぼ全長に亘って上方から覆われて、該カバー部材を介して第1及び第2の突堤部が一体的に連結されており、さらに、第1の覆蓋及び/又は第2の覆蓋に、第1の覆蓋に対する第2の覆蓋の下方移動を阻止するように第2の覆蓋を支持する支持部を備えていることを特徴とする覆蓋の接合構造。
【請求項2】
前記カバー部材は第1の覆蓋にボルト・ナット等の締結部材によって固定され、該カバー部材が第2の突堤部に上方から係合することによって第2の覆蓋に対する第1の覆蓋の下方移動が阻止されていることを特徴とする請求項1に記載の覆蓋の接合構造。
【請求項3】
第2の覆蓋を支持する支持部は、第1の覆蓋に取り付けられ且つ第2の覆蓋の下面に係合する第5のシール部材からなり、該シール部材は、第1の覆蓋の前後方向ほぼ全長に亘る長尺状であって、第1及び第2の覆蓋間の隙間を下方から覆うことを特徴とする請求項1又は2に記載の覆蓋の接合構造。
【請求項4】
第2の突堤部は、第1の覆蓋側に向けて左右外方に突出して、該突出部分が第1の覆蓋に上方から係合し、該第2の突堤部が、第2の覆蓋を支持する支持部として機能することを特徴とする請求項1,2又は3に記載の覆蓋の接合構造。
【請求項5】
前後に離間する蓋受け部間に架設され且つ互いに左右に隣接する第1及び第2の覆蓋同士の接合構造において、
第1の覆蓋の第2覆蓋側の左右側縁には前後方向ほぼ全長に亘る第1の突堤部が上方突出状に設けられ、第2の覆蓋の第1覆蓋側の左右側縁には前後方向ほぼ全長に亘る第2の突堤部が上方突出状に設けられ、第1の突堤部の左右外側縁は、左右内方に窪む凹部と左右外方に突出する凸部とが前後方向に交互に設けられた凹凸構造を呈し、第2の突堤部の左右外側縁は、第1の突堤部の左右外側縁と相補の凹凸構造を呈し、これら第1及び第2の突堤部同士が凹凸嵌合され、第1及び第2の突堤部の凸部によって第1及び第2の覆蓋間の隙間が上方から覆われており、第1の覆蓋の凸部は第2の覆蓋に上方から係合し、第2の覆蓋の凸部は第1の覆蓋に上方から係合していることを特徴とする覆蓋の接合構造。
【請求項6】
第1の突堤部と第2の突堤部とがカバー部材で前後方向ほぼ全長に亘って上方から覆われて、該カバー部材を介して第1及び第2の突堤部が一体的に連結されていることを特徴とする請求項5に記載の覆蓋の接合構造。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【公開番号】特開2007−269405(P2007−269405A)
【公開日】平成19年10月18日(2007.10.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−120134(P2007−120134)
【出願日】平成19年4月27日(2007.4.27)
【分割の表示】特願2002−116746(P2002−116746)の分割
【原出願日】平成14年4月18日(2002.4.18)
【出願人】(000002174)積水化学工業株式会社 (5,781)
【Fターム(参考)】