視野角制御フィルタ
【課題】構造が簡単でありながら、可逆的に視野角を制御できる視野角制御フィルタ1を提供する。
【解決手段】フィルタ主面に対する基準視線方向Qに沿う主面11を備え、所定の方向に並列に配置されるとともに、印加電圧に応じた光吸収スペクトル特性を有する複数のクロミズム層10と、互いに隣接するクロミズム層10間のそれぞれに配置された複数の透明層20と、を備える。
【解決手段】フィルタ主面に対する基準視線方向Qに沿う主面11を備え、所定の方向に並列に配置されるとともに、印加電圧に応じた光吸収スペクトル特性を有する複数のクロミズム層10と、互いに隣接するクロミズム層10間のそれぞれに配置された複数の透明層20と、を備える。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、視野角を制御する視野角制御フィルタに関するものである。
【背景技術】
【0002】
可逆的に視野角を制御する視野角制御フィルタに関し、レンズ部の光の出射側に光の透過又は不透過を切り替えるシャッター部を備えた視野角制御部材が知られている(特許文献1)。また、液晶配向方向と平行又は直交する方向の複屈折性を有する高分子フィルムを貼り合わせた補償パネルを有する視野角制御表示装置が知られている(特許文献2)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005−208528号公報
【特許文献2】特開2007−249125号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記従来の視野角制御フィルタは、構造が複雑であるため生産コストが高いという問題がある。
【0005】
本発明が解決しようとする課題は、構造が簡単でありながら、可逆的に視野角を制御できる視野角制御フィルタを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、フィルタ主面に対する基準視線方向に沿う主面を備え、所定の方向に並列に配置されるとともに、印加電圧に応じた光吸収スペクトル特性を有する複数のクロミズム層と、互いに隣接する前記クロミズム層間のそれぞれに配置された複数の透明層と、を備えることにより、上記課題を解決する。
【発明の効果】
【0007】
本発明の視野角制御フィルタは、フィルタ主面に対する基準視線方向に沿う主面を備えたクロミズム層を所定の方向に並列に配置させる構造であるので、構造が簡単である。
また、本発明によれば、クロミズム層に対する印加電圧を制御することにより、可逆的に視野角を制御できる視野角制御フィルタを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1A】本発明の第1実施形態に係る視野角制御フィルタを備えたパーソナルコンピュータの例を示す図である。
【図1B】図1AのIB-IB線に沿う断面図である。
【図2A】電極端子の配置が異なる視野角制御フィルタの第1例を示す平面図である。
【図2B】図2AのIIB-IIB線に沿う断面図である。
【図3A】電極端子の配置が異なる視野角制御フィルタの第2例を示す平面図である。
【図3B】図3AのIIIB-IIIB線に沿う断面図である。
【図4A】図1A及び図1Bの視野角制御フィルタの製造方法を説明する図であって、クロミズム層が形成された透明層を示す斜視図である。
【図4B】図1A及び図1Bの視野角制御フィルタの製造方法を説明する図であって、積層されたクロミズム層と透明層をカットして視野角制御フィルタを得る手法を説明するための斜視図である。
【図5A】図1の視野角制御フィルタの他の製造方法を説明するための断面図(その1)である。
【図5B】図1の視野角制御フィルタの他の製造方法を説明するための断面図(その2)である。
【図6A】発明の第2実施形態に係る視野角制御フィルタの断面図である。
【図6B】図6Aに示す視野角制御フィルタの平面図である。
【図7】発明の第3実施形態に係る視野角制御フィルタの斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
《第1実施形態》
以下、図面に基づいて、パーソナルコンピュータ1のモニター101を見る者のうち、必要に応じて、ある方向から見る者には情報の視認を許可し、他の方向から見る者には情報の視認を制限する機能を備えた視野角制御フィルタ1について説明する。
【0010】
図1A及び図1Bに示すように、本実施形態の視野角制御フィルタ1は、複数のクロミズム層10と、これに介在する複数の透明層20と、クロミズム層10の両端に電圧を印加する電極端子30と、フィルタ主面の両方を覆う保護層40を備えている。
【0011】
クロミズム層10は、印加電圧(電荷)に応じた光吸収スペクトル特性を有し、電圧の印加/非印加において光吸収スペクトルの異なる状態間を可逆的に変化する。この特性により、クロミズム層10は、電圧印加時と電圧非印加時において色及び/又は明度などの光物性が変化する。
本実施形態のクロミズム層10としては、酸化タングステン(WO3、LiイオンドープWO3)などの無機材料、ポリアニリン、ビオロゲン、ポリオキソタングステートなどの有機材料を用いることができる。
【0012】
また、図1Bに示すように、クロミズム層10は、モニター101の画面に対向するフィルタ主面に対する基準視線方向Qに沿う主面11を備えている。この基準視線方向Qは、コンピュータ100のモニター101に提示される情報の視認を許可する者の視線の方向であり、任意に定義することができる。また、2人以上、2方向以上からモニター101を視認する場合を考慮して、2以上基準視線方向Qを定義することも可能である。他方、図1Bに示す制御視線方向Rは、コンピュータ100のモニター101に提示される情報を視認させないように制限する者の視線の方向である。
【0013】
この制御視線方向Rは、基準視線方向Qを基準とする角度αにより定義することができる。また、図1Bに示す主面11の高さhは、制御視線方向X、視野角制御フィルタ1の厚さに応じて任意に設定することができ、本実施形態では200μm〜350μm、好ましくは260μm〜300μmとすることができる。
【0014】
これら複数のクロミズム層10は、図1A及び図1Bに示すように、所定の方向に並列に配置されている。つまり、クロミズム層10と透明層20は、交互に、所定の方向に並列に配置されている。なお、クロミズム層10を配置する方向は限定されず、図1Aに示すようにモニター101の縦方向でもよいし、モニター101の横方向でもよい。
【0015】
なお、各図においては、発明の特徴をより理解しやすくするために、その寸法及び寸法関係を一部誇張して示す。例えば、図1Aに示すクロミズム層10同士のピッチは実際よりも大きく示されているが、実際には、50μm〜130μm、好ましくは80μm〜100μm程度である。
【0016】
透明層20は、互いに隣接するクロミズム層10間のそれぞれに配置されている。本実施形態の透明層20の材料は特に限定されず、透明度が所定値以上のガラス、ポリカーボネートやアクリルなどのプラスチック材料を用いることができる。また、透明層20の材料としては、ガラス、ポリカーボネートやアクリルなどのプラスチック材料を用いることができ、適宜、導電性のもの又は非導電性のものを選択することができる。図1A及び図1Bに示されている視野角制御フィルタ1においては、非導電性の透明層20の材料が用いられている。
【0017】
図1Bに示すように、一対の電極端子30はITO(インジウムスズ酸化物)電極などの透明電極であって、各クロミズム層10の短手方向、つまり主面11の高さh方向の両端に電圧を印加するように、視野角制御フィルタ1の両主面の全面に形成されている。一対の電極端子30には、スイッチSWを有する電力供給回路が接続され、スイッチSWにより電圧の印加のオンオフが制御される。
【0018】
このように、各クロミズム層10の短手方向の両端から電圧をかけることにより、各クロミズム層10に印加される電圧にムラがなく、光吸収スペクトル特性に基づく色の濃さや透明度の変化を均一にすることができる。
【0019】
なお、電極端子30の配置は特に限定されず、図2A及び図2B、図3A及び図3Bに示すような他の態様を採用することもできる。
【0020】
図2Aは、電極端子の配置が異なる視野角制御フィルタ1の第1例を示す平面図、図2Bは、図2AのIIB-IIB線に沿う断面図である。図2A及び図2Bには、電極端子30を、クロミズム層10の長手方向の両端に電圧を印加するように設けた視野角制御フィルタ1の例が示されている。同図のように電極端子30を設けても、すべてのクロミズム層10に電圧を印加することができる。
また、同図のように電極端子30を設けた場合には、図1A,図1Bに示す視野角制御フィルタ1のように、フィルタ主面の両面かつ全面にITO電極を設ける必要がないので、情報が提示される画面の透明率を向上させることができ、ユーザが情報を視認しやすくすることができる。
【0021】
さらに、図3Aは、電極端子の配置が異なる視野角制御フィルタ1の第2例を示す平面図、図3Bは、図3AのIIIB-IIIB線に沿う断面図である。
図3A及び図3Bは、電極端子30を、クロミズム層10と透明層20の両方に電圧を印加するように設けた視野角制御フィルタ1の例を示す。本例の透明層20は例えば導電性樹脂で形成されているので、導電性を有する。図3A及び図3Bのように導電性透明層20を用いることにより、電極端子30を任意の位置に配置することができ、設計の自由度を向上させることができる。
また、同図のように電極端子30を設けた場合には、図1A,図1Bに示す視野角制御フィルタ1のように、フィルタ主面の両面かつ全面にITO電極を設ける必要がないので、情報が提示される画面の透明率を向上させることができ、ユーザが情報を視認しやすくすることができる。
【0022】
図1Bに戻り、さらに、クロミズム層10の短手方向の両端に接する面状の電極端子30には、フィルタ主面を覆う2枚の保護層40が積層されている。同図ではフィルタの主面の両方に保護層40を設けた例を示すが、少なくとも一方の保護層40を省略することもできる。また、保護層40は、ガラス、ポリカーボネート、アクリルなどの透明材料で形成されている。保護層40を設けることにより、クロミズム層10や電極端子30を保護することができるので、視野角の制御を正確に行うことができる。
【0023】
次に作用を説明する。
【0024】
視野角を制御したい場合にはスイッチSWをオン(開)にする。スイッチSWがオンされると、クロミズム層10に所定の電圧が印加される。電圧が印加されると、クロミズム層10の光吸収スペクトルが変化し、クロミズム層10の色が濃くなる又はその透明度が低くなる(不透明になる)。そして、クロミズム層10が備える基準視線方向Qに沿う主面11も濃い色又は不透明となるので、制御視線方向Rからの視野を制限し、制御視線方向Rからモニター101に表示された情報が視認できないようにする。
【0025】
他方、視野角を制御したくない場合にはスイッチSWをオフ(閉)にする。スイッチSWがオフされると、クロミズム層10の電圧はゼロになる。電圧がゼロになると、クロミズム層10は元の薄い色又は透明な状態となる。そして、クロミズム層10が備える主面11も元の透明な状態に戻るので、制御視線方向Rからの視野を制限することなく、基準視線方向Q及び制御視線方向Rからモニター101に表示された情報が視認できるようにする。
なお、本例では、クロミズム層10が、電圧を印加するとその色が濃くなる又はその透明度が低くなる(不透明になる)ものを例にして説明したが、電圧を印加するとその色が薄くなる又はその透明度が高くなる(透明になる)クロミズム層10を用いることもできる。その場合は、制御したい場合にスイッチSWをオフ(閉)の状態とし、視野角を制御したくない場合にスイッチSWをオン(開)にする。
【0026】
続いて、図4A及び図4Bに基づいて、本実施形態のクロミズム層10の製造方法を説明する。図4Aはクロミズム層が形成された透明層を示す斜視図、図4Bは、積層されたクロミズム層と透明層をカットして視野角制御フィルタを得る手法を説明するための斜視図である。
【0027】
まず、図4Aに示すように、透明層20にクロミズム層10を形成する。クロミズム層10の形成手法は特に限定されず、例えば酸化タングステンを、スパッタリング法を用いて透明基板上に蒸着させ、酸化タングステンのクロミズム層10を形成する。
【0028】
次に、図4Bに示すように、クロミズム層10が形成された複数の透明層20を積層する。この積層された透明層20を、X−X線に沿って、矢印Y方向にカットする。これにより、クロミズム層10と透明層20が交互に所定の方向に並列に配置された視野角制御フィルタ1を得る。
【0029】
さらに、図5A及び図5Bに基づいて、本実施形態のクロミズム層10の他の製造方法を説明する
【0030】
まず、図5Aに示すように、透明層20に所定の方向に並列する複数の溝201を形成する。さらに、図5Bに示すように、ディスペンサーを用いて、各溝201に流動性を有するエレクトロクロミック物質を塗布し、溝201にエレクトロクロミック物質を流し込む。本手法においては、ポリマータイプのエレクトロクロミック物質を用いることが好ましい。
【0031】
以上のように構成され、作用する本実施形態の視野角制御フィルタ1によれば、簡単な構造でありながら、電圧の印加に応じて可逆的に所定方向の視野を制御することができる。
【0032】
《第2実施形態》
次に、図面に基づいて第2実施形態の視野角制御フィルタ1について説明する。
【0033】
図6Aは、第1のフィルタ1Aと第2のフィルタ1Bとを積層させた視野角制御フィルタ1の例を示す図、図6Bは、図6Aに示す視野角制御フィルタ1の平面図である。
【0034】
図6Aに示す本実施形態の視野角制御フィルタ1は、2枚の第1のフィルタ1Aと第2のフィルタ1Bが、絶縁層50を介して、互いに積層されて構成されている。上側の第1フィルタ1Aは第1のクロミズム層群10Aを含み、下側の第2フィルタ1Bは第2のクロミズム層群10Bを含む。
【0035】
図6Bに示すように、第2実施形態の視野角制御フィルタ1のクロミズム層10は、フィルタ主面の平面視において、第1の方向に並列に配置された第1のクロミズム層(10A)群と、第1の方向とは異なる第2の方向に並列に配置された第2のクロミズム層(10B)群とを含む。
【0036】
また、同図に示すように、フィルタ主面の平面視において、第1のクロミズム層(10A)群が配置される第1の方向と、第2のクロミズム層(10B)群が配置される第2の方向とは略直交する。つまり、第1のクロミズム層(10A)群はモニター101の縦方向に沿った第1の方向に配置され、第2のクロミズム層(10B)群はモニター101の横方向に沿った第2の方向に配置され、格子状となっている。
【0037】
また、第1フィルタ1A及び第2フィルタ1Bは、その短手方向の両端部において、一対の電極端子30A、30Bと電気的に接続されており、スイッチSWA、スイッチSWBのオンオフにより電圧が印加される。
【0038】
次に作用を説明する。
【0039】
左右からの視野角を制限したい場合には、スイッチSWAをオン(開)する。スイッチSWAがオンされると、第1クロミズム層10Aに所定の電圧が印加される。電圧が印加されると、第1クロミズム層10Aの光吸収スペクトルが変化し、第1クロミズム層10Aの色が濃くなる又はその透明度が低くなる(不透明になる)。そして、第1クロミズム層10Aが備える基準視線方向Qに沿うとともに、第1方向(モニター101の縦方向)に沿って配置された主面11Aも濃い色又は不透明となるので、モニター101の正面の左右両側からの視線を制限し、正面の使用者の隣側からモニター101に表示された情報が視認できないようにする。例えば、電車などの座席で使用する場合に、隣に座る人がモニター101を覗き見ることができないようにすることができる。
【0040】
上下、主に上方からの視線角を制限したい場合には、スイッチSWBをオン(開)する。同様に、スイッチSWBがオンされると、第2クロミズム層10Bの色が濃くなる又はその透明度が低くなる(不透明になる)。そして、第2クロミズム層10Bが備える基準視線方向Qに沿うとともに、第2方向(モニター101の横方向)に沿って配置された主面11Bも濃い色又は不透明となるので、モニター101の上下側からの視線を制限し、上方の使用者の隣側からモニター101に表示された情報が視認できないようにする。例えば、電車などの座席で使用する場合に、立っている人や歩行中の人がモニター101を覗き見ることができないようにすることができる。
【0041】
なお、スイッチSWA、スイッチSWBのオンオフは、コントローラCLにより独立して制御可能である。このため、使用時の状況に応じて、近くにいる同じ姿勢(高さ)の人がモニター101を見ることができないようにする視野角制御と、相対的に高い位置にいる人からモニター101を見ることができないようにする視野角制御とを行うことができる。
【0042】
他方、視野角を制御したくない場合、つまり、複数人でモニター101に提示される情報を見たい場合には、制御スイッチSWA、SWBをオフ(閉)にする。スイッチSWA、スイッチSWBがオフされると、第1クロミズム層10A、第2クロミズム層10Bの印加電圧(電荷)はゼロになる。電圧がゼロになると、第1クロミズム層10A、第2クロミズム層10Bの主面11A、11Bは元の薄い色又は透明な状態となる。このためクロミズム層10は視野を制限することなく、モニター101に対向する中心領域の左右領域、上下領域からモニター101に表示された情報が視認できるようにすることができる。
【0043】
《第3実施形態》
次に、図面に基づいて、第3実施形態の視野角制御フィルタ1について説明する。発明の第3実施形態に係る視野角制御フィルタの斜視図である。図7に示された視野角制御フィルタ1は、1枚のフィルタにより構成され、第1クロミズム層10A、第2クロミズム層10Bが格子状に配置されている。
【0044】
ちなみに、図7に示す視野角制御フィルタ1は、図5A及び図5Bにおいて説明した製造方法を用いて、予め透明層20に格子状の溝(図示せず)を形成し、ディスペンサーを用いてエレクトロクロミック材料を塗布することにより得ることができる。
【0045】
このように1枚のフィルタで格子状に配置された、1クロミズム層10A及び第2クロミズム層10Bを製造することにより、上下側及び左右側の視線を制御できるとともに、厚さの薄い視野角制御フィルタ1を得ることができる。
【0046】
以上説明した実施形態は、本発明の理解を容易にするために記載されたものであって、本発明を限定するために記載されたものではない。したがって、上記の実施形態に開示された各要素は、本発明の技術的範囲に属する全ての設計変更や均等物をも含む趣旨である。
本実施形態では、パーソナルコンピュータに適用された場合を例にして説明したが、本実施形態の視野角制御フィルタ1,1は、自動現金受払い機、携帯電話、ゲーム機その他の電子機器のモニター101に適用することができる。
【符号の説明】
【0047】
100…パーソナルコンピュータ(電子機器)
101…モニター
1…視野角制御フィルタ
10,10A,10B…クロミズム層
20,20A,20B…透明層
21…導電性透明層
201…溝部
30,30A,30B…電極
40…保護層
50…絶縁層
【技術分野】
【0001】
本発明は、視野角を制御する視野角制御フィルタに関するものである。
【背景技術】
【0002】
可逆的に視野角を制御する視野角制御フィルタに関し、レンズ部の光の出射側に光の透過又は不透過を切り替えるシャッター部を備えた視野角制御部材が知られている(特許文献1)。また、液晶配向方向と平行又は直交する方向の複屈折性を有する高分子フィルムを貼り合わせた補償パネルを有する視野角制御表示装置が知られている(特許文献2)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005−208528号公報
【特許文献2】特開2007−249125号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記従来の視野角制御フィルタは、構造が複雑であるため生産コストが高いという問題がある。
【0005】
本発明が解決しようとする課題は、構造が簡単でありながら、可逆的に視野角を制御できる視野角制御フィルタを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、フィルタ主面に対する基準視線方向に沿う主面を備え、所定の方向に並列に配置されるとともに、印加電圧に応じた光吸収スペクトル特性を有する複数のクロミズム層と、互いに隣接する前記クロミズム層間のそれぞれに配置された複数の透明層と、を備えることにより、上記課題を解決する。
【発明の効果】
【0007】
本発明の視野角制御フィルタは、フィルタ主面に対する基準視線方向に沿う主面を備えたクロミズム層を所定の方向に並列に配置させる構造であるので、構造が簡単である。
また、本発明によれば、クロミズム層に対する印加電圧を制御することにより、可逆的に視野角を制御できる視野角制御フィルタを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1A】本発明の第1実施形態に係る視野角制御フィルタを備えたパーソナルコンピュータの例を示す図である。
【図1B】図1AのIB-IB線に沿う断面図である。
【図2A】電極端子の配置が異なる視野角制御フィルタの第1例を示す平面図である。
【図2B】図2AのIIB-IIB線に沿う断面図である。
【図3A】電極端子の配置が異なる視野角制御フィルタの第2例を示す平面図である。
【図3B】図3AのIIIB-IIIB線に沿う断面図である。
【図4A】図1A及び図1Bの視野角制御フィルタの製造方法を説明する図であって、クロミズム層が形成された透明層を示す斜視図である。
【図4B】図1A及び図1Bの視野角制御フィルタの製造方法を説明する図であって、積層されたクロミズム層と透明層をカットして視野角制御フィルタを得る手法を説明するための斜視図である。
【図5A】図1の視野角制御フィルタの他の製造方法を説明するための断面図(その1)である。
【図5B】図1の視野角制御フィルタの他の製造方法を説明するための断面図(その2)である。
【図6A】発明の第2実施形態に係る視野角制御フィルタの断面図である。
【図6B】図6Aに示す視野角制御フィルタの平面図である。
【図7】発明の第3実施形態に係る視野角制御フィルタの斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
《第1実施形態》
以下、図面に基づいて、パーソナルコンピュータ1のモニター101を見る者のうち、必要に応じて、ある方向から見る者には情報の視認を許可し、他の方向から見る者には情報の視認を制限する機能を備えた視野角制御フィルタ1について説明する。
【0010】
図1A及び図1Bに示すように、本実施形態の視野角制御フィルタ1は、複数のクロミズム層10と、これに介在する複数の透明層20と、クロミズム層10の両端に電圧を印加する電極端子30と、フィルタ主面の両方を覆う保護層40を備えている。
【0011】
クロミズム層10は、印加電圧(電荷)に応じた光吸収スペクトル特性を有し、電圧の印加/非印加において光吸収スペクトルの異なる状態間を可逆的に変化する。この特性により、クロミズム層10は、電圧印加時と電圧非印加時において色及び/又は明度などの光物性が変化する。
本実施形態のクロミズム層10としては、酸化タングステン(WO3、LiイオンドープWO3)などの無機材料、ポリアニリン、ビオロゲン、ポリオキソタングステートなどの有機材料を用いることができる。
【0012】
また、図1Bに示すように、クロミズム層10は、モニター101の画面に対向するフィルタ主面に対する基準視線方向Qに沿う主面11を備えている。この基準視線方向Qは、コンピュータ100のモニター101に提示される情報の視認を許可する者の視線の方向であり、任意に定義することができる。また、2人以上、2方向以上からモニター101を視認する場合を考慮して、2以上基準視線方向Qを定義することも可能である。他方、図1Bに示す制御視線方向Rは、コンピュータ100のモニター101に提示される情報を視認させないように制限する者の視線の方向である。
【0013】
この制御視線方向Rは、基準視線方向Qを基準とする角度αにより定義することができる。また、図1Bに示す主面11の高さhは、制御視線方向X、視野角制御フィルタ1の厚さに応じて任意に設定することができ、本実施形態では200μm〜350μm、好ましくは260μm〜300μmとすることができる。
【0014】
これら複数のクロミズム層10は、図1A及び図1Bに示すように、所定の方向に並列に配置されている。つまり、クロミズム層10と透明層20は、交互に、所定の方向に並列に配置されている。なお、クロミズム層10を配置する方向は限定されず、図1Aに示すようにモニター101の縦方向でもよいし、モニター101の横方向でもよい。
【0015】
なお、各図においては、発明の特徴をより理解しやすくするために、その寸法及び寸法関係を一部誇張して示す。例えば、図1Aに示すクロミズム層10同士のピッチは実際よりも大きく示されているが、実際には、50μm〜130μm、好ましくは80μm〜100μm程度である。
【0016】
透明層20は、互いに隣接するクロミズム層10間のそれぞれに配置されている。本実施形態の透明層20の材料は特に限定されず、透明度が所定値以上のガラス、ポリカーボネートやアクリルなどのプラスチック材料を用いることができる。また、透明層20の材料としては、ガラス、ポリカーボネートやアクリルなどのプラスチック材料を用いることができ、適宜、導電性のもの又は非導電性のものを選択することができる。図1A及び図1Bに示されている視野角制御フィルタ1においては、非導電性の透明層20の材料が用いられている。
【0017】
図1Bに示すように、一対の電極端子30はITO(インジウムスズ酸化物)電極などの透明電極であって、各クロミズム層10の短手方向、つまり主面11の高さh方向の両端に電圧を印加するように、視野角制御フィルタ1の両主面の全面に形成されている。一対の電極端子30には、スイッチSWを有する電力供給回路が接続され、スイッチSWにより電圧の印加のオンオフが制御される。
【0018】
このように、各クロミズム層10の短手方向の両端から電圧をかけることにより、各クロミズム層10に印加される電圧にムラがなく、光吸収スペクトル特性に基づく色の濃さや透明度の変化を均一にすることができる。
【0019】
なお、電極端子30の配置は特に限定されず、図2A及び図2B、図3A及び図3Bに示すような他の態様を採用することもできる。
【0020】
図2Aは、電極端子の配置が異なる視野角制御フィルタ1の第1例を示す平面図、図2Bは、図2AのIIB-IIB線に沿う断面図である。図2A及び図2Bには、電極端子30を、クロミズム層10の長手方向の両端に電圧を印加するように設けた視野角制御フィルタ1の例が示されている。同図のように電極端子30を設けても、すべてのクロミズム層10に電圧を印加することができる。
また、同図のように電極端子30を設けた場合には、図1A,図1Bに示す視野角制御フィルタ1のように、フィルタ主面の両面かつ全面にITO電極を設ける必要がないので、情報が提示される画面の透明率を向上させることができ、ユーザが情報を視認しやすくすることができる。
【0021】
さらに、図3Aは、電極端子の配置が異なる視野角制御フィルタ1の第2例を示す平面図、図3Bは、図3AのIIIB-IIIB線に沿う断面図である。
図3A及び図3Bは、電極端子30を、クロミズム層10と透明層20の両方に電圧を印加するように設けた視野角制御フィルタ1の例を示す。本例の透明層20は例えば導電性樹脂で形成されているので、導電性を有する。図3A及び図3Bのように導電性透明層20を用いることにより、電極端子30を任意の位置に配置することができ、設計の自由度を向上させることができる。
また、同図のように電極端子30を設けた場合には、図1A,図1Bに示す視野角制御フィルタ1のように、フィルタ主面の両面かつ全面にITO電極を設ける必要がないので、情報が提示される画面の透明率を向上させることができ、ユーザが情報を視認しやすくすることができる。
【0022】
図1Bに戻り、さらに、クロミズム層10の短手方向の両端に接する面状の電極端子30には、フィルタ主面を覆う2枚の保護層40が積層されている。同図ではフィルタの主面の両方に保護層40を設けた例を示すが、少なくとも一方の保護層40を省略することもできる。また、保護層40は、ガラス、ポリカーボネート、アクリルなどの透明材料で形成されている。保護層40を設けることにより、クロミズム層10や電極端子30を保護することができるので、視野角の制御を正確に行うことができる。
【0023】
次に作用を説明する。
【0024】
視野角を制御したい場合にはスイッチSWをオン(開)にする。スイッチSWがオンされると、クロミズム層10に所定の電圧が印加される。電圧が印加されると、クロミズム層10の光吸収スペクトルが変化し、クロミズム層10の色が濃くなる又はその透明度が低くなる(不透明になる)。そして、クロミズム層10が備える基準視線方向Qに沿う主面11も濃い色又は不透明となるので、制御視線方向Rからの視野を制限し、制御視線方向Rからモニター101に表示された情報が視認できないようにする。
【0025】
他方、視野角を制御したくない場合にはスイッチSWをオフ(閉)にする。スイッチSWがオフされると、クロミズム層10の電圧はゼロになる。電圧がゼロになると、クロミズム層10は元の薄い色又は透明な状態となる。そして、クロミズム層10が備える主面11も元の透明な状態に戻るので、制御視線方向Rからの視野を制限することなく、基準視線方向Q及び制御視線方向Rからモニター101に表示された情報が視認できるようにする。
なお、本例では、クロミズム層10が、電圧を印加するとその色が濃くなる又はその透明度が低くなる(不透明になる)ものを例にして説明したが、電圧を印加するとその色が薄くなる又はその透明度が高くなる(透明になる)クロミズム層10を用いることもできる。その場合は、制御したい場合にスイッチSWをオフ(閉)の状態とし、視野角を制御したくない場合にスイッチSWをオン(開)にする。
【0026】
続いて、図4A及び図4Bに基づいて、本実施形態のクロミズム層10の製造方法を説明する。図4Aはクロミズム層が形成された透明層を示す斜視図、図4Bは、積層されたクロミズム層と透明層をカットして視野角制御フィルタを得る手法を説明するための斜視図である。
【0027】
まず、図4Aに示すように、透明層20にクロミズム層10を形成する。クロミズム層10の形成手法は特に限定されず、例えば酸化タングステンを、スパッタリング法を用いて透明基板上に蒸着させ、酸化タングステンのクロミズム層10を形成する。
【0028】
次に、図4Bに示すように、クロミズム層10が形成された複数の透明層20を積層する。この積層された透明層20を、X−X線に沿って、矢印Y方向にカットする。これにより、クロミズム層10と透明層20が交互に所定の方向に並列に配置された視野角制御フィルタ1を得る。
【0029】
さらに、図5A及び図5Bに基づいて、本実施形態のクロミズム層10の他の製造方法を説明する
【0030】
まず、図5Aに示すように、透明層20に所定の方向に並列する複数の溝201を形成する。さらに、図5Bに示すように、ディスペンサーを用いて、各溝201に流動性を有するエレクトロクロミック物質を塗布し、溝201にエレクトロクロミック物質を流し込む。本手法においては、ポリマータイプのエレクトロクロミック物質を用いることが好ましい。
【0031】
以上のように構成され、作用する本実施形態の視野角制御フィルタ1によれば、簡単な構造でありながら、電圧の印加に応じて可逆的に所定方向の視野を制御することができる。
【0032】
《第2実施形態》
次に、図面に基づいて第2実施形態の視野角制御フィルタ1について説明する。
【0033】
図6Aは、第1のフィルタ1Aと第2のフィルタ1Bとを積層させた視野角制御フィルタ1の例を示す図、図6Bは、図6Aに示す視野角制御フィルタ1の平面図である。
【0034】
図6Aに示す本実施形態の視野角制御フィルタ1は、2枚の第1のフィルタ1Aと第2のフィルタ1Bが、絶縁層50を介して、互いに積層されて構成されている。上側の第1フィルタ1Aは第1のクロミズム層群10Aを含み、下側の第2フィルタ1Bは第2のクロミズム層群10Bを含む。
【0035】
図6Bに示すように、第2実施形態の視野角制御フィルタ1のクロミズム層10は、フィルタ主面の平面視において、第1の方向に並列に配置された第1のクロミズム層(10A)群と、第1の方向とは異なる第2の方向に並列に配置された第2のクロミズム層(10B)群とを含む。
【0036】
また、同図に示すように、フィルタ主面の平面視において、第1のクロミズム層(10A)群が配置される第1の方向と、第2のクロミズム層(10B)群が配置される第2の方向とは略直交する。つまり、第1のクロミズム層(10A)群はモニター101の縦方向に沿った第1の方向に配置され、第2のクロミズム層(10B)群はモニター101の横方向に沿った第2の方向に配置され、格子状となっている。
【0037】
また、第1フィルタ1A及び第2フィルタ1Bは、その短手方向の両端部において、一対の電極端子30A、30Bと電気的に接続されており、スイッチSWA、スイッチSWBのオンオフにより電圧が印加される。
【0038】
次に作用を説明する。
【0039】
左右からの視野角を制限したい場合には、スイッチSWAをオン(開)する。スイッチSWAがオンされると、第1クロミズム層10Aに所定の電圧が印加される。電圧が印加されると、第1クロミズム層10Aの光吸収スペクトルが変化し、第1クロミズム層10Aの色が濃くなる又はその透明度が低くなる(不透明になる)。そして、第1クロミズム層10Aが備える基準視線方向Qに沿うとともに、第1方向(モニター101の縦方向)に沿って配置された主面11Aも濃い色又は不透明となるので、モニター101の正面の左右両側からの視線を制限し、正面の使用者の隣側からモニター101に表示された情報が視認できないようにする。例えば、電車などの座席で使用する場合に、隣に座る人がモニター101を覗き見ることができないようにすることができる。
【0040】
上下、主に上方からの視線角を制限したい場合には、スイッチSWBをオン(開)する。同様に、スイッチSWBがオンされると、第2クロミズム層10Bの色が濃くなる又はその透明度が低くなる(不透明になる)。そして、第2クロミズム層10Bが備える基準視線方向Qに沿うとともに、第2方向(モニター101の横方向)に沿って配置された主面11Bも濃い色又は不透明となるので、モニター101の上下側からの視線を制限し、上方の使用者の隣側からモニター101に表示された情報が視認できないようにする。例えば、電車などの座席で使用する場合に、立っている人や歩行中の人がモニター101を覗き見ることができないようにすることができる。
【0041】
なお、スイッチSWA、スイッチSWBのオンオフは、コントローラCLにより独立して制御可能である。このため、使用時の状況に応じて、近くにいる同じ姿勢(高さ)の人がモニター101を見ることができないようにする視野角制御と、相対的に高い位置にいる人からモニター101を見ることができないようにする視野角制御とを行うことができる。
【0042】
他方、視野角を制御したくない場合、つまり、複数人でモニター101に提示される情報を見たい場合には、制御スイッチSWA、SWBをオフ(閉)にする。スイッチSWA、スイッチSWBがオフされると、第1クロミズム層10A、第2クロミズム層10Bの印加電圧(電荷)はゼロになる。電圧がゼロになると、第1クロミズム層10A、第2クロミズム層10Bの主面11A、11Bは元の薄い色又は透明な状態となる。このためクロミズム層10は視野を制限することなく、モニター101に対向する中心領域の左右領域、上下領域からモニター101に表示された情報が視認できるようにすることができる。
【0043】
《第3実施形態》
次に、図面に基づいて、第3実施形態の視野角制御フィルタ1について説明する。発明の第3実施形態に係る視野角制御フィルタの斜視図である。図7に示された視野角制御フィルタ1は、1枚のフィルタにより構成され、第1クロミズム層10A、第2クロミズム層10Bが格子状に配置されている。
【0044】
ちなみに、図7に示す視野角制御フィルタ1は、図5A及び図5Bにおいて説明した製造方法を用いて、予め透明層20に格子状の溝(図示せず)を形成し、ディスペンサーを用いてエレクトロクロミック材料を塗布することにより得ることができる。
【0045】
このように1枚のフィルタで格子状に配置された、1クロミズム層10A及び第2クロミズム層10Bを製造することにより、上下側及び左右側の視線を制御できるとともに、厚さの薄い視野角制御フィルタ1を得ることができる。
【0046】
以上説明した実施形態は、本発明の理解を容易にするために記載されたものであって、本発明を限定するために記載されたものではない。したがって、上記の実施形態に開示された各要素は、本発明の技術的範囲に属する全ての設計変更や均等物をも含む趣旨である。
本実施形態では、パーソナルコンピュータに適用された場合を例にして説明したが、本実施形態の視野角制御フィルタ1,1は、自動現金受払い機、携帯電話、ゲーム機その他の電子機器のモニター101に適用することができる。
【符号の説明】
【0047】
100…パーソナルコンピュータ(電子機器)
101…モニター
1…視野角制御フィルタ
10,10A,10B…クロミズム層
20,20A,20B…透明層
21…導電性透明層
201…溝部
30,30A,30B…電極
40…保護層
50…絶縁層
【特許請求の範囲】
【請求項1】
フィルタ主面に対する基準視線方向に沿う主面を備え、所定の方向に並列に配置されるとともに、印加電圧に応じた光吸収スペクトル特性を有する複数のクロミズム層と、互いに隣接する前記クロミズム層間のそれぞれに配置された複数の透明層と、を備える視野角制御フィルタ。
【請求項2】
請求項1に記載の視野角制御フィルタにおいて、
前記複数のクロミズム層は、前記フィルタ主面の平面視において、第1の方向に並列に配置された第1のクロミズム層群と、前記第1の方向とは異なる第2の方向に並列に配置された第2のクロミズム層群とを含むことを特徴とする視野角制御フィルタ。
【請求項3】
請求項2に記載の視野角制御フィルタにおいて、
互いに積層される第1のフィルタと第2のフィルタを有し、前記第1フィルタは前記第1のクロミズム層群を含み、前記第2フィルタは第2のクロミズム層群を含むことを特徴とする視野角制御フィルタ。
【請求項4】
請求項2又は3に記載の視野角制御フィルタにおいて、
前記第1の方向と前記第2の方向とは、直交することを特徴とする視野角制御フィルタ。
【請求項5】
請求項1〜4の何れか一項に記載の視野角制御フィルタにおいて、
前記クロミズム層の短手方向の両端に電圧を印加する電極端子を備えることを特徴とする視野角制御フィルタ。
【請求項6】
請求項1〜4の何れか一項に記載の視野角制御フィルタにおいて、
前記クロミズム層の長手方向の両端に電圧を印加する電極端子を備えることを特徴とする視野角制御フィルタ。
【請求項7】
請求項1〜4の何れか一項に記載の視野角制御フィルタにおいて、
前記透明層は、導電性を有し、前記クロミズム層と前記透明層に電圧を印加する電極端子を備える視野角制御フィルタ。
【請求項8】
請求項1〜7の何れか一項に記載の視野角制御フィルタにおいて、
前記フィルタ主面の少なくとも一方面を覆う保護層を備える視野角制御フィルタ。
【請求項1】
フィルタ主面に対する基準視線方向に沿う主面を備え、所定の方向に並列に配置されるとともに、印加電圧に応じた光吸収スペクトル特性を有する複数のクロミズム層と、互いに隣接する前記クロミズム層間のそれぞれに配置された複数の透明層と、を備える視野角制御フィルタ。
【請求項2】
請求項1に記載の視野角制御フィルタにおいて、
前記複数のクロミズム層は、前記フィルタ主面の平面視において、第1の方向に並列に配置された第1のクロミズム層群と、前記第1の方向とは異なる第2の方向に並列に配置された第2のクロミズム層群とを含むことを特徴とする視野角制御フィルタ。
【請求項3】
請求項2に記載の視野角制御フィルタにおいて、
互いに積層される第1のフィルタと第2のフィルタを有し、前記第1フィルタは前記第1のクロミズム層群を含み、前記第2フィルタは第2のクロミズム層群を含むことを特徴とする視野角制御フィルタ。
【請求項4】
請求項2又は3に記載の視野角制御フィルタにおいて、
前記第1の方向と前記第2の方向とは、直交することを特徴とする視野角制御フィルタ。
【請求項5】
請求項1〜4の何れか一項に記載の視野角制御フィルタにおいて、
前記クロミズム層の短手方向の両端に電圧を印加する電極端子を備えることを特徴とする視野角制御フィルタ。
【請求項6】
請求項1〜4の何れか一項に記載の視野角制御フィルタにおいて、
前記クロミズム層の長手方向の両端に電圧を印加する電極端子を備えることを特徴とする視野角制御フィルタ。
【請求項7】
請求項1〜4の何れか一項に記載の視野角制御フィルタにおいて、
前記透明層は、導電性を有し、前記クロミズム層と前記透明層に電圧を印加する電極端子を備える視野角制御フィルタ。
【請求項8】
請求項1〜7の何れか一項に記載の視野角制御フィルタにおいて、
前記フィルタ主面の少なくとも一方面を覆う保護層を備える視野角制御フィルタ。
【図1A】
【図1B】
【図2A】
【図2B】
【図3A】
【図3B】
【図4A】
【図4B】
【図5A】
【図5B】
【図6A】
【図6B】
【図7】
【図1B】
【図2A】
【図2B】
【図3A】
【図3B】
【図4A】
【図4B】
【図5A】
【図5B】
【図6A】
【図6B】
【図7】
【公開番号】特開2011−13451(P2011−13451A)
【公開日】平成23年1月20日(2011.1.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−157441(P2009−157441)
【出願日】平成21年7月2日(2009.7.2)
【出願人】(000005186)株式会社フジクラ (4,463)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年1月20日(2011.1.20)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年7月2日(2009.7.2)
【出願人】(000005186)株式会社フジクラ (4,463)
【Fターム(参考)】
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