説明

親油性の薬剤のための組成物

本発明は親油性の治療剤の医薬組成物、前記剤は主に水生溶媒中で可溶化され、並びにその製造方法及び使用方法に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本件出願は2002年9月18日に出願された米国特許出願第10/247,765号の利益を主張する。
【0002】
発明の背景
本発明は親油性の治療剤の医薬組成物、前記薬剤は主に水性溶媒中で可溶化され、及び前記組成物の使用に関する。前記組成物は水性溶媒中で安定であり、活性成分の治療上及び商業上有用な濃度を有する。
【背景技術】
【0003】
多くの薬理学的に活性な物質は親油性、すなわちやや水に溶けにくく、又はごくわずかに水溶性である。親油性の治療剤は生物学的及び/又は薬理学的に活性な物質の全範囲に及ぶ。例えば、前記薬剤としては、特定の鎮痛薬及び抗炎症薬、抗喘息薬、抗菌物質、抗ウイルス薬、抗凝血剤、抗鬱病薬、抗腫瘍薬、及び免疫抑制薬、β受容体遮断薬、コルチコステロイド、オピオイド鎮痛薬、脂質調整剤、精神安定薬、鎮痛薬、睡眠薬及び神経弛緩薬が挙げられる。
これらの親油性の薬剤の乏しい水溶性は、特に容易に殺菌及び投与できる均一な水溶液が必要な場合に、組成物においてしばしば大きな問題を生じる。有効な水性組成物は、特に全身投与、特に非経口投与(すなわち注射液)及び特定の液体製剤(例えば、局所的婦人科、皮膚科、眼科などで使用する)、並びに口粘膜での使用で問題である。
やや水に溶けにくい薬剤の水性組成物を得るために、多くのアプローチが知られている。前記アプローチは溶解性を高めることを追及し、したがって組成物の容易さ、及びやや溶けにくい又は親油性の活性薬剤のバイオアベイラビリティを高める。前記アプローチの1つは、イオン性の基又は融点を下げる基の導入によって親油性の薬剤を化学的に修飾することに関する。前者は、一般に、種々のエステルを形成するために使用できるヒドロキシル又はカルボキシ基を有する親油性の薬剤に依存する。後者は、可溶化するために、分子が結晶格子に残らなければならないという概念に基づく。融点を下げ、したがって結晶格子のエネルギーを下げる分子の任意の修飾は、任意の溶媒におけるその溶解性を高める傾向にある。
【0004】
他の方法は、界面活性剤によるミセル可溶化、すなわち治療剤を可溶化し、輸送するための界面活性剤ミセルの使用のような物理化学的可溶化技術に関する。ミセルは、特定の条件下で両親媒性化合物によって形成されるコロイド状の凝集物である。ミセル、及びミセルを含む医薬組成物は、広く研究され、文献に詳細に記載されている。水溶液において、ミセルは、親油性の治療剤をミセルの炭化水素コアに組み込むことができ、又はミセル壁内に種々の位置で前記薬剤を巻き込むことができる。ミセル組成物は種々の親油性の治療剤を可溶化できるが、従来のミセル組成物の添加量はミセル界面活性剤への治療剤の溶解性によって制限される。多くの親油性の治療剤について、前記溶解性は低く、治療上有効な量を投与することができる組成物を提供することはできない。
適切なポリマーの使用によって複合体、固溶体及び固体分散の形成は、医薬活性物質の水溶性を高めるための別のアプローチである。この場合、活性成分は適切な親水性担体に組込まれ、前記親水性担体は、その溶解性及びバイオアベイラビリティを、前記薬剤とポリマーマトリックスの間に共有結合を生じることなしに高める。固溶体及び固体分散の間の違いは、典型的には、活性成分の形成においてである。固溶体の場合、活性成分はアモルファス分子の形態で存在するが、分散の場合、活性成分は可能な限り細かい結晶形態で存在する。
真の複合体を生じるためのポリマーと薬剤との相互作用の使用は、さらに広く研究されており、非共有結合特性の化学結合が関係する。医薬領域で使用される複合体形成ポリマーとしては、例えばポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、シクロデキストリン、カルボキシメチルセルロース、ポリビニルピロリドン(PVP)が挙げられる。
【0005】
共沈は、さらに別の広く知られた溶解性を高める複合体の製造方法である。この方法において、前記物質及び前記ポリマーを、それらが共に溶解する有機溶媒に溶解し、次いで前記溶液を、大気圧下、減圧条件で、噴霧乾燥又は凍結乾燥で蒸発させて、治療剤の複合物から実際に作られる乾燥生成物を得る。前記複合体は、他の方法を適用することによって(例えば、ミル中で成分を粉砕及び混合して)又は少量の水等と一緒に2つの生成物を含むペーストの押出成形によっても得ることができる。出発薬剤と比較して、複合体は、典型的には明らかに高められた水溶性を示す。
複合体化による薬剤の可溶化方法を案出する過程で、活性成分の溶解性はポリマーの分子量に直接依存するため、ポリマーの分子量を考慮する必要がある。一般に、低分子量のポリマーは、中から高分子量のポリマーよりも適している。
さらに別の方法は、種々の共溶媒、すなわち水及び1つ又はそれ以上の有機溶媒を含む溶媒混合物を用いる組成物の使用に関する。水系で親油性の薬剤を可溶化する1つのアプローチは、アルコール及びグリコールのいくつかの組み合わせを利用することである(PDA J. Phare. Sci. Technol. 50 (5) 1996; 米国特許第6,136,799号;第6,361,758号及び第5,858,999号)。製造、貯蔵及び投与の際の溶解性を保証するために、しばしば50%又はそれ以上の有機溶媒含量が必要である。有機溶媒濃度は高いが、依然として低容量非経口投与量についてLD50を下げる場合、その量は依然として典型的には望ましくない。高濃度の有機溶媒は注入時に痛み及び組織壊死を生じる。
【0006】
他の方法は、キレート剤、例えばクエン酸、酒石酸、アミノ酸、チオグリコール及びエデト酸2ナトリウムの添加による複合体の形成に関する。他は、酢酸塩、クエン酸塩、グルタミン酸塩及びリン酸塩のような緩衝剤を使用する。しかしながら、緩衝剤及びキレート剤は、生成物中のアルミニウム濃度を、悪影響をもたらす3.5ppmを超えるレベルにすることに関係する(国際特許出願公開WO 96/36340)。さらに、EDTAのような特定のキレート剤は、腎毒性及び尿細管壊死のような副作用に関係している(米国特許第6,361,758号)。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
これらの前述の各方法はその固有の限界を有する。多くの医薬品について、上述の方法の1つ又は別の方法によって達成することができる溶解性のレベルは、水性商品におけるその使用を可能にするには依然として十分ではない。
親油性の薬剤の例及び重要なクラスはビタミンD化合物である。正確に新陳代謝されたビタミンD化合物は、健康な骨の維持に必要であり、さらに別の生物学的活性を示すことが分かった。ビタミンDの天然型及びビタミンDの多くの公知の合成類縁物質の親油性は、有効な組成物、特に例えば腎臓透析患者にとって好ましい非経口組成物の製造を困難にしている。
さらに、他の親油性化合物の中でも、ビタミンD化合物は酸素に敏感であり、空気に触れると酸化し、したがって完全性を失うことが知られている。この問題を回避するための1つのアプローチは、薬剤の組成物に直接酸化防止剤を添加することである。しかしながら、アスコルビン酸及びアスコルビン酸ナトリウムのような特定の酸化防止剤は、水溶性が高く、その意図した機能を果たしているうちに変色する。緩衝剤及び/又はキレート剤も酸素に対する感受性を低くするために添加され、したがって活性薬剤効能を維持する(米国特許第4,308,264号、第4,948,788号及び第5,182,274号)。しかしながら、上述の通り、緩衝剤及びキレート剤は望ましくない濃度のアルミニウムを生成物にもたらすことが知られている。
したがって、多くの公知のアプローチの限界を克服する親油性の治療剤の医薬組成物が必要である。
【課題を解決するための手段】
【0008】
発明の要約
本発明は、親油性の薬剤の非経口組成物に関する問題を克服する医薬組成物を提供する。本発明は、一定期間殺菌できる組成物を提供し、アルコールのような有機溶媒を少量含み、又は含まない。また、本発明の新規組成物が相乗的な可溶化及び酸化防止作用を提供することは驚くべき発見である。さらに、本発明は、防腐剤の含有及び非含有が可能であり、意図される使用及び/又は取り扱いに依存する。
本発明は、水性溶媒中に、治療上有効な量の(1)親油性の治療剤、(4)非イオン性可溶化剤、(3)親油性の酸化防止剤、及び(4)必要に応じて、有機溶媒、若しくは防腐剤(例えば、抗菌剤)、又はその両方である薬剤を含む医薬組成物を提供する。本発明の組成物での使用に適した親油性の治療剤は、特に限定されない。特に興味ある薬剤としては、ビタミンD化合物及びその類縁物質が挙げられる。親油性、すなわち油溶性の酸化防止剤の使用によって、水溶性酸化防止剤を利用する公知の組成物と比較して、少量の酸化防止剤が使用される場合がある。
本発明の組成物は、患者に刺激を生じさせる高濃度の有機溶媒を必要としない。さらに、本発明の組成物は緩衝剤及びキレート剤を排除する。例えば、いくつかの従来のビタミンD組成物における緩衝剤及びキレート剤の使用は、望ましくない濃度のアルミニウムを生成物に、また最終的に患者に与えることにつながる。
また、本発明は、例えばそれを必要とする患者に、本発明の組成物を非経口的に投与することを含む、特定の疾患及び障害の治療及び/又は予防方法に関する。例えば、ビタミンD化合物又はその類縁物質を含む組成物について、これらの疾患としては、副甲状腺機能亢進症、例えば二次性副甲状腺機能亢進症、新生物疾患、例えば膵臓癌、乳癌、結腸癌又は前立腺癌並びに乾癬のような異常細胞分化及び/又は細胞増殖の他の疾患、並びに骨軟化症のようなカルシウム代謝異常が挙げられる。
その他の利点及び本発明の特性の完全な理解は、以下の発明の詳細な説明の試験及び特許請求の範囲によって与えられる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
発明の詳細な説明
本発明は、非イオン性可溶化剤及び親油性の酸化防止剤を利用する、親油性の治療剤を水性溶媒中に含む、安定な、自己保存医薬組成物を提供する。前記組成物は非経口投与に適している。
本明細書で使用する、治療剤又は薬剤に関する用語「親油性」は、やや溶けにくい(又は、十分でない溶解性、わずかに溶ける、ほとんど溶けない)生物活性若しくは医薬活性物質又は抗原含有材料(治療上又は予防上の効果を有し、ヒトなどの哺乳類に影響を与える疾患若しくは障害の治療若しくは予防又は動物若しくはヒトの生理的状態の調節における有用性を有する)を意味するものとする。親油性の薬剤の水溶性は、室温で、典型的には低すぎて、商業上の提案、十分な活性又は利点を、活性成分として前記化合物を含む任意の水溶液製剤に与えることができない。親油性の治療剤としては、わずかに水溶性の、又は非水溶性の物質、典型的には化合物が挙げられる。本発明で使用できる親油性の治療剤の本質的な水溶性(すなわち、イオン化していない形態の水溶性)としては、例えば約1重量%未満、典型的には約0.1重量%又は0.01重量%未満、又は例えば約10μg/mL未満の溶解度を有するものが挙げられる。
驚いたことに、本発明の方法は広範囲の親油性の薬剤を可溶化及び送達できるために、本発明の組成物における使用に適した親油性の治療剤は特に限定されない。本発明の組成物で使用できる治療剤は、可溶化剤のない水系で適切な溶解性をもたない広範囲の生物及び/又は医薬活性物質から選ぶことができる。前記治療剤としては、動物、特に哺乳類に、例えば薬剤、プロドラッグ(すなわち、活性物質に変化する薬剤)、栄養薬(栄養補助剤)、及び化粧品(美容食品)を投与したときに、治療上の有用性又はその他の有用性を有する任意の薬剤が挙げられる。前記治療剤は、本発明の組成物で使用して、例えば非経口投与のために有効薬用量を与える。前記物質が本発明の組成物において可溶化できる限り、前記物質の正確な生物学的及び/又は薬理学的活性は重要ではない。
【0010】
本発明の組成物で使用できる親油性の治療剤の特定の非限定的例としては、以下の代表的な化合物、及びその医薬上許容される塩、異性体、エステル、エーテル及び他の誘導体が挙げられる。これらには:
鎮痛薬及び抗炎症薬、例えばアロキシプリン、オーラノフィン、アザプロパゾン、ベノリラート(benorylate)、カプサイシン、セレコキシブ、ジクロフェナク、ジフルニサル、エトドラク、フェンブフェン、フェノプロフェン カルシウム、フルルビプロフェン、イブプロフェン、インドメタシン、ケトプロフェン、ケトロラク、レフルノミド、メクロフェナム酸、メフェナム酸、ナブメトン、ナプロキセン、オキサプロジン、オキシフェンブタゾン、フェニルブタゾン、ピロキシカム、ロフェコキシブ、スリンダク、テトラヒドロカンナビノール、トラマドール及びトロメタミン;
駆虫薬、例えばアルベンダゾール、ベフェニウム ヒドロキシナフトアート、カンベンダゾール、ジクロロフェン、イベルメクチン、メベンダゾール、オキサムニキン、オキシフェンダゾール、オキサンテルエンボナート(oxantel embonate)、プラジクアンテル、ピランテルエンボナート(pyrantel embonate)及びチアベンダゾール;
抗不整脈薬、例えば塩酸アミオダロン、ジソピラミド、酢酸フレカイニド及び硫酸キニジン;
抗喘息薬、例えばジレウトン、ザフィルローカスト、硫酸テルブタリン、モンテルカスト及びアルブテロール;
抗菌剤、例えばアラトロフロキサシン、アジスロマイシン、バクロフェン、ベンザチン ペニシリン、シノキサシン、塩酸シプロフロキサシン、クラリスロマイシン、クロファジミン、クロキサシリン、デメクロサイクリン、ジリスロマイシン、ドキシサイクリン、エリスロマイシン、エチオナミド、フラゾリドン、グレパフロキサシン(grepafloxacin)、イミペネム、レボフロキサシン、ロレフロキサシン(lorefloxacin)、塩酸モキシフロキサシン、ナリジクス酸、ニトロフラントイン、ノルフロキサシン、オフロキサシン、リファンピシン、リファブチン(rifabutine)、リファペンチン(rifapentine)、スパルフロキサシン、スピラマイシン、スルファベンズアミド、スルファドキシン(sulphadoxine)、スルファメラジン、スルフアセタミド、スルファジアジン、スルファフラゾール(sulphafurazole)、スルファメトキサゾール、スルファピリジン、テトラサイクリン、トリメトプリム、トロバフロキサシン及びバンコマイシン;
抗ウイルス薬、例えばアバカビル、アンプレナビル、デラビルジン、エファビレンツ、インディナビル、ラミブジン、ネルフィナビル、ネビラピン、リトナビル、サキナビル及びスタブジン(stavudine);
抗凝血剤、例えばシロスタゾール、クロピドグレル、ジクマロール、ジピリダモール、ニコウマロン(nicoumalone)、オプレルベキン(oprelvekin)、フェニンジオン、チクロピジン及びチロフィバン(tirofiban);
抗鬱薬、例えばアモキサピン、ブプロピオン、シタロプラム、クロミプラミン、塩酸フルオキセチン、塩酸マプロチリン、塩酸ミアンセリン、塩酸ノルトリプチリン、塩酸パロキセチン、塩酸セルトラリン、塩酸トラゾドン、マレイン酸トリミプラミン及び塩酸ベンラファキシン;
抗糖尿病薬、例えばアセトヘキサミド、クロルプロパミド、グリベンクラミド、グリクラジド、グリピジド(glipizide)、グリメピリド、ミグリトール(miglitol)、ピオグリタゾン、レパグリニド(repaglinide)、ロシグリタゾン(rosiglitazone)、トラザミド、トルブタミド及びトログリタゾン;
抗癲癇薬、例えばベクルアミド(beclamide)、カルバマゼピン、クロナゼパム、トトイン(thotoin)、フェルバメイト、ホスフェニトインナトリウム(fosphenytoin sodium)、ラモトリジン、メトイン(methoin)、メトスクシミド、メチルフェノバルビトン(methylphenobarbitone)、オキスカルバゼピン(oxcarbazepine)、パラメタジオン、フェナセミド、フェノバルビトン、フェニトイン、フェンスクシミド、プリミドン、スルチアム、塩酸チアガビン、トピルアマート(topiramate)、バルプロ酸及びビガバトリン(vigabatrin);
抗真菌薬、例えばアホテリシン、塩酸ブテナフィン、硝酸ブトコナゾール(butoconazole nitrate)、クロトリマゾール、硝酸エコナゾール、フルコナゾール、フルシトシン、グリセオフルビン、イトラコナゾール、ケトコナゾール、ミコナゾール、ナタマイシン、ナイスタチン、硝酸スルコナゾール、オキシコナゾール、塩酸テルビナフィン、テルコナゾール、チオコナゾール及びウンデセン酸;
抗痛風薬、例えばアロプリノール、プロベネシド及びスルフィンピラゾン(sulphinpyrazone);
血圧降下薬、例えばアムロジピン、ベニジピン、ベネゼプリル(benezepril)、カンデサルタン、カプトプリル、ダロジピン(darodipine)、塩酸ジリタゼム(dilitazem HCl)、ジアゾキシド、塩酸ドキサゾシン、エナラプリル、エポサルタン(eposartan)、メシル酸ロサルタン、フェロジピン、フェノルドパム、ホセノプリル(fosenopril)、酢酸グアナベンズ、イルベサルタン、イスラヂピン、リシノプリル、ミノキシディル、塩酸ニカルジピン、ニフェジピン、ニモジピン(nimodipine)、ニソルジピン、塩酸フェノキシベンザミン、塩酸プラゾシン、キナプリル、レセルピン、塩酸テラゾシン、テルミサルタン及びバルサルタン;
抗マラリア薬、例えばアモジアキン、クロロキン、塩酸クロルプログアニル(chlorproguanil)、塩酸ハロファントリン、塩酸メフロキン、塩酸プログアニル、ピリメタミン及び硫酸キニーネ;
抗偏頭痛薬、例えばメシル酸ジヒドロエルゴタミン、酒石酸エルゴタミン、フロバトリプタン(frovatriptan)、マレイン酸メチセルギド、塩酸ナラトリプタン、マレイン酸ピゾチフェン(pizotifen maleate)、安息香酸リザトリプタン、コハク酸スマトリプタン及びゾルミトリプタン;
抗ムスカリン薬、例えばアトロピン、塩酸ベンズヘキソール、ビペリデン、塩酸エトプロパジン(ethopropazine HCl)、ヒヨスチアミン、臭化メペンゾラート、塩酸オキシフェンサイクリミン及びトロピクアミド;
抗腫瘍薬及び免疫抑制薬、例えばアミノグルテチミド、アムサクリン、アザチオプリン、ビカルタミド、ビサントレン(bisantrene)、ブスルファン、カンプトセシン、カペシタビン()、クロラムブシル、サイクロスポリン、ダカルバジン、エリプチシン(ellipticine)、エストラムスチン、エトポシド、イリノテカン、ロムスチン、メルファラン、メルカプトプリン、メトトレキサート、マイトマイシン、ミトタン、ミトキサントロン、ミコフェノール酸モフェチル、ニルタミド、パクリタキセル、塩酸プロカルバジン、シロリムス、タクロリムス、クエン酸タモキシフェン、テニポシド、テストラクトン(testolactone)、塩酸トポテカン及びクエン酸トレミフェン;
抗原虫薬、例えばアトバクオン、ベンズニダゾール、クリオキノール、デコキナート(decoquinate)、ジヨードヒドロキシキノリン、フロン酸ジロキサニド、ジニトルミド、フラゾリドン、メトロニダゾール、ニモラゾール(nimorazole)、ニトロフラゾン、オルニダゾール及びチニダゾール;
抗甲状腺薬、例えばカルビマゾール及びプロピルチオウラシル;
鎮咳薬、例えばベンゾナテート;
精神安定薬、鎮痛薬、睡眠薬及び神経弛緩薬、例えばアルプラゾラム、アミロバルビトン、バルビトン、ベンタゼパム(bentazepam)、ブロマゼパム、ブロムペリドール、ブロチゾラム、ブトバルビトン、カルブロマール、クロルジアゼポキシド、クロルメチアゾール、クロルプロマジン、クロルプロチキセン、クロナゼパム、クロバザム、クロチアゼパム、クロザピン、ジアゼパム、ドロペリドール、エチナメート、フルナニソン(flunanisone)、フルニトラゼパム、トリフルプロマジン(triflupromazine)、デカン酸フルペンチキソール(flupenthixol decanoate)、デカン酸フルフェンチキソール(fluphenthixol decanoate)、フルラゼパム、ガバペンチン、ハロペリドール、ロラゼパム、ロルメタゼパム、メダゼパム、メプロバメート、メソリダジン、メタカロン、メチルフェニデート、ミダゾラム、モリンドン(molindone)、ニトラゼパム、オランザピン、オキサゼパム、ペントバルビタール、パーフェナジン ピモジド、プロクロルペラジン、偽エフェドリン、クエチアピン、リスペリドン、セルチンドール、スルピリド、テマゼパム、チオリダジン、トリアゾラム、ゾルピデム及びゾピクロン;
β受容体遮断薬、例えばアセブトロール、アルプレノロール、アテノロール、ラベタロール、メトプロロール、ナドロール、オクスプレノロール、ピンドロール及びプロプラノロール;
強心薬、例えばアムリノン、ジギトキシン、ジゴキシン、エノキシモン、ラナトシドC及びメジゴキシン(medigoxin);
コルチコステロイド、例えばベクロメタゾン、ベータメタゾン、ブデゾニド、酢酸コルチゾン、デソキシメタゾン(desoxymethasone)、デキサメタゾン、酢酸フルドロコルチゾン、フルニソリド、フルオコルトロン(fluocortolone)、プロピオン酸フルチカゾン、ヒドロコルチゾン、メチルプレドニゾロン、プレドニゾロン、プレドニゾン及びトリアムシノロン;
利尿薬、例えばアセタゾールアミド、アミロリド、ベンドロフルメサイアザイド、ブメタニド、クロロチアジド、クロルタリドン、エタクリン酸、フロセミド、メトラゾン、スピロノラクトン及びトリアムテレン;
抗パーキンソン病薬、例えばメシル酸ブロモクリプチン、マレイン酸リスリド、プラミペキソール、塩酸ロピニロール及びトルカポン;
胃腸薬、例えばビサコジル、シメチジン、シサプリド、塩酸ジフェノキシラート、ドンペリドン、ファモチジン、ラノスプラゾール(lanosprazole)、ロペラミド、メサラジン、ニザチジン、オメプラゾール、塩酸オンダンセトロン、ラベプラゾール ナトリウム、塩酸ラニチジン及びスルファサラジン;
ヒスタミンH1及びH2受容体拮抗薬、例えばアクリバスチン(acrivastine)、アステミゾール(astemizole)、クロルフェニラミン、シンナリジン、セチリジン、フマル酸クレマスチン、シクリジン、塩酸シプロヘプタジン、デキスクロルフェニラミン、ジメンヒドリナート、フェキソフェナジン、塩酸フルナリジン、ロラタジン、塩酸メクリジン、オキサトミド及びテルフェナジン;
角質溶解薬、例えばアセトレチン(acetretin)、カルシプロトリエン(calciprotriene)、カルシフェジオール、カルシトリオール、コレカルシフェロール、エルゴカルシフェロール、エトレチナート、レチノイド、タルグレチン及びタザロテン;
脂質調整剤、例えばアトルバスタチン、ベザフィブラート、セリバスタチン、シプロフィブラート、クロフィブラート、フェノフィブラート、フルバスタチン、ゲムフィブロジル、プラバスタチン、プロブコール及びシンバスタチン;
筋弛緩薬、例えばダントロレンナトリウム及び塩酸チザニジン;
ニトラート及び他の抗狭心症薬、例えば硝酸アミル、三硝酸グリセリン、イソソルビドジニトラート、イソソルビドモノニトラート及びテトラ酢酸ペンタエリスリトール;
栄養剤及び脂溶性ビタミン、例えばカルシトリオール、カロチン、ジヒドロタキステロール、必須脂肪酸、非必須脂肪酸、フィトナジオール(phytonadiol)、ビタミンA、ビタミンB2、ビタミンD、ビタミンE及びビタミンK;
オピオイド鎮痛薬、例えばコデイン、デキストロプロポキシフェン、ジアモルヒネ、ジヒドロコデイン、フェンタニール、メプタジノール(meptazinol)、メタドン、モルヒネ、ナルブフィン及びペンタゾシン;
性ホルモン、例えばクエン酸クロミフェン、酢酸コルチゾン、ダナゾール、デヒドロエピアンドロステロン、エチニル エストラジオール、フィナステライド、フルドロコルチゾン、フルオキシメステロン、酢酸メドロキシプロゲステロン、酢酸メゲストロール、メストラノール、メチルテストステロン、ノルエチステロン、ノルゲストレル、エストラジオール、共役エストロゲン、プロゲステロン、リメキソロン(rimexolone)、スタノゾロール、スチルベストロール、テストステロン及びチボロン;
興奮剤、例えばアンフェタミン、デキストロアンフェトアミン、デクスフェンフルラミン、フェンフルラミン及びマジンドール;
及びその他、例えば勃起障害改善薬、抗骨粗鬆症薬、抗肥満薬、認知エンハンサー、抗尿失禁薬、良性前立腺肥大薬、例えばベカプレルミン、塩酸ドネペジル、L-トリロキシン(thryroxine)、メトキサレン、ベルテポルフィン、フィソスチグミン、ピリドスチグミン、塩酸ラロキシフェン、塩酸シブトラミン、クエン酸シルデナフィル、タクリン、塩酸タムスロシン及びトルテロジンが含まれる。
【0011】
当然のことながら、親油性の治療剤及びその治療上の分類のこのリストは単なる例である。実際には、本発明の組成物の特定の構成及び驚くべき利点は、官能基の分類に関わらず、広範囲の親油性の治療剤を可溶化及び送達する本発明の組成物の能力である。もちろん、親油性の治療剤の混合物も所望の場合には使用できる。
特に興味のある親油性の薬剤の例としては、活性ビタミンD化合物が挙げられる。本明細書で用いる用語「活性ビタミンD」は、その代謝の任意の段階のプロドラッグ(又はプロホルモン)、前駆体、代謝物又は類縁物質などの任意の生物学的に活性なビタミンD化合物を含むものとする。ビタミンD化合物は、例えばカルシウム及びホスフェート代謝において(例えば、米国特許第5,104,864号参照)、抗腫瘍薬として(例えば、米国特許第5,763,429号参照)、及び抗副甲状腺機能亢進症薬として(例えば、米国特許第5,602,116号)、種々の生物活性を示すことが知られており、ビタミンDの生物活性形態のいずれの形態も本発明の組成物において使用できると考えられる。一般に、活性ビタミンD化合物又はその類縁物質はその分子の少なくともC-1、C-24又はC-25位でヒドロキシル化され、前記化合物自体又はその代謝物はビタミンD受容体(VDR)に結合する。例えば、プロドラッグとしては、C-1でヒドロキシル化されるビタミンD化合物が挙げられる。前記化合物は、さらにインビボでヒドロキシル化を受けて、その代謝物はVDRを結合する。
【0012】
前駆体としては、プレビタミン、例えば1α-ヒドロキシプレビタミンD2、1α,24-ジヒドロキシプレビタミンD2、1α,25-ジヒドロキシプレビタミンD2、24-ヒドロキシプレビタミンD2、1α-ヒドロキシプレビタミンD3及び1α,25-ジヒドロキシプレビタミンD3が挙げられ、それらはビタミン体の熱異性体の形態である。代謝物は、一般に、さらに代謝プロセス、例えばヒドロキシル化を受けている化合物又はその類縁物質が挙げられる。
本発明の組成物に適したビタミンD化合物の例としては、限定されるものではないが、1α,24-ジヒドロキシビタミンD2、1α,2-ジヒドロキシビタミンD4、1α,24-ジヒドロキシビタミンD2、1α,25-ジヒドロキシビタミンD3(カルシトリオール)、1αヒドロキシビタミンD3(α-カルシドール)、1α,25-ジヒドロキシビタミンD2、1α,25-ジヒドロキシビタミンD4及び1α,24,25-ジヒドロキシビタミンD2、セオカルシトール(EB-1089)、カルシポトリオール、22-オキサカルシトリオール(マキサカルシトール)、フッ素化化合物、例えばファレカルシトリオール、及び19-ノル化合物、例えばパリカルシトールが挙げられる。当然のことながら、例えば、C-24のような側鎖にキラル中心を有するこれらの化合物の中でも、エピ異性体(例えば、R及びS)並びにエピ異性体混合物は本発明の範囲内である。
【0013】
また、当然のことながら、本明細書で引用される任意の数値は最小値から最大値のすべての値を含む。例えば、濃度範囲が1〜50%と記載されている場合、2〜40%、10〜30%、又は1〜3%などのような値が本明細書に明示的に列挙されることを意味する。これらは、特に意味するものの単なる例示であり、列挙された最小値と最大値との間の数値のすべての可能な組み合わせは、本明細書で明示されているものと考えるべきである。
選択される治療剤の量は、本発明では重要ではなく、特定の患者の所望の治療上の応答を達成するために変えることができる。本発明の組成物における活性治療剤の量は、ある程度、使用される特定の界面活性剤の溶解性及びその使用目的に依存する。当業者は、過度の実験を必要としないでその比を調整することができる。また、選択される投与量は、特定の治療剤の活性、投与経路、治療される状態の重症度及びその状態並びに特定の患者の病歴に依存する。例えば、ビタミンD型化合物の薬用量は約2〜約100μg/1投与の範囲であってもよい。
【0014】
本発明の組成物に適した可溶化剤としては、非イオン性可溶化剤が挙げられる。非イオン性可溶化剤は、可溶化剤の親水性部分が電荷をもたないが、ヒドロキシル又はポリオキシエチレン基のような高い極性を有する基からその水溶性を誘導するものである。また、医薬分野で使用される公知の特定の界面活性剤は可溶化官能基を有する。
可溶化剤としては、一般に、これに限定されないが、ポリオキシアルキレンデキストラン、サッカロースの脂肪酸エステル、オリゴグルコシドの脂肪アルコールエーテル(例えば、TRITON(登録商標)のようなアキルポリグルコシド)、グリセロールの脂肪酸エステルス(例えば、モノ/ジステアリン酸グリセリン又はグリセリンモノラウラート)、及びポリオキシエチレン系化合物(例えば、POE、PEG、PEO、SOLUTOL(登録商標)CREOMOPHOS(登録商標)S、MACROGOL、CARBOWAX、POLYOXYL)が挙げられる。また、後者としては、ソルビタンのポリエトキシル化脂肪酸エステル(例えば、TWEEN(登録商標)、SAPN(登録商標)などのポリソルベート)、ポリ(エチレンオキシド)の脂肪酸エステル(例えば、ステアリン酸ポリオキシエチレン)、ポリ(エチレンオキシド)の脂肪アルコールエーテル(例えば、ポリオキシエチル化ラウリルエーテル)、ポリ(エチレンオキシド)のアルキルフェノールエーテル(例えば、ポリエトキシル化オクチルフェノール)、ポリオキシエチレン-ポリオキシプロピレンブロックコポリマー(「Pluronic」のようなポロキサマーとしても知られる)、及びエトキシル化油脂(例えば、エトキシル化ヒマシ油、又はポリオキシエチル化ヒマシ油、ポリエチレングリコール-グリセリルトリリシノレアートとしても知られる)。可溶化剤の混合物も本発明の範囲内である。前記混合物は、標準的な市販品から容易に入手できる。特に興味のある可溶化剤としては、ポリソルベート、例えばTWEEN(登録商標)が挙げられる。本発明の組成物中に存在する前記可溶化剤の量としては、約0.05〜約5%w/wが挙げられる。
【0015】
適した親油性の酸化防止剤としては、これに限定されないが、ブチル化ヒドロキシトルエン(BHT)、リポ酸、リコピン、ルテイン、リコフィル、キサントフィル、カロチン、ゼアキサンチン又はビタミンE及び/又はそのエステルが挙げられる。親油性の酸化防止剤は、非常に少量で存在するが効果的な量であり、例えば約20〜約2000ppmである。
【0016】
必要に応じて、本発明の組成物は、追加の薬剤を加えて投与システムにおける親油性の治療剤の溶解性を高めても良い。前記追加の薬剤の例としては、有機溶媒、防腐剤又はその両方が挙げられる。前記薬剤としては、アルコール及びポリオール、例えばエタノール、ベンジルアルコール、クロロブタノール、イソプロパノール、ブタノール、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール、グリセリロール、ペンタエリスリトール、ソルビトール、マンニトール、トランスクトール(transcutol)、ジメチル イソソルビド、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリビニルアルコール、ヒドロキシプロピルメチルセルロース及び他のセルロース誘導体、シクロデキストリン及びシクロデキストリン誘導体が挙げられる。追加の薬剤の量としては、0〜約30%w/wの、例えば有機溶媒が挙げられる。有用な範囲は0〜約10%w/wであり、特に有用な範囲は約1〜約3%である。
したがって、本発明の組成物は、親油性の薬剤(例えば10μg/mL未満の水に対する溶解度を有する薬剤)、約0.05〜約5%w/wの非イオン性可溶化剤、約20〜約2000ppmの親油性の酸化防止剤、及び0〜約30%w/wの追加の薬剤を含む。特に、二次性副甲状腺機能亢進症を治療するための組成物は、2〜6μg/mLの1α-ヒドロキシビタミンD2(ドキセルカリシフェノール)、2.5%w/wのベンジルアルコール、0.5〜2.5%w/wのTWEEN(登録商標)-20、及び20ppmのBHTを含む。追加の薬剤、例えばベンジルアルコール又はエタノールの量は、0〜30%w/wの範囲であってもよい。非常に有用な範囲は1〜3%w/wである。ビタミンD組成物(例えば、ドキセルカリシフェノール組成物)について、追加の薬剤の最も有用な量は2.5%w/wである。
【0017】
本発明の医薬組成物は水性溶媒を含む。水性溶媒は、もちろん水を含むが、さらにpH調整剤、安定化剤、可溶化剤(上記参照)、等張調整剤、及び溶媒(例えば、上述の有機溶媒)を含んでもよい。本発明の組成物は、特定の患者において刺激を生じる高濃度の有機溶媒の必要性を排除する。しかしながら、特定の場合には、有機溶媒又は共溶媒を含むのに適している。本発明の組成物中の水の量は、通常少なくとも約50〜約99%w/wである。
本発明の医薬組成物について、対象とする投与経路は、適切には非経口、すなわち、例えば動物又は人体に注入することによって使用する。前記経路としては、静脈内投与、筋内投与及び皮下投与が挙げられ、静脈内投与は、例えば、二次性副甲状腺機能亢進症又は新生物疾患と関連して使用する本発明の組成物に特に適している。
しかしながら、関連がある場合にはいつでも、本発明の組成物は、例えば経口投与、局所経路又は経鼻経路のような他の投与経路で使用するのに適している場合がある。前記の場合、当業者は、活性成分の濃度及び組成物中に含まれる他の成分に関してあらゆる必要な調整を行うことができる。
本発明の組成物は、通常水溶液として提供される。しかしながら、特定の場合に、例えば局所又は経口経路によって組成物の投与に関連して、本発明の組成物は、溶液又はゲルの形態で提供してもよい液体組成物を含む。
【0018】
医薬組成物は、薬局方グレード試薬を用いることによって容易に調製でき、前記試薬は原液で作製され、適切な濃度で得られる溶液はそれから調製される。適切な量の原液を混合すると、しばしば数分間混合物の上を緩やかに流れる窒素ガス下、すなわち窒素ガスオーバーレイで試薬を撹拌することが望ましい。次いで、注入用脱気水を加えて所望の最終容量にし、さらに数分間連続して窒素ガス下で撹拌する。
上述の物質のようなビタミンD化合物又はビタミンD類縁物質を含む本発明の医薬組成物は、(i)異常細胞分化及び/又は細胞過剰増殖を特徴とする疾患又は状態、例えば乾癬及び角化、新生物疾患及び癌、例えば膵臓癌、乳癌、結腸癌及び前立腺癌並びに皮膚癌の他の障害、(ii)免疫系の疾患、すなわち平衡異常、例えばホスト対移植片及び移植片対ホスト反応並びに移植拒絶反応、並びに自己免疫疾患、例えば円板状エリテマトーデス及び全身性エリテマトーデス、自己免疫型の糖尿病及び慢性皮膚疾患、例えば強皮症及び尋常性天疱瘡、(iii)炎症性疾患、例えばリウマチ様関節炎、並びに多くの(iv)他の疾患又は疾病状態、例えば副甲状腺機能亢進症、特に腎不全に関連した二次性副甲状腺機能亢進症の治療及び/又は予防において、並びに(v)骨形成を促進し、骨粗鬆症及び骨軟化症などで失う骨の治療/予防において用いるのに適している(治療及び予防用ビタミンD化合物の使用について、例えば米国特許第5,9722,917号、第5,798,345号、第5,763,428号、第5,602,116号、第5,869,386号、第5,104,864号、第5,403,831号、第5,880,114号、第5,561,123号参照)。本発明のビタミンD組成物は、特に細胞過剰増殖疾患、カルシウム代謝障害(例えば、骨軟化症)、又は新生物疾患(例えば、膵臓癌、乳癌、結腸癌又は前立腺癌)の治療に適している。治療方法は、細胞を治療すること、及び/又は疾患又は障害を治療(amelariate)又は予防するのに効果的である量の本発明の組成物を、それを必要とする患者に投与することを含む。例えば、過剰増殖又は新生物疾患の治療において、有効な量は、例えば増殖抑制量である。毎日の投薬量及び一時的な投薬量、例えば1週間に1〜3回の投薬量は考慮される。
【0019】
さらに、上述の通り、本発明のビタミンD化合物には、プロドラッグ、すなわちインビボでの代謝プロセス、例えば追加のヒドロキシル化をさらに要求する薬剤が含まれる。有効な治療剤であることがわかっているビタミンD化合物の前記プロドラッグは、例えばジヒドロキシ天然ホルモン、1α,25-ジヒドロキシビタミンD3よりも一般に反応性は小さい。これらの化合物は、組成物での使用にさらに利点を提供する場合がある。
さらに、本発明の組成物は、例えば高圧蒸気殺菌法によって最終的に殺菌されてもよい。
本発明は、以下の実施例によってさらに説明されるが、本発明の範囲を限定するものと解釈されるべきではない。
【実施例】
【0020】
原液の調製
実施例1:ドキセルカルシフェロール(1α-ヒドロキシビタミンD2)原液
12.558mlのドキセルカルシフェロールを秤量し、10mL容量フラスコに入れた。この固体をエタノールで所定容量に希釈し、フラスコを激しく振動させて固体を溶解した。
実施例2:ブチル化ヒドロキシトルエン(BHT)原液
2.22gのBHTを100mL容量フラスコに入れた。この固体をエタノールで所定容量に希釈し、フラスコを激しく振動させて固体を溶解した。
実施例3:10%のTWEEN(登録商標)-20
100gのTWEEN(登録商標)-20KRを1L容量フラスコに入れ、注入用脱気水で所定容量に希釈した。磁器撹拌子を加え、混合物を撹拌して混合した。
【0021】
組成物
実施例4:ドキセルカルシフェロール組成物
ドキセルカルシフェロール組成物を調製するための一般的な手順は以下の通りである。ガラス容器にドキセルカルシフェロール原液、10%TWEEN(登録商標)-20、BHT原液及びエタノールを、この順に加えた。窒素ガスを混合物上にゆっくりと流した。撹拌子を混合物に加え、20分以上窒素ガスオーバーレイを続けながら撹拌した。注入用脱気水を加えて1リットルの最終容量にした。窒素ガスオーバーレイを続けながら混合物を20分以上撹拌した。組成物の調製で使用した各成分の容量を下記表1に示す。
【0022】
表1:ドキセルカルシフェロール組成物の調製

【0023】
組成物の使用
実施例5:二次性副甲状腺機能亢進症を示す末期腎臓病(ESRD)患者における二重盲検試験
常習的に血液透析を受けている120人までのESRD(末期腎臓病)患者を、2大米国首都圏で多施設、二重盲検、プラセボ比較試験において研究した。本土内の2大首都圏に住む選ばれた患者の年齢は20〜75歳であり、二次性副甲状腺機能亢進症の病歴をもつ。彼らは、少なくとも4ヶ月間血液透析を受け、正常(又は正常に近い)血清アルブミンを有し、制御された血清リンを有する(しばしば経口リン酸カルシウムバインダーを用いることによって)。
研究のための入院時に、各患者は2つの治療グループの1つにランダムに割り当てられる。これらのグループの1つは、1α-OH-ビタミンD2(ドキセルカルシフェロール)による治療の12週コースを2回続けて受け、他のグループは、1α-OH-ビタミンD2による治療の12週コースを受け、中断なく、プラセボ治療の12週コースを受ける。各患者は、1α-OH-ビタミンD2治療(2.5%w/wのベンジルアルコール、0.5〜2.5%w/wのTWEEN(登録商標)-20、及び20ppmのBHTによって処方される4μgのドキセルカルシフェロールの毎日の投薬量)の開始の8週間前に1α,25-(OH)2-ビタミンD3治療を中断する。この8週間のウォッシュアウト(又はコントロール)期間及び2回連続の12週間の治療期間全体にわたって、患者は血清カルシウム及びリンについて毎週モニターされる。血清無処置のPTHを毎週又は2週間ごとにモニターし、骨特異的血清マーカー、血清ビタミンD代謝物、血清アルブミン、血液化学、ヘモグロビン及びヘマトクリットを選択した間隔でモニターする。
【0024】
研究の間、患者は、1.24mMカルシウム血液透析液を用いるルーチン血液透析(1週間に3回)を受け、調整された血清ホスフェートを保つのに十分な量でリン酸カルシウムバインダー(例えば、炭酸カルシウム又は酢酸カルシウム)を摂取する。治療の間、軽い高カルシウム血症又は軽い高リン酸塩血症を継続的に患う患者は、1α-OH-ビタミンD2を1週間に3回の4μg(又はそれ以下)に減らす。著しい高カルシウム血症又は著しい高リン酸塩血症に患う患者は、直ぐに治療を中止する。このような患者は、血清カルシウム又はリンが正常化されるまで1週間に2回モニターされ、1週間に3回の4μg(又はそれ以下)である割合で1α-OH-ビタミンD2投与が再開される。
8週間のウォッシュアウトの間、PTHの平均血清レベルは連続的に、かつ、有意に増加する。1α-OH-ビタミンD2投与の開始後、平均血清PTHは前処理レベルの50%未満に有意に減少する。血清PTHにおけるこの低下のために、ある患者は、1α-OH-ビタミンD2の投薬量を1週間に3回の4μg(又はさらに低いレベル)に下げて血清PTHの過剰な抑制を防止する必要がある。そのような患者においては、血清PTHの過剰な抑制を示し、一過性の軽い高カルシウム血症が観測され、1α-OH-ビタミンD2投薬量の適切な低減によって修正される。
最初の12週間の治療期間の終わりに、平均血清PTHは130〜240pg/mLの所望の範囲であり、カルシウム及びリンの血清レベルは末期腎臓病患者について正常又はほとんど正常である。2番目の12週間の治療期間の終わりに(1α-OH-ビタミンD2治療が中止され、プラセボ治療によって置き代えられた時間)、平均血清PTH値は著しく増加し、前治療レベルに達する。この研究により、(1)1α-OH-ビタミンD2は血清PTHレベルを低減するのに効果的であること、及び(2)高投薬量及び高濃度の経口リン酸カルシウムバインダーの同時使用にも関わらず、1α-OH-ビタミンD2は現在使用されている治療よりも安全であることが示される。
【0025】
実施例6:二次性副甲状腺機能亢進症に由来する血中PTHの上昇による高齢の患者の非盲検試験
二次性副甲状腺機能亢進症の30人の高齢の患者は非盲検試験に登録される。選ばれた患者の年齢は60〜100歳であり、血清PTHレベルが上昇している(若い正常な範囲の上限よりも高い)。また、患者は大腿頚部骨減少症を有する(0.70μg/cm2の大腿頚部骨塩密度)。
患者は、カルシウムサプリメントを使用しないで、1日に約500mgのカルシウムを提供する治療食を維持することが要求される。12週間の治療の間、患者は、2.5μg/日の1α-OH-ビタミンD2を自己経口投与する(すなわち、2.5μgのドキセルカルシフェロール、2.5%w/wのベンジルアルコール、0.5〜2.5%w/wのTWEEN(登録商標)-20、及び20ppmのBHT)。治療期間にわたって、定期的な間隔で、患者は血清PTHレベル、血清カルシウム及びリンレベル、並びに尿カルシウム及びリンレベルについてモニターされる。効果は血清PTHレベルの治療前比較及び治療後比較によって評価される。安全性は血清並びに尿カルシウム及びリン値によって評価される。
1α-OH-ビタミンD2の投与は、高カルシウム血症、高リン酸塩血症、高カルシウム尿症及び高リン酸塩尿症のわずかな発生率によってPTHレベルが有意に減少することを示す。
【0026】
実施例7:前立腺癌の治療における1α,24-(OH)22の臨床研究
アンドロゲン非依存性の進行前立腺癌の患者は1α,24-(OH)22の非盲検試験に参加する。適格患者は少なくとも40歳であり、前立腺癌の組織学的証拠を示し、すでにホルモン介入に応答している進行性疾患を示す。研究のための入院時に、患者は26週間続く静脈内1α,24-(OH)22による治療コースを開始し、カルシウムサプリメント、ビタミンDサプリメント及びビタミンDホルモン補充療法の従前の使用を中止する。治療の際、患者は、定期的な間隔で、(1)高カルシウム血症、高リン酸塩血症、高カルシウム尿症、高リン酸塩尿症及び他の毒性、(2)転移性疾患の進行の変化の証拠、並びに(3)所定の試験薬物投薬量のコンプライアンスについてモニターされる。
研究は2つのフェーズで行われる。第1フェーズの間、1α,24-(OH)22の毎日の最大許容投薬量(MTD)は患者の継続的グループへ徐々に高くなる投薬量を投与することによって決定される。すべての投薬量は朝食前の朝に投与される。患者の第1グループは25.0μgの1α,24-(OH)22(2.5%w/wのベンジルアルコール、0.5〜2.5%w/wのTWEEN(登録商標)-20、及び20ppmのBHTにより処方される)により治療される。患者の次のグループは50.0、75.0及び100.0μg/日により治療される。投薬は、血清カルシウムが11.6mg/dLを超えるまで、又はグレード3又は4の他の毒性が観測されるまで、研究の間中断なく続けられ、毒性が観測された場合には、投薬は、観測された毒作用が解決するまで、一次中断され、次いで10.0μgまで減少したレベルで再開される。
【0027】
研究の第1フェーズの結果は、1α,24-(OH)22についてのMTDが20.0μg/日を超え、10〜40倍高いレベルが1α,24-(OH)22によって達成されることを示す。参加した患者からの定期的な間隔で採血したサンプルの分析は、循環する1α,24-(OH)22のレベルが投与された投薬量に比例して増加し、最も高い投薬量で100pg/mLを優に上回る最大レベルに上昇し、1α,24-(OH)22の循環するレベルがしばしば検出不能レベルに抑制されることを示す。血清及び尿カルシウムは投薬応答方法において上昇する。少なくとも6ヶ月1α,24-(OH)22のMTDにより治療された患者は、転移性疾患に関連した骨の痛みが有意に減少したことを報告する。
第2フェーズの間、患者は0.5〜1.0倍のMTDで24ヶ月1α,24-(OH)22によって治療される。治療の1及び2年後、転移性疾患の進行を評価するために使用したCATスキャン、X線及び骨のスキャンはより少ない投薬量で治療された多くの患者において安定な疾患及び部分的な回復を示し、より高い投薬量で治療された多くの患者において安定な疾患及び部分的又は完全な回復を示す。
【0028】
実施例8:1α-(OH)D2
実施例7の研究は活性ビタミンD化合物、1α-(OH)D2(2.5%w/wのベンジルアルコール、0.5〜2.5%w/wのTWEEN(登録商標)-20、及び20ppmのBHTにより処方される)について繰り返される。フェーズ1研究の結果は、少なくとも6ヶ月1α-(OH)D2のMTDによって治療された患者が転移性疾患に関連する骨の痛みが有意に減少することを報告することを示す。フェーズ2研究の結果は、2年後に転移性疾患の進行を評価するために使用したCATスキャン、X線及び骨のスキャンがより少ない投薬量で治療された多くの患者において安定な疾患及び部分的な回復を示し、より高い投薬量で治療された多くの患者において安定な疾患及び部分的又は完全な回復を示すことを示す。要約すれば、本発明は水性溶媒にわずかに可溶性である親油性の薬剤の改善された組成物を提供する。親油性の薬剤に加えて、前記組成物は親油性の酸化防止剤、非イオン性可溶化剤又は界面活性剤、及び必要により有機溶媒/防腐剤である薬剤を含む。
【0029】
本明細書で引用されたすべての特許、刊行物及び参考文献は参照により本明細書に組み込まれるものとする。本明細書の開示及び組み込まれた特許、刊行物及び参考文献の間で抵触する場合には、本明細書の開示が優先する。
本発明は、本明細書において特定して記載及び例示しているが、当業者は、記載されているものに基づいてなされる変更、追加、及び省略などを含む種々の修正を理解するであろう。したがって、これらの修正は、また本発明に包含され、本発明の範囲は特許請求の範囲に法上認められる最も広い解釈によってのみ制限されるものとする。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
親油性の薬剤、非イオン性可溶化剤、親油性の酸化防止剤及び水性溶媒を含む組成物。
【請求項2】
非イオン性可溶化剤がポリオキシアルキレン、ポリソルベート、グリセロールの脂肪酸エステル、シクロデキストリン、デキストラン、オリゴグルコシドの脂肪アルコールエステル又はポリオキシエチレン系化合物を含む、請求項1記載の組成物。
【請求項3】
親油性の酸化防止剤がブチル化ヒドロキシトルエン(BHT)、リポ酸、リコピン、ルテイン、リコフィル、キサントフィル、カロチン、ゼアキサンチン若しくはビタミンE又はこれらのエステルを含む、請求項1記載の組成物。
【請求項4】
親油性の酸化防止剤の濃度が20〜2000ppmである、請求項1記載の組成物。
【請求項5】
非イオン性可溶化剤の濃度が0.05〜5%w/wである、請求項1記載の組成物。
【請求項6】
親油性の薬剤が鎮痛薬、抗炎症薬、駆虫薬、抗不整脈薬、抗菌物質、抗ウイルス薬、抗凝血剤、抗鬱病薬、糖尿病防止薬、抗癲癇病薬、抗真菌薬、抗痛風薬、血圧降下薬、抗マラリア薬、抗偏頭痛薬、抗ムスカリン薬、抗腫瘍薬、勃起障害改善薬、免疫抑制薬、抗原虫薬、抗甲状腺薬、精神安定薬、鎮痛薬、睡眠薬、神経弛緩薬、β受容体遮断薬、強心薬、コルチコステロイド、利尿薬、抗パーキンソン病薬、胃腸薬、ヒスタミンH1及びH2受容体拮抗薬、角質溶解薬、脂質調整剤、抗狭心症薬、栄養剤又は脂溶性ビタミン、オピオイド鎮痛薬、性ホルモン、興奮剤、筋弛緩薬、抗骨粗鬆症薬、抗肥満病薬、認知エンハンサー、抗尿失禁薬、栄養剤抗良性前立腺肥大薬、又はこれらの混合物を含む、請求項1記載の組成物。
【請求項7】
非経口投与に適する請求項1記載の組成物。
【請求項8】
さらに有機溶媒、防腐剤又はその両方である追加の薬剤を含む請求項1記載の組成物。
【請求項9】
追加の薬剤がベンジルアルコール又はエタノールを含む、請求項8記載の組成物。
【請求項10】
追加の薬剤がエタノールを含む、請求項9記載の組成物。
【請求項11】
追加の薬剤がベンジルアルコールを含む、請求項9記載の組成物。
【請求項12】
追加の薬剤の濃度が0〜30%w/wである、請求項9記載の組成物。
【請求項13】
追加の薬剤の濃度が0〜約10%w/wである、請求項12記載の組成物。
【請求項14】
追加の薬剤の濃度が約1〜約3%w/wである、請求項12記載の組成物。
【請求項15】
親油性の薬剤、0.05〜5%w/wの非イオン性可溶化剤及び20〜2000ppmの親油性の酸化防止剤を含む非経口組成物。
【請求項16】
さらに追加の薬剤を含む請求項15記載の組成物。
【請求項17】
非イオン性可溶化剤が0.5〜2.5%w/wのTWEEN(登録商標)-20を含み、親油性の酸化防止剤が20ppmのBHTを含み、追加の薬剤が2.5%w/wのエタノールを含む、請求項16記載の組成物。
【請求項18】
非イオン性可溶化剤が0.5〜2.5%w/wのTWEEN(登録商標)-20を含み、親油性の酸化防止剤が20ppmのBHTを含み、追加の薬剤が2.5%w/wのベンジルアルコールを含む、請求項16記載の組成物。
【請求項19】
活性ビタミンDを含むビタミンD化合物、非イオン性可溶化剤、親油性の酸化防止剤及び水性溶媒を含む組成物。
【請求項20】
ビタミンDがドキセルカルシフェロール、セオカルシトール、カルシトリオール、カルシポトリオール、マキサカルシトール、ファレカルシトリオール又はパリカルシトールを含む、請求項19記載の組成物。
【請求項21】
ビタミンD化合物がドキセルカルシフェロールを含む、請求項20記載の組成物。
【請求項22】
ビタミンD化合物がセオカルシトールを含む、請求項20記載の組成物。
【請求項23】
ビタミンD化合物がカルシトリオールを含む、請求項20記載の組成物。
【請求項24】
ビタミンD化合物がパリカルシトールを含む、請求項20記載の組成物。
【請求項25】
ビタミンD化合物がカルシポトリオールを含む、請求項20記載の組成物。
【請求項26】
ビタミンD化合物がマキサカルシトールを含む、請求項20記載の組成物。
【請求項27】
ビタミンD化合物がファレカルシトリオールを含む、請求項20記載の組成物。
【請求項28】
ビタミンD化合物の濃度が2〜10μg/mLである、請求項19記載の組成物。
【請求項29】
2〜10μg/mLの活性ビタミンD化合物、0.5〜2.5%w/wのTWEEN(登録商標)-20、20ppmのBHT及び2.5%w/wのエタノールを含む二次性副甲状腺機能亢進症の治療に適した組成物。
【請求項30】
10〜100μg/mLの活性ビタミンD化合物、0.5〜2.5%w/wのTWEEN(登録商標)-20、20ppmのBHT及び2.5%w/wのベンジルアルコールを含む腫瘍性疾患の治療に適した組成物。
【請求項31】
請求項19記載の組成物を患者に非経口投与することを含む血中副甲状腺ホルモン濃度の上昇を下げ、又はその低下を維持する方法。
【請求項32】
血中副甲状腺濃度の上昇が副甲状腺機能亢進症によるものである、請求項31記載の方法。
【請求項33】
副甲状腺機能亢進症が二次性副甲状腺機能亢進症である、請求項32記載の方法。
【請求項34】
過剰増殖性細胞の増殖を抑制する方法であって、前記細胞を増殖抑制有効量の請求項19記載の組成物で治療することを含む前記方法。
【請求項35】
過剰増殖性細胞の増殖の抑制に有効である所定量の請求項19記載の組成物を、それを必要とする患者に投与する、請求項34記載の方法。
【請求項36】
前記所定量が非経口投与される、請求項35記載の方法。
【請求項37】
前記細胞が乳癌、結腸癌、前立腺癌又は膵臓癌の細胞を含む、請求項35記載の方法。
【請求項38】
前記細胞が乾癬によるものである、請求項35記載の方法。
【請求項39】
請求項19記載の組成物を患者に非経口投与することを含むカルシウム代謝異常を治療する方法。

【公表番号】特表2006−502185(P2006−502185A)
【公表日】平成18年1月19日(2006.1.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−537767(P2004−537767)
【出願日】平成15年9月10日(2003.9.10)
【国際出願番号】PCT/US2003/028499
【国際公開番号】WO2004/026231
【国際公開日】平成16年4月1日(2004.4.1)
【出願人】(502227594)ボーン ケア インターナショナル インコーポレイテッド (3)
【Fターム(参考)】