説明

観光客の動態記録方法

【課題】 複数の観光地を回遊する観光客の動態情報を広範囲に且つ低コストで収集する。
【解決手段】 観光情報のWebページとアクセスしてきた携帯電話機の識別情報の取得機能とその識別情報別のアクセス履歴とを備えたサーバをインターネットに接続し、観光地にサーバのURL及びその観光地に対応するWebページの識別情報からなる2次元コードが表記されたプレートを設置し、観光客が携帯電話機で観光地のプレートの2次元コードを読み取ってサーバに接続し、サーバは携帯電話機の識別情報を取得して日時と地点を識別情報別に記録するとともにWebページを携帯電話機へ送信し、識別情報別のアクセス履歴からその携帯電話機を携帯する観光客の回遊順を示す情報を取得する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の観光地を回遊する観光客の動態記録方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、観光客の動態は観光地に訪れた来客数やその観光地の名産物等の商品の売上げ金額の情報を収集したりすることで成されていたが、これは観光地や商品の人気度の把握に止まり、これらの情報から観光客の回遊順まで知ることはできなかった。
【0003】
そこで、施設内の複数箇所に無線LANのアクセスポイントを設置し、利用者が所持する無線通信可能な携帯電話機とアクセスポイントとを双方向通信することで、利用者の施設内の移動に関する情報を収集できるようにした技術が特許文献1で開示されている。この技術によれば、例えばコンビニエンスストアやスーパー等の店内で各種の販売コーナーを回る顧客の移動経路等の情報を収集することができる。
【0004】
ところで、この技術を観光客の回遊の情報収集に応用する場合、無線LANの電波の安定的な飛距離は障害物を考慮すると出力の高い装置でも200m程が限度であるから、例えば県内の複数の観光地の回遊など数十kmにも及ぶ非常に広範囲な情報収集には多数のアクセスポイントを設置する必要があり、導入に多額の費用がかかる問題があった。
【特許文献1】特開2001−216450号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明が解決しようとする課題は、従来のこれらの問題点を解消し、複数の観光地を回遊する観光客の動態情報を広範囲に渡って収集できる低コストの観光客の動態記録方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
かかる課題を解決した本発明の構成は、
1)2次元コードの読み取り機能とインターネット接続機能を備えた携帯電話機を携帯している観光客に観光地の情報を提供しながら複数の観光地を回遊するその観光客の動態を記録する方法であって、観光地の情報を示すWebページとアクセスしてきた携帯電話機の識別情報を取得する機能と取得した識別情報別のアクセス履歴で構成されたデータベースとを備えたサーバをインターネットに接続し、各観光地にサーバのURL及びその観光地に対応するWebページの識別情報からなる2次元コードが表示されたプレートをそれぞれ設置し、観光客が携帯電話機で観光地のプレートの2次元コードを読み取ってサーバに接続し、初回接続時にサーバは携帯電話機の識別情報を取得してその識別情報とアクセス日時とアクセス地点をデータベースに記録するとともにアクセス地点に対応するWebページを携帯電話機へ送信し、次回以降の接続時にサーバは携帯電話機の識別情報を取得してアクセス日時とアクセス地点を取得済みの識別情報別にデータベースへ時系列に記録するとともにアクセス地点に対応するWebページを携帯電話機へ送信し、記録されたデータベースの識別情報別のアクセス履歴からその携帯電話機を携帯する観光客の回遊順を示す情報を取得できるようにしたことを特徴とする、観光客の動態記録方法
2)2次元コードが表記されたプレートを観光地以外の場所にも複数設置するようにした、1)記載の観光客の動態記録方法
3)サーバが携帯電話機にWebページを送信する際、その携帯電話機の識別情報にサービス用のポイントの情報を付加して累積し、その貯めたポイント数に応じてその携帯電話機を所持する観光客へ所定のサービスを提供するようにした、1)又は2)記載の観光客の動態記録方法
4)携帯電話機の識別情報がその携帯電話機の製造番号である、1)〜3)いずれか記載の観光客の動態記録方法
にある。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、2次元コードが表示されたプレートは無線LANのアクセスポイントと比較して極めて安価に設置することができ、電源が不要であるとともに電波の飛距離や障害物等の影響もなく、設置範囲も携帯電話機のサービスエリア内であれば限定されない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
本発明のプレートは、縦方向と横方向に情報を持つマトリックス方式のQRコード等の2次元コードが印刷された用紙を取り付けたもので、このプレートを観光地や空港・鉄道やバスのターミナル等の交通拠点・宿泊施設・販売店などの各所に配布して読み取りやすい位置に設置する。設置場所は、その携帯電話機の携帯電話事業者のサービスエリア内に限定される。2次元コードにはサーバへのアクセス先であるURLと観光地の情報を示すWebページの識別情報(識別コード又はURL)が暗号・符号化されている。2次元コードの内容は日時指定で自動切り替えして不正アクセスを防止する。また、2次元コードは用紙に印刷したものの他、ディスプレイ装置で2次元コードの内容を例えば分単位に変更表示し、より厳しく不正アクセスを防止できるようにしてもよい。
【0009】
本発明でいう携帯電話機はPHSを包含し、2次元コードを光学的に読み取るカメラ等の機能と、読み取った2次元コードの画像からアクセス先のURLを取得してインターネットに自動又は手動で接続する機能と、アクセス先から受信したWebページを表示するWebブラウザを備えたものが用いられる。この携帯電話機にはこれを識別する製造番号の情報を有している。また、通話機能を有しないPDAやハンドヘルドPCと呼ばれる小型のコンピュータも2次元コードの読み取り機能と無線のインターネット接続機能を有しているものであれば利用可能である。
【0010】
サーバは2次元コードの生成機能と、2次元コードに埋め込まれているWebページの識別情報に対応する観光地の情報を示すページと、アクセスしてきた携帯電話機の製造番号の情報を取得する機能と、携帯電話機の製造番号別のアクセス履歴と携帯電話機別に付与したサービスポイントの累計情報とが記録されたデータベースを備えている。また、サーバは回遊履歴データの集計・分析機能や携帯電話機への電子メールの送信機能を設けてもよい。以下、本発明の実施例を図面に基づいて具体的に説明する。
【実施例1】
【0011】
図1〜17に示す実施例は、長崎県に訪れた観光客の回遊情報を収集する自治体向けの観光客動態調査システムの例である。図1は実施例の観光客動態調査システムの概要図、図2は実施例のアプリケーションとデータベースの説明図、図3は実施例の観光客アクセス管理を示す説明図、図4は実施例の新規利用フローを示す説明図、図5は実施例の継続利用フローを示す説明図、図6は実施例のポイント還元フローを示す説明図、図7〜10は実施例の携帯電話機に表示されるWebページの説明図、図11は実施例のアクセス履歴を示す説明図、図12は実施例の全体の流れを示すフローチャート、図13は実施例のQRコードのURL情報からのアクセスに対する処理を示すフローチャート、図14,15は実施例の端末製造番号の取込処理を示すフローチャート、図16は実施例のアンケート情報の取込処理を示すフローチャート、図17は実施例のポイント還元処理を示すフローチャートである。
【0012】
図中、1はQRコードプレート、2はサーバ、3はアプリケーション、3aはQRコード生成プログラム、3bは会員登録プログラム、3cは端末製造番号取得プログラム、3dは観光情報等送信プログラム、3eはポイント発行・回収プログラム、3fは集計・分析プログラム、3gは電子メール配信プログラム、4はデータベース、4aは回遊履歴データ、4bは端末テーブル、4cは会員テーブル、4dは観光情報テーブル、4eは地点情報テーブル、5は管理用コンピュータ、6は携帯電話機、7は精算用コンピュータ、8はインターネットである。
【0013】
自治体の観光課にはサーバ2とサーバ2のアクセス状況等を閲覧する管理用コンピュータ5が設置され、インターネット8に接続されている。このサーバ2でQRコードを生成して用紙に印刷し、これをプレートに取り付けてQRコードプレート1を製作する。このQRコードプレート1が長崎空港・鉄道の長崎駅・バスの停留所・眼鏡橋・ホテル・グラバー園・大浦天主堂・物産館にそれぞれ配布され、読み取りやすい位置に設置されている。
【0014】
QRコードプレート1にはQRコードとともにこの観光客動態調査システムによるサービス内容の説明(提供される観光情報,獲得したサービスポイントによる割引特典,利用許諾条項等)が併記されている。また、QRコードの下部に4桁の確認番号を併記することもある。QRコードプレート1の設置箇所は運用開始後に追加することができ、追加の際はサーバ2でQRコードを新規に生成するとともに設置箇所を紹介する観光情報ページを観光情報テーブル4dに追記する。
【0015】
サーバ2のアプリケーション3は、QRコードを観光地別に生成処理するQRコード生成プログラム3aと、観光客の会員登録の受け付け処理をする会員登録プログラム3bと、携帯電話機6の製造番号を取得処理及びその番号により会員認証処理をする端末製造番号取得プログラム3cと、観光情報等のWebページを携帯電話機6へ送信する観光情報等送信プログラム3dと、利用時のサービスポイントの発行処理及びポイント使用時の回収処理をするポイント発行・回収プログラム3eと、アクセス履歴を集計及び分析処理する集計・分析プログラム3fと、会員登録時に電子メールアドレスを収集して広告等を配信処理する電子メール配信プログラム3gとで構成されている。
【0016】
データベース4は、端末製造番号・会員番号・付与ポイント数・観光地を示す識別コード・地点コード・アクセス日時からなる回遊履歴データ4aと、携帯電話機6の製造番号・会員番号からなる端末テーブル4bと、登録した観光客の属性データ・会員番号からなる会員テーブル4cと、観光地を示す識別コード・観光地を紹介するWebページ・観光情報番号・サービスポイント数からなる観光情報テーブル4dと、地点確認番号(無い場合もある)からなる地点情報テーブル4eとで構成されている。地点確認番号は随時変更可能である。
【0017】
物産館には商品の販売時に使用されるサービスポイントの精算用コンピュータ7が設置され、インターネット8に接続されている。精算用コンピュータ7にはインターネット8を介してサーバ2のデータベース4の内容を照会及び記録できるソフトウェアが組み込まれている。精算用コンピュータ7は一般的なパーソナルコンピュータが用いられるが、インターネット8に接続できる携帯電話機を用いてもよい。観光客はQRコードリーダを備え且つインターネット8に接続可能な携帯電話機6を携帯している。
【0018】
以下、本実施例の流れを説明する。まず、観光客が最初に訪れた観光地(例えばグラバー園)に設置されているQRコードプレート1のQRコードを携帯電話機6のQRコードリーダで読み取ってインターネット8に接続すると、図4の処理(1)に示すようにサーバ2はQRコードに埋め込まれていた観光情報を示す識別コードを取得して観光情報テーブル4dを検索する。識別コードが観光情報テーブル4dに有った場合は観光情報番号を取得してその観光地の開館時間帯・休館曜日・休館期間などからアクセス日時の妥当性をチェックする(不正アクセス防止のため)。妥当である場合は確認番号の要/不要をチェックし、図7のA画面(1)に示される端末製造番号の取込ページを携帯電話機6に返信する。確認番号が不要な場合は確認番号の入力項目が省略された取込ページ(図示せず)を携帯電話機6に返信する。識別コードが観光情報テーブル4dに無い場合は「該当ページ無し」のエラーページを携帯電話機6に返信する。
【0019】
観光客が端末製造番号の送信を了承し、確認番号を入力して送信操作すると、図4の処理(2)に示すようにサーバ2は端末製造番号を取り込み、前記の識別コードで観光情報テーブル4dを検索して観光情報番号とサービスポイント数を取得するとともに対応する地点情報テーブル4eのデータを取得し、確認番号の要/不要及び入力された確認番号値をチェックする(不正アクセス防止のため)。取得した端末製造番号で端末テーブル4bを検索し、一致する番号が有れば「継続利用」、無ければ「新規利用」と判断する。この場合は初回の利用なので新規利用として会員テーブル4cと端末テーブル4bに追加登録(会員番号・ポイント加算・登録日時など)するとともに回遊履歴データ4aを出力し、図7のA画面(2)に示される属性データ取得用のアンケートフォームのページを携帯電話機6に送信する。
【0020】
ここで、観光客が居住地区(県名のみ)・性別・年代・旅行の種類・交通手段についての簡単な質問に答えて送信操作すると、図4の処理(3)に示すようにサーバ2はそのアンケート情報を取り込み、端末製造番号で端末テーブル4bを検索して会員番号を取得する。その会員番号で会員テーブル4cを読み出し、アンケート情報を会員テーブル4cに書き出す。識別コードで観光情報テーブル4dを検索して図7のA画面(3)に示される観光情報ページを送信し、携帯電話機6の画面には観光地の写真画像やその説明のテキストと取得したサービスポイントの累計が表示される。観光客は受信した観光情報ページを見て観光地の理解度を深めたり楽しんだりする。なお、アンケートの回答を拒否した場合や未回答部分がある場合、サーバ2は会員登録は受け付けて観光情報ページは送信するがポイントは付与しないようにし、観光客へアンケート回答を促すようにしてもよい。また、観光地が入場料や利用料等を徴収する有料施設の場合は、割増したポイントを付与して有料施設の利用を促進させるようにしてもよい。
【0021】
続いて、観光客は次の観光地(例えば大浦天主堂)に訪れ、設置されているQRコードプレート1のQRコードを携帯電話機6のQRコードリーダで読み取ってインターネット8に接続すると、図5の処理(1)に示すようにサーバ2はQRコードに埋め込まれていた観光情報を示す識別コードを取得して観光情報テーブル4dを検索する。識別コードが観光情報テーブル4dに有った場合は観光情報番号を取得してその観光地の開館時間帯・休館曜日・休館期間などからアクセス日時の妥当性をチェックする。妥当である場合は確認番号の要/不要をチェックし、図8のB画面(1)に示される端末製造番号の取込ページを携帯電話機6に返信する。確認番号が不要な場合は確認番号の入力項目が省略された取込ページ(図示せず)を携帯電話機6に返信する。識別コードが観光情報テーブル4dに無い場合は「該当ページ無し」のエラーページを携帯電話機6に返信する。
【0022】
観光客が端末製造番号の取得を了承し、確認番号を入力して送信操作すると、図5の処理(2)に示すようにサーバ2は端末製造番号を取り込み、前記の識別コードで観光情報テーブル4dを検索して観光情報番号とサービスポイント数を取得するとともに対応する地点情報テーブル4eのデータを取得し、確認番号の要/不要及び入力された確認番号値をチェックする。取得した端末製造番号で端末テーブル4bを検索し、一致する番号が有れば「継続利用」、無ければ「新規利用」と判断する。この場合は2回目の利用なので継続利用として会員テーブル4cのポイント数加算と登録日時を更新するとともに回遊履歴データ4aを出力し、識別コードで観光情報テーブル4dを検索して図8のB画面(2)に示される観光情報ページを送信し、携帯電話機6の画面には観光地の写真画像やその説明のテキストと取得したサービスポイントの累計が表示される。観光客は受信した観光情報ページを見て観光地の理解度を深めたり楽しんだりする。アンケートの回答を拒否した場合や未回答部分がある場合、あるいは回答後の内容変更のために図8のB画面(3)に示されるアンケートフォームのページが再度送信され、アンケートに回答又は変更することができる。
【0023】
物産館に訪れた観光客は土産を購入する。ここでは、物産館のQRコードを読み取ってインターネット8に接続すると、図6の処理(1)に示すようにサーバ2はQRコードに埋め込まれていた観光情報を示す識別コードを取得して観光情報テーブル4dを検索する。識別コードが観光情報テーブル4dに有った場合は観光情報番号を取得してその観光地の開館時間帯・休館曜日・休館期間などからアクセス日時の妥当性をチェックする。妥当である場合は確認番号の要/不要をチェックし、図9のC画面(1)に示される端末製造番号の取込ページを携帯電話機6に返信する。確認番号が不要な場合は確認番号の入力項目が省略された取込ページ(図示せず)を携帯電話機6に返信する。識別コードが観光情報テーブル4dに無い場合は「該当ページ無し」のエラーページを携帯電話機6に返信する。
【0024】
観光客が端末製造番号の取得を了承し、確認番号を入力して送信操作すると、図6の処理(2)に示すようにサーバ2は端末製造番号を取り込み、前記の識別コードで観光情報テーブル4dを検索して観光情報番号とサービスポイント数を取得するとともに対応する地点情報テーブル4eのデータを取得し、確認番号の要/不要及び入力された確認番号値をチェックする。取得した端末製造番号で端末テーブル4bを検索し、一致する番号が有れば「継続利用」、無ければ「新規利用」と判断する。この場合は3回目の利用なので継続利用として会員テーブル4cのポイント数加算と登録日時を更新するとともに回遊履歴データ4aを出力し、図9のC画面(2)に示されるポイント還元情報ページを送信する。ここで、観光客が「ポイント使用案内」のボタンを押下操作すると、図6の処理(3)に示すようにサーバ2は処理(2)で取得済みの会員番号で会員テーブル4cを検索して累計ポイントを取得し、還元に必要な最低ポイント数に達しているか否かをチェックし、達している場合に図9のC画面(3)に示すように「ポイント使用を確定」のボタンを有したポイント使用案内のページを返信する。観光客が「ポイント使用を確定」のボタンを押下操作すると、図6の処理(4)に示すようにサーバ2は累計ポイントをリセットするとともに図9のC画面(4)に示すようにポイント使用結果(累計ポイント・減算ポイント・現在ポイント)のページを送信し、この画面を店員に提示することで店員は商品購入時に観光客が行使したポイント数に応じた割引価格で勘定する。なお、このポイント使用時に会員登録の際のアンケートに回答しなかった場合又は未回答部分がある場合は、携帯電話機6にアンケートフォームのページが再度送信され、アンケートの全質問に回答するとポイントが使用できるようになる。
【0025】
このようにして、観光客がその他の長崎空港・鉄道の長崎駅・バスの停留所・眼鏡橋・ホテルを回るたびにQRコードを読み取ってインターネット8に接続又はサービスポイントを使用することで、アクセス日時とアクセス地点がデータベース4に時系列に記録されていき、この記録した各アクセス地点をアクセス日時順に辿っていくことでその携帯電話機6を所持する観光客の移動経路を見ることができる。よって、多数の観光客が会員登録して利用することによりこの移動経路の情報が蓄積され、長崎県に訪れた観光客全体の回遊を広範囲に渡って把握することができるようになる。この得た情報をもとに自治体の観光課では個別の回遊状況の把握,行動パターンの解析,施設単位や時間単位のアクセス数の集計等の各種分析を行い、集客やサービスの向上等の適切な施策に利用される。
【0026】
本実施例では、取得する情報は携帯電話機6の端末製造番号のみで、氏名・生年月日・詳細な住所・電子メールアドレスなど観光客を特定できるような個人情報は取得しないから、セキュリティやプライバシーの観点からも安全であり観光客としても抵抗感なく利用しやすい。なお、会員登録時に観光客の了承のもとに電子メールアドレスを収集し、会員宛に広告等の電子メールを定期又は不定期に送信して今後の集客に活用できるようにしてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0027】
本発明は、県内の回遊情報を収集する自治体向けに有用である。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】実施例の観光客動態調査システムの概要図である。
【図2】実施例のアプリケーションとデータベースの説明図である。
【図3】実施例の観光客アクセス管理を示す説明図である。
【図4】実施例の新規利用フローを示す説明図である。
【図5】実施例の継続利用フローを示す説明図である。
【図6】実施例のポイント還元フローを示す説明図である。
【図7】実施例の携帯電話機に表示されるWebページの説明図である。
【図8】実施例の携帯電話機に表示されるWebページの説明図である。
【図9】実施例の携帯電話機に表示されるWebページの説明図である。
【図10】実施例の携帯電話機に表示されるWebページの説明図である。
【図11】実施例のアクセス履歴を示す説明図である。
【図12】実施例の全体の流れを示すフローチャートである。
【図13】実施例のQRコードのURL情報からのアクセスに対する処理を示すフローチャートである。
【図14】実施例の端末製造番号の取込処理を示すフローチャートである。
【図15】実施例の端末製造番号の取込処理を示すフローチャートである。
【図16】実施例のアンケート情報の取込処理を示すフローチャートである。
【図17】実施例のポイント還元処理を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0029】
1 QRコードプレート
2 サーバ
3 アプリケーション
3a QRコード生成プログラム
3b 会員登録プログラム
3c 端末製造番号取得プログラム
3d 観光情報等送信プログラム
3e ポイント発行・回収プログラム
3f 集計・分析プログラム
3g 電子メール配信プログラム
4 データベース
4a 回遊履歴データ
4b 端末テーブル
4c 会員テーブル
4d 観光情報テーブル
4e 地点情報テーブル
5 管理用コンピュータ
6 携帯電話機
7 精算用コンピュータ
8 インターネット

【特許請求の範囲】
【請求項1】
2次元コードの読み取り機能とインターネット接続機能を備えた携帯電話機を携帯している観光客に観光地の情報を提供しながら複数の観光地を回遊するその観光客の動態を記録する方法であって、観光地の情報を示すWebページとアクセスしてきた携帯電話機の識別情報を取得する機能と取得した識別情報別のアクセス履歴で構成されたデータベースとを備えたサーバをインターネットに接続し、各観光地にサーバのURL及びその観光地に対応するWebページの識別情報からなる2次元コードが表示されたプレートをそれぞれ設置し、観光客が携帯電話機で観光地のプレートの2次元コードを読み取ってサーバに接続し、初回接続時にサーバは携帯電話機の識別情報を取得してその識別情報とアクセス日時とアクセス地点をデータベースに記録するとともにアクセス地点に対応するWebページを携帯電話機へ送信し、次回以降の接続時にサーバは携帯電話機の識別情報を取得してアクセス日時とアクセス地点を取得済みの識別情報別にデータベースへ時系列に記録するとともにアクセス地点に対応するWebページを携帯電話機へ送信し、記録されたデータベースの識別情報別のアクセス履歴からその携帯電話機を携帯する観光客の回遊順を示す情報を取得できるようにしたことを特徴とする、観光客の動態記録方法。
【請求項2】
2次元コードが表記されたプレートを観光地以外の場所にも複数設置するようにした、請求項1記載の観光客の動態記録方法。
【請求項3】
サーバが携帯電話機にWebページを送信する際、その携帯電話機の識別情報にサービス用のポイントの情報を付加して累積し、その貯めたポイント数に応じてその携帯電話機を所持する観光客へ所定のサービスを提供するようにした、請求項1又は2記載の観光客の動態記録方法。
【請求項4】
携帯電話機の識別情報がその携帯電話機の製造番号である、請求項1〜3いずれか記載の観光客の動態記録方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【公開番号】特開2007−241903(P2007−241903A)
【公開日】平成19年9月20日(2007.9.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−66764(P2006−66764)
【出願日】平成18年3月10日(2006.3.10)
【出願人】(000214191)長崎県 (106)
【出願人】(595060513)情報制御システム株式会社 (1)
【Fターム(参考)】