説明

角度検出器の自律校正方法、角度検出器、円周目盛校正装置および角度検出器の校正装置

【課題】逐次2点法を用いて1回転の各角度位置において目盛誤差を精度良く算出可能な角度検出器の自律校正方法を提案すること。
【解決手段】角度検出器の自律校正方法は、第1目盛読取ヘッド11と第2目盛読取ヘッド12を、1回転を整数等分せず、且つ、複数回転Nを整数M等分する角度間隔αで配置し、目盛円板がN回転する間における第1、第2目盛読取ヘッド11、12の読みを、予め定めたデータサンプリング間隔でデータ読取装置13に取り込む。データ読取装置13では、第1、第2目盛読取ヘッド11、12の読みの差から、データサンプリング間隔で得られる、目盛円板4、5の角度目盛誤差に関する逐次2点法によるデータを生成し、複数回転N分のデータの平均がゼロになることを利用して、データを合成することで、目盛円板4、5の目盛誤差(校正値)をデータサンプリング間隔で求める。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、逐次2点法を用いた角度検出器の自律校正方法に関する。
【背景技術】
【0002】
回転する目盛円板の周囲に目盛読取ヘッドを有する角度検出器、所謂、ロータリーエンコーダーの校正法として、比較校正法、等分割平均法などを利用した方法が知られている。特許文献1、2には後者の等分割平均法を利用した校正法が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006−098392号公報
【特許文献2】特開2011−099804号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ここで、ロータリーエンコーダーの校正法として逐次2点法を用いることが考えられる。逐次2点法を用いる場合には2個の目盛読取ヘッドを用いて校正を行うことができ、校正(目盛誤差の算出)に必要な目盛読取ヘッドの個数を他の校正法に比べて少なくできる。また、他の校正法に比べて校正のための演算が容易であるという利点もある。
【0005】
しかしながら、従来においてはロータリーエンコーダーの校正法として逐次2点法が用いられていない。この主な理由は、2個の目盛読取りヘッドの角度間隔の整数等分間隔での誤差成分が校正結果から失われるためである。すなわち、ロータリーエンコーダーの目盛誤差は1回転を基本周期とする高調波成分からなり、2個の目盛読取ヘッドの角度間隔(これらの目盛読取位置の間の角度間隔)が、全測定長である1回転を整数k等分する角度間隔の場合には、k/2次までの周波数成分しか扱うことができないというサンプリング定理の制約と、kの整数倍の次数の周波数成分が検出できないという制約が障害となっている。
【0006】
ここで、理屈の上では、kの値を大きくすればこの問題を克服できそうであるが、kの値を大きくすると、目盛誤差にとって重要な低周波数成分に対する感度が低下し、偶然誤差の累積も大きくなり、校正の精度が低下してしまう。このため、kの値を大きくすることは良い解決策にはなり得ない。
【0007】
本発明の課題は、この点に鑑みて、逐次2点法を用いて全測定範囲の各角度位置において目盛誤差を精度良く算出可能な角度検出器の自律校正方法、当該自律校正方法による自律機能を備えた角度検出器、当該自律校正方法による円周目盛校正装置、および、当該自律校正方法による角度検出器の校正装置を提案することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の課題を解決するために、本発明は、円周方向に所定の間隔で目盛が付いている目盛円板と、当該目盛円板の円周方向における所定の位置において前記目盛を読み取る目盛読取ヘッドとを有する角度検出器の自律校正方法であって、
前記目盛読取ヘッドとして、第1目盛読取ヘッドと第2目盛読取ヘッドを使用し、
1回転を整数等分せず、且つ、複数回転N(N:2以上の整数)をM等分(M:3以上の整数)する角度間隔αで、前記第1、第2目盛読取ヘッドを配置し、
前記目盛円板がN回転する間における前記第1、第2目盛読取ヘッドの読みを、予め定めたデータサンプリング間隔で取得し、
前記第1、第2目盛読取ヘッドの読みの差から、前記データサンプリング間隔で得られる、前記目盛円板の角度目盛誤差に関する逐次2点法によるデータを取得し、
前記複数回転分の前記データの平均が近似的にゼロになることを利用して前記データを合成することによって、前記目盛円板の目盛誤差を前記データサンプリング間隔で求めることを特徴としている。
【発明の効果】
【0009】
本発明の方法では、逐次2点法を採用しているので、校正のために必要な目盛読取ヘッドが2つでよく、他の校正法に比べて目盛読取ヘッドの数を少なくすることができる。
【0010】
また、逐次2点法を用いる場合には、得られるデータ間隔が2個の目盛読取ヘッドの角度間隔に限られ、それもより細かな間隔で目盛誤差算出用のデータを得ることができない。本発明の方法では、逐次2点法のデータ点のN回転分の平均が近似的にゼロになることを利用してデータを合成しており、これによって、データサンプリング間隔で校正曲線を作成することができる。
【0011】
さらに、逐次2点法では2個の目盛読取ヘッドの角度間隔の整数等分間隔での誤差成分が校正結果から失われてしまうという制約がある。本願発明では、1回転を整数等分せず、且つ、複数回転NをM等分する角度間隔αで、第1、第2目盛読取ヘッドを配置することで、脱落を始める周波数成分を実用上影響の無いより高次の側となるように高くしている。したがって、1回転分の各角度位置において目盛誤差を確実に算出することができる。
【0012】
なお、このとき脱落を始める周波数は、角度間隔αをN等分した角度をβとすると、360/β次からである。例えば、α=21°として、N=7とすれば、β=3°となり、120次から脱落を始める。また、α=19°あるいは23°の場合には、それぞれ、N=19、N=23となり、βは双方とも1°となり、脱落を開始する次数は360次となる。前記の「近似的にゼロ」という意味は、脱落を開始する次数とその整数倍の次数の高調波が含まれているとゼロにならないという意味である。一般的な高精度のエンコーダーでは、目盛誤差に影響を与える周波数成分の次数は20次程度までであり、これよりも高い次数を考慮しなくても、すなわち、ゼロと見做しても、実用的に問題にならない。本発明によれば、20次よりも大幅に高い次数から脱落が始まるので、充分に高い精度で目盛誤差を算出可能である。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明を適用したエンコーダーの自律校正装置の構成例を示す説明図である。
【図2】エンコーダーの自律校正結果を示すグラフである。
【図3】エンコーダーの自律校正値のフーリエ解析結果を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下に、図面を参照して本発明の自律校正方法の実施の形態を説明する。
【0015】
(自律校正装置の校正)
まず、図1を参照して本発明の自律校正方法によって自律校正を行う自律校正装置の一例を説明する。自律校正装置1は、固定側エンコーダー2と位相調整側エンコーダー3の2台のエンコーダーを備えている。これらのエンコーダー2、3の目盛円板4、5は、軸受6に支持されたシャフト7の両端部に同軸状態に固定されている。シャフト7には、カップリング8を介して、シャフト連続回転用のモーター9が同軸状態に連結されている。シャフト7の反対側の部位には、位相調整用モーター10が同軸状態に配置されている。位相調整用モーター10の出力軸には、その回転中心から半径方向に外れた位置に位相調整側エンコーダー3が取り付けられている。
【0016】
固定側エンコーダー2は目盛円板4の円周方向における予め定まった位置に固定配置されている。したがって、シャフト7を中心として位相調整用モーター10を回転させることにより、固定側エンコーダー2の目盛読取ヘッド11に対する位相調整側エンコーダー3の目盛読取ヘッド12の位置を変化させ、2台の目盛読取ヘッド11、12の間(すなわち、これらの目盛読取位置の間)に任意の角度間隔を与えることが可能である。なお、目盛読取ヘッド12の位置を目盛円板5の半径方向において調整可能な調整機構を配置して、目盛読取ヘッド12の読取位置を、目盛円板5の円周方向および半径方向において調整できるようにしてもよい。
【0017】
エンコーダー出力信号はデータ読取装置13に取り込まれる。データ読取装置13はコンピューター14を中心に構成されており、エンコーダー出力信号のそれぞれはデータ読取装置13の分割器15、16を経てコンピューター14に取り込まれる。また、コンピューター14には、モーター9および位相調整用モーター10のそれぞれに内蔵されているモーターエンコーダー(図示せず)からモーター回転位置情報が供給される。さらに、コンピューター14は、不図示の各モーター駆動回路を介して、連続回転用のモーター9および位相調整用モーター10のそれぞれを駆動制御する。
【0018】
(自律校正方法)
上記構成の自律校正装置1の自律校正方法を説明する。自律校正方法を実現するための逐次2点法によるデータ処理プログラムが予めコンピューター14のROM等に格納されており、当該プログラムを実行することによって目盛円板4、5の校正が行われる。すなわち、目盛円板4、5の目盛誤差が算出される。
【0019】
本例では、1回転を整数等分せず、且つ、複数回転N(N:2以上の整数)をM等分(M:3以上の整数)する角度間隔αで、固定側エンコーダー2の目盛読取ヘッド11(当該ヘッド11の読取位置)に対して位相調整側エンコーダー3の目盛読取ヘッド12(当該ヘッド12の読取位置)が配置されるように、位相調整用モーター10を駆動制御する。
【0020】
次に、連続回転用のモーター9を回転駆動してシャフト7に固定されている固定側エンコーダー2の目盛円板4および位相調整側エンコーダー3の目盛円板5が一定速度で回転する状態を形成する。この状態で、各目盛円板4、5がN回転する間における目盛読取ヘッド11、12の読みを、予め定めたデータサンプリング間隔で取り込む。
【0021】
このようにして取り込まれた固定側エンコーダー2および位相調整側エンコーダー3の読取データの差から、データサンプリング間隔で得られる、目盛円板4、5の目盛誤差に関する逐次2点法による折れ線群(データ)を取得する。
【0022】
そして、複数回転N分のデータの平均がゼロになることを利用して、折れ線群(データ)を合成することによって、目盛円板4、5の目盛誤差(校正値)をデータサンプリング間隔で求める。
【0023】
ここで、この構成の自律校正装置1をロータリーエンコーダーに付設することにより、自律校正機能を備えたロータリーエンコーダーを実現できる。この場合には、対象となるロータリーエンコーダーの目盛読取ヘッドおよび目盛円板に対して、第2目盛読取ヘッドおよび第2目盛円板を追加してもよいし、ロータリーエンコーダーの目盛円板に対して第2目盛読取ヘッドを配置し、当該第2目盛読取ヘッドをロータリーエンコーダーの目盛読取ヘッドに対して所定の角度間隔となるように位相調整ができるようにしてもよい。
【0024】
また、本発明によれば、目盛円板において円周方向に所定の間隔で付いている円周目盛の目盛誤差を測定するための円周目盛校正装置を実現できる。円周目盛校正装置は、測定対象の目盛円板の目盛を読み取るための第1目盛読取ヘッドおよび第2目盛読取ヘッドと、第1、第2目盛読取ヘッドによる目盛円板の目盛読取位置の円周半径、および、当該第1、第2目盛読取ヘッドによる読取位置の角度間隔を調整する調整機構と、第1、第2目盛読取ヘッドの読みを取り込み図1のデータ読取装置13と同様に逐次2点法を用いた校正法により目盛円板の円周目盛の目盛誤差を算出するデータ読取装置とを備えた構成とされる。
【0025】
さらに、本発明によれば、エンコーダーの校正装置、特に可搬式の校正装置を実現できる。エンコーダーの校正装置は、校正用目盛円板および校正用目盛読取ヘッドを備えた校正用角度検出器と、校正用目盛円板に対する校正用目盛読取ヘッドの円周方向の目盛読取位置を変更するための調整機構と、校正用目盛円板を、校正対象の角度検出器の回転軸に対して同軸に取り付けるためのアダプターと、校正用角度検出器の校正用目盛読取ヘッドの読み、および、校正対象の角度検出器の目盛読取ヘッドの読みに基づき、当該校正対象の角度検出器の目盛円板の目盛誤差を算出するデータ読取装置とを備えた構成とされる。データ読取装置は、校正用目盛読取ヘッドおよび前記校正対象の目盛読取ヘッドを第1、第2目盛読取ヘッドとして用いて、上記のデータ読取装置13と同様に逐次2点法を用いた校正方法により校正対象の目盛円板の目盛誤差を算出するように構成される。
【0026】
一方、本発明の方法において、180°の角度間隔で2個の目盛読取ヘッドを配置し、これらの一対の目盛読取ヘッドの角度読み取り値を平均する、いわゆる対向読み取り法を採用することができる。これにより、目盛円板の回転軸の半径方向の振れの影響、および、回転軸に対する目盛円板の偏心の影響を取り除くことができる。
【0027】
(実験例)
全測定長(N回転)に亘る読取値の平均値がゼロになる性質を利用するデータ処理方法を確認するために、位相調整角α(固定側エンコーダー2と位相調整側エンコーダー3の目盛読取位置の角度間隔)が30°、36°での測定を実施した。位相調整角が30°の場合には12次(=360°/30°)とその高調波成分、36°の場合には10次(=360°/36°)とその高調波成分が測定結果から欠落する。これに対して、本発明の方法の一例として、位相調整角αを21°とし、7回転(N=7)を1周期と扱うと、上記の1回転を整数等分する2パターンの位相調整角30°、36°を採用する場合のような成分の欠落が実質的に生じない。
【0028】
本実験例における逐次2点法によるデータ処理手順を以下に示す。なお、データサンプリング時のトリガは、固定側エンコーダー2の回転角を基準とした。
【0029】
(1)初期位相状態として位相調整角α=0°(固定側エンコーダー2の読取位置を0°、位相調整側エンコーダー3の読取位置を0°)に設定し、そこから連続7回転分について、これら2台のエンコーダー2、3の回転角を読み取る。
(2)次に、位相調整角α=21°の位相シフト状態(固定側エンコーダー2の読取位置を0°、位相調整側エンコーダー3の読取位置を21°)に設定し、そこから連続7回転部分について、これら2台のエンコーダー2、3の回転角を読み取る。
(3)手順(1)、(2)で取得した2セット分の位相調整側エンコーダー3の読みについて、初期位相状態に対する位相シフト後の差分を計算する。
(4)手順(3)で算出した差分を、21°間隔で抜き出して、それらの累積値を求める。これにより、360×7÷21=120点の折れ線を得る。0°から21°の間で、開始点の異なる角度について、同様の処理を行い、(21°/サンプリング周期)本の折れ線を得る。
(5)手順(4)で得られた折れ線について、各々読みの平均値を求め、それがゼロになるように、折れ線をオフセットする。これにより、(21°/サンプリング周期)本の折れ線について、お互いを関係付ける。
(6)手順(5)で求めた7回転分の折れ線を、1回転毎に切り分けて、n回転目以降の角度位置について、(n−1)×360を差し引いた余りを用いて、0〜360°の角度位置に再配置して、位相調整側エンコーダー3の校正カーブを得る。
(7)手順(1)で得たデータから手順(5)で得たデータを減算し、さらに、7回転分のデータを1回転毎に切り分けて、n回転目以降の角度位置について、(n−1)×360を差し引いた余りを用いて、0〜360°の角度位置に再配置して、固定側エンコーダー2の校正カーブを得る。
【0030】
図2には、上記の手順(1)〜(7)によって、3種類の位相調整角(30°、36°、21°)の場合のデータ処理結果を示す。図2のグラフから、固定側エンコーダー2および位相調整側エンコーダー3の校正値がよく一致していることが確認できる。
【0031】
また、各々の位相調整角の場合について校正結果をフーリエ解析した。図3には、位相調整側エンコーダー3のフーリエ解説結果を示す。この図から分かるように、位相調整側エンコーダー3の結果には、位相調整角が30°では24次の周波数成分に、36°では20次と40次に周波数成分の欠落が生じている。これに対して、本発明による位相調整角が21°の場合には、より高次の次数においても周波数成分の欠落の発生が確認できない。したがって、複数回転を1周期と考えて、逐次2点法により、取得したデータの処理を行う方法の有効性が確認できる。
【0032】
以上説明したように、本発明によれば、測定可能な空間周波数を高めるデータ処理法を実現できる。すなわち、ロータリーエンコーダーにおけるデータ取得の方法から、位相調整角よりも細かな間隔でデータサンプリングを行うことができる。また、逐次2点法で処理した離散的角度誤差について、開始点の位相がデータサンプリング間隔だけずれた複数の測定結果を得ることができる。それぞれの結果について、全測定長にわたる平均値がゼロになる性質を利用することで、互いに関連付けることが可能である。さらに、ロータリーエンコーダーの誤差は1回転を基本周期とする高調波成分だけで構成されているので、1回転を整数等分する目盛読取ヘッドの間隔を避け、2回転以上の回転で初めて同一点が検出されるように目盛読取ヘッドの角度間隔、すなわち位相調整角を設定しているので、周波数成分の脱落がない測定が可能である。
【符号の説明】
【0033】
1 自律校正装置
2 固定側エンコーダー
3 位相調整側エンコーダー
4、5 目盛円板
6 軸受
7 シャフト
8 カップリング
9 モーター
10 位相調整用モーター
11、12 目盛読取ヘッド
13 データ読取装置
14 コンピューター
15、16 分割器

【特許請求の範囲】
【請求項1】
円周方向に所定の間隔で目盛が付いている目盛円板と、当該目盛円板の円周方向における所定の目盛読取位置において前記目盛を読み取る目盛読取ヘッドとを有する角度検出器の自律校正方法であって、
前記目盛読取ヘッドとして、第1目盛読取ヘッドと第2目盛読取ヘッドを使用し、
1回転を整数等分せず、且つ、複数回転N(N:2以上の整数)をM等分(M:3以上の整数)する角度間隔αで、前記第1、第2目盛読取ヘッドを配置し、
前記目盛円板がN回転する間における前記第1、第2目盛読取ヘッドの読みを、予め定めたデータサンプリング間隔で取得し、
前記第1、第2目盛読取ヘッドの読みの差から、前記データサンプリング間隔で得られる、前記目盛円板の角度目盛誤差に関する逐次2点法によるデータを取得し、
前記複数回転分の前記データの平均がゼロになることを利用して前記データを合成することによって、前記目盛円板の目盛誤差を前記データサンプリング間隔で求めることを特徴とする角度検出器の自律校正方法。
【請求項2】
円周方向に目盛が形成されている目盛円板と、
前記目盛円板の円周方向における所定の位置において前記目盛を読み取る目盛読取ヘッドと、
前記目盛円板の目盛誤差を逐次2点法によって算出するデータ読取装置とを有し、
前記目盛読取ヘッドには、第1目盛読取ヘッドと第2目盛読取ヘッドが含まれており、
前記第1、第2目盛読取ヘッドは、1回転を整数等分せず、且つ、複数回転Nを整数M等分する角度間隔αで配置されており、
前記データ読取装置は、請求項1に記載の自律校正方法により前記目盛誤差を算出することを特徴とする自律校正機能を備えた角度検出器。
【請求項3】
目盛円板において円周方向に所定の間隔で付いている円周目盛の目盛誤差を測定するための円周目盛校正装置であって、
測定対象の目盛円板の目盛を読み取るための第1目盛読取ヘッドおよび第2目盛読取ヘッドと、
前記第1、第2目盛読取ヘッドによる前記目盛円板の目盛読取位置の円周半径、および、当該第1、第2目盛読取ヘッドによる前記読取位置の角度間隔を調整する調整機構と、
請求項1に記載の自律校正方法により前記目盛円板の前記円周目盛の目盛誤差を算出するデータ読取装置と
を有していることを特徴とする円周目盛校正装置。
【請求項4】
校正用目盛円板および校正用目盛読取ヘッドを備えた校正用角度検出器と、
前記校正用目盛円板に対する前記校正用目盛読取ヘッドの円周方向の目盛読取位置を変更するための調整機構と、
前記校正用目盛円板を、校正対象の角度検出器の回転軸に対して同軸に取り付けるためのアダプターと、
前記校正用角度検出器の校正用目盛読取ヘッドの読み、および、前記校正対象の角度検出器の目盛読取ヘッドの読みに基づき、当該校正対象の角度検出器の目盛円板の目盛誤差を算出するデータ読取装置とを有し、
前記データ読取装置は、前記校正用目盛読取ヘッドおよび前記校正対象の角度検出器の目盛読取ヘッドを第1、第2目盛読取ヘッドとして用いて、請求項1に記載の自律校正方法により前記目盛誤差を算出することを特徴とする角度検出器の校正装置。

【図2】
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【図3】
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【図1】
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