説明

角度検出装置の角度補正曲線取得方法及び角度検出装置

【課題】メモリ容量が少なくてもリアルタイムでしかも高精度に角度検出が可能な角度検出装置の角度補正曲線取得方法及び角度検出装置を提供する。
【解決手段】角度検出装置により検出される全角度に対し、各角度において得られる磁気の強さを検知しその対応関係を角度補正曲線として取得するステップと、前記角度補正曲線の補正前角度に対する補正後角度の変化を求め2つの変曲点を有する変曲部を求めるステップと、前記変曲部に応じて補正前角度の区間を決定するステップと、前記区間について前記角度曲線を所定次数の近似多項式により近似するステップと、得られた近似角度曲線と前記補正角度曲線の誤差角度が所定値を超えるとき近似多項式の次数を上げるステップと、前記誤差角度が所定値以下のときその区間の近似多項式を決定しその係数を求めるステップと、前記近似多項式とその係数及びその角度区間を記憶するステップとを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、小型モータの位置制御やロボット関節の絶対角度検出など、各種の機器において回転角度を検出するための角度検出装置の角度補正曲線取得方法及び角度検出装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、回転角度を検出するためには、例えば回転角度検出器の被検出部として、磁気特性を円周方向に周期的に変化させた環状部品(磁気発生部材)を用い、これに磁気センサを近接して設け、磁気センサにより磁気を検知して回転角度を検出する。
【0003】
したがって、磁気発生部材を有する被検出部として、例えば正確な正弦波状の着磁分布を有するものが用いられないと正確な検知角度が得られない。ところが、この着磁分布は通常、理想的な正弦波から外れている。そこで、正確な回転角度が得られるように、回転角度に対する着磁分布の特性を補正することが行われている(例えば特許文献1参照)。
【0004】
この磁気特性に対する補正(磁気角度特性補正)は、最終的にはメモリに記憶されているルックアップテーブルにおいてなされる。しかしその前に、角度特性の補正曲線を例えば補正多項式としてその係数を求めておき、検知された磁気から角度を求め、この角度に対して上記補正曲線に従った補正量を加えて適切な補正角度を求める。
【0005】
この補正前角度に対する補正後角度の角度補正曲線は、従来、広い全角度に対して求めていた。したがって、上記角度補正曲線の次数が低いと高精度の角度検出がなされず、一方高精度の角度を得ようとすると、高次の補正曲線が必要になり補正のための記憶容量が大きくなると共に角度検出までに時間がかかりリアルタイムに検出できないという問題があった。
【特許文献1】特開2004−353683号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、上述のように、従来の角度検出装置における、補正のためのメモリ容量の増大、検出時間の増大などの問題点に鑑みてなされたもので、メモリ容量が少なくてもリアルタイムでしかも高精度に角度検出が可能な角度検出装置の角度補正曲線取得方法及び角度検出装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の請求項1によれば、磁気の強さを検知し対応する回転角度を検出する角度検出装置の、磁気に対する角度の補正曲線を得る角度検出装置の角度補正曲線取得方法であって、この角度検出装置により検出される全角度に対し、各角度において得られる磁気の強さを検知しその対応関係を角度補正曲線として取得する角度補正曲線取得ステップと、前記角度補正曲線の補正前角度に対する補正後角度の変化を求め2つの変曲点を有する変曲部を求める変曲点検知ステップと、この変曲点検知ステップにより求められた変曲部に応じて補正前角度の区間を決定する区間決定ステップと、この区間決定ステップにより決定された区間について前記角度曲線を所定次数の近似多項式により近似する多項式近似ステップと、この多項式近似ステップにより得られた近似角度曲線と前記補正角度曲線の誤差角度が所定値を超えるとき近似多項式の次数を上げる次数増加ステップと、前記誤差角度が所定値以下のときその区間の近似多項式を決定しその係数を求める多項式計数決定ステップと、前記近似多項式とその係数及びその角度区間を記憶する区間近似多項式記憶ステップとを有することを特徴とする、角度検出装置の角度補正曲線取得方法を提供する。
【0008】
本発明は、補正曲線の変曲部を調べそれに応じて、補正曲線を複数の区間に分割してその区間毎の近似多項式を求めるものである。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、メモリ容量が少なくリアルタイムでしかも高精度に角度検出が可能な角度検出装置の角度補正曲線取得方法及び角度検出装置が得られる効果がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、本発明の実施形態について図面を用いて説明する。
【0011】
図1は本発明一実施形態の角度検出装置10と、この角度検出装置10により得られる角度の補正を行う角度補正データを作成する角度補正データ作成装置11を示す図である。角度検出装置10は予め角度補正データ作成装置11に接続され、角度補正データが補正データ記憶部16に記憶される。その後、角度検出装置10は角度補正データ作成装置11から切り離されて、角度検出装置10が本来の用途である角度検出のために用いられる。
【0012】
角度検出装置10は、後述するように補正対象となる角度をアナログ的に電圧として検出する補正用角度検出器12と、この補正用角度検出器12において取得されたアナログの補正用角度をデジタルデータとして出力する補正用角度検出回路13と、補正演算記憶部14とを有する。
【0013】
補正演算記憶部14は、補正用角度データを用いて計算を行う補正角度計算部15と、この補正角度計算部15により計算された結果の角度を入力され、角度補正データ作成装置11により予め得られ、記憶している角度補正データテーブルに基づいて補正角度のデータを補正角度計算部15に出力する補正データ記憶部16とを有する。
【0014】
角度補正データ作成装置11は、回転角度を変えてそのときの磁気の強さを求めるため回転部を回転駆動する駆動部17(例えばモータ)と、そのときの基準用の角度をアナログ的に電圧として検出する高精度の基準用角度検出器18と、基準用のアナログ角度データをデジタルデータに変換して出力する基準用角度検出回路19と、この回路出力の基準用角度データと補正用角度データからその対応関係である角度補正データを作成する補正データ作成部20と、を有する。
【0015】
補正データ作成部20の構成例を図2に示す。補正データ作成部20は、基準用角度データと補正用角度データから全角度範囲での角度補正曲線を求めその変曲部を求める変曲点を検出する変曲点検出部23と、この変曲点検出部23で検出された変曲部に基づいて分割する区間を決定する分割区間決定部24と、この決定された分割区間に基づいてその区間の近似多項式を求めその係数を決定する区間多項式係数決定部25と、その区間内の角度補正曲線と近似多項式との誤差を求める角度誤差算出部26と、この角度誤差算出部26により得られた誤差が所定値を超えることがあるか否か比較回路などにより判定する誤差判定部27と、所定値を超える誤差があることが判定されたとき、その区間の角度補正曲線を近似する基本多項式の次数を上げて近似多項式の係数を決定しその全区間の近似多項式の次数及びその近似多項式の係数を記憶する全区間多項式計数蓄積部28と、を有する。
【0016】
図1において、補正用角度検出器12、駆動部17及び基準用角度検出器18は、同軸上にカップリングされており、補正用角度検出器12と基準用角度検出器18は駆動回転に同期して特定の角度に回転させることができる。即ち、両角度検出器12,18の回転角度を同一にしたときの電圧値は本来同一であるべきであるが、両角度検出器の精度の差により必ずしも同一とならない。この差に基づいて補正用角度検出器12により得られた補正用角度を補正することになる。
【0017】
補正用角度検出器12は通常、安価かつ小型であるので、高価かつ大型の基準用角度検出器18に比べて精度が劣る。それゆえ、両角度検出器が検知しようとする角度が同一であっても異なる電圧を出力し、検知角度として異なる結果となる。そこで、基準用角度検出器18で検出された角度(基準用角度)を基準として、補正用角度検出器12で得られる角度(補正用角度)を、複数の角度状態において補正する。
【0018】
実際にこの補正は、補正用角度検出回路13で得られた補正用角度データと基準用角度検出回路19で得られた基準用角度データを補正データ作成部20に取り込み、角度の対応関係をデジタル的に処理して、角度補正データを取得し、角度補正データテーブルとして補正演算記憶部14の補正データ記憶部16に記憶する。
【0019】
角度補正データテーブルが作成記憶された後は、補正用角度検出器12を角度補正データ作成装置11の駆動部17から取り外して角度検出を行いたい対象物に取り付けて運用する。運用時には、補正用角度検出器12において検出された角度に対する電圧信号(アナログ)は、補正用角度検出回路13に送られて角度に対するデジタルデータに変換される。変換されたデジタルデータは、補正演算記憶部14の補正角度計算部15に送られる。
【0020】
補正角度計算部15は、送られてきた角度データを補正データ記憶部16に送る。そして補正データ記憶部16に有する角度補正データテーブルからその角度に対する、先に得られた各区間の近似多項式及びその各係数が補正角度計算部15に送られる。補正角度計算部15は先の近似多項式に係数値を代入して補正角度を計算し出力する。
【0021】
次に本発明のこの実施形態において、角度検出装置10に角度補正データ作成装置11を接続し、補正データ作成部20から出力された角度補正データを補正データ記憶部16に記憶させる動作を、図3に基づいて説明する。
【0022】
まず、角度補正データ作成装置11の駆動部17は、角度検出装置10の補正用角度検出器12に結合(カップリング)され、補正用角度検出器12と基準用角度検出器18の角度が同一になるように駆動される。そして、ステップS301において、駆動部17は角度測定がなされる全範囲で角度を変えていき、そのときの補正用検出器12と基準用角度検出器18にアナログ電圧出力を得る。これらの電圧信号は、補正用角度検出回路13及び基準用角度検出回路19において各々デジタルデータに変えられ、ステップS302で補正データ作成部20に取得される。
【0023】
このようにして得られた、角度毎の基準用角度データと補正用角度データから、角度補正曲線が求められる。ステップS303では、この補正角度曲線について補正前の角度θbの小さい方から変曲点を調べていく。
【0024】
近似多項式として例えば3次の近似多項式が仮定される。この場合、変曲点が2つある曲線は通常3次多項式により近似可能であるので、次のステップS304で変曲点が2つあったことを検知する。変曲点が2つなければ、ステップS303に戻って上記角度補正曲線のθbが大きい方向に変曲点を調べていく。
【0025】
ここで、角度補正曲線の変曲点及び変曲部について説明する。例えばステップS302において得られた両データから図4に示す全体の角度補正曲線が得られたとする。図4において、横軸(X軸)は補正前の角度即ちθbを取り、縦軸(Y軸)には補正後の角度即ちθaを取っている。補正前角度θbが小さいほうからこの角度補正曲線を調べていく。
【0026】
図5(a)は最初の角度範囲(区間)Aの部分を拡大した角度補正曲線を示しており、図5(b)は角度範囲(区間)Bの部分の角度補正曲線を示している。図5(a)において、変曲部A前後の点をA1〜A5とする。A1点における補正後の角度θaをθaA1とし、以下同様にA2〜A5の補正後の角度を表す。そして、1次差分は、例えば点A2の補正後の角度θaA2から点A1の補正後の角度θaA1の値を引いた値として次のように表現される。
【0027】
(ΔθA12=θaA2−θaA1 ・・・・・・(1)
同様にして
(ΔθA23=θaA3−θaA2 ・・・・・・(2)
(ΔθA34=θaA4−θaA3 ・・・・・・(3)
(ΔθA45=θaA5−θaA4 ・・・・・・(4)
これらの1次差分値は、図5(a)から明らかなようにすべて正であり、単調増加を示している。更にこれら1次微分値の差即ち2次微分値を、下記の式により求める。
【0028】
Δ(Δθa)A13=(ΔθA23―(ΔθA12・・・・・(5)
Δ(Δθa)A24=(ΔθA34―(ΔθA23・・・・・(6)
Δ(Δθa)A35=(ΔθA45―(ΔθA34・・・・・(7)
これらの2次微分値から、点A3を境に符号が変化する。即ちこの場合、点A3が重根の変曲点であり、変曲点が2個分あることが理解される。即ち、ステップS304で変曲点が2つあったことが検知される。
【0029】
次のステップS305で、上記角度補正曲線の次の変曲点を調べ、ステップS306で次の2つの変曲点を検知する。ステップS306において2つの変曲点が検知された場合には、ステップS307では、直前の2つの変曲点が見つかった点(変曲部)と、この2つの変曲点が見つかった点(変曲部)までの中間の点として区間の境界を決定する。
【0030】
例えば図5(b)では、ステップS305で次の変曲点を探すために、補正前の角度θbの点として、B1〜B5を調べていく場合の様子を示す。
【0031】
まず、1次差分値として次式による値を求める。
【0032】
(ΔθB12=θaB2−θaB1 ・・・・・・(8)
(ΔθB23=θaB3−θaB2 ・・・・・・(9)
(ΔθB34=θaB4−θaB3 ・・・・・・(10)
(ΔθB45=θaB5−θaB4 ・・・・・・(11)
図5(b)から明らかなように、(ΔθB12と(ΔθB45は正であるが、(ΔθB23と(ΔθB34は負となり、単調増加でも単調減少でもない。すなわち、この部分において2つの変曲部B2,B4が存在する。
【0033】
2次差分値として次の式による値を求められるが、これらの値は変曲点の検知には不要である。
【0034】
Δ(Δθa)B13=(ΔθB23―(ΔθB12・・・・・(12)
Δ(Δθa)B24=(ΔθB34―(ΔθB23・・・・・(13)
Δ(Δθa)B35=(ΔθB45―(ΔθB34・・・・・(14)
こうしてステップS306で次の2つの変曲点として、変曲点B2,B4が見つかると、ステップS307において補正前の角度θbの角度区間の境界を決定する。この境界は例えば、変曲部A(A3)と変曲部Bの中間点として定める。
【0035】
同様にして次の変曲部C、Dを求めていく。ステップS308では、例えば角度範囲(区間)A(θbがゼロから変曲部Aと変曲部Bの中間の点までの区間)の角度補正曲線に対して所定次数例えば3次の近似多項式を決定する。
【0036】
ステップS309では、その角度補正範囲(区間)Aにおける角度補正曲線と近似多項式の誤差を検出する。ステップS311では、この誤差が所定誤差値E1を超える部分があるか否かを検知する。E1を超える部分がある場合には、その近似多項式の次数を、例えば4次多項式にする。
【0037】
その後ステップS308に戻って、再びその次数の近似多項式を求め、ステップS309でその区間Aの角度曲線との誤差を検出する。ステップS311でその誤差が所定誤差値E1以下であれば、ステップS312で、例えば最小二乗法によりその区間の近似多項式及びその場合の係数を決定する。これらの近似多項式と係数はステップS313で蓄積される。
【0038】
次のステップS314では、補正前の角度θbのすべての区間で近似多項式を求めたか確認する。すべての区間についてまだ求めていなかった場合には、ステップS305に戻って前述のように、2つの変曲点を求め区間の境界を求めて区間を定めて近似多項式を調べていく。そして所定誤差値E1以下の近似多項式及びその係数を求める。その多項式及び係数は、図2に示す補正データ作成部20の全区間多項式計数蓄積部28に蓄積される。
【0039】
ステップS314で角度θbのすべての区間で近似多項式が求められその係数が決定されるとそれらのデータは、ステップS315において、全区間多項式計数蓄積部28から、補正データ記憶部16に送られる。
【0040】
上述のように角度補正データが補正データ記憶部16に記憶された後、角度検出装置10が角度補正データ作成装置11から取り外された後の、実際の運用の動作を、図6に示すフローチャート及び図7を用いて次に説明する。図7は、横軸(X軸)に補正前の角度θbを取り縦軸(Y軸)に補正後の角度θaを示し、補正データ記憶部16に記憶されている近似多項式fmを表している。
【0041】
図6において、電源がONされた後、ステップS601では、角度検出装置10の補正用角度検出器12により、補正前の角度θbが検知され、補正用角度検出回路13でデジタルデータに変えられ補正演算記憶部14の補正角度計算部15に送られる。
【0042】
次のステップS602では、その検出角度θbを探すために、順次所定の区間を設定する。次のステップS603では、補正角度計算部15は、補正データ記憶部16に記憶されている角度補正データ(近似多項式)から、その検出角度θbが、その区間の角度範囲内にあるか否か検知される。検出角度θbがその区間になければステップS604で、次の区間へ移り、再びステップS602でその区間を設定し、ステップS603で角度θbがその区間にあるか検知される。検出角度θbが当該区間内にあることが検知されると、ステップS603からステップS605に移り、補正データ記憶部16に記憶されている角度補正データにより、該当区間の近似多項式及びその係数を読み出す。
【0043】
次のステップS606では、補正角度計算部15は補正データ記憶部16に記憶されているその区間の所定次数の近似多項式にその係数を入れ、上記検出角度θbを代入して、角度θaを算出する。ステップS607では、角度θaを補正後の角度として出力する。
【0044】
本発明のこの実施形態によれば、補正前の角度θbからその角度を含む区間を求め、その区間の近似多項式に基づいて補正後の角度θaを求める。したがって、近似多項式は全体ではなく所定区間の近似多項式であり比較的単純となり、メモリの記憶容量は少なくてすみ、計算時間も短くしかも高精度に、角度補正曲線を近似することが可能となる利点がある。
【0045】
上記実施形態では、最小二乗法により角度補正曲線を補正していたが、他の方法により近似してもよい。上記実施形態では、区間の境界を2つの変曲点を有する変曲部の中間としたが、このようにしなくともよい。
【0046】
本発明は上述の実施形態に限られず、その技術思想の範囲内で種々変形して実施可能である。
【図面の簡単な説明】
【0047】
【図1】本発明一実施形態の角度検出装置及び角度補正データ作成装置の構成を示す図。
【図2】本発明一実施形態の角度補正データ作成装置における補正データ作成部の構成例を示す図。
【図3】本発明一実施形態の角度検出装置及び角度補正データ作成装置において角度補正データを作成する動作を説明するための図。
【図4】本発明一実施形態において各区間の近似多項式の作成を説明するための図。
【図5】本発明一実施形態において変曲点の検知を説明するための図。
【図6】本発明一実施形態の角度検出装置の運用時の動作を説明するための図。
【図7】本発明一実施形態の角度検出装置の運用時の区間検出を説明するための図。
【符号の説明】
【0048】
10・・・角度検出装置、
11・・・角度補正データ作成装置、
12・・・補正用角度検出器、
13・・・補正用角度検出回路、
14・・・補正演算記憶部、
15・・・補正角度計算部、
16・・・補正データ記憶部、
17・・・駆動部、
18・・・基準用角度検出器、
19・・・基準用角度検出回路、
20・・・補正データ作成部、
23・・・変曲点検出部、
24・・・分割区間決定部、
25・・・区間多項式係数決定部、
26・・・角度誤差算出部、
27・・・誤差判定部、
28・・・全区間多項式係数蓄積部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
磁気の強さを検知し対応する回転角度を検出する角度検出装置の、磁気に対する角度の補正曲線を得る角度検出装置の角度補正曲線取得方法であって、
この角度検出装置により検出される全角度に対し、各角度において得られる磁気の強さを検知しその対応関係を角度補正曲線として取得する角度補正曲線取得ステップと、
前記角度補正曲線の補正前角度に対する補正後角度の変化を求め2つの変曲点を有する変曲部を求める変曲点検知ステップと、
この変曲点検知ステップにより求められた変曲部に応じて補正前角度の区間を決定する区間決定ステップと、
この区間決定ステップにより決定された区間について前記角度曲線を所定次数の近似多項式により近似する多項式近似ステップと、
この多項式近似ステップにより得られた近似角度曲線と前記補正角度曲線の誤差角度が所定値を超えるとき近似多項式の次数を上げる次数増加ステップと、
前記誤差角度が所定値以下のときその区間の近似多項式を決定しその係数を求める多項式計数決定ステップと、
前記近似多項式とその係数及びその角度区間を記憶する区間近似多項式記憶ステップと
を有することを特徴とする、角度検出装置の角度補正曲線取得方法。
【請求項2】
磁気の強さを検知し対応する回転角度を検出する角度検出装置であって、
この角度検出装置により検出される全角度に対し、各角度において得られる磁気の強さを検知して求められた対応関係の角度補正曲線から、所定区間毎の所定次数で近似した近似多項式及びその係数をその角度区間と共に記憶する補正データ記憶部と、
この補正データ記憶部に記憶された近似多項式とその係数及びその角度区間により、測定された角度に対する補正角度を計算する補正角度計算部と、
を有することを特徴とする角度検出装置。
【請求項3】
磁気の強さを検知し対応する回転角度を検出し補正する角度検出装置であって、
補正用のアナログの角度を検出する補正用角度検出器と、
この補正用角度検出器により検出されたアナログ角度をデジタルに変換する補正用角度検出回路と、
前記補正用角度検出器により検出される全角度に対し、各角度において得られる磁気の強さを検知して求められた対応関係の角度補正曲線から所定区間毎の近似した近似多項式及びその係数をその角度区間と共に記憶する補正データ記憶部と、
この補正データ記憶部に記憶された近似多項式とその係数を用いて測定された角度に対する補正角度を計算する補正角度計算部と、
を有することを特徴とする角度検出装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2009−180523(P2009−180523A)
【公開日】平成21年8月13日(2009.8.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−17368(P2008−17368)
【出願日】平成20年1月29日(2008.1.29)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】