説明

触媒コンバーター用保持材

【課題】触媒担体への巻き付け時における亀裂や破断を、これまでよりも少量の有機分でありながらも、確実に抑えることができる触媒コンバーター用保持材を提供する。
【解決手段】触媒担体と、触媒担体を収容する金属製ケーシングと、触媒担体に巻回されて触媒担体と金属製ケーシングとの間隙に介装される保持材とを備えた触媒コンバーターに用いられる保持材であって、無機繊維製の基材と、基材の少なくともケーシング側表面に形成され、25℃でのヤング率が0.3MPa以下である粘弾性層とを備えることを特徴とする触媒コンバーター用保持材。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ガソリンエンジン、ディーゼルエンジン等の内燃機関から排出される排気ガス中に含まれるパティキュレートや一酸化炭素、炭化水素、窒素酸化物等を除去する触媒コンバーター(排気ガス浄化装置ともいう)に組み込まれる触媒担体を金属製ケーシング内に保持するための触媒コンバーター用保持材並びにその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
自動車等の車両には、周知の如く、そのエンジンの排気ガス中に含まれる一酸化炭素、炭化水素、窒素酸化物等の有害成分を除去するために、排気ガス浄化用触媒コンバーターが積載されている。図1は、触媒コンバーターの一例を模式的に示した断面図である。この触媒コンバーター10では、内燃機関から排出された排気ガスが導入される導入管16が金属製ケーシング11の一端部に接続されるとともに、他端部には、触媒担体12を通過した排気ガスを外部に排出する排出管17が設けられている。また、金属製ケーシング11の内部には、触媒担体12が触媒コンバーター用保持材13を介して設置されている。さらに、図には示されないが、触媒担体に対して排気ガス導入側(吸気側ともいう)となる部分には、触媒担体12、即ちハニカムフィルタに蓄積したパティキュレートを燃焼させてフィルタ機能を回復させる(再生処理ともいう)ための電気ヒータや温度センサが設置されても良いし、燃焼用空気を送り込むための別配管が接続されても良い。こうした構成によれば、触媒担体12においてパティキュレートの蓄積量が多くなって圧損等が大きくなったときに、再生処理を行うことできる。
【0003】
金属製ケーシング11は、図2に示すように、筒体をその長手方向に沿って2分割した構成とすることができ、触媒コンバーター用保持材13を巻装した触媒担体12を下部シェル22b内の所定箇所に設置した後、上部固定部23に形成した貫通孔23aと、下部固定部24に形成した貫通孔24aとが丁度重なるように、上部シェル22aを下部シェル22bの上に載置し、ボルト25を貫通孔23a、24aに挿通しナット等で固定する。または、上部固定部23と下部固定部24とを溶接してもよい。また、金属製ケーシング11は、図3に示すような筒状体30であってもよく、図2に示したような2分割構造の金属製ケーシングにおける組立て作業が不要であるものの、触媒コンバーター用保持材13を巻装した触媒担体12を筒状体の開口31から圧入する必要がある。
【0004】
触媒担体12は、例えばコージェライト等からなる円筒状のハニカム状成形体に貴金属触媒等が担持されたものが一般的であるため、触媒コンバーター用保持材13には、自動車の走行中に振動等によって触媒担体12が金属製ケーシング11に衝突して破損しないように触媒担体12を安全に保持する機能と、触媒担体12と金属製ケーシング11との間隙から未浄化の排気ガスが漏れないようにシールする機能とを兼ね備えることが必要とされている。そこで、現在では、アルミナ繊維やムライト繊維、あるいはその他のセラミック繊維等の無機繊維を、有機バインダーを用いて所定厚さのマット状に成形したものが主流となっている。また、その形状は、図4(A)に示す平面形状を呈しており、平板状の本体部41の一端には凸部42が形成されており、他端には凸部42と嵌合可能な形状の凹部43が形成されている。そして、図4(B)に示すように、触媒担体12の外周面に本体41を巻き付け、凸部42と凹部43とを係合させることでが触媒担体12に巻装される。
【0005】
有機バインダーとしては、ゴム類、水溶性有機高分子化合物、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂等が一般的である。また、触媒コンバーター用保持材13は厚すぎると、触媒担体12への巻装作業並びに金属製ケーシング11への装着作業がし難くなるため、ある程度薄くする必要がある。そのため、一般的な保持材3では、これらの有機バインダーを保持材全量の5〜8質量%、多いものでは10質量%程度使用している。
【0006】
しかし、最近では、浄化効率を高めるために、触媒担体12は1000℃近くまで加熱されるため、上記に挙げた有機バインダーは容易に分解、焼失してCOやCO、各種の有機系ガスが発生し、特に、触媒コンバーターの作動初期に多量に発生する。排ガス規制は厳しくなる一方であり、この有機バインダーに由来するCO等により規定値を上回る可能性がある。また、最近ではエンジンの電子制御が進んでいるが、本来の排気ガスに関係の無いCOが存在すると、排気系のセンサー類を誤作動させてエンジンの電子制御にも悪影響が出てくる。このような不具合を防ぐために、メーカーは出荷前に焼成処理して有機バインダーを焼失する作業を行っている。このような焼成処理は、メーカーにとって大きな負担となっており、重要課題となっている。
【0007】
有機バインダーの使用量を減少することも考えられているが、減量分だけ無機繊維の結束力が弱まって触媒コンバーター用保持材13が厚くなり、組み付け性が悪化する問題がある。また、有機バインダーの減少により、触媒コンバーター用保持材13のケーシング側表面の強度低下、摩擦係数の増大といった問題も考えられる。このため、触媒コンバーター用保持材13のケーシング側表面にフィルム、テープ、不織布、樹脂コーティングといった表面保護層を施すことが行われている(特許文献1、2参照)。しかし、これらの表面保護層は15g/m以上で施工されるため、それらを表面に施すだけで有機分が保持材全量の1質量%を超えてしまう。これらの保護層の質量を減らそうとすると、保護層の強度が低下するために巻回時に保護層に亀裂や破断が発生する等の不具合が発生する。
【0008】
【特許文献1】特開2001−32710号公報
【特許文献2】特開平8−61054号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明はこのような状況に鑑みてなされたものであり、触媒担体への巻き付け時における亀裂や破断を、これまでよりも少量の有機分でありながらも、確実に抑えることができる触媒コンバーター用保持材を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するために、本発明は下記の触媒コンバーター用保持材を提供する。
(1)触媒担体と、触媒担体を収容する金属製ケーシングと、触媒担体に巻回されて触媒担体と金属製ケーシングとの間隙に介装される保持材とを備えた触媒コンバーターに用いられる保持材であって、
無機繊維製の基材と、基材の少なくともケーシング側表面に形成され、25℃でのヤング率が0.3MPa以下である粘弾性層とを備えることを特徴とする触媒コンバーター用保持材。
(2)上記(1)に記載の触媒コンバーター用保持材において、前記粘弾性層は、(A)粘着付与剤を添加したゴム、(B)ガラス転移点が25℃以下の樹脂の少なくとも1つからなることを特徴とする触媒コンバーター用保持材。
(3)上記(1)または(2)に記載の触媒コンバーター用保持材において、前記粘弾性層の表面に形成され、摩擦係数が0.1〜0.5である平滑層を更に備えることを特徴とする触媒コンバーター用保持材。
(4)上記(1)〜(3)の何れか1項に記載の触媒コンバーター用保持材において、前記粘弾性層に含まれる有機分が2.5g/m以下であることを特徴とする触媒コンバーター用保持材。
(5)上記(3)または(4)に記載の触媒コンバーター用保持材において、前記平滑層に含まれる有機分が2.5g/m以下であることを特徴とする触媒コンバーター用保持材。
(6)上記(3)〜(5)の何れか1項に記載の触媒コンバーター用保持材において、前記平滑層が厚さ5μm以下の合成樹脂製フィルムであることを特徴とする触媒コンバーター用保持材。
(7)上記(1)〜(6)の何れか1項に記載の触媒コンバーター用保持材において、全有機分が1.5質量%以下であることを特徴とする触媒コンバーター用保持材。
【発明の効果】
【0011】
本発明の触媒コンバーター用保持材は、粘弾性層が保護層に相当するが、従来の保護層に比べて少ない有機分でありながらも、触媒担体への巻き付け時の亀裂や破断をより確実に防止できる。更に、平滑層を添設した場合には、円筒状の金属製ケーシングへの圧入を容易に行うことができ、2分割構成の金属製ケーシングのような組立作業が不要になり、触媒コンバーターの製作工程を簡易にすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、本発明について詳細に説明する。
【0013】
本発明の触媒コンバーター用保持材は、無機繊維製の基材の表面に粘弾性層を形成したものである。
【0014】
基材には制限が無く、例えば、無機繊維と少量の有機バインダーとを湿式成形した後、圧縮した状態で乾燥した圧縮マット、無機繊維を集綿したものをニードル加工したブランケットからなるマット、無機繊維とバーミキュライト等の膨張材とを湿式成形した膨張マット等のマット材等を使用できる。
【0015】
また、全体形状には制限がなく、例えば図4(A)に示したように、平板状の本体部41の一端に凸部42を形成し、他端に凸部42と嵌合可能な形状の凹部43を形成した形状とすることができる。尚、凸部42及び凹部43の形状は、図示される矩形の他に、三角形や半円形状であってもよい。また、凸部42及び凹部43の個数も1個には限定されず、2個以上であってもよい。
【0016】
無機繊維としては、従来から保持材に用いられている種々の無機繊維を用いることができる。例えば、アルミナ繊維、ムライト繊維、あるいはその他のセラミック繊維等を適宜使用できる。より具体的には、アルミナ繊維としては、例えばAlが90重量%以上(残りはSiO分)であって、かつX線的には低結晶化度のものが好ましく、また、その平均繊維径が3〜7μm、ウエットボリューム400cc/5g以上が好ましい。ムライト繊維としては、例えばAl分/SiO分重量比が72/28〜80/20程度のムライト組成であって、かつX線的には低結晶化度のものが好ましく、また、その平均繊維径が3〜7μm、ウエットボリューム400cc/5gが好ましい。その他のセラミック繊維としては、シリカアルミナ繊維やシリカ繊維を挙げることができるが、何れも従来から保持材に使用されているもので構わない。また、ガラス繊維やロックウール、生体溶解性繊維を配合してもよい。
【0017】
尚、上記ウエットボリュームは、次の方法で算出される。
1)乾燥した繊維材料5gを少数点2桁以上の精度を有する秤で計量する。
2)計量した繊維材料を500gのガラスビーカーに入れる。
3)2)のガラスビーカーに温度20〜25℃の蒸留水を400cc程度入れ、攪拌機を用いて繊維材料を切断しないように慎重に攪拌し、分散させる。この分散は超音波洗浄機を使用してもよい。
4)3)のガラスビーカーの中味を1000mlのメスシリンダーに移し、目盛で1000ccまで蒸留水を加える。
5)4)のメスシリンダーの口を手等で塞ぎ、水が漏れないように注意しながら上下逆さまにして攪拌する。これを計10回繰り返す。
6)攪拌停止後、室温下で静置し、30分経過後の繊維沈降体積を目視で計測する。
7)上記操作を3サンプルについて行い、その平均値を測定値とする
【0018】
有機バインダーも公知のもので構わず、ゴム類、水溶性有機高分子化合物、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂等を使用できる。具体的には、ゴム類の例としては、n−ブチルアクリレートとアクリロニトリルの共重合体、エチルアクリレートとアクリロニトリルの共重合体、ブタジエンとアクリロニトリルの共重合体、ブタジエンゴム等がある。水溶性有機高分子化合物の例としては、カルボキシメチルセルロース、ポリビニルアルコール等がある。熱可塑性樹脂の例としては、アクリル酸、アクリル酸エステル、アクリルアミド、アクリロニトリル、メタクリル酸、メタクリル酸エステル等の単独重合体及び共重合体、アクリロニトリル・スチレン共重合体、アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン共重合体等がある。熱硬化性樹脂としては、ビスフェノール型エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂等がある。
【0019】
また、基材には、有機バインダーとしてパルプ等の有機繊維を少量配合することも可能である。有機繊維は細く長いものほどバインド力が高く、高度にフィブリル化したセルロースやセルロースナノファイバー等が好ましい。具体的には、繊維径が0.01〜50μm、繊維長が1〜5000μmであることが好ましく、繊維径が0.02〜1μm、繊維長が10〜1000μmであることがより好ましい。
【0020】
こうしたフィブリル化した繊維の使用量は、無機繊維を結束し得る量であれば制限ないが、無機繊維100質量部に対して0.1〜5質量部である。フィブリル化した繊維が0.1質量部未満では結束力が不足し、5質量部を越える場合は相対的に無機繊維の量が減り、保持材として必要な保持性能及びシール性能が得られない。フィブリル化した繊維の好ましい量は0.1〜2.5質量部、さらに好ましい量は0.1〜1質量部未満である。
【0021】
また、こうしたフィブリル化した繊維と無機バインダーを併用してもよい。フィブリル化した繊維と無機バインダーの併用によれば、使用時おける有機成分の揮発が起因する上述した不具合を回避するために、フィブリル化した繊維の使用量を少なくした場合であっても、無機繊維を良好に結束でき、従来と同等の厚さを維持できる触媒コンバーター用保持材を提供することができる。こういった無機バインダーは公知のもので構わず、ガラスフリット、コロイダルシリカ、アルミナゾル、珪酸ソーダ、チタニアゾル、珪酸リチウム、水ガラスなどが挙げられる。なお、これらの無機バインダーは二種以上を組み合わせて使用することもできる。無機バインダーの使用量は、無機繊維を結束し得る量であれば制限ないが、無機繊維100質量部に対して0.1〜10質量部である。無機バインダーが0.1質量部未満では結束力が不足し、5質量部を越える場合は相対的に無機繊維の量が減り、保持材として必要な保持性能及びシール性能が得られない。無機バインダーの好ましい量は0.2〜6質量部、さらに好ましい量は0.2〜4質量部未満である。
【0022】
粘弾性層は、25℃におけるヤング率が0.3MPa以下、好ましくは0.2MPa以下であれば、その材料には制限がないが、(A)粘着付与剤を添加したゴム、(B)ガラス転移点が25℃以下の樹脂の少なくとも1つであることが好ましい。
【0023】
具体的には、(A)において、ゴムはポリイソプレンを主成分とする天然ゴム、あるいはSBR、ブチルゴム、ニトリルゴム、シリコンゴム等の合成ゴムが好ましい。粘着付与剤は分子量が数千程度のオリゴマーが好ましく、例えば、ロジン、テルペン、石油系樹脂等のオリゴマーが好適である。また、粘着付与剤の配合量は、ゴム100質量部に対して40〜300質量部配合が好ましい。粘着付与剤の配合量が40質量部未満では、期待する伸びを実現できない。
【0024】
また、(B)としては、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステルを主成分とするアクリル樹脂、EVA、ポリビニルエーテル等が好適である。保持材の触媒担体への巻き付け作業が通常室温で行われるため、ガラス転移点が25℃を超える樹脂では巻き付け作業の際に保持材が硬くなりすぎて、上記のヤング率を得ることが難しくなる。そのため、樹脂のガラス転移点は低い方が好ましく、−50℃〜25℃が好ましい。尚、弾性を出すには樹脂は架橋されていない方が好ましいが、架橋剤を配合する場合は乾燥工程等での加熱条件により架橋度を制御して、上記のヤング率に調整する必要がある。架橋剤としては、メラミン、エポキシ、尿素樹脂等を使用でき、樹脂100質量部に対して1〜40質量部配合することが好ましい。
【0025】
尚、ヤング率はJIS K6251(加硫ゴムの引張試験方法)に基づき下記式(1)から求めることができる。
ヤング率(Y)=M/E ・・・(1)
ここで、Eは切断時伸び(%)であり、試験片の初期長さをL0(mm)、切断時の試料編長さをL1(mm)とするとき、下記式(2)から求めることができる。
切断伸び(E)=〔(L1−L0)/L0〕×100 ・・・(2)
また、Mは引張応力(MPa)であり、切断時における引張力をF(N)、試験片の断面積をA(mm)とするとき、下記式(3)から求めることができる。
引張応力(M)=F/A ・・・(3)
【0026】
上記(1)式から、切断時伸びEが大きくなるとヤング率が小さくなることがわかる。本発明では、粘弾性層の切断時伸びEが300%以上であることが好ましい。保持材は、触媒担体に巻き付けられた際に、ケーシング側の面が周方向に大きく引っ張られるため、ケーシング側となる粘弾性層の伸びを大きくすることにより亀裂や破断を防止することができる。
【0027】
粘弾性層を形成するには、上記のゴム材料または樹脂材料を基材上に塗布し、乾燥すればよい。塗布方法には制限がないが、粘性があるため、刷毛塗りやロールコーティングが好ましい。また、基材が湿式成形から得る圧縮マットや膨張マットの場合は、脱水成形した状態いわゆるケーキの状態でゴム材料または樹脂材料を塗工した後、全体を乾燥させることも可能である。
【0028】
上記の粘弾性層は粘着性を有するため、取り扱い性や、図3に示した円筒状の金属製ケーシングへの圧入の際の摩擦抵抗が大きくなることから、その表面を低摩擦材料からなる平滑層で覆うことが好ましいが、一方で平滑層の摩擦係数が低すぎると、触媒担体が抜けてしまう恐れがあるので、平滑層の摩擦係数は、0.1〜0.5であることが好ましく、0.2〜0.3であることがより好ましい。尚、摩擦係数は、JIS 7125「プラスチック−フィルム及びシート−摩擦係数試験方法」に準じて測定することができる。また、粘弾性層と同様に、巻き付け作業のし易さや、触媒担体に巻き付けた際に周方向に引っ張られることから、適度の引張強度を有することが要求される。更に、触媒コンバーターの運転時に熱により有害ガスが発生しないことが望ましい。
【0029】
これらを考慮すると、平滑層形成材料として、分子中にニトリル基を含まない熱可塑性樹脂であるアクリル酸、アクリル酸エステル、メタクリル酸、メタクリル酸エステル等の単独重合体、及び共重合体が好ましい。また、これらの樹脂のガラス転移点は25℃〜−40℃であることが望ましい。ガラス転移点が25℃を超えると、装着作業の環境温度がガラス転移点を超えるために樹脂層が硬くなり、巻装時に平滑層、更には粘弾性層に亀裂や破断が起こる可能性が高い。一方、ガラス転移点が−40℃以下であると摩擦係数が大きいためにキャニングに支障が出てくる。更に、これらの樹脂には架橋剤が入っているものが望ましい。架橋剤が無いと樹脂の粘性が増大するために摩擦係数が増大し、キャニングに支障が出てくる。
【0030】
また、水溶性有機高分子化合物も可能である。具体的には、カルボキシメチルセルロース、ポリビニルアルコール、ポリアクリルアミド、ポリエチレンオキサイド等が挙げられる。これらの水溶性高分子は単独では乾燥後の柔軟性が不足することがあるため、グリセリン等の保湿剤を添加することで、適度な柔軟性を得ることができる。
【0031】
これらの樹脂は、それぞれ単独で、あるいは混合して塗布液とし、この塗布液を粘弾性層に塗布し、乾燥することで平滑層が形成される。また、樹脂毎に層を形成し、積層することも可能である。塗布方法には制限がなく、刷毛塗り、ロールコーティング、スプレーコーティング、スクリーン印刷、インクジェット印刷等の方法がある。
【0032】
また、補強のために無機系のコーティング剤等を加えることも可能である。例えば、アルキルシリケート、シリコーン、アモルファスシリカ、水ガラス、ベントナイト、マイカ、コロイダルシリカ、コロイダルアルミナ等である。
【0033】
塗布性の改善のために、粘度調整剤を加えることも可能である。例えば、カルボキシメチルセルロース、ポリビニルアルコール、ベントナイト、でん粉等である。
【0034】
平滑層の識別のために、予め樹脂に染料や顔料を混入しておくことも可能である。染料や顔料は有害ガスが出るものでなければ、公知のものでかまわない。
【0035】
平滑層の厚さは、従来の保護層とは異なり、触媒担体に巻き付けられた際に生じる応力に耐え得る強度は必要ではなく、有機分を少なくするために極力薄くすることが好ましく、保持材全体の厚さに対して0.1〜10%が望ましい。
【0036】
また、平滑層として、合成樹脂製フィルムを使うことも可能である。材質としては特に限定されないが、熱により有害ガスが発生しないものが望ましく、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィンやポリエチレンテレフタレート、ポリスチレン等の汎用樹脂、あるいはポリ乳酸、コハク酸系ポリマー等の生分解性プラスチック等が挙げられる。この合成樹脂製フィルムの厚さは、上記のように有機分を削減するために、5μm以下が好ましく、0.5〜3.5μmがより好ましい。
【0037】
保持材全体としての有機分は少ないほど好ましく、保持材全量の5質量%以下、好ましくは2質量%以下、特に好ましくは1.5質量%以下とする。そのため、基材においては、有機バインダーや有機繊維は圧縮状態を維持するだけでよく、保持材全量の3質量%以下とすることが好ましく、2質量%以下とすることがより好ましく、1質量%以下とすることが更に好ましい。また、粘弾性層における有機分を、上記厚さの場合、2.5g/m以下とすることが好ましく、2.0g/m以下とすることがより好ましく、1.5g/m以下とすることが更に好ましく、1.0g/m以下とすることが特に好ましい。また、平滑層における有機分も同様であり、上記厚さの場合、2.5g/m以下とすることが好ましく、2.0g/m以下とすることがより好ましく、1.5g/m以下とすることが更に好ましく、1.0g/m以下とすることが特に好ましい。
【0038】
また、粘弾性層及び平滑層を部分的に形成して有機分を削減することもできる。但し、被覆面積が少なすぎると、被覆されていない部分から基材の無機繊維が離脱したり、巻回時に割れが発生する恐れがある。一方、被覆面積が多すぎると、有機分低減の効果が小さい。そのため、被覆面積は、保持材の片側表面積の30〜90%とすることが好ましく、40〜60%とすることがさらに好ましい。尚、部分的に形成する場合、触媒担体に巻き付けるときに触媒担体の周方向に亀裂が入る恐れがあるので、被覆パターンは格子柄か、長手方向(触媒担体の周方向に相当)に延びるストライプ柄等が望ましい。
【0039】
本発明の触媒コンバーター用保持材は、粘弾性層あるいは平滑層を外側(金属性ケーシング側)となるように、触媒担体に巻装される。巻き付けに際し、粘弾性層あるいは平滑層により基材が保護され、亀裂や破断を防ぐことができる。
【実施例】
【0040】
以下、実施例及び比較例を挙げて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれによりなんら限定されるものではない。
【0041】
(実施例1)
アルミナ繊維100質量部に対し、有機バインダーとしてのフィブリル化したパルプ0.75質量部、無機バインダーとしてコロイダルシリカを3質量部、水10000質量部の水性スラリーを作製し、これを脱水成形して湿式マットを得た。この湿式マットを圧縮しながら100℃で乾燥することにより、坪量が1100g/m、有機分が0.75%の圧縮マットの基材を得た。
【0042】
得られた基材の片面にスチレン−ブタジエンゴム100質量部に対して粘着付与剤としてのロジン100質量部を添加した粘弾性層形成剤を0.5g/m塗布した。次に、粘弾性層形成剤を塗布した基材上に厚さ1.8μm(2.5g/m)ポリエチレンテレフタレート製フィルムを重ね、100℃で10分間加熱してマット基材とフィルムを圧着して摩擦係数が0.20の平滑層を形成し、基材の有機分が積層体全量に対し0.75質量%、粘弾性層の有機分が0.05質量%、平滑層の有機分が0.25質量%、総有機分が1.05質量%の積層体を得た。
【0043】
また、上記粘弾性層形成剤を100℃で10分間加熱して得たサンプル片をJIS K6251に準じて測定して算出したヤング率は0.01MPa、伸び率は400%であった。
【0044】
(実施例2)
集綿したムライト繊維をニードル加工によりマット状にして得た坪量が1100g/m、有機分が0質量%のブランケットを基材とした以外は実施例1と同じ方法で、基材の有機分が0質量%、粘弾性層の有機分が0.05質量%、平滑層の有機分が0.25質量%、総有機分が0.3質量%の積層体を得た。
【0045】
(実施例3)
実施例1と同じ方法で作製した圧縮マットの基材の片面に、粘弾性層形成剤として、ガラス転移点が−30℃で架橋剤を含まないアクリル樹脂を1g/m塗布し、105℃で乾燥して粘弾性層を得た。さらに粘弾性層上にガラス転移点が−5℃で架橋剤入りのアクリル樹脂2g/m塗布し、105℃で乾燥して摩擦係数0.30の平滑層を形成して、基材の有機分が0.75質量%、粘弾性層の有機分が0.1質量%、平滑層の有機分が0.2質量%、総有機分が1.05質量%の積層体を得た。
【0046】
また、上記粘弾性層形成剤を105℃で乾燥して得たサンプル片をJIS K6251に準じて測定して算出したヤング率は0.005MPa、伸び率は450%であった。
【0047】
(比較例1)
実施例1と同じ方法で作成した圧縮マットの基材の片面に、ガラス転移点50℃のエチレン酢酸ビニル製接着剤を0.5g/m塗布し、この上に実施例1と同じポリエチレンテレフタレート製フィルムを重ねたのちに、100℃のヒートローラーを通して圧縮マットとフィルムを接着して総有機分が1.05質量%の積層体を得た。
【0048】
また、上記接着剤に用いた樹脂をJIS K6251に準じて測定して算出したヤング率は1.1MPa、伸び率は50%であった。
【0049】
(比較例2)
アルミナ繊維100部に対し、有機バインダーとしてのアクリル樹脂10部、水を100000部の水性スラリーを作製した。これを脱水成形して湿式マットを得た。この湿式マットを圧縮しながら100℃で乾燥することにより、坪量が1100g/m、有機分が10質量%の圧縮マットの基材を得た。
【0050】
(巻き付け試験)
実施例1〜3と比較例1の積層体から切りだして得た試験体を直径80mm、長さ100mmの円筒状ハニカム構造のコージェライト製触媒担体に巻き付けて、触媒担体と保持材との巻装体を得た。比較例2については、基材を切り出して試験体とし、同様の巻装体を得た。巻き付けに際し、実施例1〜3、比較例1の試験体は平滑層を外側にして巻き付けた。実施例1〜3及び比較例2の試験体は、平滑層または基材表面が裂ける等の不具合はなく、問題なく巻き付けが可能であったが、比較例1は、試験体を触媒担体に巻き付ける際に試験体が触媒担体の軸方向に沿って折れてしまい、折れた箇所でフィムルが裂け、基材にも割れが生じた。これは、巻き付けた際に、試験体の外周が引っ張られることにより生じた応力に粘弾性層が追従できない結果、一点に応力が集中してしまい、そこから平滑層に割れが発生したものと思われる。また、実施例1〜3においては、巻き付けた際に、試験体の外周が引っ張られても、粘弾性層が伸びることにより、応力が分散することにより平滑層裂けることなく巻き付けることができると推測される。
【0051】
(実装試験)
上述した巻き付け試験で問題がなかった実施例1〜3及び比較例2の巻装体をステンレス製ケーシングに装着して触媒コンバーターを作製した。そして、作製した各触媒コンバーターをガソリンエンジンの排気管に接続し、排気ガスを通過させた。排気ガスの通過中、各触媒コンバーターから排出されるガスを分析した。
【0052】
比較例2の巻装体を装着した触媒コンバーターでは、排気ガスの通過直後に有機バインダーに由来すると思われる有機系ガスが検出され、CO濃度及びCO濃度も、実施例1〜3の巻装体を装着した触媒コンバーターに比べて格段に高かった。また、排気ガスの通過を続けたところ、実施例1〜3の巻装材を装着した触媒コンバーターは安定した浄化作用を示し、シール性能も良好であった。これに対し、比較例2の巻装体を装着した触媒コンバーターでは、時間経過とともにCO濃度及びCO濃度が低下し、ある時間経過後は実施例1〜3の巻装材を装着した触媒コンバーターとほぼ同等の安定した浄化作用を示した。
【0053】
また、本発明の特性を確認するために下記の試験A、Bを行った。
【0054】
(試験A)
粘弾性層のヤング率及び伸び率と、巻き付け性との関係を明らかにするために以下のような参考例1〜8で作成した積層体から切り出して得た所望の大きさと形状の試験体を用いて上述した巻き付け試験を行った。結果を表1に示すが、粘弾性層の25℃でのヤング率が0.3MPa以下であれば、触媒担体に巻き付けるのに問題ないことがわかる。更に、伸び率が300%以上であれば巻き付けが良好になることがわかる。
【0055】
(参考例1)
アルミナ繊維100部に対し、有機バインダーとしてのアクリル樹脂1.0部、無機バインダーとしてコロイダルシリカを3質量部、水10000部の水性スラリーを作製し、これを脱水成形して湿式マットを得た。この湿式マットを圧縮しながら100℃で乾燥することにより、坪量が1100g/m、有機分が1.0質量%の圧縮マットの基材を得た。得られた基材の片面に、実施例3で用いた粘弾性層形成剤を2.0g/m塗布した後に、105℃で乾燥して基材と粘弾性層との積層体を得た。
【0056】
また、上記粘弾性層形成剤を105℃で乾燥して得たサンプル片をJIS K6251に準じて測定して算出したヤング率は0.01MPa、伸び率は500%であった。
【0057】
(参考例2)
参考例1と同じ方法で作製した圧縮マットの基材の片面に、粘弾性層形成剤として、ガラス転移点が0℃で架橋剤を含むアクリル樹脂を2.0g/m塗布し、105℃で乾燥して基材と粘弾性層との積層体を得た。ここで、上記粘弾性層形成剤を105℃で乾燥して得たサンプル片をJIS K6251に準じて測定して算出したヤング率は0.1MPa、伸び率は350%であった。
【0058】
(参考例3)
参考例1と同じ方法で作製した圧縮マットの基材の片面に、粘弾性層形成剤として、ガラス転移点が−15℃で架橋剤を含むアクリル樹脂を2.0g/m塗布し、105℃で乾燥して基材と粘弾性層との積層体を得た。ここで、上記粘弾性層形成剤を105℃で乾燥して得たサンプル片をJIS K6251に準じて測定して算出したヤング率は0.2MPa、伸び率は350%であった。
【0059】
(参考例4)
参考例1と同じ方法で作製した圧縮マットの基材の片面に、参考例2で使用した粘弾性層形成剤を2.0g/m塗布し、130℃で乾燥して基材と粘弾性層との積層体を得た。ここで、上記粘弾性層形成剤を130℃で乾燥して得たサンプル片をJIS K6251に準じて測定して算出したヤング率は0.25MPa、伸び率は200%であった。
【0060】
(参考例5)
参考例1と同じ方法で作製した圧縮マットの基材の片面に、参考例3で使用した粘弾性層形成剤を2.0g/m塗布し、130℃で乾燥して基材と粘弾性層との積層体を得た。ここで、上記粘弾性層形成剤を130℃で乾燥して得たサンプル片をJIS K6251に準じて測定して算出したヤング率は0.27MPa、伸び率は310%であった。
【0061】
(参考例6)
参考例1と同じ方法で作製した圧縮マットの基材の片面に、参考例3で使用した粘弾性層形成剤を2.0g/m塗布し、170℃で乾燥して基材と粘弾性層との積層体を得た。ここで、上記粘弾性層形成剤を170℃で乾燥して得たサンプル片をJIS K6251に準じて測定して算出したヤング率は0.4MPa、伸び率は280%であった。
【0062】
(参考例7)
参考例1と同じ方法で作製した圧縮マットの基材の片面に、粘弾性層形成剤として、ガラス転移点が−30℃で架橋剤を含むアクリル樹脂2.0g/m塗布し、130℃で乾燥して基材と粘弾性層との積層体を得た。ここで、上記粘弾性層形成剤を130℃で乾燥して得たサンプル片をJIS K6251に準じて測定して算出したヤング率は0.45MPa、伸び率は175%であった。
【0063】
(参考例8)
参考例1と同じ方法で作製した圧縮マットの基材の片面に、参考例7で使用した粘弾性層形成剤を2.0g/m塗布し、170℃で乾燥して基材と粘弾性層との積層体を得た。ここで、上記粘弾性層形成剤を170℃で乾燥して得たサンプル片をJIS K6251に準じて測定して算出したヤング率は0.6MPa、伸び率は150%であった。
【0064】
【表1】

【0065】
(試験B)
保持材の総樹脂量と発生ガス量との関係を明らかにするために、実施例1〜2、比較例2及び以下参考例9〜11で作製した試験体の強熱減量をJIS K0067に準じて測定した。尚、強熱減量の測定にあたって、試験体に含まれる水分を除去するために乾燥器にて105℃で8時間放置した直後の試験体を用いた。結果を表2に示すが、試験体に含まれる総有機分量が少ないほど強熱減量が少なくなることがわかる。発生するガスは、保持材に含まれる有機分に起因するため、総有機分量が少ないほど発生ガス量も少なくなることが推察される。保持材では、発生するガス量は少ないほど好ましいが、保持材として機能するにはある程度の有機分が必要であり、その量は明確には規定できないが、発生ガスを低減する観点からいうと、総有機分が5質量%以下、好ましくは2%質量以下、より好ましくは1.5質量%以下であるといえる。
【0066】
(参考例9)
実施例1と同じ方法で作成した圧縮マットの基材の片面に、実施例3で用いた粘弾性層形成剤を1.0g/m塗布した。次に、粘弾性層形成剤を塗布した基材上に厚さ5.0μm(5.0g/m)ポリエチレンテレフタレート製フィルムを重ね、105℃で10分間加熱してマット基材とフィルムを接着して摩擦係数が0.20の平滑層を形成し、基材の有機分が0.75質量%、粘弾性層の有機分が0.1質量%、平滑層の有機分が0.5質量%、総有機分が1.35質量%の積層体を得た。
【0067】
(参考例10)
参考例1と同じ方法で作成した圧縮マットの基材の片面に、実施例3で用いた粘弾性層形成剤を5.0g/m塗布した。次に、粘弾性層形成剤を塗布した基材上に厚さ5.0μm(5.0g/m)ポリエチレンテレフタレート製フィルムを重ね、105℃で10分間加熱してマット基材とフィルムを接着して摩擦係数が0.20の平滑層を形成し、基材の有機分が1.0質量%、粘弾性層の有機分が0.5質量%、平滑層の有機分が0.5質量%、総有機分が2.0質量%の積層体を得た。
【0068】
(参考例11)
参考例1と同じ方法で作成した圧縮マットの基材の片面に、実施例3で用いた粘弾性層形成剤を5.0g/m塗布した。次に、粘弾性層形成剤を塗布した基材上に厚さ30μm(30g/m)ポリエチレンテレフタレート製不織布を重ね、105℃で10分間加熱してマット基材とフィルムを接着して摩擦係数が0.20の平滑層を形成し、基材の有機分が1.0質量%、粘弾性層の有機分が0.5質量%、平滑層の有機分が3.0質量%、総有機分が4.5質量%の積層体を得た。
【0069】
【表2】

【図面の簡単な説明】
【0070】
【図1】触媒コンバーターの一例を示す断面図である。
【図2】金属製ケーシングの一例を示す分解図である。
【図3】金属製ケーシングの他の例を示す斜視図である。
【図4】(A)触媒コンバーター用保持材の平面図、(B)触媒担体に巻装した状態を示す斜視図である。
【符号の説明】
【0071】
11 金属製ケーシング
12 触媒担体
13 触媒コンバーター用保持材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
触媒担体と、触媒担体を収容する金属製ケーシングと、触媒担体に巻回されて触媒担体と金属製ケーシングとの間隙に介装される保持材とを備えた触媒コンバーターに用いられる保持材であって、
無機繊維製の基材と、基材の少なくともケーシング側表面に形成され、25℃でのヤング率が0.3MPa以下である粘弾性層とを備えることを特徴とする触媒コンバーター用保持材。
【請求項2】
請求項1に記載の触媒コンバーター用保持材において、前記粘弾性層は、(A)粘着付与剤を添加したゴム、(B)ガラス転移点が25℃以下の樹脂の少なくとも1つからなることを特徴とする触媒コンバーター用保持材。
【請求項3】
請求項1または2に記載の触媒コンバーター用保持材において、前記粘弾性層の表面に形成され、摩擦係数が0.1〜0.5である平滑層を更に備えることを特徴とする触媒コンバーター用保持材。
【請求項4】
請求項1〜3の何れか1項に記載の触媒コンバーター用保持材において、前記粘弾性層に含まれる有機分が2.5g/m以下であることを特徴とする触媒コンバーター用保持材。
【請求項5】
請求項3または4に記載の触媒コンバーター用保持材において、前記平滑層に含まれる有機分が2.5g/m以下であることを特徴とする触媒コンバーター用保持材。
【請求項6】
請求項3〜5の何れか1項に記載の触媒コンバーター用保持材において、前記平滑層が厚さ5μm以下の合成樹脂製フィルムであることを特徴とする触媒コンバーター用保持材。
【請求項7】
請求項1〜6の何れか1項に記載の触媒コンバーター用保持材において、全有機分が1.5質量%以下であることを特徴とする触媒コンバーター用保持材。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate


【公開番号】特開2009−41499(P2009−41499A)
【公開日】平成21年2月26日(2009.2.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−209011(P2007−209011)
【出願日】平成19年8月10日(2007.8.10)
【出願人】(000110804)ニチアス株式会社 (432)
【Fターム(参考)】