説明

触知可能な器具

【課題】アプリケータ付き包装器具の容器が閉まっていることがはっきりとわかるようにする。
【解決手段】本発明は、アプリケータ付き包装器具であって、第1の部品(2;64)と、回転軸線(X)回りに第1の部品に対して回転するのに適した第2の部品(10;40;62)とを有し、これら部品のうちの一方は、この部品の管状スカートの厚みの中に作られた弾性変形可能なタブ(16;46)を含み、他方の部品は、凸部(8;45;66)を含み、タブと凸部は、第2の部品を第1の部品に対して回すと、タブが曲がることによって凸部を通り越し、曲げの一成分は、回転軸線に平行であり、凸部の通り越しに伴って、ユーザに感じられるのに適した感触が生じることを特徴とする器具を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アプリケータ付き包装器具、特に化粧品に用いられる器具に関する。
【0002】
例えば、これら器具は、メーキャップ又はケア製品組成物を収容した器具である場合がある。
【背景技術】
【0003】
ネックのベースのところで容器に設けられた凸部及びクロージャキャップに設けられた歯を備えたマスカラ用アプリケータ付き包装器具を製作することが知られており、歯は、容器が閉められたことを確認する際に消費者によって感じられる感触を生じさせる(触知可能にする)ために弾性的に変形することによって凸部を通り越すことができる。
【0004】
プラスチック材料は、容器を多数回にわたって連続的に開いた後に、すり減ったり変形したりして感触の強さが減少する傾向があり又はそれどころか感じることができないようになるということが分かっている。
【0005】
歯の摩耗を補償するよう歯のサイズを大きくするという解決策は、完全に満足のいくものではない。というのは、このことは、容器を開閉するために及ぼされなければならない力を増大させ、しかも、消費者にとって否定的に感じられる場合があるからである。
【0006】
したがって、ねじ締結された容器を開閉する際にハードポイント(硬い箇所)を作り、より一般的にいえば、1つの部品が別の部品に対して回ることができる任意の包装器具、小出し器具又は塗布器具において感触を生じさせることができる更に別の器具を改良する必要性がある。
【0007】
触知効果を持つ器具は、米国特許第5992656号明細書、欧州特許第0732271号明細書及び仏国特許第2646066号明細書に開示されている。仏国特許第2697506号明細書は、容器にねじ締結されたキャップのクロージャをロックするロック器具を記載している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】米国特許第5992656号明細書
【特許文献2】欧州特許第0732271号明細書
【特許文献3】仏国特許第2646066号明細書
【特許文献4】仏国特許第2697506号明細書
【発明の概要】
【0009】
本発明は、その観点のうちの1つにおいて、アプリケータ付き包装器具であって、
・第1の部品と、
・回転軸線回りに第1の部品に対して回転するのに適した第2の部品とを有し、
部品のうちの一方は、該部品の管状スカートの厚みの中に作られた弾性変形可能なタブを含み、他方の部品は、凸部を含み、タブと凸部は、第2の部品を第1の部品に対して回すと、タブが曲がることによって凸部を通り越し、曲げの一成分は、回転軸線に平行であり、凸部の通り越しに伴って、ユーザに感じられるのに適した感触が生じることを特徴とする器具を提供する。
【0010】
或る方向における「曲げの成分」という表現は、柔軟性タブの少なくとも一部分がその方向に動くことを意味するものと理解されるべきである。
【0011】
本発明の柔軟性タブは、いたずら防止タブとは異なっており、この柔軟性タブは、器具が最初に用いられる場合を含め損傷を生じさせないで可逆的に曲がることができる。
【0012】
本発明において柔軟性タブを用いることにより、先行技術の場合のように歯のすり減り又はプラスチック材料の変形の問題が回避され、満足のいく感触が得られ、しかも一方の部品を他方の部品に対して回すのが困難になることがないということにより長きにわたって恩恵を受けることができる。
【0013】
一例を挙げると、器具の寿命全体にわたり実質的に一定の閉鎖トルクを得ることが可能である。
【0014】
柔軟性のタブは、自由端部を備えるのが良く、又は変形例として、柔軟性タブの両端部を柔軟性タブを支持している部品に連結しても良く、この場合、柔軟性タブは、例えば、タブが曲がっている際に動く中間部分を有するのが良く、この動きは、回転軸線に平行な成分を含む。かかる動きは、回転軸線に平行にしか起こらないのが良い。
【0015】
タブの長さは、例えば0.3mm以上であるのが良い。
【0016】
柔軟性タブを備えた部品は、凸部に当接することができる回転ストローク終了当接部、即ち回転ストロークの終わりに働く当接部を更に有するのが良い。凸部は、凸部が当接部と接触状態にある間、柔軟性タブが当接する傾斜面を備えるのが良い。これは、第2の部品の回転ストロークの終わりに第2の部品を所定の位置に保持するのに寄与することができる。
【0017】
第1の部品は、容器の一部であっても良く、第2の部品は、容器のクロージャ部材の一部であっても良く、又は、それどころか容器のクロージャ部材によって構成されても良く、第2の部品は、柔軟性タブを支持している部品であっても良い。
【0018】
例えば、第2の部品は、第1の部品とねじ締結関係をなすよう構成されるのが良い。かくして、第2の部品は、容器のねじ山付きネックにねじ締結されるよう構成されたねじ山付きスカートを有するのが良い。一例を挙げると、タブは、クロージャキャップの例えば雌ねじ付きの取り付けスカートに形成され、凸部は、取り付けスカートがねじ締結される容器のネックのベースのところに形成されるのが良い。
【0019】
第2の部品は、エーロゾルフラスコのポンプ又は弁に作用するようユーザによって作動される押しボタンを構成しても良く又はその一部をなしても良く、例えば、押しボタンは回転運動できることに加えて、第1の部品に対して軸方向に動くことができる。
【0020】
一例を挙げると、押しボタンは、組成物を小出しするよう押しボタンを作動することができる第1の位置と、かかる小出しを阻止する第2の位置との間で動くことができる。凸部は、押しボタンが第1の位置に位置していない間、押しボタンが作動されるのを阻止することができる。押しボタンは、凸部を受け入れ、押しボタンが第1の位置にある間、押しボタンを作動させることができる切欠きを有するのが良い。第2の部品は、上述の切欠きに隣接して位置する回転ストロークの終わりに働く当接部を有するのが良い。
【0021】
押しボタンは、本発明に従って形成された2つの柔軟性タブを有するのが良く、これらタブは、作動を可能にする位置に達すると第1の感触を生じさせ、小出しを阻止する位置に達すると第2の感触を生じさせるよう2つの対応した凸部と関連している。
【0022】
また、第2の部品は、組成物を小出しすることができる通路が開かれている小出し位置と、この通路が第2の部品によって閉じられている閉鎖位置との間で第1の部品に対して動くことができる。
【0023】
一例を挙げると、第2の部品は、第2の部品が小出し位置にあるとき、組成物を第1の部品から供給する供給チャネルに向くようになる穴を有するのが良い。第2の部品は、小出し位置及び閉鎖位置とそれぞれ関連した2つの柔軟性タブを有するのが良い。かくして、柔軟性タブのうちの一方が閉鎖位置に達すると感触を生じさせ、他方の柔軟性タブは、小出し位置に達すると感触を生じさせる。
【0024】
どの実施形態であれ、部品に設けられた1つの又は各柔軟性タブは、休止状態にあるとき、他方の部品に向かって傾いている。
【0025】
かかる柔軟性タブは、対応の部品、例えば第2の部品の管状スカートの厚みの中に形成されるのが良く、この厚さは、0.4ミリメートル(mm)〜2mmである。換言すると、柔軟性タブは、円筒形であり且つ同軸の2つの互いに反対側に位置するフェースを有するのが良い。管状スカートは、これを回すことができるようにする掴み面を備えるのが良い。
【0026】
管状スカートは、アプリケータ部材、例えばマスカラブラシを支持したステムを直接的に又は間接的に支持するのが良い。幾つかの実施形態では、このステムは、上述の管状スカートと一体に成形されるのが良い。
【0027】
管状スカートは、外側キャップ内に挿入されるのが良く、この外側キャップは、ユーザがこれを操作することができるようにする掴み面を備える。
【0028】
管状スカートは、直径方向反対側に位置する2つの柔軟性タブを備えるのが良い。2つのタブは、回転軸線に関して互いに対称であるのが良い。
【0029】
凸部を通り越している間の柔軟性タブの隙間は、0.1mm以上であるのが良く、例えば、具体的に言えば0.1mm〜2mmであるのが良い。
【0030】
柔軟性タブは、その自由端部にビードを備え又は備えていない状態で製作可能である。
【0031】
凸部の高さは、0.1mm〜1mmであるのが良い。
【0032】
柔軟性タブは、同一材料で上述の管状スカートと一体に成形されても良い。
【0033】
凸部は、上述の容器のネックと一体に成形されても良い。
【0034】
本発明は、その非限定的な実施形態に関する以下の説明を読むと共に添付の図面を参照すると一層良く理解できよう。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【図1】本発明の第1の実施形態を構成する器具の立面図である。
【図2】図1の器具の斜視図である。
【図3】図1及び図2の器具の容器を単独で示す立面図である。
【図4】図3の容器を単独で示す斜視図である。
【図5】図1及び図2の器具のアプリケータを単独で示す概略部分立面図である。
【図6】図5に類似した図であり、アプリケータの変形実施形態を示す図である。
【図7】図5に類似した図であり、アプリケータの変形実施形態を示す図である。
【図8】図1及び図2の器具のアプリケータを単独で示す概略部分斜視図である。
【図9】本発明の器具の変形実施形態を示す斜視図である。
【図10】押しボタンを作動させた後の図9の器具を示す図である。
【図11】図9に対応した立面図である。
【図12】図10に対応した立面図である。
【図13】本発明の別の実施形態を構成する器具の概略斜視図である。
【図14】図13の器具の縦断面図である。
【図15】図14のXV−XV線矢視断面図である。
【図16】図13の器具をその閉鎖位置で示す図である。
【図17】器具をその閉鎖位置で示す図14に類似した縦断面図である。
【図18】図17のXVIII−XVIII線矢視断面図である。
【図19】柔軟性タブの変形実施形態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0036】
図1に示されているディスペンサ付き又はアプリケータ付き包装器具1は、容器2及び容器2に取り外し可能に締結可能なアプリケータ3を有している。
【0037】
図3及び図4に示されているように、容器は、本体5及び例えば雄ねじ付きネック6を備えるのが良い。容器2は、ネック6のベースのところに肩7を有するのが良く、この肩から凸部8が突き出るのが良い。
【0038】
検討中の実施形態では、容器2は、長手方向軸線Xに沿って細長い形状を備え、この容器は、考えられる技術のうちでとりわけ射出成形又は吹込み成形により形成されるのが良い。かくして、凸部8は、ネック6と一体に成形されると共に同一材料で作られるのが良い。
【0039】
特に図5及び図8に示されているように、アプリケータ3は、クロージャキャップ10及びアプリケータ部材12を支持したステム11を有するのが良く、アプリケータ部材は、例えば、マスカラブラシであるが、任意形式のものであって良く、例えばフロック加工エンドピース(端片)、ネイルバーニッシュ(マニキュア液)ブラシ又は毛管作用により組成物を保持するエンドピースであっても良い。
【0040】
ステム11は、熱可塑性材料でクロージャキャップ10と一体に成形されても良く、或いは、内側キャップと一緒に成形され、この内側キャップを次にアプリケータ3を回すことができるようにする掴み面を備えた外側キャップ内に挿入することによって作られても良い。
【0041】
図示のように、キャップ10は、管状スカート14を有するのが良く、この管状スカートは、アプリケータ3が容器にねじ締結されると、ネック6を少なくとも部分的に覆うよう構成されている。
【0042】
スカート14は、雌ねじを備えていても良く、或いは、かかる雌ねじを備えた内側キャップを支持しても良い。
【0043】
図18で理解できるように、スカート14は、直径方向反対側に位置する2つの柔軟性タブ16及びこれ又直径方向反対側に位置する2つの歯17を備えるのが良く、各歯は、アプリケータ3の長手方向軸線Yに平行な真っ直ぐなフランク18を備えている。変形例では、スカート14は、たった1つの柔軟性タブ16及びたった1つの歯17を備える。
【0044】
一例を挙げると、スカート14は、これが容器に対して角度的に位置決めされる必要がない場合、2つの柔軟性タブ16及び2つの歯17を備える。
【0045】
或る特定の実施形態では、凸部8の個数は、歯17及び柔軟性タブ16の個数に等しい。
【0046】
軸線X,Yは、アプリケータ3が容器に締結されると、互いに一致する。各タブ16及び各歯17は、クロージャキャップ3の縁20に対して下方に突き出ており、この縁は、タブと歯との間に延びており、例えば、軸線Yに垂直な平面で見て円形である。
【0047】
図5及び図8の実施形態では、各タブ16は、アプリケータ部材12が底部に位置した状態でアプリケータ部材を垂直に保持した状態でこれを観察したときに僅かな下向きの勾配をもって斜めに延びている。
【0048】
一例を挙げると、各タブ16は、縁20に対して距離dだけ下方に突き出ており、この距離dは、0.1mm以上であり、例えば0.1mm〜2mmである。
【0049】
歯17は、距離hだけ突き出るのが良く、この距離hは、距離dよりも大きく、距離hは、例えば0.5mm以上であり、例えば0.5mm〜3mmである。
【0050】
タブ16の上方に存在するスロット25の幅wは、例えば0.4mm以上であり、例えば0.4mm〜2mmである。
【0051】
一例を挙げると、タブ16の自由縁部24は、アプリケータ部材12が底部に位置した状態でアプリケータ部材を垂直に保持した状態でこれを観察したときに上方に且つ歯17に向かって傾斜している。
【0052】
タブ16は、スカート14の厚みの中に作られ、即ち、タブ16の半径方向寸法は、タブ16の外側に位置するスカート14の半径方向寸法と同一であるのが良い。
【0053】
スロット25の幅wは、アプリケータ3が閉じられている間又は開かれている間、タブ16が弾性的に上方に持ち上がって凸部8を通り越すことができるようにするのに十分である。
【0054】
凸部8は、一方の側に傾斜フランク30を備えると共に反対側に垂直フランク31を備え、この垂直フランクは、アプリケータ3が図1及び図2に示されているように完全に閉じられると、歯17の垂直フランク18に当接するようになっている。
【0055】
かくして、タブ16の自由縁部24は、図1及び図2で理解できるように、傾斜フランク30に当接するのが良い。変形例では、タブ16は、完全閉鎖時に凸部8と接触したままではない。
【0056】
開放中、傾斜フランク30の勾配により、タブ16は、持ち上がり易くなる。
【0057】
閉鎖中、フランク18がフランク31に当接する直前に、凸部8に対するタブ16の通り越しにより、ユーザにより感じられる感触が生じる。
【0058】
図6は、スロット25が短く、例えば、1mm以下であり、例えば0.3mm〜1mmである長さzを有する変形実施形態を示している。
【0059】
比較すると、図5の実施形態では、長さzは、例えば1mmを超え、例えば2mmである。
【0060】
図7は、自由端部を備えておらず、例えば、スカート14に連結される2つの端部34を備えたタブ16を製作する手段を示している。
【0061】
一例を挙げると、タブ16は、下方に弧状の形状を備え、タブ16の上方に存在するキャビティ25により、このタブは、アプリケータを閉じているとき、上方に弾性変形して凸部8を通り越すことができる。
【0062】
本発明は、容器にねじ締結されるのに適したアプリケータには限定されず、一例として、図9〜図12は、本発明が押しボタンに適用された変形実施形態を示している。
【0063】
これらの図は、容器2に対して覆うことができる押しボタン40、例えばポンプフラスコ又はエーロゾルフラスコを有するディスペンサ又はアプリケータ付き包装器具1を示している。押しボタン40は、管状スカート42を備えるのが良く、この管状スカートは、例えばポンプ又は弁のステムと連絡できるディスペンサエンドピース43を支持している。
【0064】
押しボタン40は、軸線X回りに小出し位置と小出しを阻止するロック位置との間で回ることができる。
【0065】
スカート42は、切欠き44を有し、容器2は、凸部45を備え、この凸部45は、図10に示されているように押しボタン40が軸線Xに沿って動かされることにより押し下げられると、切欠き44に嵌り込んでポンプ又は弁を作動させることができ、それにより、組成物が小出しされる。
【0066】
押しボタン40は、当接部17としての役目を果たす歯並びに少なくともスロット25と関連した第1の柔軟性タブ16及びスロット47と関連した第2の柔軟性タブ46を更に備えている。タブ及びスロットの寸法は、図1の実施形態の寸法と同一であるのが良い。
【0067】
柔軟性タブ16,46は、図9〜図12に示されているように押しボタン40が頂部に位置した状態で器具を観察したときに斜め下方に延び、これらは又、当接部17の各側で互いに向かって円周方向に延びている。
【0068】
凸部45は、傾斜フランク48を備え、タブ16の端部はこの傾斜フランクに当接することができ、或いは、押しボタンが図9及び図11で理解できるように小出しを可能にするそのロック解除位置にあるとき、タブ16の端部は傾斜フランク48の近くに来ることができ、当接部17は、凸部45のフランク49に当接する。
【0069】
押しボタン40を図11に示されている小出し位置から始まってそのロック位置に至らせるため、ユーザは、押しボタンを軸線X回りに回し、それにより柔軟性タブ16が凸部45を通り越すことができ、それによりユーザに知覚できる感触を生じさせる。回転運動の続行中、凸部45は、タブ46が押しボタンの歯の反対側の垂直フランク50を通り越した後、かかる垂直フランク50に当接することができ、これに伴い、ユーザに知覚可能な感触が得られる。
【0070】
ロック位置では、スカート42の縁部は、凸部45に当接することにより、押しボタンが組成物を小出しするのに十分な軸線Xに沿うストロークにわたって押し下げられるのを阻止する。かくして、図9〜図12の実施形態では、凸部45は、2つの機能、即ち、第1に押しボタンを制止する機能と第2に感触を生じさせる機能を実行することができる。
【0071】
図13〜図18の変形実施形態では、器具1は、ディスペンサヘッド60と一緒に容器2を有し、このディスペンサヘッドは、容器2に対して回転軸線X回りに回転するのに適している。
【0072】
ディスペンサヘッド60は、ディスペンサオリフィス61を有し、このディスペンサオリフィスは、一例として、ディスペンサヘッドの管状スカート62に設けられた穴によって形成されている。
【0073】
ディスペンサヘッド60は、組成物を供給する供給チャネル65を備えた内側部分64を有するのが良く、スカート62は、オリフィス61がチャネル65と位置合わせ状態になり、それにより組成物を小出しすることができる図14及び図15に示されている小出し位置及びオリフィス61が図17及び図18に示されているようにチャネル65からオフセットし、それにより組成物が小出しされるのを阻止する閉鎖位置を占めることができる。
【0074】
スカート62は、タブ16,46を備えるのが良く、これらタブにより、感触を生じさせることができると共にスカート62を小出し位置及び閉鎖位置でそれぞれ保持することができる。この実施形態では、タブ16,46は、スカート62の厚みの中で、スカート62の共通部分69から互いに遠ざかって斜め下方に延びる状態で作られている。
【0075】
スカート62は、2つの当接部64,65を備え、これら当接部64,65は、それぞれ閉鎖位置及び小出し位置において容器の凸部66に当接することができる。タブ16,46は、当接部64,65相互間に配置されている。
【0076】
図14及び図15に示されている小出し位置では、凸部66は、タブ16と当接部65との間に位置決めされるようになっている。図16〜図18に示された閉鎖位置では、凸部66は、当接部64とタブ46との間に収容されるようになっている。凸部66に対するタブ16,46のうちの一方又は他方の通り越しにより感触を生じさせることができる。
【0077】
当然のことながら、本発明は、上述の実施形態には限定されない。タブ16又はタブ46は、他の何らかの形状を備えて良く、特に、図19に示されているように、その自由端部のところが下方に突き出た丸形ビード70を備えても良い。図19で理解できるように、スロット25は、斜めに延びる必要はなく、柔軟性タブ16を備えた部品の回転軸線に垂直な平面に実質的に平行に延びても良い。
【0078】
英文明細書及び英文特許請求の範囲において、“comprising a”(「〜を有する」と訳してある場合が多い)という表現は、別段の指定がなければ、“comprising at least one”(「〜を少なくとも1つ有する」)と同義であると理解されるべきである。
【符号の説明】
【0079】
1 アプリケータ又はディスペンサ付き包装器具
2,64 容器又は第1の部品
3 アプリケータ
5 本体
6 ネック
7 肩
8,45,66 凸部
10,40,62 クロージャキャップ又は第2の部品
11 ステム
14 スカート
16,46 タブ
17 当接部
30 傾斜面
40 押しボタン
60 ディスペンサヘッド
62 管状スカート

【特許請求の範囲】
【請求項1】
アプリケータ付き包装器具であって、
・第1の部品(2;64)と、
・回転軸線(X)回りに第1の部品に対して回転するのに適した第2の部品(10;40;62)とを有し、
前記部品のうちの一方は、該部品の管状スカートの厚みの中に作られた弾性変形可能なタブ(16;46)を含み、他方の前記部品は、凸部(8;45;66)を含み、前記タブと前記凸部は、前記第2の部品を前記第1の部品に対して回すと、前記タブが曲がることによって前記凸部を通り越し、前記曲げの一成分は、前記回転軸線に平行であり、前記凸部の前記通り越しに伴って、ユーザに感じられるのに適した感触が生じる、器具。
【請求項2】
柔軟性の前記タブ(16;46)は、自由端部を備えている、請求項1記載の器具。
【請求項3】
前記柔軟性タブを備えた前記部品は、前記凸部に当接することができる回転ストローク終了当接部(17;64;65)を有する、請求項1又は2記載の器具。
【請求項4】
前記凸部(8)は、前記凸部が前記当接部と接触状態にある間、前記柔軟性タブが当接する傾斜面(30)を備えている、請求項3記載の器具。
【請求項5】
前記第1の部品は、容器(2)の一部であり、前記第2の部品は、前記容器のクロージャ部材の一部である、請求項1〜4のうちいずれか一に記載の器具。
【請求項6】
前記第2の部品(69)は、前記第2の部品が小出し位置にあるとき、組成物を前記第1の部品から供給する供給チャネル(65)に向くようになる穴(61)を有する、請求項1〜5のうちいずれか一に記載の器具。
【請求項7】
前記第2の部品は、それぞれ閉鎖位置及び小出し位置と関連した2つの柔軟性タブを有する、請求項6記載の器具。
【請求項8】
前記凸部を通り越している間の前記柔軟性タブの隙間は、0.1mm以上である、請求項1〜7のうちいずれか一に記載の器具。
【請求項9】
アプリケータ付き包装器具であって、
・第1の部品(2;64)と、
・回転軸線(X)回りに第1の部品に対して回転するのに適した第2の部品(10;40;62)とを有し、
前記部品のうちの一方は、弾性変形可能なタブ(16;46)を含み、他方の前記部品は、凸部(8;45;66)を含み、前記タブと前記凸部は、前記第2の部品を前記第1の部品に対して回すと、前記タブが曲がることによって前記凸部を通り越し、前記曲げの一成分は、前記回転軸線に平行であり、前記凸部の前記通り越しに伴って、ユーザに感じられるのに適した感触が生じ、前記タブは、前記回転軸線と平行にしか動かない、器具。
【請求項10】
アプリケータ付き包装器具であって、
・第1の部品(2;64)と、
・回転軸線(X)回りに第1の部品に対して回転するのに適した第2の部品(10;40;62)とを有し、
前記部品のうちの一方は、弾性変形可能なタブ(16;46)を含み、他方の前記部品は、凸部(8;45;66)を含み、前記タブと前記凸部は、前記第2の部品を前記第1の部品に対して回すと、前記タブが曲がることによって前記凸部を通り越し、前記曲げの一成分は、前記回転軸線に平行であり、前記凸部の前記通り越しに伴って、ユーザに感じられるのに適した感触が生じ、前記第2の部品は、エーロゾルフラスコのポンプ又は弁に作用するようユーザによって作動される押しボタン(40)の一部であり、前記押しボタンは、前記組成物を小出しするよう前記押しボタンを作動することができる第1の位置と、前記小出しを阻止する第2の位置との間で動くことができる、器具。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【公開番号】特開2010−269850(P2010−269850A)
【公開日】平成22年12月2日(2010.12.2)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2010−130471(P2010−130471)
【出願日】平成22年5月20日(2010.5.20)
【出願人】(391023932)ロレアル (950)
【Fターム(参考)】