説明

触覚フィードバックデバイス及び電子装置

【課題】本発明の目的は動作モードにより予め設定された共振周波数または共振周波数と周波数が異なる駆動周波数で振動を発生させる触覚フィードバックデバイス及び電子装置を提供することである。
【解決手段】接触圧力が加わる触覚デバイスと、上記触覚デバイスに提供され上記触覚デバイスの接触圧力の変化により加振され振動を発生するアクチュエータと、予め設定された第1動作モードにより上記アクチュエータが予め設定された共振周波数で振動するように制御し、上記第1動作モードと動作が異なるように設定された第2動作モードにより上記アクチュエータが上記共振周波数と周波数が異なるように設定された駆動周波数で振動するように制御する制御部を含む触覚フィードバックデバイス及び電子装置を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は触覚フィードバックデバイス及び電子装置に関するもので、より詳細には動作モードにより予め設定された共振周波数、または共振周波数と周波数が異なる駆動周波数で振動を発生させる触覚フィードバックデバイス及び電子装置に関する。
【背景技術】
【0002】
最近、電子装置を簡単に使用しようとする使用者の要求により電子製品をタッチして入力するタッチ方式のデバイスの使用が普遍化されつつある。
【0003】
現在において、触覚フィードバックデバイスとは、タッチして入力する概念の他にもインターフェースに使用者の直観的な経験を反映し、タッチに対するフィードバックをより多様化する概念が含まれる。
【0004】
このとき、触覚フィードバックデバイスは、空間の節約が可能でありながら操作性の向上と簡便性を求めることができ、仕様の変更が容易で、利用者の認識が高いという点の他にもIT機器との連動が容易であるという多くの長所がある。
【0005】
このような長所によりコンピューター、交通、サービス、医療、モバイルなどで使用される電子装置に幅広く利用されている。
【0006】
一般的に、従来の電子装置は、触覚機能を具現するために振動モーターを使用した。上記振動モーターは電子装置全体を振動させるように考案され、振動力を増加させるために質量体のサイズを増加させなければならないという問題点があった。
【0007】
このような振動モーターは、原価上昇及び電子装置の制限的な内部空間に配置しなければならないという問題とともに、電子装置全体を振動させる電力消費において効率的でないという問題があった。
【0008】
また、最近、ユーザーインターフェース(User Interface)が発展し、電子装置の機能が多様かつ複雑になるほど、電子装置全体が振動する振動モーターは多様な機能による多様なフィードバックを具現することが困難であるという問題があった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
上述した問題点を解決するため、本発明の目的は動作モードにより予め設定された共振周波数、または共振周波数と周波数が異なる駆動周波数で振動を発生させる触覚フィードバックデバイス及び電子装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上述した目的を達成するため、本発明の一つの技術的な側面は、接触圧力が加わる触覚デバイスと、上記触覚デバイスに提供され上記触覚デバイスの接触圧力の変化により加振され振動を発生するアクチュエータと、予め設定された第1動作モードにより上記アクチュエータが予め設定された共振周波数で振動するように制御し、上記第1動作モードと動作が異なるように設定された第2動作モードにより上記アクチュエータが上記共振周波数と周波数が異なるように設定された駆動周波数で振動するように制御する制御部を含む触覚フィードバックデバイスを提供することである。
【0011】
本発明の一つの技術的な側面によれば、上記駆動周波数は上記共振周波数未満ないし50Hz以上であるか、または上記共振周波数超過ないし500Hz以下であることができる。
【0012】
本発明の一つの技術的な側面によれば、上記アクチュエータは、上記触覚デバイスの中央部に配置されることができる。
【0013】
本発明の一つの技術的な側面によれば、上記アクチュエータは、上記触覚デバイスの長さ方向のエッジ部の中央部に配置されることができる。
【0014】
本発明の一つの技術的な側面によれば、上記中央部は、上記アクチュエータが上記触覚デバイスの一端部から他端部の方向に上記触覚デバイスの全体の長さの20%から80%範囲内であることができる。
【0015】
本発明の一つの技術的な側面によれば、上記アクチュエータは、ピエゾアクチュエータまたはポリマーアクチュエータであることができる。
【0016】
本発明の一つの技術的な側面によれば、上記触覚デバイス及びアクチュエータの間に介在され、上記アクチュエータから発生した振動を上記触覚デバイスに伝達する振動プレートをさらに含むことができる。
【0017】
本発明の一つの技術的な側面によれば、上記振動プレートは、上記触覚デバイスの長さ方向のエッジ部で多数の枝分かれラインが形成され、上記枝分かれライン同士はスリットで区画されることができる。
【0018】
本発明の一つの技術的な側面によれば、上記アクチュエータは、上記枝分かれラインに接着され、上記枝分かれラインで平行に配置されることができる。
【0019】
上述の目的を達成するため、本発明の他の一つの技術的な側面は内部空間が形成されるケースと、上記ケース内に収容され配置されるディスプレイパネルと、上記ディスプレイパネルの接触圧力の変化により加振され振動を発生するアクチュエータと、予め設定された第1動作モードにより上記アクチュエータが予め設定された共振周波数で振動するように制御し、上記第1動作モードと動作が異なるように設定された第2動作モードにより上記アクチュエータが上記共振周波数と周波数が異なるように設定された駆動周波数で振動するように制御する制御部を含むことを特徴とする電子装置を提供することである。
【0020】
本発明の他の一つの技術的な側面によれば、上記駆動周波数は上記共振周波数未満ないし50Hz以上であるか、または上記共振周波数超過ないし500Hz以下であることができる。
【0021】
本発明の他の一つの技術的な側面によれば、上記アクチュエータは上記ディスプレイパネルの長さ方向のエッジ部に配置されることができる。
【0022】
本発明の他の一つの技術的な側面によれば、上記中央部は上記アクチュエータが上記ディスプレイパネルの一端部から他端部の方向に上記ディスプレイパネルの全長の20%から80%範囲内であることができる。
【0023】
本発明の他の一つの技術的な側面によれば、上記触覚デバイス及びアクチュエータの間に介在され、上記アクチュエータから発生した振動を上記触覚デバイスに伝達する振動プレートをさらに含むことができる。
【0024】
本発明の他の一つの技術的な側面によれば、上記振動プレートは上記ディスプレイパネルの長さ方向のエッジ部で多数の枝分かれラインが形成され、上記枝分かれライン同士はスリットで区画されることができる。
【0025】
本発明の他の一つの技術的な側面によれば、上記アクチュエータは上記枝分かれラインに接着され、上記枝分かれラインを介して並列かつ平行に配置されることができる。
【0026】
本発明の他の一つの技術的な側面によれば、上記アクチュエータはピエゾアクチュエータまたはポリマーアクチュエータであることができる。
【0027】
本発明の他の一つの技術的な側面によれば、上記ピエゾアクチュエータは電極が介在されるセラミックス積層体であり、上記セラミックス積層体の分極は同一方向に形成されることができる。
【0028】
本発明の他の一つの技術的な側面によれば、上記アクチュエータは上記ディスプレイパネルの中央部に配置されることができる。
【発明の効果】
【0029】
本発明による触覚フィードバックアクチュエータ及びこれを含む触覚フィードバックデバイス及び電子装置によれば、振動モーターを使用することに比べて電子装置のサイズを減らすことができ、電子装置の内部空間の活用度を高めるという効果がある。
【0030】
また、電子装置に求められる振動範囲により周波数を異ならせ、多様なアプリケーションに適用できるという効果があり、アクチュエータの配置位置や長さを多様に選択することができるため、多様なアプリケーションに適用できるという効果がある。
【0031】
また、電子装置全体を振動させないため、電力消費の面でも非常に効率的である。
【0032】
また、最近ユーザーインターフェースの発展により多様なフィードバックが具現できるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】本発明の一実施形態による電子装置である移動通信端末機の分解斜視図である。
【図2】本発明の一実施形態による移動通信端末機のケースに触覚フィードバックデバイスが装着された様子を概略的に図示した斜視図である。
【図3】本発明の一実施形態による触覚フィードバックデバイスの概略斜視図である。
【図4】本発明の一実施形態による触覚フィードバックデバイスの周波数と応答速度間の関係を示したグラフである。
【図5】(a)及び(b)は、本発明の触覚フィードバックアクチュエータのアクチュエータと振動プレートの長さを変えた実施形態の側面図である。
【図6】図5の(b)の一部分を拡大して図示した拡大断面図であって、触覚フィードバックアクチュエータの作動様子を図示した概略図である。
【図7】図5の(a)及び図5の(b)の触覚フィードバックアクチュエータの振動周波数による変位量のグラフである。
【図8】(a)及び(b)は、本発明の触覚フィードバックアクチュエータのアクチュエータの配置位置を変えた実施形態の概略斜視図である。
【図9】本発明のアクチュエータの配置位置を説明するための側面図である。
【図10】図8の(a)及び図8の(b)の触覚フィードバックアクチュエータの振動周波数による変位量のグラフである。
【図11】本発明の一実施形態による触覚フィードバックデバイスのボンディングの様子を図示した概略断面図である。
【図12】本発明の一実施形態による触覚フィードバックデバイスのボンディング材の種類により測定された触覚フィードバックアクチュエータの振動周波数による変位量のグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0034】
以下、図面を参照して本発明を詳しく説明する。
【0035】
本発明による触覚フィードバックアクチュエータ、これを含む触覚フィードバックデバイス及び電子装置に関し、図1から図12を参照してさらに具体的に説明する。
【0036】
[電子装置]
図1は本発明の一実施形態による電子装置である移動通信端末機の分解斜視図であり、図2は本発明の一実施形態による移動通信端末機のケースに触覚フィードバックデバイスが装着された様子を概略的に図示した斜視図であり、図3は本発明の一実施形態による触覚フィードバックデバイスの概略斜視図である。
【0037】
本発明の電子装置は移動通信端末機10を例に挙げて説明するが、これに制限されず、各種OA機器、医療機器、モバイル通信機器、交通カード券売機などの使用者の接触により振動の変化が発生する触覚機器全般に応用されることができる。
【0038】
以下では電子装置として移動通信端末機10を基準に詳しく説明する。
【0039】
図1から図3を参照すると、本発明の一実施形態による電子装置の移動通信端末機10はケース12、14、ディスプレイパネル22、アクチュエータ60及び振動プレート40を含むことができる。
【0040】
上記ケース12、14は、全面ケース12と後面ケース14から成ることができ、上記全面ケース12と後面ケース14が結合されて内部空間が形成される。上記ケース12、14の内部空間には、その周りに沿ってラバーリング(rubber ring)80が備えられることができる。
【0041】
上記内部空間には、触覚デバイス20として機能するディスプレイパネル22及び触覚フィードバックアクチュエータ50を駆動できる制御部91を具備する回路基板90が実装されることができる。
【0042】
ここで、触覚デバイス20は、振動を必要とする器具物であって、外部の接触圧力により反応が必要な電子装置である移動通信端末機10の内部構成物である。
【0043】
上記触覚デバイス20は移動通信端末機10のディスプレイパネル22のみではなく、実施形態に従い接触により振動が必要な入力装置、OA機器、自動販売機、ベッド、カード、運転装置、チケットなどであることもできる。
【0044】
本実施形態の電子装置である移動通信端末機10は、触覚デバイス20として映像を提供するディスプレイパネル22が利用される。すなわち、ディスプレイパネル22に接触が加わり接触圧力が変わると、ディスプレイパネル22そのものが接触に対して触覚反応する。
【0045】
上記ディスプレイパネル22が触覚反応するためにはアクチュエータ60が振動を発生しなければならず、このときの振動周波数は制御部91で提供する。上記アクチュエータ60の具体的な振動発生の原理に対しては後述する。
【0046】
上記振動プレート40は、上記アクチュエータ60から発生する振動をディスプレイパネル22に伝達することができる。上記アクチュエータ60が直接ディスプレイパネル22に付着されディスプレイパネル22を振動させることができるが、振動に対する衝撃緩和または振動の増幅のために必要に応じて選択して使用することができる。
【0047】
すなわち、上記振動プレート40は、衝撃緩和用材質を射出して得ることができるが、これに限定されない。また、アクチュエータ60との相互作用を考慮し厚さを変更することができる。但し、実験結果によると、振動プレート40の厚さが0.2mm以下で振動が急激に増加するため、振動の要求範囲により適切に選択することができる。
【0048】
以下では触覚フィードバックアクチュエータ及び触覚デバイスに対して詳しく説明する。以下に説明する触覚フィードバックアクチュエータ及び触覚デバイスの具体的な特徴は本願発明の電子装置に全て適用できる。
【0049】
[触覚フィードバックアクチュエータ及び触覚フィードバックデバイス]
一方、本発明の一実施形態による触覚フィードバックアクチュエータ50は振動プレート40とアクチュエータ60を含むことができる。また、触覚フィードバックデバイス30は接触圧力が加わる触覚デバイス20と上記触覚デバイス20を振動させる触覚フィードバックアクチュエータ50を含むことができる概念である。
【0050】
ここで、触覚フィードバックデバイス30における振動プレート40は選択事項であることができる。
【0051】
上記振動プレート40は、上記移動通信端末機10で詳しく説明し、上記触覚デバイス20の形状を成すエッジ部に沿って接着されて配置されることができる。
【0052】
すなわち、図3のように上記振動プレート40はディスプレイパネル22の長方形のエッジ部に沿って薄いストリップで形成されて配置されることができる。
【0053】
ここで、方向を定義すると、長方形のディスプレイパネル22の長辺を長さ方向と、短辺を幅方向と定義する。
【0054】
具体的に、上記振動プレート40は、上記触覚デバイス20であるディスプレイパネル22の長さ方向のエッジ部で多数の枝分かれライン42、44を有することができ、上記多数の枝分かれライン42、44の間にスリット43が形成されることができる。このとき、枝分かれライン42、44はほぼ同じ幅であることができ、上記枝分かれライン42、44とほぼ同じ幅を有するバー(bar)状のアクチュエータ60が接着されて配置されることができる。このとき、上記アクチュエータ60は上記枝分かれライン42、44上に並列かつ平行に配置されることができる。
【0055】
上記アクチュエータ60はピエゾアクチュエータまたはポリマーアクチュエータで構成され、上記触覚デバイス20の接触圧力の変化により加振されて振動を発生させる。制御部91は予め設定された動作モードによりアクチュエータ60を決まった周波数で振動させるが、第1動作モードによりアクチュエータ60を共振周波数で振動させることができ、上記第1動作モードと異なる動作を行う第2動作モードによりアクチュエータ60を上記共振周波数と異なる周波数を有する駆動周波数で振動させることができる。
【0056】
上記第1動作モードと第2動作モードは必要な反応速度により区分することができ、上記第1動作モードは例えば電話を受信した場合であることができ、上記第2動作モードは例えば文字入力またはゲームなどを駆動させる場合であることができる。
【0057】
すなわち、上記第1動作モードのように電話を受信した場合には、反応速度よりは振動が大きいことが好ましいため、振動力が最も大きい共振周波数でアクチュエータ60を振動させ、上記第2動作モードのように文字入力またはゲームなどを駆動させる場合には、振動力よりは反応速度が重要なので、共振周波数と周波数が異なる駆動周波数でアクチュエータ60を振動させることが好ましい。
【0058】
ここで、上記共振周波数はアクチュエータ60の物質固有の共振周波数を意味し、このような共振周波数は下記の表1のようにアクチュエータ60の厚さ、長さ、個数などにより左右される。
【0059】
【表1】

【0060】
このような共振周波数は、共振力は大きいが反応速度が遅く、共振周波数と周波数が異なる駆動周波数は、共振力は小さいが反応速度が速い。ここで、反応速度は使用者が接触圧力を印加した後、使用者が認知できる反応が行われる間の時間を意味することができる。
【0061】
図4は本発明の一実施形態による触覚フィードバックデバイスの周波数と応答速度間の関係を示したグラフである。
【0062】
図4に図示されたように、上記駆動周波数は上記共振周波数と周波数が異なるように設定されることができる。このとき、上記駆動周波数は、50Hz以上から共振周波数未満までの周波数のうち、または共振周波数超過ないし500Hz以下までの周波数のうちの一つに設定することができる。ここで、50Hzは使用者が振動と認知できる程度の周波数で、500Hzは振動とともに音が発生する周波数であるため、上述のように周波数の範囲を設定する技術的意味がある。
【0063】
一方、アクチュエータ60と振動プレート40の長さや上記アクチュエータ60の上記触覚デバイス20における配置位置は、触覚デバイス20の振動量を決める重要な因子の一つである。
【0064】
以下ではアクチュエータ60と振動プレート40の長さによる振動量の変化を詳しく説明する。
【0065】
図5の(a)及び図5の(b)は、本発明の触覚フィードバックアクチュエータのアクチュエータと振動プレートの長さを変えた実施形態の側面図であり、図6は図5の(b)の一部分を拡大して図示した拡大断面図であって、触覚フィードバックアクチュエータが作動する様子を図示した概略図であり、図7は図5の(a)及び図5の(b)の触覚フィードバックアクチュエータの振動周波数による変位量のグラフである。
【0066】
図5の(a)は振動プレート40とアクチュエータ60の長さを等しくした実施形態であり、図5の(b)は振動プレート40をアクチュエータ60より長く形成した実施形態である。
【0067】
ここで、アクチュエータ60はピエゾアクチュエータを利用して振動回数(周波数、Hz)による触覚デバイス20の変位量(μm)を測定した。
【0068】
上記ピエゾアクチュエータは、図6に図示されたように、銀(Ag)とその他不純物から成る電極63の両面にセラミック層62、64が形成されるセラミック積層体であり、セラミック層62、64の分極(polling)は同一方向に形成される。
【0069】
上記セラミック層62、64の分極が同一方向に形成されると、分極が相互反対方向に形成されるときより振動量が大きくなるため、振動の要求範囲により適切に選択することができる。
【0070】
上記セラミック層62、64の分極が同一方向で、上記ピエゾアクチュエータに圧力が加わると、上記アクチュエータ60は長さ方向に変位が発生し、上記振動プレート40は変位が発生しない。
【0071】
そのため、アクチュエータ60が長さ方向に変位が発生すると、触覚フィードバックアクチュエータが上下振動を起こす。
【0072】
この点を利用し、図5の(a)及び図5の(b)の実施形態に振動回数を増やしながら触覚デバイス20の上下変位量を測定した結果のグラフ(それぞれ(a)、(b)と表示)が図7である。
【0073】
図7を参照すると、図5の(a)の実施形態が図5の(b)の実施形態に比べて変位量が大きいことが分かる。
【0074】
従って、電子装置の振動の要求範囲により上記振動プレート40とアクチュエータ60の長さを適切に選択して採用することができる。
【0075】
以下ではアクチュエータ60の上記触覚デバイス20における配置位置による触覚デバイス20の振動量について詳しく説明する。
【0076】
図8の(a)及び図8の(b)は本発明の触覚フィードバックアクチュエータのアクチュエータの配置位置を変えた実施形態の概略斜視図であり、図9は本発明のアクチュエータの配置位置を説明するための側面図であり、図10は図8の(a)及び図8の(b)の触覚フィードバックアクチュエータの振動周波数による変位量のグラフである。
【0077】
図8の(a)は触覚デバイス20であるディスプレイパネル22にアクチュエータ60を長さ方向に一列に整列した実施形態であり、図8の(b)はディスプレイパネル22の中央部に集中して並列配置した実施形態である。
【0078】
ここで、中央部は、ディスプレイパネル22の全体を基準に幅方向の中央部であることができ、長さ方向の中央部Cであることができる。
【0079】
図9を参照すると、上記中央部Cは、上記アクチュエータ60が上記ディスプレイパネル22の一端部から他端部方向に、上記ディスプレイパネルの全長の20%から80%範囲で設定することができる。便宜上、その他の部分をエッジ部Eと設定した。
【0080】
一方、振動プレート40は電子装置の振動の要求範囲により選択的に採用することができる。
【0081】
このような実施形態に接触圧力を加えて振動回数を増加させながら、触覚デバイス20の上下変位量を測定した結果のグラフが図10である。
【0082】
図10を見ると、アクチュエータ60がディスプレイパネル22の中央部に配置された実施形態において、振動回数が増加するほど、変位が幾何級数的に増加することが分かる。
【0083】
従って、電子装置の振動の要求範囲により上記触覚デバイス20にアクチュエータ60の配置位置を適切に選択して採用することができる。
【0084】
以下では他の変位量の因子として触覚デバイス20と振動プレート40の接着剤、振動プレート40とアクチュエータ60の接着剤を変えた実施形態を詳しく説明する。
【0085】
図11は本発明の一実施形態による触覚フィードバックデバイスのボンディングの様子を図示した概略断面図であり、図12は本発明の一実施形態による触覚フィードバックデバイスのボンディング材の種類により測定された触覚フィードバックアクチュエータの振動周波数による変位量のグラフである。
【0086】
図11を参照すると、触覚デバイス20と振動プレート40の接着剤として嫌気性接着剤25を使用し、振動プレート40とアクチュエータ60の接着剤として熱硬化性接着剤45を使用した。
【0087】
上記嫌気性接着剤25は空気を遮断することができ、きれいである上、振動衝撃に強いという特性を有する。ここで、嫌気性接着剤25はUV接着剤であることができる。
【0088】
従って、触覚デバイス20上で変位がなく最大限振動を好適に伝達しなければならないため、ゴム材質の接着剤より振動を好適に伝達する嫌気性接着剤25を選択することができる。
【0089】
一方、振動プレート40とアクチュエータ60は振動伝達よりも接着力が大きいものを使用する変位剛性を維持することができる熱硬化性接着剤45を使用する必要がある。
【0090】
図12は嫌気性接着剤25と熱硬化性接着剤45による振動回数の変化における変位量を測定したグラフで、嫌気性接着剤25は振動回数の増加によって振動量の増加が著しく、熱硬化性接着剤45は振動回数の増加による振動量の増加は嫌気性接着剤25より低いが、硬く固定されるという効果がある。
【0091】
上述のように、本発明による触覚フィードバックアクチュエータ及びこれを含む触覚フィードバックデバイス及び電子装置によれば、振動モーターの使用より電子装置のサイズを減らすことができ、電子装置の内部空間の活用度を高めることができるという効果がある。
【0092】
また、電子装置に要求される振動範囲により周波数を異ならせて、多様なアプリケーションに適用できるという効果があり、アクチュエータの配置位置や長さを多様に選択することができるため、多様なアプリケーションに適用できるという効果がある。
【0093】
また、電子装置全体を振動させないため、電力消費の面で非常に効率的である。
【0094】
また、最近ユーザーインターフェースの発展により多様なフィードバックを具現することができるという効果がある。
【0095】
以上で説明した本発明は前述の実施形態及び添付の図面により限定されるものではなく、後述する特許請求の範囲により限定される。本発明の構成は、本発明の技術的思想から外れない範囲内でその構成を多様に変更及び改造できるということが、本発明の属する技術分野で通常の知識を有する者には自明である。
【符号の説明】
【0096】
10 移動通信端末機
20 触覚デバイス
22 ディスプレイパネル
30 触覚フィードバックデバイス
40 振動プレート
50 触覚フィードバックアクチュエータ
60 アクチュエータ
80 ラバーリング
90 回路基板
91 制御部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
接触圧力が加わる触覚デバイスと、
前記触覚デバイスに提供され前記触覚デバイスの接触圧力の変化により加振され振動を発生するアクチュエータと、
予め設定された第1動作モードにより前記アクチュエータが予め設定された共振周波数で振動するように制御し、前記第1動作モードと動作が異なるように設定された第2動作モードにより前記アクチュエータが前記共振周波数と周波数が異なる駆動周波数で振動するように制御する制御部と、
を含むことを特徴とする触覚フィードバックデバイス。
【請求項2】
前記駆動周波数は、前記共振周波数未満ないし50Hz以上であることを特徴とする請求項1に記載の触覚フィードバックデバイス。
【請求項3】
前記駆動周波数は、前記共振周波数超過ないし500Hz以下であることを特徴とする請求項1に記載の触覚フィードバックデバイス。
【請求項4】
前記アクチュエータは、前記触覚デバイスの中央部に配置されることを特徴とする請求項1に記載の触覚フィードバックデバイス。
【請求項5】
前記アクチュエータは、前記触覚デバイスの長さ方向のエッジ部の中央部に配置されることを特徴とする請求項1に記載の触覚フィードバックデバイス。
【請求項6】
前記中央部は、前記アクチュエータが前記触覚デバイスの一端部から他端部の方向に前記触覚デバイスの全長の20%から80%範囲内であることを特徴とする請求項4または請求項5に記載の触覚フィードバックデバイス。
【請求項7】
前記アクチュエータは、ピエゾアクチュエータまたはポリマーアクチュエータであることを特徴とする請求項1に記載の触覚フィードバックデバイス。
【請求項8】
前記触覚デバイス及びアクチュエータの間に介在され、前記アクチュエータから発生した振動を前記触覚デバイスに伝達する振動プレートをさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の触覚フィードバックデバイス。
【請求項9】
前記振動プレートは、前記触覚デバイスの長さ方向のエッジ部で多数の枝分かれラインが形成され、
前記枝分かれライン同士はスリットで区画されることを特徴とする請求項8に記載の触覚フィードバックデバイス。
【請求項10】
前記アクチュエータは、前記枝分かれラインに接着され、前記枝分かれラインで平行に配置されることを特徴とする請求項9に記載の触覚フィードバックデバイス。
【請求項11】
内部空間が形成されるケースと、
前記ケース内に収容され配置されるディスプレイパネルと、
前記ディスプレイパネルの接触圧力の変化により加振され振動を発生するアクチュエータと、
予め設定された第1動作モードにより前記アクチュエータが予め設定された共振周波数で振動するように制御し、前記第1動作モードと動作が異なるように設定された第2動作モードにより前記アクチュエータが前記共振周波数と周波数が異なる駆動周波数で振動するように制御する制御部と、
を含むことを特徴とする電子装置。
【請求項12】
前記駆動周波数は、前記共振周波数未満ないし50Hz以上であることを特徴とする請求項11に記載の電子装置。
【請求項13】
前記駆動周波数は、前記共振周波数超過ないし500Hz以下であることを特徴とする請求項11に記載の電子装置。
【請求項14】
前記アクチュエータは、前記ディスプレイパネルの長さ方向のエッジ部に配置されることを特徴とする請求項11に記載の電子装置。
【請求項15】
前記アクチュエータは、前記ディスプレイパネルの中央部に配置されることを特徴とする請求項11に記載の電子装置。
【請求項16】
前記中央部は、前記アクチュエータが前記ディスプレイパネルの一端部から他端部の方向に前記ディスプレイパネルの全長の20%から80%範囲内であることを特徴とする請求項14または請求項15に記載の電子装置。
【請求項17】
前記触覚デバイス及びアクチュエータの間に介在され、前記アクチュエータから発生した振動を前記触覚デバイスに伝達する振動プレートをさらに含むことを特徴とする請求項11に記載の電子装置。
【請求項18】
前記振動プレートは、前記ディスプレイパネルの長さ方向のエッジ部で多数の枝分かれラインが形成され、
前記枝分かれライン同士はスリットで区画されることを特徴とする請求項17に記載の電子装置。
【請求項19】
前記アクチュエータは、前記枝分かれラインに接着され、前記枝分かれラインで並列かつ平行に配置されることを特徴とする請求項18に記載の電子装置。
【請求項20】
前記アクチュエータは、ピエゾアクチュエータまたはポリマーアクチュエータであることを特徴とする請求項11に記載の電子装置。
【請求項21】
前記ピエゾアクチュエータは電極が介在されるセラミックス積層体であり、
前記セラミックス積層体の分極は同一方向に形成されることを特徴とする請求項20に記載の電子装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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