説明

訂正管理システム、プログラム、及び記録媒体

【課題】 印刷物制作における訂正内容の確認を正確かつ容易にし、効率的な校正作業を行うことを可能とする訂正管理システム等を提供する。
【解決手段】 サーバ1は、訂正済み制作物に対して、訂正元制作物プレビュデータ21からなる訂正元制作物プレビュレイヤー61上に、訂正指示データ23を配置する訂正指示レイヤー62と、訂正した訂正後制作物プレビュデータ24からなる訂正後制作物プレビュレイヤー63を各レイヤーの同一位置を基点に同期して重畳配置してクライアント端末4に送信する訂正箇所提示手段101と、クライアント端末4の入力手段の比較確認指示により、訂正元制作物プレビュレイヤー61と訂正後制作物プレビュレイヤー63を、残像効果を有する所定時間間隔で切り替えて提示し訂正箇所を比較確認する訂正箇所比較確認手段102を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ネットワークを利用した、印刷制作物に対する訂正指示と訂正作業を管理する訂正管理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、チラシ、カタログ、パンフレットなど印刷物の編集制作に適した、ページレイアウトシステムが実用化されている。更に、近年、媒体制作を行う際に、コンピュータの普及に伴い、カタログに載せる商品データをデータベース化して利用することが始まっている。得意先を含めた形態で、データベースと連携して制作作業を行うことができるデスクトップパブリッシング(DTP)作業と親和性の高い媒体制作システムが運用され、媒体制作作業の効率化が図られてきている。
【0003】
一般に、印刷物(制作物)に対して、内容変更、記載不備が生じ、依頼者と制作会社との間で、紙媒体等により訂正指示、訂正、確認等何回かのやりとりの後、初めて制作物が完成する。
また、印刷物が発注者の意図通りにできているかを発注者が確認する校正作業を行う分野においては、従来からある校正刷り(紙)による校正方法に加えて、最近ではDTPで作成した製版データファイルを汎用的な製版データ形式に変換した上で、ネットワーク等で発注者に送付し、発注者側での社内ネットワークで校正を行うシステムが公開されている(例えば、特許文献1)。
【0004】
【特許文献1】特開2002−007391号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、訂正元、修正指示、訂正後の制作物(プルーフ)をセットにして、修正した内容を確認する作業(校正)は、負荷が大きく、訂正内容の確認と訂正前後のチェックを簡単することが望まれている。
【0006】
本発明は、以上の点に鑑みてなされたものであり、印刷物制作における訂正内容の確認を正確かつ容易にし、効率的な校正作業を行うことを可能とする訂正管理システム等を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前述した目的を達成するために第1の発明は、印刷制作物に対する訂正指示を依頼する依頼者の端末装置と、前記訂正指示に応じて訂正を行う制作会社の端末装置と、訂正指示と訂正作業を管理するサーバとがネットワークを介して接続される訂正管理システムであって、前記サーバは、訂正元となる制作物に関連付けられた、前記制作物のプレビュデータである訂正元制作物プレビュデータと、前記制作物に対する1又は複数の訂正指示データからなる訂正指示リストと、訂正後制作物プレビュデータを記憶する記憶手段と、訂正済みの制作物に対して、前記訂正元制作物プレビュデータからなる訂正元制作物プレビュレイヤー上に、登録されている訂正指示データを配置する訂正指示レイヤーと、訂正した訂正後制作物プレビュデータからなる訂正後制作物プレビュレイヤーを各レイヤーの同一位置を基点に同期して重畳配置して前記端末装置に提示する訂正箇所提示手段と、前記端末装置の入力手段の指示により、前記訂正後制作物プレビュレイヤーと前記訂正元制作物プレビュレイヤーとを所定時間間隔で順次切り替えて表示し訂正箇所を比較確認する訂正箇所比較確認手段と、を具備することを特徴とする訂正管理システムである。
【0008】
また、前記訂正比較確認手段は、残像効果を有する所定時間で切り替えて表示することが望ましい。
また、前記訂正指示リストに登録されている各訂正指示データに相当する訂正後制作物プレビュレイヤー上の訂正指示箇所に訂正指示内容をアイコン化した訂正フラグを配置し前記端末装置に提示することが望ましい。
また、前記サーバはWebサーバであり、前記端末装置はWebブラウザとして機能するものであることが望ましい。
また、前記サーバは、制作物のプレビュデータである訂正元制作物プレビュデータを登録、記憶し、前記依頼者の端末装置に提示し前記訂正元制作物プレビュデータ上に書き込まれた訂正指示データを訂正指示リストに登録、記憶する訂正指示作成手段、を更に具備することが望ましい。
また、前記サーバは、登録された訂正指示データと前記訂正元制作物プレビュデータを重畳配置し前記制作会社の端末装置に提示し、前記制作会社の端末装置からの前記訂正指示データに応じて訂正された訂正後制作物プレビュデータを登録、記憶する訂正手段、を更に具備することが望ましい。
【0009】
第1の発明では、訂正前のプレビュと訂正後プレビュとの比較確認を行うことにより、訂正箇所を正確かつ容易に確認することができる。
また、短時間で効率的な校正を行うことができ、作業者の負担を軽減することができ、ユーザにとって利便性の高い校正方法を提供できる。
【0010】
第2の発明は、コンピュータを第1の発明の訂正管理システムのサーバとして機能させるプログラムである。
第3の発明は、コンピュータを第1の発明の訂正管理システムのサーバとして機能させるプログラムを記録した記録媒体である。
【0011】
上述のプログラムをCD−ROM等の記録媒体に保持させて流通させてもよいし、このプログラムを通信回線を介して送受することもできる。
【発明の効果】
【0012】
本発明は、印刷物制作における訂正内容の確認を正確かつ容易にし、効率的な校正作業を行うことを可能とする訂正管理システム等を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下に、添付図面を参照しながら、本発明に係る訂正管理システム等の好適な実施形態について詳細に説明する。なお、以下の説明および添付図面において、略同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略することにする。
【0014】
図1は、本発明の本実施の形態に係る訂正管理システム100の概略構成を示す図である。
【0015】
図1は、訂正管理システム100の1例であり、図1に示すように、訂正管理システム100は、サーバ1、依頼元10と制作会社13の複数のクライアント端末4等が、ネットワーク9を介して接続されて構成される。
【0016】
ネットワーク9は、インターネット、ローカルエリアネットワーク(LAN)、社内LAN等のネットワークであり、有線、無線を問わない。
【0017】
サーバ1は、サーバコンピュータ等であり、Webサーバ2、Webアプリケーション3である訂正管理アプリケーション、及び訂正元制作物プレビュデータ21、訂正指示データ23、訂正後制作物プレビュデータ24等の訂正管理情報20を記憶する記憶部302を有する。訂正管理アプリケーションは、訂正箇所提示手段101、訂正箇所比較確認手段102を有する。
【0018】
訂正箇所提示手段101は、訂正済みの制作物に対して、訂正元制作物プレビュデータ21からなる訂正元制作物プレビュレイヤー上に、登録されている訂正指示データ23を配置する訂正指示レイヤーと、訂正した訂正後制作物プレビュデータ24からなる訂正後制作物プレビュレイヤーとを各レイヤーの同一位置を基点に同期して重畳配置してクライアント端末4に送信する。
訂正箇所比較確認手段102は、クライアント端末4の入力手段の指示により、訂正元制作物プレビュレイヤーと訂正後制作物プレビュレイヤーとを所定時間間隔で順次切り替えて提示し訂正箇所を比較確認する。
【0019】
クライアント端末4は、パーソナルコンピュータ、携帯型端末機(Personal Digital Assistant)等である。クライアント端末4は、Webブラウザ5を有する。クライアント端末4は、依頼元10、制作会社13の担当者が有する。各クライアント端末4は、運用に応じて、サーバ1から訂正元制作物プレビュデータ21、訂正指示データ23、訂正後制作物プレビュデータ24等を受信、表示し、その内容を確認し、校正作業を行う。
【0020】
尚、本実施の形態の訂正管理システム100は、WWW(World Wide Web)技術を用いて実現し、サーバ1はWebサーバ2を、クライアント端末4はWebブラウザ5を搭載し、サーバ1とクライアント端末4は、夫々、Webサーバ2、Webブラウザ5を介して、データの送受信を行う。
【0021】
次に、図2を参照しながら、サーバ1のハードウェア構成を説明する。図2は、サーバ1のハードウェア構成図である。
【0022】
サーバ1は、制御部301、記憶部302、メディア入出力部303、通信制御部304、入力部305、表示部306、印刷部307等が、システムバス309を介して接続されて構成される。
【0023】
制御部301は、CPU(Central Processing Unit )、ROM(Read Only Memory )、RAM(Random Access Memory)等で構成される。
【0024】
CPUは、記憶部302、ROM、記録媒体等に格納されるプログラムをRAM上のワークメモリ領域に呼び出して実行し、システムバス309を介して接続された各装置を駆動制御し、サーバ1が行う各種データベース管理処理を実現する。
ROMは、不揮発性メモリであり、コンピュータのブートプログラムやBIOS等のプログラム、データ等を恒久的に保持している。
RAMは、揮発性メモリであり、記憶部302、ROM、記録媒体等からロードしたプログラム、データ等を一時的に保持するとともに、制御部301が各種処理を行う為に使用するワークエリアを備える。
【0025】
記憶部302は、HDD(ハードディスクドライブ)であり、制御部301が実行するプログラム、プログラム実行に必要なデータ、OS(オペレーティングシステム)等が格納される。プログラムに関しては、OS(オペレーティングシステム)に相当する制御プログラム28や、本コンピュータを適用するサーバ1が行う訂正管理アプリケーションに相当するアプリケーションプログラム29等が格納されている。
これらの各プログラムコードは、制御部301により必要に応じて読み出されてRAMに移され、CPUに読み出されて各種の手段として実行される。
【0026】
メディア入出力部303(ドライブ装置)は、データの入出力を行い、例えば、フロッピディスクドライブ、PDドライブ、CDドライブ(−ROM、−R、−RW等)、DVDドライブ(−ROM、−R、−RW等)、MOドライブ等のメディア入出力装置等を有する。
【0027】
通信制御部304は、通信制御装置、通信ポート等を有し、サーバ1とネットワーク9間の通信を媒介する通信インタフェースであり、ネットワーク9を介して、サーバ1と、クライアント端末4間の通信制御を行う。
【0028】
入力部305は、データの入力を行い、例えば、キーボード、マウス等のポインティングデバイス、テンキー等の入力装置を有する。
入力部305を介して、サーバ1に対して、操作指示、動作指示、データ入力等を行うことができる。
【0029】
表示部306は、CRTモニタ、液晶パネル等のディスプレイ装置を有する。
【0030】
印刷部307は、プリンタであり、印刷出力処理を行う。
システムバス309は、各装置間の制御信号、データ信号等の授受を媒介する経路である。
【0031】
次に、図3を参照しながら、サーバ1の記憶部302が保持する情報について説明する。図3は、記憶部302が保持する情報を示す図である。
【0032】
記憶部302内には、訂正管理情報20、及び制御プログラム28、アプリケーションプログラム29等が格納されている。
【0033】
訂正管理情報20は、訂正元となる1つの制作物毎に、訂正元制作物プレビュデータ21、1又は複数の訂正指示データ23からなる訂正指示リスト22、訂正後制作物プレビュデータ24等からなる。
【0034】
訂正元制作物プレビュデータ21は、訂正元となる制作物毎に関連付けられた制作物のプレビュデータである。
訂正指示データ23は、訂正元制作物プレビュデータ21に対応付けられる、依頼元10からの訂正指示内容である。
訂正後制作物プレビュデータ24は、訂正元制作物プレビュデータ21に対して、訂正指示リスト22内の訂正指示データ23すべてに応じて修正したプレビュデータである。
【0035】
制御プログラム29は、サーバ1の各構成部分を駆動制御するプログラムであり、OS(オペレーティングシステム)に相当する。
アプリケーションプログラム28は、サーバ1が行う訂正管理アプリケーション(訂正箇所提示手段101、訂正箇所比較確認手段102、訂正指示作成手段、訂正手段等)に相当する実行可能プログラムである。
【0036】
尚、訂正元制作物27、1又は複数の訂正指示データ23からなる訂正指示リスト22、訂正後制作物等は、データベースに登録、記憶しておき、取得してもよい。
【0037】
次に、図4を参照しながら、クライアント端末4のハードウェア構成を説明する。図4は、クライアント端末4のハードウェア構成図である。
【0038】
クライアント端末4は、制御部401、記憶部402、通信制御部403、メディア入出力部404、入力部405、表示部406、印刷部407等が、システムバス409を介して接続される。
クライアント端末4のハードウェア構成は、図2について前述したサーバ1と同様の構成を採る。
【0039】
尚、入力部405は、訂正指示の書き込みを行う。例えば、手書き入力手段であるマウスやタブレット、キーボード等の入力装置を有する。
また、記憶部402には、プログラムに関しては、OS(オペレーティングシステム)に相当する制御プログラムや、本コンピュータを適用するクライアント端末4が行う後述の処理に相当するWebブラウザ5等に該当するアプリケーションプログラム等が格納されている。これらの各プログラムコードは、制御部401により必要に応じて読み出されてRAMに移され、CPUに読み出されて各種の手段として実行される。
【0040】
次に、図5を参照しながら、訂正管理システム100の訂正済みである制作物に対する訂正確認処理の処理手順について説明する。
図5は、訂正管理システム100の訂正確認処理の処理手順を示すフローチャートである。
【0041】
Webサーバ2の記憶部302には、アプリケーションプログラム29である訂正管理プログラムがインストールされている。以下のWebサーバ1の処理は、この訂正管理プログラムの制御に従って、Webサーバ1の制御部301によって行われる。
また、クライアント端末4の記憶部402には、アプリケーションプログラムであるWebブラウザ5がインストールされており、以下のクライアント端末4の処理(Webブラウザ5を介したWebサーバ2へのアクセス、Webサーバ2への指示、入力等)は、クライアント4の制御部401によって行われる。
【0042】
予め、サーバ1は、訂正元となる制作物のプレビュデータである訂正元制作物プレビュデータ21を記憶部302に登録、記憶し、依頼元10のクライアント端末4に送信、表示し、依頼元10のクライアント端末4から受け取った訂正指示データ23を訂正指示リスト22に登録、記憶する訂正指示作成手段に相当する訂正指示作成処理と、登録された訂正指示データ23と訂正元制作物プレビュデータ21を重畳配置して制作会社13のクライアント端末4に送信し、制作会社13のクライアント端末4からの訂正された訂正後制作物プレビュデータ24を登録、記憶しておく訂正手段に相当する訂正処理を行う。
【0043】
尚、訂正元となる制作物(訂正元制作物27)の取得方法は、例えば、データベースに記憶、管理され、依頼元10のクライアント端末4からの指示に従い、データベースサーバを介して取得する方法や、ネットワーク9を介して、依頼元10のクライアント端末4から受信し取得する方法等いろいろな方法が考えられるが、ここでは、その方法については言及しない。
【0044】
制作会社13のクライアント端末4は、Webサーバ2を介して、サーバ1にアクセスし、訂正済みの制作物閲覧要求を送信する(ステップS201)。
サーバ1は、訂正元制作物プレビュデータ21を表示する訂正元制作物プレビュレイヤー61上に、訂正指示リスト22に登録された各訂正指示データ23を表示する訂正指示レイヤー62と、訂正後制作物プレビュデータ24を表示する訂正後制作物プレビュレイヤー63を各レイヤーの同一位置を基点に同期して(例えば、左上を原点として同期する)重畳配置して訂正確認画面データを生成する(ステップS202)。サーバ1は、訂正後制作物プレビュレイヤー63上には、各訂正指示データ23の位置に対応する訂正指示内容をアイコン化した修正フラグ54を配置する。
サーバ1は、訂正確認画面データを送信する(ステップS203)。
【0045】
制作会社13のクライアント端末4は、訂正確認画面50を表示する(ステップS204)。
【0046】
図6は、訂正確認画面50を示す図である。
図6に示すように、訂正確認画面50は、訂正元制作物プレビュ領域51、訂正後制作物プレビュ領域53、訂正指示リスト表示領域56、表示ツール58等からなる。
訂正元制作物プレビュ領域51は、訂正元制作物プレビュレイヤー61に相当し、訂正元制作物プレビュデータ21からなり、通常は非表示状態であり、マウス等の入力手段により、比較確認指示されると表示・非表示される。
【0047】
訂正後制作物プレビュ領域53には、訂正元制作物プレビュレイヤーに相当し、訂正後制作物プレビュデータ24を表示し、訂正箇所には訂正指示内容を示すアイコン化した修正フラグ54を表示する。修正フラグ54をクリックすると、該当する訂正指示データ22からなる訂正指示内容画面55が表示される。
訂正指示リスト表示領域56には、訂正指示リスト22に登録された1又は複数の訂正指示名57からなる。訂正指示名57をクリックすると、該当する訂正箇所を訂正後制作物プレビュ領域53(と訂正元制作物プレビュ領域51)の中央に配置し表示する。
【0048】
表示ツール58は、訂正後制作物プレビュ領域53の画面倍率を変更し拡大/縮小するスケールバー、移動方向を操作する位置表示アイコンからなる。
尚、本実施の形態では、訂正箇所を容易に確認可能とするため、訂正後制作物プレビュ領域53には、訂正箇所には訂正指示内容を示すアイコン化した修正フラグ54を表示したが、これに限らない。訂正後制作物プレビュ領域53には、訂正後制作物プレビュデータ24のみを表示し、別に全体表示領域を設け、これに訂正箇所を記してもよい。
【0049】
制作会社3のクライアント端末4は、画面上の訂正後制作物プレビュ領域53で、修正フラグ54の示す訂正箇所に対して、マウス等の入力手段405による比較確認指示を行う(ステップS205)。例えば、訂正箇所におけるマウスの右クリックにより比較確認を行う。
【0050】
図7は、訂正前後の修正箇所を比較表示する画面レイヤーイメージ60を示す図である。
図7に示すように、サーバ1は、訂正元制作物プレビュレイヤー61と、訂正指示レイヤー62と、訂正後制作物プレビュレイヤー63とを、例えば、各レイヤーの左上を原点として同期し、残像効果を有する所定時間間隔で訂正元制作物プレビュデータ21からなる訂正元制作物プレビュレイヤー61と訂正後制作物プレビュデータ24からなる訂正後制作物プレビュレイヤー63を切り替えて提示する(ステップS206)。クライアント端末4は、訂正元制作物プレビュ領域51と訂正後制作物プレビュ領域53を切り替えて表示し比較確認する(ステップS207)。
【0051】
尚、本実施の形態では、制作会社13のクライアント端末4が訂正箇所閲覧、確認し、校正処理を行う作業について説明したが、依頼元10のクライアント端末4が訂正箇所閲覧を行う場合もある。
【0052】
以上説明したように、本発明の実施の形態によれば、制作物に対する訂正指示を依頼する依頼元10のクライアント端末4と、訂正指示に対する訂正を行う制作会社13のクライアント端末4と、サーバ1とが、ネットワークを介して接続され、サーバ1は、訂正済みの制作物に対して、訂正元制作物プレビュデータ21からなる訂正元制作物プレビュレイヤー61上に、登録されている訂正指示データ23を配置する訂正指示レイヤー62と、訂正した訂正後制作物プレビュデータ24からなる訂正後制作物プレビュレイヤー63を各レイヤーの同一位置を基点に同期して重畳配置してクライアント端末4に送信する訂正箇所提示手段101と、クライアント端末4の入力手段の比較確認指示により、訂正元制作物プレビュレイヤー61と訂正後制作物プレビュレイヤー63とを所定時間間隔で順次切り替えて提示し訂正箇所を比較確認する訂正箇所比較確認手段102とを備え、訂正確認を行う。
【0053】
これにより、訂正前のプレビュと訂正後プレビュとの比較確認を行うことにより、訂正箇所を正確かつ容易に確認することができる。
また、短時間で効率的な校正を行うことができ、作業者の負担を軽減することができ、ユーザにとって利便性の高い校正方法を提供できる。
【0054】
尚、本実施の形態では、サーバ1側に、Webサーバ2、Webアプリケーション3(訂正管理プログラム)、訂正管理情報20等を有し、クライアント端末4から、サーバ1にアクセスし、Webサーバ2を介してWebアプリケーション3を起動したが、データベース上に訂正元制作物、訂正指示データ、訂正後制作物等を記憶、管理し、予め、クライアント端末4側にWebアプリケーション3に相当する訂正管理プログラムをダウンロードにしておき、クライアント端末4上のアプリケーションの実行可能プログラムを起動し、データベースを操作、管理するデータベースサーバを介して訂正元制作物、訂正指示データ、訂正後制作物をアクセスし、訂正箇所提示手段101、訂正箇所比較確認手段102に相当する処理を実行してもよい。
【0055】
尚、図5に示す処理を行うプログラムはCD−ROM等の記録媒体に保持させて流通させてもよいし、このプログラムを通信回線を介して送受することもできる。
【0056】
以上、添付図面を参照しながら、本発明に係る訂正管理システム等の好適な実施形態について説明したが、本発明はかかる例に限定されない。当業者であれば、本願で開示した技術的思想の範疇内において、各種の変更例又は修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【図面の簡単な説明】
【0057】
【図1】本実施の形態に係る訂正管理システム100の概略構成を示す図
【図2】サーバ1のハードウェア構成図
【図3】記憶部302が保持する情報を示す図
【図4】クライアント端末4のハードウェア構成図
【図5】訂正管理システム100の訂正確認処理の処理手順を示すフローチャート
【図6】訂正確認画面50を示す図
【図7】訂正前後の修正箇所を比較表示する画面レイヤーイメージ60を示す図
【符号の説明】
【0058】
100………訂正管理システム
1………サーバ
2………Webサーバ
3………Webアプリケーション
4………クライアント端末
5………Webブラウザ
9………ネットワーク
10………依頼元
13………制作会社
20………訂正管理情報
21………訂正元制作物プレビュデータ
22………訂正指示リスト
23………訂正指示データ
24………訂正後制作物プレビュデータ
51………訂正元制作物プレビュ領域
53………訂正後制作物プレビュ領域
54………修正フラグ
55………訂正指示内容画面
56………訂正指示リスト表示領域
58………表示ツール
61………訂正元制作物プレビュレイヤー
62………訂正指示レイヤー
63………訂正後制作物プレビュレイヤー
101………訂正箇所提示手段
102………訂正箇所比較確認手段
301、401………制御部
302、402………記憶部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
印刷制作物に対する訂正指示を依頼する依頼者の端末装置と、前記訂正指示に応じて訂正を行う制作会社の端末装置と、訂正指示と訂正作業を管理するサーバとがネットワークを介して接続される訂正管理システムであって、
前記サーバは、
訂正元となる制作物に関連付けられた、前記制作物のプレビュデータである訂正元制作物プレビュデータと、前記制作物に対する1又は複数の訂正指示データからなる訂正指示リストと、訂正後制作物プレビュデータを記憶する記憶手段と、
訂正済みの制作物に対して、前記訂正元制作物プレビュデータからなる訂正元制作物プレビュレイヤー上に、登録されている訂正指示データを配置する訂正指示レイヤーと、訂正した訂正後制作物プレビュデータからなる訂正後制作物プレビュレイヤーを各レイヤーの同一位置を基点に同期して重畳配置して前記端末装置に提示する訂正箇所提示手段と、
前記端末装置の入力手段の指示により、前記訂正後制作物プレビュレイヤーと前記訂正元制作物プレビュレイヤーとを所定時間間隔で順次切り替えて表示し訂正箇所を比較確認する訂正箇所比較確認手段と、
を具備することを特徴とする訂正管理システム。
【請求項2】
前記訂正箇所比較確認手段は、残像効果を有する所定時間で切り替えて表示することを特徴とする請求項1記載の訂正管理システム。
【請求項3】
前記訂正箇所提示手段は、前記訂正指示リストに登録されている各訂正指示データの位置に対応する訂正後制作物プレビュレイヤー上に訂正指示内容をアイコン化した修正フラグを配置し前記端末装置に提示することを特徴とする請求項1又は請求項2記載の訂正管理システム。
【請求項4】
前記サーバは、
制作物のプレビュデータである訂正元制作物プレビュデータを登録、記憶し、前記依頼者の端末装置に提示し前記訂正元制作物プレビュデータ上に書き込まれた訂正指示データを訂正指示リストに登録、記憶する訂正指示作成手段、
を更に具備することを特徴とする請求項1乃至は請求項3いずれかに記載の訂正管理システム。
【請求項5】
前記サーバは、
登録された訂正指示データと前記訂正元制作物プレビュデータを重畳配置し前記制作会社の端末装置に提示し、前記制作会社の端末装置からの前記訂正指示データに応じて訂正された訂正後制作物プレビュデータを登録、記憶する訂正手段、
を更に具備することを特徴とする請求項1乃至は請求項4いずれかに記載の訂正管理システム。
【請求項6】
前記サーバはWebサーバであり、前記端末装置はWebブラウザとして機能するものであることを特徴とする請求項1乃至は請求項5いずれかに記載の訂正管理システム。
【請求項7】
コンピュータを請求項1から請求項6のいずれかに記載の訂正管理システムにおけるサーバとして機能させるプログラム。
【請求項8】
コンピュータを請求項1から請求項6のいずれかに記載の訂正管理システムにおけるサーバとして機能させるプログラムを記録した記録媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2009−211483(P2009−211483A)
【公開日】平成21年9月17日(2009.9.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−54689(P2008−54689)
【出願日】平成20年3月5日(2008.3.5)
【出願人】(000002897)大日本印刷株式会社 (14,506)
【Fターム(参考)】