説明

計測端子装置

【課題】容易にセル電圧計測端子を二次電池の電極端子に接続することを可能にする計測端子装置を提供する。
【解決手段】配線17〜20が形成された基板21と、配線17、18に接続して基板21に設けられ、二次電池1の正負一対の電極端子6、7と接続して一対の電極端子6、7の電圧を計測するための一対のセル電圧計測端子22、23と、基板21に設けられ、一対のセル電圧計測端子22、23と電気的に接続したコネクタ26とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、二次電池の端子電圧(セル電圧)などを計測するための計測端子装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、リチウムイオン二次電池などの二次電池1は、例えば図5に示すように、複数の正極板2及び負極板3が積層して構成された電極体4と、電極体4を収容する例えばアルミニウム製の電池缶5と、電池缶5の内部から外部に貫通して設けられた正負一対の電極端子6、7とを備えている。
【0003】
そして、電力供給線としての配線を用いて、このような複数の二次電池(電池セル)1を互いに直列または並列に接続して組電池を構成して使用されることが多い。例えば、この組電池を車両などに搭載して各種機器の電源に利用することが行われている。
【0004】
一方、組電池を構成する各二次電池1は、使用時にセル電圧(端子電圧)やセル温度、容器電圧(電池缶5の電圧)が計測されている(例えば、特許文献1参照)。計測された電圧や温度に異常が確認された場合には、例えば、電池への充放電の停止や、電圧や温度を正常に戻すような制御がされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】実用新案登録第3156003号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
そして、従来、セル電圧やセル温度などを計測するために、ハーネスなどの配線(計測線)で接続した電圧計測端子(セル電圧計測端子)やサーミスタを各電極端子6、7や電池缶5にボルトやカプトンテープや接着材等で固定して接続するようにしていた。このため、工数が多くなり、電圧計測端子やサーミスタの接続に多大な労力と時間を要するという問題があった。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の計測端子装置は、配線が形成された基板と、前記配線に接続して前記基板に設けられ、二次電池の正負一対の電極端子と接続して前記一対の電極端子の電圧を計測するための一対のセル電圧計測端子と、前記基板に設けられ、前記一対のセル電圧計測端子と電気的に接続したコネクタとを備えていることを特徴とする。
【0008】
この発明においては、二次電池の所定位置に基板を設置するとともに二次電池の正負一対の電極端子にそれぞれセル電圧計測端子を嵌合させて接続することができ、従来のようにセル電圧計測端子をボルトなどで固定して接続する場合と比較し、容易にセル電圧計測端子を電極端子に接続することが可能になる。
【0009】
また、基板に設けられたコネクタとセル電圧計測端子が基板の配線を介して接続されているため、コネクタに配線を接続することで、容易に制御装置と接続してセル電圧(端子電圧)を計測することが可能になる。
【発明の効果】
【0010】
本発明の計測端子装置によれば、従来のように各電極端子にセル電圧計測端子をカプトンテープなどで固定して接続したり、制御装置をハーネスなどの配線(計測線)で接続することを不要にでき、工数を少なくし、接続に要する労力の低減、時間の削減を図ることが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の一実施形態に係る計測端子装置及び二次電池を示す斜視図である。
【図2】本発明の一実施形態に係る計測端子装置を二次電池に取り付けた状態を示す平面図(上面視図)である。
【図3】図2のX1−X1線矢視図であり、本発明の一実施形態に係る計測端子装置を二次電池に取り付けた状態を示す側面図である。
【図4】本発明の一実施形態に係る計測端子装置の変形例を示す斜視図である。
【図5】二次電池を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、図1から図3を参照し、本発明の一実施形態に係る計測端子装置について説明する。なお、本実施形態は、組電池を構成するリチウムイオン二次電池などの二次電池(電池セル)に取り付け、使用時に各二次電池のセル電圧(端子電圧)、セル温度、容器電圧(電池缶電圧)を計測するための計測端子装置に関するものである。
【0013】
はじめに、本実施形態の二次電池1は、図5に示したように、複数の正極板2及び負極板3が積層して構成された電極体4と、電極体4を収容する電池缶5と、電池缶5の内部から外部に貫通して設けられた正負一対の電極端子6、7とを備えている。また、本実施形態において、各電極端子6、7は、その外面に軸線中心の周方向に延びて繋がる環状の溝(係合凹部)15が形成されている(図1参照)。
【0014】
また、電池缶5は、例えばアルミニウム製であり、一面が開口した本体部8と、本体部8の開口を閉塞する蓋部9とを有する。正負一対の電極端子6、7は、それぞれ電池缶5の蓋部9に貫通して設けられた絶縁スリーブ10に嵌合することで、電池缶5に対して絶縁された状態で固定されている。さらに、電極体4を構成する正極板2と負極板3とは、交互に積層され、互いの間にセパレータ11を介装して絶縁されている。また、蓋部9には、電池缶5の内部に電解液を注入するための注液口12が形成され、この注液口12には、注液口12を開閉するための栓ボルト13が取り付けられている。
【0015】
また、正極板2及び負極板3は、それぞれ対応する電極端子6、7と接続するためのタブ2a、3aを有している。正極板2は正極板2のタブ2a同士を束ねた正極タブ束を介して、負極板3は負極板3のタブ3a同士を束ねた負極タブ束を介して、対応する電極端子6、7と接続されている。
【0016】
この二次電池(電池セル)1を直列、並列配置して電池収容ケース内に収容することにより組電池が構成される。この筐体内に収容した複数の二次電池1は、電極端子6、7同士がバスバー16(図3参照)で接続される。
【0017】
そして、本実施形態では、組電池を構成する各二次電池1に、図1から図3に示すように、セル電圧やセル温度、容器電圧を計測するための計測端子装置Aが取り付けられる。
【0018】
図1に示すように、本実施形態の計測端子装置Aは、配線17〜20が形成された基板(配線基板)21を備え、この基板21にセル電圧を計測するための一対のセル電圧計測端子22、23と、二次電池1の温度を計測するためのサーミスタ(温度計測子)24と、電池缶5の電圧を計測するための容器電圧計測端子25と、これらセル電圧計測端子22、23、サーミスタ24、容器電圧計測端子25のそれぞれと、配線17〜20を介して電気的に接続されたコネクタ26が設けられている。
【0019】
基板21は、略矩形平板状であり、その長手方向の長さを二次電池1の幅(電池缶5の蓋部9の幅)と略同等の寸法にして形成されている。また、この基板21は、長手方向に沿う一側端部21aに、長手方向に所定の間隔をあけ、一側端部21aから他側端部21b側に向けて凹む一対の凹所27、28を設けて、平面視略E字状に形成されている。なお、コネクタ26は、このように形成された基板21の他側端部21b側に一体に設けられている。
【0020】
一対のセル電圧計測端子22、23は、基板21に形成された一対の凹所27、28にそれぞれ配設されている。また、本実施形態のセル電圧計測端子22、23は、対応する電極端子6、7を着脱するための挿入口22a、23aを有する略C形の環状に形成されていて、それぞれ電極端子6、7に嵌合される。ここで、一対のセル電圧計測端子22、23は、導電性材料、具体的にはアルミニウムや銅などの金属からなるとともに、挿入口22a、23aの幅を拡縮するように弾性変形可能に形成されている。そして、各セル電圧計測端子22、23は、その中心軸となる軸線O1方向を基板21(基板21の上面及び下面(基板面))に直交する上下方向に向け、且つ挿入口22a、23aを基板21の一側端部21a側に配し、基板21の基板面に沿う横方向外側に向けて、基板21に一体に設けられている。さらに、本実施形態のセル電圧計測端子22、23は、図1に示すように、その内面に、内面から径方向内側に突出し、軸線O1中心の周方向に延びる係合凸部29が形成されている。
【0021】
サーミスタ24は、図1から図3に示すように、一端側を基板21の配線19に接続して基板21に一体に設けられている。また、本実施形態のサーミスタ24は、図3に示すように、基板21の下面との間にスポンジなどの弾性体30を介装した状態で設けられ、他端側を基板21の下面から斜め下側に突出させて設けられている。
【0022】
容器電圧計測端子25は、導電性材料、具体的にはアルミニウムや銅などの金属からなり、図1及び図2に示すように、環状に形成されている。そして、基板21の配線20に接続しつつ、内孔が基板21の上面から下面に貫通するようにして基板21に一体に設けられている。また、本実施形態の容器電圧計測端子25は、基板21を二次電池1の上面の所定位置に設置した状態で、電池缶5の蓋部9に形成された注液口12と内孔が上下に重なるように配設されている。
【0023】
次に、上記構成からなる本実施例の計測端子装置Aを二次電池1に取り付ける説明をするとともに、本実施形態の計測端子装置Aの作用及び効果について説明する。
【0024】
はじめに、本実施形態の計測端子装置Aを二次電池1に取り付ける際には、二次電池1の電池缶5の注液口12から栓ボルト13を取外した状態にしておく。なお、この栓ボルト13は、計測端子装置Aの基板21に設けた容器電圧計測端子25の内孔に予め取り付けておくようにしてもよい。
【0025】
そして、図1及び図2に示すように、二次電池1の正負一対の電極端子6、7に向けて基板21を横方向に移動し、一対のセル電圧計測端子22、23の挿入口22a、23aから一対の電極端子6、7をそれぞれ内部に挿入して嵌合させる。このとき、セル電圧計測端子22、23は、略C形の環状に形成された弾性変形可能であるため、弾性変形しながら電極端子6、7と嵌合する。
【0026】
これにより、本実施形態の計測端子装置Aは、二次電池1の電極端子6、7に向けて基板21を横方向に移動させることで、二次電池1の上面の所定位置に基板21を設置することができるとともに、一対のセル電圧計測端子22、23の内部に一対の電極端子6、7をそれぞれ嵌合させることができる。このため、ワンタッチで容易にセル電圧計測端子22、23を電極端子6、7に接続できる。また、このように接続した状態で、セル電圧計測端子22、23が電極端子6、7をクランプ保持することになり、確実且つ強固にセル電圧計測端子22、23を電極端子6、7に接続できる。
【0027】
さらに、本実施形態では、電極端子6、7の外面に係合部となる係合凹部(溝)15が形成され、セル電圧計測端子22、23の内面にこの係合凹部と係合する係合凸部29が形成されている。そして、基板21を横方向に移動し、セル電圧計測端子22、23の内部に電極端子6、7を嵌合させると、電極端子6、7の係合凹部15にセル電圧計測端子22、23の係合凸部29が係合する。このため、本実施形態では、セル電圧計測端子22、23が電極端子6、7をクランプ保持することに加え、互いの係合凹部15と係合凸部29同士が係合することによって、より確実且つ強固にセル電圧計測端子22、23が電極端子6、7に接続されることになる。
【0028】
一方、図3に示すように、二次電池1の上面の所定位置に基板21を設置して、二次電池1の一対の電極端子6、7にそれぞれセル電圧計測端子22、23を嵌合させると、基板21に一体に設けられたサーミスタ(温度計測子)24が電池缶5の蓋部9に接触する。また、本実施形態では、サーミスタ24が基板21の下面との間にスポンジ(弾性体)30を介装した状態で基板21の下面から斜設されているため、二次電池1の上面に基板21を設置すると、スポンジ30の弾性力でサーミスタ24が付勢され、電池缶5に圧接する。これにより、確実に、サーミスタ24が電池缶5に接触し、接触した状態で保持されることになる。
【0029】
また、二次電池1の上面に基板21を設置して、二次電池1の一対の電極端子6、7にそれぞれセル電圧計測端子22、23を嵌合させると、基板21に一体に設けられた容器電圧計測端子25が電池缶5と接続する。本実施形態では、基板21を二次電池1の上面の所定位置に設置した状態で、電池缶5の蓋部9に形成された注液口12と容器電圧計測端子25の内孔が連通する。このため、基板21を二次電池1の上面の所定位置に設置したとき、容器電圧計測端子25の内孔に栓ボルト13を挿通し注液口12に螺合することにより、容器電圧計測端子25を栓ボルト13で固定されて二次電池1の電池缶5に取り付けることができる。これにより、容器電圧計測端子25は、栓ボルト13を介してアルミニウム製の電池缶5に電気的に接続されるとともに、確実且つ強固に接続される。
【0030】
そして、このように計測端子装置Aを、組電池を構成する全ての二次電池1に取り付けた段階で、各計測端子装置Aのコネクタ26に配線を接続し、各計測端子装置Aの一対のセル電圧計測端子22、23とサーミスタ24と容器電圧計測端子25をそれぞれ制御装置に接続する。これにより、二次電池1は、使用時にセル電圧(端子電圧)やセル温度、容器電圧(電池缶電圧)が計測され、電圧や温度に異常が確認された場合、計測結果を受けた制御装置によって、電池1への充電の停止、電圧や温度を正常に戻す制御がされる。
【0031】
したがって、本実施形態の計測端子装置Aにおいては、二次電池1の上面の所定位置に基板21を設置するとともに二次電池1の一対の電極端子6、7にそれぞれセル電圧計測端子22、23を嵌合させて接続することができ、従来のようにセル電圧計測端子をカプトンテープなどで固定して接続する場合と比較し、容易にセル電圧計測端子22、23を電極端子6、7に接続することが可能になる。
【0032】
また、基板21に設けられたコネクタ26とセル電圧計測端子22、23が基板21の配線17、18で接続されているため、コネクタ26に配線を接続することで、容易に制御装置と接続することができ、セル電圧(端子電圧)を計測することが可能になる。
【0033】
よって、本実施形態の計測端子装置Aによれば、従来のように各電極端子6、7にセル電圧計測端子をカプトンテープなどで固定して接続したり、制御装置をハーネスなどの配線(計測線)で接続することを不要にでき、工数を少なくし接続に要する労力の低減、時間の削減を図ることが可能になる。
【0034】
また、本実施形態の計測端子装置Aにおいては、二次電池1の電極端子6、7に向けて基板21を横方向に移動しながら、挿入口22a、23aを介してセル電圧計測端子22、23の内部に電極端子6、7を嵌合させることができる。これにより、ワンタッチで容易にセル電圧計測端子22、23を電極端子6、7に接続することが可能になる。また、セル電圧計測端子22、23が略C形の環状に形成されていることで、セル電圧計測端子22、23を弾性変形させながら挿入口22a、23aからセル電圧計測端子22、23の内部に電極端子6、7を嵌合させることができ、セル電圧計測端子22、23で電極端子6、7をクランプ保持させ、確実且つ強固にセル電圧計測端子22、23を電極端子6、7に接続することが可能になる。
【0035】
さらに、電極端子6、7とセル電圧計測端子22、23が嵌合すると、電極端子6、7の外面とセル電圧計測端子22、23の内面に形成された係合凸部29と係合凹部25が係合するため、より確実且つ強固にセル電圧計測端子22、23を電極端子6、7に接続することができる。
【0036】
また、本実施形態の計測端子装置Aにおいては、一対の電極端子6、7にそれぞれセル電圧計測端子22、23を嵌合させて接続すると、基板21に一体に設けられたサーミスタ24が電池缶5に接触する。基板21の配線19を介してサーミスタ24とコネクタ26が電気的に接続されているため、コネクタ26に配線を介して制御装置を接続することで、容易にセル電圧とともにセル温度を計測することが可能になる。
【0037】
また、基板21の下面とサーミスタ24の間にスポンジ30が介装されているため、二次電池1の上面の所定位置に基板21を設置すると、スポンジ30の弾性力でサーミスタ24が電池缶5に圧接する。これにより、確実にサーミスタ24を電池缶5に接触させることができ、また、接触した状態で保持することができ、より確実且つ容易にセル温度を計測することが可能になる。
【0038】
さらに、一対の電極端子6、7にそれぞれセル電圧計測端子22、23を嵌合させて接続すると、基板21に一体に設けられた容器電圧計測端子25が電池缶5に接続される。基板21の配線20を介して容器電圧計測端子25とコネクタ26が電気的に接続されているため、コネクタ26に配線を介して制御装置を接続することで、容易にセル電圧とともに容器電圧を計測することが可能になる。
【0039】
また、注液口12に設けられた栓ボルト13を用いて容器電圧計測端子25を電池缶5に固定することができ、確実且つ強固に容器電圧計測端子25を電池缶5に接続することができる。
【0040】
以上、本発明に係る計測端子装置の一実施形態について説明したが、本発明は上記の一実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
【0041】
例えば、本実施形態の計測端子装置Aは、セル電圧計測端子22、23が略C形の環状に形成され、計測端子装置Aを二次電池1の電極端子6、7に向けて横方向に移動しつつセル電圧計測端子22、23を電極端子6、7に嵌合させて接続するように構成されている。これに対し、本発明に係る計測端子装置は、図4に示すように、O形、すなわち開口を有しない環状のセル電圧計測端子31、32を基板21に一体に設けて構成してもよい。この場合には、二次電池1の電極端子6、7に向けて上下方向(下方)に移動しつつセル電圧計測端子31、32の内孔に電極端子6、7を挿入して嵌合させる。これにより、セル電圧計測端子31、32と電極端子6、7を接続することができる。
【0042】
また、このとき、図4に示すように、内周縁から突出する複数の被係合部として係止片31a、32aを備えてセル電圧計測端子31、32を形成し、また、電極端子6、7の外面に、軸線中心の周方向に延びる環状の係止溝33を被係合部と係合する係合部として形成しておくことが好ましい。この場合には、セル電圧計測端子31、32の内孔に電極端子6、7を挿入するとともにセル電圧計測端子31、32の係止片31a、32aを電極端子6、7の係止溝33に係合させることができる。これにより、ワンタッチで容易にセル電圧計測端子31、32を電極端子6、7に接続することが可能になるとともに、より確実且つ強固にセル電圧計測端子31、32と電極端子6、7を接続することが可能になる。
【0043】
さらに、このように二次電池1の電極端子6、7に向けて上下方向(下方)に移動しつつセル電圧計測端子31、32の内孔に電極端子6、7を挿入して嵌合させるように構成した場合には、複数の二次電池のセル電圧、セル温度、容器電圧をそれぞれ計測するための複数の一対のセル電圧計測端子、複数のサーミスタ、複数の容器電圧計測端子、複数のコネクタを一つの基板にまとめて形成してもよい。この場合には、電池モジュールや組電池を構成する複数の二次電池の全てに対し、複数の一対のセル電圧計測端子、複数のサーミスタ、複数の容器電圧計測端子、複数のコネクタをまとめて設けた一つの基板を下方に移動して、各二次電池の電極端子とこれに対応するセル電圧計測端子を嵌合させて接続することによって、計測端子装置を取り付けることが可能になる。
【符号の説明】
【0044】
1 二次電池(電池セル)
2 正極板
2a タブ
3 負極板
3a タブ
4 電極体
5 電池缶
6 電極端子
7 電極端子
8 本体部
9 蓋部
10 絶縁スリーブ
11 セパレータ
12 注液口
13 栓ボルト
15 係合凹部
16 バスバー
17 配線
18 配線
19 配線
20 配線
21 基板
21a 一側端部
21b 他側端部
22 セル電圧計測端子
22a 挿入口
23 セル電圧計測端子
23a 挿入口
24 サーミスタ(温度計測子)
25 容器電圧計測端子
26 コネクタ
27 凹所
28 凹所
29 係合凸部
30 スポンジ(弾性体)
31 セル電圧計測端子
31a 係止片
32 セル電圧計測端子
32a 係止片
A 計測端子装置
O1 軸線

【特許請求の範囲】
【請求項1】
配線が形成された基板と、
前記配線に接続して前記基板に設けられ、二次電池の正負一対の電極端子と接続して前記一対の電極端子の電圧を計測するための一対のセル電圧計測端子と、
前記基板に設けられ、前記一対のセル電圧計測端子と電気的に接続したコネクタとを備えていることを特徴とする計測端子装置。
【請求項2】
請求項1記載の計測端子装置において、
前記一対のセル電圧計測端子は、軸線方向に延びる挿入口を側部に備えて略C字状に形成され、前記軸線方向を前記基板に直交する上下方向に向け、且つ前記挿入口を前記基板の一側端部側に配し、前記基板の基板面に沿う横方向外側に向けて、前記基板に一体に設けられていることを特徴とする計測端子装置。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載の計測端子装置において、
前記一対のセル電圧計測端子は、対応する前記電極端子の外周面に形成された係合部と係合する被係合部が、内周面に形成されていることを特徴とする計測端子装置。
【請求項4】
請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の計測端子装置において、
前記配線に接続して前記基板に設けられ、前記一対のセル電圧端子が前記一対の電極端子に嵌合した状態で前記二次電池の電池缶に接触して前記二次電池の温度を計測するための温度計測子を備えていることを特徴とする計測端子装置。
【請求項5】
請求項4記載の計測端子装置において、
前記温度計測子は、前記基板の下面との間に弾性体が介装され、前記基板の下面から下方に向けて斜設されていることを特徴とする計測端子装置。
【請求項6】
請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の計測端子装置において、
前記配線に接続して前記基板に設けられ、前記一対のセル電圧端子が前記一対の電極端子に嵌合した状態で前記二次電池の電池缶に接続し前記電池缶の電圧を計測するための容器電圧計測端子を備えていることを特徴とする計測端子装置。
【請求項7】
請求項6記載の計測端子装置において、
前記容器電圧計測端子が、前記電池缶に形成されて内部に電解液を注入するための注液口を閉塞する栓ボルトによって、前記電池缶に固定して接続されることを特徴とする計測端子装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2012−177589(P2012−177589A)
【公開日】平成24年9月13日(2012.9.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−40003(P2011−40003)
【出願日】平成23年2月25日(2011.2.25)
【出願人】(000006208)三菱重工業株式会社 (10,378)
【Fターム(参考)】