説明

計測装置

【課題】安価なタグによってゲージのリード線を測定面などに固定することが可能である計測装置を提供する。
【解決手段】歪ゲージ14側のタグ16と、計測機器12側のタグ17とに、対応する識別記号を記入して、共通のリード線15に取付けることで、歪ゲージ14の特定作業を確実に行なえるようにする。歪ゲージ14側のタグ16は、リード線15の一側面に貼付けてこのリード線15を測定面13に固定するように測定面13にも貼付ける。一方、計測機器12側のタグ17は、リード線15を挟んで二つ折りにするように相互に貼合せる。歪ゲージ14は、接着剤により測定面13に接着するが、その接着前に、歪ゲージ14側のタグ16によりリード線15を測定面13に固定することが、接着時の歪ゲージ14にリード線15の荷重をかけない上で好ましい。タグ16,17は、複数の色により色分けする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ゲージにリード線を接続した計測装置に関する。
【背景技術】
【0002】
車両の応力計測をするときは、歪ゲージを用いるが、その歪ゲージのリード線が600〜1000本の配線の束となることも少なくないので、歪ゲージを特定するために、計測者がガムテープなどを張ってタグとした上で、固有の名称を書込み、各歪ゲージの区別をしているが、この作業は煩雑であり、付け忘れが生じやすく、付け忘れた場合は、車両を再分解して、全ゲージの取付位置を確認する場合もあり、非効率である。
【0003】
これに対し、予め固有の名称などを書込むことができる識別情報記入板に取付バンドが設けられ、この取付バンドに止部が形成され、この止部の取付穴に取付バンドの先端を折返して挿入することで、歪ゲージのリード線に識別情報記入板を取付けるようにした識別タグがある(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2004−294382号公報(第4頁、図1)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記の識別タグは、多数のリード線に用いるには高価であり、さらに、リード線を測定面などに固定することはできない。
【0005】
また、ゲージ近くのリード線は、ゲージの剥離を防ぐために、ガムテープを用いて測定面などに固定することもあるが、実作業は、車両内部の狭い所や、目視不能の場所で行なわれることも多く、粘着面の露出したガムテープでは、ゲージ近くのリード線を希望する場所に固定できない場合がある。
【0006】
本発明は、このような点に鑑みなされたもので、安価なタグによってゲージのリード線を測定面などに固定することが可能である計測装置を提供することを目的とするとともに、ゲージ近くのリード線を希望する場所に確実に固定できる計測装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1記載の発明は、測定面に接着される計測用のゲージと、ゲージに接続されたリード線と、リード線に取付けられたゲージ特定用の書込みが可能なタグとを具備し、タグは、一側面に書込面を有するシート状のタグ本体と、タグ本体の他側面に塗布された粘着剤とを備えた計測装置である。
【0008】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の計測装置におけるタグが、粘着剤に仮付けされた剥離可能な粘着防止シートを具備したものである。
【0009】
請求項3記載の発明は、請求項1または2記載の計測装置におけるタグ本体が、複数の色により色分けされたものである。
【発明の効果】
【0010】
請求項1記載の発明によれば、一側面に書込面を有するタグ本体の他側面に粘着剤が塗布されたタグは、この粘着剤により、タグ本体をゲージのリード線に取付けるとともに、タグ本体を介してゲージのリード線を測定面などに固定することができる。
【0011】
請求項2記載の発明によれば、粘着防止シートを剥がすまでは、粘着剤が望まない場所に粘着することを粘着防止シートにより防止できるので、準備作業などを容易にでき、作業性を向上できるとともに、タグ本体を用いてゲージ近くのリード線を希望する場所に固定する際は、その直前に粘着防止シートを剥がすのみで確実に固定できる。
【0012】
請求項3記載の発明によれば、複数の色により色分けされたタグ本体により、測定場所、測定方法、測定条件などに応じた識別も可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、本発明を図1乃至図3に示された一実施の形態を参照しながら詳細に説明する。
【0014】
図3は、油圧ショベルなどの作業機械の機体11に取付けられた多数の歪ゲージ(図示せず)からデータを収集して計測機器12に取込む応力計測の状況を示す。
【0015】
図1に示されるように、上記機体11の測定面13には、計測用のゲージとしての歪ゲージ14が接着され、この歪ゲージ14に接続されたリード線15には、歪ゲージ14の近傍にてゲージ特定用の書込みが可能なタグ16が取付けられているとともに、計測機器12の近傍にてゲージ特定用の書込みが可能なタグ17が取付けられている。
【0016】
図2に示されるように、これらのタグ16,17は、一側面に書込面21を有するシート状のタグ本体22と、このタグ本体22の他側面に塗布された粘着剤23と、この粘着剤23に仮付けされた剥離可能な樹脂シートなどの粘着防止シート24とを具備している。粘着剤23は、タグ本体22の全面に塗布せず、一部に非粘着面25を設けておくと、粘着防止シート24の剥離作業が容易になる。
【0017】
タグ本体22は、複数の色により色分けされたものを用いる。
【0018】
次に、この実施の形態の作用効果を説明する。
【0019】
図1に示されるように、歪ゲージ14側のタグ16と、計測機器12側のタグ17とに、対応する識別記号を記入して、共通のリード線15に取付けることで、歪ゲージ14の特定作業を確実に行なえるようにする。
【0020】
歪ゲージ14側のタグ16は、リード線15の一側面に貼付けてこのリード線15を測定面13に固定するように測定面13にも貼付ける。一方、計測機器12側のタグ17は、リード線15を挟んで二つ折りにするように相互に貼合せる。
【0021】
歪ゲージ14は、接着剤により測定面13に接着するが、その接着前に、歪ゲージ14側のタグ16によりリード線15を測定面13に固定することが、接着時の歪ゲージ14にリード線15の荷重をかけない上で好ましい。
【0022】
このように、一側面に書込面21を有するタグ本体22の他側面に粘着剤23が塗布されたタグ16,17は、この粘着剤23により、タグ本体22を歪ゲージ14のリード線15に取付けるとともに、タグ本体22を介して歪ゲージ14のリード線15を測定面13などに固定することができる。
【0023】
また、粘着防止シート24を剥がすまでは、粘着剤23が望まない場所に粘着することを粘着防止シート24により防止できるので、準備作業などを容易にでき、作業性を向上できるとともに、タグ本体22を用いて歪ゲージ14近くのリード線15を希望する場所に固定する際は、その直前に粘着防止シート24を剥がすのみで確実に固定できる。
【0024】
さらに、複数の色により色分けされたタグ本体22により、測定場所、測定方法、測定条件などに応じた識別も可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】本発明に係る計測装置の一実施の形態を示す配線図である。
【図2】同上計測装置のタグを示す断面図である。
【図3】同上計測装置による計測状況を示す正面図である。
【符号の説明】
【0026】
13 測定面
14 ゲージとしての歪ゲージ
15 リード線
16,17 タグ
21 書込面
22 タグ本体
23 粘着剤
24 粘着防止シート

【特許請求の範囲】
【請求項1】
測定面に接着される計測用のゲージと、
ゲージに接続されたリード線と、
リード線に取付けられたゲージ特定用の書込みが可能なタグとを具備し、
タグは、
一側面に書込面を有するシート状のタグ本体と、
タグ本体の他側面に塗布された粘着剤とを備えた
ことを特徴とする計測装置。
【請求項2】
タグは、
粘着剤に仮付けされた剥離可能な粘着防止シート
を具備したことを特徴とする請求項1記載の計測装置。
【請求項3】
タグ本体は、複数の色により色分けされた
ことを特徴とする請求項1または2記載の計測装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2007−271479(P2007−271479A)
【公開日】平成19年10月18日(2007.10.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−97958(P2006−97958)
【出願日】平成18年3月31日(2006.3.31)
【出願人】(000190297)新キャタピラー三菱株式会社 (1,189)
【Fターム(参考)】