説明

計算クラスタノード間で光信号を伝送するためにフォトニック相互接続を利用する計算クラスタ

本発明の種々の実施形態は、計算クラスタノード(1401〜1404)間で高速、広帯域幅の相互接続を提供するフォトニック相互接続ベースの計算クラスタ(1200)を対象とする。本発明の一実施形態では、計算クラスタ(1200)は、光信号内の別個の周波数チャネルを一組のノード(1401〜1404)内の各ノードに伝送する1つ又は複数の光伝送経路(1210、1212、1216〜1219)を有するフォトニック相互接続を含む。計算クラスタ(1200)は1つ又は複数のフォトニック相互接続ベースのライタ(1500)を含み、各ライタは1つの特定のノードに関連付けられ、各ライタは、ノードによって生成される情報を、別個の周波数チャネルのうちの1つの中に符号化する。スイッチ機構は、別個の周波数チャネル内に符号化されている情報を、計算クラスタ内の1つ又は複数のノードに送る。また、計算クラスタは、1つ又は複数のフォトニック相互接続ベースのリーダ(1550)を含み、各リーダは1つの特定のノードに関連付けられ、各リーダは処理用ノードに向けられる、別個の周波数チャネル内に符号化された情報を抽出する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は計算クラスタに関し、特に、計算クラスタノード間で光信号の周波数チャネル内に符号化されるデータを伝送するための光伝送経路を含む、フォトニック相互接続ベースの計算クラスタに関する。
【0002】
発明の背景
「計算クラスタ」と呼ばれる分散型コンピューティングプラットフォームにおける最近の成果は、データ処理速度を高めること、及びプラットフォームサイズを低減することに、かなりの進歩があったことを示す。一般的に、計算クラスタは多数の相互接続されたノードを含み、各ノードは多数の別個のデータ処理タスクを実行することができる。ノードは、プロセッサ、メモリ、コンピュータサーバ、ストレージサーバ、外部ネットワーク接続、或いは任意の他のデータ処理デバイス又はデータ伝送デバイスとすることができる。計算クラスタは一般に、データ整理又はデータ生成のいずれかのアプリケーションに利用される。データ整理アプリケーションでは、入力データのパターンを特定し、及び/又は入力データの総計の統計的記述を生成することによって、科学機器によって与えられるデータのような、大量の入力データセットが処理される。例えば、マイクロアレイの光学走査から得られた大量の画像データを解析及び解釈するために、その画像データをより小さな総計の統計的記述に変えることができる。データ生成アプリケーションでは、小さな入力データセットが一般に、シミュレーション用の初期条件を与え、そのシミュレーションによって大きな出力データセットが生成され、その大きな出力データセットをさらに解析又は視覚化することができる。動画を生成する燃焼モデル、天気予報、及びコンピュータグラフィックスのアプリケーションが、データ生成アプリケーションの例である。
【0003】
計算クラスタのアプリケーションは一般に、それぞれ別個に実行され得る特定の個々のタスクを特定することによって、数百、数千、さらには数百万のタスクに分割される。アプリケーションは、メッセージパッシングインターフェースのコンピュータプログラム及び実行環境によって分割されることが多い。以下の基準、即ち(1)各タスクが受信される順序、(2)クラスタ内のノードの構成、(3)各タスクの計算需要、(4)タスク毎に必要なメモリの量、(4)ノード間で伝送されるデータの量、及び(5)アプリケーションの入力/出力要件に基づいて、タスクを種々のノードに分配することができる。
【0004】
計算クラスタノードは一般に、高速で、待ち時間が少ない電気相互接続のネットワークを介して相互接続され、それらの電気相互接続は、スイッチ機構を通じてノード間でデータを伝送する。図1Aは、4ノードスイッチ機構アーキテクチャ100の図を示す。図1Aでは、スイッチ機構102によって物理ノードが相互接続され、各物理ノードは、第1の仮想ノード及び第2の仮想ノードによって表される。第1の仮想ノードはスイッチ機構102との入力接続を表し、第2の仮想ノードはスイッチ機構102との出力接続を表す。例えば、物理ノード0とスイッチ機構102との間の入力接続は、長方形104及び方向矢印106によって表され、スイッチ機構102と物理ノード0 106との間の出力接続は、長方形108及び方向矢印110によって表される。スイッチ機構は、ノードが計算クラスタ内の異なるノードに同時にデータを伝えることができるように相互接続を提供する。例えば、スイッチ機構102は、破線の方向矢印112及び114によって示されるように、ノード1がノード2及びノード3に同時にデータを伝えることができるように相互接続を提供する。
【0005】
各ノードによって処理されるデータは一般に、より小さな固定サイズのパケットに分割され、その後、それらのパケットが、スイッチ機構を通じて特定の処理用ノードに分配される。図1Bは、図1Aに示された、スイッチ機構102の具現化形態の一例を示す。図1Bでは、スイッチ機構102は、入力ラインカード118及び出力ラインカード120のような入力ラインカード及び出力ラインカードと、置換ネットワーク122と、アービタ124とを含む。データは最初に、ノードから入力ラインカードに伝えられる。入力ラインカードは、データストリームを、固定サイズのパケットに分割する。その後、パケットはスイッチ機構102に伝えられ、「仮想キュー」と呼ばれる、1つ又は複数の先入れ先出し方式の電子ベースのデータ構造に分配される。アービタ124は、各仮想キューの先頭部に格納されているパケットに関する情報を受信し、それに応じて、置換ネットワーク122内の相互接続を構成し、各仮想キューの先頭部に格納されたパケットの第1のバッチを特定のノードに分配する。出力ラインカードは、置換ネットワーク120によって受信されたパケットを集め(assemble:組み立てる)、集められたパケットを処理用ノードに伝える。アービタ124がパケットの第1のバッチを分配した後に、各仮想キューの先頭部に格納されたパケットの第2のバッチを分配して処理するために、アービタ124は置換ネットワーク120を再構成する。
【0006】
一般に、スイッチ機構はノード間でデータを均等に分配する。しかしながら、計算クラスタでは、多くの場合に、他のノードよりも頻繁に大量のデータを交換するノードが多数あり、スイッチ機構によって提供される、待ち時間の少ない相互接続では、帯域幅が限られている。結果として、ノード間で伝送され得るデータの量が、各時点における特定のノードのデータ転送要件と適切に釣り合わないため、データ処理に遅れが生じる。さらに、アービタは一般に、パケットのバッチを分配する前に、各キューの先頭部に配置されている全てのパケットに関する情報を受信することに依存するため、アービタはデータ処理を遅らせる可能性がある。計算クラスタの製造業者、設計者及び使用者は、広い帯域幅で、高速の相互接続を提供する相互接続アーキテクチャ、及びパケットを分配するのにアービタに依存しないスイッチ機構が必要であることを認識している。
【0007】
発明の概要
本発明の種々の実施形態は、計算クラスタノード間で高速、広帯域幅の相互接続を提供するフォトニック相互接続ベースの計算クラスタを対象とする。本発明の一実施形態では、計算クラスタは光信号内の別個の周波数チャネルを一組のノード内の各ノードに伝える1つ又は複数の光伝送経路を有するフォトニック相互接続を含む。計算クラスタは1つ又は複数のフォトニック相互接続ベースのライタを含み、各ライタは1つの特定のノードに関連付けられ、各ライタは、ノードによって生成される情報を、別個の周波数チャネルのうちの1つの中に符号化する。スイッチ機構は、別個の周波数チャネル内に符号化された情報を、計算クラスタ内の1つ又は複数のノードに送る。また、計算クラスタは1つ又は複数のフォトニック相互接続ベースのリーダを含み、各リーダは1つの特定のノードに関連付けられ、各リーダは処理用のノードに向けられる、別個の周波数チャネル内に符号化された情報を抽出する。
【0008】
発明の詳細な説明
本発明の種々の実施形態は、計算クラスタでデータを伝送するための高速、広帯域幅のフォトニック相互接続を提供する、フォトニック相互接続ベースの計算クラスタを対象とする。フォトニック相互接続は、光信号源からの光信号を1つ又は複数の計算クラスタノードに伝送する光伝送経路を含む。光信号は、「周波数チャネル」と呼ばれる、多数の別個の電磁波を含み、周波数チャネルをそれぞれ別個に変調して、データを符号化することができ、そのデータはその後、計算クラスタ内の特定のノードに送られることができる。各ノードは、そのノードに送られたデータを符号化する第1の周波数チャネルを抽出する第1のフィルタに接続され、そして各ノードは、第2の周波数チャネルを変調することによって、計算クラスタ内の異なるノードに送られたデータを符号化するために使用され得る第2のフィルタに接続される。周波数チャネルを通じてデータをノードに送るために、スイッチ機構を含むことができる。単一の外部光源を用いて光信号を生成することができ、ノードに関連した別々の光信号源を避けることができる。
【0009】
本発明は、以下のサブセクション、即ち(1)フォトニック結晶及び導波路の概説、(2)データの電磁波内への符号化の概説、及び(3)本発明の実施形態において以下に説明される。
【0010】
フォトニック結晶及び導波路の概説
フォトニック結晶は、誘電特性を有する2つ以上の異なる材料から構成された光学デバイスであり、それらの材料は、或る規則的なパターンで互いに組み合わされると、電磁放射(「ER」)の伝搬特性を変更することができる。図2及び図3は、多数の異なる可能なパターンのうちの2つを示しており、異なる誘電特性を有する2つの異なる材料を組み合わせて、フォトニック結晶を形成することができる。フォトニック結晶は一般に、誘電体パターンが周期的である方向の数によって特定される。例えば、図2は、1次元のフォトニック結晶の一例を示す。図2では、フォトニック結晶200は、z方向において周期的に交互に並ぶ2つの異なる誘電体の7つの層から構成される。斜線を付されていない層201〜204は、誘電率εを有する第1の誘電体から構成され、斜線を付された層205〜207は、異なる誘電率εを有する第2の誘電体から構成される。これらの層は、「格子定数」と呼ばれる反復距離で規則的に離間されており、図2に示された格子定数の場合、格子定数はaである。図3は、2次元のフォトニック結晶の一例を示す。2次元フォトニック結晶300は、2つの異なる誘電体の交互層を含み、2つの格子定数a及びbでもってx方向及びy方向の両方において周期的である。領域301のような斜線を付されていない領域は、誘電率εを有する第1の誘電体から構成され、領域302のような斜線を付された領域は、異なる誘電率εを有する第2の誘電体から構成される。また、3次元において繰り返しパターンを有するフォトニック結晶を製造することもできる。3次元フォトニック結晶は、第2の誘電体を含むスラブ内に埋め込まれる、第1の誘電体を含む球、円筒又は他の固体形状を用いて製造され得る。
【0011】
誘電体の中を伝搬するERは、振動する直交電場(ベクトルE)、及び磁場(ベクトルH)、並びに伝搬方向(ベクトルk)を含む電磁波によって特徴付けられ得る。電場及び磁場は、マクスウエルの方程式によって関係付けられる。
【0012】
【数1】

【0013】
ただし、ベクトルrは誘電体内の電磁波の空間変位であり、tは時間であり、及び


は誘電率である。
【0014】
誘電体は一般に、自由電荷又は自由電流をサポートしないため、式1〜式4は、電荷密度項又は体積電流密度項を含まない。式3及び式4は、回転方程式であり、線形微分方程式である。双方の式において、左辺は、場が独立した空間変位(ベクトルr)に依存することを表し、右辺は場がtに依存することを表す。ベクトルrに対して変化する微分量がtに対して変化する量に等しいままにしておくための唯一の方法は、その微分量が同じ定数値に等しくなることである。式3及び式4の両辺は或る定数に等しく、以下の式を得るために、変数分離の方法を適用することができる。
【0015】
【数2】

【0016】
ただし、ωは誘電体内を伝搬する電磁波の角周波数である。
【0017】
マクスウエルの回転方程式3及び4は、誘電率


で式4を割り、回転演算子を適用し、電場の回転に式3を代入して、以下の式を得ることによって分離することができる。
【0018】
【数3】

【0019】
ただし、


は微分演算子である。式5は固有値方程式である。ただし、固有値はωであり、固有関数は対応する磁場


である。磁場


が式5に従って求められた後に、


を式3に代入し、


について解くことによって、電場


を求めることができる。
【0020】
図1及び図2に示されるフォトニック結晶のような、有限次元のフォトニック結晶の場合、式5の固有値及び固有関数を量子化して、以下の式を与えることができる。
【0021】
【数4】

【0022】
ただし、jは、角周波数が増加する順序において磁場


の高調波モードにラベルを付ける、「バンド指数(band index)」と呼ばれる、負でない整数値である。
【0023】
フォトニック結晶の並進対称を用いて、磁場


の関数形式を求めることができる。例えば、フォトニック結晶200内を伝搬する磁場


の関数形式は、以下の式によって与えられる。
【0024】
【数5】

【0025】
ただし、ベクトルρはxy平面ベクトルであり、ベクトルk//はxy平面波数ベクトルであり、kはz方向の波数ベクトル成分であり、


はz方向における周期関数である。式6の指数項


は、xy平面において誘電体層の中を伝搬するERの連続並進対称から生じる。しかしながら、式6の項


は、ブロッホの定理、及び以下の式によって与えられる、フォトニック結晶200の誘電率の周期性によってz方向において課せられる離散並進対称から生じる。
【0026】
【数6】

【0027】
ここで、aは誘電体層の規則的なパターンによって決定される格子定数であり、lは整数である。
【0028】
磁場


は2π/aの整数倍の場合に周期的である。結果として、関連する角周波数も周期的である。
【0029】
【数7】

【0030】
フォトニック結晶の誘電体パターンの違いが、「フォトニックバンドギャップ」と呼ばれる、周波数ωの1つ又は複数の範囲を生成し、その場合、ERはフォトニック結晶の中で伝搬するのを妨げられる。また、フォトニックバンドギャップは、電磁エネルギー範囲、及びλによって表される波長の範囲にも対応し、誘電体間の差がER吸収及びER伝搬を妨げる。フォトニック結晶の中を伝送されるERの波長λは、角周波数ωに関連する。即ち、
【0031】
【数8】

【0032】
ただし、vはフォトニック結晶内のERの速度である。高周波数の高調波モードは、低い誘電率を有する誘電体領域内において電磁エネルギーを集中する傾向があり、一方、低周波数の高調波モードは、高い誘電率を有する誘電体領域において電磁エネルギーを集中する傾向があるため、或る特定のER周波数範囲は、フォトニック結晶の中を伝送されない。電磁エネルギーWは、以下のように、変分原理から求めることができる。
【0033】
【数9】

【0034】
ただし、


であり、「」は複素共役を表す。
【0035】
電磁エネルギーは、低い誘電率を有するフォトニック結晶の領域内を伝搬しているモードの場合よりも、高い誘電率を有する領域内を伝搬している高調波モードの場合に低い。
【0036】
1次元フォトニック結晶のフォトニックバンドギャップ内の周波数の大きさ及び範囲は、フォトニック結晶を含む誘電体の誘電率間の相対差に依存する。フォトニック結晶を含む材料の誘電率間の差が相対的に大きい1次元フォトニック結晶は、誘電率間の差が相対的に小さいフォトニック結晶よりも、高い周波数範囲おいて、より大きなフォトニックバンドギャップを有する。
【0037】
図4A及び図4Bはそれぞれ、第1の1次元フォトニック結晶及び第2の1次元フォトニック結晶に関する、周波数(ωa/2πc)対波数ベクトルz成分kの仮想的なプロットである。図4A及び図4Bにおいて、横軸401のような横軸は、波数ベクトルz成分kに対応し、縦軸402のような縦軸は、周波数に対応する。式7に関連して上述されたように、周波数ωは周期的であるため、1、2及び3に等しい角周波数バンドjの場合に、周波数(ωa/2πc)が波数ベクトルz成分範囲−π/a及びπ/aに対してプロットされる。フォトニックバンドギャップは、影付き領域403及び404によって特定される。線405、406及び407は、第1、第2及び第3の角周波数バンド(j=1、2及び3)に対応する。第1のフォトニック結晶を構成する材料の誘電率間の相対差が、第2のフォトニック結晶を構成する材料の誘電率間の相対差よりも小さいため、図4Aのフォトニックバンドギャップ403の幅410は、図4Bのフォトニックバンドギャップ404の幅412よりも狭い。また、フォトニックバンドギャップ403は、フォトニックバンドギャップ404がカバーする周波数範囲よりも低い周波数範囲をカバーする。
【0038】
2次元フォトニック結晶は、誘電体スラブ内に製作される円柱状体の規則的な格子から構成され得る。その円柱状体は、空気穴、又はフォトニックスラブの誘電体材料とは異なる誘電体材料で満たされた穴とすることができる。図5は、2次元フォトニック結晶の斜視図である。図5では、フォトニック結晶500は、柱状体502のような、埋め込まれた円柱状体の規則的な格子を有する誘電体スラブ501から構成される。円柱状体は、円柱状体503によって示されるように、スラブ501の上側表面から下側表面まで延在し、空気、又はスラブ501の誘電率とは異なる誘電率を有する任意の他の材料で満たされた穴とすることができる。また、2次元フォトニック結晶は、気体又は液体によって取り囲まれる円柱状体の規則的な格子配列から構成され得る。図6は、円柱状体とは異なる誘電率を有する、気体又は液体のような流体によって取り囲まれる、円柱状体601のような固体円柱状体の規則的な正方格子を有する2次元フォトニック結晶600を示す。
【0039】
2次元フォトニック結晶は、フォトニック結晶の周期的な平面内を伝搬するERを偏光し、電場及び磁場は2つの異なる偏光、即ち(1)横電場「TE」モード、及び(2)横磁場「TM」モードに分類され得る。TEは、フォトニック結晶の周期的な平面に対して垂直に向けられる


及びフォトニック結晶の周期的な平面内に向けられる


を有し、一方、TMは、フォトニック結晶の周期的な平面に対して垂直に向けられる


及びフォトニック結晶の周期的な平面内に向けられる


を有する。図7A及び図7Bは、図5に示される2次元フォトニック結晶内のTEモード及びTMモードの伝搬を示す。フォトニック結晶500の周期的な平面はxy平面内にあり、円柱状体はz方向に平行であり、ERはフォトニック結晶500の中をy方向に伝搬する。図7Aにおいて、振動曲線701は、xy平面に対して垂直に向けられる


モードを表し、振動曲線702は、xy平面内に向けられる、直交する


モードを表す。図7Bにおいて、振動曲線703は、xy平面に対して垂直に向けられる


モードを表し、振動曲線704は、xy平面内に向けられる、直交する


モードを表す。
【0040】
図8は、図5に示されたフォトニック結晶内を伝搬するERのTMモード及びTEモードのフォトニックバンド構造を示す。図8では、縦軸801はフォトニック結晶500内を伝搬するERの角周波数を表し、横軸802は図5に示されるフォトニック結晶500のフォトニック結晶セグメント803内のΓ、M及びKを付される格子点間のER伝搬経路を表す。実線804のような実線はTMモードを表し、破線805のような破線はTEモードを表す。影付き領域806はフォトニックバンドギャップを特定し、そこでは、TEモード及びTMモードのいずれもフォトニック結晶500内を伝搬するのを許容されない。
【0041】
フォトニックバンドギャップ806のような、2次元フォトニック結晶スラブ内のフォトニックバンドギャップによりカバーされる周波数範囲及び幅は、格子定数aによって表される、円柱状体の周期的な間隔、及びスラブの誘電率と円柱状体の誘電率との間の相対的な差に依存する。また、フォトニックバンドギャップ806によりカバーされる周波数範囲は、スラブの誘電率と円柱状体の誘電率との間の相対的な差が大きくなると、高い方の周波数範囲にシフトすることができ、一方、フォトニックバンドギャップ806は、スラブの誘電率と円柱状体の誘電率との間の相対的な差が小さくなると、低い方の周波数範囲にシフトすることができる。
【0042】
電子ビーム、又は化学エッチングが後続するナノインプリントリソグラフィ、又は他の処理方法を用いて、適切な2次元の誘電体スラブ内に円柱状体を製造することができる。さらに、2次元のフォトニック結晶は、指定された周波数バンド内のERを反射するように設計され得る。結果として、2次元フォトニック結晶は周波数バンドストップフィルタとして設計及び製造されて、フォトニック結晶のフォトニックバンドギャップ内の周波数を有するERの伝搬を防ぐことができる。一般に、円柱状体のサイズ及び相対的な間隔は、ERのいずれかの波長が、2次元フォトニック結晶内を伝搬するのを禁止されるかを制御する。しかしながら、特定の局在化した光学部品を製造するために、円柱状体の格子内に欠陥を導入することができる。特に、「共振空胴」と呼ばれる点欠陥を製造して、ERの狭い範囲の周波数又は波長を一時的に閉じ込める共振器を提供することができる。「導波路」と呼ばれる線欠陥を製造して、フォトニックバンドギャップの周波数範囲内にある周波数範囲又は波長を有するERを伝送することができる。結果として、3次元フォトニック結晶スラブは、スラブの厚みに依存する屈折率nを有する2次元結晶と見なすことができる。
【0043】
図9は、2つの共振空胴及び1つの導波路を有するフォトニック結晶の一例を示す。共振空胴は、選択された円柱状体を省くか、そのサイズを大きくするか、又は小さくすることによって、2次元フォトニック結晶スラブ内に形成され得る。例えば、共振空胴901は、破線の円によって取り囲まれる空領域によって示されるように、円柱状体を省くことによって、フォトニック結晶900内に形成される。共振空胴901及び905は、フォトニックバンドギャップの周波数範囲内のERを一時的に閉じ込める、実質的に反射性の壁部によって取り囲まれる。共振空胴は、フォトニック結晶の平面に対して垂直な方向において、狭い周波数バンド内でERを伝えることができる。例えば、共振空胴901は、フォトニックバンドギャップの狭い周波数バンド内に、局在化したTMモード及びTEモードを閉じ込めることができる。フォトニック結晶900が、内部全反射を生み出す2つの反射板又は誘電体間に挟まれない限り、共振空胴901内で共振するERは、フォトニック結晶900の周期的な平面に対して垂直な方向に漏出することができる。各共振空胴は関連する「Q」(quality factor:Q因子)を有し、それは、共振空胴内で共振するERが共振空胴を取り囲む領域内に拡散する前に、空胴内でどれぐらいの振動が生じるかの尺度を与える。
【0044】
導波路は、フォトニック結晶内の第1の場所からフォトニック結晶内の第2の場所まで、フォトニックバンドギャップの特定の周波数範囲内のERを導くために使用され得る光伝送経路である。導波路は、円柱状体の列又は行内の特定の円柱状体の直径を変更することによって、又は円柱状体の行を省くことによって製造され得る。例えば、フォトニック結晶900では、誘電性導波路902は、破線903と904との間の空領域によって示されるように、フォトニック結晶900の製造中に円柱状体の行全体を省くことによって形成される。誘電性導波路902は、単一の経路に沿って、波長λ及びλを有するERを伝送する。分岐導波路のネットワークを用いて、フォトニック結晶を通じて、多数の異なる経路にERを導くことができる。導波路に沿って伝搬する光信号の直径は、□/3n程度に小さくすることができる。ただし、nは導波路の屈折率であり、一方、共振空胴の高調波モード体積は2(□/3n)程度に小さくすることができる。
【0045】
導波路及び共振空胴は、ERが導波路及び共振空胴を直接取り囲む領域内に漏出するのを防ぐ際に、決して100%有効でないことがある。例えば、導波路に沿って伝搬するフォトニックバンドギャップ内の周波数範囲内のERは、導波路を取り囲む領域内に拡散する傾向もある。導波路又は共振空胴を取り囲む領域に入るERは、振幅の指数関数的減衰を受け、過程は「エバネッセンス」と呼ばれる。結果として、導波路によって搬送されるERの或る特定の波長を共振空胴によって抽出することを可能にするするために、共振空胴を導波路から短い距離の範囲内に配置することができる。実際には、共振空胴は、導波路内を伝搬するERの或る特定の波長の部分を抽出するために使用され得るフィルタである。共振空胴のQ因子に応じて、抽出されたERは共振空胴内に閉じ込められたままになり、且つエバネッセンスにより周囲に消散するか、又は導波路内に後方散乱する前に或る時間にわたって共振することができる。例えば、図9では、共振空胴901は導波路902から、あまりにも離れて配置されているため、特定の波長を有するERのモードを抽出することはできない。しかしながら、共振空胴905は、導波路902に沿って伝搬する、波長λを有するERの部分を抽出することができる。従って、波長λを有するERのわずかな部分が残されて、波長λ及びλのERと共に導波路902内で伝搬することができる。
【0046】
図10は、図9に示されたフォトニック結晶の導波路に関する周波数対波数ベクトル(ベクトルk//)の大きさの仮想的なプロットである。図10では、影付き領域1001及び1002は、図9に示された、導波路902が存在しないフォトニック結晶900の突出した第1のバンド構造及び第2のバンド構造を表す。領域1003は、フォトニック結晶900によって生成されるフォトニックバンドギャップを特定する。線1004は、導波路902内を伝搬することを許容される周波数のバンドを特定する。導波路902内を伝搬することを許容される周波数バンドの数は、導波路902のサイズを大きくすることによって増やすことができる。
【0047】
3次元フォトニック結晶の場合、3次元格子パラメータ、誘電率間の差、及び包含物の寸法が、フォトニックバンドギャップの周波数範囲を決定する。また、或る特定の包含物を選択的に除去するか、又はその包含物の寸法を選択的に変更することによって、3次元フォトニック結晶内にも、導波路及び共振空胴を製造することができる。
【0048】
データの電磁放射内への符号化の概説
1ビットは、計算システムにおける情報の基本単位であり、「はい」及び「いいえ」、又は「オン」及び「オフ」のような2つの選択肢から選択することに等価である。1ビットの2つの状態は一般に、数字1又は0によって表される。電磁波の振幅、周波数又は位相を変調することによって、電磁波の中に情報を符号化することができる。その後、変調された電磁波を、光ファイバ内で、導波路内で、又は自由空間を通じて遠い距離にわたって伝送することができ、復調器によって復号化することができる。しかしながら、磁場の振幅は係数1/cだけ電場の振幅よりも小さいため、物質と大部分の電磁波との相互作用は、磁場成分ではなく電場成分から生じる。ただし、cは光の速度を表す。結果として、そして簡単にするために、電磁波を電場成分によって表すことができる。即ち、
E(z,t)=Ecos(zk−ωt)
ただし、電場はz方向に伝搬し、ωは角周波数であり、kは波数ベクトルω/cであり、tは時間であり、Eは振幅である。図11Aは、時間及び固定された観測点の関数としての電磁波のプロットである。図11Aでは、水平線1102は時間軸であり、垂直線1104は振幅Eであり、曲線1106は電場E(z,t)を表す。周期Tは、電磁信号が1サイクルを完了するのにかかる時間である。角周波数ωは2πυであり、ただしυは周波数、又は回数であり、電磁場は単位時間当たり1サイクルを完了する。
【0049】
振幅変調は、電磁信号の振幅の強度又は大きさを変更することによって情報を符号化するために使用される。図11Bは、ビット「0」及び「1」に関して振幅変調される電磁信号の符号化の一例を示す。図11Bでは、1ビットは信号の4つの連続したサイクルに対応する。この場合、小さな振幅1110を有するサイクル1108はビット「0」に対応し、相対的に大きな振幅1114を有するサイクル1112はビット「1」に対応する。周波数変調は、電磁信号の周波数を変更することによって情報を符号化するために使用される。図11Cは、ビット「0」及び「1」に関して周波数変調される電磁信号の符号化の一例を示す。図11Cでは、4つの連続したサイクル1116がビット「1」に対応し、2つの連続したサイクル1118がビット「0」に対応する。位相変調は、以下のように、電磁信号の位相をシフトすることによって情報を符号化するために使用される。即ち、
E(z,t)=Ecos(zk−ωt+φ)
ただし、φは位相シフトを表す。位相シフトは、電磁信号の波形のシフトに対応する。例えば、図11Dは、曲線1122の1/4サイクルの位相シフトを含む曲線1120を示す。図11Eは、ビット「0」及び「1」に関して位相変調される電磁信号の符号化の一例を示す。図11Eでは、サイクル1124はビット「1」に対応し、サイクル1126は、1/2サイクル位相シフトを含み、ビット「0」に対応する。
【0050】
本発明の実施形態
図12は、本発明の多数の実施形態のうちの1つを表す、フォトニック相互接続ベースの計算クラスタを示す。計算クラスタ1200は、グループ1201〜1204と、スイッチ機構1206と、クロックフレーム1208と、線1210のような分岐線によって表される分岐光伝送経路のツリーとから構成される。グループ1201〜1204はそれぞれ、図14に関連して以下で説明される1つ又は複数のノードから構成される。図12では、光信号源(図示せず)が、「周波数チャネル」と呼ばれる8つの別個の電磁波を含む光信号を生成し、各周波数チャネルは、λ、λ、λ、λ、λ、λ、λ及びλによって表される異なる波長を有する。光信号は、方向矢印1214によって特定される方向に、光伝送経路1212において計算クラスタ1200に入る。光伝送経路1212は、周波数チャネルの8つ全てをグループ1201〜1204に伝送する他の分岐光伝送経路に繋がる。その際、多数の周波数チャネルは、各グループのノードによってデータで符号化されることができ、スイッチ機構1206によって異なるノードに再分配され得る。クロックフレーム1208は、計算クラスタ1200を構成する部品の動作を同期させるために使用され得るクロック信号を提供する。
【0051】
光伝送経路は、光ファイバ、同軸ケーブル、フォトニック結晶内の導波路、又は光ファイバ、同軸ケーブル及び導波路の任意の組み合わせとすることができる。単一の光伝送経路が多数の別個の周波数チャネルを伝送することができ、周波数チャネルはそれぞれ1つの別個のバスを表す。図13A〜図13Cは、本発明の多数の実施形態のうちの1つを表す、計算クラスタの各グループに光信号を伝送及び分配するために使用され得る、2次元のフォトニック結晶ベースの相互接続内の導波路の例を示す。図13A〜図13Cにおいて、導波路は、図13Aに示された円柱状体1301のような円柱状体の格子内に配置される。円柱状体は、空気穴、又はフォトニック結晶スラブの誘電体材料とは異なる誘電体材料で満たされた穴とすることができる。2次元のフォトニック相互接続は、概ね数百ナノメートル以下の円柱状体直径及び格子定数を有することができる。円柱状体の直径及びパターン、並びに円柱状体内の誘電体材料又は円柱状体を取り囲む誘電体材料は、導波路に光信号を実質的に閉じ込めるフォトニックバンドギャップを形成するように選択され得る。図13Aは、図12の光伝送経路1212のような直線的な経路に沿って、周波数チャネルλ、λ、λ、λ、λ、λ、λ及びλを含む光信号を伝送するために使用され得る直線導波路を示す。図13Bは、図12の曲がった光伝送経路1220のような、光信号の経路を閉じ込めると共に、導くために使用され得る曲がった導波路を示す。図13Cは、グループ1201及び1202に同じ光信号を伝送する図12のY字形光伝送経路1222のような、同じ光信号を2つの異なる導波路に伝送するために使用され得るY字形導波路を示す。
【0052】
図12の光伝送経路によって伝送される周波数チャネルは、第1のセットの周波数チャネル及び第2のセットの周波数チャネルに分割される。第1のセットの周波数チャネルλ、λ、λ及びλは、データを符号化するためにグループ1201〜1204内のノードによって変調され、光伝送経路1216〜1219において、第2のセットの周波数チャネルλ、λ、λ及びλと共にスイッチ機構1206に伝送される。図14は、本発明の多数の実施形態のうちの1つを表すグループの一例を示す。図14では、グループ1400は4つのノード1401〜1404、及び1つの光伝送経路1406から構成される。各ノードは、プロセッサ、メモリ、コンピュータサーバ、ストレージサーバ、外部ネットワーク接続、データ伝送デバイス、或いはマイクロスケール又はナノスケールのいずれかの寸法を有する任意の電気回路、又は電気回路のモザイクとすることができる。光伝送経路1406は、周波数チャネルλ、λ、λ、λ、λ、λ、λ及びλを含む光信号をノード1401〜1404に伝送するフォトニック結晶内の導波路とすることができる。
【0053】
グループ1400内の各ノードは、下方への矢印1408〜1411によって表されるフォトニック結晶ベースのライタ(writer)の近くに配置され、ライタは、データを抽出し、そのデータを第1のセットの周波数チャネルのうちの特定の周波数チャネル内に符号化する。例えば、フォトニック結晶ベースのライタ1408は、周波数チャネルλを抽出し、ノード1401によって生成されるデータを周波数チャネルλ内に符号化して変調周波数チャネルλを入手し、その変調周波数チャネルλを導波路1406に挿入する。ただし、上付き文字gはグループを特定する。例えば、上付き文字gは、「0」、「1」、「2」又は「3」とすることができ、それを用いて図12に示されたグループが特定される。変調周波数チャネルλ、λ、λ及びλ並びに第2のセットの非変調周波数チャネルλ、λ、λ及びλは、導波路1406によって図12のスイッチ機構1206に伝えられる。
【0054】
各ノードは、上方への矢印1412〜1415によって特定されるフォトニック結晶ベースのリーダ(reader)の近くにも配置され、リーダは、周波数チャネル、バーλ、バーλ、バーλ及びバーλ内に符号化されるデータを抽出する。ただし、バーはスイッチ機構1206によってグループ1400に伝送される周波数チャネルを表し、周波数チャネルはそれぞれ、計算クラスタ1200内の異なるグループのノードによってデータで符号化されている。ノードがフォトニック結晶ベースのライタ及びリーダと通信するために、各ノードは、インターフェース1418のようなインターフェースを含み、インターフェースは、ノードの内部部品と、以下に説明される、対応する取り付けられたフォトニック結晶ベースのライタ及びリーダとの間で電気信号を伝えるマルチプレクサ/デマルチプレクサを含む。
【0055】
フォトニック結晶ベースのライタは、導波路によって伝送される特定の周波数チャネルを抽出し、抽出された周波数チャネルをノードによって導かれるように変調し、変調周波数チャネルを計算クラスタ内の他の場所にある異なるノードによって読み出されることになる導波路に挿入することによって、特定の周波数チャネル内にデータを符号化する。図15Aは、本発明の多数の実施形態のうちの1つを表す、光信号の特定の周波数チャネル内にデータを符号化するフォトニック結晶ベースのライタを示す。フォトニック結晶ベースのライタ1500は、データを周波数チャネルλ内に符号化する。ライタ1500は、ドロップフィルタ1502と、局部導波路1504と、変調器1506と、アドフィルタ1508と、導波路1406とを含む。ドロップフィルタ1502は、導波路1406からのエバネッセント結合を介して、周波数チャネルλを抽出すると共に閉じ込める共振空胴である。周波数チャネルλは、ドロップフィルタ1502から局部導波路1504の中にエバネッセント結合し、その後、局部導波路1504から変調器1506の中にエバネッセント結合する。変調器1506は、図16A〜図16Cに関連して以下で説明され、ノード1401によって受信される符号化命令に従って、周波数チャネルλを変調して、変調周波数チャネルλを生成する共振空胴である。アドフィルタ1508は、変調器1506からのエバネッセント結合を介して変調周波数チャネルλを受信し、変調周波数チャネルλを、エバネッセント結合を介して導波路1506に挿入する共振空胴である。
【0056】
フォトニック結晶ベースのリーダは、計算クラスタ内の異なるノードによって書き込まれると共に送出される特定の変調周波数チャネルを抽出する。図15Bは、本発明の多数の実施形態のうちの1つを表す、光信号の特定の周波数チャネル内に符号化されたデータを抽出するフォトニック結晶ベースのリーダを示す。フォトニック結晶ベースのリーダ1550は、符号化された周波数チャネル、バーλを抽出する。リーダ1550は、ドロップフィルタ1552及び検出器1554を含む。ドロップフィルタ1552は、導波路1406からのエバネッセント結合を介して、周波数チャネル、バーλを抽出すると共に閉じ込める。周波数チャネル、バーλはドロップフィルタ1552から復調器1554の中にエバネッセント結合する。復調器1554は、図16A〜図16Cに関連して以下で説明される共振空胴であり、変調周波数チャネル、バーλによって搬送されるデジタル情報を抽出する光検出器を含む。
【0057】
一般に、フォトニック結晶ベースのライタ及びフォトニック結晶ベースのリーダのドロップフィルタ及びアドフィルタは、導波路から出るエバネッセント場の範囲内に配置される。導波路に対するドロップフィルタ及びアドフィルタの両方の直径及び距離は、関連する共振空胴が導波路によって搬送される特定の波長のための共振器になるように選択され得る。例えば、図15A及び図15Bに示されるドロップフィルタ1502及び1552に関連する共振空胴はそれぞれ、周波数チャネルλ及びバーλを抽出すると共に閉じ込めるような寸法で形成され、導波路1406の近くに配置される。図15Aのアドフィルタ1508は、変調周波数チャネルλを導波路1406に挿入するような寸法で形成されて、導波路1406の近くに配置される。図15Aに示される局部導波路1504は、局部導波路1504によって伝送される周波数チャネルのかなりの部分が変調器1506の中に結合され得るように、変調器1506の近くに配置される。また、変調器1506はアドフィルタ1508と共に強い共振結合を生じさせるような寸法に形成されて配置され、その結果、アドフィルタ1508は変調周波数チャネルλを導波路1406に挿入することができる。フォトニック結晶スラブの誘電率、並びに各共振器空胴を取り囲む円柱状体の格子の間隔及び/又はサイズは、ドロップフィルタが或る特定の周波数チャネルのみを抽出することができるように選択され得る。導波路と、ドロップフィルタ及びアドフィルタとの間に強い結合を与えるために、共振空胴は、約1000以上のQ因子のような、高いQ因子で製造され得る。
【0058】
ドロップフィルタ及びアドフィルタは、フォトニック結晶内の種々の異なる欠陥を用いて製造され得る。図16Aは、本発明の多数の実施形態のうちの1つを表す、ドロップフィルタ又はアドフィルタのいずれかとして使用され得る共振空胴を示す。図16Aでは、共振空胴1602は、フォトニック結晶スラブ1604内の円柱状体の規則的な三角形パターン内の1つの円柱状体を省くことによって形成され得る。共振空胴1602の直径、並びに円柱状体1606のような共振空胴1602を取り囲む円柱状体のパターン及び直径は、特定の周波数チャネルが、周囲のフォトニック結晶スラブ1604の中にエバネッセント結合するのを実質的に防ぐように選択され得る。また、共振空胴は、周囲の円柱状体の直径とは異なる直径を有する円柱状体を用いて、及び/又は周囲の円柱状体の誘電体材料とは異なる誘電体材料で円柱状体を満たすことによって、製造され得る。フォトニック結晶スラブ1604は、ガラス基板1608の上に配置され、正にドープされた半導体層1610、半導体層1610の上に配置された絶縁層1612、及び絶縁層1612の上に配置される負にドープされた半導体層1614から構成される。層1614、1612及び1610は、「p−i−n」層と呼ばれる単層を構成する。p−i−n層のドーパント濃度は、Si、SiO、SiO、InGaAs又は任意の他の適切なドーパントの任意の組み合わせとすることができる。
【0059】
共振空胴において、種々の異なる材料から復調器及び変調器を製造することができる。図16Bは、本発明の多数の実施形態のうちの1つを表す、復調器/変調器の第1の構成を示す。復調器/変調器1616は、2つの電極1620と1622との間に挟まれた、共振空胴1602のような共振空胴を用いて製造され得る。電極1620は半導体層1610と接触しており、電極1622は半導体層1614と接触している。復調器/変調器1616が復調器として動作するために、電極1620及び1622は、共振空胴1602内で共振する周波数チャネルの強度、位相及び/又は振幅の変化によって生成される、変化する電流を収集する。変化する電流は、電極1620及び1622から、信号線(図示せず)を介して、図14のインターフェース1418のようなノードインターフェースに伝送され得るデータストリームを表す。復調器/変調器1616が、電極1620及び1622に印加される電圧を変更することによって変調器として動作することができるように、半導体層1610及び1614は異なるドーパント濃度又はドーパントタイプを有することができる。印加される電圧は、ノードインターフェースによって与えられ、周波数チャネルの位相及び/又は振幅を変更することによって、共振空胴1602内で共振する周波数チャネルが変調される。
【0060】
図16Cは、本発明の多数の実施形態のうちの1つを表す、復調器/変調器の第2の構成を示す。復調器/変調器1626は共振空胴1602と、いずれも共振空胴1602の下に配置される2つの電極1628及び1630とを含む。層1604は、図16Aに関連して上述されたp−i−n層から構成され得るか、又はニオブ酸リチウムLiNbOの単層のような単層から構成され得る。共振空胴1602内で共振する周波数チャネルの強度、位相及び/又は振幅の変化によって生成される、電極1628及び1630内の変化する電流を収集することによって、復調器/変調器1626は復調器として動作する。電極1628及び1630に印加される電圧を変更し、それにより、共振空胴1602内の誘電体材料の誘電率を変更し、共振空胴1602内で共振する周波数チャネルの位相及び/又は振幅の変化を引き起こすことによって、復調器/変調器1626は変調器として動作する。
【0061】
復調器電極検出器内の固有キャパシタンスは多くの場合に十分に低いので、「ジョンソン雑音」と呼ばれる、導体内の電子の熱運動によって生じる雑音に起因する電流の揺らぎをわずかにすることができる。結果として、光信号源に関連する統計値が、検出器からの出力に対応するシリアルデジタル信号に生じるビット誤り率(「BER」)を支配する。例えば、ビット当たり30光子を有する光信号のポアソン分布は、10−13未満のBERを達成するのに十分である。10〜100のQ因子を有する共振空胴内にドープされた領域を組み込むことによって、低減された吸収を補償することができる。インピーダンス整合のためにQ因子を適切に選択することにより、検出器の内部吸収損失に対する空胴の光入力損失は、検出効率を高めることができる。例えば、約50%の検出効率の上昇を達成することができる。
【0062】
電気光学技術を用いる共振空胴強化(「RCE:Resonant cavity enhanced」)変調器の設計にも同様の考えを適用することができる。約1000よりも大きいQ因子を有する共振空胴の場合、50%程度の高い変調深度を達成することができる。自由キャリアプラズマ屈折率の変化のような、他の物理的な効果を用いることもできるが、約300nmのギャップ間に約30mVの電位差をかけながら、電気光学変調を用いて、1kV/cmの電場を生成することができ、それは、多種多様な線形誘電体材料において0.001程度の大きな屈折率変化を引き起こすのに十分である。
【0063】
グループが、導波路によって伝送される周波数チャネルの半分内にデータを符号化した後に、図12のスイッチ機構1206が、符号化されてない周波数チャネルを用いて、計算クラスタ内の他のノードに向けられているデータを符号化する。図17は、本発明の多数の実施形態のうちの1つを表す、図12に示されたスイッチ機構1206の概略図を示す。スイッチ機構1206は、導波路1216〜1219内のそれぞれのグループ1201〜1204から伝送される変調及び非変調の周波数チャネルを受信する。上向きの矢印を有するボックスによって表される、フォトニック結晶ベースのリーダが、図15Bに関連して上述されたように、導波路1216〜1219において伝送される変調周波数チャネルを抽出する。フォトニック結晶ベースのリーダは、抽出された周波数チャネルを、連続する電気的なビットストリームに変換する。電子ベースのスイッチ機構1706が、そのビットストリームを、図12の計算クラスタ1200内のノードに送る。例えば、フォトニック結晶ベースのリーダ1701〜1704は、導波路1216から変調周波数チャネルλ、λ、λ及びλを抽出し、変調周波数チャネルを電子的な入力ビットストリームe、e、e及びeにそれぞれ変換する。入力ビットストリームe、e、e及びeは、信号線1705のような信号線において、電子ベーススイッチ機構1706まで伝えられ、そこで、ビットストリームは、図17及び図18に関連して後述されるように、分割され、組み立てられ、計算クラスタの特定のノードに送られる。出力ビットストリームe、e、e及びeは、電子ベーススイッチ機構1706によって出力される、組み立てられたビットストリームを表す。下向きの矢印を有するボックスによって表されるフォトニック結晶ベースのライタが、各導波路において伝送される非変調の周波数チャネルλ、λ、λ及びλを変調することによって、出力ビットストリーム内に情報を符号化する。例えば、フォトニック結晶ベースのライタ1707〜1710は、非変調の周波数チャネルλ、λ、λ及びλを変調して、変調周波数チャネルλ、λ、λ及びλをそれぞれ得ることによって、出力ビットストリームe、e、e及びeに含まれるデータを符号化する。変調周波数チャネルλ、λ、λ及びλは、導波路1216において、図12のグループ1201のノードに伝送される。
【0064】
図18は、本発明の多数の実施形態のうちの1つを表す、図17に示された電子ベーススイッチ機構1706の一具現化形態を示す。図18では、ビットストリームが、巡回置換ネットワーク1802に渡される。巡回置換ネットワーク1802は、図19A及び図19Bに関連して後述されるように、ビットストリームを仮想出力キューに分配するために使用される信号線のネットワークから構成される。仮想出力キュー1804のような仮想出力キューは、巡回置換ネットワーク1802から連続するビットストリームを受信し、連続するビットストリームを、パケットとして格納される並列ワードストリームに変換する。各パケットはグループ及びノードアドレスを含み、それにより、そのパケットを1つのノードに向けることが可能になる。巡回置換ネットワーク1806に伝送される連続するビットストリームを組み立てるために、各仮想キュー内の特定のパケットが多重化される。各仮想出力キューによって実行されるバッファリング及び多重化は、図19に関連して後述される。仮想出力キューからパケットが出力されるのに応じて、巡回置換ネットワーク1806は、組み立てられたビットストリームをグループ及びノードアドレスによって特定される適切なノードに送る。巡回置換ネットワーク1802及び1806並びに仮想出力キューの動作は、図12に関連して上述された、クロックフレーム1208によって与えられるクロック信号に従って同期する。
【0065】
図19Aは、本発明の多数の実施形態のうちの1つを表す、巡回置換ネットワークの一例を示す。巡回置換ネットワーク1900は、ビットストリームe、e、e及びeを受信する入力1901〜1904を含む。各入力は、信号線1905のような一組の4つの異なる信号線に接続され、それらの信号線は、同じ構成の4つのマルチプレクサ1906〜1909の全てに同じビットストリームを伝送する。一組の4つの異なる信号線内の各信号線は、入力アドレスの順に巡回置換シフトによってマルチプレクサ1906〜1909の異なる入力アドレスに接続される。例えば、ビットストリームeは、マルチプレクサ1906の第1の入力アドレス、マルチプレクサ1907の第2の入力アドレス、マルチプレクサ1908の第3の入力アドレス、及びマルチプレクサ1909の第4の入力アドレスに伝送される。クロック信号の各タイムスロットにおいて、特定の入力アドレスがマルチプレクサ1906〜1909に送られ、同じ入力アドレスにおいて入力されるビットストリームが出力される。例えば、マルチプレクサ1906〜1909の第1の入力アドレスのためのアドレスが、同じ時刻に各マルチプレクサに送られ、ビットストリームe、e、e及びeがそれぞれ、マルチプレクサ1906〜1909から同時に出力される。図19Bは、図19Aに示された巡回置換ネットワーク1900によって生成され得る4つの考えられる巡回置換出力を示す。巡回置換ネットワークは、4つの入力には限定されない。代替の実施形態において、巡回置換ネットワークは、M個の異なるビットストリームをM個の同じ構成のマルチプレクサに置換するように製造されることができ、各マルチプレクサはM個の異なる入力アドレスを有し、Mは任意の正の整数である。
【0066】
図20は、本発明の多数の実施形態のうちの1つを表す、1つの例示的な仮想出力キューの具現化形態を示す。図20では、仮想出力キュー2000は、方向矢印2002によって表される連続するビットストリームを受信する。コンバータ2004が、そのビットストリーム2002を、デマルチプレクサ2006に伝送されるパケットに分割する。また、コンバータ2004は、付加的なビットストリームの形態のアドレスを各パケットに割り当て、それにより、処理するために各パケットが送られるべきノード及びグループが特定される。デマルチプレクサ2006はパケットを受信し、各パケットに割り当てられるアドレスに従って、各パケットを仮想出力キューにバッファリングする。例えば、パケット2010のようなパケットが、バッファ2012内にバッファリングされ、各パケットは同じノード及びグループアドレスを有する。マルチプレクサ2014が、クロック信号のタイムスロット当たり1キューずつ、各仮想キューの中を循環し、同じノード及びグループアドレスを有するパケットをデキュー(dequeue:待機解除する)し、次いでデキューされたパケットをコンバータ2016に伝達する。コンバータ2016は、デキューされたパケットを、方向矢印2018によって表される連続するビットストリームへと組み立て、その連続するビットストリームを、アドレスによって特定される、処理するのに適したノード及びグループに伝える。
【0067】
本発明は特定の実施形態に関して説明されてきたが、本発明は、これらの実施形態に限定されることは意図していない。本発明の思想の範囲内にある変更が、当業者には明らかであろう。例えば、本発明の代替の実施形態では、代わりに、フォトニック相互接続シグナリングシステムを用いて、キュービット、キューディット又はキューニットのような、量子状態を操作する量子システムを実施することができる。本発明の代替の実施形態では、導波路によって伝送される光信号は量子情報を表すことができ、ノードインターフェースは、選択された光信号をナノスケール電子回路に経路指定することができるか、又は光信号をナノスケール電子回路に適した形態に変換することができる。本発明の代替の実施形態では、フォトニック相互接続ベースの計算クラスタは、電子スピンベースの半導体量子コンピュータの光パルス制御を用いる量子情報処理に使用され得る。半導体量子コンピュータでは、各キュービットは、単一電子又は量子ドットのスピン状態によって表され得る。量子ドットは、単一電子の存否を表す。量子ドットは、半導体、金属、原子又は分子のような、単一電子を検出することを可能にする任意の物質を用いて形成され得る。1キュービット及び2キュービットの論理演算は、特定の量子ドットに光制御パルスを加えることによって実施される。半導体量子コンピュータは、量子光学系及びスピントロニクスを組み合わせ、それは、レーザによって与えられる正確な制御、共振−蛍光測定の利用可能性、及び半導体内の電子の長いスピンコヒーレンス時間を含む。図12に示されたアーキテクチャのアプリケーションを、電子スピンベースの半導体量子コンピュータに適用して、レーザ制御パルスを送出することができ、ドロップフィルタが、図14のノードによって表されるターゲット量子ドットに適用するために、そのパルスを抽出する。結果として、ターゲット量子ドットは、キュービットに関する論理演算、又はそのキュービットと、隣接する量子ドット内のキュービットとの間の論理演算を実行することができる。
【0068】
上記の説明は、説明の目的上、本発明を完全に理解してもらうために、特定の用語を使用した。しかしながら、本発明を実施するために具体的な細部が不要であることは当業者には明らかであろう。本発明の特定の実施形態に関する上記の説明は、例示及び説明するために提示された。それらは、本発明を網羅的にすること、又は本発明を開示されたそのものずばりの形態に限定することは意図されていない。上記の教示に鑑みて、多数の修正形態及び変形形態が可能であることは明らかである。それらの実施形態は、本発明の原理及びその実際の応用形態を最もわかりやすく説明し、それによって当業者が、企図される特定の用途に適合するように様々な変更を加えて、本発明及び種々の実施形態を最大限に利用することを可能にするために図示及び説明される。本発明の範囲は、添付の特許請求の範囲及びその等価物によって規定されることが意図されている。
【図面の簡単な説明】
【0069】
【図1A】4ノードスイッチ機構アーキテクチャを表す図である。
【図1B】図1Aに示されたスイッチ機構の具現化形態の一例を示す図である。
【図2】1次元フォトニック結晶の一例を示す図である。
【図3】2次元フォトニック結晶の一例を示す図である。
【図4A】第1の1次元フォトニック結晶のための周波数対波数ベクトルz成分の仮想的なプロットである。
【図4B】第2の1次元フォトニック結晶のための周波数対波数ベクトルz成分の仮想的なプロットである。
【図5】2次元フォトニック結晶の斜視図である。
【図6】2次元フォトニック結晶の斜視図である。
【図7A】図5に示された2次元フォトニック結晶の横電場モードの伝搬を示す図である。
【図7B】図5に示された2次元フォトニック結晶の横磁場モードの伝搬を示す図である。
【図8】図5に示された2次元フォトニック結晶内を伝搬する横電場モード及び横磁場モードのフォトニックバンド構造を示す図である。
【図9】2つの共振空胴及び1つの導波路を有するフォトニック結晶の一例を示す図である。
【図10】図9に示されたフォトニック結晶の導波路のための周波数対波数ベクトルの大きさの仮想的なプロットである。
【図11A】電磁信号内に符号化されている情報の一例を示す図である。
【図11B】電磁信号内に符号化されている情報の一例を示す図である。
【図11C】電磁信号内に符号化されている情報の一例を示す図である。
【図11D】電磁信号内に符号化されている情報の一例を示す図である。
【図11E】電磁信号内に符号化されている情報の一例を示す図である。
【図12】本発明の多数の実施形態のうちの1つを表す、フォトニック相互接続ベースの計算クラスタを示す図である。
【図13A】本発明の多数の実施形態のうちの1つを表す、計算クラスタ内のノードの各グループに光信号を伝送及び分配するために使用され得るフォトニック結晶内の導波路の一例を示す図である。
【図13B】本発明の多数の実施形態のうちの1つを表す、計算クラスタ内のノードの各グループに光信号を伝送及び分配するために使用され得るフォトニック結晶内の導波路の例一例を示す図である。
【図13C】本発明の多数の実施形態のうちの1つを表す、計算クラスタ内のノードの各グループに光信号を伝送及び分配するために使用され得るフォトニック結晶内の導波路の一例を示す図である。
【図14】本発明の多数の実施形態のうちの1つを表す、ノードのグループの一例を示す図である。
【図15A】光信号の特定の周波数チャネル内にデータを符号化すると共に、本発明の多数の実施形態のうちの1つを表す、フォトニック結晶ベースのライタを示す図である。
【図15B】光信号の特定の周波数チャネル内に符号化されたデータを抽出すると共に、本発明の多数の実施形態のうちの1つを表す、フォトニック結晶ベースのリーダを示す図である。
【図16A】ドロップフィルタ又はアドフィルタのいずれかとして使用されることができ、本発明の多数の実施形態のうちの1つを表す、共振空胴を示す図である。
【図16B】本発明の多数の実施形態のうちの1つを表す、検出器/変調器の第1の構成を示す図である。
【図16C】本発明の多数の実施形態のうちの1つを表す、検出器/変調器の第2の構成を示す図である。
【図17】本発明の多数の実施形態のうちの1つを表す、図12に示されたスイッチ機構の概略図である。
【図18】本発明の多数の実施形態のうちの1つを表す、電子ベースのスイッチ機構の1つの例示的な具現化形態を示す図である。
【図19A】本発明の多数の実施形態のうちの1つを表す、巡回置換ネットワークの一例を示す図である。
【図19B】図19Aに示された巡回置換ネットワークによって生成されることができ、本発明の多数の実施形態のうちの1つを表す、4つの起こり得る巡回置換出力を示す図である。
【図20】本発明の多数の実施形態のうちの1つを表す、仮想的な仮想出力キューの一具現化形態を示す図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
光信号内の別個の周波数チャネルを一組のノード(1400)内の各ノード(1401〜1404)に伝送する1つ又は複数の光伝送経路(1210、1212、1216〜1219)を有するフォトニック相互接続(1200)と、
1つ又は複数のフォトニック相互接続ベースのライタ(1500)であって、各ライタが1つの特定のノードに関連付けられ、各ライタが前記ノードによって生成される情報を、前記別個の周波数チャネルのうちの1つの中に符号化する、1つ又は複数のフォトニック相互接続ベースのライタ(1500)と、
前記別個の周波数チャネル内に符号化されている前記情報を、前記計算クラスタ(1200)内の1つ又は複数のノード(1401〜1404)に送るスイッチ機構(1206、1706)と、
1つ又は複数のフォトニック相互接続ベースのリーダ(1550)であって、各リーダが1つの特定のノードに関連付けられ、各リーダが処理用のノードに向けられる、前記別個の周波数チャネル内に符号化された前記情報を抽出する、1つ又は複数のフォトニック相互接続ベースのリーダ(1550)とを含む、計算クラスタ。
【請求項2】
前記スイッチ機構(1206、1706)が、情報の連続するビットストリームを分配する1つ又は複数の巡回置換ネットワーク(1802、1806)と、情報のパケットを1つ又は複数のバッファ(2010)へのキューに入れる1つ又は複数の仮想出力キュー(1804、2000)とをさらに含む、請求項1に記載の計算クラスタ。
【請求項3】
前記ノード(1401〜1404)が、プロセッサ、メモリ、コンピュータサーバ、ストレージサーバ、外部ネットワーク接続、データ伝送デバイス、或いはマイクロスケール寸法又はナノスケール寸法を有する任意の電気回路又は電気回路のモザイクのうちのいずれか1つをさらに含む、請求項1に記載の計算クラスタ。
【請求項4】
前記フォトニック相互接続が、導波路、多数の別個の光ファイバ、又は自由空間を有する2次元フォトニック結晶をさらに含む、請求項1に記載の計算クラスタ。
【請求項5】
前記フォトニック相互接続ベースのライタ(1500)が、
前記光伝送経路(1406)から周波数チャネルを抽出するドロップフィルタ(1502)と、
前記ドロップフィルタから前記周波数チャネルを抽出すると共に前記周波数チャネルを伝送する局部導波路(1504)と、
前記局部導波路から前記周波数チャネルを抽出すると共に前記周波数チャネルを変調することによって変調周波数チャネルを生成する変調器(1506)と、
前記変調器から前記変調周波数チャネルを抽出すると共に、前記変調周波数チャネルを前記光伝送経路内に挿入するアドフィルタ(1508)とをさらに含む、請求項1に記載の計算クラスタ。
【請求項6】
前記フォトニック相互接続ベースのリーダが、
前記光伝送経路から周波数チャネルを抽出するドロップフィルタ(1552)と、
前記ドロップフィルタから前記周波数チャネルを抽出すると共に、前記周波数チャネル内に符号化された前記情報を復調する検出器(1554)とをさらに含む、請求項1に記載の計算クラスタ。
【請求項7】
それぞれ第1のセットの別個の周波数チャネル及び第2のセットの別個の周波数チャネルを伝送する1つ又は複数の光伝送経路(1210、1212、1216〜1219)であって、前記第1のセットの別個の周波数チャネルが計算クラスタ内のノード(1401〜1404)によって出力される情報を符号化する、1つ又は複数の光伝送経路(1210、1212、1216〜1219)と、
1つ又は複数のフォトニック相互接続ベースのリーダ(1550)であって、各リーダが、前記第1のセットの別個の周波数チャネル内の周波数チャネルを抽出すると共に、前記情報を1つ又は複数の電子入力ビットストリーム内に符号化する、1つ又は複数のフォトニック相互接続ベースのリーダ(1550)と、
前記電子入力ビットストリームを分割すると共に、電子出力ビットストリームに組み立てる電子ベーススイッチ機構(1206)であって、前記電子出力ビットストリームがそれぞれ、前記計算クラスタ内の特定のノードに送られる、電子ベーススイッチ機構(1206)と、
1つ又は複数のフォトニック相互接続ベースのライタ(1500)であって、それぞれが、前記電子出力ビットストリーム内に符号化された前記情報を、前記第2のセットの別個の周波数チャネル内の周波数チャネル内に符号化する、1つ又は複数のフォトニック相互接続ベースのライタ(1500)とを含む、スイッチ機構。
【請求項8】
前記スイッチ機構(1206、1706)が、情報の連続するビットストリームを分配する1つ又は複数の巡回置換ネットワーク(1802、1806)と、情報のパケットを1つ又は複数のバッファ(2010)へのキューに入れる1つ又は複数の仮想出力キュー(1804、2000)とをさらに含む、請求項7に記載のスイッチ機構。
【請求項9】
前記ノード(1401〜1404)が、プロセッサ、メモリ、コンピュータサーバ、ストレージサーバ、外部ネットワーク接続、データ伝送デバイス、或いはマイクロスケール寸法又はナノスケール寸法を有する任意の電気回路又は電気回路のモザイクのうちのいずれか1つをさらに含む、請求項7に記載のスイッチ機構。
【請求項10】
前記フォトニック相互接続が、導波路、多数の別個の光ファイバ、又は自由空間を有する2次元フォトニック結晶をさらに含む、請求項7に記載のスイッチ機構。

【図1A】
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【図1B】
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【図2】
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【図3】
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【図4A】
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【図4B】
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【図5】
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【図6】
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【図7A】
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【図7B】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11A】
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【図11B】
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【図11C】
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【図11D】
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【図11E】
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【図12】
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【図13A】
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【図13B】
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【図13C】
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【図14】
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【図15A】
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【図15B】
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【図16A】
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【図16B】
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【図16C】
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【図17】
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【図18】
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【図19A】
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【図19B】
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【図20】
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【公表番号】特表2009−524175(P2009−524175A)
【公表日】平成21年6月25日(2009.6.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−552379(P2008−552379)
【出願日】平成19年1月23日(2007.1.23)
【国際出願番号】PCT/US2007/001862
【国際公開番号】WO2007/087337
【国際公開日】平成19年8月2日(2007.8.2)
【出願人】(503003854)ヒューレット−パッカード デベロップメント カンパニー エル.ピー. (1,145)
【Fターム(参考)】