説明

計量ホッパのゲート開閉機構

【課題】 簡素な構成で、ゲートを閉状態に維持しつつ駆動源から計量ホッパのゲートに至る駆動力の伝達機構において計量ホッパ側と駆動源側とを分離することが可能な計量ホッパのゲート開閉機構を提供する。
【解決手段】 ホッパ本体40と、ゲート41と、支持体42と、揺動アーム43と、第1受動軸44及び第2受動軸45と、リンク機構46と、ローラ27と、を備え、ローラ27、第1受動軸44、及び第2受動軸45は、ローラ27が第1公転方向に公転したとき第1受動軸44に接触してこれを第1揺動方向に揺動させ、ローラ27が第2公転方向に公転したとき、第2受動軸45に接触してこれを第2揺動方向に揺動させかつゲート41が閉鎖すると第2受動軸45から離れるように構成されている計量ホッパのゲート開閉機構。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、計量ホッパのゲート開閉機構に関する。
【背景技術】
【0002】
計量ホッパは被計量物を保持及び排出するためのゲートを備えていて、このゲートは、ゲート駆動源によって駆動される。その一方、計量ホッパはその保持す被計量物を計量するために重量センサによって支持される。この被計量物の計量における風袋にゲート駆動源を含まないようにするために、一般的には、駆動源から計量ホッパのゲートに至る駆動力の伝達機構において、計量ホッパ側と駆動源側とが分離される。それ故、ゲートが閉鎖された状態において、ゲートには駆動源からの駆動力が作用しないので、別途、ゲートにこれを閉鎖するよう外力を加える必要がある。
【0003】
そこで、ゲートが閉鎖された状態において、スプリングによってゲートを閉鎖するように外力を加える計量装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
しかし、ホッパのゲート開閉装置にスプリングが設けられていると、食品がスプリングに溜まり易く、しかもこの溜まった食品を取り除くようスプリングを洗浄することが難しい。また、スプリングが疲労により破損して食品に混入する恐れがある。従って、食品衛生上問題がある。
【0005】
一方、駆動源から計量ホッパのゲートに至る駆動力の伝達機構に、トグル機構を設けたホッパのゲート開閉装置が知られている(例えば、特許文献2参照)。このゲート開閉装置では、ゲートが閉鎖された状態において、トグル機構によってゲートが閉状態に維持される。しかも、ゲートを閉鎖するのにスプリングを用いていないので、上述のスプリングに起因する食品衛生上の問題が生じない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2003―042830号公報
【特許文献2】特開平5―162787号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、特許文献2に記載されたホッパのゲート開閉機構は、駆動源から計量ホッパのゲートに至る駆動力の伝達機構における計量ホッパ側と駆動源側との分離位置に起因して、構成が複雑であった。
【0008】
本発明は、このような課題に鑑みてなされたもので、スプリングに起因して食品衛生上の問題が発生することなく、簡素な構成で、ゲートを閉状態に維持しつつ駆動源から計量ホッパのゲートに至る駆動力の伝達機構において計量ホッパ側と駆動源側とを分離することが可能な計量ホッパのゲート開閉機構を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するために、本発明に係る計量ホッパのゲート開閉機構は、底部に排出口を有するホッパ本体と、前記ホッパ本体に、その開放及び閉鎖により前記排出口をそれぞれ開放及び閉鎖するように設けられたゲートと、前記ホッパ本体に固定された支持体と、前記支持体に揺動可能に支持された揺動アームと、前記揺動アームに該揺動アームの揺動面に交差する方向に互いに平行に延びるように設けられた第1受動軸及び第2受動軸と、前記揺動アームの揺動により前記ゲートを開放及び閉鎖するように前記揺動アームと前記ゲートとを連結するリンク機構と、回転駆動源の出力軸に平行に延在し、前記出力軸の回転により該出力軸の中心軸の回りに公転するように前記出力軸に連結された円柱状の作動体と、を備え、前記作動体の所定の公転範囲内における第1公転方向及び該第1公転方向と逆の第2公転方向の公転により、前記第1受動軸及び第2受動軸が前記揺動アームと共にそれぞれ第1揺動方向及び該第1揺動方向と逆の第2揺動方向に揺動し、それによって前記ゲートがそれぞれ開放及び閉鎖するよう、前記作動体と前記第1受動軸及び第2受動軸とが配置されており、前記作動体、前記第1受動軸、及び前記第2受動軸は、前記作動体が前記第1公転方向に公転したとき前記第1受動軸に接触してこれを前記第1揺動方向に揺動させ、前記作動体が前記第2公転方向に公転したとき、前記第2受動軸に接触してこれを前記第2揺動方向に揺動させかつ前記ゲートが閉鎖すると前記第2受動軸から離れるように構成されている。
【0010】
この構成によれば、ゲートが閉鎖された状態では、作動体と第1及び第2受動軸とが非接触であるので、作動体と、第1及び第2受動軸との間で、重量センサに支持されるホッパと計量器の本体に支持される回転駆動源とを切り離すことができる。また、回転駆動源の回転駆動力を、作動体と第1及び第2受動軸との間で揺動駆動力に変換し、この揺動駆動力をリンク機構を介してゲートに伝達してゲートを開閉するよう構成されているので、ゲート開閉機構の構成が簡素化される。また、例えば、ゲートが自重により閉鎖するよう構成することにより、ゲートを閉状態に維持することができる。
【0011】
上記発明に係る計量ホッパのゲート開閉機構において、前記作動体の延在方向から見た前記第1受動軸と前記第2受動軸との間隔の前記揺動アームの揺動による変化を低減する機構を備えていてもよい。
【0012】
第1受動軸と第2受動軸とが固定されている場合、揺動アームの揺動に伴って作動体の延在方向から見た第1受動軸と第2受動軸との間隔が変化し、それが作動体の直径と等しくなると作動体が第1受動軸と第2受動軸とに挟まれて動かなくなるので、第1受動軸と第2受動軸との間隔を大きめに設計する必要がある。その結果、第1受動軸及び第2受動軸の作動体への追従性が悪くなる。しかし、このような構成とすると、第1受動軸と第2受動軸との間隔を小さく設計することができるので、第1受動軸及び第2受動軸の作動体への追従性を向上することができる。
【0013】
上記発明に係る計量ホッパのゲート開閉機構において、前記第2受動軸は前記第1受動軸の中心軸の回りに回動自在に前記揺動アームに設けられていてもよい。
【0014】
このような構成とすると、揺動アームが第1揺動方向に揺動しているとき第2受動軸は遠心力により揺動アームの先端方向に振られるので、第1受動軸と第2受動軸との間隔の揺動アームの揺動による変化を低減することができる。
【0015】
上記発明に係る計量ホッパのゲート開閉機構において、前記揺動アームが第1揺動アームと第2揺動アームとで構成され、前記第1揺動アームの先端部に前記第1受動軸が設けられ、前記第2揺動アームの先端部に前記第2受動軸が設けられ、前記第1揺動アームと前記第2アームとは平行リンクを構成するように設けられていてもよい。
【0016】
このような構成とすると、平行リンクを構成する一対の揺動アームにそれぞれ第1及び第2受動軸が設けられているので、第1受動軸と第2受動軸との間隔の揺動アームの揺動による変化を低減することができる。
【0017】
上記発明に係る計量ホッパのゲート開閉機構において、前記リンク機構は、前記揺動アームの前記第2揺動方向の揺動により死点を越えると前記ゲートを閉鎖しかつこれを維持するトグル機構を有しており、前記作動体及び前記第2受動軸は、前記作動体が前記第2公転方向に公転したとき、前記第2受動軸に接触してこれを前記第2揺動方向に揺動させかつ前記トグル機構が死点を越えると前記第2受動軸から離れるように構成されていてもよい。
【0018】
このような構成とすると、作動体の公転により、ゲートを開閉しかつトグル機構によりゲートの閉状態を維持することができる。
【0019】
上記発明に係る計量ホッパのゲート開閉機構において、前記ゲートは両開きのゲートであってもよい。
【0020】
上記発明に係る計量ホッパのゲート開閉機構において、前記作動体は、前記出力軸に平行な中心軸を中心に自転するローラであってもよい。この構成によれば、ローラが公転し第1受動軸又は第2受動軸と接触したときは、ローラの公転に伴って、接触している第1受動軸又は第2受動軸に沿ってローラが自転するので、滑らかに第1受動軸、第2受動軸及び揺動アームを揺動させることができる。
【発明の効果】
【0021】
本発明は以上に説明したように構成され、スプリングに起因して食品衛生上の問題が発生することなく、簡素な構成で、ゲートを閉鎖状態に維持しつつ駆動源から計量ホッパのゲートに至る駆動力の伝達機構において計量ホッパ側と駆動源側とを分離することが可能な計量ホッパのゲート開閉機構を提供できるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本発明の実施の形態1に係る計量ホッパのゲート開閉機構を備える組合せ秤の構成を模式的に表す図である。
【図2】図1の計量ホッパのゲート開閉機構の構成を示す斜視図である。
【図3】図1の計量ホッパのゲート開閉機構の構成を示す左側面図である。
【図4】図1の組合せ秤が備える支持駆動ユニットの構成を示す斜視図である。
【図5】図1の計量ホッパのゲート開閉機構の動作を概略的に示す図である。
【図6】本発明の実施の形態2に係る計量ホッパのゲート開閉機構の一部を示す斜視図である。
【図7】本発明の実施の形態3に係る計量ホッパのゲート開閉機構を示す左側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明に係る計量ホッパのゲート開閉機構、及びこの計量ホッパのゲート開閉機構が適用された組合せ計量器の実施の形態を、図面を参照しながら説明する。なお、以下では全ての図を通じて同一又は相当する要素には同じ参照符号を付して、その重複する説明を省略する。
【0024】
(実施の形態1)
[全体構成]
図1は、本発明の実施の形態1に係る計量ホッパのゲート開閉機構が組み込まれた組合せ秤の構成を模式的に表す図である。
【0025】
本実施の形態の計量ホッパのゲート開閉機構は、例えば、手動式、半自動式、又は自動式(全自動式)の組合せ秤に組み込んで用いられる。以下には、自動式の組合せ秤(以下、単に「組合せ秤」という)に組み込まれた場合を例示する。
【0026】
図1に示すように、本実施の形態に係る計量ホッパのゲート開閉機構が組み込まれた組合せ秤1は、該組合せ秤1の上部の中央に配置され、図示されない外部の供給装置から供給される被計量物を振動によって放射状に分散させる円錐状の分散フィーダ2と、分散フィーダ2の周囲に放射状に配置された複数のリニアフィーダ3と、それぞれのリニアフィーダ3の外周側端部の下方に設けられた上下一対の供給ホッパ4及び計量ホッパ5と、計量ホッパ5の下方に設けられた逆円錐形の集合シュート7と、を備えている。複数の供給ホッパ4及び複数の計量ホッパ5は、上方から見て円状に配置されている。また、組合せ秤1は、その中央部にセンター基体8を備えていて、このセンター基体8によって支持駆動ユニット6を介して供給ホッパ4及び計量ホッパ5が支持されている。また、分散フィーダ2、リニアフィーダ3もこのセンター基体8によって支持されている。センター基体8は図示されない脚部を介して床に支持されている。支持駆動ユニット6は、供給ホッパ4及び計量ホッパ5のそれぞれの底部に設けられたゲートを開閉駆動するよう構成されている。支持駆動ユニット6には重量センサが内蔵されていて、計量ホッパはこの重量センサによって支持されている。
【0027】
この構成により、組合せ秤1に送り込まれた被計量物は、分散フィーダ2によって複数のリニアフィーダ3に分散され、更にリニアフィーダ3によって、複数の供給ホッパ4にそれぞれ搬送される。各供給ホッパ4は、その下方に配置された計量ホッパ5が空になると、支持駆動ユニット6に駆動されてそのゲートが開放され、当該計量ホッパ5に被計量物を供給する。それぞれの計量ホッパ5に供給されかつ収容された被計量物の重量は、重量センサによって検出される。図示されない制御装置は、この検出されたそれぞれの計量ホッパ5の被計量物の重量の組合せ演算を行い、組合せ重量が所定の許容誤差範囲内で目標重量に最も近い重量となる最適組合せを求める。そして、最適組合せに係る被計量物が収容されている計量ホッパ5のゲートが支持駆動ユニット6によって開放され、集合シュート7にその被計量物が排出される。
【0028】
[計量ホッパのゲート開閉機構の構成]
図2は、本発明の実施の形態1に係る計量ホッパのゲート開閉機構の構成を示す斜視図である。図3は、計量ホッパ5の左側面図である。なお、図2では、ホッパ本体40及び支持板63、64を、破線で示し、これらの部材の奥に設けられている部材を実線で示している。また、図2では、便宜上、図1において列状に配置された複数の計量ホッパ5が成す円形状の中心から外周に向かう方向を前方向とする。
【0029】
図2に示すように、計量ホッパのゲート開閉機構100は、ホッパ本体40と、ゲート41と、支持体42と、揺動アーム43と、第1受動軸44と、第2受動軸45と、リンク部材(リンク機構)46と、ローラ(作動体)27と、を備えている。そして、ホッパ本体40とゲート41とが計量ホッパ5を構成している。なお、以下に説明する計量ホッパの形状は例示であり、これには限定されず、計量ホッパとして機能する形状であればよい。また、ローラ27は、後述する支持駆動ユニット6の説明の中で説明する。また、ホッパ本体40と、ゲート41と、支持体42と、揺動アーム43と、第1受動軸44と、第2受動軸45と、リンク部材46とは、後述するように互いに一体化されているので、この一体化されたものを、便宜上、計量ホッパユニット200と呼ぶ。
【0030】
ホッパ本体40は、例えば、上面及び底面(底部)が開口した断面略四角形状の筒状に形成された周壁50を有し、周壁50は、前壁部50a、後壁部50b、及び対向する一対の側壁部50c、50dからなる。周壁50の上面開口は四角形に形成されている。前壁部50aはこの上面開口の前辺位置から後方斜め下方に延びるように形成されている。後壁部50bはこの上面開口の後辺位置から鉛直下方に前壁部50aの途中の高さまで延びるように形成されている。一対の側壁部50c、50dは、この上面開口の一対の側辺位置から鉛直下方に延び、それぞれの前端及び後端がそれぞれ前壁部50a及び後壁部50bと稜部を形成し、かつ下端が前壁部50aの下端と後壁部50bの下端とを結ぶ直線状になるように形成されている。従って、底面開口は後方斜め下方を向いた四角形に形成されている。上述の上面開口は、被計量物をホッパ本体40内に投入する投入口51を構成している。また、底面開口は被計量物をホッパ本体40内から排出する排出口52を構成している。投入口51は、計量ホッパ5を支持駆動ユニット6に後述するように取り付けた状態において、略水平面内に延在する(鉛直上方を向く)ように形成されている。そして、排出口52は、計量ホッパ5を支持駆動ユニット6に後述するように取り付けた状態において、上述のように、後方斜め下方を向くように形成されている。
【0031】
ゲート41は、板状の底部41aと、この底部41aの一対の側端に互いに対向するように突設された一対の板状の側部41b、41cとを有する、断面凹形状に形成された薄肉板体である。底部41aは、ホッパ本体40の排出口52と略同一形状に形成され、排出口52全体を閉鎖可能に形成されている。ゲート41の一対の側部41b、41cの基端部(上端部)は、それぞれ、ホッパ本体40の側壁部50c、50dの後壁部50b下端に近い部分に、互いに共通の水平な中心軸101を有するように設けられた一対の第1支軸53A、53Bに揺動自在に取り付けられている。これによって、ゲート41を揺動させることにより、排出口52を開放及び閉鎖することができる。また、ゲート41により排出口52を閉鎖した状態においては、ゲート41は、ホッパ本体40の排出口52に沿って、ホッパ本体40の後壁部50bの下端から前壁部50aの下端に向かって前方斜め下方に延在する状態になる。
【0032】
図2及び図3に示すように、支持体42は、逆L字形に形成された互いに対向する一対の支持板63、64と、上側連結支持部材61と下側連結支持部材62とを有している。これら支持板63、64は、それぞれホッパ本体40の側壁部50c、50dと略平行に配置され、この支持板63、64の上部は、それぞれ側壁部50c、50dに固定されている。そして、これらの支持板63、64の下部は、互いに平行に設けられた棒状体である上側連結支持部材61及び下側連結支持部材62によって連結されている。なお、ホッパ本体40は、後述するように支持体42を介して支持駆動ユニット6に支持されるので、ホッパ本体40が支持体42に固定されているとも言える。
【0033】
揺動アーム43は、第1揺動アーム65と、第2揺動アーム66と、第3揺動アーム67とを有している。第1揺動アーム65及び第3揺動アーム67は、それぞれ側面視略I字状の薄肉板体であり、長手方向の寸法が略同一に形成されている。また、第2揺動アーム66は、側面視略L字状の薄肉板体である。
【0034】
第1揺動アーム65の基端部は、支持体42の支持板63の上端部に設けられた第2支軸54Aに、当該第2支軸54Aの中心軸の回りに回動自在に取り付けられている。第2揺動アーム66の基端部は、支持体42の支持板64の上端部に設けられた第2支軸54Bに、当該第2支軸54Bの中心軸の回りに回動自在に取り付けられている。第2支軸54A及び第2支軸54Bは、互いに共通の水平な中心軸102を有するように設けられている。第1揺動アーム65の先端部と第2揺動アーム66のL字形状の屈曲部とは第1受動軸44によって互いに固定的に連結されている。第1受動軸44は、本来、回転駆動源からの回転力を受けてこれを揺動力に変換する役割を果たすものであるので、第1受動軸44とは別の適宜な連結部材によって第1揺動アーム65と第2揺動アーム66とを連結してもよい。これにより、第1揺動アーム65と第2揺動アーム66とは一体的に、共通の水平な回転軸(中心軸102)の回りに揺動する。従って、第1揺動アーム65及び第2揺動アーム66の揺動面は鉛直な面である。第1受動軸44は、この揺動面に交差する方向に延設される。ここでは、第1受動軸44は、第2支軸54A及び第2支軸54Bの中心軸102に平行に延びる円柱状に形成されていて、この揺動面に直交する方向に延設されている。なお、ここでは、第1受動軸44は、第1揺動アーム65と第2揺動アーム66との双方に接続されているが、これに限られるものではなく、例えば第1揺動アーム65又は第2揺動アーム66のいずれか一方の揺動アームのみと接続されていてもよい。
【0035】
第3揺動アーム67の基端部は、支持板63に第2支軸54A、54Bの中心軸102と平行な中心軸を有するように設けられた第3支軸55に、当該中心軸の回りに回動自在に設けられている。この第3支軸55は、支持板63の第2支軸54に対し、後述するローラ27の延在方向と直交する方向に設けられている。そして、第1揺動アーム65の先端部と第3揺動アーム67の先端部とは、これらに回動自在な連結アーム68によって連結されている。また、この第1揺動アーム65の先端部の連結アーム68との連結点と第3揺動アーム67の先端部の連結アーム68との連結点とのピッチが第2支軸54と第3支軸55とのピッチに等しくなるように設計されている。これにより、第1揺動アーム65と第3揺動アーム67とによって平行リンクが構成されている。なお、ここでは、第1受動軸44の基端部及び第2受動軸45の基端部が、それぞれ、第1揺動アーム65の先端部及び第3揺動アーム67の先端部において連結アーム68を回動自在に支持する支持軸を構成している。
【0036】
第3揺動アーム67の先端部には、第2受動軸45が片持ち状に配設されている。第2受動軸45は、第1受動軸44と平行に延びる円柱状に形成されていて、その先端は自由端に形成されている。なお、第2受動軸45は、後述する所定のタイミングでローラ27と離隔するよう構成されていればよく、必ずしも先端を自由端にする必要はない。
【0037】
そして、後述するローラ27の延在方向から見た第1受動軸44と第2受動軸45との間隔は、ローラ27の径よりも若干大きく設計されている(図5(a)参照)。
【0038】
かくして、先端部に第1受動軸44が設けられている第1揺動アーム65と、先端部に第2受動軸45が設けられている第3揺動アーム67とは平行リンクを構成しているので、第1揺動アーム65を揺動させると、第1受動軸44と第2受動軸45とは、常時、同じ間隔及び姿勢を維持しながら揺動する。
【0039】
さらに、第2揺動アーム66の先端部は、リンク機構としてのリンク部材46を介して計量ホッパ5のゲート41に連結されている。具体的には、第2揺動アーム66の先端部には、第2支軸54A及び第2支軸54Bの中心軸102に平行な中心軸を有する第4支軸56が設けられている。一方、ゲート41の底部41aの基端部(上端部)の第2揺動アーム66に対応する側の外面には、連結部41dが突設されている。そして、この連結部41dの先端部に、第2揺動アーム66の第4支軸56の中心軸に平行な中心軸を有する第5支軸57が設けられている。そして、第2揺動アーム66の第4支軸56とゲート41の第5支軸57とに、リンク部材46の両端部がそれぞれ回動自在に取り付けられている。これにより、図5(a)〜図5(c)に示すように、第2揺動アーム66が上方に揺動(回動)すると、ゲート41の第5支軸57がリンク部材46に引かれて斜め上方に回動し、それにより、ゲート41が開放される。逆に、第2揺動アーム66が下方に揺動すると、ゲート41の第5支軸57がリンク部材46に押されて斜め下方に回動し、それにより、ゲート41が閉鎖される。
【0040】
さらに、このリンク機構(46)には、トグル機構が構成されている。図3を参照すると、具体的には、第3揺動アーム67がゲート41を閉鎖する過程において、第3揺動アーム67のリンク部材46への作用点である第4支軸56の中心軸が、第2揺動アーム66の揺動軸である第2支軸54Bの中心軸102とリンク部材46のゲート41への作用点である第5支軸57の中心軸とを結ぶ直線L1より若干手前(斜め上方)の第1所定位置に位置したとき、ゲート41が閉鎖され、かつ当該第4支軸56の中心軸がこの直線L1を若干越えて該直線L1より斜め下方の第2所定位置(図3に示す位置)に位置したとき、第2揺動アーム66が停止するように構成されている。さらに、このリンク機構(46)は、第4支軸56の中心軸がこの第2所定位置を越えて斜め下方に回動しないよう第2揺動アーム66の揺動(回動)を規制する揺動規制手段(図示せず)を有している。この構成によれば、第4支軸56の中心軸が直線L1上に位置したとき、ゲート41は、その回動方向において最もホッパ本体40側に位置する。従って、第2揺動アーム66がゲート41を閉鎖する行程において、ゲート41は、第4支軸56の中心軸が上記第1所定位置(図示せず)に位置した時点でホッパ本体40に当接し(完全に閉鎖され)、その後、第4支軸56の中心軸が直線L1上に位置するまで、無理矢理、ホッパ本体40に押し付けられる。その後、第4支軸56の中心軸が第2所定位置まで回動しても、このゲート41が押し付けられた状態がほぼ維持される。さらに、第4支軸56の中心軸が直線L1上に位置する点は、ゲート41に力を加えて第2揺動アーム66を動かす場合における死点(トグル機構における死点)であり、第4支軸56の中心軸の第2所定位置は、第3揺動アーム67がゲート41を閉鎖する行程において、この死点を越えた位置にある。それ故、ゲート41に該ゲート41が開く方向に力を加えると、第4支軸56の中心軸はこの死点には向かわず、逆にこの死点からさらに遠ざかる方向に第2揺動アーム66が揺動しようとする。しかし、この第2揺動アーム66の揺動は上述の揺動規制手段によって規制される。従って、ゲート41が閉鎖された状態においてゲート41に外力が作用しても、ゲート41は閉状態に維持される。それ故、第4支軸56の中心軸が上記所定位置に位置して第2揺動アーム66が停止した後、その駆動力が消滅しても、ゲート41が閉状態に維持される。このように、本実施の形態のリンク機構(46)にはトグル機構が構成されている。
【0041】
なお、上述の第1所定位置が上記直線L1上に位置するよう設計してもよい。また、ここでは、リンク機構は、単独のリンク部材46で構成されているが、これには限定されず、第2揺動アーム66の揺動によりゲート41を開放及び閉鎖するように、第2揺動アーム66とゲート41とを連結するものであればよい。
【0042】
また、以上の説明から明らかなように、ホッパ本体40と、ゲート41と、支持体42と、揺動アーム43と、第1受動軸44と、第2受動軸45と、リンク部材(リンク機構)46とは、一体化されて計量ホッパユニット200を構成している。
【0043】
[支持駆動ユニット]
図4は、支持駆動ユニット6の構成を示す斜視図である。
【0044】
図4に示すように、支持駆動ユニット6は、筐体20と、計量ホッパ駆動モーター23(回転駆動源)と、作動クランク24と、計量ホッパ5を支持するための一対の計量ホッパ支持具26、26と、ロードセルから構成される重量センサ(図示せず)とを備えている。
【0045】
筐体20は、組合せ秤1のセンター基体8に固定されている。この筐体20の前面の上部には、供給ホッパ取付部21が設けられており、供給ホッパ4を取り付けることができるようになっている。
【0046】
また、筐体20の内部には、計量ホッパ駆動モーター23が該筐体20に支持されて設けられている。計量ホッパ駆動モーター23は、例えば、ステッピングモータで構成されており、出力軸を正方向及び逆方向の両方向へ所定の範囲内において回動させ、かつ出力軸を任意の回転位置で停止させるよう、図示されない制御装置によって制御される。
【0047】
計量ホッパ駆動モーター23の出力軸は、筐体20の前面から突出していて、この出力軸に作動クランク24が設けられている。作動クランク24は、筐体20の前面の中程の高さ位置に設けられていて、この出力軸に取り付けられた連結アーム28と、この連結アーム28の先端に設けられたローラ27(作動体)とを有している。ローラ27は、計量ホッパ駆動モーター23の出力軸に平行に延在して設けられている。つまり、ローラ27は、計量ホッパ駆動モーター23の出力軸から偏心して設けられている。したがって、計量ホッパ駆動モーター23を作動させると、ローラ27は、計量ホッパ駆動モーター23の出力軸の中心軸の回りを所定の範囲内で公転する。さらに、ローラ27は、この出力軸に平行な自己の中心軸を中心に自在に自転するよう設けられている。なお、作動クランク24に代えて、例えば、上記ローラ27が偏心して設けられた円板を計量ホッパ駆動モーター23の出力軸に同軸状に設けてもよい。
【0048】
筐体20の両側面の下部には、一対の計量ホッパ支持具26、26が、該筐体20の前面より前方に突出するように設けられている。一対の計量ホッパ支持具26、26は、筐体20の前方から見て略L字状に形成された板部材で構成されており、それぞれの下側かつ内側の端部が筐体20の内部に収容されている重量センサ(図示せず)に支持されている。重量センサは、筐体20に支持されて固定されている。また、一対の計量ホッパ支持具26、26の前側の上端には、略U字状の切り欠部からなるU字溝26a、26aがそれぞれ形成され、それぞれのU字溝26a、26aの下方には、衝止部26b、26bがそれぞれ形成されている。一対の衝止部26b、26bは、一対の計量ホッパ支持具26、26の下側に前端から引っ込んで形成された鉛直な端面でそれぞれ構成されている。
【0049】
この構成により、計量ホッパユニット200の上側連結支持部材61を一対の計量ホッパ支持具26、26のU字溝26a、26aに架け渡して係合させると、計量ホッパユニット200は、自重により、上側連結支持部材61を中心に下方へ回動する。そして、計量ホッパユニット200の下側連結支持部材62が計量ホッパ支持具26、26の衝止部25b、25bに当接することによって、計量ホッパユニット200が計量ホッパ支持具26、26に懸架される。これにより、計量ホッパユニット200が支持駆動ユニット6に取り付けられる。一方、計量ホッパユニット200を一対の計量ホッパ支持具26、26のU字溝26a、26aに沿って持ち上げると、上側連結支持部材61とU字溝26a、26aとの係合が外れ、計量ホッパユニット200が支持駆動ユニット6から取り外される。
【0050】
このように、支持駆動ユニット6に対する計量ホッパ5の脱着作業を容易に行え、衛生管理が容易となる。
【0051】
そして、上側連結支持部材61及び下側連結支持部材62の長手方向の寸法は、それぞれU字溝26a、26aの間隔及び衝止部26b、26bの間隔と略一致するように形成されている。これによって、支持板63、64によって支持駆動ユニット6が挟持され、計量ホッパ5が上側連結支持部材61及び下側連結支持部材62の長手方向にずれて供給ホッパから供給される被計量物が計量ホッパ5の外にこぼれることを防ぐことができる。
【0052】
また、上述の構成により、計量ホッパユニット200と一対の計量ホッパ支持具26、26とが重量センサに支持されることとなり、重量センサは計量ホッパユニット200と、一対の計量ホッパ支持具26、26と、計量ホッパ5に収容された被計量物と合計重量を検出する。従って、計量ホッパユニット200と一対の計量ホッパ支持具26、26との合計重量が風袋重量となる。制御装置は、重量センサが検出する重量からこの風袋重量を減算して、計量ホッパ5に収容された被計量物の重量を算出する。
【0053】
また、この計量ホッパユニット200の一対の計量ホッパ支持具26、26への懸架により、計量ホッパユニット200が上述したような姿勢(ホッパ本体の40の上面開口が水平である等)に保持される。
【0054】
[ローラと第1及び第2受動軸との位置関係]
図5は、図1の計量ホッパのゲート開閉機構の動作を概略的に示す図であって、(a)はゲート41が閉鎖された状態を示す図、(b)はゲート41が開放されつつある状態を示す図、(c)はゲート41が開放(完全開放)された状態を示す図である。
【0055】
図2に示すように、支持駆動ユニット6は、ローラ27が揺動アーム43の第1受動軸44及び第2受動軸45と係合するように配置されている。この係合関係において、ローラ27の延在方向は、揺動アーム43の第1受動軸44及び第2受動軸45の延在方向と交差(ここでは直交)している。また、図2及び図5(a)に示すように、支持駆動ユニット6は、ゲート41が閉鎖された状態において、ローラ27の公転軌跡の内側に第1受動軸44が位置し、ローラ27の公転軌跡のすぐ外側に第2受動軸45が位置し、かつローラ27の公転中心軸が第2受動軸45よりも第1受動軸44に近く位置するように配置されている。
【0056】
そして、図5(a)〜図5(c)に示すように、ローラ27は、例えば、図5(a)に示す、ゲート41が閉鎖される公転位置(以下、閉鎖公転位置という)から図5(c)に示す、ゲート41が開放(完全開放)される公転位置(以下、開放公転位置という)に渡る公転範囲(所定の公転範囲)において公転するよう制御される。このローラ27の公転制御は、回転駆動源の回転を制御装置が制御することにより遂行される。
【0057】
以上の構成により、ローラ27が、上記所定の公転範囲内において、第1公転方向(例えば、回転駆動源の正方向に対応する公転方向)に公転すると、第1受動軸44及び第2受動軸45が揺動アーム43と共に第1揺動方向に揺動し、それによってゲート41が開放される。また、ローラ27が、上記所定の公転範囲内において、第1公転方向と逆の第2公転方向(例えば、回転駆動源の逆方向に対応する公転方向)に公転すると、第1受動軸44及び第2受動軸45が揺動アーム43と共に第1揺動方向と逆の第2揺動方向に揺動し、それによってゲート41が閉鎖される。
【0058】
さらに、ローラ27、第1受動軸44、及び第2受動軸45は、図5(a)から図5(c)への状態遷移に示すように、ローラ27が第1公転方向に公転したとき第1受動軸41に接触してこれを第1揺動方向に揺動させ、図示されていないが、ローラ27が第2公転方向に公転したとき、第2受動軸45に接触してこれを第2揺動方向に揺動させ、かつ、第2揺動アーム66の第4支軸56の中心軸が図5(a)に示す上述の第2所定位置に位置したとき、ローラ27が第2受動軸45から離れるように構成されている。なお、第2揺動アーム66の第4支軸56がこの第2所定位置に位置したとき、図5(a)に示すように、ゲート41は既に閉鎖されている。
【0059】
[ゲート開閉機構100の動作]
次に、以上のように構成されたゲート開閉機構100の動作例を説明する。
【0060】
今、ローラ27が、図5(a)に示すように閉鎖公転位置にあると仮定する。この状態においては、ゲート41は閉鎖されており、また、ローラ27が第1受動軸44よりも第2受動軸45に近く位置すると共に、第1受動軸44及び第2受動軸45から離れて位置している。
【0061】
この状態においては、第4支軸56の中心軸は、第2支軸54の中心軸と第5支軸57の中心軸を結ぶ線L1よりも斜め下方に位置し、リンク機構(リンク部材46)のトグル機構によって、トグルがかかった状態となっており、ゲート41がゲート41の自重及び計量ホッパ5内の被計量物の荷重によって開放されないようになっている。つまり、ゲート41の自重及び計量ホッパ5内の被計量物の荷重により、第5支軸57は、第1支軸53を中心とする円の接線方向(矢印Aが示す方向)に付勢されている。そして、この力は、第4支軸56の中心軸が第2支軸54Bの中心軸102の回りに上記第2所定位置からさらに斜め下方に回動するよう第2揺動アーム66を揺動させる力として働くが、リンク機構(46)の揺動規制手段により、第2揺動アーム66は揺動しない。したがって、ゲート41は閉鎖された状態に保持される。
【0062】
また、第1受動軸44及び第2受動軸45は、このゲート41が閉鎖された状態において、ローラ27と離れて位置しているので、計量ホッパユニット200が、計量ホッパ5のゲートの駆動系と分離され、既述のように、支持駆動ユニット6の重量センサによって計量ホッパ5に収容された被計量物の重量を検出することができる。
【0063】
次に、この状態から、図5(b)に示すように、ローラ27を第1公転方向へ公転させると、ローラ27の回動軌跡の内側に第1受動軸44が位置し、かつローラ27の回動軌跡のすぐ外側に第2受動軸45が位置しているので、ローラ27は、第1受動軸44と第2受動軸45との間に入り込み、第1受動軸44と当接して第1受動軸44を第1揺動方向へ揺動させる。つまり、計量ホッパ駆動モーター23の正方向への回転駆動力は、ローラ27と第1受動軸44との間で第1揺動方向への揺動駆動力に変換される。
【0064】
さらに、ローラ27の公転中心軸が第2受動軸45よりも第1受動軸44側に近く配置されているので、ローラ27の公転に伴って、ローラ27は、第1受動軸44と当接しながら自転し、第1受動軸44と第2受動軸45との間を第1受動軸44の長手方向の支持板63が設けられている方向へ相対移動する。
【0065】
一方、第1受動軸44が第1揺動方向に揺動すると、第1受動軸44と連結している第2揺動アーム66(揺動アーム43)は、第2支軸54B(54A)を中心に第1揺動方向に揺動し、第4支軸56を斜め上方に回動させる。これによって、トグル機構(46)が死点を超え、トグルがかからない状態となる。一方、第4支軸56が斜め上方に回動すると、リンク部材46がゲート41の第5支軸57を引き、ゲート41が開く。より詳しくは、第4支軸56の中心軸が上記第1所定位置まで回動した時点からゲート41が開き始める。さらに、この状態から、ローラ27を第1公転方向へ公転させると、第2揺動アーム66(揺動アーム43)がさらに第1揺動方向に揺動して第4支軸56がさらに斜め上方に回動する。これに伴って、リンク部材46がゲート41の第5支軸57をさらに引いてゲート41がさらに開放される。そして、図5(c)に示すように、ローラ27が開放公転位置に到達すると、ゲート41が完全に開放される。以上のローラ27の第1公転方向への公転に伴うゲート41の開放により、ホッパ本体40内の被計量物は、排出口52から集合シュート7へ排出される(図2参照)。
【0066】
次に、被計量物が排出されると、計量ホッパ駆動モーター23の出力軸が逆方向に回転されて、ローラ27が第2公転方向に公転される。これによって、ローラ27は、第1受動軸44と離れると共に、第2受動軸45と当接し、第2受動軸45を第2揺動方向に揺動させる。つまり、計量ホッパ駆動モーター23の逆方向への回転駆動力は、ローラ27と第2受動軸45との間で第2揺動方向への揺動駆動力に変換される。また、ローラ27の公転に伴って、ローラ27は、第2受動軸45と当接しながら自転し、第1受動軸44と第2受動軸45との間を第2受動軸45の自由端側へ相対移動する。
【0067】
一方、第2受動軸45が第2揺動方向に揺動すると、第2揺動アーム66(揺動アーム43)は、第2支軸54B(54A)の中心軸102の回りに第2揺動方向に揺動し、第4支軸56が斜め下方に回動する。これによって、リンク部材46に押されてゲート41が閉じる。
【0068】
やがて、第2揺動アーム66の第4支軸56の中心軸が上記第1所定位置まで回動すると、ゲート41が閉鎖される。さらに、第4支軸56の中心軸が上記直線L1上まで回動すると、トグル機構(46)が死点を超え、トグルがかかる状態となる。そして、さらに第4支軸56の中心軸が図5(a)に示す第2所定位置まで回動すると、ローラ27は、第2受動軸45の自由端を超えて、該第2受動軸45から離れる。これにより、第2揺動アーム66の第2揺動方向の揺動が停止する。また、第4支軸56の斜め下方への回動も停止する。
【0069】
その後、ローラ27は、さらに図5(a)に示す開放公転位置まで公転して、第2公転方向の公転を停止する、
この状態において、ゲート41は、トグル機構により閉状態が維持される。
【0070】
以上に説明したように、本実施の形態のゲート開閉機構100によれば、ゲート41が閉鎖された状態では、ローラ27と第1及び第2受動軸44、45とが離れるように構成されているので、計量ホッパユニット200とローラ27を含む駆動系とを切り離すことができる。その結果、計量精度を向上させることができる。
【0071】
また、ローラ27が第1受動軸44及び第2受動軸45を第1揺動方向又は第2揺動方向に揺動させているときは、ローラ27が第1受動軸44と第2受動軸45との間に位置し、しかも、ローラ27の延在方向から見た第1受動軸44と第2受動軸45との間隔が、第1受動軸44が設けられている第1揺動アーム65及び第2受動軸45が設けられている第3揺動アーム67によって構成される平行リンクによって略一定に保持されるように構成されているので、ローラ27の延在方向から見た第1受動軸44と第2受動軸45との間隔を予め大きめに設計する必要がなく、この間隔を小さく設計することができる。これによって、第1受動軸44及び第2受動軸45のローラ27への追従性を向上することができる。
【0072】
また、計量ホッパ駆動モーター23の正方向及び逆方向への回転駆動力を、ローラ27と第1及び第2受動軸44、45との間で第1揺動方向及び第2揺動方向への揺動駆動力に変換し、この揺動駆動力を、リンク機構(46)を介してゲート41に伝達してゲート41を開閉するよう構成されているので、ゲート開閉機構100の構成が簡素化される。
【0073】
また、ローラ27の公転により、ゲート41を開閉し、かつトグル機構によりゲート41の閉状態を維持するので、ゲート41の閉状態を維持するためのスプリングが不要となり、劣化により破損したスプリングが計量ホッパから脱落し被計量物の中に混入するような事故を未然に防ぐことができる。
【0074】
さらに、ローラ27は自転するので、ローラ27の公転に伴って、ローラ27が第1又は第2受動軸44、45に接触しながら自転し、滑らかに第1又は第2受動軸44、45及び揺動アーム43を揺動させることができる。
【0075】
(実施の形態2)
本発明の実施の形態2は、揺動アームの揺動時においてローラの延在方向から見た第1受動軸と第2受動軸との間隔を一定に保持する他の構成を例示するものである。
【0076】
図6は、本発明の実施の形態2に係る計量ホッパのゲート開閉機構の一部を示す斜視図である。
【0077】
本実施の形態の計量ホッパのゲート開閉機構は、揺動アームの揺動時においてローラの延在方向から見た第1受動軸と第2受動軸との間隔を一定に保持する構成のみが実施の形態1の計量ホッパのゲート開閉機構と相違し、その他は実施の形態1の計量ホッパのゲート開閉機構と同じである。以下、この相違点を説明する。
【0078】
図6に示すように、本実施の形態では、実施の形態1の第2揺動アーム66及び連結アーム68が省略されていて、その代わりに、連結部材166が設けられている。具体的には、本実施の形態では、第1揺動アーム65と第3揺動アーム67とで揺動アーム43が構成されている。そして、連結部材166の基端部(上端部)が第1受動軸44に該第1受動軸44の中心軸の回りに回動自在に取り付けられている。連結部材166の先端部(下端部)には、第2受動軸45が第1受動軸44と平行に延びるように片持ち状に取り付けられている。この構成により、第2受動軸45は、連結部材166を介して第1受動軸44の中心軸の回りに回動自在に第1受動軸44から垂下している。従って、第2支軸54、54を中心に揺動アーム43が第1揺動方向に揺動しているときは、第2受動軸45は、遠心力により揺動アーム43の第2支軸54、54から遠ざかる方向に振られ、第2受動軸45は、ローラ27と接触した状態を維持する。その結果、揺動アーム43の揺動に伴って生じるローラ27の延在方向から見た第1受動軸44と第2受動軸45との間隔の変化を低減することができる。このようにして、第2受動軸45のローラ27への追従性を向上することができる。
【0079】
(実施の形態3)
図7は、本発明の実施の形態3に係る計量ホッパのゲート開閉機構を示す左側面図である。上述の実施の形態1では、計量ホッパ5の底部にゲート41が1つ設けられている。しかし、本実施の形態では、計量ホッパ5の底部に第1ゲート41Aと第2ゲート41Bとの2つのゲートが設けられている。これ以外は、実施の形態1と同じである。
【0080】
具体的には、第1ゲート41Aは、実施の形態1のゲート41に相当する。そして、ホッパ本体40の両側壁の前部に一対の第6支軸153A、153B(第6支軸153Aは図示せず)が設けられていて、この一対の第6支軸153A、153Bに第2ゲート41Bの上端部が回動自在に取り付けられている。第1ゲート41Aの上端部と第2ゲート41Bの上端部とは、これらに回動自在な連結部材170によって互いに連結されている。連結部材170は、第1ゲート41Aが開くと連結部材170が第2ゲート41Bを押してこれを開き、第1ゲート41Aが閉じると連結部材170が第2ゲート41Bを引いてこれを閉じるような態様に設けられている。これにより、第3揺動アーム67の揺動に応じて、第1ゲート41Aと第2ゲート41Bとが同期して開閉する。
【0081】
<変形例>
実施の形態1乃至3において、揺動アーム43が鉛直な面内において揺動し、かつローラ27が水平方向に延在するように構成されているが、リンク機構を適宜構成することにより、揺動アーム43が所望の平面内において揺動し、かつローラ27が所望の方向に延在するように構成することができる。
【0082】
実施の形態1乃至3において、ゲート41(41A、41B)は揺動により開閉するよう構成されているが、ゲート41は、これには限定されず、ホッパ本体40の底部を如何なる態様で開閉するものでもよい。例えば、ホッパ本体40の底部を横方向に往復動する態様等が挙げられる。
【0083】
また、上記実施の形態1乃至3において、リンク機構(46)にトグル機構を備えたが、例えば、ゲート41が自重で閉じるよう構成することにより、トグル機構を省略してもよい。
【0084】
また、上記実施の形態1乃至3においては、第2受動軸45の先端を自由端とすることにより、揺動アーム43のゲート閉鎖動作において所定のタイミングでローラが第2受動軸と離隔するように構成したが、第2受動軸の態様は、これには限定されない。例えば、第2受動軸45を上記所定のタイミングに対応する位置でローラ27を逃がすよう屈曲させて形成したり、あるいは、第2受動軸45が上記所定のタイミングで軸方向に後退するように構成したりしてもよい。
【0085】
また、作動体の構成を簡略する場合には、自転自在なローラ27に代えて、円柱状の棒体で作動体を構成してもよい。
【符号の説明】
【0086】
1 組合せ秤
2 分散フィーダ
3 リニアフィーダ
4 供給ホッパ
5 計量ホッパ
6 支持駆動ユニット
7 集合シュート
8 センター基体
20 筐体
21 供給ホッパ取付部
23 計量ホッパ駆動モーター
24 作動クランク
26 計量ホッパ支持具
26a U字溝
26b 衝止部
27 ローラ
28 連結アーム
40 ホッパ本体
41 ゲート
42 支持体
43 揺動アーム
44 第1受動軸
45 第2受動軸
46 リンク部材
50 周壁
51 投入口
52 排出口
53 第1支軸
54 第2支軸
55 第3支軸
56 第4支軸
57 第5支軸
61 上側連結支持部材
62 下側連結支持部材
63 支持板
64 支持板
65 第1揺動アーム
66 第2揺動アーム
67 第3揺動アーム
68 連結アーム
100 ゲート開閉機構
101 中心軸
102 中心軸
200 計量ホッパユニット

【特許請求の範囲】
【請求項1】
底部に排出口を有するホッパ本体と、
前記ホッパ本体に、その開放及び閉鎖により前記排出口をそれぞれ開放及び閉鎖するように設けられたゲートと、
前記ホッパ本体に固定された支持体と、
前記支持体に揺動可能に支持された揺動アームと、
前記揺動アームに該揺動アームの揺動面に交差する方向に互いに平行に延びるように設けられた第1受動軸及び第2受動軸と、
前記揺動アームの揺動により前記ゲートを開放及び閉鎖するように前記揺動アームと前記ゲートとを連結するリンク機構と、
回転駆動源の出力軸に平行に延在し、前記出力軸の回転により該出力軸の中心軸の回りに公転するように前記出力軸に連結された円柱状の作動体と、を備え、
前記作動体の所定の公転範囲内における第1公転方向及び該第1公転方向と逆の第2公転方向の公転により、前記第1受動軸及び第2受動軸が前記揺動アームと共にそれぞれ第1揺動方向及び該第1揺動方向と逆の第2揺動方向に揺動し、それによって前記ゲートがそれぞれ開放及び閉鎖するよう、前記作動体と前記第1受動軸及び第2受動軸とが配置されており、
前記作動体、前記第1受動軸、及び前記第2受動軸は、前記作動体が前記第1公転方向に公転したとき前記第1受動軸に接触してこれを前記第1揺動方向に揺動させ、前記作動体が前記第2公転方向に公転したとき、前記第2受動軸に接触してこれを前記第2揺動方向に揺動させかつ前記ゲートが閉鎖すると前記第2受動軸から離れるように構成されている、計量ホッパのゲート開閉機構。
【請求項2】
前記作動体の延在方向から見た前記第1受動軸と前記第2受動軸との間隔の前記揺動アームの揺動による変化を低減する機構を備える、請求項1に記載の計量ホッパのゲート開閉機構。
【請求項3】
前記第2受動軸は前記第1受動軸の中心軸の回りに回動自在に前記揺動アームに設けられている、請求項2に記載の計量ホッパのゲート開閉機構。
【請求項4】
前記揺動アームが第1揺動アームと第2揺動アームとで構成され、前記第1揺動アームの先端部に前記第1受動軸が設けられ、前記第2揺動アームの先端部に前記第2受動軸が設けられ、前記第1揺動アームと前記第2アームとは平行リンクを構成するように設けられている、請求項2に記載の計量ホッパのゲート開閉機構。
【請求項5】
前記リンク機構は、前記揺動アームの前記第2揺動方向の揺動により死点を越えると前記ゲートを閉鎖しかつこれを維持するトグル機構を有しており、
前記作動体及び前記第2受動軸は、前記作動体が前記第2公転方向に公転したとき、前記第2受動軸に接触してこれを前記第2揺動方向に揺動させかつ前記トグル機構が死点を越えると前記第2受動軸から離れるように構成されている、請求項1に記載の計量ホッパのゲート開閉機構。
【請求項6】
前記ゲートは両開きのゲートである、請求項1に記載の計量ホッパのゲート開閉機構。
【請求項7】
前記作動体は、前記出力軸に平行な中心軸を中心に自転するローラである、請求項1に記載の計量ホッパのゲート開閉機構。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2011−7558(P2011−7558A)
【公開日】平成23年1月13日(2011.1.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−149887(P2009−149887)
【出願日】平成21年6月24日(2009.6.24)
【出願人】(000208444)大和製衡株式会社 (535)
【Fターム(参考)】