説明

計量付票貼付装置

【課題】トレーサビリティシステムにおいて割り当てられる商品識別番号のデータ量を削減し、履歴照会のために必要な情報管理負担を軽減するために有効な計量機を提供する。
【解決手段】計量ラベル貼付処理において、計量機41は、ステップS101にて読み取ったケースコードに、ステップS107での計量結果(重量)、ステップS108での算出結果(値段)、ステップS109で決定したラベルコード(商品識別情報)、ステップS110で印字されたラベル情報の内容などを順次対応付けしていった計量関係情報を作成し保存する。そして、計量機41は、商品の購入者からの商品履歴照会要求にもとづく本部サーバ10からのラベルコードを提示した要求に応じて、そのラベルコードを含む計量関連情報を本部サーバ10に送信する。よって、商品識別番号のデータ量を削減でき、履歴照会のために必要な情報管理負担を軽減させることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、商品を計量し該商品の包装に商品付票(ラベル)を貼付する計量付票貼付装置であって、トレーサビリティシステムにて利用可能な計量付票貼付装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、特定の野菜や食肉を購入した消費者等に対して、その野菜や食肉の生産・流通履歴をインターネットなどの通信ネットワークを介して提供するトレーサビリティシステムが利用されるようになってきている。
【0003】
トレーサビリティシステムでは、野菜や食肉などの商品が収容される例えばパック等の容器に貼付された商品付票に印字されたコード(ラベルコード)を検索キーとすることで、その商品の生産・流通履歴を検索し閲覧することが可能となる。
【0004】
従来から、商品を計量する機能に加えて、トレーサビリティシステムにて利用されるラベルコードをラベルに印字する機能を有する計量付票貼付装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0005】
【特許文献1】特開2005−202475号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上述した特許文献1に記載された従来の計量付票貼付装置では、日付や機物番号(計量機番号)などを列記することで商品識別番号(ラベルコード)を決定するようにしているため、ラベルコードの桁数が多くなり、トレーサビリティシステムにおける履歴照会のために必要な情報を管理する管理サーバにおける情報管理負担が膨大となるという問題があった。
【0007】
本発明は、上述した問題を解消し、トレーサビリティシステムにおいて商品を識別するために割り当てられる商品識別番号のデータ量を削減し、トレーサビリティシステムにおける履歴照会のために必要な情報を管理する管理サーバにおける情報管理負担を軽減するために有効に機能する計量付票貼付装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の計量付票貼付装置は、商品を計量し該商品の包装に商品付票を貼付する計量付票貼付装置(例えば計量機41)であって、各商品を一意に特定するための個品コードの取得要求を、該個品コードを管理する個品コード管理サーバ(例えば個品コード配布サーバ10)に対して、計量付票貼付装置を特定可能な装置番号(例えば計量機番号)を提示して行う個品コード要求手段(例えば個品コードリクエスト部412)と、個品コード管理サーバから通信ネットワークを介して個品コードを取得する個品コード取得手段(例えば、計量機41が備えるCPUやデータ通信部413)と、個品コード取得手段が取得した個品コードを、商品を一意に特定するための商品識別コード(例えばラベルコード)とすることに決定する商品識別コード決定手段(例えばラベルコード決定部418)と、商品識別コード決定手段が決定した商品識別コードが記された商品付票を商品の包装に貼付する商品付票貼付手段(例えばラベル貼付部420)と、商品識別コードと計量結果とを含む計量関連情報を記憶する計量関連情報記憶手段(例えば計量機DB424)と、個品コードと該個品コードの配布先の計量付票貼付装置を示す装置番号とを対応付けした個品コード配布先情報を管理する個品コード管理サーバからの商品識別コードを提示した履歴情報取得要求に応じて、当該商品識別コードを含む計量関連情報を個品コード管理サーバに対して通信ネットワークを介して提供する計量関連情報提供手段(例えば、計量機41が備えるCPUやデータ通信部413)とを備えたことを特徴とする。
【0009】
上記のように構成したことで、トレーサビリティシステムにおいて商品を識別するために割り当てられる商品識別コードのデータ量を削減することができ、トレーサビリティシステムにおける履歴照会のために必要な情報を管理する個品コード管理サーバにおける情報管理負担を軽減するために有効に機能する計量付票貼付装置を提供することができる。
【0010】
個品コード取得手段は、個品コード管理サーバから複数の個品コードをまとめて取得し、商品識別コード決定手段は、個品コード取得手段が取得した複数の個品コードのうち未使用の個品コードのいずれかを、商品を一意に特定するための商品識別コードとすることに決定することが望ましい。このように構成すれば、複数の同種の商品それぞれに対する商品識別コードの割り当てを迅速かつ円滑に行うことができる。
【0011】
商品とされる物品が収納されているケースに付されているケースコードを読み取るケースコード読取手段(例えばケースコード読取部411)と、商品の単価を含む商品情報の取得要求を、該商品情報を管理する商品情報サーバに対して、ケースコード読取手段が読み取ったケースコードを提示して行う商品情報要求手段(例えば商品マスタデータリクエスト部414)と、商品情報サーバから通信ネットワークを介して商品情報を取得する商品情報取得手段(例えば、計量機41が備えるCPUやデータ通信部413)と、商品情報取得手段が取得した商品情報が示す商品の単価と、該商品の計量結果とに応じて値段を算出する値段算出手段(例えば値段算出部417)とを備え、商品付票貼付手段は、値段算出手段が算出した値段が記された商品付票を商品の包装に貼付し、計量関連情報記憶手段は、値段算出手段が算出した値段を含む計量関連情報を記憶することが望ましい。このように構成すれば、トレーサビリティシステムにおける履歴照会のために必要な情報に値段を含めることができる。
【0012】
ケースコードは、例えば、商品とされる物品の生産情報(例えば、生産地、生産者など)を特定可能な生産コード(個体識別番号)である。
【0013】
商品は、例えば、食用動物(例えば、豚、牛、羊、鶏など)個体の部分肉が切り分けされた肉製品、複数の食用動物個体を含む精肉商品(例えば、ミンチ肉)、水産物(例えば、魚、貝など)が切り分けあるいは区分けされた水産物製品、青果物(例えば、野菜、果物)が切り分けあるいは区分けされた青果物製品、飲料が飲料容器に区分けされた飲料製品を含む。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、トレーサビリティシステムにおいて商品を識別するために割り当てられる商品識別番号のデータ量を削減することができ、トレーサビリティシステムにおける履歴照会のために必要な情報を管理する管理サーバにおける情報管理負担を軽減するために有効に機能する計量付票貼付装置を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、本発明の一実施の形態について図面を参照して説明する。
以下の説明においては、簡単のため、主として生豚個体の部分肉や、複数の生豚個体の部分肉が混合されたミンチ肉などの精肉商品を計量し、その部分肉や精肉商品にラベルコードを付与する場合について説明する。
【0016】
図1は、本発明の一実施の形態である計量機を含むコード管理システム100の構成の例を示すブロック図である。図1に示すように、コード管理システム100は、個品コード配布サーバ10と、商品マスタサーバ20と、店舗内計量機サーバ30と、計量機41〜4N(N:任意の正の整数)とを含む。
【0017】
個品コード配布サーバ10、商品マスタサーバ20、および店舗内計量機サーバ30は、それぞれ、例えばインターネットなどの通信ネットワーク50に接続されている。また、店舗内計量機サーバ30、及び計量機41〜4Nは、それぞれ、例えば店舗A内に配されている例えばLANなどの通信ネットワーク60に接続されている。
【0018】
なお、図1では、店舗A内に設置される店舗内計量機サーバ30と計量機41〜4Nが示されているが、店舗Aを含む複数の店舗を管理する店舗総括管理者によって管理されている他の店舗に設置された店舗内計量機サーバや計量機がコード管理システム100に含まれていてもよい。また、図1では、1つの商品マスタサーバ20が示されているが、多数の店舗総括管理者によってそれぞれ管理される複数の商品マスタサーバがコード管理システム100に含まれていてもよい。
【0019】
個品コード配布サーバ10、商品マスタサーバ20、および店舗内計量機サーバ30は、それぞれ、WWWサーバなどの情報処理装置によって構成される。
【0020】
個品コード配布サーバ10は、例えばコード管理システム100のシステム管理者によって管理される本部サーバであり、個品コードを配布する処理や、トレーサビリティシステムにおける履歴情報の提供処理などの各種の処理を実行する。
【0021】
商品マスタサーバ20は、例えば、店舗Aを含む複数の店舗を管理する店舗総括管理者によって管理され、管理下にある各店舗で販売される各商品に関する各種の商品情報を含む商品マスタが格納された商品マスタDB21を備えている。商品マスタには、例えば、各商品について、その商品が生産地から搬出される際のケースに付与されるケースコード、商品名、単価(単位重量あたりの値段、1個あたりの値段)、生産者、生産地などの各種の商品情報を含む。なお、商品マスタDB21は、商品マスタサーバ20の内部にあっても外部にあってもよい。
【0022】
店舗内計量機サーバ30は、例えば店舗Aを管理する店舗管理者によって管理され、通信ネットワーク60を介して各計量機41〜4Nと情報のやりとりを行うとともに、通信ネットワーク50を介して個品コード配布サーバ10や商品マスタサーバ20などと情報のやりとりを行う。
【0023】
各計量機41〜4Nは、それぞれ、例えば肉・野菜・魚・玉子などの商品の計量を行う機能の他、商品の計量の他、肉・野菜などを分割(切り分け、区分け)する機能、トレーサビリティシステムにおいて商品を識別するために割り当てられる商品識別番号(ラベルコード)を付したラベルを貼付する機能や、トレーサビリティシステムにおいて照会される履歴情報の一部を管理する機能等の各種の機能を有する。なお、各計量機41〜4Nは、同一の構成であるため、以下の説明においては主として計量機41について説明する。
【0024】
図2は、計量機41の構成の例を示すブロック図である。図2に示すように、計量機41は、ケースコード読取部411と、個品コードリクエスト部412と、データ通信部413と、商品マスタデータリクエスト部414と、物品分割部415と、物品計量部416と、値段算出部417と、ラベルコード決定部418と、ラベル印字部419と、ラベル貼付部420、包装処理部421と、データ入力部422と、データ表示部423と、計量機DB424とを含む。
【0025】
なお、計量機41が備える例えばROMなどの記憶媒体には、計量機41を構成する各部411〜423に各種の処理を実行させるための制御プログラムが格納されている。
【0026】
計量機41には、各種の処理を順次実行するために、処理対象の物品(商品)が搬送される搬送経路と、その搬送経路上を搬送するための搬送機構が備えられている。
【0027】
ケースコード読取部411は、食肉などの物品が店舗に搬入される際にその物品が収容されているケースに付されているコード(ケースコード)を読み取る機能を有する。具体的には、ケースコード読取部411は、ケースコードがバーコードによって記されている場合にはバーコードリーダによって構成され、ケースコードがRFID(Radio Frequency Identification)タグに記憶されている場合にはタグリーダによって構成される。
【0028】
個品コードリクエスト部412は、個品コード配布サーバ10に対して付与可能な個品コードをリクエストするための処理を行う。データ通信部413は、通信ネットワーク50,60を介して各種のデータのやりとりを行う機能を有する。
【0029】
商品マスタデータリクエスト部414は、商品マスタサーバ20に対して商品マスタが示す商品情報の一部または全部の提供をリクエストするための処理を行う。
【0030】
物品分割部415は、入荷した部分肉を切り分ける処理や、1または2以上の生肉個体の部分肉をミンチ肉等に精肉する精肉処理などを行う。なお、部分肉の切り分け等の分割作業や、ミンチ肉等に精肉する精肉作業は、店舗の担当者が行うようにしてもよい。この場合、物品分割部415を備える必要はない。
【0031】
物品計量部416は、商品が載置される載置台を有し、載置台に載置された商品を計量する処理を行う。載置台への載置は、商品を搬送する搬送機構によって自動的に行うようにしてもよいし、店舗の担当者が行うようにしてもよい。値段算出部417は、物品計量部416による計量結果にもとづいて、商品の値段を算出する処理を行う。
【0032】
ラベルコード決定部418は、ラベルに印字するコード(ラベルコード)を決定する処理を行う。ラベル印字部419は、印字ヘッドなどの印字機構を有し、ラベルコードを含むラベル情報をラベルに印字する処理を行う。なお、ラベルとしてICタグを用いる場合には、ラベル印字部419は、ICタグライタによって構成される。
【0033】
ラベル貼付部420は、ラベル情報が印字されたラベルを、商品を包装するための包装媒体(例えば、包装容器、包装用のカバー)に貼付する処理を行う。包装処理部421は、ラベルが貼付された包装媒体によって商品を包装する処理を行う。
【0034】
データ入力部422は、例えばキーボードなどの入力装置によって構成され、計量機41に各種の情報を入力する機能を有する。データ表示部423は、例えば液晶表示装置などの表示装置によって構成され、各種の情報を表示する機能を有する。
【0035】
計量機DB424は、例えばRAMなどの記憶媒体によって構成され、トレーサビリティシステムにおける履歴照会のために用いられる情報の一部である後述する計量関連情報(図5参照)などの各種の情報が記憶される。
【0036】
次に、本例のコード管理システム100の動作について説明する。
ここでは、店舗Aに搬入された物品が計量機41で処理されて商品単位毎に包装されるまでの処理について説明する。また、ここでは、説明を簡単にするため、生豚の部分肉Bを分割して計量し、ラベルコートを印字したラベルを包装に貼付する場合を例に説明することとし、本発明に特に関わる処理以外は、説明を省略している場合があるものとする。
【0037】
図3は、本例のコード管理システム100における計量ラベル貼付処理の例を示すフローチャートである。計量ラベル貼付処理において、先ず、ケースコード読取部411は、生豚の部分肉Bが収容されたケースに付されているケースコードを読み取り、読み取ったケースコードを計量機DB424に格納する(ステップS101)。ケースコードは、ここでは、該当する生豚の個体識別番号であるものとする。なお、ケースコード読取部411は、2以上のケースに収容されている複数種類の生豚の部分肉を使用する場合には、各ケースに付されているケースコードをそれぞれ読み取る。
【0038】
次いで、個品コードリクエスト部412は、個品コード配布サーバ10に対して、計量機41を一意に特定するための計量機番号を提示して、通信ネットワーク60、店舗内計量機サーバ30、及び通信ネットワーク50を介して、使用可能な個品コードの配布をリクエストする(ステップS102)。
【0039】
個品コード配布サーバ10は、計量機41からのリクエストを受けると、コード管理システム100において未だ使用されていない個品コードを所定数選択し、計量機41に対してまとめて送信する(ステップS103)。本例では、例えば20個の個品コードを選択して送信する。選択する個品コードの数は、例えば配布先となる計量機毎にあらかじめ定められている。なお、全ての計量機に対して同数の個品コードを配布するようにしてもよい。また、配布先となる計量機毎に定められている数は、定数であっても不定数であってもよい。不定数とする場合には、例えば、対象となる計量機の使用量(稼働率)に応じて、個品コードの数を決定するためのパラメータを変更するようにすればよい。
【0040】
個品コード配布サーバ10は、選択した個品コードを計量機41に対して配布するときに、例えば図4に示すような個品コード配布先情報を更新する。すなわち、配布した個品コードと、配布先の計量機41を特定するための計量機番号とを対応付けして、個品コード配布先情報として保存する。個品コード配布先情報は、個品コード配布サーバ10が備えるDBに格納されている。
【0041】
計量機41は、データ通信部413により、通信ネットワーク50、店舗内計量機サーバ30、通信ネットワーク60を介して、個品コード配布サーバ10からの所定数の未使用の個品コードを取得する。
【0042】
次いで、商品マスタデータリクエスト部414は、商品マスタサーバ20に対して、ステップS101にて読み取られたケースコードを提示して、通信ネットワーク60、店舗内計量機サーバ30、及び通信ネットワーク50を介して、ケースコードによって特定される商品についての特定商品情報をリクエストする(ステップS104)。特定商品情報は、商品マスタが示す商品情報に含まれる特定の情報を意味し、本例では、商品の単価と商品名とを含む情報とされているものとする。
【0043】
商品マスタサーバ20は、商品マスタデータリクエスト部414からのリクエストに応じて、商品マスタDB21に格納されている商品マスタから、受信したケースコードによって特定される商品についての特定商品情報を抽出し、計量機41に対して送信する(ステップS105)。
【0044】
計量機41は、データ通信部413により、通信ネットワーク50、店舗内計量機サーバ30、通信ネットワーク60を介して、商品マスタサーバ20からの特定商品情報を取得する。すなわち、ケースコードによって特定される部分肉Bの商品名や単価を含む特定商品情報を取得する。
【0045】
次いで、本例では、物品分割部415は、部分肉Bを切り分けて商品単位に分割する処理を行う(ステップS106)。
【0046】
商品単位に分割されると、物品計量部416は、商品単位の商品を計量し、その計量結果を該当するケースコードに対応付けして計量機DB424に格納する(ステップS107)。
【0047】
物品計量部416の計量結果と、取得している特定商品情報に含まれている商品単価とにもとづいて、値段算出部417は、計量された商品の値段を算出し、算出結果を該当するケースコードに対応付けして計量機DB424に格納する(ステップS108)。
【0048】
そして、ラベルコード決定部418は、個品コード配布サーバ10によって配布された複数の個品コードのうち、未だ使用していない個品コードのいずれかを処理対象となっている商品に割り当てることで、その商品に付与するラベルコードを決定する(ステップS109)。すなわち、個品コード配布サーバ10から取得した複数の個品コードのいずれかが、処理対象の商品に付与するラベルコードとなる。なお、ラベルコードの決定結果は、ラベルコード決定部418によって、該当するケースコードに対応付けして計量機DB424に格納される。
【0049】
ラベルコードを決定すると、ラベル印字部419がラベルコードなどのラベル情報をラベルに印字するとともに、ラベル情報が印字されたラベルをラベル貼付部420が包装媒体に貼り付ける(ステップS110)。
【0050】
ラベル情報には、例えば、ラベルコード、現在の日付や日時、商品名、商品の重量、商品の値段、店舗の名称、品質保証期限、賞味期限、生産地などの各種の情報が含まれる。
【0051】
そして、包装処理部421は、処理対象の商品をラベルが貼付された包装媒体によって包装する(ステップS111)。
【0052】
さらに、計量機41は、ラベルコード及び計量関連情報を、商品マスタサーバ20に対して送信する(ステップS112)。商品マスタサーバ20は、受信したラベルコード及び計量関連情報を保存する(ステップS113)。
【0053】
そして、商品単位とされた複数の商品のうちの1単位の商品についての包装までの処理を完了すると、計量機41は、処理対象の商品が残っていればステップS107に戻る(ステップS114)。ステップS107〜ステップS114の処理を繰り返し実行することで、商品単位とされた複数の商品の全てについて、計量から包装までの処理が完了する。
【0054】
なお、ステップS107〜ステップS112の処理を1商品毎に順次行うのでなく、ステップS107〜ステップS112の処理を各処理単位毎に順次行うようにしてもよい。すなわち、例えば商品Aの計量し、商品Bの計量と商品Aの値段算出を行い、商品Cの計量と商品Bの値段算出と商品Aのラベルコード決定を行うというようにしてもよい。複数の商品についての処理手順は、各商品の計量から包装までができるような手順であれば、どのように定められていてもよい。
【0055】
本例の計量機41は、上述した計量ラベル貼付処理において、ステップS101にて読み取ったケースコードに、ステップS107での計量結果(重量)、ステップS108での算出結果(値段)、ステップS109で決定したラベルコード、ステップS110で印字された例えば品質保証期限などのラベルコード以外のラベル情報の内容などを順次対応付けしていくことで、計量関係情報を作成する。よって、上述した計量ラベル貼付処理を実行することで、計量機DB424に格納されている例えば図5に示すような計量関連情報が作成される。
【0056】
なお、上述した計量ラベル貼付処理では、ケースに収容された物品を分割したあと計量などを行うこととしていたが、ケースに収容されている物品を分割することなく1個の商品として処理するようにしてもよい。
【0057】
また、上述した計量ラベル貼付処理では、あらかじめ定められた所定数の個品コードをまとめて配布し、物品が分割された各商品にラベルコードとして付与される構成としていたが、個品コードの数に対して分割した商品の数が少なかった場合には、使用しなかった個品コードを個品コード配布サーバ10に通知するようにしてもよい。このようにすれば、個品コード配布サーバ10にて使用しなかった個品コードを未使用の個品コードして取り扱うことができるようになるため、個品コードを無駄なく配布することができるようになる。なお、個品コードの数に対して分割した商品の数が多かった場合には、個品コード配布サーバ10に対して個品コードの追加配布を要求するようにすればよい。
【0058】
次に、トレーサビリティシステムにおける商品の履歴照会にもとづく履歴提供処理について説明する。
図6は、商品を購入した消費者に使用される消費者端末70を含む履歴照会システムの例を示すブロック図である。なお、図6において、図1に示したシステム100と同一のものについては、同一の符号を付与して詳細な説明は省略する。
【0059】
消費者端末70は、例えばパーソナルコンピュータや携帯情報端末などの情報処理装置によって構成され、通信ネットワーク50に接続するためのソフトウェア及びハードウェアを含む環境を備えているものとする。
【0060】
ここでは、商品Yを購入した消費者Xが、消費者端末70を用いて商品Yの履歴照会を要求した場合を例に説明する。
【0061】
先ず、消費者端末70は、消費者Xの操作に応じて、本部サーバ10にアクセスし、商品Yに貼付されているラベルに記されているラベルコードを提示する。
【0062】
本部サーバ10は、ラベルコードを提示した履歴照会要求を受けると、自己が備えるDBに格納されている個品コード配布先情報(図4)を参照し、提示されたラベルコート(個品コード)に対応付けされている配布先計量機番号を検索し、検索した配布先計量機番号から商品Yの計量等の処理を行った計量機を特定する。ここでは、計量機41が特定されたものとする。
【0063】
次いで、本部サーバ10は、特定した計量機41に対して、消費者端末70から提示されたラベルコードを提示して、計量関連情報の取得要求を行う。すると、計量機41は、本部サーバ10からの要求に応じて、提示されたラベルコードを含む計量関連情報を抽出し、本部サーバ10に対して送信する。
【0064】
本部サーバ10は、計量関連情報を受信すると、受信した計量関連情報に含まれているケースコード(個体識別番号)から、生産地や生産者等を含む生産情報を検索する。生産情報は、例えば、ケースコードに対応付けされて、本部サーバ10が備えるDBに格納されている。なお、生産情報が他のサーバによって管理されていてもよく、この場合には、本部サーバ10は、ケースコードをキーに生産情報を管理しているサーバに問い合わせ、そのサーバから商品Yについての生産情報を取得するようにすればよい。
【0065】
そして、本部サーバ10は、消費者端末70に対して、取得した計量関連情報が示す情報の一部または全部を流通履歴の一部または全部として提供し、取得した生産情報の一部または全部を生産履歴の一部または全部として提供する。
【0066】
なお、計量関連情報を本部サーバ10で保管することとし、履歴照会要求を受けた際の計量関連情報を計量機41から計量関連情報を取得するための処理を省略するようにしてもよい。
【0067】
以上に説明したように、上述した一実施の形態では、各商品を一意に特定するための個品コードの取得要求を、個品コードを管理する個品コード配布サーバ10に対して計量機番号を提示して行うことで、個品コード配布サーバ10から通信ネットワーク50,60を介して個品コードを取得し、取得した個品コードを処理対象となっている商品に付与するラベルコードすることに決定し、決定したラベルコードが記されたラベルを商品の包装に貼付し、さらに、ラベルコードを含む計量関連情報を記憶しておき、個品コードとその個品コードの配布先の計量機を示す計量機番号とを対応付けした個品コード配布先情報を管理する個品コード配布サーバ10からのラベルコードを提示した履歴情報の取得要求に応じて、そのラベルコードを含む計量関連情報を個品コード配布サーバ10に対して通信ネットワーク50,60を介して提供する構成としたので、トレーサビリティシステムにおいて商品を識別するために割り当てられるラベルコードのデータ量を大幅に削減することができ、トレーサビリティシステムにおける履歴照会のために必要な情報を管理する個品コード配布サーバ10における情報管理負担を軽減するために有効に機能する計量機41を提供することができる。
【0068】
すなわち、ラベルコードの桁数は、システム全体で取り扱われる商品の数を網羅できる桁数だけ用意されていれば足り、ラベルコードに、日付や個体識別番号などの情報を含める必要がないので、ラベルコードのデータ量を大幅に削減することができる。従って、ラベルコードを保存しておく記憶媒体の必要記憶容量を削減することができ、ラベルコードを通信ネットワーク上で伝送する際の処理負担や、ラベルコードをキーに検索する際の検索処理負荷を軽減させることができる。
【0069】
また、上述した一実施の形態では、個品コード配布サーバ10から複数の個品コードをまとめて取得し、取得した複数の個品コードのうち未使用の個品コードのいずれか処理対象となっている商品に付与するラベルコードすることに決定する構成としているので、複数の同種の商品それぞれに対するラベルコードの割り当てを迅速かつ円滑に行うことができる。
【0070】
また、上述した一実施の形態では、商品とされる物品が収納されているケースに付されているケースコードを読み取り、商品情報を管理する商品マスタサーバ20に対して、読み取ったケースコードを提示して特定商品情報の取得要求を行うことで、商品マスタサーバ20から通信ネットワーク50,60を介して特定商品情報を取得し、取得した特定商品情報が示す商品の単価と、その商品の計量結果とに応じて値段を算出し、算出した値段が記されたラベルを商品の包装に貼付し、算出した値段を含む計量関連情報を記憶する構成としたので、トレーサビリティシステムにおける履歴照会のために必要な情報に値段を含めることができる。
【0071】
なお、上述した一実施の形態では、主として生豚個体の部分肉や、複数の生豚個体の部分肉が混合されたミンチ肉などの精肉商品を計量し、その部分肉や精肉商品にラベルコードを付与する例について説明していたが、商品については、豚以外の他の食用動物(例えば、牛、羊、鶏、水産物(例えば、魚、貝など)など)が商品となる場合であってもよいし、卵や青果物(例えば、野菜、果物)などの他の食物が商品となる場合であっても適用することができる。例えば、商品が水産物である場合には、切り分けなどによって加工された魚や、所定個数あるいは所定重量毎に区分けされた魚や貝などの商品に、ラベルコードが付与されることになる。また、商品が青果物である場合には、切り分けなどによって加工された青果物(例えばカットフルーツ)や、所定個数あるいは所定重量毎に区分けされた青果物に、ラベルコードが付与されることになる。なお、飲料を商品とするようにしてもよく、この場合には、飲料が飲料容器(例えばボトル、パック)に区分けされた飲料製品(商品)に、ラベルコードが付与されることになる。
【0072】
また、上述した一実施の形態では、ケースコードが個体識別番号であるとしていたが、該当する商品の生産情報を特定可能なコードであれば、どのようなコードであってもよい。
【産業上の利用可能性】
【0073】
本発明によれば、トレーサビリティシステムにおいて商品を識別するために割り当てられる商品識別番号のデータ量を削減し、トレーサビリティシステムにおける履歴照会のために必要な情報を管理する管理サーバにおける情報管理負担を軽減するために有効に機能させるため、商品の計量などを行う計量機に適用するのに有用である。
【図面の簡単な説明】
【0074】
【図1】本発明の一実施の形態における計量機を含むコード管理システムの構成の例を示すブロック図である。
【図2】計量機の構成の例を示すブロック図である。
【図3】計量ラベル貼付処理の例を示すフローチャートである。
【図4】個品コード配布先情報の例を示す説明図である。
【図5】計量関連情報の例を示す説明図である。
【図6】商品を購入した消費者に使用される消費者端末を含む履歴照会システムの例を示すブロック図である。
【符号の説明】
【0075】
10 個品コード配布サーバ(本部サーバ)
20 商品マスタサーバ
21 商品マスタDB
30 店舗内計量機サーバ
41〜4N 計量機
50,60 通信ネットワーク
70 消費者端末
100 コード管理システム
411 ケースコード読取部
412 個品コードリクエスト部
413 データ通信部
414 商品マスタデータリクエスト部
415 物品分割部
416 物品計量部
417 値段算出部
418 ラベルコード決定部
419 ラベル印字部
420 ラベル貼付部
421 包装処理部
422 データ入力部
423 データ出力部
424 計量機DB

【特許請求の範囲】
【請求項1】
商品を計量し該商品の包装に商品付票を貼付する計量付票貼付装置であって、
各商品を一意に特定するための個品コードの取得要求を、該個品コードを管理する個品コード管理サーバに対して、計量付票貼付装置を特定可能な装置番号を提示して行う個品コード要求手段と、
前記個品コード管理サーバから通信ネットワークを介して個品コードを取得する個品コード取得手段と、
前記個品コード取得手段が取得した個品コードを、前記商品を一意に特定するための商品識別コードとすることに決定する商品識別コード決定手段と、
前記商品識別コード決定手段が決定した商品識別コードが記された商品付票を前記商品の包装に貼付する商品付票貼付手段と、
前記商品識別コードと計量結果とを含む計量関連情報を記憶する計量関連情報記憶手段と、
個品コードと該個品コードの配布先の計量付票貼付装置を示す装置番号とを対応付けした個品コード配布先情報を管理する前記個品コード管理サーバからの商品識別コードを提示した履歴情報取得要求に応じて、当該商品識別コードを含む計量関連情報を前記個品コード管理サーバに対して通信ネットワークを介して提供する計量関連情報提供手段とを備えた
ことを特徴とする計量付票貼付装置。
【請求項2】
個品コード取得手段は、個品コード管理サーバから複数の個品コードをまとめて取得し、
商品識別コード決定手段は、前記個品コード取得手段が取得した複数の個品コードのうち未使用の個品コードのいずれかを、商品を一意に特定するための商品識別コードとすることに決定する
請求項1記載の計量付票貼付装置。
【請求項3】
商品とされる物品が収納されているケースに付されているケースコードを読み取るケースコード読取手段と、
前記商品の単価を含む商品情報の取得要求を、該商品情報を管理する商品情報サーバに対して、前記ケースコード読取手段が読み取ったケースコードを提示して行う商品情報要求手段と、
前記商品情報サーバから通信ネットワークを介して商品情報を取得する商品情報取得手段と、
前記商品情報取得手段が取得した商品情報が示す前記商品の単価と、該商品の計量結果とに応じて値段を算出する値段算出手段とを備え、
商品付票貼付手段は、前記値段算出手段が算出した値段が記された商品付票を前記商品の包装に貼付し、
計量関連情報記憶手段は、前記値段算出手段が算出した値段を含む計量関連情報を記憶する
請求項1または請求項2記載の計量付票貼付装置。
【請求項4】
ケースコードは、商品とされる物品の生産情報を特定可能な生産コードである
請求項3記載の計量付票貼付装置。
【請求項5】
商品は、食用動物個体の部分肉が切り分けされた肉製品、複数の食用動物個体を含む精肉商品、水産物が切り分けあるいは区分けされた水産物製品、青果物が切り分けあるいは区分けされた青果物製品、飲料が飲料容器に区分けされた飲料製品を含む
請求項1から請求項4のうちいずれかに記載の計量付票貼付装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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