説明

計量分配装置

薬剤キャリヤ(2)と共に使用する計量分配装置(1)。薬剤キャリヤ(2)は、そこから取り出されうる少なくとも1つの薬剤製品(8)を含む。計量分配装置(1)は、本体(12)と、回収管路(18)と、計量分配開口(16)とを備える。本体(12)は、薬剤キャリヤ(2)を保持するための保持部(14)を含む。保持部(14)は、その上に保持された薬剤キャリヤ(2)から取り出された薬剤(8)を受けるように配置された少なくとも1つの入口開口(32)を含む。回収管路(18)は、少なくとも1つの入口開口(32)と少なくとも1つの計量分配開口(16)とを接続する。計量分配装置(1)は、その上の薬剤キャリヤ(2)から計量分配された薬剤(8)が、入口開口(32)を通り、薬剤がその管路から計量分配開口(16)を通って計量分配されうる回収管路内(18)に進むように構成される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、薬剤を薬剤キャリヤ(carrier)から計量分配するための計量分配装置に関し、特に、ブリスタ包装(blister pack)タイプの薬剤キャリヤと共に使用する計量分配装置に関する。
【背景技術】
【0002】
薬剤は、それが使用/服用されうる前に、ユーザが、そこから薬剤を取り外すかまたは取り出す必要がある多くのタイプの包装の中で供給されうる。
【0003】
一般的な薬剤キャリヤは、典型的には、一方の面上に隆起し、他方の面上にくぼみをもたらし、その中に薬剤が設置されうる複数のブリスタを含むように形成された形成層(formed layer)を備えるブリスタ包装である。したがって、ブリスタは、膜、典型的には箔で密封されるが、他の材料が使用されてよい。薬剤にアクセスするための1つの方法は、薬剤が、膜を破ってキャリヤの外に押し出されるように、ユーザが、隆起したブリスタに力を加えることである。
【0004】
そのようなキャリヤから薬剤を取り出すことは、あまり器用でないユーザにとって難しい可能性があり、薬剤は、必ずしも確実に所望の場所、例えばユーザの手の中に計量分配されるわけではない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、薬剤キャリヤと共に使用するための計量分配装置であって、薬剤キャリヤが、そこから取り出されうる少なくとも1つの薬剤製品を含み、計量分配装置が、本体(body)を含む第1の部材と、計量分配開口(dispensing aperture)を備える少なくとも1つの第2の部材とを備え、本体が薬剤キャリヤを保持するための保持部(holding portion)を含み、保持部が、その上に保持された薬剤キャリヤから取り出された薬剤を受けるように配置された少なくとも1つの入口開口(inlet aperture)を含み、計量分配装置が、少なくとも1つの入口開口と少なくとも1つの計量分配開口とを接続する回収管路(collecting conduit)を含み、計量分配装置が、その上の薬剤キャリヤから計量分配された薬剤が、入口開口を通り、薬剤が計量分配開口を通って計量分配されうる回収管路内に進むように構成され、第1の部材および少なくとも1つの第2の部材が、互いに滑動可能に結合され、薬剤キャリヤおよび計量分配開口のうちの少なくとも一方の少なくとも一部へのアクセスがほぼ妨げられうるか、もしくは薬剤キャリヤからの薬剤の取り出しがほぼ妨げられうる閉じられた相対配置(closed configuration)と、薬剤キャリヤおよび計量分配開口のうちの少なくとも一方へのアクセスもしくはキャリヤからの薬剤の取り出しが実質的にあまり妨げられない、計量分配するすなわち開かれた相対配置(open configuration)との間を移動可能である、計量分配装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
回収管路を含む計量分配装置を提供することで、ユーザが、薬剤を計量分配装置内に取り出し、次いで、要望時に薬剤を計量分配開口から計量分配することが可能になる。このことは、特に、2つ以上の薬剤が一度に計量分配されるべき場合、両者が回収管路内に回収され、要望時に計量分配開口から計量分配されうるので、薬剤を計量分配する、より便利な方法を提供する。
【0007】
薬剤キャリヤは、錠剤、カプセル、アンプルまたは他の適切な薬剤の形態など、多くの形態の薬剤を含むことができる。薬剤は、ユーザを治療するのに適した活性化合物を含んでよく、または治療実験のための偽薬のような薬剤に似るように形成されてよい。
【0008】
薬剤キャリヤは、単一の薬剤を含んでよく、または複数の薬剤を含むように適合されてよい。複数の薬剤が企図される場合は、薬剤キャリヤは、複数のほぼ同一の薬剤を含んでよく、または異なるタイプおよび/または形態の薬剤を含んでよい。
【0009】
一実施形態では、キャリヤは、単一のタイプの薬剤を複数含んでよい。計量分配装置は、異なるキャリヤ、もしくは異なる薬剤を含むキャリヤをそれぞれ保持することができる2つ以上の保持部を含むように適合されてよく、または1つまたは複数の保持部が、ほぼ同一のキャリヤ、もしくはほぼ同一の薬剤を含むキャリヤを含んでよい。
【0010】
計量分配装置は、種々の薬剤キャリヤと共に使用することを想定されるが、計量分配装置は、特に、ブリスタ包装タイプの薬剤キャリヤと共に使用することを企図される。
【0011】
ブリスタ包装タイプのキャリヤは、プラスチック材料および/または防湿(moisture barrier)材料からなる可能性がある形成層を備える。形成層は、形成層の一方の面上に隆起し、対向する面上にくぼみをもたらす、少なくとも1つのブリスタを含むように形成される。くぼみは、1つまたは複数の薬剤が、その中に設置されうる場所を提供する。それゆえ、ブリスタは、破ることができる膜で密封される。破ることができる膜は、箔、箔とプラスチックとの積層物または他の材料、例えば紙膜であってよい。薬剤にアクセスするために、ユーザは、力によって変形して内容物に接触し、破ることができる膜に内容物を押しつける隆起したブリスタに、直接的にまたは例えば機械的もしくは電気的な機構を使用して間接的に力を加える。十分な力が加えられると、膜が破れ、内容物が薬剤キャリヤから取り出される。
【0012】
薬剤キャリヤ、例えばブリスタ包装は、薬剤が取り出されうる複数の場所、例えばブリスタを含むことができる。複数の場所は、一直線、複数の直線、所定の型、または他の配列に配置されてよい。
【0013】
複数のそのような場所が含まれる一実施形態では、保持部は、複数の入口開口を含むことができる。各入口開口が、対応する型の中の単一の取り出し場所と対応するように配置されてよく、または単一の入口開口が、複数の取り出し場所と対応するように配置されてよい。
【0014】
閉じられた相対配置では、薬剤キャリヤおよび計量分配開口のうちの少なくとも一方の少なくとも一部へのアクセスがほぼ妨げられるか、または薬剤キャリヤからの薬剤の取り出しがほぼ妨げられる。開かれた相対配置では、薬剤キャリヤおよび計量分配開口のうちの少なくとも一方へのアクセス、またはキャリヤからの薬剤の取り出しが、実質的にあまり妨げられない。このことが、計量分配されるべき薬剤へのアクセスが実質的に妨げられなくなる前に、計量分配装置は、開かれた相対配置に移動されなければならないので、チャイルドレジスタント機構(child resistant feature)を提供することができる。
【0015】
そのような一実施形態では、第2の部材は、第1の部材の部分へのアクセスをほぼ妨げることによって、第1の部材のための蓋として働くことができる。
【0016】
第1および第2の部材は、少なくとも開かれた相対配置において、または閉じられた相対配置において、協働して回収管路を形成する。
【0017】
閉じられた相対配置にあるとき、第2の部材が、薬剤が回収管路内に取り出されることをほぼ妨げるので、保持部内の少なくとも1つの入口開口は、第2の部材によってほぼ遮断されうる。
【0018】
第1の部材および少なくとも1つの第2の部材は、計量分配装置が開かれた相対配置に移動されうる前に解除されなければならない、少なくとも1つの解除可能な留め具(catch)によって、閉じられた相対配置において解除可能に共に固定されうる。ユーザは、最初に留め具を解除し、次に計量分配装置を開かれた相対配置に移動させなければならないので、上記のことが、さらなるチャイルドプルーフ機構(child proof feature)を提供することができる。
【0019】
前記またはそれぞれの解除可能な留め具は、それぞれの留め具と対応づけられたボタンを使用して解除することができる。単一のボタンが、単一の留め具を解除することができ、または単一のボタンが、2つ以上、またはすべての留め具を解除することができる。ボタンは、単に、ユーザによって力が加えられると変形可能なボタン領域を含んでよい。解除可能な留め具は、一方の部材上にへこみを、他方の部材上に対応する突起を備えてよく、それらは、閉じられた位置において突起がへこみの中に付勢され、かつ、突起をへこみから移動させ、大した妨げなく部材間の移動を可能にするために閾値力(threshold force)が加えられなければならないように配置される。
【0020】
薬剤キャリヤは、ブリスタ包装が、それが空になると取り換え可能であり、計量分配装置が再利用できるように、保持部に解除可能に固定されてよく、または、ほぼ永久に保持部に固定されてよい。
【0021】
解除可能な固定は、任意の適切な方法によるものでよく、例えばブリスタ包装は、保持部内に配置された案内軌条の中で滑動されてよく、ブリスタ包装は、解除可能な接着剤、留め具または他の保持手段を使用して適所に保持されてよい。
【0022】
ブリスタ包装が保持部にほぼ永久に固定されるならば、接着剤が使用されてよく、キャリヤは、計量分配装置に溶着されるかさもなければ接着されてよい。ブリスタ包装は、適所に成型されてよく、または保持部と一体に成形されてよい。
【0023】
第1および第2の部材は、部材として説明されているが、それらは、共に結合された複数の部品から、または例えば単一の成形による単一の部品から作製されてよいことを理解されたい。
【0024】
回収管路は、薬剤が、計量分配開口を通って取り出される前に、一時的に蓄えられうる回収室を含んでよい。この回収室は、例えば計量分配装置が開かれた相対配置にあるときに計量分配開口がアクセス不能である場合に使用されてよい。
【0025】
本発明によって想定される計量分配装置の多くの配置が存在する。閉じられた相対配置では、ユーザは、ブリスタにアクセスし、薬剤を取り出し、薬剤を計量分配することができ、またはこれらの動作のうちの1つまたは複数が妨げられてよい。開かれた相対配置では、ユーザは、ブリスタにアクセスし、薬剤を取り出し、薬剤を計量分配することができ、またはこれらの動作の1つまたは複数が妨げられてよい。それゆえ、想定されうる計量分配動作の多くの組合せが存在し、それらのうちのいくつかは、付加的なチャイルドレジスタンス機構を提供することができる。
【0026】
また、本発明は、計量分配装置と、少なくとも1つの薬剤キャリヤとを備える薬剤キットを提供し、薬剤キャリヤは、少なくとも1つの薬剤と、上で説明されたような計量分配装置とを含む。
【0027】
本発明は、計量分配装置の保持部に取り付けられた薬剤キャリヤから薬剤を計量分配する方法であって、計量分配装置が、本体を含む第1の部材と、計量分配開口を備える少なくとも1つの第2の部材とを備え、本体が薬剤キャリヤを保持するための保持部を含み、保持部が、そこに保持された薬剤キャリヤから取り出された薬剤を受けるように配置された少なくとも1つの入口開口を含み、計量分配装置が、少なくとも1つの入口開口と少なくとも1つの計量分配開口とを接続する回収管路を含み、
a.薬剤キャリヤの少なくとも一部がユーザにアクセス可能であるように、計量分配装置を開かれた相対配置に配置するステップと、
b.薬剤キャリヤから薬剤を取り出し、薬剤が前記保持部内の入口開口を通過するように、薬剤キャリヤの一部に力を加えるステップと、
c.入口開口を通過した薬剤を捕らえて保有するために、回収管路を使用するステップと、
d.回収管路が遮断されないように、計量分配装置を閉じられた相対配置に配置するステップと、
e.回収管路からの薬剤が、計量分配開口から計量分配されるように、計量分配装置を操作するステップとを含む、方法をさらに提供する。
【0028】
計量分配装置を配置する1つまたは複数のステップは、計量分配装置の構造による、閉じられた相対配置と開かれた相対配置との間で、計量分配装置を移動させるステップを含んでよい。計量分配装置を配置する1つまたは複数のステップは、ユーザが、要部をより容易に目視しアクセスできるように、計量分配装置の向き(orientation)を変えるステップを含んでよい。計量分配装置を配置する1つまたは複数のステップは、単に、計量分配装置がすでに正しく構成され方向を合わされていることを確認するステップを含んでよい。
【0029】
本明細書を通して、および以下の特許請求の範囲の中で、文脈が他を必要としない場合は、単語「含む(comprise)」またはその変形、「含む(comprises)」および「含む(comprising)」などは、表明された1完全体(integer)もしくは1ステップ、または複数の完全体またはステップの群の包含を含意することを理解されたい。
【0030】
本発明は、以下の図面を参照し、単なる例としてより詳細に説明される。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】閉じられた相対配置における計量分配装置の一実施形態を示す図である。
【図2】部分的に開かれた相対配置における図1の計量分配装置を示す図である。
【図3】閉じられた相対配置における図1の計量分配装置を通る断面図である。
【図4】部分的に開かれた相対配置における図1の計量分配装置を通る断面図である。
【図5】閉じられた相対配置における計量分配装置の異なる一実施形態を示す図である。
【図6】部分的に開かれた相対配置における図5の計量分配装置を示す図である。
【図7】閉じられた相対配置における図5の計量分配装置を通る断面図である。
【図8】部分的に開かれた相対配置における図6の計量分配装置を通る断面図である。
【図9】閉じられた相対配置における計量分配装置の他の実施形態を通る断面図である。
【図10】開かれた相対配置における図9の計量分配装置を通る断面図である。
【図11】ブリスタ包装を通る断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0032】
図1は、閉じられた相対配置における計量分配装置1の一実施形態を示し、図2は、部分的に開かれた相対配置における図1の計量分配装置を示す。計量分配装置1は、それに取り付けられた薬剤キャリヤ2を有し、この場合は、薬剤キャリヤ2は、図11に示すようにブリスタ包装4である。
【0033】
ブリスタ包装4は、薬剤8が置かれた複数のブリスタ6を含むように形成された形成層を備える。ブリスタ6は、形成層の一方の面から隆起し、他方の面上にくぼみを形成する。くぼみは、破ることができる密封層10で密封される。薬剤8をブリスタ包装から取り出すために、ユーザは、薬剤8が密封層10を破って押し出されるようにブリスタ6を変形させる。
【0034】
計量分配装置1は、ブリスタ包装4が固定された一方の面上に保持部14を含む、本体12を備える。この場合、本体12は、ブリスタ包装4が固定された他方の面上に、別の保持部14を備える。
【0035】
本体12は、回収管路18(図3および図4を参照して詳細に説明される)の一部を備える。本体12は、計量分配装置1の第1の部材20を備える。
【0036】
計量分配装置1は、第1の部材20の上に滑動可能に取り付けられ、計量分配開口16を含む第2の部材22をさらに含む。この実施形態では、第2の部材22は、(図1に示すように)閉じられた相対配置において、本体の保持部14に適合する蓋を形成し、本体へのアクセスを防止する。第2の部材22は、閉じられた相対配置と開かれた相対配置との間を移動することができる。図2は、第2の部材22が閉じられた相対配置から滑動され、少なくともいくつかのブリスタ6へのアクセスが可能な、部分的に開かれた相対配置における計量分配装置1を示す。
【0037】
計量分配装置は、計量分配装置1の両側に、閉じられた相対配置において計量分配装置1を解除可能に留める留め具24を含む。留め具24は、第1の部材20および第2の部材22の上に、共働部品(cooperating parts)26、28を備える。留め具24は、この場合は第2の部材22に取り付けられているが、第1の部材20に取り付けられてよいボタン30によって解除される。ボタン30は、留め具24の共働部品26、28のうちの一方を形成する。
【0038】
図3および図4は、図1および図2に示す相対配置における計量分配装置を通る断面図を示す。保持部14は、入口開口32を含む。入口開口32は、各ブリスタ6と対応づけられる。入口開口32は、ブリスタ6から取り出された薬剤8が、入口開口を通って回収管路18の中に進むことができるように配置される。回収管路18は、薬剤8が重力で計量分配開口16に落下し、計量分配開口16から薬剤8が計量分配されうるように計量分配装置1が配置されるまで、薬剤8を回収して蓄える。図から理解されうるように、回収管路内の薬剤は、計量分配装置が図3に示すように閉じられた相対配置に配置されるときは、計量分配開口16を通ってのみ進むことができる。
【0039】
使用に当たって、ユーザは、ボタン30を押して留め具24を解除することによって、計量分配装置1を、閉じられた相対配置から開かれた相対配置、または少なくとも部分的に開かれた相対配置に移動させるであろう。次に、ユーザは、薬剤8が、破ることができる密封層10を破って押し出されるように、ブリスタ6を変形させるように力を加える。ブリスタ包装4は、ユーザがブリスタ6に力を加えるのを容易にするために、保持部14で支持される。
【0040】
薬剤8がブリスタ6から取り出されるとき、薬剤8は、入口開口32を通って回収管路18内に進む。ユーザは、2つ以上の薬剤8を回収管路18内に取り出すことができる。必要な数の薬剤8が、回収管路18内に取り出されてしまうと、ユーザは、計量分配装置1を閉じられた相対配置に移動させ、回収管路18内の薬剤8が計量分配開口16に落下するように計量分配装置1を傾ける。
【0041】
この実施形態では、計量分配開口16へのアクセスが、開かれた相対配置において第1の部材20と第2の部材22との相互作用によって制限されるので、薬剤8の計量分配を完了するために、薬剤8がブリスタ包装4から取り出されてしまった後、計量分配装置1は、閉じられた相対配置に戻されなければならない。
【0042】
図5および図6は、それぞれ、閉じられた相対配置および部分的に開かれた相対配置における計量分配装置101の、異なる実施形態を示す。多くの機構が、計量分配装置1と同様に機能し、同じ参照番号を与えられる。機構は異なるが同様に機能する場合は、機構は、100を足された同様の参照番号を与えられる。
【0043】
第1の部材120は、ブリスタ包装4が一方の側だけに固定された保持部114を有する本体112を備える。計量分配装置101は、2つの第2の部材122を含む。第2の部材122それぞれは、閉じられた位置において、2つの第2の部材122が協働して第1の部材120をほぼ取り囲み、それによりブリスタ包装4へのアクセスを防止するように、第1の部材120の対向する端部と滑動可能に結合される。
【0044】
計量分配装置101は、図1に示す計量分配装置1の実施形態を参照して説明されたボタンと同様のボタン30を含む。各ボタン30は、閉じられた相対配置において計量分配装置101を解除可能に留める留め具24と対応づけられる。
【0045】
図7および図8は、図5および図6に示す相対配置における計量分配装置を通る断面図を示す。図7に示すように、閉じられた相対配置において、第2の部材122は第1の部材をほぼ包含し、ブリスタ包装4へのアクセスを防止することが、明確に理解されうる。計量分配装置101が、図8に示すように、開かれるかまたは少なくとも部分的に開かれる相対配置に移動され終わると、ブリスタ6が、ユーザに対してアクセス可能になる。したがって、ユーザは、ブリスタに力を加えてブリスタ内の薬剤8を取り出すことができる。
【0046】
ブリスタ包装4から取り出された薬剤8は、対応づけられた入口開口32を貫通し、回収管路118に入る。しかし、薬剤は、第1の部材120の端壁40によって、第2の部材の中の計量分配開口16に到達できない。
【0047】
この実施形態の回収管路118は、第1の部材120の対向端部において端室(end chamber)42を含む。回収室42は、保持部112と端壁40との間に画定される。端室42は、閉じられた相対配置においてのみ計量分配開口16と整列する室の出口44を含む。また、本体122は、薬剤8が入口開口32から回収室42まで進むことを可能にする開口43を含む。
【0048】
したがって、使用に当たって、ユーザは、室の出口44と計量分配開口16とが整列され、薬剤が計量分配装置101から計量分配されうるように、計量分配装置101を開き、薬剤8をブリスタ包装4から回収管路内に取り出し、計量分配装置101かまたは計量分配装置101の少なくとも一方の側を閉じる必要がある。
【0049】
希望するならば、第1の部材120の端壁40の一方または両方がそれぞれ、1つまたは複数の開口を含むことができ、その開口を通して薬剤8が進むことができ、それにより計量分配装置101が、開かれた相対配置において計量分配することができることを理解されたい。
【0050】
図9および図10は、それぞれ、閉じられた相対配置および開かれた相対配置における計量分配装置201の他の実施形態を通る断面を示す。多くの機構が、計量分配装置1と同様に機能し、同じ参照番号を与えられる。機構は異なるが同様に機能する場合は、機構は、200を足された同様の参照番号を与えられる。
【0051】
この実施形態では、第2の部材222が、第1の部材220内に滑動可能に取り付けられるように配置される。第1の部材220は、ブリスタ包装4が取り付けられた保持部214を含む本体12を備える。保持部214は、ブリスタ包装4のブリスタ6に対応する一連の入口開口32を備える。
【0052】
第2の部材222は、第1の部材220内に取り付けられ、図10に示すような開かれた相対配置において入口開口32と整列され、ブリスタから取り出された薬剤が回収管路218内に、それゆえ開かれた相対配置においてのみアクセス可能な計量分配開口16に進むことを可能にする、一連の第2の開口50を備える。
【0053】
図9に示すような閉じられた相対配置では、第2の開口50は、一連の入口開口32と整列されない。それゆえ、第2の部材222は、入口開口32をほぼ遮断し、薬剤8が回収管路218内に取り出されることを防止する。
【0054】
この実施形態では、計量分配装置201は、閉じられた相対配置においてブリスタ6が変形された場合に、ブリスタ包装4の破ることができる層10が破れる前に、その層10が第2の部材222に接触するように配置される。この配置は、薬剤8が適切に取り出されるまでブリスタ6の周囲の密封を維持する。
【0055】
図11は、ブリスタ包装4の詳細な断面を示す。ブリスタ6、薬剤8および破ることができる密封層10を、容易に理解することができる。
【0056】
本発明は、単なる例として上で説明されたこと、および詳細な改変が、本特許請求の範囲から逸脱することなく作成されうることを理解されたい。
【符号の説明】
【0057】
1、101、201 計量分配装置
2 薬剤キャリヤ
4 ブリスタ包装
6 ブリスタ
8 薬剤
10 密封層
12 本体
14、114、214 保持部
16 計量分配開口
18、118、218 回収管路
20、120、220 第1の部材
22、122、222 第2の部材
24 留め具
26、28 共働部品
30 ボタン
32 入口開口
40 端壁
42 回収室
43 開口
44 室の出口
50 第2の開口

【特許請求の範囲】
【請求項1】
薬剤キャリヤと共に使用するための計量分配装置であって、前記薬剤キャリヤが、そこから取り出されうる少なくとも1つの薬剤製品を含み、前記計量分配装置が、本体を含む第1の部材と、計量分配開口を備える少なくとも1つの第2の部材とを備え、前記本体が薬剤キャリヤを保持するための保持部を含み、前記保持部が、その上に保持された薬剤キャリヤから取り出された薬剤を受けるように配置された少なくとも1つの入口開口を含み、前記計量分配装置が、前記少なくとも1つの入口開口と前記少なくとも1つの計量分配開口とを接続する回収管路を含み、前記計量分配装置が、その上の薬剤キャリヤから計量分配された薬剤が、前記入口開口を通り、薬剤がその管路から前記計量分配開口を通って計量分配されうる前記回収管路内に進むように構成され、前記第1の部材および前記少なくとも1つの第2の部材が、互いに滑動可能に結合され、前記薬剤キャリヤおよび前記計量分配開口のうちの少なくとも一方の少なくとも一部へのアクセスがほぼ妨げられうるか、もしくは前記薬剤キャリヤからの薬剤の取り出しがほぼ妨げられうる閉じられた相対配置と、前記薬剤キャリヤおよび前記計量分配開口のうちの少なくとも一方のへのアクセスもしくは前記キャリヤからの薬剤の取り出しが実質的にあまり妨げられない、計量分配するすなわち開かれた相対配置との間を移動可能である、計量分配装置。
【請求項2】
前記保持部が複数の入口開口を含む、請求項1に記載の計量分配装置。
【請求項3】
前記保持部内の少なくとも1つの入口開口が、前記閉じられた相対配置のとき、前記少なくとも1つの第2の部材によってほぼ遮断される、請求項1または2に記載の計量分配装置。
【請求項4】
前記入口開口と前記計量分配開口との間の前記回収管路を通る通路が、前記閉じられた相対配置のとき、ほぼ遮断される、請求項1または2に記載の計量分配装置。
【請求項5】
前記第1の部材および前記少なくとも1つの第2の部材が、前記計量分配装置を前記計量分配位置に移動させるために解除されなければならない少なくとも1つの留め具を使用して、前記閉じられた位置に共に解除可能に固定される、請求項1から4のいずれか1項に記載の計量分配装置。
【請求項6】
前記またはそれぞれの留め具が、それぞれの留め具に対応づけられたボタンを使用して解除可能である、請求項4に記載の計量分配装置。
【請求項7】
計量分配装置と少なくとも1つの薬剤キャリヤとを備える薬剤キットであって、前記薬剤キャリヤが、少なくとも1つの薬剤と、請求項1から6までのいずれか1項に記載の前記計量分配装置とを含む、薬剤キット。
【請求項8】
前記少なくとも1つの薬剤キャリヤがブリスタ包装である、請求項7に記載の薬剤キット。
【請求項9】
前記ブリスタ包装が複数のブリスタを備え、各ブリスタが薬剤を含む、請求項8に記載の薬剤キット。
【請求項10】
計量分配装置の保持部に取り付けられた薬剤キャリヤから薬剤を計量分配する方法であって、前記計量分配装置が、本体を含む第1の部材と、計量分配開口を備える少なくとも1つの第2の部材とを備え、前記本体が薬剤キャリヤを保持するための前記保持部を含み、前記保持部が、そこに保持された薬剤キャリヤから取り出された薬剤を受けるように配置された少なくとも1つの入口開口を含み、前記計量分配装置が、前記少なくとも1つの入口開口と前記少なくとも1つの計量分配開口とを接続する回収管路を含み、
a.前記薬剤キャリヤの少なくとも一部がユーザにアクセス可能であるように、前記計量分配装置を開かれた相対配置に配置するステップと、
b.前記薬剤キャリヤから薬剤を取り出し、前記薬剤が前記保持部内の入口開口を通過するように、前記薬剤キャリヤの一部に力を加えるステップと、
c.前記入口開口を通過した前記薬剤を捕らえて保有するために、前記回収管路を使用するステップと、
d.前記回収管路が遮断されないように、前記計量分配装置を前記閉じられた相対配置に配置するステップと、
e.前記回収管路からの前記薬剤が、前記計量分配開口から計量分配されるように、前記計量分配装置を操作するステップとを含む、方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公表番号】特表2012−502860(P2012−502860A)
【公表日】平成24年2月2日(2012.2.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−527946(P2011−527946)
【出願日】平成21年9月17日(2009.9.17)
【国際出願番号】PCT/US2009/057226
【国際公開番号】WO2010/033649
【国際公開日】平成22年3月25日(2010.3.25)
【出願人】(504389991)ノバルティス アーゲー (806)
【Fターム(参考)】