説明

計量投与弁を備えた放出装置

計量投与弁を備えた放出装置が提案される。計量投与弁は入口弁、計量室および出口弁を含む。計量室から多段階で液体を放出するために、使用者は、選択された放出状態で複数回、作動部材を押し下げ、そして解放することができ、ここで新たな液体による計量室の再充填が妨げられる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1の前文に記載されている、計量投与弁を備えた放出装置に関する。
【背景技術】
【0002】
本発明は、詳細には、液体製品が液化ガスまたは圧縮ガスで加圧され、または固形製品が液化ガス内で懸濁されている、加圧エアロゾルパック、容器等で使用される計量投与弁を備えた放出装置に関するが、そのようなパックに限定されるものではない。
【0003】
多くの加圧エアロゾルパックは、加圧リザーバ内の製品の単一投与量を正確に測定する計量投与弁を含む。そのような弁は、例えば、患者や動物に正確な量の薬剤を送達するための多くの用途に使用される。一般的に、どれ位の計量投与量が送達されるかを制御しない使用者により開けられる時に、計量投与弁は総投与量を分注する。殆どの場合、例えば医療吸引器の場合、計量投与量のそれ未満でもそれを超えるものでもない量を患者が受けることが重要であるので、これは弁の重要な側面である。一般的に、そのような計量投与弁は、開放位置に達する時にだけ停止する運動で、指圧によりアクチュエータを押し下げることで操作される。計量投与弁は、一般的にスプリングで付勢され、指圧が解放されると閉鎖位置に戻る。そのような計量投与弁の多くは入口弁内と出口弁内に、通常含まれる切断ガスケットを有する。入口弁は液体のあるキャニスタ液体リザーバを計量室に連結し、他方、出口弁は計量室を大気に連結する。
【0004】
使用者はこのような弁を操作するとき、2つの位置、すなわち、閉鎖位置と開放位置または第1位置と第2位置を認識するだけである。第1位置では入口弁は開き、出口弁は閉じる。第2位置では、入口弁は閉じ、出口弁は開く。第1位置では、計量室は液体を充填した状態にて維持され且つ大気から密閉され、そして、第2位置では、計量室を液体加圧キャニスタまたはリザーバから密閉した状態で、計量室の内容物を大気内に流入させる。
【0005】
第1位置から第2位置、および第2位置から第1位置への移動の途中で、中間位置を通過するが、使用者は、このことについての知識はない。入口弁と出口弁の両方が閉じる中間位置があることを、使用者は認識していないのである。これは、製品即ち液体を正確に計量するためには、出口弁が開く前に入口弁を閉じなくてはならないということである。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の課題は、2回以上のステップまたは操作で、一回分の計量投与液を放出でき、特に、放出を中断したり継続したりすることが可能な放出装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題は請求項1による放出装置により達成される。好ましい実施形態は従属請求項の主題である。
【0008】
本発明の基本的思想は、入口弁と出口弁が閉じられるように、弁要素の中間位置が選択できることである。第2位置と中間位置との間で弁要素を移動、または作動させ、詳細には、関連する作動部材等を押し下げ、解放することにより、計量室内に収容された1回分の計量投与液を2以上のスッテプで放出することができる。それにより、使用者は計量室の全内容物すなわち計量投与液を2回以上の操作で放出させることができる。計量室の全内容物または投与量が放出される前に、使用者が2回以上、第2位置に切換えできることにより、中間位置を選択できるので、上記の操作が可能となる。このことは、いくつかの用途にとって有利である。
【0009】
本発明では、用語「液体」は広義の意味である。詳細には、計量投与弁により放出してもよい全での液体、流体、混合物、懸濁液、液化ガス等を対象とするものである。
【0010】
本発明の別の観点、利点および特徴は次の好ましい実施形態の詳細な記載から明らかになる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
図において、たとえ繰り返しの記載が省略されても、同一または類似の特徴または利点が達成される時、同一または類似の構成要素には同一の参照符号が使用される。
【0012】
図1乃至図3は、先行技術による計量投与弁2を備えた放出装置1を概略的な部分断面で示している。
放出装置1は、加圧液体4のためのキャニスタ、リザーバまたは容器3を含む。必要または所望であるなら、加圧液体4を容器3内の袋(図示せず)内に貯蔵してもよい。
【0013】
液体4は、液化ガスまたは圧縮ガスで加圧してもよく、あるいは任意の適切な付勢手段またはその他の手段で加圧してもよい。液体4が容器4内の袋に貯蔵されると、ガスを容器4内で使用でき、および/または液体4を加圧する袋内で使用できる。
【0014】
計量投与弁2は、可動弁要素5と、関連する入口弁7および関連する出口弁8を備えた計量室6とを含む。
弁要素5は入口弁7、出口弁8の作動を許容し、好ましくは、これらの弁7、8の一部分を形成する。
【0015】
弁要素5は、第1半径方向開口10に連結された第1軸方向通路9を含み、第1ガスケット11を貫通している。入口弁7は、第1ガスケット11と、第1通路9と、第1開口10とにより形成される。図1で示す第1位置では、開口10は計量室6内に開き、すなわち、ガスケット11により覆われず、または、計量投与弁2の外側に開いていない。それにより、入口弁7は、この第1位置で開き、容器3内の圧力により計量室6は液体4で満たされる。
【0016】
さらに、弁要素5は、他端が、第2半径方向開口13に連結される第2軸方向通路を含み、第2ガスケット14を貫通している。この第2ガスケット14と、第2通路12と、第2開口13とが出口弁8を形成する。図1に示されている、弁要素5の第1位置では、開口13はガスケット14により覆われ、および/または、計量室6の外側で開き、出口弁8は閉じられている。それにより、第1位置では液体4が計量室6から出口弁8を通って放出されない。
【0017】
この実施形態では、入口弁7および出口弁8は、交差オリフィスまたは開口10、13を持つ切断ガスケット型である。しかしながら、弁7、8は任意の他の適切な仕方で構成してもよい。
【0018】
弁要素5は、第1位置に付勢されている。図示の実施形態では、図1で示すように、計量投与弁2は弁要素5を第1位置または上方位置に付勢するスプリング15を含む。好ましくは、スプリング15は計量室6内に配置される。
【0019】
本実施形態では、弁要素5または計量投与弁2は金属キャップ16により容器3に装着される。詳細には、キャップ16は容器16に圧着される。
【0020】
図2は、部分的に押し下げられた位置、すなわち、中間位置に配置されている弁要素8を示す。この中間位置では、入口弁7と出口弁8は同時に閉じられる。詳細には、第1開口10と第2開口13は、それぞれ、第1ガスケット11および第2ガスケット14により覆われる。中間位置では、計量室6内の内容物または計量投与物は、容器3と外気との両方から隔絶される。
【0021】
しかしながら、この種の計量投与弁2のこの状態にある使用者は、放出装置1または計量投与弁2の作動させているとき、すなわち、第2位置の方に弁要素5を動かすとき、この中間位置に気付かない。
【0022】
図3は、使用者がかけた圧力(図示せず)で、最終的に第2位置に到達した弁要素5を示す。この第2位置では、入口弁7は閉じ、出口弁8は開いており、計量室6内の内容物または計量投与液4は、第2開口13、第2通路12、好ましくは、放出ヘッド、管など(図示せず)を経て大気中に放出される。放出装置1または計量投与弁2からの放出は液体流、噴出、噴霧、泡、または固体粒子の形状あるいはその他の任意の形状でもよい。
【0023】
使用者が弁要素5に圧力をかけることを停止すると、詳細には、関連する作動部材(図示せず)を解放すると、付勢力が、弁要素5を、中間位置を経て直接、第1位置に戻し、液体4が計量室6を再充填することになる。したがって、先行技術の計量投与弁2は、1回分の計量投与液4を、不連続にまたは2段階または2操作以上で放出することに不適当である。
【0024】
次に、本発明による2つの実施形態を、図4乃至図10を参照して説明する。本発明により提案される実施形態5と、図1乃至図3による先行技術の計量投与弁2を備えた放出装置1との基本的に重要な相違にのみに焦点をあてる。
【0025】
本発明によると、一回分の計量投与液4を、計量室6から不連続にまたは多段階で放出することができる。特に、望まれるように計量投与液を放出するために「放出状態」において、弁要素5を交互に押し下げ、または解放できるが、この交互操作中に、計量室6が容器3からの液体4で再充填されることはない。特に、放出装置1または計量投与弁2は、この種の操作を許容するいわゆる放出状態に切換え、または設定できるので、この種の操作が可能である。この放出状態で、弁要素は第2位置と中間位置との間のみを交互に移動でき、ここでの第2位置と中間位置はそれぞれ、詳細な説明の導入部分および先行技術の計量投与弁2で説明した第2位置と中間位置に対応している。
【0026】
放出装置1/計量投与弁2は、「非放出状態」に切換、または設定できる。この非放出状態においては、液体4で計量室6を再充填することができる。詳細には、弁要素5が、中間位置から、液体4で計量室6を再充填することが可能な第1位置へ戻ることができる。この第1位置は、詳細な説明の導入部分で説明し、および図1乃至図3による先行技術の計量投与弁2に関して説明した第1位置に対応する。特に、弁要素5は、解放されると、スプリング15の付勢力で第1位置に戻る。
【0027】
放出状態と非放出状態との間の切換および/またはその逆の切換は、中間位置でのみ可能となるのが好ましい。
【0028】
放出状態と非放出状態との切換および/またはその逆の切換は、弁要素5、協働する作動部材17、放出ヘッド、ロック要素またはハウジング要素18等の回転により行われるのが好ましい。
【0029】
しかしながら、切換え機構またはロック機構は、歯止め機構またはラチェット機構等を追加、または選択的に含むことができる。例えば、任意の要素を回転または捩る必要なく、放出状態から非放出状態へ切換えるために、解放ボタン等を押し下げ、または操作できる。
【0030】
図4乃至図6は、本発明の第1実施形態による計量投与弁2を備えた放出装置1の概略的な部分断面である。
【0031】
作動部材17、詳細には放出ヘッド等は、弁要素5と協働し、好ましくは弁要素5上に取付けられる。さらに、放出装置1または計量投与弁2は、以下の望ましい機能が達成できるように、作動部材17と関連するハウジング要素またはロック要素18を含む。
【0032】
図4で示す第1位置で始まり、作動部材17/弁要素5を、第1位置から第1停止部19により中間位置が達するまで、使用者(図示せず)により手で押し下げることができる。詳細には、作動部材17の突出部分20が、第1停止部19に当接するのが好ましい。これは第1ロック手段を形成する。
【0033】
中間位置、すなわち部分的押し下げ位置における作動部材17とロック要素18との相対回転により、図5で示すように、それぞれ、第1停止部19は越えられ、第1ロック手段は解放でき、それにより、放出装置は非放出状態から放出状態へ切換えられる。図5は図4の垂直断面である。回転軸線は、好ましくは弁要素5の軸線または操作方向と平行である。
【0034】
それから、使用者はさらに作動部材17/弁要素5を、図5で示す中間位置から図6で示す第2位置へ押し下げることができる。次いで液体4の放出が始まる。液体4は計量室6から出口弁8と作動部材17/放出ヘッド内の出口通路21を通り外気に放出される。
【0035】
使用者が作動部材17への圧力を解放すると、スプリング15の付勢力により弁要素5は中間位置に戻るが、第2停止部21または第2ロック手段により、中間位置から第1位置までの動きが制限される。それにより、この放出状態、すなわち、本実施形態ではロック要素18に対し作動部材17が回転した状態では、第1位置に到達すること及び計量室6の再充填が防止される。この状態で、中間位置と第2位置とを交互にとって、作動部材17および弁要素5を交互に複数回、押し下げたり解放したりして、所望どおりに多段階または不連続に1回分の計量投与液4だけを放出することができる。
【0036】
計量室6からの液体4の完全または部分的な解放後、放出装置1/計量投与弁2は、第2停止部22を越えるため、すなわち、第2ロック手段を解除するために、作動部材17とハウジング要素/ロック要素18との間で、好ましくは後方への相対回転により非放出状態に切換え、または、ねじ戻すことができる。
【0037】
それから、作動部材17の解放後、弁要素5は第1位置に戻り、液体4に作用する容器3内の圧力により計量室4は液体4で再充填される。
【0038】
本発明によると、弁要素5の中間位置を選択できる。他方、第1位置において、第2位置は直接に選択できず、逆も同様に選択できない。
【0039】
本発明による第1実施形態では、作動部材17は、放出状態と非放出状態の間の切換えのために約90度、ハウジング要素またはロック要素18に対して回転され、その逆も可能である。しかしながら、任意の他の適切な角度が可能である。この構造によると、それぞれ、放出状態と非放出状態に切換えるために反対方向へ捩ることが必要であるかもしれない。しかしながら、また、両方の場合に同一方向で捩ることができるかもしれない。
【0040】
図7は、ハウジング要素またはロック要素18により設けられる周辺壁の部分の概略曲線部分を示し、第1/第2ロック手段の機能を図示する。ハウジング要素またはロック要素18は凹所23を含む。凹所23は半径方向で開いており、好ましくは、周囲方向で階段状となり、第1停止部19と第2停止部22を形成している。突出部分20が、凹所23に係合できる。図7は、図5で示す放出状態での中間位置を表す。矢印24は放出状態での中間位置と第2位置の間の動きを表す。矢印25は放出状態と非放出状態との間の切換運動、すなわち、作動部材17とハウジング要素/ロック要素18の相対回転を表す。矢印26は非放出状態での中間位置と第1位置との間の運動を表す。
【0041】
第1停止部19と第2停止部22は回転により選択的に越えることができ、第1ロック手段がロックされていれば第2ロック手段はロック解除され、逆の場合にも同様に成り立つことが、図7から分かる。
【0042】
本発明では、計量投与弁2は使用者が3つの位置を選択することを可能にする。
(a)入口弁7が開いて出口弁8が閉じる第1位置。
(b)入口弁7と出口弁8の両方が閉じている中間位置(使用準備位置)。
(c)入口弁7が閉じて出口弁8が開く第2位置。
【0043】
提案される機能を可能にするための本発明による回転ロック機構、特に、第1停止部19、第2停止部22;第1ロック手段および/または第2ロック手段は、計量投与弁2の弁本体内または弁本体の外側に設けてもよい。
【0044】
既に説明したように、中間位置および放出状態は作動部材17を押し下げ、それから、回転または捩ることにより到達できる。第2位置は、中間位置から作動部材17をさらに押し下げることにより到達できる。計量室6を再充填するために、使用者は、好ましくは中間位置における作動部材を逆に回転させて非放出状態にし、スプリング15が図4に示す第1位置に弁要素5を戻すようにする。第1位置では、入口弁7は開き、液体4は容器3から計量室6に入ることができる。
【0045】
放出状態で、使用者は、計量室6を空にするように作動部材17を中間位置から第2位置へ何回も押し下げることにより、計量室6の内容物を放出する完全な制御をする。
【0046】
いかなるストレスも無しに容易な操作を可能とするため、計量室6の体積が、室6からの一回分の計量投与液4を完全に放出する時間が少なくとも2秒、特に5秒を越える放出速度に適合されるのが好ましい。計量室の体積は約5μlから15ml、特に10mlから20mlであるのが好ましい。
【0047】
容易な操作を可能とするため、作動部材17/弁要素5の第1位置から第2位置への操作方向におけるストロークは、2mm、特に5mmを超えるものでなければならない。
【0048】
特に入口弁7と出口弁8に関して他の適切な弁を使用できることにも注意しなければならない。
【0049】
第1実施形態による放出装置1は、特に上下逆の、すなわち、下方端部を放出出口またはヘッド/作動部材17にした状態で使用するために適応される。図1乃至図6は、直立方向での放出装置1を示すが、上下逆方向の場合として容器3の上方部分を予め液体4で充填した状態としている。
【0050】
次に、本発明の第2実施形態による放出装置1を、図8乃至図10を参照して説明する。ここでは、第2実施形態と第1実施形態と間の主な相違のみに焦点をあてる。
【0051】
本発明による放出装置1/計量投与弁2は、計量投与弁2の入口弁7に連結されるディップホース27と、出口弁8に連結される計量室6内のディップ管28とを含む。これは、特に垂直使用を可能とし、すなわち、放出装置1の反転はない。
【0052】
図8は第1位置での放出装置1を示す。図9は中間位置での放出状態の放出装置1を示す。図10は第2位置、すなわち、液体4の放出中の放出装置1を示す。
【0053】
第2実施形態による放出装置1およびその計量投与弁2の作用と機能は、第1実施形態の作用と機能に基本的に同一である。しかしながら、回転ロック機構はわずかに異なる様式で構成される。
【0054】
ハウジング要素/ロック要素18は環状形状を有し、キャップ16により保持される。図8乃至図10に示すように、特に、要素18は上方環状部分29と、離間した下方環状部分30とを含む。第1環状部分29は、作動部材17の突出部分すなわち突起20と整列される上下方向凹所23を含み、これらの突起20は、作動部材17を第1位置から中間位置へ押し下げる時に環状部分29を通過できる。
【0055】
この回転状態(非放出状態)では、下方環状部分30は突起20が当接する第1停止部19を形成する。図9は、作動部材17を放出状態に捩った後の中間位置での放出装置1を示す。
【0056】
放出状態において、上方環状部分は、突起20は第2停止部22を形成し、スプリング15が弁要素5を第1位置に戻した場合に、計量室6が再充填されるのを防ぐ。
【0057】
放出状態では、突起20は下方環状部分30内の上下方向スリットすなわち凹所23と整列され、液体4を計量室6から出口弁8および出口通路21を通して大気中に放出するため、作動部材17を中間位置から図10に示す第2位置まで押し下げたとき、突起20が下方環状部分30を通過することができる。第2実施形態では、出口通路21は、作動部材17のホース状突出部等により形成されるのが好ましい。
【0058】
作動部材17の解放後、図9で示すように、スプリング15の付勢力が弁要素5と作動部材17を中間位置へ戻し、それにより、計量室6から液体4の放出を停止する。この放出状態で、使用者は、作動部材17を所望の回数だけ押したり離したりし、液体4を、計量室6から不連続またはそれぞれステップ毎に放出する。
【0059】
最後に、作動部材17は非放出状態に捩じ戻される。これは、上方環状部分29と下方環状部分30の間に設けられた、突起20のためのそれぞれの周囲空間により可能となる。次いで、スプリング15が、弁要素5と作動部材17とを第1位置に戻し、計量室6は容器3からの液体4で再充填される。
【0060】
計量投与弁を備えた放出装置が提案された。計量投与弁は入口弁と、計量室と、出口弁とを含む。計量室から複数ステップでの液体放出を可能にする、新たな液体が計量室の再充填されない選択された放出状態で、使用者は作動部材を複数回、押し下げたり離したりすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0061】
【図1】計量投与弁を備えた従来技術の放出装置の第1位置における概略的な部分断面である。
【図2】計量投与弁を備えた従来技術の放出装置の中間位置における概略的な部分断面である。
【図3】計量投与弁を備えた従来技術の放出装置の第2位置における概略的な部分断面である。
【図4】計量投与弁を備えた本発明の第1実施形態の放出装置の第1位置における概略的な部分断面である。
【図5】計量投与弁を備えた本発明の第1実施形態の放出装置の中間位置における概略的な部分断面である。
【図6】計量投与弁を備えた本発明の第1実施形態の放出装置の第2位置における概略的な部分断面である。
【図7】中間位置にある放出装置のロック手段の概略的な部分断面である。
【図8】計量投与弁を備えた本発明の第2実施形態の放出装置の第1位置における概略的な部分断面を示す。
【図9】計量投与弁を備えた本発明の第2実施形態の放出装置の中間位置における概略的な部分断面を示す。
【図10】計量投与弁を備えた本発明の第2実施形態の放出装置の第2位置における概略的な部分断面である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
加圧液体(4)の計量放出のための計量投与弁(2)を備えた放出装置(1)であって、前記計量投与弁(2)は弁要素(5)と、関連する入口弁(7)および関連する出口弁(8)を備えた計量室(6)とを備え、弁要素(5)の第1位置では、計量投与量の前記液体(4)が計量室(6)を満たすことができるように出口弁(8)が閉じ且つ入口弁(7)が開き、弁要素(5)の第2位置では、液体(4)が計量室(6)から大気へ放出されるように、出口弁(8)が開き且つ入口弁(7)が閉じる放出装置において、
前記入口弁(7)および出口弁(8)が閉じられるように、前記弁要素(5)の中間位置が選択でき、
1回の計量投与量の前記液体(4)を不連続に、または弁要素(5)の2回以上の操作で放出できるように、弁要素(5)が前記中間位置および第2位置との間で作動し移動することができる、
ことを特徴とする放出装置。
【請求項2】
前記弁要素(5)は、前記第1位置および/または中間位置に付勢される、
請求項1に記載の放出装置。
【請求項3】
前記弁要素(5)は、スプリング(15)により付勢され、
好ましくは、前記スプリング(15)は前記計量室(6)内に配置される、
請求項2に記載の放出装置。
【請求項4】
前記弁要素(5)は、好ましくは放出ヘッドのような作動部材(17)により付勢力に抗して前記中間位置から第2位置に押し下げ可能である、
請求項1ないし3のいずれか1項に記載の放出装置。
【請求項5】
前記弁要素(5)は、好ましくは、第1停止部(19)が中間位置を定めるのに達するまで、好ましくは、放出ヘッドのような作動部材(17)により付勢力に対して第1位置から中間位置に押し下げ可能である、
請求項1ないし4のいずれか1項に記載の放出装置。
【請求項6】
前記放出装置(1)は、前記中間位置から第2位置に選択的に弁の作動または移動をロックする第1ロック手段を含む、
請求項1ないし5のいずれか1項に記載の放出装置。
【請求項7】
前記第1ロック手段は、第1停止部(19)を含む、
請求項5または6に記載の放出装置。
【請求項8】
前記第1ロック手段は、前記弁要素(5)、放出ヘッドのような関連する作動部材(17)および/または前記放出装置(1)のハウジング要素またはロック要素(18)を回転させることによりロックされ又はロック解除される、
請求項6または7に記載の放出装置。
【請求項9】
前記放出装置(1)は、前記中間位置から第1位置への弁の作動または移動を選択的にロックする第2ロック手段を含む、
請求項1ないし8のいずれか1項に記載の放出装置。
【請求項10】
前記第2ロック手段は、該第2ロック手段がロックされる時に、付勢力によって弁要素(5)が中間位置から第1位置に動かないようにする第2停止部(22)を形成する、
請求項9に記載の放出装置。
【請求項11】
前記第2ロック手段は、弁要素(5)、放出ヘッドのような関連する作動部材(17)および/または放出装置(1)のハウジング要素またはロック要素(18)を回転させることによりロックされまたはロック解除される、
請求項9または10に記載の放出装置。
【請求項12】
前記第1ロック手段は、前記第2ロック手段がロックされる時、ロック解除され、第2ロック手段がロック解除される時にロックされる、
請求項6ないし11のいずれか1項に記載の放出装置。
【請求項13】
前記放出装置(1)は、弁要素(5)と協働する放出ヘッドのような作動部材(17)を含み、
該作動部材(17)は、放出装置(1)のハウジング要素またはロック要素(18)の凹所(23)、または第1ロック手段および/または第2ロック手段を形成する計量投与弁(2)に係合できる好ましくは突出部分(20)を備えている、
請求項6ないし12のいずれか1項に記載の放出装置。
【請求項14】
放出装置(1)または計量投与弁(2)が、前記第2位置における計量室(6)からの1回計量分の投与液(4)を完全に放出する時間が、少なくとも2秒、好ましくは少なくとも5秒を越えるように設計される、
請求項1ないし13のいずれか1項に記載の放出装置。
【請求項15】
前記放出装置(1)または計量投与弁(2)が、特に、放出ヘッドのような作動部材(17)またはハウジング要素またはロック要素(18)を捩ることにより、放出状態と非放出状態との間で切り換え可能である、
請求項1ないし14のいずれか1項に記載の放出装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公表番号】特表2007−516439(P2007−516439A)
【公表日】平成19年6月21日(2007.6.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−543443(P2006−543443)
【出願日】平成16年12月3日(2004.12.3)
【国際出願番号】PCT/EP2004/013761
【国際公開番号】WO2005/059480
【国際公開日】平成17年6月30日(2005.6.30)
【出願人】(503277020)ベーリンガー インゲルハイム マイクロパーツ ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング (17)
【氏名又は名称原語表記】Boehringer Ingelheim microParts GmbH
【住所又は居所原語表記】Hauert 7,D−44227 Dortmund,Germany