説明

計量装置用吊り下げ具および計量装置

【課題】計量精度を高めつつ短時間に計量を行うことができる計量装置用吊り下げ具および計量装置を提供する。
【解決手段】計量装置用吊り下げ具1は、ロードセル3の荷重負荷部31に取り付ける第1部材11と、計量容器2に固定される第2部材12と、を備え、第1部材11は、所定の第1軸X方向に設けられた第1孔11aと、第1軸Xに立体交差する第2軸Y方向に設けられた第2孔11bと、を有し、第1部材11は、第1孔11aに嵌合された第1ボールベアリング13aを介してロードセル3の荷重負荷部31に相対回転可能に取り付け可能に構成されており、第2部材12は、第1部材11の第2孔11bに嵌合された第2ボールベアリング13bを介して第1部材11に相対回転可能に取り付けられている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は計量装置に設けられる計量容器を計量装置本体に吊り下げるための計量装置用吊り下げ具およびこれを備えた計量装置に関する。特に、本発明は、粉体(洗剤、肥料等)、粒体(樹脂ペレット、穀物、飼料等)の被計量物を所定の目標重量に調整するとともに、袋等の容器に充填するパッカースケールなどの計量装置に用いられる計量ホッパを計量装置本体に取り付けられたロードセルに吊り下げるための計量装置用吊り下げ具およびこれを備えた計量装置に関する。
【背景技術】
【0002】
樹脂成型加工原料となる樹脂ペレットを効率よく目標重量にひとまとめにして袋詰めするパッカースケールなどの計量装置には、上方から被計量物が供給されることにより被計量物を計量して、計量後の被計量物を下方へ排出する計量ホッパが設けられている。特に、粉体(洗剤、肥料等)、粒体(樹脂ペレット、穀物、飼料等)の被計量物を所定の目標重量に調整するための計量装置においては、1袋あたりの充填量が例えば数10kgであるような重量物を計量する必要があるため、計量ホッパの大きさや強度確保のために計量ホッパ自体の重量も重いものが多く、例えば計量ホッパ自体の重量が50kg以上あるものも存在する。
【0003】
ところで、このような計量ホッパは、計量ホッパ内に投入された被計量物の重量を計量ホッパごと計量するために、計量装置の作動時において計量装置本体に対してある程度の上下動が許容されなければならない。このため、計量ホッパは、一般的に、計量装置本体に取り付けられたロードセルに吊り下げ具を用いて吊り下げられている(例えば特許文献1参照)。
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載の構造のように、ロードセルと計量ホッパとの間の自由度が小さいと、計量ホッパへの被計量物の投入による衝撃が計量に影響を与えてしまい、計量精度が悪化する。このような問題を解決するために、一または複数の吊り下げ具が計量ホッパの上部に固定される一方、計量装置本体に固定されたロードセルに設けられた軸状の荷重負荷部が水平方向に延びており、当該荷重負荷部に吊り下げ具を引っ掛けることにより計量装置本体に計量ホッパを吊り下げている構成が知られている。
【0005】
図5は、従来の計量装置用吊り下げ具の取り付け状態を示す図である。図5(a)は正面図であり、図5(b)は側面図である。図5に示すように、従来の吊り下げ具は、ロードセル3に取り付けられる板状部材131と、一端部が計量ホッパ132に固定され、他端部が板状部材131に引っ掛けられるよう鉤状に形成された引っ掛け部材133と、を有している。板状部材131には、ロードセル3の荷重負荷部31を挿通するための第1孔131aと、引っ掛け部材133を引っ掛けるための第2孔131bと、を有している。ロードセル3の荷重負荷部31と板状部材131の第1孔131aとは、計量精度を高めるために点接触となっている。このため、ロードセル3の荷重負荷部31において第1孔131aに係合する箇所31aは、荷重負荷部31の軸方向の他の箇所より小径かつ荷重負荷部31の軸に対して垂直な方向から視て軸の半径方向に湾曲した形状に切り欠かれた構造を有するとともに、第1孔131aも軸方向中央部が最も小径となるような形状を有している。このように、従来の吊り下げ具においては、引っ掛け部材133、板状部材131およびロードセル3が互いに固定されておらず、ある程度の自由度を有する構造となっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特許第3857966号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、前述のように、計量ホッパに重量物が投入されると、吊り下げ具にかかる衝撃荷重は、計量ホッパの自重も加わってたいへん大きなものになる。例えば25kg程度の被計量物が投入されると、吊り下げ具にかかる衝撃荷重は約150kgとなる場合もある。従来の吊り下げ具にこのように大きな衝撃荷重が加わると、引っ掛け部材133および計量ホッパ132が板状部材131に対して飛び跳ねる場合がある。引っ掛け部材133が板状部材131に対して飛び跳ねると、板状部材131とロードセル3との係合位置(着力点)が軸方向へずれることにより計量における零点がずれ、正しい計量が行えないという問題が生じ得る。また、大きな衝撃荷重により引っ掛け部材133が板状部材131に対して飛び跳ねると、計量ホッパ132の振れが大きくなり、被計量物を投入してから所定の計量精度を達成するために必要な待ち時間(計量安定時間)が長くなり、計量の高速化が図れない問題もある。
【0008】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、計量精度を高めつつ短時間に計量を行うことができる計量装置用吊り下げ具および計量装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するため、本発明に係る計量装置用吊り下げ具は、軸状の荷重負荷部を有するロードセルに計量容器を吊り下げるために当該計量用器に固定される計量装置用吊り下げ具であって、前記ロードセルの前記荷重負荷部に取り付ける第1部材と、前記計量容器に固定される第2部材と、を備え、前記第1部材は、所定の第1軸方向に設けられた第1孔と、前記第1軸に立体交差する第2軸方向に設けられた第2孔と、を有し、前記第1部材は、前記第1孔に嵌合された第1ボールベアリングを介して前記ロードセルの前記荷重負荷部に相対回転可能に取り付け可能に構成されており、前記第2部材は、前記第1部材の前記第2孔に嵌合された第2ボールベアリングを介して前記第1部材に相対回転可能に取り付けられている。
【0010】
上記構成によれば、ロードセルの荷重負荷部と吊り下げ具の第1部材とが第1ボールベアリングを介して荷重負荷部の軸回り(第1軸回り)に相対回転可能に取り付けられる。さらに、計量容器に固定される第2部材が第1軸と立体交差するような第2軸回りに相対回転可能に取り付けられる。これにより、計量容器に被計量物が投入された際に、その衝撃を吸収するように2つの軸回りに第1部材および第2部材が揺動し、計量容器を水平方向および鉛直方向に移動させることができる。また、衝撃による揺動は、計量容器および被計量物の自重によって迅速に抑制され、低摩擦の各ボールベアリングにより、第1部材および第2部材は、計量容器が最下点となる位置に速やかに復帰する。しかも、従来のように引っ掛け部材を用いていないため、被計量物の投入による衝撃によって計量容器および第2部材がロードセルおよび第1部材に対して飛び跳ねることがなく、ロードセルの荷重負荷部に取り付けられる第1部材が位置ずれを生じることもない。したがって、計量容器に加えられた衝撃を効率よく逃がしつつ短時間で安定化させることができる。これにより、計量精度を高めつつ短時間に計量を行うことができる。
【0011】
前記第2軸は、前記第1軸に垂直な第1仮想平面および前記第1軸に平行な第2仮想平面のいずれにも含まれる軸であってもよい。
【0012】
前記第1ボールベアリングと前記第2ボールベアリングとの間の中心間距離は、前記第1ボールベアリングの半径と前記第2ボールベアリングの半径との和より大きくかつ前記和の1.5倍以下であってもよい。これにより、衝撃による第1部材の揺れ幅が小さくなり、より短時間に計量容器を安定化させることができる。
【0013】
前記計量装置用吊り環が固定される前記計量容器は、計量ホッパであってもよい。
【0014】
前記第1部材は、前記第1軸に垂直な第1面と前記第2軸に垂直な第2面とを有してもよい。これにより、ロードセルおよび第2部材との取り付け面が平面となり、省スペースかつ相対回転容易に構成することができる。
【0015】
さらに、前記第2部材は、前記第2面に平行な取り付け面を有し、前記回転軸は、前記取り付け面に垂直に取り付けられている。これにより、第2部材と第1部材との取り付けを容易かつ省スペースに構成することができる。
【0016】
また、本発明に係る計量装置は、上記構成の計量装置用吊り下げ具と、軸状の荷重負荷部を有し、前記軸が水平方向を向いた状態で計量装置本体に固定されたロードセルと、上部に取り付け部を有する計量ホッパと、を備え、前記計量装置用吊り下げ具の前記第2部材が前記計量ホッパの前記取り付け部に固定されるとともに、前記計量装置用吊り下げ具の前記第1部材が前記第1ボールベアリングを介して前記ロードセルの前記取り付け部に取り付けられている。
【発明の効果】
【0017】
本発明は、上記のように構成され、計量精度を高めつつ短時間に計量を行うことができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】図1は、本発明の一実施形態における計量装置用吊り下げ具の構造を示す斜視図である。
【図2】図2は、図1に示す計量装置用吊り下げ具を示す分解斜視図である。
【図3】図3は、図1に示す計量装置用吊り下げ具の取り付け状態を示す正面図である。
【図4】図4は、図3に示す計量装置用吊り下げ具を側面(図3におけるIV方向)から視た図である。
【図5】図5は、従来の計量装置用吊り下げ具の取り付け状態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の実施形態における計量装置用吊り下げ具およびこれを備えた計量装置の具体的な構成例について、図面を参照しながら説明する。なお、以下では全ての図面を通じて同一または相当する要素には同一の参照符号を付して、その重複する説明を省略する場合がある。また、以下の具体的な説明は、本発明における計量装置用吊り下げ具および計量装置の特徴を例示しているに過ぎない。例えば、上記計量装置用吊り下げ具を特定した用語と同じ用語または相当する用語に適宜の参照符号を付して以下の具体例を説明する場合、当該具体的な構成要素は、これに対応する上記計量装置用吊り下げ具の構成要素の一例である。したがって、上記計量装置用吊り下げ具および計量装置の特徴は、以下の具体的な説明によって限定されない。
【0020】
図1は、本発明の一実施形態における計量装置用吊り下げ具の構造を示す斜視図であり、図2は、図1に示す計量装置用吊り下げ具を示す分解斜視図である。図1および図2に示すように、本実施形態における吊り下げ具1は、第1部材11および第2部材12を備えている。
【0021】
第1部材11は、所定の第1軸X方向に設けられた第1孔11aと、第1軸Xに立体交差する第2軸Y方向に設けられた第2孔11bと、を有している。本実施形態においては、第2軸Yは、第1軸Xに垂直な第1仮想平面VS1および第1軸Xに平行な第2仮想平面VS2のいずれにも含まれるような軸である。すなわち、吊り下げ具1が計量装置へ取り付けられた状態の平面視において第1軸X(第1孔11a)と第2軸Y(第2孔11b)とは直交している。なお、第1軸Xと第2軸Yとは、計量装置に計量容器(後述する計量ホッパ2など)が吊り下げ具1を介して取り付けられた際に、計量容器が3次元的に揺動可能な限り、必ずしも直交していなくてよい。
【0022】
本実施形態における第1部材11は、平面視において第1孔11aと第2孔11bとがオーバーラップする位置に設けられる。また、第1部材11は、第1軸Xに垂直な第1面S1と第2軸Yに垂直な第2面S2とを有している。すなわち、本実施形態における第1部材11は、2つの板状部が互いに垂直に組み合せられたような形状を有しており、各板状部にそれぞれ第1孔11aおよび第2孔11bが設けられている。なお、第1部材11は、一体成型により形成されてもよいし、2つの板状部材が組み合せられることにより形成されてもよい。さらに、第1部材11の第1孔11aおよび第2孔11bには、それぞれ第1ボールベアリング13aおよび第2ボールベアリング13bが嵌合されている。
【0023】
第2部材12の一端部には、第1部材11の第2面S2に平行な取り付け面S3が形成されており、取り付け面S3には、回転軸14が取り付け面S3に垂直に設けられている。第2部材12は、第1部材11の第2孔11bに嵌合された第2ボールベアリング13bを介して第1部材11に相対回転可能に取り付けられている。すなわち、第2部材12の回転軸14が第2ボールベアリング13bに挿通されることにより、第2部材12は、第1部材11に対して回転軸14の回りに相対回転可能に構成されている。ここで、第2ボールベアリング13bの内径は、第2部材12の回転軸14の軸径に合わせて(回転軸14が第2ボールベアリング13bに挿通可能かつ径方向への遊びが最低限となるように)決められる。第1部材11が第2軸Yに垂直な第2面S2を有することにより、第1部材11と第2部材12との取り付け面が平面となり、省スペースかつ相対回転容易に構成することができる。さらに、第2部材12が第2面S2に平行な取り付け面S3を有し、かつ回転軸14が取り付け面S3に垂直に取り付けられているため、第2部材12と第1部材11との取り付けをより容易かつ省スペースに構成することができる。
【0024】
なお、本実施形態において、第2部材12の取り付け面S3は、計量容器取り付け部12aが設けられた基端部から第1部材11の第2軸Y方向両側へ延びている(取り付け面S3が略U字形状を有している)。しかし、本発明は、第2部材12が第1部材11に相対回転可能に取り付けられる限り、これに限られない。例えば、取り付け面S3が第1部材11の第2軸Y方向の一方側のみに設けられ、第1部材11の第2軸Y方向の他方側には、回転軸14の抜けを防止する規制部材(ボルトなど)が回転軸14に固定されることとしてもよい。
【0025】
図3は、図1に示す計量装置用吊り下げ具の取り付け状態を示す正面図であり、図4は、図3に示す計量装置用吊り下げ具を側面(図3におけるIV方向)から視た図である。
【0026】
第2部材12の他端部には、計量容器である計量ホッパ2を固定するための計量容器取り付け部12aが設けられている。計量容器取り付け部12aには、ねじ切り加工がされており、計量ホッパ2に固定されたフランジ部21にボルトなどの締結部材22を用いて計量容器取り付け部12aとフランジ部21とが固定される。
【0027】
また、第1部材11は、第1孔11aに嵌合された第1ボールベアリング13aを介してロードセル3の軸状の荷重負荷部31に相対回転可能に取り付け可能に構成されている。ここで、第1ボールベアリング13aの内径は、ロードセル3の荷重負荷部31の軸径に合わせて(ロードセル3の荷重負荷部31に対して第1ボールベアリング13aおよび第1部材11が第1軸X方向に摺動可能かつ径方向への遊びが最低限となるように)決められる。ロードセル3は、計量装置本体(図示せず)に荷重負荷部31の軸が水平方向に向いた状態で固定されている。すなわち、吊り下げ具1がロードセル3に取り付けられた状態で、第1軸Xは水平方向を向いている。荷重負荷部31の先端部はねじ切り加工がされており、吊り下げ具1の取り付け時においては、ボルトなどの規制部材32(図3参照)によって第1部材11の第1軸X方向への移動が規制される。前述の通り、第1部材11が第1軸Xに垂直な第1面S1を有しているため、第1部材11とロードセル3との取り付け面が平面となり、省スペースかつ相対回転容易に構成することができる。
【0028】
このように、ロードセル3の荷重負荷部31に第1部材11が取り付けられ、第2部材12に計量ホッパ(計量容器)2が固定されることにより、計量装置吊り下げ具1を介してロードセル3に計量ホッパ2が吊り下げられる。なお、本実施形態においては、4つのロードセル3にそれぞれ計量装置吊り下げ具1を介して1つの計量ホッパ2の4隅にフランジ部21を設け、当該4つフランジ部21のそれぞれに吊り下げ具1を固定して、4つのロードセル3および4つの吊り下げ具1を用いて1つの計量ホッパ2を吊り下げる構成を想定している(図示は省略している)。しかし、ロードセル3の数やその配置は特に限定されない。例えば、計量装置本体に3つのロードセル3が固定され、計量ホッパ2がこれらのロードセル3によって3点で吊り下げ支持される構成についても上述した吊り下げ具1を適用可能である。このように、計量ホッパ2の支持点数は、4点に限られず、3点以下であってもよいし、5点以上であってもよい。
【0029】
上記構成によれば、ロードセル3の荷重負荷部31と吊り下げ具1の第1部材11とが第1ボールベアリング13aを介して荷重負荷部31の軸回り(第1軸X回り)に相対回転可能に取り付けられる。さらに、計量容器である計量ホッパ2に固定される第2部材12が第2ボールベアリング13bを介して第1部材11に対して第1軸Xに垂直な第1仮想平面VS1および第1軸Xに平行な第2仮想平面VS2のいずれにも含まれるような(第1軸Xと立体交差するような)第2軸Y回りに相対回転可能に取り付けられる。
【0030】
これにより、計量ホッパ2に被計量物が投入された際に、その衝撃を吸収するように2つの軸X,Y回りに第1部材11および第2部材12が揺動し、計量ホッパ2を水平方向および鉛直方向に移動させることができる。また、衝撃による揺動は、計量ホッパ2および被計量物の自重によって迅速に抑制され、低摩擦の各ボールベアリング13a,13bにより、第1部材11および第2部材12は、計量ホッパ2が最下点となる位置(被計量物投入前の位置)に速やかに復帰する。しかも、従来のように引っ掛け部材を用いていないため、被計量物の投入による衝撃によって計量ホッパ2および第2部材12がロードセル3および第1部材11に対して飛び跳ねることがなく、ロードセル3の荷重負荷部31に取り付けられる第1部材11が位置ずれを生じることもない。したがって、計量ホッパ2に加えられた衝撃を効率よく逃がしつつ短時間で安定化させることができる。これにより、計量精度を高めつつ短時間に計量を行うことができる。また、従来の計量装置においては、計量ホッパ2が被計量物の投入によって揺動するのを抑制するために、別途、振れ止め機構やクランプ装置が設けられることが多かったが、本構成によれば揺動量が低減されるため、計量ホッパ2の揺動を抑制する部材を別途設ける必要がなくなり、計量装置の構造を簡単化することができる。
【0031】
ここで、第1ボールベアリング13aと第2ボールベアリング13bとの間の中心間距離Dがなるべく近接することが好ましい。具体的には、中心間距離Dは、第1ボールベアリング13aの半径(外周円の半径)R1と第2ボールベアリング13bの半径(外周円の半径)R2との和より大きくかつ当該和の1.5倍以下(R1+R2<D≦1.5(R1+R2))であることが好ましい。これにより、衝撃による第1部材11の揺れ幅が小さくなり、より短時間に計量容器を安定化させることができる。
【0032】
なお、本実施形態においては、第1ボールベアリング13aおよび第2ボールベアリング13bは同じもの(半径R)を用いてもよい。この場合、2つのボールベアリング13a,13bの中心間距離Dは、2R<D≦3Rとなることが好ましい。
【0033】
なお、上記実施形態においては、パッカースケールに設けられる計量ホッパ2を吊り下げる吊り下げ具1について説明したが、ロードセルに吊り下げて使用する計量容器であれば、計量ホッパに限られない。また、パッカースケール以外の計量装置(例えば、組合せ秤や台秤など)に設けられる計量容器を吊り下げる吊り下げ具においても適用可能である。
【産業上の利用可能性】
【0034】
本発明の計量装置用吊り下げ具および計量装置は、計量精度を高めつつ短時間に計量を行うために有用である。
【符号の説明】
【0035】
1 吊り下げ具
2 計量ホッパ
3 ロードセル
11 第1部材
11a 第1孔
11b 第2孔
12 第2部材
12a 計量容器取り付け部
13a 第1ボールベアリング
13b 第2ボールベアリング
14 回転軸
21 フランジ部
22 締結部材
31 荷重負荷部
32 規制部材


【特許請求の範囲】
【請求項1】
軸状の荷重負荷部を有するロードセルに計量容器を吊り下げるために当該計量用器に固定される計量装置用吊り下げ具であって、
前記ロードセルの前記荷重負荷部に取り付ける第1部材と、
前記計量容器に固定される第2部材と、を備え、
前記第1部材は、所定の第1軸方向に設けられた第1孔と、前記第1軸に立体交差する第2軸方向に設けられた第2孔と、を有し、
前記第1部材は、前記第1孔に嵌合された第1ボールベアリングを介して前記ロードセルの前記荷重負荷部に相対回転可能に取り付け可能に構成されており、
前記第2部材は、前記第1部材の前記第2孔に嵌合された第2ボールベアリングを介して前記第1部材に相対回転可能に取り付けられている、計量装置用吊り下げ具。
【請求項2】
前記第2軸は、前記第1軸に垂直な第1仮想平面および前記第1軸に平行な第2仮想平面のいずれにも含まれるような軸である、請求項1に記載の計量装置用吊り下げ具。
【請求項3】
前記第1ボールベアリングと前記第2ボールベアリングとの間の中心間距離は、前記第1ボールベアリングの半径と前記第2ボールベアリングの半径との和より大きくかつ前記和の1.5倍以下である、請求項1または2に記載の計量装置用吊り下げ具。
【請求項4】
前記計量装置用吊り環が固定される前記計量容器は、計量ホッパである、請求項1から3の何れかに記載の計量装置用吊り下げ具。
【請求項5】
前記第1部材は、前記第1軸に垂直な第1面と前記第2軸に垂直な第2面とを有する、請求項1から4の何れかに記載の計量装置用吊り下げ具。
【請求項6】
前記第2部材は、前記第2面に平行な取り付け面を有し、
前記回転軸は、前記取り付け面に垂直に取り付けられている、請求項5に記載の計量装置用吊り下げ具。
【請求項7】
請求項1から6の何れかに記載の計量装置用吊り下げ具と、
軸状の荷重負荷部を有し、前記軸が水平方向を向いた状態で計量装置本体に固定されたロードセルと、
上部に取り付け部を有する計量ホッパと、を備え、
前記計量装置用吊り下げ具の前記第2部材が前記計量ホッパの前記取り付け部に固定されるとともに、前記計量装置用吊り下げ具の前記第1部材が前記第1ボールベアリングを介して前記ロードセルの前記取り付け部に取り付けられた、計量装置。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2013−108825(P2013−108825A)
【公開日】平成25年6月6日(2013.6.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−253537(P2011−253537)
【出願日】平成23年11月21日(2011.11.21)
【出願人】(000208444)大和製衡株式会社 (535)
【Fターム(参考)】