説明

記入支援システム、端末装置、プログラム

【課題】択一選択記入項目について、複数の選択肢が選択された場合であっても、いずれの選択肢が有効であるかユーザに容易に把握させることが可能な記入支援システムを提供する。
【解決手段】記入支援システムは、電子ペンから送信される記入情報に基づき、コード化パターンが印刷された帳票に設けられた択一選択項目の選択肢の各々について選択されたか否か判定し、択一選択記入項目のうち、複数の選択肢が選択された択一選択記入項目について、択一選択記入項目と、最後に選択された選択肢に相当する選択結果との一覧を示す選択結果一覧画面を表示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、必要な記入項目への記入を支援する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、記入した情報を電子化する電子ペンが開発されており、その代表的なものとしてスウェーデンのAnoto社が開発した「アノトペン(Anoto pen)」が知られている。アノトペンは、所定のドットパターンが印刷された専用紙とともに使用される。アノトペンは、ペン先部に、文字等を書くための通常のインクカートリッジに加えて、専用紙に印刷されたドットパターンを撮像するための小型カメラと、撮像したドットパターンから専用紙における位置座標を演算するプロセッサと、演算された位置座標等を外部機器へ送信するデータ通信ユニットとを搭載している。ユーザが専用紙上にアノトペンで文字等を書いたり、専用紙上に図案化されている画像にチェックマークを記入したりすると、ペンの移動に伴って小型カメラが専用紙に印刷されたドットパターンを撮像し、プロセッサによって演算された連続する位置座標から、ユーザが書き込んだ文字、画像などの記入情報が認識される。そして、この記入情報が、データ通信ユニットによりアノトペンから近くのパーソナルコンピュータや携帯電話などの端末装置に送信される(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
特許文献2には、次に記入すべき内容を、音声又は表示画面で指示することで、誤申告を抑制可能な告知書受付システムが開示されている。また、特許文献3には、記入が必要な帳票であるか否かを判定可能な関連帳票判定システムが開示されている。さらに、特許文献4には、デジタルペンからのデータを変換して帳票のレイアウトを参照して帳票を作成管理すると共に、得られた帳票情報から連票データを作成し、作成された連票データをイメージ文書として管理する複写式連票作成管理システムが開示されている。また、特許文献5には、カードスキャナを利用したローンカード発行システムが開示されている。また、特許文献6及び特許文献7には、申込書での未記入欄を強調表示する受付システムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特表2003−511761号公報
【特許文献2】特願2010−116404号公報
【特許文献3】特開2005−031932号公報
【特許文献4】特開2007−164466号公報
【特許文献5】特開2005−004565号公報
【特許文献6】特開2004−259009号公報
【特許文献7】特開2004−127197号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
銀行口座の申込などで電子ペンを用いて必要な記入項目を記入した場合、誤記入等に起因して、択一選択が必要な記入項目(択一選択記入項目)で複数の選択肢を選択してしまう場合がある。この場合、ユーザは、システム側ではいずれの選択肢が当該択一選択記入項目の選択結果として認識されているか確認できると便宜である。
【0006】
そこで、本発明は、択一選択記入項目について、複数の選択肢が選択された場合であっても、いずれの選択肢が有効であるかユーザに容易に把握させることが可能な記入支援システムを提供することを主な課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る記入支援システムは、コード化パターンを読み取り、手書きストロークに関する記入情報を生成する電子ペンと、複数の選択肢を有し、前記選択肢から択一選択が必要な択一選択記入項目を含む記入項目の各記入欄が設けられ、かつコード化パターンが形成された帳票と、前記電子ペンから前記記入情報を受信する端末装置とを備える記入支援システムであって、前記端末装置は、前記記入情報に基づき、前記選択肢の各々について選択されたか否か判定する判定手段と、前記択一選択記入項目のうち、複数の選択肢が選択された択一選択記入項目があると前記判定手段が判定した場合、当該択一選択記入項目と、前記複数の選択肢のうち最後に選択された選択肢であって、有効とみなされる選択肢を示す選択結果との一覧を表示した選択結果一覧画面を表示手段に表示させる表示制御手段と、を備える。
【0008】
上記記入支援システムによれば、端末装置は、電子ペンから送信される記入情報に基づき、コード化パターンが印刷された帳票に設けられた択一選択項目の選択肢の各々について選択されたか否か判定し、択一選択記入項目のうち、複数の選択肢が選択された択一選択記入項目について、択一選択記入項目と、最後に選択された選択肢に相当する選択結果との一覧を示す選択結果一覧画面を表示する。これにより、記入支援システムは、択一選択記入項目について、複数の選択肢が選択された場合であっても、選択結果一覧画面により、いずれの選択肢が有効であるかユーザに容易に把握させることができる。
【0009】
上記記入支援システムの一態様では、前記表示制御手段は、前記選択結果一覧画面の表示中、複数の選択肢が選択された択一選択記入項目について、前記選択結果の選択肢と異なる選択肢が選択された場合、当該選択された選択肢を前記選択結果とする前記選択結果一覧画面に、即時に前記表示手段の表示を更新する。この態様により、記入支援システムは、選択結果一覧画面の表示中に、択一選択記入項目の選択結果を記入者に修正させることが可能となり、かつ、修正を反映した選択結果一覧画面を即時に表示して、修正が反映されたかユーザに容易に把握させることができる。
【0010】
上記記入支援システムの他の一態様では、前記表示制御手段は、前記選択結果一覧画面の表示中、前記択一選択記入項目が、複数の選択肢が選択されていない状態から複数の選択肢が選択された状態に遷移した場合、当該択一選択記入項目の名称と、当該択一選択記入項目の選択結果とを、前記一覧に即時に追加する。この態様により、記入支援システムは、選択結果一覧画面の表示中に、複数の選択肢が選択された択一選択記入項目が増えた場合であっても、最新の記入内容に即した選択結果一覧画面を表示することができる。
【0011】
上記記入支援システムの他の一態様では、前記表示制御手段は、前記選択結果一覧画面を前記表示手段に表示させる場合、前記選択結果を、前記選択結果一覧画面での操作に基づき、設定されている選択肢とは異なる選択肢へ変更可能な態様で表示させる。「設定されている選択肢とは異なる選択肢へ変更可能な態様」とは、例えばプルダウンメニューによる表示態様である。この態様により、記入支援システムは、選択結果一覧画面上で、択一選択記入項目の選択結果の変更を好適に受け付けることができる。
【0012】
上記記入支援システムの他の一態様では、前記表示制御手段は、前記帳票に設けられた前記記入欄と、前記記入情報に基づき即時に描画される前記手書きストロークと、前記記入欄への記入が完了した場合に選択可能なボタンとを表示する確認画面を前記表示手段に表示させ、前記ボタンが選択された場合であって、複数の選択肢が選択された択一選択記入項目が存在する場合に、当該択一選択記入項目に対応する前記選択結果の一覧を表示すると共に、当該選択結果を確定すべきか否か選択させるボタンを表示した前記選択結果一覧画面を前記表示手段に表示させる。ここで、「ボタン」は、マウスによるクリックやタッチパネルによる入力などに基づき選択可能な表示を指す。この態様により、記入支援システムは、確認画面で記入欄への記入内容をユーザに確認させることができると共に、記入内容を確定する前に選択結果一覧画面を表示し、複数の選択肢が選択された択一選択記入項目の選択結果が正しいか否かユーザに最終的に確認させることができる。
【0013】
本発明に係る端末装置は、コード化パターンを読み取り、手書きストロークに関する記入情報を生成する電子ペンと、複数の選択肢を有し、前記選択肢から択一選択が必要な択一選択記入項目を含む記入項目の各記入欄が設けられ、かつコード化パターンが形成された帳票とを備える記入支援システムに使用される端末装置であって、前記電子ペンから前記記入情報を受信する受信手段と、前記記入情報に基づき、前記選択肢の各々について選択されたか否か判定する判定手段と、前記択一選択記入項目のうち、複数の選択肢が選択された択一選択記入項目があると前記判定手段が判定した場合、当該択一選択記入項目と、前記複数の選択肢のうち最後に選択された選択肢であって、有効とみなされる選択肢を示す選択結果との一覧を表示した選択結果一覧画面を表示手段に表示させる表示制御手段とを備える。
【0014】
この態様により、端末装置は、電子ペンから送信される記入情報に基づき、コード化パターンが印刷された帳票に設けられた択一選択項目の選択肢の各々について選択されたか否か判定し、択一選択記入項目のうち、複数の選択肢が選択された択一選択記入項目について、択一選択記入項目と、最後に選択された選択肢に相当する選択結果との一覧を示す選択結果一覧画面を表示する。従って、端末装置は、択一選択記入項目について、複数の選択肢が選択された場合であっても、選択結果一覧画面により、いずれの選択肢が有効であるかユーザに容易に把握させることができる。
【0015】
上記端末装置の一態様では、前記表示制御手段は、前記選択結果一覧画面の表示中、複数の選択肢が選択された択一選択記入項目について、前記選択結果の選択肢と異なる選択肢が選択された場合、当該選択された選択肢を前記選択結果とする前記選択結果一覧画面に、即時に前記表示手段の表示を更新する。この態様により、端末装置は、選択結果一覧画面の表示中に、択一選択記入項目の選択結果を記入者に修正させることが可能となり、かつ、修正を反映した選択結果一覧画面を即時に表示して、修正が反映されたかユーザに容易に把握させることができる。
【0016】
上記端末装置の他の一態様では、前記表示制御手段は、前記選択結果一覧画面の表示中、前記択一選択記入項目が、複数の選択肢が選択されていない状態から複数の選択肢が選択された状態に遷移した場合、当該択一選択記入項目と、当該択一選択記入項目の選択結果とを、前記一覧に即時に追加する。この態様により、端末装置は、選択結果一覧画面の表示中に、複数の選択肢が選択された択一選択記入項目が増えた場合であっても、適切に選択結果一覧画面を更新することができる。
【0017】
上記端末装置の他の一態様では、前記表示制御手段は、前記選択結果一覧画面を前記表示手段に表示させる場合、前記選択結果を、前記選択結果一覧画面での操作に基づき、設定されている選択肢とは異なる選択肢へ変更可能な態様で表示させる。この態様により、記入支援システムは、選択結果一覧画面上で、択一選択記入項目の選択結果の変更を好適に受け付けることができる。
【0018】
上記端末装置の他の一態様では、前記表示制御手段は、前記帳票に設けられた前記記入欄と、前記記入情報に基づき即時に描画される前記手書きストロークと、前記記入欄への記入が完了した場合に選択可能なボタンとを表示する確認画面を前記表示手段に表示させ、前記ボタンが選択された場合であって、複数の選択肢が選択された択一選択記入項目が存在する場合に、当該択一選択記入項目に対応する前記選択結果の一覧を表示すると共に、当該選択結果を確定すべきか否か選択させるボタンを表示した前記選択結果一覧画面を前記表示手段に表示させる。この態様により、記入支援システムは、確認画面で記入欄への記入内容をユーザに確認させることができると共に、記入内容を確定する前に選択結果一覧画面を表示し、複数の選択肢が選択された択一選択記入項目の選択結果が正しいか否かユーザに最終的に確認させることができる。
【0019】
本発明に係るプログラムは、コード化パターンを読み取り、手書きストロークに関する記入情報を生成する電子ペンと、複数の選択肢を有し、前記選択肢から択一選択が必要な択一選択記入項目を含む記入項目の各記入欄が設けられ、かつコード化パターンが形成された帳票とを備える記入支援システムに使用されるコンピュータ装置により実行されるプログラムであって、前記電子ペンから前記記入情報を受信する受信手段、前記記入情報に基づき、前記選択肢の各々について選択されたか否か判定する判定手段、前記択一選択記入項目のうち、複数の選択肢が選択された択一選択記入項目があると前記判定手段が判定した場合、当該択一選択記入項目と、前記複数の選択肢のうち最後に選択された選択肢であって、有効とみなされる選択肢を示す選択結果との一覧を表示した選択結果一覧画面を表示手段に表示させる表示制御手段として前記コンピュータ装置を機能させる。
【0020】
上記プログラムの一態様では、前記表示制御手段は、前記選択結果一覧画面の表示中、複数の選択肢が選択された択一選択記入項目について、前記選択結果の選択肢と異なる選択肢が選択された場合、当該選択された選択肢を前記選択結果とする前記選択結果一覧画面に、即時に前記表示手段の表示を更新する。
【0021】
上記プログラムの他の一態様では、前記表示制御手段は、前記選択結果一覧画面の表示中、前記択一選択記入項目が、複数の選択肢が選択されていない状態から複数の選択肢が選択された状態に遷移した場合、当該択一選択記入項目と、当該択一選択記入項目の選択結果とを、前記一覧に即時に追加する。
【0022】
上記プログラムの他の一態様では、前記表示制御手段は、前記選択結果一覧画面を前記表示手段に表示させる場合、前記選択結果を、前記選択結果一覧画面での操作に基づき、設定されている選択肢とは異なる選択肢へ変更可能な態様で表示させる。
【0023】
上記プログラムの他の一態様では、前記表示制御手段は、前記帳票に設けられた前記記入欄と、前記記入情報に基づき即時に描画される前記手書きストロークと、前記記入欄への記入が完了した場合に選択可能なボタンとを表示する確認画面を前記表示手段に表示させ、前記ボタンが選択された場合であって、複数の選択肢が選択された択一選択記入項目が存在する場合に、当該択一選択記入項目に対応する前記選択結果の一覧を表示すると共に、当該選択結果を確定すべきか否か選択させるボタンを表示した前記選択結果一覧画面を前記表示手段に表示させる。これらのプログラムをコンピュータ装置にインストールして機能させることで、本発明に係るコンピュータ装置を構成させることができる。
【発明の効果】
【0024】
本発明によれば、記入支援システムは、電子ペンから送信される記入情報に基づき、コード化パターンが印刷された帳票に設けられた択一選択項目の選択肢の各々について選択されたか否か判定し、択一選択記入項目のうち、複数の選択肢が選択された択一選択記入項目について、択一選択記入項目の名称と、最後に選択された選択肢に相当する選択結果との一覧を示す選択結果一覧画面を表示する。これにより、記入支援システムは、択一選択記入項目について、複数の選択肢が選択された場合であっても、選択結果一覧画面により、いずれの選択肢が有効であるかユーザに容易に把握させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】本実施形態に係る口座開設申込システムの構成図である。
【図2】プリンターにより印刷された申込書の上面の概略図を示す。
【図3】ドットパターンにおけるドットの配置と変換される値との関係を示す説明図である。
【図4】(a)は、ドットパターンを模式的に示し、(b)は、それに対応する情報の例を示す図である。
【図5】電子ペンの構造を示す概略図である。
【図6】電子ペンにより送信される記入情報を模式的に示した図である。
【図7】図6中に用いられている記号を説明した表である。
【図8】受付ブース用端末及びデータ保存用サーバの機能ブロック図である。
【図9】(a)申込書の第1記入部の記入欄に対応する座標定義情報のデータ構造を示す。(b)申込書の第2記入部の記入欄に対応する座標定義情報のデータ構造を示す。
【図10】(a)ペンIDと、受付ブース番号との対応を示すデータ構造である。(b)ペンIDと、窓口番号との対応を示すデータ構造である。
【図11】口座開設の申込手続開始画面を示す。
【図12】運転免許証の挿入画面を示す。
【図13】IC運転免許証の確認画面を示す。
【図14】非IC運転免許証の確認画面を示す。
【図15】電子ペンによる申込書への記入を促す画面を示す。
【図16】申込書へ記入がなされていない場合に表示される申込書記入ナビゲーション画面を示す。
【図17】必須又は選択必須の記入項目のうち、未記入項目が所定値以下になった場合に表示される申込書記入ナビゲーション画面を示す。
【図18】必須又は選択必須の記入項目がなくなった場合に表示される申込書記入ナビゲーション画面を示す。
【図19】記入終了ボタンが選択された後再び申込書へ記入された場合に表示される画面である。
【図20】番号札の受取画面を示す。
【図21】申込データ一覧画面を示す。
【図22】未記入項目が申込書に存在する場合の第1記入部を表示した詳細確認画面を示す。
【図23】未記入項目が申込書に存在する場合の第2記入部を表示した詳細確認画面を示す。
【図24】未記入項目が申込書に存在しない場合の第1記入部を表示した詳細確認画面を示す。
【図25】未記入項目が申込書に存在しない場合の第2記入部を表示した詳細確認画面を示す。
【図26】選択結果一覧画面を示す。
【図27】表示中に申込書に記入がなされたことにより表示が更新された選択結果一覧画面を示す。
【図28】変形例に係る選択結果一覧画面を示す。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、図面を参照しながら、本発明を実施するのに好適な実施形態について説明する。
【0027】
[口座開設申込システムの構成]
図1は、本実施形態に係る口座開設申込システムの構成を示す。図1に示すように、本実施形態の口座開設申込システムは、口座開設の申込者等が受付ブースにて使用する電子ペン1Aと、申込者等が窓口にて使用する電子ペン1Bと、受付ブースで申込者が使用する受付ブース用端末2Aと、窓口で窓口担当の行員が使用する窓口用端末2Bと、事務管理部門の行員が受付ブースや窓口での記入内容を確認するためのバックオフィス用端末2Cと、運転免許証を挿入することで運転免許証のIC情報や暗証番号、運転免許証画像を取得すマルチカードスキャナ3と、データ保存用サーバ4と、申込書7等を印刷するプリンター6と、口座開設に必要な事項を記入する申込書7と、を備える。受付ブース用端末2A、窓口用端末2B、バックオフィス用端末2C、データ保存用サーバ4、及びプリンター6は、有線または無線で接続している。また、受付ブース用端末2Aとマルチカードスキャナ3は、有線または無線で接続している。以下、各構成要素について具体的に説明する。
【0028】
(申込書)
まず、申込書(電子ペン用帳票)7について図2を参照して説明する。図2は、プリンター6により印刷された申込書7の上面の概略図を示す。図2に示すように、申込書7の上面は、名前や生年月日などの各種個人情報の記入項目に対応する記入欄が設けられた第1記入部71と、口座番号などの開設する口座に関する記入項目に対応する記入欄が設けられた第2記入部72とを有する。後述するように、申込者は、受付ブースにて電子ペン1Aにより第1記入部71の記入欄に必要な記入項目の記載を行う。また、申込者及び窓口担当者は、窓口にて電子ペン1Bにより第1記入部71及び第2記入部72の記入欄に必要な記入項目を記載する。これらの記入欄は、赤外域に吸収特性を持たないインクにより印刷される。
【0029】
また、申込書7には、後述するドットパターンが印刷されている。具体的には、申込書7は、記入欄ごとに、異なる座標範囲を示すドットパターンが印刷されている。また、申込書7に印刷されるドットパターンは、申込書7ごとに異なる座標範囲を示す。ドットパターンは、赤外線を吸収するカーボンを含んだインクにより印刷される。
【0030】
申込書7は、事前に印刷されていてもよく、受付ブース用端末2A、窓口用端末2B、バックオフィス用端末2Cからの印刷指示に基づき、任意のタイミングでプリンター6が印刷を行ってもよい。
【0031】
(ドットパターン)
続いて、申込書7に印刷されたアノト方式のドットパターン(コード化パターン)について図3及び図4を用いて説明する。図3は、申込書7に印刷されたドットパターンのドットとそのドットが変換される値との関係を説明する図である。図3に示すように、ドットパターンの各ドットは、その位置によって所定の値に対応付けられている。すなわち、ドットの位置を仮想格子の基準位置(縦線及び横線の交差点)から上下左右のどの方向にシフトするかによって、各ドットは、0〜3の値に対応付けられている。また、各ドットの値は、さらに、X座標用の第1ビット値及びY座標用の第2ビット値に変換できる。このようにして対応付けられた情報の組合せにより、申込書7上の位置座標が決定されるよう構成されている。
【0032】
図4(a)は、あるドットパターンの配列を示している。図4(a)に示すように、縦横約2mmの範囲内に6×6個のドットが、申込書7上のどの部分から6×6ドットを取ってもユニークなパターンとなるように配置されている。これら36個のドットにより形成されるドットパターンは位置座標(例えば、そのドットパターンが申込書7上のどの位置にあるのか)を保持している。図4(b)は、図4(a)に示す各ドットを、格子の基準位置からのシフト方向によって、図3に示す規則性に基づいて対応づけられた値に変換したものである。この変換は、ドットパターンの画像を撮影する電子ペン1によって行われる。
【0033】
(電子ペン)
次に、電子ペン1(1A、1B)について図5を用いて説明する。図5は、電子ペン1の構造を示す概略図である。図5に示すように、電子ペン1は、その筐体101の内部に、ペン部104、LED105、CMOSカメラ106、圧力センサ107、CPU等により構成されるプロセッサ108、ROMやRAMといったメモリ109、リアルタイムクロック110、アンテナ等により構成される通信ユニット111、及びバッテリー112を備える。ペン部104の先端は、ペン先部103となっており、ユーザは、電子ペン1のペン先部103を申込書7に当接させて、ストローク(手書きストローク)を記入する。ペン部104は、ペン先部103よりインクが出るようにインクが充填されたインクカートリッジを備える。ここで、電子ペン1のペン先部103が申込書7に接触することをペンダウンと呼び、接触している(当接している)状態からペン先部103が離れることをペンアップと呼ぶ。電子ペン1のペンダウンからペンアップまでの間に記入される軌跡が1つのストロークとなり、文字や図形等は、1つ又は複数個のストロークからなる。
【0034】
バッテリー112は電子ペン1内の各部品に電力を供給するためのものであり、例えば電子ペン1のキャップ(図示せず)の脱着により電子ペン1自体の電源のオン/オフを行うよう構成させてもよい。リアルタイムクロック110は、現在時刻(タイムスタンプ)を示す時刻情報を発信し、プロセッサ108に供給する。圧力センサ107は、ユーザが電子ペン1により申込書7に文字やマークを書いたりタップしたりする際にペン先部103からペン部104を通じて与えられる圧力、即ち筆圧を検出し、その値をプロセッサ108へ伝送する。
【0035】
プロセッサ108は、圧力センサ107から与えられる筆圧データに基づいて、LED105及びCMOSカメラ106のスイッチのオン/オフを切替える。即ち、ユーザが電子ペン1で申込書7に文字などを書くと、ペン先部103に筆圧がかかり、圧力センサ107によって所定値以上の筆圧が検出されたときに、プロセッサ108は、ユーザが記入を開始したと判定して、LED105及びCMOSカメラ106を作動させる。そして、ユーザが1つのストロークを記入し終えて電子ペン1を申込書7から離すと、圧力センサ107は、所定値以上の筆圧が検出されなくなることでペンアップを検出する。すると、プロセッサ108は、ペンダウンからペンアップまでの間に生成したストロークデータ(後述する座標属性情報)とペンIDとを関連付けて、記入情報としてメモリ109に記憶させる。
【0036】
LED105とCMOSカメラ106は、電子ペン1のペン先部103付近に取り付けられており、筐体101におけるLED105及びCMOSカメラ106と対向する部分には、開口部102が形成されている。LED105は、申込書7上のペン先部103近傍に向けて赤外線を照明する。その領域は、ペン先部103が申込書7に接触する位置とはわずかにずれている。CMOSカメラ106は、LED105によって照明された領域内におけるドットパターンを撮影し、そのドットパターンの画像データをプロセッサ108に供給する。ここで、カーボンは赤外線を吸収するため、LED105によって照射された赤外線は、ドットに含まれるカーボンによって吸収される。そのため、ドットの部分は、赤外線の反射量が少なく、ドット以外の部分は赤外線の反射量が多い。CMOSカメラ106の撮影により、赤外線の反射量の違いから閾値を設けることによって、カーボンを含むドットの領域とそれ以外の領域を区別することができる。したがって、申込書7に記入欄などが印刷されていた場合でも、印刷したインクは赤外域に吸収性を持たないため、プロセッサ108は、ドットパターンを認識することができる。なお、CMOSカメラ106による撮影領域は、図4(a)に示すような約2mm×約2mmの大きさを含む範囲であり、CMOSカメラ106の撮影は毎秒50〜100回程度の定間隔で行われる。また、CMOSカメラ106は、ドットを鮮明に撮影するため、十分な被写界深度を有している。
【0037】
プロセッサ108は、ユーザの記入が行われる間、CMOSカメラ106によって供給される画像データのドットパターンから、ユーザが記入するストローク(筆跡)の申込書7上におけるX、Y座標(以後、単に「座標データ」または「座標情報」とも呼ぶ。)を連続的に演算していく。すなわち、プロセッサ108は、CMOSカメラ106によって供給される、図4(a)に示されるようなドットパターンの画像データを図4(b)に示すデータ配列に変換し、さらに、X座標ビット値・Y座標ビット値に変換して、そのデータ配列から所定の演算方法によりX、Y座標データを演算する。なお、プロセッサ108は、ドットパターンに対向する電子ペン1の角度に起因するドットの画像上の配列を補正する回転補正処理機能を備えている。そして、プロセッサ108は、リアルタイムクロック110から発信される現在時刻(タイムスタンプ:記入された時刻情報)、筆圧データ及びX、Y座標データを関連付ける。以後、これらの関連付けたデータを、まとめて「座標属性情報」と呼ぶ。なお、申込書7における6×6のドットパターンは、申込書7内で重複することはないため、ユーザが電子ペン1で文字等を記入すると、記入された位置が申込書7のどの位置に当たるかを、プロセッサ108による座標演算により特定することができる。
【0038】
メモリ109には、電子ペン1を識別するための「pen01」といったペンID、ペン製造者番号、ペンソフトウェアのバージョン等のプロパティ情報が記憶されている。また、メモリ109は、ペンIDと、時刻情報(タイムスタンプ)と、筆圧データと、X、Y座標データとを関連付けて、記入情報として記憶する。そして、電子ペン1Aは、通信ユニット111により、記入情報を受付ブース用端末2Aに送信し、電子ペン1Bは、通信ユニット111により、記入情報を窓口用端末2Bに送信する。通信ユニット111による受付ブース用端末2A又は窓口用端末2Bへの送信は、Bluetooth(登録商標)などの無線送信によって、即時的かつ逐次的に行われる。ここで、電子ペン1のペンダウンからペンアップまでの間に生成されて受付ブース用端末2A又は窓口用端末2Bに送信された1個又は複数個の座標属性情報は、当該端末によりストローク情報として記憶される。換言すると、1つのストロークは、1個又は複数個のX、Y座標の組からなり、受付ブース用端末2A及び窓口用端末2Bは、ペンダウン情報及びペンアップ情報によって、1つのストロークを構成する1個又は複数個の座標属性情報を認識する。
【0039】
次に、図6、図7を参照して、電子ペン1より送信される記入情報について説明する。図6は、電子ペン1により送信される記入情報を模式的に示した図である。なお、図7は、図6中に用いられている記号を説明した表である。ユーザが電子ペン1を用いて申込書7にストロークを記入する際、まず、電子ペン1を申込書7に接触させる。すると、電子ペン1の圧力センサ107によってペン先部103にかかる筆圧を検出する。電子ペン1のプロセッサ108は、圧力センサ107によって所定値以上の筆圧が検出されたと判断すると、電子ペン1の申込書7への接触を示すペンダウン情報と、電子ペン1の識別情報であるペンID等とを関連付けた記入情報を生成して、通信ユニット111に、その記入情報を受付ブース用端末2A又は窓口用端末2Bへ送信させる。ユーザは、電子ペン1のペン先部103の申込書7への接触後、ペン先部103を移動させてストロークを描くが、プロセッサ108も引き続き、演算により求めた座標情報(X,Y)と、圧力センサ107により検出される筆圧データ(P)、リアルタイムクロック110により発信された時刻情報(T)とを含む座標属性情報、及びペンIDを関連付けた記入情報を、CMOSカメラ106によるドットパターンの撮影周期に応じて、逐次生成し、通信ユニット111に当該記入情報を順次、受付ブース用端末2A又は窓口用端末2Bへ送信させる。ユーザがストロークを描き終え、電子ペン1を申込書7から離すと、圧力センサ107は筆圧を検出しなくなるため、プロセッサ108は、圧力センサ107によって所定値以上の筆圧が検出されなくなったと判断して、電子ペン1の申込書7への離脱を示すペンアップ情報と、電子ペン1の識別情報であるペンID等とを関連付けた記入情報を生成して、通信ユニット111に、その記入情報を受付ブース用端末2A又は窓口用端末2Bへ送信させる。このように、ユーザの一つのストロークの記入により、電子ペン1によって生成される座標属性情報の集合を「ストローク情報」と呼ぶ。
【0040】
(受付ブース用端末)
次に、受付ブース用端末2Aについて図8を参照して説明する。図8は、受付ブース用端末2A及びデータ保存用サーバ4の機能ブロック図である。概略的には、受付ブース用端末2Aは、申込者がタッチパネルなどによる画面の操作や運転免許証の暗証番号入力を行ったり、記入内容を確認したりするための端末である。また、受付ブース用端末2Aは、口座の開設に必要な本人確認記録書を作成し、プリンター6へ出力指示を行う。
【0041】
ここで、受付ブース用端末2Aは、ハードウェアとして、電子ペン1とのデータ通信が可能なアンテナ装置、CPU等のプロセッサ、ROMやRAMといったメモリ、ディスプレイ、マウスやキーボード等で構成されるパーソナルコンピュータ等で構成される。受付ブース用端末2Aは、機能的には、図8に示すように、マウス、キーボード、又は/及びタッチパネルなどの入力手段21、受信手段22、処理手段24、記憶手段25、表示手段26、送信手段27を備える。なお、後述するように、窓口用端末2B及びバックオフィス用端末2Cも、受付ブース用端末2Aと同様のハードウェア構成及び機能構成を有する。
【0042】
受信手段22は、アンテナ受信回路等により構成され、電子ペン1Aから記入情報を受信し、受信した情報を処理手段24に伝送する。表示手段26は、ディスプレイ等によって構成され、処理手段24によって指示された内容を表示する。送信手段27は、処理手段24の指示による申込書7の印刷指示(出力命令)をプリンター6に送信する。また、送信手段27は、記入情報を、当該記入情報を送信した電子ペン1Aと関連付られた受付ブース番号と共にデータ保存用サーバ4に送信する。プリンター6やデータ保存用サーバ4へのデータ送信方式は、有線式であっても無線式であってもよい。
【0043】
処理手段24は、CPU等のプロセッサによって構成され、受付ブース用端末2Aの全体の制御を行う。具体的には、処理手段24は、申込書7の印刷指示を検知した場合、後述する図9に示すテーブル又はマップを参照して印刷情報を生成し、各印刷サイズに合った異なる座標領域を示すドットパターンを各申込書7に割当てる。このとき、処理手段24は、ドットパターン以外については、電子ペン1で読み取れないインク(CMY:カーボンを含まない)で印刷する旨、及びドットパターンは電子ペン1で読み取り可能なカーボンを含むインク(Bk)で印刷する旨の印刷プロパティの設定を行う。なお、プリンター6が、カーボンを含まない黒色(「K」とする。)とカーボンを含む黒色(「Bk」とする。)とを区別して使用できる場合、ドットパターン以外をCMYKの4色のインクで印刷し、ドットパターンをカーボンを含む黒色のインク(Bk)で印刷するようにしてもよい。
【0044】
また、処理手段24は、申込書7への記入の際にドットパターンを読み取ることによって電子ペン1Aにより生成された記入情報を、受付ブース用端末2Aが受信すると、処理手段24は、記入情報に含まれる座標情報から後述する図9(a)に示すテーブル又はマップを参照して記入がなされた記入欄に対応するドットパターンの印刷領域(入力エリア)を特定し、当該入力エリアに、記入情報に基づくストロークを描画する。また、処理手段24は、後述する図10(a)に示す関連付け情報を参照して電子ペン1AのペンIDから特定した申込者が申込書7を記入した受付ブース番号を、受信した記入情報と共に、データベース5に記憶させる。
【0045】
なお、ストロークを表示するにあたって、処理手段24は、電子ペン1から受信した記入情報の中にペンダウン情報が含まれることを識別すると、最新のストローク情報を記憶するための記憶領域を記憶手段25に設定させる。そして、処理手段24は、受信した記入情報の中にペンアップ情報が含まれることを検出するまで、或いは、受信した記入情報の中に次のペンダウン情報が含まれることを検出するまで、受信した記入情報の中に含まれる座標属性情報を最新のストローク情報の一部として記憶手段25に記憶させる。
【0046】
また、処理手段24は、申込者の画面操作又は申込書7への記入内容に基づき、種々の画面を表示手段26に表示させる。これについては、[画面表示例]のセクションで詳しく説明する。
【0047】
記憶手段25は、ROMやRAMといったメモリによって構成される。記憶手段25は、プリンター6への申込書7の印刷指示を可能とするためのプリンタドライバ等のプログラムを記憶する。また、記憶手段25は、処理手段24の処理命令により、電子ペン1Aから受信した記入情報をペンID毎に記憶したり、プログラムの実行により生成される所定のデータを記憶したりする。
【0048】
記憶手段25は、広範囲の座標領域のドットパターンに関する情報を有しており、処理手段24の指示により、申込書7の各記入欄に割当てられたドットパターンの特定の座標領域に関する定義情報を記憶する。図9(a)は、受付ブース用端末2Aの記憶手段25に記憶され、申込書7の第1記入部71の各入力エリアに関連付けて記憶される座標領域を含む情報(以後、「座標定義情報」とも呼ぶ。)を示すデータ構造である。図9(a)に示すように、各記入欄に印刷されるドットパターンの座標領域に対して、各入力エリアの種別及び条件が対応付けられて記憶される。各入力エリアに関連付けられるドットパターンの座標領域は、角の位置座標(Xn,Yn)、高さ(Y方向)、幅(X方向)で規定される。また、各入力エリアに関連付けられる「条件」は、申込者による記入が必須の記入項目であることを示す「必須」、所定の記入項目と組をなし、当該組のうちいずれかが記入される必要がある記入欄であることを示す「選択必須」、申込者による記入が必須でない記入項目であることを示す「任意」、申込者が記入する記入項目でないことを示す「―」のいずれかが設定される。以後では、図9(a)、(b)の座標定義情報で条件が「必須」に指定されている入力エリアに対応する記入項目を、「必須記入項目」とも呼び、条件が「選択必須」に指定されている入力エリアに対応する記入項目を「選択必須記入項目」とも呼ぶ。
【0049】
なお、ドットパターンは、予め記憶せずに、処理手段24によって所定のアルゴリズムにより生成されるようにしてもよい。また、座標定義情報は、処理手段24が生成してもよい。
【0050】
また、記憶手段25は、電子ペン1のペンIDと、当該電子ペン1が使用される受付ブース番号とを関連付けた情報を記憶する。図10(a)は、記憶手段25が記憶する電子ペン1のペンIDと、受付ブース番号との対応を示すデータ構造である。図10(a)に示すように、各受付ブースには、それぞれ2つの電子ペン1Aが関連付けられている。ここでは、各受付ブースには、申込者による記入用と行員などが使用する予備用との2つの電子ペン1Aが用意されているものとする。
【0051】
なお、好適には、受付ブース用端末2Aの処理手段24は、受付ブース番号を有する受付ブースごとに設けられ、設置された受付ブースに関連付けられた電子ペン1A以外の電子ペン1から受信した記入情報を、処理することなく破棄してもよい。
【0052】
(窓口用端末)
次に、窓口用端末2Bについて説明する。概略的には、窓口用端末2Bは、窓口担当の行員がタッチパネルなどにより画面の操作を行ったり、受付ブースでの記入内容を確認したり、窓口での記入内容を確認したりするための端末である。また、窓口用端末2Bは、記入結果から口座開設に必要な諸届を作成し、プリンター6へ出力指示を行う。
【0053】
ここで、窓口用端末2Bは、ハードウェアとして、電子ペン1Bとのデータ通信が可能なアンテナ装置、CPU等のプロセッサ、ROMやRAMといったメモリ、ディスプレイ、マウス、キーボード等で構成されるパーソナルコンピュータ等で構成される。また、窓口用端末2Bは、機能的には、受付ブース用端末2Aと同様の入力手段、受信手段、処理手段、記憶手段、表示手段、及び送信手段を備える。
【0054】
さらに、窓口用端末2Bは、図9(a)に示す第1記入部71の入力エリアに対応する座標定義情報に加え、図9(b)に示す第2記入部72の入力エリアに対応する座標定義情報を記憶する。また、窓口用端末2Bは、電子ペン1BのペンIDと、当該電子ペン1Bが使用される窓口番号とを関連づけた情報を記憶する。図10(b)は、電子ペン1BのペンIDと、窓口番号との対応を示すデータ構造である。図10(b)に示すように、各窓口には、それぞれ2つの電子ペン1Bが関連付けられている。ここでは、各受付ブースには、申込者による記入用と行員などが使用する予備用との2つの電子ペン1Bが用意されているものとする。
【0055】
そして、窓口用端末2Bは、電子ペン1Bによって、申込書7への記入の際にドットパターンを読み取ることによって生成された記入情報と、データ保存用サーバから送信された記入情報を受信すると、記入情報に含まれる座標情報から図9(a)、(b)に示すテーブル又はマップを参照して記入がなされた記入欄を特定し、当該記入欄に、記入情報に基づくストロークを描画する。また、窓口用端末2Bは、後述する図10(b)に示す関連付け情報を参照して電子ペン1BのペンIDから特定した窓口番号を、受信した記入情報と共にデータ保存用サーバ4へ送信し、データベース5に記憶させる。
【0056】
また、窓口用端末2Bは、申込者の画面操作及び申込書7への記入内容に基づき、種々の画面を表示手段に表示させる。これについては、[画面表示例]のセクションで詳しく説明する。
【0057】
なお、好適には、窓口用端末2Bは、窓口番号を有する窓口ごとに設けられ、設置された窓口番号に関連付けられた電子ペン1B以外の電子ペン1から受信した記入情報を、処理することなく破棄してもよい。
【0058】
(バックオフィス端末)
バックオフィス用端末2Cは、事務管理部門の行員が受付ブースや窓口での記入内容を確認するための端末である。バックオフィス用端末2Cは、ハードウェアとして、CPU等のプロセッサ、ROMやRAMといったメモリ、ディスプレイ、マウスやキーボード等で構成されるパーソナルコンピュータ等で構成される。また、バックオフィス用端末2Cは、機能的には、窓口用端末2Bと同様の入力手段、受信手段、処理手段、記憶手段、表示手段、及び送信手段を備える。そして、バックオフィス用端末2Cは、[画面表示例]のセクションで述べる窓口用端末2Bが出力する画面と同様の画面を表示する。
【0059】
(データ保存用サーバ)
データ保存用サーバ4は、データベース5を有し、口座開設申込システムで使用される各種データを記憶する。データベース5は、運転免許証での本人確認の有無、電子ペン1A、1Bにより生成された記入情報、当該記入情報と共に送信される受付ブース番号及び窓口番号、記入情報から特定される受付時刻などのデータを、使用される申込書7ごとのデータ(「申込データ」とも呼ぶ。)として記憶する。
【0060】
また、データ保存用サーバ4は、図8に示すように、機能的には、受付ブース用端末2A及び窓口用端末2Bから記入情報等を受信する受信手段42と、データ保存用サーバ4全体の制御を行う処理手段44と、データベース5に相当する記憶手段45と、受付ブース用端末2A、窓口用端末2B、バックオフィス用端末2Cの要求に応じてデータベース5に記憶した申込データを当該端末へ送信する送信手段47とを備える。
【0061】
[画面表示例]
次に、受付ブース用端末2A、窓口用端末2B、及びバックオフィス用端末2Cが表示する画面表示例について、具体的に説明する。なお、以下では、受付ブース用端末2Aは、一例としてディスプレイにタッチパネルが積層されているものとする。
【0062】
(受付ブース用端末の画面遷移)
まず、受付ブース用端末2Aが表示する画面表示例について具体的に説明する。
【0063】
図11は、受付ブース用端末2Aが表示する口座開設の申込手続開始画面800を示す。図11に示すように、受付ブース用端末2Aは、口座開設申込システムのアプリケーションを起動すると、口座開設の申込手続を開始するための操作である画面へのタッチを促す旨のメッセージを表示する。
【0064】
図12は、申込手続開始画面800で画面へのタッチを検出した場合に受付ブース用端末2Aが表示する運転免許証の挿入画面810を示す。図12に示すように、運転免許証の挿入画面810は、運転免許証ボタン811と、その他ボタン812とを有する。
【0065】
運転免許証ボタン811は、本人確認証として運転免許証を使用する際に選択されるボタンである。そして、運転免許証ボタン811が選択された場合、受付ブース用端末2Aは、マルチカードスキャナ3に運転免許証を挿入すべき旨を表示した画面を表示する。その後、受付ブース用端末2Aは、マルチカードスキャナ3に運転免許証が挿入されたことを検知すると、後述する図13及び図14に示す運転免許証の確認画面820(820A、820B)を表示する。
【0066】
その他ボタン812は、本人確認証として運転免許証以外を使用する際に選択されるボタンである。その他ボタン812が選択された場合、受付ブース用端末2Aは、運転免許証の確認画面820を表示することなく、図15に示す申込書7への記入を促す案内画面830を表示する。
【0067】
図13は、ICカード化された運転免許証(IC運転免許証)がマルチカードスキャナ3に挿入された場合に表示される運転免許証の確認画面820Aの一例を示す。運転免許証の確認画面820Aは、マルチカードスキャナ3でスキャンした画像を確認し、暗証番号を入力して、本人確認資料を作成するための画面である。具体的には、運転免許証の確認画面820Aは、運転免許証画像821、822と、暗証番号1入力ボックス823と、暗証番号2入力ボックス824と、数字ボタン825と、訂正ボタン826と、確認ボタン827と、入力しないボタン828とを有する。
【0068】
運転免許証画像821は、マルチカードスキャナ3によりスキャンされた運転免許証の表面の画像である。運転免許証画像822は、マルチカードスキャナ3によりスキャンされた運転免許証の裏面の画像である。暗証番号1入力ボックス823は、運転免許証のICに登録された暗証番号1を入力するためのテキストボックスである。暗証番号2入力ボックス824は、運転免許証のICに登録された暗証番号2を入力するためのテキストボックスである。数字ボタン825は、暗証番号の数字を入力するためのボタンである。訂正ボタン826は、暗証番号1入力ボックス823又は暗証番号2入力ボックス824で入力された数字を1つずつ消去し、訂正するためのボタンである。
【0069】
確認ボタン827は、暗証番号1入力ボックス823又は/及び暗証番号2入力ボックス824に入力された暗証番号と、運転免許証のICから取得した暗証番号とを照合を開始するためのボタンである。確認ボタン827が選択された後、受付ブース用端末2Aは、暗証番号の照合結果に基づき、行員が申込者の本人確認を行うための資料である本人確認資料を作成し、バックオフィスにあるプリンター6に当該本人確認資料を印刷させる。このとき、受付ブース用端末2Aは、IC運転免許証に記憶されたIC情報を用いて本人確認資料を作成してもよい。入力しないボタン828は、暗証番号を入力しない場合に選択されるボタンである。入力しないボタン828が選択された場合、受付ブース用端末2Aは、暗証番号の確認がされていない場合に相当する本人確認資料を作成し、バックオフィスにあるプリンター6に当該本人確認資料を印刷させる。また、受付ブース用端末2Aは、運転免許証の提示があった旨の情報をデータ保存用サーバ4へ送信し、データベース5に申込データとして記憶させる。
【0070】
図14は、ICカード化されていない運転免許証(非IC運転免許証)がマルチカードスキャナ3に挿入された場合に受付ブース用端末2Aに表示される運転免許証の確認画面820Bの一例を示す。図14に示すように、運転免許証の確認画面820Bは、運転免許証画像821、822と、確認ボタン827とを有する。そして、受付ブース用端末2Aは、確認ボタン827が選択された場合、非IC運転免許証が確認された場合に対応する本人確認資料を作成し、バックオフィスにあるプリンター6に当該本人確認資料を印刷させる。また、受付ブース用端末2Aは、運転免許証の提示があった旨の情報をデータ保存用サーバ4へ送信し、データベース5に申込データとして記憶させる。
【0071】
図15は、電子ペン1Aによる申込書7への記入を促す案内画面830を示す。図15に示す案内画面830は、図12に示す運転免許証の挿入画面810でその他ボタン812が選択された場合、図13、14に示す運転免許証の確認画面820A、820Bの確認ボタン827が選択された場合、又は、図13に示す運転免許証の確認画面820Aの入力しないボタン828が選択された場合に表示される。そして、受付ブース用端末2Aは、図15に示す案内画面830へのタッチを検出した場合、又は、申込書7への電子ペン1Aによる記入を検出した場合に、後述する図16〜図19の申込書記入ナビゲーション画面840(840A〜840D)を表示する。
【0072】
図16は、申込書7へ電子ペン1Aによる記入がなされていない状態に受付ブース用端末2Aに表示される申込書記入ナビゲーション画面840Aの一例を示す。申込書記入ナビゲーション画面840(840A〜840D)は、申込書7のうち、個人情報の記入欄が設けられた第1記入部71の記入を補助するための画面である。
【0073】
図16に示すように、申込書記入ナビゲーション画面840Aは、電子ペン1Aで申込書7に記入した内容がリアルタイムで表示される記入内容表示領域841と、電子ペン1Aで申込書7へ記入していない記入欄の項目を表示する未記入項目一覧リスト842とを有する。そして、受付ブース用端末2Aは、申込書7の第1記入部71の各記入欄を記入内容表示領域841に表示すると共に、電子ペン1Aから送信された記入情報に基づき、申込者が申込書7に記入したストロークを記入内容表示領域841にリアルタイムで表示する。
【0074】
また、受付ブース用端末2Aは、ドットパターンが付された各記入欄に対応する入力エリアについて、記入がなされたか否かの判定を行い、当該判定結果に基づき未記入項目一覧リスト842を更新する。具体的には、受付ブース用端末2Aは、記入がなされたと判断した記入項目が必須記入項目の場合、当該必須記入項目を未記入項目一覧リスト842から削除する。さらに、受付ブース用端末2Aは、記入がなされたと判断した記入項目が選択必須記入項目の場合、当該選択必須記入項目を含む選択必須記入項目の組を、未記入項目一覧リスト842から削除する。図16では、申込書7の記入欄にいずれも記入がなされていないことから、受付ブース用端末2Aは、未記入項目一覧リスト842に第1記入部71にある記入欄の項目であって、必須又は選択必須に指定されている記入欄の項目の全てを未記入項目一覧リスト842に表示する。
【0075】
ここで、各記入項目の入力エリアに記入がなされたか否かを判定する方法について補足説明する。受付ブース用端末2Aは、記入情報に基づき認識したストロークがいずれの入力エリアに記入されたか図9(a)に示す座標定義情報を参照して特定すると共に、当該ストロークの長さを算出する。そして、受付ブース用端末2Aは、当該ストロークの長さが予め定められた所定値より長い場合、当該入力エリアに記入があったと判断する。一方、受付ブース用端末2Aは、当該ストロークの長さが上述の所定値以下の場合、当該入力エリアに記入がなかったものとして取り扱う。これにより、受付ブース用端末2Aは、申込者が申込書7の記入の合間に、記入の目的以外で電子ペン1のペン先部103を申込書7に当接させた場合などに、未記入項目を誤って未記入項目一覧リスト842から削除するのを防ぐことができる。
【0076】
また、受付ブース用端末2Aは、認識したストロークが複数の入力エリアをまたぐ場合、当該ストロークを入力エリアごとに区切ったストローク(断片ストローク)のうち、最も断片ストロークが長い入力エリアに、記入がなされたものとし、他の入力エリアには記入がなされなかったものとして取り扱う。これにより、受付ブース用端末2Aは、申込者が所望の記入欄から一部はみ出して記載した場合であっても、好適に記入された記入欄を特定することができる。
【0077】
また、受付ブースにある電子ペン1Aにより申込書7に記入がなされた場合、受付ブース用端末2Aは、電子ペン1Aから送信された記入情報と共に、当該記入情報に含まれるペンIDから特定した受付ブース番号をデータ保存用サーバ4に送信し、申込データとしてデータベース5に記憶させる。
【0078】
図17は、必須記入項目のうち、未記入の必須記入項目が所定値以下になった場合に受付ブース用端末2Aが表示する申込書記入ナビゲーション画面840Bの一例を示す。図17に示すように、申込書記入ナビゲーション画面840Bでは、記入内容表示領域841に表示された記入欄のうち、未記入項目一覧リスト842に挙げられた記入項目に対応する記入欄が、縁取り及びハッチングにより強調表示されている。ここでは、図9(a)に示す座標定義情報で条件が必須に指定されている「おところ_フリガナエリア」及び「優先連絡先エリア」に対応する記入欄と、条件が選択必須に指定されている「自宅電話エリア」及び「携帯電話エリア」に対応する記入欄とが強調表示されている。なお、強調表示は、記入欄をハイライトさせることその他の手法によってもよい。
【0079】
このように、受付ブース用端末2Aは、未記入の記入欄が所定値以下になった場合には、記入内容表示領域841に表示された未記入の記入欄を強調表示する。ここで、上述の所定値は、例えば記入すべき記入欄の総数の半分以下の値に設定され、本実施例では「5」とする。これにより、受付ブース用端末2Aは、未記入の記入欄が少なくなった場合に、記入漏れがないように、未記入の記入欄を申込者に明確に認識させることができる。好適には、上述の所定値の設定は、変更可能であってもよい。この場合、窓口用端末2B又は/及びバックオフィス用端末2Cは、行員の入力に基づき、上述の所定値を変更する。
【0080】
また、図16及び図17に示すように、未記入項目一覧リスト842に表示する記入項目の数が少なくなるに従い、受付ブース用端末2Aは、未記入項目一覧リスト842に表示する記入項目のフォントサイズを段階的に大きくする。ここでは、例えば、受付ブース用端末2Aは、未記入項目一覧リスト842に表示する記入項目の数が上述の所定値以下の場合には、当該記入項目の数が上述の所定値より多い場合と比較して、未記入項目一覧リスト842に表示する記入項目のフォントサイズを大きくする。これにより、受付ブース用端末2Aは、未記入項目が少なくなるほど、未記入項目の存在を申込者に明確に認識させ、記入漏れを抑制することができる。
【0081】
図18は、第1記入部71に記載すべき記入項目のうち、未記入項目がなくなった場合に受付ブース用端末2Aに表示される申込書記入ナビゲーション画面840Cの一例を示す。図18に示すように、申込書記入ナビゲーション画面840Cは、「記入終了」と表示された記入終了ボタン843を有する。記入終了ボタン843は、未記入項目一覧リスト842に掲載の記入項目が全て削除された場合に表示されるボタンである。そして、記入終了ボタン843が選択された場合、受付ブース用端末2Aは、当該申込書7の第1記入部71について記入が終了した旨の情報をデータ保存用サーバ4へ送信し、申込データとしてデータベース5に記憶させる。そして、受付ブース用端末2Aは、後述する図20に示す番号札の受取画面850を表示する。
【0082】
好適には、これに加え、受付ブース用端末2Aは、第1記入部71の必須記入項目のうち、未記入の記入項目が存在する場合であっても、予め定めた所定時間以上申込書7への電子ペン1Aによる記入がない場合には、記入終了ボタン843を選択可能にする。
【0083】
図19は、「記入終了」と表示された記入終了ボタン843が選択された後に再び電子ペン1Aにより申込書7へ追記がなされた場合に表示される申込書記入ナビゲーション画面840Dの一例である。図19に示すように、申込書記入ナビゲーション画面840Dには、記入された申込書7は使用済みであり、新しい申込書7へ記入すべき旨を示す注意ウィンドウ860がポップアップ表示されている。
【0084】
このように、受付ブース用端末2Aは、記入終了ボタン843が選択された申込書7に付されたドットパターンに対応する記入情報を電子ペン1Aから受信した場合、申込書記入ナビゲーション画面840Dを表示し、当該記入情報を処理することなく破棄する。即ち、この場合には、受付ブース用端末2Aは、当該記入情報を申込書7に対して無効な記入情報として扱う。このようにすることで、受付ブース用端末2Aは、一度記入が終了した申込書7が申込者の意に反して改ざんされるのを抑制することができる。また、申込書7の一部を入手し、電子ペン1Aを使って受付ブース用端末2Aに記入情報に基づくストロークを描画させて情報を不正に取得することを抑制することもできる。
【0085】
なお、受付ブース用端末2Aは、申込書記入ナビゲーション画面840以外の画面を表示中であっても、記入終了ボタン843が選択された申込書7に対する記入情報を電子ペン1Aから受信した場合、当該画面上に注意ウィンドウ860を表示させても良い。
【0086】
なお、後述するように、窓口用端末2Bは、記入終了ボタン843が選択された申込書7に対する記入情報を電子ペン1Bから受信した場合には、当該記入情報に基づき、後述する図22〜図25の詳細確認画面910に当該記入情報に対応するストロークを表示すると共に、当該記入情報をデータ保存用サーバ4に送信し、データベース5に保存させる。即ち、この場合には、窓口用端末2Bは、当該記入情報を申込書7に対して有効な記入情報として扱う。
【0087】
図20は、番号札の受取画面850の一例を示す。受付ブース用端末2Aは、申込書記入ナビゲーション画面840Cで記入終了ボタン843が選択された場合、図20に示す番号札の受取画面850で、番号札を受け取ってしばらくお待ち頂く旨のメッセージを表示する。そして、受付ブース用端末2Aは、番号札の受取画面850を表示後、所定時間幅が経過した場合、又は、ディスプレイへのタッチを検出した場合、再び図11に示す申込手続開始画面800を表示する。
【0088】
(窓口用端末及びバックオフィス端末の画面遷移)
次に、窓口用端末2B及びバックオフィス用端末2Cが表示する画面について説明する。以下に説明する画面は、窓口用端末2B及びバックオフィス用端末2Cのいずれの端末にも、行員の操作に基づき表示される。このセクションでは、説明の便宜上、窓口用端末2B及びバックオフィス用端末2Cを特に区別しない場合、これらを「行員操作用端末」と総称する。
【0089】
図21は、各口座申込の状態を示す一覧画面である申込データ一覧画面900を示す。申込データ一覧画面900は、データベース5に記憶された各申込データの内容をリスト表示する画面であり、申込データ一覧リスト901と、前へボタン902と、次へボタン903と、窓口番号ボタン907とを有する。
【0090】
申込データ一覧リスト901は、各申込データについて、後述する申込受付ID906を表示する「No」の欄と、申込書7が記載された受付ブース番号を表示する「ブース」の欄と、窓口番号を表示する「窓口」の欄と、申込書7への記入が開始された日時を表示する「申込開始日時」の欄と、申込書7への記載が完了したか否かを表示する「記入完了」の欄と、運転免許証の確認の有無を表示する「免許証」の欄と、帳票印刷ボタン904を表示する「帳票印刷」の欄と、注意事項印刷ボタン905を表示する「注意事項印刷」の欄と、印刷された回数を表示する「印刷回数」の欄とが設けられている。
【0091】
ここで、申込受付ID906は、申込データごとに割り振られるIDであり、申込開始日時順に通し番号で付与される。また、申込受付ID906の表示部分は選択可能であり、所定の申込受付ID906が選択された場合、行員操作用端末は、選択された申込受付ID906に相当する申込書7が表示された図22〜図25で後述する申込内容を確認するための詳細確認画面910(910A〜910D)を表示する。また、行員操作用端末は、「ブース」の欄、「窓口」の欄、「申込開始日時」の欄、「記入完了」の欄、「免許証」の欄、「印刷回数」の欄を、データベース5に記録された申込ごとの申込データに基づき表示する。ここで、行員操作用端末は、各申込データについて、データベース5に記憶されている記入情報に含まれる時刻情報のうち、最先の日時を示す時刻情報を特定し、当該時刻情報を「申込開始日時」の欄に表示する。
【0092】
また、帳票印刷ボタン904は、申込書7の控えを印刷する際に選択されるボタンであり、後述する詳細確認画面910A、910Bの表示内容を合成した内容を印刷する際に選択されるボタンである。そして、帳票印刷ボタン904が選択された場合、行員操作用端末は、当該帳票印刷ボタン904と同一のリスト内の「印刷回数」の欄に表示された数値を「1」だけ増やし、増やした後の印刷回数の情報をデータ保存用サーバ4へ送信し、データベース5に申込データとして記憶させる。このように、「印刷回数」の欄は、帳票印刷ボタン904により申込書7の控えが印刷された後、不正に申込内容が改ざんされて再び印刷されることを防ぐために設けられている。注意事項印刷ボタン905は、申込書7の記入内容に応じた、又は各申込に共通した注意事項を印刷する際に選択されるボタンである。
【0093】
また、前へボタン902及び次へボタン902は、表示する申込データのリストを、前後の申込受付ID906を有する申込データのリストに変更する際に選択されるボタンである。
【0094】
窓口番号ボタン907は、存在する窓口番号ごとに設けられたボタンである。そして、いずれかの窓口番号に対応する窓口番号ボタン907が選択された場合、行員操作用端末は、当該窓口番号の窓口で取り扱い中の申込データに対応する後述の詳細確認画面910を表示する。具体的には、図21に示す申込データ一覧画面900で、「1」と表示した窓口番号ボタン907が選択された場合、行員操作用端末は、「窓口」の欄で「1」と表示された申込データのうち、申込開始日時が遅い、即ち最も申込受付ID906が最も大きい「323」の申込データに対応する詳細確認画面910を表示する。一方、「2」と表示した窓口番号ボタン907が選択された場合、行員操作用端末は、「窓口」の欄で「2」と表示された申込データのうち、最も申込受付ID906が最も大きい「321」の申込データに対応する詳細確認画面910を表示する。
【0095】
図22は、未記入項目が申込書7に存在する場合の第1記入部71を表示した詳細確認画面910Aを示す。また、図23は、未記入項目が申込書7に存在する場合の第2記入部72を表示した詳細確認画面910Bを示す。詳細確認画面910A、910Bは、後述する記入内容表示領域912がタッチされることにより互いに切り替わる。詳細確認画面910A、910Bは、バックオフィス用端末2Cから申込者の記入状況を確認する際、又は窓口にて申込者が追記した申込書7の内容を確認する際に使用される。詳細確認画面910A、910Bは、申込データ一覧画面900で任意の申込受付ID906が選択された場合、又は画面中に表示された窓口番号ボタン907が選択された場合に起動する。なお、詳細確認画面910A、910Bの切り替えは、申込書7への電子ペン1によるタップによってもよい。すなわち、電子ペン1で申込書7の第1記入部71をタップすると詳細確認画面910Aが表示され、申込書7の第2記入部72をタップすると詳細確認画面910Bが表示されるようにしてもよい。
【0096】
詳細確認画面910A、910Bは、窓口番号ボタン911と、記入内容表示領域912と、未記入項目一覧リスト913と、印刷ボタン914とを有する。窓口番号ボタン911は、申込データ一覧画面900の窓口番号ボタン907と同様、選択された窓口番号で取り扱い中の申込データに対応する詳細確認画面910を表示させるためのボタンである。記入内容表示領域912は、電子ペン1Bで申込書7に記入した内容がリアルタイムで表示される領域である。
【0097】
未記入項目一覧リスト913は、申込書記入ナビゲーション画面840の未記入項目一覧リスト842と同様、電子ペン1で申込書7へ記入していない項目を表示する。そして、行員操作用端末は、図9(a)、(b)に示す座標定義情報で必須又は選択必須に指定された入力エリアのうち、記入がなされていない入力エリアに対応する記入項目を未記入項目一覧リスト913で表示し、電子ペン1Bにより当該入力エリアへの記入を検出した場合、当該入力エリアに対応する記入項目を、未記入項目一覧リスト913から削除する。また、行員操作用端末は、記入を検出した入力エリアの条件が選択必須に指定されていた場合には、当該入力エリアと組で選択必須に指定されていた入力エリアの記入項目も合わせて未記入項目一覧リスト913から削除する。ここでは、図23に示すように、図9(b)に示す座標定義情報において、条件が「必須」と指定された入力エリア「カードの種類エリア」に対応する記入欄が未記入であることから、行員操作用端末は、当該記入欄の記入項目を未記入項目一覧リスト913に表示する。
【0098】
印刷ボタン914は、詳細確認画面910A、910Bの記入内容表示領域912の表示内容を合成した内容をプリンター6に印刷させる際に選択されるボタンである。なお、印刷ボタン914が選択された場合、行員操作用端末は、申込データ一覧画面900の「印刷回数」の欄に表示される数値を「1」だけ増やし、増やした後の印刷回数の情報をデータ保存用サーバ4へ送信し、データベース5に申込データとして記憶させてもよい。
【0099】
また、窓口にある電子ペン1Bにより申込書7に記入がなされた場合、窓口用端末2Bは、電子ペン1Bから送信された記入情報と共に、当該記入情報に含まれるペンIDから特定した窓口番号を、データ保存用サーバ4に送信し、データベース5に申込データとして記憶させる。
【0100】
図24は、申込書7への必要な記入が全てなされた場合の第1記入部71を表示した詳細確認画面910Cを示す。また、図25は、申込書7への必要な記入が全てなされた場合の第2記入部72を表示した詳細確認画面910Dを示す。詳細確認画面910C、910Dは、詳細確認画面910A、910Bと同様、記入内容表示領域912がタッチされることにより互いに切り替わる。なお、詳細確認画面910A、910Bの切り替えは、申込書7への電子ペン1によるタップによってもよい。
【0101】
図24、図25に示すように、詳細確認画面910C、910Dは、記入完了ボタン915を有する。記入完了ボタン915は、未記入項目一覧リスト913に掲載されていた未記入項目が全て削除された場合に表示されるボタンである。記入完了ボタン915が選択された場合、択一選択式の記入項目(「択一選択記入項目」とも呼ぶ。)で複数の選択肢が選択されている場合を除き、申込データ一覧画面900の申込データ一覧リスト901にある「記入完了」の欄に「○」が表示される。一方、記入完了ボタン915が選択された際、択一選択記入項目で複数の選択肢が選択されているときには、選択された複数の選択肢のうちいずれが有効かを示す選択結果を後述する選択結果一覧画面920に表示する。
【0102】
図26は、選択結果一覧画面920の一例を示す。選択結果一覧画面920は、複数選択一覧リスト921と、OKボタン922と、キャンセルボタン923とを有する。複数選択一覧リスト921は、択一選択記入項目の名称を表示する「記入項目」の欄と、当該択一選択記入項目で複数選択された選択肢のうち、行員操作用端末が有効であると判断した選択肢を示す「選択結果」の欄とを有する。
【0103】
図26では、行員操作用端末は、申込書7の「カードの種類」の記入欄で、「クレジットカード機能付き」の選択と、「クレジットカード機能無し」の選択欄との両方に記入がなされていると判断し、複数選択一覧リスト921の「記入項目」の欄に「カードの種類」を表示している。また、行員操作用端末は、各選択欄に記入されたストロークに対応する記入情報に含まれる時刻情報に基づき、「クレジットカード機能付き」の選択欄への電子ペン1による記入よりも、「クレジットカード機能無し」の選択欄への電子ペン1による記入の方が後になされたと判断し、「選択結果」の欄に、「クレジットカード無し」を表示する。このように、行員操作用端末は、択一選択記入項目で複数の選択肢が選択なされているときには、最後に記入がなされた選択欄に対応する選択肢が有効に選択されたものと推測し、当該選択肢を「選択結果」の欄に表示する。
【0104】
OKボタン922は、複数選択一覧リスト921の表示内容が正しいと判断した場合に選択されるボタンである。OKボタン922が選択された場合、行員操作用端末は、選択結果一覧画面920を閉じて、詳細確認画面910へ画面を遷移させる。そして、行員操作用端末は、申込書7への記入が完了した旨の情報をデータ保存用サーバ4へ送信し、データベース5に申込データとして記憶させる。その後、申込データ一覧画面900の申込データ一覧リスト901の「記入完了」の欄には、「○」が表示される。
【0105】
キャンセルボタン923は、複数選択一覧リスト921の表示内容に誤りがあると判断した場合に選択されるボタンである。キャンセルボタン923が選択された場合、行員操作用端末は、選択結果一覧画面920を閉じて、詳細確認画面910に表示画面を戻す。
【0106】
また、行員操作用端末は、選択結果一覧画面920を、申込書7への電子ペン1Bの記入に応じて、リアルタイムで更新する。言い換えると、行員操作用端末は、選択結果一覧画面920の表示中であっても、申込書7への電子ペン1Bによる記入により選択結果一覧画面920の表示内容に変更が生じた場合には、現在の申込書7への電子ペン1Bによる記入内容に応じて選択結果一覧画面920を更新する。
【0107】
図27は、選択結果一覧画面920の表示中に、申込書7に記入がなされたことにより表示が更新された選択結果一覧画面920Aを示す。ここでは、選択結果一覧画面920の表示中に申込書7の「優先連絡先」の記入欄の「自宅電話」の選択欄と「携帯電話」の選択欄との両方に記入がなされた結果、図27に示す選択結果一覧画面920Aでは、「記入項目」の欄に「優先連絡先」が追加され、「選択結果」の欄に「自宅電話」が追加されている。このように、行員操作用端末は、択一選択記入項目が、複数の選択肢が選択されていない状態から複数の選択肢が選択された状態に遷移した場合に、当該択一選択記入項目を複数選択一覧リスト921に即時に追加する。
【0108】
また、行員操作用端末は、選択結果一覧画面920の表示中であっても、電子ペン1Bにより申込書7への択一選択記入項目の選択結果を修正する書き込みがあった場合には、修正を反映した選択結果一覧画面920を即時に表示する。例えば、行員操作用端末は、図26に示す選択結果一覧画面920の表示中に、申込書7の「カードの種類」の記入欄において、電子ペン1Bにより、「クレジットカード機能有り」の選択欄への記入を検出した場合には、「記入項目」の欄の「カードの種類」に対応する「選択結果」の欄の記載を、「クレジットカード有り」に変更する。このように、これにより、行員操作用端末は、択一選択記入項目に関する修正が反映されたかユーザに即時に把握させることができる。なお、好適には、申込者は、択一選択記入項目の選択結果を修正する場合には、電子ペン1Bを用いて、誤って選択された選択欄に二重線等で取り消す旨の表示を付した後、所望の選択肢に対応する選択欄に再びチェックを入れるとよい。
【0109】
[本実施形態の口座開設申込システムによる作用効果]
本実施形態の口座開設申込システムによれば、受付ブース用端末2Aは、申込書記入ナビゲーション画面840で申込書7に記入した内容をリアルタイムで記入内容表示領域841に表示すると共に、記入項目のうち、必須記入項目、及び、選択必須記入項目の未記入項目を未記入項目一覧リスト842に表示する。同様に、窓口用端末2B及びバックオフィス用端末2Cは、詳細確認画面910で申込書7に記入した内容をリアルタイムで記入内容表示領域912に表示すると共に、記入項目のうち、必須記入項目、及び、選択必須記入項目の未記入項目を未記入項目一覧リスト913に表示する。このようにすることで、口座開設申込システムは、未記入の必須記入項目及び選択必須記入項目を容易にユーザに把握させると共に、必須記入項目及び選択必須記入項目への書き漏れを抑制することができる。
【0110】
また、受付ブース用端末2Aは、未記入項目一覧リスト842に表示された記入項目の数が少なくなるほど、未記入項目一覧リスト842に表示される記入項目の表示を段階的に大きくする。また、受付ブース用端末2Aは、未記入項目一覧リスト842に表示された記入項目の数が所定値以下になった場合、未記入項目一覧リスト842に表示された必須記入項目及び選択必須記入項目の記入欄を強調表示する。これにより、口座開設申込システムは、表示が煩雑になるのを抑制しつつ、未記入項目一覧リスト842に表示された記入項目の数が少なくなった場合にのみ、当該記入項目の記入欄の存在を効果的に申込者知らせることができる。
【0111】
また、窓口用端末2B及びバックオフィス用端末2Cは、電子ペン1Bから送信される記入情報に基づき、申込書7にある択一選択記入項目のうち、複数の選択肢が選択された択一選択記入項目について、その名称と、選択結果との一覧を示す選択結果一覧画面920を表示する。これにより、口座開設申込システムは、択一選択記入項目について、複数の選択肢が選択された場合であっても、選択結果一覧画面920により、いずれの選択肢が有効であるかユーザに容易に把握させることができる。
【0112】
また、受付ブース用端末2Aは、記入終了ボタン843が選択された後、再び電子ペン1Aにより申込書7への記入が行われた場合、新しい申込書7へ記入すべき旨を示す注意ウィンドウ860をポップアップ表示する。これにより、受付ブース用端末2Aは、電子ペン1Aにより再び記入がなされた申込書7について、当該申込書7が使用済みであることを明確に認識させることができると共に、申込書7に記載した内容が申込者の意に反して後発的に変更されるのを防ぐことができる。さらに、申込書7の一部を不正に入手し、電子ペン1Aを使って受付ブース用端末2Aに記入情報に基づくストロークを描画させて情報を不正に取得することを防ぐこともできる。また、窓口用端末2Bは、記入終了ボタン843が選択された後であっても、電子ペン1Bにより申込書7へ記入がなされた場合には、当該電子ペン1Bから送信された記入情報を有効とみなし、当該記入情報に対応するストロークを詳細確認画面910の記入内容表示領域912に表示する。このように、口座開設申込システムは、不正が行われるおそれがない窓口で使用される電子ペン1Bに限り、記入が終了したと判定された申込書7の追記を許可し、適切に申込者に記入項目を追記させることができる。
【0113】
[変形例]
次に、本実施形態の変形例について説明する。以下の変形例は、任意に組み合わせて上述の本実施形態に適用してもよい。
【0114】
(変形例1)
上記実施形態においては、必須記入項目と選択必須記入項目の両方が、未記入項目一覧リスト842に表示され、申込書7に電子ペン1で記入された項目を、未記入項目一覧リスト842から削除したが、申込書7に必須記入項目と選択必須記入項目のいずれか一方しかない場合には、その項目について、申込書7に電子ペン1で記入された項目を、未記入項目一覧リスト842から削除するようにしてもよい。あるいは、必須記入項目と選択必須記入項目のいずれかについて、申込書7に電子ペン1で記入された項目を、未記入項目一覧リスト842から削除するようにしてもよい。
(変形例2)
図16〜図18に示す申込書記入ナビゲーション画面840(840A〜840C)の表示は、一例であり、本発明が適用可能な表示はこれに限定されない。これに代えて、例えば、受付ブース用端末2Aは、図16〜図18に示す申込書記入ナビゲーション画面840(840A〜840C)に、申込日の記入を補助するための現在の年月日の表示、又は/及び、各記入欄を説明する文章の表示をさらに付加してもよい。
【0115】
(変形例3)
図22〜図25に示す詳細確認画面910(910A〜910D)は、それぞれ、申込書7の第1記入部71と、第2記入部72とを別画面で表示していた。これに代えて、窓口用端末2B及びバックオフィス用端末2Cは、詳細確認画面910A、910Bを合成した画面に相当する申込書7の全体を表示した画面、及び詳細確認画面910C、910Dを合成した画面に相当する申込書7の全体を表示した画面を表示してもよい。
【0116】
また、窓口用端末2B及びバックオフィス用端末2Cは、図22〜図25に示す詳細確認画面910の表示に加え、各記入欄を説明する文章の表示をさらに付加してもよい。
【0117】
(変形例4)
受付ブース用端末2Aは、記入終了ボタン843が選択された後に再び電子ペン1Aにより申込書7へ記入を行った場合に、図19に示す注意ウィンドウ860を表示した。これに代えて、又はこれに加えて、受付ブース用端末2Aは、詳細確認画面910C、910Dの記入完了ボタン915が選択され、申込データ一覧画面900の申込データ一覧リスト901にある「記入完了」の欄に「○」が表示された後、再び電子ペン1Aにより当該申込書7に対する記入情報を受信した場合に、現在表示中の画面に注意ウィンドウ860をポップアップ表示し、当該記入情報を処理することなく破棄してもよい。
【0118】
(変形例5)
窓口用端末2B及びバックオフィス用端末2Cは、記入完了ボタン915が押下された場合、択一選択記入項目で複数の選択肢が選択されているときには、該当記入項目及び選択結果を、選択結果一覧画面920の複数選択一覧リスト921に表示した。これに代えて、またはこれに加えて、窓口用端末2B及びバックオフィス用端末2Cは、印刷ボタン914が選択された場合に、選択結果一覧画面920を表示してもよい。
【0119】
(変形例6)
窓口用端末2B及びバックオフィス用端末2Cは、選択結果一覧画面920により表示された選択結果を、画面操作に基づき、設定されている選択肢とは異なる選択肢へ変更してもよい。
【0120】
図28は、変形例6に係る選択結果一覧画面920Bを示す。図28に示すように、選択結果一覧画面920Bは、「カードの種類」に対応する選択結果の欄にプルダウンメニュー924が表示されており、「クレジット機能無し」または「クレジット機能有り」のいずれかが選択可能となっている。このようにすることで、窓口用端末2B及びバックオフィス用端末2Cは、複数選択がなされている択一選択記入項目への記入内容を、画面上で好適に修正させることができる。
【0121】
(変形例7)
受付ブース用端末2A及び窓口用端末2Bは、電子ペン1から送信される記入情報に基づき、申込書7に記入されたストロークを認識して表示した。しかし、本発明が適用可能な形態は、これに限定されない。これに代えて、受付ブース用端末2A及び窓口用端末2Bは、申込書7の記入欄を表示した画面を表示し、タッチパネルへの入力に基づき当該画面上で直接的に各記入欄への入力を受け付けてもよい。この態様によれば、口座開設申込システムは、電子ペン1及び申込書7を必要とすることなく、申込者による必要な記入項目への入力を画面上で好適に受け付けることができる。
【0122】
(変形例8)
受付ブース用端末2Aは、マルチカードスキャナ3を介して運転免許証のICに格納されたIC情報を読み取った場合、当該IC情報を、申込書7への記入項目の一部に反映させて、申込者が電子ペン1Aにより記載すべき記入項目を削減してもよい。具体的には、この場合、受付ブース用端末2Aは、図16〜図18に示す申込書記入ナビゲーション画面840の各記入欄に、IC情報から読み取った対応する情報を表示すると共に、当該記入欄の項目名を、未記入項目一覧リスト842から削除する。また、受付ブース用端末2Aは、当該IC情報をデータ保存用サーバ4に送信し、申込データとしてデータベース5に記憶させる。
【0123】
(変形例9)
受付ブース用端末2A及び窓口用端末2Bは、申込書7への電子ペン1による記入内容を文字認識し、当該文字の情報を、データ保存用サーバ4に申込データとして記憶させてもよい。これにより、口座開設申込システムは、申込書7に記載された情報を、他の業務システムにも使用させることができる。
【0124】
(変形例10)
図1に示す口座開設申込システムの構成は一例であり、本発明が適用可能な構成は、これに限定されない。例えば、これに代えて、バックオフィス用端末2Cとデータ保存用サーバ4とは、1台の端末装置により実現されてもよい。
【0125】
(変形例11)
上記本実施形態において、アノト方式のコード化パターン(ドットパターン)を用いたが、位置座標を示すコード化パターンであればよく、アノト方式に限られない。
【符号の説明】
【0126】
1(1A、1B)…電子ペン
2A…受付ブース用端末
2B…窓口用端末
2C…バックオフィス用端末
3…マルチカードスキャナ
4…データ保存用サーバ
5…データベース
6…プリンター
7…申込書
21…入力手段
22…受信手段
24…処理手段
25…記憶手段
26…表示手段
27…送信手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
コード化パターンを読み取り、手書きストロークに関する記入情報を生成する電子ペンと、
複数の選択肢を有し、前記選択肢から択一選択が必要な択一選択記入項目を含む記入項目の各記入欄が設けられ、かつコード化パターンが形成された帳票と、
前記電子ペンから前記記入情報を受信する端末装置と
を備える記入支援システムであって、
前記端末装置は、
前記記入情報に基づき、前記選択肢の各々について選択されたか否か判定する判定手段と、
前記択一選択記入項目のうち、複数の選択肢が選択された択一選択記入項目があると前記判定手段が判定した場合、当該択一選択記入項目と、前記複数の選択肢のうち最後に選択された選択肢であって、有効とみなされる選択肢を示す選択結果との一覧を表示した選択結果一覧画面を表示手段に表示させる表示制御手段と
を備えることを特徴とする記入支援システム。
【請求項2】
前記表示制御手段は、
前記選択結果一覧画面の表示中、複数の選択肢が選択された択一選択記入項目について、前記選択結果の選択肢と異なる選択肢が選択された場合、当該選択された選択肢を前記選択結果とする前記選択結果一覧画面に、即時に前記表示手段の表示を更新することを特徴とする請求項1に記載の記入支援システム。
【請求項3】
前記表示制御手段は、
前記選択結果一覧画面の表示中、前記択一選択記入項目が、複数の選択肢が選択されていない状態から複数の選択肢が選択された状態に遷移した場合、
当該択一選択記入項目と、当該択一選択記入項目の選択結果とを、前記一覧に即時に追加することを特徴とする請求項1または2に記載の記入支援システム。
【請求項4】
前記表示制御手段は、
前記選択結果一覧画面を前記表示手段に表示させる場合、前記選択結果を、前記選択結果一覧画面での操作に基づき、設定されている選択肢とは異なる選択肢へ変更可能な態様で表示させることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の記入支援システム。
【請求項5】
前記表示制御手段は、
前記帳票に設けられた前記記入欄と、前記記入情報に基づき即時に描画される前記手書きストロークと、前記記入欄への記入が完了した場合に選択可能なボタンとを表示する確認画面を前記表示手段に表示させ、
前記ボタンが選択された場合であって、複数の選択肢が選択された択一選択記入項目が存在する場合に、当該択一選択記入項目に対応する前記選択結果の一覧を表示すると共に、当該選択結果を確定すべきか否か選択させるボタンを表示した前記選択結果一覧画面を前記表示手段に表示させることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の記入支援システム。
【請求項6】
コード化パターンを読み取り、手書きストロークに関する記入情報を生成する電子ペンと、
複数の選択肢を有し、前記選択肢から択一選択が必要な択一選択記入項目を含む記入項目の各記入欄が設けられ、かつコード化パターンが形成された帳票と
を備える記入支援システムに使用される端末装置であって、
前記電子ペンから前記記入情報を受信する受信手段と、
前記記入情報に基づき、前記選択肢の各々について選択されたか否か判定する判定手段と、
前記択一選択記入項目のうち、複数の選択肢が選択された択一選択記入項目があると前記判定手段が判定した場合、当該択一選択記入項目と、前記複数の選択肢のうち最後に選択された選択肢であって、有効とみなされる選択肢を示す選択結果との一覧を表示した選択結果一覧画面を表示手段に表示させる表示制御手段と
を備えることを特徴とする端末装置。
【請求項7】
前記表示制御手段は、
前記選択結果一覧画面の表示中、複数の選択肢が選択された択一選択記入項目について、前記選択結果の選択肢と異なる選択肢が選択された場合、当該選択された選択肢を前記選択結果とする前記選択結果一覧画面に、即時に前記表示手段の表示を更新することを特徴とする請求項6に記載の端末装置。
【請求項8】
前記表示制御手段は、
前記選択結果一覧画面の表示中、前記択一選択記入項目が、複数の選択肢が選択されていない状態から複数の選択肢が選択された状態に遷移した場合、
当該択一選択記入項目と、当該択一選択記入項目の選択結果とを、前記一覧に即時に追加することを特徴とする請求項6または7に記載の端末装置。
【請求項9】
前記表示制御手段は、
前記選択結果一覧画面を前記表示手段に表示させる場合、前記選択結果を、前記選択結果一覧画面での操作に基づき、設定されている選択肢とは異なる選択肢へ変更可能な態様で表示させることを特徴とする請求項6乃至8のいずれか一項に記載の端末装置。
【請求項10】
前記表示制御手段は、
前記帳票に設けられた前記記入欄と、前記記入情報に基づき即時に描画される前記手書きストロークと、前記記入欄への記入が完了した場合に選択可能なボタンとを表示する確認画面を前記表示手段に表示させ、
前記ボタンが選択された場合であって、複数の選択肢が選択された択一選択記入項目が存在する場合に、当該択一選択記入項目に対応する前記選択結果の一覧を表示すると共に、当該選択結果を確定すべきか否か選択させるボタンを表示した前記選択結果一覧画面を前記表示手段に表示させることを特徴とする請求項6乃至9のいずれか一項に記載の端末装置。
【請求項11】
コード化パターンを読み取り、手書きストロークに関する記入情報を生成する電子ペンと、
複数の選択肢を有し、前記選択肢から択一選択が必要な択一選択記入項目を含む記入項目の各記入欄が設けられ、かつコード化パターンが形成された帳票と
を備える記入支援システムに使用されるコンピュータ装置により実行されるプログラムであって、
前記電子ペンから前記記入情報を受信する受信手段、
前記記入情報に基づき、前記選択肢の各々について選択されたか否か判定する判定手段、
前記択一選択記入項目のうち、複数の選択肢が選択された択一選択記入項目があると前記判定手段が判定した場合、当該択一選択記入項目と、前記複数の選択肢のうち最後に選択された選択肢であって、有効とみなされる選択肢を示す選択結果との一覧を表示した選択結果一覧画面を表示手段に表示させる表示制御手段
として前記コンピュータ装置を機能させることを特徴とするプログラム。
【請求項12】
前記表示制御手段は、
前記選択結果一覧画面の表示中、複数の選択肢が選択された択一選択記入項目について、前記選択結果の選択肢と異なる選択肢が選択された場合、当該選択された選択肢を前記選択結果とする前記選択結果一覧画面に、即時に前記表示手段の表示を更新することを特徴とする請求項11に記載のプログラム。
【請求項13】
前記表示制御手段は、
前記選択結果一覧画面の表示中、前記択一選択記入項目が、複数の選択肢が選択されていない状態から複数の選択肢が選択された状態に遷移した場合、
当該択一選択記入項目と、当該択一選択記入項目の選択結果とを、前記一覧に即時に追加することを特徴とする請求項11または12に記載のプログラム。
【請求項14】
前記表示制御手段は、
前記選択結果一覧画面を前記表示手段に表示させる場合、前記選択結果を、前記選択結果一覧画面での操作に基づき、設定されている選択肢とは異なる選択肢へ変更可能な態様で表示させることを特徴とする請求項11乃至13のいずれか一項に記載のプログラム。
【請求項15】
前記表示制御手段は、
前記帳票に設けられた前記記入欄と、前記記入情報に基づき即時に描画される前記手書きストロークと、前記記入欄への記入が完了した場合に選択可能なボタンとを表示する確認画面を前記表示手段に表示させ、
前記ボタンが選択された場合であって、複数の選択肢が選択された択一選択記入項目が存在する場合に、当該択一選択記入項目に対応する前記選択結果の一覧を表示すると共に、当該選択結果を確定すべきか否か選択させるボタンを表示した前記選択結果一覧画面を前記表示手段に表示させることを特徴とする請求項11乃至14のいずれか一項に記載のプログラム。

【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図1】
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【図2】
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【図6】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【公開番号】特開2012−203571(P2012−203571A)
【公開日】平成24年10月22日(2012.10.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−66516(P2011−66516)
【出願日】平成23年3月24日(2011.3.24)
【出願人】(000002897)大日本印刷株式会社 (14,506)
【Fターム(参考)】