説明

記憶処理装置

【課題】本発明によれば、RAIDシステムにおいて、記憶装置の記憶容量を有効に利用することが可能な記憶処理装置を提供することを可能とする。
【解決手段】複数のリムーバブルハードディスク251等を接続可能なNAS20は、リムーバブルハードディスク251等を用いて構成されたRAIDを制御するRAID制御部と、リムーバブルハードディスク251等が接続された場合に、リムーバブルハードディスク251等の実記憶容量を用いて、RAIDにおいてリムーバブルハードディスク251等が実際に使用可能な記憶容量である使用可能記憶容量を設定する使用可能記憶容量設定部201とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の記憶装置を接続可能な記憶処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、データサーバやファイルサーバ等の記憶処理装置において蓄積されるデジタルデータの重要性は高い。そこで、これらのサーバ等に内蔵された又は外付けされたHDD(Hard Disk Drive)等の記憶装置の故障によって生じる当該デジタルデータの喪失を防ぐために、複数の記憶装置を多重化させる、又は複数の記憶装置を組み合わせて仮想的な記憶装置とするRAID(Redundant Arrays of Inexpensive Disks)技術に係るシステムが広く普及している。
【0003】
しかしながら、RAIDシステムにおいては、サーバ等に接続される複数の記憶装置のうち、故障した記憶装置に代わってサーバ等に接続される新たな記憶装置の記憶容量は、サーバ等にすでに接続される他の記憶装置の記憶容量以上でなければならないという条件がある。
【0004】
これに対し、RAIDシステムにおいて、故障した記憶装置と新たな記憶装置との実記憶容量が異なっている場合であっても、故障した記憶装置と新たな記憶装置を交換することができる二重化技術が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2004−265312号公報
【発明の概要】
【0006】
上述した技術は、HDD等の記憶装置の記憶容量と、1つの当該記憶装置を複数の領域に区切り、複数の記憶装置であるかのように利用することを可能とするパーティションに関する技術とに基づいている。具体的には、サーバ等にすでに接続されかつ故障していない記憶装置の実記憶容量が、故障した記憶装置と交換される新たな記憶装置の実記憶容量より大きい場合であっても、故障していない記憶装置に作成されているパーティションの記憶容量の合計が新たな記憶装置の実記憶容量以下である場合に、故障していない記憶装置に作成されているパーティションに記憶された内容が新たな記憶装置に複製され、二重化が維持される。
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、記憶装置に作成されるパーティションの記憶容量はユーザが任意に決定することができる。そのため、故障していない記憶装置のパーティションの記憶容量の合計と当該記憶装置の実記憶容量との差異が大きいほど、当該記憶装置において使用不可能な領域が増えてしまう。
【0008】
上記問題点に鑑み、本発明は、RAIDシステムにおいて、記憶装置の記憶容量を有効に利用することが可能な記憶処理装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上述した課題を解決するために、本発明は以下のような特徴を有している。
【0010】
本発明の特徴は、複数の記憶装置(リムーバブルハードディスク251、252)を接続可能な記憶処理装置(NAS20)であって、前記複数の記憶装置を用いて構成されたディスクアレイを制御するディスクアレイ制御部(RAID制御部203)と、前記複数の記憶装置のそれぞれである所定記憶装置が接続された場合に、前記所定記憶装置の実記憶容量を用いて、前記ディスクアレイにおいて前記所定記憶装置が実際に使用可能な記憶容量である使用可能記憶容量を設定する使用可能記憶容量設定部(使用可能記憶容量設定部201)とを備えることを要旨とする。
【0011】
このような記憶処理処置によれば、使用可能記憶容量は、記憶装置の表記上の記憶容量とみなされる値であるため、記憶装置の実記憶容量と大きく異なることがなく、記憶装置の記憶容量を有効に利用することが可能である。
【0012】
また、このような記憶処理処置によれば、表記上同一の記憶容量を有する複数の記憶装置を用いることにより、たとえ、当該複数の記憶装置それぞれの実記憶容量が異なる場合等であっても、ディスクアレイを構築することが可能となる。
【0013】
本発明の特徴は、前記ディスクアレイ制御部は、前記複数の記憶装置を冗長化させることを要旨とする。
【0014】
本発明の特徴は、前記ディスクアレイ制御部は、前記複数の記憶装置をまとめて、仮想的な記憶装置として制御することを要旨とする。
【0015】
本発明の特徴は、前記使用可能記憶容量設定部(使用可能記憶容量取得部2011)は、前記実記憶容量の特定の位以下を切り捨てた記憶容量を前記使用可能記憶容量に設定することを要旨とする。
【0016】
本発明の特徴は、前記使用可能記憶容量設定部(使用可能記憶容量取得部2011)は、前記実記憶容量の特定の位に対応する値が4以下の場合は、前記特定の位に対応する値を0とし、かつ前記特定の位より下の位を切り捨てた記憶容量を前記使用可能記憶容量に設定し、前記実記憶容量の特定の位に対応する値が5以上の場合は、前記特定の位に対応する値を5とし、かつ前記特定の位より下の位を切り捨てた記憶容量を前記使用可能記憶容量に設定することを要旨とする。
【0017】
本発明の特徴は、前記使用可能記憶容量設定部(使用可能記憶容量計算部2013)は、前記使用可能記憶容量に、前記実記憶容量から所定の計算式を用いて算出された値を設定することを要旨とする。
【0018】
本発明の特徴は、前記使用可能記憶容量設定部は、前記所定記憶装置の前記使用可能記憶容量を、前記所定記憶装置に書き込むことを要旨とする。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、RAIDシステムにおいて、記憶装置の記憶容量を有効に利用することが可能な記憶処理装置を提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明の実施形態に係るNASの外観構成図である。
【図2】本発明の実施形態に係る通信システムの全体概略構成図である。
【図3】本発明の実施形態に係るNASの構成図である。
【図4】本発明の実施形態に係る使用可能記憶容量テーブルの例である。
【図5】本発明の実施形態に係るリムーバブルハードディスクの使用可能記憶容量を示す例である。
【図6】本発明の実施形態に係るNASの第1の動作を示すフローチャートである。
【図7】本発明の実施形態に係るNASの第2の動作を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0021】
次に、図面を参照して、本発明の実施形態を説明する。具体的には、(1)NAS(Network Attached Storage)の外観構成
(2)通信システムの全体概略構成、(3)NASの構成、(4)NASの動作、(5)作用・効果、(6)その他の実施形態について説明する。以下の実施形態における図面の記載において、同一又は類似の部分には同一又は類似の符号を付している。なお、本実施形態における通信システムでは、DLNAガイドラインに基づいて通信が行われる。
【0022】
(1) NAS(Network Attached Storage)の外観構成
図1は、本発明の実施形態に係るNAS20の外観構成図である。
【0023】
図1に示すように、NAS(Network Attached Storage)10は、本体21と、蓋部22とを有する。NAS20は、2つのリムーバブルハードディスクを接続可能である。図1は、1つのリムーバブルハードディスク251が接続される状態を示す。
【0024】
(2)通信システムの全体概略構成
図2は、本発明の実施形態に係る通信システム1の全体概略構成図である。
【0025】
図2に示すように、通信システム1は、DMP対応テレビ受像機10と、NAS20と、ネットワーク30とを含む。
【0026】
DMP対応テレビ受像機10は、ネットワーク30を介して、NAS20に蓄積された映像や音声などのコンテンツを要求し、NAS20からコンテンツを受信して、表示する。なお、DMP対応テレビ受像機10は、パーソナルコンピュータであってもよい。
【0027】
NAS20は、ネットワーク30を介して、DMP対応テレビ受像機10からリクエストされたコンテンツをDMP対応テレビ受像機10に送信する。
【0028】
ネットワーク30はLAN(Local Area Network)である。
【0029】
(3)NASの構成
図3は、本発明の実施形態に係るNAS20の構成図である。
【0030】
図3に示すNAS20は、映像や音声などのコンテンツを通信システム1内のDMP対応テレビ受像機10に提供するものである。また、NAS20はRAID1システムによって、後述するリムーバブルハードディスク251とリムーバブルハードディスク252とのミラーリングを行う。
【0031】
NAS20は、制御部200と、通信部210と、記憶部220と、出力部230と、記憶装置接続部241と、記憶装置接続部242と、リムーバブルハードディスク251と、リムーバブルハードディスク252とを含む。
【0032】
制御部200は、例えばCPUによって構成され、NAS20が具備する各種機能を制御する。
【0033】
通信部210は、DMP対応テレビ受像機10との間で、ネットワーク30を介した通信を行う。
【0034】
記憶部220は、例えば、NAND Flash Memoryによって構成され、NAS20における制御などに用いられる各種情報を記憶する。具体的には、記憶部220は、OSプログラム、後述する使用可能記憶容量テーブル及び使用可能記憶容量計算式などを記憶する。
【0035】
出力部230は、例えばスピーカやLEDによって構成され、例外処理の実行状況などをユーザに通知する。
【0036】
記憶装置接続部241と記憶装置接続部242とは、リムーバブルハードディスク251とリムーバブルハードディスク252とをNAS20に装着するために用いられる。なお、本実施形態においては、RAID1のミラーリングを行うために、リムーバブルハードディスク251が記憶装置接続部241に、リムーバブルハードディスク252が記憶装置接続部242に、装着される。なお、本実施形態では、以下において、主に記憶装置接続部241及びリムーバブルハードディスク251を用いて説明を行っているが、記憶装置接続部241及びリムーバブルハードディスク251の代わりに記憶装置接続部242及びリムーバブルハードディスク252を用いてもよい。
【0037】
制御部200は、使用可能記憶容量設定部201と、RAID制御部203とを含む。また、使用可能記憶容量設定部201は、使用可能記憶容量取得部2011と、使用可能記憶容量計算部2013とを含む。
【0038】
使用可能記憶容量設定部201は、記憶装置接続部241に、リムーバブルハードディスク251が接続されたことを認識する。次に、使用可能記憶容量設定部201は、リムーバブルハードディスク251の所定のセクタに記憶されている、リムーバブルハードディスク251の実記憶容量を取得する。次に、使用可能記憶容量設定部201は、記憶部220から、後述する使用可能記憶容量テーブル又は使用可能記憶容量計算式を取得する。
【0039】
使用可能記憶容量取得部2011は、リムーバブルハードディスク251の実記憶容量と図4の例に示す使用可能記憶容量テーブルとを用いて、リムーバブルハードディスク251の使用可能記憶容量を取得する。当該使用可能記憶容量テーブルは、実記憶容量範囲と、実記憶容量範囲に含まれる実記憶容量を有するリムーバブルハードディスクの表記上の記憶容量とみなされる値を使用可能記憶容量として有する。具体的には、当該使用可能記憶容量テーブルは、実記憶容量が500M以上−550M未満の実記憶容量範囲に属する場合、特定単位で表された当該実記憶容量の10の位以下を切り捨てた値を使用可能記憶容量とする。また、実記憶容量が550M以上−600M未満の実記憶容量範囲に属する場合、特定単位で表された当該実記憶容量の10の位を5とし、1の位以下を切り捨てた値を使用可能記憶容量とする。例えば、使用可能記憶容量取得部2011は、リムーバブルハードディスク251の実記憶容量が512Mである場合、使用可能記憶容量テーブルを用いて、リムーバブルハードディスク251の使用可能記憶容量として500Mを取得する。また、使用可能記憶容量取得部2011は、リムーバブルハードディスク251の実記憶容量が562Mである場合、使用可能記憶容量テーブルを用いて、リムーバブルハードディスク251の使用可能記憶容量として550Mを取得する。なお、図4の使用可能記憶容量テーブルは一例であり、使用可能記憶容量テーブルの実記憶容量範囲と使用可能記憶容量とは、図4に示された値と異なる値を有していてもよい。また、使用可能記憶容量テーブルは、実記憶容量範囲と使用可能記憶容量とは異なる構成要素を有していてもよい。
【0040】
使用可能記憶容量計算部2013は、リムーバブルハードディスク251の実記憶容量と使用可能記憶容量計算式とを用いて、リムーバブルハードディスク251の使用可能記憶容量を算出する。当該使用可能記憶容量計算式は、リムーバブルハードディスクの表記上の記憶容量とみなされる値を使用可能記憶容量として算出する。具体的には、使用可能記憶容量計算式は、実記憶容量を所定の数で割り、その余りを実記憶容量から引いたものを使用可能記憶容量とする式である。例えば、使用可能記憶容量計算部2013は、リムーバブルハードディスク251の実記憶容量が512Mである場合、使用可能記憶容量計算式を用いて、512Mを100Mで割り、その余りである12Mを512Mから引いたものである500Mを、リムーバブルハードディスク251の使用可能記憶容量として算出する。なお、使用可能記憶容量計算式は、上記ロジックとは異なるロジックを用いて使用可能記憶容量を算出する式であってもよい。
【0041】
使用可能記憶容量設定部201は、使用可能記憶容量取得部2011によって取得された、又は使用可能記憶容量計算部2013によって算出された、リムーバブルハードディスク251の使用可能記憶容量を、リムーバブルハードディスク251の所定のセクタに書き込む。
【0042】
RAID制御部203は、RAID1のミラーリングを用いて、NAS20に接続されたリムーバブルハードディスク251とリムーバブルハードディスク252とを制御する。RAID制御部203は、使用可能記憶容量設定部201によってリムーバブルハードディスク251の所定のセクタに書き込まれた、リムーバブルハードディスク251の使用可能記憶容量に対応する領域をミラーリングの対象として扱う。同様に、RAID制御部203は、使用可能記憶容量設定部201によってリムーバブルハードディスク252の所定のセクタに書き込まれた、リムーバブルハードディスク252の使用可能記憶容量に対応する領域をミラーリングの対象として扱う。図5に例に示すように、リムーバブルハードディスク251とリムーバブルハードディスク252との使用可能記憶容量に対応する領域2500が、ミラーリングの対象である。一方、リムーバブルハードディスク251の領域2501とリムーバブルハードディスク252の領域2502とは、RAID制御部203が、ミラーリングの対象として扱わない領域である。なお、例えば、リムーバブルハードディスク251が故障したために交換される新たなリムーバブルハードディスクの使用可能記憶容量とすでにNAS20に接続されているリムーバブルハードディスク252の使用可能記憶容量とが異なる場合は、RAID制御部203は、出力部230によって、例外処理の実行状況などをユーザに通知してもよい。
【0043】
(4)NASの動作
次に、NAS20の動作を説明する。図6及び図7は、NAS20の動作を示すフローチャートである。
【0044】
まず、図6を用いて、RAID1のミラーリングを実行しているNAS20に接続されたリムーバブルハードディスク251が故障した場合に、NAS20が、NAS20に新たに接続されるリムーバブルハードディスクXを、すでにNAS20に接続されているリムーバブルハードディスク252によって再構築する第1の動作について説明する。
【0045】
ステップS101において、ユーザの操作により、故障したリムーバブルハードディスク251が記憶装置接続部241から取り外され、新たなリムーバブルハードディスクXが記憶装置接続部241に接続される。なお、リムーバブルハードディスクXはすでにフォーマット済みである。
【0046】
ステップS103において、使用可能記憶容量設定部201は、記憶装置接続部241に、リムーバブルハードディスクXが接続されたことを認識する。次に、使用可能記憶容量設定部201は、リムーバブルハードディスクXの所定のセクタに記憶されている、リムーバブルハードディスクXの実記憶容量を取得する。
【0047】
ステップS105において、使用可能記憶容量設定部201は、記憶部220から、使用可能記憶容量テーブルを取得する。
【0048】
ステップS107において、使用可能記憶容量取得部2011は、リムーバブルハードディスクXの実記憶容量と使用可能記憶容量テーブルとを用いて、リムーバブルハードディスクXの使用可能記憶容量を取得する。
【0049】
ステップS109において、使用可能記憶容量設定部201は、使用可能記憶容量取得部2011によって取得されたリムーバブルハードディスクXの使用可能記憶容量を、リムーバブルハードディスクXの所定のセクタに書き込む。
【0050】
ステップS111において、RAID制御部203は、RAID1のミラーリングを用いて、リムーバブルハードディスクXを、リムーバブルハードディスク252によって再構築する。
【0051】
次に図7を用いて、RAID1のミラーリングを実行しているNAS20に接続されたリムーバブルハードディスク251が故障した場合に、NAS20が、NAS20に新たに接続されるリムーバブルハードディスクXを、すでにNAS20に接続されているリムーバブルハードディスク252によって再構築する、上記第1の動作とは異なる第2の動作について説明する。
【0052】
ステップS201において、ユーザの操作により、故障したリムーバブルハードディスク251が記憶装置接続部241から取り外され、新たなリムーバブルハードディスクXが記憶装置接続部241に接続される。なお、リムーバブルハードディスクXはすでにフォーマット済みである。
【0053】
ステップS203において、使用可能記憶容量設定部201は、記憶装置接続部241に、リムーバブルハードディスクXが接続されたことを認識する。次に、使用可能記憶容量設定部201は、リムーバブルハードディスクXの所定のセクタに記憶されている、リムーバブルハードディスクXの実記憶容量を取得する。
【0054】
ステップS205において、使用可能記憶容量設定部201は、記憶部220から、使用可能記憶容量計算式を取得する。
【0055】
ステップS207において、使用可能記憶容量計算部2013は、リムーバブルハードディスクXの実記憶容量と使用可能記憶容量計算式とを用いて、リムーバブルハードディスクXの使用可能記憶容量を算出する。
【0056】
ステップS209において、使用可能記憶容量設定部201は、使用可能記憶容量計算部2013によって算出されたリムーバブルハードディスクXの使用可能記憶容量を、リムーバブルハードディスクXの所定のセクタに書き込む。
【0057】
ステップS211において、RAID制御部203は、RAID1のミラーリングを用いて、リムーバブルハードディスクXを、リムーバブルハードディスク252によって再構築する。
【0058】
(5)作用・効果
本発明の実施形態において、NAS20の使用可能記憶容量取得部2011又は使用可能記憶容量計算部2013は、リムーバブルハードディスク251の表記上の記憶容量とみなされる値を使用可能記憶容量として取得又は算出する。
【0059】
このようなNAS20によれば、当該使用可能記憶容量は、リムーバブルハードディスク251の表記上の記憶容量とみなされる値であるため、リムーバブルハードディスク251の実記憶容量と大きく異なることがなく、リムーバブルハードディスク251の記憶容量を有効に利用することが可能である。
【0060】
また、このようなNAS20によれば、表記上同一の記憶容量を有する複数のリムーバブルハードディスクを用いることにより、たとえ、当該複数のリムーバブルハードディスクそれぞれの実記憶容量が異なる場合等であっても、RAID1のミラーリングを構築することが可能となる。
【0061】
(6)その他の実施形態
上記のように、本発明は実施形態によって記載したが、この開示の一部をなす論述及び図面はこの発明を限定するものであると理解すべきではない。この開示から当業者には様々な代替実施形態、実施例及び運用技術が明らかとなる。
【0062】
本発明の記憶処理装置は、故障した記憶装置に代わって、新たな記憶装置が当該記憶処理装置に接続される場合に限らず、新たな記憶装置が当該記憶処理装置に接続される場合は、使用可能記憶容量を取得又は算出し、当該記憶処理装置の所定のセクタに書き込む。また、当該使用可能記憶容量は、当該記憶処理装置の所定のセクタが有するテーブルに書き込まれてもよい。
【0063】
本発明の記憶処理装置は、NASに限らず、例えば、データサーバやファイルサーバ等を含む。
【0064】
本発明の記憶装置の使用可能記憶容量は、当該記憶装置の表記上の記憶容量とみなされる値以外の値であってもよい。
【0065】
本発明の記憶装置は、リムーバブルハードディスクに限らず、例えばHDDやSSD(Solid State Drive)等の記憶装置も含む。
【0066】
本発明の記憶装置の接続数は、2つに限定されるわけではなく、3つ以上でもよい。
【0067】
本発明の記憶装置は、NASに内蔵されていても、外付けされていてもよい。
【0068】
本発明の記憶処理装置は、RAID1のミラーリング以外のRAIDシステムを構成してもよい。例えば、本発明の記憶処理装置は、複数の記憶装置をまとめて仮想的な記憶装置とするRAID5等を構成してもよい。
【0069】
上述した実施形態では、ネットワーク30をLANとして説明したが、WAN(Wide Area Network)経由のネットワークなども含む。
【0070】
このように本発明は、ここでは記載していない様々な実施形態等を包含するということを理解すべきである。したがって、本発明はこの開示から妥当な特許請求の範囲の発明特定事項によってのみ限定されるものである。
【産業上の利用可能性】
【0071】
本発明の記憶処理装置は、RAIDシステムにおいて、記憶装置の記憶容量を有効に利用することが可能であり、記憶処理装置として有用である。
【符号の説明】
【0072】
10…DMP対応テレビ受像機、20…NAS、30…ネットワーク、200…制御部、210…通信部、220…記憶部、230…出力部、201…使用可能記憶容量設定部、203…RAID制御部、241…記憶装置接続部、242…記憶装置接続部、251…リムーバブルハードディスク、252…リムーバブルハードディスク、2011…使用可能記憶容量取得部、2013…使用可能記憶容量計算部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の記憶装置を接続可能な記憶処理装置であって、
前記複数の記憶装置を用いて構成されたディスクアレイを制御するディスクアレイ制御部と、
前記複数の記憶装置のそれぞれである所定記憶装置が接続された場合に、前記所定記憶装置の実記憶容量を用いて、前記ディスクアレイにおいて前記所定記憶装置が実際に使用可能な記憶容量である使用可能記憶容量を設定する使用可能記憶容量設定部とを備えることを特徴とする記憶処理装置。
【請求項2】
前記ディスクアレイ制御部は、前記複数の記憶装置を冗長化させることを特徴とする請求項1に記載の記憶処理装置。
【請求項3】
前記ディスクアレイ制御部は、前記複数の記憶装置をまとめて、仮想的な記憶装置として制御することを特徴とする請求項1に記載の記憶処理装置。
【請求項4】
前記使用可能記憶容量設定部は、前記実記憶容量の特定の位以下を切り捨てた記憶容量を前記使用可能記憶容量に設定することを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の記憶処理装置。
【請求項5】
前記使用可能記憶容量設定部は、
前記実記憶容量の特定の位に対応する値が4以下の場合は、前記特定の位に対応する値を0とし、かつ前記特定の位より下の位を切り捨てた記憶容量を前記使用可能記憶容量に設定し、
前記実記憶容量の特定の位に対応する値が5以上の場合は、前記特定の位に対応する値を5とし、かつ前記特定の位より下の位を切り捨てた記憶容量を前記使用可能記憶容量に設定することを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の記憶処理装置。
【請求項6】
前記使用可能記憶容量設定部は、前記使用可能記憶容量に、前記実記憶容量から所定の計算式を用いて算出された値を設定することを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の記憶処理装置。
【請求項7】
前記使用可能記憶容量設定部は、前記所定記憶装置の前記使用可能記憶容量を、前記所定記憶装置に書き込むことを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の記憶処理装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2011−186919(P2011−186919A)
【公開日】平成23年9月22日(2011.9.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−53304(P2010−53304)
【出願日】平成22年3月10日(2010.3.10)
【出願人】(390040187)株式会社バッファロー (378)
【Fターム(参考)】