説明

記憶媒体収納ボックス及び記憶媒体収納システム

【課題】複数の情報記憶媒体を収容でき、情報記憶媒体の管理が容易であり、また、コスト削減することができる記憶媒体収納ボックス及び記憶媒体収納システムを提供する。
【解決手段】ボックス本体100に、映写フィルム、LTO、CMTを収納するための係合凸部110と、CD又はDVDを収納するためのCD載置リブ120とを設け、各情報記憶媒体を蓋体200の裏面203で挟み込むように収納し、さらに、蓋体200の表面202に、書き替え可能なICタグを着脱可能に装着するICタグ取り付け部220を設ける。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報記憶媒体を収納する記憶媒体収納ボックス及び記憶媒体収納システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、映画の予告編、情報量の多いデータは、CD、CMT等のような情報記憶媒体に記憶され、専用の収納ボックス、ケース等(例えば、特許文献1)に収納され受け渡しがされてきた。
しかし、近年では、情報記憶媒体は、種類が多岐にわたり、受け渡し時の形態により、情報媒体の種類が異なる。このため、収納ボックス等は、情報記憶媒体の種類毎に用意すると、種類が増加するために、管理が煩雑となり、また、コスト面でも好ましくないという問題があった。
【特許文献1】特開2000−211686号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明の課題は、複数の情報記憶媒体を収容でき、情報記憶媒体の管理が容易であり、また、コスト削減することができる記憶媒体収納ボックス及び記憶媒体収納システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明は、以下のような解決手段により、前記課題を解決する。なお、理解を容易にするために、本発明の実施例に対応する符号を付して説明するが、これに限定されるものではない。
請求項1の発明は、異なる形状の複数の情報記憶媒体(21〜24)を収納する記憶媒体収納ボックスであって、前記各情報記憶媒体(21〜24)が、所定方向(X,Y,Z)に移動しないように規制する規制部(110,120,203)と、を備える記憶媒体収納ボックスである。
請求項2の発明は、請求項1に記載の記憶媒体収納ボックスにおいて、前記各情報記憶媒体(21〜24)が、厚み方向(Z)に移動しないように規制する厚み方向規制部(120,203)と、前記各情報記憶媒体(21〜24)が、前記厚み方向(Z)に垂直な平面(XY平面)内を移動しないように規制する平面規制部(110)と、を備える記憶媒体収納ボックスである。
請求項3の発明は、請求項2に記載の記憶媒体収納ボックスにおいて、ボックス本体(100)と、前記ボックス本体(100)を開閉する蓋体(200)とを備え、前記ボックス本体(100)に設けられ、前記各情報記憶媒体(21〜24)が、前記厚み方向(Z)のうちの1方向である第1方向(Z)に移動しないように規制する第1規制部(110,120)と、前記蓋体(200)に設けられ、前記各情報記憶媒体(21〜24)が、前記厚み方向(Z)のうち前記第1方向(Z1)とは異なる方向である第2方向(Z2)に移動しないように規制する第2規制部(203)とを備えること、を特徴とする記憶媒体収納ボックスである。
請求項4の発明は、請求項2又は請求項3に記載の記憶媒体収納ボックスにおいて、前記平面規制部(110,120)は、前記各情報記憶媒体(21〜24)に係合するように設けられた平面係合部(11c,112c,113c,121b)を備えること、を特徴とする記憶媒体収納ボックスである。
請求項5の発明は、請求項4に記載の記憶媒体収納ボックスにおいて、前記厚み方向規制部(203)の規制厚み(D7〜D9)が小さくなる程、前記平面係合部(11c,112c,113c,121b)が前記ボックス本体(100)の開口側(Z2)に配置されること、を特徴とする記憶媒体収納ボックスである。
請求項6の発明は、請求項1から請求項5までのいずれか1項に記載の記憶媒体収納ボックスにおいて、前記複数の情報記憶媒体(21〜24)は、映写フィルム(21)、LTO(22)、CMT(23)、CD(24)、DVDのうち少なくとも1つを含むこと、を特徴とする記憶媒体収納ボックスである。
請求項7の発明は、請求項1から請求項6までのいずれか1項に記載の記憶媒体収納ボックスにおいて、前記ボックス本体(100)の側面(103)に設けられた凸部(130)と、前記蓋体(200)に設けられ、前記凸部(130)と係合をする凹部(211)又は孔部とから形成され、前記ボックス本体(100)の前記側面(103)を押圧することにより、前記係合を解除可能な保持部(130,211)を備えること、を特徴とする記憶媒体収納ボックスである。
請求項8の発明は、請求項1から請求項7までのいずれか1項に記載の記憶媒体収納ボックスにおいて、前記情報記憶媒体(21〜24)の内容に対応した情報を記憶するICタグ(10)を、着脱可能に取り付け可能なICタグ取り付け部(220)を備えること、を特徴とする記憶媒体収納ボックスである。
請求項9の発明は、請求項8に記載の記憶媒体収納ボックスにおいて、前記ICタグ(10)は、表面に、加熱により書き替え可能な感熱記録部を備えること、を特徴とする記憶媒体収納ボックスである。
請求項10の発明は、請求項8又は請求項9に記載の記憶媒体収納ボックスにおいて、前記ICタグ取り付け部(220)は、この収納ボックスの表面(202)に設けられ、前記ICタグ(10)の少なくとも1組の対角部(11A,11C或いは11B,11D)を保持すること、を特徴とする記憶媒体収納ボックスである。
請求項11の発明は、請求項8から請求項10までのいずれか1項に記載の記憶媒体収納ボックスにおいて、この収納ボックスの表面(202)を窪ませて設けられ、前記ICタグ(10)と前記表面(202)との間に隙間(D1)を設けるICタグ取り外し溝(230)を有すること、を特徴とする記憶媒体収納ボックスである。
請求項12の発明は、請求項8から請求項11までのいずれか1項に記載の記憶媒体収納ボックスにおいて、この収納ボックスの表面(230)及び/又は底面(104)から突出するように設けられ、他の収納ボックス(1B)が重ねられた状態において、前記ICタグ(10)と重ねられた収納ボックス(1B)との間に隙間(D6)を設けるICタグ保護部(240)を備えること、を特徴とする記憶媒体収納ボックスである。
【0005】
請求項13の発明は、請求項1から請求項12までのいずれか1項に記載の記憶媒体収納ボックス(1)と、請求項8から請求項12までのいずれか1項に記載のICタグ取り付け部(220)に取り付けられたICタグ(10)と、を備える記憶媒体収納システムである。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、以下の効果を奏することができる。
(1)本発明は、形状の異なる複数の情報記憶媒体が、所定方向に移動しないように規制する規制部を備えるので、各情報記憶媒体を収納可能な収納ボックスを提供することができる。また、各情報記憶媒体を統一した収納ボックスに収容することにより、整理して保管することができ、管理が容易である。さらに、複数の種類の収納ボックスを用意する必要がないので、コスト削減をすることができる。
【0007】
(2)本発明は、厚み方向規制部と平面規制部とが、情報記憶媒体の厚み方向及び平面内の移動を規制するので、収容した情報記憶媒体を保護し、例えば、情報記憶媒体の輸送時等における破損等を防止することができる。
【0008】
(3)本発明は、ボックス本体の第1規制部と、蓋体の第2規制部とを備えるので、蓋体を閉じたときに、情報記憶媒体を厚み方向から挟みこむように保持することができる。
【0009】
(4)本発明は、平面規制部が各情報記憶媒体に係合するように設けられた平面係合部を備えるので、情報記憶媒体を、平面内で移動しないように保持することができる。
【0010】
(5)本発明は、規制部は、厚み方向規制部の規制厚みが小さくなる程、平面係合部がボックス本体の開口側に配置されるので、厚みが薄くなるに応じて平面形状が大きくなる複数の情報記憶媒体を収容することができる。
【0011】
(6)本発明は、情報記憶媒体が映像フィルム、LTO、CMT、CD、DVDのうち少なくとも1つあるので、これらの情報記憶媒体の少なくも1つを収納することができる。
【0012】
(7)本発明は、ボックス本体の凸部と、蓋体の凹部又は孔部とが係合をし、また、ボックス本体の側面を押圧することにより、この係合を解除可能であるので、蓋体の保持及びその解除を容易に行うことができる。
【0013】
(8)本発明は、ICタグを着脱可能に取り付け可能なICタグ取り付け部を備えるので、収納した情報記憶媒体の管理を容易に行うことができる。
【0014】
(9)本発明は、ICタグが感熱記録部を備えるので、収納した情報記憶媒体の内容を記録することにより、蓋体を開けることなく情報記憶媒体を確認することができる。
【0015】
(10)本発明は、ICタグ取り付け部がICタグの少なくとも1組の対角部を保持するので、シンプルな構造で、ICタグの着脱を行うことができる。
【0016】
(11)本発明は、ICタグとこの収納ボックスの表面との間に隙間を設けるICタグ取り外し溝を有するので、作業者は、この隙間に指、爪等を入れることにより、ICタグの取り外しを容易に行うことができ、作業性を向上することができる。
【0017】
(12)本発明は、ICタグ保護部を備えるので、保管時、輸送時等におけるICタグの破損等を、防止することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
本発明は、複数の情報記憶媒体を収容でき、情報記憶媒体の管理が容易であり、また、コスト削減することができる記憶媒体収納ボックス及び記憶媒体収納システムを提供するという目的を、ボックス本体に、映写フィルム、LTO、CMTを収納するための係合凸部と、CD又はDVDを収納するためのCD載置リブとを設け、各情報記憶媒体を蓋体の裏面で挟み込むように収納し、さらに、蓋体の表面に、書き替え可能なICタグを着脱可能に装着するICタグ取り付け部を設けることによって実現した。
【実施例】
【0019】
以下、図面等を参照して、本発明の記憶媒体収納ボックスの実施例をあげて、さらに詳しく説明する。
図1〜図8は、本実施例の記憶媒体収納ボックス1を示す図である。図1は平面図、図2は底面図、図3(a)は背面図、図3(b)は正面からの断面図(図1に示すIII−III部矢視断面図)、図4(a)は右側面図、図4(b)は左側面図、図5は係合凸部110及びCD載置リブ120を拡大して示す斜視図、図6(a)は蓋体200を閉じた状態の左側面図、図6(b)はICタグ取り外し溝230部の断面図、図6(c)は記憶媒体収納ボックスを重ねた状態の一部断面図、図7(a)は蓋体200を閉じた状態の正面からの断面図、図7(b)は蓋体200を閉じる状態の正面からの一部断面図、図8はICタグ取りつけ部220を拡大して示す斜視図である。
【0020】
図1、図3に示すように、記憶媒体収納ボックス1は、ボックス本体100と蓋体200とが一体成形された容器であり、ボックス本体100と蓋体200とは、ヒンジ150により連結されている。記憶媒体収納ボックス1は、例えば、繰り返しの折り曲げに強い樹脂(ポリプロピレン等)等の材料から形成され、ヒンジ150を中心として、蓋体200を回転することにより(図3、図7に示す回転方向θ1,θ2参照)、ボックス本体100の開口部を開閉することができる。
【0021】
ボックス本体100は、箱状の部分であり、4つの係合凸部110(110A〜110D)と、8つのCD載置リブ120と、ロック用凸部130と、4つの足140とを有している。
係合凸部110は、図1に示すように、ボックス本体100の内側底部101の4隅付近に設けられた平面形状が略三角形の凸部である。係合凸部110A,110Cは、ボックス本体100の中心Cに対して点対称であり、係合凸部110A,110Bは、ボックス本体100の図中左右方向(矢印X方向)の中心線CL(X)に対して線対称であり、係合凸部110A,110Dは、ボックス本体100の図中上下方向(矢印Y方向)の中心線CL(Y)に対して線対称である。
係合凸部110は、図3に示すように、大きさの異なる情報記憶媒体(映写フィルム、LTO(Linear Tape−Open)、CMT(1/2 Inch Cartridge Magnetic Tape))を収納するために、3つの段部111〜113を有している。後述するように、各情報記憶媒体は、その厚さ方向が、ボックス本体100の高さ方向(矢印Z方向)になるように収納される。
【0022】
段部111は、図5に示すように、映写フィルム(外形φ125mm、t(厚さ)35mm)を収納するための段部であり、ボックス本体100の内側底面111aと、係合凸部の内側側面111bと、内側側面111bから内側に突出するように設けられた2つのリブ111cとからなる部分である。
【0023】
段部112は、LTO(W(幅)105.4mm、D(奥行き)102mm、t21.5mm)を収納するための段部であり、係合凸部110の一部を切り欠いて形成される。段部112は、この切り欠きの天面112aと、内側側面112bと、内側側面112bから内側に突出するように設けられた2つのリブ112cとからなる部分である。LTOは、幅方向が図1の左右方向に、奥行き方向が上下方向になるように収納される。
【0024】
段部113は、CMT(W125mm、D109mm、t25mm)を収納するための段部であり、係合凸部110の天面113aと、天面113aから突出するように設けられた2つのリブ113bと、リブ113bからさらに内側に突出するように設けられた2つのリブ113cとからなる部分である。
【0025】
CD載置リブ120は、図1に示すように、ボックス本体100の図中上下の内側側面102A,102Bの係合凸部110付近に2個ずつ配置され、この内側側面102A,102Bから内側に突出するように設けられている。CD載置リブ120は、図5に示すように、専用ケース(大ケース:W142mm、D124mm、t10mm、小ケース:W142mm、D124mm、t5mm)に収容されたCD又はDVD(外形φ120mm、t1.2mm)を収納するために、その一部を切り欠いて形成された段部121を有している。段部121は、この切り欠きの天面121aと、内側側面121bとからなる部分である。なお、以下、CD又はDVDとは、この専用ケースに入れられた状態をいうこととし、また、同様の専用ケースを用いるため、以下、CDについてのみについて説明する。
【0026】
ロック用凸部130は、図1、図3(b)、図4(b)に示すように、蓋体200を閉じた状態で保持するための部分であり、ボックス本体100のヒンジ150に対向する側壁の外側側面103から突出するように設けられている。
足140は、図2、図3に示すように、記憶媒体収納ボックス1が机等に置かれた場合に、記憶媒体収納ボックス1を支持するために、底面104から突出するように設けられた平面形状がL字形のリブであり、ボックス本体100の底面104の4隅付近に配置されている。
【0027】
蓋体200は、ベロ210と、ロック用孔211と、4つICタグ取り付け部220と、2つのICタグ取り外し溝230と、4つのICタグ保護リブ240(ICタグ保護部)とを有している。
ベロ210は、図1、図3(b)、図4(b)に示すように、蓋体200を閉じる場合に、ボックス本体100のロック用凸部130に、ロック用孔211が入りやすくするための部分であり、蓋体200のヒンジ150の対向する側壁201に設けられている。ベロ210は、先端に至る程、外側に反っており、図7(b)に示すように、蓋体200を閉じるときに、その内側側面210aがロック用凸部130に乗り上げ、外側に撓む(矢印θ3参照)。これにより、蓋体200は、円滑に閉じることができる。
【0028】
ロック用孔211は、ロック用凸部130と係合することにより、蓋体200を閉じた状態で保持するために、ベロ210に設けられた貫通孔である。図7(b)に示すように、ベロ210がロック用凸部130に乗り上げた状態で、蓋体200をさらに回転方向θ1に回転させることにより、図7(a)に示すように、ロック用孔211とロック用凸部130とが係合する。ロック用孔211とロック用凸部130とは、係合することにより、蓋体200を閉じた状態で保持する保持部である。なお、記憶媒体収納ボックス1は、ロック用孔211の代わりに、ロック用凸部130と係合する凹部を有していてもよい。
ロック用孔211とロック用凸部130とからなる保持部を解除するときは、ボックス本体100の外側側面103を押圧して側壁を内側に撓ませ(矢印A参照)、ロック用凸部130を内側に移動させ、ロック用凸部130とロック用孔211との係合を解除する。
以上のように、記憶媒体収納ボックス1は、蓋体200の保持及びその解除を容易に行うことができる。
【0029】
ICタグ取り付け部220は、図2に示すように、蓋体200の天面202に設けられ、ICタグ10(ICタグ10の外形を2点鎖線で示す。)を着脱可能に保持するための部分である。ICタグ取り付け部220は、ICタグ10の4つの頂点11(11A〜11D)をそれぞれ保持するように配置されている。なお、ICタグ取り付け部220は、シンプルな構造でICタグ10を保持できるように、ICタグ10の少なくとも1組の対角部(頂点11A,11C、或いは、頂点11B,11D)を保持するようにしてもよい。
ICタグ取り付け部220は、図8に示すように、ICタグ10が平面(XY平面)方向を移動しないように規制するための平面形状がL字形のリブ221と、リブ221に設けられICタグ10を厚み方向(矢印Z方向)から押さえつけるための爪部222とからなる部分である。
ICタグ10を取り付ける場合、作業者は、ICタグ10を図中上側から押さえつける(矢印Z1方向参照)。これにより、ICタグ10が撓み、また、ICタグ取り付け部220が外側(矢印θ4方向)に弾性変形することにより、爪部222の下側にICタグ10が入り込み、ICタグ10が装着される。一方、ICタグ10を取り外す場合にも、取り付けられたICタグ10を図中上側に持ち上げることにより、ICタグ10、ICタグ取り付け部220が変形し、ICタグ10の取り外しが可能である(矢印Z2方向参照)。
【0030】
ここで、ICタグ10は、カード状の部材あり、例えば、PET(ポリエチレンテレフタレート)基材等から形成される。ICタグ10は、制御回路、記憶装置からなる集積回路(IC)と、アンテナとが内蔵されており、リーダ・ライタ(図示せず)が情報を乗せて送信した電波或いは磁界によりアンテナに電力が発生する。ICタグ10は、この電力を用いて、集積回路を動作させて記憶装置内の情報を読み出したり、アンテナからリーダ・ライタに、情報を乗せて返信することができる。本実施例のICタグ10は、記憶装置の情報を書き替え可能なタイプであり、収納する情報記憶媒体の内容に対応した情報(例えば、記録されているプログラム、映像等の名称、作成日時等)が記憶されている。また、いわゆる、アンチコリジョンタイプのICタグを採用することにより、作業者は、複数の記憶媒体収納ボックスに収納された情報記憶媒体の内容を把握でき、これらの管理を容易にすることができる。
さらに、ICタグ10は、その表面に、加熱により書き替え可能な感熱記録部を設け、収納した情報記憶媒体の内容を記録させてもよい。これにより、作業者は、感熱記録部を視認することにより、蓋体200を開けることなく収納した情報記憶媒体を確認することができる。
【0031】
ICタグ取り外し溝230は、図2、図6(b)に示すように、ICタグ10を取り外しやすくするために、蓋体200の表面202(収納ボックスの表面)を窪ませて設けられた溝である。図2に示すように、底面図において、ICタグ取り外し溝230は、取り付けられたICタグ10の縁12A,12Bと重複する範囲に設けられている。図6(b)に示すように、ICタグ取り外し溝230は、その深さD1が、例えば、0.5mm程度であり、蓋体200の表面202とICタグ10との間に隙間を設ける。これにより、作業者は、この隙間に指、爪等を入れてICタグ10の裏面に引っ掛け、ICタグ10の取り外しを容易に行うことができ、作業性を向上することができる。
【0032】
ICタグ保護リブ240は、図2、図3に示すように、蓋体200の表面202から突出するように設けられ、記憶媒体収納ボックス1と他の記憶媒体収納ボックスとが重ねられた状態において、ICタグ10と他の記憶媒体収納ボックスとの間に隙間を設けるためのL字形のリブである。ICタグ保護リブ240は、蓋体200の天面202の4隅付近に配置されている。
図2に示すように、ICタグ保護リブ240は、その内寸D2,D3が、足140の外寸D4,D5よりも一回り大きく、図6(c)に示すように、同形状の記憶媒体収納ボックス1Bが重ねられた場合、その内側に、記憶媒体収納ボックス1Bの足140Bが入りこむ。他のICタグ保護リブ240も同様な状態である。これにより、ICタグ保護リブ240、足140Bは、記憶媒体収納ボックス1,1Bを、平面方向に移動しないように規制し、輸送時等に滑って動かないように保持することができる。
【0033】
また、ICタグ保護リブ240は、上に重ねられた記憶媒体収納ボックス1Bの底面104Bに当接することにより、ICタグ10の表面と重ねられた記憶媒体収納ボックス1Bとの間に隙間D6を設けることができる。これにより、ICタグ保護リブ240は、保管時、輸送時等のICタグ10の破損等を、防止することができる。
なお、本実施例では、ICタグ保護リブ240が足140よりも高く設定されているが、足140がICタグ保護リブ240よりも高い場合にも、同様な隙間D6を設けることができる。すなわち、記憶媒体収納ボックス1は、ICタグ保護リブ240の代わりに足140を、ICタグ保護部として用いてもよい。
【0034】
次に、記憶媒体収納ボックス1が、映写フィルム、LTO、CMT、CDを収納する状態について、詳しく説明する。
図9〜図11は、本実施例の記憶媒体収納ボックス1が映写フィルム21、LTO22、CMT23をそれぞれ収納した状態の平面図及び係合凸部110部の拡大図、図12はCD24を収納した状態の平面図、図13(a)〜図13(c)は、映写フィルム21、LTO22、CMT23をそれぞれ収納した状態の断面図である。
【0035】
図9に示すように、記憶媒体収納ボックス1は、映写フィルム21を収納した状態において、映写フィルム21が平面内を移動しないように規制するために、係合凸部110の段部111に設けられた計8つのリブ111cが、映写フィルム21に係合する。
図13(a)に示すように、記憶媒体収納ボックス1は、蓋体200を閉じた状態において、段部111を形成するボックス本体100の内側底面111aと、蓋体200の裏面203とが、映写フィルム21を、その厚み方向(矢印Z方向)から挟み込むようにして保持する。
記憶媒体収納ボックス1は、上記のように、映写フィルム21を収納、保持可能なように、段部111の形状、蓋体200の厚み等が設定されている。なお、映写フィルム21の変形を防止するために、映写フィルム21とリブ111c等との間には、ある程度の隙間(例えば、0.5mm程度等)を設けてもよい。
【0036】
図10に示すように、記憶媒体収納ボックス1は、LTO22を収納した状態において、係合凸部110の段部112に設けられた計8つのリブ112cが、LTO22に係合する。
図13(b)に示すように、記憶媒体収納ボックス1は、LTO22を係合凸部110の天面112aに載置し、また、蓋体200を閉じた状態において、蓋体200の裏面203がLTO22を押さえることにより、天面112aと裏面203とが、LTO22を挟み込むようにして保持する。
【0037】
図11に示すように、記憶媒体収納ボックス1は、CMT23を収納した状態において、係合凸部110の段部113に設けられた計8つのリブ113cが、CMT23に係合する。
図13(c)に示すように、記憶媒体収納ボックス1は、CMT23を係合凸部110の天面113aに載置し、また、蓋体200を閉じた状態において、蓋体200の裏面203がCMT23を押さえることにより、天面113aと裏面203とが、CMT23を挟み込むようにして保持する。
【0038】
図12に示すように、記憶媒体収納ボックス1は、CD24を収納した状態において、CD24が図中上下方向(矢印Y方向)に移動しないように、計8つのCD載置リブ120の内側側面121bがCD24に係合し、また、CD24が図中左右方向(矢印X方向)に移動しないように、ボックス本体100の左右の側壁の内側側面105,106が、CD24に係合する。これにより、CD24は、平面(XY平面)内を移動しないように規制される。
図7(a)に示すように、記憶媒体収納ボックス1は、CD24を、CD載置リブ120に設けられた段部121の天面121aに載置し、また、蓋体200を閉じた状態において、蓋体200の裏面203がCD24を押さえ、天面121aとの裏面203とが、CD24を、挟み込むようにして保持する。
なお、前述のように、CD24(専用ケース)は、大ケース、小ケースがあり、天面121aの高さが、収容するケースの厚みに応じて設定されている。天面121aの高さを大ケースの厚みに合わせて設定したときは、大ケースの厚み(t10mm)が小ケースの厚み(t10mm、t5mm)の2倍なので、小ケースを2枚重ねて収容してもよい。
【0039】
このように、係合凸部110、CD載置リブ120等(平面規制部)は、各情報記憶媒体が厚み方向(矢印Z方向)に垂直な平面(XY平面)内を移動しないように規制するために、各情報記憶媒体に係合するように設けられたリブ111c,112c,113c、内側側面121b(平面係合部)を備えている。
一方、係合凸部110、CD載置リブ120、蓋体200の裏面203からなる厚み方向規制部は、各情報記憶媒体が厚み方向に移動しないように規制する。すなわち、係合凸部110、CD載置リブ120からなる第1規制部は、各情報記憶媒体が、厚み方向のうちの1方向である矢印Z1方向(第1方向)に移動しないように規制し、蓋体200の裏面203である第2規制部は、各情報記憶媒体が、厚み方向のうち第1方向とは異なる方向である矢印Z2方向(第2方向)に移動しないように規制する。
これにより、記憶媒体収納ボックス1は、収容した情報記憶媒体を保持し、例えば、輸送時等において情報記憶媒体が破損等をしないように保護することができる。
【0040】
また、これらの規制部は、図13に示すように、厚み方向規制部の第1規制部と第2規制部との距離D7〜D9(規制厚み)が小さくなる程、平面係合部がボックス本体の開口側(矢印Z2方向)に配置される。つまり、情報記憶媒体の厚さが薄くなるに従って、平面係合部は、段階的に高い位置に配置される。
これにより、厚さが異なる映写フィルム21、LTO22、CMT23、CD24を収容することができる。
さらに、記憶媒体収納ボックス1は、映写フィルム21、LTO22、CMT23に係合する段部111〜113を、係合凸部110に一体で設けているため、第1規制部及び平面係合部の構造を、シンプルにすることができる。
【0041】
以上説明したように、本実施例の形状の記憶媒体収納ボックス1は、異なる複数の情報記憶媒体を、収納することができ、また、統一した収納ボックスを用いることにより、整理して保管することができる。さらに、情報記憶媒体の種類に応じて異なる収納ボックスを用意する必要がないので、コスト削減をすることができる。
また、記憶媒体収納ボックス1は、ICタグ10を取り付けて記憶媒体収納システムとして使用することにより、収納した情報記憶媒体を容易に把握することができる。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【図1】本発明を適用した記憶媒体収納ボックスの実施例の平面図である。
【図2】本実施例の記憶媒体収納ボックスの底面図である。
【図3】本実施例の記憶媒体収納ボックスの背面図、正面からの断面図である。
【図4】本実施例の記憶媒体収納ボックスの右側面図、左側面図である。
【図5】本実施例の係合凸部、CD載置リブを拡大して示す斜視図である。
【図6】本実施例の記憶媒体収納ボックスの蓋体を閉じた状態の左側面図、ICタグ取り外し溝の断面図、記憶媒体収納ボックスを重ねた状態の一部断面図である。
【図7】本実施例の記憶媒体収納ボックスの蓋体を閉じた状態の正面からの断面図、蓋体を閉じる状態の正面からの一部断面図である。
【図8】本実施例のICタグ取りつけ部を拡大して示す斜視図である。
【図9】本実施例の記憶媒体収納ボックスが映写フィルム収納した状態の平面図及び係合凸部の拡大図である。
【図10】本実施例の記憶媒体収納ボックスが映写フィルムを収納した状態の平面図及び係合凸部の拡大図である。
【図11】本実施例の記憶媒体収納ボックスがLTOを収納した状態の平面図及び係合凸部の拡大図である。
【図12】本実施例の記憶媒体収納ボックスがCDを収納した状態の平面図である。
【図13】本実施例の記憶媒体収納ボックスが映写フィルム、LTO、CMTを収納した状態の断面図である。
【符号の説明】
【0043】
1,1B 記憶媒体収納ボックス
10 ICタグ
21 映写フィルム
22 LTO
23 CMT
24 CD
100 ボックス本体
110 係合凸部
111,112,113 段部
120 CD載置リブ
130 ロック用凸部
140 足
150 ヒンジ
200 蓋体
210 ベロ
211 ロック用孔
220 ICタグ取り付け部
230 ICタグ取り外し溝
240 ICタグ保護リブ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
異なる形状の複数の情報記憶媒体を収納する記憶媒体収納ボックスであって、
前記各情報記憶媒体が、所定方向に移動しないように規制する規制部と、
を備える記憶媒体収納ボックス。
【請求項2】
請求項1に記載の記憶媒体収納ボックスにおいて、
前記各情報記憶媒体が、厚み方向に移動しないように規制する厚み方向規制部と、
前記各情報記憶媒体が、前記厚み方向に垂直な平面内を移動しないように規制する平面規制部と、
を備える記憶媒体収納ボックス。
【請求項3】
請求項2に記載の記憶媒体収納ボックスにおいて、
ボックス本体と、前記ボックス本体を開閉する蓋体とを備え、
前記厚み方向規制部は、
前記ボックス本体に設けられ、前記各情報記憶媒体が、前記厚み方向のうちの1方向である第1方向に移動しないように規制する第1規制部と、
前記蓋体に設けられ、前記各情報記憶媒体が、前記厚み方向のうち前記第1方向とは異なる方向である第2方向に移動しないように規制する第2規制部とを備えること、
を特徴とする記憶媒体収納ボックス。
【請求項4】
請求項2又は請求項3に記載の記憶媒体収納ボックスにおいて、
前記平面規制部は、前記各情報記憶媒体に係合するように設けられた平面係合部を備えること、
を特徴とする記憶媒体収納ボックス。
【請求項5】
請求項4に記載の記憶媒体収納ボックスにおいて、
前記厚み方向規制部の規制厚みが小さくなる程、前記平面係合部が前記ボックス本体の開口側に配置されること、
を特徴とする記憶媒体収納ボックス。
【請求項6】
請求項1から請求項5までのいずれか1項に記載の記憶媒体収納ボックスにおいて、
前記複数の情報記憶媒体は、映写フィルム、LTO、CMT、CD、DVDのうち少なくとも1つを含むこと、
を特徴とする記憶媒体収納ボックス。
【請求項7】
請求項1から請求項6までのいずれか1項に記載の記憶媒体収納ボックスにおいて、
前記ボックス本体の側面に設けられた凸部と、前記蓋体に設けられ、前記凸部と係合をする凹部又は孔部とから形成され、前記ボックス本体の前記側面を押圧することにより、前記係合を解除可能な保持部を備えること、
を特徴とする記憶媒体収納ボックス。
【請求項8】
請求項1から請求項7までのいずれか1項に記載の記憶媒体収納ボックスにおいて、
前記情報記憶媒体の内容に対応した情報を記憶するICタグを、着脱可能に取り付け可能なICタグ取り付け部を備えること、
を特徴とする記憶媒体収納ボックス。
【請求項9】
請求項8に記載の記憶媒体収納ボックスにおいて、
前記ICタグは、表面に、加熱により書き替え可能な感熱記録部を備えること、
を特徴とする記憶媒体収納ボックス。
【請求項10】
請求項8又は請求項9に記載の記憶媒体収納ボックスにおいて、
前記ICタグ取り付け部は、この収納ボックスの表面に設けられ、前記ICタグの少なくとも1組の対角部を保持すること、
を特徴とする記憶媒体収納ボックス。
【請求項11】
請求項8から請求項10までのいずれか1項に記載の記憶媒体収納ボックスにおいて、
この収納ボックスの表面を窪ませて設けられ、前記ICタグと前記表面との間に隙間を設けるICタグ取り外し溝を有すること、
を特徴とする記憶媒体収納ボックス。
【請求項12】
請求項8から請求項11までのいずれか1項に記載の記憶媒体収納ボックスにおいて、
この収納ボックスの表面及び/又は底面から突出するように設けられ、他の収納ボックスが重ねられた状態において、前記ICタグと重ねられた収納ボックスとの間に隙間を設けるICタグ保護部を備えること、
を特徴とする記憶媒体収納ボックス。
【請求項13】
請求項1から請求項12までのいずれか1項に記載の記憶媒体収納ボックスと、
請求項8から請求項12までのいずれか1項に記載のICタグ取り付け部に取り付けられたICタグと、
を備える記憶媒体収納システム。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2008−1413(P2008−1413A)
【公開日】平成20年1月10日(2008.1.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−174690(P2006−174690)
【出願日】平成18年6月26日(2006.6.26)
【出願人】(000002897)大日本印刷株式会社 (14,506)
【Fターム(参考)】