説明

記録再生装置

【課題】裏録画の実施中にチャンネル切り替えが発生した場合に、ユーザの意図しない裏録画が実施されるのを回避することが可能な記録再生装置を提供する。
【解決手段】本発明の記録再生装置は、記録部と放送波の受信及び選局を行い再生情報を取得する放送受信部とを備えている。また、放送受信部により再生情報が取得されている状態において継続的に再生情報を記録部に記録する処理である継続記録処理を実施する記録処理部を備えている。記録処理部は、記録部の未使用領域が所定領域を下回った場合に、古い再生情報を消去しつつ、取得された再生情報を記録する。また本発明の記録再生装置は、継続記録処理が実施されている状態において選局指示が検知された場合に、継続記録処理が記録対象としている再生情報が変更される旨を報知する記録制御部を備える。記録制御部はさらに、この変更に対する許可/不許可の選択指示をユーザより受け付ける。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像または音声の記録再生を行う記録再生装置に関するものであり、特に放送波を受信して自動的に放送番組を録画する機能を備えた記録再生装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、デジタル技術の多機能化、多様化により、DVD(Digital Versatile Disc)レコーダやHDD(Hard Disk Drive)レコーダ等の様々な記録再生装置が普及している。これらの記録再生装置は、DVDやHDDに記録されている画像/音声デジタルデータをデコードすることにより、画像/音声信号をテレビジョン装置やモニタ、又はスピーカ等に出力する。
【0003】
これらの記録再生装置は一般的に、デジタル放送をデジタル形式のまま記録する機能を備えている。デジタル放送は、MPEG方式の圧縮技術を用いて画像及び映像の配信を行っている。MPEG方式では、PS(=プログラムストリーム)とTS(=トランスポートストリーム)との二つのストリームが規定されている。PSは、一つのストリームの中に一つのプログラムを含んでいる。TSは、一つのストリームの中に複数のプログラムを含んでいる。
【0004】
記録再生装置は、番組を録画する場合に、TSのまま録画する、いわゆるDR(Direct Recording)モードを備えている。また、特定のTSを選択し、特定TSに含まれる複数のチャンネル(例えばチャンネルA〜チャンネルC)のうち、一つのチャンネルを抽出し、低レート形式(例えばH.264/MPEG4AVC)に圧縮変換して録画する、いわゆる圧縮モードを備えている。ユーザは必要に応じて、使用するモードの切り替えを行うことが可能である。
【0005】
さらに記録再生装置の中には、ユーザが選局したチャンネルを自動的にTS形式で記録する処理(以下、「裏録画」という)を行う、いわゆる裏録画機能を備えたものが実用化されている。しかしながら記録再生装置がチューナを一台しか搭載していない場合、裏録画を行っている状態でチャンネル切り替えが行われると、裏録画のチャンネルも切り替わってしまうという問題があった。つまり、切り替え前のチャンネルのまま裏録画を継続しつつ、視聴チャンネルのみを切り替えることができなかった。
【0006】
上記に関連して特許文献1においては、複数の録画タスクを行う構成を備えた録画装置が開示されている。この録画装置は、選択された一つの受信部をアクティブなモードの受信部としてその操作を受け付けると共に、アクティブなモードでない受信部で受信している放送を録画している録画タスクも含め、録画を実行している録画タスクの一覧を表示する。これにより、アクティブなモードの受信部をアクティブに保ったまま、複数の録画タスクの選択及び停止指示を受け付ける。
【0007】
また上記に関連して特許文献2においては、録画に使用中のチューナのチャンネルを誤って変更してしまうことがなく、且つ、チューナの動作状態がすぐわかるCATV端末装置が開示されている。このCATV端末装置は、第一及び第二チューナが共通のチャンネル選択手段により選局可能であり、その動作状態は第一及び第二表示部に表示される。そして録画動作中はチャンネルロック手段が第二チューナのチャンネル変更を禁止することにより、誤操作を防止する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2009−194590号公報
【特許文献2】特開平07−135647号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら特許文献1及び特許文献2に記載されている技術は、チューナを複数備えていることを前提とした技術である。従ってチューナが一つである、又はチューナを複数備えていても画像処理系統が一系統しかない場合は、裏録画を継続しつつ視聴チャンネルを切り替えることはできなかった。このためユーザは、チャンネル切り替えによって意図しない裏録画を実施してしまう可能性があった。
【0010】
本発明は、上記の問題を鑑みてなされたものであり、放送番組の裏録画機能を備えた記録再生装置であって、裏録画の実施中にチャンネル切り替えが発生した場合に、ユーザの意図しない裏録画が実施されるのを回避することが可能な記録再生装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記目的を達成するために本発明の記録再生装置は、情報を記録する記録部と、放送波の受信及び選局を行い、画像または音声を含む再生情報を放送波より取得する放送受信部と、前記放送受信部により前記再生情報が取得されている状態において、前記記録部の未使用領域の大きさが予め定められた閾値を下回るまで前記再生情報を前記記録部へ記録し、前記未使用領域の大きさが前記閾値を下回った場合に前記記録部に記録されている前記再生情報を消去しつつ、前記放送受信部により取得される前記再生情報を前記記録部へ記録する処理である継続記録処理を実施する記録処理部とを備えた記録再生装置において、前記記録処理部により前記継続記録処理が実施されている状態において前記放送受信部に対する選局指示が検知された場合に、前記継続記録処理が記録対象としている前記再生情報が変更される旨を報知し、前記変更に対する許可/不許可の選択指示を受け付ける記録制御部を備えることを特徴としている。
【0012】
これによると、本発明の記録再生装置は、情報を記録する記録部と、放送波の受信及び選局を行い再生情報を取得する放送受信部とを備えている。また、放送受信部により再生情報が取得されている状態において継続的に再生情報を記録部に記録する処理である継続記録処理を実施する記録処理部を備えている。記録処理部は、記録部の未使用領域が所定領域を下回った場合に、古い再生情報を消去しつつ、取得された再生情報を記録する。また本発明の記録再生装置は、継続記録処理が実施されている状態において選局指示が検知された場合に、継続記録処理が記録対象としている再生情報が変更される旨を報知する記録制御部を備える。記録制御部はさらに、この変更に対する許可/不許可の選択指示をユーザより受け付ける。
【0013】
また上記目的を達成するために本発明の記録再生装置が備える前記記録制御部は、前記変更に対する許可指示を受け付けた場合に、前記継続記録処理を停止するよう前記記録処理部を制御し、前記選局指示に基づく選局を行うよう前記放送受信部を制御し、前記選局が完了した時点で前記継続記録処理を再開するよう前記記録処理部を制御することを特徴としている。
【0014】
これによると、記録制御部は、記録対象とする再生情報の変更に対する許可指示を受け付けた場合に、継続記録処理を停止するよう記録処理部を制御する。さらに選局指示に基づく選局を行うよう、放送受信部を制御する。さらに選局が完了した時点で、継続記録処理を再開するよう記録処理部を制御する。
【0015】
また上記目的を達成するために本発明の記録再生装置が備える前記記録制御部は、前記変更に対する不許可指示を受け付けた場合に、前記選局指示を無効とするよう前記放送受信部を制御することを特徴としている。
【0016】
これによると、記録制御部は、記録対象とする再生情報の変更に対する不許可指示を受け付けた場合に、選局指示を無効とするよう放送受信部を制御する。
【0017】
また上記目的を達成するために本発明の記録再生装置が備える前記記録処理部は、前記放送受信部による再生情報の取得が開始された時点から前記再生情報の記録を開始し、前記未使用領域の大きさが前記閾値を下回った場合に、前記記録部に記録されている前記再生情報のうち記録日時が古いものから順に消去しつつ前記再生情報の記録を行うことを特徴としている。
【0018】
これによると、記録処理部は、放送受信部による再生情報の取得が開始された時点から、再生情報の記録を開始する。そして未使用領域の大きさが閾値を下回った場合に、記録部に記録されている再生情報のうち記録日時が古いものから順に消去しつつ、再生情報の記録を行う。
【0019】
また上記目的を達成するために本発明の記録再生装置は、操作指示を受け付ける操作部と、画像信号を生成する画像信号生成部とを備え、前記記録制御部は、前記記録処理部により前記継続記録処理が実施されている状態において前記放送受信部に対する選局指示が検知された場合に、前記変更に対する許可/不許可の選択指示を受け付けるための画像を含む画像信号を生成するよう前記画像信号生成部を制御し、前記選択指示が前記操作部を介してなされたか否かを、前記画像信号を出力しつつ待ち受けることを特徴としている。
【0020】
これによると、記録再生装置は、操作指示を受け付ける操作部と、画像信号を生成する画像信号生成部とを備えている。記録制御部は、継続記録処理が実施されている状態において選局指示が検知された場合に、この変更に対する許可/不許可の選択指示を受け付けるための画像を含む画像信号を生成するよう、画像信号生成部を制御する。そして選択指示が操作部を介してなされたか否かを、画像信号を出力しつつ待ち受ける。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、裏録画の実施中に選局指示が検知された場合に、裏録画の対象としているチャンネルが変更されることを通知し、チャンネル変更を許可するか否かの指定をユーザより受け付ける。これにより、裏録画の対象チャンネルが変更されたことをユーザが気づかない事態や、ユーザの意図しないチャンネルが裏録画される事態を回避することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本発明の記録再生装置が備える機能部の構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の第一の実施形態に係る記録再生装置の内部構成を示すブロック図である。
【図3】本発明の第一の実施形態に係る録画制御処理を示すフロー図である。
【図4】本発明の第一の実施形態に係る停止確認画面を示す画面図である。
【図5】本発明の第二の実施形態に係る記録再生装置の内部構成を示すブロック図である。
【図6】本発明の第二の実施形態に係る録画制御処理を示すフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下に本発明の実施形態を、図面を参照しながら説明する。なお、ここで示す実施形態は一例であり、本発明はここに示す実施形態に限定されるものではない。
〈1−1.内部構成について〉
【0024】
図2は、本発明の第一の実施形態に係るHDDレコーダ1(=記録再生装置)の内部構成を示すブロック図である。なお、図2における矢印線は画像/音声データの流れを示している。また、矢印のない直線は、制御部11が各装置に対する制御信号等を送受信するための通信バスを示している。
【0025】
HDDレコーダ1は少なくとも、制御部11、メモリ12、操作部13、フラッシュメモリ14、HDD15(=記録部)、光ディスクドライブ16、放送受信部17、信号処理部18、OSD(On-Screen Display)処理部19(=画像信号生成部)、及び外部接続端子20を含むように構成されている。なお外部接続端子20により接続される表示装置として、ディスプレイ2が存在する。
【0026】
制御部11は、HDDレコーダ1の各部材の駆動を制御することにより、画像/音声の再生処理、記録処理、出力処理等を統括制御するためのものである。制御部11は例えば、複数のマイクロプロセッサから構成されている。また制御部11は、制御部11が備える演算処理装置上でプログラムを実行することにより実現される機能部として、後述する録画処理部11a〜設定部11d(図1)を備えている。
【0027】
メモリ12は、HDDレコーダ1が保持する各種データを一時的に記録する媒体であり、例えば書き込み可能なRAM(Random Access Memory)等により構成されている。メモリ12は、例えば制御部11によって各種情報処理が行われる際の処理データや、ユーザから受けた指示命令等を一時的に記録しておくためのバッファメモリとしての役割を持つ。
【0028】
操作部13は、ユーザがHDDレコーダ1に対して、画像/音声の再生指示等を行うためのものである。操作部13は、例えばHDDレコーダ1のハウジングに設けられた複数のボタンや、図示しないリモコン及びリモコン信号受信部等を含む。操作部13はこれらの装置により、ユーザ操作を受け付ける。ユーザ操作が受け付けられると、制御部11は、操作内容に基づいて再生処理や記録処理等を行う。
【0029】
フラッシュメモリ14は、EEPROMの一種で、デバイスの利用者が書き込み/消去可能なROMである。フラッシュメモリ14は回路基板に実装したままで書き込み、消去ができるため、利用時に書き替えが必要な用途、例えば装置の動作設定データや、利用者固有の情報等を保存するのに用いられる。
【0030】
HDD15は、デジタルデータを記録する磁気記録媒体である。本実施形態では主に、放送波に含まれる画像/音声データから生成される録画データ(=再生情報)や、圧縮処理により生成された圧縮録画データを記録するのに用いられる。
【0031】
光ディスクドライブ16は、CD(Compact Disc)メディア、或いはDVD(Digital Versatile Disc)メディア等の光ディスクに対して光学的に各種データの読み取りを行うための光学装置である。光ディスクドライブ16は、光ピックアップ(不図示)の制御を行うことにより、光ディスクに光ビームを照射して、光ディスクに記録された音声情報、画像情報等の各種情報の読み取りを行う。この際、光ピックアップの駆動制御やフォーカス制御、或いはチルト制御等の各種制御を行う。
【0032】
放送受信部17は、外部のアンテナ(不図示)に接続されてデジタル/アナログ放送の選局、受信、周波数変換、増幅、復調等を行う。放送受信部17は、アナログ方式であればアナログチューナ、画像中間周波増幅回路、復調回路、及び増幅回路等を含むように構成されている。またデジタル方式であれば、デジタルチューナ、及び誤り訂正部等を含むように構成されている。
【0033】
例えばデジタル放送を受信する場合、放送受信部17に含まれるデジタルチューナが、中間周波信号の増幅及び検波を行う。これにより、MPEG2方式のデジタル信号であるTS(=再生情報)の取得を行う。なおTSとは、複数の番組の音声PES(Packetized Elementary Stream)、画像PES、及び付加情報を固定長のTSパケットに分割してつなぎ合わせたものである。信号処理部18へ与えられて画像/音声信号に変換される。なお、TSを変換せずHDD15へ記録することも可能である。この場合、信号処理部18はTSのスルーのみを行う。
【0034】
信号処理部18は、放送受信部17が生成したTSや、光ディスクドライブ16が光ディスクより読み出したデジタルデータを入力し、音声情報を含む音声デジタル信号と、画像情報を含む画像デジタル信号とに分離する多重分離部である。具体的には例えば、放送受信部17より生成されたTSを、TSパケットに分割する。そしてTSパケットを再結合することにより、音声/画像のPESを生成する。
【0035】
そしてPESを結合することにより、ES(Elementary Stream=符号化された音声/画像データ)を生成する。さらに信号処理部18はESの復号を行い、各種デジタル信号に変換する。復号により得られたデジタル信号は、記録する場合はHDD15へ与えられる。またディスプレイ2等に出力する場合は、外部接続端子20へ与えられる。
【0036】
OSD処理部19は、画像信号を生成する機能部である。OSD処理部19は、HDDレコーダ1が出力すべき情報をユーザが視認できる画像データに変換し、変換した画像データをディスプレイ2に表示するための画像信号を生成する。生成された画像信号は、外部接続端子20より出力される。
【0037】
外部接続端子20は、例えばHDMI(High Definition Multimedia Interface)端子やUSB(Universal Serial Bus)端子等を含む、複数の入出力端子からなるインタフェースである。外部接続端子20はこれらの入出力端子を用いて、HDDレコーダ1と外部の装置、例えばディスプレイ2を接続し、デジタル信号またアナログ信号の入出力を行う。
【0038】
ディスプレイ2は、図示しない表示部、操作部、制御部、及び接続部を備える表示装置である。ディスプレイ2は例えば、接続部に含まれるHDMI端子に接続されたHDMIケーブルを介して、画像/音声を含むデジタル信号を受け付ける。そしてデジタル信号の複合化を行い、画像/音声の出力を行う。
〈1−2.機能部の構成について〉
【0039】
ここで、第一の実施形態に係るHDDレコーダ1が本発明の録画制御処理を実施するための各機能部の関係を、図1のブロック図を用いながら説明する。なお、図1における破線矢印線は、制御信号の流れを示している。
【0040】
図1に示すように本発明の録画制御処理は、制御部11が備える録画処理部11a(=記録処理部)、再生処理部11b、録画制御部11c(=記録制御部)、及び設定部11dにより実施される。
【0041】
録画処理部11aは、信号処理部18でスルーされたTS、または信号処理部18により復号されたデジタル信号を、番組単位で録画データとしてHDD15へ記録する。録画データには、画像/音声データの他に番組に関連する情報、例えば番組タイトルや放送局、放送日時等も含まれる。
【0042】
録画処理部11aは通常、非圧縮のTSを用いて録画データを生成する。ただし予めユーザにより圧縮録画が指示されている場合、まず信号処理部18を用いてTSを画像/音声デジタル信号に変換する。そして画像/音声デジタル信号に含まれる画像/音声データに符号化を施して圧縮録画データを生成し、HDD15に記録する。録画処理部11aは例えば、H.264/MPEG4AVC方式により画像/音声データの圧縮を行う。ただしこれ以外の圧縮方式を用いる形態でもよい。
【0043】
また録画処理部11aは、HDDレコーダ1の電源起動が検知された場合に、予めHDD15等に構築されているリングバッファを用いて、選局中のチャンネルで得られるデータを自動的に記録する処理である裏録画(=継続録画処理)を実施する。これにより、ユーザ操作を必要とすることなく録画処理を行うことが可能である。
【0044】
なお裏録画においてリングバッファの空き容量(=未使用領域)が所定値を下回った場合、録画処理部11aは記録日時の古い録画データから順にリングバッファより消去し、空き容量の確保を行う。また、裏録画を実行するか否かに関する設定は、後述する設定部11dにより予めユーザから受け付けているものとする。
【0045】
再生処理部11bは、画像/音声データの再生制御、例えばHDD15に記録されている録画データの再生制御を行う。再生指示を検知した再生処理部11bは、指定された録画データをHDD15より読み出し、画像/音声デジタル信号に変換するよう、信号処理部18を制御する。
【0046】
録画制御部11cは、録画処理部11aにより裏録画が実施されている状態において選局指示を検知した場合に、裏録画を一時的に停止して選局を実施するか否かの指定を、ユーザより受け付ける。
【0047】
具体的には録画制御部11cは、例えば図4に示す変更確認画面100を表示するための画像信号を生成するよう、OSD処理部19を制御する。そして生成された画像信号を、外部接続端子20を介してディスプレイ2へ出力する。これにより、変更確認画面100がディスプレイ2に表示される。
【0048】
図4に示すように変更確認画面100には、メッセージウィンド101及びカーソル102が含まれている。ユーザは操作部13を用いてカーソル102を移動させることにより、メッセージウィンド101に含まれる「はい」ボタン、または「いいえ」ボタンを選択できる。「はい」ボタンにカーソル102があわせられている状態で操作部13に含まれる決定キーが押下されると、録画制御部11cは、裏録画のチャンネル変更が許可されたとみなす。
【0049】
録画チャンネルの変更が許可された場合、録画制御部11cは、裏録画を終了するよう録画処理部11aを制御する。裏録画が終了されると、選局指示に基づくチューニングを行うよう、放送受信部17を制御する。そしてチューニングが完了した時点で、切り替え後のチャンネルを裏録画するよう、録画処理部11aを制御する。
【0050】
設定部11dは、録画制御部11cの動作に関する各種設定を、ユーザより受け付ける。例えば、裏録画を実行するか否かに関する設定や、停止確認画面100を出力してユーザ指定を待ち受けるか否かに関する設定を受け付ける。ユーザ指定を待ち受けないことが設定された場合、裏録画時に選局指示が検知されたとしても、録画制御部11cは変更確認画面100を表示しない。なお設定内容を示す設定情報は、メモリ12またはHDD15に記録される。
〈1−3.録画制御処理について〉
【0051】
ここで、本発明の第一の実施形態に係るHDDレコーダ1が実施する録画制御処理を、図3のフロー図を用いながら説明する。図3に示す処理は、HDDレコーダ1の電源が起動され、且つ所定チャンネルが選局されて放送波の受信が可能となった時点で開始される。
【0052】
本処理の開始後、録画処理部11aはステップS110において、選局中のチャンネル、つまりユーザが視聴しているチャンネルの裏録画を開始するよう、録画処理部11aを制御する。これにより録画処理部11aによる録画処理が、ユーザ操作を必要とすることなく開始される。
【0053】
次に録画制御部11cはステップS120において、新たな選局指示が検知されたか否かを判定する。選局指示は例えば、操作部13に含まれる選局ボタン(不図示)がユーザにより押下された場合等に発行される。或いは、予め設定部11dにより視聴予約が受け付けられている場合に、視聴予約時刻が到来した時点で発行される。
【0054】
選局指示が検知されていない場合、後述するステップS180へ移行する。選局指示が検知された場合、録画制御部11cはステップS130において、チャンネル変更に関する確認メッセージの表示処理を行う。これは例えば、図4に示す変更確認画面100をOSD処理部19により生成して出力することにより行う。
【0055】
確認メッセージを表示した状態において録画制御部11cは、ステップS140において、チャンネル変更の許可/不許可に関する操作を待ち受ける。図4に示す例では、カーソル102によるユーザ操作を待ち受ける。
【0056】
所定時間内にチャンネル変更が許可されなかった場合、録画制御部11cはステップS141に移行し、確認メッセージを表示停止する。さらに、ステップS120で受け付けた選局指示を無効化するよう放送受信部17を制御し、後述するステップS180へ移行する。これにより、選局処理が実施されない。
【0057】
所定時間内にチャンネル変更が許可された場合、録画制御部11cはステップS150において、実施中の裏録画を終了するよう、録画処理部11aに指示する。そして裏録画が実施されていない状態で、ステップS120で検知された選局指示に基づき、受信チャンネルを切り替えるよう放送受信部17を制御する。
【0058】
次に録画制御部11cはステップS160において、放送受信部17による受信チャンネルの切り替え、つまりチューニングが完了したか否かを判定する。完了していない場合、再びステップS160に移行し、所定間隔によるチェックを行う。完了した場合、録画制御部11cはステップS170において、切り替え後の受信チャンネルで裏録画を開始するよう、録画処理部11aを制御する。
【0059】
次に録画処理部11aはステップS180において、実施されている裏録画の終了条件が満たされたか否かを判定する。具体的には例えば、操作部13に含まれる電源停止キーの押下が検知された場合や、設定画面において裏録画を実行しないことが設定された場合に、終了条件が満たされたと判定する。
【0060】
終了条件が満たされた場合、本処理を終了する。終了条件が満たされていない場合、再びステップS110へ移行し、裏録画を継続して行う。
【0061】
以上に説明した本実施形態によれば、裏録画の実行中にチャンネル切り替えが発生した場合に、変更確認画面100を表示し、裏録画の対象としているチャンネルが変更されることをユーザに通知し、且つチャンネル変更を許可するか否かについての指定を要求する。これにより、裏録画チャンネルが変更されたことにユーザが気づかない事態や、ユーザの意図しない裏録画が実施される事態を回避することができる。
[実施の形態2]
【0062】
次に、本発明の第二の実施形態について説明する。
〈2−1.内部構成について〉
【0063】
本実施形態のHDDレコーダ1は、図5に示すように実施の形態1の構成に加えて、VCR21を備えている。VCR21は、ビデオカセット(不図示)に対して画像/音声データの記録再生を行う記録再生機能部である。
【0064】
VCR21は、複数のマイコンやカセットスロットを含むように構成される。カセットスロットは、ビデオカセットを装着して、データの記録/再生が可能な状態とするための装置である。カセットスロットは、磁気テープの回転を行うローラや、データを記録/再生するための磁気ヘッド等を備えている。
【0065】
VCR21によって再生された画像/音声は、信号処理部18に送られる。そして画像信号に変換され、OSD処理部19や外部接続端子20等へ与えられる。またVCR21は、信号処理部18を経由してHDD14や放送受信部17より与えられる画像/音声を、ビデオカセットに記録する。
〈2−2.機能部の構成について〉
【0066】
第一の実施形態と同じ構成であるが、録画制御部11cの機能が一部異なる。本実施形態の録画制御部11cは、予めユーザ設定により裏録画を実行することが設定されており、且つHDDレコーダ1の電源起動が検知された場合に、選局中のチャンネルを、VCR21を用いてビデオカセットに裏録画するよう、録画処理部11aを制御する。
【0067】
また本実施形態の録画制御部11cは、裏録画が実施されている状態において選局指示を検知した場合に、VCR21による裏録画を一時停止して選局を実施するか否かの指定を、ユーザより受け付ける。なお指定の受け付け方法については実施の形態1と同様であるため、説明を省略する。
【0068】
裏録画の一時停止が指定された場合、録画制御部11cは、選局指示に基づくチャンネル切り替えが完了するまで裏録画を一時停止するよう、録画処理部11aを制御する。そしてチャンネル切り替え、つまり放送受信部17によるチューニングが完了した時点で一時停止を解除するよう、録画処理部11aを制御する。
〈2−3.録画制御処理について〉
【0069】
ここで、第二の実施形態に係るHDDレコーダ1が実施する本発明の録画制御処理を、図6のフロー図を用いながら説明する。なお、第一の実施形態の図3と同内容の処理については、同じステップ番号を付加することにより説明を省略するものとする。
【0070】
ステップS110〜ステップS140については、実施の形態1と同様である。ステップS140において所定時間内にチャンネル変更が許可された場合、録画制御部11cはステップS155において、VCR21により実施中の裏録画を一時停止するよう、録画処理部11aに指示する。これを受けた録画処理部11aは、VCR21の記録用ヘッドをビデオカセットに接触させた状態で、VCR21のピンチローラを停止させるよう、制御を行う。
【0071】
録画制御部11cは、上記により裏録画を一時停止している状態で、ステップS120で検知された選局指示に基づき、受信チャンネルを切り替えるよう放送受信部17を制御する。
【0072】
次に録画制御部11cはステップS165において、放送受信部17による受信チャンネルの切り替え、つまりチューニングが完了したか否かを判定する。完了していない場合、再びステップS165に移行し、所定間隔によるチェックを行う。
【0073】
完了した場合、録画制御部11cはステップS175において、上記で一時停止していた裏録画の停止解除を行うよう、録画処理部11aを制御する。これを受けた録画処理部11aは、VCR21のピンチローラを駆動させて記録用ヘッドによる記録を再開するよう制御を行った後、ステップS180に移行する。
【0074】
以上に説明した本実施形態によれば、VCR21を用いて裏録画を実施している状態においてチャンネル切り替えが発生し、且つチャンネル変更が許可された場合に、ビデオカセットへの裏録画を一時停止させ、一時停止状態においてチューニングを行う。これにより、チューニング中に発生するノイズがビデオカセットに記録されるのを回避することができる。
[その他の実施の形態]
【0075】
以上、好ましい実施の形態及び実施例を挙げて本発明を説明したが、本発明は必ずしも上記実施の形態に限定されるものではなく、その技術的思想の範囲内において様々に変形して実施することができる。
【0076】
従って本発明は、以下の形態にも適用可能である。
【0077】
(A)上記実施形態では、本発明の記録再生装置の一例としてHDDレコーダ1を例に挙げているが、外部より音声/画像データを入力して記録する記録再生装置であれば、これ以外の装置において本発明を実施する形態でもよい。例えば、DVD(Digital Versatile Disc)レコーダや、録画機能を備えたテレビジョン装置等を用いる形態であってもよい。
【0078】
(B)上記実施形態では、本発明の録画制御処理に関わる各機能部が、マイクロプロセッサ等の演算処理装置上でプログラムを実行することにより実現されているが、各機能部が複数の回路により実現される形態でもよい。
【0079】
(C)上記実施形態では、裏録画のためのリングバッファを構築する記録媒体としてHDD15を例に説明を行っているが、これ以外の記録媒体にリングバッファを構築する形態でもよい。例えば、SSD(Solid State Drive)等の半導体メモリや、書き替え可能な光ディスクであるDVD−RWまたはBD−RW等にリングバッファを構築する形態でもよい。
【0080】
(D)上記実施形態では、本発明の録画制御処理に関わる各装置がHDDレコーダ1の内部に備わっている構成を例として説明したが、これらの一部がネットワークを介して接続された外部装置により実現される形態であってもよい。例えば、録画データの記録を行う記録媒体としてHDD15ではなく、外部記録装置である外付けHDDや、ネットワークに接続されたネットワークサーバ(不図示)等を用いる形態でもよい。
【0081】
(E)上記実施形態では、HDDレコーダ1が備えるチューナが一つである構成を例に説明を行っているが、チューナが複数である構成において、本発明を実施する形態でもよい。この場合、録画制御部11cは、裏録画の実施中に選局指示を受け付けた場合に、非使用中のチューナがあるか否かをチェックする。非使用中のチューナがない場合、変更確認画面100を表示してユーザ指定を受け付ける。非使用中のチューナがある場合、非使用中のチューナを用いて複数の裏録画を実施するか否かの選択画面をOSD処理部19により出力し、ユーザ指定を待ち受ける。
【0082】
(F)上記実施形態では、選局指示を検知したタイミングで所定画面の表示及びユーザ指定の待ち受けを行っているが、これ以外のタイミングで所定画面の表示及びユーザ指定の待ち受けを行う形態でもよい。例えば、放送受信部17が地上デジタルチューナ、BSチューナ、CSチューナ等の複数のチューナを備えており、チューナ切替指示を検知したタイミングで、所定画面の表示及びユーザ指定の待ち受けを行う形態でもよい。或いは、外部入力端子に接続された外部装置から再生情報を取得する外部入力モードへの切替指示を検知したタイミングで、所定画面の表示及びユーザ指定の待ち受けを行う形態でもよい。
【符号の説明】
【0083】
1 HDDレコーダ(記録再生装置)
11 制御部
11a 録画処理部(記録処理部)
11b 再生処理部
11c 録画制御部(記録制御部)
11d 設定部
12 メモリ
13 操作部
14 フラッシュメモリ
15 HDD(記録部)
16 光ディスクドライブ
17 放送受信部
18 信号処理部
19 OSD処理部(画像信号生成部)
20 外部接続端子
21 VCR

【特許請求の範囲】
【請求項1】
情報を記録する記録部と、
放送波の受信及び選局を行い、画像または音声を含む再生情報を放送波より取得する放送受信部と、
前記放送受信部により前記再生情報が取得されている状態において、前記記録部の未使用領域の大きさが予め定められた閾値を下回るまで前記再生情報を前記記録部へ記録し、前記未使用領域の大きさが前記閾値を下回った場合に前記記録部に記録されている前記再生情報を消去しつつ、前記放送受信部により取得される前記再生情報を前記記録部へ記録する処理である継続記録処理を実施する記録処理部とを備えた記録再生装置において、
前記記録処理部により前記継続記録処理が実施されている状態において前記放送受信部に対する選局指示が検知された場合に、前記継続記録処理が記録対象としている前記再生情報が変更される旨を報知し、前記変更に対する許可/不許可の選択指示を受け付ける記録制御部を備えること
を特徴とする記録再生装置。
【請求項2】
前記記録制御部は、前記変更に対する許可指示を受け付けた場合に、前記継続記録処理を停止するよう前記記録処理部を制御し、前記選局指示に基づく選局を行うよう前記放送受信部を制御し、前記選局が完了した時点で前記継続記録処理を再開するよう前記記録処理部を制御すること
を特徴とする請求項1に記載の記録再生装置。
【請求項3】
前記記録制御部は、前記変更に対する不許可指示を受け付けた場合に、前記選局指示を無効とするよう前記放送受信部を制御すること
を特徴とする請求項2に記載の記録再生装置。
【請求項4】
前記記録処理部は、前記放送受信部による再生情報の取得が開始された時点から前記再生情報の記録を開始し、前記未使用領域の大きさが前記閾値を下回った場合に、前記記録部に記録されている前記再生情報のうち記録日時が古いものから順に消去しつつ前記再生情報の記録を行うこと
を特徴とする請求項3に記載の記録再生装置。
【請求項5】
操作指示を受け付ける操作部と、
画像信号を生成する画像信号生成部とを備え、
前記記録制御部は、前記記録処理部により前記継続記録処理が実施されている状態において前記放送受信部に対する選局指示が検知された場合に、前記変更に対する許可/不許可の選択指示を受け付けるための画像を含む画像信号を生成するよう前記画像信号生成部を制御し、前記選択指示が前記操作部を介してなされたか否かを、前記画像信号を出力しつつ待ち受けること
を特徴とする請求項4に記載の記録再生装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2012−105009(P2012−105009A)
【公開日】平成24年5月31日(2012.5.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−251080(P2010−251080)
【出願日】平成22年11月9日(2010.11.9)
【出願人】(000201113)船井電機株式会社 (7,855)
【Fターム(参考)】