説明

記録制御装置、半導体記録装置および記録システム

【課題】編集効率の良好な3D画像データの記録制御装置、半導体記録装置および記録システムを提供する。
【解決手段】記録制御装置は、入力されたL個の画像を同時に保持するバッファーメモリ3と、バッファーメモリ3上の画像毎に、それぞれを所定サイズの論理ブロックに分割し、分割した論理ブロックをメモリカード5の少なくとも一つの消去ブロックに対応付けるファイルシステム部40と、論理ブロックにかかるデータをM個(Mは自然数)のライトコマンドとして、連続してメモリカード5に発行するドライバ41を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、3次元(3D)の立体画像等の同時に撮像された複数の画像を、メモリカードなどの半導体記録装置に記録再生する制御手法に関する。
【背景技術】
【0002】
最近、家庭用の3Dテレビが発売され、3D映像に対する関心が高まりつつある。一方、3D対応のコンテンツの充実が課題となっているが、3Dの番組制作では2台のカメラを眼幅だけ離して横に並べて、L/R夫々の画像データを2台のVTRなどに記録することで番組が制作される。
【0003】
特許文献1においては、2台のビデオカメラをその光軸が概略平行に眼幅離して配され、3次元の立体映像を撮影するときには2台のビデオカメラによって撮影された左目と右目が見た映像に相当する映像を2つの映像信号として同時に記録する立体映像撮像装置が開示されている。
【0004】
また、特許文献2においては、左目の画像データと右目の画像データを夫々圧縮し、所定の単位でインタリーブしてDVDに記録する記録装置が開示されている。これにより両目の画像データの3D立体映像再生においても、片目のみの従来の2D映像再生においてもリアルタイム再生を可能とし、2D/3Dの互換再生を両立させている。
【0005】
さらに、特許文献3においては、ディジタルスチルカメラにおいて、左目と右目の画像データをメモリカードに記録する際、たとえば、第1のヘッダ情報に続いて左目画像データを記録し、第2のヘッダ情報に続いて右目画像データを記録する画像ファイル生成装置が開示されている。これにより、従来の2Dの画像データの再生機器との互換性を保持しつつ、3D画像データを1ファイルで運用する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平9−215012号公報
【特許文献2】特開2000−270347号公報
【特許文献3】特開2009−147980号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
立体画像を撮影した場合、撮影後に一部の画像を削除したり、画像の順序を変更する編集作業が発生する。
【0008】
また、2個の撮像素子で3D立体画像を撮影した場合は、夫々の撮像素子の色バラツキの吸収や画角の補正などするため、撮影後に編集作業が発生する。
【0009】
しかしながら、メモリカードに記録することを前提とした特許文献3では、編集作業を考慮した記録手法については記載されていない。例えば、1フレーム当たり片眼1MBの画像データを左・右の順番でメモリカードに100フレーム記録した後に、左目の画像データに修正を加えた後にメモリカードに書き戻す際、1ファイルに記録している両目の画像データをリードし、左目のデータを補正した後の両目の画像データをメモリカードに再ライトするといった作業が必要となる。このように補正の必要のない右眼の画像データのリードとライトが発生するため、作業効率が良好でない。
【0010】
また、特許文献1および特許文献2においては、VTR/DVDを前提とした記載であり、メモリカードなどの半導体記録装置に3D画像データを記録する場合の詳細については記載されていない。
【課題を解決するための手段】
【0011】
この課題を解決するために、本発明の記録制御装置は、同時に撮像されたL個(Lは2以上の自然数)の画像が入力される入力部と、前記入力部に入力されたL個の画像を、メモリカードの異なる消去ブロックに記録するよう制御する記録制御部と、を備える。
【発明の効果】
【0012】
上記構成によって、記録制御装置は、複数の画像をメモリカードの異なる消去ブロックに記録するため、複数の画像の内、1つの画像を加工編集して書き戻す場合、他の画像のリード/ライトは発生しないので、効率の良い加工編集が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】実施の形態1における3D撮像記録装置の構成図
【図2】実施の形態1におけるフラッシュメモリの消去ブロックの構成図
【図3】実施の形態1のバッファーメモリの制御タイミング図
【図4】実施の形態1の左右の圧縮画像データと消去ブロックの対応関係を示す図
【図5】実施の形態1の編集前後の画像データのアライメントを示す図
【図6】従来の編集前後の画像データのアライメントを示す図
【図7】実施の形態2における3D撮像記録装置の構成図
【図8】実施の形態2のSRAMの制御タイミング図
【図9】実施の形態2のテンプブロックの状態遷移イメージ図
【発明を実施するための形態】
【0014】
(実施の形態1)
以下、実施の形態1に係る記録制御装置を、3D撮像記録装置を用いて説明する。
【0015】
図1に実施の形態1における3D撮像記録装置の構成図を示す。同図において、3D映像撮像部1は、立体画像データの撮像部であり、人間の目幅分だけ離れた2系統の撮像素子によって構成される。3D映像撮像部1は、立体画像を構成する左目画像と右目画像とを撮像し、出力する構成であればよく、2系列の撮像素子により構成される形態に限定されず、例えば、1つの撮像素子で時分割に左右の画像を撮像し、出力する形態であってもよい。画像データ処理部2は、3D映像撮像部1によって取得された左目と右目の画像データの処理部であり、左目と右目の画像データ夫々についてフレーム内圧縮を行う。フレーム内圧縮はJPEG/DVなどのディジタルスチルカメラ、カメラレコーダー等で使用されている圧縮方式を用いる。圧縮方式はこれらの方式に限定されず、どのようなものであってもよい。バッファーメモリ3は、画像データ処理部2で処理された圧縮画像データを一時記録しておくメモリであり、片側の目にかかる圧縮画像データをメモリカード5にライトしている間、もう片側の目にかかる圧縮画像データを一時記録する。記録制御部4は、ファイルシステム部40とドライバ41で構成される。ファイルシステム部40は、左右の目の圧縮画像データを片目毎に1個のファイルとして扱い、メモリカード5の論理ブロックと各ファイルの画像データとの関連付けを行う。メモリカード5ではFATファイルシステムが採用されている。FATにより、夫々のファイルのファイル名やメモリカードにライトされたファイルのコンテンツの論理ブロック位置が管理される。ドライバ41は、メモリカード5のドライバであり、メモリカード5に対してライトやリードなどのコマンドを発行する。
【0016】
メモリカード5はフラッシュメモリなどの不揮発性メモリとその制御回路で構成される。フラッシュメモリは、消去の最小単位である消去ブロックを複数ブロック有する。例えば、2GB容量のフラッシュメモリは、2MBサイズの消去ブロックを1024個有している。また消去ブロックは複数の記録ページによって構成される。図2は消去ブロックの構成を示す図であり、各消去ブロックは256個の記録ページによって構成される。1記録ページのサイズが8KBの場合、1消去ブロックのサイズは2MB(=8KB*256)となる。ライト対象の消去ブロックが消去済みの場合、当該消去ブロックの消去動作は発生しないが、ライト済みの消去ブロックにライトする場合は、2MBの消去ブロックの消去の後、8KBの記録ページ単位でライトが実行されることになる。
【0017】
本実施の形態に係る記録制御装置は、図1に示す3D撮像記録装置において、画像データ処理部2から画像データが入力される入力部(図示せず)と、バッファーメモリ3と、記録制御部4と、を含む。
【0018】
以上のように構成された3D撮像記録装置の動作について、詳細に説明する。
【0019】
まず、バッファーメモリ3の制御について説明する。図3はバッファーメモリ3のライトとリードのタイミングを示す図であり、図3(a)は右目圧縮画像データのバッファーメモリ3へのライトタイミング、図3(b)は左目圧縮画像データのバッファーメモリ3へのライトタイミング、図3(c)は夫々の圧縮画像データのバッファーメモリ3からのリードタイミングを示す。
【0020】
図3のR0、R1の符号は、右目の圧縮画像データを2MB単位で分割した圧縮画像データセグメントを示す。同様に、L0、L1の符号は、左目の圧縮画像データを2MB単位で分割した圧縮画像データセグメントを示す。
【0021】
画像データ処理部2によって、片目毎に処理され圧縮された圧縮画像データは、図3(a)および(b)で示したタイミングでバッファーメモリ3にライトされ、図3(c)で示すように、右目と左目の圧縮画像データは、2MB単位でインタリーブして、バッファーメモリ3よりリードされる。そして、バッファーメモリ3よりリードされた圧縮画像データは、片側の目にかかる2MB単位に、メモリカード5の同一消去ブロックに記録されるようにファイルシステム部40でメモリカード5の論理ブロックと対応付けられる。そして、ドライバ41を介してライトコマンドが発行され、圧縮画像データはメモリカード5に記録される。
【0022】
図4は、左右の圧縮画像データとメモリカード5の消去ブロックの対応関係を示す図であり、図4(a)は右目の画像データを2MB単位に分割した概念図である。R0、R1、R2は、2MB単位に分割した圧縮画像データセグメントを示す。図4(b)は左目の画像データを2MB単位に分割した概念図である。L0、L1、L2は2MB単位に分割した圧縮画像データセグメントを示す。図4(c)はメモリカード5の消去ブロックと2MBの各圧縮画像データセグメントとの対応を示す。図4(c)に示すように、同一の消去ブロックには、片側の目に対応する圧縮画像データのみが記録され、両目の圧縮画像データが混在して記録されることはない。また、図4(c)では、右目と左目の圧縮画像データを交互にメモリカードの消去ブロックに配しているが、交互に配する必要性はない。
【0023】
さて、以上のように3D画像データが記録されたメモリカード5において、片目の画像データを編集して書き戻す処理について図5を参照しながら説明する。
【0024】
図5は編集前後のメモリカード5における画像データのアライメントを示す図であり、図5(a)は編集前、図5(b)は編集後のアライメントを示す。図5において、R0、R1は、消去ブロックに右目の圧縮画像データセグメントが配されていることを示し、L1、L2は、消去ブロックに左目の圧縮画像データセグメントが配されていることを示す。また、データが配されていない消去ブロックはEで示している。
【0025】
右目の圧縮画像データR0、R1を加工した後、図5(a)ではEであった消去ブロックにR0(New)、R1(New)のデータがライトされる。そして図5(a)でR0、R1の右目の圧縮画像データが配されていた消去ブロックは消去され、E状態に遷移させる。
【0026】
着目すべきポイントは、編集前の図5(a)と編集後の図5(b)において、データが配されていない消去ブロック(E)の数は4個であり、同一ブロック数が保持されている点である。
【0027】
つぎに、左右の目にかかる圧縮画像データを混在させて1個の消去ブロックにライトされているメモリカードにおいて、右目の圧縮画像データを加工して書き戻した場合について、図6を参照にしながら説明する。
【0028】
図6は、本実施の形態を適用しない、従来のメモリカードにおける、編集前後の画像データのアライメントを示す図であり、図6(a)は編集前、図6(b)は編集後のアライメントを示す。図6(a)において、R0−0、R0−1は、2MBからなるR0の圧縮画像データセグメントを1MB毎に2等分したものである。同様に、R1−0、R1−1、L0−0、L0−1、L1−0、L1−1は、2MBからなるR1、L0、L1の圧縮画像データセグメントを1MB単位で、夫々2等分したものである。また、図5と同様に、符号Eはデータが配されていない消去ブロックを示す。図6(a)に示すように、各消去ブロックには左目と右目の圧縮画像データが1MBずつ記録されている。図6(a)の状態から右目のデータを加工してメモリカードに書き戻すと図6(b)の状態になる。
【0029】
着目すべきポイントは、編集前の図6(a)では、データが配されていない消去ブロック(E)の数は4個であるが、編集後の図6(b)では、データが配されていない消去ブロック(E)の数は2個であり、編集後に、データが配されていない消去ブロック(E)の数が減少している点である。これは、編集対象の左目データが右目データと混在して同一の消去ブロックに配されていることに起因している。編集後におけるデータが配されていない消去ブロック(E)の数を4個保持するには、さらに図6(b)の状態からL0−0、L0−1、L1−0、L1−1のデータをリードした後、E状態の消去ブロック2個に移動した後に、移動元の消去ブロック4個を消去する必要がある。この場合、編集対象でない左目の画像データの消去ブロック間移動が発生するため、本実施の形態の図5を用いて説明した形態と比較すると編集効率が大幅に劣化する。
【0030】
以上、本実施の形態によれば、記録制御部4により、左目画像と右目画像とをそれぞれ別ファイルとし、左目画像のファイルと右目画像のファイルとを、メモリカード5の異なる消去ブロックに記録する。これにより、片目の画像のみを加工編集する際に、もう一方の画像にかかる画像データを別の消去ブロックに移動させることなく、加工対象の画像がライトされていた消去ブロックを消去できる。よって、片目画像編集の効率を大幅に改善することができる3D撮像記録装置を提供することができる。
【0031】
なお、簡単のために、メモリカード5のライトにおける消去ブロック並列数を1個で説明したが、複数の消去ブロックに対して並列にライトを実施すれば、より高速ライトが実現できることは言うまでもない。例えば2並列であれば、2個の消去ブロックサイズ(=4MB)単位にバッファーメモリ3、ファイルシステム部40を制御すればよい。
【0032】
なお、本実施の形態では、記録制御部4が、3D撮像記録装置中に存在する構成について説明したが、記録制御部4がメモリカード5中に存在する構成であってもよい。
【0033】
なお、メモリカード5に内蔵された不揮発性メモリをフラッシュメモリで説明したが、消去とライトの単位が異なるメモリであれば、適用可能であることは言うまでもない。
【0034】
なお、本実施の形態では、3D画像データに限定して説明したが、2種類以上の画像データを同時記録するアプリケーションでは適応可能であることは言うまでもない。4種類の画像データであれば、さらに大きいバッファーメモリを実装すれば同等の効果が得られることは言うまでもない。
【0035】
(実施の形態2)
実施の形態1では、消去ブロックサイズが2MBであり、左右の目の圧縮画像データを異なる消去ブロックにライトするには、ライト面4MBとリード面4MBの合計8MB分の大容量バッファーメモリが必要であった。
【0036】
本実施の形態では、大容量のバッファーメモリを実装することなく、メモリカード内部の制御により、同等の機能を実現する。
【0037】
図7は、本実施の形態における3D撮像記録装置の構成図である。実施の形態1との違いは、3D撮像記録装置はバッファーメモリ3の代替として、小容量のSRAM31と、メモリカード5の内部にテンプブロック制御部50を追加している点である。図1と同一符号のブロックは、実施の形態1と同一の動作なので、説明を割愛する。
【0038】
以下、小容量SRAM31とテンプブロック制御部50の動作について詳細に説明する。
【0039】
本実施の形態では、メモリカード5の消去ブロックのサイズは実施の形態1と同一サイズの2MBであるが、左目の圧縮画像データと右目の圧縮画像データを256KB単位でインタリーブして、メモリカード5にライトコマンドを発行する。
【0040】
図8は、SRAM31のライトとリードのタイミング図であり、図8(a)は右目圧縮画像データのSRAM31へのライトタイミング、図8(b)は左目圧縮画像データのSRAM31へのライトタイミング、図8(c)は夫々の圧縮画像データのSRAM31からのリードタイミングを示す。
【0041】
図8のR0、R1の符号は、右目の圧縮画像データを2MB単位で分割した圧縮画像データセグメントを示す。同様に、L0、L1の符号は、左目の圧縮画像データを2MB単位で分割した圧縮画像データセグメントを示す。また、R00、R01、・・・、R07は、圧縮画像データセグメントR0を8等分した圧縮画像データサブセグメントを示す。R0が2MBのサイズなので、R00、R01等は256KBのデータサイズとなる。同様に、R10、R11、・・・、R17は、R1の圧縮画像データサブセグメントを示す。同様に、L00、L01、・・・、L07は、L0の圧縮画像データサブセグメントを示す。同様に、L10、L11、・・・、L17は、L1の圧縮画像データサブセグメントを示す。
【0042】
画像データ処理部2によって、片目毎に処理された圧縮された圧縮画像データは、図8(a)および(b)で示したタイミングでSRAM31にライトされ、図8(c)に示すように、右目と左目の圧縮画像データを、圧縮画像データサブセグメント(=256KB)単位でインタリーブして、SRAM31よりリードされる。そして、SRAM31よりリードされた圧縮画像データは、片側の目にかかる2MB単位に、メモリカード5の同一消去ブロックに記録されるようにファイルシステム部40でメモリカード5の論理ブロックと対応付けられる。そして、ドライバ41を介してライトコマンドを発行し、圧縮画像データはメモリカード5に記録される。実施の形態1では2MB単位にインタリーブしていたので大容量のバッファーメモリ(=8MB)を必要としたが、本実施の形態では、256KBの4面で構成される1MB程度のSRAM31で対応可能である。なお、画像データサブセグメントは、圧縮画像データセグメントを8分割して構成したが、さらに細かく分割すると、インタリーブ単位も細かくなるので、SRAMサイズを小さくできる。例えば、圧縮画像データセグメントを32分割した場合は、圧縮画像データサブセグメントのサイズは64KBとなり、SRAMのサイズは256KBあればよい。
【0043】
つぎに、メモリカード5のテンプブロック制御部50の動作について説明する。
【0044】
一般にメモリカード5は、論理ブロックと消去ブロックの対応関係を管理する論物変換テーブルと、消去ブロックの使用有無を管理する空ブロックテーブルを備える。そして、ホスト機器からライトコマンドが発行されると、空ブロックテーブルにより、新規の消去ブロックがテンプブロックとして割り当てられる。1個のテンプブロックには1個の論理ブロックのデータが割り当てられる。よって、テンプブロックが割り当てられた論理ブロックは、論物変換テーブルで対応付けられている消去ブロックと合わせて、2個の消去ブロックが割り当てられることになる。テンプブロックには最新のデータがライトされるので、同一論理アドレスにかかるデータがテンプブロックと論物変換テーブルで対応付けられている消去ブロックに重複して存在する場合は、テンプブロックにライトされているデータが正規のデータとなる。
【0045】
ライトコマンドの論理アドレスが、テンプブロックの割り当てられた論理ブロックと同一ブロックの場合は、既存のテンプブロックに対してデータが追記される。一方、ライトコマンドの論理アドレスが、テンプブロックの割り当てられた論理ブロックと異なるブロックの場合、既存のテンプブロックを解消し、ライトコマンドが示す論理ブロックのライト用に新規のテンプブロックが確保される。既存のテンプブロックの解消処理は、テンプブロックと他の消去ブロックに存在する同一論理ブロックにかかるデータを1個の消去ブロックに集約させ、集約させた消去ブロックを論物変換テーブルに反映させる処理からなる。
【0046】
消去ブロックサイズが2MBであり、256KB毎に交互に論理ブロックを切り替えてライトコマンドを発行する場合は、集約処理がライトコマンド毎に発生するため、ライト速度が劣化してしまう。
【0047】
本実施の形態では、テンプブロック制御部50により、テンプブロックを2個管理することで、集約処理の多発によるライト性能の劣化を防止する。本実施の形態の論理ブロックサイズと消去ブロックサイズは2MBなので、テンプブロックサイズも2MBとなる。そして、連続して発行されるライトコマンドが同一の論理ブロックへのライトを示す場合は、割り当てられた1個目のテンプブロックに対してデータがライトされる。しかしながら、連続して発行されるライトコマンドが別の論理ブロックへのライトと判定されると、既存のテンプブロックへのライトが一時停止される。そして、空ブロックテーブルをサーチして2個目のテンプブロックが確保され、確保した2個目のテンプブロックに対してライトが実行される。また、その次に発行されたライトコマンドが、1個目のテンプブロックと同一の論理ブロックへのライトと判定された場合は、1個目のテンプブロックにデータが追記される。このように、テンプブロックを2個設けているので、3個目の論理ブロックにかかるライトコマンドが検出されない限り、集約処理は発生しない。
【0048】
図9に、テンプブロックの状態遷移イメージを示す。図9(a)は、右目の圧縮画像データサブセグメントを1個ライトした後のテンプブロックの状態、図9(b)は、左目の圧縮画像データサブセグメントを1個ライトした後のテンプブロックの状態、図9(c)は、右目の圧縮画像データサブセグメントを、さらに1個ライトした後のテンプブロックの状態、図9(d)は、左目の圧縮画像データサブセグメントを、さらに1個ライトした後のテンプブロックの状態、図9(e)は、両目の圧縮画像データサブセグメントのライトが終了した後のテンプブロックの状態を示す。
【0049】
図9(a)から図9(b)への状態遷移では、発行されるライトコマンドは1個前のライトコマンドと異なる論理ブロックであるが、2個目のテンプブロックを確保することにより、集約処理が発生するのを防止している。また、図9(b)から図9(c)への状態遷移では、ライトコマンドは1個前のライトコマンドと異なる論理ブロックで、2個前のライトコマンドと同一の論理ブロックであるので、既存のテンプブロック(1個目)に追記し、集約処理は発生しない。
【0050】
このように、テンプブロックを2個管理することで、集約処理の多発によるライト性能の劣化を防止できるので、左右の両目の圧縮画像データは小ブロック単位で交互にライトすることができる。よって、実施の形態1で実装したバッファーメモリの容量を十分小さくすることができ、3D撮像記録装置のコストを下げることが可能となる。
【0051】
なお、本実施の形態では、論理ブロックの連続性をメモリカード5内部で自動判定しテンプブロックを作成したが、圧縮画像データをライトするコマンドに、左右の目を識別するタグを付けて発行し、タグによってテンプブロックを制御しても同等の効果が得られることは言うまでもない。
【0052】
また、本実施の形態では、右目画像データと左目画像データにかかるライトコマンドを、メモリカードに対して交互に発行したが、これに限定されるものではない。例えばSRAM容量を2倍にとると、同一の消去ブロックにかかるライトコマンドを連続して発行してもよいので、メモリカードのライト時間のばらつきに対応でき、より柔軟なシステムを構築することが可能となる。
【0053】
また、実施の形態1と同様に、2種類以上の画像データを同時記録するアプリケーションでは適応可能であることは言うまでもない。N種類(Nは2以上の自然数)の画像データに対応する場合は、N個以上のテンプブロックを実装すれば同様の効果が得られることは言うまでもない。
【産業上の利用可能性】
【0054】
本実施の形態にかかる立体画像記録装置は、メモリカードなどの半導体メディアに3D画像を記録し、記録した3D画像を加工して、半導体メディアに書き戻す場合に有効である。したがって、撮像した3D画像データの加工編集を行う業務用映像記録分野において有用である。
【符号の説明】
【0055】
1 3D映像撮像部
2 画像データ処理部
3 バッファーメモリ
31 SRAM
4 記録制御部
40 ファイルシステム部
41 ドライバ
5 メモリカード
50 テンプブロック制御部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
同時に撮像されたL個(Lは2以上の自然数)の画像が入力される入力部と、
前記入力部に入力されたL個の画像を、メモリカードの異なる消去ブロックに記録するよう制御する記録制御部と、
を備える記録制御装置。
【請求項2】
前記入力部に入力されたL個の画像を同時に保持するバッファーメモリを備え、
前記記録制御部は、
前記バッファーメモリ上の画像毎に、それぞれを所定サイズの論理ブロックに分割し、分割した論理ブロックを前記メモリカードの少なくとも一つの消去ブロックに対応付けるファイルシステム部を含む、
請求項1に記載の記録制御装置。
【請求項3】
前記記録制御部は、
前記論理ブロックにかかるデータをM個(Mは自然数)のライトコマンドとして、連続して前記メモリカードに発行するドライバ部を含む、
請求項2に記載の記録制御装置。
【請求項4】
前記記録制御部は、
前記L個の画像のそれぞれの論理ブロックにおいて、前記論理ブロックにかかるデータをN個(Nは自然数)に分割し、L×N個の分割された前記L個の画像にかかるライトコマンドをインタリーブして前記メモリカードに発行するドライバ部を含む
請求項2に記載の記録制御装置。
【請求項5】
前記入力部は、
複数の画像として、立体画像を構成する第1の画像と第2の画像とが入力される
請求項1から4の何れかに記載の記録制御装置。
【請求項6】
同時に撮像されたL個(Lは2以上の自然数)の画像が入力される入力部と、
前記入力部に入力されたL個の画像を、メモリカードの異なる消去ブロックに記録するよう制御する記録制御部と、
を備える半導体記録装置。
【請求項7】
前記入力部に入力されたL個の画像を同時に保持するバッファーメモリを備え、
前記記録制御部は、
前記バッファーメモリ上の画像毎に、それぞれを所定サイズの論理ブロックに分割し、分割した論理ブロックを前記メモリカードの少なくとも一つの消去ブロックに対応付けるファイルシステム部を含む、
請求項6に記載の半導体記録装置。
【請求項8】
前記記録制御部は、
前記論理ブロックにかかるデータをM個(Mは自然数)のライトコマンドとして、連続して前記メモリカードに発行するドライバ部を含む、
請求項7に記載の半導体記録装置。
【請求項9】
前記記録制御部は、
前記L個の画像のそれぞれの論理ブロックにおいて、前記論理ブロックにかかるデータをN個(Nは自然数)に分割し、L×N個の分割された前記L個の画像にかかるライトコマンドをインタリーブして前記メモリカードに発行するドライバ部を含む
請求項7に記載の半導体記録装置。
【請求項10】
前記入力部は、
複数の画像として、立体画像を構成する第1の画像と第2の画像とが入力される
請求項6から9の何れかに記載の半導体記録装置。
【請求項11】
記録制御装置と半導体記録装置とからなる記録システムであって、
前記記録制御装置は、
同時に撮像されたL個(Lは2以上の自然数)の画像が入力される入力部と、
前記入力部に入力されたL個の画像を同時に保持するバッファーメモリと、
前記半導体記録装置に対するデータの記録を制御する記録制御部と、
を備え、
前記記録制御部は、
前記バッファーメモリ上の画像毎に、それぞれを所定サイズの論理ブロックに分割し、分割した論理ブロックを前記メモリカードの少なくとも一つの消去ブロックに対応付けるファイルシステム部と、
前記L個の画像のそれぞれの論理ブロックにおいて、前記論理ブロックにかかるデータをN個(Nは自然数)に分割し、(L×N)個の分割された前記L個の画像にかかるライトコマンドをインタリーブしてメモリカードに発行するドライバ部と、
を含み、
前記半導体記録装置は、
記録済みの論理ブロックと消去ブロックとの対応関係を示す論物変換テーブルと、
前記論物変換テーブルに登録済みの消去ブロックと異なる消去ブロックをテンプブロックとして確保し、前記記録制御装置からのL個の論理ブロックへのインタリーブされたライトコマンドに対して、少なくともL個のテンプブロックに、夫々の論理ブロックにかかるデータを記録するテンプブロック制御部と、
を備える記録システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2012−19383(P2012−19383A)
【公開日】平成24年1月26日(2012.1.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−155644(P2010−155644)
【出願日】平成22年7月8日(2010.7.8)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】