説明

記録変調回路および記録変調方法ならびに光ディスク装置および光ディスク記録方法ならびに光ディスク

【課題】光ディスク装置において、メモリから記録変調回路へのデータ入力時の単発的、偶発的な転送エラー発生の際にも高速記録に対応し、メモリ処理に余裕を持たせることができる光ディスク装置およびその記録変調回路を提供する。
【解決手段】メモリコントローラ170から記録変調回路300への転送データが記録クロック処理に間に合わない転送エラーを転送エラー検出回路306で検出した後、転送エラーカウント回路307にてシンクフレーム単位で転送エラー回数をカウントする。転送エラーがn回(n:正の整数)以下の場合はそのまま変調及び記録動作を続け、正しい位置からシンクを付与してNRZI出力動作を行い、転送エラーがn回以上であった場合には記録動作を中断し、再度中断された場所から追記記録する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光ディスク上にデジタルデータを記録する際に用いる記録変調回路および記録変調方法、ならびに該記録変調回路を備えた光ディスク装置に適用して有効な技術に関するものである。
【背景技術】
【0002】
特開2003−59184号公報(特許文献1)には、DVD−R、DVD−RWといった記録可能な光ディスクメディアに追記記録するために、位置ずれ量を検出し、それに応じて記録データに含まれるシンク幅を制御する方法が開示されている。この方法では、シンクフレームの途中位置で記録を中止し、時間的に不連続に次のデータを記録中断位置から新たに記録する場合に、新たに記録されたデータが正しく再生されないことを防止している。また、追記記録でダミーデータを書き込む際の無駄領域を削減している。
【0003】
特開2002−111513号公報(特許文献2)には、バースト誤り訂正能力の高いECC(Error Collection Code)ブロック構造が記載されている。バースト誤りとは、連続したデータに発生する誤りのことで、主に傷や汚れにより発生する。DVDでは、積符号を使った誤り訂正符号が採用されている。誤り訂正で用いる所定のサイズの単位をECCブロックと呼ぶ。特許文献2のように、DVDで用いるECCブロックを横に2つ並べた形にすると、従来のDVDでのECC構造に比較して、バースト誤り訂正能力は2倍になる。
【0004】
媒体上の傷や汚れによって再生データにバースト誤りが存在すると、記録線密度を2倍向上させると、バースト誤りは2倍となる。例えば、DVD−RAMのビットレングスを0.28μm、HD DVD(登録商標)のビットレングスを0.13μmとすると、訂正可能バースト誤り最大長は、DVDでは2741バイト(約6mm)、特許文献2の構成によるHD DVDでは、5904バイト(約6mm)である。実際のHD DVDでは、インターリーブ構成をとっているため、さらにバースト誤りに強くなっている。
【0005】
特開2004−241044号公報(特許文献3)の図27には、HD DVDでのECCブロックが記載されている。また、特許文献3の図34には、ECCブロックのデータ構造が記載されている。1ECCブロックは32個のセクタからなり、1セクタは26個のシンクフレームからなる。また、特許文献3の図29には、セクタ構造が記載されている。シンク24ビットがデータ1092ビット毎に挿入される構成となっている。4種類のシンク(SY0〜SY3)の順序を決めているため、シンクを検出すれば、何番目のシンクフレームのデータかを知ることができる。
【0006】
また、特許文献3の図42には、書き換え可能なデータの記録方法が記載されている。HD DVDディスクでのデータ記録は、レコーディングクラスタ単位で行われる。物理的なアドレスは、物理セグメントブロック(Physical Segment block)単位でウォブル面に埋め込まれている。
【特許文献1】特開2003−59184号公報(図1〜図5a,b)
【特許文献2】特開2002−111513号公報(図1,図17)
【特許文献3】特開2004−241044号公報(図27,図29,図34,図42)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献2に記載されているように、ディスクの再生時はECCブロック単位で誤り訂正が行われるため、ディスクに記録されるデータは連続したデータであることが必要であり、データが抜けたり、データ順番が繰り上がったりすることがあると正常再生することが困難となる。
【0008】
そのため、一般的に連続したデータを記録できないような場合には記録動作を中止し、特許文献1に記載されているような追記記録の方法をとる。記録中断の要因としては、光学ヘッドに対する外部からの振動、衝撃によりレーザスポットがトラック方向の制御範囲から外れるトラッキング外れ、対物レンズのフォーカス方向の位置が制御範囲から外れるフォーカス外れ、レーザの劣化、バッファアンダーラン(バッファが空になると書き込みを自動停止)などの外的要因がある。
【0009】
一方、回路内での記録中断要因として、メモリコントローラから記録変調回路への転送データが記録クロックに対して間に合わない場合に、間違ったデータをディスクに記録させないようにするため、転送エラーを出力させ記録動作を中止する場合がある。
【0010】
一般に光ディスク装置では、特許文献2に示すようなECCブロックを生成するために、スクランブル処理、及び訂正符号付加処理をDRAMを使って行っている。メモリコントローラは、ATAPIインタフェースを介したデータ入力制御、記録変調回路へのDRAMデータ出力制御、スクランブル処理、訂正符号付加処理に使われる。メモリコントローラ周辺の回路のクロックは、クリスタル発振器を使ったマスタクロックを用いている。
【0011】
このメモリコントローラでの処理が突発的に多くなる場合、またはマイコンからの割り込みが多く入った場合などに、単発的、偶発的に転送エラーが発生することがある。光ディスク装置では、記録変調回路からメモリコントローラにデータ入力のためのリクエストを出した後、メモリコントローラにデータが入力されるまでの待ち時間の間に転送可能なデータ量よりも多いデータを保持できるようにバッファ数を決定している。
【0012】
しかし、想定外の割り込みが入るとメモリコントローラ処理が多くなり、バッファ数で規定される処理時間よりも時間がかかってメモリコントローラから記録変調回路へデータ入力される。このような状態になると、記録クロックに同期したNRZI(Non Return to Zero Invert)信号の出力が途切れることになるため、転送エラーを出力する。
【0013】
図10(1)は、従来技術の光ディスク装置における正常出力時のライトゲートとNRZI、図10(2)は、従来技術の光ディスク装置における転送エラー時のライトゲートとNRZIを示した図である。図10(2)に示すように、従来技術の光ディスク装置では、転送エラーが1度でも発生すると、変調処理を停止させ、ライトゲートを無効にし、NRZI信号をレーザ駆動回路へ出力しないようにする。その後、リセットにより転送エラーが解除され、転送エラーが発生した箇所からの再書込みを始めるため、記録に時間がかかるという問題がある。
【0014】
最近では、DVDディスクの限界といわれている16倍速以上の20倍速で動作させ、回路及びドライブの性能限界まで使おうとしているケースもある。高倍速になるほど、記録時間が短縮できるため、ユーザの記録ディスク作成時間が少なくなる。例えば、1倍速で記録すると60分かかっていたデータの場合に、20倍速で記録すると3分の時間で済むことになる。このような記録の高速化は、データ用についてはもとより、DVDレコーダでの高速ダビングなどについてもユーザから強く要望されている。
【0015】
しかし、上述したように、転送エラーが一度出力されると高速記録は困難になるという問題点がある。また、高速記録になるほどメモリコントローラ処理も厳しくなり、想定外の要因による単発的・偶発的な転送エラーが発生する可能性も高くなってしまう。
【0016】
そこで本発明の目的は、光ディスク装置において、メモリから記録変調回路へのデータ入力時の単発的、偶発的な転送エラー発生の際にも高速記録に対応し、メモリ処理に余裕を持たせることができる光ディスク装置およびその記録変調回路を提供することにある。特に、光ディスクに画像を直接記録するストリーミング記録において高速記録に対応させることを目的とする。
【0017】
本発明の前記ならびにその他の目的と新規な特徴は、本明細書の記述および添付図面から明らかになるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0018】
本願において開示される発明のうち、代表的なものの概要を簡単に説明すれば、次のとおりである。
【0019】
本発明の代表的な実施の形態による光ディスク装置は、メモリコントローラから記録変調回路への転送データが記録クロック処理に間に合わず転送エラーが発生した後、シンクフレーム単位で転送エラー回数をカウントする。転送エラーがn回(n:正の整数)未満の場合はそのまま変調及び記録動作を続け、正しい位置からシンクを付与してNRZI出力動作を行い、転送エラーがn回以上であった場合には記録動作を中断し、再度中断された場所から追記記録することを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0020】
本願において開示される発明のうち、代表的なものによって得られる効果を簡単に説明すれば以下のとおりである。
【0021】
本発明の代表的な実施の形態によれば、メモリから記録変調回路へのデータ入力時の単発的、偶発的な転送エラー発生の際にも、高速記録に対応し、メモリ処理に余裕を持たせることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、実施の形態を説明するための全図において、同一部には原則として同一の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。
【0023】
<実施の形態1>
以下、本発明の実施の形態1である光ディスク装置について説明する。
【0024】
図1は、本実施の形態の光ディスク装置のブロック図である。図1において、光ディスク装置100は、レーザ駆動回路110、光ヘッド(PU)120、I/V変換回路130、ウォブル処理回路140、サンプルホールド回路150、訂正符号付加処理回路160、メモリコントローラ170、スクランブル処理回路180、メモリ190、ATAPI200、ATAPIインタフェース(ATA I/F)210、CPU220、記録変調回路300を有する構成となっている。さらに、ウォブル処理回路140は、アドレスデコーダ141を有している。
【0025】
ここで、記録変調回路300は、iビット(iは正の整数)のデータワードをjビット(jは正の整数)のコードワードに変調する変調方式に則って変調を行い、コードワードの間に等間隔にシンクコードを挿入したフォーマットの変調出力データを出力する回路である。また、ウォブル処理回路140は、光ディスク400の周期的に蛇行しているウォブル溝(記録案内溝)に対応したウォブル信号を抽出し、ウォブル信号に同期した二値化信号として記録クロックを出力する回路である。
【0026】
また、アドレスデコーダ141は、ウォブル溝から抽出したアドレスが記録位置アドレスかどうかを判断し、記録位置を示す記録位置検出信号を記録変調回路300に出力するための回路である。また、レーザ駆動回路110は、前記変調出力データを光ディスク400に記録するために、レーザ光を制御するための回路である。また、メモリ190は、前記データワードを一時的に記憶するためのものであり、メモリコントローラ170は、メモリ190から前記データワードを読み出して記録変調回路300に出力するものである。
【0027】
記録変調回路300は、メモリコントローラ(RAMCON)インタフェース301、符号語変換回路302、連結処理回路303、DSV(Digital Sum Value)処理回路304、同期符号処理回路305と、転送エラー検出回路306、転送エラーカウント回路307、転送データカウント回路308、ダミーデータ出力回路309、切り替え回路310、記録クロック同期処理回路311とを有する構成となっている。
【0028】
ここで、記録クロック同期処理回路311は、変調された前記コードワードをNRZI等の符号データに変換し、前記記録クロックに同期させて、レーザ駆動用の信号として出力する回路である。また、転送エラー検出回路306は、メモリコントローラ170から入力される前記データワードが、記録クロック同期処理回路311が要求するタイミングから外れた場合に、転送エラーを検出する回路である。また、転送エラーカウント回路307は、転送エラー検出回路306で検出された転送エラーの回数をシンクフレーム毎にカウントする回路であり、転送データカウント回路308は、メモリコントローラ170から入力される前記データワードをカウントする回路である。
【0029】
なお、記録変調回路300を構成する各回路は、それぞれが単独または複数の組合せで独立した回路となる構成であっても構わない。また、各回路での処理をCPU220におけるソフトウェア的な処理によって実行する構成とすることも可能である。
【0030】
図1に示すように、光ディスク装置100は、パーソナルコンピュータ、ワークステーション等のホストコンピュータ500に接続されている。ホストコンピュータ500からの命令や情報データはCPU220に入力され、CPU220の制御により、HD DVD−R/RW等の光ディスク400に対する情報の記録動作、再生動作、および目的のトラックに光ヘッド120を移動させるシーク動作が実行される。以下、上記構成を有する本実施の形態の光ディスク装置100の各動作内容について説明する。
【0031】
[再生動作]
まず、本実施の形態の光ディスク装置100における再生動作について説明する。
【0032】
光ディスク400は、スピンドルモータによって回転駆動される。光ヘッド120内の半導体レーザは、情報の再生を行うレーザ光を射出する。光ヘッド120内の光学系は、半導体レーザからの出射光を光ディスク400の面上に光スポットとして形成する。さらに、光ヘッド120内の光検出器は、光ディスク400からの反射光を電気信号に変換する。変換された電気信号を用いて、フォーカス制御やトラッキング制御などの光スポット制御および情報の再生が行なわれる。
【0033】
[記録動作]
次に、本実施の形態の光ディスク装置100における記録動作について説明する。
【0034】
まず、記録開始指示がホストコンピュータ500からCPU220に入力される。次に、上述の再生動作が実行され、光ディスク400の反射光に基づいた電気信号が光ヘッド120から出力される。この電気信号は、I/V変換回路130で電流電圧変換され、ウォブル処理回路140に入力される。
【0035】
ウォブル処理回路140は、光ディスク400の記録面上に設けられたウォブル溝に対応したウォブル信号を抽出する。このウォブル信号に同期した二値化信号を、記録クロックとして記録変調回路300内の記録クロック同期処理回路311に出力する。また、ウォブル処理回路140内のアドレスデコーダ141により、ウォブル信号からウォブルアドレスを検出する。CPU220で設定された光ディスク400上の記録目標のアドレスを検出したとき、記録クロック同期処理回路311に記録位置を示すゲート信号を出力する。
【0036】
その後、メモリ190、スクランブル処理回路180、訂正符号付加処理回路160によって、ID付加処理、スクランブル処理、訂正符号付加処理等の処理がされたデータを、メモリコントローラ170から記録変調回路300に出力する。図2(1)に、HD DVDでのスクランブルフレーム、図2(2)に、HD DVDでのECCブロックの構成を示す。ECCブロックでは、同じデータが続かないようにスクランブルを行ったインターリーブ構成とし、ランダム誤り、バースト誤りがあっても誤り訂正できるように、PO(Parity of Outer-code)、PI(Parity of Inner-code)を付加する。
【0037】
メモリコントローラ170は、RAMCONインタフェース301を介して、メモリ190内のデータを8ビット(=1バイト)毎にデータワードとして、記録変調回路300内の符号語変換回路302に出力する。データワードは符号語変換回路302に入力され、所定の変調ルールに従いコードワード12ビットに変換する8−12変調が行われる。その後、連結処理回路303にて、置換規則に基づいてコードワード内の“01”のデータ配列を連続5回以下にする処理(連結ルール処理)も行う。
【0038】
連結処理回路303から出力されたコードワード内にDSV(Digital Sum Value)制御ビット#がある場合は、DSV処理回路304は、DSVが0に近づくようにコードワード内のDSV制御ビット#に“0”または“1”を与える。DSV制御とは、変調信号の低周波成分を抑圧するために行う制御であり、コードワード内の“1”を+1、“0”を−1とし、累積加算した値が0に近くなるように制御するものである。
【0039】
DSV処理回路304でDSV処理された12ビットのコードワードは、切り替え回路310経由で、記録クロック同期処理回路311にて、アドレスデコーダ141から供給される記録位置検出信号のタイミングに合わせてNRZIに変換され、サンプルホールド回路150に入力される。
【0040】
サンプルホールド回路150により、NRZIのマークスペース幅毎に所定のレーザ照射長制御が行われ、出力信号が記録クロックと共にレーザ駆動回路110に出力される。レーザ駆動回路110は、光ヘッド120内のレーザに駆動電流を供給する。レーザから照射されたレーザ光により、光ディスク400上にデジタルデータを記録する。なお、レーザ駆動回路110は、光ヘッド120内に設けても良い。
【0041】
[転送エラー検出に関わる回路動作]
次に、本実施の形態の光ディスク装置100における転送エラー検出に関わる回路動作について説明する。
【0042】
記録クロック同期処理回路311から途切れずにNRZIをサンプルホールド回路150に出力するため、メモリコントローラ170は、RAMCONインタフェース301への出力データのタイミング制御を行っている。
【0043】
また、RAMCONインタフェース301は、バッファを数段有している。RAMCONインタフェース301からメモリコントローラ170にデータ入力のためのリクエストを出した後に、メモリコントローラ170からデータが入力されるまでの待ち時間よりも長いクロック数の間、バッファ内のデータでの処理が可能となるようにバッファ数を決定している。
【0044】
この待ち時間は、メモリコントローラ170の処理状況により決定される。記録変調回路300からのリクエストよりも優先順位の高い処理が入っていた場合は、記録変調回路300でのデータ入力待ち時間は長くなる。また、記録変調回路300からのリクエストよりも優先順位の低い処理であれば、記録変調回路300でのデータ入力待ち時間は短くなる。この待ち時間のクロック数が、RAMCONインタフェース301内のバッファ数で決定されるクロック数よりも長くなると、記録クロックに同期したNRZI出力が途切れることになり、転送エラーとなる。
【0045】
このとき、メモリコントローラ170から記録変調回路300内の転送エラー検出回路306に出力されている変調有効(イネーブル)信号を“H”から“L”にすることによって、転送エラー検出回路306にて転送エラーを検出する。また、記録変調回路300内の転送エラーカウント回路307は、転送エラー検出回路306から出力される転送エラー検出信号を所定のタイミングでカウントすることにより、転送エラーの回数をカウントする。
【0046】
なお、光ディスク装置100の記録倍速が高くなるほど、メモリコントローラ170の処理は余裕が無い状況になる。
【0047】
[記録変調回路の入出力データ]
次に、本実施の形態の光ディスク装置100における記録変調回路300の入出力データについて説明する。
【0048】
メモリコントローラ170は、訂正符号付加処理回路160、スクランブル処理回路180、メモリ190、記録変調回路300等への入出力のコントロールを行っており、記録変調回路300内の記録クロック同期処理回路311からの要求により、RAMCONインタフェース301を介して、図3(1)に示される順序に従って、データを記録変調回路300に入力する。
【0049】
所定のタイミング以内でデータがメモリコントローラ170からRAMCONインタフェース301に入力された場合は、RAMCONインタフェース301は、8ビット(変調前の1バイト)毎のデータワードを符号語変換回路302に入力する。その後、符号語変換回路302により所定の変調方式が施され、連結処理回路303、DSV処理回路304、同期符号処理回路305にて所定の処理を行い、12ビット(変調後の1バイト)毎のデータが切り替え回路310を経由して記録クロック同期処理回路311に入力される。
【0050】
同期符号処理回路305は、変調データに対して、91バイト(1092ビット)毎に同期符号(シンクコード)2バイト(24ビット)を挿入する。図3(2)に、シンクコードをECCブロックに挿入したレコーディングフレームの構成を示す。レコーディングフレームは、偶物理セクタと奇物理セクタ、合わせて32セクタからなる。
【0051】
その後、DSV処理回路304によりDSV制御された信号が、切り替え回路310経由で12ビット毎に記録クロック同期処理回路311に入力される。
【0052】
[転送エラーが検出されない場合の動作]
次に、本実施の形態の光ディスク装置100における転送エラーが検出されない場合の動作について説明する。
【0053】
転送エラー検出回路306にて転送エラーが検出されない場合は、記録クロック同期処理回路311からライトゲートが正常に出力される。このとき、アドレスデコーダ141にて、記録開始位置検出信号を記録クロック同期処理回路311に出力し、記録クロック同期処理回路311は、所定のタイミングでライトゲートをサンプルホールド回路150に出力する。
【0054】
図4(1)は、正常出力時のライトゲートとNRZIを示した図である。記録動作を示すライトゲートが“H”のときにNRZIが出力される。N個(N:正の整数)のデータセグメントが続いた後に、最後にガードが出力される。レコーディングフレームは、図4(1)中のData fieldに相当する。
【0055】
[転送エラーが検出された場合の動作]
次に、本実施の形態の光ディスク装置100における転送エラーが検出された場合の動作について説明する。
【0056】
図4(2)は、転送エラー発生時のライトゲートとNRZIを示した図である。転送エラー発生時点で、転送エラー検出回路306から出力される転送エラー検出信号が“H”となる。転送エラー発生から1シンクフレーム終了までの転送エラー回数を転送エラーカウント回路307にてカウントし、カウント数がn(n:正の整数)未満であった場合は、図4(2)の転送エラー発生(a)のタイミングに示すように、ライトゲートは“L”にせず“H”のままとする。
【0057】
このとき、転送エラー発生時点から、出力NRZIとしてダミーデータを出力する。ダミーデータは、ダミーデータ出力回路309から出力されるダミーデータを、切り替え回路310経由で記録クロック同期処理回路311へ入力し、出力NRZIに変換したものである。実際のデータ部分やシンクコード内では使用されず、これらから識別可能なユニークなダミーデータを出力することにより、誤りの箇所を特定し易いようにする。
【0058】
ここで、ユニークなダミーデータとは、例えばHD DVDの場合は、12T繰り返しパターンであっても良い。12T繰り返しパターンとは、“0”が連続12クロック続いた後に“1”が連続12クロック続くパターンが交互に現れるようなパターンである。
【0059】
HD DVDにおける最大のチャネルビット長Tは、シンクコードにのみ含まれる13Tである。また、データ部の最大Tは11Tであり、ランレングス規則RLL(1,10)を満たすように変調方式が規定されている。このとき、NRZ(Non Return to Zero)では、“1”に挟まれた“0”の数は1以上10以下のため、NRZIでは2Tから11Tの信号で構成されることになる。従って、12T繰り返しパターンの信号はデータでもなくシンクコードでもなく、識別可能なユニークなデータとなる。また、12T繰り返しパターンはDSVが0になるため、再生時にも問題なくPLL(Phase Locked Loop)により検出できる。
【0060】
12T繰り返しパターン以外のユニークなパターンの場合であっても、例えばHD DVDの場合は8−12変調方式に準拠した信号とし、正常に再生できるようにする。図示していないが、再生時にはPLLを使い、DSVが0になるような制御を行って再生クロックを生成するため、8−12変調方式に準拠した信号であればPLLにより正常に再生クロック生成ができるからである。例えば、ダミーデータは、ガード部と同じ4T繰り返しパターンでも良い。4T繰り返しパターンとは、NRZIでは4クロック“0”が連続(“0000”)した後に、4クロック“1”が連続(“1111”)するパターンのことである。
【0061】
なお、以上はHD DVDにおける変調方式に基づいてユニークなダミーデータを設定する際の例について説明したが、現行のDVDやブルーレイ(Blu-ray(登録商標):BD)などにおいても、それぞれに対応した変調方式に基づいて、同様にユニークなダミーデータを設定することができる。
【0062】
一方、転送エラー発生から1シンクフレーム終了までの転送エラー回数を転送エラーカウント回路307にてカウントし、カウント数がn(n:正の整数)以上であった場合は、図4(2)の転送エラー発生(b)のタイミングに示すように、転送エラーカウント中はダミーデータを出力し、その後にライトゲートを“L”にしてNRZI出力を中断させ、記録動作を止める。
【0063】
図5は、転送エラーが検出された場合の動作のフローチャートである。記録開始(ステップ501)後、メモリコントローラ170から記録変調回路300への転送エラーが発生したがどうかの検出を行う(ステップ502)。転送エラー検出は、記録開始から記録終了まで行う。転送エラーを検出しない場合は、ライトゲートを有効にし(ステップ508)、記録終了位置までディスクへのデータ書込みを行う(ステップ509)。
【0064】
転送エラーを検出した場合は(ステップ502)、サンプルホールド回路150に出力するNRZIをダミーデータとして、1シンクフレームの終了時点まで出力する(ステップ503)。1シンクフレーム間に何回転送エラーが起こったかを検出し(ステップ504)、設定回数(n回)以上であった場合は、ライトゲートを無効にし、NRZIを出力しないようにする(ステップ507)。
【0065】
設定回数(n回)以下であった場合は、ライトゲートは引き続き有効とする(ステップ505)。その後、転送エラー(メモリコントローラ170から所定のタイミング以内でデータ入力できないエラー)とメモリコントローラ170からRAMCONインタフェース301への転送データ回数より、同期符号(シンクコード)を付加したNRZIを正しい位置から出力し、サンプルホールド回路150を介して光ディスク400へ記録する(ステップ506)。
【0066】
その後、記録終了位置かどうかの判定を行い(ステップ510)、記録終了位置でない場合はステップ502に戻って処理を継続する。記録終了位置である場合は、記録終了する(ステップ511)。
【0067】
なお、転送エラー回数の設定回数n(n:正の整数)は、レジスタやメモリなどに格納し、外部からの操作により変更することが可能な構成としてもよい。
【0068】
[効果]
従来は、1回の転送エラーが発生した場合、一度記録動作を中断し、再度記録位置から書き込みを行っていた。図6(1)は、CAV(Constant Angular Velocity:角速度一定)のときの書込み時間と線速度との関係を示した図である。また、図6(2)は、CLV(Constant Linear Velocity:線速度一定)のときの書込み時間と角速度との関係を示した図である。
【0069】
従来例では、転送エラーが1回検出された場合には、線速度または角速度を同じにするか速度をいったん落とした後、再度書き込みを行うため、書込み時間が長くなる。本実施の形態の光ディスク装置100であれば、内周から外周まで書き込む場合、転送エラーが1回検出されたような場合には継続して高速書込みでき、従来例に比較して書込み時間が短縮できる。
【0070】
本実施の形態の光ディスク装置100では、以上に説明したように高速記録変調処理に適した回路構成としており、メモリ190から記録変調回路300への転送エラーが突発的に起こった場合に、シンクフレーム単位で転送エラー回数をチェックすることにより、所定の回数よりも小さい場合には、転送エラーが起きた部分の1シンクフレームのデータがダミーデータとして光ディスク400に記録され、高速記録が可能となる。
【0071】
また、再生時には、ダミーデータ部分はバースト誤りとして処理される。現行のDVDでは、2714B(29シンクフレーム)のバースト(連続)誤りが発生しても誤り訂正可能であり、正常に再生される。HD DVDでは、少なくとも5904B(63シンクフレーム)のバースト誤りでも訂正可能である。このようにすることで、少なくとも1シンクフレームのデータは正しくないダミーデータとなるが、ダミーデータ部分は再生時には誤り訂正で復元可能となるため、高速記録が可能となる。
【0072】
光ディスク装置100を搭載した機器の利用において、例えば、レコーダやビデオカメラなどのストリームデータは撮り直しが効かずリアルタイム性が要求されるため、転送エラーが単発的に発生するような場合には特に有効である。PCなどのようにデータの信頼性が要求される機器に搭載される場合には、本実施の形態で説明したような高速記録の機能は適用せず、レコーダやカメラなどの機器に搭載される場合には適用できるように、切り替え設定できる構成とすることも可能である。また、この構成によれば、PCなどにおいても、データを高速に書込みたい場合には、設定を切り替えることにより高速記録の機能を使うということも当然可能である。
【0073】
なお、本実施の形態の光ディスク装置100では、HD DVDディスクを使った構成について説明したが、DVDやBDの場合も、記録変調回路300内の変調処理の構成を変更するだけで上記と同様な処理を行うことができる。
【0074】
<実施の形態2>
以下、本発明の実施の形態2である光ディスク装置について説明する。
【0075】
本実施の形態の光ディスク装置のブロック図は実施の形態1の図1と同様である。本実施の形態の光ディスク装置100は、シンクフレーム単位の転送エラーが所定の回数よりも多かった場合に、1ECCブロック分のダミーデータを記録変調回路300からサンプルホールド回路150に出力して、メモリ190の中の次のECCブロックから正しいデータを出力させるものである。
【0076】
このとき、メモリコントローラ170から正常にデータ転送した回数である、転送データカウント回路308のデータカウント値と、転送エラーカウント回路307の転送エラーカウント値により判断したタイミングで、正しいコードワードを次のECCブロックからデータ切り替え回路309によって切り替えて出力する。
【0077】
図7は、本実施の形態におけるライトゲートとNRZIを示した図である。図7(2)に示すように、転送エラーがシンクフレーム単位で所定の回数n以上に発生した場合、転送エラー期間として、転送エラーが発生した箇所の1ECCブロック分、正常データが記録されない期間を設ける。この期間は、ライトゲートを“L”にせず、ダミーデータとして実施の形態1で説明したのと同様なユニークなパターンを出力する。その後、次のECCブロックの先頭から、正常なタイミングを有するデータを出力する。
【0078】
メモリ190には、図7(3)のメモリアドレスマップに示すように、複数個のECCブロックが構成されている。例えば、ECCブロック(1)のデータが転送エラーであった場合、ECCブロック(2)の先頭から、データを記録変調回路300に出力する。1ECCブロックのデータ数は決まっており、データのメモリ配置も決まっている。従って、あらかじめ各ECCブロックの先頭位置が分かるため、ECCブロックの先頭位置からのデータを記録変調回路300に出力することは容易である。
【0079】
また、物理セグメントブロックの長さと、データセグメントの長さは同じであるため、アドレスデコーダ141によって物理セグメントブロックの先頭位置が分かれば、再度NRZIとの位置合わせができ、正確な位置から正確なデータを書き始めることができる。
【0080】
本実施の形態の光ディスク装置100によれば、1ECCブロックを潰すことになるので、その部分は正常再生できないが、新たにリセットをかけ、転送エラーが発生した位置から追記記録するよりも、データを無駄にしない。特にビデオカメラのようなストリームデータの場合は撮り直しが効かないため有効である。
【0081】
<実施の形態3>
以下、本発明の実施の形態3である光ディスク装置について説明する。
【0082】
実施の形態1および実施の形態2の光ディスク装置では、転送エラーを検知した時点ではライトゲートを落とさずに、ダミーデータを出力する構成となっているが、本実施の形態の光ディスク装置100は、転送エラーを検知した時点でライトゲートを落として、記録変調回路300からNRZIを出力せずに未記録とするものである。
【0083】
図8は、本実施の形態におけるライトゲートとNRZIを示した図である。転送エラー検出回路306にて転送エラーを検知した時点で、記録クロック同期処理回路311から出力されるライトゲートを落として、NRZIを出力せずに未記録とする。その後、転送エラーが出ない場合は、次のシンクフレームの先頭でライトゲートを立ち上げても良い。
【0084】
本実施の形態の光ディスク装置100によれば、ダミーデータ出力回路309、切り替え回路310などが不要となり、回路構成が簡略化され、LSI化がより容易となる。なお、未記録とする際にNRZIが“0”または“1”の固定値となる場合、再生時のPLLは、この領域を未記録領域として検出して、ホールドする機能が必要である。
【0085】
<実施の形態4>
以下、本発明の実施の形態4である光ディスク装置について説明する。
【0086】
本実施の形態の光ディスク装置は、図1の光ディスク装置100における、シンクフレーム毎で転送エラー回数をカウントする転送エラーカウント回路307を、セクタ毎の転送エラー回数をカウントするようにしたものである。なお、転送エラーカウント回路307における転送エラー回数のカウントを、シンクフレーム毎に行うかセクタ毎に行うかを設定により切り替えられる構成としてもよい。
【0087】
図9は、転送エラーが検出された場合の動作のフローチャートである。ステップ904において、セクタ単位でデータ転送チェックを行う点以外は、実施の形態1の図5に示すフローチャートと同様である。
【0088】
なお、前述のように、現行のDVDでは、2714B(29シンクフレーム)のバースト(連続)誤りが発生しても誤り訂正可能であり、また、HD DVDでは、少なくとも5904B(63シンクフレーム)のバースト誤りでも訂正可能である。1セクタは26シンクフレームのため、1セクタがダミーデータとなっても再生時には誤り訂正で復元可能であり、高速記録が可能となる。
【0089】
<実施の形態5>
以下、本発明の実施の形態5である光ディスク装置について説明する。
【0090】
上述の実施の形態1〜4では、DVDおよびHD DVDを対象とした光ディスク装置の例について説明したが、本実施の形態では、BDフォーマットを対象とした光ディスク装置の例について説明する。
【0091】
図11(1)に、変調後のBDフォーマットのライトゲートとNRZI、図11(2)に、BDフォーマットでのECCブロック(エラー訂正ブロック)の構成を示す。上述の実施の形態1〜4において、HD DVDでのECCブロック、シンクフレーム等の説明を行ったが、BDにおいては名称等が異なっている。
【0092】
図11(1)において、図4(1)に示したHD DVDの1データセグメントに対応する1ECC分のデータが含まれている一区切りのデータ部を、BDでは1レコーディングユニットブロック(RUB)と呼ぶ。HD DVDにおけるデータ部を示すData fieldは、BDではPhysical Clusterと呼ぶ。Physical Clusterは、16個のUnitからなり、1Unitは、31個のシンクフレームからなる。なお、1wobble(図中ではwbsと記載する)は、69チャネルビットに相当する。
【0093】
図11(2)に示すように、BDのECCブロックでは、バースト誤り検出能力を高めるため、Picket Code方式が採用されている。メインデータは、DVDと同様にリードソロモンコードで保護されている。Picketは、メインデータとは別に第二のリードソロモンコードによって保護されている。デコード時にPicket列が訂正され、その訂正過程でメインデータのバースト誤りの有無が予測される。BDでは、1ECCブロックには64KBのユーザデータが格納される。また、1つのECCブロック内に4本のPicket列が等間隔に並ぶ。一番左のSは、行の開始を示す同期パターンである。BDの1ECCブロックは175バイト(B)×496行で構成される。
【0094】
このように、BDではPicketコードがECCブロックに挿入されている点が、HD DVDと大きく異なるが、図1におけるメモリ190やメモリコントローラ170等を用いてECCブロックデータを生成し、所定の変調処理を行い、記録クロックに同期してNRZIを出力するという点においてHD DVDと同様である。記録クロックに同期してNRZIを途切れなく出力するために、実施の形態1〜4の場合と同様に、メモリコントローラ170でデータの入出力制御を行う。
【0095】
図12に、本実施の形態の光ディスク装置のブロック図を示す。本実施の形態の光ディスク装置100は、RAMCONインタフェース301での処理以降を、記録クロックまたは記録クロック分周処理で行うようにしたものである。この点以外は、図1に示す構成の光ディスク装置100と同様の処理を行う。クロック系統が分かれることにより、倍速毎にマスタクロックを変更する設定が不要となり、設計を容易にすることができる。
【0096】
BDフォーマットの場合は、変調回路312により17PP(Parity Preserve)変調を行い、図11(1)に示すレコーディングユニットブロック(RUB)を生成して切り替え回路310に出力する。切り替え回路310により、変調処理後のデータまたはダミーデータを切り替え、NRZIおよびライトゲートをサンプルホールド回路150に出力する。BDではさらに、バースト誤りに対して強力な誤り訂正をおこなうため、HD DVDの場合よりも、転送エラーカウント回路307のカウント数と比較する転送エラー回数の設定回数n(n:正の整数)の値を大きく設定することも可能となる。
【0097】
このような構成にすることにより、CPU220やATAPI200へのアクセス数が突発的に増大しても、転送エラー検出回路306および転送エラーカウント回路307にて転送エラー回数をチェックすることにより、転送エラー回数が所定の回数よりも少ない場合には中断することなく記録することが可能となり、高速記録を実現できる。また、再生時には、ダミーデータ部分はバースト誤りとして処理されるため、正しいデータを再生することが可能となる。
【0098】
以上、本発明者によってなされた発明を実施の形態に基づき具体的に説明したが、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることはいうまでもない。
【産業上の利用可能性】
【0099】
本発明は、光ディスク上にデジタルデータを記録する際に用いる記録変調回路および記録変調方法、ならびに該記録変調回路を備えた光ディスク装置に利用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0100】
【図1】本発明の実施の形態1である光ディスク装置のブロック図である。
【図2】(1)はHD DVDでのスクランブルフレーム、(2)はHD DVDでのECCブロックの構成を示す図である。
【図3】(1)はHD DVDでのPO挿入後のECCブロック、(2)はHD DVDでのレコーディングフレームの構成を示す図である。
【図4】(1)は本発明の実施の形態1における正常出力時のライトゲートとNRZI、(2)は本発明の実施の形態1における転送エラー発生時のライトゲートとNRZIを示した図である。
【図5】本発明の実施の形態1における転送エラーが検出された場合の動作のフローチャートである
【図6】(1)はCAVのときの書込み時間と線速度との関係、(2)はCLVのときの書込み時間と角速度との関係を示した図である。
【図7】(1)は本発明の実施の形態2における正常出力時のライトゲートとNRZI、(2)は本発明の実施の形態2における転送エラー発生時のライトゲートとNRZI、(3)は本発明の実施の形態2におけるメモリアドレスマップを示した図である。
【図8】本発明の実施の形態3におけるライトゲートとNRZIを示した図である。
【図9】本発明の実施の形態4における転送エラーが検出された場合の動作のフローチャートである。
【図10】(1)は従来技術の光ディスク装置における正常出力時のライトゲートとNRZI、(2)は従来技術の光ディスク装置における転送エラー発生時のライトゲートとNRZIを示した図である。
【図11】(1)は本発明の実施の形態5における変調後のBDフォーマットのライトゲートとNRZI、(2)はBDフォーマットでのECCブロックの構成を示した図である。
【図12】本発明の実施の形態5である光ディスク装置のブロック図である。
【符号の説明】
【0101】
100…光ディスク装置、110…レーザ駆動回路、120…光ヘッド(PU)、130…I/V変換回路、140…ウォブル処理回路、141…アドレスデコーダ、150…サンプルホールド回路、160…訂正符号付加処理回路、170…メモリコントローラ、180…スクランブル処理回路、190…メモリ、200…ATAPI、210…ATAPIインタフェース(ATA I/F)、220…CPU、300…記録変調回路、301…メモリコントローラ(RAMCON)インタフェース、302…符号語変換回路、303…連結処理回路、304…DSV処理回路、305…同期符号処理回路、306…転送エラー検出回路、307…転送エラーカウント回路、308…転送データカウント回路、309…ダミーデータ出力回路、310…切り替え回路、311…記録クロック同期処理回路、312…変調回路、400…光ディスク、500…ホストコンピュータ。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
光照射により、デジタルデータを光ディスクに記録する光ディスク装置において、iビット(iは正の整数)のデータワードをjビット(jは正の整数)のコードワードに変調する変調方式に則って変調を行い、得られた変調出力データを符号データに変換した信号と、前記変調出力データの前記光ディスクへの記録範囲を示すライトゲートを出力する記録変調回路であって、
前記光ディスク装置内のメモリコントローラによって前記光ディスク装置内のメモリから読み出されて該記録変調回路に入力される前記データワードについての転送エラーを検出する手段を有し、
前記転送エラーを検出した場合は、ダミーデータを出力して記録変調動作を中断せずに続行し、その後、前記転送エラーを検出しなくなった場合は、次のシンクフレームから前記変調出力データの出力を再開することを特徴とする記録変調回路。
【請求項2】
請求項1に記載の記録変調回路において、
前記転送エラーを検出した回数をシンクフレーム毎にカウントし、カウントした前記転送エラーの回数がn(n:正の整数)未満の場合は記録変調動作を中断せずに続行し、カウントした前記転送エラーの回数が前記n以上となった場合は、前記変調出力データが出力されないように、前記ライトゲートを無効にすることを特徴とする記録変調回路。
【請求項3】
請求項2に記載の記録変調回路において、
カウントした前記転送エラーの回数が前記n以上となって、前記ライトゲートを無効にした場合に、その後、前記転送エラーを検出しなくなった場合は、無効にした前記ライトゲートを有効にして前記変調出力データの出力を再開することを特徴とする記録変調回路。
【請求項4】
請求項2に記載の記録変調回路において、
カウントした前記転送エラーの回数が前記n以上となった場合に、前記ライトゲートを有効にしたままとして、前記転送エラーを検出したECCブロック分の前記ダミーデータを出力し、その後、前記転送エラーを検出しなくなった場合は、次のECCブロックの先頭から前記変調出力データの出力を再開することを特徴とする記録変調回路。
【請求項5】
請求項1に記載の記録変調回路において、
前記ダミーデータは、前記変調出力データにおけるユーザデータ部分およびシンクコード部分から識別可能なユニークな配列のデータであることを特徴とする記録変調回路。
【請求項6】
請求項5に記載の記録変調回路において、
前記ダミーデータは、該記録変調回路の記録対象である光ディスクでの前記変調方式に則ったNRZIの符号データであり、DSVが0となるような配列のデータであることを特徴とする記録変調回路。
【請求項7】
請求項6に記載の記録変調回路において、
前記ダミーデータは、該記録変調回路の記録対象である光ディスクでの符号データのフォーマットにおける、ユーザデータ部分およびシンクコード部分で用いられるチャネルビット長の範囲に該当しないチャネルビット長の繰り返しパターンのデータ、もしくは、ガード部分で用いられるものと同じチャネルビット長の繰り返しパターンのデータであることを特徴とする記録変調回路。
【請求項8】
請求項2に記載の記録変調回路において、
前記nの値を保持する手段を有し、前記nの値を外部からの設定により変更することが可能であることを特徴とする記録変調回路。
【請求項9】
請求項2に記載の記録変調回路において、
前記転送エラーを検出した回数をセクタ毎にカウントするものであることを特徴とする記録変調回路。
【請求項10】
請求項9に記載の記録変調回路において、
前記転送エラーを検出した回数をシンクフレーム毎にカウントするかセクタ毎にカウントするかを、外部からの設定により切り替えることが可能であることを特徴とする記録変調回路。
【請求項11】
光照射により、デジタルデータを光ディスクに記録する光ディスク装置において、iビット(iは正の整数)のデータワードをjビット(jは正の整数)のコードワードに変調する変調方式に則って変調を行い、得られた変調出力データを符号データに変換した信号と、前記変調出力データの前記光ディスクへの記録範囲を示すライトゲートを出力する記録変調回路であって、
前記光ディスク装置内のメモリコントローラによって前記光ディスク装置内のメモリから読み出されて該記録変調回路に入力される前記データワードについての転送エラーを検出する手段を有し、
前記転送エラーを検出した場合は、前記変調出力データが出力されないように、前記ライトゲートを無効にし、その後、前記転送エラーを検出しなくなった場合は、無効にした前記ライトゲートを有効にし、次のシンクフレームから前記変調出力データの出力を再開することを特徴とする記録変調回路。
【請求項12】
請求項1または11に記載の記録変調回路において、
前記転送エラーを検出した場合の記録変調動作の機能を有効にするか否かを、外部からの設定により切り替えることが可能であることを特徴とする記録変調回路。
【請求項13】
光照射により、デジタルデータを光ディスクに記録する光ディスク装置であって、
iビット(iは正の整数)のデータワードをjビット(jは正の整数)のコードワードに変調する変調方式に則って変調を行い、得られた変調出力データを符号データに変換した信号と、前記変調出力データの前記光ディスクへの記録範囲を示すライトゲートを出力する記録変調回路と、
メモリから前記データワードを読み出して前記記録変調回路に出力するメモリコントローラとを有し、
前記記録変調回路は、
前記メモリコントローラから前記記録変調回路への前記データワードの転送エラーを検出する手段を有し、
前記転送エラーを検出した場合は、ダミーデータを出力して記録変調動作を中断せずに続行し、その後、前記転送エラーを検出しなくなった場合は、前記変調出力データの出力を再開することを特徴とする光ディスク装置。
【請求項14】
光照射により、デジタルデータを光ディスクに記録する光ディスク装置であって、
iビット(iは正の整数)のデータワードをjビット(jは正の整数)のコードワードに変調する変調方式に則って変調を行い、得られた変調出力データを符号データに変換した信号と、前記変調出力データの前記光ディスクへの記録範囲を示すライトゲートを出力する記録変調回路と、
メモリから前記データワードを読み出して前記記録変調回路に出力するメモリコントローラとを有し、
前記記録変調回路は、
前記メモリコントローラから前記記録変調回路への前記データワードの転送エラーを検出する手段を有し、
前記転送エラーを検出した場合は、前記変調出力データが出力されないように、前記ライトゲートを無効にし、その後、前記転送エラーを検出しなくなった場合は、無効にした前記ライトゲートを有効にし、次のシンクフレームから前記変調出力データの出力を再開することを特徴とする光ディスク装置。
【請求項15】
iビット(iは正の整数)のデータワードをjビット(jは正の整数)のコードワードに変調する変調方式に則って変調を行い、得られた変調出力データを符号データに変換した信号と、前記変調出力データの光ディスクへの記録範囲を示すライトゲートを出力する記録変調回路と、
メモリから前記データワードを読み出して前記記録変調回路に出力するメモリコントローラとを有する光ディスク装置における記録変調方法であって、
前記光ディスク装置は、
前記メモリコントローラから前記記録変調回路への前記データワードの転送エラーを検出する手順と、
前記転送エラーを検出した場合は、前記記録変調回路からダミーデータを出力して記録変調動作を中断せずに続行する手順と、
その後、前記転送エラーを検出しなくなった場合は、次のシンクフレームから前記記録変調回路からの前記変調出力データの出力を再開する手順とを実行することを特徴とする記録変調方法。
【請求項16】
iビット(iは正の整数)のデータワードをjビット(jは正の整数)のコードワードに変調する変調方式に則って変調を行い、得られた変調出力データを符号データに変換した信号と、前記変調出力データの光ディスクへの記録範囲を示すライトゲートを出力する記録変調回路と、
メモリから前記データワードを読み出して前記記録変調回路に出力するメモリコントローラとを有する光ディスク装置における記録変調方法であって、
前記光ディスク装置は、
前記メモリコントローラから前記記録変調回路への前記データワードの転送エラーを検出する手順と、
前記転送エラーを検出した場合は、前記記録変調回路から前記変調出力データが出力されないように、前記ライトゲートを無効にする手順と、
その後、前記転送エラーを検出しなくなった場合は、無効にした前記ライトゲートを有効にし、次のシンクフレームから前記変調出力データの出力を再開する手順とを実行することを特徴とする記録変調方法。
【請求項17】
光照射によりデジタルデータが記録される光ディスクであって、
iビット(iは正の整数)のデータワードをjビット(jは正の整数)のコードワードに変調する変調方式に則って変調を行い、得られた変調出力データを符号データに変換した信号と、前記変調出力データの該光ディスクへの記録範囲を示すライトゲートを出力する記録変調回路と、メモリから前記データワードを読み出して前記記録変調回路に出力するメモリコントローラとを有して該光ディスクに前記デジタルデータを記録する光ディスク装置によって、
前記記録変調回路において、前記メモリコントローラから前記記録変調回路への前記データワードの転送エラーが検出された際に、ダミーデータが記録され、その後、前記転送エラーが検出されなくなった際に、前記変調出力データの記録が再開されていることを特徴とする光ディスク。
【請求項18】
光照射により、デジタルデータを光ディスクに記録する光ディスク装置であって、
iビット(iは正の整数)のデータワードをjビット(jは正の整数)のコードワードに変調する変調方式に則って変調を行い、得られた変調出力データを符号データに変換した信号と、前記変調出力データの前記光ディスクへの記録範囲を示すライトゲートを出力する記録変調回路と、
データにパリティを付加したエラー訂正ブロックを構成して一時的に記憶するメモリと、
前記エラー訂正ブロックの生成を制御し、前記メモリから前記エラー訂正ブロックを読み出して前記記録変調回路に出力するメモリコントローラとを有し、
前記メモリコントローラの処理が占有されることにより、前記エラー訂正ブロックの生成が、前記記録変調回路において記録クロックに同期して出力される前記変調出力データの生成に間に合わない場合に、
前記記録変調回路は、前記メモリコントローラからの前記エラー訂正ブロックの出力の遅れ時間が、前記光ディスクの再生時にバースト誤り訂正が可能である範囲内に相当する場合は、記録変調動作を中断せずに続行することを特徴とする光ディスク装置。
【請求項19】
iビット(iは正の整数)のデータワードをjビット(jは正の整数)のコードワードに変調する変調方式に則って変調を行い、得られた変調出力データを光ディスクに記録するために出力する記録変調回路と、
データにパリティを付加したエラー訂正ブロックを構成して一時的に記憶するメモリと、
前記エラー訂正ブロックの生成を制御し、前記メモリから前記エラー訂正ブロックを読み出して前記記録変調回路に出力するメモリコントローラとを有する光ディスク装置における光ディスク記録方法であって、
前記メモリコントローラの処理が占有されることにより、前記エラー訂正ブロックの生成が、前記記録変調回路において記録クロックに同期して出力される前記変調出力データの生成に間に合わない場合に、
前記記録変調回路は、前記メモリコントローラからの前記エラー訂正ブロックの出力の遅れ時間が、前記光ディスクの再生時にバースト誤り訂正が可能である範囲内に相当する場合は、記録変調動作を中断せずに続行することを特徴とする光ディスク記録方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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