説明

記録媒体に情報を記録する方法、情報を含む記録媒体、および記録媒体から情報を読み出す方法ならびに装置

複数の択一選択可能な部分(VS1、VS2、VS3)と、少なくとも1つの共通部分(AS1、AS2、GS1、GS2)とを含むオーディオビジュアル情報ストリームを、情報ストリームの択一選択可能な部分がインターリーブ化された態様で記録されるようにして、記録する方法を開示する。択一選択可能な情報ストリーム部分の各々は、択一選択可能な情報ストリームのブロック(VSB1(i)、VSB2(i)、VSB3(i))に分割される。共通情報ストリーム部分の各々は、共通情報ストリームのブロック(ASB1(i)、ASB2(i)、GSB1(i)、GSB2(i))に分割される。情報ストリームは、連続するインターリーブ単位(IU(i))の連なりとして記録され、各インターリーブ単位は、共通情報ストリーム部分(AS1、AS2、GS1、GS2)の各々から1つずつの対応のブロック(ASB1(i)、ASB2(i)、GSB1(i)、GSB2(i))と、択一選択可能な情報ストリーム部分(VS1、VS2、VS3)の各々から1つずつの対応のブロック(VSB1(i)、VSB2(i)、VSB3(i))とを含み、共通情報ストリームのブロックは、択一選択可能な情報ストリームのブロックとは別個のものとなる。


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、広くは、記録媒体上への情報記録の分野、およびそれと逆の、記録媒体からの記録情報の読出しの分野に関するものである。
【0002】
本発明は特に、光記録の分野に関するものである。この場合、記録媒体は典型的には光ディスクである。ただし、本発明の要旨は、ディスク上への情報の光記録に限定されるものではない。
【0003】
さらに本発明は、とりわけオーディオ・ストリームおよび/またはビデオ・ストリームの記録の分野に関するものであるが、本発明の要旨は、かかる用途に限定されるものではない。以下の説明で明らかとされるように、本発明は、情報ストリームが、複数の択一選択可能な部分と、1つまたは複数の共通部分とを有するような、より多くのケースに適用可能なものである。
【0004】
光ディスクおよびディスクドライブは、たとえばCD規格やDVD規格等といったような、種々の規格またはフォーマットに従って開発されてきた。比較的新しい規格としては、BD(ブルーレイディスク)が挙げられる。本発明は、とりわけBD−ROMの記録および読出しの分野に関するものであり、以下でも、特にこの例示的な用途について本発明の説明を行うが、それは、本発明の適用範囲をBD−ROMに限定する意図のものではない点に留意されたい。
【背景技術】
【0005】
広く知られているように、光記憶ディスクは、一続きの螺旋の形態、または複数の同心円の形態とされた、記憶スペースの少なくとも1つのトラックを有し、その記憶スペースに、データパターンの形式で情報を記憶することができる。光ディスクは、製造時において情報が記録され、ユーザーによってはその情報の読出しのみが可能な、読出専用型とされてもよい。あるいは、光記憶ディスクは、ユーザーによる情報の記憶が可能な書込可能型とされてもよい。一般的な光ディスクの技術、光ディスク上への情報の記憶を可能とする方法、および光ディスクからの光データの読出しを可能とする方法は、広く知られているので、ここでこれらの技術をより詳細に説明することは必要でない。
【0006】
光ディスクは、情報担体として広範な用途を見出してきた。これには、コンピュータデータの記憶に関する用途のみならず、オーディオおよび/またはビデオ記録の作成に関する用途も含まれる。書込可能型ディスク上にユーザーが自分の記録を行うことを可能とする装置も、入手可能となっている。また、オーディオ出版社やビデオ出版社は、読出専用ディスク(ROM)である予め記録されたディスクを出版しており、そのようなディスクをユーザーが再生することを可能とする装置も入手可能とされている。そのような再生装置(以下、単にプレーヤーと呼ぶ)では、ディスクドライブ要素がディスク上に記録されたデータを読み出して復号し、テレビ装置、モニタ、スピーカー等のディスプレイ装置を通じたディスプレイに適した、ビデオ・ストリームおよび/またはオーディオ・ストリームが生成される。以下の例において、このことを説明する。
【0007】
1つのムービーは、以下に示すいくつかの要素を含み得る。
動画、すなわちテレビ画面上に表示されるべきムービーの実際の画像。動画のコンテンツは、ビデオ・エレメンタリ・ストリーム内に記憶される。
グラフィック画像。グラフィック画像は、ピクチャ・イン・ピクチャ表現のように、動画上に重畳される。グラフィック画像は、字幕を伝えるために使用される。それらのグラフィック画像は、背景グラフィック(たとえば静止画像)と、いくらかのテキスト文とを含み得る。グラフィック画像のコンテンツは、グラフィック・エレメンタリ・ストリーム内に記憶されるので、ユーザーは、そのムービーをグラフィックありで見るかグラフィックなしでみるかの選択肢を有する。通常、ユーザーは、言語を選択するオプションを与えられ、その場合、異なる言語と関連付けられた、異なる複数のグラフィック画像が提供される。そのような場合、ムービーには、各言語につき一組の、複数のグラフィック・エレメンタリ・ストリームからなる組が付随することとなる。
オーディオ信号。ムービーのオーディオ信号は、会話文を伴うバックグラウンド・オーディオからなり、この組合せが、オーディオ・エレメンタリ・ストリーム内に記憶されている。通常、ユーザーは、言語を選択するオプションを与えられ、その場合、会話文は異なる言語に対して異なるが、バックグラウンド・オーディオはすべての言語に対して同一である。そのような場合、ムービーには、各言語につき一組の、複数のオーディオ・エレメンタリ・ストリームからなる組が付随することとなる。
【0008】
複数のエレメンタリ・ストリームの組合せ(たとえば、動画+グラフィック+オーディオ)は、1つの伝送(Transport)ストリーム内で送信され得る。各伝送ストリームは、別個のファイルとして記憶される。
【0009】
従来は、1つの情報担体は、1つのバージョンのムービーのみを含んでいた。光ディスクの現在も進行中の進歩、とりわけデータ記憶容量の増大に伴い、情報担体を、2つ以上のバージョンのムービーを含むものとし、ユーザーが見たいバージョンを選択できるようにすることも可能となった。たとえば、あるユーザーは、そのムービーをオリジナル版で見たいと思うかもしれないが、別のユーザーは字幕が欲しいと思うかもしれない。さらに別のユーザーは、会話文を自分の母国語で聞きたいと思うかもしれない。
【0010】
現行の技術水準、とりわけよく知られているDVD−VIDEOの規格によれば、オーディオ・エレメンタリ・ストリームおよびグラフィック・エレメンタリ・ストリームのいくつかの異なるバージョンが、1つの伝送ストリーム内に記録され、エレメンタリ・ストリームのパケットが、その伝送ストリーム内において多重化される。ユーザーの選択に応じて、オーディオ・エレメンタリ・ストリームのいくつかの異なるバージョンのうち1つのみが、再生中に復号されるべく選択され、かつグラフィック・エレメンタリ・ストリームのいくつかの異なるバージョンのうち1つのみが、再生中に提示されるべく選択される。
【0011】
そのため、たとえばオリジナルでは英語のムービーが、オプションとしてのフランス語会話文およびオプションとしてのドイツ語会話文と共に出版されることが可能である。その場合、オリジナルの英語会話文を含む第1のオーディオ・エレメンタリ・ストリームと、フランス語会話文(翻訳1)を含む第2のオーディオ・エレメンタリ・ストリームと、ドイツ語会話文(翻訳2)を含む第3のオーディオ・エレメンタリ・ストリームとが存在することとなる。
【0012】
また、たとえば、ムービーが、英語とフランス語とドイツ語との字幕を伴って出版されることもあり得る。その場合、英語テキスト文を含む第1のグラフィック・エレメンタリ・ストリームと、フランス語テキスト文を含む第2のグラフィック・エレメンタリ・ストリームと、ドイツ語テキスト文を含む第3のグラフィック・エレメンタリ・ストリームとが存在することとなる。
【0013】
上記の形態は、1バージョンのみの動画すなわちビデオ・エレメンタリ・ストリームが存在するケースにおいて、既に適用されている。しかしながら、同一のシーンが異なる角度から観察されるような、2つ以上の択一選択可能な動画のバージョンを、情報担体が含むようにすることも可能である。この形態は、マルチアングル・ムービーと呼ばれている。動画の択一選択可能なバージョンは、常に同一のシーンに関するものであり、オーディオおよびグラフィックは、これらの択一選択可能なバージョンすべてに対して同一であってもよい。
【0014】
理論的には、択一選択可能な複数のビデオ・エレメンタリ・ストリームを、伝送ストリーム内に多重化することも可能である。再生中においては、伝送ストリーム全体が読み出され、選択されたビデオ・ストリーム、オーディオ・ストリームおよびグラフィック・ストリームのみが復号される。しかしながら、1つのビデオ・エレメンタリ・ストリームに伴うビットレートが既に非常に高いものである(20Mbpsより高い)という事実に鑑みると、このアプローチは、結果として極めて高いビットレートを必要とし、かかるビットレートは、BD−ROMドライブ用のドライブからの読出レート(54Mbps)との関連において高すぎる。
【0015】
上記のDVD−VIDEO規格によれば、この問題は、択一選択可能なビデオ・エレメンタリ・ストリームと関連付けられた、択一選択可能な複数の別個の伝送ストリームを生成すること、すなわち、択一選択可能な複数のビデオ・エレメンタリ・ストリームの各々を、複数のオーディオ・エレメンタリ・ストリームとグラフィック・エレメンタリ・ストリームとの同一の組と組み合わせることにより、回避される。再生中においては、所望の観察角度と関連付けられた1つのみの伝送ストリームが読み出され、かつ選択されたオーディオ・ストリームおよびグラフィック・ストリームのみが復号される。すなわち、オーディオおよびグラフィックに関する情報は、複数回記録される(択一選択可能なビデオ・エレメンタリ・ストリームの個数と同じ回数だけ)。このアプローチの1つの欠点は、すべての観察角度に対してオーディオおよびグラフィック情報が同一である場合に、記憶スペースが無駄に使用される点である。
【0016】
原理上、択一選択可能な各伝送ストリームを、1個の連続した記録として記憶し、異なる伝送ストリームが、物理的に異なるディスク部分に記録されるようにすることが可能である。ユーザーが再生開始時においてのみ選択を行うことができる場合には、この形態で十分である。しかしながら、マルチアングル・ビデオでは、ユーザーは、任意の所望の瞬間において、1つの観察角度から、他の観察角度のうちの任意のものに変更を行うことができる可能性を与えられている。この変更は、再生中において、現在の伝送ストリーム中の現在の読出位置から、ユーザーが選択した伝送ストリーム内の対応の読出位置へのジャンプを伴う。連続的なプレゼンテーションを保障するためには非常に大きなビデオバッファを必要とするほど、ここで必要なジャンプ距離は大きな距離となる。また、ユーザーが自分の選択を入力する(たとえばボタンを押す)時と、システムが1つの観察角度から別の観察角度へとプレゼンテーション内容を変更することにより反応する時との間の時間は、比較的長いので、耐えられなくなったユーザーが再びボタンを押してしまうことも考えられる。
【0017】
これらの問題を回避するため、上記のDVD−VIDEO規格は、異なる複数の伝送ストリームのインターリーブ記録を提示している。より具体的にいうと、各伝送ストリームは、比較的小さな伝送ストリーム片(角度ブロックと呼ばれる)に分割され、異なる複数の伝送ストリームの角度ブロックが、1つのストリーム内にインターリーブ配置される。この形態は、図1に模式的に描かれている。この図1には、図解用の例として3つの異なる観察角度でムービーが記録された、記録担体(光ディスク)のトラックの一部のコンテンツが示されている。記録担体は、3つの異なる情報ストリームTS1、TS2、TS3を含んでいる。
【0018】
各情報ストリームは、角度ブロックAB1(i)、AB2(i)、AB3(i)に分割される。ここで、添数iは表示順序を示している。3つの角度ブロックAB1(i)、AB2(i)、AB3(i)の組合せは、インターリーブ単位IU(i)として示されている。それぞれの角度ブロックABj(i)(j=1−3)は、1つのビデオ・エレメンタリ・ストリームVSj(i)と、複数のオーディオ・エレメンタリ・ストリームASj,k(i)およびグラフィック・エレメンタリ・ストリームGSj,m(i)とが、多重化されたものを含んでいる。この例では、k=1−2、m=1−3である。1つのインターリーブ単位IU(i)内において、それぞれの角度ブロックABj(i)の3つのオーディオ・エレメンタリ・ストリームASj,k(i)は互いに同一のものであり、また、それぞれの角度ブロックABj(i)の3つのグラフィック・エレメンタリ・ストリームGSj,m(i)も互いに同一のものである。
【0019】
ここで、ユーザーがバージョン2のムービーを視聴しており、その第2のムービーバージョンと関連付けられた、第2のオーディオ・ストリームAS2,2と第3のグラフィック・ストリームGS2,3とを選択したものと仮定する。ディスクドライブは、インターリーブ単位IU(i)について角度ブロックAB2(i)を読み出し、この角度ブロックの終点において、次のインターリーブ単位IU(i+1)内にある、同一の伝送ストリームTS2の次の角度ブロックAB2(i+1)の始点にジャンプする。こうして、伝送ストリームTS2の全体がディスクから読み出され、対応のビデオ・ストリームVS2、選択されたオーディオ・ストリームAS2,2、および選択されたグラフィック・ストリームGS2,3が、復号されディスプレイされる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0020】
上記の従来技術の記録方法の1つの重大な欠点は、各オーディオ・エレメンタリ・ストリームが3回記録され、かつ各グラフィック・エレメンタリ・ストリームも3回記録される点である(上記の例の場合)。この態様は、記憶スペースを浪費し、ディスクの合計再生時間を短くしてしまう。
【0021】
本発明の1つの重要な目的は、この欠点を克服または少なくとも軽減することである。
【課題を解決するための手段】
【0022】
本発明の1つの重要な側面によれば、ビデオ、グラフィックおよびオーディオ情報は、複数の伝送ストリームとして、すなわちエレメンタリ・ストリームを完全に混在させることなく記憶される。1つのインターリーブ単位に関連するグラフィック情報およびオーディオ情報は、別個のファイルに記憶され、一方、角度ブロックは、ある観察角度のビデオ情報のみを含むものとされる。したがって、各インターリーブ単位内において、グラフィック情報は1回のみ記憶され、オーディオ情報も1回のみ記憶される。通常の再生動作中は、選択されたオーディオ情報が読み出されてオーディオバッファ内に記憶され、選択されたグラフィック情報が読み出されてグラフィックバッファ内に記憶される。その上で、選択された角度ブロックからのビデオ情報がディスクから読み出され、関連のオーディオ情報およびグラフィック情報が、それぞれオーディオバッファおよびグラフィックバッファから読み出される。したがって、消費される記憶スペースがより少なくなり、ディスクの再生時間が増大させられる。その結果、同じディスク上に、より長い再生時間(より長いムービーまたはより多くのムービー)を記録することが可能となる。さらには、同じディスク上に、より多くのバージョンのムービー(より多くの言語の字幕および会話文)を付与することも可能となる。
【0023】
この実施形態の1つのバリエーションでは、2つ以上のオーディオ・ストリームが多重化され、かつ/または2つ以上のグラフィック・ストリームが多重化されてもよい。有利な形態では、すべてのオーディオ・ストリームおよびグラフィック・ストリームが、1つの複合オーディオ/グラフィック・ストリームに多重化されてもよい。通常の再生動作中においては、この複合オーディオ/グラフィック・ストリームが読み出されて複合オーディオ/グラフィックバッファに記憶され、選択されたオーディオ・ストリームが復号され、選択されたグラフィック・ストリームが復号される。この形態では、1回分のジャンプ(オーディオ読出しとグラフィック読出しとの間のジャンプ)が回避されるので、別個のオーディオ・ストリームおよびグラフィック・ストリームを記録するよりも、時間的にさらに効率的となり得る。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
以下、本発明の上記およびその他の側面、特徴および利点を、図面を参照しながらさらに説明する。図中において、同一の参照番号は、同一または類似の部分を示している。
【0025】
図2は、本発明が関係する記録担体の好適例として、光ディスク2、より具体的にはBDディスクを示した模式図である。このディスク2は、トラック3を有する。トラック3は、図2では一続きの螺旋形状のトラックとして示されているが、これに代えて、互いに同心円である複数の円形トラック部分からなるものであってもよい。トラック3は、マルチアングル・ムービーMの記録を含んでいる。この例では、マルチアングル・ムービーMは、動画の3つの択一選択可能なバージョン、グラフィック画像の2つのバージョン、およびオーディオ信号の2つのバージョンを伴っている。
【0026】
図3Aおよび図3Bは、それぞれ、トラック3の一部を示した模式図である。図3Aの例では、グラフィック画像の2つのバージョンと、オーディオ信号の2つのバージョンとが、別個のエレメンタリ・ストリームとして記録されている。図3Bの例では、グラフィック画像の2つのバージョンと、オーディオ信号の2つのバージョンとが、多重化されたオーディオ/グラフィック・ストリームとして記録されている。あるバリエーションの形態では、グラフィック画像の2つのバージョンが、多重化されたグラフィック・ストリームとして記録され、オーディオ信号の2つのバージョンが、多重化されたオーディオ・ストリームとして記録されてもよい。
【0027】
マルチアングル・ムービーは、複数のインターリーブ単位IUに分割される。各インターリーブ単位IU(i)は、予め決められた再生時間量に対応する。図3Aの例では、各インターリーブ単位IU(i)は以下の要素を含む。
− 上記の予め決められた再生時間量に対応する長さを有する、第1のオーディオ・ストリーム・ブロックASB1(i)、
− 上記の予め決められた再生時間量に対応する長さを有する、第2のオーディオ・ストリーム・ブロックASB2(i)、
− 上記の予め決められた再生時間量に対応する長さを有する、第1のグラフィック・ストリーム・ブロックGSB1(i)、
− 上記の予め決められた再生時間量に対応する長さを有する、第2のグラフィック・ストリーム・ブロックGSB2(i)、
− 上記の予め決められた再生時間量に対応する長さを有する、第1の角度のビデオ・ストリーム・ブロックVSB1(i)、
− 上記の予め決められた再生時間量に対応する長さを有する、第2の角度のビデオ・ストリーム・ブロックVSB2(i)、および
− 上記の予め決められた再生時間量に対応する長さを有する、第3の角度のビデオ・ストリーム・ブロックVSB3(i)。
【0028】
図3Bの例では、各インターリーブ単位IU(i)は以下の要素を含む。
− 多重化されたオーディオ/グラフィック・ストリーム・ブロックAGB(i)、
− 上記の予め決められた再生時間量に対応する長さを有する、第1の角度のビデオ・ストリーム・ブロックVSB1(i)、
− 上記の予め決められた再生時間量に対応する長さを有する、第2の角度のビデオ・ストリーム・ブロックVSB2(i)、および
− 上記の予め決められた再生時間量に対応する長さを有する、第3の角度のビデオ・ストリーム・ブロックVSB3(i)。
【0029】
上記の多重化されたオーディオ/グラフィック・ストリーム・ブロックAGB(i)は、以下の要素を含む。
− 上記の予め決められた再生時間量に対応する長さを有する、第1のオーディオ・エレメンタリ・ストリーム・ブロック(図示せず)、
− 上記の予め決められた再生時間量に対応する長さを有する、第2のオーディオ・エレメンタリ・ストリーム・ブロック(図示せず)、
− 上記の予め決められた再生時間量に対応する長さを有する、第1のグラフィック・エレメンタリ・ストリーム・ブロック(図示せず)、および
− 上記の予め決められた再生時間量に対応する長さを有する、第2のグラフィック・エレメンタリ・ストリーム・ブロック(図示せず)。
【0030】
以下、図3Aの例に関連して、本発明をさらに詳しく説明する。図3Bの例のための変更および適用の仕方は、当業者には自明であり、それらの変更および適用の仕方をここで具体的に述べる必要はない。
【0031】
図4は、オーディオ/ビデオ再生システム1の1つの実施形態を概略的に示したブロック図である。このオーディオ/ビデオ再生システム1は、ディスクドライブ10と、画像を表示する少なくとも1つの画面21および音声を発生させる少なくとも1つのスピーカー22を含むディスプレイ装置20とを含む。ディスクドライブ10は、本発明に従って記録された情報を含むディスク2から、情報を読み出す能力を有する。
【0032】
ディスクドライブ10は、ディスク2を回転させるためのディスクモーター4と、回転しているディスク2のトラック3を走査するための光ヘッド5とを含んでいる。アクチュエータ装置6は、光ヘッド5の正しい配置を設定する。コントローラ30は、ディスクモーター4およびアクチュエータ装置6を制御する。コントローラ30は、光読出信号SRを光ヘッド5から受信する第1の入力部31を有する。コントローラ30は、第1の出力部32において、光ヘッド5の配置を制御するための制御信号SCを発生させるように設計されている。
【0033】
コントローラ30には、オーディオバッファメモリMA、グラフィックバッファメモリMG、およびビデオバッファメモリMVが設けられている。コントローラ30にはさらに、ユーザー制御パネル11が設けられている。このユーザー制御パネル11は、ユーザーにより制御可能な入力手段(たとえばキー、スイッチ、ノブ等)を含んでおり、ユーザーが選択結果またはコマンドをコントローラ30に入力することを可能としている。そのような入力手段自体は周知であるので、図4には取り立てて示してはいない。
【0034】
以下の説明では、通常の再生動作中におけるディスクドライブ10の動作が、図5Aおよび図5Bを参照して説明される。図5Aは、図3Aに準拠するものであり、光ヘッド5の位置が、時間t(縦軸)の関数として示されている。図5Bは、装置1の動作のタイミングを示したタイミング図である。
【0035】
ここでは、ユーザーは、マルチアングル・ムービーMを、第2の観察角度、第1のオーディオ・ストリーム、および第2のグラフィック・ストリームを用いて視聴するという選択をしたものと仮定する。装置1の動作のタイミングを示したタイミング図である図5を参照すると、通常の再生処理中のコントローラ10の動作は以下のとおりである。
【0036】
再生動作が、インターリーブ単位IU(i)に到達したと想定する。時刻t1において、コントローラ30は、第1のオーディオ・ストリーム・ブロックASB1(i)を読み出す位置に光ヘッド5が配置されるよう、光ヘッド5を制御する。このオーディオ・ストリームは、オーディオバッファMA内に記憶される。
【0037】
時刻t2において、コントローラ30は、第2のグラフィック・ストリーム・ブロックGSB2(i)の始点位置にジャンプするよう光ヘッド5を制御する。時刻t3において、この第2のグラフィック・ストリーム・ブロックGSB2(i)の読出しが始まり、このグラフィック・ストリームはグラフィックバッファMG内に記憶される。
【0038】
時刻t4において、コントローラ30は、第2の角度のビデオ・ストリーム・ブロックVSB2(i)の始点位置にジャンプするよう光ヘッド5を制御する。時刻t5において、この第2の角度のビデオ・ストリーム・ブロックVSB2(i)の読出しが始まり、このビデオ・ストリームはビデオバッファMV内に記憶される。
【0039】
時刻t6において、ビデオバッファMV内のデータ量が少なくとも1つの画像に対応するデータ量になると直ちに、復号および表示を開始することができるようになる。コントローラ30は、ビデオバッファMVからビデオ情報を、グラフィックバッファMGからグラフィック情報を、かつオーディオバッファMAからオーディオ情報を読み出し、必要な復号処理を実行し、対応の画像および音声信号をディスプレイ装置20に供給する。
【0040】
時刻t7において、光ヘッド5が第2の角度のビデオ・ストリーム・ブロックVSB2(i)の終端に到達すると、コントローラ30は、次のインターリーブ単位IU(i+1)の第1のオーディオ・ストリーム・ブロックASB1(i+1)の開始位置にジャンプするように光ヘッドを制御し、時刻t8において、次のインターリーブ単位IU(i+1)に対して、上記のプロセスが繰り返される。すなわち、第1のオーディオ・ストリーム・ブロックASB1(i+1)が読み出され、第2のグラフィック・ストリーム・ブロックGSB2(i+1)が読み出された後、第2の角度のビデオ・ストリーム・ブロックVSB2(i+1)を読み出す位置に光ヘッドが配置される。第1のオーディオ・ストリーム・ブロックASB1(i+1)の開始位置へのジャンプ、この第1のオーディオ・ストリーム・ブロックASB1(i+1)の読出し、第2のグラフィック・ストリーム・ブロックGSB2(i+1)の開始位置へのジャンプ、この第2のグラフィック・ストリーム・ブロックGSB2(i+1)の読出し、第2の角度のビデオ・ストリーム・ブロックVSB2(i+1)の開始位置へのジャンプ、およびこの第2の角度のビデオ・ストリーム・ブロックVSB2(i+1)の最初の画像の読出しに必要とされる、t7(i)からt6(i+1)までの期間中は、バッファMA、MG、MVから情報を読み出すことにより、表示が続けられる。
【0041】
上記の各工程が、ムービーの持続時間全体に亘って続けられることは、当業者には自明であろう。
【0042】
ここで、インターリーブ単位IU(i)のt5からt7の期間中における何らかの時刻txにおいて、ユーザーが、観察角度を変更するコマンド、より具体的には第3のビデオ・ストリームVS3(図5Aおよび図6参照)に変更するコマンドを与えるものと仮定する。
【0043】
次のインターリーブ単位IU(i+1)の時刻t4’までは、上記で説明したような動作が続く。すなわち、オーディオ・ストリーム・ブロックASB1(i+1)が読み出されて記憶され、グラフィック・ストリーム・ブロックGSB2(i+1)が読み出されて記憶される。その後、時刻t4’において、コントローラ30は、第3の角度のビデオ・ストリーム・ブロックVSB3(i+1)の開始位置にジャンプするように光ヘッド5を制御し、時刻t5’において、この第3の角度のビデオ・ストリーム・ブロックVSB3(i+1)の読出しが始まる。このビデオ・ストリームは、ビデオバッファMV内に記憶される。この第3の角度のビデオ・ストリーム・ブロックVSB3(i+1)の表示は、時刻t6’において始まる。ユーザーコマンドの時刻txから、第3のビデオ・ストリームの表示開始時刻t6’までの期間が、システムの反応時間として示される。
【0044】
通常の再生動作中においては、現在のインターリーブ単位IU(i)から次のインターリーブ単位IU(i+1)への遷移は、常に二段階のジャンプを伴っていることが分かる。第1のジャンプ段階(t7−t8)は、現在のインターリーブ単位IU(i)内のビデオ情報から、次のインターリーブ単位IU(i+1)内のオーディオ/グラフィック情報へ、光ヘッド5を持っていくものである。第2のジャンプ段階(t4’−t5’)は、次のインターリーブ単位IU(i+1)内のオーディオ/グラフィック情報から、次のインターリーブ単位IU(i+1)内のビデオ情報へ、光ヘッド5を持っていくものである。したがって、各ジャンプ段階の持続時間は、再生されているビデオ・ストリームの同一性に依存する。上記で説明した例では、第1のジャンプ段階は、1つのビデオ・ストリーム・ブロック、すなわち第3のビデオ・ストリーム・ブロックVSB3(i)を超えるジャンプを含む。一方、第2のジャンプ段階も、1つのビデオ・ストリーム・ブロック、すなわち第1のビデオ・ストリーム・ブロックVSB1(i+1)を超えるジャンプを含む。現在のインターリーブ単位から次のインターリーブ単位への遷移は、常に2つのビデオ・ストリーム・ブロックを超えるジャンプを伴うので、その遷移の持続時間は、再生されているビデオ・ストリームの同一性にはほとんど依存しない。ただし、ジャンプ距離の関数としてのジャンプ時間は、線形関数ではない点に留意されたい。
【0045】
観察角度が変更される場合には、現在のインターリーブ単位IU(i)から次のインターリーブ単位IU(i+1)への遷移の持続時間は、通常の再生動作時と比較してより長くあるいはより短くなるかもしれない。ここでの例では、ユーザーが第1の観察角度へと変更を行うと、第2のジャンプ段階は、もはやビデオ・ストリーム・ブロックを超えるジャンプを含まないこととなる。しかしながら、ユーザーが第3の観察角度へと変更を行うと、第2のジャンプ段階は、2つのビデオ・ストリーム・ブロックVB1(i+1)およびVB2(i+1)を超えるジャンプを含むこととなる。
【0046】
ディスクドライブ10を設計する際、バッファMA、MG、MVのサイズは、ブロックサイズやビットレート等との関係において予測される、最も長いジャンプ時間に適応するように選択されるべきである。あるいは、逆に記録/再生システムを設計する際には、最大バッファサイズやビットレート等との関係において、ブロックのサイズが選択されるべきである。
【0047】
以下において、1つのインターリーブ単位のプレゼンテーション持続時間(t6−t6’)が4秒であるという前提に基づいて、数値例が示される。
【0048】
オーディオビットレートが384kbpsであると仮定すると、4秒の再生時間は、約200kBのオーディオ・ブロックのサイズに対応する。BDシステムでは1つのECCブロックのサイズが64kBであることを考慮すると、上記の約200kBのオーディオ・ブロックのサイズは、約3個のECCブロック分に相当する。2つの選択可能なオーディオ・ストリーム(たとえば2つの言語)がある場合には、インターリーブ単位のオーディオ部分のサイズは、約400kBとなる。オーディオバッファメモリMAのサイズは、少なくとも200kBとされるべきである。
【0049】
グラフィックビットレートが192kbpsであると仮定すると、4秒の再生時間は、約100kBのグラフィック・ブロックのサイズに対応する。2つの選択可能なグラフィック・ストリーム(たとえば2種類の字幕)がある場合には、インターリーブ単位のグラフィック部分のサイズは、約200kBとなる。グラフィックバッファメモリMGのサイズは、少なくとも100kBとされるべきである。
【0050】
平均のビデオビットレートが24Mbpsであると仮定すると、4秒の再生時間は、約12MBのビデオ・ブロックのサイズに対応する。これは、約200個のECCブロック分に相当する。3つの選択可能なビデオ・ストリーム(3つの観察角度)がある場合には、インターリーブ単位のビデオ部分のサイズは、約36MBとなる。インターリーブ単位全体の長さは、約36.6MBであり、これは、約580個のECCブロック分に相当する。
【0051】
通常の再生処理中においては、読出しが54Mbpsで行われると仮定すると、ディスクドライブ10の動作の持続時間は、以下の表に示すようになる。
【表1】

【0052】
これらの動作の合計の持続時間は、約2.185秒であり、4秒の再生時間よりも有意に短い。そのため、ドライブは、2秒をいくらか下回る程度の期間中、アイドリング状態とされ得る。
【0053】
この例では、5個のGOPに対応する2.5秒の持続時間を有するインターリーブ単位を用いることが可能であり、これによれば、反応時間が低減させられ、バッファサイズも低減させられる。
【0054】
観察角度が変更される場合であって、最も不利な状況(現在の角度=VS1、新たな角度=VS3)の場合には、ディスクドライブ10の動作の持続時間は、以下の表に示すようになる。
【表2】

【0055】
現在のビデオ・ブロックの読出完了時(t7)と次のビデオ・ブロックの読出完了時(t7’)との間の、これらの動作の合計の持続時間は、約2.245秒であり、通常の再生動作時よりもわずかに長いが、それでも4秒の再生時間よりは有意に短い。そのため、ドライブは、2秒をいくらか下回る程度の期間中、アイドリング状態とされ得る。
【0056】
本発明は、上記で説明した例示的な実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲で規定される本発明の保護範囲内において、いくつかのバリエーションおよび変更形態が可能であることは、当業者には明らかである。
【0057】
たとえば、上記では、図3Aを参照すると、オーディオ・ブロックはグラフィック・ブロックより前に書き込まれているものとして示されてきたが、この順序は逆でもよい。
【0058】
さらに、オーディオ・ストリームは、第1のタイプの共通情報ストリームの一例であり、グラフィック・ストリームは、第2のタイプの共通情報ストリームの一例である。したがって、上記で説明した例では、情報ストリームは、2つの異なるタイプの共通情報ストリームを含んでいる。しかしながら、本発明は、このような共通情報ストリームタイプの数に限定されるものではない。この数は2より少なくてもよく、たとえばムービーはグラフィックを含まないものであってもよい。一方、上記の数は3以上であってもよい。
【0059】
また、上記で説明した例では、選択可能な第1のタイプの情報ストリーム(2個のオーディオ・ストリーム)の数は、選択可能な第2のタイプの情報ストリーム(2個のグラフィック・ストリーム)の数に等しかった。しかしながら、より一般的には、選択可能な情報ストリームの数は、タイプごとに異なっていてもよいし、1に等しくてもよい。
【0060】
さらに、上記では、次のインターリーブ単位へのジャンプが実行可能となるには、その前にビデオ・ブロックの全体が読み出されて表示されなくてはならない態様に関連して、本発明を説明してきた。本発明の発明者による関連発明では、この制約が適用されず、現在のビデオ・ブロックが終了する前でも、次のインターリーブ単位へのジャンプが可能なシステムが提案されている。本発明との組合せにおいても、そのような態様が容易に適用可能であることは自明である。
【0061】
上記では、本発明に従う装置の機能ブロック図を示したブロック図を参照して、本発明を説明してきた。これらの機能ブロックの1つまたは複数は、ハードウェアとして実装され、それらの機能ブロックの機能が個々のハードウェア要素により実行されてもよいが、これらの機能ブロックの1つまたは複数が、ソフトウェアとして実装され、それらの機能ブロックの機能が、コンピュータプログラムの1つ以上のプログラムライン、またはマイクロプロセッサやマイクロコントローラ等のプログラミング可能な装置により実行されることも可能である点を理解されたい。
【図面の簡単な説明】
【0062】
【図1】現行技術によるマルチアングル情報のインターリーブ記録を図解するため、記録担体のトラックの一部を示した模式図
【図2】光ディスクの模式図
【図3A】本発明に従うマルチアングル情報のインターリーブ記録を図解するため、記録担体のトラックの一部を示した模式図
【図3B】本発明に従うマルチアングル情報のインターリーブ記録を図解するため、記録担体のトラックの一部を示した模式図
【図4】オーディオ/ビデオ再生システムの1つの実施形態を概略的に示したブロック図
【図5A】通常の再生処理中における時間の関数として、光ヘッドの位置を概略的に示したタイミング図
【図5B】通常の再生処理中における、ディスクドライブ装置の動作タイミングを概略的に示したタイミング図
【図6】観察角度の変更処理中における、本発明に従うディスクドライブの動作タイミングを概略的に示したタイミング図

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の択一選択可能なストリームと少なくとも1つの共通部分とを含む情報ストリームを、該情報ストリームの前記択一選択可能なストリームがインターリーブ化された形態で記録されるようにして、記録媒体上に記録する方法であって、
前記択一選択可能な情報ストリームの各々が、択一選択可能な情報ストリームのブロックに分割され、
前記情報ストリームの前記共通部分の各々が、共通情報ストリームのブロックに分割され、
前記情報ストリームが、連続するインターリーブ単位の連なりとして記録され、各インターリーブ単位は、前記情報ストリームの前記共通部分の各々から1つずつの対応のブロックと、前記択一選択可能な情報ストリームの各々から1つずつの対応のブロックとを含み、前記共通情報ストリームのブロックは、前記択一選択可能な情報ストリームのブロックとは別個のものであることを特徴とする方法。
【請求項2】
1つのインターリーブ単位の前記共通情報ストリームのブロックのうちの2つ以上が、前記択一選択可能な情報ストリームのブロックとは別個の、1つの多重化されたブロックに一体化されることを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項3】
前記情報ストリームが、異なるタイプの選択可能な複数の共通ストリームを含み、
各インターリーブ単位内に、選択可能な複数のブロックが記録され、各選択可能なブロックが、前記選択可能な複数の共通ストリームの1つに、それぞれ対応するものであることを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項4】
前記情報ストリームが、複数の択一選択可能な動画と、1つ以上の共通のオーディオ・ストリームと、オプションとして1つ以上の共通のグラフィック・ストリームとを含む、オーディオビジュアル・ストリームであることを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項5】
前記オーディオビジュアル・ストリームが、ユーザーにより選択可能なNA個のオーディオ・ストリームと、ユーザーにより選択可能なNG個のグラフィック・ストリームと、ユーザーにより選択可能なNV個のビデオ・ストリームとを含み、
各インターリーブ単位内に、NA個のオーディオ・ブロックと、NG個のグラフィック・ブロックと、NV個のビデオ・ブロックとが記録されることを特徴とする請求項4記載の方法。
【請求項6】
前記記録媒体が、光ディスクであることを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項7】
選択的に出力される複数の択一選択可能なストリームと、選択された前記択一選択可能なストリームと同時に出力される少なくとも1つの共通ストリームとを含む、情報ストリームを包含し、前記ストリームがインターリーブ化された形態で記録された記録媒体、好ましくは光ディスクであって、
当該記録媒体のトラックが、連続するインターリーブ単位の連なりを含み、各インターリーブ単位は、前記情報ストリームの前記共通部分の各々から1つずつの対応のブロックと、前記択一選択可能な情報ストリーム部分の各々から1つずつの対応のブロックとを含み、前記共通情報ストリームのブロックは、前記択一選択可能な情報ストリームのブロックとは別個のものであることを特徴とする記録媒体。
【請求項8】
1つのインターリーブ単位の前記共通情報ストリームのブロックのうちの2つ以上が、前記択一選択可能な情報ストリームのブロックとは別個の、1つの多重化されたブロックに一体化されていることを特徴とする請求項7記載の記録媒体。
【請求項9】
前記情報ストリームが、複数の択一選択可能な動画と、1つ以上の共通のオーディオ・ストリームと、オプションとして1つ以上の共通のグラフィック・ストリームとを含む、オーディオビジュアル・ストリームであることを特徴とする請求項7記載の記録媒体。
【請求項10】
前記オーディオビジュアル・ストリームが、ユーザーにより選択可能なNA個のオーディオ・ストリームと、ユーザーにより選択可能なNG個のグラフィック・ストリームと、ユーザーにより選択可能なNV個のビデオ・ストリームとを含み、
各インターリーブ単位が、NA個のオーディオ・ブロックと、NG個のグラフィック・ブロックと、NV個のビデオ・ブロックとを含んでいることを特徴とする請求項9記載の記録媒体。
【請求項11】
請求項7記載の記録媒体を読み出す方法であって、
a)少なくとも1つの共通情報ストリームを選択する工程と、
b)前記択一選択可能な情報ストリームのうちの1つを選択する工程と、
c)選択された前記少なくとも1つの共通情報ストリームの、1つのインターリーブ単位と関連付けられた共通情報ストリームのブロックを読み出す工程と、
d)読み出された該1つの共通ブロックからの情報を、バッファメモリに記憶する工程と、
e)前記択一選択可能な情報ストリームのうちの前記選択された1つの、前記1つのインターリーブ単位と関連付けられた択一選択可能な情報ストリームのブロックを読み出す工程と、
f)前記択一選択可能な情報ストリームのブロックを、前記バッファメモリからの前記共通情報ストリームのブロックと組み合わせて、同時に出力する工程とを含むことを特徴とする方法。
【請求項12】
後続のインターリーブ単位の各々に対して、前記工程c)から前記工程f)までが繰り返されることを特徴とする請求項11記載の方法。
【請求項13】
前記記録媒体に記録されている前記情報ストリームが、異なるタイプの選択可能な複数の共通ストリームを含み、
各インターリーブ単位が、前記選択可能な複数の共通ストリームの各々にそれぞれ対応する、選択可能な複数のブロックを含み、
当該方法が、
a)共通ストリームの各タイプについて、前記選択可能な複数の共通ストリームのうちの1つを選択する工程と、
b)前記択一選択可能な情報ストリームのうちの1つを選択する工程と、
c)共通ストリームの第1のタイプについて、選択された前記共通ストリームの、1つのインターリーブ単位と関連付けられたブロックを読み出す工程と、
d)該ブロックからの情報を、第1のタイプのバッファメモリに記憶する工程と、
d2)前記共通ストリームの残りのすべてのタイプについて、前記工程c)および前記工程d)を繰り返す工程と、
e)前記択一選択可能な情報ストリームのうちの前記選択された1つの、前記1つのインターリーブ単位と関連付けられた択一選択可能な情報ストリームのブロックを読み出す工程と、
f)前記択一選択可能な情報ストリームのブロックを、前記バッファメモリからのすべての前記共通情報ストリームのブロックと組み合わせて、同時に出力する工程とを含むことを特徴とする請求項11記載の方法。
【請求項14】
請求項7記載の記録媒体を読み出すためのドライブであって、請求項11記載の方法を実行するように構成されているドライブ。
【請求項15】
前記記録媒体の読出しを行う読出手段と、
前記記録媒体の前記トラックに対して、前記読出手段の配置を行うアクチュエータと、
前記アクチュエータを制御するためのコントローラであって、前記読出手段から読出信号を受け取る入力部を有し、少なくとも1つの前記共通情報ストリームのブロックを記憶するための、少なくとも1つのバッファメモリが付与されたコントローラとを含むことを特徴とする請求項14記載のドライブ。
【請求項16】
請求項13記載の方法を実行するように構成され、
前記コントローラに、異なるタイプの選択された前記共通情報ストリームのブロックを記憶するための、異なるタイプの複数のバッファメモリが付与されていることを特徴とする請求項14記載のドライブ。
【請求項17】
選択された前記択一選択可能な情報ストリームからの情報を記憶するためのバッファメモリをさらに含むことを特徴とする請求項14記載のドライブ。
【請求項18】
択一選択可能な情報ストリームの選択と、少なくとも1つの共通情報ストリームの選択とを、ユーザーが入力することを可能とする、ユーザー入力手段をさらに含むことを特徴とする請求項14記載のドライブ。
【請求項19】
請求項14から18いずれか1項記載のディスクドライブと、
画像を表示するための少なくとも1つの画面、および音声を発生させるための少なくとも1つのスピーカーを含む、ディスプレイ装置とを含むことを特徴とするオーディオ/ビデオ再生システム。

【図1】
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【図2】
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【図3A】
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【図3B】
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【図4】
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【図5A】
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【図5B】
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【図6】
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【公表番号】特表2007−516554(P2007−516554A)
【公表日】平成19年6月21日(2007.6.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−544668(P2006−544668)
【出願日】平成16年12月16日(2004.12.16)
【国際出願番号】PCT/IB2004/052830
【国際公開番号】WO2005/064609
【国際公開日】平成17年7月14日(2005.7.14)
【出願人】(590000248)コーニンクレッカ フィリップス エレクトロニクス エヌ ヴィ (12,071)
【Fターム(参考)】