説明

記録媒体ドライブ装置及び扉の開閉構造

【課題】 小型化を確保した上で塵埃の侵入の防止を図る。
【解決手段】 筐体2の挿入口6aに対する記録媒体カートリッジ100の非挿入時に挿入口を閉塞する閉塞位置に保持され挿入口に対する記録媒体カートリッジの挿入時に挿入口を開放する開放位置に回動されて保持される回動扉21と、該回動扉が閉塞位置に保持された状態において筐体の挿入口から退避した退避位置に保持され回動扉が開放位置に保持された状態において筐体の挿入口を閉塞する閉じ位置に移動される補助扉43と、該補助扉を退避位置と閉じ位置との間で移動させる扉開閉機構60とを設けた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は記録媒体ドライブ装置及び扉の開閉構造についての技術分野に関する。詳しくは、記録媒体カートリッジが挿入される挿入口を回動扉と補助扉とによって選択的に開閉し、小型化を確保した上で塵埃の侵入の防止を図る技術分野に関する。
【背景技術】
【0002】
ケース体内に記録媒体、例えば、ディスク状記録媒体が回転可能に収納されて成る記録媒体カートリッジの記録媒体に対して、情報信号の記録若しくは再生又はこれらの双方を行う記録媒体ドライブ装置がある。
【0003】
このような記録媒体ドライブ装置には、記録媒体カートリッジを挿入する挿入口が形成され、該挿入口が回動可能な扉によって開閉されるものがある(例えば、特許文献1参照)。扉が挿入口を閉塞することにより、挿入口からの記録媒体ドライブ装置の内部への塵埃の侵入が防止される。
【0004】
扉は記録媒体ドライブ装置の筐体の内部において回動可能とされ、例えば、捩じりコイルバネによって挿入口を閉塞する方向へ付勢されている。挿入口から記録媒体カートリッジが挿入されると、記録媒体カートリッジによって扉が押圧され捩じりコイルバネの付勢力に抗して回動されて開放される。
【0005】
【特許文献1】特開2003−132665号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、上記のような記録媒体ドライブ装置にあっては、図18に示すように、記録媒体カートリッジxの筐体a内への非挿入時に加え、記録媒体カートリッジxの筐体a内への挿入時においても扉bによって挿入口cを閉塞することが望ましい。記録媒体カートリッジxの非挿入時及び挿入時ともに扉bによって挿入口cを挿入することにより、筐体a内への塵埃の侵入量を低減することができる。
【0007】
ところが、記録媒体カートリッジxの筐体a内への挿入時においても挿入口cを扉bによって閉塞しようとすると、記録媒体カートリッジxの挿入に伴って回動された扉bを閉塞位置に戻すためのスペースS(図18参照)が必要となり、その分、記録媒体カートリッジxを筐体aの奥側まで挿入しなければならず、記録媒体ドライブ装置がスペースSを必要とする分だけ大型になってしまう。
【0008】
一方、記録媒体ドライブ装置の大型化を回避するためにスペースSを形成しない構成にすると、回動された扉bが記録媒体カートリッジx上に載置され、挿入口cが開放されたままの状態となってしまう(図19参照)。従って、記録媒体カートリッジxの非挿入時には筐体a内への塵埃の侵入は防止できるが、記録媒体カートリッジxの挿入時には筐体a内への塵埃の侵入を防止することができない。
【0009】
特に、記録媒体の中でも、近年、使用頻度の高くなっているブルーレイディスク等の記録密度の高い記録媒体にあっては、他の記録密度の低い記録媒体と比較して、塵埃の付着による情報信号の記録エラーや再生エラーを引き起こすおそれが高く、このような記録密度の高い記録媒体を使用する記録媒体ドライブ装置においては、塵埃の侵入を可能な限り防止することが必要不可欠とされている。
【0010】
そこで、本発明記録媒体ドライブ装置及び扉の開閉構造は、上記した問題点を克服し、小型化を確保した上で塵埃の侵入の防止を図ることを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明記録媒体ドライブ装置は、上記した課題を解決するために、筐体の挿入口に対する記録媒体カートリッジの非挿入時に挿入口を閉塞する閉塞位置に保持され挿入口に対する記録媒体カートリッジの挿入時に挿入口を開放する開放位置に回動されて保持される回動扉と、該回動扉が閉塞位置に保持された状態において筐体の挿入口から退避した退避位置に保持され回動扉が開放位置に保持された状態において筐体の挿入口を閉塞する閉じ位置に移動される補助扉と、該補助扉を退避位置と閉じ位置との間で移動させる扉開閉機構とを設けたものである。
【0012】
本発明扉の開閉構造は、上記した課題を解決するために、挿入口に対する記録媒体カートリッジの非挿入時に挿入口を閉塞する閉塞位置に保持され挿入口に対する記録媒体カートリッジの挿入時に挿入口を開放する開放位置に回動されて保持される回動扉と、該回動扉が閉塞位置に保持された状態において筐体の挿入口から退避した退避位置に保持され回動扉が開放位置に保持された状態において筐体の挿入口を閉塞する閉じ位置に移動される補助扉と、該補助扉を退避位置と閉じ位置との間で移動させる扉開閉機構とを設けたものである。
【0013】
従って、本発明記録媒体ドライブ装置及び扉の開閉構造にあっては、回動扉が閉塞位置にあるときに補助扉が退避位置にあると共に回動扉が開放位置にあるときに補助扉が閉じ位置にある。
【発明の効果】
【0014】
本発明記録媒体ドライブ装置は、ケース体内に記録媒体が収納されて成る記録媒体カートリッジを挿入する挿入口が形成された筐体と、記録媒体カートリッジの記録媒体に対して情報信号の記録若しくは再生又はこれらの双方を行う記録再生部と、記録媒体カートリッジが挿入されて該記録媒体カートリッジを保持すると共に記録媒体カートリッジの挿入又は取出が可能な第1の位置と保持した記録媒体カートリッジに対する記録再生部による記録又は再生が可能な第2の位置との間で移動可能なホルダーと、該ホルダーを上記第1の位置と第2の位置との間で移動自在に支持するフレームシャーシと、ホルダーを第1の位置と第2の位置との間で移動させる移動機構と、該移動機構の駆動源となる駆動手段とを備えた記録媒体ドライブ装置であって、筐体の挿入口に対する記録媒体カートリッジの非挿入時に挿入口を閉塞する閉塞位置に保持され挿入口に対する記録媒体カートリッジの挿入時に挿入口を開放する開放位置に回動されて保持される回動扉と、該回動扉が閉塞位置に保持された状態において筐体の挿入口から退避した退避位置に保持され回動扉が開放位置に保持された状態において筐体の挿入口を閉塞する閉じ位置に移動される補助扉と、該補助扉を退避位置と閉じ位置との間で移動させる扉開閉機構とを備えたことを特徴とする。
【0015】
従って、記録媒体カートリッジが筐体に挿入されたときに該筐体の内部に回動扉を閉塞位置まで回動させるためのスペースを必要とせず、記録媒体ドライブ装置の小型化を確保した上で挿入口からの塵埃の侵入を防止することができる。
【0016】
請求項2に記載した発明にあっては、上記扉開閉機構に、カム部を有し上記移動機構の動作に伴って移動されるスライドカムと、上記補助扉を支持すると共に上記カム部に摺接されスライドカムの移動によって回動される連結リンクと、上記スライドカムをスライド自在に支持すると共に上記連結リンクを回動自在に支持する支持ベースとを設けたので、扉開閉機構が移動機構の動作に伴って動作されるため、扉開閉機構を動作させるための専用のモーター等を必要とせず、機構の簡素化及び部品点数の削減によるコストの低減を図ることができる。
【0017】
請求項3に記載した発明にあっては、上記連結リンクに、上記支持ベースに回動自在に支持された支持アームと、該支持ベースに対する支持アームの回動支点と同じ回動支点で支持ベース及び支持アームに回動自在に支持された回動アームと、該回動アームにスライド自在に支持されたアームスライダーと、該アームスライダーに支持されると共に上記補助扉を支持する支持ブラケットと、支持アームとアームスライダーを連結する連結バネとを設け、上記支持ベースに、補助扉が退避位置から閉じ位置へ向けて移動されたときに回動アームの回動を規制する規制部を設け、該規制部によって回動アームの回動が規制された状態において、支持アームの回動アームに対する回動により連結バネを介してアームスライダーを押圧し該アームスライダーを回動アームに対してスライドさせ補助扉を挿入口の開口縁に押し付けるようにしたので、挿入口の開口縁に必要以上に負荷がかかることがなく補助扉が押し付けられ、補助扉の損傷や破壊を防止することができる。
【0018】
請求項4に記載した発明にあっては、上記支持ベースに回動自在に支持される回動軸部と回動扉を回動可能に支持する支持軸部とを有する扉支持アームを設け、該扉支持アームを介して支持ベースに回動扉を回動自在に支持し、扉支持アームを支持ベースに対する回動扉の回動軸方向に離隔して複数設けたので、回動扉に反りが生じたとしても、生じた反りに追従して回動扉が挿入口を閉塞させることができる。
【0019】
請求項5に記載した発明にあっては、上記扉支持アームの支持軸部を支持ベースに対する回動扉の回動軸方向に離隔して複数設けたので、挿入口の開口縁に対する回動扉の密着性が高く、挿入口の閉塞性を向上することができる。
【0020】
請求項6に記載した発明にあっては、上記支持ブラケットに取り付けられる被取付部と上記補助扉を回動可能に支持する支持ピンとを有する扉支持体を設け、該扉支持体を介して支持ブラケットに補助扉を取り付け該補助扉を支持ブラケットに対して回動可能とし、上記扉支持体を支持ブラケットに対する補助扉の回動軸方向に離隔して複数設けたので、補助扉に反りが生じたとしても、生じた反りに追従して補助扉が挿入口を閉塞させることができる。
【0021】
請求項7に記載した発明にあっては、上記扉支持体の支持ピンを支持ブラケットに対する補助扉の回動軸方向に離隔して複数設けたので、挿入口の開口縁に対する回動扉の密着性が高く、挿入口の閉塞性を向上することができる。
【0022】
本発明扉の開閉構造は、ケース体内に記録媒体が収納されて成る記録媒体カートリッジが挿入される挿入口を開閉する扉の開閉構造であって、挿入口に対する記録媒体カートリッジの非挿入時に挿入口を閉塞する閉塞位置に保持され挿入口に対する記録媒体カートリッジの挿入時に挿入口を開放する開放位置に回動されて保持される回動扉と、該回動扉が閉塞位置に保持された状態において筐体の挿入口から退避した退避位置に保持され回動扉が開放位置に保持された状態において筐体の挿入口を閉塞する閉じ位置に移動される補助扉と、該補助扉を退避位置と閉じ位置との間で移動させる扉開閉機構とを備えたことを特徴とする。
【0023】
従って、記録媒体カートリッジが挿入されたときに内部に回動扉を閉塞位置まで回動させるためのスペースを必要とせず、扉の開閉構造が設けられる装置の小型化を確保した上で挿入口からの塵埃の侵入を防止することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
以下に、本発明記録媒体ドライブ装置及び扉の開閉構造の最良の形態を添付図面に従って説明する。以下に示した最良の形態は、本発明記録媒体ドライブ装置を記録媒体としてディスク状記録媒体を有するディスクカートリッジが使用されるディスクドライブ装置に適用し、本発明扉の開閉構造をディスクドライブ装置に設けられた構造に適用したものである。
【0025】
尚、本発明記録媒体ドライブ装置及び扉の開閉構造の適用範囲は、ディスクドライブ装置及びこれに設けられる扉の開閉構造に限られることはなく、本発明記録媒体ドライブ装置は、テープカセットや半導体メモリー等の情報信号の記録又は再生を行うことができる各種の記録媒体を扱うドライブ装置に広く適用することができ、本発明扉の開閉構造は、これらのドライブ装置に設けられる構造に広く適用することができる。
【0026】
ディスクドライブ装置1は筐体2内に所定の各部が配置されて成る(図1及び図2参照)。筐体2は上方及び前方に開口された箱状を為すケースシャーシ3と該ケースシャーシ3の上面を閉塞するトッププレート4とを有している。ケースシャーシ3の前端部の内面側には上方を向く載置面部3aが形成されている(図3及び図4参照)。
【0027】
ケースシャーシ3の前端部にはフロントパネル5が取り付けられ、該フロントパネル5によってケースシャーシ3の前面側の開口が閉塞されている(図1及び図2参照)。フロントパネル5には前後に貫通された横長の配置孔5aが形成されている。
【0028】
ケースシャーシ3の前端部には開口パネル6が取り付けられ、該開口パネル6はフロントパネル5の配置孔5aに配置される。開口パネル6には横長の挿入口6aが形成され、該挿入口6aは、その前側開口縁から後側開口縁へ近付くに従って開口面積が漸次小さくなるように形成されている(図3参照)。
【0029】
筐体2の内部にはフレームシャーシ7が配置されている(図2及び図3参照)。フレームシャーシ7は天面部8と該天面部8の左右両側縁から垂設された側面部9、9とから成り、該側面部9、9にはそれぞれ前後に離隔して案内孔10、10、・・・が形成されている。案内孔10、10・・・は、それぞれ前後に延びる水平部10a、10a、・・・と該水平部10a、10a、・・・の後端部から下方へ延びる垂直部10b、10b、・・・とから成る。
【0030】
フレームシャーシ7には、その内部においてホルダー11が前後方向及び上下方向へ移動自在に支持されている。ホルダー11には側方へ突出された被案内軸部11a、11a、・・・が形成され、該被案内軸部11a、11a、・・・がそれぞれ案内孔10、10、・・・に内側から挿入されて摺動自在に支持されている。被案内軸部11a、11a、・・・は、その先端部が案内孔10、10、・・・から外方へ突出されている。
【0031】
フレームシャーシ7の側面部9、9の外面側には、それぞれ前後方向へ移動可能とされたラックスライダー12、12が配置されている。ラックスライダー12、12にはそれぞれ前後に離隔してカム孔13、13、・・・が形成されている。カム孔13、13、・・・は、それぞれ上側保持部13a、13a・・・と該上側保持部13a、13a・・・から前方へ行くに従って下方へ変位するように傾斜する傾斜部13b、13b、・・・と該傾斜部13b、13b、・・・の下端に連続する下側保持部13c、13c、・・・とから成る。カム孔13、13、・・・には、それぞれホルダー11の被案内軸部11a、11a、・・・が摺動自在に係合される。ラックスライダー12、12の下端部にはそれぞれラック部12a、12aが設けられている。
【0032】
筐体2の内部には、複数のギヤ等を有しホルダー11を移動させるための図示しない移動機構及び該移動機構の駆動源となる図示しない駆動モーター等が配置され、移動機構の所定のギヤがそれぞれラックスライダー12、12のラック部12a、12aに噛合されている。従って、駆動モーターが回転されると、その回転方向に応じて上記所定のギヤが回転され、ラック部12a、12aが送られてラックスライダー12、12が前方又は後方へ同期して移動される。ラックスライダー12、12が前後方向へ移動されると、ホルダー11は被案内軸部11a、11a、・・・がフレームシャーシ7の案内孔10、10、・・・及びラックスライダー12、12のカム孔13、13、・・・に案内されて前後又は上下へ移動される。
【0033】
ラックスライダー12、12にはスライドカム14が取り付けられている(図2乃至図4参照)。スライドカム14は左右に長い連結部14aと該連結部14aの左右両側縁からそれぞれ垂設された被取付部14b、14bとを有し、被取付部14b、14bの上端部にそれぞれカム部15、15が設けられている。カム部15、15は被取付部14b、14bからそれぞれ外方へ突出されている。
【0034】
スライドカム14、14は、それぞれ被取付部14b、14bがラックスライダー12、12の外面に取り付けられており、該ラックスライダー12、12と一体となって前後方向へ移動される。
【0035】
筐体2のケースシャーシ3には支持ベース16が取り付けられている。支持ベース16は、図5に示すように、左右に長い橋渡し部17と、該橋渡し部17の左右両端部からそれぞれ後方へ突出された腕部18、18と、該腕部18、18の後端部からそれぞれ垂設された支持面部19、19と、腕部18、18の後端部からそれぞれ外方へ突出された被取付片部20、20とを有している。
【0036】
橋渡部17の下面の左右両端部には、それぞれ下方へ突出された作用リブ17a、17aが設けられている。腕部18、18の下面は、それぞれスライドカム14のカム部15、15が摺接されるカム摺接面18a、18aとして形成されている。腕部18、18の前端部には、それぞれ下方へ突出された部分が設けられ、この部分が規制部18b、18bとされている。
【0037】
支持ベース16は被取付片部20、20が筐体2のケースシャーシ3に取り付けられる。
【0038】
支持ベース16の橋渡し部17の下面には回動扉21が回動自在に支持される。回動扉21は横長の略矩形の板状に形成され、扉支持アーム22、22を介して橋渡し部17に支持されている。
【0039】
回動扉21の背面側には、図6に示すように、左右に離隔して4つの被支持リブ21a、21a、・・・が設けられ、外側に位置する2つの被支持リブ21a、21aにそれぞれ第1の被支持孔21b、21bが形成され、内側に位置する2つの被支持リブ21a、21aにそれぞれ第2の被支持孔21c、21cが形成されている。内側に位置する第2の被支持孔21c、21cは、外側に位置する第1の被支持孔21b、21bより径が僅かに大きくされている(図7参照)。
【0040】
扉支持アーム22は、例えば、板状の樹脂材料によって形成され、左右に長い基部23と、該基部23の長手方向における両端寄りの位置から直交する方向へ突出された被支持片部24、24と、基部23の長手方向における両端部から支持片部24、24と反対方向へ突出された支持突部25、25とから成る。被支持片部24、24にはそれぞれ互いに反対側へ突出された回動軸部24a、24aが設けられ、支持突部25、25にはそれぞれ互いに反対側へ突出された支持軸部25a、25aが設けられている。
【0041】
扉支持アーム22、22は、それぞれ左右に離隔した状態で、回動軸部24a、24a、・・・が支持ベース16の橋渡部17に回動自在に支持され、支持軸部25a、25a、・・・が第1の被支持孔21b、21b及び第2の被支持孔21c、21cに挿入されて回動扉21を回動自在に支持する。扉支持アーム22、22は基部23、23及び支持突部25、25、・・・が被支持リブ21a、21a、・・・間に位置される。扉支持アーム22、22が橋渡部17に回動自在に支持された状態において、回動軸部24a、24a、・・・にそれぞれ捩じりコイルバネ26、26が支持される。
【0042】
回動扉21は開口パネル6の背面側に位置され、捩じりコイルバネ26、26によって開口パネル6の挿入口6aを閉塞する方向へ付勢される。従って、回動扉21は、その前面の外周部が開口パネル6の背面に接した状態で挿入口6aを閉塞する。
【0043】
上記のように、回動扉21は左右に離隔し独立した2つの扉支持アーム22、22によって支持ベース16に支持されている。従って、図8に示すように、回動扉21に上下に延びる軸Hを基準とした反りが生じたとしても、生じた反りに追従して回動扉21が開口パネル6の背面に密着され挿入口6aの良好な閉塞性を保持することによる筐体2内への塵埃等の侵入の防止を図ることができる。尚、図8は回動扉21(後述する補助扉)が反った状態を誇張して示してある。
【0044】
また、回動扉21は2つの扉支持アーム22、22の左右に離隔して位置する合計4つの支持軸部25a、25a、・・・によって支持された状態で開口パネル6の背面に押し付けられているため、開口パネル6に対する密着性が高く、挿入口6aの閉塞性を向上することができる。
【0045】
さらに、回動扉21は、第2の被支持孔21c、21cの径が第1の被支持孔21b、21bの径より大きくされているため、第2の被支持孔21c、21cと扉支持アーム22、22の支持軸部25a、25aとの間に一定のクリアランスが生じ(図7参照)、このクリアランス分だけ扉支持アーム22、22が回動扉21に対して変位可能であり、回動扉21に生じ得るねじれや反りを吸収して回動扉21を開口パネル6の背面に密着させることができる。
【0046】
加えて、扉支持アーム22、22は板状の樹脂材料によって形成され、弾性変形し易い材料によって弾性変形し易い形状に形成されているため、回動扉21に生じ得るねじれや反りに追従して変形可能であり、回動扉21の開口パネル6に対する密着性を向上させることができる。
【0047】
支持ベース16の支持面部19、19間には連結リンク50が回動自在に支持されている(図9及び図10参照)。連結リンク50は、支持アーム27、27と回動アーム28、28とアームスライダー29、29と支持ブラケット30によって構成されている。支持アーム27、27、回動アーム28、28及びアームスライダー29、29はそれぞれ左右に一対互いに連結された状態で設けられ、支持ブラケット30は左右に位置するアームスライダー29、29を連結している。
【0048】
連結リンク50、スライドカム14及び支持ベース16は後述する補助扉を開閉する扉開閉機構60を構成する。
【0049】
支持アーム27は支持ベース16の支持面部19に回動自在に支持され、横倒し略U字状に形成されている。支持アーム27はベース部31と該ベース部31の上下両端部からそれぞれ略前方へ突出された第1の突部32、第2の突部33とから成る。支持アーム27は第1の突部32の先端部が支持面部19の内面側に支持されている。
【0050】
ベース部31の前面には略前方へ突出された第1のバネ保持突部31aが設けられている。ベース面部31の上面は、その前半部が後方へ行くに従って上方へ変位するように傾斜された傾斜カム面31bとして形成され、後半部が略水平な当接面31cとして形成されている。
【0051】
下側に位置する第2の突部33の先端面には前方へ突出された第2のバネ保持突部33aが設けられている。第2の突部33には、その先端寄りの位置に略後方を向くストッパー面33bが形成され、先端部に下方へ突出された規制突部33cが設けられている。
【0052】
回動アーム28は略前後に長い延設部34と該延設部34の下端部から後斜め下方へ突出された突部35とから成る。
【0053】
延設部34には、その先端寄りの位置に略前方へ突出されたストッパー突部34aが設けられ、後端寄りの位置に上方へ突出された当接突部34bが設けられている。延設部34の前端部には上方へ突出された突き当て突部34cが設けられている。延設部34には前後に離隔して、略前後に長い摺動孔34d、34dが形成されている。
【0054】
突部35の先端部には略後方へ突出されたバネ用突部35aが設けられている。突部35の先端部はストッパー部35bとして設けられている。
【0055】
回動アーム28は延設部34の後端部における上端部が、支持アーム27の支持面部19に対する回動支点と同じ回動支点において、支持面部19の内面側に回動自在に支持されている。従って、回動アーム28は支持面部19及び支持アーム27に対して独立して回動可能とされている。
【0056】
支持アーム27及び回動アーム28が支持面部19に支持された状態において、支持アーム27の第1のバネ保持突部31aと回動アーム28のバネ用突部35aとの間に圧縮コイルバネである保持バネ36が保持される。従って、支持アーム27と回動アーム28は保持バネ36によって互いに離隔する回動方向へ付勢される。
【0057】
アームスライダー29は略上下に幅広の基端部37と該基端部37の下端部を除く部分から略前方へ突出された支持突部38とから成り、基端部37の下端部には略後方へ突出された第1のバネ保持用突部37aが設けられ、支持突部38の前端部には略後方へ突出された第2のバネ保持用突部38aが設けられている。アームスライダー29の後端部における下端部には側方へ突出された規制用突部37bが設けられている。
【0058】
アームスライダー29には略前後に離隔して側方へ突出された摺動突部29a、29aが設けられている。
【0059】
アームスライダー29は摺動突部29a、29aがそれぞれ摺動孔34d、34dに摺動自在に係合されて回動アーム28に略前後方向へスライド自在に支持される。
【0060】
アームスライダー29が回動アーム28に支持された状態において、支持アーム27の第2のバネ保持突部33aとアームスライダー29の第1のバネ保持用突部37aとの間に圧縮コイルバネである連結バネ39が保持される。従って、支持アーム27とアームスライダー29は連結バネ39によって互いに離隔する方向へ付勢される。
【0061】
支持ブラケット30はアームスライダー29、29の延設部34、34の先端部間に回動可能に連結されている(図4参照)。
【0062】
支持ブラケット30は左右に長い扉取付部40と該扉取付部40の左右両側縁からそれぞれ後方へ突出された連結面部41、41とから成る。
【0063】
扉取付部40には左右に離隔して取付孔40a、40aが形成されている。扉取付部40の左右両端部における上端部には、図9及び図10に示すように、それぞれ一部が前方へ折り曲げられることにより摺動片部40b、40bが設けられている。
【0064】
連結面部41、41には、それぞれ前後方向を向く段差部41a、41aが形成されている。
【0065】
支持ブラケット30は連結面部41、41の段差部41a、41aより前側の部分がアームスライダー29、29に回動自在に支持されている。
【0066】
支持ブラケット30がアームスライダー29、29に支持された状態において、アームスライダー29、29の第2のバネ保持用突部38a、38aと支持ブラケット30の段差部41a、41aとの間にそれぞれ圧縮コイルバネである押付バネ42、42が保持される。従って、アームスライダー29、29と支持ブラケット30は押付バネ42、42によって互いに離隔する方向へ付勢される。
【0067】
支持ブラケット30の扉取付部40には補助扉43が取り付けられる(図11参照)。
【0068】
補助扉43の背面側には、左右に離隔して4つの被支持リブ43a、43a、・・・が設けられ、外側に位置する2つの被支持リブ43a、43aにそれぞれ第1の被支持孔43b、43bが形成され、内側に位置する2つの被支持リブ43a、43aにそれぞれ第2の被支持孔43c、43cが形成されている。外側に位置する第2の被支持孔43c、43cは、内側に位置する第1の被支持孔43b、43bより径が僅かに大きくされている(図12参照)。
【0069】
補助扉43は扉支持体44、44を介して支持ブラケット30に取り付けられている。扉支持体44は、例えば、板状の樹脂材料によって形成され、左右に長い基部45と、該基部45の長手方向における両端寄りの位置から直交する方向へ突出された支持片部46、46と、基部45の中央部から後方へ突出された被取付部47とから成る。支持片部46、46にはそれぞれ互いに反対側へ突出された支持ピン46a、46aが設けられている。
【0070】
扉支持体44、44は、それぞれ左右に離隔した状態で、被取付部47、47が取付孔40a、40aに挿入されて、例えば、接着等により支持ブラケット30に固定される。扉支持体44、44は、それぞれ被支持リブ43a、43a、・・・間に位置された状態で、支持ピン46a、46a、・・・がそれぞれ第1の被支持孔43b、43b及び第2の被支持孔43c、43cに挿入されて補助扉43を回動自在に支持する。
【0071】
補助扉43は、後述するように、連結リンク50の動作に伴って移動され、回動扉21が開放された状態において、挿入口6aを閉塞する。
【0072】
上記のように、補助扉43は左右に離隔し独立した2つの扉支持体44、44に支持されている。従って、図8に示すように、補助扉43に上下に延びる軸Hを基準とした反りが生じたとしても、生じた反りに追従して補助扉43が開口パネル6の背面に密着され挿入口6aの良好な閉塞性を保持することによる筐体2内への塵埃等の侵入の防止を図ることができる。
【0073】
また、補助扉43は2つの扉支持体44、44の左右に離隔して位置する合計4つの支持ピン46a、46a、・・・によって支持された状態で押付バネ42のバネ力により開口パネル6の背面に押し付けられるため、開口パネル6に対する密着性が高く、挿入口6aの閉塞性を向上することができる。
【0074】
さらに、補助扉43は、第2の被支持孔43c、43cの径が第1の被支持孔43b、43bの径より大きくされているため、第2の被支持孔43c、43cと扉支持体44、44の支持ピン46a、46a、・・・との間に一定のクリアランスが生じ(図12参照)、このクリアランス分だけ扉支持体44、44が補助扉43に対して変位可能であり、補助扉43に生じ得るねじれや反りを吸収して補助扉43を開口パネル6の背面に密着させることができる。
【0075】
加えて、扉支持体44、44は板状の樹脂材料によって形成され、弾性変形し易い材料によって弾性変形しやすい形状に形成されているため、補助扉43に生じ得るねじれや反りに追従して変形可能であり、補助扉43の開口パネル6に対する密着性を向上させることができる。
【0076】
以下に、記録媒体ドライブ装置1における動作について説明する(図13乃至図17参照)。
【0077】
先ず、挿入口6aに記録媒体カートリッジ100が挿入される前の初期状態について説明する(図13参照)。記録媒体カートリッジ100は扁平なケース体101内に記録媒体200が回転可能に収納されて成る。ケース体101の下面には、図示しないシャッターが開閉自在に支持されている。
【0078】
挿入口6aに記録媒体カートリッジ100が挿入される前の初期状態においては、ラックスライダー12、12は移動範囲における前方側の移動端に位置されている。従って、ラックスライダー12、12に取り付けられているスライドカム14も前方側の移動端に位置され、カム部15、15は支持アーム27の前方に位置されている。カム部15、15はそれぞれ支持ベース16のカム摺接面18a、18aと回動アーム28、28の当接突部34b、34bとの間で両者に接触された状態で位置され、回動アーム28、28の回動動作がカム部15、15によって規制されている。このとき補助扉43はケースシャーシ3の内部に設けられた載置面部3a上に載置されて挿入口6aから退避された退避位置にある。
【0079】
ホルダー11は被案内軸部11a、11a、・・・がそれぞれフレームシャーシ7の案内孔10、10、・・・の水平部10a、10a、・・・における前端部に係合されると共にラックスライダー12、12のカム孔13、13、・・・の上側保持部13a、13a、・・・に係合され、上方側かつ前方側の移動端である第1の位置に保持されている。
【0080】
回動扉21は捩じりコイルバネ26、26の付勢力によって開口パネル6の背面に押し付けられて閉塞位置に保持され、挿入口6aが閉塞されている。
【0081】
連結リンク50は、それぞれ回動アーム28、28の当接突部34b、34bがスライドカム14のカム部15、15と接触されており、略上方側への回動が規制されて下方側の移動端に位置されている。
【0082】
支持アーム27、27はベース部31、31の当接面31c、31cが、それぞれ支持ベース16のカム摺接面18a、18aに接触された状態で保持されている。
【0083】
回動アーム28、28は保持バネ36、36によってストッパー部35b、35bが、それぞれ支持アーム27、27のストッパー面33b、33bに押し付けられ、支持アーム27、27に対して所定の位置に保持されている。
【0084】
アームスライダー29、29は連結バネ39、39によって規制用突部37b、37bが、それぞれ支持アーム27、27の規制突部33c、33cに押し付けられ、支持アーム27、27に対して所定の位置に保持されている。
【0085】
支持ブラケット30は押付バネ42、42によって段差部41a、41aが、それぞれ回動アーム28、28のストッパー突部34a、34aに押し付けられ、回動アーム28、28に対して所定の位置に保持されている。
【0086】
上記した初期状態において、記録媒体カートリッジ100が挿入口6aから挿入されると、記録媒体カートリッジ100によって回動扉21が捩じりコイルバネ26、26の付勢力に抗して回動され、ケース体101の上面が回動扉21の下縁と摺接しながら筐体2の内部へ挿入されていく。
【0087】
筐体2の内部へ挿入された記録媒体カートリッジ100はホルダー11内に挿入され、該ホルダー11に保持される(図14参照)。
【0088】
記録媒体カートリッジ100がホルダー11に挿入されたときには、筐体2内に配置された図示しない検出スイッチが記録媒体カートリッジ100に押圧されて操作され、移動機構を動作させるための駆動モーターが所定の一方向へ回転される。このとき記録媒体カートリッジ100は筐体2内に設けられた図示しないシャッター開閉機構によってケース体101に支持されたシャッターが開放される。
【0089】
記録媒体カートリッジ100がホルダー11に保持された状態においては、回動扉21の下縁が捩じりコイルバネ26、26の付勢力によってケース体101の上面に接触され回動扉21が挿入口6aを開放する第1の開放位置に至る(図14参照)。
【0090】
駆動モーターが回転されると、移動機構が動作されてラックスライダー12、12が後方へ移動され該ラックスライダー12、12の移動に伴ってスライドカム14が後方へ移動されていく(図15参照)。ラックスライダー12、12の後方への移動時には、ホルダー11の被案内軸部11a、11a、・・・はそれぞれカム孔13、13、・・・の上側保持部13a、13a、・・・に係合された状態でフレームシャーシ7の案内孔10、10、・・・の水平部10a、10a、・・・内を移動される。従って、記録媒体カートリッジ100を保持したホルダー11が後方へ移動される。
【0091】
このときスライドカム14の後方への移動により、スライドカム14のカム部15、15はそれぞれ回動アーム28、28の当接突部34b、34bから外れ、支持アーム27、27の傾斜カム面31b、31bと摺接される。カム部15、15が傾斜カム面31b、31bと摺接されることにより、連結リンク50が回動され、補助扉43が略上方へ移動される。連結リンク50が回動され補助扉43が上方へ移動されると、図15及び図16に示すように、回動アーム28、28の突き当て突部34c、34cがそれぞれ支持ベース16の規制部18b、18bに接し、それ以上の回動アーム28、28の回動が規制される。
【0092】
補助扉43が上方へ移動され上方側の移動端に達する直前には、支持ブラケット30の摺動片部40b、40bがそれぞれ支持ベース16の作用リブ17a、17aに摺接される(図16参照)。従って、支持ブラケット30は押付バネ42、42の付勢力に抗してアームスライダー29、29に対して図16に示すR1方向へ回動され、補助扉43が略前方へ僅かに移動され開口パネル6の背面に当接され挿入口6aが閉塞される。支持ブラケット30の段差部41a、41aはそれぞれ回動アーム28、28のストッパー突部34a、34aから僅かに前方へ離隔される。
【0093】
駆動モーターが引き続き回転されると、ラックスライダー12、12及びスライドカム14が後方側の移動端までさらに後方へ移動されていく(図17参照)。ラックスライダー12、12の後方への移動時には、ホルダー11の被案内軸部11a、11a、・・・はそれぞれカム孔13、13、・・・の上側保持部13a、13a、・・・から傾斜部13b、13b、・・・を経て下側保持部13c、13c、・・・までフレームシャーシ7の案内孔10、10、・・・の垂直部10b、10b、・・・内を移動される。従って、記録媒体カートリッジ100を保持したホルダー11が下方へ移動され下方側及び後方側の移動端である第2の位置に保持される。
【0094】
ホルダー11の下方への移動に伴って記録媒体カートリッジ100も下方へ移動される。記録媒体カートリッジ100が下方へ移動された分だけ回動扉21が捩じりコイルバネ26、26のバネ力によって閉塞位置へ向けて回動されるが、回動扉21は依然としてケース体101の上面に接触されており、挿入口6aは回動扉21によっては閉塞されない。回動扉21のこの位置が挿入口6aを開放した第2の開放位置である。
【0095】
ホルダー11の下方への移動に伴って記録媒体カートリッジ100が下方へ移動され、シャッターが開放されたケース体101内に図示しないディスクテーブルが相対的に挿入され、該ディスクテーブルに記録媒体200が装着される。
【0096】
スライドカム14の後方への移動により、スライドカム14のカム部15、15が支持アーム27、27の傾斜カム面31b、31bとさらに摺接される。このとき、上記したように、回動アーム28、28の回動が支持ベース16の規制部18b、18bによって規制されているため、カム部15、15が傾斜カム面31b、31bと摺接されることにより、支持アーム27、27が回動アーム28、28に対して保持バネ36、36の付勢力に抗して回動される。
【0097】
支持アーム27、27が回動アーム28、28に対して回動されると、連結バネ39、39を介してアームスライダー29、29が略前方へ押圧され、該アームスライダー29、29が回動アーム28、28に対してスライドされる。従って、補助扉43が支持ブラケット30を介して前方へ移動され、開口パネル6の背面に押し付けられて閉じ位置に保持される。
【0098】
支持アーム27、27が回動アーム28、28に対して回動されアームスライダー29、29が回動アーム28、28に対してスライドされたときには、回動アーム28、28のストッパー部35b、35bがそれぞれ支持アーム27、27のストッパー面33b、33bから僅かに離隔され、アームスライダー29、29の規制用突部37b、37bがそれぞれ支持アーム27、27の規制突部33c、33cから僅かに離隔される。
【0099】
上記のように、挿入口6aが補助扉43によって閉塞されたときには、補助扉43が支持アーム27、27の回動動作によって開口パネル6の背面に押し付けられるため、開口パネル6に対する補助扉43の密着性の向上による挿入口6aの高い閉塞性を確保することができる。
【0100】
また、補助扉43は支持アーム27、27と回動アーム28、28との間に介在された連結バネ39、39を介して開口パネル6の背面に押し付けられるため、開口パネル6に対して補助扉43に必要以上に負荷がかかることがなく開口パネル6及び補助扉43の損傷や破壊を防止することができる。
【0101】
上記のように記録媒体200がディスクテーブルに装着されると、該ディスクテーブルの回転に伴って記録媒体200が回転されると共に記録再生部として機能する図示しない光ピックアップの駆動により記録媒体200に対する情報信号の記録又は再生が行われる。
【0102】
記録媒体カートリッジ100の挿入口6aからの排出は、上記とは逆の動作により行われる。即ち、駆動モーターが上記とは反対方向へ回転され、ラックスライダー12、12が前方へ移動されることによりスライドカム14が一体となって前方へ移動され、連結リンク50が上記とは逆方向へ移動されて補助扉43が下方へ移動され、ホルダー11が上方へ移動された後に前方へ移動され記録媒体カートリッジ100の一部が挿入口6aから外部へ突出される。
【0103】
ホルダー11が前方へ移動されるときにはケース体101に支持されたシャッターがシャッター開閉機構によって閉塞される。
【0104】
外部へ突出された記録媒体カートリッジ100の一部を把持して引き抜くことにより記録媒体カートリッジ100を記録媒体ドライブ装置1から取り出すことができる。記録媒体カートリッジ100を取り出すと、捩じりコイルバネ26、26の付勢力によって回動扉21が回動され、該回動扉21によって挿入口6aが閉塞される。
【0105】
以上に記載した通り、記録媒体ドライブ装置1にあっては、回動扉21が開放位置に保持された状態において補助扉43によって挿入口6aが閉塞されるため、記録媒体カートリッジ100が筐体2に挿入されたときに該筐体2の内部に回動扉21を閉塞位置まで回動させるためのスペースを必要とせず、記録媒体ドライブ装置1の小型化を確保した上で挿入口6aからの塵埃の侵入を防止することができる。
【0106】
また、補助扉43を開閉するための扉開閉機構60がホルダー11を第1の位置と第2の位置との間で移動させるための移動機構の動作に伴って動作されるため、扉開閉機構60を動作させるための専用のモーター等を必要とせず、機構の簡素化及び部品点数の削減によるコストの低減を図ることができる。
【0107】
上記した最良の形態において示した各部の具体的な形状及び構造は、何れも本発明を実施する際の具体化のほんの一例を示したものにすぎず、これらによって本発明の技術的範囲が限定的に解釈されることがあってはならないものである。
【図面の簡単な説明】
【0108】
【図1】図2乃至図17と共に本発明を実施するための最良の形態を示すものであり、本図は記録媒体ドライブ装置の概略斜視図である。
【図2】記録媒体ドライブ装置の内部構成を示す概略斜視図である。
【図3】記録媒体ドライブ装置の内部構成を示す概略側面図である。
【図4】記録媒体ドライブ装置の内部構成を示す分解斜視図である。
【図5】支持ベースの拡大斜視図である。
【図6】回動扉の支持構造を示す拡大斜視図である。
【図7】回動扉と扉支持アームとの関係を一部を断面にして示す拡大側面図である。
【図8】回動扉(補助扉)に反りが生じた状態を示す概念図である。
【図9】連結リンクの分解斜視図である。
【図10】連結リンクの拡大斜視図である。
【図11】補助扉の支持構造を示す拡大斜視図である。
【図12】補助扉と扉支持体との関係を一部を断面にして示す拡大側面図である。
【図13】図14乃至図17と共に記録媒体ドライブ装置の動作を示すものであり、本図は初期状態を示す概略側面図である。
【図14】図13に引き続き記録媒体カートリッジが挿入口から挿入されている状態を示す概略側面図である。
【図15】図14に引き続きスライドカムが後方へ移動されホルダーが後方へ移動された状態を示す概略側面図である。
【図16】支持ブラケットの摺動片部が支持ベースの作用リブに摺接している状態を示す拡大側面図である。
【図17】図15に引き続きスライドカムが後方へ移動されホルダーが下方へ移動された状態を示す概略側面図である。
【図18】従来の問題点を示す概念図である。
【図19】従来の別の問題点を示す概念図である。
【符号の説明】
【0109】
1…記録媒体ドライブ装置、2…筐体、6a…挿入口、7…フレームシャーシ、11…ホルダー、14…スライドカム、15…カム部、16…支持ベース、18b…規制部、21…回動扉、22…扉支持アーム、24a…回動軸部、25a…支持軸部、27…支持アーム、28…回動アーム、29…アームスライダー、30…支持ブラケット、39…連結バネ、43…補助扉、44…扉支持体、46a…支持ピン、47…被取付部、50…連結リンク、60…扉開閉機構、100…記録媒体カートリッジ、101…ケース体、200…記録媒体

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ケース体内に記録媒体が収納されて成る記録媒体カートリッジを挿入する挿入口が形成された筐体と、記録媒体カートリッジの記録媒体に対して情報信号の記録若しくは再生又はこれらの双方を行う記録再生部と、記録媒体カートリッジが挿入されて該記録媒体カートリッジを保持すると共に記録媒体カートリッジの挿入又は取出が可能な第1の位置と保持した記録媒体カートリッジに対する記録再生部による記録又は再生が可能な第2の位置との間で移動可能なホルダーと、該ホルダーを上記第1の位置と第2の位置との間で移動自在に支持するフレームシャーシと、ホルダーを第1の位置と第2の位置との間で移動させる移動機構と、該移動機構の駆動源となる駆動手段とを備えた記録媒体ドライブ装置であって、
筐体の挿入口に対する記録媒体カートリッジの非挿入時に挿入口を閉塞する閉塞位置に保持され挿入口に対する記録媒体カートリッジの挿入時に挿入口を開放する開放位置に回動されて保持される回動扉と、
該回動扉が閉塞位置に保持された状態において筐体の挿入口から退避した退避位置に保持され回動扉が開放位置に保持された状態において筐体の挿入口を閉塞する閉じ位置に移動される補助扉と、
該補助扉を退避位置と閉じ位置との間で移動させる扉開閉機構とを備えた
ことを特徴とする記録媒体ドライブ装置。
【請求項2】
上記扉開閉機構に、
カム部を有し上記移動機構の動作に伴って移動されるスライドカムと、
上記補助扉を支持すると共に上記カム部に摺接されスライドカムの移動によって回動される連結リンクと、
上記スライドカムをスライド自在に支持すると共に上記連結リンクを回動自在に支持する支持ベースとを設けた
ことを特徴とする請求項1に記載の記録媒体ドライブ装置。
【請求項3】
上記連結リンクに、
上記支持ベースに回動自在に支持された支持アームと、
該支持ベースに対する支持アームの回動支点と同じ回動支点で支持ベース及び支持アームに回動自在に支持された回動アームと、
該回動アームにスライド自在に支持されたアームスライダーと、
該アームスライダーに支持されると共に上記補助扉を支持する支持ブラケットと、
支持アームとアームスライダーを連結する連結バネとを設け、
上記支持ベースに、補助扉が退避位置から閉じ位置へ向けて移動されたときに回動アームの回動を規制する規制部を設け、
該規制部によって回動アームの回動が規制された状態において、支持アームの回動アームに対する回動により連結バネを介してアームスライダーを押圧し該アームスライダーを回動アームに対してスライドさせ補助扉を挿入口の開口縁に押し付けるようにした
ことを特徴とする請求項2に記載の記録媒体ドライブ装置。
【請求項4】
上記支持ベースに回動自在に支持される回動軸部と回動扉を回動可能に支持する支持軸部とを有する扉支持アームを設け、
該扉支持アームを介して支持ベースに回動扉を回動自在に支持し、
扉支持アームを支持ベースに対する回動扉の回動軸方向に離隔して複数設けた
ことを特徴とする請求項1に記載の記録媒体ドライブ装置。
【請求項5】
上記扉支持アームの支持軸部を支持ベースに対する回動扉の回動軸方向に離隔して複数設けた
ことを特徴とする請求項4に記載の記録媒体ドライブ装置。
【請求項6】
上記支持ブラケットに取り付けられる被取付部と上記補助扉を回動可能に支持する支持ピンとを有する扉支持体を設け、
該扉支持体を介して支持ブラケットに補助扉を取り付け該補助扉を支持ブラケットに対して回動可能とし、
上記扉支持体を支持ブラケットに対する補助扉の回動軸方向に離隔して複数設けた
ことを特徴とする請求項1に記載の記録媒体ドライブ装置。
【請求項7】
上記扉支持体の支持ピンを支持ブラケットに対する補助扉の回動軸方向に離隔して複数設けた
ことを特徴とする請求項6に記載の記録媒体ドライブ装置。
【請求項8】
ケース体内に記録媒体が収納されて成る記録媒体カートリッジが挿入される挿入口を開閉する扉の開閉構造であって、
挿入口に対する記録媒体カートリッジの非挿入時に挿入口を閉塞する閉塞位置に保持され挿入口に対する記録媒体カートリッジの挿入時に挿入口を開放する開放位置に回動されて保持される回動扉と、
該回動扉が閉塞位置に保持された状態において筐体の挿入口から退避した退避位置に保持され回動扉が開放位置に保持された状態において筐体の挿入口を閉塞する閉じ位置に移動される補助扉と、
該補助扉を退避位置と閉じ位置との間で移動させる扉開閉機構とを備えた
ことを特徴とする扉の開閉構造。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【公開番号】特開2006−236507(P2006−236507A)
【公開日】平成18年9月7日(2006.9.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−51545(P2005−51545)
【出願日】平成17年2月25日(2005.2.25)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】