説明

記録媒体表記面用マーキングペンインキ組成物及びそれを内蔵したマーキングペン

【課題】 記録媒体の表記面に筆記した際、記録層を傷付けることがないと共に、インキのはじきや線幅の膨らみを生じることなく、鮮明な筆記描線が得られる記録媒体表記用マーキングペンインキ組成物及びそれを内蔵したマーキングペンを提供する。
【解決手段】 炭素数4以下のアルコール及び/又は炭素数6以下のグリコール系溶剤と、該溶剤に可溶な樹脂と、着色剤と、ノニオン性フッ素系界面活性剤とを少なくとも含む記録媒体表記用マーキングペンインキ組成物。前記ノニオン性フッ素系界面活性剤をインキ組成物全量中0.01〜5.0重量%含有する。前記記録媒体表記面用マーキングペンインキ組成物を内蔵してなるマーキングペン。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、記録媒体表記面用マーキングペンインキ組成物及びそれを内蔵したマーキングペンに関する。更に詳細には、CD−R/RW、DVD−R/RW等の記録媒体の表記面への筆記に用いられるマーキングペンインキ組成物及びそれを内蔵したマーキングペンに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、パソコン等に用いられる記録媒体として、CD−R、CD−RW、DVD−R、DVD−RW等のディスクが広く利用されている。これらの記録媒体には、筆記(印刷)用の表記面(レーベル印刷面)が設けられており、前記表記面にタイトルや分類等の記録内容を表記して使用されている。
【0003】
前記表記面に記録内容を筆記する際にボールペンを用いた場合、ペン先が硬く尖っているため、特にボール径の小さいものを使用すると局部的に高い筆圧がかかり、表記面の下層の記録層が破壊されてしまい、記録媒体自体が使用不能になってしまう虞れがある。
また、特許文献1や特許文献2に記載されるような汎用のマーキングペンを用いた場合、ペン先が柔軟であるため、表記面の下層の記録層を破壊することなく筆記できるが、表記面に形成された筆跡にインキのはじきや線幅の膨らみを生じてしまい、鮮明な筆記描線が得られ難いという問題がある。
【特許文献1】特開平5−32925号公報
【特許文献2】特開平5−279616号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は前記問題を解決するものであって、記録媒体の表記面に筆記した際、記録層を傷付けることがないと共に、インキのはじきや線幅の膨らみを生じることなく、鮮明な筆記描線が得られる記録媒体表記用マーキングペンインキ組成物及びそれを内蔵したマーキングペンを提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の記録媒体表記面用マーキングペンインキ組成物は、炭素数4以下のアルコール及び/又は炭素数6以下のグリコール系溶剤と、該溶剤に可溶な樹脂と、着色剤と、ノニオン性フッ素系界面活性剤とを少なくとも含むことを要件とする。
更に、前記ノニオン性フッ素系界面活性剤がエチレンオキシド付加物であること、前記ノニオン性フッ素系界面活性剤がフルオロ基を導入したアクリルオリゴマーであること、前記着色剤が油溶性染料であること、前記ノニオン性フッ素系界面活性剤をインキ組成物全量中0.01〜5.0重量%含有することを要件とする。
更には、前記記録媒体表記面用マーキングペンインキ組成物を内蔵してなるマーキングペンを要件とし、前記マーキングペンのチップが、棒状体の先端を先細状に形成した先細部を備え、該先細部の基部の外径が0.05mm〜2.5mmの範囲にあることを要件とする。
【発明の効果】
【0006】
本発明により、CD−R/RW、DVD−R/RW等の記録媒体の表記面に筆記した際、インキのはじきや線幅の膨らみを生じることなく、鮮明な筆記描線が得られるような記録媒体表記面用マーキングペンインキ組成物及びそれを内蔵したマーキングペンを提供できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
本発明は、特定の溶剤を用いた記録媒体表記面用マーキングペンインキ組成物中にノニオン性フッ素系界面活性剤を添加することで、表記面上でのインキのはじきを抑制して鮮明な筆記描線を得るものであり、CD−ROM、CD−R、CD+R、CD+RW、CD−RW、DVD−ROM、DVD−R、DVD+R、DVD+RW、DVD−RW、DVD−RAM、DVD−VIDEO等、種々の規格の記録媒体表記面に適用できるものである。
【0008】
通常、記録媒体の表記面には、UV硬化型アクリル樹脂インキにて様々な図柄や記憶容量などの性能表示、商標名等が印刷されている。この印刷インキには、場合によりレベリング剤としてシリコン系界面活性剤を配合し、基盤に印刷した際にムラのない印刷面に仕上げるための工夫が図られている。
そのため、前記記録媒体には全般的に、表記面(レーベル面)上にシリコン系界面活性剤が介在している場合がある。
【0009】
しかしながら、前記シリコン系レベリング剤は、個々の印刷インキ成分との相溶性や、温度などの滞留放置条件により、印刷仕上げ後、経時的に印刷樹脂塗膜の表面上にブリードする場合がある。このような状態の表記面は、その表面エネルギーが非常に小さいため、筆記具で筆記した際にインキのはじきが発生し、鮮明な筆記描線が得られ難くなる。
【0010】
そこで、インキ中にノニオン性フッ素系界面活性剤を配合してインキの表面張力を下げ、記録媒体の表記面に対するインキの濡れ性を向上させ、筆記した際に生じる描線のはじきを防止するものである。
【0011】
前記ノニオン性フッ素系界面活性剤としては、汎用のものが用いられ、例えば、パーフルオロアルキルエチレンオキシド付加物、フッ素化アルキルエステル、パーフルオロアルキルポリオキシエチレンエタノール等が例示できる。特に、パーフルオロアルキルエチレンオキシド付加物、フッ素化アルキルエステル、パーフルオロアルキルポリオキシエチレンエタノール等のエチレンオキシド付加物は表記面に対する効果が高いため好適に用いられる。
【0012】
更に、前記ノニオン性フッ素系界面活性剤として、フルオロ基を導入したアクリルオリゴマーも好適に用いられる。前記アクリルオリゴマーとしては、フルオロ基・親油性基含有オリゴマーであればどのようなものでも適用でき、ポリウレタンアクリレート、ポリエステルアクリレート、ポリエーテルアクリレート、ポリエーテルアクリレート、アルキドアクリレート、シリコンアクリレート等を骨格とするものが適用できる。特に、パーフルオロアルキル基・親油性基含有オリゴマーが好適に用いられる。
【0013】
前記ノニオン性フッ素系界面活性剤は、インキ全量に対して、0.01〜5.0重量%、好ましくは0.1〜3.0重量%の範囲で添加することができる。0.01重量%未満では、インキ組成物の表面張力が必要な物性値に達せず、記録媒体表記面に対する濡れ性が不充分となり筆記描線のはじきが生じる。また、5.0重量%を超えて添加すると、いわゆる海島現象が発生し、筆記描線にムラが生じて不鮮明な描線となったり、記録媒体表記面に対するインキ付着性が不充分となる。
【0014】
前記溶剤としては、炭素数4以下のアルコールや、炭素数6以下のグリコール系溶剤を単独、又は二種類以上を併用して使用できる。
炭素数4以下のアルコールとしては、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール、t−ブチルアルコール等が挙げられる。
炭素数6以下のグリコール系溶剤としては、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノイソプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル等が挙げられる。
更に、筆記描線の白化を抑える目的で、フェニルグリコール、γ−ブチロラクトン、ベンジルアルコール、ジエチレングリコールモノブチルエーテル等の低蒸気圧成分を添加することもできる。
【0015】
前記着色剤としては、従来より油性インキに適用される汎用の染料、顔料が適宜用いられる。
前記染料としては、例えば、カラーインデックスにおいてソルベント染料として分類される有機溶剤可溶性染料が挙げられる。
前記ソルベント染料の具体例としては、バリファーストブラック3806(C.I.ソルベントブラック29)、同3807(C.I.ソルベントブラック29の染料のトリメチルベンジルアンモニウム塩)、スピリットブラックSB(C.I.ソルベントブラック5)、スピロンブラックGMH(C.I.ソルベントブラック43)、バリファーストレッド1308(C.I.ベーシックレッド1の染料とC.I.アシッドイエロー23の染料の造塩体)、バリファーストイエローAUM(C.I.ベーシックイエロー2の染料とC.I.アシッドイエロー42の染料の造塩体)、スピロンイエローC2GH(C.I.ベーシックイエロー2の染料の有機酸塩)、スピロンバイオレットCRH(C.I.ソルベントバイオレット8−1)、バリファーストバイオレット1701(C.I.ベーシックバイオレット1とC.I.アシッドイエロー42の染料の造塩体)、スピロンレッドCGH(C.I.ベーシックレッド1の染料の有機酸塩)、スピロンピンクBH(C.I.ソルベントレッド82)、ニグロシンベースEX(C.I.ソルベントブラック7)、オイルブルー613(C.I.ソルベントブルー5)、ネオザポンブルー808(C.I.ソルベントブルー70)等が挙げられる。
前記顔料としては、カーボンブラック、群青、二酸化チタン顔料等の無機顔料、アゾ系顔料、フタロシアニン系顔料、インジゴ顔料、チオインジゴ顔料、スレン顔料、キナクリドン系顔料、アントラキノン系顔料、スレン系顔料、ジケトピロロピロール系顔料、ジオキサジン系顔料、ペリレン系顔料、ペリノン系顔料、イソインドリノン系顔料等の有機顔料、アルミニウム粉やアルミニウム粉表面を着色樹脂で処理した金属顔料、透明又は着色透明フィルムにアルミニウム等の金属蒸着膜を形成した金属光沢顔料、フィルム等の基材に形成したアルミニウム等の金属蒸着膜を剥離して得られる厚みが0.01〜0.1μmの金属顔料、金、銀、白金、銅から選ばれる平均粒子径が5〜30nmのコロイド粒子、蛍光顔料、蓄光性顔料、熱変色性顔料、芯物質として天然雲母、合成雲母、ガラス片、アルミナ、透明性フィルム片の表面を酸化チタン等の金属酸化物で被覆したパール顔料等が挙げられる。
前記着色剤は一種又は二種以上を併用してもよく、インキ組成物中3〜40重量%の範囲で用いられる。
特に、前記着色剤としては、インキ中での安定性が高い油溶性染料が好ましく用いられる。
【0016】
前記樹脂としては、前述した有機溶剤に対して可溶なものであれば特に限定されることなく適用でき、筆跡の滲み抑制、定着性向上、堅牢性等を付与する目的でインキ中に添加される。
具体的には、ケトン樹脂、アミド樹脂、アルキッド樹脂、ロジン変性樹脂、ロジン変性フェノール樹脂、フェノール樹脂、キシレン樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、テルペン系樹脂、クマロン−インデン樹脂、ポリビニルピロリドン、ポリエチレンオキサイド、ポリメタクリル酸エステル、ケトン−ホルムアルデヒド樹脂、α−及びβ−ピネン・フェノール重縮合樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、アクリル樹脂、ポリアクリル酸ポリメタクリル酸共重合物等が挙げられる。
これらの樹脂は一種又は二種以上を混合して用いてもよく、インキ組成中0.5〜40重量%、好ましくは1〜35重量%の範囲で用いられる。0.5重量%未満では筆跡の滲み抑制、定着性向上、堅牢性付与等の充分な効果を発揮できず、40重量%を越えて添加すると、樹脂の溶剤への溶解性が低下し、インキの流動性が低下する。
【0017】
更に、本発明の油性インキ組成物には、必要に応じて上記成分以外に、酸化防止剤、紫外線吸収剤、防錆剤、潤滑剤、粘度調整剤、剥離剤、顔料分散剤、消泡剤、剪断減粘性付与剤、界面活性剤、耐ドライアップ付与剤等の各種添加剤を使用できる。
例えば、防錆剤としては、ベンゾトリアゾール、トリルトリアゾール、ジシクロヘキシルアンモニウムナイトライト、ジイソプロピルアンモニウムナイトライト、サポニン等が例示できる。
酸化防止剤としては、ジブチルヒドロキシルトルエン、フラボノイド、ブチルヒドロキシアニソール、アスコルビン酸誘導体、α−トコフェロール、カテキン類等が例示できる。
紫外線吸収剤としては、2−(2′−ヒドロキシ−3′−tブチル5′−5′−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2′−ヒドロキシ−5′−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、p−安息香酸−2−ヒドロキシベンゾフェノン等が例示できる。
消泡剤としては、ジメチルポリシロキサン等が使用できる。
潤滑剤としては、オレイン酸等の高級脂肪酸、長鎖アルキル基を有するノニオン系界面活性剤、ポリエーテル変性シリコーンオイル、チオ亜燐酸トリ(アルコキシカルボニルメチルエステル)やチオ亜燐酸トリ(アルコキシカルボニルエチルエステル)等のチオ亜燐酸トリエステル等が例示できる。
剪断減粘性付与剤としては、架橋型アクリル樹脂、架橋型アクリル樹脂のエマルションタイプ、架橋型N−ビニルカルボン酸アミド重合体又は共重合体、非架橋型N−ビニルカルボン酸アミド重合体又は共重合体非架橋型N−ビニルカルボン酸アミド重合体又は共重合体の水溶液、水添ヒマシ油、脂肪酸アマイドワックス、酸化ポリエチレンワックス等のワックス類、ステアリン酸アルミニウム、パルミチン酸アルミニウム、オクチル酸アルミニウム、ラウリン酸アルミニウム等の脂肪酸金属塩、ジベンジリデンソルビトール、デキストリン脂肪酸エステル、N−アシルアミノ酸系化合物、スメクタイト系無機化合物、モンモリロナイト系無機化合物、ベントナイト系無機化合物、ヘクトライト系無機化合物、シリカ等が例示できる。
耐ドライアップ性付与剤としては、ポリオキシエチレン、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビット脂肪酸エステル、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、脂肪酸エステル、パラフィンワックス等が例示できる。
前記添加剤はいわゆる慣用的添加剤と呼ばれるもので、公知の化合物から適宜必要に応じて使用することができる。
【0018】
前記インキ組成物は、チップを筆記先端部に装着したマーキングペンに充填して実用に供される。
前記マーキングペン自体の構造、形状は特に限定されるものではなく、例えば、繊維チップ、フェルトチップ、プラスチックチップを筆記先端部に装着し、軸筒内部に収容した繊維束からなるインキ吸蔵体にインキを含浸させ、筆記先端部にインキを供給する構造、軸筒内部に直接インキを収容し、櫛溝状のインキ流量調節部材や繊維束からなるインキ流量調節部材を介在させる構造、軸筒内部に直接インキを収容して、弁機構により前記筆記先端部に所定量のインキを供給する構造等のマーキングペンが挙げられる。更に、前記各構造を有するマーキングペンを軸筒の前後両側に備えた両頭式筆記具や、一本のインキ吸蔵体の両端に筆記先端部を設けた両頭式筆記具とすることもできる。
【0019】
前記チップの形状及び筆記部分の大きさは限定されることなく用いることができるが、特に、記録媒体の表記面に適用することから、細かい筆跡を形成できるように、チップには、棒状体の先端をテーパー状や曲面状等の先細状に形成した先細部を設けたものが好適に用いられる。また、前記先細部の基部(付け根部分)の外径を0.05〜2.5mmの範囲、好ましくは0.05〜2mmの範囲に設定したものが好適に用いられる。
2.5mm以下のものを用いた場合、本発明のインキが筆跡の滲みやはじきを抑制できるため、細かい文字や像を形成してもインキ滲みにより潰れることなく形成できる。
また、ペン先の強度や製造の容易性等から、筆記先端部分の直径は0.05mm以上が好ましい。
【0020】
本発明の記録媒体表記面用マーキングペンインキ組成物は、溶剤中に、着色剤、樹脂、ノニオン性フッ素系界面活性剤、必要により各種添加剤を投入し、更に必要により加温して攪拌し、溶解及び分散することにより調製され、サインペン、フェルトペン、筆ペン等のマーキングペン形態の筆記具に充填して使用される。
【実施例】
【0021】
以下に実施例を説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
実施例1乃至3及び比較例1乃至3のインキ組成を以下の表に示す。尚、表中の組成の数値は重量部を示す。
【0022】
【表1】

【0023】
表中の原料の内容を注番号に沿って説明する。
(1)オリエント化学工業(株)製、商品名:バリファストブラック3810
(2)オリエント化学工業(株)製、商品名:オイルブルー613
(3)荒川化学工業(株)製、商品名:マルキード33
(4)日立化成ポリマー(株)製、商品名:ヒタノール1501
(5)ダイキン工業(株)製、商品名:ユニダインDS−401
(6)大日本インキ化学工業(株)製、商品名:メガファックF−470
【0024】
マーキングペンの作製
ポリエステルスライバーを合成樹脂フィルムで被覆したインキ吸蔵体内に、実施例及び比較例で調整したインキ組成物を含浸させて軸筒内に収容し、先端部にインキ吸蔵体と連通するように2種類の先細状チップ(軸方向のインキ通路を有する基部外径0.8mmのPOM樹脂成形体チップ、及び、PET繊維集束体を樹脂で結着した基部外径2mmのチップ)を設けて、計12本のマーキングペンを得た。
【0025】
得られたマーキングペンを用いて、特にインキをはじき易い二社のCD−Rを選び、その表記面上に文字を筆記して筆跡を観察した。また、筆跡のはじき及び筆跡幅の膨らみを簡易的に確認するため、透明PETフィルム(二軸延伸ポリエステルフィルム、厚さ38μm)上に文字を筆記して筆跡を観察した。
これらの結果を表2に示す。
【0026】
【表2】

【0027】
表中の記号の内容を以下に説明する。
筆跡評価
○:インキのはじきを生じることなく、鮮明な筆記描線を得る。
△:インキのはじきは少ないが、筆跡幅の膨らみがみられる。
×:インキのはじきが著しく、鮮明な筆記描線が得られない。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
炭素数4以下のアルコール及び/又は炭素数6以下のグリコール系溶剤と、該溶剤に可溶な樹脂と、着色剤と、ノニオン性フッ素系界面活性剤とを少なくとも含む記録媒体表記面用マーキングペンインキ組成物。
【請求項2】
前記ノニオン性フッ素系界面活性剤が、エチレンオキシド付加物であることを特徴とする請求項1記載の記録媒体表記面用マーキングペンインキ組成物。
【請求項3】
前記ノニオン性フッ素系界面活性剤が、フルオロ基を導入したアクリルオリゴマーであることを特徴とする請求項1記載の記録媒体表記面用マーキングペンインキ組成物。
【請求項4】
前記着色剤が、油溶性染料であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の記録媒体表記面用マーキングペンインキ組成物。
【請求項5】
前記ノニオン性フッ素系界面活性剤をインキ組成物全量中0.01〜5.0重量%含有することを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の記録媒体表記面用マーキングペンインキ組成物。
【請求項6】
前記請求項1乃至5のいずれかに記載の記録媒体表記面用マーキングペンインキ組成物を内蔵してなるマーキングペン。
【請求項7】
前記マーキングペンのチップが、棒状体の先端を先細状に形成した先細部を備え、該先細部の基部の外径が0.05mm〜2.5mmの範囲にあることを特徴とする請求項6記載のマーキングペン。

【公開番号】特開2006−124562(P2006−124562A)
【公開日】平成18年5月18日(2006.5.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−316289(P2004−316289)
【出願日】平成16年10月29日(2004.10.29)
【出願人】(000111890)パイロットインキ株式会社 (832)
【Fターム(参考)】