説明

記録材搬送装置

【課題】記録材の搬送経路に面するように設けられた開口の縁部への記録材の引っ掛かりを生じにくくする。
【解決手段】(A)に示す第3部位643は、用紙Pの搬送方向における上流側から下流側に向かうように形成されるとともに、上流側から下流側へ進行するに従い、用紙Pの移動方向(第1搬送ロールの軸方向への移動により用紙Pが移動する際の移動方向)とは反対方向に向かう。この場合、角部PKが第3部位643を通過する際に、用紙Pのうちの角部PKよりも先行している部位(符号5Cに示す部位)が第2案内部材62に載っている状態となり、角部PKが第3部位643を通過する際に、この角部PKが上記先行している部位によって引き上げられる。これにより、角部PKが第3部位643に引っ掛かりにくくなる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、記録材搬送装置に関する。
【背景技術】
【0002】
用紙搬送路の側部に設けられた基準ガイドと、用紙搬送路に沿って搬送される用紙を基準ガイド側に寄せる斜行ローラとを有した用紙整合装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平11−189355号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は、記録材の搬送経路に面するように設けられた開口の縁部への記録材の引っ掛かりを生じにくくすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1に記載の発明は、第1の側辺と当該第1の側辺とは反対側に位置する第2の側辺と当該第1の側辺と当該第2の側辺とを結ぶ第3の側辺および第4の側辺を有するとともに当該第2の側辺と当該第3の側辺とが交わる箇所に角部を有した矩形状の記録材が、当該第1の側辺を先頭として当該第2の側辺を後端として第1の方向に搬送される搬送経路と、前記搬送経路に面する側に開口が形成され、当該搬送経路を搬送される前記記録材を案内する案内部材と、前記案内部材により案内されながら前記搬送経路上を前記第1の方向へ搬送される記録材を、当該記録材の前記第3の側辺を先頭として前記第4の側辺を後端として、当該第1の方向と交差する方向である第2の方向に向けて移動させる移動手段と、を備え、前記移動手段によって前記記録材が前記第2の方向へ移動する際、前記案内部材に形成された前記開口に対峙する領域を、当該記録材の前記角部が通過するとともに、当該通過に際し、当該開口を取り囲むように形成された当該開口の縁部を当該角部が2回通過し、前記開口を取り囲むように形成された前記縁部のうちの前記角部の2回目の通過が行われる部位は、前記第1の方向における上流側から下流側に向かうように形成されるとともに、当該上流側から当該下流側へ進行するに従い前記第2の方向とは反対方向に向かうように形成されていることを特徴とする記録材搬送装置である。
請求項2に記載の発明は、前記第1の方向において前記移動手段よりも記録材の搬送方向上流側には、当該移動手段に向けて記録材を搬送する搬送機構が設けられ、前記搬送機構は、前記第1の方向と交差する方向に沿って設けられた回転軸と、前記回転軸の軸方向において互いに異なる位置に配置されるとともに当該回転軸に取り付けられ、前記搬送経路上の前記記録材に外周面を接触させて当該記録材を前記移動手段に向けて移動させるとともに両端部に端面を有した複数の円柱状部材と、を有し、前記搬送機構に設けられた複数の前記円柱状部材のうちの、前記第2の方向への記録材の前記移動によって記録材が接触する円柱状部材には、当該第2の方向において上流側に位置する一方の前記端面と、前記外周面とが交わる箇所に、当該端面および当該外周面の両者と交差する斜面が形成されていることを特徴とする請求項1記載の記録材搬送装置である。
請求項3に記載の発明は、前記移動手段によって前記第2の方向へ記録材が移動される際、前記回転軸が回転駆動されることを特徴とする請求項2記載の記録材搬送装置である。
【0006】
請求項4に記載の発明は、第1の側辺と当該第1の側辺とは反対側に位置する第2の側辺と当該第1の側辺と当該第2の側辺とを結ぶ第3の側辺および第4の側辺を有するとともに当該第1の側辺と当該第3の側辺とが交わる箇所に角部を有した矩形状の記録材が、当該第1の側辺を先頭として当該第2の側辺を後端として第1の方向に搬送される搬送経路と、前記搬送経路に面する側に開口が形成され、当該搬送経路を搬送される前記記録材を案内する案内部材と、前記案内部材により案内されながら前記搬送経路上を前記第1の方向へ搬送される記録材を、当該記録材の前記第3の側辺を先頭として前記第4の側辺を後端として、当該第1の方向と交差する方向である第2の方向に向けて移動させる移動手段と、を備え、前記移動手段によって前記記録材が前記第2の方向へ移動する際、前記案内部材に形成された前記開口に対峙する領域を、当該記録材の前記角部が通過するとともに、当該通過に際し、当該開口を取り囲むように形成された当該開口の縁部を当該角部が2回通過し、前記開口を取り囲むように形成された前記縁部のうちの前記角部の2回目の通過が行われる部位は、前記第1の方向における上流側から下流側に向かうように形成されるとともに、当該上流側から当該下流側へ進行するに従い前記第2の方向に向かうように形成されていることを特徴とする記録材搬送装置である。
請求項5に記載の発明は、前記移動手段は、前記搬送経路を搬送される記録材の前記第1の方向における長さが予め定められた長さよりも長い場合、前記第1の側辺が予め定められた箇所に達した際に前記第2の方向への記録材の移動を行い、当該搬送経路を搬送される記録材の当該第1の方向における長さが当該予め定められた長さよりも短い場合、当該予め定められた箇所よりも当該第1の方向における下流側に当該第1の側辺が達した際に、当該第2の方向への記録材の移動を行うことを特徴とする請求項4記載の記録材搬送装置である。
【発明の効果】
【0007】
請求項1の発明によれば、本構成を有していない場合に比較して、記録材の搬送経路に面するように設けられた開口の縁部への記録材の引っ掛かりが生じにくくなる。
請求項2の発明によれば、第2の方向へ移動する記録材の搬送機構への引っ掛かりが生じにくくなる。
請求項3の発明によれば、第2の方向へ移動する記録材の搬送機構への引っ掛かりがさらに生じにくくなる。
請求項4の発明によれば、本構成を有していない場合に比較して、記録材の搬送経路に面するように設けられた開口の縁部への記録材の引っ掛かりが生じにくくなる。
請求項5の発明によれば、案内部材に形成された開口などを記録材の後端が通過した後に、第2の方向への記録材の移動を行うことができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本実施の形態が適用される画像形成装置をフロント側から眺めた場合の図である。
【図2】用紙の搬送方向上流側から第2搬送ロールを眺めた場合の図である。
【図3】図1の矢印III方向から第1用紙搬送経路を眺めた場合の図である。
【図4】移動機構を説明するための図である。
【図5】開口を用紙が通過する際の用紙の動きを示した図である。
【図6】用紙の先端側に位置する角部の通過領域に形成された開口を示した図である。
【図7】開口の比較例を示した図である。
【図8】第1用紙搬送経路の上方から二次転写装置等を眺めた場合の図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、添付図面を参照して、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
図1は、本実施の形態が適用される画像形成装置をフロント側から眺めた場合の図である。図1に示す画像形成装置100は、所謂タンデム型の構成を有するものであって、電子写真方式により各色成分のトナー像を形成する複数の画像形成ユニット10(10Y、10M、10C、10K)を備えている。
【0010】
また本実施形態の画像形成装置100では、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)などを含んで構成され、画像形成装置100を構成する各装置および各部の動作を制御する制御部80が設けられている。また、表示パネルにより構成され、ユーザから受けた指示を制御部80に出力するとともに制御部80からの情報をユーザに提示するユーザインタフェース部(UI)90が設けられている。さらに、例えばパーソナルコンピュータ(PC)や画像読取装置(スキャナ)等から画像データ等を受信する受信部70が設けられている。
【0011】
また、画像形成装置100は、各画像形成ユニット10にて形成された各色成分トナー像が順次転写(一次転写)されるともにこのトナー像を保持する中間転写ベルト20と、中間転写ベルト20上のトナー像を矩形状に形成された用紙Pに一括転写(二次転写)する二次転写装置30とを備えている。
【0012】
また画像形成装置100には、二次転写装置30に向けて搬送される用紙Pが通過する第1用紙搬送経路R1、二次転写装置30を通過した後の用紙Pが通過する第2用紙搬送経路R2、定着装置50(後述)よりも下流側にて第2用紙搬送経路R2から分岐するとともに第1用紙搬送経路R1の下方まで延びる第3用紙搬送経路R3が設けられている。ここで第1用紙搬送経路R1〜第3用紙搬送経路R3では、用紙Pが有する4つの側辺のうちの互いに対向する関係の2つの側辺(一の側辺とこの一の側辺とは反対側に位置する他方の側辺)がこれらの用紙搬送経路に沿って移動するように用紙Pの搬送が行われる。
【0013】
また本実施形態では、第3用紙搬送経路R3から第1用紙搬送経路R1へ用紙Pを搬送するとともにこの用紙Pの表裏を反転して第1用紙搬送経路R1へこの用紙Pを供給する反転機構500が設けられている。付言すると、本実施形態には、第1用紙搬送経路R1における用紙搬送方向および第3用紙搬送経路R3における用紙搬送方向に沿う軸線を中心に用紙Pを反転させる反転機構500が設けられている。
【0014】
さらに本実施形態では、画像形成装置100の筐体101に、開口102が形成されている。ここで、第2用紙搬送経路R2に沿って搬送されてきた用紙Pは、この開口102を通じて筐体101の外部に排出され、不図示の用紙積載部上に積載される。なお筐体101に隣接させて処理装置(不図示)を設け、開口102から排出されてくる用紙Pに対し穴あけなどの処理をさらに行うこともできる。
【0015】
また画像形成装置100には、第1用紙搬送経路R1に用紙Pを供給する第1用紙供給装置410が設けられている。また、第1用紙供給装置410よりも用紙Pの搬送方向における上流側に設けられ、第1用紙搬送経路R1に用紙Pを供給する第2用紙供給装置420が設けられている。なお、第1用紙供給装置410および第2用紙供給装置420は同様に構成されており、第1用紙供給装置410および第2用紙供給装置420の各々には、用紙Pを収容する用紙収容部41、用紙収容部41に収容された用紙Pを取り出して搬送する取り出しロール42が設けられている。
【0016】
また、第1用紙搬送経路R1上であって二次転写装置30の上流側には、第1用紙搬送経路R1上の用紙Pを二次転写装置30に向けて搬送する第1搬送ロール44が設けられている。さらに、第1搬送ロール44に向けて用紙Pを搬送する第2搬送ロール45、第2搬送ロール45に向けて用紙Pを搬送する第3搬送ロール46、第3搬送ロール46に向けて用紙Pを搬送する第4搬送ロール47が設けられている。
【0017】
なお、第1搬送ロール44、第2搬送ロール45、第3搬送ロール46、および、第4搬送ロール47は、回転可能に設けられ互いに押し合う一対のロール状部材によって構成されるとともに、一方のロール状部材(本実施形態では図中下方に位置するロール状部材)が回転駆動されることで用紙Pの搬送を行う。またこれらの搬送ロールの他に、第1用紙搬送経路R1、第2用紙搬送経路R2、および、第3用紙搬送経路R3には、これらの用紙搬送経路上に位置する用紙Pを搬送する搬送ロール48が複数設けられている。
【0018】
また本実施形態では、第1用紙搬送経路R1の一方の側に、板状に形成され第1用紙搬送経路R1を搬送される用紙Pの案内を行う第1案内部材61が設けられている。また、第1用紙搬送経路R1を挟み第1案内部材61の対向位置には、同じく板状に形成され第1用紙搬送経路R1を搬送される用紙Pの案内を行う第2案内部材62が設けられている。ここで本実施形態では、第1案内部材61および第2案内部材62に開口が形成されており、第1搬送ロール44、第2搬送ロール45、第3搬送ロール46、および、第4搬送ロール47に設けられたロール状部材の一部がこの開口を通じて、第1用紙搬送経路R1側に露出するようになっている。
【0019】
また本実施形態では、第2搬送ロール45と第3搬送ロール46との間に、用紙Pの先端部が突き当てられる突き当て部材300が設けられている。本実施形態ではこの突き当て部材300に対して用紙Pの先端部が突き当てられることで、用紙Pのスキュー(搬送方向に対する用紙Pの傾き)が補正される。なおこの突き当て部材300は、用紙Pの先端部が突き当てられながら用紙Pの搬送方向下流側に向かって移動する。また突き当て部材300は、第2搬送ロール45に到達するとともに、この第2搬送ロール45の下流側まで移動する。また本実施形態では、突き当て部材300が第2搬送ロール45に到達することより、突き当て部材300から第2搬送ロール45へ用紙Pが受け渡される。
【0020】
なお、搬送機構の一例としての第2搬送ロール45は、図2(用紙Pの搬送方向上流側から第2搬送ロール45を眺めた場合の図)に示すように、第1用紙搬送経路R1における用紙搬送方向(図中紙面の奥行き方向)と直交(交差)する方向に沿って配置されるとともに並んで配置された2つの回転軸451,452と、一方の回転軸451に取り付けられこの一方の回転軸451とともに回転するロール状部材453と、他方の回転軸452に取り付けられこの他方の回転軸452とともに回転するロール状部材454とを有している。
【0021】
ここで、ロール状部材453とロール状部材454は、互いに接触配置された状態で設けられているとともに、第2搬送ロール45の軸方向における異なる位置に複数(複数組、本実施形態では4組)設けられている。また、回転軸451の軸方向において互いに隣接するロール状部材453間、および、回転軸452の軸方向において互いに隣接するロール状部材454間には、間隙Gが形成されている。
【0022】
ここで本実施形態における突き当て部材300は、第1用紙搬送経路R1側に位置する先端部が櫛歯状に形成されており(不図示)、この先端部に、第1用紙搬送経路R1上に突出する突出部(不図示)を複数有している。ここで複数設けられたこの突出部は、用紙Pの搬送方向と直交する方向において互いにずらされた状態で設けられており、これらの突出部に対して用紙Pの先端部が突き当たることで用紙Pのスキューが補正される。
【0023】
なお本実施形態では、第2搬送ロール45へ突き当て部材300が到達した際、上記突出部が、第2搬送ロール45に形成された間隙Gを通り、第2搬送ロール45の下流側まで移動する。そして突出部が間隙Gを通過する際に、突出部に突き当てられている用紙Pが第2搬送ロール45へ受け渡され、第2搬送ロール45による用紙Pの搬送が開始される。
【0024】
なお、突き当て部材300は、突出部が第2搬送ロール45の下流側まで移動した後に、第1用紙搬送経路R1から退避する。付言すると、突き当て部材300は、突出部が第2搬送ロール45の下流側まで移動した後、突出部が第1用紙搬送経路R1から外れるように変位する。その後、突き当て部材300は、用紙Pの搬送方向上流側へ戻るとともに、第1用紙搬送経路R1上に復帰する。付言すると、突出部が第1用紙搬送経路R1上に突出するように変位を行う。これにより新たに搬送されてくる用紙Pのスキュー補正が可能となる。
【0025】
図1を再び参照し画像形成装置100について更に説明する。
本実施形態では、第2用紙搬送経路R2上に、二次転写装置30により用紙P上に二次転写された画像をこの用紙Pに定着させる定着装置50が設けられている。さらに、二次転写装置30と定着装置50との間には、二次転写装置30を通過した用紙Pを定着装置50へ搬送する搬送装置51が設けられている。
【0026】
ここで搬送装置51は、周回移動するベルト51Aを有しており、このベルト51Aの上に用紙Pを載せて用紙Pの搬送を行う。また定着装置50には、内蔵されたヒータ(不図示)により加熱される加熱ロール50A、加熱ロール50Aを押圧する押圧ロール50Bが設けられている。そしてこの定着装置50では、加熱ロール50Aと押圧ロール50Bとの間を用紙Pが通過することで、用紙Pが加圧および加熱される。これにより用紙P上の画像が用紙Pに定着される。
【0027】
画像形成ユニット10の各々は、回転可能に取り付けられた感光体ドラム11を備えている。また、感光体ドラム11の周囲には、感光体ドラム11を帯電する帯電装置12、感光体ドラム11を露光して静電潜像を書き込む露光装置13、感光体ドラム11上の静電潜像をトナーにより可視像化する現像装置14が設けられている。さらに、感光体ドラム11上に形成された各色成分トナー像を中間転写ベルト20に転写する一次転写装置15、感光体ドラム11上の残留トナーを除去するドラム清掃装置16が設けられている。
【0028】
中間転写ベルト20は、3本のロール部材21〜23に掛け渡され、回転するように設けられている。これら3本のロール部材21〜23のうち、ロール部材22は、中間転写ベルト20を駆動するようになっている。また、ロール部材23は、中間転写ベルト20を挟んで二次転写ロール31に対向配置されており、これら二次転写ロール31およびロール部材23によって二次転写装置30が構成されている。なお、中間転写ベルト20を挟んでロール部材21と対向する位置には、中間転写ベルト20上の残留トナーを除去するベルト清掃装置24が設けられている。
【0029】
また、本実施形態の画像形成装置100では、第1用紙供給装置410等から供給された用紙Pの第1面に画像を形成することができるのに加え、用紙Pの第2面に画像を形成することができるようになっている。より具体的に説明すると、この画像形成装置100では、定着装置50を通過した用紙Pの表裏が反転機構500によって反転され、表裏が反転された用紙Pが再度二次転写装置30へと搬送される。そして二次転写装置30にて用紙Pの第2面に対して画像が転写される。その後、この用紙Pは定着装置50を再び通過し、転写されたこの画像は用紙Pに定着される。これにより、用紙Pの第1面のみならず第2面にも画像が形成されるようになる。
【0030】
ここで、反転機構500では、第3用紙搬送経路R3上の用紙Pが、図中紙面の奥側に向け一旦搬送される。その後、この用紙Pは、図中上方に向かって移動するように搬送された後に、第1用紙搬送経路R1側(図中紙面の手前側方向)に戻ってくる。これにより、用紙Pの表裏が反転される。付言すると、本実施形態における反転機構500では、用紙Pの搬送方向における先端部と後端部とが入れ替わることなく表裏の反転が行われる。その一方で本実施形態における反転機構500では、用紙の一方の側辺と他方の側辺とが入れ替わるように表裏の反転が行われる。
【0031】
図3は、図1の矢印III方向から第1用紙搬送経路R1を眺めた場合の図である。なお本図では、図1にて示した第1案内部材61の図示を省略している。
図3に示すように、本実施形態では、第1搬送ロール44の下流側に、第1用紙搬送経路R1に沿って搬送されてきた用紙Pの側辺を検知する第1側辺検知センサSK1および第2側辺検知センサSK2が設けられている。ここで、第1側辺検知センサSK1は、画像形成装置100の奥側(リア側)に配置されている。また、第2側辺検知センサSK2は、画像形成装置100の手前側(フロント側)に配置されている。
【0032】
ここで、第1側辺検知センサSK1および第2側辺検知センサSK2の各々には、複数個の受光素子40が用紙Pの搬送方向と直交する方向に並んだ状態で配置されている。そして本実施形態では、この受光素子40が並ぶ方向に沿って配列された複数のLED等の光源(不図示)からの照射光が用紙Pに照射されるとともに用紙Pからの反射光が受光素子40にて受光される。そして本実施形態では、受光素子40の各々にて得られる信号を2値化するとともに、2値化後の濃度レベルの変化点を用紙Pの側辺として検知する。
【0033】
また本実施形態では、用紙Pの搬送方向と直交(交差)する方向に沿った移動が可能なように第1搬送ロール44が設けられている。なお、本実施形態における第1搬送ロール44は、第1用紙搬送経路R1における用紙搬送方向と交差する方向である第2の方向に向けて記録材の一例である用紙Pを移動させる移動手段として機能している。また本実施形態では、第1搬送ロール44を移動させる移動機構200が設けられている。
【0034】
この移動機構200は、図4(移動機構200を説明するための図)に示すように、第1搬送ロール44の端部(第1搬送ロール44を構成する一対のロール状部材の端部)に取り付けられたラックギア210と、このラックギア210に噛み合うピニオンギア220と、このピニオンギア220を回転させるギアモータ230により構成されている。本実施形態では、このギアモータ230を正転および逆転することで、第1搬送ロール44が用紙Pの搬送方向と直交する方向に移動する。
【0035】
ここで本実施形態における画像形成装置100では、突き当て部材300によるスキュー補正や機械誤差などによって、用紙Pの搬送方向と直交する方向に用紙Pがずれた状態で用紙Pが搬送される場合がある。この場合、ユーザが意図した箇所とは異なる箇所に画像が形成されるおそれがある。付言すると、上記直交する方向において、予め定められた箇所からずれた箇所に画像が形成されるおそれがある。
【0036】
このため本実施形態では、第1側辺検知センサSK1又は第2側辺検知センサSK2を用いて用紙Pの位置(用紙Pの側辺の位置)を検知した後、この検知結果に基づき、第1搬送ロール44を軸方向に移動させる。これにより、用紙Pの搬送方向と直交する方向においてずれた状態で搬送されてきた用紙Pがこの直交する方向に移動する。付言すると、本実施形態では、用紙Pを挟んだ状態の第1搬送ロール44を軸方向に移動させることで、用紙Pの搬送方向と直交する方向に用紙Pを移動させる。
【0037】
これにより、第1用紙搬送経路R1上の予め定められた箇所を用紙Pが通過するようになり、ユーザの意図した箇所に画像が形成されるようになる。付言すると、第1搬送ロール44を軸方向に移動させることで、用紙Pにおける画像の形成位置が変更され、ユーザの意図していた箇所に画像が形成されるようになる。
【0038】
なお、第1搬送ロール44の軸方向への移動によって用紙Pが移動する際に、第1搬送ロール44よりも上流側に位置する第2搬送ロール45(図1参照)によって用紙Pがニップされていると用紙Pの破損などを招く恐れがある。このため、本実施形態では、第1搬送ロール44によって用紙Pがニップされた後、第2搬送ロール45の一方のロール状部材(従動側のロール状部材)を他方のロール状部材(駆動側のロール状部材)から離間させる。なお、この離間を行う離間機構は、カムやモータなど既存の技術により構成される。
【0039】
ここで、本実施形態では、上記のとおり、第1案内部材61や第2案内部材62に、第1搬送ロール44〜第4搬送ロール47を第1用紙搬送経路R1側に露出させるための開口が形成されている。また、上記では説明を省略したが、本実施形態では、用紙Pの到達を検知するためのセンサが第1案内部材61や第2案内部材62の裏面側(第1用紙搬送経路R1とは反対側)に設けられるとともに、このセンサによる検知を可能とするために、第1案内部材61および第2案内部材62に開口が形成されている。
【0040】
ところで、第1案内部材61や第2案内部材62に開口が形成されていると、第1搬送ロール44によって用紙Pが上記直交する方向に移動する際に、用紙Pの角部や側辺が、開口の縁部に引っ掛かり用紙Pの破損などを招くおそれがある。
【0041】
例えば、図5(開口を用紙Pが通過する際の用紙Pの動きを示した図である)の(B)、(C)に示すような開口63が第2案内部材62に形成されている場合、開口63の縁部64に対し、用紙Pの角部PK(搬送方向上流側に位置する角部)が引っ掛かり、用紙Pの破損などを招くおそれがある。付言すると、用紙Pにカールなどが生じていると、用紙Pの角部PKが開口63に入り込むとともに、この開口63から角部PKが出ようとする。この際に、この角部PKが、開口63の縁部64に引っ掛かり、用紙Pに破損などが生じるおそれがある。
【0042】
このため本実施形態における開口63は、図5(A)に示す形状としている。
ここで本実施形態における開口63は、三角形状に形成されている。このため本実施形態における開口63の縁部64は、第1部位641〜第3部位643を有している。ここで、第1部位641は、用紙Pの搬送方向に沿って形成されている。また第2部位642は、用紙Pの搬送方向上流側にて第1部位641に接続されるとともに用紙Pの搬送方向下流側に向かうに従い用紙Pが位置する側から離れるように形成されている。また、第3部位643は、用紙Pの搬送方向上流側にて第2部位642に接続されるとともに用紙Pの搬送方向下流側に向かうに従い用紙Pが位置する側に近づくように形成されている。
【0043】
ここで、図5(A)を参照し用紙Pについて説明すると、この用紙Pは、矩形状に形成されており、第1側辺P1と、この第1側辺P1とは反対側に位置する第2側辺P2と、第1側辺P1と第2側辺P2とを結ぶ第3側辺P3および第4側辺P4を有している。なお図5(A)では、第1側辺P1を先頭として第2側辺P2を後端として、用紙Pが搬送される場合を例示している。またこの用紙Pは、4隅に角部PKを有している。付言すると、本実施形態では、用紙Pのうち、第1側辺P1と第3側辺P3とが交わる箇所、第3側辺P3と第2側辺P2とが交わる箇所、第2側辺P2と第4側辺P4とが交わる箇所、および、第4側辺P4と第1側辺P1とが交わる箇所に、角部PKが設けられている。
【0044】
ここで本実施形態では、第1搬送ロール44の軸方向への移動によって用紙Pが移動する際にこの用紙Pの角部PKが開口63を通過する。より具体的に説明すると、図5(A)に示す例では、第3側辺P3が先頭となり第4側辺P4が後端となって用紙Pが開口63に接近するように移動するが、この際に、用紙Pの角部PKが開口63を通過する。さらに説明すると、第3側辺P3と第2側辺P2とが交わる箇所に形成された角部PKが、開口63に対峙する領域を通過する。またこの通過が行われる際、本実施形態では、図5(A)の破線Aに示すように、角部PKが、縁部64のうちの第2部位642を通過するとともに、その後、縁部64のうちの第3部位643を通過する。
【0045】
ところで、上記にて説明したように用紙Pにカールが生じていると、上記角部PKが開口63内に進入するとともに、開口63からこの角部PKが出る際に、第3部位643に対して角部PKが接触する。ところで本実施形態における第3部位643は、用紙Pの搬送方向における上流側から下流側に向かうように形成されるとともに、上流側から下流側へ進行するに従い、用紙Pの移動方向(第1搬送ロール44の軸方向への移動により用紙Pが移動する際の移動方向)とは反対方向に向かう。付言すると、本実施形態では、用紙Pが第1搬送ロール44の軸方向への移動によって図中矢印5A方向に向かう一方で、第3部位643は、上流側から下流側へ進行するに従い矢印5B方向(矢印5A方向とは反対方向)に向かう。
【0046】
このように形成されている場合、角部PKが第3部位643を通過する際に、用紙Pのうちの角部PKよりも先行している部位(図5(A)の符号5Cに示す部位)が第2案内部材62に載っている状態となり、角部PKが第3部位643を通過する際に、この角部PKが上記先行している部位によって引き上げられる。これにより、角部PKが第3部位643に引っ掛かりにくくなる。なお、図5(A)は、角部PKの移動軌跡の一例を示しており、用紙Pのずれ量によっては例えば破線Bで示す移動軌跡で角部PKが移動する。なお本実施形態では、この破線Bで示す移動軌跡上を角部PKが移動していく場合であっても、角部PKが第3部位643を通過するようになっている。
【0047】
なお上記では、用紙Pの後端部側に位置する角部PKの通過領域に形成された開口63について説明したが、用紙Pの先端側に位置する角部PKの通過領域に形成される開口63は、図6(用紙Pの先端側に位置する角部の通過領域に形成された開口を示した図)のように形成される。
【0048】
図6に示す開口63は、ひし形状に形成されている。ここで、開口63を取り囲む縁部64は、上流側から下流側に向かって延びるにように形成されるとともに上流側から下流側に向かって進むに従い用紙Pが位置する側に接近する第1縁部645、上流側から下流側に向かって延びるにように形成されるとともに上流側から下流側に向かって進むに従い用紙Pが位置する側から離れる第2縁部646を有している。また、縁部64は、第1縁部645に接続され上流側から下流側に向かって延びるように形成されるとともに上流側から下流側に向かって進むに従い用紙Pが位置する側から離れる第3縁部647、第2縁部646に接続され上流側から下流側に向かって延びるように形成されるとともに上流側から下流側に向かって進むに従い用紙Pが位置する側に接近する第4縁部648を有している。
【0049】
ここで、図6に示す構成例でも、角部PK(ここでは先端側の角部PK)が開口63に対峙する領域を通過する際に、角部PKが縁部64を2回通過する。具体的には、角部PKは、まず第1縁部645を通過し、次いで第2縁部646を通過する。
ここで本実施形態では、角部PKの2回目の通過が行われる第2縁部646が、用紙Pの搬送方向における上流側から下流側に向かうように形成されるとともに、上流側から下流側へ進行するに従い、用紙Pの移動方向(第1搬送ロール44の軸方向への移動により用紙Pが移動する際の移動方向)に向かう。付言すると、本実施形態では、用紙Pが第1搬送ロール44の軸方向への移動によって図中矢印6A方向に向かうが、第2縁部646も、上流側から下流側へ進行するに従い矢印6A方向に向かう。
【0050】
第2縁部646が上記のように形成されている場合、角部PKが第2縁部646を通過する際に、用紙Pのうちの角部PKに後続している部位(符号6Eに示す部位)が第2案内部材62の上に載った状態となり、角部PKが第2縁部646を通過する際に、角部PKがこの後続している部位によって上方に引き上げられる。これにより、用紙Pのカールなどによって角部PKが開口63内に入り込んでいても、角部PKが第2縁部646に引っ掛かりにくくなる。なお、上記と同様、図6に示す破線Aは、角部PKの移動軌跡の一例を示したものであり、用紙Pのずれ量などによっては例えば破線Bで示す移動軌跡で角部PKは移動していく。
【0051】
図7は、開口63の比較例を示した図である。
ここで例えば同図(A)に示すように、角部PKが2回目に通過する開口63の縁部64が用紙Pの搬送方向に沿って形成されている場合、角部PKがこの縁部64を通過する際に、角部PKに後続している部位(符号7Aに示す部位)も、開口63に入り込んだ状態が生じる。そしてこの場合、角部PKの上方への引き上げがなされなくなり、角部PK(第3側辺P3)が縁部64に引っ掛かり、用紙Pの破損が生じやすくなる。
【0052】
また、同図(B)に示すように、角部PKが2回目に通過する開口63の縁部64が、用紙Pの搬送方向上流側から搬送方向下流側に向かうに従い用紙Pの移動方向(第1搬送ロール44の軸方向への移動により用紙Pが移動する際の移動方向)とは反対方向に向かう場合も、角部PKの上方への引き上げがなされなくなり用紙Pの破損が生じやすくなる。
【0053】
なお上記では、用紙Pの角部PKが開口63の縁部64に引っ掛かる場合を説明したが、第1搬送ロール44の軸方向への移動によって用紙Pが搬送方向と直交する方向に移動する際に、図8(第1用紙搬送経路R1の上方から二次転写装置30等を眺めた場合の図)の(A)に示すように、用紙Pの第4側辺P4が、第2搬送ロール45のロール状部材453の端面やロール状部材454(図2参照)の端面に引っ掛かり、上記と同様、用紙Pの破損などを招くおそれがある。
【0054】
このため本実施形態では、図2に示すように、用紙Pの側辺(第3側辺P3、第4側辺P4)が突き当たる可能性のある2つのロール状部材453,454(軸方向に並んで設けられた4つのロール状部材453,454のうちの両端に位置する2つのロール状部材453,454)の角部に面取りを施している。付言すると、2つのロール状部材453,454の角部にテーパが付されている。
【0055】
より具体的に説明すると、円柱状部材の一例としてのロール状部材453,454の各々は、第1用紙搬送経路R1上の用紙Pに接触する外周面201を有するとともに、軸方向における両端部に端面202を有している。そして本実施形態における、上記2つのロール状部材453,454では、端面202と外周面201とが交わる箇所に、この端面202および外周面201の両者と交差する斜面203が形成されている。このように斜面203が形成されている場合、第1搬送ロール44の軸方向への移動によって用紙Pが搬送方向と直交する方向に移動する際、この斜面203によって用紙Pが案内され、端面202への用紙Pの突き当たりが起きにくくなる。
【0056】
なお本実施形態では、ロール状部材453,454の軸方向おける両端に斜面203が形成された場合を一例に説明したが、両端ではなく一方の端部側にのみ設けることもできる。付言すると、第1搬送ロール44の軸方向への移動によって用紙Pが移動する際の移動方向における上流側に位置する一方の端面202が位置する側にのみ斜面203を形成することができる。さらに説明すると、ロール状部材453,454に設けられた2つの端面202のうち、用紙Pの突き当たりが生じうる用紙Pの移動方向上流側に位置する端面202と、外周面201とが交わる箇所にのみ斜面203を形成することができる。
【0057】
なお上記では、軸方向に並んで設けられた4つのロール状部材453,454のうちの両端に位置する2つのロール状部材453,454に斜面203を形成した場合を説明したが、4つのロール状部材453,454のうちの中央に位置する2つのロール状部材453,454に対しても斜面203を形成することができる。
【0058】
なお、第1搬送ロール44の軸方向への移動によって用紙Pが移動される際、第2搬送ロール45を回転駆動させておくことが好ましい。より具体的に説明すると、本実施形態では、第1搬送ロール44によって用紙Pが移動される際、第2搬送ロール45の従動側のロール状部材が駆動側のロール状部材から離間する構成となっているが、第1搬送ロール44の軸方向への移動によって用紙Pが移動される際には、この駆動側のロール従部材を回転駆動させておくことが好ましい。ここでこのように回転駆動を行った場合、上記斜面203に接触した用紙Pが、回転を行わない場合に比べより円滑に移動するようになる。付言すると、用紙Pの側辺が斜面203上をより円滑に移動するようになる。
【0059】
また、用紙Pのサイズによって、軸方向へ第1搬送ロール44を移動させる際の移動開始タイミングを変更することもできる。
例えば、図8(B)のように、用紙Pが短く、用紙Pの後端が第2搬送ロール45を通過した際に、この用紙Pの先端が二次転写装置30に達しない場合、第2搬送ロール45を用紙Pの後端が通過した後に、第1搬送ロール44の移動を開始することができる。付言すると、本実施形態では、用紙Pの先端(第1側辺P1)が予め定められた箇所に達した際に、第1搬送ロール44の軸方向への移動を開始する構成となっているが、用紙Pの長さが短い場合には、この予め定められた箇所よりも下流側へ用紙Pの先端が達した際に、第1搬送ロール44の移動を開始することができる。
【0060】
ここで、用紙Pの後端が第2搬送ロール45を通過した後に、第1搬送ロール44の移動を開始する場合は、第2搬送ロール45に形成された上記端面202(図2参照)に対して、用紙Pの側辺が突き当たることを防止できる。
【0061】
なお、図8(A)に示すように用紙Pが長い場合、用紙Pの後端が第2搬送ロール45を通過した際、この用紙Pの先端が既に二次転写装置30に達した状態となり、第2搬送ロール45を用紙Pの後端が通過した後の第1搬送ロール44の移動は行なえなくなる。この場合は、上記予め定められた箇所に用紙Pの先端が達した際に、第1搬送ロール44の移動が開始される。付言すると、図8(B)における用紙Pの先端の位置よりも上流側に用紙Pの先端が位置する際に、第1搬送ロール44の移動が開始される。なお、予め定められた箇所に用紙Pが達したか否かは不図示のセンサによって検知される。また用紙Pの長さは、UI90を通じてユーザにより入力される情報や、不図示のPCから画像情報とともに送信されてくる情報に基づき、制御部80にて把握される。
【0062】
なお上記では説明を省略したが、第1案内部材61(図1参照)に形成された開口も、第2案内部材62に形成された開口63と同様の形状を有している。用紙Pのカールの向きによっては、第1案内部材61に形成された開口に用紙Pの角部PKが入り込む場合が生じるが、第1案内部材61に形成された開口が第2案内部材62に形成された開口63と同様に形成されている場合、第1案内部材61側における用紙Pの引っ掛かりも生じにくくなる。
また、上記では画像形成装置100を一例に説明したが、上記にて説明した構成は、画像形成装置100以外にも適用することができる。例えば、用紙Pに対して、ステープル綴じなどの綴じ処理、穴開け加工、エンボス加工などの処理を行う処理装置にも適用することができる。
【符号の説明】
【0063】
44…第1搬送ロール、45…第2搬送ロール、62…第2案内部材、63…開口、64…縁部、451,452…回転軸、453,454…ロール状部材、201…外周面、202…端面、203…斜面、P…用紙、P1…第1側辺、P2…第2側辺、P3…第3側辺、P4…第4側辺、PK…角部、R1…第1用紙搬送経路

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の側辺と当該第1の側辺とは反対側に位置する第2の側辺と当該第1の側辺と当該第2の側辺とを結ぶ第3の側辺および第4の側辺を有するとともに当該第2の側辺と当該第3の側辺とが交わる箇所に角部を有した矩形状の記録材が、当該第1の側辺を先頭として当該第2の側辺を後端として第1の方向に搬送される搬送経路と、
前記搬送経路に面する側に開口が形成され、当該搬送経路を搬送される前記記録材を案内する案内部材と、
前記案内部材により案内されながら前記搬送経路上を前記第1の方向へ搬送される記録材を、当該記録材の前記第3の側辺を先頭として前記第4の側辺を後端として、当該第1の方向と交差する方向である第2の方向に向けて移動させる移動手段と、
を備え、
前記移動手段によって前記記録材が前記第2の方向へ移動する際、前記案内部材に形成された前記開口に対峙する領域を、当該記録材の前記角部が通過するとともに、当該通過に際し、当該開口を取り囲むように形成された当該開口の縁部を当該角部が2回通過し、
前記開口を取り囲むように形成された前記縁部のうちの前記角部の2回目の通過が行われる部位は、前記第1の方向における上流側から下流側に向かうように形成されるとともに、当該上流側から当該下流側へ進行するに従い前記第2の方向とは反対方向に向かうように形成されていることを特徴とする記録材搬送装置。
【請求項2】
前記第1の方向において前記移動手段よりも記録材の搬送方向上流側には、当該移動手段に向けて記録材を搬送する搬送機構が設けられ、
前記搬送機構は、
前記第1の方向と交差する方向に沿って設けられた回転軸と、
前記回転軸の軸方向において互いに異なる位置に配置されるとともに当該回転軸に取り付けられ、前記搬送経路上の前記記録材に外周面を接触させて当該記録材を前記移動手段に向けて移動させるとともに両端部に端面を有した複数の円柱状部材と、
を有し、
前記搬送機構に設けられた複数の前記円柱状部材のうちの、前記第2の方向への記録材の前記移動によって記録材が接触する円柱状部材には、当該第2の方向において上流側に位置する一方の前記端面と、前記外周面とが交わる箇所に、当該端面および当該外周面の両者と交差する斜面が形成されていることを特徴とする請求項1記載の記録材搬送装置。
【請求項3】
前記移動手段によって前記第2の方向へ記録材が移動される際、前記回転軸が回転駆動されることを特徴とする請求項2記載の記録材搬送装置。
【請求項4】
第1の側辺と当該第1の側辺とは反対側に位置する第2の側辺と当該第1の側辺と当該第2の側辺とを結ぶ第3の側辺および第4の側辺を有するとともに当該第1の側辺と当該第3の側辺とが交わる箇所に角部を有した矩形状の記録材が、当該第1の側辺を先頭として当該第2の側辺を後端として第1の方向に搬送される搬送経路と、
前記搬送経路に面する側に開口が形成され、当該搬送経路を搬送される前記記録材を案内する案内部材と、
前記案内部材により案内されながら前記搬送経路上を前記第1の方向へ搬送される記録材を、当該記録材の前記第3の側辺を先頭として前記第4の側辺を後端として、当該第1の方向と交差する方向である第2の方向に向けて移動させる移動手段と、
を備え、
前記移動手段によって前記記録材が前記第2の方向へ移動する際、前記案内部材に形成された前記開口に対峙する領域を、当該記録材の前記角部が通過するとともに、当該通過に際し、当該開口を取り囲むように形成された当該開口の縁部を当該角部が2回通過し、
前記開口を取り囲むように形成された前記縁部のうちの前記角部の2回目の通過が行われる部位は、前記第1の方向における上流側から下流側に向かうように形成されるとともに、当該上流側から当該下流側へ進行するに従い前記第2の方向に向かうように形成されていることを特徴とする記録材搬送装置。
【請求項5】
前記移動手段は、前記搬送経路を搬送される記録材の前記第1の方向における長さが予め定められた長さよりも長い場合、前記第1の側辺が予め定められた箇所に達した際に前記第2の方向への記録材の移動を行い、当該搬送経路を搬送される記録材の当該第1の方向における長さが当該予め定められた長さよりも短い場合、当該予め定められた箇所よりも当該第1の方向における下流側に当該第1の側辺が達した際に、当該第2の方向への記録材の移動を行うことを特徴とする請求項4記載の記録材搬送装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2012−254874(P2012−254874A)
【公開日】平成24年12月27日(2012.12.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−129563(P2011−129563)
【出願日】平成23年6月9日(2011.6.9)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】