記録紙の印刷方法および両面印刷装置
【課題】単一の印刷ヘッドを用いた小型で廉価な構成により、長尺状の記録紙に対して両面印刷を行い得る両面印刷装置を提供する。
【解決手段】両面印刷装置１では、第１紙送り経路６に沿って印刷ヘッド１１による印刷位置１１Ａを経由させて記録紙４を搬送してその表面に印刷を施す。印刷後の所定長さに切断した記録紙を先端から回収して巻き取り芯１８に巻き取る。巻き取った記録紙４Ａをその後端から引き出して第２紙送り経路２２から第１紙送り経路６に送り込み、再び印刷位置１１Ａを経由させて搬送して、その裏面に印刷を施す。印刷後の所定長さに切断した記録紙を巻き取り、その後端から引き出すことにより、単一の印刷ヘッド１１を用いて記録紙の両面に印刷を行うことができる。
【解決手段】両面印刷装置１では、第１紙送り経路６に沿って印刷ヘッド１１による印刷位置１１Ａを経由させて記録紙４を搬送してその表面に印刷を施す。印刷後の所定長さに切断した記録紙を先端から回収して巻き取り芯１８に巻き取る。巻き取った記録紙４Ａをその後端から引き出して第２紙送り経路２２から第１紙送り経路６に送り込み、再び印刷位置１１Ａを経由させて搬送して、その裏面に印刷を施す。印刷後の所定長さに切断した記録紙を巻き取り、その後端から引き出すことにより、単一の印刷ヘッド１１を用いて記録紙の両面に印刷を行うことができる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【０００１】
本発明は、ロール紙から繰り出される連続紙などの長尺状の記録紙に印刷を行う印刷方法に関し、特に、単一の印刷ヘッドを用いて、記録紙の表裏の双方に印刷を施す両面印刷および記録紙の表裏のいずれか一方に印刷を施す片面印刷を行うことのできる記録紙の印刷方法および両面印刷装置に関する。
【背景技術】
【０００２】
従来から、インクジェットプリンター、レーザープリンターを用いて、Ａ４サイズのカット紙などのような規定サイズの記録紙に両面印刷を行う方法は広く知られている。これに対して、ロール紙から繰り出される連続紙などのような長尺状の記録紙に両面印刷を施す方法としては、記録紙搬送路の両側に配置した複数の印刷ヘッドを用いて記録紙に両面印刷を施す方法が知られているのみである。かかる方法を用いた両面印刷装置は特許文献１に開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【０００３】
【特許文献１】特開２００６−１８８０６８号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【０００４】
ここで、ロール紙などの連続紙としては、両面が未印刷状態のもの、片面に広告情報などが印刷されたものなどがある。したがって、連続紙の印刷形態としては、その一方の面に広告情報などを印刷し、他方の面に入出金情報等を印刷する場合、予め一方の面に広告情報などの情報が印刷されている連続紙の他方の面に入出金情報、チケット情報などを印刷する場合、予め広告情報などが印刷されている面に入出金情報、チケット情報などの情報を印刷して発行する場合など、各種の場合がある。
【０００５】
このような印刷形態を実現するためには、上記の特許文献に開示されているような記録紙搬送路の両側に配置した複数の印刷ヘッドを備えた両面印刷装置を用いればよい。しかしながら、印刷装置に複数の印刷ヘッドを搭載すると、寸法の増加およびコスト高を招く。大型の印刷装置の場合や高速印刷が要求される場合には複数の印刷ヘッドを備えていることが望ましいが、ＰＯＳ端末に接続して用いられるレシート、ジャーナル発行用のロール紙プリンターなどにおいては、装置の小型化、低コスト化が強く要求されており、単一の印刷ヘッドを用いた小型で廉価な装置構成によって、各種の印刷形態に対応できることが望ましい。
【０００６】
本発明の課題は、このような点に鑑みて、単一の印刷ヘッドを用いた小型で廉価な構成により、連続紙などの長尺状の記録紙に対して両面印刷、片面印刷を行うことのできる記録紙の印刷方法を提案することにある。また、本発明の課題は、かかる新たな記録紙の印刷方法により印刷を行う両面印刷装置を提案することにある。
【課題を解決するための手段】
【０００７】
上記の課題を解決するために、本発明の記録紙の印刷方法は、
印刷ヘッドによる印刷位置を経由する搬送経路に沿って所定長さの記録紙を搬送する第１紙送り工程と、
前記第１紙送り工程において搬送されて前記印刷位置を通過した後の前記記録紙を回収してその先端側から巻き取る巻き取り工程と、
巻き取られた後の前記記録紙を巻き取り方向とは逆方向に回転させて、当該記録紙をその後端側から引き出して前記印刷位置を経由させて搬送する第２紙送り工程と、
前記第１紙送り工程および前記第２紙送り工程における少なくとも一方の工程において、前記印刷位置を通過する前記記録紙に前記印刷ヘッドにより印刷を施す印刷工程とを有し、
前記第１紙送り工程では、前記記録紙を、その第１面に前記印刷ヘッドにより印刷可能な状態で搬送し、前記第２紙送り工程では、前記記録紙が、前記第１面とは反対側の第２面に前記印刷ヘッドにより印刷可能な状態で搬送されることを特徴としている。
【０００８】
本発明の方法では、印刷位置を経由させて記録紙を搬送する第１紙送り工程において、当該記録紙の第１面に印刷を施すことができる。また、第１紙送り工程において印刷位置を経由して搬送される記録紙はその先端側から巻き取られる。巻き取られた記録紙は、その後端側から引き出されて印刷位置を経由して搬送される第２紙送り工程においては、その第２面が印刷ヘッドの側を向いているので、当該第２面に印刷を施すことができる。よって、双方の紙送り工程において印刷を施すことにより記録紙の両面印刷を行うことができ、第１紙送り工程においてのみ印刷を施すことにより記録紙の第１面にのみ印刷が施された片面印刷を行うことができ、第２紙送り工程においてのみ印刷を施すことにより記録紙の第２面にのみ印刷が施された片面印刷を行うことができる。
【０００９】
両面印刷においては、一方の面に広告などの情報を印刷し、他方の面に入出金情報などを印刷することができる。片面印刷においては、予め一方の面に広告情報などの情報が印刷されている記録紙に対して、同一面あるいは他方の面に入出金情報などを印刷することができる。例えば、第１面に広告情報が印刷されている記録紙を印刷することなく巻き取り、巻き取った後に当該記録紙を後端から引き出して搬送する第２紙送り工程において第２面に入出金情報などの情報を印刷して、レシート、ジャーナルとして発行することができる。したがって、単一の印刷ヘッドを用いて、未印刷あるいは既印刷の記録紙に対して、両面印刷および片面印刷を施すことができる。
【００１０】
さらに、第１紙送り工程および第２紙送り工程のいずれにおいても、記録紙は同一の側から印刷位置を経由して搬送される。例えば、カラー印刷用のラインインクジェットヘッドが備わっている場合などにおいては、各色のインクノズル列に対して同一方向から記録紙が搬送されるので、各色のインクノズル列による印刷シーケンスが第１、第２紙送り工程において同一のままでよく、印刷動作制御の複雑化を回避できる。
【００１１】
ここで、ロール紙等から繰り出される連続紙に印刷を行う場合には、当該連続紙をその先端から所定の長さの部位で切断して所定長さの前記記録紙を得る第１切断工程を有していることが望ましい。このようにすれば、必要分の長さの記録紙に対して、両面印刷、片面印刷を行うことができる。
【００１２】
また、本発明の印刷方法を、ＰＯＳ端末用のレシート発行用のプリンター、ジャーナル発行用のプリンターに採用する場合には、前記第２紙送り工程において前記印刷位置を経由した後の前記記録紙を所定の長さに切断して、レシート、ジャーナルなどの記録紙片を作成する第２切断工程を有していることが望ましい。
【００１３】
さらに、本発明の方法では第１紙送り工程において印刷位置を経由して搬送された記録紙を巻き取るようにしている。巻き取られた状態の記録紙を引き出すと、巻き癖が付いたまま記録紙が搬送されて紙詰まりしやすい。これを回避するためには、前記第２紙送り工程において、巻き取られた状態における湾曲方向とは逆方向に湾曲させながら、巻き取り状態の前記記録紙を引き出すことが望ましい。このように、逆方向に湾曲させながら引き出すことにより記録紙の巻き癖を取り除くことができるので、巻き癖に起因する紙詰まりなどの弊害を防止できる。
【００１４】
本発明の印刷方法において両面印刷が行われる典型的な場合は、前記第１紙送り工程において前記印刷位置に向けて搬送される前記記録紙が、前記第１面および前記第２面が共に未印刷面の場合であり、前記第１紙送り工程および前記第２紙送り工程においてそれぞれ記録紙に印刷が施される。
【００１５】
次に、本発明は上記の印刷方法により記録紙に印刷を行うことのできる両面印刷装置であって、
印刷ヘッドと、
前記印刷ヘッドによる印刷位置を経由させて排出口に向けて記録紙を案内する第１紙送り経路と、
前記記録紙をその先端側から巻き取り可能であり、巻き取られた前記記録紙をその後端側から繰り出し可能な巻き取り・繰り出し部と、
前記第１紙送り経路における前記印刷位置の下流側の分岐点から前記記録紙を前記巻き取り・繰り出し部に案内する紙回収経路と、
前記分岐点において前記記録紙を前記排出口および前記紙回収経路に選択的に案内する搬送切替部と、
前記巻き取り・繰り出し部から繰り出される前記記録紙を前記第１紙送り経路における前記印刷位置の上流側の合流点に案内する第２紙送り経路と、
前記第１紙送り経路、前記第２紙送り経路および前記紙回収経路に沿って前記記録紙を搬送する紙送り機構と、
前記印刷ヘッド、前記紙送り機構、前記搬送切替部および前記巻き取り・繰り出し部の駆動を制御する駆動制御部とを有していることを特徴としている。
【００１６】
ここで、必要長さ分の記録紙に印刷を行う場合には、連続紙をその先端から所定の長さの部位で切断して前記記録紙を得るための第１カッターを、前記第１紙送り経路における前記合流点よりも上流側の部位に配置しておけばよい。
【００１７】
また、レシート、ジャーナル、チケットなどを発行する場合等においては、前記印刷位置を経由した後の前記記録紙を所定の長さに切断して記録紙片を作成する第２カッターを、前記第１紙送り経路における前記分岐点よりも下流側の部位に配置しておけばよい。
【００１８】
さらに、巻き取られた記録紙の巻き癖を取り除くためには、前記巻き取り・繰り出し部は、巻き取られた状態における湾曲方向とは逆方向に湾曲させながら、巻き取り状態の前記記録紙を引き出すガイド爪を配置しておけばよい。
【００１９】
この場合、一巻き未満の状態で巻き取られる短い記録紙を引き出す場合などにおいては、前記巻き取り・繰り出し部に前記記録紙が巻き取られる円形外周面を備えた巻き取り芯を配置し、前記円形外周面には円周方向に延びる凹部を形成し、前記ガイド爪の一部を凹部に入り込ませておくことが望ましい。このようにすれば、ガイド爪によって、巻き取り芯の円形外周面に巻き付けられた記録紙の後端を確実にすくい上げて引き出すことができる。
【００２０】
次に、本発明をロール紙プリンターに適用する場合には、ロール紙収納部を配置し、ここに収納したロール紙から繰り出される記録紙を前記第１紙送り経路に沿って前記印刷位置を経由して搬送すればよい。
【発明の効果】
【００２１】
本発明では、印刷ヘッドによる印刷位置を経由させて記録紙を搬送することにより、その第１面に印刷を施すことができる。また、印刷位置を経由した後の当該記録紙を先端側から回収して巻き取り、巻き取られた記録紙をその後端から引き出して再び印刷位置を経由させて搬送することにより、その第２面に印刷を施すことができる。このように、記録紙を巻き取り、その後端から引き出すことにより、単一の印刷ヘッドを用いて記録紙の両面に印刷を行うことができ、記録紙の表裏の一方の面に対する片面印刷も行うことができる。よって、本発明によれば、単一の印刷ヘッドを用いて両面印刷および片面印刷を行うことのできる小型で廉価な印刷方法および印刷装置を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【００２２】
【図１】本発明を適用した両面印刷装置を示す概略構成図である。
【図２】両面印刷装置の第１紙送り工程等を示す説明図である。
【図３】両面印刷装置の第１切断工程、巻き取り工程等を示す説明図である。
【図４】両面印刷装置の第２紙送り工程、印刷工程を示す説明図である。
【図５】段差付き巻き取り芯の例を示す説明図である。
【図６】本発明の両面印刷装置の別の例を示す概略構成図である。
【発明を実施するための形態】
【００２３】
以下に、図面を参照して本発明を適用した両面印刷装置の実施の形態を説明する。
【００２４】
（全体構成）
図１は本実施の形態に係る両面印刷装置の概略構成図である。両面印刷装置１は、装置ケース２の内部に形成されたロール紙収納部３を備えており、ここには連続紙である記録紙４が巻き取られた構成のロール紙５が収納される。ロール紙収納部３のロール紙５から繰り出される記録紙４は、第１紙送り経路６に沿って、装置ケース２に形成されている記録紙排出口７に向けて案内される。第１紙送り経路６は不図示の複数の紙ガイドによって規定される経路であり、図１においては太い実線で示してある。この第１紙送り経路６には、その上流側のロール紙収納部３からその下流側の記録紙排出口７に向けて、上流側紙送りローラー対８、第１カッター９、下流側紙送りローラー対１０、印刷ヘッド１１、排紙ローラー１２および第２カッター１３が配置されている。
【００２５】
印刷ヘッド１１は、例えば、第１紙送り経路６の幅方向の全幅に亘る長さのノズル列を備えたインクジェットラインヘッドである。インクジェットラインヘッド以外の印刷ヘッド、例えば、ドットインパクトヘッドなどを用いることもでき、シリアル型の印刷ヘッドを用いることも可能である。また、記録紙に両面の感熱処理がしてあれば、サーマルラインヘッドでも良い。第１紙送り経路６における排紙ローラー１２と第２カッター１３の間には分岐点１４が形成されている。分岐点１４には搬送方向切替爪１５が配置されている。
【００２６】
搬送方向切替爪１５が図１の実線で示す第１位置１５Ａに位置している場合には、印刷ヘッド１１の印刷位置１１Ａを通り過ぎた記録紙４は搬送方向切替爪１５の第１案内面１５ａに沿ってそのまま第１紙送り経路６に沿って記録紙排出口７に向けて案内される。搬送方向切替爪１５が図１の想像線で示す第２位置１５Ｂに切り替わると、印刷位置１１Ａを通り過ぎた後の記録紙４の先端は、排紙ローラー１２に沿って、搬送方向切替爪１５の第２案内面１５ｂによって分岐点１４から紙回収経路１６の側に分岐させられる。
【００２７】
紙回収経路１６は図１において太い破線で示してあり、分岐点１４から巻き取り・繰り出し部１７に至る経路である。巻き取り・繰り出し部１７は円形外周面１８ａを備えた巻き取り芯１８を備えており、この巻き取り芯１８は転動可能な状態で下側から一対のガイドローラー１９ａ、１９ｂによって支持されている。巻き取り芯１８の円形外周面１８ａには、巻き取り・繰り出しローラー２０が所定の付勢力で押し付けられている。紙回収経路１６に案内されて巻き取り・繰り出し部１７に至った記録紙４は、巻き取り・繰り出しローラー２０によって巻き取り芯１８を反時計回り方向ＣＣＷに回転させることにより、巻き取り芯１８の円形外周面１８ａに巻き付けられる。
【００２８】
ここで、巻き取り芯１８の外周側において、巻き取り・繰り出しローラー２０に対して時計回り方向ＣＷに所定角度離れた位置には、巻き取られた記録紙４をその後端の側から引き出すためのガイド爪２１が配置されている。ガイド爪２１の先端面は湾曲ガイド面２１ａとなっている。湾曲ガイド面２１ａは巻き取り・繰り出しローラー２０の側を向いており、この湾曲ガイド面２１ａの一方の端２１ｂが巻き取り芯１８の円形外周面１８ａの側に向けて所定の付勢力によって付勢されている。また、湾曲ガイド面２１ａの端２１ｂに連続して、円形外周面１８ａの接線方向にほぼ沿って、巻き取り・繰り出しローラー２０から離れる方向に延びるローラー当接面２１ｃが形成されている。
【００２９】
巻き取り芯１８を巻き取り・繰り出しローラー２０によって時計回り方向ＣＷに回転させることにより巻き取り芯１８に巻き付けられている記録紙４をその後端から引き出すことができる。すなわち、巻き取り状態における記録紙４の後端がガイド爪２１によってすくい上げられ、その湾曲ガイド面２１ａに沿って、巻き付け時の湾曲方向とは逆方向に湾曲させながら外方に引き出すことができる。
【００３０】
ガイド爪２１によって引き出された記録紙４は、図１において太い一点鎖線で示す第２紙送り経路２２によって案内されて合流点２３において第１紙送り経路６に合流するようになっている。合流点２３は、第１紙送り経路６における第１カッター９による切断位置と下流側紙送りローラー対１０のニップ部との間に位置している。
【００３１】
ここで、第１紙送り経路６に沿って記録紙４を搬送する紙送り機構は、上流側紙送りローラー対８、下流側紙送りローラー対１０および、これらを駆動するための紙送りモーター２４、２５等から構成される。単一の紙送りモーターによって双方のローラー対８、１０を駆動するようにしてもよい。紙回収経路１６に沿って記録紙４を搬送する紙送り機構は、下流側紙送りローラー対１０、巻き取り・繰り出しローラー２０、当該巻き取り・繰り出しローラー２０を回転駆動する繰り出しモーター２６等から構成される。第２紙送り経路２２に沿って記録紙４を搬送する紙送り機構は、巻き取り・繰り出しローラー２０、モーター２６等から構成される。
【００３２】
また、両面印刷装置１はＣＰＵ、ＲＯＭ、ＲＡＭなどを備えたマイクロコンピューターを中心に構成される駆動制御部２７を備えている。この駆動制御部２７は、上位機器２８からの指令に基づき、あるいは、操作部２９からの入力指令に基づき、ＲＯＭ内に格納されている制御プログラムを実行して、印刷ヘッド１１、上記構成の紙送り機構、搬送方向切替爪１５、第１、第２カッター９、１３を駆動制御して、記録紙４の印刷動作、切断動作などを行わせる。
【００３３】
（印刷動作）
図２は両面印刷装置１による記録紙４の第１紙送り工程、表面印刷工程および巻き取り工程を示す動作説明図である。ロール紙収納部３に収納されたロール紙５は、そこから引き出された記録紙４の先端４ａが第１紙送り経路６上において、上流側紙送りローラー対８よりも下流側に位置する所定の状態にセットされる。この状態から、第１紙送り経路６に沿って記録紙４を搬送する第１紙送り工程が開始される。この第１紙送り工程では、搬送方向切替爪１５が第２位置１５Ｂに切り替えられている。上流側紙送りローラー対８および下流側紙送りローラー対１０によって第１紙送り経路６に沿って搬送される記録紙４は、その表面４ｃ（第１面）が印刷ヘッド１１の側に向いた状態で搬送され、当該表面４ｃには印刷ヘッド１１によって所定の印刷が施される（表面印刷工程）。例えば、予め定めた一定の長さ毎に同一の広告宣伝情報などが繰り返し印刷される。
【００３４】
印刷位置を経由した後の記録紙４の先端４ａは搬送方向切替爪１５によって第１紙送り経路６から紙回収経路１６に案内される。紙回収経路１６に案内された記録紙４の先端４ａは当該紙回収経路１６に沿って巻き取り・繰り出し部１７まで送られる。巻き取り・繰り出し部１７の巻き取り芯１８は、巻き取り・繰り出しローラー２０によって記録紙巻き取り方向である反時計回り方向ＣＣＷに回転している。したがって、巻き取り芯１８におけるガイドローラー１９ａに接している円形外周面１８ａの部位に到達した記録紙４の先端４ａは、当該円形外周面１８ａとガイドローラー１９ａの間を通って送り込まれ、当該円形外周面１８ａに徐々に巻き付けられていく。本例では、かかる巻き取り工程において、記録紙４は、その表面４ｃが外側を向く状態に巻き付けられていく。
【００３５】
図３は主として記録紙４の第１切断工程を示す動作説明図である。ロール紙５から繰り出される記録紙４の長さが予め定めた長さ分に達すると、上流側の第１カッター９が駆動され、記録紙４が幅方向に切断される。切断時には、紙送り動作、表面印刷動作および巻き取り動作が一時的に停止され、記録紙の搬送が停止した状態で当該記録紙４が切断される。記録紙４が切断された後は上流側紙送りローラー対８は停止したままに保持され、下流側紙送りローラー対１０および巻き取り・繰り出しローラー２０が再び回転を開始して、第１カッター９の下流側に位置している記録紙４Ａを搬送する紙送り動作、その表面に印刷する表面印刷動作、および、巻き取り芯１８に巻き取る巻き取り動作を行う。巻き取り工程は、切断された後の記録紙４Ａの後端４ｂが巻き取り芯１８に巻き付けられるまで行われる。この結果、図３（Ｂ）に示すように、巻き取り芯１８には、切断後の所定長さの記録紙４Ａが多重に巻き付けられる。なお、記録紙４Ａの後端４ｂが、ガイド爪２１と巻き取り・繰り出しローラー２０の間に位置する状態で巻き取り工程を停止することが望ましい。
【００３６】
図４は、巻き取り工程の後に行われる第２紙送り工程、裏面印刷工程を示す動作説明図である。第２紙送り工程および裏面印刷工程は、上記の巻き取り工程に引き続いて行うことも可能であるが、所定時間が経過した後に行うことも可能である。第２紙送り工程においては、搬送方向切替爪１５が第１位置１５Ａに戻され、この状態で、巻き取り・繰り出しローラー２０によって巻き取り芯１８が時計回り方向ＣＷに回転駆動させられる。巻き取り芯１８の円形外周面１８ａに巻き付けられている記録紙４Ａの後端４ｂがガイド爪２１の湾曲ガイド面２１ａの端に当たると、当該湾曲ガイド面２１ａによって外方にすくい上げられ、当該湾曲ガイド面２１ａに沿って第２紙送り経路２２に導かれる。
【００３７】
ここで、湾曲ガイド面２１ａによって、記録紙４Ａは巻き付け状態の湾曲方向とは逆方向に強制的に湾曲させられながら案内される。これにより、記録紙４Ａに付いている巻き癖を除去あるいは緩和させることができる。この結果、巻き癖のある記録紙４Ａを搬送することによって生ずる紙詰まりなどの弊害の発生を回避あるいは抑制することができる。
【００３８】
次に、第２紙送り経路２２に沿って搬送される記録紙４Ａの後端４ｂは、合流点２３において第１紙送り経路６に入り、ここから下流側紙送りローラー対１０によって印刷位置１１Ａに向けて搬送される。記録紙４Ａは、その裏面４ｄが印刷ヘッド１１の側を向く状態に搬送される。したがって、第２紙送り工程においては、記録紙４Ａの裏面４ｄに印刷ヘッド１１によって印刷が施される裏面印刷工程が行われる。
【００３９】
裏面印刷後の記録紙４Ａは、搬送方向切替爪１５によって第２カッター１３の側に案内される。例えば、裏面印刷工程においては一定の長さ毎に所定の情報を印刷する。印刷情報の境界位置が第２カッター１３の切断位置まで搬送された時点で記録紙４Ａの搬送を止めて、第２カッター１３によって記録紙４Ａを切断する（第２切断工程）。裏面印刷動作および切断動作を繰り返し行うことにより、両面印刷が施された一定長さの記録紙片が繰り返し記録紙排出口７から発行される。記録紙４Ａの先端４ａが下流側紙送りローラー対１０を過ぎるまで印刷を継続し、記録紙４Ａを排紙ローラー１２で排出後、手動で引き抜くことができる。あるいは、第２カッター１３の下流側、例えば図１において想像線で示す位置に配置した排紙サポートローラー対３０を使用すれば、確実に最後の記録紙４Ａを排出することができる。
【００４０】
（その他の動作形態）
上記の動作説明は両面印刷装置１の両面印刷動作を示すものである。両面印刷装置１により片面印刷を行うことも可能である。例えば、表面印刷を行わずに、第１紙送り工程、巻き取り工程、第１切断工程（図２）を実行して、所定長さの記録紙を巻き取り芯１８に巻き付ける（図３）。次に、巻き取り芯１８から記録紙を引き出して印刷位置１１Ａを経由させて搬送する第２紙送り工程において、記録紙の裏面に印刷を行う（図４）。これにより、裏面にのみ印刷を施す片面印刷を行うことができる。逆に、第１紙送り工程において表面印刷を行ない、搬送方向切替爪１５を第１位置１５Ａの状態にすることで、第２紙送り工程に入らないようにすれば、表面にのみ印刷を施す片面印刷を行うことができる。片面印刷は、例えば、一方の面に広告宣伝情報などが印刷されている記録紙の場合に行われる。
【００４１】
（その他の実施の形態）
図５は、巻き取り芯１８の別の例を示す説明図である。この図に示す巻き取り芯１８Ａは、その円形外周面１８ａに円周方向に延びる凹部１８ｂが形成されている。この凹部１８ｂには、ガイド爪２１の湾曲ガイド面２１ａの端２１ｂの側の部分を差し込み可能となっている。巻き付けられる記録紙４Ａの長さが、巻き取り芯１８Ａの円形外周面１８ａに一巻き分の長さよりも短い場合には、図に示すように、ガイド爪２１が凹部１８ｂに入り込んだ状態になり、巻き付けられている記録紙４Ａの後端４ｂを円形外周面１８ａから外方に確実にすくい上げることができる。よって、巻き付けた記録紙４Ａを第２紙送り経路２２に送り出す動作の信頼性が向上する。
【００４２】
次に、図６（Ａ）、（Ｂ）は両面印刷装置１の変形例を示す説明図である。図６（Ａ）に示す両面印刷装置１Ａでは、ロール紙５から繰り出されて第１紙送り経路６に沿って搬送される記録紙４は、その裏面４ｄに印刷が施される状態で搬送される。図６（Ｂ）に示す両面印刷装置１Ｂでは、巻き取り芯１８による記録紙の巻き取り方向が時計回りであり、記録紙の繰り出し方向が反時計回りとなっている。
【００４３】
なお、上記の各例では、ロール紙収納部３が備わっているが、ロール紙収納部３を省略して外部から連続紙などを第１紙送り経路６に送り込むようにしてもよい。また、印刷後の長尺状の記録紙を切断せずに排出する場合には、第２カッター１３を省略することも可能である。
【００４４】
さらに、上記の各例では巻き取り・繰り出し部１７は巻き取り芯１８を備えているが、巻き取り芯１８を用いることなく、記録紙４Ａをロール状に巻き取ることも可能である。
【符号の説明】
【００４５】
１，１Ａ，１Ｂ 両面印刷装置、２ 装置ケース、３ ロール紙収納部、４ 記録紙、４Ａ 所定長さの記録紙、４ａ 先端、４ｂ 後端、４ｃ 表面、４ｄ 裏面、５ ロール紙、６ 第１紙送り経路、７ 記録紙排出口、８ 上流側紙送りローラー対、９ 第１カッター、１０ 下流側紙送りローラー対、１１ 印刷ヘッド、１１Ａ 印刷位置、１２ 排紙ローラー、１３ 第２カッター、１４ 分岐点、１５ 搬送方向切替爪、１５Ａ 第１位置、１５Ｂ 第２位置、１５ａ 第１案内面、１５ｂ 第２案内面、１６ 紙回収経路、１７ 巻き取り・繰り出し部、１８，１８Ａ 巻き取り芯、１８ａ 円形外周面、１８ｂ 凹部、１９ａ，１９ｂ ガイドローラー、２０ 巻き取り・繰り出しローラー、２１ ガイド爪、２１ａ 湾曲ガイド面、２１ｂ 端、２１ｃ ローラー当接面、２２ 第２紙送り経路、２３ 合流点、２４，２５ 紙送りモーター、２６ 繰り出しモーター、２７ 駆動制御部、２８ 上位機器、２９ 操作部、３０ 排出サポートローラー対
【技術分野】
【０００１】
本発明は、ロール紙から繰り出される連続紙などの長尺状の記録紙に印刷を行う印刷方法に関し、特に、単一の印刷ヘッドを用いて、記録紙の表裏の双方に印刷を施す両面印刷および記録紙の表裏のいずれか一方に印刷を施す片面印刷を行うことのできる記録紙の印刷方法および両面印刷装置に関する。
【背景技術】
【０００２】
従来から、インクジェットプリンター、レーザープリンターを用いて、Ａ４サイズのカット紙などのような規定サイズの記録紙に両面印刷を行う方法は広く知られている。これに対して、ロール紙から繰り出される連続紙などのような長尺状の記録紙に両面印刷を施す方法としては、記録紙搬送路の両側に配置した複数の印刷ヘッドを用いて記録紙に両面印刷を施す方法が知られているのみである。かかる方法を用いた両面印刷装置は特許文献１に開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【０００３】
【特許文献１】特開２００６−１８８０６８号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【０００４】
ここで、ロール紙などの連続紙としては、両面が未印刷状態のもの、片面に広告情報などが印刷されたものなどがある。したがって、連続紙の印刷形態としては、その一方の面に広告情報などを印刷し、他方の面に入出金情報等を印刷する場合、予め一方の面に広告情報などの情報が印刷されている連続紙の他方の面に入出金情報、チケット情報などを印刷する場合、予め広告情報などが印刷されている面に入出金情報、チケット情報などの情報を印刷して発行する場合など、各種の場合がある。
【０００５】
このような印刷形態を実現するためには、上記の特許文献に開示されているような記録紙搬送路の両側に配置した複数の印刷ヘッドを備えた両面印刷装置を用いればよい。しかしながら、印刷装置に複数の印刷ヘッドを搭載すると、寸法の増加およびコスト高を招く。大型の印刷装置の場合や高速印刷が要求される場合には複数の印刷ヘッドを備えていることが望ましいが、ＰＯＳ端末に接続して用いられるレシート、ジャーナル発行用のロール紙プリンターなどにおいては、装置の小型化、低コスト化が強く要求されており、単一の印刷ヘッドを用いた小型で廉価な装置構成によって、各種の印刷形態に対応できることが望ましい。
【０００６】
本発明の課題は、このような点に鑑みて、単一の印刷ヘッドを用いた小型で廉価な構成により、連続紙などの長尺状の記録紙に対して両面印刷、片面印刷を行うことのできる記録紙の印刷方法を提案することにある。また、本発明の課題は、かかる新たな記録紙の印刷方法により印刷を行う両面印刷装置を提案することにある。
【課題を解決するための手段】
【０００７】
上記の課題を解決するために、本発明の記録紙の印刷方法は、
印刷ヘッドによる印刷位置を経由する搬送経路に沿って所定長さの記録紙を搬送する第１紙送り工程と、
前記第１紙送り工程において搬送されて前記印刷位置を通過した後の前記記録紙を回収してその先端側から巻き取る巻き取り工程と、
巻き取られた後の前記記録紙を巻き取り方向とは逆方向に回転させて、当該記録紙をその後端側から引き出して前記印刷位置を経由させて搬送する第２紙送り工程と、
前記第１紙送り工程および前記第２紙送り工程における少なくとも一方の工程において、前記印刷位置を通過する前記記録紙に前記印刷ヘッドにより印刷を施す印刷工程とを有し、
前記第１紙送り工程では、前記記録紙を、その第１面に前記印刷ヘッドにより印刷可能な状態で搬送し、前記第２紙送り工程では、前記記録紙が、前記第１面とは反対側の第２面に前記印刷ヘッドにより印刷可能な状態で搬送されることを特徴としている。
【０００８】
本発明の方法では、印刷位置を経由させて記録紙を搬送する第１紙送り工程において、当該記録紙の第１面に印刷を施すことができる。また、第１紙送り工程において印刷位置を経由して搬送される記録紙はその先端側から巻き取られる。巻き取られた記録紙は、その後端側から引き出されて印刷位置を経由して搬送される第２紙送り工程においては、その第２面が印刷ヘッドの側を向いているので、当該第２面に印刷を施すことができる。よって、双方の紙送り工程において印刷を施すことにより記録紙の両面印刷を行うことができ、第１紙送り工程においてのみ印刷を施すことにより記録紙の第１面にのみ印刷が施された片面印刷を行うことができ、第２紙送り工程においてのみ印刷を施すことにより記録紙の第２面にのみ印刷が施された片面印刷を行うことができる。
【０００９】
両面印刷においては、一方の面に広告などの情報を印刷し、他方の面に入出金情報などを印刷することができる。片面印刷においては、予め一方の面に広告情報などの情報が印刷されている記録紙に対して、同一面あるいは他方の面に入出金情報などを印刷することができる。例えば、第１面に広告情報が印刷されている記録紙を印刷することなく巻き取り、巻き取った後に当該記録紙を後端から引き出して搬送する第２紙送り工程において第２面に入出金情報などの情報を印刷して、レシート、ジャーナルとして発行することができる。したがって、単一の印刷ヘッドを用いて、未印刷あるいは既印刷の記録紙に対して、両面印刷および片面印刷を施すことができる。
【００１０】
さらに、第１紙送り工程および第２紙送り工程のいずれにおいても、記録紙は同一の側から印刷位置を経由して搬送される。例えば、カラー印刷用のラインインクジェットヘッドが備わっている場合などにおいては、各色のインクノズル列に対して同一方向から記録紙が搬送されるので、各色のインクノズル列による印刷シーケンスが第１、第２紙送り工程において同一のままでよく、印刷動作制御の複雑化を回避できる。
【００１１】
ここで、ロール紙等から繰り出される連続紙に印刷を行う場合には、当該連続紙をその先端から所定の長さの部位で切断して所定長さの前記記録紙を得る第１切断工程を有していることが望ましい。このようにすれば、必要分の長さの記録紙に対して、両面印刷、片面印刷を行うことができる。
【００１２】
また、本発明の印刷方法を、ＰＯＳ端末用のレシート発行用のプリンター、ジャーナル発行用のプリンターに採用する場合には、前記第２紙送り工程において前記印刷位置を経由した後の前記記録紙を所定の長さに切断して、レシート、ジャーナルなどの記録紙片を作成する第２切断工程を有していることが望ましい。
【００１３】
さらに、本発明の方法では第１紙送り工程において印刷位置を経由して搬送された記録紙を巻き取るようにしている。巻き取られた状態の記録紙を引き出すと、巻き癖が付いたまま記録紙が搬送されて紙詰まりしやすい。これを回避するためには、前記第２紙送り工程において、巻き取られた状態における湾曲方向とは逆方向に湾曲させながら、巻き取り状態の前記記録紙を引き出すことが望ましい。このように、逆方向に湾曲させながら引き出すことにより記録紙の巻き癖を取り除くことができるので、巻き癖に起因する紙詰まりなどの弊害を防止できる。
【００１４】
本発明の印刷方法において両面印刷が行われる典型的な場合は、前記第１紙送り工程において前記印刷位置に向けて搬送される前記記録紙が、前記第１面および前記第２面が共に未印刷面の場合であり、前記第１紙送り工程および前記第２紙送り工程においてそれぞれ記録紙に印刷が施される。
【００１５】
次に、本発明は上記の印刷方法により記録紙に印刷を行うことのできる両面印刷装置であって、
印刷ヘッドと、
前記印刷ヘッドによる印刷位置を経由させて排出口に向けて記録紙を案内する第１紙送り経路と、
前記記録紙をその先端側から巻き取り可能であり、巻き取られた前記記録紙をその後端側から繰り出し可能な巻き取り・繰り出し部と、
前記第１紙送り経路における前記印刷位置の下流側の分岐点から前記記録紙を前記巻き取り・繰り出し部に案内する紙回収経路と、
前記分岐点において前記記録紙を前記排出口および前記紙回収経路に選択的に案内する搬送切替部と、
前記巻き取り・繰り出し部から繰り出される前記記録紙を前記第１紙送り経路における前記印刷位置の上流側の合流点に案内する第２紙送り経路と、
前記第１紙送り経路、前記第２紙送り経路および前記紙回収経路に沿って前記記録紙を搬送する紙送り機構と、
前記印刷ヘッド、前記紙送り機構、前記搬送切替部および前記巻き取り・繰り出し部の駆動を制御する駆動制御部とを有していることを特徴としている。
【００１６】
ここで、必要長さ分の記録紙に印刷を行う場合には、連続紙をその先端から所定の長さの部位で切断して前記記録紙を得るための第１カッターを、前記第１紙送り経路における前記合流点よりも上流側の部位に配置しておけばよい。
【００１７】
また、レシート、ジャーナル、チケットなどを発行する場合等においては、前記印刷位置を経由した後の前記記録紙を所定の長さに切断して記録紙片を作成する第２カッターを、前記第１紙送り経路における前記分岐点よりも下流側の部位に配置しておけばよい。
【００１８】
さらに、巻き取られた記録紙の巻き癖を取り除くためには、前記巻き取り・繰り出し部は、巻き取られた状態における湾曲方向とは逆方向に湾曲させながら、巻き取り状態の前記記録紙を引き出すガイド爪を配置しておけばよい。
【００１９】
この場合、一巻き未満の状態で巻き取られる短い記録紙を引き出す場合などにおいては、前記巻き取り・繰り出し部に前記記録紙が巻き取られる円形外周面を備えた巻き取り芯を配置し、前記円形外周面には円周方向に延びる凹部を形成し、前記ガイド爪の一部を凹部に入り込ませておくことが望ましい。このようにすれば、ガイド爪によって、巻き取り芯の円形外周面に巻き付けられた記録紙の後端を確実にすくい上げて引き出すことができる。
【００２０】
次に、本発明をロール紙プリンターに適用する場合には、ロール紙収納部を配置し、ここに収納したロール紙から繰り出される記録紙を前記第１紙送り経路に沿って前記印刷位置を経由して搬送すればよい。
【発明の効果】
【００２１】
本発明では、印刷ヘッドによる印刷位置を経由させて記録紙を搬送することにより、その第１面に印刷を施すことができる。また、印刷位置を経由した後の当該記録紙を先端側から回収して巻き取り、巻き取られた記録紙をその後端から引き出して再び印刷位置を経由させて搬送することにより、その第２面に印刷を施すことができる。このように、記録紙を巻き取り、その後端から引き出すことにより、単一の印刷ヘッドを用いて記録紙の両面に印刷を行うことができ、記録紙の表裏の一方の面に対する片面印刷も行うことができる。よって、本発明によれば、単一の印刷ヘッドを用いて両面印刷および片面印刷を行うことのできる小型で廉価な印刷方法および印刷装置を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【００２２】
【図１】本発明を適用した両面印刷装置を示す概略構成図である。
【図２】両面印刷装置の第１紙送り工程等を示す説明図である。
【図３】両面印刷装置の第１切断工程、巻き取り工程等を示す説明図である。
【図４】両面印刷装置の第２紙送り工程、印刷工程を示す説明図である。
【図５】段差付き巻き取り芯の例を示す説明図である。
【図６】本発明の両面印刷装置の別の例を示す概略構成図である。
【発明を実施するための形態】
【００２３】
以下に、図面を参照して本発明を適用した両面印刷装置の実施の形態を説明する。
【００２４】
（全体構成）
図１は本実施の形態に係る両面印刷装置の概略構成図である。両面印刷装置１は、装置ケース２の内部に形成されたロール紙収納部３を備えており、ここには連続紙である記録紙４が巻き取られた構成のロール紙５が収納される。ロール紙収納部３のロール紙５から繰り出される記録紙４は、第１紙送り経路６に沿って、装置ケース２に形成されている記録紙排出口７に向けて案内される。第１紙送り経路６は不図示の複数の紙ガイドによって規定される経路であり、図１においては太い実線で示してある。この第１紙送り経路６には、その上流側のロール紙収納部３からその下流側の記録紙排出口７に向けて、上流側紙送りローラー対８、第１カッター９、下流側紙送りローラー対１０、印刷ヘッド１１、排紙ローラー１２および第２カッター１３が配置されている。
【００２５】
印刷ヘッド１１は、例えば、第１紙送り経路６の幅方向の全幅に亘る長さのノズル列を備えたインクジェットラインヘッドである。インクジェットラインヘッド以外の印刷ヘッド、例えば、ドットインパクトヘッドなどを用いることもでき、シリアル型の印刷ヘッドを用いることも可能である。また、記録紙に両面の感熱処理がしてあれば、サーマルラインヘッドでも良い。第１紙送り経路６における排紙ローラー１２と第２カッター１３の間には分岐点１４が形成されている。分岐点１４には搬送方向切替爪１５が配置されている。
【００２６】
搬送方向切替爪１５が図１の実線で示す第１位置１５Ａに位置している場合には、印刷ヘッド１１の印刷位置１１Ａを通り過ぎた記録紙４は搬送方向切替爪１５の第１案内面１５ａに沿ってそのまま第１紙送り経路６に沿って記録紙排出口７に向けて案内される。搬送方向切替爪１５が図１の想像線で示す第２位置１５Ｂに切り替わると、印刷位置１１Ａを通り過ぎた後の記録紙４の先端は、排紙ローラー１２に沿って、搬送方向切替爪１５の第２案内面１５ｂによって分岐点１４から紙回収経路１６の側に分岐させられる。
【００２７】
紙回収経路１６は図１において太い破線で示してあり、分岐点１４から巻き取り・繰り出し部１７に至る経路である。巻き取り・繰り出し部１７は円形外周面１８ａを備えた巻き取り芯１８を備えており、この巻き取り芯１８は転動可能な状態で下側から一対のガイドローラー１９ａ、１９ｂによって支持されている。巻き取り芯１８の円形外周面１８ａには、巻き取り・繰り出しローラー２０が所定の付勢力で押し付けられている。紙回収経路１６に案内されて巻き取り・繰り出し部１７に至った記録紙４は、巻き取り・繰り出しローラー２０によって巻き取り芯１８を反時計回り方向ＣＣＷに回転させることにより、巻き取り芯１８の円形外周面１８ａに巻き付けられる。
【００２８】
ここで、巻き取り芯１８の外周側において、巻き取り・繰り出しローラー２０に対して時計回り方向ＣＷに所定角度離れた位置には、巻き取られた記録紙４をその後端の側から引き出すためのガイド爪２１が配置されている。ガイド爪２１の先端面は湾曲ガイド面２１ａとなっている。湾曲ガイド面２１ａは巻き取り・繰り出しローラー２０の側を向いており、この湾曲ガイド面２１ａの一方の端２１ｂが巻き取り芯１８の円形外周面１８ａの側に向けて所定の付勢力によって付勢されている。また、湾曲ガイド面２１ａの端２１ｂに連続して、円形外周面１８ａの接線方向にほぼ沿って、巻き取り・繰り出しローラー２０から離れる方向に延びるローラー当接面２１ｃが形成されている。
【００２９】
巻き取り芯１８を巻き取り・繰り出しローラー２０によって時計回り方向ＣＷに回転させることにより巻き取り芯１８に巻き付けられている記録紙４をその後端から引き出すことができる。すなわち、巻き取り状態における記録紙４の後端がガイド爪２１によってすくい上げられ、その湾曲ガイド面２１ａに沿って、巻き付け時の湾曲方向とは逆方向に湾曲させながら外方に引き出すことができる。
【００３０】
ガイド爪２１によって引き出された記録紙４は、図１において太い一点鎖線で示す第２紙送り経路２２によって案内されて合流点２３において第１紙送り経路６に合流するようになっている。合流点２３は、第１紙送り経路６における第１カッター９による切断位置と下流側紙送りローラー対１０のニップ部との間に位置している。
【００３１】
ここで、第１紙送り経路６に沿って記録紙４を搬送する紙送り機構は、上流側紙送りローラー対８、下流側紙送りローラー対１０および、これらを駆動するための紙送りモーター２４、２５等から構成される。単一の紙送りモーターによって双方のローラー対８、１０を駆動するようにしてもよい。紙回収経路１６に沿って記録紙４を搬送する紙送り機構は、下流側紙送りローラー対１０、巻き取り・繰り出しローラー２０、当該巻き取り・繰り出しローラー２０を回転駆動する繰り出しモーター２６等から構成される。第２紙送り経路２２に沿って記録紙４を搬送する紙送り機構は、巻き取り・繰り出しローラー２０、モーター２６等から構成される。
【００３２】
また、両面印刷装置１はＣＰＵ、ＲＯＭ、ＲＡＭなどを備えたマイクロコンピューターを中心に構成される駆動制御部２７を備えている。この駆動制御部２７は、上位機器２８からの指令に基づき、あるいは、操作部２９からの入力指令に基づき、ＲＯＭ内に格納されている制御プログラムを実行して、印刷ヘッド１１、上記構成の紙送り機構、搬送方向切替爪１５、第１、第２カッター９、１３を駆動制御して、記録紙４の印刷動作、切断動作などを行わせる。
【００３３】
（印刷動作）
図２は両面印刷装置１による記録紙４の第１紙送り工程、表面印刷工程および巻き取り工程を示す動作説明図である。ロール紙収納部３に収納されたロール紙５は、そこから引き出された記録紙４の先端４ａが第１紙送り経路６上において、上流側紙送りローラー対８よりも下流側に位置する所定の状態にセットされる。この状態から、第１紙送り経路６に沿って記録紙４を搬送する第１紙送り工程が開始される。この第１紙送り工程では、搬送方向切替爪１５が第２位置１５Ｂに切り替えられている。上流側紙送りローラー対８および下流側紙送りローラー対１０によって第１紙送り経路６に沿って搬送される記録紙４は、その表面４ｃ（第１面）が印刷ヘッド１１の側に向いた状態で搬送され、当該表面４ｃには印刷ヘッド１１によって所定の印刷が施される（表面印刷工程）。例えば、予め定めた一定の長さ毎に同一の広告宣伝情報などが繰り返し印刷される。
【００３４】
印刷位置を経由した後の記録紙４の先端４ａは搬送方向切替爪１５によって第１紙送り経路６から紙回収経路１６に案内される。紙回収経路１６に案内された記録紙４の先端４ａは当該紙回収経路１６に沿って巻き取り・繰り出し部１７まで送られる。巻き取り・繰り出し部１７の巻き取り芯１８は、巻き取り・繰り出しローラー２０によって記録紙巻き取り方向である反時計回り方向ＣＣＷに回転している。したがって、巻き取り芯１８におけるガイドローラー１９ａに接している円形外周面１８ａの部位に到達した記録紙４の先端４ａは、当該円形外周面１８ａとガイドローラー１９ａの間を通って送り込まれ、当該円形外周面１８ａに徐々に巻き付けられていく。本例では、かかる巻き取り工程において、記録紙４は、その表面４ｃが外側を向く状態に巻き付けられていく。
【００３５】
図３は主として記録紙４の第１切断工程を示す動作説明図である。ロール紙５から繰り出される記録紙４の長さが予め定めた長さ分に達すると、上流側の第１カッター９が駆動され、記録紙４が幅方向に切断される。切断時には、紙送り動作、表面印刷動作および巻き取り動作が一時的に停止され、記録紙の搬送が停止した状態で当該記録紙４が切断される。記録紙４が切断された後は上流側紙送りローラー対８は停止したままに保持され、下流側紙送りローラー対１０および巻き取り・繰り出しローラー２０が再び回転を開始して、第１カッター９の下流側に位置している記録紙４Ａを搬送する紙送り動作、その表面に印刷する表面印刷動作、および、巻き取り芯１８に巻き取る巻き取り動作を行う。巻き取り工程は、切断された後の記録紙４Ａの後端４ｂが巻き取り芯１８に巻き付けられるまで行われる。この結果、図３（Ｂ）に示すように、巻き取り芯１８には、切断後の所定長さの記録紙４Ａが多重に巻き付けられる。なお、記録紙４Ａの後端４ｂが、ガイド爪２１と巻き取り・繰り出しローラー２０の間に位置する状態で巻き取り工程を停止することが望ましい。
【００３６】
図４は、巻き取り工程の後に行われる第２紙送り工程、裏面印刷工程を示す動作説明図である。第２紙送り工程および裏面印刷工程は、上記の巻き取り工程に引き続いて行うことも可能であるが、所定時間が経過した後に行うことも可能である。第２紙送り工程においては、搬送方向切替爪１５が第１位置１５Ａに戻され、この状態で、巻き取り・繰り出しローラー２０によって巻き取り芯１８が時計回り方向ＣＷに回転駆動させられる。巻き取り芯１８の円形外周面１８ａに巻き付けられている記録紙４Ａの後端４ｂがガイド爪２１の湾曲ガイド面２１ａの端に当たると、当該湾曲ガイド面２１ａによって外方にすくい上げられ、当該湾曲ガイド面２１ａに沿って第２紙送り経路２２に導かれる。
【００３７】
ここで、湾曲ガイド面２１ａによって、記録紙４Ａは巻き付け状態の湾曲方向とは逆方向に強制的に湾曲させられながら案内される。これにより、記録紙４Ａに付いている巻き癖を除去あるいは緩和させることができる。この結果、巻き癖のある記録紙４Ａを搬送することによって生ずる紙詰まりなどの弊害の発生を回避あるいは抑制することができる。
【００３８】
次に、第２紙送り経路２２に沿って搬送される記録紙４Ａの後端４ｂは、合流点２３において第１紙送り経路６に入り、ここから下流側紙送りローラー対１０によって印刷位置１１Ａに向けて搬送される。記録紙４Ａは、その裏面４ｄが印刷ヘッド１１の側を向く状態に搬送される。したがって、第２紙送り工程においては、記録紙４Ａの裏面４ｄに印刷ヘッド１１によって印刷が施される裏面印刷工程が行われる。
【００３９】
裏面印刷後の記録紙４Ａは、搬送方向切替爪１５によって第２カッター１３の側に案内される。例えば、裏面印刷工程においては一定の長さ毎に所定の情報を印刷する。印刷情報の境界位置が第２カッター１３の切断位置まで搬送された時点で記録紙４Ａの搬送を止めて、第２カッター１３によって記録紙４Ａを切断する（第２切断工程）。裏面印刷動作および切断動作を繰り返し行うことにより、両面印刷が施された一定長さの記録紙片が繰り返し記録紙排出口７から発行される。記録紙４Ａの先端４ａが下流側紙送りローラー対１０を過ぎるまで印刷を継続し、記録紙４Ａを排紙ローラー１２で排出後、手動で引き抜くことができる。あるいは、第２カッター１３の下流側、例えば図１において想像線で示す位置に配置した排紙サポートローラー対３０を使用すれば、確実に最後の記録紙４Ａを排出することができる。
【００４０】
（その他の動作形態）
上記の動作説明は両面印刷装置１の両面印刷動作を示すものである。両面印刷装置１により片面印刷を行うことも可能である。例えば、表面印刷を行わずに、第１紙送り工程、巻き取り工程、第１切断工程（図２）を実行して、所定長さの記録紙を巻き取り芯１８に巻き付ける（図３）。次に、巻き取り芯１８から記録紙を引き出して印刷位置１１Ａを経由させて搬送する第２紙送り工程において、記録紙の裏面に印刷を行う（図４）。これにより、裏面にのみ印刷を施す片面印刷を行うことができる。逆に、第１紙送り工程において表面印刷を行ない、搬送方向切替爪１５を第１位置１５Ａの状態にすることで、第２紙送り工程に入らないようにすれば、表面にのみ印刷を施す片面印刷を行うことができる。片面印刷は、例えば、一方の面に広告宣伝情報などが印刷されている記録紙の場合に行われる。
【００４１】
（その他の実施の形態）
図５は、巻き取り芯１８の別の例を示す説明図である。この図に示す巻き取り芯１８Ａは、その円形外周面１８ａに円周方向に延びる凹部１８ｂが形成されている。この凹部１８ｂには、ガイド爪２１の湾曲ガイド面２１ａの端２１ｂの側の部分を差し込み可能となっている。巻き付けられる記録紙４Ａの長さが、巻き取り芯１８Ａの円形外周面１８ａに一巻き分の長さよりも短い場合には、図に示すように、ガイド爪２１が凹部１８ｂに入り込んだ状態になり、巻き付けられている記録紙４Ａの後端４ｂを円形外周面１８ａから外方に確実にすくい上げることができる。よって、巻き付けた記録紙４Ａを第２紙送り経路２２に送り出す動作の信頼性が向上する。
【００４２】
次に、図６（Ａ）、（Ｂ）は両面印刷装置１の変形例を示す説明図である。図６（Ａ）に示す両面印刷装置１Ａでは、ロール紙５から繰り出されて第１紙送り経路６に沿って搬送される記録紙４は、その裏面４ｄに印刷が施される状態で搬送される。図６（Ｂ）に示す両面印刷装置１Ｂでは、巻き取り芯１８による記録紙の巻き取り方向が時計回りであり、記録紙の繰り出し方向が反時計回りとなっている。
【００４３】
なお、上記の各例では、ロール紙収納部３が備わっているが、ロール紙収納部３を省略して外部から連続紙などを第１紙送り経路６に送り込むようにしてもよい。また、印刷後の長尺状の記録紙を切断せずに排出する場合には、第２カッター１３を省略することも可能である。
【００４４】
さらに、上記の各例では巻き取り・繰り出し部１７は巻き取り芯１８を備えているが、巻き取り芯１８を用いることなく、記録紙４Ａをロール状に巻き取ることも可能である。
【符号の説明】
【００４５】
１，１Ａ，１Ｂ 両面印刷装置、２ 装置ケース、３ ロール紙収納部、４ 記録紙、４Ａ 所定長さの記録紙、４ａ 先端、４ｂ 後端、４ｃ 表面、４ｄ 裏面、５ ロール紙、６ 第１紙送り経路、７ 記録紙排出口、８ 上流側紙送りローラー対、９ 第１カッター、１０ 下流側紙送りローラー対、１１ 印刷ヘッド、１１Ａ 印刷位置、１２ 排紙ローラー、１３ 第２カッター、１４ 分岐点、１５ 搬送方向切替爪、１５Ａ 第１位置、１５Ｂ 第２位置、１５ａ 第１案内面、１５ｂ 第２案内面、１６ 紙回収経路、１７ 巻き取り・繰り出し部、１８，１８Ａ 巻き取り芯、１８ａ 円形外周面、１８ｂ 凹部、１９ａ，１９ｂ ガイドローラー、２０ 巻き取り・繰り出しローラー、２１ ガイド爪、２１ａ 湾曲ガイド面、２１ｂ 端、２１ｃ ローラー当接面、２２ 第２紙送り経路、２３ 合流点、２４，２５ 紙送りモーター、２６ 繰り出しモーター、２７ 駆動制御部、２８ 上位機器、２９ 操作部、３０ 排出サポートローラー対
【特許請求の範囲】
【請求項１】
印刷ヘッドによる印刷位置を経由する搬送経路に沿って所定長さの記録紙を搬送する第１紙送り工程と、
前記第１紙送り工程において搬送されて前記印刷位置を通過した後の前記記録紙を回収してその先端側から巻き取る巻き取り工程と、
巻き取られた後の前記記録紙を巻き取り方向とは逆方向に回転させて、当該記録紙をその後端側から引き出して前記印刷位置を経由させて搬送する第２紙送り工程と、
前記第１紙送り工程および前記第２紙送り工程における少なくとも一方の工程において、前記印刷位置を通過する前記記録紙に前記印刷ヘッドにより印刷を施す印刷工程とを有し、
前記第１紙送り工程では、前記記録紙を、その第１面に前記印刷ヘッドにより印刷可能な状態で搬送し、前記第２紙送り工程では、前記記録紙が、前記第１面とは反対側の第２面に前記印刷ヘッドにより印刷可能な状態で搬送されることを特徴とする記録紙の印刷方法。
【請求項２】
請求項１において、
連続紙をその先端から所定の長さの部位で切断して所定長さの前記記録紙を得る第１切断工程を有していることを特徴とする記録紙の印刷方法。
【請求項３】
請求項２において、
前記第２紙送り工程において前記印刷位置を経由した後の前記記録紙を所定の長さに切断して記録紙片を作成する第２切断工程を有していることを特徴とする記録紙の印刷方法。
【請求項４】
請求項１ないし３のうちのいずれかの項において、
前記第２紙送り工程では、巻き取られた状態における湾曲方向とは逆方向に湾曲させながら、巻き取り状態の前記記録紙を引き出すことを特徴とする記録紙の印刷方法。
【請求項５】
請求項１ないし４のうちのいずれかの項において、
前記第１紙送り工程において前記印刷位置に向けて搬送される前記記録紙は、前記第１面および前記第２面が共に未印刷面であり、
前記第１紙送り工程および前記第２紙送り工程において前記記録紙に印刷を施して、両面が印刷された状態の前記記録紙を得ることを特徴とする記録紙の印刷方法。
【請求項６】
印刷ヘッドと、
前記印刷ヘッドによる印刷位置を経由させて記録紙排出口に向けて記録紙を案内する第１紙送り経路と、
記録紙をその先端側から巻き取り可能であり、巻き取られた前記記録紙をその後端側から繰り出し可能な巻き取り・繰り出し部と、
前記第１紙送り経路における前記印刷位置の下流側の分岐点から前記記録紙を前記巻き取り・繰り出し部に案内する紙回収経路と、
前記分岐点において前記記録紙を前記記録紙排出口および前記紙回収経路に選択的に案内する搬送切替部と、
前記巻き取り・繰り出し部から繰り出される前記記録紙を前記第１紙送り経路における前記印刷位置の上流側の合流点に案内する第２紙送り経路と、
前記第１紙送り経路、前記第２紙送り経路および前記紙回収経路に沿って前記記録紙を搬送する紙送り機構と、
前記印刷ヘッド、前記紙送り機構、前記搬送切替部および前記巻き取り・繰り出し部の駆動を制御する駆動制御部とを有していることを特徴とする両面印刷装置。
【請求項７】
請求項６において、
連続紙をその先端から所定の長さの部位で切断して所定長さの前記記録紙を得るための第１カッターを有しており、
当該第１カッターは、前記第１紙送り経路における前記合流点よりも上流側の部位に配置されていることを特徴とする両面印刷装置。
【請求項８】
請求項７において、
前記印刷位置を経由した後の前記記録紙を所定の長さに切断して記録紙片を作成する第２カッターを有しており、
当該第２カッターは、前記第１紙送り経路における前記分岐点よりも下流側の部位に配置されていることを特徴とする両面印刷装置。
【請求項９】
請求項６ないし８のうちのいずれかの項において、
前記巻き取り・繰り出し部は、巻き取られた状態における湾曲方向とは逆方向に湾曲させながら、巻き取り状態の前記記録紙を引き出すガイド爪を有していることを特徴とする両面印刷装置。
【請求項１０】
請求項９において、
前記巻き取り・繰り出し部は、前記記録紙が巻き取られる円形外周面を備えた巻き取り芯を備えており、
前記円形外周面には円周方向に延びる凹部が形成されており、
前記ガイド爪の一部が前記凹部に入り込んでいることを特徴とする両面印刷装置。
【請求項１１】
請求項６ないし１０のうちのいずれかの項において、
ロール紙収納部を有し、
当該ロール紙収納部に収納されたロール紙から繰り出される記録紙が前記第１紙送り経路に沿って前記印刷位置を経由して搬送されることを特徴とする両面印刷装置。
【請求項１】
印刷ヘッドによる印刷位置を経由する搬送経路に沿って所定長さの記録紙を搬送する第１紙送り工程と、
前記第１紙送り工程において搬送されて前記印刷位置を通過した後の前記記録紙を回収してその先端側から巻き取る巻き取り工程と、
巻き取られた後の前記記録紙を巻き取り方向とは逆方向に回転させて、当該記録紙をその後端側から引き出して前記印刷位置を経由させて搬送する第２紙送り工程と、
前記第１紙送り工程および前記第２紙送り工程における少なくとも一方の工程において、前記印刷位置を通過する前記記録紙に前記印刷ヘッドにより印刷を施す印刷工程とを有し、
前記第１紙送り工程では、前記記録紙を、その第１面に前記印刷ヘッドにより印刷可能な状態で搬送し、前記第２紙送り工程では、前記記録紙が、前記第１面とは反対側の第２面に前記印刷ヘッドにより印刷可能な状態で搬送されることを特徴とする記録紙の印刷方法。
【請求項２】
請求項１において、
連続紙をその先端から所定の長さの部位で切断して所定長さの前記記録紙を得る第１切断工程を有していることを特徴とする記録紙の印刷方法。
【請求項３】
請求項２において、
前記第２紙送り工程において前記印刷位置を経由した後の前記記録紙を所定の長さに切断して記録紙片を作成する第２切断工程を有していることを特徴とする記録紙の印刷方法。
【請求項４】
請求項１ないし３のうちのいずれかの項において、
前記第２紙送り工程では、巻き取られた状態における湾曲方向とは逆方向に湾曲させながら、巻き取り状態の前記記録紙を引き出すことを特徴とする記録紙の印刷方法。
【請求項５】
請求項１ないし４のうちのいずれかの項において、
前記第１紙送り工程において前記印刷位置に向けて搬送される前記記録紙は、前記第１面および前記第２面が共に未印刷面であり、
前記第１紙送り工程および前記第２紙送り工程において前記記録紙に印刷を施して、両面が印刷された状態の前記記録紙を得ることを特徴とする記録紙の印刷方法。
【請求項６】
印刷ヘッドと、
前記印刷ヘッドによる印刷位置を経由させて記録紙排出口に向けて記録紙を案内する第１紙送り経路と、
記録紙をその先端側から巻き取り可能であり、巻き取られた前記記録紙をその後端側から繰り出し可能な巻き取り・繰り出し部と、
前記第１紙送り経路における前記印刷位置の下流側の分岐点から前記記録紙を前記巻き取り・繰り出し部に案内する紙回収経路と、
前記分岐点において前記記録紙を前記記録紙排出口および前記紙回収経路に選択的に案内する搬送切替部と、
前記巻き取り・繰り出し部から繰り出される前記記録紙を前記第１紙送り経路における前記印刷位置の上流側の合流点に案内する第２紙送り経路と、
前記第１紙送り経路、前記第２紙送り経路および前記紙回収経路に沿って前記記録紙を搬送する紙送り機構と、
前記印刷ヘッド、前記紙送り機構、前記搬送切替部および前記巻き取り・繰り出し部の駆動を制御する駆動制御部とを有していることを特徴とする両面印刷装置。
【請求項７】
請求項６において、
連続紙をその先端から所定の長さの部位で切断して所定長さの前記記録紙を得るための第１カッターを有しており、
当該第１カッターは、前記第１紙送り経路における前記合流点よりも上流側の部位に配置されていることを特徴とする両面印刷装置。
【請求項８】
請求項７において、
前記印刷位置を経由した後の前記記録紙を所定の長さに切断して記録紙片を作成する第２カッターを有しており、
当該第２カッターは、前記第１紙送り経路における前記分岐点よりも下流側の部位に配置されていることを特徴とする両面印刷装置。
【請求項９】
請求項６ないし８のうちのいずれかの項において、
前記巻き取り・繰り出し部は、巻き取られた状態における湾曲方向とは逆方向に湾曲させながら、巻き取り状態の前記記録紙を引き出すガイド爪を有していることを特徴とする両面印刷装置。
【請求項１０】
請求項９において、
前記巻き取り・繰り出し部は、前記記録紙が巻き取られる円形外周面を備えた巻き取り芯を備えており、
前記円形外周面には円周方向に延びる凹部が形成されており、
前記ガイド爪の一部が前記凹部に入り込んでいることを特徴とする両面印刷装置。
【請求項１１】
請求項６ないし１０のうちのいずれかの項において、
ロール紙収納部を有し、
当該ロール紙収納部に収納されたロール紙から繰り出される記録紙が前記第１紙送り経路に沿って前記印刷位置を経由して搬送されることを特徴とする両面印刷装置。
【図１】
【図２】
【図３】
【図４】
【図５】
【図６】
【図２】
【図３】
【図４】
【図５】
【図６】
【公開番号】特開２０１１−１４３６２８（Ｐ２０１１−１４３６２８Ａ）
【公開日】平成２３年７月２８日（２０１１．７．２８）
【国際特許分類】
【出願番号】特願２０１０−６５７４（Ｐ２０１０−６５７４）
【出願日】平成２２年１月１５日（２０１０．１．１５）
【出願人】（０００００２３６９）セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Ｆターム（参考）】
【公開日】平成２３年７月２８日（２０１１．７．２８）
【国際特許分類】
【出願日】平成２２年１月１５日（２０１０．１．１５）
【出願人】（０００００２３６９）セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Ｆターム（参考）】
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