説明

記録装置、および、記録装置の制御方法

【課題】ラベル等の粘着性を有する記録物を発行可能で、粘着材の対策としてのメンテナンスの手間を軽減でき、かつ、粘着性を持たない記録媒体にも記録を行うことが可能な記録装置、及び、記録装置の制御方法を提供する。
【解決手段】記録媒体の両面に対応して配置された表側サーマルヘッド41及び裏側サーマルヘッド42と、記録媒体を搬送する搬送モーター35及びプラテンと、表側サーマルヘッド41及び裏側サーマルヘッド42によって記録媒体に熱を与え、加熱により発色する発色層を有する記録媒体に対しては発色層101を発色させて記録を行い、加熱により粘着性を発現する粘着層を有する記録媒体に対しては粘着層の粘着性を発現させるCPU21とを備え、粘着層111側に配置された表側サーマルヘッド41及び裏側サーマルヘッド42は、記録媒体の搬送方向に並ぶ複数の発熱体を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、記録媒体に熱を与えるサーマルヘッドを備えた記録装置、および、この記録装置の制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、粘着剤が塗布されたシートをロール状に巻いて形成したラベル用記録媒体に文字等を記録し、ラベルを発行する記録装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1に記載された記録装置は、台紙を必要としないタイプのラベル用記録媒体を用い、文字を記録した後にカットし、ラベルを発行する。このタイプの記録媒体は台紙が無いことから廃棄物を削減できるメリットがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2010−202293号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記のような記録媒体に記録を行う場合、ロールから引き出された記録媒体の一面は粘着性を有するので、記録装置の内部を搬送される間に搬送機構等の各部に記録媒体が粘着してしまう。このため、安定した搬送を行うことが難しい、搬送機構等に粘着材が付着するため定期的な粘着材の除去が必要になるという問題がある。また、この問題の解決策として搬送機構に粘着材が付着しにくいような加工を施した場合、粘着性を持たない通常の記録媒体への記録ができないという問題もある。
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、ラベル等の粘着性を有する記録物を発行可能で、粘着材の対策としてのメンテナンスの手間を軽減でき、かつ、粘着性を持たない記録媒体にも記録を行うことが可能な記録装置、及び、記録装置の制御方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するために、本発明は、記録媒体の両面に対応して配置された複数のサーマルヘッドと、前記記録媒体を搬送する搬送手段と、前記サーマルヘッドによって前記記録媒体に熱を与えて、加熱により発色する発色層を有する前記記録媒体に対しては前記発色層を発色させて記録を行い、加熱により粘着性を発現する粘着層を有する前記記録媒体に対しては前記粘着層の粘着性を発現させる制御手段と、を備え、前記粘着層側に配置された前記サーマルヘッドは、前記記録媒体の搬送方向に並ぶ複数の発熱体を有することを特徴とする。
本発明によれば、複数のサーマルヘッドによって記録媒体の両面に熱エネルギーを与えることが可能であり、加熱によって発色する発色層を有する記録媒体を発色させて文字等を記録可能であり、加熱により粘着性を発現する粘着層を有する記録媒体に熱エネルギーを与えて粘着性を発現させることが可能である。このため、片面に発色層を有する記録媒体、両面に発色層を有する記録媒体、及び、片面に発色層を備えもう片面に粘着層を備える記録媒体の全てに対して記録を行うことができる。さらに、粘着層を有する記録媒体にはサーマルヘッドによって粘着性を発現させるので、記録媒体を搬送する搬送手段に粘着性の影響を与えることなく、粘着性を有する記録物を発行できる。そして、サーマルヘッドが記録媒体の搬送方向に並ぶ複数の発熱体を有するので、これら複数の発熱体を使用することで効率よく的確に、必要な熱エネルギーを粘着層と発色層に与えることができる。従って、粘着層と発色層のどちらに対しても必要なエネルギーを確実に与えることができ、粘着性を持たない記録媒体への記録とラベル等の粘着性を有する記録物の発行との両方が可能で、粘着材の対策としてのメンテナンスの手間を軽減できる記録装置を提供できる。特に、粘着層が粘着性を発現するにはより多くの熱エネルギーが必要であり、記録媒体の搬送方向に並ぶ複数の発熱体により、複数回に亘って熱エネルギーの印加が可能であり、多くの熱エネルギーの印加ができる。また、複数の発熱体により、熱エネルギーの印加のタイミングをずらして分散させ、電源容量や瞬間的な消費電流を小さくすることもできる。
【0006】
また、本発明は、上記記録装置において、前記制御手段は、前記発色層を両面に有する前記記録媒体に対しては両面に記録を行い、一方の面に前記発色層を有するとともに他方の面に前記粘着層を有する前記記録媒体に対しては、前記発色層を発色させるとともに前記粘着層の粘着性を発現させることを特徴とする。
本発明によれば、両面に発色層を有する記録媒体には両面に記録を行い、片面に発色層を備えもう片面に粘着層を備える記録媒体には、発色層を備える面に記録を行うとともに粘着層の粘着性を発現させるので、このような二種類の記録媒体の各々に対して適切な記録を行って、両面に記録がなされた記録物と、粘着性を有する記録物との両方を発行できる。
【0007】
また、本発明は、上記記録装置において、外部接続されたホストコンピューターから記録実行を指示するデータを受信する受信手段を備え、前記制御手段は、前記ホストコンピューターから受信したデータが両面記録に対応するデータである場合には、前記記録媒体が両面に前記発色層を有すると判別し、前記ホストコンピューターから受信したデータが片面記録に対応するデータである場合には前記記録媒体が一方の面に前記粘着層を有する前記記録媒体であると判別することを特徴とする。
本発明によれば、ホストコンピューターから受信したデータに基づいて、発色層を両面に有する記録媒体か、一方の面に発色層を有するとともに他方の面に粘着層を有する記録媒体かを判別して記録を行うので、記録媒体の種類を速やかに判別して適切な記録を行える。
【0008】
また、本発明は、上記記録装置において、前記制御手段は、一方の面に前記粘着層を有する前記記録媒体に対しては、前記サーマルヘッドにより、前記発色層に熱を与えて記録を行うととともに、所定のパターンに従って前記粘着層に熱を与えて前記粘着層の粘着性を発現させることを特徴とする。
本発明によれば、粘着層を有する記録媒体の粘着層に所定のパターンに従って熱エネルギーを与えることで、所定のパターンで粘着性を発現させるので、粘着層の全面に粘着性を発現させるだけでなく、その一部のみに選択的に粘着性を発現させて、粘着力を調整できる。
【0009】
また、本発明は、上記記録装置において、前記制御手段は、一方の面に前記発色層を有し他方の面に前記粘着層を有する前記記録媒体に対して、前記一方の面では前記発色層に熱を与えて発色させ、前記他方の面では、前記発色層を発色させた領域の裏側から外れた位置において前記粘着層に熱を与えることを特徴とする。
本発明によれば、文字や画像等が記録された領域から外れた部分に粘着性を発現させることができる。文字や画像等が記録された領域に、さらに熱エネルギーが印加されて記録品質に悪影響を及ぼすことを回避できる。また、文字や画像等が記録されるべき領域に、予め粘着性を発現させるための熱エネルギーが印加されることを避けて、記録品質の劣化を回避することもできる。
【0010】
また、上記目的を達成するために、本発明は、記録媒体の両面に対応して配置された複数のサーマルヘッドと、前記記録媒体を搬送する搬送手段とを備え、一方の面側に配置された前記サーマルヘッドが前記記録媒体の搬送方向に並ぶ複数の発熱体を有して構成された記録装置を制御し、前記サーマルヘッドによって前記記録媒体に熱を与えて、加熱により発色する発色層を有する前記記録媒体に対しては前記発色層を発色させて記録を行い、加熱により粘着性を発現する粘着層を有する前記記録媒体に対しては前記粘着層の粘着性を発現させることを特徴とする。
本発明の制御方法を実行することにより、記録装置が複数のサーマルヘッドによって記録媒体の両面に熱エネルギーを与えることが可能であり、加熱によって発色する発色層を有する記録媒体を発色させて文字等を記録可能であり、加熱により粘着性を発現する粘着層を有する記録媒体に熱エネルギーを与えて粘着性を発現させることが可能である。このため、片面に発色層を有する記録媒体、両面に発色層を有する記録媒体、及び、片面に発色層を備えもう片面に粘着層を備える記録媒体の全てに対して記録を行うことができる。さらに、粘着層を有する記録媒体にはサーマルヘッドによって粘着性を発現させるので、記録媒体を搬送する搬送手段に粘着性の影響を与えることなく、粘着性を有する記録物を発行できる。そして、サーマルヘッドが記録媒体の搬送方向に並ぶ複数の発熱体を有するので、これら複数の発熱体を使用することで効率よく的確に、必要な熱エネルギーを粘着層と発色層に与えることができる。従って、粘着層と発色層のどちらに対しても必要なエネルギーを確実に与えることができ、粘着性を持たない記録媒体への記録とラベル等の粘着性を有する記録物の発行との両方が可能で、粘着材の対策としてのメンテナンスの手間を軽減できる記録装置を実現できる。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、加熱により発色する発色層を有する記録媒体に対しては発色層を発色させて記録を行い、加熱により粘着性を発現する粘着層を有する記録媒体に対しては粘着層の粘着性を発現させるので、粘着性を持たない記録媒体に記録を行うことができ、ラベル等の粘着性を有する記録物を発行することも可能であり、さらに、粘着材の対策としてのメンテナンスの手間を軽減できる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の実施形態に係る記録システムの構成を示すブロック図である。
【図2】記録システムで記録媒体として使用されるロール紙の断面図である。
【図3】プリンターの搬送機構の概略構成を示す要部側面図である。
【図4】サーマルヘッドの構成を示す平面図である。
【図5】プリンターが発行する記録物の粘着層の状態を示す模式図である。
【図6】プリンターが発行する記録物の状態を示す平面図及び模式図である。
【図7】プリンターの動作を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、図面を参照して本発明の実施形態について説明する。
図1は、本発明を適用した実施形態に係る記録システム1の構成を示すブロック図である。
記録システム1は、プリンター2にホストコンピューター5を接続して構成され、プリンター2がホストコンピューター5の制御によって記録物(印刷物)を発行する。記録装置としてのプリンター2は、後述するようにサーマルヘッドを備え、感熱シートをロール状に巻いたロール紙100、110を本体内部に収容し、このロール紙100、110を引き出して記録を行い、カットして、記録物を排出する。プリンター2が発行する記録物は、片面または両面に文字や画像が記録(印刷)されたシート、及び、片面に文字や画像が記録され、反対側の面が粘着性を有するラベルである。
【0014】
プリンター2は、所定の制御プログラムを実行して各種データを処理することによりプリンター2の各部を制御するCPU21、CPU21が実行する制御プログラム、及び、プリンター2の動作に関する設定値等のデータを記憶した不揮発性メモリー22、CPU21が実行するプログラムや処理対象のデータ等を一時的に記憶するワークエリアを形成するRAM23、CPU21の制御に従って後述する各モーターを駆動するモータードライバー24、及び、CPU21の制御に従って後述するサーマルヘッドを駆動するヘッドドライバー25を備えている。
【0015】
モータードライバー24は、例えばステッピングモーターで構成される搬送モーター35及びカッター駆動モーター36に接続され、CPU21の制御に従って搬送モーター35に駆動パルスと駆動電流を供給し、搬送モーター35を必要量だけ回転させる。搬送モーター35は後述する第1プラテン33及び第2プラテン34にそれぞれ連結され、第1プラテン33及び第2プラテン34を回転させることによりロール紙100、110を搬送する。ここで、プリンター2は、第1プラテン33及び第2プラテン34を1台の搬送モーター35で同時に駆動する構成としてもよいし、2台の搬送モーター35によって第1プラテン33と第2プラテン34とを個別に駆動する構成としてもよい。この搬送モーター35は、第1プラテン33及び第2プラテン34とともに、搬送手段として機能する。また、モータードライバー24はカッター駆動モーター36を駆動して、後述するカッター37が有する可動刃を移動させ、ロール紙100、110を切断する。
プリンター2は、表側サーマルヘッド41及び裏側サーマルヘッド42の2つのサーマルヘッドを備えている。表側サーマルヘッド41はロール紙100、110の表側の面に接するよう配置され、裏側サーマルヘッド42はロール紙100、110の裏面に接するよう配置される。表側サーマルヘッド41及び裏側サーマルヘッド42は、いずれも通電により発熱する発熱素子を備え、この発熱素子によってロール紙100、110に熱エネルギーを与える。表側サーマルヘッド41は、後述するように発熱素子が一列に並んだ構成を有する一方、裏側サーマルヘッド42は、それぞれ発熱素子を配列した2列の発熱体43、44を備えている。裏側サーマルヘッド42が備える発熱体43、44には個別にヘッドドライバー25から通電可能となっている。
【0016】
プリンター2は、本体外面に紙送りスイッチ等のスイッチ及びLED表示部を備えた操作パネル(図示略)を備えており、操作パネルのスイッチ操作を検出する入力部26及びLED表示部を制御して各種表示を行わせる表示部27がCPU21に接続されている。
さらに、CPU21には、ロール紙100、110の搬送路上に配置され、該位置におけるロール紙100の有無を検出するニアエンドセンサー31及びリアルエンドセンサー32が接続されている。ニアエンドセンサー31は、表側サーマルヘッド41、裏側サーマルヘッド42よりも離れた位置に設置されたセンサーであり、リアルエンドセンサー32は表側サーマルヘッド41の近傍に設置されたセンサーである。CPU21には、ホストコンピューター5に接続され、ホストコンピューター5との間のコマンドやデータの送受信を制御する受信手段としてのインターフェース28、及び、その他の図示しない機能部が接続されている。
【0017】
図2は、ロール紙100、110の断面図であり、(A)はロール紙100の断面図、(B)はロール紙110の断面図である。
図2(A)に示すロール紙100は、表裏両面の表層に発色層101が形成されている。発色層101は、加熱により発色する発色体を含み、例えば、上記発色体及び発色体を固定するバインダ等を分散混合した液体を、ロール紙100の基材である紙に塗布して乾燥することにより形成される。発色体は、例えば有色(黒や赤)の顔料や染料を、白色のマイクロカプセルに封入したものであり、所定の発色温度に達するとマイクロカプセルが破壊されて内部の顔料や染料が漏出し、色を呈する。このため、加熱前の発色層101の色は白色であり、熱エネルギーを受けて所定温度以上まで熱せられた部分では発色体が黒または赤を呈する。
発色層101が異なる温度で抵触する2種類以上の発色体を含む場合、発色層101に加える熱エネルギーを調整することで、2色以上の色を混在させて発色させることができる。例えば、摂氏60度以上で赤く発色する発色体と、90度以上で黒く発色する発色体とを発色層101に含めれば、赤と黒の2色を用いて記録できる。ロール紙100には表裏両面に発色層101が形成されているため、両面に文字や画像等を記録できる。
【0018】
一方、ロール紙110は、表面に発色層101が形成され、裏面に粘着層111が形成された、いわゆるディレードタックや感熱ラベルと呼ばれる記録媒体である。粘着層111は、例えばベースラテックスに可塑剤と粘着付与剤とを分散混合したエマルジョンを、ロール紙110の基材である紙に塗布し乾燥することで形成される。粘着層111は熱エネルギーを受けて活性化温度以上になると粘着性を発現(活性化)し、活性化温度以下の温度範囲では粘着性をほとんど持たない。活性化温度はロール紙110の仕様によって異なるが、例えば、50℃〜90℃である。
ロール紙110に形成された発色層101は、ロール紙100に形成された発色層101と同様に加熱により呈色する発色体を含み、1色または2色以上の記録を行える。
【0019】
図3は、プリンター2が備える搬送機構の概略構成を示す要部側面図である。
この図3に示すように、プリンター2の本体に収容されたロール紙100、110はロールから引き出され、第1プラテン33及び第2プラテン34により搬送される。ロール紙100、110の搬送方向を、図中に矢印及び符号Fで示す。
第1プラテン33及び第2プラテン34は搬送モーター35(図1)により駆動されるローラーであり、ロール紙100、110に接する表面にはゴム等を用いた摩擦係数の高い層が形成されている。ロール紙100、110は表面が露出するよう巻かれているので、図3のように引き出された場合は表面が図中上側、裏面が図中下側となる。
【0020】
ロール紙100、110の搬送路において上流側に位置する第1プラテン33は、ロール紙100、110の裏面に接しており、この第1プラテン33に対向して表側サーマルヘッド41が配置されている。表側サーマルヘッド41は、図示しない板バネ等の付勢部材により第1プラテン33側に圧接しており、ロール紙100、110は第1プラテン33と表側サーマルヘッド41とに挟まれる。このため、ロール紙100、110は、第1プラテン33により滑りなく搬送される。
一方、ロール紙100、110の搬送路において下流側に位置する第2プラテン34は、ロール紙100、110の表面に接し、この第2プラテン34に対向して裏側サーマルヘッド42が配置されている。裏側サーマルヘッド42は、表側サーマルヘッド41と同様、図示しない板バネ等の付勢部材により第2プラテン34側に圧接しており、ロール紙100、110は第2プラテン34と裏側サーマルヘッド42とに挟まれる。このため、ロール紙100、110は、第2プラテン34により滑りなく搬送される。
【0021】
ロール紙100、110の表面の発色層101には、表側サーマルヘッド41によって熱エネルギーが与えられ、文字や画像が記録される。また、ロール紙100の裏面の発色層101には、裏側サーマルヘッド42によって熱エネルギーが与えられ、文字や画像が記録される。さらに、ロール紙110の粘着層111には、裏側サーマルヘッド42によって熱エネルギーが与えられるので、ロール紙110は裏側サーマルヘッド42の位置で粘着性を発現する。裏側サーマルヘッド42の下流側には、プリンター2の本体に開口する排出口の近傍に位置するように、カッター37が配置されている。カッター37は、ロール紙100、110の裏側に固定された固定刃と、カッター駆動モーター36により駆動される可動刃とを備え、可動刃が固定刃に向けて移動することによりロール紙100、110を切断する。
【0022】
図4は、サーマルヘッドの構成を示す平面図であり、(A)は表側サーマルヘッド41の平面図、(B)は裏側サーマルヘッド42の平面図である。これら図4(A)、(B)は表側サーマルヘッド41、裏側サーマルヘッド42がロール紙100、110に接する面を図示している。
図4(A)に示すように、表側サーマルヘッド41は、通電により発熱する複数の発熱素子41aが一列に並べて配置されて構成される。通常、発熱素子41aの数はプリンター2の記録解像度に対応して定められ、各発熱素子41aへの通電は個別にヘッドドライバー25によって制御されるので、発熱素子41aに接する発色層101には、発熱素子41aの数だけ有色のドットを形成できる。表側サーマルヘッド41において発熱素子41aが並ぶ方向は、ロール紙100、110の搬送方向Fに直交する方向である。
【0023】
図4(B)に示す裏側サーマルヘッド42は、2列の発熱体43、44を備えている。発熱体43、44の各々には、複数の発熱素子41aが一列に並べて配置されている。発熱素子41aの配列方向は搬送方向Fに直交する方向である。発熱体43、44の各々が有する発熱素子41aの数は、プリンター2の記録解像度より低い密度で、表側サーマルヘッド41に比べて大きな間隔を開けて配置されている。図4(B)に示したように、発熱体43の発熱素子41aと、発熱体44の発熱素子41aとは互い違いに並び、市松模様状の格子柄(Checkerboard pattern)を構成するように配置されている。換言すれば、発熱体43の発熱素子41aと発熱体44の発熱素子41aとが搬送方向F側に並ばないよう配置されている。また、別の見方をすれば、表側サーマルヘッド41のように記録解像度に対応して配置された一例の発熱素子41aを、2つの列に分散した構成ということもできる。この構成により、発熱体43、44の発熱素子41aは隣接する発熱素子41aの発熱の影響を受けにくいため、各発熱素子41aの温度をより容易に高精度で制御できる。また、裏側サーマルヘッド42の各発熱素子41aは、隣接する発熱素子41aとの距離があるため、発熱後の温度が低下しやすい。従って、表側サーマルヘッド41の発熱素子41aに比べて、より高温にすることが可能であり、粘着層111をより高温にして、確実に粘着性を与えることができる。
【0024】
表側サーマルヘッド41及び裏側サーマルヘッド42には、表側サーマルヘッド41、発熱体43、44の個々の温度あるいは各発熱素子41aの温度を検出する温度センサー(図示略)が設けられ、この温度センサーの検出値がCPU21に入力される。CPU21は、上記温度センサーの検出値に基づきヘッドドライバー25を制御して、発熱素子41aの温度を適切な温度に調整する。
【0025】
以上のように構成されるプリンター2において、CPU21は制御手段として機能し、ニアエンドセンサー31及びリアルエンドセンサー32の出力値に基づいてロール紙100の残量を監視しながら、インターフェース28を介してホストコンピューター5から入力される制御コマンドを実行し、モータードライバー24を制御して搬送モーター35を駆動してロール紙100、110を搬送する。そして、CPU21は、ロール紙100、110の搬送中に、ヘッドドライバー25を制御して表側サーマルヘッド41及び裏側サーマルヘッド42を駆動し、ロール紙100に対しては表裏両面の発色層101を発色させて文字や画像等を記録する。また、ロール紙110に対しては表面の発色層101を発色させて記録を行い、裏面の粘着層111を活性化して粘着性を発現させる。ここで、表側サーマルヘッド41及び裏側サーマルヘッド42の各発熱素子41aに通電される電力は、プリンター2内部におけるデータ処理速度や発色層101を発色させる濃度に応じて、モータードライバー24或いはCPU21によって決定される。
【0026】
その後、CPU21はモータードライバー24を制御してロール紙100、110を搬送し、搬送モーター35をいったん停止させて搬送を止め、この状態でカッター駆動モーター36を駆動させてカッター37によりロール紙100、110をカットする。カッター37の可動刃が切断位置に達した後、モータードライバー24はカッター駆動モーター36を逆転させて可動刃を元の位置に戻し、搬送モーター35の動作を再開させる。
【0027】
図5(A)、(B)は、プリンター2が発行する記録物の例を示す図であり、特に、ロール紙110を使用して発行されるラベルについて、裏面側すなわち粘着層111側の状態を模式的に示している。
図5(A)に例示するラベル210は、粘着層111において、活性化された部分すなわち粘着性を有する粘着部112が、隙間をあけて複数形成されており、この粘着部112以外の部分は活性化されていない。これに対し、図5(B)に例示するラベル220は、粘着層111に粘着部112が密に並べて配置され、面積比において粘着層111の大部分が粘着部112となっている。ラベル210はラベル220に比べて粘着部112の面積が小さいことから、同じロール紙110を用いて同じサイズにカットした場合には、ラベル210の方がラベル全体としての粘着力が弱いといえる。
プリンター2は裏側サーマルヘッド42によって粘着層111を活性化するので、各発熱素子41aの通電状態を制御することで、粘着層111の一部のみを活性化温度以上に加熱して粘着性を持たせることが可能となる。このため、図5(A)に示す例に限らず、粘着層111のうち任意の位置を任意の面積で活性化し、粘着部112とすることができる。このため、ラベル全体に占める粘着部112の割合、及び粘着部112の面積を自在に調整できるので、ラベルの粘着力を自由に調整できるという利点がある。なお、図5(A)、(B)の例では複数の粘着部112が間隔を開けて配置され、ラベル210、220の縁には粘着部112が形成されていないが、粘着部112の数、面積、及び位置に制限は無く、例えば一つの大きな粘着部112を形成しても良いし、ラベルの縁まで粘着部112を形成することもできる。
【0028】
また、ロール紙110の片面に設けられた発色層101に文字や画像が記録された場合に、この文字や画像を避けて粘着部112を配置することも可能である。
図6は、プリンター2が発行する記録物の例を示す図であり、(A)は表面の平面図、(B)は裏面の粘着状態を模式的に示す図である。
図6(A)に例示するラベル230の表面には、下部に文字が記録されている。この文字が記録された領域を被記録領域231とする。被記録領域231の上部には空白の領域が存在し、プリンター2は、この空白の領域に粘着性を持たせる。
すなわち、図6(B)に示すように、ラベル230の裏面においては、被記録領域231の裏側を避け、粘着領域232に粘着部112が形成されている。この場合、文字や画像の裏側に粘着部112が位置していないため、例えばこのラベル230を貼付した後で、被記録領域231だけを綺麗な状態で取ることができる。また、例えば粘着部112が形成された部分が糊代として折り曲げられたり、隠れたりした場合にも、被記録領域231の文字や画像の視認性を損なわないという利点がある。さらに、粘着領域232に形成する粘着部112の数や面積を増加させて粘着力を強くすることも、反対に粘着部112の数や面積を減らして粘着力を弱くすることも可能である。
【0029】
このように、プリンター2は、両面に発色層101を有するロール紙100に対しては、表側サーマルヘッド41及び裏側サーマルヘッド42によって、両面に文字や画像等を記録し、片面に発色層101を有し反対面に粘着層111を有するロール紙110に対しては、片面の発色層101に表側サーマルヘッド41によって文字や画像等を記録し、粘着層111には裏側サーマルヘッド42によって粘着部112を形成する。これにより、両面印刷されたラベルと、片面に粘着性を有するラベルとを自在に発行できる。
【0030】
さらに、プリンター2のCPU21は、ホストコンピューター5から入力されるジョブのデータに基づいて、本体にセットされている記録媒体がロール紙100であるのかロール紙110であるのかを判別し、判別した結果に応じて両面への記録または片面への記録と片面の粘着層の活性化を行う。ホストコンピューター5を操作するオペレーターは、プリンター2にセットされている記録媒体の種類を知って、記録実行を指示しているから、ホストコンピューター5から送信されるコマンド(データ)がロール紙100用であるのかロール紙110用であるのかに基づいて、ロール紙の種類を判別できる。
【0031】
図7は、プリンター2の動作を示すフローチャートである。
プリンター2のCPU21は、ホストコンピューター5から送信される記録指示コマンドを受信するまで待機し(ステップS11)、コマンドと、このコマンドとともに送信された記録用のデータとを受信すると(ステップS11;Yes)、受信したコマンド及び/または記録データに基づいて、両面に記録を行うのか否かを判別する(ステップS12)。
ステップS12で、CPU21は、次のように判別を行う。受信した記録指示コマンドが記録する面を指定可能なコマンドである場合には、記録指示コマンドが両面への記録を指示するか否かをもとに判別する。記録指示コマンドとともに受信した受信データに、記録する面を指定するデータが含まれている場合は、当該データに基づき判別する。さらに、記録指示コマンドとともに受信した受信データが両面分だけあるか否かを判定し、一面分しか記録データがない場合に両面記録を行わないと判別することもできる。
【0032】
記録媒体の両面に記録を行う場合(ステップS12;Yes)、CPU21は、受信した記録データに基づいて、ロール紙100の表側の発色層101に記録するイメージデータと、裏側の発色層101に記録するイメージデータとを展開し(ステップS13)、表側サーマルヘッド41及び裏側サーマルヘッド42によって両面に記録を行う(ステップS14)。
【0033】
一方、記録媒体の両面に記録を行わない場合(ステップS12;No)、CPU21は、受信した記録データに基づいてロール紙110の表側の発色層101に記録するイメージデータを展開し(ステップS15)、続いて、裏面の粘着層111に形成する粘着部112について、形状、サイズ、面積、位置などを規定するパターンが指定されたか否かを判別する(ステップS16)。パターンの指定は、例えば、記録指示コマンドに続いて受信されるコマンドや記録データにより行われる。粘着部112のパターンが指定されている場合(ステップS16;Yes)、CPU21は、裏側サーマルヘッド42により形成する粘着部112のパターンを作成し、これに基づいて裏側サーマルヘッド42が粘着層111を加熱するイメージを作成する(ステップS17)。ここで作成されるイメージは、裏側サーマルヘッド42によりロール紙110を加熱する際の各発熱素子41aへの通電を制御するもとになるデータであり、温度による通電時間の差が影響するものの、基本的にステップS15で作成した記録イメージと同様である。その後、CPU21は、ステップS14に移行して、ステップS15で作成したイメージに従って表側サーマルヘッド41を駆動し、ステップS17で作成したイメージに基づいて裏側サーマルヘッド42を駆動し、片面への記録と粘着部112の形成を行う。
【0034】
また、粘着部112のパターンが指定されていない場合(ステップS16;No)、CPU21は、粘着部112の通常用の加熱パターンを、例えば不揮発性メモリー22(図1)から読み出して取得する(ステップS18)。その後、CPU21は、ステップS14に移行して、ステップS15で作成したイメージに従って表側サーマルヘッド41を駆動し、ステップS18で取得したパターン通りに裏側サーマルヘッド42を駆動し、片面への記録と粘着部112の形成を行う。
【0035】
以上のように、本発明を適用した実施形態に係る記録システム1を構成するプリンター2は、記録媒体としてのロール紙の両面に対応して配置された複数の表側サーマルヘッド41、裏側サーマルヘッド42と、ロール紙を搬送する搬送手段を構成する第1プラテン33、第2プラテン34及び搬送モーター35と、表側サーマルヘッド41及び裏側サーマルヘッド42によってロール紙に熱を与えて、発色層101を有するロール紙に対しては発色層101を発色させて記録を行い、粘着層111を有するロール紙に対しては粘着層111の粘着性を発現させるCPU21と、を備え、粘着層111側に配置された裏側サーマルヘッド42は、ロール紙の搬送方向に並ぶ複数の発熱体43、44を有するので、複数の表側サーマルヘッド41及び裏側サーマルヘッド42によってロール紙の両面に熱エネルギーを与えることで、発色層101を有するロール紙を発色させて文字等を記録することも、粘着層111を有するロール紙に熱エネルギーを与えて粘着性を発現させることも可能である。裏側サーマルヘッド42は、発熱体43、44を使用することで効率よく的確に、必要な熱エネルギーを粘着層111と発色層101に与えることができる。すなわち、複数の発熱体43、44を使用することで、発熱体43,44が有する発熱素子41aの温度範囲の制約が緩和されるので、より広い範囲で発熱体43、44の温度を正確に調整できる。このため、例えば、発色層101の発色温度と粘着層111の活性化温度とが異なっている場合に、どちらの温度にも容易に対応でき、粘着層と発色層のどちらに対しても必要なエネルギーを確実に与えることができる。これにより、粘着性を持たない記録媒体への記録と、ラベル等の粘着性を有する記録物との両方が発行可能で、粘着材の対策としてのメンテナンスの手間を軽減できる記録装置としてのプリンター2を提供できる。また、粘着層111が粘着性を発現するためにはより多くの熱エネルギーが必要であるが、本実施形態のプリンター2はロール紙の搬送方向に並ぶ複数の発熱体43、44を備え、これら発熱体43、44によって複数回に亘って熱エネルギーの印加が可能であり、多くの熱エネルギーを印加できる。また、複数の発熱体43、44により、熱エネルギーの印加のタイミングをずらして分散させ、電源容量や瞬間的な消費電流を小さくすることもできる。
【0036】
上記実施形態では、発熱体43が備える発熱素子41aと、発熱体44が備える発熱素子41aとが搬送方向Fに沿って並ばない構成を例に挙げて説明したが、例えば、発熱体43,44の両方において、表側サーマルヘッド41のように複数の発熱素子41aが密に並んだ構成としても良い。この場合には、発熱体43、44によって、ロール紙100、110に対して2回の加熱できる。このため、2回の加熱によりロール紙100、110に十分な熱エネルギーを与えることができ、また、発熱体43と発熱体44の温度を異ならせることで、ロール紙100、110に与える熱エネルギーを細かく調整することも可能である。
このように、プリンター2は、複数の発熱体43、44を有する裏側サーマルヘッド42を、発色層101と粘着層111の両方に対応する裏面側のサーマルヘッドとして用いることにより、発色層101と粘着層111のどちらに対しても十分に加熱を行える。
【0037】
また、CPU21は、発色層101を両面に有するロール紙100に対しては両面に記録を行い、一方の面に発色層101を有するとともに他方の面に粘着層111を有するロール紙110に対しては、発色層101を発色させるとともに粘着層111の粘着性を発現させるので、このような二種類のロール紙100、110の各々に対して適切な記録を行って、両面に記録がなされた記録物と、粘着性を有するラベル等の記録物との両方を発行できる。
【0038】
プリンター2は、外部接続されたホストコンピューター5から記録実行を指示するデータを受信するインターフェース28を備え、CPU21は、ホストコンピューター5からインターフェース28により受信したデータが両面記録に対応するデータである場合には、記録媒体が両面に発色層101を有するロール紙100であると判別し、ホストコンピューター5から受信したデータが片面記録に対応するデータである場合には記録媒体が一方の面に粘着層111を有するロール紙110であると判別するので、ロール紙100、110の種類を速やかに判別して適切な記録を行える。
【0039】
CPU21は、一方の面に粘着層111を有するロール紙110に対しては、表側サーマルヘッド41及び裏側サーマルヘッド42により、発色層101に熱を与えて記録を行うととともに、所定のパターンに従って粘着層111に熱を与えて粘着層111の粘着性を発現させるので、粘着層111の全面に粘着性を発現させるだけでなく、その一部のみに選択的に粘着性を発現させて、粘着力を自在に調整できる。また、この場合に粘着性を発現させる面積、サイズ、位置等をCPU21が調整することも可能であり、所望の粘着性能を付与できる。
また、CPU21は、ロール紙110に対して、一方の面では発色層101に熱を与えて発色させ、他方の面では、発色層101を発色させた領域の裏側から外れた位置において粘着層111に熱を与え、粘着性を発現させることにより、文字や画像が記録された領域から外れた部分が粘着する形態の記録物を発行できる。これにより、文字や画像等が記録された領域に、さらに熱エネルギーが印加されて記録品質に悪影響を及ぼすことを回避できるという効果もある。また、文字や画像等が記録されるべき領域に、予め粘着性を発現させるための熱エネルギーが印加されることを避けて、記録品質の劣化を回避することもできる。
【0040】
なお、上述した実施の形態は、あくまでも本発明の一態様を示すものであり、本発明の範囲内で任意に変形および応用が可能である。例えば、上記実施の形態においては、ロール紙100、110の表面に接する表側サーマルヘッド41が一列の発熱素子41aを有する構成として説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、表側サーマルヘッド41における発熱素子41aの配列形態は任意に変更可能であり、例えば、発熱素子41aが並ぶ発熱体を複数備えた構成としてもよい。また、ロール紙100、110の表側及び裏側に複数のサーマルヘッドを配置してもよく、例えば上記実施形態では一つの裏側サーマルヘッド42が発熱体43と発熱体44とを有する構成としたが、互いに独立して制御される複数のサーマルヘッドを、搬送方向Fに沿って並べた構成としてもよい。また、記録媒体としてプリンター2が使用するロール紙は、ロール紙100、110に限らず、一方の面に発色層101を備え、もう一方の面には発色層101も粘着層111も有しないロール紙であってもよい。さらに、プリンター2は、1つのホストコンピューター5に接続される形態に限らず、複数のホストコンピューター5に接続されてもよいし、通信ネットワークを介してホストコンピューター5に接続される構成としてもよい。
また、上記実施の形態においては、本発明をプリンター2及びプリンター2を有する記録システム1に適用した場合について説明したが、本発明はこれに限定されず、他の機器(複写機等)に組み込まれた記録装置に適用することも可能である。その他、上記実施の形態に係る他の細部構成についても、任意に変更可能であることは勿論である。
【符号の説明】
【0041】
1…記録システム、2…プリンター、5…ホストコンピューター、21…CPU(制御手段)、28…インターフェース(受信手段)、33…第1プラテン(搬送手段)、34…第2プラテン(搬送手段)、35…搬送モーター(搬送手段)、41…表側サーマルヘッド、41a…発熱素子、42…裏側サーマルヘッド、43、44…発熱体、100、110…ロール紙(記録媒体)、101…発色層、111…粘着層、112…粘着部、210、220、230…ラベル、231…被記録領域、232…粘着領域、F…搬送方向。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
記録媒体の両面に対応して配置された複数のサーマルヘッドと、
前記記録媒体を搬送する搬送手段と、
前記サーマルヘッドによって前記記録媒体に熱を与えて、加熱により発色する発色層を有する前記記録媒体に対しては前記発色層を発色させて記録を行い、加熱により粘着性を発現する粘着層を有する前記記録媒体に対しては前記粘着層の粘着性を発現させる制御手段と、を備え、
前記粘着層側に配置された前記サーマルヘッドは、前記記録媒体の搬送方向に並ぶ複数の発熱体を有すること、
を特徴とする記録装置。
【請求項2】
前記制御手段は、前記発色層を両面に有する前記記録媒体に対しては両面に記録を行い、一方の面に前記発色層を有するとともに他方の面に前記粘着層を有する前記記録媒体に対しては、前記発色層を発色させるとともに前記粘着層の粘着性を発現させることを特徴とする請求項1記載の記録装置。
【請求項3】
外部接続されたホストコンピューターから記録実行を指示するデータを受信する受信手段を備え、
前記制御手段は、前記ホストコンピューターから受信したデータが両面記録に対応するデータである場合には、前記記録媒体が両面に前記発色層を有すると判別し、前記ホストコンピューターから受信したデータが片面記録に対応するデータである場合には前記記録媒体が一方の面に前記粘着層を有する前記記録媒体であると判別することを特徴とする請求項1または2記載の記録装置。
【請求項4】
前記制御手段は、一方の面に前記粘着層を有する前記記録媒体に対しては、前記サーマルヘッドにより、前記発色層に熱を与えて記録を行うととともに、所定のパターンに従って前記粘着層に熱を与えて前記粘着層の粘着性を発現させることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の記録装置。
【請求項5】
前記制御手段は、一方の面に前記発色層を有し他方の面に前記粘着層を有する前記記録媒体に対して、前記一方の面では前記発色層に熱を与えて発色させ、前記他方の面では、前記発色層を発色させた領域の裏側から外れた位置において前記粘着層に熱を与えることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の記録装置。
【請求項6】
記録媒体の両面に対応して配置された複数のサーマルヘッドと、前記記録媒体を搬送する搬送手段とを備え、一方の面側に配置された前記サーマルヘッドが前記記録媒体の搬送方向に並ぶ複数の発熱体を有して構成された記録装置を制御し、
前記サーマルヘッドによって前記記録媒体に熱を与えて、加熱により発色する発色層を有する前記記録媒体に対しては前記発色層を発色させて記録を行い、加熱により粘着性を発現する粘着層を有する前記記録媒体に対しては前記粘着層の粘着性を発現させること、
を特徴とする記録装置の制御方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2012−158106(P2012−158106A)
【公開日】平成24年8月23日(2012.8.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−19531(P2011−19531)
【出願日】平成23年2月1日(2011.2.1)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】