記録装置及び記録媒体巻取り状態判別方法
【課題】 ロール状の記録媒体を用いる際に、その巻取りエラーを正確に検知しつつ、その記録媒体を記録後に確実に巻取りながら記録を行う記録装置及び記録媒体巻取り状態判別方法を提供することである。
【解決手段】 ロール状の記録媒体に対して記録を行い、その記録された記録媒体の排出動作に合わせて該記録媒体を巻取りと、その巻取りによって生じる記録媒体の巻取り状態を光学的に検出する。そして、その検出結果に基づいて、記録媒体の巻取り状態の異常を判別する。
【解決手段】 ロール状の記録媒体に対して記録を行い、その記録された記録媒体の排出動作に合わせて該記録媒体を巻取りと、その巻取りによって生じる記録媒体の巻取り状態を光学的に検出する。そして、その検出結果に基づいて、記録媒体の巻取り状態の異常を判別する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は記録装置及び記録媒体巻取り状態判別方法に関し、特に、インクジェット記録ヘッドを用いてロール状の記録媒体に記録を行なう記録装置及び記録媒体巻取り状態判別方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来のインクジェット記録装置は、記録媒体の搬送方向(副走査方向)に複数のインク吐出ノズル(以下、ノズル)が配列された記録ヘッドを有している。そして、記録ヘッドを搭載したキャリッジをその移動方向(主走査方向)に往復移動させるとともに、搬送ローラにより記録媒体を副走査走査に搬送を繰り返すことにより、その記録媒体全体に対する記録を行う。
【0003】
このような記録装置の中には、A4やA3といった定型サイズの用紙以外に、縦方向(記録装置に装着時には搬送方向)に長い記録紙をロール状に巻いたロール紙を用いて記録を行えるタイプもある。
【0004】
ロール紙に記録を行うタイプの記録装置における記録後のロール紙の処理方法には、1回の記録後に、記録済の部分をカットしてからバスケット状のものに排紙する処理方法と、記録後のロール紙を専用のスプールに巻き取って保管処理する方法がある。後者の場合には、巻取り状態を管理しながら安定してロール紙を巻取り、巻取り動作にエラーが発生した場合にはそれを確実に検知する必要がある。
【0005】
安定した巻取りを実現する方法としては、例えば、特許文献1に提案されているような方法がある。この方法は、記録の進行に従って排出されるロール紙が、記録装置内のエンコーダスケールが接続されたローラを押しながら回転する構成を前提としている。このような記録装置において、排出されるロール紙に従って回転するエンコーダスケールの回転をフォトインタラプタで検知することにより紙送り状態を検知し、それに合わせて巻取り部のモータ駆動を制御するようにしている。
【0006】
また、類似技術として、例えば、特許文献2には、ロール状フィルムの露光装置におけるフィルムの安定給送を目的とした搬送制御方法が提案されている。この方法によれば、露光装置の露光ポイント前後にたるみを形成させ、前後のたるみ状態を夫々、別のセンサで検知し、各センサ出力に応じて前後の送りを別々のモータで制御することによってフィルムに過度の負担がかからないようにしている。
【特許文献1】特開2002−2035号公報
【特許文献2】特許第2665499号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、特許文献1に開示された技術は、仮に巻取り部でロール紙を正しく巻き取れていない場合に、それをエラーとして判別することはできないという問題がある。また、巻取り側のモータ回転速度を記録部よりも速く設定することでロール紙を巻取り側に引っ張っているため、引っ張り過ぎが発生してもそれを検知することはできない。
【0008】
特許文献1で開示された技術は、例えば、銀行の自動預け払い機(以下、ATM)の装着されるロール紙のように、そのサイズが小さく、記録直後のロール紙をローラなどに接触させても記録面が汚れない等、実害とならない動作条件であれば有効な手段である。一方、インクジェット記録装置のように記録直後の記録面に直接他の部材が触れることで記録画像に悪影響を及ぼす可能性がある場合は、その技術を適用することができない。
【0009】
一方、特許文献2で開示される技術は、ロール状フィルムのたるみ量を所定の範囲内に制御する方法を開示しているものの、たるみ生成部分でそのフィルムが引っかかった場合等のエラー検知とその場合のエラー除去処理については述べられていない。また、センサで安定した検出ができるようにたるみ生成部にガイドを設けているが、インクジェット記録装置の場合は記録直後の記録紙をそのようなガイドに沿わせて移動させることは上述した理由から実施不可能である。
【0010】
従って、ロール紙を記録媒体として使用するインクジェット記録装置では、記録後の記録媒体をサイズや種類に関係なく巻取りエラーを確実に検知し、安定して巻取りを続けるためには従来技術以外の方法が望まれている。
【0011】
本発明は上記従来例に鑑みてなされたもので、ロール状の記録媒体を用いる際に、その巻取りエラーを正確に検知しつつ、その記録媒体を記録後に確実に巻取りながら記録を行う記録装置及び記録媒体巻取り状態判別方法を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記目的を達成するために本発明の記録装置は、以下のような構成からなる。
【0013】
即ち、ロール状の記録媒体に対して記録を行う記録装置であって、前記記録媒体に記録するための記録手段と、前記記録手段により記録された記録媒体の排出動作に合わせて該記録媒体を巻取る巻取り手段と、前記巻取り手段によって生じる記録媒体の巻取り状態を当該記録媒体に触れずに検出する検出手段と、前記検出手段による検出結果に基づいて、前記記録媒体の巻取り状態の異常を判別する判別手段とを有することを特徴とする。
【0014】
また他の発明によれば、ロール状の記録媒体に対して記録を行う記録装置における記録済の記録媒体の巻取り状態を検出する記録媒体巻取り状態判別方法であって、前記記録媒体に記録するための記録工程と、前記記録工程において記録された記録媒体の排出動作に合わせて該記録媒体を巻取る巻取り工程と、前記巻取り工程によって生じる記録媒体の巻取り状態を当該記録媒体に触れずに検出する検出工程と、前記検出工程による検出結果に基づいて、前記記録媒体の巻取り状態の異常を判別する判別工程とを有することを特徴とする記録媒体巻取り状態判別方法を備える。
【発明の効果】
【0015】
従って本発明によれば、ロール状の記録媒体を記録後に巻き取る場合に、巻取りエラーを検知することが可能となる。また、非接触のセンサを用いて記録媒体の巻取り状態を検出するので、記録直後の記録媒体の記録面に直接触れることがなく、記録品位を損なうことがないという利点もある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下添付図面を参照して本発明の好適な実施例について、さらに具体的かつ詳細に説明する。なお、既に説明した部分には同一符号を付し重複説明を省略する。
【0017】
なお、この明細書において、「記録」(「プリント」という場合もある)とは、文字、図形等有意の情報を形成する場合のみならず、有意無意を問わない。また人間が視覚で知覚し得るように顕在化したものであるか否かを問わず、広く記録媒体上に画像、模様、パターン等を形成する、または媒体の加工を行う場合も表すものとする。
【0018】
また、「記録媒体」とは、一般的な記録装置で用いられる紙のみならず、広く、布、プラスチック・フィルム、金属板、ガラス、セラミックス、木材、皮革等、インクを受容可能なものも表すものとする。
【0019】
さらに、「インク」(「液体」と言う場合もある)とは、上記「記録(プリント)」の定義と同様広く解釈されるべきものである。従って、記録媒体上に付与されることによって、画像、模様、パターン等の形成または記録媒体の加工、或いはインクの処理(例えば記録媒体に付与されるインク中の色剤の凝固または不溶化)に供され得る液体を表すものとする。
【0020】
またさらに、「ノズル」(「記録素子」、「記録要素」という場合もある)とは、特にことわらない限り吐出口ないしこれに連通する液路およびインク吐出に利用されるエネルギーを発生する素子を総括して言うものとする。
【0021】
まず、本発明に適用されるインクジェット記録装置の全体構成を説明する。
【0022】
図1は本発明の代表的な実施例であるロール状の記録媒体を使用するインクジェット記録装置の概略構成を示す外観斜視図である。また、図2は図1に示すインクジェット記録装置の概略的な内部構造を示す側断面図である。
【0023】
図1〜図2において、インクジェット記録装置(以下、記録装置)1は、装置本体2と、装置本体2を乗せるスタンド3と、排紙された記録紙等の記録媒体を巻き取る巻取り装置4とから構成されている。巻取り装置4はさらに、巻取りモータ駆動ユニット23、巻取りスプール13など、記録紙の巻取りに関わる複数のユニットから成る。なお、巻取り装置4の詳細は後述する。
【0024】
また、装置本体2の前面には記録媒体の排紙口6があり、排紙口6から伸びる排紙台5の上から記録後の記録媒体が下方に排出される。排紙台5の下部にロール紙カセット10が配置されており、ロール紙カセット10内には記録紙等の記録媒体がロール状に巻かれたロール紙16が配置されている。ロール紙カセット10からロール紙16が装置本体2内に供給される。装置本体2右側には操作パネル部7が配置されている。また、インクタンクを含むインク供給ユニット(不図示)は装置本体2内に配設されている。赤外LED12から照射される光が受光可能なように、赤外LED12とフォトダイオードなどを用いた受光センサ14とは、スタンド3内に対面に配置される。このようにして、赤外LED12と受光センサ14とによりフォトインタラプタを構成する。
【0025】
さらに、記録装置1は、記録紙等の記録媒体を矢印B方向(副走査方向)に搬送するための搬送ローラ8と、搬送ローラ8を駆動するためのモータやギアなどを含む搬送ローラ駆動手段(不図示)を備えている。また、記録媒体の幅方向(矢印A方向、主走査方向)に往復移動可能に案内支持されたキャリッジユニット9と、キャリッジユニット9を主走査方向に往復移動させるためのキャリッジモータ(不図示)及びベルト伝動手段(不図示)とを備えている。
【0026】
ロール紙16を巻取るための駆動源となる巻取りモータ17は、巻取りモータ駆動ユニット23内に配置され、巻取りスプール13を回転させるように構成されている。巻取りモータ17は巻取りモータ駆動回路18により駆動される。赤外LED12と受光センサ14にはケーブル19により電源を供給され、かつ、ケーブル19により受光センサ14からのセンサ出力信号を巻取りモータ駆動ユニット23に伝達される。
【0027】
キャリッジユニット9には、記録媒体にカラー記録を行うための記録ヘッド11が装着されている。この記録ヘッドは、例えば、夫々異なった色のインクに対応した4つのインク、例えば、Bk(ブラック)、C(シアン)、M(マゼンタ)、Y(イエロ)を使用することができる。また、これらに加えて、更に2つのインク色、例えば、淡C(淡色シアン)、淡M(淡色マゼンタ)を使用することもできる。
【0028】
また、記録ヘッド11の別の構成として、複数の独立した記録ヘッドを用いることもできる。この複数の記録ヘッドは、夫々異なった色のインク、例えば、Bk(ブラック)、C(シアン)、M(マゼンタ)、Y(イエロ)に対応した4つの記録ヘッドで良い。或いは、これらに加えて、例えば、淡C(淡色シアン)、淡M(淡色マゼンタ)の2つのインクに対応した更に2つの記録ヘッドを用いることもできる。
【0029】
図3は、図1〜図2に示した記録装置の制御構成を示すブロック図である。
【0030】
図3において、30は記録する画像データやコマンド等を供給するパソコン(PC、ホストコンピュータ)である。PC30は、一般的なものであり、キーボードやディスプレイを有し、ユーザとのインタフェースをアプリケーションソフトや記録装置用のプリンタドライバや専用プリンタ制御ソフト(RIP等)で実現している。一方、記録装置1はPC30からの画像データやコマンド、パラメータ、画像処理LUT(ルックアップテーブル)等の受信を行い、受信画像データを、コマンド、パラメータ、及び画像処理LUTを用いて、画像処理して画像を記録する。
【0031】
記録装置1は、装置全体を制御するための制御ユニット31、記録ヘッド11を搭載したキャリッジユニット9、キャリッジユニット9を主走査方向に往復移動させるキャリッジ搬送ユニット20を備えている。さらに、ロール状記録紙等の記録媒体を副走査方向に搬送する紙搬送ユニット21、記録ヘッド11へインクを供給するインク供給ユニット22、巻取りモータの駆動を行う巻取りモータ駆動ユニット23を備えている。そして、記録ヘッド11や制御ユニット31や各ユニットに対しては電源ユニット24から電力が供給される。
【0032】
また、操作パネル部7には、キースイッチ(不図示)やLCD(不図示)が備えられている。
【0033】
その他、記録ヘッド11のインク吐出面のクリーニングやインク吸引等を行うことで記録ヘッド11を良好な状態に回復させる回復ユニット(不図示)も備えられているが、本願発明の説明に直接関わらないのでその説明は省略する。
【0034】
キャリッジユニット9は、記録ヘッド11を取り外しできる機構を有し、電気的な接点やインクを供給するチューブ等のジョイント部、記録ヘッド11を支持固定する部材、キャリッジ搬送ユニット20との接続部を有する(不図示)。また、キャリッジユニット9は、キャリッジ搬送ユニット20のレール(不図示)等で支持され、タイミングベルト(不図示)等でキャリッジモータ(不図示)に接続され、そのモータの回転でキャリッジユニット9は主走査方向に往復移動される。さらに、キャリッジユニット9はエンコーダセンサ(不図示)を搭載し、キャリッジ搬送ユニット20にはエンコーダ用のリニアスケール(不図示)が主走査方向に備えられる。このような構成により、キャリッジユニット9が主走査方向に移動するとき、搭載された記録ヘッド11の位置を検出し、その移動速度を制御する。
【0035】
紙搬送ユニット21は、記録媒体を副走査方向へ移動させるために、搬送ローラ8を駆動する搬送モータ(不図示)、また、記録媒体の搬送量を制御するために、ロータリーエンコーダ(不図示)を備えている。
【0036】
さて、インク供給ユニット22は、インクタンクユニット(不図示)と記録ヘッド11をインクチューブ(不図示)等で接続しインクを供給する機構を備えている。インクチューブの途中には弁機構(不図示)があり、記録ヘッド11の交換やインクタンクの交換時等に弁を閉じることでインクチューブや記録ヘッド11からのインク漏れを防止する。なお、この弁機構を動かす駆動源としてモータ(不図示)を使用し、弁の開閉状態を検知するためにフォトインタラプタ型の位置センサ(不図示)を使用している。
【0037】
電源ユニット24は、ACスイッチ(不図示)や操作パネル7上のソフトスイッチ(不図示)等でオンオフされる。電源ユニット24から制御ユニット31には、ロジック電源として電圧3.3Vや5Vの電源を供給し、各ユニットのアクチュエータ(モータ等)に対しては電圧24Vの電源を制御ユニット31内のI/O制御部&ドライバ部26経由で供給する。また、記録ヘッド11へのヘッド電源として、制御ユニット31内のヘッド電源制御部(不図示)を介して設定された所定の電圧を供給している。
【0038】
巻取りモータ駆動ユニット23は、巻取りモータ17と巻取りモータ駆動回路18とから成り、巻取りモータ駆動ユニット23内には、受光センサ14の信号を処理する電気回路(不図示)が含まれる。
【0039】
制御ニット31は、機能的には、I/F制御部(不図示)、シーケンス制御部25、画像処理部27、タイミング制御部28、ヘッド制御部29、I/O制御部&ドライバ部26等からなる。I/F制御部はパソコン31とのインタフェースとなり、シーケンス制御部25は全体の動作を管理し、画像処理部27は画像データから記録データへの変換処理を実行する。また、タイミング制御部28は記録データを記録装置1の動作に合わせてタイミング調整し、ヘッド制御部29は記録ヘッド11の駆動データや駆動パルスや駆動電圧等を制御する。さらに、I/O制御部&ドライバ部26は、装置内部ユニットのセンサやアクチュエータ(モータ等)とのインタフェースとなって動作制御や駆動制御を行う。
【0040】
制御ユニット31は物理的には電気基板である。シーケンス制御部25はマイクロプロセッサ等のCPU(不図示)、制御プログラムや各種データを記憶するROM(不図示)、CPUの作業領域として使用し各種データを一時的に記憶するRAM(不図示)、PC30とのインタフェースであるI/F部を含む。さらに、画像処理部27、タイミング制御部28、及びヘッド駆動部29は、ASIC(不図示)とメモリ(不図示)で主に構成され、I/O制御部&ドライバ部26は汎用LSIやトランジスタ等の電気回路で構成される。
【0041】
画像処理部27は、PC30からのRGB画像データを使用されるインク色(例えば、Bk、C、M、Y、LC、LM)のインク色画像データに画像処理LUTに基づいて変換する色変換処理部41を含んでいる。さらに、画像処理部27は、色変換処理部41からのインク色画像データを記録装置の出力γ特性に基づいて変換する出力γ処理部42、出力γ処理部42からのインク色画像データ(多値データ)を2値のインク色記録データに変換する2値化処理部43を含む。
【0042】
タイミング制御部28は、画像処理部27から出力された2値のインク色記録データのデータ順序(ラスタ方向順)を記録ヘッド11のノズルの順番(カラム方向順)に変換するHV変換部44を含んでいる。タイミング制御部28はHV変換された記録データを格納するメモリ部45と、メモリ部45からの読出しタイミングを記録ヘッド11の位置や移動方向等に応じて各インクの記録データ毎に制御し各インクの記録がずれない様に調整するレジ調整部46をも含む。
【0043】
ヘッド制御部29は、タイミング制御部28からの記録データに基づいて、記録ヘッド11への駆動するデータ形式に合わせた信号を生成し、シーケンス制御部25の制御により駆動信号を生成し、これら信号を記録ヘッド11へ転送する。記録ヘッド11は、ヘッド制御部29からの信号によって駆動され、インクを吐出して記録媒体上に画像を形成する。
【0044】
I/O制御部&ドライバ部26は、シーケンス制御部25によってタイミング制御された信号で駆動され、接続されている各ユニットを駆動制御する。
【0045】
以上の構成をもつ記録装置1によりロール紙等の記録媒体に記録を行う場合、搬送ローラ8によって記録媒体を所定の記録開始位置まで搬送する。その後、この位置から記録ヘッド11を主走査方向に走査し、搬送ローラ8により記録媒体を副走査方向に搬送する動作を繰り返すことにより、記録媒体全体に対する記録を行う。
【0046】
即ち、キャリッジベルトおよびキャリッジモータ(不図示)によってキャリッジユニット9が図1中の矢印A方向に移動することにより、記録媒体に記録が行われる。キャリッジユニット9が走査前の位置に戻されると、搬送ローラ8によって記録媒体が副走査方向(図1中の矢印B方向)に搬送され、その後再び矢印A方向にキャリッジユニット9を走査して、記録媒体に対して画像や文字等の記録を行なう。
【0047】
上記の動作を繰り返し、ロール状の記録媒体に対して1回の画像記録が終了した後の記録媒体処理方法には大きく分けて2通りある。
【0048】
即ち、記録後の記録媒体をカッタ機構(不図示)により切断し、切断した記録媒体を排紙バスケット(不図示)に排紙する方法と、切断せずに続けて次の記録を行い、巻取り装置4を用いて記録後の記録媒体を巻き取る方法である。
【0049】
巻取り装置4を用いる場合、ユーザは記録開始前にロール紙の端部を巻取りスプール13にテープなどで貼り付ける。さらに、記録紙のたるみ部分に図2に示すように、錘部材15を配置する。その後、パソコン30から記録命令を記録装置1に送信し記録を開始すると、錘部材15はロール紙が副走査方向に搬送されるにつれて、図2中のC方向(垂直下方向)に移動する。錘部材15がC方向に下りてきたときに、錘部材15の端部は赤外LED12と受光センサ14で構成されたフォトインタラプタを遮るように各部材は配置されている。
【0050】
以下の説明では、上述した記録装置に備えられた巻取り装置4の3つの実施例を取り上げ、その動作について詳しく説明する。
【実施例1】
【0051】
図4は、実施例1に従う巻取りモータ駆動ユニット23の内部構成を示すブロック図である。この図では、巻取りモータ駆動ユニット23とシーケンス制御部25との関係が示されている。
【0052】
巻取りモータ駆動ユニット23には、巻取りモータ17を駆動するための巻取りモータ駆動用電源(図中24Vと表示)と赤外LED12や受光センサ14を駆動するための電源(図中5Vと表示)がI/O制御部&ドライバ部26を経由して供給されている。
【0053】
スイッチ34により巻取りモータ駆動用電源はオン/オフされ、シーケンス制御部25からモータ駆動用電源制御信号によってオン/オフ制御される。また、受光センサ14のセンサ出力信号は、遅延回路32を経由した後、巻取りモータドライバ33のイネーブル信号としてモータドライバ33に入力する構成となっている。ここでは、上述のフォトインタラプタを遮るものが何もないときの信号レベルがローレベル(L)、遮られたときの信号レベルがハイレベル(H)になるように回路が構成されているものとする。また、その信号がハイレベルになったときにイネーブル信号もハイレベルとなりモータドライバ33がアクティブになって、巻取りモータ17が回転する。これによって巻取りスプール13がロール紙を巻く方向に回転することでロール紙は巻き取られる。
【0054】
さらに、遅延回路32は、センサ出力信号がローレベルからハイレベルに変化するとき(モータ駆動開始時)の時定数は小さく、逆にハイレベルからローレベルに変化するとき(モータ駆動停止時)には時定数が大きくなるように設計されている。これは、例えば、コンパレータの入力信号に対してコンデンサと抵抗の定数設定を適切に選ぶことで可能である。このようにして、受光センサ14が一度オンしたときのロール紙の最低巻取り量を決定している。なお、受光センサ14のセンサ出力信号はシーケンス制御部25にも接続されており、CPUが受光センサ14のオン/オフを検知可能な構成となっている。
【0055】
図5は以上のような構成により巻取り動作が行われた場合のセンサ出力信号とモータドライバ33のイネーブル信号との関係を示す図である。
【0056】
記録中に、ロール紙がB方向に排紙され、錘部材15により垂れ下がった記録媒体が赤外LED12と受光センサ14で構成されるフォトインタラプタの光軸を遮光するとセンサ出力信号はハイレベルとなる。さらにイネーブル信号もハイレベルになり巻取りモータ17が回転する。巻取りモータ17が回転すると、ロール紙が巻取りスプール13に巻き取られるため、錘部材15はC方向と逆の垂直上方向に移動する。ある時間(Ton)巻取りが行われると、フォトインタラプタがオフされ、センサ出力信号はローレベルとなり、さらにイネーブル信号もローレベルとなるので、巻取りモータ17は停止する。この間も記録は続いているため排紙に伴い錘部材15はC方向に再び移動してきて、時間Tsの経過後に、再びセンサ出力信号はハイレベルになる。この動作の繰り返しによって、錘部材15は定期的に受光センサ14をオンさせる。なお、受光センサ14がオフしてからイネーブル信号がオフするまでの遅延時間はT_delayで示されている。
【0057】
結果として、図5に示すような、センサ出力信号とそれに連動したイネーブル信号のオン/オフが繰り返し発生する。
【0058】
次に、上記構成の巻取り機構における巻取り状態の異常を判別する方法について説明する。
【0059】
記録条件の違いによって、ある所定時間内に搬送ローラ8によって送り出されるロール紙の搬送量は異なり、これは記録幅と記録速度によって決定される。一方、一度受光センサ14がオンしたときのロール紙の巻取り量は、巻取りモータ17のモータ速度、巻取りスプール13の直径と各部材の配置及び遅延回路32によって設計されている。よって、ロール紙の波打ちや滑りなどがなく正常に巻き取られた場合のセンサ出力信号のオンデューティは計算で求めることが可能である。これを予想オンデューティとして記録条件と組み合わせてシーケンス制御部25内のROMなどの不揮発性メモリに記憶しておく。
【0060】
図6はROMに記憶された予想オンデューティの例を示す図である。
【0061】
この実施例では、予想オンデューティは、図6に示すように、記録紙の用紙幅及び記録速度と組み合わせて記憶されているものとする。
【0062】
図7は実施例1に従う巻取りエラーの検知方法を示すフローチャートである。
【0063】
ステップS10で、巻取り装置4を用いた記録媒体への記録が開始されると、ステップS20では、シーケンス制御部25内のCPUでは、受光センサ14のセンサ出力信号が記録開始後初めてオンとなるのを待ち合わせる。
【0064】
そのセンサ出力信号がオンすると、ステップS30では巻取りモータ駆動用電源をオンしてエラー検知を開始する。さらに、ステップS40では、エラーカウンタの値(ERR)をリセットする。ここで、CPUがセンサ出力信号をデータとして取得する周期は、受光センサ14のオン周期(Ts)に比べて十分短いものとする。
【0065】
その後、ステップS50において、CPUは受光センサ14がオンする度にオンデューティを計算し、ROMに記憶している予想オンデューティとの差分(ΔD)を算出する。そして、ステップS60では、この差分(ΔD)と所定の閾値(Th)とを比較する。ここで、ΔD>Thであれば、処理はステップS70に進み、エラーカウンタの値(ERR)を+1する。さらに、ステップS70では、エラーカウンタの値(ERR)を所定の値(ここでは、3回)と比較する。ここで、ERR>3であれば、記録媒体の巻取り状態に異常があると判別し、処理をステップS90に進めて、操作パネル部7を介して警告(例えば、特定ランプの点灯、メッセージ表示、ブザーの鳴動)を出す。なお、警告の別の出し方として、パソコン30にインストールされたプリンタドライバによりパソコンのディスプレイ画面にメッセージを表示してもよい。これに対して、ERR≦3であれば、処理はステップS50に戻って、オンデューティの計算を続行する。
【0066】
また、ステップS60において、ΔD≦Thになった場合には、処理はステップS40に戻り、エラーカウンタをリセットし、次のオンデューティの計算を行う。
【0067】
さて、ステップS90において警告を発行した後、ステップS100ではいったん巻取りモータ用電源をオフし、さらにステップS110において記録動作も中止する。そして、ステップS120において、ユーザによる指示を待ち合わせる。このとき、操作パネル部7に表示される警告内容には、ユーザに問題解消を促すメッセージが含まれている。この場合、ユーザが行う作業は、具体的には記録紙の巻取りスプール13への貼り付け直しであったり、フォトインタラプタの検知エリアにある障害物の排除であったりする。
【0068】
エラーカウンタの値(ERR)が3回を超える状況として、部品故障以外では以下のような状況が想定される。
【0069】
<オンデューティが100%のまま変わらない場合>
1.ロール紙が巻取りスプール13から外れ、錘部材15もしくはロール紙そのもので受光センサ14が遮られている。
2.ロール紙が巻取りスプール13から外れて空回りしている。
3.赤外LED12の前面もしくは受光センサ14前面に障害物がある。
【0070】
<オンデューティが0%のまま変わらない場合>
1.ロール紙が巻取りスプール13から外れ、センサが検知しない場所に落ちている。
2.ロール紙が斜めに巻き取られ、センサをONできない。
【0071】
上記いずれの場合もCPUは警告を発行すると同時に、いったん巻取りモータ用電源をオフし、さらに記録も中止してユーザによる操作を待つ。
【0072】
さて、ユーザは操作パネル部7に表示されたメッセージに従って適切な処理をした後で操作パネル部7から記録再開を指示する。ユーザによる記録再開指示を受けると、処理はステップS130に進み、操作パネル部7に表示された警告を取り消して、装置は記録を再開する。その後、処理はステップS30に戻り、CPUは巻取りモータ用電源もオンし、次にセンサ出力信号がオンになった時点から再びエラー検知を開始する。エラー検知はパソコン30から命令された全ての記録が終わるまで続けて行われる。
【0073】
これに対して、ステップS120においてユーザからの指示を待ち合わせている場合、CPUはその待ち合わせ時間(TADLE)を計測し、ステップS140では、待ち合わせ時間(TADLE)を所定の閾値(T)と比較する。ここで、TADLE≧Tであれば、夜間運転のため近くにユーザがいないことなどが想定されるため、記録再開命令がないと判断し、処理はステップS150に進んで、ステップ記録装置はスタンバイモードに移行する。
【0074】
次に、記録画像に白紙が含まれる場合の巻取りエラー検知について述べる。
【0075】
通常、画像中に記録の必要のない白部分が存在すると、全体の処理時間短縮のため、記録ヘッドによる記録を行わずに、ロール紙をB方向への搬送だけする。以下、これを白紙スキップと呼ぶ。
【0076】
白紙スキップ実行中は排紙速度が速いため、図5で示す記録中のオン周期(Ts)よりも短い周期で受光センサ14がオンとなる。この場合の予想オンデューティも予め計算可能であり、図6に示した記録中の予想オンデューティとは別の予想オンデューティをROMに記憶しておく。CPUは、記録データに従って、現在の記録動作が白紙スキップ中と判断した場合には、白紙スキップ用の予想オンデューティとの差分計算を行い、その差分(ΔD)を閾値(Th)と比較する。白紙スキップ実行中であるかどうかは、例えば、搬送ローラ8に取り付けたロータリーエンコーダから実際の出力パルスと、画像記録中に予測される予定パルス数とに基づいて判断可能である。
【0077】
従って以上説明した実施例に従えば、ロール紙の垂れ下がり領域に設けられたフォトインタラプタセンサから得られるセンサ出力信号のオン/オフ周期に基づいて、ロール紙の巻取りが正常に行われているかどうかを判断することができる。
【0078】
巻取り異常が生じた場合には速やかにユーザに通知されるので、記録物が落下したり、巻取り装置に絡まったりすることによる損傷を回避することができる。また、複数の記録しているときにエラーが発生した場合も、記録を完全停止することなく、エラー原因を除去した後に再び記録動作を続けることもできる。
【0079】
また、光学センサと錘部材を用いることにより、センサ検出のために記録直後の記録媒体の記録面を触れる必要がないため、記録品位を損なうことがないという利点もある。
【0080】
さらに、例えば、大判プリンタのように記録媒体のサイズが大きく、かつ記録媒体の種類が多数ある場合でも、大きさや種類に関係なく確実に巻取りエラーを検知することが可能となる。
【0081】
またさらに、記録媒体のたるみ状態を強制的に決定することなく、記録済の記録媒体の排出に合わせた巻取りを行うので、記録媒体に不必要な力を加えることがなく、記録媒体の損傷を防ぐこともできる。
【0082】
なお、この実施例では、赤外LED12と受光センサ14を含む光学センサを用いて排出された記録媒体の検出を行なったが、赤外LED以外に紫外LEDや可視LEDを用いた光学センサを利用しても良い。また、光学センサ以外にも、非接触で検出が可能な超音波センサや近接センサを用いて排出された記録媒体の検出を行なってもよい。さらに、CCDで撮像して画像処理を行なうことで、排出された記録媒体の位置を検出する構成としても良い。このように排出された記録媒体に触れることなく記録媒体の巻取り状態を検出できるセンサであれば光学センサ以外のセンサを用いてよい。
【実施例2】
【0083】
図8は、実施例2に従う巻取りモータ駆動ユニット23の内部構成を示すブロック図である。この図では、巻取りモータ駆動ユニット23とシーケンス制御部25との関係が示されている。なお、実施例1で既に説明したのと同じ構成要素には同じ参照番号を付し、その詳細な説明は省略する。
【0084】
図8に示されているように、巻取りモータ駆動ユニット23から受光センサ14のセンサ出力信号と共に、モータドライバ33のイネーブル信号がシーケンス制御部に出力されている。また、受光センサ14がオフしてからイネーブル信号がオフするまでの遅延時間T_delayは1秒となるように遅延回路32は設計されているものとする。従って、一度受光センサ14がオンすれば、最低1秒は巻取りモータ17が回転し、巻取り動作が行われる。
【0085】
図9は、以上の構成で巻取り動作が行われた場合のセンサ出力信号とモータドライバ33のイネーブル信号との関係を示す図である。
【0086】
ここで、イネーブル信号のオン状態が続くオン継続時間は、巻取り動作によって錘部材15が赤外LED12と受光センサ14で構成されるフォトインタラプタの検知エリアに入ってからそこを出るまでの時間である。これは記録速度には関係なく、巻取りスプール13の直径と受光センサ14との位置関係、巻取りモータ17の回転速度及び巻取りスプール13に巻き取られている記録媒体の量に依存する。何も巻かれていないときが最もオン継続時間は長く、この実施例ではオン継続時間は最大3秒となるように、巻取りスプール13の直径と配置、そしてモータ速度が決定されているものとする。一方、イネーブル信号のオフが続くオフ継続時間は排紙速度に依存し、記録速度がもっとも遅い場合にオフ継続時間が最大となる。この実施例ではオフ継続時間は最大30秒と仮定する。
【0087】
図10は実施例2に従う巻取りエラーの検知方法を示すフローチャートである。
【0088】
なお、図10において、既に実施例1で説明したのと同じ処理ステップには同じステップ参照番号を付してその説明は省略する。
【0089】
実施例1と同様に、ロール紙への記録が開始されると、シーケンス制御部25では、受光センサ14のセンサ出力信号が記録開始後初めてオンした後に、巻取りモータ駆動用電源をオンしてエラー検知を開始する。
【0090】
さて、ステップS10〜S40の処理の後、ステップS55では、CPUは1秒毎にイネーブル信号を取得し、その信号がオンしていればそれをカウントする。
【0091】
CPUはイネーブル信号のカウント回数が、以下のいずれかの条件、即ち、(1)5回以上連続してオンだった場合と、(2)35回以上連続してオフだった場合に合致した場合には巻取りエラーと判断する。
【0092】
従って、ステップS65では、イネーブル信号が5回以上連続してオンだったかどうかを調べる。ここで、その信号が5回以上連続してオンであったと判断されたなら、巻取りエラーが発生したと判断し、処理はステップS90に進み、そうでなければ処理はステップS75に進む。ステップS75では、イネーブル信号が35回以上連続してオフだったかどうかを調べる。ここで、その信号が35回以上連続してオフであったと判断されたなら、巻取りエラーが発生したと判断し、処理はステップS90に進み、そうでなければ処理はステップS55に戻る。
【0093】
ステップS90以降の処理は実施例1で説明したのと同様に実行される。また、白紙スキップの検知は実施例1と同様に行う。
【0094】
なお、白紙スキップが発生した場合は通常よりも巻取りモータ17の駆動時間が長く、その時間は画像の内容に依存するため予測は困難である。しかしながら、処理上、現実的には上限が必要である。従って、白紙スキップ時には、上述した2つの巻取りエラーの判断条件の内、(1)20回以上連続してオンだった場合に変更する。
【0095】
従って以上説明した実施例に従えば、ロール紙の垂れ下がり領域に設けられたフォトインタラプタセンサから得られるセンサ出力信号のオンやオフの回数に基づいて、ロール紙の巻取りが正常に行われているかどうかを判断することができる。
【実施例3】
【0096】
図11は、実施例3に従う巻取りモータ駆動ユニット23の内部構成を示すブロック図である。この図では、巻取りモータ駆動ユニット23とシーケンス制御部25との関係が示されている。なお、実施例1〜2で既に説明したのと同じ構成要素には同じ参照番号を付し、その詳細な説明は省略する。
【0097】
図11に示すように、モータドライバ33と巻取りモータ17との間に巻取りモータ17に流れる電流を検知する電流検知回路35を設ける。電流検知回路35の内部は電流検出部36とコンパレータ37とから成る。巻取りモータ17への供給電流は電流検出抵抗などを用いた電流検出部36で電流電圧変換された後、コンパレータ37に入力される。
【0098】
コンパレータ37の閾値電圧(Th_On)は、正常に巻取り動作が行われたときのモータ電流を確実にハイレベル(H)として検知し、かつモータが回ってないときには確実にローレベル(L)として検知する値に設定されている。コンパレータ37の出力信号は電流検出信号としてシーケンス制御部25に接続されている。
【0099】
なお、実施例2と同様に、受光センサ14がオフしてからイネーブル信号がオフするまでの遅延時間(T_delay)は1秒となるように遅延回路32は設計されている。従って、一度受光センサ14がオンすれば、最低1秒は巻取りモータ17が回転し、巻取り動作が行われる。また、閾値電圧(Th_On)は、電流検出信号のハイレベル期間がイネーブル信号のハイレベル期間よりも確実に長くなるように設定されている。
【0100】
図12は以上の構成で巻取り動作が行われた場合のセンサ出力信号とモータドライバ33のイネーブル信号及び電流検知信号との関係を示す図である。
【0101】
ここで、イネーブル信号のオン状態が続くオン継続時間は、巻取り動作によって錘部材15が赤外LED12と受光センサ14で構成されるフォトインタラプタの検知領域に入ってからそこを出るまでの時間である。これは記録速度には関係なく、巻取りスプール13の直径と受光センサ14との位置関係、巻取りモータ17の回転速度及び巻取りスプール13に巻き取られている記録媒体の量に依存する。何も巻かれていないときが最もオン継続時間は長く、この実施例ではオン継続時間は最大3秒となるように、巻取りスプール13の直径と配置、そしてモータの回転速度が決定されているものとする。電流検知信号もイネーブル信号と同様にハイレベルが継続する最大時間は3秒とする。
【0102】
一方、イネーブル信号のオフが続くオフ継続時間は排紙速度に依存し、記録速度がもっとも遅い場合にオフ継続時間が最大となる。この実施例ではオフ継続時間は最大30秒と仮定する。同様に電流検出信号のローレベル継続時間の最大値も30秒と仮定する。
【0103】
図13は実施例3に従う巻取りエラーの検知方法を示すフローチャートである。
【0104】
なお、図13において、既に実施例1〜2で説明したのと同じ処理ステップには同じステップ参照番号を付してその説明は省略する。
【0105】
実施例1〜2と同様に、ロール紙への記録が開始されると、シーケンス制御部25では、受光センサ14のセンサ出力信号が記録開始後初めてオンした後に、巻取りモータ駆動用電源をオンしてエラー検知を開始する。
【0106】
さて、ステップS10〜S40の処理の後、ステップS55aでは、CPUは1秒毎に電流検出信号を取得し、その信号がハイレベルであればそれをカウントし、ローレベルであればそれをカウントする。
【0107】
CPUは電流検出信号のカウント回数が、以下のいずれかの条件、即ち、(1)5回以上連続してハイレベルだった場合と、(2)35回以上連続してローレベルだった場合の内のいずれかであった場合には巻取りエラーと判断する。
【0108】
従って、ステップS65aでは、電流検出信号が5回以上連続してハイレベルだったかどうかを調べる。ここで、その信号が5回以上連続してハイレベルであったと判断されたなら、巻取りエラーが発生したと判断し、処理はステップS90に進み、そうでなければ処理はステップS75aに進む。ステップS75aでは、電流検出信号が35回以上連続してローレベルだったかどうかを調べる。ここで、その信号が35回以上連続してローレベルであったと判断されたなら、巻取りエラーが発生したと判断し、処理はステップS90に進み、そうでなければ処理はステップS55aに戻る。
【0109】
ステップS90以降の処理は実施例1で説明したのと同様に実行される。また、白紙スキップの検知は実施例1と同様に行う。
【0110】
なお、白紙スキップが発生した場合は通常よりも巻取りモータ17の駆動時間が長く、その時間は画像の内容に依存するため予測は困難である。しかしながら、処理上、現実的には上限が必要である。従って、白紙スキップ時には、上述した2つの巻取りエラーの判断条件の内、(1)20回以上連続してハイレベルだった場合に変更する。
【0111】
従って以上説明した実施例に従えば、ロール紙の垂れ下がり領域に設けられたフォトインタラプタセンサから得られるセンサ出力信号に基づいて生じる巻取りモータへの供給電流からロール紙の巻取りが正常に行われているかどうかを判断することができる。
【0112】
なお、以上の実施例において、記録ヘッドから吐出される液滴はインクであるとして説明し、さらにインクタンクに収容される液体はインクであるとして説明したが、その収容物はインクに限定されるものではない。例えば、記録画像の定着性や耐水性を高めたり、その画像品質を高めたりするために記録媒体に対して吐出される処理液のようなものがインクタンクに収容されていても良い。
【0113】
以上の実施例は、特にインクジェット記録方式の中でも、インク吐出のために熱エネルギーを発生する手段(例えば電気熱変換体等)を備え、その熱エネルギーによりインクの状態変化を生起させる方式を用いて記録の高密度化、高精細化が達成できる。
【0114】
さらに加えて、本発明のインクジェット記録装置の形態としては、コンピュータ等の情報処理機器の画像出力装置として用いられるものの他、リーダ等と組合せた複写装置、さらには送受信機能を有するファクシミリ装置の形態を採るもの等であってもよい。
【産業上の利用可能性】
【0115】
本発明は、複数の機器(例えばホストコンピュータ、インタフェース機器、リーダ、プリンタなど)から構成されるシステムに適用しても、一つの機器からなる装置(例えば、複写機、ファクシミリ装置など)に適用してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0116】
【図1】本発明の代表的な実施例であるインクジェット記録装置の構成を示す外観斜視図である。
【図2】図1に示すインクジェット記録装置の内部構成を示す側断面図である。
【図3】図1に示すインクジェット記録装置の制御構成を示すブロック図である。
【図4】実施例1における巻取りモータ駆動ユニットの内部ブロック図とシーケンス制御部との関係を示す図である。
【図5】実施例1に従うセンサ出力信号とイネーブル信号の関係を示す図である。
【図6】実施例1に従う予想オンデューティテーブルの例である。
【図7】実施例1に従う巻取りエラーの検知方法を示すフローチャートである。
【図8】実施例2に従う巻取りモータ駆動ユニットの内部ブロック図とシーケンス制御部との関係を示す図である。
【図9】実施例2に従うセンサ出力信号とイネーブル信号の関係を示す図である。
【図10】実施例2に従う巻取りエラーの検知方法を示すフローチャートである。
【図11】実施例3に従う巻取りモータ駆動ユニットの内部ブロック図とシーケンス制御部との関係を示す図である。
【図12】実施例3に従うセンサ出力信号とイネーブル信号の関係を示す図である。
【図13】実施例3に従う巻取りエラーの検知方法を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0117】
2 記録装置本体
8 搬送ローラ
9 キャリッジユニット
10 ロール紙カセット
12 赤外LED
13 巻取りスプール
14 受光センサ
15 錘部材
16 ロール紙
17 巻取りモータ
18 巻取りモータ駆動回路
19 巻取りケーブル
23 巻取りモータ駆動ユニット
【技術分野】
【0001】
本発明は記録装置及び記録媒体巻取り状態判別方法に関し、特に、インクジェット記録ヘッドを用いてロール状の記録媒体に記録を行なう記録装置及び記録媒体巻取り状態判別方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来のインクジェット記録装置は、記録媒体の搬送方向(副走査方向)に複数のインク吐出ノズル(以下、ノズル)が配列された記録ヘッドを有している。そして、記録ヘッドを搭載したキャリッジをその移動方向(主走査方向)に往復移動させるとともに、搬送ローラにより記録媒体を副走査走査に搬送を繰り返すことにより、その記録媒体全体に対する記録を行う。
【0003】
このような記録装置の中には、A4やA3といった定型サイズの用紙以外に、縦方向(記録装置に装着時には搬送方向)に長い記録紙をロール状に巻いたロール紙を用いて記録を行えるタイプもある。
【0004】
ロール紙に記録を行うタイプの記録装置における記録後のロール紙の処理方法には、1回の記録後に、記録済の部分をカットしてからバスケット状のものに排紙する処理方法と、記録後のロール紙を専用のスプールに巻き取って保管処理する方法がある。後者の場合には、巻取り状態を管理しながら安定してロール紙を巻取り、巻取り動作にエラーが発生した場合にはそれを確実に検知する必要がある。
【0005】
安定した巻取りを実現する方法としては、例えば、特許文献1に提案されているような方法がある。この方法は、記録の進行に従って排出されるロール紙が、記録装置内のエンコーダスケールが接続されたローラを押しながら回転する構成を前提としている。このような記録装置において、排出されるロール紙に従って回転するエンコーダスケールの回転をフォトインタラプタで検知することにより紙送り状態を検知し、それに合わせて巻取り部のモータ駆動を制御するようにしている。
【0006】
また、類似技術として、例えば、特許文献2には、ロール状フィルムの露光装置におけるフィルムの安定給送を目的とした搬送制御方法が提案されている。この方法によれば、露光装置の露光ポイント前後にたるみを形成させ、前後のたるみ状態を夫々、別のセンサで検知し、各センサ出力に応じて前後の送りを別々のモータで制御することによってフィルムに過度の負担がかからないようにしている。
【特許文献1】特開2002−2035号公報
【特許文献2】特許第2665499号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、特許文献1に開示された技術は、仮に巻取り部でロール紙を正しく巻き取れていない場合に、それをエラーとして判別することはできないという問題がある。また、巻取り側のモータ回転速度を記録部よりも速く設定することでロール紙を巻取り側に引っ張っているため、引っ張り過ぎが発生してもそれを検知することはできない。
【0008】
特許文献1で開示された技術は、例えば、銀行の自動預け払い機(以下、ATM)の装着されるロール紙のように、そのサイズが小さく、記録直後のロール紙をローラなどに接触させても記録面が汚れない等、実害とならない動作条件であれば有効な手段である。一方、インクジェット記録装置のように記録直後の記録面に直接他の部材が触れることで記録画像に悪影響を及ぼす可能性がある場合は、その技術を適用することができない。
【0009】
一方、特許文献2で開示される技術は、ロール状フィルムのたるみ量を所定の範囲内に制御する方法を開示しているものの、たるみ生成部分でそのフィルムが引っかかった場合等のエラー検知とその場合のエラー除去処理については述べられていない。また、センサで安定した検出ができるようにたるみ生成部にガイドを設けているが、インクジェット記録装置の場合は記録直後の記録紙をそのようなガイドに沿わせて移動させることは上述した理由から実施不可能である。
【0010】
従って、ロール紙を記録媒体として使用するインクジェット記録装置では、記録後の記録媒体をサイズや種類に関係なく巻取りエラーを確実に検知し、安定して巻取りを続けるためには従来技術以外の方法が望まれている。
【0011】
本発明は上記従来例に鑑みてなされたもので、ロール状の記録媒体を用いる際に、その巻取りエラーを正確に検知しつつ、その記録媒体を記録後に確実に巻取りながら記録を行う記録装置及び記録媒体巻取り状態判別方法を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記目的を達成するために本発明の記録装置は、以下のような構成からなる。
【0013】
即ち、ロール状の記録媒体に対して記録を行う記録装置であって、前記記録媒体に記録するための記録手段と、前記記録手段により記録された記録媒体の排出動作に合わせて該記録媒体を巻取る巻取り手段と、前記巻取り手段によって生じる記録媒体の巻取り状態を当該記録媒体に触れずに検出する検出手段と、前記検出手段による検出結果に基づいて、前記記録媒体の巻取り状態の異常を判別する判別手段とを有することを特徴とする。
【0014】
また他の発明によれば、ロール状の記録媒体に対して記録を行う記録装置における記録済の記録媒体の巻取り状態を検出する記録媒体巻取り状態判別方法であって、前記記録媒体に記録するための記録工程と、前記記録工程において記録された記録媒体の排出動作に合わせて該記録媒体を巻取る巻取り工程と、前記巻取り工程によって生じる記録媒体の巻取り状態を当該記録媒体に触れずに検出する検出工程と、前記検出工程による検出結果に基づいて、前記記録媒体の巻取り状態の異常を判別する判別工程とを有することを特徴とする記録媒体巻取り状態判別方法を備える。
【発明の効果】
【0015】
従って本発明によれば、ロール状の記録媒体を記録後に巻き取る場合に、巻取りエラーを検知することが可能となる。また、非接触のセンサを用いて記録媒体の巻取り状態を検出するので、記録直後の記録媒体の記録面に直接触れることがなく、記録品位を損なうことがないという利点もある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下添付図面を参照して本発明の好適な実施例について、さらに具体的かつ詳細に説明する。なお、既に説明した部分には同一符号を付し重複説明を省略する。
【0017】
なお、この明細書において、「記録」(「プリント」という場合もある)とは、文字、図形等有意の情報を形成する場合のみならず、有意無意を問わない。また人間が視覚で知覚し得るように顕在化したものであるか否かを問わず、広く記録媒体上に画像、模様、パターン等を形成する、または媒体の加工を行う場合も表すものとする。
【0018】
また、「記録媒体」とは、一般的な記録装置で用いられる紙のみならず、広く、布、プラスチック・フィルム、金属板、ガラス、セラミックス、木材、皮革等、インクを受容可能なものも表すものとする。
【0019】
さらに、「インク」(「液体」と言う場合もある)とは、上記「記録(プリント)」の定義と同様広く解釈されるべきものである。従って、記録媒体上に付与されることによって、画像、模様、パターン等の形成または記録媒体の加工、或いはインクの処理(例えば記録媒体に付与されるインク中の色剤の凝固または不溶化)に供され得る液体を表すものとする。
【0020】
またさらに、「ノズル」(「記録素子」、「記録要素」という場合もある)とは、特にことわらない限り吐出口ないしこれに連通する液路およびインク吐出に利用されるエネルギーを発生する素子を総括して言うものとする。
【0021】
まず、本発明に適用されるインクジェット記録装置の全体構成を説明する。
【0022】
図1は本発明の代表的な実施例であるロール状の記録媒体を使用するインクジェット記録装置の概略構成を示す外観斜視図である。また、図2は図1に示すインクジェット記録装置の概略的な内部構造を示す側断面図である。
【0023】
図1〜図2において、インクジェット記録装置(以下、記録装置)1は、装置本体2と、装置本体2を乗せるスタンド3と、排紙された記録紙等の記録媒体を巻き取る巻取り装置4とから構成されている。巻取り装置4はさらに、巻取りモータ駆動ユニット23、巻取りスプール13など、記録紙の巻取りに関わる複数のユニットから成る。なお、巻取り装置4の詳細は後述する。
【0024】
また、装置本体2の前面には記録媒体の排紙口6があり、排紙口6から伸びる排紙台5の上から記録後の記録媒体が下方に排出される。排紙台5の下部にロール紙カセット10が配置されており、ロール紙カセット10内には記録紙等の記録媒体がロール状に巻かれたロール紙16が配置されている。ロール紙カセット10からロール紙16が装置本体2内に供給される。装置本体2右側には操作パネル部7が配置されている。また、インクタンクを含むインク供給ユニット(不図示)は装置本体2内に配設されている。赤外LED12から照射される光が受光可能なように、赤外LED12とフォトダイオードなどを用いた受光センサ14とは、スタンド3内に対面に配置される。このようにして、赤外LED12と受光センサ14とによりフォトインタラプタを構成する。
【0025】
さらに、記録装置1は、記録紙等の記録媒体を矢印B方向(副走査方向)に搬送するための搬送ローラ8と、搬送ローラ8を駆動するためのモータやギアなどを含む搬送ローラ駆動手段(不図示)を備えている。また、記録媒体の幅方向(矢印A方向、主走査方向)に往復移動可能に案内支持されたキャリッジユニット9と、キャリッジユニット9を主走査方向に往復移動させるためのキャリッジモータ(不図示)及びベルト伝動手段(不図示)とを備えている。
【0026】
ロール紙16を巻取るための駆動源となる巻取りモータ17は、巻取りモータ駆動ユニット23内に配置され、巻取りスプール13を回転させるように構成されている。巻取りモータ17は巻取りモータ駆動回路18により駆動される。赤外LED12と受光センサ14にはケーブル19により電源を供給され、かつ、ケーブル19により受光センサ14からのセンサ出力信号を巻取りモータ駆動ユニット23に伝達される。
【0027】
キャリッジユニット9には、記録媒体にカラー記録を行うための記録ヘッド11が装着されている。この記録ヘッドは、例えば、夫々異なった色のインクに対応した4つのインク、例えば、Bk(ブラック)、C(シアン)、M(マゼンタ)、Y(イエロ)を使用することができる。また、これらに加えて、更に2つのインク色、例えば、淡C(淡色シアン)、淡M(淡色マゼンタ)を使用することもできる。
【0028】
また、記録ヘッド11の別の構成として、複数の独立した記録ヘッドを用いることもできる。この複数の記録ヘッドは、夫々異なった色のインク、例えば、Bk(ブラック)、C(シアン)、M(マゼンタ)、Y(イエロ)に対応した4つの記録ヘッドで良い。或いは、これらに加えて、例えば、淡C(淡色シアン)、淡M(淡色マゼンタ)の2つのインクに対応した更に2つの記録ヘッドを用いることもできる。
【0029】
図3は、図1〜図2に示した記録装置の制御構成を示すブロック図である。
【0030】
図3において、30は記録する画像データやコマンド等を供給するパソコン(PC、ホストコンピュータ)である。PC30は、一般的なものであり、キーボードやディスプレイを有し、ユーザとのインタフェースをアプリケーションソフトや記録装置用のプリンタドライバや専用プリンタ制御ソフト(RIP等)で実現している。一方、記録装置1はPC30からの画像データやコマンド、パラメータ、画像処理LUT(ルックアップテーブル)等の受信を行い、受信画像データを、コマンド、パラメータ、及び画像処理LUTを用いて、画像処理して画像を記録する。
【0031】
記録装置1は、装置全体を制御するための制御ユニット31、記録ヘッド11を搭載したキャリッジユニット9、キャリッジユニット9を主走査方向に往復移動させるキャリッジ搬送ユニット20を備えている。さらに、ロール状記録紙等の記録媒体を副走査方向に搬送する紙搬送ユニット21、記録ヘッド11へインクを供給するインク供給ユニット22、巻取りモータの駆動を行う巻取りモータ駆動ユニット23を備えている。そして、記録ヘッド11や制御ユニット31や各ユニットに対しては電源ユニット24から電力が供給される。
【0032】
また、操作パネル部7には、キースイッチ(不図示)やLCD(不図示)が備えられている。
【0033】
その他、記録ヘッド11のインク吐出面のクリーニングやインク吸引等を行うことで記録ヘッド11を良好な状態に回復させる回復ユニット(不図示)も備えられているが、本願発明の説明に直接関わらないのでその説明は省略する。
【0034】
キャリッジユニット9は、記録ヘッド11を取り外しできる機構を有し、電気的な接点やインクを供給するチューブ等のジョイント部、記録ヘッド11を支持固定する部材、キャリッジ搬送ユニット20との接続部を有する(不図示)。また、キャリッジユニット9は、キャリッジ搬送ユニット20のレール(不図示)等で支持され、タイミングベルト(不図示)等でキャリッジモータ(不図示)に接続され、そのモータの回転でキャリッジユニット9は主走査方向に往復移動される。さらに、キャリッジユニット9はエンコーダセンサ(不図示)を搭載し、キャリッジ搬送ユニット20にはエンコーダ用のリニアスケール(不図示)が主走査方向に備えられる。このような構成により、キャリッジユニット9が主走査方向に移動するとき、搭載された記録ヘッド11の位置を検出し、その移動速度を制御する。
【0035】
紙搬送ユニット21は、記録媒体を副走査方向へ移動させるために、搬送ローラ8を駆動する搬送モータ(不図示)、また、記録媒体の搬送量を制御するために、ロータリーエンコーダ(不図示)を備えている。
【0036】
さて、インク供給ユニット22は、インクタンクユニット(不図示)と記録ヘッド11をインクチューブ(不図示)等で接続しインクを供給する機構を備えている。インクチューブの途中には弁機構(不図示)があり、記録ヘッド11の交換やインクタンクの交換時等に弁を閉じることでインクチューブや記録ヘッド11からのインク漏れを防止する。なお、この弁機構を動かす駆動源としてモータ(不図示)を使用し、弁の開閉状態を検知するためにフォトインタラプタ型の位置センサ(不図示)を使用している。
【0037】
電源ユニット24は、ACスイッチ(不図示)や操作パネル7上のソフトスイッチ(不図示)等でオンオフされる。電源ユニット24から制御ユニット31には、ロジック電源として電圧3.3Vや5Vの電源を供給し、各ユニットのアクチュエータ(モータ等)に対しては電圧24Vの電源を制御ユニット31内のI/O制御部&ドライバ部26経由で供給する。また、記録ヘッド11へのヘッド電源として、制御ユニット31内のヘッド電源制御部(不図示)を介して設定された所定の電圧を供給している。
【0038】
巻取りモータ駆動ユニット23は、巻取りモータ17と巻取りモータ駆動回路18とから成り、巻取りモータ駆動ユニット23内には、受光センサ14の信号を処理する電気回路(不図示)が含まれる。
【0039】
制御ニット31は、機能的には、I/F制御部(不図示)、シーケンス制御部25、画像処理部27、タイミング制御部28、ヘッド制御部29、I/O制御部&ドライバ部26等からなる。I/F制御部はパソコン31とのインタフェースとなり、シーケンス制御部25は全体の動作を管理し、画像処理部27は画像データから記録データへの変換処理を実行する。また、タイミング制御部28は記録データを記録装置1の動作に合わせてタイミング調整し、ヘッド制御部29は記録ヘッド11の駆動データや駆動パルスや駆動電圧等を制御する。さらに、I/O制御部&ドライバ部26は、装置内部ユニットのセンサやアクチュエータ(モータ等)とのインタフェースとなって動作制御や駆動制御を行う。
【0040】
制御ユニット31は物理的には電気基板である。シーケンス制御部25はマイクロプロセッサ等のCPU(不図示)、制御プログラムや各種データを記憶するROM(不図示)、CPUの作業領域として使用し各種データを一時的に記憶するRAM(不図示)、PC30とのインタフェースであるI/F部を含む。さらに、画像処理部27、タイミング制御部28、及びヘッド駆動部29は、ASIC(不図示)とメモリ(不図示)で主に構成され、I/O制御部&ドライバ部26は汎用LSIやトランジスタ等の電気回路で構成される。
【0041】
画像処理部27は、PC30からのRGB画像データを使用されるインク色(例えば、Bk、C、M、Y、LC、LM)のインク色画像データに画像処理LUTに基づいて変換する色変換処理部41を含んでいる。さらに、画像処理部27は、色変換処理部41からのインク色画像データを記録装置の出力γ特性に基づいて変換する出力γ処理部42、出力γ処理部42からのインク色画像データ(多値データ)を2値のインク色記録データに変換する2値化処理部43を含む。
【0042】
タイミング制御部28は、画像処理部27から出力された2値のインク色記録データのデータ順序(ラスタ方向順)を記録ヘッド11のノズルの順番(カラム方向順)に変換するHV変換部44を含んでいる。タイミング制御部28はHV変換された記録データを格納するメモリ部45と、メモリ部45からの読出しタイミングを記録ヘッド11の位置や移動方向等に応じて各インクの記録データ毎に制御し各インクの記録がずれない様に調整するレジ調整部46をも含む。
【0043】
ヘッド制御部29は、タイミング制御部28からの記録データに基づいて、記録ヘッド11への駆動するデータ形式に合わせた信号を生成し、シーケンス制御部25の制御により駆動信号を生成し、これら信号を記録ヘッド11へ転送する。記録ヘッド11は、ヘッド制御部29からの信号によって駆動され、インクを吐出して記録媒体上に画像を形成する。
【0044】
I/O制御部&ドライバ部26は、シーケンス制御部25によってタイミング制御された信号で駆動され、接続されている各ユニットを駆動制御する。
【0045】
以上の構成をもつ記録装置1によりロール紙等の記録媒体に記録を行う場合、搬送ローラ8によって記録媒体を所定の記録開始位置まで搬送する。その後、この位置から記録ヘッド11を主走査方向に走査し、搬送ローラ8により記録媒体を副走査方向に搬送する動作を繰り返すことにより、記録媒体全体に対する記録を行う。
【0046】
即ち、キャリッジベルトおよびキャリッジモータ(不図示)によってキャリッジユニット9が図1中の矢印A方向に移動することにより、記録媒体に記録が行われる。キャリッジユニット9が走査前の位置に戻されると、搬送ローラ8によって記録媒体が副走査方向(図1中の矢印B方向)に搬送され、その後再び矢印A方向にキャリッジユニット9を走査して、記録媒体に対して画像や文字等の記録を行なう。
【0047】
上記の動作を繰り返し、ロール状の記録媒体に対して1回の画像記録が終了した後の記録媒体処理方法には大きく分けて2通りある。
【0048】
即ち、記録後の記録媒体をカッタ機構(不図示)により切断し、切断した記録媒体を排紙バスケット(不図示)に排紙する方法と、切断せずに続けて次の記録を行い、巻取り装置4を用いて記録後の記録媒体を巻き取る方法である。
【0049】
巻取り装置4を用いる場合、ユーザは記録開始前にロール紙の端部を巻取りスプール13にテープなどで貼り付ける。さらに、記録紙のたるみ部分に図2に示すように、錘部材15を配置する。その後、パソコン30から記録命令を記録装置1に送信し記録を開始すると、錘部材15はロール紙が副走査方向に搬送されるにつれて、図2中のC方向(垂直下方向)に移動する。錘部材15がC方向に下りてきたときに、錘部材15の端部は赤外LED12と受光センサ14で構成されたフォトインタラプタを遮るように各部材は配置されている。
【0050】
以下の説明では、上述した記録装置に備えられた巻取り装置4の3つの実施例を取り上げ、その動作について詳しく説明する。
【実施例1】
【0051】
図4は、実施例1に従う巻取りモータ駆動ユニット23の内部構成を示すブロック図である。この図では、巻取りモータ駆動ユニット23とシーケンス制御部25との関係が示されている。
【0052】
巻取りモータ駆動ユニット23には、巻取りモータ17を駆動するための巻取りモータ駆動用電源(図中24Vと表示)と赤外LED12や受光センサ14を駆動するための電源(図中5Vと表示)がI/O制御部&ドライバ部26を経由して供給されている。
【0053】
スイッチ34により巻取りモータ駆動用電源はオン/オフされ、シーケンス制御部25からモータ駆動用電源制御信号によってオン/オフ制御される。また、受光センサ14のセンサ出力信号は、遅延回路32を経由した後、巻取りモータドライバ33のイネーブル信号としてモータドライバ33に入力する構成となっている。ここでは、上述のフォトインタラプタを遮るものが何もないときの信号レベルがローレベル(L)、遮られたときの信号レベルがハイレベル(H)になるように回路が構成されているものとする。また、その信号がハイレベルになったときにイネーブル信号もハイレベルとなりモータドライバ33がアクティブになって、巻取りモータ17が回転する。これによって巻取りスプール13がロール紙を巻く方向に回転することでロール紙は巻き取られる。
【0054】
さらに、遅延回路32は、センサ出力信号がローレベルからハイレベルに変化するとき(モータ駆動開始時)の時定数は小さく、逆にハイレベルからローレベルに変化するとき(モータ駆動停止時)には時定数が大きくなるように設計されている。これは、例えば、コンパレータの入力信号に対してコンデンサと抵抗の定数設定を適切に選ぶことで可能である。このようにして、受光センサ14が一度オンしたときのロール紙の最低巻取り量を決定している。なお、受光センサ14のセンサ出力信号はシーケンス制御部25にも接続されており、CPUが受光センサ14のオン/オフを検知可能な構成となっている。
【0055】
図5は以上のような構成により巻取り動作が行われた場合のセンサ出力信号とモータドライバ33のイネーブル信号との関係を示す図である。
【0056】
記録中に、ロール紙がB方向に排紙され、錘部材15により垂れ下がった記録媒体が赤外LED12と受光センサ14で構成されるフォトインタラプタの光軸を遮光するとセンサ出力信号はハイレベルとなる。さらにイネーブル信号もハイレベルになり巻取りモータ17が回転する。巻取りモータ17が回転すると、ロール紙が巻取りスプール13に巻き取られるため、錘部材15はC方向と逆の垂直上方向に移動する。ある時間(Ton)巻取りが行われると、フォトインタラプタがオフされ、センサ出力信号はローレベルとなり、さらにイネーブル信号もローレベルとなるので、巻取りモータ17は停止する。この間も記録は続いているため排紙に伴い錘部材15はC方向に再び移動してきて、時間Tsの経過後に、再びセンサ出力信号はハイレベルになる。この動作の繰り返しによって、錘部材15は定期的に受光センサ14をオンさせる。なお、受光センサ14がオフしてからイネーブル信号がオフするまでの遅延時間はT_delayで示されている。
【0057】
結果として、図5に示すような、センサ出力信号とそれに連動したイネーブル信号のオン/オフが繰り返し発生する。
【0058】
次に、上記構成の巻取り機構における巻取り状態の異常を判別する方法について説明する。
【0059】
記録条件の違いによって、ある所定時間内に搬送ローラ8によって送り出されるロール紙の搬送量は異なり、これは記録幅と記録速度によって決定される。一方、一度受光センサ14がオンしたときのロール紙の巻取り量は、巻取りモータ17のモータ速度、巻取りスプール13の直径と各部材の配置及び遅延回路32によって設計されている。よって、ロール紙の波打ちや滑りなどがなく正常に巻き取られた場合のセンサ出力信号のオンデューティは計算で求めることが可能である。これを予想オンデューティとして記録条件と組み合わせてシーケンス制御部25内のROMなどの不揮発性メモリに記憶しておく。
【0060】
図6はROMに記憶された予想オンデューティの例を示す図である。
【0061】
この実施例では、予想オンデューティは、図6に示すように、記録紙の用紙幅及び記録速度と組み合わせて記憶されているものとする。
【0062】
図7は実施例1に従う巻取りエラーの検知方法を示すフローチャートである。
【0063】
ステップS10で、巻取り装置4を用いた記録媒体への記録が開始されると、ステップS20では、シーケンス制御部25内のCPUでは、受光センサ14のセンサ出力信号が記録開始後初めてオンとなるのを待ち合わせる。
【0064】
そのセンサ出力信号がオンすると、ステップS30では巻取りモータ駆動用電源をオンしてエラー検知を開始する。さらに、ステップS40では、エラーカウンタの値(ERR)をリセットする。ここで、CPUがセンサ出力信号をデータとして取得する周期は、受光センサ14のオン周期(Ts)に比べて十分短いものとする。
【0065】
その後、ステップS50において、CPUは受光センサ14がオンする度にオンデューティを計算し、ROMに記憶している予想オンデューティとの差分(ΔD)を算出する。そして、ステップS60では、この差分(ΔD)と所定の閾値(Th)とを比較する。ここで、ΔD>Thであれば、処理はステップS70に進み、エラーカウンタの値(ERR)を+1する。さらに、ステップS70では、エラーカウンタの値(ERR)を所定の値(ここでは、3回)と比較する。ここで、ERR>3であれば、記録媒体の巻取り状態に異常があると判別し、処理をステップS90に進めて、操作パネル部7を介して警告(例えば、特定ランプの点灯、メッセージ表示、ブザーの鳴動)を出す。なお、警告の別の出し方として、パソコン30にインストールされたプリンタドライバによりパソコンのディスプレイ画面にメッセージを表示してもよい。これに対して、ERR≦3であれば、処理はステップS50に戻って、オンデューティの計算を続行する。
【0066】
また、ステップS60において、ΔD≦Thになった場合には、処理はステップS40に戻り、エラーカウンタをリセットし、次のオンデューティの計算を行う。
【0067】
さて、ステップS90において警告を発行した後、ステップS100ではいったん巻取りモータ用電源をオフし、さらにステップS110において記録動作も中止する。そして、ステップS120において、ユーザによる指示を待ち合わせる。このとき、操作パネル部7に表示される警告内容には、ユーザに問題解消を促すメッセージが含まれている。この場合、ユーザが行う作業は、具体的には記録紙の巻取りスプール13への貼り付け直しであったり、フォトインタラプタの検知エリアにある障害物の排除であったりする。
【0068】
エラーカウンタの値(ERR)が3回を超える状況として、部品故障以外では以下のような状況が想定される。
【0069】
<オンデューティが100%のまま変わらない場合>
1.ロール紙が巻取りスプール13から外れ、錘部材15もしくはロール紙そのもので受光センサ14が遮られている。
2.ロール紙が巻取りスプール13から外れて空回りしている。
3.赤外LED12の前面もしくは受光センサ14前面に障害物がある。
【0070】
<オンデューティが0%のまま変わらない場合>
1.ロール紙が巻取りスプール13から外れ、センサが検知しない場所に落ちている。
2.ロール紙が斜めに巻き取られ、センサをONできない。
【0071】
上記いずれの場合もCPUは警告を発行すると同時に、いったん巻取りモータ用電源をオフし、さらに記録も中止してユーザによる操作を待つ。
【0072】
さて、ユーザは操作パネル部7に表示されたメッセージに従って適切な処理をした後で操作パネル部7から記録再開を指示する。ユーザによる記録再開指示を受けると、処理はステップS130に進み、操作パネル部7に表示された警告を取り消して、装置は記録を再開する。その後、処理はステップS30に戻り、CPUは巻取りモータ用電源もオンし、次にセンサ出力信号がオンになった時点から再びエラー検知を開始する。エラー検知はパソコン30から命令された全ての記録が終わるまで続けて行われる。
【0073】
これに対して、ステップS120においてユーザからの指示を待ち合わせている場合、CPUはその待ち合わせ時間(TADLE)を計測し、ステップS140では、待ち合わせ時間(TADLE)を所定の閾値(T)と比較する。ここで、TADLE≧Tであれば、夜間運転のため近くにユーザがいないことなどが想定されるため、記録再開命令がないと判断し、処理はステップS150に進んで、ステップ記録装置はスタンバイモードに移行する。
【0074】
次に、記録画像に白紙が含まれる場合の巻取りエラー検知について述べる。
【0075】
通常、画像中に記録の必要のない白部分が存在すると、全体の処理時間短縮のため、記録ヘッドによる記録を行わずに、ロール紙をB方向への搬送だけする。以下、これを白紙スキップと呼ぶ。
【0076】
白紙スキップ実行中は排紙速度が速いため、図5で示す記録中のオン周期(Ts)よりも短い周期で受光センサ14がオンとなる。この場合の予想オンデューティも予め計算可能であり、図6に示した記録中の予想オンデューティとは別の予想オンデューティをROMに記憶しておく。CPUは、記録データに従って、現在の記録動作が白紙スキップ中と判断した場合には、白紙スキップ用の予想オンデューティとの差分計算を行い、その差分(ΔD)を閾値(Th)と比較する。白紙スキップ実行中であるかどうかは、例えば、搬送ローラ8に取り付けたロータリーエンコーダから実際の出力パルスと、画像記録中に予測される予定パルス数とに基づいて判断可能である。
【0077】
従って以上説明した実施例に従えば、ロール紙の垂れ下がり領域に設けられたフォトインタラプタセンサから得られるセンサ出力信号のオン/オフ周期に基づいて、ロール紙の巻取りが正常に行われているかどうかを判断することができる。
【0078】
巻取り異常が生じた場合には速やかにユーザに通知されるので、記録物が落下したり、巻取り装置に絡まったりすることによる損傷を回避することができる。また、複数の記録しているときにエラーが発生した場合も、記録を完全停止することなく、エラー原因を除去した後に再び記録動作を続けることもできる。
【0079】
また、光学センサと錘部材を用いることにより、センサ検出のために記録直後の記録媒体の記録面を触れる必要がないため、記録品位を損なうことがないという利点もある。
【0080】
さらに、例えば、大判プリンタのように記録媒体のサイズが大きく、かつ記録媒体の種類が多数ある場合でも、大きさや種類に関係なく確実に巻取りエラーを検知することが可能となる。
【0081】
またさらに、記録媒体のたるみ状態を強制的に決定することなく、記録済の記録媒体の排出に合わせた巻取りを行うので、記録媒体に不必要な力を加えることがなく、記録媒体の損傷を防ぐこともできる。
【0082】
なお、この実施例では、赤外LED12と受光センサ14を含む光学センサを用いて排出された記録媒体の検出を行なったが、赤外LED以外に紫外LEDや可視LEDを用いた光学センサを利用しても良い。また、光学センサ以外にも、非接触で検出が可能な超音波センサや近接センサを用いて排出された記録媒体の検出を行なってもよい。さらに、CCDで撮像して画像処理を行なうことで、排出された記録媒体の位置を検出する構成としても良い。このように排出された記録媒体に触れることなく記録媒体の巻取り状態を検出できるセンサであれば光学センサ以外のセンサを用いてよい。
【実施例2】
【0083】
図8は、実施例2に従う巻取りモータ駆動ユニット23の内部構成を示すブロック図である。この図では、巻取りモータ駆動ユニット23とシーケンス制御部25との関係が示されている。なお、実施例1で既に説明したのと同じ構成要素には同じ参照番号を付し、その詳細な説明は省略する。
【0084】
図8に示されているように、巻取りモータ駆動ユニット23から受光センサ14のセンサ出力信号と共に、モータドライバ33のイネーブル信号がシーケンス制御部に出力されている。また、受光センサ14がオフしてからイネーブル信号がオフするまでの遅延時間T_delayは1秒となるように遅延回路32は設計されているものとする。従って、一度受光センサ14がオンすれば、最低1秒は巻取りモータ17が回転し、巻取り動作が行われる。
【0085】
図9は、以上の構成で巻取り動作が行われた場合のセンサ出力信号とモータドライバ33のイネーブル信号との関係を示す図である。
【0086】
ここで、イネーブル信号のオン状態が続くオン継続時間は、巻取り動作によって錘部材15が赤外LED12と受光センサ14で構成されるフォトインタラプタの検知エリアに入ってからそこを出るまでの時間である。これは記録速度には関係なく、巻取りスプール13の直径と受光センサ14との位置関係、巻取りモータ17の回転速度及び巻取りスプール13に巻き取られている記録媒体の量に依存する。何も巻かれていないときが最もオン継続時間は長く、この実施例ではオン継続時間は最大3秒となるように、巻取りスプール13の直径と配置、そしてモータ速度が決定されているものとする。一方、イネーブル信号のオフが続くオフ継続時間は排紙速度に依存し、記録速度がもっとも遅い場合にオフ継続時間が最大となる。この実施例ではオフ継続時間は最大30秒と仮定する。
【0087】
図10は実施例2に従う巻取りエラーの検知方法を示すフローチャートである。
【0088】
なお、図10において、既に実施例1で説明したのと同じ処理ステップには同じステップ参照番号を付してその説明は省略する。
【0089】
実施例1と同様に、ロール紙への記録が開始されると、シーケンス制御部25では、受光センサ14のセンサ出力信号が記録開始後初めてオンした後に、巻取りモータ駆動用電源をオンしてエラー検知を開始する。
【0090】
さて、ステップS10〜S40の処理の後、ステップS55では、CPUは1秒毎にイネーブル信号を取得し、その信号がオンしていればそれをカウントする。
【0091】
CPUはイネーブル信号のカウント回数が、以下のいずれかの条件、即ち、(1)5回以上連続してオンだった場合と、(2)35回以上連続してオフだった場合に合致した場合には巻取りエラーと判断する。
【0092】
従って、ステップS65では、イネーブル信号が5回以上連続してオンだったかどうかを調べる。ここで、その信号が5回以上連続してオンであったと判断されたなら、巻取りエラーが発生したと判断し、処理はステップS90に進み、そうでなければ処理はステップS75に進む。ステップS75では、イネーブル信号が35回以上連続してオフだったかどうかを調べる。ここで、その信号が35回以上連続してオフであったと判断されたなら、巻取りエラーが発生したと判断し、処理はステップS90に進み、そうでなければ処理はステップS55に戻る。
【0093】
ステップS90以降の処理は実施例1で説明したのと同様に実行される。また、白紙スキップの検知は実施例1と同様に行う。
【0094】
なお、白紙スキップが発生した場合は通常よりも巻取りモータ17の駆動時間が長く、その時間は画像の内容に依存するため予測は困難である。しかしながら、処理上、現実的には上限が必要である。従って、白紙スキップ時には、上述した2つの巻取りエラーの判断条件の内、(1)20回以上連続してオンだった場合に変更する。
【0095】
従って以上説明した実施例に従えば、ロール紙の垂れ下がり領域に設けられたフォトインタラプタセンサから得られるセンサ出力信号のオンやオフの回数に基づいて、ロール紙の巻取りが正常に行われているかどうかを判断することができる。
【実施例3】
【0096】
図11は、実施例3に従う巻取りモータ駆動ユニット23の内部構成を示すブロック図である。この図では、巻取りモータ駆動ユニット23とシーケンス制御部25との関係が示されている。なお、実施例1〜2で既に説明したのと同じ構成要素には同じ参照番号を付し、その詳細な説明は省略する。
【0097】
図11に示すように、モータドライバ33と巻取りモータ17との間に巻取りモータ17に流れる電流を検知する電流検知回路35を設ける。電流検知回路35の内部は電流検出部36とコンパレータ37とから成る。巻取りモータ17への供給電流は電流検出抵抗などを用いた電流検出部36で電流電圧変換された後、コンパレータ37に入力される。
【0098】
コンパレータ37の閾値電圧(Th_On)は、正常に巻取り動作が行われたときのモータ電流を確実にハイレベル(H)として検知し、かつモータが回ってないときには確実にローレベル(L)として検知する値に設定されている。コンパレータ37の出力信号は電流検出信号としてシーケンス制御部25に接続されている。
【0099】
なお、実施例2と同様に、受光センサ14がオフしてからイネーブル信号がオフするまでの遅延時間(T_delay)は1秒となるように遅延回路32は設計されている。従って、一度受光センサ14がオンすれば、最低1秒は巻取りモータ17が回転し、巻取り動作が行われる。また、閾値電圧(Th_On)は、電流検出信号のハイレベル期間がイネーブル信号のハイレベル期間よりも確実に長くなるように設定されている。
【0100】
図12は以上の構成で巻取り動作が行われた場合のセンサ出力信号とモータドライバ33のイネーブル信号及び電流検知信号との関係を示す図である。
【0101】
ここで、イネーブル信号のオン状態が続くオン継続時間は、巻取り動作によって錘部材15が赤外LED12と受光センサ14で構成されるフォトインタラプタの検知領域に入ってからそこを出るまでの時間である。これは記録速度には関係なく、巻取りスプール13の直径と受光センサ14との位置関係、巻取りモータ17の回転速度及び巻取りスプール13に巻き取られている記録媒体の量に依存する。何も巻かれていないときが最もオン継続時間は長く、この実施例ではオン継続時間は最大3秒となるように、巻取りスプール13の直径と配置、そしてモータの回転速度が決定されているものとする。電流検知信号もイネーブル信号と同様にハイレベルが継続する最大時間は3秒とする。
【0102】
一方、イネーブル信号のオフが続くオフ継続時間は排紙速度に依存し、記録速度がもっとも遅い場合にオフ継続時間が最大となる。この実施例ではオフ継続時間は最大30秒と仮定する。同様に電流検出信号のローレベル継続時間の最大値も30秒と仮定する。
【0103】
図13は実施例3に従う巻取りエラーの検知方法を示すフローチャートである。
【0104】
なお、図13において、既に実施例1〜2で説明したのと同じ処理ステップには同じステップ参照番号を付してその説明は省略する。
【0105】
実施例1〜2と同様に、ロール紙への記録が開始されると、シーケンス制御部25では、受光センサ14のセンサ出力信号が記録開始後初めてオンした後に、巻取りモータ駆動用電源をオンしてエラー検知を開始する。
【0106】
さて、ステップS10〜S40の処理の後、ステップS55aでは、CPUは1秒毎に電流検出信号を取得し、その信号がハイレベルであればそれをカウントし、ローレベルであればそれをカウントする。
【0107】
CPUは電流検出信号のカウント回数が、以下のいずれかの条件、即ち、(1)5回以上連続してハイレベルだった場合と、(2)35回以上連続してローレベルだった場合の内のいずれかであった場合には巻取りエラーと判断する。
【0108】
従って、ステップS65aでは、電流検出信号が5回以上連続してハイレベルだったかどうかを調べる。ここで、その信号が5回以上連続してハイレベルであったと判断されたなら、巻取りエラーが発生したと判断し、処理はステップS90に進み、そうでなければ処理はステップS75aに進む。ステップS75aでは、電流検出信号が35回以上連続してローレベルだったかどうかを調べる。ここで、その信号が35回以上連続してローレベルであったと判断されたなら、巻取りエラーが発生したと判断し、処理はステップS90に進み、そうでなければ処理はステップS55aに戻る。
【0109】
ステップS90以降の処理は実施例1で説明したのと同様に実行される。また、白紙スキップの検知は実施例1と同様に行う。
【0110】
なお、白紙スキップが発生した場合は通常よりも巻取りモータ17の駆動時間が長く、その時間は画像の内容に依存するため予測は困難である。しかしながら、処理上、現実的には上限が必要である。従って、白紙スキップ時には、上述した2つの巻取りエラーの判断条件の内、(1)20回以上連続してハイレベルだった場合に変更する。
【0111】
従って以上説明した実施例に従えば、ロール紙の垂れ下がり領域に設けられたフォトインタラプタセンサから得られるセンサ出力信号に基づいて生じる巻取りモータへの供給電流からロール紙の巻取りが正常に行われているかどうかを判断することができる。
【0112】
なお、以上の実施例において、記録ヘッドから吐出される液滴はインクであるとして説明し、さらにインクタンクに収容される液体はインクであるとして説明したが、その収容物はインクに限定されるものではない。例えば、記録画像の定着性や耐水性を高めたり、その画像品質を高めたりするために記録媒体に対して吐出される処理液のようなものがインクタンクに収容されていても良い。
【0113】
以上の実施例は、特にインクジェット記録方式の中でも、インク吐出のために熱エネルギーを発生する手段(例えば電気熱変換体等)を備え、その熱エネルギーによりインクの状態変化を生起させる方式を用いて記録の高密度化、高精細化が達成できる。
【0114】
さらに加えて、本発明のインクジェット記録装置の形態としては、コンピュータ等の情報処理機器の画像出力装置として用いられるものの他、リーダ等と組合せた複写装置、さらには送受信機能を有するファクシミリ装置の形態を採るもの等であってもよい。
【産業上の利用可能性】
【0115】
本発明は、複数の機器(例えばホストコンピュータ、インタフェース機器、リーダ、プリンタなど)から構成されるシステムに適用しても、一つの機器からなる装置(例えば、複写機、ファクシミリ装置など)に適用してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0116】
【図1】本発明の代表的な実施例であるインクジェット記録装置の構成を示す外観斜視図である。
【図2】図1に示すインクジェット記録装置の内部構成を示す側断面図である。
【図3】図1に示すインクジェット記録装置の制御構成を示すブロック図である。
【図4】実施例1における巻取りモータ駆動ユニットの内部ブロック図とシーケンス制御部との関係を示す図である。
【図5】実施例1に従うセンサ出力信号とイネーブル信号の関係を示す図である。
【図6】実施例1に従う予想オンデューティテーブルの例である。
【図7】実施例1に従う巻取りエラーの検知方法を示すフローチャートである。
【図8】実施例2に従う巻取りモータ駆動ユニットの内部ブロック図とシーケンス制御部との関係を示す図である。
【図9】実施例2に従うセンサ出力信号とイネーブル信号の関係を示す図である。
【図10】実施例2に従う巻取りエラーの検知方法を示すフローチャートである。
【図11】実施例3に従う巻取りモータ駆動ユニットの内部ブロック図とシーケンス制御部との関係を示す図である。
【図12】実施例3に従うセンサ出力信号とイネーブル信号の関係を示す図である。
【図13】実施例3に従う巻取りエラーの検知方法を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0117】
2 記録装置本体
8 搬送ローラ
9 キャリッジユニット
10 ロール紙カセット
12 赤外LED
13 巻取りスプール
14 受光センサ
15 錘部材
16 ロール紙
17 巻取りモータ
18 巻取りモータ駆動回路
19 巻取りケーブル
23 巻取りモータ駆動ユニット
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ロール状の記録媒体に対して記録を行う記録装置であって、
前記記録媒体に記録するための記録手段と、
前記記録手段により記録された記録媒体の排出動作に合わせて該記録媒体を巻取る巻取り手段と、
前記巻取り手段によって生じる記録媒体の巻取り状態を当該記録媒体に触れずに検出する検出手段と、
前記検出手段による検出結果に基づいて、前記記録媒体の巻取り状態の異常を判別する判別手段とを有することを特徴とする記録装置。
【請求項2】
前記記録手段は、
前記ロール状の記録媒体を収容する収容部と、
前記収容部から供給される前記記録媒体に記録を行う記録ヘッドと、
前記記録ヘッドにより記録がなされた記録媒体を搬送して、前記記録がなされた記録媒体の部分が装置から垂れ下がるように排出する排出手段とを含み、
前記巻取り手段は、
前記排出手段より下方に設けられ、前記排出され垂れ下がった記録媒体を巻取るスプールと、
前記スプールを回転させる巻取りモータと、
前記垂れ下がるように排出された記録媒体と前記スプールとの間にあって、前記排出された記録媒体に鉛直方向に加重する錘部材とを含み、
前記検出手段は、
前記錘部材により記録媒体が所定量以上垂れ下がったことを検出し、
前記スプールは前記光軸より上方に設られることを特徴とする請求項1に記載の記録装置。
【請求項3】
前記検出手段は、
光を照射する発光素子と、
前記発光素子から照射された光を受光する受光素子とを含み、
前記発光素子と受光素子との間の光軸が、前記錘部材により垂れ下がった記録媒体を遮断するように、前記発光素子と受光素子とが設けられることを特徴とする請求項2に記載の記録装置。
【請求項4】
前記排出された記録媒体の垂れ下がりにより、前記排出された記録媒体が前記光軸を遮り記録媒体の存在を検出したときに、前記巻取りモータを駆動して前記スプールを回転させ前記垂れ下がった記録媒体を巻取るように制御するとともに、前記巻取りにより前記排出された記録媒体が巻上げられて前記光軸を遮らなくなり記録媒体の存在を検出しなくなったときに、前記巻取りモータの駆動を停止して前記スプールへの巻取りを停止するよう前記巻取り手段を制御する巻取り制御手段をさらに有することを特徴とする請求項3に記載の記録装置。
【請求項5】
前記判別手段は、
前記記録媒体の存在を検出し続けている期間と前記記録媒体の存在を検出したときから次に前記記録媒体の存在を検出するまでの期間との比を予め定められた閾値と比較する比較手段と、
前記比較手段による比較結果に従って、前記記録媒体の巻き取り状態に異常が生じたかどうかを判断する判断手段とを有することを特徴とする請求項4に記載の記録装置。
【請求項6】
前記予め定められた閾値は、前記記録手段による記録速度、前記ロール状の記録媒体の記録幅、前記記録媒体の排出速度、前記記録媒体の巻取り速度の内、少なくともいずれかによって定められることを特徴とする請求項5に記載の記録装置。
【請求項7】
前記判別手段は、
前記巻取り制御手段により前記巻取りモータを駆動するために生成されるイネーブル信号を予め定められた周期で検出し、該検出されたイネーブル信号のオンオフ状態に基づいて前記記録媒体の巻き取り状態に異常が生じたかどうかを判断する判断手段とを有することを特徴とする請求項4に記載の記録装置。
【請求項8】
前記判別手段は、
前記巻取り制御手段により前記巻取りモータを駆動するために生成されるイネーブル信号に基づいて前記巻取りモータへ供給されるモータ駆動電流を予め定められた周期で検出し、該検出されたモータ駆動電流のオンオフ状態に基づいて前記記録媒体の巻き取り状態に異常が生じたかどうかを判断する判断手段とを有することを特徴とする請求項4に記載の記録装置。
【請求項9】
前記判別手段により前記記録媒体の巻き取り状態に異常が生じたと判別された場合には前記巻取り制御手段は前記巻取り手段による巻取りを停止するよう制御することを特徴とする請求項5乃至8のいずれかに記載の記録装置。
【請求項10】
前記巻取り手段による巻取り停止に伴い前記記録手段による記録動作を停止するよう制御する記録制御手段をさらに有することを特徴とする請求項9に記載の記録装置。
【請求項11】
前記判別手段により前記記録媒体の巻き取り状態に異常が生じたと判別された場合にはユーザに異常の発生を通知する通知手段をさらに有することを特徴とする請求項5乃至8のいずれかに記載の記録装置。
【請求項12】
ロール状の記録媒体に対して記録を行う記録装置における記録済の記録媒体の巻取り状態を検出する記録媒体巻取り状態判別方法であって、
前記記録媒体に記録するための記録工程と、
前記記録工程において記録された記録媒体の排出動作に合わせて該記録媒体を巻取る巻取り工程と、
前記巻取り工程によって生じる記録媒体の巻取り状態を当該記録媒体に触れずに検出する検出工程と、
前記検出工程による検出結果に基づいて、前記記録媒体の巻取り状態の異常を判別する判別工程とを有することを特徴とする記録媒体巻取り状態判別方法。
【請求項1】
ロール状の記録媒体に対して記録を行う記録装置であって、
前記記録媒体に記録するための記録手段と、
前記記録手段により記録された記録媒体の排出動作に合わせて該記録媒体を巻取る巻取り手段と、
前記巻取り手段によって生じる記録媒体の巻取り状態を当該記録媒体に触れずに検出する検出手段と、
前記検出手段による検出結果に基づいて、前記記録媒体の巻取り状態の異常を判別する判別手段とを有することを特徴とする記録装置。
【請求項2】
前記記録手段は、
前記ロール状の記録媒体を収容する収容部と、
前記収容部から供給される前記記録媒体に記録を行う記録ヘッドと、
前記記録ヘッドにより記録がなされた記録媒体を搬送して、前記記録がなされた記録媒体の部分が装置から垂れ下がるように排出する排出手段とを含み、
前記巻取り手段は、
前記排出手段より下方に設けられ、前記排出され垂れ下がった記録媒体を巻取るスプールと、
前記スプールを回転させる巻取りモータと、
前記垂れ下がるように排出された記録媒体と前記スプールとの間にあって、前記排出された記録媒体に鉛直方向に加重する錘部材とを含み、
前記検出手段は、
前記錘部材により記録媒体が所定量以上垂れ下がったことを検出し、
前記スプールは前記光軸より上方に設られることを特徴とする請求項1に記載の記録装置。
【請求項3】
前記検出手段は、
光を照射する発光素子と、
前記発光素子から照射された光を受光する受光素子とを含み、
前記発光素子と受光素子との間の光軸が、前記錘部材により垂れ下がった記録媒体を遮断するように、前記発光素子と受光素子とが設けられることを特徴とする請求項2に記載の記録装置。
【請求項4】
前記排出された記録媒体の垂れ下がりにより、前記排出された記録媒体が前記光軸を遮り記録媒体の存在を検出したときに、前記巻取りモータを駆動して前記スプールを回転させ前記垂れ下がった記録媒体を巻取るように制御するとともに、前記巻取りにより前記排出された記録媒体が巻上げられて前記光軸を遮らなくなり記録媒体の存在を検出しなくなったときに、前記巻取りモータの駆動を停止して前記スプールへの巻取りを停止するよう前記巻取り手段を制御する巻取り制御手段をさらに有することを特徴とする請求項3に記載の記録装置。
【請求項5】
前記判別手段は、
前記記録媒体の存在を検出し続けている期間と前記記録媒体の存在を検出したときから次に前記記録媒体の存在を検出するまでの期間との比を予め定められた閾値と比較する比較手段と、
前記比較手段による比較結果に従って、前記記録媒体の巻き取り状態に異常が生じたかどうかを判断する判断手段とを有することを特徴とする請求項4に記載の記録装置。
【請求項6】
前記予め定められた閾値は、前記記録手段による記録速度、前記ロール状の記録媒体の記録幅、前記記録媒体の排出速度、前記記録媒体の巻取り速度の内、少なくともいずれかによって定められることを特徴とする請求項5に記載の記録装置。
【請求項7】
前記判別手段は、
前記巻取り制御手段により前記巻取りモータを駆動するために生成されるイネーブル信号を予め定められた周期で検出し、該検出されたイネーブル信号のオンオフ状態に基づいて前記記録媒体の巻き取り状態に異常が生じたかどうかを判断する判断手段とを有することを特徴とする請求項4に記載の記録装置。
【請求項8】
前記判別手段は、
前記巻取り制御手段により前記巻取りモータを駆動するために生成されるイネーブル信号に基づいて前記巻取りモータへ供給されるモータ駆動電流を予め定められた周期で検出し、該検出されたモータ駆動電流のオンオフ状態に基づいて前記記録媒体の巻き取り状態に異常が生じたかどうかを判断する判断手段とを有することを特徴とする請求項4に記載の記録装置。
【請求項9】
前記判別手段により前記記録媒体の巻き取り状態に異常が生じたと判別された場合には前記巻取り制御手段は前記巻取り手段による巻取りを停止するよう制御することを特徴とする請求項5乃至8のいずれかに記載の記録装置。
【請求項10】
前記巻取り手段による巻取り停止に伴い前記記録手段による記録動作を停止するよう制御する記録制御手段をさらに有することを特徴とする請求項9に記載の記録装置。
【請求項11】
前記判別手段により前記記録媒体の巻き取り状態に異常が生じたと判別された場合にはユーザに異常の発生を通知する通知手段をさらに有することを特徴とする請求項5乃至8のいずれかに記載の記録装置。
【請求項12】
ロール状の記録媒体に対して記録を行う記録装置における記録済の記録媒体の巻取り状態を検出する記録媒体巻取り状態判別方法であって、
前記記録媒体に記録するための記録工程と、
前記記録工程において記録された記録媒体の排出動作に合わせて該記録媒体を巻取る巻取り工程と、
前記巻取り工程によって生じる記録媒体の巻取り状態を当該記録媒体に触れずに検出する検出工程と、
前記検出工程による検出結果に基づいて、前記記録媒体の巻取り状態の異常を判別する判別工程とを有することを特徴とする記録媒体巻取り状態判別方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2007−331934(P2007−331934A)
【公開日】平成19年12月27日(2007.12.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−169387(P2006−169387)
【出願日】平成18年6月19日(2006.6.19)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成19年12月27日(2007.12.27)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年6月19日(2006.6.19)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】
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