説明

記録装置

【課題】 蓋部材があおられたり変形によって浮いたりしても、蓋部材の閉じたことを検出する第1の検出スイッチを操作する部材への影響を少なくする。
【解決手段】 本発明の記録装置は、本体に対して開閉可能であり、前記本体に記録媒体を脱着するための蓋部材と、本体内に蓋部材の開放を禁止する複数の係合部をもち、前記複数の係合部の間に前記蓋部材の開閉状態を検出する第1の検出手段を設けたことを特徴としている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ビデオカメラなどの撮影装置やディスクプレイヤーなどの記録再生装置の本体筐体に対して開閉可能な蓋部材を有することで、撮影画像を記録する記録媒体を交換することができ、蓋部材が閉状態になっていることを検出するスイッチの操作ストロークを少なくし、撮影装置の小型化を可能とするものである。
【背景技術】
【0002】
従来、レーザー光によってディスク状の記録媒体(以後、記録ディスク)に動画や静止画撮影を行う撮影装置では、レーザー光が撮影者に危害を与えないよう記録ディスクの装着部の蓋部材が閉じていることを検出する。そしてその検出結果によってレーザー光の発光を開始し記録ディスクへの撮影画像データの書き込み、あるいは、記録ディスクの書き込まれたデータの読み込みを行っていた。この検知手段の従来構成を、図9〜図12に示す。図9は、本体筐体に対して蓋部材が開かないようにロックされた状態で、検出スイッチが操作されている状態を示す構成図である。図10は、本体筐体に対して、蓋部材がロック解除され開いた状態を示す構成図である。図11は、図10の状態を展開表示した斜視図、図12は、撮影装置全体を示す斜視図で、記録ディスクを着脱するために蓋部材を開いた状態を示している。図中、101は蓋部材、102は撮影装置本体で、蓋部材101が撮影装置本体102内の蓋部材回転軸129を中心に回転して開き、図12のように、ディスク装着部を露出させる。蓋部材101を開放するとディスクを装着し回転させるスピンドルモーター127、レーザーを発光するピックアップ部128が、配置されている。103は、蓋部材101の内側に設けられた2ヵ所のフック、104は、撮影装置本体102内に設けられたフック103と係合する2ヵ所のピンである。105は、ピン104と一体で第9図のフック103と係合状態から、第10図のフック103と非係合状態の間で移動可能なスライド板である。このスライド板105は、スライド板バネ部材111によって、フック103とピン104が係合する方向(図中、右方向)に付勢されている。106は、蓋部材101が、本体102に対して閉じたことを検出する第1の検出スイッチであり、2つのフック103の一方の外側に配置されている。107は、スイッチ操作部材で、第2のガイドピン118によって、図中、上下方向に移動可能にガイドされる。スイッチ操作部材バネ112の付勢力によって、蓋部材101が開いたとき追従して、図中、上方へ移動し、蓋部材101が閉じたときは、蓋部材1に設けられたスイッチ操作凸部114が当接してスイッチ操作部材バネ112の付勢力に逆らって下方に移動させられる。108は、第2の検出スイッチで、フック103とピン104が非係合位置でスライド板105のスイッチ押し部117によって押されて回路上クローズになり、フック103とピン104が係合位置で、スライド板105のスイッチ押し部117から開放されて回路上オープンになるよう配置されている。109は、蓋部材101のロック解除を行うときスライド板105を、図中、左方向へ移動させるモーターユニットで、モーターユニット109の最終段のギアにはスライド板105の作動部116に作用する作動ピン115が設けられている。110はスライド板規制部材で、スライド板105が蓋部材101のロックを解除した位置で、回転軸121を中心に時計回転方向に回転し、係合部119がスライド板105の開口穴段部120のエッジと係合して、スライド板105の、図中、右方向への移動を規制する。130は、蓋部材を開くとき操作する蓋開操作つまみである。
【0003】
上記の構成で、蓋部材101が、本体102に対して閉じた状態では、2ヵ所のフック103に対して、2ヵ所のピン104が係合し、ロックされている。このとき第1の検出スイッチ106は、スイッチ操作部材107が蓋部材101のスイッチ操作凸部114によって下方へ移動させられているため、操作され、回路上クローズ状態を検出している。第2の検出スイッチ108は、スライド板105のスイッチ押し部117から離れてオープン状態を検出している。この第1の検出スイッチ106と第2の検出スイッチ108が上記状態を検出していることにより、蓋部材101が閉じていると判断し記録ディスクに対してレーザーの発光が可能となる。
【0004】
そして蓋開操作つまみ130を操作することでモーターユニット109が回転駆動され、スライド板105の作動部116をモーターユニット109の作動ピン115が押し、スライド板105がスライド板バネ部材111の付勢力に逆らって、図中、左側に押され、ピン104がフック103との係合位置から非係合位置に移動し、蓋部材101は開き可能となる。モーターユニット109の作動ピン115は、スライド板105が移動し、ピン104がフック103に対して非係合位置となった後、スライド板105の作動部116から離れた位置で不図示のモータ位置検出スイッチによって停止する。このときスライド板105は、スライド板規制部材110が係合することによって、図中、右方向への戻りが規制され、蓋部材101の開き可能位置で維持される。また、スライド板105のスイッチ押し部117は、第2のスイッチ108を操作して、回路上クローズ状態となっている。蓋部材101は、蓋部材回転軸129付近で開き方向に付勢されているため、2ヶ所のピン104が2ヵ所のフック103から退避したと同時に開き、スイッチ操作部材107は、スイッチ操作部材バネ112の付勢力によって蓋部材101に追従して上方向に移動し第1の検出スイッチ106から離れ、回路上オープン状態になる。このような、第1の検出スイッチ106のオープン状態と第2の検出スイッチ108のクローズ状態が検出されると蓋部材101が開いたと判断されレーザーは発光できなくなっている。
【0005】
その後、蓋部材101を開状態から閉状態へ手動で閉じる時、蓋部材101のスライド板解除凸部113によってスライド板規制部材110は回転軸121を中心に反時計方向に回転させられ、スライド板105の開口穴段部120からスライド板規制部材110の係合部119が離脱し、スライド板105は、スライド板バネ部材111の付勢力によって、図中、右方向にスライドしてフック103に再度係合する。
【0006】
その他の従来例として、筐体内に、第1、第2、第3の接片を持ち、蓋に取り付けられた第4の接片が、蓋を閉じることによって、第1、第2、第3の接片が電気的に導通されるものが特許文献1に開示されている。3つの接片のうち2つがレーザー発光、残り1つがコントロールロジック部の開閉信号供給している。
【0007】
また特許文献2には、半分収納ケースに収納したディスクを挿入する収納口をもつディスク装置が開示されている。挿入口を開閉する蓋体、蓋体のロック機構とそれを解除する電磁機構をもっている。ディスクがディスク装置に収納されたことを検知する検知機構とディスクによって操作される第1のスイッチ、収納ケースによって操作される第2のスイッチがあり、第1のスイッチが操作されたとき、電磁機構を動作させず、第2のスイッチが操作されたとき、電磁機構を動作させる内容が開示されている。
【特許文献1】特開昭62−47920号公報
【特許文献2】特開昭61−24052号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、従来の構成では、図9のようにピン104とフック103ほぼ正面から見た場合、蓋部材101を故意に、図中、C点(フック103とピン104の係合をほぼ正面から見た状態での左右方向の端部、斜視図では、略円形の蓋部材101の上下方向の最下点)を基点に他端を撮影装置本体102に対して浮かせると、基点Cから離れたフック103とピン104の係合部のがたつき分傾き、図中、角度α浮く。そのとき、2ヵ所のフック103の外側に設けられた第1の検出スイッチ106を操作するスイッチ操作部材107も、蓋部材101に追従して移動量A2だけ、図中、上方へ移動する。これは、スイッチ操作部材107が第1のスイッチ106をオープン状態からクローズ状態に切り替えた位置から、さらに下方へ移動し、第1のスイッチ106をクローズ状態に維持させているオーバーストローク量が移動量A2分少なくなったことになる。この移動量A2は、蓋部材101が基点C点から角度α浮いた量によって決まるが、この移動量A2は、スイッチ操作部材107がピン104とフック103から図中左側に離れるほど大きくなる。又、第1の検出スイッチ106の、図中、右側はフック103とピン104の係合によって、蓋部材101の浮きは規制されているが、第1の検出スイッチ106の左側は撮影装置本体102に対して、蓋部材101の浮きを規制する手段がないため、蓋部材101が変形して浮いた場合、スイッチ操作部材107が、蓋部材101に追従して第1の検出スイッチ106から離れる方向に移動する。これにより移動量A2は、ピン104とフック103のがたつき量に加えて、蓋部材101の変形によるスイッチ操作部材107の移動量をあわせた量となり、スイッチ操作部材107の第1のスイッチ106をクローズ状態に維持させているオーバーストローク量は、この移動量A2を加えた量を必要としていた。
【0009】
この、オーバーストローク量を多く取ることによって、発生する問題として、
(1)スイッチ操作部材107の移動ストロークを大きくすることにより、撮影装置本体102内部に移動のための空間が必要となり、撮影装置が大型化する。
(2)スイッチ操作部材107のオ−バーストロークを大きくすることにより、蓋部材101を開状態から閉じて行く途中の、蓋部材101が閉じきるかなり手前の位置で、第1のスイッチ106がクローズになってしまい、第2のスイッチ107が部品不良で常時オープンになってしまう場合がある。また蓋部材101が開状態でスライド板105を故意にクローズ状態に移動させてしまった場合などがある。それらの場合、蓋部材101が閉じきるかなり前の状態でレーザーが発光してしまうため、撮影装置本体102と蓋部材101の合わせ隙間からレーザー光が漏れないように、本体102の蓋部材101との合わせ部に高い遮光壁を設けなければならない。これによっても撮影装置本体102は大型化する。
【0010】
基点Cを図中指示の反対側の端部としたとき、スイッチ操作部材107は、基点Cと近くなるため、蓋部材101の浮き、変形にも影響は受けにくくなり、スイッチ操作部材107のオ−バーストローク量は少なくても構わなくなる。しかし、蓋部材101はどこが基点となって、浮き、変形が起こるか確定できないので、上述のもっともスイッチ操作部材107の浮き、変形の影響が受けやすい部分でオ−バーストロークの必要な量が決めなければならない。
【0011】
また特許文献1は、スイッチの構造簡略化、スイッチタイミングをあわせやすくする目的であって、蓋ロックとの連動がない。特許文献2は、2つのスイッチを使っているが、蓋開閉のロック解除に使っており、2つのスイッチが連動していない。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明の記録装置は、本体に対して開閉可能であり、前記本体に記録媒体を脱着するための蓋部材と、本体内に蓋部材の開放を禁止する複数の係合部をもち、前記複数の係合部の間に前記蓋部材の開閉状態を検出する第1の検出手段を設けたことを特徴としている。
【0013】
このように構成することで、蓋部材があおられたり変形によって浮いたりしても、蓋部材の閉じたことを検出する第1の検出スイッチを操作する部材への影響を少なくし、確実にスイッチがクローズ状態で維持しながら、スイッチを操作するスイッチ操作部材のオーバーストロークを少なくする。
【発明の効果】
【0014】
以上説明したように、本発明によれば、蓋部材の閉じたことを検出する第1の検出スイッチがクローズ状態で維持させる、スイッチを操作するスイッチ操作部材のオーバーストロークを少なくし撮影装置全体の小型化を実現できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、本発明を実施するための形態に関して説明する。
【実施例1】
【0016】
図1〜図8に本案の実施例を示す。図1は、本体筐体に対して蓋部材が開かないようにロックされた状態で、検出スイッチが操作されている状態を示す構成図であり、図2は、図1の作動部拡大詳細図である。図3は、本体筐体に対して蓋部材がロック解除され、開いた状態を示す構成図、図4は、図3の作動部拡大詳細図である。図5は、図3を展開表示した斜視図、図6、図7は、本実施例の撮影装置の全体斜視図である。図8は、撮影装置全体を示す斜視図で、記録ディスクを着脱するために蓋部材を開いた状態を示している。図中、1は蓋部材、2は撮影装置本体で、蓋部材1が撮影装置本体2内の蓋部材回転軸29を中心に回転して開き、図8のようにディスク装着部を露出させる。蓋部材1を開放すると、ディスクを装着し回転させるスピンドルモーター27、レーザーを発光するピックアップ部28が配置されている。3は、蓋部材1の内側に設けられた2ヵ所のフック、4は、撮影装置本体2内に設けられたフック3と係合する2ヵ所のピンである。5は、ピン4と一体で図1のフック3と係合位置から、第3図のフック3と非係合位置の間で移動可能なスライド板、このスライド板5は、スライド板バネ部材11によって、フック3とピン4が係合する方向(図中、右方向)に付勢されている。6は、蓋部材1が、撮影装置本体2に対して閉じたことを検出する第1の検出スイッチである。7は、スイッチ操作部材で、第2のガイドピン18によって上下方向に移動可能にガイドされており、スイッチ操作部材バネ12の付勢力によって、蓋部材1が開いたとき追従して、図中、上方へ移動し、第1の検出スイッチ6を開放して、回路上、オープンとなる。蓋部材1が閉じるときは蓋部材1に設けられたスイッチ操作凸部14が当接してスイッチ操作部材バネ12の付勢力に逆らって下方に移動させられ、蓋部材1が閉じ状態で、第1の検出スイッチ6を操作し、回路上、クローズとしている。第1の検出スイッチ6、及び、スイッチ操作部材7は、フック3とピン4の2ヵ所の係合部間に配置されている。また、図中、第1の検出スイッチ6、及び、スイッチ操作部材7の近接した左位置で、フック3とピン4がそれぞれ係合している。8は、第2の検出スイッチで、フック3とピン4が非係合位置でスライド板5のスイッチ押し部17によって押され、回路上クローズになり、フック3とピン4が係合位置で、スライド板5のスイッチ押し部17から開放されて、回路上オープンになるよう配置されている。9は、蓋部材1のロック解除を行うときスライド板5を、図中、左方向へ移動させるモーターユニットで、モーターユニット9の最終段のギアにはスライド板5の作動部16に作用する作動ピン15が設けられている。10はスライド板規制部材でスライド板5が、蓋部材1のロックを解除する状態で、回転軸21を中心に時計回転方向に回転し、係合部19がスライド板5の開口穴段部20のエッジと係合して、スライド板5の、図中、右方向への移動を規制する。30は、蓋部材を開くとき操作する蓋開操作つまみである。図6〜図7の撮影装置全体斜視図では、撮影レンズ22、電源スイッチつまみ23、ズームつまみ24、撮影開始/停止ボタン25、ファインダー接眼部26などが主たる構成部となる。
【0017】
上記の構成で、蓋部材1が、本体2に対して閉じた状態では2ヵ所のフック3に対して、2ヵ所のピン4が係合し、閉じ状態でロックされている。このとき第1の検出スイッチ6は、スイッチ操作部材7が下方へ移動させられているため、操作され、回路上クローズ状態を検出している。第2の検出スイッチ8は、スライド板5のスイッチ押し部17から離れてオープン状態を検出している。この第1の検出スイッチ6と第2の検出スイッチ8が上記状態を検出していることにより、蓋部材1が閉じていると判断して記録ディスクに対してレーザーの発光が可能となる。
【0018】
そして、蓋開操作つまみ30を操作することでモーターユニット9が回転駆動され、スライド板5の作動部16をモーターユニット9の作動ピン15が押し、スライド板5がスライド板バネ部材11の付勢力に逆らって、図中、左側に押され、ピン4がフック3との係合位置から非係合位置に移動し、蓋部材1は開き可能となる。
【0019】
モーターユニット9の作動ピン15は、スライド板5が移動し、ピン4がフック3に対して非係合位置となった後、スライド板5の作動部16から離れた位置で不図示のモータ位置検出スイッチによって停止する。
【0020】
このときスライド板5は、スライド板規制部材10の係合部19がスライド板5の開口穴段部20のエッジと係合するため、図中、右方向への戻りが規制され、蓋部材1の開き可能状態が維持される。また、スライド板5のスイッチ押し部17は、第2のスイッチ8を操作して、回路上クローズ状態となっている。蓋部材1は、蓋部材回転軸29付近で開き方向に付勢されているため、2ヶ所のピン4が2ヵ所のフック3から退避したと同時に開き、スイッチ操作部材7はスイッチ操作部材バネ12の付勢力によって蓋部材1に追従して上方向に移動し第1の検出スイッチ6から離れ、回路上オープン状態になる。このように、第1の検出スイッチ6のオープン状態と第2の検出スイッチ8のクローズ状態が検出されると蓋部材1が開いたと判断されレーザーは発光できなくなっている。
【0021】
又、レーザー光による危害を防ぐ安全対策として、第1の検出スイッチ6と第2の検出スイッチ8のいずれか一方がスイッチ故障等で、蓋部材1が開いている状態の検出を行った場合でもレーザー光の発光は行われない。
【0022】
その後、蓋部材1を開状態から閉状態へ手動で閉じる時、蓋部材1のスライド板解除凸部13によって、スライド板規制部材10は回転軸21を中心に反時計方向に回転させられる。そして、スライド板5の開口穴段部20からスライド板規制部材10の係合部19が離脱し、スライド板5は、スライド板バネ部材11の付勢力によって、図中、右方向にスライドしてフック3に再度係合する。蓋部材1を閉じるとき、フック3がピン4が係合可能なように蓋部材1の閉じきる直前の位置にあわせて、スライド板規制部材10の係合部19が離脱するようスライド板解除凸部13がスライド板規制部材10を押し込む量が決められている。
【0023】
蓋部材1が、撮影装置本体2に対してロックされた状態で、例えば、第1図のように、蓋部材1を故意に、図中、C点(フック3とピン4の係合を正視した状態での左右方向の一方の端部、斜視図では、円形の蓋部材1の上下方向の最下点となる)を基点に他端を撮影装置本体2に対して浮かせると、基点Cから離れた側のフック3とピン4の係合部が、がたつき分傾き、図中、角度α浮く。このとき2ヵ所のフック3の間に設けられたスイッチ操作部材7も蓋部材1に追従して移動量Aだけ移動する。しかし、従来例のようなフック103の外側にスイッチ操作部材107を配置した場合に対して、スイッチ操作部材7が基点Cから離れた側のフック3とピン4の係合部より基点C側に位置するため、移動量Aは少なくてすむ。さらにスイッチ操作部材7が、第1の検出スイッチ6を回路上クローズした状態を維持するためのオーバーストローク量も少なくてすむ。又、蓋部材1自身が開き方向に変形した場合、フック3とピン4の係合部の外側では蓋部材1は従来例と同等に変形するが2つのフック3とピン4の係合部間では、それぞれの係合により蓋部材1の変形が規制され大きく変形しない。そのため、2つのフック3とピン4の係合部間で、係合部に近接して配置したスイッチ操作部材7の移動量Aも蓋部材1の変形による増加は少なく、移動量Aの増加が少なくてすむことにより、スイッチ操作部材7の上記オーバーストローク量の増加も少なくてすむ。
【0024】
又、本実施例の基点Cは、図中、右端に設けられているが、左右端のどちらが基点Cになっても、2つのフック3とピン4の係合部間にスイッチ操作部材7を配置し、係合部のいずれか一方に近接させてスイッチ操作部材7を配置すれば、フック3とピン4の係合部ガタツキにより蓋部材1が浮いたとき、蓋部材1自身が変形したときも移動量Aを少なくするのに同様な効果が得られる。
【0025】
また、本案のように、フック3とピン4の2ヵ所一対の係合部を実施例図のように全幅に対して中央に近い部分に近接して設けることで、略円形の本体筐体内で2つのピン4をひとつのスライド板5に結合しスライド板5自身は平行移動のみでフック3との係合を行う、シンプルな蓋部材ロック構造にできる。そのため、第6図〜第8図の斜視図で示すような略円形の外形を持つ本体筐体という特徴的なデザインが可能となる。
【0026】
以上説明したように、本発明によれば、蓋部材が撮影装置本体に対してあおられたり、蓋部材自身の変形などによる、蓋部材の閉じたことを検出する第1のスイッチをクローズするための操作量への影響を少なくする。また確実にスイッチがクローズ状態で維持しながら、スイッチを操作するスイッチ操作部材のオーバーストローク量を少なくし撮影装置全体の小型化を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】本発明による、本体筐体に対して、蓋部材が開かないようにロックされた状態で、検出スイッチが操作されている状態を示す構成図
【図2】図1の、作動機構要部拡大詳細図
【図3】本発明による、本体筐体に対して、蓋部材がロック解除され開いた状態を示す構成図
【図4】図3の、作動機構要部拡大詳細図
【図5】図3を展開表示した斜視図
【図6】本案の撮影装置全体を示す斜視図
【図7】本発明による記録ディスクを装着し蓋部材を閉じた状態を示した撮影装置全体を示す斜視図
【図8】本発明による記録ディスクを着脱するために蓋部材を開いた状態を示した撮影装置全体を示す斜視図
【図9】従来の本体筐体に対して、蓋部材が開かないようにロックされた状態で検出スイッチが操作されている状態を示す構成図
【図10】従来の本体筐体に対して、蓋部材がロック解除され開いた状態を示す構成図
【図11】図10を展開表示した斜視図
【図12】従来の記録ディスクを着脱するために蓋部材を開いた状態を示した撮影装置全体を示す斜視図
【符号の説明】
【0028】
1 蓋部材
2 撮影装置本体
3 フック
4 ピン
5 スライド板
6 第1の検出スイッチ
7 スイッチ操作部材
8 第2の検出スイッチ
9 モーターユニット
10 スライド板規制部材
11 スライド板バネ部材
12 スイッチ操作部材バネ
13 スライド板解除凸部
14 スイッチ操作凸部、
15 作動ピン
16 作動部
17 スイッチ押し部
18 ガイドピン
19 係合部
20 開口穴段部
21 回転軸
22 撮影レンズ
23 電源スイッチつまみ
24 ズームつまみ
25 撮影開始/停止ボタン
26 ファインダー接眼部
27 スピンドルモーター
28 ピックアップ部
29 蓋部材回転軸

【特許請求の範囲】
【請求項1】
本体に対して開閉可能であり、前記本体に記録媒体を脱着するための蓋部材と、本体内に蓋部材の開放を禁止する複数の係合部をもつ記録装置において、前記複数の係合部の間に前記蓋部材の開閉状態を検出する第1の検出手段を設けたことを特徴とする記録装置。
【請求項2】
前記第1の検出手段は、少なくともひとつの係合部に近接して設けたことを特徴とする請求項1に記載の記録装置。
【請求項3】
前記係合部は蓋部材が閉じた状態で蓋部材と係合する位置に移動することによって蓋部材の閉じ状態が保持され、前記係合部が蓋部材との係合位置に移動したことを第2の検出手段により検出するとともに、前記第1の検出手段が蓋部材の閉じ状態を検出することによって、記録媒体への読み出し、書き込みを行うための動作が可能となることを特徴とする請求項1、2に記載の記録装置。
【請求項4】
前記記録媒体は、レーザー光を用いて、書き込み、読み出しが行われるディスクであることを特徴とする請求項1〜3に記載の記録装置。
【請求項5】
動画、あるいは、静止画、又は、その両方を撮影する携帯可能な撮影機能を有することを特徴とする請求項1〜4に記載の記録装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2008−27556(P2008−27556A)
【公開日】平成20年2月7日(2008.2.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−202134(P2006−202134)
【出願日】平成18年7月25日(2006.7.25)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】