説明

記録装置

【課題】保持トレイ55を短尺化し、記録装置本体2の小型化を実現できるようにすること。
【解決手段】保持トレイ55のセット部71に硬質被記録材Qをセットし、搬送手段34により前記保持トレイ55を移動させて記録実行領域51において前記硬質被記録材Qに記録を実行する記録装置であって、前記保持トレイ55の先端縁80はセットされた硬質被記録材Qの外縁より後退していることを特徴とし、更に、前記保持トレイ55は、前記硬質被記録材Qに対する記録開始ポジション60から記録終了ポジション61までの搬送を、当該保持トレイ55が前記搬送手段34から搬送力を受けて行える長さで構成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、保持トレイのセット部に光ディスク等の被記録材をセットし、搬送手段により前記保持トレイを移動させて記録実行領域において前記被記録材に記録を実行するプリンタ、ファクシミリあるいは複写機に代表される、複合機を含む概念の記録装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
以下、記録装置の一例であるインクジェットプリンタを例に採って説明する。インクジェットプリンタには用紙やフィルム等、自立性を有しない軟質被記録材と、光ディスク(CD−RやDVD−R等)で代表される自立性を有する硬質被記録材との両方に対して選択的に記録を実行することができるインクジェットプリンタが存在する。そして、前記CD−R等の被記録材に対して記録を実行する場合には、別途付属品として用意されている専用の保持トレイを使用するか、下記の特許文献1に示すようにプリンタ本体内に保持トレイが内蔵されている構造のインクジェットプリンタを使用する。前記保持トレイにはCD−R等の被記録材をセットするセット凹部が設けられている。
【特許文献1】特開2005−59584号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかし、従来の保持トレイを用いて記録を実行するプリンタは、記録実行時やセンシング動作時の保持トレイの搬送において、該保持トレイの下面を搬送駆動ローラと記録ヘッドより下流に位置する排出駆動ローラの両ローラ上に乗せた状態で行えるように、当該保持トレイの寸法が設定されていた。そのため、保持トレイは搬送方向に長尺となり、部品サイズが大型化していた。また、保持トレイを内蔵するタイプの記録装置においては、装置本体の奥行き寸法も長くなってしまい、記録装置本体の小型化を図る上において障害になっていた。
【0004】
本発明の目的は、保持トレイを短尺化し、記録装置本体の小型化を実現できるようにすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
前記目的を達成するために、本発明の第1の態様に係る記録装置は、第1の被記録材と、第2の被記録材をセット可能な保持トレイとを、搬送駆動ローラにより搬送しつつ、記録を実行する記録装置であって、前記保持トレイの先端縁はセットされた前記第2の被記録材の外縁より後退していることを特徴とするものである。
【0006】
本態様によれば、保持トレイは、その先端縁をセットされた被記録材の外縁より後退させた構成、すなわち先端側を被記録材よりも短くカットした構成である。従って、その「後退」させた分だけ保持トレイを短尺化することができ、部品の小型化を実現することができる。
【0007】
本発明の第2の態様は、前記第1の態様に係る記録装置において、前記保持トレイは、前記第2の被記録材に対する記録開始ポジションから記録終了ポジションまでの搬送を、当該保持トレイが前記搬送駆動ローラから搬送力を受けて行える長さで構成されていることを特徴とするものである。ここで、記録ヘッドからのインクの吐出開始のタイミングにおける保持トレイの位置を「記録開始ポジション」、吐出終了のタイミングにおける保持トレイの位置を「記録終了ポジション」と定義する。
【0008】
本態様によれば、前記保持トレイは、前記記録開始ポジションから記録終了ポジションまでの搬送を、当該保持トレイが前記搬送駆動ローラから直接搬送力を受けて行え、他の送り手段に切り換えることなく行える長さで構成されている。すなわち、被記録材に記録を行って完結するに際しては該被記録材の搬送方向の全長分に相当する長さだけ搬送すれば足りるが、本発明では保持トレイの長さを必要最小限である前記被記録材の全長相当としたので、従来に比べて保持トレイの小型化をしっかりと実現することができる。また、上記の如く、記録完結に際して、搬送途中で他の送り手段に切り換えることがないので、小型化を実現しつつ、搬送精度を低下しないようにすることができる。
【0009】
本発明の第3の態様は、前記第2の態様に係る記録装置において、前記搬送駆動ローラと共に前記保持トレイを支持することにより、前記記録開始ポジションから前記記録終了ポジションまでの前記保持トレイの搬送時の姿勢を規定する他の姿勢保持部をさらに備えており、前記他の姿勢保持部は、第1の被記録材における通過領域の外側の位置で前記保持トレイを支持することを特徴とするものである。
【0010】
保持トレイの先端縁をセットされた被記録材の外縁より後退させた構造にして、記録実行領域において被記録材の先端側から記録を開始する場合は、保持トレイの先端側を排出駆動ローラで支えて姿勢を保って記録するということは構造的に不可能で行えない。そのため、記録ヘッドに対する姿勢が本来のあるべき姿勢からずれてしまう虞がある。
【0011】
しかし、本態様によれば、記録開始ポジションから記録終了ポジションまでの搬送時の保持トレイの姿勢は、前記搬送駆動ローラと、更に他の姿勢保持部とによって保持されるので、排出駆動ローラを構造的に使うことができなくても、保持トレイを本来のあるべき姿勢に保って記録を行うことができる。
後述するプラテンリブは、可撓性の被記録材(第1の被記録材)の搬送姿勢を規定することに主眼が置かれるため、保持トレイの姿勢規定という点では必ずしも適切ではないが、保持トレイのみを支持し得る他の姿勢保持部により、保持トレイの搬送時の姿勢が好適に維持できる。
【0012】
本発明の第4の態様は、前記第3の態様に係る記録装置において、前記搬送駆動ローラと共に前記保持トレイを挟持する搬送従動ローラをさらに備えており、前記搬送駆動ローラと搬送従動ローラの相対配置は、被搬送材の前記搬送駆動ローラより下流側の部位に対して前記他の姿勢保持部に向かう押付力を発生するように構成されていることを特徴とするものである。
【0013】
通常、用紙等の軟質被記録材に記録を行う際に、該用紙をプラテンに押し付けて記録ヘッドとの距離を一定に安定させ、また用紙の先端や後端の浮きを防止するために、当該搬送駆動ローラと搬送従動ローラの相対配置は、用紙の前記搬送駆動ローラより下流側の部位に対して前記他の姿勢保持部に向かう押付力を発生する、所謂「逆ぞり構造」に構成されている。この「逆ぞり構造」の場合は、排出駆動ローラを使えない場合は特に保持トレイが本来の姿勢からずれ易い。
本発明の前記「他の姿勢保持部」を有する構成は、特に「逆ぞり構造」の場合に有効であると言うことができる。
【0014】
本発明の第5の態様は、前記第1の態様から第4の態様のいずれか一つの記録装置において、前記保持トレイは移動長さの全長より短く形成されていると共に、該保持トレイの前記移動長さの移動を可能にする拡張移動機構を備えていることを特徴とするものである。
【0015】
本態様によれば、拡張移動機構によって、保持トレイの全移動長さより短く形成されている短寸の保持トレイの使用が可能になり、保持トレイを記録装置本体に内蔵する構造を装置本体を大型化することなく実現することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、本発明に係る記録装置について説明する。最初に本発明の記録装置を実施するための最良の形態としてインクジェットプリンタ1を採り上げて、その全体構成の概略を図面に基づいて説明する。
【0017】
図1はインクジェットプリンタの内部構造を示す斜視図、図2はインクジェットプリンタの内部構造の概略を示す保持トレイが格納ポジションに位置しているときの側断面図である。図3は同インクジェットプリンタの保持トレイが記録実行開始ポジションに位置しているときの側断面図、図4は同インクジェットプリンタの保持トレイが記録実行終了ポジションに位置しているときの側断面図である。また図5は同インクジェットプリンタの保持トレイがセットポジションに位置しているときの側断面図である。
【0018】
尚、図示のインクジェットプリンタ1は、上部に図示を省略した画像読取り装置(スキャナ)を搭載した複合型のインクジェットプリンタであり、用紙やフィルム等の軟質の被記録材(第1の被記録材)Pと、CD−RやDVD−R等を含む光ディスク等の硬質の被記録材(第2の被記録材)Qとの両方に対して記録を実行することができるタイプのインクジェットプリンタである。また、図示のインクジェットプリンタ1は、前記2種類の被記録材P、Qの記録実行領域での搬送方向Aと交差する幅方向Bに往復移動し得るキャリッジ40の下面に記録ヘッド42を搭載したシリアルプリンタである。
【0019】
このインクジェットプリンタ1は、外観が比較的フラットな面によって構成されている矩形筐体状の記録装置本体であるプリンタ本体2を備えている。そして、前記プリンタ本体2の前面2aの中央下部に多数枚の軟質の被記録材(普通紙等)Pを積畳状態で収容し得る給送用カセット11が着脱可能に装着されている。また、該給送用カセット11の装着面の上方には記録実行後の前記被記録材Pを積畳状態でスタックするための排出用スタッカ47が設けられている。この他、プリンタ本体2の前面2aには各種の操作指令を実行するための図示しない操作ボタンと、各種のインクカートリッジを収容するための図示しないカートリッジホルダ等が設けられている。
【0020】
給送用カセット11は、軟質の被記録材Pの搬送経路の始発位置に設けられる部材で、給送用カセット11内に収容された前記被記録材Pは、自動給送装置3によって最上位のものから順番に1枚ずつ繰り出されて後述するU字反転経路50に向けて給送されるようになっている。自動給送装置3は、給送用カセット11内の上位の前記被記録材Pを後方に引き出すピックアップローラ16と、後方に引き出された上位の被記録材Pを予備分離しながらU字反転経路50に導く分離斜面12と、該分離斜面12の後部斜め上方において自由回転可能な状態で設けられる第1ガイドローラ20と、該第1ガイドローラ20の後部斜め上方に設けられる分離ローラ21とを備えることによって構成されている。
【0021】
また、前記ピックアップローラ16は、揺動軸18を中心に揺動する揺動アーム17の先端部に設けられており、給送時に前記被記録材Pの上面に圧接されて搬送方向Aへの回転によって給送用カセット11内の上位の被記録材Pを後方に引き出すことができるようになっている。前記分離ローラ21は、トルクリミッタが接続された分離従動ローラ22と、分離駆動ローラ23との一対のニップローラによって構成されており、前記分離斜面12による予備分離では分離できなかった後続の被記録材Pを最上位の被記録材Pから完全に分離させる本分離作用を担っている。
【0022】
前記自動給送装置3によって給送された軟質の被記録材Pは、U字反転経路50内を搬送されて記録ポジション51に導かれる。記録ポジション51の下方には搬送されてきた前記被記録材Pないし保持トレイ(硬質の被記録材Qを保持する)の下面を支持して記録ヘッド42下面との間のギャップPGを規定するプラテン38が設けられている。尚、プラテン38は、支持部材である搬送案内部39と、該搬送案内部39の上面に形成されているプラテンリブ38aと、記録の実行に使用されなかった余剰のインクを回収するためのインク回収溝39aとを備えることによって構成されている。プラテンリブ38aは可撓性の被記録材P(第1の被記録材)の搬送姿勢を規定することに主眼が置かれるものである。
【0023】
一方、記録ポジション51の上方には記録実行装置4の主要な構成部材である記録ヘッド42と、該記録ヘッド42を下面に搭載した状態で幅方向Bにキャリッジガイド軸41に案内されて往復移動し得るキャリッジ40とが設けられている。更に、記録実行装置4には前記記録ヘッド42に各色のインクを供給する図示しない複数本のインクチューブ及びインク供給ポンプと、キャリッジ40のホームポジションに設けられる図示しないキャッピング装置と、軟質被記録材Pと硬質被記録材Qとの切替え時等に使用される図示しない自動ギャップ調整機構等とが備えられている。
【0024】
また、前記記録ポジション51の搬送方向Aにおける下流位置には、被記録材の排出装置6が設けられている。被記録材の排出装置6は、排出駆動ローラ44と排出従動ローラ45との一対のニップローラによって構成される排出用ローラ43と、上述した排出用スタッカ47とを備えることによって構成されている。また、前記排出用スタッカ47には入れ子状にその内部に収容される延長スタッカ48が引出し、格納自在に設けられている。
【0025】
次に、このようにして構成されるインクジェットプリンタ1に対して適用される当該被記録材の搬送装置5を備えた記録装置について図面に基づいて具体的に説明する。
【0026】
図6は保持トレイが格納ポジションに位置しているときの拡張移動機構を示す平面図、図7は図6中のA−A断面図である。図8は保持トレイがセットポジションに位置しているときの拡張移動機構を示す平面図、図9は図8中のB−B断面図である。図10は保持トレイとガイドアームを示す分解斜視図、図11は保持トレイが格納ポジションに位置しているときの斜め上部後方からの斜視図である。また図12は上部経路構成部材を示す下面図である。
【0027】
図13は保持トレイと拡張移動機構の作動態様を示す保持トレイが格納ポジションに位置しているときの平面図、図14は同保持トレイが記録実行開始ポジションに位置しているときの平面図である。図15は同保持トレイが記録実行終了ポジションに位置しているときの平面図、図16は同保持トレイがセットポジションに位置しているときの平面図である。図17は本実施例の被記録材の搬送装置を示す保持トレイがセットポジションに位置しているときの斜視図、図18は同保持トレイが記録実行領域に位置しているときの平面図である。
【0028】
この被記録材の搬送装置5は、CD−R等の硬質の被記録材(第2の被記録材)Qをセットするプリンタ本体2に内蔵された短寸の保持トレイ55と、前記保持トレイ55のセットポジション53と格納ポジション54間の往復移動を案内する往復移動経路56と、前記往復移動経路56の途中に設けられ、前記保持トレイ55に搬送力を付与する搬送駆動ローラ35と搬送従動ローラ36とによって構成される搬送用ローラ(搬送手段)43と、前記保持トレイ55の後端部に接続され、前記保持トレイ55のセットポジション53と格納ポジション54間の移動を可能にする移動ストロークSの拡張機能を有する拡張移動機構59と、を備えることによって基本的に構成されている。
【0029】
また、該被記録材の搬送装置5にあっては、前記構成に加えて軟質の被記録材(普通紙等)Pを多数枚積畳状態で収容し得る上述した給送用カセット11と、前記軟質被記録材Pの給送用カセット11からの後方への給送と、U字反転そしてプリンタ本体2の前面2aに向けての搬送を案内する上述したU字反転経路50と、前記保持トレイ55を、前記搬送用ローラ34に受け渡すまでの補助的な搬送を実行する補助搬送機構67と、が備えられている。
【0030】
尚、本明細書で使用する前記記録ポジション51とは、記録ヘッド42によって被記録材に記録が行われる記録実行領域を意味している。図3、図14において、符号60は硬質の被記録材Qに記録が開始されるときの保持トレイ55の先端位置を示しているが、以下のこの位置を保持トレイ55における記録開始ポジション60と称す。この記録開始ポジション60に対応して、硬質の被記録材Qへの記録が終了するときの保持トレイ55の先端位置が保持トレイ55における記録終了ポジションになる。図4、図15において、符号61は記録終了ポジションにおける保持トレイ55の先端位置を示している。
【0031】
最初に軟質の被記録材P用の搬送経路を構成するU字反転経路50について説明する。U字反転経路50は、プリンタ本体2内部の後部スペースを利用して設けられており、U字反転経路50の外側案内面50aを形成する一例として2分割された上方に位置する上部ハウジング63、64及び搬送案内上37と、下方に位置する下部ハウジング65と、U字反転経路50の内側案内面50bを形成する上述した上部経路構成部材57とを備えることによってU字反転経路50は構成されている。
【0032】
また、前記U字反転経路50には、図2〜図4に示すように、送り駆動ローラ26と送り従動ローラ27との一対のニップローラによって構成されている第1中間送りローラ25と、自由回転可能な第2ガイドローラ29と、送り駆動ローラ32と送り従動ローラ33との一対のニップローラによって構成されている第2中間送りローラ31とが設けられている。そして、これらの各ローラ25、29、31の送り及び案内作用によってU字反転経路50に供給された軟質被記録材Pは、当該U字反転経路50を通って、U字反転経路50の下流近傍位置に設けられる上述した搬送用ローラ34のニップ点に供給されるようになっている。
【0033】
搬送用ローラ34は、ローラ駆動軸35aによって支持された搬送駆動ローラ35と、前記搬送案内上37の先端において自由回転可能な状態で設けられている搬送従動ローラ36との一対のニップローラによって構成されている。また、前記搬送従動ローラ36の搬送方向Aの位置は、搬送駆動ローラ35の搬送方向Aの位置よりも幾分下流にずれた位置、所謂「逆ぞり構造」に設定されている。そして、このような「逆ぞり構造」の搬送用ローラ34を採用することによって、供給された軟質被記録材Pの先端を下方のプラテンリブ38aに押し付けてヘッド擦れを防止し、記録品質の向上を図っている。
【0034】
また、前記ローラ駆動軸35aには、図示しない駆動モータからの動力が伝達されて、被記録材P及び保持トレイ55(被記録材Q)の各搬送を実行する他、ギヤ輪列66を介して補助搬送機構67に動力を伝達させて保持トレイ55の格納ポジション54からの移動開始動作と、格納ポジション54に戻す移動終了動作とを実行できるようになっている。
また、前記ローラ駆動軸35aには、図示しないクラッチ装置が設けられており、クラッチ装置の係合位置を適宜可変することによって、上述した図示しないインク供給ポンプ、キャッピング装置、自動ギャップ調整機構及び自動給送装置3に対して選択的にローラ駆動軸35aの動力を伝えることができるようになっている。
【0035】
保持トレイ55は往復移動における全移動長さより短く形成されている。すなわち、保持トレイ55は、図10に示すように、奥行き寸法の短い短寸の矩形平板状の部材である。保持トレイ55の上面55aにおける幅方向の中央位置の幾分前方寄りの位置には、硬質被記録材Qをセットするためのセット凹部71と、その中心にセットされた硬質被記録材Qを保持する保持凸部72とが設けられている。また、前記保持トレイ55にセットできる硬質被記録材Qとしては、12cm直径あるいは8cm直径のCD−R、CD−RW、DVD−R、DVD−RWあるいは次世代の光ディスクとして注目されているブルーレイディスクや今後開発されるものを含めた種々の光ディスク等が適用可能である。
【0036】
図10に示すように、前記保持トレイ55の先端縁80は、櫛歯状の凹凸形状に形成されており、このうちの凸部が前下がり傾斜の案内爪84になっている。また、前記保持トレイ55の後端部の左右のコーナ部付近には、後述する拡張移動機構59の左右のガイドアーム74L、74Rのそれぞれの先端部74a、74aと回転自在に接続される舌片状をした接続片75L、75Rが設けられている。そして、向かって左側の接続片75Lの下面と向かって右側の接続片75Rの上面には、後述する左右の接続穴78L、78Rに係合する、先端部に係止フランジ部85を備えた茸状の接続凸部75aが設けられている。
【0037】
往復移動経路56は、前記保持トレイ55が格納ポジション54に位置しているときに保持トレイ55の下面55bを支持する下部経路構成部材62と、前記保持トレイ55の左右の側縁(エッジ)に摺接して保持トレイ55の移動を案内する左右のエッジガイド76L、76Rと、保持トレイ55が記録ポジション51に位置している時に保持トレイ55の下面55bと対向する前記搬送案内部39と、保持トレイ55がセットポジション53に位置しているときに保持トレイ55の下面55bを支持する前記排出用スタッカ47とを備えることによって構成されている。
【0038】
下部経路構成部材62は、前記保持トレイ55とほぼ同じ大きさの短形平板状の部材で、前記左右のエッジガイド76L、76Rは下部経路構成部材62の左右の側縁部から上方に向けて垂直に立ち上げられている。また、図10、図15に示すように、下部経路構成部材62には、次に述べる拡張移動機構59における向って右側のガイドアーム74Rの基端部74bに設けられているガイドピン79と係合する平面視L字形のガイドレール(ガイド部)77Rが刻設されている。
【0039】
拡張移動機構59は、前記保持トレイ55の後端部に対して回動自在に接続されている左右一対のガイドアーム74L、74Rと、これらのガイドアーム74L、74Rの基端部74b,74b(図9)に設けられているガイドピン79、79と係合してガイドアーム74L、74Rの姿勢と移動を案内する左右一対のガイドレール(ガイド部)77L、77Rとを備えることによって構成されている。
【0040】
ガイドアーム74L、74Rは、幅狭で先端部74a、74aが丸く加工された長尺な平板状の部材である。また、ガイドアーム74L、74Rは、先端部74a側と基端部74b側とで形状が異なっており、先端部74a側は幅広で肉厚、基端部74b側は幅狭で肉薄になっている。また、前記肉薄部分で左右のガイドアーム74L、74Rが重ね合わされることによって厚さを大きくすることなく左右のガイドアーム74L、74R間も干渉を防止してコンパクトに折り畳まれた姿勢で収納できるようになっている。因みに本実施例では、前記重ね合わせた部分において上方に位置しているのが向って左側のガイドアーム74L、下方に位置しているのが向って右側のガイドアーム74Rになっている。
【0041】
また、向って左側のガイドアーム74Lの先端部74aは、上面が一段低くなった段差形状になっており、その中心には保持トレイ55の向って左側の後端部に設けられている前記接続片75Lの下方に突出した接続凸部75aを受け入れる長穴形状の接続穴78が形成されている。一方、向って右側のガイドアーム74Rの先端部74aは、下面が一段低くなった段差形状になっており、その中心には保持トレイ55の向って右側の後端部に設けられている前記接続片75Rの上方に突出した接続凸部75aを受け入れる長穴形状の接続穴78Rが形成されている。そして、前記接続片75L、75Rとガイドアーム75L、75Rのそれぞれの先端部74a、74aとが接続された状態において、前記接続凸部75a、75aがぞれぞれの接続穴78L、78Rから突出することがないように形成されている。
【0042】
従って、前記保持トレイ55と左右一対のガイドアーム74L、74Rは、搬送用ローラ34との接触範囲内において厚さがほぼ一定になるように形成されている。特に、保持トレイ55が記録実行終了ポジションとセットポジション53との間を移動するときには、前記2本のガイドアーム74L、74Rが搬送用ローラ34によって挟持されることによって、ガイドアーム74L、74Rを介して保持トレイ55に搬送力が付与されるようになっている。そのため、前記移動範囲内でのガイドアーム74L、74Rの搬送駆動ローラ34側の接触面86L、86Rは段差のない平坦面によって形成されている。
【0043】
また、前記保持トレイ55の向って左側(図10の視点)の接続片75Lとガイドアーム74Lとの接続部87Lと、前記保持トレイ55の向って右側の接続片75Rとガイドアーム74Rとの接続部87Rとには、成形誤差や組立誤差等によって微小な段差が生じている。しかし、左右の接続部87L、87R毎、保持トレイ55とガイドアーム74L、74Rとの位置関係が上下逆配置になるように構成されているため、前記左右の段差は搬送方向のずれた位置に位置するようになる。従って、前記接続部87L、87Rが搬送用ローラ34のニップ点を通過する際に、前記左右の段差は順番に搬送用ローラ34のニップ点を通過することになり、保持トレイ55の搬送は搬送方向A或いは戻し方向Dであるとに拘らず円滑に実行されるようになる。
【0044】
ガイドレール77L、77Rは、平面視L字形の左右対称配置された溝部によって構成されている。向って左側のガイドレール77Lは、上方に位置する上部経路構成部材57の内面57aに刻設されている。また、向かって右側のガイドレール77Rは、下方に位置する下部経路構成部材62の上面62aに刻設されており、向って左側のガイドレール77Lには、同じく向って左側に位置するガイドアーム74Lのガイドピン79が、そして向って右側のガイドレール77Rには同じく向って右側に位置するガイドアーム74Rのガイドピン79がそれぞれ係合して移動できるようになっている。従って、上部経路構成部材57は、上述したようにU字反転経路50の構成部材であるのと同時に、往復移動経路56の構成部材としても機能するように構成されている。
【0045】
また、前記保持トレイ55の搬送方向Aとこの方向Aと反対方向の戻し方向Dの移動は、前記搬送用ローラ34に加えて、補助搬送機構67によって実行されている。補助搬送機構67は、格納ポジション54に位置している保持トレイ55を記録実行開始ポジション60に受け渡すまでの移動と、記録実行開始ポジション60に位置している保持トレイ55を格納ポジション54に戻して格納するまでの移動を担っている。尚、補助搬送機構67としては、ラック・ピニオン機構が一例として適用でき、本実施例では、図13に示したように、保持トレイ55の上面55aにおける向かって右側の後部コーナ部近くにラック68を、前記ローラ駆動軸35aの動力を伝達するギヤ輪列66の終端部に前記ラック68と噛み合うピニオン69をそれぞれ配設した補助搬送機構67になっている。
【0046】
次に、このようにして構成される記録装置の作動態様を(1)格納(収納)時、(2)記録開始時、(3)記録終了時、(4)セット時に分けて説明する。
【0047】
(1)格納(収納)時(図2、図6、図7、図11、図13参照)
保持トレイ55が格納ポジション54に位置している場合には、図示のように下部経路構成部材62の後部スペースにおいて左右のガイドアーム74L、74Rが上下に重ね合わされたコンパクトな姿勢で収納されている。そして、この状態では、図2に示すように軟質被記録材Pに対する記録の実行が可能になっている。即ち給送用カセット11内に収容されている軟質被記録材Pは、自動給送装置3によって最上位の1枚の軟質被記録材PのみがU字反転経路50に供給される。
【0048】
そして、U字反転経路50では第1中間送りローラ25と第2中間送りローラ31とによって軟質被記録材Pに送り力が付与されて、更に第2ガイドローラ29と、U字反転経路50の外側案内面50a及び内側案内面50bと、搬送案内上37の内側案内面37aとによって案内されて軟質被記録材Pは搬送用ローラ34に導かれる。そして、搬送用ローラ34による挟圧送り作用によって、軟質被記録材Pは記録ポジション51に向けて搬送されて記録実行装置4による所望の記録が実行される。
【0049】
(2)記録開始時(図3、図9、図14参照)
格納ポジション54に位置している保持トレイ55は、補助搬送機構67及び搬送用ローラ34によって、先ずは図5、図16に示したセットポジション53に移動する。すなわち、保持トレイ55の上面55aのラック68にローラ駆動軸35aの動力がギヤ輪列66及びピニオン69を介して伝達されると、保持トレイ55は前方への移動を開始する。保持トレイ55の先端縁80が搬送用ローラ34のニップ点に至ると、前記搬送機構67からの動力伝達が終了し、保持トレイ55は搬送用ローラ34からの動力伝達が開始されて前記セットポジション53に至る。
【0050】
そして、保持トレイ55のセット凹部71に硬質の被記録材Qがセットされると、そのセットされた保持トレイ55は搬送用ローラ34によって戻され、図3、図14の記録開始ポジション60に位置される。次いで、搬送用ローラ34による搬送力によって保持トレイ55は、搬送方向Aに向けて搬送され、同時に幅方向Bに往復移動するキャリッジ40の往復動作によって上方から被記録材Qの被記録面の全幅に亘って記録ヘッド42から各色のインクが吐出されて、所望の記録が開始される。尚、保持トレイ55を使用するのは硬質の被記録材Qの被記録面に記録を実行する場合であるから、記録開始前に、記録ヘッド42とプラテン38間のギャップPGを図示しない自動ギャップ調整装置を作動させて上方に拡大し、硬質の被記録材Q用のギャップPGに設定される。
【0051】
(3)記録終了時(図4、図9、図15参照)
前記保持トレイ55が記録終了ポジションまで搬送されると、硬質の被記録材Qの被記録面に対する記録実行が終了する。図4、図15に示す保持トレイ55の先端の位置61は記録終了ポジションに位置している状態である。
【0052】
尚、保持トレイ55が記録開始ポジション60から記録終了ポジション61まで移動するときには、前記搬送用ローラ34によって直接、保持トレイ55が挟持されることによって該保持トレイ55に搬送力が付与されるので、保持トレイ55の正確且つ安定した円滑な搬送によって記録品質の向上が図られる。
【0053】
(4)セット時(図5、図8、図9、図16参照)
硬質被記録材Qを保持トレイ55にセットする場合や記録の実行が終了した硬質被記録材Qを保持トレイ55から取り出す場合には、保持トレイ55は、移動ストロークS分、一杯に前方に引き出した図5、図8、図9、図16に示すセットポジション53に位置される。そして、前記記録終了ポジション61からセットポジション53までの保持トレイ55の移動は、図示のように左右のガイドアーム74L、74Rを搬送方向Aに沿った姿勢にして搬送用ローラ34によって前記ガイドアーム74L、74Rを挟持することによって保持トレイ55に間接的に搬送力を付与することによって実行される。
【0054】
また、保持トレイ55が記録終了ポジション61とセットポジション53との間を移動している範囲内では、上述したようにガイドアーム74L、74Rの搬送駆動ローラ35側の接触面86L、86Rは段差のない平坦面によって形成されている。そして、左右の接続部87L、87Rでの保持トレイ55とガイドアーム74L、74Rとの位置関係が上述したように上下逆配置になっている。従って、保持トレイ55は、搬送用ローラ34によって直接、挟持されて搬送力が付与されていたときと同様に安定した姿勢が維持されて円滑に前記範囲内での搬送が実行される。
【0055】
そして、上述した格納ポジション54とセットポジション53間の保持トレイ55の移動と、記録実行開始ポジション60と記録実行終了ポジション61間の保持トレイ55の移動と、記録実行終了ポジション61とセットポジション53間の保持トレイ55の移動とを通じて左右のガイドアーム74L、74Rのそれぞれの基端部74b、74bに設けられているガイドピン79、79は、常にガイドレール77L、77Rと係合しながら移動し、図2、図6、図7、図11、図13に示す、上下に重ね合わされた折り畳まれた姿勢から図5、図8、図9、図16に示す、伸張姿勢にガイドアーム74L、74Rの姿勢を連続的に変化させながら移行して行く。
【0056】
尚、セットポジション53から格納ポジション54に向けての保持トレイ55の復路移動時における被記録材の搬送装置5の作動態様も前記保持トレイ55の往路移動時における被記録材の搬送装置5の作動態様と逆の手順を辿るだけで、その内容は前記と同様である。
【0057】
[実施例]
本発明の実施例に係る記録装置は、保持トレイ55のセット凹部71にCD−R等の硬質被記録材Qをセットし、搬送ローラ34により保持トレイ55を移動させて記録実行領域51において前記硬質被記録材Qに記録を実行する記録装置であって、前記セット凹部71の先端縁(保持トレイの先端縁)80はセットされた硬質被記録材Qの外縁より後退して構成されている。
【0058】
前記保持トレイ55は、前記硬質被記録材Qに対する記録開始ポジション60(図3、図14)から記録終了ポジション61(図4、図15)までの搬送を、当該保持トレイ55が前記搬送ローラ34から搬送力を受けて行える長さで構成されている。
【0059】
前記搬送ローラ34は、既述のように、保持トレイ55のセット凹部71の下面55bに接触して搬送力を付与する搬送駆動ローラ35と、保持トレイ55の上面55aに接触する搬送従動ローラ36の対から成り、前記保持トレイ55の記録開始ポジション60から記録終了ポジション61までの搬送時の姿勢は、前記搬送駆動ローラ35と、他の姿勢保持部184である支持段部185L,185R(図17、図18)によって保持される構成である。
【0060】
すなわち、本実施例の被記録材の搬送装置5は、前述した保持トレイ55と、搬送用ローラ34と、排出用ローラ43とを備えており、本実施例の特徴的構成として、記録実行領域51における保持トレイ55の搬送には、排出駆動ローラ44の送り力は作用させずに、前記搬送用ローラ34からの搬送力のみで行い、記録実行領域51における保持トレイ55の記録ヘッド42に対する平行度の確保、すなわち水平姿勢の保持は、前記排出駆動ローラ44以外の他の姿勢保持部184と、前記搬送駆動ローラ35とを使用して実行されるように構成されている。
【0061】
また、本実施例では、前記姿勢保持部184は前記搬送用ローラ34の下流位置に設けられている搬送案内部39の上面39aに形成されている支持段部185L、185Rによって構成されている。当該支持段部185L、185Rは、用紙等の軟質被記録材(第1の被記録材)Pにおける通過領域186の左右外側の近傍位置に設けられている。尚、前記支持段部185L、185Rの上面187L、187Rの高さは、前記搬送駆動ローラ35の外周面の頂部T0の高さと同一のレベルに設定されている。
【0062】
また、前記保持トレイ55の下面55bには、前記搬送駆動ローラ35の外周面と接触する凸部181と前記排出駆動ローラ44を受け入れる凹部182とを備えた凹凸構造部180が設けられている。そして、前記凹部182は排出駆動ローラ44の数に対応して複数設けられており、第2の被記録材Qの搬送方向Aに沿って平行に延びる溝部183によって構成されている。
【0063】
また、前記溝部183の幅寸法Wは、前記排出駆動ローラ44を個別に受け入れることができるよう、排出駆動ローラ44の長さよりも幾分、大きめに設定されており、溝部183の深さHは、前記保持トレイ55を使用して第2の被記録材Qを水平姿勢で搬送するに際して、前記溝部183の底面83aと排出駆動ローラ44の外周面との間に空隙ができる深さに設定されている。
【0064】
本実施例によれば、保持トレイ55は、セット凹部71の先端縁80を、セットされた硬質被記録材Qの外縁より後退させた構成、すなわち先端側を硬質被記録材Qよりも短くカットした構成である。よって、その「後退」させた分だけ保持トレイ55の送り方向の長さを短尺化することができ、部品の小型化を実現することができる。
【0065】
また、前記保持トレイ55は、前記記録開始ポジション60から記録終了ポジション61までの搬送を、当該保持トレイ55が搬送ローラ34から直接搬送力を受けて行え、他の送り手段に切り換えることなく行える長さで構成されている。すなわち、硬質被記録材Qに記録を行って完結するに際しては該硬質被記録材Qの搬送方向の全長分に相当する長さだけ搬送すれば足りるが、本実施例では保持トレイ55の長さを必要最小限である前記硬質被記録材Qの全長相当としたので、従来に比べて保持トレイ55の小型化を確実に実現することができる。また、記録開始から終了するまでに際して、搬送ローラ34による搬送を、その途中で他の送り手段に切り換えることがないので、上記の如く小型化を実現しつつ、搬送精度を低下しないようにすることができる。
【0066】
更に、保持トレイ55の記録開始ポジション60から記録終了ポジション61までの搬送時の姿勢は、搬送駆動ローラ35と、他の姿勢保持部184である支持段部185L,185Rによって保持される構成である。保持トレイ55のセット凹部71の先端縁80を、セットされた硬質被記録材Qの外縁より後退させた構造にして、記録実行領域において硬質被記録材Qの先端側から記録を開始する場合は、保持トレイ55の先端側を排出駆動ローラ44で支えて姿勢を保って記録するということは構造的に不可能で行えない。そのため、記録ヘッド42に対する姿勢が本来のあるべき姿勢からずれてしまう虞がある。
【0067】
しかし、本実施例によれば、記録開始ポジション60から記録終了ポジション61までの搬送時の保持トレイ55の姿勢は、搬送駆動ローラ35と、更に姿勢保持部184である支持段部185L,185Rとによって保持されるので、排出駆動ローラ44を構造的に使うことができなくても、保持トレイ55を本来のあるべき姿勢に保って記録を行うことができる。
【0068】
また通常、用紙等の軟質被記録材Pに記録を行う際に、該用紙をプラテン38に押し付けて記録ヘッド42との距離を一定に安定させ、また用紙の先端や後端の浮きを防止するために、当該搬送駆動ローラ35と搬送従動ローラ44の相対配置は、所謂「逆ぞり構造」に構成されているが、この「逆ぞり構造」の場合は、排出駆動ローラ44を使えない場合は特に保持トレイ55が本来の姿勢からずれ易い。しかし、本実施例の前記姿勢保持部184である支持段部185L,185Rを有する構成は、特に「逆ぞり構造」の場合に有効であると言うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0069】
【図1】本実施例に係るインクジェットプリンタの内部構造を示す斜視図。
【図2】同インクジェットプリンタの保持トレイ格納時の側断面図。
【図3】同インクジェットプリンタの記録開始時の側断面図。
【図4】同インクジェットプリンタの記録終了ポジションに位置するときの側断面図。
【図5】同インクジェットプリンタの硬質被記録材セット時の側断面図。
【図6】拡張移動機構を示す保持トレイ格納時の平面図。
【図7】図6中のA−A断面図。
【図8】拡張移動機構を示す硬質被記録材セット時の平面図。
【図9】図8中のB−B断面図。
【図10】保持トレイとガイドアームの接続構造を示す分解斜視図。
【図11】保持トレイ格納時の拡張移動機構を示す斜視図。
【図12】上部経路構成部材を示す下面図。
【図13】被記録材の搬送装置を示す保持トレイ格納時の平面図。
【図14】同インクジェットプリンタの記録実行開始時の平面図。
【図15】同インクジェットプリンタの記録実行終了ポジションに位置するときの平面図。
【図16】同インクジェットプリンタの硬質被記録材セット時の平面図。
【図17】本実施例の被記録材の搬送装置を示す保持トレイがセットポジションに位置しているときの斜視図。
【図18】、同保持トレイが記録実行領域に位置しているときの平面図。
【符号の説明】
【0070】
1 インクジェットプリンタ(記録装置)、 2 プリンタ本体(記録装置本体)、 2a 前面、 3 自動給送装置、 4 記録実行装置、 5 被記録材の搬送装置、 6 被記録材の排出装置、 11 給送用カセット、 12 分離斜面、 16 ピックアップローラ、 17 揺動アーム、 18 揺動軸、 20 第1ガイドローラ、 21 分離ローラ、 22 分離従動ローラ、 23 分離駆動ローラ、 25 第1中間送りローラ、 26 送り駆動ローラ、 27 送り従動ローラ、 29 第2ガイドローラ、 31 第2中間送りローラ、 32 送り駆動ローラ、 33 送り従動ローラ、 34 搬送用ローラ、 35 搬送駆動ローラ、 35a ローラ駆動軸、 36 搬送従動ローラ、 37 搬送案内上、 37a 内側案内面、 38 プラテン、 38a プラテンリブ、 39 搬送案内部、 39a インク回収溝、 40 キャリッジ、 41 キャリッジガイド軸、 42 記録ヘッド、 43 排出用ローラ、 44 排出駆動ローラ、 45 排出従動ローラ、 47 排出用スタッカ、 48 延長スタッカ、 50 U字反転経路、 50a 外側案内面、 50b 内側案内面、 51 記録ポジション、 53 セットポジション、 54 格納ポジション、 55 保持トレイ、 55a 上面、 55b 下面、 56 往復移動経路、 57 上部経路構成部材、 57a 内面、 58 内部空間、 59 拡張移動機構、 60 記録実行開始ポジション、 61 記録実行終了ポジション、 62 下部経路構成部材、 62a 上面、 63 上部ハウジング、 64 上部ハウジング、 65 下部ハウジング、 66 ギヤ輪列、 67 補助搬送機構、 68 ラック、 69 ピニオン、 71 セット凹部、72 保持凸部、 74 ガイドアーム、 74a 先端部、 74b 基端部、 75 接続片、 75a 接続凸部、 76 エッジガイド、 77 ガイドレール(ガイド部)、 78 接続穴、 79 ガイドピン、 80 先端部、 84 案内爪、 85 係止フランジ部、 86 接触面、 87 接続部、 88 回動支点、 89 アーム要素、 90 アーム要素、 91 リンク片、 180 凹凸構造部、181 凸部、181a 天面、182 凹部、183 溝部、183a 底面、184 他の姿勢保持部、185 支持段部、186 通過領域、187 上面、 P 軟質被記録材(第1の被記録材)、 Q 硬質被記録材(第2の被記録材)、 A 搬送方向、 B 幅方向、 PG ギャップ、 S 移動ストローク、 D 戻し方向

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の被記録材と、第2の被記録材をセット可能な保持トレイとを、搬送駆動ローラにより搬送しつつ、記録を実行する記録装置であって、
前記保持トレイの先端縁はセットされた前記第2の被記録材の外縁より後退していることを特徴とする記録装置。
【請求項2】
請求項1に記載の記録装置において、
前記保持トレイは、前記第2の被記録材に対する記録開始ポジションから記録終了ポジションまでの搬送を、当該保持トレイが前記搬送駆動ローラから搬送力を受けて行える長さで構成されていることを特徴とする記録装置。
【請求項3】
請求項2に記載の記録装置において、
前記搬送駆動ローラと共に前記保持トレイを支持することにより、前記記録開始ポジションから前記記録終了ポジションまでの前記保持トレイの搬送時の姿勢を規定する他の姿勢保持部をさらに備えており、
前記他の姿勢保持部は、第1の被記録材における通過領域の外側の位置で前記保持トレイを支持することを特徴とする記録装置。
【請求項4】
請求項3に記載の記録装置において、
前記搬送駆動ローラと共に前記保持トレイを挟持する搬送従動ローラをさらに備えており、
前記搬送駆動ローラと搬送従動ローラの相対配置は、被搬送材の前記搬送駆動ローラより下流側の部位に対して前記他の姿勢保持部に向かう押付力を発生するように構成されていることを特徴とする記録装置。
【請求項5】
請求項1から4のいずれか1項に記載の記録装置において、
前記保持トレイは移動長さの全長より短く形成されていると共に、該保持トレイの前記移動長さの移動を可能にする拡張移動機構を備えていることを特徴とする記録装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate

【図17】
image rotate

【図18】
image rotate


【公開番号】特開2010−6541(P2010−6541A)
【公開日】平成22年1月14日(2010.1.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−167725(P2008−167725)
【出願日】平成20年6月26日(2008.6.26)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】